説明

非相溶性物質偏在ポリマー層を有するポリマー部材、及び該ポリマー部材からなる表面凹凸テープ又はシート

【課題】非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材を提供する。
【解決手段】ポリマー部材は、ポリマー層と、そのポリマーを構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材であって、ポリマー層が、ポリマーに対して非相溶な非相溶性物質をモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する形態で含む非相溶性物質偏在ポリマー層であることを特徴とする。前記ポリマー部材は、ポリマー層のモノマー吸収層とは反対側の面にカバーフィルムが積層されていることが好ましい。モノマー吸収層とは反対側の界面近傍は、モノマー吸収層とは反対側の界面から厚み方向の全厚みに対して50%以内の領域であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非相溶性物質偏在ポリマー層を有するポリマー部材、及び該ポリマー部材からなる表面凹凸テープ又はシートに関する。
【背景技術】
【0002】
基材となるシートやフィルムなどの表面に、例えば微粒子を有する層を形成させたい場合、例えばポリマー成分をバインダーとして有機溶剤に溶かした溶液中に微粒子を分散させて、これを基材にコーティングしてさらに溶剤を熱乾燥で揮発させることで、基材表面に微粒子層(微粒子を含む層)を得ることができる。この方法は、基材が溶剤などで溶けてしまう場合や、あるいは基材の耐熱性が低く熱乾燥で溶融、変形しやすい場合には困難であり、また表面が粘着剤層のように粘着性に富む場合も、基材表面へコーティングすることは困難となる。さらには、溶剤や水などの溶媒を乾燥しなければならず、環境や省エネルギーの観点からは好ましくない。
【0003】
加えて、離型処理したフィルムに微粒子層を形成して、これを母材シートに転写することでも基材シート表面に微粒子層を形成できるが、この場合微粒子層表面は離型シート表面と接触していた面が露出することになるため、平滑になりやすく粒子を利用して表面を凹凸化する目的には適さない。また、基材と微粒子層との親和性、相溶性が低い場合には、基材層と微粒子層との接着性がとぼしく、層間で剥がれるなどの問題が生じやすい。さらに、基材と微粒子層の双方に接着性がほとんどない場合には、両者を貼り合わせることが困難であり、どちらか一方、あるいは両方に接着剤などを塗布してから貼り合わせる必要が出てくる。
【0004】
一方、表面が平滑ではなく、表面に凹凸を有するテープ又はシート(「表面凹凸シート」と称する場合がある)は、例えば、防眩性フィルムの用途(特許文献1,2,3参照)のように、いろいろな目的で、様々な用途に用いられている。これは、表面凹凸シートの有する意匠性、光散乱性、アンチブロッキング性などの性質によるものである。
【0005】
従来、表面凹凸シートの製造方法として、テープ又はシート(これらを「シート」と総称する場合がある)などの表面を、エンボスロール等により該シート表面を荒らすなどのエンボス加工により、シート表面を凹凸にして、表面凹凸シートを製造する方法が知られている(特許文献4参照)。なお、この方法により弾性率の低いものを用いて表面凹凸シートを製造した場合、製造後の表面凹凸シートはロール状に巻く等して保管している間に表面が平滑に戻ることがあった。
【0006】
また、従来の表面凹凸シートの製造方法として、粒子を配合した組成物(「粒子配合組成物」と称する場合がある)としての溶剤系塗膜形成物をシート表面に塗布し、揮発性成分(例えば、溶剤や有機化合物など)を熱乾燥等で蒸発除去して、塗膜の厚さを薄くし、粒子の頭を出して、シート表面を凹凸にすることにより表面凹凸シートを製造する方法も知られている(特許文献5参照)。なお、この方法によれば、その製造過程において溶剤などの揮発性成分を熱乾燥等で蒸発除去する必要があったが、プラスチックシートやフィルム(例えば、ポリエチレンフィルムなど)、ハードコード層などの比較的硬くて弾性率の高いものから、粘着剤層などの弾性率の低いものまで、表面に凹凸を施すことが可能であった。
【0007】
しかしながら、表面凹凸シートの製造方法において、上記の従来の表面凹凸シートの製造方法を用いると、表面に凹凸を施すシートが弾性率の高いものに限定されるという問題や、揮発性成分の蒸発除去が必要であることによる手間の問題及び揮発性成分の蒸気による人体や環境に対する悪影響の問題が生じる。
【0008】
【特許文献1】特開2001−91707号公報
【特許文献2】特開2000−275404号公報
【特許文献3】特開2003−248101号公報
【特許文献4】特表平9−504325号公報
【特許文献5】特開平8−113768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、作製の際に溶剤等の揮発性成分を必要とすることはなく、非相溶性物質偏在ポリマー層において非相溶性物質の分布を制御でき、さらに非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との密着性に優れる、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、非相溶性物質として粒子を用いることにより、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材からなる表面凹凸シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、モノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー及び重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物層を設ければ、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質が移動し、非相溶性物質偏在重合性組成物層が得られ、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合することにより、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造が得られること、及びこの非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造において、非相溶性物質として粒子を用いることにより、非相溶性物質偏在ポリマー層のモノマー吸収層との界面に対しての反対面表面において、粒子による凹凸を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明は、ポリマー層と、そのポリマーを構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材であって、ポリマー層が、ポリマーに対して非相溶な非相溶性物質をモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する形態で含む非相溶性物質偏在ポリマー層であることを特徴とするポリマー部材を提供する。
【0012】
前記ポリマー部材は、ポリマー層のモノマー吸収層とは反対側の面にカバーフィルムが積層されていることが好ましい。
【0013】
モノマー吸収層とは反対側の界面近傍は、モノマー吸収層とは反対側の界面から厚み方向の全厚みに対して50%以内の領域であることが好ましい。
【0014】
モノマー吸収層は、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層であることが好ましい。
【0015】
モノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分が、非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つと共通することが好ましい。
【0016】
非相溶性物質は、粒子やポリマーであることが好ましい。
【0017】
非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマーは、アクリル系ポリマーであることが好ましい。
【0018】
非相溶性物質偏在ポリマー層は、非相溶性物質偏在粘着剤層であることが好ましい。
【0019】
前記ポリマー部材は、テープ状又はシート状の形態を有することが好ましい。また、前記ポリマー部材は、非相溶性物質が粒子であり、表面に該粒子に起因する凹凸を有することが好ましい。
【0020】
本発明は、また、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物からなる非相溶性物質含有重合性組成物層を設けることにより、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質を移動させて、非相溶性物質がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在重合性組成物層を得た後、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させて、非相溶性物質がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在ポリマー層を形成し、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材を得ることを特徴とするポリマー部材の製造方法。
【0021】
本発明は、さらに、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収性シートのモノマー吸収面上に、重合性モノマー、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物からなる非相溶性物質含有重合性組成物層が積層され、さらに非相溶性物質含有重合性組成物層上にカバーフィルムが積層された構成を有している積層体を作製し、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質を移動させて、非相溶性物質がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在重合性組成物層を得た後、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させ、非相溶性物質がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在ポリマー層を形成し、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材を得ることを特徴とするポリマー部材の製造方法を提供する。
【0022】
前記ポリマー部材の製造方法において、カバーフィルムは、剥離性を有することが好ましい。
【0023】
前記ポリマー部材の製造方法において、モノマー吸収層は、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層であることが好ましい。
【0024】
前記ポリマー部材の製造方法において、モノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分は、非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つと共通することが好ましい。
【0025】
前記ポリマー部材の製造方法において、非相溶性物質偏在重合性組成物層の重合の際に光照射を用いることが好ましい。
【0026】
前記ポリマー部材の製造方法において、非相溶性物質は、粒子やポリマーであることが好ましい。
【0027】
前記ポリマー部材の製造方法において、重合性モノマーとして、アクリル系モノマーを用いることが好ましい。
【0028】
前記ポリマー部材の製造方法において、非相溶性物質偏在ポリマー層は、非相溶性物質偏在粘着剤層であることが好ましい。
【0029】
前記ポリマー部材の製造方法において、テープ状又はシート状の形態を有するポリマー部材を得ることが好ましい。
【0030】
前記ポリマー部材の製造方法において、非相溶性物質として粒子を用いるとともに、表面に該粒子に起因する凹凸を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明のポリマー部材によれば、前記構成を有しているので、作製の際に溶剤等の揮発性成分を必要とすることはなく、非相溶性物質偏在ポリマー層において、非相溶性物質が分布する部分を制御することができ、さらに非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との密着性に優れる。また、非相溶性物質として粒子を用いることにより、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材からなる表面凹凸シートを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明のポリマー部材は、ポリマー層と、そのポリマー層を構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材であり、ポリマー層が、ポリマーに対して非相溶な非相溶性物質をモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する形態で含む非相溶性物質偏在ポリマー層であるポリマー部材である。
【0033】
なお、界面は、2つの異なる物質同士が、境界面を介して接する場合の境界面のことであり、例えば、ポリマー部材において、非相溶性物質偏在ポリマー層表面が大気中で存在する場合、当然に空気と接しているので、該非相溶性物質偏在ポリマー層表面は、界面である。また、ポリマー部材の非相溶性物質偏在ポリマー層において、モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍を、「層表面又は層表面近傍」や「表面又は表面近傍」と称する場合がある。
【0034】
ゆえに、本発明のポリマー部材は、ポリマーに対して非相溶な非相溶性物質が層表面又は層表面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在ポリマー層と、非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマーを構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有していてもよい。
【0035】
このようなポリマー部材は、モノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物を用いて、非相溶性物質含有重合性組成物層を設けることにより、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質を移動させて、モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍(層表面又は層表面近傍)に偏って分布する形態で非相溶性物質を含有する非相溶性物質偏在重合性組成物層を得てから、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させ、非相溶性物質偏在ポリマー層を形成し、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を得ることにより作製することができる。なお、モノマー吸収層として、モノマー吸収層を有するシートであるモノマー吸収性シートのモノマー吸収層を用いてもよい。
【0036】
また、ポリマー部材は、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収性シートのモノマー吸収面(モノマー吸収性シートのモノマー吸収層表面)に、重合性モノマー、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物からなる非相溶性物質含有重合性組成物層が積層され、さらに非相溶性物質含有重合性組成物層上にカバーフィルムが積層された構成を有している積層体を作製し、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質を移動させて、カバーフィルム側の層表面又は層表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に偏って分布する形態で非相溶性物質を含有する非相溶性物質偏在重合性組成物層を得た後、光照射や加熱等することにより、非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させ、カバーフィルム側の層表面又は層表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に偏って分布する形態で非相溶性物質を含有する非相溶性物質偏在ポリマー層を形成し、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材を得ることにより作製する方法を用いても作製することができる。
【0037】
ポリマー部材の形状は、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有する限り特に制限されず必要に応じて適宜選択されるが、通常テープ状やシート状の形状を有する。
【0038】
ポリマー部材において、非相溶性物質偏在ポリマー層やモノマー吸収層の表面は、カバーフィルムで保護されていてもよい。なお、カバーフィルムは、剥離性を有していてもよいし、あるいは剥離性を有さなくてもよい。
【0039】
ポリマー部材を使用する際、カバーフィルムは、剥がされてもよいし、あるいは剥がされることなくそのままの状態を維持し、ポリマー部材の一部を構成していてもよい。
【0040】
また、非相溶性物質偏在ポリマー層上のカバーフィルムを剥がす等により、非相溶性物質偏在ポリマー層のモノマー吸収層との界面とは反対側の界面(層表面)を露出させてポリマー部材を使用する場合、モノマー吸収層との界面とは反対側の界面(層表面)が通常利用面として用いられる。
【0041】
非相溶性物質含有重合性組成物は、光や熱により重合可能な重合性モノマー、非相溶性物質を少なくとも含有する。また、必要に応じて、重合開始剤(例えば光重合開始剤や熱重合開始剤など)を含有していてもよい。特に、ポリマー部材において、非相溶性物質として微粒子(粒子)を用いた非相溶性物質含有重合性組成物である粒子配合重合性組成物により形成される非相溶性物質偏在ポリマー層は、非相溶性物質含有重合性組成物による層(非相溶性物質含有重合性組成物層)としての粒子配合重合性組成物層を重合・硬化させた粒子配合重合硬化層であり、粒子を層中に偏在する形態で有する。
【0042】
このような非相溶性物質偏在ポリマー層としての粒子配合重合硬化層を有するポリマー部材では、非相溶性物質としての粒子は、粒子配合重合硬化層中では層表面又はその表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に存在するため、粒子配合重合硬化層表面(粒子配合重合硬化層のモノマー吸収層とは反対側の界面)で粒子による凹凸を有する。このため、非相溶性物質としての粒子を用いると、粒子による表面凹凸を有するポリマー部材を得ることができる。特に、非相溶性物質として粒子を用い、粒子による表面凹凸を有し、さらにテープ状又はシート状の形態を有するポリマー部材は、そのまま、表面に凹凸を有するテープ又はシート(単に、「表面凹凸シート」と称する場合がある)や、表面凹凸シートの一部分を構成する部材として用いることができる。
【0043】
表面凹凸シートは、例えばモノマー吸収層の少なくとも一方の面に、粒子、及び重合性モノマーを含有する粒子配合重合性組成物を用いて、粒子配合重合性組成物層を設けることにより、粒子配合重合性組成物層内で粒子を移動させて、表面又は表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に偏って分布する形態で粒子を含有する粒子偏在重合性組成物層を得てから、該粒子偏在重合性組成物層を重合させ、粒子偏在重合硬化層を形成し、粒子配合重合硬化層とモノマー吸収層との積層構造を得ることにより作製することができる。
