音出力システム、電子機器、電話装置、及び、プログラム
【課題】出力音の選択自由度が高く、イベントに対応した音を好適に発生させることが可能な電子機器を提供すること。
【解決手段】複合機30は、USBインタフェース47及びライン入力端子SLinを備え、USBインタフェース47は、音楽再生装置10のUSBインタフェースに接続され、ライン入力端子SLinは、音楽再生装置のライン出力端子に接続される。この複合機は、公衆電話回線網からの着呼の際、USBインタフェース47に接続された音楽再生装置10に対して再生コマンドを出力して、音楽再生装置10に、再生コマンドにて指定した楽曲データを再生処理させ、音楽再生装置10のライン出力端子から出力される楽曲データの再生信号を、ライン入力端子SLinを通じて取得する。そして、この再生信号を、鳴動部35のスピーカに入力して、鳴動部のスピーカから、再生信号に対応する音を、着信音として出力する。
【解決手段】複合機30は、USBインタフェース47及びライン入力端子SLinを備え、USBインタフェース47は、音楽再生装置10のUSBインタフェースに接続され、ライン入力端子SLinは、音楽再生装置のライン出力端子に接続される。この複合機は、公衆電話回線網からの着呼の際、USBインタフェース47に接続された音楽再生装置10に対して再生コマンドを出力して、音楽再生装置10に、再生コマンドにて指定した楽曲データを再生処理させ、音楽再生装置10のライン出力端子から出力される楽曲データの再生信号を、ライン入力端子SLinを通じて取得する。そして、この再生信号を、鳴動部35のスピーカに入力して、鳴動部のスピーカから、再生信号に対応する音を、着信音として出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベントが発生した際に音を出力する音出力システム及び電子機器並びに電話装置と、これらに用いられるプログラムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
イベントが発生した際に音を出力する装置としては、着信音を出力する電話装置や、アラーム時刻が到来した際にアラーム音を出力するアラームクロック等が、従来、知られている。また、これらの装置としては、出力音の種類を、ユーザ操作に従って切替可能なものが知られている。
【0003】
一般的に、この種の装置において、出力音に対応する楽曲データは、装置が備える内蔵メモリや、メモリカード等の着脱自在な外部メモリに蓄えられ、装置内では、イベントが発生した際に、これらのメモリに記憶された楽曲データを再生処理して、この再生信号をスピーカに入力し、スピーカに、楽曲データに対応する音を出力させる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、着信音の出力システムとしては、電話装置に着信音発生装置を取り付けて、多種の着信音の再生を実現するシステムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
この種のシステムでは、電話装置から着信音発生装置に対して着信信号を入力し、着信音を、着信音発生装置が備えるスピーカから出力する。即ち、この着信音発生装置は、着信信号の入力イベントがあると、内蔵メモリに記録されている音声情報を再生処理し、これに対応する着信音をスピーカから出力する。
【特許文献1】特開2001−333143号公報
【特許文献2】特開2000−316038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、次のような問題があった。即ち、外部メモリ等を通じて外部から楽曲データを取り込み、この楽曲データを、再生処理して、イベントに対応した音をスピーカから出力する技術では、楽曲データを再生処理するためのデコーダを、イベントに対応する音を出力させる上述の電話装置等に設けなければならないといった問題があった。
【0006】
楽曲データとしては、MPEG方式で圧縮された楽曲データに代表される各種規格の楽曲データが知られており、規格の種類も多い。また、将来的には、新しい規格の楽曲データも、多数設けられる可能性がある。
【0007】
従って、電話装置等に、楽曲データを再生処理するための機能を設ける場合には、再生処理に必要なデコーダを多数、装置内に搭載しなければならず、製品のコストアップに繋がるといった問題や、新規格の楽曲データに対応できるように製品を構成することが難しいといった問題があった。
【0008】
そして、電話装置等に搭載するデコーダの種類を、一部のデコーダに限定すると、ユーザが、パーソナルコンピュータや音楽プレーヤで管理している楽曲データの内、電話装置等で、着信音や保留音、アラーム音などに設定可能な楽曲データの種類が限られ、出力音の選択自由度を求めるユーザに不満が及ぶ可能性があった。
【0009】
また、電話装置とは別に、上述の着信音発生装置を用意して、これを電話装置に取り付ける場合には、着信音発生装置が電話装置とは別体であるため、電話装置に、楽曲データの再生機能を設ける場合よりも、着信音の選択自由度を高めることができるが、電話装置とは別の装置から着信音が出力されることになるため、ユーザによっては、違和感を覚える可能性があった。
【0010】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、従来よりも、出力音の選択自由度が高く、イベントの発生時に、イベントに対応した音を好適に発生させることが可能な電子機器及び電話装置並びに音出力システムと、これに対応するプログラムと、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するためになされた本発明(請求項1)の音出力システムは、イベント発生時に音を出力するためのスピーカを備える電子機器と、この電子機器に楽曲データの再生信号を提供する音楽再生装置と、を備える。この音出力システムを構成する音楽再生装置は、電子機器が備える接続インタフェース(第一接続インタフェース)と対となる電子機器接続用の接続インタフェース(第二接続インタフェース)を備え、この接続インタフェースを介して上記電子機器と接続される。
【0012】
また、音楽再生装置は、楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、楽曲データ記憶手段が記憶する楽曲データを再生する再生手段と、再生信号出力手段と、を備え、上記接続インタフェース(第二接続インタフェース)を介して、この接続インタフェースに接続された電子機器から、楽曲データの再生を指令する指令信号が入力されると、再生信号出力手段によって、再生手段を作動させ、再生手段が再生した楽曲データの再生信号を、上記接続インタフェースを介して電子機器に出力する。
【0013】
一方、この音出力システムにおける上記電子機器は、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェース(第一接続インタフェース)を備え、所定イベントが発生すると、再生指令手段にて、この接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力する。
【0014】
また、この電子機器は、出力制御手段を備え、出力制御手段は、再生指令手段の動作により、上記接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、スピーカに入力し、スピーカに、この再生信号に対応する音を出力させる。
【0015】
このように、本発明の音出力システムでは、電子機器が、イベントの発生時、音楽再生装置を操作して、音楽再生装置から楽曲データの再生信号を取得し、これをスピーカに入力することにより、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を自装置のスピーカから出力する。
【0016】
即ち、本発明では、電子機器に、楽曲データを再生するためのデコーダ(再生手段)を設けることなく、電子機器から、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を出力することができるようにしている。従って、この発明によれば、イベント発生時にスピーカから出力させることのできる音の選択自由度が高く、電子機器にて、種々の音を好適に出力することができる(請求項1,2)。
【0017】
ところで、音楽再生装置としては、パーソナルコンピュータからの指令を受け付けるためのインタフェースとして、USBインタフェースやIEEE1394インタフェースを備えるものが広く知られている。従って、上記接続インタフェースとしては、USBインタフェースやIEEE1394インタフェースを採用するのが好ましい。
【0018】
また、上記発明(請求項1,2)を適用可能な電子機器としては、通信回線網に接続され、この通信回線網を通じて、外部装置からの送信信号を受信する通信装置(例えば、電話装置、電子メール受信装置等)を挙げることができる。また、この通信装置に、上記発明を適用する場合には、着信イベントが発生した際に、音楽再生装置の楽曲データに対応する音が、着信音としてスピーカから出力されるように、通信装置を構成されるとよい。
【0019】
即ち、上述の電子機器においては、通信回線網からの着信があると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力するように、再生指令手段を構成し、再生指令手段の動作により、接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号に対応する音を、スピーカに、着信音として、出力させるように、電子機器を構成するとよい。
【0020】
このように構成された電子機器(通信装置)によれば、従来よりも、着信音の選択自由度が高く、ユーザにとっては大変便利である。また、この電子機器によれば、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を、電子機器のスピーカから出力するので、ユーザに対し、違和感を与えることなく、着信音を好適に出力することができる(請求項3)。
【0021】
その他、上述の発明(請求項1,2)を電話装置に適用する場合には、再生指令手段を次のように構成されてもよい。
即ち、再生指令手段は、電子機器が通話状態に移行すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力する構成にされてもよい。このように再生指令手段を構成して、上記発明を電話装置に適用すれば、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を、電子機器(電話装置)のスピーカに、通話時の背景音として、出力させることができる(請求項4)。
【0022】
従って、この電子機器(電話装置)によれば、ユーザは、楽曲データの規格に依らず、通話中に、種々の背景音(BGM)を流すことができる。
また、上述の発明(請求項1,2)は、アラームクロックにも適用することができ、この場合には、再生指令手段を次のように構成されるとよい。
【0023】
即ち、再生指令手段は、予め設定されたアラーム時刻が到来すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力する構成にされるとよい。このように再生指令手段を構成して、上記発明をアラームクロックに適用すれば、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を、電子機器(アラームクロック)のスピーカに、アラーム音として、出力させることができる(請求項5)。
【0024】
従って、この電子機器(アラームクロック)によれば、ユーザは、楽曲データの規格に依らず、音楽再生装置が再生可能な種々の音を、アラーム音として、スピーカに出力させることができる。
