説明

非接触型指紋入力装置及び指紋照合装置

【課題】より照合率の高い光学式の非接触型指紋入力装置及びこの非接触型指紋入力装置を利用した指紋照合装置を提供する。
【解決手段】指5を前方及び左右から撮像位置にガイドするガイド部材16が設けられている。そして、ガイド部材16の手前には、撮像位置に指5が置かれたときに突起14が押し込まれ、指5が撮像位置にあることを検知する2つの押しボタン式のスイッチ13,13が設けられている。また、スイッチ13の後方には、下方から指5を非接触にて撮像するために開口された窓部17が設けられている。窓部17の下方には、発光ダイオードの光源11,11が2カ所設けられている。2カ所の光源11,11の間には、指5の指紋画像を撮像する撮像素子であるCCDカメラ12が設けられている。スイッチ13の入力が検出されると、CCDカメラ12により窓部17の上方に配置されている指5の指紋画像が撮像される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式の非接触型指紋入力装置及び指紋照合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化やネットワーク化の急速な進行により、情報へのアクセス制御を行うためのセキュリティ技術への関心が高まっている。このようなセキュリティ技術の1つとして、指紋照合による本人認証装置・方法が種々開発され、これらを用いた製品も数多く登場してきている。そして、指紋照合に用いられる指紋画像を読み取って入力するための指紋入力装置も、様々なものが開発されている。
【0003】
このような指紋入力装置としては、光学式で指紋画像を読み取る光学式センサや、静電容量方式による半導体センサが知られている。光学式センサでは、一般的に、採取面(ガラス面)に置かれた指に光源から光を照射すると、その光が採取面上で反射される。ガラス面に接触している指紋隆線と接触していない指紋谷線とで異なる反射光が撮像素子(光電変換素子)に取り込まれ、光電変換されて画像として取得される。このように、光学式センサでは、ガラス面に指を押しつけて撮像するのが一般的であるが、指が乾燥してかすれている場合(かすれ指紋)、濡れている場合(濡れ指紋)に照合率が低下する問題点が指摘されている。また、以前に使用した指紋がガラス面に残っている場合(残留指紋)、他人がこの残留指紋を利用して登録者になりすます危険も考えられる。また、不特定多数が使用する指紋センサの場合には、他人の使用後に使用することに対して心理的に抵抗が強いという問題点もある。
【0004】
そこで、指紋を置くための接触面を設けない非接触型指紋識別装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、制限部材によって読み取り許容範囲内に指を誘導し、この指に対して光源から光を当て、この反射光を光学センサにより受け取るように構成されている。
【特許文献1】特開2001−167255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような非接触型指紋識別装置を用いれば、かすれ指紋、濡れ指紋の場合の認識率の低下や、他人が残留指紋を利用して登録者になりすます危険を避けることができ、心理的な抵抗も軽くなるという利点があるが、従来、光学式の指紋センサにおいては、接触型・非接触型を問わず、光源として、主に価格の安さから、赤色のレーザー光や赤色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が用いられていたために、照合率が低いという問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、より照合率の高い光学式の非接触型指紋入力装置及びこの非接触型指紋入力装置を利用した指紋照合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の非接触型指紋入力装置は、指に光を照射する光源と、当該光源から照射された光が前記指に反射した反射光を受光して前記指の指紋画像を撮像する撮像素子と、前記指が撮像位置にあることを検知する検知手段とを備えた非接触型指紋入力装置において、前記光源は、450nm〜490nmの範囲内の主波長を有する青色光を発光することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の非接触型指紋入力装置は、指に光を照射する光源と、当該光源から照射された光が前記指に反射した反射光を受光して前記指の指紋画像を撮像する撮像素子と、前記指が撮像位置にあることを検知する検知部とを備えた非接触型指紋センサにおいて、前記光源は、500nm〜550nmの範囲内の主波長を有する緑色光を発光することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の非接触型指紋入力装置は、指に光を照射する光源と、当該光源から照射された光が前記指に反射した反射光を受光して前記指の指紋画像を撮像する撮像素子と、前記指が撮像位置にあることを検知する検知部とを備えた非接触型指紋センサにおいて、前記光源は、異なる主波長を有する複数の光を発光することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記光源が、450nm〜490nmの範囲内の主波長を有する青色光と、500nm〜550nmの範囲内の主波長を有する緑色光とを少なくとも発光することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項3又は4に記載の発明の構成に加え、前記光源が、450nm〜