【0044】
また、表面凹凸シートは、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収性シートのモノマー吸収面に粒子配合重合性組成物層が形成され、さらに粒子配合重合性組成物層上に剥離性を有するカバーフィルムが積層された構成を有する特定の積層体を、光照射や加熱等することにより、粒子配合重合性組成物層を硬化させ、カバーフィルム側の表面に凹凸(凹凸構造)を有する粒子偏在光重合硬化層を形成させることにより製造することができる。このような特定の積層体を用いて作製される表面凹凸シートは、通常、利用される際にカバーフィルムが剥がされ、粒子偏在光重合硬化層の凹凸面(凹凸構造を有する面)が利用面として用いられる。なお、本発明では、粒子配合組成物として、粒子配合重合性組成物が用いられている。
【0045】
[非相溶性物質含有重合性組成物層(粒子配合重合性組成物層)]
非相溶性物質含有重合性組成物層は、光や熱により重合可能な重合性モノマー、非相溶性物質を少なくとも含む非相溶性物質含有重合性組成物により形成される層である。非相溶性物質含有重合性組成物層は、非相溶性物質として粒子を用いた粒子配合重合性組成物により形成される層である粒子配合重合性組成物層であってもよい。また、非相溶性物質含有重合性組成物層は、非相溶性物質として粒子を用い、さらに重合開始剤として光重合開始剤を用いた粒子配合光重合性組成物により形成される粒子配合光重合性組成物層であってもよい。
【0046】
非相溶性物質含有重合性組成物層は、(i)活性エネルギー光線の照射や熱により重合が生じて、硬化し、ポリマー層(硬化層)を形成する。また、(ii)非相溶性物質含有重合性組成物層は、モノマー吸収層と接する形態で設けられると、非相溶性物質含有重合性組成物層の重合性モノマーがモノマー吸収層で吸収され、さらに、(iii)非相溶性物質が非相溶性物質含有重合性組成物層中で移動して、非相溶性物質がモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍(層表面又は層表面近傍)に偏って分布している非相溶性物質偏在重合性組成物層になる。これらのことより、非相溶性物質偏在ポリマー層が得られる。
【0047】
例えば、粒子配合光重合性組成物層は、重合性モノマー、光重合開始剤、微粒子などの粒子を少なくとも含む粒子配合光重合性組成物により形成される層である。ここで、(i)粒子配合光重合性組成物層は、活性エネルギー光線の照射により、光重合が生じて硬化する。また、(ii)粒子配合光重合性組成物層の重合性モノマーは、前記特定の積層体(カバーフィルム、非相溶性物質含有重合性組成物層及びモノマー吸収性シートの積層構造を有する積層体)中のモノマー吸収性シートのモノマー吸収面を提供するモノマー吸収層で吸収される。さらに、(iii)粒子配合光重合性組成物層は、粒子が粒子配合光重合性組成物層中で移動することにより、粒子がモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍(層表面又は層表面近傍)に偏って分布している粒子偏在光重合性組成物層になる。これらのことより、表面に凹凸を有する粒子偏在光重合硬化層が得られる。したがって、粒子配合重合性組成物層は、前記特定の積層体(カバーフィルム、非相溶性物質含有重合性組成物層及びモノマー吸収性シートの積層構造を有する積層体)の一部を構成する層であり、また非相溶性物質として粒子を用いたポリマー部材の利用面表面や表面凹凸シートの利用面表面の凹凸構造を提供する粒子偏在光重合硬化層を光硬化により形成する層である。
【0048】
重合性モノマーは、ラジカル重合やカチオン重合などの反応機構を問わず、光エネルギーや熱エネルギーを利用して重合可能な化合物であることが重要である。このような重合性モノマーは、例えば、アクリル系ポリマーを形成するアクリル系モノマー等のラジカル重合性モノマー;エポキシ系樹脂を形成するエポキシ系モノマー、オキセタン系樹脂を形成するオキセタン系モノマー、ビニルエーテル系樹脂を形成するビニルエーテル系モノマー等のカチオン重合性モノマー;ウレタン系樹脂を形成するポリイソシアネートとポリオールとの組み合わせ;ポリエステル系樹脂を形成するポリカルボン酸、ポリオールとの組み合わせ等が挙げられる。中でも、アクリル系モノマーが好適に用いられる。また、重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0049】
また、前記アクリル系ポリマー、エポキシ樹脂、オキセタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂は、それぞれアクリル系感圧接着剤(粘着剤)のベースポリマー、エポキシ系感圧接着剤のベースポリマー、オキセタン系感圧接着剤のベースポリマー、ビニルエーテル系感圧接着剤のベースポリマー、ウレタン系感圧接着剤のベースポリマー、ポリエステル系感圧接着剤のベースポリマー等として機能する。このため、非相溶性物質含有重合性組成物は、粘着剤組成物(「非相溶性物質含有粘着剤組成物」と称する場合がある)であってもよい。従って、非相溶性物質含有重合性組成物が硬化することにより形成される非相溶性物質偏在ポリマー層は、非相溶性物質含有粘着剤組成物を重合させることにより形成される非相溶性物質偏在粘着剤層であってもよい。なお、本発明では重合性モノマーとしてアクリル系モノマーが好適に用いられるため、非相溶性物質含有粘着剤組成物としては、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤組成物が好適に用いられる。すなわち、本発明では、ポリマー部材を構成する非相溶性物質偏在ポリマー層におけるポリマーは、アクリル系ポリマーであること好ましい。
【0050】
例えば、粒子配合光重合性組成物は、重合性モノマー、光重合開始剤を少なくとも含む粘着剤組成物(「光重合性粘着剤組成物」と称する場合がある)に粒子を配合したもの(「粒子配合光重合性粘着剤組成物」と称する場合がある)であってもよい。従って、粒子配合光重合性組成物層が光硬化することにより形成される粒子配合光重合硬化層は、粒子配合粘着剤組成層が光硬化することにより形成される粒子配合粘着剤層であってもよい。なお、本発明では重合性モノマーとしてアクリル系モノマーが好適に用いられるため、粒子配合光重合性粘着剤組成物としては、粒子配合光重合性アクリル系粘着剤組成物が好適に用いられる。
【0051】
このようなアクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルが好適に用いられる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを好適に用いることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種のみが用いられていてもよく、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
【0052】
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸C2-10アルキルエステル]などが挙げられる。
【0053】
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ポリアルキレングリコール(メタ)クリレートなどが挙げられる。
【0054】
このような(メタ)アクリル酸エステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルが非相溶性物質含有アクリル系粘着剤組成物や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤組成物を構成するモノマー主成分として用いられている場合、(メタ)アクリル酸エステル[特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル]の割合は、例えば、これらの粘着剤組成物を構成するモノマー成分全量に対して60重量%以上(好ましくは80重量%以上)であることが重要である。
【0055】
また、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤組成物や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤組成物には、モノマー成分として、極性基含有モノマーや多官能性モノマーなどの各種の共重合性モノマーが用いられていてもよい。モノマー成分として共重合性モノマーを用いることにより、例えば、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤組成物や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤の接着力を向上させたり、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤の凝集力を高めたりすることができる。なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0056】
前記極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー又はその無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルなどの水酸基含有モノマー;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマーなどが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその無水物が好適である。
【0057】
極性基含有モノマーの使用量としては、得られるポリマー部材の目的、用途によって適宜調整することができるが、例えばポリマー部材を非相溶性物質偏在ポリマー層での粘着が求められる用途で用いる場合、モノマー成分全量に対して30重量%以下(例えば、1〜30重量%)であり、好ましくは3〜20重量%である。極性基含有モノマーの使用量が、モノマー成分全量に対して30重量%を超えると、例えば、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤の凝集力が高くなりすぎ、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤の感圧接着性が低下するおそれがある。なお、極性基含有モノマーの使用量が少なすぎると(例えば、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤を調製するためのモノマー成分全量に対して1重量%未満であると)、例えば、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤の凝集力が低下し、高いせん断力が得られないおそれがある。
【0058】
また、ポリマー部材を非相溶性物質偏在ポリマー層での硬い物性が求められる用途(例えば、フィルム用途やハードコート用途など)で用いる場合、極性基含有モノマーの使用量としては、モノマー成分全量に対して95重量%以下(例えば、0.01〜95重量%)であり、好ましくは1〜70重量%である。極性基含有モノマーの使用量が95重量%を超えると、例えば耐水性などが十分でなくなり、ポリマー部材として使用環境(湿気、水分など)に対する品質変化が大きくなるおそれがある。また、極性基含有モノマーの使用量が少なすぎると(例えば0.01重量%以下)、硬い物性を得るためにガラス転移温度(Tg)の高い(メタ)アクリル酸エステル(例えばイソボルニルアクリレートなど)や多官能性モノマーの添加量が多くなり、得られたポリマー部材が脆くなりすぎるおそれがある。
【0059】
前記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0060】
多官能性モノマーの使用量としては、得られるポリマー部材の目的、用途によって適宜調整することができるが、例えばポリマー部材を非相溶性物質偏在ポリマー層での粘着が求められる用途で用いる場合、モノマー成分全量に対して2重量%以下(例えば、0.01〜2重量%)であり、好ましくは、0.02〜1重量%である。多官能性モノマーの使用量が、モノマー成分全量に対して2重量%を超えると、例えば、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤の凝集力が高くなりすぎ、感圧接着性が低下するおそれがある。なお、多官能性モノマーの使用量が少なすぎると(例えば、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤を調製するためのモノマー成分全量に対して0.01重量%未満であると)、例えば、非相溶性物質含有アクリル系粘着剤や粒子配合光重合性アクリル系粘着剤の凝集力が低下するおそれがある。
【0061】
また、ポリマー部材を非相溶性物質偏在ポリマー層での硬い物性が求められる用途(例えば、フィルム用途やハードコート用途など)で用いる場合、多官能性モノマーの使用量としては、モノマー成分全量に対して95重量%以下(例えば、0.01〜95重量%)であり、好ましくは、1〜70重量%である。多官能性モノマーの使用量がモノマー成分全量に対して95重量%を超えると、重合時の硬化収縮が大きくなり均一なフィルム状あるいはシート上のポリマー部材を得られなくなるおそれや、得られたポリマー部材が脆くなりすぎるおそれがある。また、多官能性モノマーの使用量が少なすぎると(例えば0.01重量%以下であると)、十分な耐溶媒性や耐熱性を有するポリマー部材を得られなくなるおそれがある。
【0062】
また、極性基含有モノマーや多官能性モノマー以外の共重合性モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;フッ素原子含有(メタ)アクリレート;ケイ素原子含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0063】
重合開始剤は、必要に応じて用いてもよく、例えば熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)のいずれを用いてもよい。本発明では、非相溶性物質偏在ポリマー層の形成に際して、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)などの重合開始剤を用いた熱や活性エネルギー光線による硬化反応を利用することができる。このため、非相溶性物質偏在重合性組成物層を、非相溶性物質が層中で偏在する構造を維持して硬化させることができ、非相溶性物質がモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍(層表面又は層表面近傍)に偏って分布している非相溶性物質偏在ポリマー層を容易に形成することができる。
【0064】
光重合開始剤としては、特に制限されず、例えばベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などを用いることができる。光重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0065】
具体的には、ケタール系光重合開始剤には、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[例えば、商品名「イルガキュア651」(チバスペシャリティーケミカルズ社製)など]等が含まれる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[例えば、商品名「イルガキュア184」(チバスペシャリティーケミカルズ社製)など]、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、商品名「ルシリンTPO」(BASF社製)などが使用できる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾインなどが含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、例えば、ベンジルなどが含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤は、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが含まれる。
【0066】
光重合開始剤の使用量としては、特に制限されないが、例えば、非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合光重合性組成物の全モノマー成分100重量部に対して0.01〜5重量部(好ましくは0.05〜3重量部)の範囲から選択することができる。
【0067】
本発明では、非相溶性物質偏在重合性組成物層を硬化させて、非相溶性物質偏在ポリマー層を形成する際(例えば粒子偏在重合性組成物層を硬化させて、粒子偏在光重合硬化層を形成する際など)に、活性エネルギー光線による硬化反応を利用してもよい。このような活性エネルギー光線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。なお、活性エネルギー光線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは、非相溶性物質偏在重合性組成物層を硬化させて、非相溶性物質偏在ポリマー層を形成すること(例えば粒子偏在重合性組成物層を硬化させて、粒子偏在光重合硬化層を形成することなど)ができる限り、特に制限されることはない。
【0068】
なお、熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤[例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなど]、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなど)、レドックス系重合開始剤(例えば有機過酸化物/バナジウム化合物;有機過酸化物/ジメチルアニリン;ナフテン酸金属塩/ブチルアルデヒド、アニリンあるいはアセチルブチロラクトン等の組み合わせなど)などが挙げられる。熱重合開始剤の使用量としては、特に制限されず、熱重合開始剤として利用可能な範囲であればよい。なお、レドックス系重合開始剤を熱重合開始剤として用いれば、常温で重合させることが可能である。
【0069】
非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合光重合性組成物には、必要に応じて、適宜な添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、界面活性剤(例えば、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤など)、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体あるいは液状のもの)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料や染料など)などが挙げられる。
【0070】
例えば、非相溶性物質偏在ポリマー層や粒子偏在光重合硬化層を着色させるために、光重合反応等の重合反応を阻害しない程度の顔料(着色顔料)を使用することができる。非相溶性物質偏在ポリマー層や粒子偏在光重合硬化層の着色として、黒色が望まれる場合には、着色顔料として、カーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックの使用量としては、着色度合いや上記光重合反応を阻害しない観点から、例えば、非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合光重合性組成物の全モノマー成分100重量部に対して0.15重量部以下(例えば、0.001〜0.15重量部)、好ましくは0.02〜0.1重量部の範囲から選択することが望ましい。