【0025】
また、上述の電子機器は、接続インタフェースとして、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有する構成にされると好ましい。具体的に、指令信号出力用のインタフェースとしては、USBインタフェースやIEEE1394インタフェース等を挙げることができ、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースとしては、ライン入力端子を挙げることができる。
【0026】
また、再生信号受付用のインタフェースとして、音楽再生装置が備える再生信号送出用のライン出力端子に、伝送ケーブルを通じて接続されるライン入力端子を採用する場合には、出力制御手段を、次のように構成されるとよい。
【0027】
即ち、出力制御手段は、音楽再生装置からの再生信号に対応する音を、スピーカに出力させる際、ライン入力端子からスピーカへの伝送経路を形成する回路部を制御し、ライン入力端子から入力される再生信号を、スピーカに入力する構成にされるとよい(請求項6)。
【0028】
この電子機器によれば、簡易な構成で、音楽再生装置の再生信号に対応する音の出力制御を行うことができ、伝送経路を形成・遮断可能な回路部を制御し、イベント時以外の期間には、伝送経路を遮断することで、この期間に、音楽再生装置から出力される再生信号に対応する音がスピーカから出力されないようにすることができる。
【0029】
その他、本発明の電子機器は、音楽再生装置が接続されていない場合に、内蔵音を、スピーカから出力する構成にされるとよい。
即ち、電子機器には、上記所定イベントの発生時に、スピーカに入力する音信号を生成する信号生成手段と、接続インタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する判定手段と、を設け、出力制御手段は、判定手段により、接続インタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、信号生成手段を作動させ、信号生成手段により生成された音信号をスピーカに入力し、楽曲データの再生信号に対応する音に代え、スピーカに信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させる構成にされるとよい(請求項7)。
【0030】
このように構成された電子機器によれば、イベント発生時、接続インタフェースに、音楽再生装置が接続されていない場合、内蔵音がスピーカから出力される。従って、この電子機器によれば、接続インタフェースに音楽再生装置が接続されていないことによって、イベントが発生したにも拘らず、スピーカから音が出力されないといった問題が生じるのを回避することができる。
【0031】
尚、電子機器が、接続インタフェースとして、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有する構成にされている場合には、上記判定手段として、指令信号出力用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第一判定手段と、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第二判定手段と、を電子機器に設け、出力制御手段は、第一判定手段により、指令信号出力用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、又は、第二判定手段により、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合に、信号生成手段を作動させて、信号生成手段により生成された音信号をスピーカに入力し、楽曲データの再生信号に対応する音に代え、スピーカに信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させる構成にされるとよい(請求項8)。
【0032】
この構成によれば、指令信号出力用のインタフェース及び再生信号受付用のインタフェースのいずれか一方に、音楽再生装置が接続されていない場合、内蔵音がスピーカから出力される。従って、この電子機器によれば、音楽再生装置に楽曲データの再生を指令したのに、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないため、楽曲データに対応する音がスピーカから出力されなかったり、音楽再生装置に楽曲データの再生を指令できないため、楽曲データに対応する音がスピーカから出力されないといった問題が生じるのを回避することができる。
【0033】
また、上述した発明の概念を、電話装置の保留音などに適用する場合には、上記音出力システムにおいて、電子機器としての電話装置を、次のように構成されるとよい。
即ち、電話装置は、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェース(第一接続インタフェース)を備えると共に、外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、上記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、再生指令手段の動作により、接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、上記電話回線を通じて送出し、再生信号に対応する音を、接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段と、を備える構成にされるとよい(請求項9,請求項10)。
【0034】
このように構成された電話装置(及び音出力システム)では、所定イベントの発生時に音楽再生装置を操作して、音楽再生装置から楽曲データの再生信号を取得し、これを電話回線に送出することにより、接続先の外部電話装置で、再生信号に対応する音が、出力されるようにする。
【0035】
従って、本発明によれば、電話装置に、楽曲データを再生するためのデコーダ(再生手段)を設けずに、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を、外部電話装置に出力させることができる。
【0036】
具体的に、電話回線の保留操作を受付可能な電話装置を採用する場合には、保留操作が行われたことを契機として、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力するように、再生指令手段を構成し、再生指令手段の動作により、接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、保留音の信号として、接続先の外部電話装置に送出するように、電話装置を構成するとよい(請求項11)。
【0037】
このように電話装置を構成すれば、従来よりも、保留音の選択自由度が高く、ユーザの好みの保留音を、外部電話装置で好適に出力することができる。
また、上記電話装置は、接続インタフェースとして、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有する構成にされるのが好ましく、再生信号受付用のインタフェースとして、音楽再生装置が備える再生信号送出用のライン出力端子に、伝送ケーブルを通じて接続されるライン入力端子を有する構成にされるのが好ましい。
【0038】
また、この場合には、所定イベントが発生すると(例えば、保留操作が行われると)、ライン入力端子から入力される再生信号を、送話器からの入力信号に代えて、電話回線を通じ、接続先の外部電話装置に送出するように、出力制御手段を構成すればよい(請求項12)。このように構成された電話装置によれば、簡単な装置構成で、音楽再生装置から入力される再生信号を、接続先の外部電話装置に送出し、この再生信号に対応する音を、接続先の外部電話装置に、保留音等として出力させることができる。
【0039】
また、当該電話装置には、上記所定イベントの発生時に、接続先の外部電話装置に入力する音信号を生成する信号生成手段を設けて、音楽再生装置が接続されていない場合、内蔵音を、接続先の外部電話装置に流すように、電話装置を構成するとよい。
【0040】
その他、当該電話装置が、接続インタフェースとして、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有する構成にされている場合には、指令信号出力用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第一判定手段と、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第二判定手段と、を電話装置に設け、出力制御手段は、第一判定手段により、指令信号出力用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、又は、第二判定手段により、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合に、信号生成手段を作動させて、信号生成手段により生成された音信号を、送話器からの入力信号に代えて、電話回線を通じ、接続先の外部電話装置に送出し、接続先の外部電話装置に、信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させる構成にされるとよい(請求項13)。
【0041】
この構成によれば、指令信号出力用のインタフェース及び再生信号受付用のインタフェースのいずれか一方に、音楽再生装置が接続されていない場合、内蔵音信号が、接続先の外部電話装置に送出される。従って、この電話装置によれば、音楽再生装置に楽曲データの再生を指令したのに、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないため、保留音等が、外部電話装置で流れなかったり、音楽再生装置に楽曲データの再生を指令できないため、保留音等が外部電話装置で流れないといった問題が生じるのを回避することができる。
【0042】
また、上述の電子機器又は電話装置(請求項1〜請求項13)が有する各手段は、プログラムにより、コンピュータに実現させることができる。即ち、所定イベントが発生すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、上記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、再生指令手段の動作により、上記接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、スピーカに入力し、スピーカに、上記再生信号に対応する音を、出力させる出力制御手段、としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースを備える電子機器に組み込めば、プログラムにより、上述の電子機器(請求項2)の機能を実現することができる(請求項14)。
【0043】
また、外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、再生指令手段の動作により、接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、電話回線を通じて送出し、再生信号に対応する音を、接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段、としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースを備えた電話装置に組み込めば、プログラムにより、上述の電話装置(請求項10)の機能を実現することができる(請求項15)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施例について、図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された音出力システム1の概略構成を表すブロック図である。
