説明

静電噴霧を用いてコーティングを作る方法及び装置

本発明は、単一材料、又は複数種類の材料の複合材料を含有するコーティングを作り出すための方法であって、初めに静電噴霧被覆を行ってベース層を堆積し、次いで、結合工程を行うための、化学気相浸透以外の他の方法を用いる方法。更に、幾種類かの材料及び用途に対しては、満足できるコーティングを獲得するため、堆積を行う前、被覆用材料に対するある前プロセス又は前処理が必要である。本出願は、静電噴霧被覆堆積を行う前に材料の前堆積処理を加えるための方法を開示する。本出願は、コーティングの追加的な機能性又は性能特性を提供する後プロセスを行う方法を更に開示する。最後に、本出願は、本明細書に記述される諸方法を達成するためのある種の装置及び設備を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、表題「静電噴霧を用いてコーティングを作る方法及び装置」の、2006年10月19日に出願された米国仮特許出願シリアル番号60/852,931号に基づく優先権を主張する。
本発明は、コーティングを堆積させる中核的方法として静電噴霧を用いることを含む、様々な材料組成物からコーティング及び物品を作るための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これらのコーティングを、例えば、とりわけ、切削工具及び摩耗部品のための耐摩耗性コーティングと、工具及び摩耗部品のための固体潤滑コーティングと、生体医用インプラントのための、生物に害を及ぼさないコーティング又は殺生物性コーティングと、マイクロエレクトロニクスのための薄膜コーティングとを含む様々な用途のために用いることができる。本明細書の詳細な記述の項に記述される方法及び装置の構想を用いて、単純な又は複雑な三次元形状を有する多くの様々な基体材料及び部品に、コーティングを施すことができる。
アジェイ(Ajay)P.マルシェ(Malshe)等に2003年8月19日交付された米国特許第6,607,782号の明細書には、静電噴霧被覆(ESC)を用いて基体上にベース層を堆積するか又は予備形成し、次いで、化学気相浸透(chemical vapor infiltration)(CVI)を行って、初期の相粒子に対する結合剤の優れた付着性と該基体に対する複合材料コーティングの付着性とを有する該複合材料コーティングを作り出す結合相を導入する方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
立方晶窒化ホウ素(cBN)及び窒化チタン(TiN)で構成される複合材料コーティングが炭化物基体上に作り出すために、静電噴霧被覆の後に化学気相浸透を行うことが首尾よく用いられてきた。しかし、化学気相浸透では基体が高温にさらされるので、損傷を受ける恐れのある幾種類かの材料にとって、または、高温によって劣化するそれら材料の特性にとって、化学気相浸透は適切でない。また、化学気相浸透反応器の大きさが制限されているため、結合工程としての化学気相浸透は、非常に大きい表面積を伴う用途に対しては実用的でない。これらの制限及び他の制限に起因して、我々は、静電噴霧被覆を用いて堆積された未処理コーティング(green coatings)に第2の相を施す追加的方法を考案した。結果として得られる新規な二段階被覆プロセスを、本明細書に開示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、単一材料、又は複数種類の材料の複合材料を含有するコーティングを作り出すための追加的方法であって、初めに静電噴霧被覆を行ってベース層を堆積し、次いで、結合工程を行うための、化学気相浸透以外の他の方法を用いる追加的方法を含む。
【0005】
更に、幾種類かの材料及び用途に対しては、満足できるコーティングを獲得するため、堆積を行う前に、被覆用材料の何かしらの前プロセス(pre-processing)又は前処理が必要である。本発明は、様々な態様において、静電噴霧被覆堆積を行う前に材料の前堆積処理を加えるための方法を含む。本発明は、様々な態様において、コーティングの追加的な機能性又は性能特性を提供する後プロセス(post-processing)を行う方法を更に含む。
最後に、本発明は、様々な態様において、本明細書に記述される諸方法を達成するためのある種の装置及び設備を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】初めにベースコーティング層又は未処理コーティング層の堆積を行い、次いで、後堆積処理工程を行うことを含む二段階被覆方法を例示する。
【図2】堆積が行われる前、前堆積処理が被覆用材料に施される場合を示す。
【図3】乾燥粉末粒子を分離し、凝集を回避し、且つ、超微粒子を堆積用装置に選択的に供給するために用いられる流動化装置を例示する。
【図4】空気力を用いて粉末を解凝集するのに役立つジェットミルを例示する。
【図5】粉末が堆積用装置に供給される時、該粉末を解凝集するために用いられるエーロゾル噴霧器を示す。
【図6】環境への容認できない放出を防止しながら、堆積されている材料を収容するのに用いられる堆積用室であって、噴霧ガンから基体までの距離を調節するのを可能にし、且つ、未使用の被覆用材料を捕捉して再利用するために用いられる堆積用室を示す。
【図7】基体上にコーティングを均一に確実に堆積するために用いられる回転ステージを例示する。
【図8】堆積用室を備えた堆積用装置と統合された流動化を示す。