490nmの範囲内の主波長を有する青色光を発光する青色LEDチップと、500nm〜550nmの範囲内の主波長を有する緑色光を発光する緑色LEDチップと、600nm〜640nmの範囲内の主波長を有する赤色光を発光する赤色LEDチップとを備えた三色発光ダイオードであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記光源が、前記光の進行方向が前記指の表面で交差するように光を照射する複数の光源からなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項7に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記検知手段が、前記指の挿入を検出するスイッチであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項8に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記スイッチが、前記指の挿入の際、当該指により押されるスイッチであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項9に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記スイッチが、発光素子と受光素子からなる光センサであり、前記指の挿入により遮光されたことを当該受光素子が検出することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項10に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項8又は9に記載の発明の構成に加え、前記スイッチが、複数設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項11に記載の指紋照合装置は、請求項1乃至10のいずれかに記載の非接触型指紋入力装置と、前記非接触型指紋入力装置から得られた入力画像について特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、当該特徴量抽出手段により抽出された特徴量と、予め登録された登録指紋の特徴量とを比較して入力指紋と登録指紋との類否を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に記載の非接触型指紋入力装置では、検知手段により指が撮像位置にあることが検知されると、撮像素子により、光源から青色光が照射されている指の指紋画像が撮像される。指紋の入力の際に採取面に指を押しつける必要がないため、かすれ指紋、濡れ指紋の場合の認識率の低下や、他人が残留指紋を利用して登録者になりすます危険を避けることができる。また、検知手段を設けたので、指が撮像位置に適切に配置された状態で指紋画像を取得することができる。さらに、青色光を照射することにより、取得される指紋画像の照合率を高めることができる。
【0019】
また、本発明の請求項2に記載の非接触型指紋入力装置は、検知手段により指が撮像位置にあることが検知されると、撮像素子により、光源から緑色光が照射されている指の指紋画像が撮像される。指紋の入力の際に採取面に指を押しつける必要がないため、かすれ指紋、濡れ指紋の場合の認識率の低下や、他人が残留指紋を利用して登録者になりすます危険を避けることができる。また、検知手段を設けたので、指が撮像位置に適切に配置された状態で指紋画像を取得することができる。さらに、緑色光を照射することにより、取得される指紋画像の照合率を高めることができる。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載の非接触型指紋入力装置は、検知手段により指が撮像位置にあることが検知されると、撮像素子により、光源から複数の光が照射されている指の指紋画像が撮像される。指紋の入力の際に採取面に指を押しつける必要がないため、かすれ指紋、濡れ指紋の場合の認識率の低下や、他人が残留指紋を利用して登録者になりすます危険を避けることができる。また、検知手段を設けたので、指が撮像位置に適切に配置された状態で指紋画像を取得することができる。さらに、複数の光を照射することにより、取得される指紋画像の照合率を高めることができる。
【0021】
また、本発明の請求項4に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項3に記載の発明の効果に加え、青色光と緑色光とを含む光を照射することにより、取得される指紋画像の照合率を高めることができる。
【0022】
また、本発明の請求項5に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項3又は4に記載の発明の効果に加え、三色発光ダイオードの出力光を調整することにより、簡単に照合率の高い波長の光を照射することができる。
【0023】
また、本発明の請求項6に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、複数の光源から指を照射するので、撮像される指紋画像に影になる部分が少なくなり、照合率を高めることができる。
【0024】
また、本発明の請求項7に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、検知手段が指の挿入を検出するので、指が撮像位置にあることが検知できる。
【0025】