図1に示すように、本実施例の音出力システム1は、電話機能及びファクシミリ機能を有するディジタル複合機(以下、単に「複合機」と称する。)30に、携帯型の音楽再生装置10が接続されてなる。
【0045】
音楽再生装置10は、周知の音楽再生装置(音楽プレーヤ)と同様に、マイクロコンピュータ等からなる制御部11と、楽曲データを記憶するフラッシュメモリやハードディスク装置等からなる記憶部13と、ユーザ操作を受け付けるための各種操作キーやディスプレイ等からなる表示操作部15と、D/A(ディジタル/アナログ)変換器やライン出力端子SLout等からなる音出力部17と、USBスレーブとして機能するUSBインタフェース19と、を備える。
【0046】
この音楽再生装置10は、周知の音楽再生装置と同様、表示操作部15を通じて行われるユーザ操作に従って、制御部11により、ユーザ操作に対応する楽曲データを記憶部13から読み出し、これを再生処理する。
【0047】
即ち、制御部11は、ソフトウェア又はハードウェアにより実現されるデコーダ11aを起動して、読み出した楽曲データを再生処理し、再生信号を音出力部17に入力する。また、音出力部17では、制御部11から入力されたディジタルの再生信号を、アナログ信号に変換するなどの信号処理を行い、この処理後の再生信号を、ライン出力端子SLoutから出力する。このような動作により、音楽再生装置10は、ライン出力端子SLoutに接続されたヘッドホン等を通じて、楽曲データに対応する音を出力する。
【0048】
また、音楽再生装置10は、USBインタフェース19が有するUSBコネクタ19aに、USBケーブルを介し、USBホストとして機能する情報処理装置のUSBインタフェースが接続されると、この情報処理装置と通信可能に構成される。尚、上記の情報処理装置としては、USBホスト機能を有するパーソナルコンピュータの他、本実施例の複合機30が挙げられる。
【0049】
本実施例の音出力システム1は、このような構成の音楽再生装置10のUSBコネクタ19aに、USBケーブルを介して、USBホストとして機能する複合機30のUSBインタフェース47が接続されて、構成される。
【0050】
また、音楽再生装置10は、USBコネクタ19aに接続された情報処理装置からのコマンドに従って、各種処理を実行する機能を有する。具体的に、音楽再生装置10は、情報処理装置からのコマンドに従って、楽曲データを再生処理する機能や、記憶部13に記憶された楽曲データのリストを、コマンド送信元に提示する機能を有する。
【0051】
次には、この点について、図2〜図4を用いて説明する。図2は、音楽再生装置10の制御部11が繰返し実行するコマンド受付処理を表すフローチャートであり、図3は、再生コマンドの構成を表す説明図である。
【0052】
コマンド受付処理を開始すると、制御部11は、まず、USBインタフェース19を介して、外部からコマンドを受信するまで待機し(S110)、コマンドを受信すると(S110でYes)、受信コマンドが、再生コマンドであるか否かを判断する(S120)。
【0053】
再生コマンドは、楽曲データの再生を要求(指令)するデータであり、本実施例において、この再生コマンドは、当該データが再生コマンドであることを表すコマンドタイプ情報と、楽曲データの指定タイプを表す指定タイプ情報と、曲指定情報と、からなる。尚、指定タイプとしては、楽曲データをファイル名で指定するファイル指定タイプ、楽曲データを曲タイトルで指定するタイトル指定タイプ、楽曲データをインデックス番号で指定するインデックス指定タイプとが、存在する。
【0054】
楽曲データの指定タイプがファイル指定タイプである場合、図3(a)に示すように、再生コマンドには、指定タイプ情報として、ファイル指定タイプであることを表すコードが記述され、曲指定情報として、再生を要求する楽曲データのファイル名が記述される。
【0055】
また、楽曲データの指定タイプがタイトル指定タイプである場合、図3(b)に示すように、再生コマンドには、指定タイプ情報として、タイトル指定タイプであることを表すコードが記述され、曲指定情報として、再生を要求する楽曲データの曲タイトルが記述される。
【0056】
その他、楽曲データの指定タイプがインデックス指定タイプである場合、図3(c)に示すように、再生コマンドには、指定タイプ情報として、インデックス指定タイプであることを表すコードが記述され、曲指定情報として、再生を要求する楽曲データのインデックス番号が記述される。
【0057】
また、本実施例では、図3(d)に示すように、再生コマンドに、指定タイプ情報及び曲指定情報としてヌル値が設定される場合がある。この場合の再生コマンドは、曲指定がないことを表す。本実施例の音楽再生装置10は、このような構成の再生コマンドを解釈可能な構成にされている。
【0058】
S120にて、受信コマンドが上述の再生コマンドであると判断すると(S120でYes)、制御部11は、S130にて、図4に示す再生制御処理を実行する。図4は、制御部11が実行する再生制御処理を表すフローチャートである。
【0059】
再生制御処理を開始すると、制御部11は、まず、受信した再生コマンドが曲を指定するものであるか否かを判断する(S131)。そして、曲を指定するものであると判断すると(S131でYes)、再生コマンドが有する指定タイプ情報及び曲指定情報により特定される楽曲データを、記憶部13内において検索し、記憶部13に、該当楽曲データ(再生コマンドが有する指定タイプ情報及び曲指定情報により特定される楽曲データ)が存在するか否かを判断する(S133)。
【0060】
そして、記憶部13に該当楽曲データが存在すると判断すると(S133でYes)、この楽曲データを記憶部13から読み出すと共に、デコーダ11aを起動して、この楽曲データの再生処理を開始し、この再生信号を音出力部17を介してライン出力端子SLoutから出力する。即ち、楽曲データに対応する音が、ライン出力端子SLoutに接続された装置から出力されるようにする(S134)。また、S134における再生処理の開始に先駆けては、例えば、USBインタフェース19を通じて肯定応答を出力することにより、コマンド送信元に、楽曲データの再生処理の開始を通知する。また、S134での処理を終えると、再生処理(再生信号の出力)を継続した状態で、当該再生制御処理を終了する。
【0061】
一方、受信した再生コマンドが曲を指定しないものであると判断するか(S131でNo)、指定曲の楽曲データが記憶部13に存在しないと判断すると(S133でNo)、制御部11は、S136に移行して、記憶部13に再生処理可能な楽曲データが一つ以上存在するか否かを判断する。そして、再生処理可能な楽曲データが一つ以上存在すると判断すると(S136でYes)、所定の再生開始位置から、楽曲データの再生処理を開始する(S137)。尚、本実施例において、再生開始位置は、最後に再生停止操作がなされたときの再生停止位置に設定されており、この再生停止位置は、楽曲データの再生処理を停止した際に、制御部11により記憶される。
【0062】
また、S137における再生処理の開始に先駆けては、例えば、USBインタフェース19を通じて肯定応答を出力することにより、コマンド送信元に、楽曲データの再生処理の開始を通知する。また、S137での処理を終えると、再生処理(再生信号の出力)を継続した状態で、当該再生制御処理を終了する。
【0063】
その他、S136において、再生処理可能な楽曲データが一つも存在しないと判断すると(S136でNo)、制御部11は、USBインタフェース19を通じて否定応答を出力することにより、コマンド送信元に、再生コマンドの無効を通知する(S139)。その後、当該再生制御処理を終了する。本実施例では、このようにして再生制御処理を実行し、S130において再生制御処理を終了すると、コマンド受付処理を一旦終了する。
【0064】
また、受信コマンドが再生コマンドではないと判断すると(S120でNo)、制御部11は、S140に移行し、受信コマンドが、再生停止を指令する再生停止コマンドであるか否かを判断する。
【0065】
そして、受信コマンドが再生停止コマンドであると判断すると(S140でYes)、S150に移行して、現在、再生処理中の楽曲データが存在するか否かを判断する。即ち、上述の再生制御処理にて、再生処理を開始し、現在も再生処理中の楽曲データが存在するか否かを判断する。そして、再生処理中の楽曲データが存在すると判断すると(S150でYes)、楽曲データの再生処理を停止し(S160)、その後、当該コマンド受付処理を一旦終了する。その他、再生処理中の楽曲データが存在しないと判断すると(S150でNo)、S160の処理を実行することなく、当該コマンド受付処理を一旦終了する。
【0066】
また、受信コマンドが再生停止コマンドではないと判断すると(S140でNo)、制御部11は、受信コマンドが曲リスト提示コマンドであるか否かを判断し(S170)、受信コマンドが曲リスト提示コマンドではないと判断すると(S170でNo)、その他の受信コマンドに対応した処理を実行する(S190)。その後、当該コマンド受付処理を一旦終了して、次のコマンドを受信するまで待機する(S110)。
【0067】
また、受信コマンドが曲リスト提示コマンドであると判断すると(S170でYes)、制御部11は、S181に移行する。そして、パラメータi=0に設定し、S183に移行する。
【0068】
S183に移行すると、制御部11は、パラメータiの値が、記憶部13に記憶された楽曲データの総数Mに等しいか否かを判断し、パラメータi=Mではないと判断すると(S183でNo)、インデックス番号が一番小さい楽曲データを0番目の楽曲データとして、インデックス番号が小さい方からi番目の楽曲データについての曲目データを生成する(S185)。
【0069】
尚、曲目データは、対応する楽曲データのインデックス番号と、楽曲データのファイル名と、曲タイトルを表す文字情報と、からなるものである。本実施例の音楽再生装置10は、記憶部13に、記憶する楽曲データのリストを有し、このリストにおいて、各楽曲データのファイル名と、インデックス番号と、曲タイトルと、を対応付けて記憶している。
【0070】
即ち、上記曲目データは、このリストから生成される。尚、本実施例において、曲タイトルは、例えば、楽曲データが内包するプロパティ情報から抽出される。
S185において曲目データを生成すると、制御部11は、この曲目データを、コマンド送信元に、USBインタフェース19を介して送信する(S187)。また、この処理を終えると、パラメータiの値を1増加させて(S189)、S183に移行する。そして、パラメータi=Mであると判断した場合には(S183でYes)、当該コマンド受付処理を一旦終了する。一方、パラメータi=Mでないと判断した場合には、パラメータi=Mとなるまで、繰返し、S183〜S189の処理を実行し、各楽曲データの曲目データを、コマンド送信元に、USBインタフェース19を介して送信する。
【0071】
以上、音楽再生装置10の構成及び処理動作について説明したが、続いて、複合機30の構成及び処理動作について、図5〜図13を用いて説明する。
図5は、複合機30の概略構成を表すブロック図である。本実施例の複合機30は、装置内各部を統括制御する制御部31と、着信音やアラーム音等を出力するためのスピーカ35e(図6参照)を備えた鳴動部35と、外部の電話装置やファクシミリ装置と通信可能な電話本体部37と、各種操作キーやディスプレイを備える表示操作部41と、電話本体部37を介して受信したファクシミリデータに基づく画像や読取部45にて生成された画像データに基づく画像を用紙に印刷可能な印刷部43と、載置された原稿を光学的に読み取り、原稿の読取画像を表す画像データを生成する読取部45と、USBホストとして機能するUSBインタフェース47と、を備える。