【図9】堆積用室を備えた堆積用装置と統合されたジェットミルを示す。
【図10】改善された静電噴霧被覆用ガンの設計であって、材料が該ガンの内側に蓄積されるのを最小限に抑え、且つ、該ガンを通過する流れの均一性を改善する設計を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここに開示されるのは、基体上にコーティングを作るための方法及び装置であって、初めに静電噴霧を行ってベースコーティング層又は未処理コーティング層を堆積させるものである。
【0008】
二段階被覆法−概要
図1は、基体上にコーティングを作るための二段階法を例示する。基体170を、堆積用装置200内に配置する。1種類以上の被覆用材料150を、堆積用装置200の中に導入する。これらの被覆用材料は、乾燥粉末形態であっても、液体懸濁液形態であってよく、また、ナノサイズ粒子若しくはマイクロサイズ粒子、又はそれらの粒子の組合せを含有することができる。複数種類の材料は、一緒に組み合わされ得るか、又は別々に堆積用装置200の中に導入され得る。窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、硫化物及びケイ化物を包含する様々な材料を用いることができる。
堆積用装置200は、基体上に初期のコーティング又はベース層を作るための幾種類かの方法のいずれを用いてもよい。そのような堆積方法の1つは、ウィリアム(William)D.ブラウン(Brown)等に2003年4月8日交付された米国特許第6,544,599号、及びアジェイP.マルシェ等に2003年8月19日交付された米国特許第6,607,782号の明細書に記述されるような静電噴霧被覆(ESC)である。静電噴霧被覆による堆積は、乾燥粉末噴霧として、又は、適切なキャリヤ液体の中に入れた被覆用材料の分散系を使用する液体噴霧として行われ得る。
【0009】
初めの堆積工程の後、1種類以上の被覆用材料の乾燥固体粒子は、基体と接触している。図1に例示されるように、堆積物を有する基体270は、堆積工程200の出力である。ベース層の堆積物を有する基体270は、次いで、後堆積処理工程300を経る。後堆積処理を用いて、堆積済み乾燥粒子を相互に結合させ且つ基体に結合させる。適切な処理方法には、
・化学気相浸透(Chemical vapor infiltration)(CVI)であって、化学蒸着(CVD)に類似するが、結合剤が多孔性乾燥粉末堆積物の中に浸透して、基体とそれら乾燥粒子との両方と接触するような、より遅い反応速度を用いるもの、及び
・焼結法であって、
・マイクロ波焼結法
・レーザー焼結法
・赤外線焼結法
を包含する、幾種類かの選択し得る焼結法のいずれかを単独で用いるか、又は組み合わせて用いる焼結法、
が包含される。
【0010】
これらの方法の各々は、高エネルギー(マイクロ波、レーザー、赤外線、又は高温高圧)の1つ以上のショートバースト(short bursts)を行って、初期被覆堆積物の粒子を焼結し、それら粒子を相互に結合させ且つ基体に結合させる。
他の結合方法は、高温高圧(HT−HP)、即ち、現在、多結晶質立方晶窒化ホウ素(PCBN)の中実成形体を製造することを含む様々な目的で用いられているプロセスを用いるものである。本発明の1つの態様において、高温高圧は、堆積された諸粒子を相互に結合させ且つ基体に結合させるための後堆積物結合工程として用いられる。
【0011】
幾つかの態様において、後堆積物結合工程300の後、(図示されていない)追加的処理工程を行って、コーティングに追加相を追加する。このことの1つの例は、ベースコーティングの堆積及び焼結を行った後、該ベースコーティングに活性生物剤を施す目的で、最終工程として、静電噴霧被覆又は超音波噴霧堆積(ultrasonic spray deposition)を用いることである。より具体的な例として、歯科インプラント又は他の生物医学デバイスであって、場合により多孔性表面層を有するデバイスは、静電噴霧被覆を用い、次いで、ベースコーティングのマイクロ波焼結法を用いて被覆され得る。その場合、追加の後焼結堆積工程において、活性剤(例えば、殺生剤若しくは抗菌剤、骨形態形成タンパク質のような他の活性剤、又は、移植後の該デバイスの表面に薬物を運ぶための薬剤運搬粒子)を施すことができる。これらは、特定の目的で追加成分をベースコーティングに施すために、後プロセス工程を用いることのできる方法の適切な実例である。
【0012】
後堆積処理(post-deposition treatment)300の後に使用し得る、(図示されていない)他の追加的処理工程を用いて、コーティングの結合を強化することができ、且つ、該コーティング中の欠陥及び不均一性を低減するか又は除去することができる。例えば、硬質コーティングを得るための適切な処理(例えば、切削工具を得るために用いられるもの)には、高温高圧(HT−HP)及び赤外線焼結法(パルス赤外線照射)が包含される。基体上の仕上げコーティングの特性を改善するために、過渡エネルギー源を用いる他の方法を用いることもできる。
図2に示されるように、本発明の幾つかの態様は、任意的な前堆積処理(pre-deposition treatment)工程100を含む。未処理の被覆用材料50は、処理済み被覆用材料150として堆積用装置200へ進む前に処理される。前処理を用いて、被覆用材料粒子を解凝集する(de-agglomerate)ことができる。堆積物を被覆する前に材料を処理するために、又は、いずれの被覆用堆積装置とも独立した他の目的で、本明細書に開示される前処理方法を用いることができる。