【0071】
非相溶性物質としては、非相溶性物質偏在ポリマー層を構成するポリマー成分に対して相溶しない(溶解しない)物質である限り特に限定されず、無機物(無機物質)であっても有機物(有機物質)であってもよい。また、非相溶性物質は、固体であってもよいし、流動性を有していてもよい。
【0072】
非相溶性物質としての無機物としては、例えば下記で例示する粒子(微粒子、微粒子粉末)等が挙げられる。また、非相溶性物質としての有機物としては、例えばアクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、シリコーン、天然ゴム、合成ゴム[特に、スチレン−イソプレン−スチレンゴム(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)またはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンゴム(SEBS)などスチレン成分を含有する合成ゴム]などのポリマー類やそのオリゴマー類;ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂などタッキファイヤー類(粘着付与樹脂類);界面活性剤、酸化防止剤、有機顔料、可塑剤、溶剤(有機溶剤)などの液体などが挙げられる。さらに、水や水溶液(例えば、塩水溶液、酸水溶液など)も非相溶性物質として用いられる。
【0073】
あるポリマーに対してある物質が非相溶性物質であるか否かの判断は、目視、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、X線回析などにより、本発明によらない一般的な方法(例えば、ある物質を重合性モノマーに溶解させ、重合性モノマーを重合してポリマー化して判断する方法;ポリマーをそのポリマーを溶解する溶媒に溶解し、そこへ物質を添加し、攪拌後溶媒を除去して判断する方法;ポリマーが熱可塑性ポリマーであればポリマーを加熱溶解して、そこへ物質を配合し、冷却後判断する方法など)において、そのポリマー中の物質又はその集合体がどの程度の大きさで分散しているかにより判断することができる。その判断基準は、物質又はその集合体が、球や立方体、不定形状などの球体状に近似できる場合には5nm以上の直径を有すること、また棒状や薄層状、直方体状などの柱体状に近似できる場合には最も長い辺の長さが10nm以上であることである。
【0074】
より具体的なポリマー中に物質又はその集合体を分散させる方法としては、例えば、ポリマーを構成する重合性モノマー:100重量部、光重合開始剤:0.5重量部、物質又はその集合体:50重量部を添加あるいは均一分散させた後、PETフィルム上に10〜500μm程度の厚さにコーティングして、窒素などの不活性ガス中あるいはカバーフィルムで酸素の影響を排除してブラックライトによる紫外線照射で重合させる方法;予めポリマーを溶液重合や紫外線重合など任意の方法で作製しておき、該ポリマーを溶剤に溶解させた溶媒系に、ポリマー100重量部に対して50重量部に相当する量の物質又はその集合体を添加、攪拌などにより均一分散して、PET上に塗布して乾燥による溶剤除去後の厚さを10〜500μm程度とする方法などが挙げられる。
【0075】
物質をポリマー中に分散した際において、そのポリマー中の物質又はその集合体が、球や立方体、不定形状などの球体状に近似でき、該球体状の物質又はその集合体が5nm以上の直径を有する場合にはそのポリマーに対する非相溶性物質であるとみなすことができ、またそのポリマー中の物質又はその集合体が、棒状や薄層状、直方体状などの柱体状に近似でき、該柱体状の物質又はその集合体の最も長い辺の長さが10nm以上であるにはそのポリマーに対する非相溶性物質であるとみなすことができる。
【0076】
非相溶性物質としての無機物である粒子は、非相溶性物質として粒子を用いたポリマー部材において非相溶性物質偏在ポリマー層表面の粒子による表面凹凸の形成に寄与することができたり、表面凹凸シート利用面表面での凹凸構造の形成に寄与することができるかぎり特に制限されないが、例えば、シリカ、シリコーン(シリコーンパウダー)、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン、タルク、層状ケイ酸塩、粘土鉱物、金属粉、ガラス、ガラスビーズ、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン、チタン白、カーボンブラックなどの無機粒子;ポリエステルビーズ、ナイロンビーズ、シリコンビーズ、ウレタンビーズ、塩化ビニリデンビーズ、アクリルバルーンなどの有機粒子;架橋アクリル粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂、ナイロン樹脂などの樹脂粒子;無機−有機ハイブリット粒子などが挙げられる。なお、粒子は、中実体、中空体(バルーン)のいずれであってもよい。また、粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0077】
粒子の粒径(平均粒子径)としては、特に制限されないが、例えば、0.5〜500μm(好ましくは 1〜300μm、さらに好ましくは3〜100μm)の範囲から選択することができる。また、粒子は、粒径の異なる粒子を2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0078】
粒子の形状は、真球状や楕円球状などの球状、不定形状、針状、棒状、平板状などのいずれの形状であってもよい。また、粒子は、その表面に、孔や突起などを有していてもよい。一般的には、粒子は、非相溶性物質偏在ポリマー層表面の粒子による表面凹凸の凹凸構造や表面凹凸シートの利用面表面の凹凸構造の形状が揃いやすい真球状や真球状に近い高球形度のものが好ましい。また、粒子は、1種の形状のみを選択して用いてもよいし、形状の異なる粒子を2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0079】
なお、粒子の表面には、各種表面処理(例えば、シリコーン系化合物やフッ素系化合物等による低表面張力化処理など)が施されていてもよい。
【0080】
非相溶性物質偏在ポリマー層における非相溶性物質の使用量としては、特に制限されず、例えば非相溶性物質偏在ポリマー層を形成する非相溶性物質含有重合性組成物のモノマー成分100重量部に対して、0.001〜70重量部、好ましくは0.01〜50重量部、さらに好ましくは0.1〜30重量部となるような範囲から選択することができる。70重量部を超えるような使用量であると、ポリマー部材の作製が困難となる場合や作製後のポリマー部材で強度の問題が生じることがある。なお、0.001重量部未満であると、非相溶性物質偏在ポリマー層の表面又は表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に平均的に分散して非相溶性物質を分布させることが困難となる場合がある。
【0081】
例えば、非相溶性物質として粒子を使用する際の粒子の使用量としては、特に制限されず、粒子配合光重合性組成物のモノマー成分100重量部に対して0.001〜70重量部、好ましくは0.01〜60重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部となるような範囲から選択することができる。なお、粒子の使用量が、粒子配合光重合性組成物のモノマー成分に対して10重量部未満となるような使用量であると、表面凹凸シートの利用面表面に全体的に平均して凹凸構造を付与することが難しくなる場合がある。また、70重量部を超えるような使用量であると、表面凹凸シートの製造中に粒子の脱落が生じたり、表面凹凸シートの強度の問題が生じる場合がある。
【0082】
非相溶性物質偏在ポリマー層において、非相溶性物質は、非相溶性物質偏在ポリマー層の表面又はその表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に偏って分布している。すなわち、非相溶性物質は、非相溶性物質偏在ポリマー層の表面(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面)に偏って層状分布している。このため、ポリマー部材において、モノマー吸収層と非相溶性物質偏在ポリマー層との密着性が優れている。なお、非相溶性物質偏在ポリマー層において、非相溶性物質が分布する部分(前記層状分布部分)の厚み(非相溶性物質偏在ポリマー層表面からの厚み方向の高さ)は、非相溶性物質の使用量を調整することにより制御することができる。
【0083】
非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合光重合性組成物は、上記各成分均一に混合・分散させることにより調製することができる。この非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合光重合性組成物は、通常、基材上に塗布するなどしてシート状に成形するので、塗布作業に適した適度な粘度を持たせておくのがよい。非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合光重合性組成物の粘度は、例えば、アクリルゴム、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合することや、非相溶性物質含有重合性組成物中の重合性モノマーや粒子配合光重合性組成物中の重合性モノマーを光の照射や加熱などにより一部重合させることにより調整することができる。なお、望ましい粘度は、BH粘度計を用いて、ローター:No.5ローター、回転数10rpm、測定温度:30℃の条件で設定された粘度として、5〜50Pa・s、より好ましくは10〜40Pa・sである。粘度が5Pa・s未満であると、基材上に塗布したときに液が流れてしまい、50Pa・sを超えていると、粘度が高すぎて塗布が困難となる。
【0084】
なお、 非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合光重合性組成物の塗布に際しては、例えば、慣用のコーター(例えば、コンマロールコーター、ダイロールコーター、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなど)を用いることができる。
【0085】
非相溶性物質含有重合性組成物層や粒子配合光重合性組成物層は、例えば、モノマー吸収層により提供される面、モノマー吸収性シートのモノマー吸収面、カバーフィルムの離型処理された面などの適宜な支持体の所定の面上に、上記慣用のコーターで塗布することにより形成される。
【0086】
[モノマー吸収性シート]
本発明のポリマー部材は、モノマー吸収層の片面又は両面に、非相溶性物質含有重合性組成物による非相溶性物質含有重合性組成物層を形成し、該非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質を移動させ、非相溶性物質がモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍に存在する非相溶性物質偏在重合性組成物層を得てから、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させ、非相溶性物質偏在ポリマー層を形成し、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を得ることにより作製する。
【0087】
例えば、重合の際には光照射を用い、さらに非相溶性物質として粒子を用い、粒子による表面凹凸を有するポリマー部材としての表面凹凸シートは、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収性シートのモノマー吸収面に、粒子配合光重合性組成物で構成された粒子配合光重合性組成物層が形成され、さらに粒子配合光重合性組成物層上に剥離性を有するカバーフィルムが積層された構成を有している積層体を、光照射することにより、カバーフィルム側に粒子が偏在する粒子偏在光重合硬化層を形成されることにより製造される。つまり、前記特定の積層体において、モノマー吸収性シートのモノマー吸収層がモノマー吸収面と接する形態で設けられた粒子配合光重合性組成物層から重合性モノマーを吸収すること、粒子配合光重合性組成物層で粒子が層内を移動することによって粒子偏在光重合性組成物層が形成されること、及び光照射により粒子偏在光重合性組成物層が硬化することで、前記特定の積層体中のカバーフィルム側表面に凹凸構造を有する粒子偏在光重合硬化層が形成されることにより、表面凹凸シートが製造される。なお、モノマー吸収性シートは、前記特定の積層体の一部を構成する。
【0088】
従って、モノマー吸収性シートは、非相溶性物質含有重合性組成物中の少なくとも一つのモノマー成分を吸収することできるモノマー吸収面を提供するモノマー吸収層を少なくとも有する限り、その形態等は特に制限されない。
【0089】
モノマー吸収性シートとしては、例えば、モノマー吸収層のみで構成されたモノマー吸収性シート(「基材レスモノマー吸収性シート」と称する場合がある)、基材上にモノマー吸収層を設けたモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート」と称する場合がある)が挙げられる。なお、モノマー吸収性シートが基材レスモノマー吸収性シートの場合、モノマー吸収面としてはどちらの面を用いてもよく、一方、基材付きモノマー吸収性シートの場合、モノマー吸収層表面がモノマー吸収面となる。
【0090】
(モノマー吸収層)
モノマー吸収層は、モノマー吸収性シートにおいてモノマー吸収面を提供する層であり、モノマー吸収面上に設けられた非相溶性物質含有重合性組成物層や粒子配合光重合性組成物層から少なくとも重合性モノマーを吸収することができればよい。このようなモノマー吸収層を形成するものとしては、例えば紙製シート(例えば、クラフト紙やクレープ紙、和紙など);繊維系シート(例えば、布、不織布、ネットなど);多孔質フィルム;ポリマー(アクリル系ポリマー、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂);天然ゴム;合成ゴムなどが挙げられる。なお、モノマー吸収層は、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0091】
本発明では、モノマー吸収層を形成するものとしてはポリマーを好適に用いることができる。つまり、モノマー吸収層は、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層を好適に用いることができ、また、モノマー吸収性シートとしては、ポリマー層を有するシートを好適に用いることができる。このようなポリマーとしては、特に制限されないが、モノマー成分として非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合光重合性組成物中の重合性モノマーを少なくとも1種有するポリマーが好ましい。例えば、非相溶性物質含有重合性組成物として光重合性アクリル系ポリマー組成物が用いられている場合、モノマー吸収層を形成するポリマーとしては、アクリル系ポリマーが好ましい。非相溶性物質含有重合性組成物である光重合性アクリル系ポリマー組成物の重合性モノマーであるアクリル系モノマーとモノマー吸収層を形成するアクリル系ポリマーの構成単位が共通するため、重合性モノマーであるアクリル系モノマーが移行しやすくなるためである。
【0092】
また、モノマー吸収層は、非相溶性物質含有重合性組成物から非相溶性物質を除いた以外は同様の組成を有する重合性組成物を重合して得られるポリマー層で構成されていてもよい。例えば、モノマー吸収層は、粒子配合光重合性組成物から粒子を除いた以外は同様の組成を有する光重合性組成物を硬化して得られる光重合硬化層で構成されていてもよい。
【0093】
モノマー吸収層の体積は、重合性モノマーの吸収前と後とで比較して、一定であってもよいし、変化していてもよい。例えば、モノマー吸収層が高分子物質[例えば、上記のポリマー(アクリル系ポリマー、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂)や非相溶性物質含有重合性組成物から非相溶性物質を除いた以外は同様の組成を有する重合性組成物(例えば光重合性粘着剤組成物、粒子配合光重合性組成物から粒子を除いた以外は同様の組成を有する光重合性組成物など)を重合することにより形成されるポリマーなど]により形成される層である場合、モノマー吸収層である高分子物質の層の体積は、非相溶性物質含有重合性組成物層から重合性モノマーを吸収すること(例えば、粒子配合光重合性組成物層から重合性モノマーを吸収すること)で、通常増加する。つまり、モノマー吸収層を形成する前記高分子物質は、重合性モノマーを吸収することにより膨潤する。従って、モノマー吸収層は、重合性モノマーを吸収することで体積が増加するモノマー膨潤層であってもよい。
【0094】
モノマー吸収層が例えば前記高分子物質の層である場合、モノマー吸収層は、例えば下記の基材やカバーフィルムの離型処理された面などの適宜な支持体の所定の面上に、上記慣用のコーターで前記高分子物質を塗布することにより形成される。また、支持体上に設けられたモノマー吸収層としての前記高分子物質の層は、必要に応じて乾燥及び/又は硬化(例えば、光による硬化)されていてもよい。なお、前記高分子物質は、適宜な支持体の所定の面上に塗布される際、アクリルゴム、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合することや、重合性モノマーを加熱や光照射などにより一部重合させることにより塗布に適した粘度に調整されていてもよい。
【0095】
重合性モノマーを吸収する前のモノマー吸収層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、1〜3000μm(好ましくは2〜2000μm、さらに好ましくは5〜1000μm)の範囲から選択することができる。また、モノマー吸収層は、単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
【0096】
(基材)
モノマー吸収性シートが基材付きモノマー吸収性シートである場合に用いられる基材としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体[例えば、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など]等の適宜な薄葉体を用いることができる。基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらの素材は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0097】
なお、基材として、プラスチック系基材が用いられている場合は、延伸処理等により伸び率などの変形性を制御していてもよい。また、基材としては、モノマー吸収層が活性エネルギー光線による硬化により形成される場合は、活性エネルギー光線の透過を阻害しないものを使用することが好ましい。
【0098】
基材の表面は、モノマー吸収層との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよく、下塗り剤や剥離剤等によるコーティング処理等が施されていてもよい。
【0099】
基材の厚みは、強度や柔軟性、使用目的などに応じて適宜に選択でき、例えば、一般的には1000μm以下(例えば、1〜1000μm)、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜300μm程度であるが、これらに限定されない。なお、基材は単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
【0100】
[カバーフィルム]