【0072】
具体的に、制御部31は、各種プログラムを実行するCPU31aと、プログラム実行時に作業用メモリとして使用されるRAM31bと、CPU31aが実行するプログラム等を記憶するROM31cと、設定情報等を記憶する電気的にデータ書換可能な不揮発性メモリ(NVRAM)31dと、を備え、CPU31aにて各種プログラムを実行することにより、電話機能やファクシミリ機能、コピー機能、アラーム機能等を実現する。
【0073】
また、鳴動部35は、ライン入力端子SLinを備え、ライン入力端子SLinからの入力信号に対応する音(楽曲)や、音信号生成部35a(図6参照)で生成された内蔵音信号に対応する音を、着信音等として、スピーカ35eを通じ出力する構成にされている。尚、図6は、鳴動部35及び電話本体部37の詳細構成を示したブロック図である。
【0074】
図6に示すように、本実施例の鳴動部35は、上述したライン入力端子SLin及びスピーカ35e並びに音信号生成部35aを備える他、音信号生成部35aにて生成されたディジタルの内蔵音信号を、スピーカ35eにて出力可能なアナログの内蔵音信号に変換するD/A(ディジタル/アナログ)変換器35bと、入力側にD/A変換器35b及びライン入力端子SLinが接続された出力選択器35cと、出力選択器35cからの出力信号を増幅して、その増幅信号をスピーカ35eに入力する増幅器35dと、を備える。
【0075】
また、音信号生成部35aは、内蔵音信号として、着信音信号、保留音信号、及び、アラーム音信号を生成する機能を有し(即ち、着信音信号生成機能、保留音信号生成機能、及び、アラーム音信号生成機能を有し)、制御部31に制御されて起動されると、制御部31からの指示に従って、対応する機能を働かせ、着信音信号、保留音信号、及びアラーム音信号のいずれかを、内蔵音信号として出力する構成にされている。
【0076】
また、出力選択器35cは、D/A変換器35bと増幅器35dとの間の伝送経路を形成し、D/A変換器35bからの入力信号を増幅器35dに出力するモードと、ライン入力端子SLinと増幅器35dとの間の伝送経路を形成して、ライン入力端子SLinからの入力信号を増幅器35dに出力するモードと、増幅器35dに繋がる伝送経路を遮断しD/A変換器35b及びライン入力端子SLinの各部からの入力信号を増幅器35dに伝送しない非伝送モードと、を有する。この出力選択器35cは、制御部31に制御されて、モードを切り替え、上記3つのモードのいずれかのモードを採る。
【0077】
この他、電話本体部37は、公衆電話回線網に繋がる電話線に接続され、回線接続及び切断を行う機能を備えると共にモデム機能を備えた回線制御部37aと、回線制御部37aを介して外部電話装置へ送出する信号の種類を切り替えるための出力切替部37bと、鳴動部35の出力選択器35cと増幅器35dとの間を結ぶ線路に接続され、出力選択器35cの出力信号を増幅する増幅器37cと、ハンドセット37dと、を備える。
【0078】
具体的に、この電話本体部37が備える出力切替部37bは、鳴動部35から入力される保留音信号を、回線制御部37aを介して、外部電話装置に送出するモードと、ハンドセット37dのマイクロフォン37eから入力されるユーザの発話信号を、回線制御部37aを介して、外部電話装置に送出するモードと、を有し、制御部31に制御されて、モードを切り替える。尚、初期状態で、電話本体部37aは、後者のモードで動作し、マイクロフォン37eから入力されるユーザの発話信号を、回線制御部37aを介して、外部電話装置に送出する。
【0079】
また、ハンドセット37dは、回線制御部37aに接続され、回線制御部37aを介して外部電話装置からの発話信号を再生するスピーカ37fと、出力切替器37bを介して回線制御部37aに接続され、ユーザの声を集音し、この発話信号を、回線制御部37aを介して外部電話装置に送信するためのマイクロフォン37eとを備える。
【0080】
また、USBインタフェース47は、USBスレーブとして機能するUSB機器にUSBケーブルを介して接続されるUSBコネクタ47aを複数有し、これらのUSBコネクタ47aを通じて、USB機器と通信する構成にされている。
【0081】
尚、本実施例の音出力システム1は、上記複合機30のUSBコネクタ47aのいずれかに、USBケーブルを介して、USB機器としての音楽再生装置10のUSBインタフェース19が接続され、複合機30のライン入力端子SLinに、伝送ケーブルを介して、音楽再生装置10のライン出力端子SLoutが接続されて構成される。
【0082】
続いて、制御部31がプログラムの実行によりCPU31a上で実現する処理について説明する。図7は、複合機30の制御部31が繰返し実行する音設定処理を表すフローチャートである。この音設定処理を実行することにより、制御部31は、ユーザ操作に従って、着信音、保留音、背景音、及び、アラーム音を設定する。尚、この音設定処理は、後述する他の処理(着信音出力処理、背景音出力処理、保留音出力処理、及び、アラーム音出力処理)と並列に処理される。
【0083】
音設定処理を開始すると、制御部31は、表示操作部41を通じて音設定開始操作がなされるまで待機する(S210)。尚、本実施例の複合機30は、音設定開始操作として、着信音設定開始操作、背景音設定開始操作、保留音設定開始操作、及び、アラーム音設定開始操作を受付可能な構成にされている。即ち、S210では、計4種の音設定開始操作のいずれかが表示操作部41を通じてユーザによりなされるまで待機する。
【0084】
そして、音設定開始操作がなされると(S210でYes)、USBコネクタ47aのいずれかに、音楽再生装置10が接続されているか否かを判断する(S220)。尚、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かの判断は、USBコネクタ47aに接続された各USB機器からデバイス情報を取得することで実現できる。また、制御部31は、特定の問合せ信号を、各USB機器に送信し、この応答結果に基づいて、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断する構成にされてもよい。
【0085】
そして、USBコネクタ47aのいずれにも音楽再生装置10が接続されていないと判断すると(S220でNo)、制御部31は、当該音設定処理を一旦終了する。一方、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されていると判断すると、S230に移行し、USBインタフェース47を介して、接続されている音楽再生装置10に曲リスト提示コマンドを送信する。
【0086】
また、この処理を終えると、制御部31は、曲リスト提示コマンドに対する応答データを受信し(S240)、応答データの受信が完了すると、受信した応答データに基づいて、曲リストを、表示操作部41のディスプレイに表示する(S250)。尚、上述したように、音楽再生装置10は、曲リスト提示コマンドに対応する応答データとして、曲目データを、曲毎に送信してくる。従って、S240〜S250では、これら各曲目データを順に受信し、この曲目データに基づいて、曲タイトルを列挙した曲リストを、ディスプレイに表示する。
【0087】
また、S250での処理を終えると、制御部31は、表示された曲リストに基づき、ユーザにより、曲タイトルの選択操作、又は、出力音に設定する曲の確定操作が、表示操作部41を通じてなされるまで待機し(S260でNo、S270でNo)、曲タイトルの選択操作がなされたと判断すると(S260でYes)、その操作内容に従って、ディスプレイに表示された曲リストの表示画面を更新する(S265)。例えば、操作内容に従って、曲リストに設けられたカーソルを移動させたり、選択された曲タイトルの文字列を、白黒反転表示する等の処理を行う。また、S265での処理を終えると、制御部31は、S260に移行し、再び、曲タイトルの選択操作又は曲の確定操作がなされるまで待機する。
【0088】
その他、曲の確定操作がなされたと判断すると(S270でYes)、制御部31は、S280に移行し、S220〜S270を実行するにいたった原因の音設定開始操作が、着信音設定開始操作であるか否かを判断する。そして、着信音設定開始操作であると判断すると(S280でYes)、S290に移行し、ユーザにより選択された曲を着信音に設定する。
【0089】
即ち、確定操作がなされた時点で選択されていた曲タイトルに対応する楽曲データを、着信音として再生コマンドの送信時に指定する楽曲データに設定する(S290)。この設定動作は、NVRAM31dに、着信音設定情報として、選択された曲タイトルに対応する曲目データのインデックス番号、曲タイトル及びファイル名を記録することで、実現される。そして、この処理を終えると、制御部31は、当該音設定処理を一旦終了し、再び、音設定開始操作がなされるまで待機する(S210)。
【0090】
一方、S280において、上記原因の音設定開始操作が、着信音設定開始操作ではないと判断すると、制御部31は、S300に移行し、上記原因の音設定開始操作が、背景音設定開始操作であるか否かを判断する。そして、上記原因の音設定開始操作が、背景音設定開始操作であると判断すると(S300でYes)、S310に移行して、図8(a)に示す背景音設定処理を開始する。尚、図8(a)は、制御部31が実行する背景音設定処理を表すフローチャートである。
【0091】
背景音設定処理を開始すると、制御部31は、上述の曲リスト表示画面を通じて、ユーザにより選択された曲を背景音に設定する。即ち、NVRAM31dに、背景音設定情報として、選択された曲タイトルに対応する曲目データのインデックス番号、曲タイトル及びファイル名を記録する(S311)。
【0092】
また、この処理を終えると、S313に移行して、背景音がスピーカ35eから出力されている最中であるか否かを判断する。尚、背景音は、通話中にスピーカ35eから出力されるものであり、具体的には、後述の背景音出力処理(図10)により、スピーカ35eから出力される。
【0093】
そして、背景音がスピーカ35eから出力されている最中であると判断すると(S313でYes)、制御部31は、新しく設定した背景音に対応する楽曲データの再生処理の実行を指示する上述の再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S315)。即ち、制御部31は、NVRAM31dに記憶されている最新の背景音設定情報及び指定タイプ設定情報(詳細後述)を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S315)。その後、当該背景音設定処理を終了する。
【0094】
その他、背景音がスピーカ35eから出力されていないと判断すると(S313でNo)、制御部31は、S315の処理を実行することなく、当該背景音設定処理を終了する。そして、背景音設定処理を終了すると、音設定処理についても一旦終了する。
【0095】
また、S300において、上記原因の音設定開始操作が、背景音設定開始操作ではないと判断すると、制御部31は、S320に移行し、上記原因の音設定開始操作が、保留音設定開始操作であるか否かを判断する。
【0096】
そして、上記原因の音設定開始操作が、保留音設定開始操作であると判断すると(S320でYes)、S330に移行し、図8(b)に示す保留音設定処理を開始する。尚、図8(b)は、制御部31が実行する保留音設定処理を表すフローチャートである。
【0097】