【0013】
本明細書に開示される前処理方法は、堆積を行う前の前プロセス工程として、次の諸目的のいずれか1つ以上のために用いることができる。
・ 流動化、サイズ識別(size discrimination)及び分離…流動化は、乾燥粉末粒子の分離を維持するのに役立ち、粒子の凝集又は集塊化を減少させ、且つ、超微粒子又はより小さい粒度の粒子を選択的に供給することを可能にする。より小さい粒子を識別して選択的に供給するための他の方法をも用いることができる。
・ 解凝集…とりわけ超微粒子及びナノ粒子は、集塊化するか又は凝集して、基礎となる粒度よりも遥かに大きくなる場合があるクラスター即ち「凝集体(agglomerates)」を形成する傾向があることは周知である。材料を解凝集することは、クラスターの個数及びサイズを減少させるのに有効であり、そのことは、ナノサイズ粒子の有利な特性を維持するのに役立ち、しかも、用途に基づき必要であれば、仕上げコーティングの均一性及び表面粗さを改善する。
・ 機能化…特定の目的のために、粒子を機能化することができる。
【0014】
前堆積処理を加える方法及び装置
本明細書に、材料の前堆積処理を加えるための様々な方法及び装置を記述する。これらは、単独で用いられるか、又は、本明細書に記述される様々な堆積方法/装置と一緒に用いられることがある。
【0015】
流動化のための方法及び装置
1つの態様において、ナノ粒子、微粒子又はそれらの組合せから成る乾燥粉末は、空気力を用いて流動化される。図3は、このことを例示する。流動床11は、1つ以上の粉末入口7を通して受入れ粉末を受け入れる。受入れ粉末は、様々な粒度の粒子を含有することができ、それらの粒子は全て、流動床に導入される。圧縮空気の供給は、適切なフィルター1、流量計2及び制御弁3を通して流動化装置の空気入口4に提供される。制御弁及び流量計によって、空気流量の制御が可能となる。空気は、シリカビーズ(silica beads)5の層を通過する。シリカビーズは、均一なガス流がその流れ領域を確実に横切るのを助け、且つ、乾燥剤としても作用する(シリカビーズは、定期的に取り替えられる)。空気は、次いで、多孔質の流動化装置プレート6を通過し、次いで、前記粉末が入口7で導入される上記室の中に入る。
【0016】
空気力によって粉末粒子が動いている状態に置かれ、より小さい粒子が流動床11の上部まで上昇するような具合に、空気流量は調節される。その結果、空気流カラム8の高さ全体にわたって平均粒度の垂直方向勾配が生じて、より大きい粒子は該カラムの底部の方に存在し、より小さい粒子は上部の方に存在する。複数箇所の粉末出口9が備えられており、それらによって、流動化装置から取り出される粒子の粒度を調整することが可能となる。流動化装置から粒子を取り去るために、出口9の1箇所に粉末取出し管10が配置される。使用されない出口には蓋をかぶせる。複数箇所の粉末出口を備えることによって、(粉末取出し管を一方の出口から他の出口に移動させて)粉末取出し管の位置を調整することにより超微細粉末粒子を選択的に供給する能力が提供される。この方法において、超微細である粒子の分級物は、超微細粒子のより小さい質量流量に起因し、堆積時間とバランスが保たれていなければならない。
【0017】
幾つかの態様において、(図示されていない)振動機を流動化装置の中に組み入れることによって、振動を、空気力と組み合わせて与えることもできる。振動機からの振動は、粉末粒子の付加的運動を引き起こすのに役立つ。振動機では、高速度で回転する、偏心質量(off-center mass)を有するモータによって作り出される機械的振動エネルギー、又は、音波による音響エネルギーが用いられる。
粉末のより大きいクラスターは、流動床11の底部に蓄積され、また、バッチ操作の一部として手動で除去されることが可能である。より大規模な操作を行うため、粉末を除去し且つ再利用する能力を提供することによって、このことを自動化することができる。
【0018】
サイズ識別及び供給の他の方法
粒度を識別し、ナノサイズ粒子又は超微粒子を選択的に供給する他の方法は、ミクロン篩(micron sieve)を用いて粉末を篩い分けることによるものである。篩(孔あき板又は孔あきスクリーン)を用いて、該篩の孔の寸法に基づき、より大きい粒子を選別して除き、より小さい粒子のみを回収して供給することができる。このことは、本明細書に記述される全ての前堆積処理方法に対する1つの選択肢として用いられ得る。
一定の粒度範囲の粒子を分離して供給するための更に他の方法には、重力、浮力及び/又は遠心力を用いて様々な粒度の粒子を分離することが包含される。1つの例は、(空気、窒素又は他のガスを用いる)流体流れの中に粒子を混入させ、次いで、より大きい粒子が外部へ捨てられ、その外部ではそれら粒子が除去され且つ再利用され、一方、より小さい粒子が下流へ堆積用装置200まで運搬されるような具合に、この流れの方向を変えることである。第2の例は、浮力はより小さい粒子を上昇させる傾向にあるが、より大きい粒子は浮力を超える重力によって落下する傾向にあるような具合に、ガスに混入させた粒子の低速度上昇流を作り出すことである。より小さい粒子を頂部又は側面から取り去り、次いで、堆積用装置200に供給する。
【0019】
解凝集
粒子を解凝集する諸方法を以下に記述する。これらの方法は、いずれの堆積用装置とも独立して適用されることが可能である。これらの解凝集方法の幾つかを、前処理及び堆積の統合された方法、並びに、前処理及び堆積を実施するための装置と関連させて、後述する。