本発明では、モノマー吸収層の少なくとも一方の面に、非相溶性物質含有重合性組成物を用いて非相溶性物質含有重合性組成物層を設け、非相溶性物質偏在重合性組成物層を得てから、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させ、非相溶性物質偏在ポリマー層を形成するが、非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合する際、空気中の酸素等により反応が阻害されるため、カバーフィルムで非相溶性物質偏在重合性組成物層表面を覆うことが好ましい。また、ポリマー部材を利用する際には、カバーフィルムを剥がして用いてもよいし、カバーフィルムを剥がさずに用いてもよい。なお、ポリマー部材を利用する際にカバーフィルムを剥がさずに用いる場合、カバーフィルムは、ポリマー部材の一部として用いられる。
【0101】
例えば、本発明のポリマー部材からなる表面凹凸シートは、剥離性を有するカバーフィルム(カバー用フィルム)、粒子配合光重合性組成物層、モノマー吸収性シートから構成され、且つモノマー吸収性シートのモノマー吸収面上に設けられた粒子配合光重合性組成物層の表面が剥離性を有するカバーフィルムにより保護された形態を有する特定の積層体を光照射することで該粒子配合光重合性組成物層を硬化させ、カバーフィルム側の表面に凹凸構造を有する粒子偏在光重合硬化層を形成させることにより製造することができる。すなわち、粒子偏在光重合硬化層は、重合性モノマーを有する粒子配合光重合性組成物層に、紫外線などの活性エネルギー光線を照射し、重合性モノマーを光重合させて、粒子配合光重合性組成物層を硬化させることにより形成される。ここで、該光重合反応は空気中の酸素等により反応が阻害されるため、粒子偏在光重合硬化層の形成は、酸素のほとんど存在しない条件下で行うことが好ましい。そのため、カバーフィルムで粒子配合光重合性組成物層の表面を被覆して、酸素との接触を防止して光重合に付している。なお、表面凹凸シートを利用する際には、カバーフィルムは剥がされる。
【0102】
カバーフィルムとしては、酸素を透過し難い薄葉体であれば特に制限されないが、光重合反応を用いる場合は透明なものが好ましい。このようなカバーフィルムとしては、例えば慣用の剥離紙などを使用することができる。具体的には、カバーフィルムとしては、例えば離型処理剤(剥離処理剤)による離型処理層(剥離処理層)を少なくとも一方の表面に有する基材の他、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等)からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などを用いることができる。なお、低接着性基材では、両面が離型面と利用することができ、一方、離型処理層を有する基材では、離型処理層表面を離型面(離型処理面)として利用することができる。
【0103】
カバーフィルムとしては、例えば、カバーフィルム用基材の少なくとも一方の面に離型処理層が形成されているカバーフィルム(離型処理層を有する基材)を用いてもよいし、カバーフィルム用基材をそのまま用いてもよい。
【0104】
このようなカバーフィルム用基材としては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、オレフィン系樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)や、紙類(上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など)の他、これらを、ラミネートや共押し出しなどにより、複層化したもの(2〜3層の複合体)等が挙げられる。カバーフィルム用基材としては、透明性の高いプラスチック系基材フィルム(特に、ポリエチレンテレフタレートフィルム)が用いられたカバーフィルム用基材を好適に用いることができる。

【0105】
離型処理剤としては、特に制限されず、例えば、シリコーン系離型処理剤、フッ素系離型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤などを用いることができる。離型処理剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。なお、離型処理剤により離型処理が施されたカバーフィルムは、例えば、公知の形成方法により、形成される。
【0106】
カバーフィルムの厚みは、特に制限されないが、取り扱い易さと経済性の点から、例えば、12〜250μm(好ましくは、20〜200μm)の範囲から選択することができる。なお、カバーフィルムは単層、積層の何れの形態を有していてもよい。
【0107】
[ポリマー部材(表面凹凸シート)]
ポリマー部材は、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物からなる非相溶性物質含有重合性組成物層を設けることにより、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質を移動させて、非相溶性物質が層表面又は層表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に偏って分布している非相溶性物質偏在重合性組成物層を得た後、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させて、非相溶性物質が層表面又は層表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に偏って分布している非相溶性物質偏在ポリマー層を形成し、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を得ることにより作製される。また、重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収性シートのモノマー吸収面上に、重合性モノマー、重合性モノマーを重合して得られるポリマー非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物からなる非相溶性物質含有重合性組成物層が積層され、さらに非相溶性物質含有重合性組成物層上にカバーフィルムが積層された構成を有している積層体を作製し、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質を移動させて、非相溶性物質がカバーフィルム側の層表面又は層表面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在重合性組成物層を得た後、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させ、非相溶性物質がモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍(カバーフィルム側の層表面又は層表面近傍)に偏って分布している非相溶性物質偏在ポリマー層を形成し、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造をことにより作製されてもよい。なお、ポリマー部材や表面凹凸シートは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
【0108】
非相溶性物質偏在重合性組成物層の重合は、非相溶性物質偏在重合性組成物層が重合・硬化され、非相溶性物質偏在ポリマー層が得られる限り、光源や熱源、照射エネルギーや熱エネルギー、照射方法や加熱方法、照射時間や加熱時間、照射や加熱の開始時期、照射や加熱の終了時期等について、特に制限されることはない。
【0109】
例えば、本発明のポリマー部材からなる表面凹凸シートは、非相溶性物質として粒子を用い、重合性モノマーを用いた前記特定の積層体(剥離性を有するカバーフィルム、粒子配合光重合性組成物層、モノマー吸収性シートから構成され、且つモノマー吸収性シートのモノマー吸収面上に設けられた粒子配合光重合性組成物層の表面が剥離性を有するカバーフィルムにより保護された形態を有する特定の積層体)に紫外線などの活性エネルギー光線を用いて光照射を行うことにより製造されてもよい。
【0110】
このような表面凹凸シートは、例えば、(i)特定の積層体を作製し、(ii)その後、該特定の積層体を光照射することにより製造される。
【0111】
前記特定の積層体は、例えば、少なくとも一方の面が離型処理されたカバーフィルムの離型処理された面上に粒子配合光重合性組成物を塗布することにより粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、モノマー吸収層を有するモノマー吸収性シートに、粒子配合光重合組成物層とモノマー吸収層が接触する形態で、貼り合わせることにより作製される。
【0112】
前記特定の積層体に対する光照射は、前記特定の積層体において、粒子配合光重合性組成物層が硬化され、硬化後の光重合硬化層のカバーフィルム側表面で凹凸構造が形成される限り、光源、照射エネルギー、照射方法、照射時間、照射の開始時期、照射の終了時期等について、特に制限されることない。従って、前記特定の積層体に対する光照射は、前記特定の積層体を作製後すぐに行ってもよいし、一定の時間をおいて行ってもよい。
【0113】
光照射としては、例えばブラックライトランプ、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどによる紫外線の照射が挙げられる。また、加熱としては、例えば公知の加熱方法(例えば、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線等の電磁波を用いた加熱方法など)が挙げられる。
【0114】
なお、モノマー吸収層における重合性モノマーの吸収は、モノマー吸収面に非相溶性物質含有重合性組成物層や粒子配合光重合組成物層が形成された時点で生じる。また、非相溶性物質含有重合性組成物層や粒子配合光重合組成物層を形成後重合するまでの間(例えば特定の積層体を作製してから光照射するまでの間)に生じていてもよいし、非相溶性物質含有重合性組成物層や粒子配合光重合組成物層が重合している間(例えば光照射により粒子配合光重合性組成物層が硬化している間)に生じていてもよい。
【0115】
ポリマー部材における非相溶性物質偏在ポリマー層において、非相溶性物質は、表面又は表面近傍(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍)に分布する。つまり、非相溶性物質は、表面(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面)又は層表面(モノマー吸収層との界面とは反対側の界面)から厚み方向の全厚みに対して50%以内の領域(好ましくは40%以内の領域、より好ましくは30%以内の領域)に分布する。これは、非相溶性物質偏在ポリマー層を形成する非相溶性物質含有重合性組成物層をモノマー吸収層と接する形態で設けると、非相溶性物質含有重合性組成物層中の少なくとも1つのモノマー成分がモノマー吸収層に吸収され、非相溶性物質が非相溶性物質含有重合性組成物層中を移動することによると推測される。
【0116】
従って、非相溶性物質含有重合性組成物層がモノマー吸収層と接触してから重合を終えるまでの時間は長いほど好ましい。特に光照射にて重合開始が容易にコントロールできる場合は、接触後1秒以上、好ましくは5秒以上、さらに好ましくは10秒以上(通常24時間以内)経過後に光照射することが好ましい。
【0117】
また、非相溶性物質偏在ポリマー層における非相溶性物質が分布する部分(「非相溶性物質偏在部」と称する場合がある)の厚み(層表面から厚み方向の全厚みに対する、非相溶性物質が分布する内部領域の層表面からの厚み方向への高さ;モノマー吸収層とは反対側の界面から厚み方向の全厚みに対する、非相溶性物質が分布する内部領域のモノマー吸収層とは反対側の界面からの厚み方向への高さ)は、非相溶性物質偏在ポリマー層に含ませる非相溶性物質の量を調整することにより制御することができる。
【0118】
なお、非相溶性物質偏在ポリマー層の非相溶性物質が分布する部分では、非相溶性物質と非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマー成分とが混在している。このため、非相溶性物質が分布する非相溶性物質偏在ポリマー層のモノマー吸収層との界面とは反対側の界面又は該界面近傍(表面又は表面近傍)では、非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマー成分に基づく特性、非相溶性物質が元来有する特性、非相溶性物質が非相溶性物質偏在ポリマー層内で偏在することに基づく特性を発揮することができる。
【0119】
非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマー成分に基づく特性としては、例えばポリマー成分として粘着剤成分を用いた際の粘着性(感圧接着性)などが挙げられる。非相溶性物質が元来有する特性としては、特定の機能(例えば、膨張性、収縮性、吸収性、発散性、導電性等)を有する非相溶性物質を用いた際の該特定の機能が挙げられる。非相溶性物質が非相溶性物質偏在ポリマー層内で偏在することに基づく特性とは、例えばポリマー成分として粘着剤成分を用いた際の非相溶性物質の含有量を調整することによる粘着性(感圧接着性)の制御、着色などの意匠性、非相溶性物質として粒子を用いた際の表面凹凸の付与や該表面凹凸に基づく特性(例えば、再剥離性、アンチブロッキング性、アンチグレア特性、意匠性、光散乱性など)などが挙げられる。
【0120】
より具体的な例としては、例えば、非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマー成分として粘着剤成分を用い、非相溶性物質として粒子を用いれば、非相溶性物質偏在ポリマー層表面で粒子による凹凸を有し、非相溶性物質偏在ポリマー層の表面で粘着性(タック性)及び剥離性(アンチブロッキング性)を発揮するポリマー部材を得ることができる。該ポリマー部材では、含有させる粒子量を調整することにより、非相溶性物質偏在ポリマー層表面の粘着性を制御できる。また粘着性を非常に弱くしたり、粘着性を生じなくすることもできる。
【0121】
ポリマー部材における非相溶性物質偏在ポリマー層が粒子を含む場合における非相溶性物質偏在ポリマー層表面の凹凸の大きさや形状は、例えば粒子の粒径、非相溶性物質偏在ポリマー層の厚さ、重合方法、重合の開始時期や終了時期等を調整することにより制御される。例えば、表面凹凸シートの利用面表面の凹凸の大きさや形状は、例えば粒子の粒径、光重合硬化層の厚さ、前記特定の積層体に対する光照射の方法、光照射の開始時期や終了時期等を調整することにより、制御される。なお、非相溶性物質偏在ポリマー層が粒子を含む場合における層中の粒子(例えば粒子偏在光重合硬化層に含まれる粒子)は、層内に粒子全体が包含される形態で存在していてもよいし、粒子の一部分が層外に露出する形態(例えば粒子の頭が層外に現れる形態など)で存在していてもよい。つまり、粒子は、ポリマー部材の非相溶性物質偏在ポリマー層表面や表面凹凸シートにおける利用面表面において粒子自体の一部分が露出していてもよい。
【0122】
ポリマー部材や表面凹凸シートは、ロール状に巻回された形態を有していてもよく、また、シートが積層された形態を有していてもよい。すなわち、ポリマー部材や表面凹凸シートは、テープ状、シート状などの形態を有することができる。
【0123】
従って、本発明によれば、ポリマー部材や表面凹凸シートを製造する際、非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合組成物として粒子配合光重合性組成物を用いても、非相溶性物質含有重合性組成物や粒子配合組成物に含まれる揮発性成分(例えば、溶剤や有機化合物など)の蒸発除去をせずに、非相溶性物質偏在ポリマー層を有するポリマー部材や利用面表面に凹凸構造を有する表面凹凸シートを製造することができる。
【0124】
また、本発明では、モノマー吸収層としては非相溶性物質含有重合性組成物で用いられている重合性モノマーのうち少なくとも一つを吸収することができる限り特に制限されないため、モノマー吸収層の弾性率は特に制限されない。つまり、非相溶性物質含有重合性組成物で用いられている重合性モノマーのうち少なくとも一つを吸収することができる限り、粘着剤層、ポリマー層などの弾性率の低いものや、プラスチックシート、ハードコート層、着色塗膜層などの弾性率の高いもののいずれも用いることができる。このため、非相溶性物質として粒子を用いれば、シートの弾性率に制限されることなく、例えば、粘着剤層、ポリマー層などの弾性率の低いものや、プラスチックシート、ハードコート層、着色塗膜層などの弾性率の高いものの表面に凹凸構造を付与して、表面凹凸シートを製造することができる。
【0125】
さらに、本発明では、モノマー吸収層としてポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層を用いる場合、非相溶性物質含有重合性組成物で用いられている重合性モノマーのうち少なくとも一つを吸収することができる限り、そのゲル分率は特に制限されない。このため、モノマー吸収ポリマー層において、ゲル分率を98%程度まで架橋していても、あるいは、ほとんど架橋していなくても(ゲル分率:10%以下)、ポリマー部材を得ることができる。例えば、非相溶性物質として粒子を用い、さらにモノマー吸収層としてモノマー吸収ポリマー層を用いる場合やモノマー吸収性シートとしてポリマー層を有するシートを用いる場合には、ポリマー層のゲル分率を98%程度まで架橋していても、あるいは、ほとんど架橋していなくても(ゲル分率:10%以下)、ポリマー部材や表面凹凸シートを製造することができる。このため、ポリマー層に高い架橋度(例えば、ゲル分率が90%以上)を持たせることにより、得られた表面凹凸シートにおいて、モノマー吸収層としてのポリマー層に耐熱性や耐溶剤性を付与することができる。さらに、ポリマー層に低い架橋度(例えば、ゲル分率が10%以下)を持たせることにより、得られた表面凹凸シートにおいて表面の凹凸の状態を変化させること(例えば、熱や圧力を加えることにより、表面の凹凸の大きさを小さくすること)ができる。
【0126】
さらにまた、本発明では、モノマー吸収層が、硬い層であれ、軟らかい層であれ、ポリマー部材を得ることができる。例えば、非相溶性物質として粒子を用いた場合、モノマー吸収層が、硬い層であれ、軟らかい層であれ、ポリマー部材や表面凹凸シートを製造することができる。つまり、モノマー吸収層の力学物性(硬さ)にかかわらず、表面凹凸シートを製造することができる。このため、モノマー吸収層として硬い層(例えば、100%モジュラスが100N/cm2以上である層)を用いると、得られた表面凹凸シートのモノマー吸収層を支持体(基材)として用いることができる場合がある。さらに、モノマー吸収層として軟らかい層(例えば、100%モジュラスが30N/cm2以下である層)を用いると、得られた表面凹凸シートのモノマー吸収層を粘着層として用いることができる場合がある。
【0127】
本発明のポリマー部材は、非相溶性物質の種類やその量、非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマーの種類やその厚さ等を調整することにより、様々な特性を発揮するため、広範な分野で用いることができる。例えば、非相溶性物質として粒子を用いることにより製造されるポリマー部材からなる表面凹凸シートは、意匠性が要求される用途、光散乱性が要求される用途、アンチブロック性が要求される用途などで好適に用いることができる。
【実施例】
【0128】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0129】
(光重合性シロップの調製例1)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:90重量部、およびアクリル酸:10重量部が混合されたモノマー混合物と、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.1重量部とを、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した組成物(シロップ)(「光重合性シロップ(A)」と称する場合がある)を調製した。