保留音設定処理を開始すると、制御部31は、上述の曲リスト表示画面を通じて、ユーザにより選択された曲を保留音に設定する。即ち、NVRAM31dに、保留音設定情報として、選択された曲タイトルに対応する曲目データのインデックス番号、曲タイトル及びファイル名を記録する(S331)。
【0098】
また、この処理を終えると、制御部31は、S333に移行して、音楽再生装置10からの再生信号が保留音信号として外部電話装置に出力されている最中であるか否かを判断する。尚、保留音信号は、後述の保留音出力処理(図11、図12)により、外部電話装置に出力される。
【0099】
そして、音楽再生装置10からの再生信号が保留音信号として外部電話装置に出力されている最中であると判断すると(S333でYes)、制御部31は、新しく設定した保留音に対応する楽曲データの再生処理の実行を指示する上述の再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S335)。即ち、制御部31は、NVRAM31dに記憶されている最新の保留音設定情報及び指定タイプ設定情報(詳細後述)を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S335)。その後、当該保留音設定処理を終了する。
【0100】
その他、音楽再生装置10からの再生信号が保留音信号として外部電話装置に出力されていないと判断すると(S333でNo)、制御部31は、S335の処理を実行することなく、当該保留音設定処理を終了する。そして、保留音設定処理を終了すると、音設定処理についても一旦終了する。
【0101】
また、S320において、上記原因の音設定開始操作が、保留音設定開始操作ではないと判断すると、制御部31は、S340に移行し、上記原因の音設定開始操作が、アラーム音設定開始操作であるか否かを判断する。
【0102】
そして、上記原因の音設定開始操作が、アラーム音設定開始操作であると判断すると(S340でYes)、S350に移行し、上述の曲リスト表示画面を通じて、ユーザにより選択された曲を、アラーム音に設定する。その後、当該音設定処理を終了する。一方、上記原因の音設定開始操作が、アラーム音設定開始操作でもない判断すると(S340でNo)、制御部31は、S350の処理を実行することなく、当該音設定処理を終了する。そして、次の音設定開始操作がなされるまで待機する(S210)。
【0103】
尚、この音設定開始処理にて参照されるNVRAM31d内の指定タイプ設定情報は、ユーザが、表示操作部41を通じて、指定タイプの切替操作を行うことにより、更新される。即ち、本実施例の複合機30は、曲の指定タイプを、ユーザ操作に従って切替可能な構成にされており、指定タイプの切替操作が、表示操作部41を通じてなされると、制御部31は、この操作内容に従って、NVRAM31dに記憶されている指定タイプ設定情報を更新し、指定タイプを、上述のファイル指定タイプ、タイトル指定タイプ、インデックス指定タイプのいずれかに設定する。
【0104】
続いて、制御部31が繰返し実行する着信音出力処理について説明する。図9は、この着信音出力処理を表すフローチャートである。尚、この着信音出力処理は、上述した音設定処理、後述する背景音出力処理、保留音出力処理、及び、アラーム音出力処理と並列に処理される。
【0105】
着信音出力処理を開始すると、制御部31は、公衆電話回線網(PSTN)を通じて回線制御部37aが外部の電話装置又はファクシミリ装置から呼を受信するまで待機する(S410)。そして、呼を受信すると(S410でYes)、S220と同様の手法にて、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断する(S420)。ここで、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれかに接続されていると判断すると(S420でYes)、S430に移行し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれにも接続されていないと判断した場合には(S420でNo)、S510に移行する。
【0106】
S430に移行すると、制御部31は、まず、NVRAM31dに記憶されている着信音設定情報及び指定タイプ設定情報を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S440)。即ち、指定タイプ設定情報がファイル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてファイル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、着信音設定情報が示すファイル名を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0107】
その他、指定タイプ設定情報がタイトル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてタイトル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、着信音設定情報が示す曲タイトルを記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0108】
また、指定タイプ設定情報がインデックス指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてインデックス指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、着信音設定情報が示すインデックス番号を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0109】
また、S440での処理を終えると、制御部31は、S450に移行し、再生コマンドに対して肯定応答があったか否かを判断する。
S450では、例えば、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されるのを監視して、ライン入力端子SLinから再生信号が入力された場合、肯定応答があったと判断し、所定時間内に、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されなかった場合、肯定応答がなかったと判断する。
【0110】
また、別例として、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10から再生コマンドに対する応答信号を受信し、応答信号が肯定応答を示す場合、Yesと判断し、否定応答を示す場合には、Noと判断する。また、音楽再生装置10が所定時間内に応答信号を送信してこなかった場合、Noと判断する。
【0111】
S450で再生コマンドに対する肯定応答があったと判断すると(S450でYes)、制御部31は、S460に移行し、肯定応答がなかったと判断すると(S450でNo)、S510に移行する。
【0112】
S460に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路を形成し、ライン入力端子SLinからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、ライン入力端子SLin側に切り替える。
【0113】
このようにして、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路が形成されると、ライン入力端子SLinから入力される音楽再生装置10の再生信号は、スピーカ35eに入力され、スピーカ35eからは、音楽再生装置10の再生信号に対応する音が出力される。即ち、再生コマンドに対応する曲が、着信音として、スピーカ35eから出力される。
【0114】
また、S460での処理を終えると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、ユーザ操作(ハンドセットの操作等)又は自動応答機能(留守録機能等)により、通話又はファクシミリ通信が開始されるか、呼が途絶えるまで待機し(S465でNo、S470でNo、S475でNo)、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S465でYes)、S510に移行する。
【0115】
一方、通話又はファクシミリ通信が開始されるか、呼が途絶えた場合には(S470でYes又はS475でYes)、出力選択器35cを制御し、出力選択器35cを非伝送モードに設定することで、ライン入力端子SLinから入力される再生信号の増幅器35d側への伝送を中止する(S480)。この処理が完了すると、スピーカ35eからの着信音の出力は停止する。
【0116】
また、S480での処理を終えると、制御部31は、S490に移行し、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10に、再生停止コマンドを入力する。その後、当該着信音出力処理を一旦終了し、再び、呼を受信するまで待機する(S410)。
【0117】
一方、S510に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、音信号生成部35aから増幅器35dへの伝送経路を形成し、音信号生成部35aからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、音信号生成部35a側に切り替える。尚、出力選択器35cは、入力ソースが音信号生成部35aに設定されているとき、ライン入力端子SLinからの入力信号を、増幅器35dへ伝送しない構成にされている。
【0118】
また、S510での処理を終えると、制御部31は、S520に移行し、音信号生成部35aの着信音信号生成機能を作動状態(オン)にして、音信号生成部35aから出力される内蔵音信号(着信音信号)を、スピーカ35eに入力する。この動作により、スピーカ35eからは、着信音として内蔵音(ベル音)が出力される。
【0119】
また、S520での処理を終えると、制御部31は、ユーザ操作又は自動応答機能により、通話又はファクシミリ通信が開始されるか、呼が途絶えるまで待機し(S530でNo、S535でNo)、通話又はファクシミリ通信が開始されるか、呼が途絶えた場合には(S530でYes又はS535でYes)、音信号生成部35aの着信音信号生成機能を停止状態(オフ)にして、内蔵音(ベル音)の出力を停止する(S540)。その後、当該着信音出力処理を一旦終了し、再び、呼を受信するまで待機する(S410)。
【0120】
続いて、制御部31が繰返し実行する背景音出力処理について説明する。図10は、この背景音出力処理を表すフローチャートである。尚、この背景音出力処理は、上述した音設定処理、着信音出力処理、後述する保留音出力処理、及び、アラーム音出力処理と並列に処理される。
【0121】
背景音出力処理を開始すると、制御部31は、公衆電話回線網(PSTN)を通じて回線制御部37aが外部の電話装置又はファクシミリ装置から呼を受信するまで待機する(S610)。そして、呼を受信すると(S610でYes)、呼が途絶えるか、ハンドセット37dが取り上げられて通話が開始されるまで待機する(S613でNo、S617でNo)。
【0122】