解凝集の1つの方法は、ジェットミル(jet mill)を用いて、高圧ガスジェットによる衝撃によってクラスターを粉砕するものである。そのガスは、空気、窒素、又は他の適切な様々なガスのいずれであってもよい。図4は、ジェットミルを例示する。乾燥粉末は、供給用漏斗3を通ってジェットミルの中に入る。空気(又は他のガス)の2つの源が提供されている、即ち、一方は押出し用空気として、他方は粉砕用空気として提供されている。押出し用空気は供給用ガス入口2から入り、入ってくる粉末は、その押出し用空気によって粉砕室6まで運搬される。粉砕用空気は、粉砕用空気入口1から入り、次いで、粉砕用空気多岐管7によって粉砕室の周辺に分配される。粉砕用空気によって作り出された空気力によって、押出し用空気と粉末粒子との混合物は、1枚壁又は衝突用旋回軸(impingement pivots)に衝突する。このことによって、集塊は粉々に壊れ、結果的に、粉砕室の中心に集合するより微細な粒子が得られる。これらの粒子は、ボルテックスファインダー(vortex finder)5によって回収され、次いで、微細な(又は微粉末化された)粉末粒子4は、粉末出口を通ってジェットミルを出る。
【0020】
解凝集の第2の方法は、粒子を液体の中に分散させるものであって、その液体が、分散及び解凝集を促進させる一定の特性を有するものである。例えば、我々は、エタノール等の溶媒を、「中性」又は両極性(bipolar)である界面活性剤と組み合わせて用いた。その液体分散系は、超音波処理(sonication)を併用して、該液体中の粒子の所望の分散を達成し維持するのに役立つ。該液体分散系は、堆積用装置(例えば、液体静電噴霧被覆を行うための堆積用装置)に直接供給され得るか、又は、該材料を堆積用装置(例えば、乾燥静電噴霧被覆を行うための堆積用装置)に供給する前に乾燥され得る。
解凝集の第3の方法は、上記のように粒子を液体に分散させ、次いで、乾燥粉末を堆積用装置に供給する前、超音波噴霧乾燥法を用いて該粒子を更に解凝集させて乾燥させるものである。超音波噴霧乾燥には、超音波噴霧ノズルを用いる過程であって、液体分散系を霧状にし、次いで、その過程の中で超音波振動の作用により集塊を粉砕する過程が包含される。液滴は、超音波噴霧ノズルを出、次いで、(例えば、サイクロン乾燥機によって)キャリヤ液体が蒸発し、乾燥形態になる前の微粒子を置き去りにしながら、乾燥する。これらの粒子は、次いで、ガス流として堆積用装置まで運搬される。超音波噴霧は、粒子を解凝集させることに加えて、均一サイズの液滴を作り出すことによって、均一粒度の粒子を作るのにも役立つ。
【0021】
解凝集の第4の方法は、堆積用装置200に供給されるエーロゾルを作り出すものである。図5は、このことを例示し、エーロゾルを作り出すのに適した1つの装置を示す。粉末は、液体(分散に適した液体の選定については、蒸気の解説を参照されたい)の中に分散され、次いで、加圧流体貯蔵室6に貯蔵される。該貯蔵室は、過圧力の空気、窒素、又は他の適切なガスを用いて加圧されることがある。粒子が混入された加圧液体は、該液体がエーロゾル噴霧ノズル5を経由して該貯蔵室を出るとき、エーロゾルになる。エーロゾルは、次いで、粉末噴霧3中に乾燥粒子を置き去りにしながら、該液体が蒸発されるような具合に、加熱用コイル4を用いて加熱される。エーロゾル装置からの粉末噴霧は、静電堆積を行うための静電噴霧被覆用ガン1の入口に直接接続されている。その混合物の流量は、圧力及び/又はノズル流れ特性を修正することによって調節され得る。蒸発の速度は、加熱用コイルへの電力を調節することによって、加速され得るか又は減速され得る。
【0022】
上述の諸方法の組合せも、用いることができる。例えば、解凝集の1つの組合せ方法は、先ず、諸粒子を液体に分散させて、強固に結合した凝集体を粉砕し(液体の望ましい特性については上記の解説を参照されたい)、次いで、該液体を除去してそれら粒子を乾燥させ(この時点で、それら粒子は再凝集する傾向にある場合があるが、緩く結合したクラスターになっている)、次いで、最終工程としてジェットミルを用いて、乾燥を行う間又は乾燥を行った後に形成された、緩く結合した全ての凝集体を粉砕するものである。我々は、静電噴霧堆積(electrostatic spray deposition)を行う前、立方晶窒化ホウ素粉末の前堆積処理を加えるために、この方法を首尾よく用いた(下の統合された前処理及び堆積の解説を参照されたい)。我々が用いた方法は、具体的には次の諸工程を含む。
1.製造業者から受け入れられたcBN(立方晶窒化ホウ素)粉末を、エタノールと中性又は両極性の界面活性剤との混合物、例えば、(デュポン社(DuPont)によって製造された)ゾニール(Zonyl)、に分散させる。−我々は、約0.5〜1.5%の[界面活性剤]対[粉末]質量比を用いた。
2.その液体懸濁液を手動で撹拌し、次いで、振動又は超音波処理を用いて、均一な分散系を更に確実にする。
3.容器に入れたその混合物を加熱板上で乾燥させる。乾燥を促進し、且つ、湿気の侵入を防止するために、その開放容器の周辺に配置された数個のノズルを通してフラッシングガス(flushing gas)を注ぐ(我々は、50〜70℃の窒素を用いて、湿度/露点を制御した)。乾燥を行う間、その混合物を手動で撹拌して、ケーキング(caking)を減少させる。操業レベルまで規模拡大するためには、この操作は自動化され得ることに注目されたい。