また、本発明の請求項8に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項7に記載の発明の効果に加え、指により押されるスイッチを用いたので、簡単な構造で確実に指の挿入を検出し、指が撮像位置にあることが検知できる。
【0026】
また、本発明の請求項9に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項7に記載の発明の効果に加え、発光素子と受光素子からなる光センサをスイッチとして用いたので、光が遮られることにより、指の挿入を検出し、指が撮像位置にあることが検知できる。
【0027】
また、本発明の請求項10に記載の非接触型指紋入力装置は、請求項8又は9に記載の発明の効果に加え、スイッチが複数設けられることにより、指の位置のずれをさらに少なくし、好適な指紋画像を撮像することができる。
【0028】
また、本発明の請求項11に記載の指紋照合装置は、請求項1乃至10のいずれかに記載の発明の作用効果に加え、入力画像について特徴量を抽出して、登録指紋の特徴量と比較して類否を判定し、高い正当性で本人確認を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態例について、図面に基づいて説明する。まず、指紋入力装置と、指紋照合プログラムを搭載してこれを実行するコンピュータにより構成される第一実施形態について説明する。まず、図1を参照して、このような指紋照合装置の構成について説明する。図1は、第一実施形態の指紋照合装置の概略構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の指紋照合装置を構成するコンピュータ10は、周知のパーソナルコンピュータの一般的な構成からなり、文字や各種の操作指令などを入力するためのキーボード21やマウス20、入力された結果等を表示するモニタ24を備えている。また、コンピュータ10には、CD−ROM23の内容を読み取るCD−ROMドライブ37が搭載されている。
【0031】
また、コンピュータ10は、中央演算処理装置としてのCPU30を中心にバスにより相互に接続されたROM31、RAM32、表示画像メモリ33、マウスインターフェース34、キーボードインターフェース35、ビデオコントローラ38、及びUSBインターフェース45を備えている。そして、マウスインターフェース34にはマウス20が接続され、キーボードインターフェース35にはキーボード21が接続され、ビデオコントローラ38にはモニタ24が接続されている。さらに、USBインターフェース45には、指紋入力装置25が接続されている。指紋入力装置25は、LEDからなる光源11と、指紋を撮像する撮像素子であるCCDカメラ12と、指が撮像位置にあることを検出するスイッチ13と、これらを制御するコントローラ15とから構成されている。指紋入力装置25の構造については後述する。
【0032】
ROM31は、BIOS等の内蔵されている各種プログラム等を記憶する読み出し専用のメモリである。RAM32は、実行中のプログラムを一時的に記憶したり、各種データ等を記憶する読み出し・書き込み可能なメモリである。表示画像メモリ33は、モニタ24に表示する画像の画像データを記憶するメモリである。マウスインターフェース34は、マウス20とのデータ等のやりとりを司るインターフェースである。キーボードインターフェース35は、キーボード21からのキー入力を司るインターフェースである。ビデオコントローラ38は、表示画像メモリ33に記憶される表示画像データに基づいてモニタ24における画像の表示を制御するコントローラである。USBインターフェース45は、USBポート(図示せず)に接続された周辺機器を制御するインターフェースである。
【0033】
コンピュータ10のオペレーティングシステム41は、ハードディスクドライブ(HDD)40に記憶されており、コンピュータ10に電源を投入すると、HDD40のブートブロックに書き込まれたローダに従ってRAM32の所定の領域にロードされる。また、HDD40には、指紋照合プログラム42が記憶されており、指紋照合プログラム42が起動され、RAM32に読み込まれ、これをCPU30が実行することにより、指紋照合処理が行われる。尚、本実施形態においては指紋照合プログラム42はHDD40に記憶されているが、ROM31に記憶されていてもよいし、CD−ROM23に記憶され、CD−ROMドライブ37から読み込まれて実行されるように構成してもよい。さらに、コンピュータ10をネットワークに接続し、ネットワーク上のサーバから指紋照合プログラム42をダウンロードして実行するようにしてもよい。
【0034】
次に、図2〜図5を参照して、指紋入力装置25について説明する。図2は、指紋入力装置25を模式的に示す概略平面図である。図3は、指をおいた状態の指紋入力装置25を模式的に示す概略平面図である。図4は、図3におけるA−A線の矢視方向から見た指紋入力装置25を模式的に示す概略断面図である。図5は、図3におけるB−B線の矢視方向から見た指紋入力装置25を模式的に示す概略断面図である。尚、図2及び図3の上方向が指が指紋入力装置25に挿入される挿入方向であり、これを以下の説明においては前方とする。
【0035】