【0130】
(光重合性シロップの調製例2)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:68重量部、イソボルニルアクリレート:22重量部、アクリル酸:10重量部が混合されたモノマー混合物と、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.1重量部とを、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した組成物(シロップ)(「光重合性シロップ(B)」と称する場合がある)を調製した。
【0131】
(光重合性シロップの調製例3)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:45重量部、イソボルニルアクリレート:45重量部、アクリル酸:10重量部が混合されたモノマー混合物と、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.1重量部とを攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した組成物(シロップ)(「光重合性シロップ(C)」と称する場合がある)を調製した。
【0132】
(光重合性シロップの調製例4)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:100重量部に、非相溶性物質としてのマレイン酸変性したSEBS(商品名「FG−1901X」クレイトンポリマージャパン社製):21重量部、SEBS(商品名「G1726」クレイトンポリマージャパン社製):12重量部を溶解させ、さらに光重合開始剤として商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.24重量部、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.24重量部を溶解させ、均一な状態で白濁した粘調液(シロップ)(「光重合性シロップ(D)」と称する場合がある)を調製した。
【0133】
(光重合性シロップの調製例5)
モノマー成分として、ブチルアクリレート:95重量部、アクリル酸:5重量部が混合されたモノマー混合物と、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.35重量部と、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.35重量部とを攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した組成物(シロップ)(「光重合性シロップ(E)」と称する場合がある)を調製した。
【0134】
(粒子配合光重合性組成物の調製例1)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):30重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(A)」と称する場合がある)を調製した。
【0135】
(粒子配合光重合性組成物の調製例2)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径20μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−2000」綜研化学社製):30重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(B)」と称する場合がある)を調製した。
【0136】
(粒子配合光重合性組成物の調製例3)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):30重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(C)」と称する場合がある)を調製した。
【0137】
(粒子配合光重合性組成物の調製例4)
光重合性シロップ(B):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):30重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(D)」と称する場合がある)を調製した。
【0138】
(粒子配合光重合性組成物の調製例5)
光重合性シロップ(B):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):30重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(E)」と称する場合がある)を調製した。
【0139】
(粒子配合光重合性組成物の調製例6)
光重合性シロップ(B):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):30重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(F)」と称する場合がある)を調製した。
【0140】
(粒子配合光重合性組成物の調製例7)
光重合性シロップ(C):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):30重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(G)」と称する場合がある)を調製した。
【0141】
(粒子配合光重合性組成物の調製例8)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):30重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(H)」と称する場合がある)を調製した。
【0142】
(粒子配合光重合性組成物の調製例9)
光重合性シロップ(C):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):30重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(I)」と称する場合がある)を調製した。
【0143】
(粒子配合光重合性組成物の調製例10)
光重合性シロップ(C):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(商品名「MX−500」綜研化学社製):30重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(J)」と称する場合がある)を調製した。
【0144】
(粒子配合光重合性組成物の調製例11)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径5μmのシリコーンパウダー(商品名「KNP−600」信越シリコーン社製):10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(K)」と称する場合がある)を調製した。
【0145】
(粒子配合光重合性組成物の調製例12)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径2μmのシリコーンパウダー(商品名「KNP−590」信越シリコーン社製):10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(L)」と称する場合がある)を調製した。
【0146】
(粒子配合光重合性組成物の調製例13)
光重合性シロップ(A):100重量部に、疎水性フェームドシリカ(商品名「アエロジルR8200」日本アエロジル社製):5重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(M)」と称する場合がある)を調製した。
【0147】
(粒子配合光重合性組成物の調製例14)
光重合性シロップ(A):100重量部に、ミクロンサイズの微粉末シリカ(商品名「サイロホービック4004」富士シリシア化学社製):5重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(N)」と称する場合がある)を調製した。
【0148】
(粒子配合光重合性組成物の調製例15)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(架橋アクリル単分散粒子)(商品名「MX−500」綜研化学社製):1重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(O)」と称する場合がある)を調製した。
【0149】
(粒子配合光重合性組成物の調製例16)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(架橋アクリル単分散粒子)(商品名「MX−500」綜研化学社製):5重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(P)」と称する場合がある)を調製した。
【0150】
(粒子配合光重合性組成物の調製例17)
光重合性シロップ(A):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(架橋アクリル単分散粒子)(商品名「MX−500」綜研化学社製):10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(Q)」と称する場合がある)を調製した。
【0151】
(粒子配合光重合性組成物の調製例18)
光重合性シロップ(E):100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(架橋アクリル単分散粒子)(商品名「MX−500」綜研化学社製):10重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合して、粒子配合光重合性組成物(「粒子配合光重合性組成物(R)」と称する場合がある)を調製した。
【0152】
(非相溶性物質配合光重合性組成物の調製例1)
光重合性シロップ(D):100重量部に、アクリル酸:8.3重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.08重量部を均一に混合して、非相溶性物質配合光重合性組成物(「非相溶性物質配合光重合性組成物(A)」と称する場合がある)を調製した。
【0153】
(粒子配合常温重合性組成物の調製例)
光重合性シロップ(A)を、氷食塩水で冷却した過剰ヘキサン中に少量滴下して、アクリルポリマーを沈殿させた。沈殿したアクリルポリマーを取り出し、さらにヘキサンで数回洗浄して真空乾燥した。この得られたアクリルポリマーを2−エチルヘキシルアクリレート/アクリル酸が9/1の比率のモノマー溶液へ、ポリマー濃度(固形分濃度)7%となるように溶解し、光重合開始剤を含まないシロップを得た。
該シロップ100重量部に、平均粒径5μmの架橋アクリル粒子(架橋アクリル単分散粒子)(商品名「MX−500」綜研化学社製):10重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:1重量部を加え、均一になるまで攪拌し、さらにクメンハイドロパーオキサイド(商品名「パークミルH−80」日本油脂社製)を加え、均一になるまで攪拌した。次に、バナジルアセチルアセトネート溶液(アクリル酸にバナジルアセチルアセトネートを2%濃度となるように溶解させたもの):2重量部(固形分濃度)を、攪拌しながら少量ずつ加え、粒子配合常温重合性組成物(「粒子配合常温重合性組成物(A)」と称する場合がある)を調製した。
【0154】
(カバーフィルム)
カバーフィルムは、片面がシリコーン系離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRN38」三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)を用いた。
【0155】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例1)
光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(A)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが300μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(A)」と称する場合がある)を作製した。
【0156】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例2)
光重合性シロップ(B):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(B)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが75μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(B)」と称する場合がある)を作製した。
【0157】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例3)
光重合性シロップ(C):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(C)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが75μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(C)」と称する場合がある)を作製した。
【0158】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例4)
光重合性シロップ(B):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(D)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが75μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(D)」と称する場合がある)を作製した。
【0159】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例5)
光重合性シロップ(C)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが75μmとなるように塗布し、光重合性シロップ層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(E)」と称する場合がある)を作製した。
【0160】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例6)
光重合性シロップ組成物(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが60μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(F)」と称する場合がある)を作製した。
【0161】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例7)
光重合性シロップ(B)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが70μmとなるように塗布し、光重合性シロップ層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(G)」と称する場合がある)を作製した。
【0162】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例8)
光重合性シロップ(A)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが56μmとなるように塗布し、光重合性シロップ層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(H)」と称する場合がある)を作製した。
【0163】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例9)
光重合性シロップ(B):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが70μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(I)」と称する場合がある)を作製した。
【0164】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例10)
光重合性シロップ(C):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが73μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(J)」と称する場合がある)を作製した。
【0165】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例11)
光重合性シロップ(B):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物(「光重合性シロップ組成物(D)」と称する場合がある)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが65μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(K)」と称する場合がある)を作製した。
【0166】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例12)
光重合性シロップ(C):100重量部を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが71μmとなるように塗布し、光重合性シロップ層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(L)」と称する場合がある)を作製した。
【0167】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例13)
光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが58μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(M)」と称する場合がある)を作製した。
【0168】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例14)
光重合性シロップ(C):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが75μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(N)」と称する場合がある)を作製した。
【0169】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例15)
光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが55μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(O)」と称する場合がある)を作製した。