そして、通話が開始されず着信が切れた場合には(S613でYes)、当該背景音出力処理を一旦終了し、次の着信があるまで待機する(S610)。一方、ハンドセット37dが取り上げられて通話が開始されると(S617でYes)、S220と同様の手法で、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断する(S620)。ここで、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれかに接続されていると判断すると(S620でYes)、S630に移行し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれにも接続されていないと判断した場合には(S620でNo)、当該背景音出力処理を一旦終了する。
【0123】
S630に移行すると、制御部31は、まず、NVRAM31dに記憶されている背景音設定情報及び指定タイプ設定情報を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S640)。例えば、指定タイプ設定情報がファイル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてファイル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、背景音設定情報が示すファイル名を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0124】
また、S640での処理を終えると、制御部31は、S650に移行し、S450と同様の手法にて、再生コマンドに対して肯定応答があったか否かを判断する。S650では、例えば、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されるのを監視して、ライン入力端子SLinから再生信号が入力された場合、肯定応答があったと判断し、所定時間内に、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されなかった場合、肯定応答がなかったと判断する。
【0125】
S650で再生コマンドに対する肯定応答があったと判断すると(S650でYes)、制御部31は、S660に移行し、肯定応答がなかったと判断すると(S650でNo)、当該背景音出力処理を一旦終了する。
【0126】
一方、S660に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路を形成し、ライン入力端子SLinからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、ライン入力端子SLin側に切り替える。
【0127】
このようにして、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路が形成されると、ライン入力端子SLinから入力される音楽再生装置10の再生信号は、スピーカ35eに入力され、スピーカ35eからは、再生コマンドに対応する曲が、背景音(BGM)として、スピーカ35eから出力される。
【0128】
また、S660での処理を終えると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、通話開始と共に外部電話装置と接続された電話回線がハンドセット37dが下ろされるなどして切断されるまで待機する(S665、S675)。
【0129】
そして、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S665でYes)、S670に移行し、出力選択器35cを制御して、出力選択器35cを非伝送モードに設定することで、ライン入力端子SLinから入力される再生信号の増幅器35d側への伝送を中止する。また、この処理を終えると、制御部31は、当該背景音出力処理を一旦終了する。
【0130】
一方、通話開始と共に外部電話装置と接続された電話回線がハンドセット37dが下ろされるなどして切断された場合には(S675でYes)、出力選択器35cを非伝送モードに設定して、スピーカ35eからの背景音の出力を停止した後(S680)、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10に、再生停止コマンドを入力する(S690)。その後、当該背景音出力処理を一旦終了し、再び、呼を受信するまで待機する(S610)。
【0131】
続いて、制御部31が繰返し実行する保留音出力処理について説明する。図11及び図12は、以下に説明する保留音出力処理を表すフローチャートである。尚、この保留音出力処理は、上述した音設定処理、着信音出力処理、背景音出力処理、及び、後述するアラーム音出力処理と並列に処理される。
【0132】
保留音出力処理を開始すると、制御部31は、当該複合機30が外部の電話装置と電話回線を通じて接続された状態(回線接続状態)にあるか否かを判断し(S710)、回線接続状態にある場合(S710でYes)、S713に移行し、回線接続状態にない場合には(S710でNo)、当該複合機30が回線接続状態になるまで待機し、当該複合機30が回線接続状態になった時点で、S713に移行する。
【0133】
また、S713に移行すると、制御部31は、表示操作部41を通じてユーザにより保留操作がなされたか否かを判断し、保留操作がなされていない場合には(S713でNo)、S710に移行し、保留操作がなされた場合には(S713でYes)、S717に移行する。尚、ここでいう保留操作とは、電話本体部37を保留状態に移行させるための操作のことをいい、「保留状態」は、周知の電話装置と同様に、ハンドセット37dが下ろされるなどしても、自装置から回線を切断することなく、回線接続状態を保持する状態のことをいう。
【0134】
また、S717に移行すると、制御部31は、出力切替器37bを制御して、増幅器37cから回線制御部37aへの伝送経路を形成し、鳴動部35からの入力信号が増幅器37c及び出力切替器37b及び回線制御部37aを介して、電話回線に送出され、接続先の外部電話装置に伝送されるようにする。即ち、外部電話装置への入力ソースを、鳴動部35側に切り替え、マイクロフォン37eからユーザの発話信号を外部電話装置に伝送する代わりに、鳴動部35からの入力信号を外部電話装置に伝送する。
【0135】
そして、この処理を終えると、S719に移行し、現在、音楽再生装置10を用いて背景音をスピーカ35eから出力している最中であるか否かを判断する。そして、出力中であると判断した場合には(S719でYes)、S850に移行し、出力中ではないと判断した場合には(S719でNo)、S720に移行する。
【0136】
S720に移行すると、制御部31は、S220と同様の手法で、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれかに接続されていると判断すると(S720でYes)、S730に移行し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれにも接続されていないと判断した場合には(S720でNo)、S810に移行する。
【0137】
S730に移行すると、制御部31は、NVRAM31dに記憶されている保留音設定情報及び指定タイプ設定情報を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S740)。例えば、指定タイプ設定情報がファイル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてファイル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、保留音設定情報が示すファイル名を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0138】
また、この処理を終えると、制御部31は、S450と同様の手法にて、再生コマンドに対して肯定応答があったか否かを判断する(S750)。S750では、例えば、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されるのを監視して、ライン入力端子SLinから再生信号が入力された場合、肯定応答があったと判断し、所定時間内に、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されなかった場合、肯定応答がなかったと判断する。
【0139】
そして、S750で再生コマンドに対する肯定応答があったと判断すると(S750でYes)、制御部31は、S760に移行し、肯定応答がなかったと判断すると(S750でNo)、S810に移行する。
【0140】
S760に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路を形成し、ライン入力端子SLinからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、ライン入力端子SLin側に切り替える。
【0141】
このようにして、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路が形成されると、ライン入力端子SLinから入力される音楽再生装置10の再生信号は、スピーカ35eに入力され、再生コマンドに対応する曲が、保留音として、スピーカ35eから出力される。また、この際には、音楽再生装置10の再生信号が、電話本体部37を通じて、外部電話装置に伝送され、外部電話装置では、再生コマンドに対応する曲が、保留音として、その装置のスピーカから出力される。
【0142】
また、S760での処理を終えると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、保留解除操作が表示操作部41等を介してなされるまで待機し(S770でNo、S775でNo)、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S770でYes)、S810に移行する。
【0143】
一方、保留解除操作がなされた場合には(S775でYes)、S780に移行し、出力選択器35cを制御して、出力選択器35cを非伝送モードに設定することで、ライン入力端子SLinから入力される再生信号の増幅器35d及び電話本体部37側への伝送を中止する。この処理が完了すると、スピーカ35e及び外部電話装置からの保留音の出力は停止する。
【0144】
尚、S775では、表示操作部41やハンドセット37dを通じて保留解除操作がなされた場合だけでなく、回線が切断された場合にも、保留解除操作がなされたと判断する。
そして、S780での処理を終えると、制御部31は、S790に移行し、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10に、再生停止コマンドを入力する。また、この処理を終えると、出力切替器37bを制御して、マイクロフォン37eから回線制御部37aへの伝送経路を形成し、ハンドセット37dのマイクロフォン37eから、ユーザの発話信号が、回線制御部37aを介して、電話回線に送出され、接続先の外部電話装置に伝送されるようにする(S795)。即ち、外部電話装置への入力ソースを、マイクロフォン37e側に切り替え、鳴動部35からの入力信号を外部電話装置に伝送するのに代えて、マイクロフォン37eからの入力信号を外部電話装置に伝送する。また、この処理を終えると、当該保留音出力処理を一旦終了し、再び、保留操作が行われるまで待機する(S710、S713)。
【0145】
この他、S810に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、音信号生成部35aから増幅器35dへの伝送経路を形成し、音信号生成部35aからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、音信号生成部35a側に切り替える。
【0146】