図2〜図5に示すように、指紋入力装置25には、指5を前方及び左右から撮像位置にガイドするガイド部材16が設けられている。そして、ガイド部材16の前方には、撮像位置に指5が置かれたときに突起14が押し込まれ、指5が撮像位置にあることを検知する2つの押しボタン式のスイッチ13,13が設けられている。また、スイッチ13の手前には、下方から指5を直接撮像するために開口された窓部17が設けられている。窓部17の下方には、発光ダイオードの光源11,11が2カ所設けられている。また、2カ所の光源11,11の間には、指5の指紋画像を撮像する撮像素子であるCCDカメラ12が設けられている。スイッチ13の入力がコントローラ15(図1参照)に検出されると、CCDカメラ12により窓部17の上方に配置されている指5の指紋画像が撮像される。そして、撮像された指紋画像は、コントローラ15を経由して出力され、コンピュータ10のUSBインターフェース45から入力されてRAM32内に格納される。尚、スイッチ13は、1つであってもよいが、2つ以上とすることで、指5が撮像位置にあることを確実に検出し、適切な指紋画像を撮像して、指紋の照合率を高くすることができる。
【0036】
光源11は、図4に示すように、窓部17の斜め下方に配置され、撮像位置に置かれた指5の表面で、2カ所の光源11,11から照射される光が交差するような位置に設けられている。このように、2カ所の光源11,11から直接光を指5に照射することで、光源から照射する光を鏡に反射させて指に照射したり、1カ所の光源から直接指に照射させたりするよりも、適切な指紋画像が撮像できる。また、本実施形態では、光源11は、青色光、緑色光、及び赤色光の三色を発光する三色発光ダイオードを用いている。
【0037】
尚、上記の指紋入力装置25では、指5が撮像位置にあることを検知するスイッチとして、押しボタン式のスイッチを用いたが、図12及び図13に示すように、光センサを利用して、指の挿入により光が遮られたことを検出することにより、指が挿入されたことを検知するようにしてもよい。図12は、光センサをスイッチに用いた指紋入力装置25を模式的に示す概略断面図である。図13は、光センサをスイッチに用いた指紋入力装置25の別の例を模式的に示す概略断面図である。
【0038】
図12に示す指紋入力装置25の撮像位置(窓部17)の上方には、遮光性部材215が、挿入された指5を覆うように設けられている。そして、遮光性部材215の内側には、光源11,11から照射される光を受光する受光素子213が設けられている。この構成では、指紋撮像用の光源11を光センサの発光素子として用い、指が挿入されていない状態では受光素子213が光源11からの光を検知するが、指が挿入されると光が遮断されて検知されなくなるので、これをスイッチの入力としてコントローラ15(図1参照)に出力し、CCDカメラ12により窓部17の上方に配置されている指5の指紋画像が撮像されるようにすればよい。
【0039】
さらに、図13に示す例では、図12と同様に遮光性部材215及び受光素子213を設けることに加え、遮光性部材215の内側で、受光素子213よりも奥(挿入される指5の先端側)に受光素子214を設け、その下方の対向する位置の窓部17近傍に発光素子としてLED216を設ける。指が挿入されていない状態では、受光素子213,214の両方が光を検知するが、指5が挿入されると、光が遮断されて検知されなくなる。特に、受光素子214は、指5が撮像位置まで挿入されて初めて受光できなくなる。このように構成すれば、2つのスイッチで指5が挿入されたことを二重にチェックできるため、より確実に指5の挿入を検知して指紋画像を撮像することができる。
【0040】
尚、このような光センサを用いる構成の場合、遮光性部材215は、特定バンドの光(例えば、青色波長〜緑色波長)のみを遮断する構成として、利用者が遮光性部材215内においた指5の状態を確認できるようにしてもよい。また、受光素子213,214は、特定の波長(例えば、青色波長〜緑色波長)のみを受け取るものであってもよい。
【0041】
さらに、上記の指紋入力装置25では、指の挿入を撮像位置にガイドするためのガイド部材16(図2,図3参照)を設けているが、図14及び図15に示すように、ガイド部材を設けず、前後左右に検出用のスイッチを設け、装置筐体に指が全く触れない状態で指紋画像を撮像するように構成してもよい。図14は、ガイド部材を設けない指紋入力装置25を模式的に示す概略平面図である。図15は、ガイド部材を設けない指紋入力装置25を模式的に示す概略断面図である。
【0042】
図14及び図15に示すように、指紋入力装置25の先端から窓部17の略中央にかけて、挿入された指5を覆うように遮光性部材215が設けられている。そして、遮光性部材215の内側には、挿入される指5の先端近傍に相当する位置に、2個の受光素子214,214が平行に設けられている。そして、その下方の対向する位置の窓部17近傍に、発光素子としてLED216,216が設けられている。この2組の光センサによって、前後方向の指5の位置が検出される。
【0043】
また、遮光性部材215の内側で、手前側の端部近傍の、光源11の上方に相当する位置には、受光素子217,217が平行に設けられている。そして、その下方の対向する位置の窓部17近傍に、発光素子としてLED218,218が設けられている。この2組の光センサによって、左右方向の指5の位置が検出される。すなわち、いずれかの受光素子217から光の遮断が検知されれば、指5は撮像位置から左右方向にずれて挿入されていることになる。従って、前後方向の検出用光センサ(214及び216)で光の遮断が検知されるとともに、左右方向の検出用光センサ(217及び218)で光が検知されている状態であれば、指5は撮像位置にあると検出される。このように2種の光センサを前後方向・左右方向に設けることで、ガイド部材を用いなくても指5を撮像位置に導き、指紋画像を撮像することができる。また、図15に示すように、この構成の指紋入力装置25によれば、装置筐体から指5を浮かせた状態で、遮光性部材215内に指5を挿入させると、2組の前後方向の検出用光センサ(214及び216)により指の挿入が検出される。このとき、左右方向の検出用光センサ(217及び218)の両方から光が検知されている状態であれば、指5は撮像位置にあると検出されるので、利用者が装置筐体に全く触れることなく、指紋画像を撮像することが可能となる。