【0170】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例16)
光重合性シロップ(B)を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが70μmとなるように塗布し、光重合性シロップ層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(P)」と称する場合がある)を作製した。
【0171】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例17)
光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが30μmとなるように塗布し、光重合性シロップ層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(Q)」と称する場合がある)を作製した。
【0172】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例18)
光重合性シロップ(A):100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが85μmとなるように塗布し、光重合性シロップ層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を5分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(R)」と称する場合がある)を作製した。
【0173】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例19)
モノマー成分として、イソステアリルアクリレート(商品名「S−1800A」新中村化学工業社製):100重量部、非相溶性物質として、マレイン酸変性したSEBS(商品名「FG−1901X」クレイトンポリマージャパン社製):21重量部、SEBS(商品名「G1726」クレイトンポリマージャパン社製):12重量部、さらに光重合開始剤として、商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.24重量部及び光重合開始剤として、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.24重量部を配合して混合して、均一な状態で白濁した粘調液(シロップ)を得た。
このシロップ:100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.08重量部を均一に混合して得られる光重合性シロップ組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが80μmとなるように塗布し、光重合性シロップ層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(S)」と称する場合がある)を作製した。
【0174】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例20)
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート:100重量部、非相溶性物質として、マレイン酸変性したSEBS(商品名「FG−1901X」クレイトンポリマージャパン社製):21重量部、SEBS(商品名「G1726」クレイトンポリマージャパン社製):12重量部、さらに光重合開始剤として、商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.24重量部及び光重合開始剤として、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製):0.24重量部を配合して混合して、均一な状態で白濁した粘調液(シロップ)を得た。
このシロップ:100重量部に、アクリル酸:8.3重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.08重量部を均一に混合して得られる光重合性シロップ組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、硬化後の厚さが60μmとなるように塗布し、光重合性シロップ層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm2)を8分間照射し、該光重合性シロップ層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(T)」と称する場合がある)を作製した。
【0175】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例21)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、厚さ30μmとなるようにアクリル系粘着剤を塗布して、厚さ100μmのエーテル系ウレタンエラストマーシート(商品名「シーダム70A」シーダム社製)を貼り合わせることにより、基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(U)」と称する場合がある)を作製した。
【0176】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例22)
アクリル酸n−ブチル:95重量部、アクリル酸:5重量部、過酸化物としてベンゾイルパーオキサイド(商品名「ナイパーBW」日本油脂社製):0.2重量部(固形分)、トルエン:67重量部からなる組成物を、重合容器に投入し、容器内を攪拌しながら窒素を容器内に1時間注入し、系内から酸素を取り除いた。引き続き窒素を注入しつつ、組成物の温度を62℃で一定になるように、温度をコントロールしながら、重合反応を6時間行った。温度のコントロールは、容器の加熱や冷却、新たなトルエンを少量ずつ容器内へ投入することによる冷却により行った。
6時間経過後、温度のコントロールに用いたトルエンとの合計量が82.7重量部となるように、さらにトルエンを追加してから、組成物の温度を90度に上昇させて、さらに4時間重合反応を行った。
重合反応終了後、重合容器を冷却しながら、容器内にトルエン83.3重量部を投入して、室温(23℃)となるように組成物を冷却して、重量平均分子量が約50万のアクリルポリマー溶液を得た。
このアクリルポリマー溶液:100重量部(固形分)に、架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):3重量部(固形分)及び架橋剤(商品名「スーパーベッカミン)大日本インキ化学工業社製:1.5重量部(固形分)を加え、均一になるまで混合して、アクリル系組成物を得た。
このアクリル系組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、アクリル系ポリマー層形成後の厚さが25μmとなるように塗布して、熱風乾燥機を用いて130℃で5分間乾燥させることにより、アクリル系ポリマー層を形成させた。そして、該アクリル系ポリマー層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、40℃の温度雰囲気下で5日間静置することにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(V)」と称する場合がある)を作製した。
【0177】
(基材付きモノマー吸収性シートの作製例23)
反応容器に、アクリル酸ブチル:88重量部、アクリル酸:5重量部、シクロヘキシルメタクリレート:5重量部、リン酸エステル誘導体モノマー(商品名「PAM200」ローディア日華社製):2重量部、及び3−メタクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン(商品名「KBM−503」信越化学社製):0.03重量部を加えて混合し、モノマー混合物を調製した。該モノマー混合物:627gに、反応性乳化剤(商品名「アクアロンHS−10」第一工業製薬社製):13g及びイオン交換水:360gを加え、ホモジナイザー(プライミクス社製)を用いて、5分間、5000(1/min)で攪拌し強制乳化して、モノマープレエマルションを調製した。
次に、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、調製したモノマープレエマルションのうちの200g、イオン交換水:330gを仕込み、次いで、反応容器を窒素置換し、2,2−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物(商品名「VA−057」和光純薬工業社製)0.2gを添加して、60℃で1時間重合した。次いで、調製したモノマープレエマルションのうちの800gを、反応容器に3時間かけて滴下し、滴下終了後さらに3時間重合した。その後、窒素置換しながら、60℃で3時間重合し、固形分48%の水分散型アクリルポリマーエマルション溶液を得た。次いで、これを室温(23℃)まで冷却し、10%アンモニア水を添加して、pHを8に調整することにより、水分散型アクリルポリマー組成物を得た。
この水分散型アクリルポリマー組成物を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、アクリル系ポリマー層形成後の厚さが27μmとなるように塗布して、熱風乾燥機を用いて130℃で5分間乾燥させることにより、アクリル系ポリマー層を形成させた。そして、該アクリル系ポリマー層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(「基材付きモノマー吸収性シート(X)」と称する場合がある)を作製した。
【0178】
(実施例1)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(A)を硬化後の厚さが100μmとなるように塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(A)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、表面凹凸シートを製造した。
【0179】
(実施例2)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(B)を硬化後の厚さが50μmとなるように塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(A)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、表面凹凸シートを製造した。
【0180】
(実施例3)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(A)を硬化後の厚さが60μmとなるように塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、表面凹凸シートを製造した。
【0181】
(実施例4)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(C)を硬化後の厚さが60μmとなるように塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(C)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、表面凹凸シートを製造した。
【0182】
(実施例5)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(D)を硬化後の厚さが60μmとなるように塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(D)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、表面凹凸シートを製造した。
【0183】
(実施例6)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(E)を硬化後の厚さが60μmとなるように塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(E)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、表面凹凸シートを製造した。
【0184】
(実施例7)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(F)を硬化後の厚さが60μmとなるように塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(F)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、表面凹凸シートを製造した。
【0185】
(実施例8)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(G)を硬化後の厚さが60μmとなるように塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(G)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層を形成させることにより、表面凹凸シートを製造した。
【0186】
(実施例9)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(H)を塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(H)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、110μmであった。
【0187】
(実施例10)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(A)を塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(I)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、125μmであった。
【0188】
(実施例11)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(C)を塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(J)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、130μmであった。
【0189】
(実施例12)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(D)を塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(K)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、125μmであった。
【0190】
(実施例13)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(E)を塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(L)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、130μmであった。
【0191】
(実施例14)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(F)を塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(M)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、118μmであった。
【0192】
(実施例15)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(I)を塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(N)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、130μmであった。
【0193】
(実施例16)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(J)を塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(O)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、115μmであった。
【0194】
(実施例17)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合光重合性組成物(G)を塗布して粒子配合光重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(P)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、積層体形成後1分後にカバーフィルム面側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を3分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、130μmであった。
【0195】
(実施例18)
粒子配合光重合性組成物(K)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、粒子配合光重合性組成物層を形成させた後、該粒子配合光重合性組成物層上にカバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、68μmであった。
【0196】
(実施例19)
粒子配合光重合性組成物(L)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、粒子配合光重合性組成物層を形成させた後、該粒子配合光重合性組成物層上にカバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、65μmであった。
【0197】
(実施例20)
粒子配合光重合性組成物(M)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、粒子配合光重合性組成物層を形成させた後、該粒子配合光重合性組成物層上にカバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、70μmであった。
【0198】
(実施例21)
粒子配合光重合性組成物(N)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、70μmであった。
【0199】
(実施例22)
粒子配合光重合性組成物(O)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、65μmであった。
【0200】
(実施例23)
粒子配合光重合性組成物(P)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、66μmであった。
【0201】
(実施例24)
粒子配合光重合性組成物(Q)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、76μmであった。
【0202】
(実施例25)
粒子配合光重合性組成物(A)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、80μmであった。
【0203】
(実施例26)