4.結果として得られる固化材料を、乳鉢及び乳棒を用いて手動で粉砕し、結果的に、流し込むことができる乾燥ルーズ粉(loose powder)を得る。
5.粉末をジェットミルの漏斗の中に流し込み、その一部分を秤量して、堆積される材料の量が制御され得るようにする。このことは、規模拡大するためには、粉末測定装置(PMU)を備えて自動化され得る。
液体分散系を用いるそれらの方法のために、該液体分散系を超音波処理と併用して、その液体に入っている粒子の望ましい分散系を獲得し且つ維持するのに役立たせることができる。
【0023】
機能化
堆積を行う前、粒子の機能化(functionalization)を図ることによって、コーティングが特定の機能を作り出すのを可能にするか、又は、結果として得られるコーティングの特性を改善することができる。機能化は、典型的には、材料の第2の相又は混合相を導入することによって実現される。例えば、立方晶窒化ホウ素(cBN)粒子を窒化チタン(TiN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)又は酸化アルミニウム(Al)で保護膜を施して、cBN粒子の流動性を改善し、(TiAlNの保護膜の場合)該コーティングの酸化抵抗性を高めることができる。機能化によって、安定であるゲスト材料(guest material)であって、ホスト材料粒子(host material particles)の間に有効な間隔(spacing)を提供して、凝集の機会を減少させるゲスト材料(例えば、超微細な粒度のシリカ)を導入することもできる。このことは更に、表面粗さのような粉末塗面の品質を改善するに役立つであろう。
【0024】
ナノ粒子、微粒子、及びそれらの組合せを包含する粒子を機能化する1つの方法は、それらの粒子を、特定の機能性を提供するために選定された他の材料で保護膜を施すものである。粒子を機能化する第2の方法は、それらの粒子を、界面活性剤を含有する液体の中に分散させるものであって、そのキャリヤ液体及び界面活性剤が安定な分散系を提供するように選定されるものである。その液体分散系は、液体分散系としての堆積用装置200(例えば、液体静電噴霧被覆のための堆積用装置)に供給され得るか、又は、該材料を堆積用装置(例えば、乾燥静電噴霧被覆のための堆積用装置)に供給する前に乾燥され得る。液体分散系を超音波処理と併用して、その液体に入っている粒子の望ましい分散系を獲得し且つ維持するのに役立たせることができる。
【0025】
更なる前堆積処理方法
堆積を行う前、被覆用材料の予備的処理をするために、他の前堆積処理方法をも、単独で又は上述の方法と組み合わせて用いることができる。例えば、粉末材料から湿気を追い出すのを助けるために、粉末を予熱することができる。凝集体を粉砕し、且つ、堆積用装置に提供される粉末粒子の粒度を調節するために、ボールミル粉砕を用いてもよい。
【0026】
堆積物を被覆するための方法及び装置
図6は、静電噴霧被覆(ESC)のためだけでなく他の被覆方法又は堆積方法のためにも用い得る堆積用室を例示する。噴霧ノズル組立て体1は、それが被覆用材料(乾燥粉末、又は、粒子を含有する液体懸濁液)を被覆用室2の中に噴霧するような具合に取り付けられている。噴霧ノズル組立て体は、静電堆積手段、超音波堆積手段、又は、超音波堆積手段と組み合わされた静電堆積手段を用いることができる。被覆されるべき1個以上の基体又は1個以上の部品は、ステージ懸架具組立て体3を用いて、被覆用室の中に懸架されているステージ4の上に配置される。ステージの向きは固定されることがあるか、又は、本明細書に更に記述されるように、オプションとして、回転ステージを用いることができる。ステージと噴霧ノズルとの間の距離は、調節され得る。
【0027】
被覆用材料が出るのを防止するため、又は汚染物質が入るのを防止するため、被覆用室は密封される。1個以上の基体の上に堆積されない材料を再利用することができるように、該材料は、粉末再利用用回収器(powder recycling collector)5の中に回収される。好ましい態様において、未使用材料が再使用されるように捕捉し、且つ環境へ放出されるのを防止するために、該材料は、液浴又は他の濾過手段を経由して、前記の密封された室を出る。
好ましい態様において、ステージ懸架具組立て体3の上に備えられている調節手段(adjustments)は、被覆用室の頂部を通り、Oリング型シール又は他の密封手段を用いて密封されている開口を通って、該懸架具組立て体を引き伸ばすことによって、該室の外部に配置されている。この設計によって、ステージからノズルの距離の調節は、該室を開放することなく行うことができる。
【0028】
図7は、オプションとして用いられて、基体表面の端から端までの堆積物の均一性を改善する回転ステージを例示する。回転ステージは、静電噴霧又は他の堆積方法と共に用いられ得る。電気モータ1は、減速ギア2を通して本装置を駆動し、中央シャフト6を回転させる。サンプレート(sun plate)7が、中央シャフト6に取り付けられており、該シャフトと一緒に回転する。かなりの個数の遊星ギア5が、遊星シャフト8を用いて、サンプレート7に取り付けられている。それら遊星シャフトは、固定された搭載基礎3に取り付けられている内リングギア4と噛み合っている。本図に示される1つの態様では、6個の遊星ギアが用いられている。