【0044】
次に、光源11の詳細について、図6を参照して説明する。図6は、光源11の回路図である。図6に示すように、光源11は、各色のLEDチップと抵抗(青色LEDチップ51と青色用抵抗54、緑色LEDチップ52と緑色用抵抗55、赤色LEDチップ53と赤色用抵抗56)をそれぞれ直列に接続し、共通の電源に接続されて構成される三色発光ダイオードである。本実施形態では、各LEDチップの順方向電圧が、青色LEDチップ51は3.5V、緑色LEDチップ52は3.5V、赤色LEDチップ53が2Vのもの、適用電流は1mA〜20mAの範囲のものを用いた。このような三色発光ダイオードでは、照射したい色のLEDチップにのみ電流が流れるように各抵抗54〜56の抵抗値を調整することにより、所望の色を発光させて照射することができる。本実施形態では、後述するように、赤色光、緑色光、青色光を単色で発光させた場合、赤色と緑色の2色、赤色と青色の2色、緑色と青色の2色、赤、緑、青の3色全てを発光させた場合の7パターンについて指紋照合処理を行い、照合結果を比較した(図9参照)。
【0045】
次に、以上の構成を有する指紋照合装置1における指紋照合処理について、図7及び図8を参照して説明する。図7は指紋照合処理の流れを示すフローチャートである。図8は、指紋照合処理の中で実行される特徴量抽出処理のフローチャートである。
【0046】
指紋入力装置25をコンピュータ10に接続し、指紋照合プログラム42が起動されると、図7に示すように、指紋照合処理が開始される。まず、使用者が指紋入力装置25に指を置き、スイッチ13の突起14が押し込まれると(図3参照)、CCDカメラ12により指紋画像が撮像され、コントローラ15を経由してコンピュータ10に入力され、指紋画像が取得される(S1)。
【0047】
次に、取得した指紋画像を照合処理に適した大きさに切り出す切り出し処理を行う(S3)。ここでは、切り出し処理前にS1で取得した画像サイズを640×480(単位はピクセル、以下同様)、切り出し後の画像サイズを256×256とした。
【0048】
次に、S2で切り出された指紋画像から特徴量を抽出し、RAM32内に格納する特徴量抽出処理を実行する(S5)。ここで行う特徴量の抽出は、例えば特徴点抽出照合法(マニューシャ法)や画像マッチング法(パタンマッチ法)等の周知の指紋照合方法のいずれかを用いておこなうことができる。一例として、本実施形態で用いた周波数解析による特徴量抽出処理について、図8を参照して以下に説明する。
【0049】
図8に示すように、本実施形態では、指紋から特徴点(マニューシャ)を抽出するのではなく、隆線の情報そのものを利用して解析し、特徴量とする処理を行っている。すなわち、指紋画像を横方向に切り出して、横方向に指紋の位置を、縦方向に指紋の凹凸(濃淡)を取ると、指紋の切り出し1ラインを波形信号と見ることができる。そして、この波形信号に対して音声データ処理で一般的に行われるような周波数解析を行うことにより、パワースペクトルを得ることができる。
【0050】
具体的には、背景分離処理された指紋画像の各ラインを1フレームとして、フレームごとに特徴抽出処理を行う。まず、前処理として、ハミング窓掛けを行い(S51)、フレーム切り出しによる端部の影響を緩和する。次いで、ハミング窓掛けによる補正処理がなされたフレームデータを受取り、その自己相関関数を求める(S53)。さらに、得られた自己相関関数に基づいて、線形予測法(LPC:Liner Predictive Cording)によるLPC係数を演算して求める(S55)。線形予測法は、携帯電話等で音声の圧縮に使用されている周知の技術であり、これを使用すると母音等の音声を全極型の伝達関数で推定することができ、そのスペクトルから声道の共振周波数(フォルマント周波数)等が推定できるものである。そして、S62で得られたLPC係数を線形結合演算してLPCケプストラムを求める(S57)。LPCケプストラムは、切り出された指紋画像の各ラインについて特徴量ベクトルとして算出される。本実施形態では、このようにして特徴量抽出過程で得られたLPCケプストラムが特徴量としてRAM32内に格納される。
【0051】
図7のフローチャートに戻り、特徴量抽出処理(S5)以降の説明を継続する。HDD40に記憶されることにより予め登録されている登録指紋の特徴量と、S5で得られた入力指紋の特徴量との間でDP比較(動的計画法)を行う(S7)。動的計画法はDPマッチング、ラバーマッチングともいわれ、若干変動したデータ列であってもスムースにマッチングができる特徴をもつことから、広く用いられている。DPマッチングは基準データとテストデータとの2つの系列をx-y平面上に描き、実際のデータの距離差を加味した上で最も累積距離の短くなるようなデータ系列の対応付けを選ぶアルゴリズムである。本実施形態では、S5で算出された特徴量であるLPCケプストラムを指紋ラインごとのスペクトルデータとみなし、RAM32内に格納されたLPCケプストラムを指紋画像の縦方向に並べたものをテストデータ、登録指紋のLPCケプストラムを指紋画像の縦方向に並べたものを基準データとして相互のマッチング度合いを得ている。基準データとテストデータではそれぞれ入力速度変化や変化具合が異なるが、DPマッチングによりそれらを加味しつつ最終的に基準データとテストデータが最も近くなるような縦方向の対応付けを検索し、最も近くなる縦方向対応のもとでのマッチング度合いを距離値として出力する。距離値が小さくなれば双方のLPCケプストラム間の差異が小さいことを、距離値が大きくなれば双方のLPCケプストラム間の差異が大きいことを示す。