非相溶性物質配合光重合性組成物(A)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、非相溶性物質配合光重合性組成物層を光硬化させて、非相溶性物質配合光重合硬化層(コート層)を形成させることにより、モノマー吸収層と非相溶性物質配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と非相溶性物質配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、74μmであった。
【0204】
(実施例27)
粒子配合光重合性組成物(Q)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(R)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、175μmであった。
【0205】
(実施例28)
粒子配合光重合性組成物(Q)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(S)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、170μmであった。
【0206】
(実施例29)
粒子配合光重合性組成物(Q)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(T)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、150μmであった。
【0207】
(実施例30)
粒子配合光重合性組成物(Q)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(U)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、175μmであった。
【0208】
(実施例31)
粒子配合光重合性組成物(Q)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(V)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、125μmであった。
【0209】
(実施例32)
粒子配合光重合性組成物(R)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、110μmであった。
【0210】
(実施例33)
粒子配合光重合性組成物(R)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(V)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、100μmであった。
【0211】
(実施例34)
粒子配合光重合性組成物(R)を、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(X)のモノマー吸収層上に塗布して、カバーフィルムを貼り合わせて積層体を得た。
次に、積層体形成後1分後に、該積層体のカバーフィルム面側及び基材付きモノマー吸収性シートの基材面側の両側から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm2)を10分間照射し、粒子配合光重合性組成物層を光硬化させて、粒子配合光重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、110μmであった。
【0212】
(実施例35)
上記カバーフィルムの離型処理された面に粒子配合常温重合性組成物(A)を塗布して粒子配合常温重合性組成物層を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(Q)に、モノマー吸収層と粒子配合光重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、光を遮光した状態で24時間放置し、粒子配合常温重合性組成物層を硬化させて、粒子配合常温重合硬化層(粒子配合層、微粒子配合層)を形成させることにより、モノマー吸収層と粒子配合常温重合硬化層との積層構造を有するシートを製造した。
モノマー吸収層と粒子配合常温重合硬化層との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、120μmであった。
なお、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察には、光を遮光した状態で7日間放置して粒子配合常温重合硬化層を形成させたシートを用いた。
【0213】
(比較例1)
基材付きモノマー吸収性シート(A)の代わりに、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、表面凹凸シートを製造した。
【0214】
(比較例2)
基材付きモノマー吸収性シート(A)の代わりに、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、表面凹凸シートを製造した。
【0215】
(比較例3)
基材付きモノマー吸収性シート(Q)の代わりに厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと、及び粒子配合光重合性組成物層の硬化後の厚さが45μmとなるように粒子配合光重合性組成物を塗布したこと以外は、実施例20と同様にして、シートを製造した。
【0216】
(比較例4)
基材付きモノマー吸収性シート(Q)の代わりに厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと、及び粒子配合光重合性組成物層の硬化後の厚さが45μmとなるように粒子配合光重合性組成物を塗布したこと以外は、実施例21と同様にして、シートを製造した。
【0217】
(比較例5)
基材付きモノマー吸収性シート(Q)の代わりに厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと、及び粒子配合光重合性組成物層の硬化後の厚さが50μmとなるように粒子配合光重合性組成物を塗布したこと以外は、実施例23と同様にして、シートを製造した。
【0218】
(比較例6)
基材付きモノマー吸収性シート(Q)の代わりに厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと及び粒子配合光重合性組成物層の硬化後の厚さが50μmとなるように粒子配合光重合性組成物を塗布したこと以外は、実施例25と同様にして、シートを製造した。
【0219】
(比較例7)
基材付きモノマー吸収性シート(Q)の代わりに厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと、及び粒子配合光重合性組成物層の硬化後の厚さが60μmとなるように粒子配合光重合性組成物を塗布したこと以外は、実施例26と同様にして、シートを製造した。
【0220】
(比較例8)
基材付きモノマー吸収性シート(Q)の代わりに厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと、及び硬化後の厚さが80μmとなるように
粒子配合常温重合性組成物(A)を塗布したこと以外は、実施例35と同様にして、シートを製造した。
【0221】
(評価1)
実施例、及び比較例について、下記の(タックの評価方法)により、タック(粘着性)を評価し、また、下記の(ヘイズの測定方法)により、ヘイズ値を測定した。さらに、実施例で用いられたそれぞれのモノマー吸収性シートのモノマー吸収層のゲル分率及びモノマー吸収層の100%モジュラスを、下記の(ゲル分率の測定方法)及び(100%モジュラスの測定方法)により、測定した。それらの結果を表1に示した。
【0222】
(タックの評価方法)
それぞれのシートのカバーフィルムを剥がし、それぞれのシートの利用面を露出させた。それぞれのシートの利用面のタックを指タックにより評価した。シートの利用面でタックを生じる場合を「あり」、一方、タックを生じない場合を「なし」と評価した。
【0223】
(ヘイズの測定方法)
それぞれのシートのカバーフィルムを剥がし、それぞれのシートの利用面を露出させた。次に、JIS−K7105に準じて、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所社製「HM−150」)を用いて、それぞれのシートのヘイズ値を測定した。
【0224】
(ゲル分率の測定方法)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、片面がシリコーン系剥離処理された厚さ38μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(商品名「MRF38」:三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)を用いたこと以外は、それぞれの実施例で用いられている基材付きモノマー吸収性シートの作製例と同様にして、別途、基材付きモノマー吸収性シートを作製した。
その後、別途作製した基材付きモノマー吸収性シートからモノマー吸収層を(約500mg)を採取し、乾燥重量W1(g)を測定した。次に、前記モノマー吸収層を酢酸エチル中に約23℃下で7日間浸漬し、その後、前記モノマー吸収層を取り出し、130℃で2時間乾燥し、得られた前記モノマー吸収層の乾燥重量W2(g)を測定した。そして、下記の式によりゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=(W2/W1)×100(重量%)
【0225】
(100%モジュラスの測定方法)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、片面がシリコーン系剥離処理された厚さ38μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(商品名「MRF38」:三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)を用いたこと以外は、それぞれの実施例で用いられている基材付きモノマー吸収性シートの作製例と同様にして、別途、基材付きモノマー吸収性シートを作製した。
その後、別途作製した基材付きモノマー吸収性シートから、幅50mm、長さ50mmの正方形状にモノマー吸収層を切り出し、幅方向に円柱状に丸めた。
幅方向に円柱状に丸めたモノマー吸収層について、引張り試験装置(ミネベア株式会社製「TG−1KN」)を用いて、引張り速度50mm/分、チャック間隔10mmの条件で、23℃における応力−歪曲線を求め、その100%モジュラスを読み取った。
【0226】
【表1】

【0227】
なお、比較例1及び2では、基材付きモノマー吸収性シートの代わりに、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたため、モノマー吸収層のゲル分率及びモノマー吸収層の100%モジュラスは、測定しなかった。また、実施例18〜実施例26では、ヘイズを測定しなかった。
【0228】
(評価2)
走査型電子顕微鏡(SEM)で、それぞれのシートの利用面表面の形状やシート断面を観察した。なお、実施例1〜2及び比較例1〜2では、走査型電子顕微鏡(SEM)として、株式会社日立ハイテクノロジーズ製S−3200を使用し、また、その他の実施例及び比較例では、走査型電子顕微鏡(SEM)として、株式会社日立ハイテクノロジーズ製S−4800を使用した。それぞれのシートの利用面表面やシート断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)を、図1〜図43に示した。
【0229】
基材付きモノマー吸収性シートにおけるモノマー吸収層の厚さは、1/1000ダイヤルゲージを用いて、基材付きモノマー吸収性シートの厚さ(基材、モノマー吸収層及びカバーフィルムの厚さ)を測定し、該基材付きモノマー吸収性シートの厚さから基材及びカバーフィルムの厚さを除くことにより求めた。その結果を、表2のモノマー吸収層の厚さ(B)の欄に示した。
【0230】
モノマー吸収層と粒子配合光重合硬化層(非相溶性物質配合光重合硬化層、粒子配合常温重合硬化層)との積層構造の厚さ(全体の厚さ)は、1/1000ダイヤルゲージを用いて、作製したシートの厚さ[基材付きモノマー吸収性シート、粒子配合光重合硬化層(非相溶性物質配合光重合硬化層、粒子配合常温重合硬化層)及びカバーフィルムの厚さ]を測定し、該作製したシートの厚さから、基材付きモノマー吸収性シートの基材の厚さ及びカバーフィルムの厚さを除くことにより求めた。その結果を、表2の全体の厚さ(A+B)の欄に示した。
【0231】
粒子配合光重合硬化層(非相溶性物質配合光重合硬化層、粒子配合常温重合硬化層)の厚さは、前記全体の厚さから、前記モノマー吸収層の厚さを除くことにより求めた。なお、粒子配合光重合硬化層(非相溶性物質配合光重合硬化層)の厚さは、測定値ではなく理論値である。その結果を、表2の粒子(非相溶性物質)配合光重合硬化層(粒子配合常温重合硬化層)の厚さ(A)の欄に示した。
【0232】
シート断面の走査型電子顕微鏡写真から、粒子配合光重合硬化層や粒子配合常温重合硬化層中の粒子が分布する部分(「粒子偏在部」や「偏析層」と称する場合がある)の層表面から厚み方向への高さ(厚さ)や非相溶性物質配合光重合硬化層中の非相溶性物質が分布する部分(「非相溶性物質偏在部」や「コート層」と称する場合がある)の層表面から厚み方向への高さ(厚さ)を求め、表2の粒子(非相溶性物質)偏在部の厚さの欄に示した。なお、粒子偏在部や非相溶性物質偏在部の厚さは、シート断面の走査型電子顕微鏡写真から測定した平均の値である。
【0233】
シートを示す図において、シートの利用面表面(粒子配合光重合硬化層表面や非相溶性物質配合光重合硬化層表面)における走査型電子顕微鏡写真(各図におけるaの走査型電子顕微鏡写真)の倍率、及び各図におけるbの走査型電子顕微鏡写真に相当するシート断面の走査型電子顕微鏡写真の倍率は、500倍である。また、各図におけるcの走査型電子顕微鏡写真に相当するシート断面の走査型電子顕微鏡写真[シート断面における粒子配合光重合硬化層(粒子配合常温重合硬化層)の粒子偏在部(偏析層)や非相溶性物質配合光重合硬化層の非相溶性物質偏在部(コート層)付近を拡大したもの]の倍率は、図9〜図26においては2000倍、図27〜図35においては500倍である。さらに、図20及び図38におけるdの走査型電子顕微鏡写真に相当するシート断面の走査型電子顕微鏡写真[シート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部(偏析層)付近をさらに拡大したもの]の倍率は、10000倍である。
【0234】
【表2】

【0235】
評価1及び評価2から、実施例1〜17のシートは、利用面にタックがなく、実施例18〜24のシートは、粒子の添加量が少なく、タックがあった。また、ヘイズ値の測定結果から、光散乱性を有することが確認できた。
実施例1〜25、27〜35のシートは、各図におけるシートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真(各図におけるaの走査型電子顕微鏡写真)やシート断面における走査型電子顕微鏡写真(各図におけるb、c、dの走査型電子顕微鏡写真)から、利用面表面に粒子による凹凸構造を有することが確認でき、表面凹凸シートとして用いることができる。
また、粒子配合光重合性組成物に含まれる溶剤等の揮発性成分の蒸発除去をせずに、シートを得ることができた。
さらに、弾性率の低いものの表面に凹凸構造を付与して、表面凹凸シートを製造できることが確認できた。
さらにまた、モノマー吸収層のゲル分率や100%モジュラス(硬さ)によらず、表面凹凸シートを製造できることが確認できた。
【0236】
シートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真から、実施例では、粒子配合光重合硬化層や粒子配合常温重合硬化層中の粒子や非相溶性物質配合光重合硬化層中の非相溶性物質は、層表面やその近傍に偏って分布していることが確認できた。一方、比較例では、粒子配合光重合硬化層や粒子配合常温重合硬化層中の粒子や非相溶性物質配合光重合硬化層中の非相溶性物質は、偏って分布することはなく、層中に分散して分布することが確認できた。
また、表2から、実施例では、粒子配合光重合硬化層、非相溶性物質配合光重合硬化層、粒子配合常温重合硬化層の厚さに対して、粒子偏在部や非相溶性物質偏在部の厚さが薄くなっていることから、粒子や非相溶性物質は、層中で偏って分布することが確認できた。一方、比較例では、粒子配合光重合硬化層や非相溶性物質配合光重合硬化層の厚さは、粒子偏在部や非相溶性物質偏在部の厚さと同一であり、層中に分散して分布することが確認できた。
【0237】
(評価3)
実施例26及び比較例7のシートについて、濡れ性、外観、全光線透過率、接着強さ、保持力、利用面表面のIR分析により評価した。
【0238】
濡れ性は、水とヨウ化メチレンの液滴をシートの利用面表面に接触させてからの接触角の経時変化を測定することによって評価した。接触角の経時変化の結果は、表3に示した。
【0239】
外観は、シートの利用面表面の目視によって評価した。その結果は、表4の外観の欄に示した。
【0240】
全光線透過率は、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所社製「HM−150」)を用い、JIS K 7361に準じて測定した。その結果は、表4の全光線透過率の欄に示した。
【0241】
シートの利用面表面の接着強さは、被着体(ガラス板やステンレス板)に、20mm幅に切断したシートを、2kg荷重のゴムローラの条件で貼りあわせ、JIS Z 0237の接着強さ試験方法に準じ、引張測定機にて、剥離速度300mm/分、180°ピール測定により求めた。引張測定機はミネベア社製TG−1KNを使用した。その結果は、表4の接着強さの欄に示した。
また、シート剥離後の被着体を観察し、被着体への汚染を生じているか否かも確認した。汚染を生じている場合、表4の接着強さの測定値の下に「汚染」と表記した。
【0242】
シートの利用面表面の保持力は、シートをベークライト板に対して、幅10mm×長さ20mmの接触面積で貼り付け、24時間放置し、さらに40℃下に30分放置した後、ベークライト板を垂下し、シートの自由端に500gの均一荷重を負荷して、40℃における1時間後のシートのずれ距離を測定した。その結果を表4の保持力の欄に示した。なお、ベークライト板からシートが落下した場合を「落下」と評価した。
【0243】
【表3】

【0244】
表3において、それぞれの値は接触角[°(degree)]である。また、経時時間は、液滴を接触させてからの経過時間を意味する。
【0245】
表3から、実施例26のシートは、液体が接触すると経時によって液体をより塗らす方向へと作用していることが確認できた。このことから、該シートは、液滴に対する濡れ性や密着性にすぐれ、例えば水性あるいは油性の塗料などに被塗装体として有効であると考えられる。
【0246】
【表4】

【0247】
実施例26のシートは、非相溶性物質を含みながらも透明な外観を有するため、透明性を求められる用途に特に有効に用いることができる。また、シートを被着体に貼付した後剥離しても汚染を生じることはなかった。さらに、保持力に優れていた。
【0248】
実施例26のシートの利用面表面のIRチャート(図44)及び比較例7のシートの利用面表面のIRチャート(図45)から、実施例26は、比較例7に比べて、非相溶性物質であるSEBS由来の成分(2900cm-1付近の炭化水素成分、700cm-1付近のスチレン成分)のピークが大きくなっていた。このことから、実施例26のシートの利用面表面では、比較例7のシートの利用面表面と比べて、非相溶性物質の濃度が高くなっていると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0249】