サンプレートが回転する時、それら遊星ギアは、本組立て体の中央シャフトの周りで作動し、そして、該遊星ギアの、内リングギアとの相互作用によって、該遊星ギアもまた、それら自身の軸を中心に回転する。基体は、個々の遊星ギアのステージの上に取り付けられている。その二重回転作用は、基体表面上の全ての地点が材料噴霧に確実に均一にさらされることによって、基体上における堆積物の均一性を改善する。
【0029】
それら遊星ギア及び内リングギアは、従来の歯を用いて噛み合うことができるか、又は、遊星ギアは、各々のローラの外縁が内リングギアの表面と接触し、摩擦によって該遊星ギアを回転させるような具合に、(例えば、スプリングによって)外へ向かって押し付けられるローラとして作成され得る。
いずれの型の静電堆積を行うためにも、それら遊星ギアの上に取り付けられている基体をアースするために、該遊星ギアは接地されなければならない。このことのためには、該遊星ギアを電気的に接地部材に接続するための手段を備える必要がある。遊星ギアがローラである1つの態様において、遊星ギアシャフトに押し付け、且つ、それら遊星ギアシャフトを内リングギアに押し付けた状態に保持するスプリングは、ブラシとしても作用して、それら遊星ギアと、接地された回転ステージ組立て体の残部との間に電気的接続を形成する。
【0030】
コーティングの所望の均一性を達成するために、被覆されるべき基体が、堆積噴霧パターンの全ての部分に一様に確実にさらされるように、電気モータの速度を調節することができる。直流モータへの入力を変えることによって、その速度を調節することができる。図7に示される特定の態様において、[遊星ギアの回転速度]対[全サンプレートの回転速度]の比は、ギア比によって固定される。しかし、代わりの態様では、2つの速度を独立的に調節することができるような具合に、1基以上の追加的モータ又は他の手段を備えることができる。
x方向又はy方向に横方向に動かされる適切なプラットフォームの上に回転ステージを取り付けることによって、該回転ステージもまた並進させることができ、しかも、該回転ステージを噴霧源のより近くに動かしながら、又は噴霧源からより遠くに動かしながら、該回転ステージをz軸方向(図7の垂直方向)に並進させることもできる。
【0031】
前処理と堆積との統合された方法及び装置
図8は、粉末の前堆積処理を加えるための流動化装置と統合された静電噴霧被覆(ESC)装置を例示する。圧縮された空気、窒素又は他の適切なガスが、1組の圧力制御弁に供給される。これらの弁は、流動化装置に至る空気と静電噴霧ガンに至る空気とを制御する。流動化を静電噴霧被覆による堆積と組み合わせることによって、乾燥粉末粒子の凝集は減少し、超微粒子は、選択的に静電噴霧ガンに供給される。生物医学的用途のためのチタンインプラントを包含する基体の上にヒドロキシアパタイト等の粉末を均一に堆積するために、この装置を用いた。本装置は、多くの他の材料及び用途と共に使用するのに適している。
【0032】
図9は、入ってくる粉末材料の解凝集を行うための、統合されたジェットミルを備えている静電噴霧被覆(ESC)装置を例示する。圧縮された空気、窒素又は他の適切なガスが、1組の圧力制御弁に供給される。これらの弁は、静電噴霧被覆用ガンに至る供給用空気と、ジェットミルに至る供給用空気と粉砕用空気との両方とを制御する。乾燥粉末が、ジェットミルの粉末入口に供給される。凝集体はジェットミルの粉砕作用によって粉砕され、微細な粉末粒子は、供給用空気によって、ジェットミルから静電噴霧被覆用ガンまで直接運搬される。市販のジェットミルでは、典型的には、サイクロン粉末回収機と、粉砕済み粉末を捕捉するための回収バッグ(collection bag)とが一体になっている。本発明では、サイクロン及び回収バッグは除去されて、ジェットミルの出力(output)を、静電噴霧被覆用ガンの入力ホース継手(input hose connection)に直接接続するために、特注の継手が用いられる。加えられる全空気圧と、ジェットミルを通過する、粉砕用及び「押出し用(pushing)」(供給用空気)に加えられる相対圧力とを調節するために、圧力制御弁が用いられる。このことによって、ジェットミル中の押出し力と粉砕力との間のバランスを調節すること、及び、静電噴霧被覆室中で粒子の堆積を行う間の空気力と静電力との間のバランスを調節することが可能となる。静電噴霧被覆用ガンは典型的には、ジェットミル中で用いられる空気圧よりも遥かに小さい空気圧を用いる。粒子の堆積は、静電力に左右される。ジェットミルを静電噴霧被覆用ガンに直接連結することによって、空気力は、遥かに大きい役割を果たす。我々は、空気力の増大によって、遥かにより均一な被覆用堆積物が提供されることを見出だした。このことは、基体の表面特性の不均一性に起因して、基体では静電界線(electrostatic field lines)が均一でないという事実に、ある程度起因するようである。空気力は、堆積物における静電力の影響を減少させることによって、これらの不均一性を克服する傾向がある。この結果、即ち、静電力と比べて空気力が増大するために、堆積物の均一性が著しく改善されることは、意外なことであった。ジェットミルと静電噴霧堆積用装置との一体化によって、入ってくる粉末粒子の解凝集が提供され、そのことはそのことだけで、コーティングの均一性を改善し、更にまた、空気力の影響が増大することによって、粒子堆積物の均一性を改善する。
【0033】
本明細書に記述される装置の有し得る他の任意選択機能は、
・ 特定の用途のために必要であれば、キャリヤガスを予熱すること、