【0052】
次いで、DP比較で得られた距離値をあらかじめ設定してある閾値と比較し、距離値が閾値より小さい場合には一致と判定し、距離値が閾値より大きい場合には不一致と判定する(S9)。以上で指紋照合処理が終了する。
【0053】
以上の第一実施形態の指紋照合装置では、光源11から窓部17を介して指に光を照射し、その際生じる反射拡散光をCCDカメラ12で直接読取る方式の非接触型の指紋入力装置25を用いるので、指紋の入力について、かすれ指紋、濡れ指紋による照合率低下のおそれや、他人が残留指紋を利用して登録者になりすます危険が少なく、使用者の心理的抵抗が少ないという利点がある。また、以下に述べるように、光源11から青色光及び緑色光の少なくとも一方を照射させて用いることにより、さらに照合率を高めることができる。
【0054】
次に、図9を参照して、指紋入力装置25の光源11から異なる色の光を照射して上述の指紋照合処理を行った照合実験結果について説明する。図9は、光源11から照射される色別の指紋照合結果を示す図である。この照合実験の実施条件は、各色について、一人の指紋で、左右10本の指で、1指につき20枚合計200枚の指紋画像を用いた。また、前述の三色発光ダイオードにより、赤色光は、中心波長が620nm、波長範囲が600〜640(FWHM)、緑色光は、中心波長が525nm、波長範囲が500〜550(FWHM)、青色光は、中心波長が470nm、波長範囲が450〜490(FWHM)のものをそれぞれ用い、2色以上の光は、構成色の波長を同時に発光させて用いた。
【0055】
図9に示すように、赤色光のみを照射した場合の照合率は77.3%、緑色光のみを照射した場合の照合率は95.3%、青色光のみを照射した場合の照合率は94%、赤色光及び緑色光の2色を照射した場合の照合率は98%、赤色光及び青色光の2色を照射した場合の照合率は98%、緑色光及び青色光の2色を照射した場合の照合率は100%、3色混合光を照射した場合の照合率は98%となった。以上の結果から、青色光又は緑色光を照射した場合に比べ、赤色光を照射した場合の照合率が低く、2色以上の混合色を照射した場合にも、赤色光を混ぜて照射すると照合率が低下している。従って、青色光又は緑色光のいずれかを照射するか、緑色光及び青色光の2色を照射して撮像する指紋入力装置25を用いて指紋照合装置を構成することにより、指紋照合率の向上をはかることができる。
【0056】
尚、以上の第一実施形態において、図7のS5及び図8で特徴量抽出処理を実行するCPU30が本発明の特徴量抽出手段として機能する。また、図7のS9で一致判定処理を実行するCPU30が本発明の判定手段として機能する。
【0057】
尚、上記の第一実施形態は、コンピュータと指紋入力装置で構成される指紋照合装置であるが、本発明の指紋照合装置は、上記の形態に限らず、各種機器に組み込んで動作する組込型であってもよい。
【0058】
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、本発明の指紋入力装置を銀行等のATM(現金自動受払機)での本人認証に使用する場合の組込型指紋照合である。図10は、第二実施形態の組込型指紋照合装置の概略構成を示すブロック図である。図11は、第二実施形態のATM取引処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
図10に示すように、第二実施形態では、組込型指紋照合装置であるATM100と、銀行等のホストコンピュータ200が接続され、ICカード105と指紋入力装置125から入力される指紋により本人認証を行い、使用者から要求された現金引き出し等の取引を実行する。ATM100は、ATM100の制御を司る制御部110と、取引メニューを表示するとともに使用者が取引指示を入力する入力表示部であるタッチパネル111と、指紋入力装置125と、使用者の識別情報を記憶したICカード105から情報を読み取るためのICカード読取装置112と、ホストコンピュータと通信するための通信部113を有している。指紋入力装置125の構成は第一実施形態の指紋入力装置25と同様であるので、図2〜図6及びその説明を援用する。
【0060】
また、ホストコンピュータ200は、ATM100と通信するための通信部205と、ホストコンピュータを制御する制御部210と、利用者の口座に関する情報を記憶した口座ファイル220とを有している。第二実施形態では、使用者が所有するICカード105には、その使用者の口座を識別するID番号や、個人情報の他、使用者の指紋の特徴量が予め記憶されているものとする。尚、指紋の特徴量はホストコンピュータ200に記憶するようにしてもよい。
【0061】
次に、図11を参照して、上記構成を有する第二実施形態におけるATM取引処理について説明する。使用者がATMに近づくと、処理が開始され、まず、「タッチパネルに触れてください」というメッセージをタッチパネル111に表示する(S101)。次に、タッチパネル111に触れたか否かを判断し(S103)、触れていなければ(S103:NO)、接触が検知されるまでS103の判断を所定時間ごとに繰り返して待機する。
【0062】
タッチパネル111への接触が検知されたら(S103:YES)、次に、「ICカードを挿入してください」と表示する(S105)。そして、ICカード読取装置112によりICカード105から情報を読み取る(S107)。次に、読み取りが正常に行われたか否かを判断する(S109)。正常に情報が読み取られた場合には(S109:YES)、タッチパネル111に「指紋センサに指をおいてください」というメッセージを表示する(S111)。そして、指紋入力装置125においてスイッチ13(図3参照)が押されると、CCDカメラ12により指紋画像が撮像され読み取られる(S113)。