【図1】実施例1の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例3の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例4の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】実施例5の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例6の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例7の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】実施例8の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】実施例9の表面凹凸シートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図10】実施例10のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図11】実施例11のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図12】実施例12のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図13】実施例13のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図14】実施例14のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図15】実施例15のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図16】実施例16のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図17】実施例17のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図18】実施例18のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図19】実施例19のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図20】実施例20のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図21】実施例21のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図22】実施例22のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図23】実施例23のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図24】実施例24のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図25】実施例25のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図26】実施例26のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図27】実施例27のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図28】実施例28のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図29】実施例29のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図30】実施例30のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図31】実施例31のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図32】実施例32のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図33】実施例33のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図34】実施例34のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図35】実施例35のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図36】比較例1の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図37】比較例2の表面凹凸シートの利用面表面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図38】比較例3のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図39】比較例4のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図40】比較例5のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図41】比較例6のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図42】比較例7のシートの利用面表面及びシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図43】比較例8のシートのシート断面における走査型電子顕微鏡写真である。
【図44】実施例26のシートの利用面表面のIRチャートである。
【図45】比較例7のシートの利用面表面のIRチャートである。
【符号の説明】
【0250】
1a 実施例1の表面凹凸シートの利用面表面
2a 実施例2の表面凹凸シートの利用面表面
3a 実施例3の表面凹凸シートの利用面表面
4a 実施例4の表面凹凸シートの利用面表面
5a 実施例5の表面凹凸シートの利用面表面
6a 実施例6の表面凹凸シートの利用面表面
7a 実施例7の表面凹凸シートの利用面表面
8a 実施例8の表面凹凸シートの利用面表面
9a 実施例9のシートの利用面表面
9b 実施例9のシートのシート断面
9c 実施例9のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
10b 実施例10のシートのシート断面
10c 実施例10のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
11b 実施例11のシートのシート断面
11c 実施例11のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
12b 実施例12のシートのシート断面
12c 実施例12のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
13b 実施例13のシートのシート断面
13c 実施例13のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
14b 実施例14のシートのシート断面
14c 実施例14のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
15a 実施例15のシートの利用面表面
15b 実施例15のシートのシート断面
15c 実施例15のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
16a 実施例16のシートの利用面表面
16b 実施例16のシートのシート断面
16c 実施例16のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
17b 実施例17のシートのシート断面
17c 実施例17のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
18a 実施例18のシートの利用面表面
18b 実施例18のシートのシート断面
18c 実施例18のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
19a 実施例19のシートの利用面表面
19b 実施例19のシートのシート断面
19c 実施例19のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
20a 実施例20のシートの利用面表面
20b 実施例20のシートのシート断面
20c 実施例20のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
20d 実施例20のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
21a 実施例21のシートの利用面表面
21b 実施例21のシートのシート断面
21c 実施例21のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
22a 実施例22のシートの利用面表面
22b 実施例22のシートのシート断面
22c 実施例22のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
23a 実施例23のシートの利用面表面
23b 実施例23のシートのシート断面
23c 実施例23のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
24a 実施例24のシートの利用面表面
24b 実施例24のシートのシート断面
24c 実施例24のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
25a 実施例25のシートの利用面表面
25b 実施例25のシートのシート断面
25c 実施例25のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
26a 実施例26のシートの利用面表面
26b 実施例26のシートのシート断面
26c 実施例26のシートのシート断面における非相溶性物質配合光重合硬化層の非相溶性物質偏在部
27c 実施例27のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
28c 実施例28のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
29c 実施例29のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
30c 実施例30のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
31c 実施例31のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
32c 実施例32のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
33c 実施例33のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
34c 実施例34のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層の粒子偏在部
35c 実施例35のシートのシート断面における粒子配合常温重合硬化層の粒子偏在部
36a 比較例1の表面凹凸シートの利用面表面
37a 比較例2の表面凹凸シートの利用面表面
38a 比較例3のシートの利用面表面
38b 比較例3のシートのシート断面
38c 比較例3のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層
38d 比較例3のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層
39a 比較例4のシートの利用面表面
39b 比較例4のシートのシート断面
39c 比較例4のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層
40a 比較例5のシートの利用面表面
40b 比較例5のシートのシート断面
40c 比較例5のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層
41a 比較例6のシートの利用面表面
41b 比較例6のシートのシート断面
41c 比較例6のシートのシート断面における粒子配合光重合硬化層
42a 比較例7のシートの利用面表面
42b 比較例7のシートのシート断面
42c 比較例7のシートのシート断面における非相溶性物質配合光重合硬化層
43c 比較例8のシートのシート断面における粒子配合常温重合硬化層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー層と、そのポリマーを構成する少なくとも1種のモノマー成分を吸収可能なモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材であって、ポリマー層が、ポリマーに対して非相溶な非相溶性物質をモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布する形態で含む非相溶性物質偏在ポリマー層であることを特徴とするポリマー部材。
【請求項2】
ポリマー層のモノマー吸収層とは反対側の面にカバーフィルムが積層されている請求項1記載のポリマー部材。
【請求項3】
モノマー吸収層とは反対側の界面近傍が、モノマー吸収層とは反対側の界面から厚み方向の全厚みに対して50%以内の領域である請求項1又は2記載のポリマー部材。
【請求項4】
モノマー吸収層が、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層である請求項1〜3何れかの項に記載のポリマー部材。
【請求項5】
モノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分が、非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つと共通する請求項4記載のポリマー部材。
【請求項6】
非相溶性物質が、粒子である請求項1〜5何れかの項に記載のポリマー部材。
【請求項7】
非相溶性物質が、ポリマーである請求項1〜6何れかの項に記載のポリマー部材。
【請求項8】
非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマーが、アクリル系ポリマーである請求項1〜7何れかの項に記載のポリマー部材。
【請求項9】
非相溶性物質偏在ポリマー層が、非相溶性物質偏在粘着剤層である請求項1〜8何れかの項に記載のポリマー部材。
【請求項10】
テープ状又はシート状の形態を有する請求項1〜9何れかの項に記載のポリマー部材。
【請求項11】
非相溶性物質が粒子であり、表面に該粒子に起因する凹凸を有する請求項1又は請求項3〜10何れかの項に記載のポリマー部材。
【請求項12】
重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収層の少なくとも一方の面に、重合性モノマー、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物からなる非相溶性物質含有重合性組成物層を設けることにより、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質を移動させて、非相溶性物質がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在重合性組成物層を得た後、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させて、非相溶性物質がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在ポリマー層を形成し、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材を得ることを特徴とするポリマー部材の製造方法。
【請求項13】
重合性モノマーを吸収可能なモノマー吸収性シートのモノマー吸収面上に、重合性モノマー、重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な非相溶性物質を含有する非相溶性物質含有重合性組成物からなる非相溶性物質含有重合性組成物層が積層され、さらに非相溶性物質含有重合性組成物層上にカバーフィルムが積層された構成を有している積層体を作製し、非相溶性物質含有重合性組成物層内で非相溶性物質を移動させて、非相溶性物質がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在重合性組成物層を得た後、該非相溶性物質偏在重合性組成物層を重合させ、非相溶性物質がモノマー吸収層とは反対側の界面又は該界面近傍に偏って分布している非相溶性物質偏在ポリマー層を形成し、非相溶性物質偏在ポリマー層とモノマー吸収層との積層構造を有するポリマー部材を得ることを特徴とするポリマー部材の製造方法。
【請求項14】
カバーフィルムが、剥離性を有する請求項13記載のポリマー部材の製造方法。
【請求項15】
モノマー吸収層が、ポリマーからなるモノマー吸収ポリマー層である請求項12〜14何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
【請求項16】
モノマー吸収ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分が、非相溶性物質偏在ポリマー層のポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも1つと共通する請求項15記載のポリマー部材の製造方法。
【請求項17】
非相溶性物質偏在重合性組成物層の重合の際に光照射を用いる請求項12〜16何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
【請求項18】
非相溶性物質が、粒子である請求項12〜17何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
【請求項19】
非相溶性物質が、ポリマーである請求項12〜18何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
【請求項20】
重合性モノマーとして、アクリル系モノマーを用いる請求項12〜19何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
【請求項21】
非相溶性物質偏在ポリマー層が、非相溶性物質偏在粘着剤層である請求項12〜20何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
【請求項22】
テープ状又はシート状の形態を有するポリマー部材を得る請求項12〜21何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。
【請求項23】
非相溶性物質として粒子を用いるとともに、表面に該粒子に起因する凹凸を形成する請求項12〜22何れかの項に記載のポリマー部材の製造方法。

【図44】
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【図45】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2008−6817(P2008−6817A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146624(P2007−146624)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】