・ 粉末材料を本装置に自動的に供給すること、並びに、粉末の量(例えば、粉末計量装置を用いて)、及び、温度、圧力、等の他の重要な変量を自動的に計量すること、更に、基体の回転/並進を自動化すること、
・ 粒子の所望の粒度を選択的に本装置に供給することができるように、粒度を選別し分離する更なる手段として篩を用いること、
・ 供給表面上に粉末が蓄積されるのを防止するのに役立つ、振動及び傾斜面の設計、
・ 基体又は静電噴霧被覆用ガン又はそれらの両方の(x方向、y方向及び/又はz方向の)追加的並進を行って、大表面上の堆積を可能にすること、並びに
・ 複数のガンを用いて、大表面又は表面の複雑な形状寸法に被覆するのを可能にすること、
である。
【0034】
本明細書に記述されている静電噴霧被覆装置を得るために、市販の静電噴霧被覆用ガンを用いることができる。しかし、塗装及び粉末被覆を行うために一般に用いられるオフ・ザ・シェルフ・ガン(off-the-shelf guns)は、微粒子及びナノサイズ粒子の堆積を行うのに使用されたとき、幾つかの不都合が生じる。具体的には、それらのガンは、該ガンに至る内部通路の中で一様流を提供せず、結果的に、該ガンから出る流れの、幾らかの空間的不均一性(spatial non-uniformity)が生じる。更に、該ガンの内部に、粉末が蓄積される傾向のある領域が存在し、そのことは、該ガンに送り出される粉末の量を制御することによって堆積の厚さを制御する能力に悪影響を与える。
【0035】
図10は、これらの課題を解決する、改善されたガンの設計を例示する。市販のガンと同様に、圧力のかかった空気又は他のガスが、粉末供給材料と一緒にガンに供給される。それら粒子が該ガンから出るとき、ノズル出口に配置されている電極2は、該粒子を帯電させ、帯電した粉末噴霧1を作る。しかし、この場合、複数個の粉末供給入口4が備えられており、それら入口は、流れの方向に角度を成しており、その結果、粉末はより容易に空気流路に加わる。加えて、複数個の入口(図10に示される例では3個備えられている)を備えることによって、粉末は、流路の周辺の周りにより均一に分配される。
【0036】
更に、別の2個の空気入口が備えられている。一方は、ブースター空気入口5であり、静電噴霧を作り出すための主要供給用空気を提供する。加えて、空気は、1個以上の渦巻状空気入口3に供給される。図10に示される例では、2個の渦巻状空気入口が備えられている。空気が接線方向に入って、静電噴霧被覆用ガンの内部の渦巻きであって、ノズル本体6の表面に粉末が蓄積されるのを防止するのに役立ち、且つ、ガスと粉末との混合物の流れの均一性を維持するのにも役立つ渦巻きが作り出されるような具合に、これらの入口は方向を合わせて配置されている。該ノズル本体は、粉末が蓄積することができる空隙も割れ目も存在しない滑面を有するように設計されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体を堆積用材料で被覆する方法であって、
(a)前記堆積用材料を凝集させる工程を含む、前記堆積用材料に前堆積処理を加える工程、
(b)静電帯電によって、前記堆積用材料を前記基体の上へ誘導する工程、及び
(c)その場堆積処理及び後堆積処理の1つを前記基体に加え、そうすることによって、前記堆積用材料を前記基体に結合させる工程、
を含む、方法。
【請求項2】
前記堆積用材料を前記基体の上へ誘導する前記工程は前記基体を操作する工程を更に含み、前記基体を操作する工程が前記基体をステージ上で回転させる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記堆積用材料は、炭化物、窒化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、硫化物及びケイ化物から成る群の中の少なくとも1種類を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記堆積用材料は、窒化ホウ素を含有する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
その場堆積処理を加える前記工程は、紫外線、電気ステージレーザー焼結法、及び赤外線焼結法の少なくとも1種類を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
後堆積処理を加える前記工程は、化学気相浸透を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記化学気相浸透は、前記基体に窒化チタンを施す工程を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記の後堆積処理を加える工程は、焼結工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記焼結工程は、マイクロ波焼結法、レーザー焼結法、及び赤外線焼結法から成る群の少なくとも1種類を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記堆積用材料を前記基体の上へ誘導する前記工程は、前記堆積用材料を、複数の粉末供給入口を通して静電ガンの中へ誘導する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記の複数の粉末供給入口は、前記静電ガンから空気の流れの方向に角度を成す、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