また、S810での処理を終えると、制御部31は、S820に移行し、音信号生成部35aの保留音信号生成機能を作動状態(オン)にして、音信号生成部35aから出力される内蔵音信号(保留音信号)を、スピーカ35eに入力すると共に、回線制御部37aを介して接続先の外部電話装置に入力する。この動作により、スピーカ35e及び接続先の外部電話装置からは、保留音として内蔵音が出力される。
【0147】
また、S820での処理を終えると、制御部31は、保留解除操作が表示操作部41等を介してなされるまで待機し(S830でNo)、保留解除操作がなされた場合には(S830でYes)、S840に移行する。そして、S840では、音信号生成部35aの保留音信号生成機能を停止状態(オフ)にすることで、内蔵音の出力を停止する(S840)。その後、S795に移行する。
【0148】
この他、現在、背景音をスピーカ35eから出力している最中であると判断して(S719でYes)、S850に移行すると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、保留解除操作が表示操作部41等を介してなされるまで待機し(S850でNo、S860でNo)、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S850でYes)、S810に移行する。
【0149】
一方、保留解除操作がなされた場合には(S860でYes)、S795に移行し、出力切替器37bを制御して、外部電話装置への入力ソースを、マイクロフォン37e側に切り替え、鳴動部35からの入力信号を外部電話装置に伝送するのに代えて、マイクロフォン37eからの入力信号を外部電話装置に伝送する。尚、S860では、S775及びS830の処理と同様、回線が切断された場合にも、保留解除操作がなされたと判断する。また、S795での処理を終えると、当該保留音出力処理を一旦終了し、再び、保留操作が行われるまで待機する(S710、S713)。
【0150】
続いて、制御部31が繰返し実行するアラーム音出力処理について説明する。図13は、このアラーム音出力処理を表すフローチャートである。尚、このアラーム音出力処理は、上述した音設定処理、着信音出力処理、背景音出力処理、及び、保留音出力処理と並列に処理される。
【0151】
アラーム音出力処理を開始すると、制御部31は、公衆電話回線網(PSTN)を通じて回線制御部37aが外部の電話装置又はファクシミリ装置から呼を受信している状態(即ち、着信状態)、若しくは、外部の電話装置又はファクシミリ装置と回線接続されている状態(即ち、回線接続状態)にあるか否かを判断し(S900)、回線制御部37aが着信状態又は回線接続状態にある場合には、回線制御部37aが着信状態及び回線接続状態のいずれでもなくなるまで待機する。尚、この処理は、アラーム音に優先して、着信音や背景音、保留音を出力するために行われる。
【0152】
そして、着信状態及び回線接続状態のいずれでもないと判断した場合(S900でNo)、制御部31は、S910に移行して、予めユーザにより設定されたアラーム時刻が到来したか否かを判断し、アラーム時刻が到来していないと判断すると(S910でNo)、S900に移行し、アラーム時刻が到来したと判断すると、S920に移行する。
【0153】
また、S920に移行すると、制御部31は、S220と同様の手法で、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれかに接続されていると判断すると(S920でYes)、S930に移行し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれにも接続されていないと判断した場合には(S920でNo)、S1010に移行する。
【0154】
S930に移行すると、制御部31は、まず、NVRAM31dに記憶されているアラーム音設定情報及び指定タイプ設定情報を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S940)。例えば、指定タイプ設定情報がファイル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてファイル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、アラーム音設定情報が示すファイル名を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0155】
また、S940での処理を終えると、制御部31は、S950に移行し、再生コマンドに対して肯定応答があったか否かを判断する。S950では、例えば、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されるのを監視して、ライン入力端子SLinから再生信号が入力された場合、肯定応答があったと判断し、所定時間内に、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されなかった場合、肯定応答がなかったと判断する。そして、S950で再生コマンドに対する肯定応答があったと判断すると(S950でYes)、S960に移行し、肯定応答がなかったと判断すると(S950でNo)、S1010に移行する。
【0156】
S960に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路を形成し、ライン入力端子SLinからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、ライン入力端子SLin側に切り替える。
【0157】
このようにして、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路が形成されると、ライン入力端子SLinから入力される音楽再生装置10の再生信号は、スピーカ35eに入力され、スピーカ35eからは、音楽再生装置10の再生信号に対応する音が出力される。即ち、再生コマンドに対応する曲が、アラーム音として、スピーカ35eから出力される。
【0158】
また、S960での処理を終えると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、公衆電話回線網(PSTN)を通じて外部から呼が送信されてくるか、アラーム音の出力停止操作が表示操作部41を通じてなされるか、予め設定された鳴動時間が経過するまで待機し(S965でNo、S970でNo、S973でNo、S977でNo)、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S965でYes)、S1010に移行する。
【0159】
一方、公衆電話回線網(PSTN)を通じて外部から呼を受信するか、アラーム音の出力停止操作が表示操作部41を通じてなされるか、予め設定された鳴動時間が経過した場合には(S970でYes、S973でYes、S977でYes)、S980に移行し、出力選択器35cを非伝送モードに設定することで、ライン入力端子SLinから入力される再生信号の増幅器35d側への伝送を中止する。これにより、スピーカ35eからのアラーム音の出力は停止する。
【0160】
また、S980での処理を終えると、制御部31は、S990に移行し、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10に、再生停止コマンドを入力する。その後、当該アラーム音出力処理を一旦終了する。
【0161】
一方、S1010に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、音信号生成部35aから増幅器35dへの伝送経路を形成し、音信号生成部35aからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、音信号生成部35a側に切り替える。
【0162】
また、S1010での処理を終えると、制御部31は、S1020に移行し、音信号生成部35aのアラーム音信号生成機能を作動状態(オン)にして、音信号生成部35aから出力される内蔵音信号(アラーム音信号)を、スピーカ35eに入力する。この動作により、スピーカ35eからは、アラーム音として内蔵音が出力される。
【0163】
また、S1020での処理を終えると、制御部31は、公衆電話回線網(PSTN)を通じて外部から呼が送信されてくるか、アラーム音の出力停止操作が表示操作部41を通じてなされるか、予め設定された鳴動時間が経過するまで待機する(S1030でNo、S1033でNo、S1037でNo)。そして、公衆電話回線網(PSTN)を通じて外部から呼を受信するか、アラーム音の出力停止操作が表示操作部41を通じてなされるか、予め設定された鳴動時間が経過した場合には(S1030でYes、S1033でYes、S1037でYes)、音信号生成部35aのアラーム音信号生成機能を停止状態(オフ)にして、内蔵音の出力を停止する(S1040)。その後、当該アラーム音出力処理を一旦終了する。
【0164】
以上、本実施例の音出力システム1について説明したが、この音出力システム1では、複合機30が、公衆電話回線網からの着呼の際や、通話モードへの移行時、アラーム時刻の到来時に、USBインタフェース47に接続された音楽再生装置10に対して再生コマンドを出力して、この音楽再生装置10のライン出力端子SLoutから出力される楽曲データの再生信号を、ライン入力端子SLinから取得する。そして、この再生信号をスピーカ35eに入力することにより、スピーカ35eに、再生信号に対応する音を、着信音や背景音(BGM)、アラーム音として出力させる。
【0165】
また、この音出力システム1では、複合機30が、保留モードへの移行時、USBインタフェース47に接続された音楽再生装置10に対して再生コマンドを出力して、この音楽再生装置10のライン出力端子SLoutから出力される楽曲データの再生信号を、ライン入力端子SLinから取得すると共に、出力切替器37bを鳴動部35側に切り替えて、音楽再生装置10からの再生信号を電話回線に送出し、接続先の外部電話装置に、再生信号に対応する音を、保留音として出力させる。
【0166】
従って、本実施例の音出力システム1によれば、音楽再生装置10にて再生処理可能な楽曲データについて、これに対応する再生処理機能を、複合機30に設けなくとも、この楽曲データに対応する曲を、複合機30から着信音、背景音、アラーム音として出力することができると共に、楽曲データに対応する曲を、接続先の外部電話装置に対し、保留音として流すことができる。
【0167】
即ち、この音出力システム1によれば、音楽再生装置10が有する楽曲データに対応する曲を、簡単に、複合機30の着信音、背景音、保留音、アラーム音に設定することができる。また、音楽再生装置10の機能を用いて楽曲データを再生処理するので、様々な規格の楽曲データを利用して、この楽曲データに対応する曲を、着信音、背景音、保留音、アラーム音として出力することができる。
【0168】
また、本実施例の音出力システム1によれば、音楽再生装置10にて再生処理された楽曲データの再生信号を、複合機30に取り込んで、複合機30から着信音を出力するので、着信音を、電話装置とは別の装置から出力する従来システムよりも、ユーザに違和感を与えずに、着信音を出力することができる。
【0169】
従って、本実施例によれば、従来よりも、出力音の選択自由度が高く、イベントの発生時に、イベントに対応した音を好適に発生させることが可能な複合機30(換言すると、電話装置やアラームクロック)を構成することができる。
【0170】
また、本実施例では、既存の携帯型の音楽再生装置が、パーソナルコンピュータからの指令を受け付けるためのインタフェースとして、USBインタフェースを有し、更に、ヘッドホンを接続するためのライン出力端子を備えることに着目して、USBインタフェースを通じて、再生コマンドを音楽再生装置に入力し、ライン出力端子を介して、楽曲データの再生信号を、音楽再生装置から取り込むようにした。