【0063】
次に、指紋画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断する(S115)。正常に読み取られた場合には(S115:YES)、次に、読み取った画像を切り出して特徴抽出処理を実行する(S117)。特徴抽出処理の詳細は、図8で説明した第一実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0064】
次に、S117で抽出された特徴量とS107でICカード105から読み取った特徴量を比較する(S119)。そして、両者が一致するか否かを判断する(S121)。一致した場合には(S121:YES)、使用者が指定した現金の引出し等の取引を実行する取引処理を行う(S123)。そして、処理を終了する。
【0065】
S117で抽出された特徴量とS107でICカード105から読み取った特徴量が一致しなかった場合には(S121:NO)、次に、処理を開始してから指紋照合を実行した回数(S119を実行するたびに加算して記憶)が、予め定めておいた照合回数N1(例えば4回)よりも小さく、かつ、指紋センサで指紋画像を読み取ってからの時間の経過が予め定めておいた時間T1(例えば2分)よりも小さいか否かを判断する(S125)。照合回数の値、又は経過時間が超過していない場合には(S125:YES)、S111に戻り、指紋センサから指紋画像を読み取って(S113)、特徴抽出処理を再度実行して(S117)、照合処理(S119,S121)までを繰り返す。このようにすることで、ICカード105に登録されている本人であるのに指の置き方を誤ったり、撮像時に指を動かしてしまったり、何らかの理由で正常に読み取りが実行できず、不一致となった時にも再度照合処理を実行して正しい認証を行うことができる。
【0066】
一方、予め定めておいた照合回数の値、又は経過時間に達している場合には(S125:NO)、本人でない可能性が高いので、取引を中断する処理を行い(S127)、全体の処理を終了する。このようにすることで、指紋の特徴量が一致しなかった場合に、現金の引出しのような重要な取引を実行できないようにすることができ、セキュリティを高めることができる。
【0067】
また、S115で指紋画像の読み取りが正常に行われなかった場合には(S115:NO)、処理を開始して移行指紋画像の読み取りを実行した回数(S113を実行するたびに加算して記憶)が、予め定めておいた読取回数N2(例えば4回)よりも小さく、かつ、S113で指紋センサで指紋画像を読み取ってからの時間の経過が予め定めておいた時間T2(例えば1分)よりも小さいか否かを判断する(S129)。読取回数の値、又は経過時間が超過していない場合には(S129:YES)、S111に戻り、指紋センサから指紋画像を読み取って(S113)、処理を繰り返す。
【0068】
予め定めておいた読取回数の値、又は経過時間に達している場合には(S129:NO)、本人であるか否かを確認することができないので、取引を中断する処理を行い(S131)、全体の処理を終了する。
【0069】
また、S109でICカード105の読み取りが正常でなかった場合には(S109:NO)、予め定めておいたICカード105の読取回数N3(例えば4回)よりも小さく、かつ、S107でICカード105の読み取りを行ってからの時間の経過が予め定めておいた時間T3(例えば1分)よりも小さいか否かを判断する(S133)。読取回数の値、又は経過時間が超過していない場合には(S133:YES)、S105に戻り、使用者が再度挿入したICカード105の読み取りを行って(S107)、処理を繰り返す。
【0070】
予め定めておいた読取回数の値、又は経過時間に達している場合には(S133:NO)、本人であることを認証するための比較対象である特徴量が取り出せず、指紋センサで指紋を入力しても本人であるか否かを確認することができないので、取引を中断する処理を行い(S135)、全体の処理を終了する。
【0071】
以上の第二実施形態のように、指紋照合処理をATMの本人認証に組み込むことにより、現金引き出し等の重要な取引についてのセキュリティを高めることができる。さらに、非接触型の指紋入力装置125を用いるので、指紋の入力についても、かすれ指紋、濡れ指紋による照合率低下や、他人が残留指紋を利用して登録者になりすます危険のおそれが少なく、使用者の心理的抵抗も少ない。また、光源11から青色光及び緑色光の少なくとも一方を照射させて用いることにより、さらに照合率を高めることができる。
【0072】
尚、第二実施形態において、図11のS117で特徴抽出処理を実行する制御部110が本発明の特徴量抽出手段として機能する。また、図11のS121で一致判定処理を実行する制御部110が本発明の判定手段として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】第一実施形態の指紋照合装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】指紋入力装置25を模式的に示す概略平面図である。
【図3】指をおいた状態の指紋入力装置25を模式的に示す概略平面図である。
【図4】図3におけるA−A線の矢視方向から見た指紋入力装置25を模式的に示す概略断面図である。
【図5】図3におけるB−B線の矢視方向から見た指紋入力装置25を模式的に示す概略断面図である。
【図6】光源11の回路図である。
【図7】指紋照合処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】指紋照合処理の中で実行される特徴量抽出処理のフローチャートである。