記堆積用材料を前記基体の上へ誘導する前記工程は、空気を、複数個の空気入口を通して前記静電ガンの中へ誘導する工程を更に含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記の複数個の空気入口はブースター空気入口を備え、且つ、前記堆積用材料を前記基体の上へ誘導する前記工程は、主要な供給用空気を、前記ブースター空気入口を通して前記静電ガンの中へ誘導する工程を更に含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記の複数個の空気入口は渦巻状空気入口を更に有し、しかも、前記堆積用材料を前記基体の上へ誘導する前記工程は、空気を、前記渦巻状空気入口を通して接線方向に前記静電ガンの中へ誘導し、そうすることによって、前記ガンの内部に渦巻きが作り出される工程を更に含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記前堆積処理工程は、前記堆積用材料を流動化させる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記前堆積処理工程は、前記堆積用材料を空気力学的に流動化させる工程を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記流動化工程は、前記堆積用材料を振動させる工程を更に含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記流動化工程は、前記堆積用材料を篩にかける工程を含む、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記解凝集工程は、ジェットミルの手段によって行われる、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記解凝集工程は、前記堆積用材料を分散液の中に分散させることによって行われる、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記解凝集工程は、前記分散液に超音波処理を加える工程を更に含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記解凝集工程は、前記分散液をエーロゾル化する工程を更に含む、請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記分散液に超音波振動を加える工程を更に含む、請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記前堆積工程は、前記堆積用材料を機能化する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記機能化工程は、前記基体に保護膜を施す工程を含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記機能化工程は、液体及び界面活性剤を含有する混合物の中に前記堆積用材料を分散させる工程を含む、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記混合物に超音波処理を加える工程を更に含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記堆積用材料は、マイクロサイズ粒子を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記堆積用材料は、ナノサイズ粒子を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項30】
前記基体に前記後堆積処理を加える前記工程の後、前記基体に作用物質材料を誘導する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項31】
前記作用物質材料は、活性生物剤を含有する、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記活性生物剤は、殺生剤及び抗菌剤のうちの1種類を含有する、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記作用物質材料は、骨形態形成タンパク質を含有する、請求項30記載の方法。
【請求項34】
前記作用物質材料は、薬物運搬剤を含有する、請求項30記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−506721(P2010−506721A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533367(P2009−533367)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/022220
【国際公開番号】WO2008/051433
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(500467264)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ アーカンソー (10)
【出願人】(509111009)ナノメック、エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】