【図9】光源11から照射される色別の指紋照合結果を示す図である。
【図10】第二実施形態の組込型指紋照合装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】第二実施形態のATM取引処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】光センサをスイッチに用いた指紋入力装置25を模式的に示す概略断面図である。
【図13】光センサをスイッチに用いた指紋入力装置25の別の例を模式的に示す概略断面図である。
【図14】ガイド部材を設けない指紋入力装置25を模式的に示す概略平面図である。
【図15】ガイド部材を設けない指紋入力装置25を模式的に示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 指紋照合装置
10 コンピュータ
11 光源
12 CCDカメラ
13 スイッチ
14 突起
15 コントローラ
16 ガイド部材
17 窓部
24 モニタ
25 指紋入力装置
30 CPU
42 指紋照合プログラム
51 青色LEDチップ
52 緑色LEDチップ
53 赤色LEDチップ
100 ATM
105 ICカード
110 制御部
111 タッチパネル
125 指紋入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指に光を照射する光源と、当該光源から照射された光が前記指に反射した反射光を受光して前記指の指紋画像を撮像する撮像素子と、前記指が撮像位置にあることを検知する検知手段とを備えた非接触型指紋入力装置において、
前記光源は、450nm〜490nmの範囲内の主波長を有する青色光を発光することを特徴とする非接触型指紋入力装置。
【請求項2】
指に光を照射する光源と、当該光源から照射された光が前記指に反射した反射光を受光して前記指の指紋画像を撮像する撮像素子と、前記指が撮像位置にあることを検知する検知部とを備えた非接触型指紋センサにおいて、
前記光源は、500nm〜550nmの範囲内の主波長を有する緑色光を発光することを特徴とする非接触型指紋入力装置。
【請求項3】
指に光を照射する光源と、当該光源から照射された光が前記指に反射した反射光を受光して前記指の指紋画像を撮像する撮像素子と、前記指が撮像位置にあることを検知する検知部とを備えた非接触型指紋センサにおいて、
前記光源は、異なる主波長を有する複数の光を発光することを特徴とする非接触型指紋入力装置。
【請求項4】
前記光源は、450nm〜490nmの範囲内の主波長を有する青色光と、500nm〜550nmの範囲内の主波長を有する緑色光とを少なくとも発光することを特徴とする請求項3に記載の非接触型指紋入力装置。
【請求項5】
前記光源は、450nm〜490nmの範囲内の主波長を有する青色光を発光する青色LEDチップと、500nm〜550nmの範囲内の主波長を有する緑色光を発光する緑色LEDチップと、600nm〜640nmの範囲内の主波長を有する赤色光を発光する赤色LEDチップとを備えた三色発光ダイオードであることを特徴とする請求項3又は4に記載の非接触型指紋入力装置。
【請求項6】
前記光源は、前記光の進行方向が前記指の表面で交差するように光を照射する複数の光源からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の非接触型指紋入力装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記指の挿入を検出するスイッチであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の非接触型指紋入力装置。
【請求項8】
前記スイッチは、前記指の挿入の際、当該指により押されるスイッチであることを特徴とする請求項7に記載の非接触型指紋入力装置。
【請求項9】
前記スイッチは、発光素子と受光素子からなる光センサであり、前記指の挿入により遮光されたことを当該受光素子が検出することを特徴とする請求項7に記載の非接触型指紋入力装置。
【請求項10】
前記スイッチは、複数設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載の非接触型指紋入力装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の非接触型指紋入力装置と、
前記非接触型指紋入力装置から得られた入力画像について特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
当該特徴量抽出手段により抽出された特徴量と、予め登録された登録指紋の特徴量とを比較して入力指紋と登録指紋との類否を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする指紋照合装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−15939(P2008−15939A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188565(P2006−188565)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(598072272)株式会社ディー・ディー・エス (14)
【出願人】(399123926)梅テック 有限会社 (11)
【出願人】(000210986)中央発條株式会社 (173)
【出願人】(506235580)
【Fターム(参考)】