【0171】
従って、本実施例によれば、音楽再生装置に関して、既存の携帯型の音楽再生装置を利用、又は、既存の音楽再生装置のプログラムを変更する程度で、当該音出力システム1を構成することができる。
【0172】
その他、本実施例では、音楽再生装置10のライン出力端子SLoutを、複合機30のライン入力端子SLinを通じて、直接スピーカ35eに接続するのではなく、伝送経路上に出力選択器35cを設けて、イベント発生時以外には、音楽再生装置10のライン出力端子SLoutから出力される再生信号がスピーカ35eに入力されないようにした。従って、本実施例の音出力システム1によれば、適切に、音楽再生装置10の再生信号を利用して、着信音、背景音、保留音、アラーム音を出力することができる。
【0173】
尚、本発明の電子機器(電話装置)が備える接続インタフェースは、本実施例において、USBコネクタ47aとライン入力端子SLinとからなり、指令信号送出用のインタフェースは、USBコネクタ47aに相当し、再生信号受付用のインタフェースは、ライン入力端子SLinに相当する。また、音楽再生装置が備える接続インタフェースは、USBコネクタ19a及びライン出力端子SLoutの組に相当する。
【0174】
また、再生指令手段は、S440,S640,S740,S940の処理にて実現され、出力制御手段は、S460〜540,S660〜S690,S717,S760〜S840,S960〜S1040の処理にて実現されている。その他、楽曲データ記憶手段は、記憶部13にて実現され、再生信号出力手段は、S130の処理にて実現されている。
【0175】
また、信号生成手段は、音信号生成部35aにて実現され、第一判定手段は、S420,S720,S920の処理にて実現され、第二判定手段は、S450,S750,S950の処理にて実現されている。
【0176】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、指令信号送出用のインタフェースとして、USBインタフェースを採用したが、上記指令信号送出用のインタフェースとしては、その他に、IEEE1394インタフェース等を用いることができる。また、複合機30が電子メールを着信可能な構成にされている場合には、電子メールの着信に対しても、上述の技術を利用して(音楽再生装置10からの再生信号を利用して)、着信音を出力することができる。
【0177】
また、複合機30には、コンピュータネットワーク(例えば、インターネット)内のノードと通信可能な通信手段を設け、更に、このネットワークを通じ、外部から時刻情報を取得し、この時刻情報に基づいて、内部時計を修正する機能を設けるとよい。このようにすれば、複合機30から、正確にアラーム音を出力することができる。また、複合機30の内部時計に基づいて、音楽再生装置10の内部時計を修正するように、システムを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】音出力システム1の概略構成を表すブロック図である。
【図2】音楽再生装置10の制御部11が繰返し実行するコマンド受付処理を表すフローチャートである。
【図3】再生コマンドの構成を表す説明図である。
【図4】制御部11が実行する再生制御処理を表すフローチャートである。
【図5】複合機30の概略構成を表すブロック図である。
【図6】鳴動部35及び電話本体部37の詳細構成を示したブロック図である。
【図7】複合機30の制御部31が繰返し実行する音設定処理を表すフローチャートである。
【図8】制御部31が実行する背景音設定処理を表すフローチャート(a)及び制御部31が実行する保留音設定処理を表すフローチャート(b)である。
【図9】制御部31が繰返し実行する着信音出力処理を表すフローチャートである。
【図10】制御部31が繰返し実行する背景音出力処理を表すフローチャートである。
【図11】制御部31が繰返し実行する保留音出力処理を表すフローチャートである。
【図12】制御部31が繰返し実行する保留音出力処理を表すフローチャートである。
【図13】制御部31が繰返し実行するアラーム音出力処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0179】
1…音出力システム、10…音楽再生装置、11,31…制御部、11a…デコーダ、13…記憶部、15,41…表示操作部、17…音出力部、19,47…USBインタフェース、19a,47a…USBコネクタ、30…複合機、31a…CPU、31b…RAM、31c…ROM、31d…NVRAM、35…鳴動部、35a…音信号生成部、35b…D/A変換器、35c…出力選択器、35d,37c…増幅器、35e,37f…スピーカ、37…電話本体部、37a…回線制御部、37b…出力切替部、37d…ハンドセット、37e…マイクロフォン、43…印刷部、45…読取部、SLin…ライン入力端子、SLout…ライン出力端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベントが発生した際に音を出力する音出力システム及び電子機器並びに電話装置と、これらに用いられるプログラムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
イベントが発生した際に音を出力する装置としては、着信音を出力する電話装置や、アラーム時刻が到来した際にアラーム音を出力するアラームクロック等が、従来、知られている。また、これらの装置としては、出力音の種類を、ユーザ操作に従って切替可能なものが知られている。
【0003】
一般的に、この種の装置において、出力音に対応する楽曲データは、装置が備える内蔵メモリや、メモリカード等の着脱自在な外部メモリに蓄えられ、装置内では、イベントが発生した際に、これらのメモリに記憶された楽曲データを再生処理して、この再生信号をスピーカに入力し、スピーカに、楽曲データに対応する音を出力させる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、着信音の出力システムとしては、電話装置に着信音発生装置を取り付けて、多種の着信音の再生を実現するシステムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
この種のシステムでは、電話装置から着信音発生装置に対して着信信号を入力し、着信音を、着信音発生装置が備えるスピーカから出力する。即ち、この着信音発生装置は、着信信号の入力イベントがあると、内蔵メモリに記録されている音声情報を再生処理し、これに対応する着信音をスピーカから出力する。
【特許文献1】特開2001−333143号公報
【特許文献2】特開2000−316038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、次のような問題があった。即ち、外部メモリ等を通じて外部から楽曲データを取り込み、この楽曲データを、再生処理して、イベントに対応した音をスピーカから出力する技術では、楽曲データを再生処理するためのデコーダを、イベントに対応する音を出力させる上述の電話装置等に設けなければならないといった問題があった。
【0006】
楽曲データとしては、MPEG方式で圧縮された楽曲データに代表される各種規格の楽曲データが知られており、規格の種類も多い。また、将来的には、新しい規格の楽曲データも、多数設けられる可能性がある。
【0007】
従って、電話装置等に、楽曲データを再生処理するための機能を設ける場合には、再生処理に必要なデコーダを多数、装置内に搭載しなければならず、製品のコストアップに繋がるといった問題や、新規格の楽曲データに対応できるように製品を構成することが難しいといった問題があった。
【0008】
そして、電話装置等に搭載するデコーダの種類を、一部のデコーダに限定すると、ユーザが、パーソナルコンピュータや音楽プレーヤで管理している楽曲データの内、電話装置等で、着信音や保留音、アラーム音などに設定可能な楽曲データの種類が限られ、出力音の選択自由度を求めるユーザに不満が及ぶ可能性があった。
【0009】
また、電話装置とは別に、上述の着信音発生装置を用意して、これを電話装置に取り付ける場合には、着信音発生装置が電話装置とは別体であるため、電話装置に、楽曲データの再生機能を設ける場合よりも、着信音の選択自由度を高めることができるが、電話装置とは別の装置から着信音が出力されることになるため、ユーザによっては、違和感を覚える可能性があった。
【0010】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、従来よりも、出力音の選択自由度が高く、イベントの発生時に、イベントに対応した音を好適に発生させることが可能な電子機器及び電話装置並びに音出力システムと、これに対応するプログラムと、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するためになされた本発明(請求項1)の音出力システムは、イベント発生時に音を出力するためのスピーカを備える電子機器と、この電子機器に楽曲データの再生信号を提供する音楽再生装置と、を備える。この音出力システムを構成する音楽再生装置は、電子機器が備える接続インタフェース(第一接続インタフェース)と対となる電子機器接続用の接続インタフェース(第二接続インタフェース)を備え、この接続インタフェースを介して上記電子機器と接続される。
【0012】
また、音楽再生装置は、楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、楽曲データ記憶手段が記憶する楽曲データを再生する再生手段と、再生信号出力手段と、を備え、上記接続インタフェース(第二接続インタフェース)を介して、この接続インタフェースに接続された電子機器から、楽曲データの再生を指令する指令信号が入力されると、再生信号出力手段によって、再生手段を作動させ、再生手段が再生した楽曲データの再生信号を、上記接続インタフェースを介して電子機器に出力する。
【0013】
一方、この音出力システムにおける上記電子機器は、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェース(第一接続インタフェース)を備え、所定イベントが発生すると、再生指令手段にて、この接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力する。
【0014】
また、この電子機器は、出力制御手段を備え、出力制御手段は、再生指令手段の動作により、上記接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、スピーカに入力し、スピーカに、この再生信号に対応する音を出力させる。
【0015】
このように、本発明の音出力システムでは、電子機器が、イベントの発生時、音楽再生装置を操作して、音楽再生装置から楽曲データの再生信号を取得し、これをスピーカに入力することにより、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を自装置のスピーカから出力する。
【0016】
即ち、本発明では、電子機器に、楽曲データを再生するためのデコーダ(再生手段)を設けることなく、電子機器から、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を出力することができるようにしている。従って、この発明によれば、イベント発生時にスピーカから出力させることのできる音の選択自由度が高く、電子機器にて、種々の音を好適に出力することができる(請求項1,2)。
【0017】
ところで、音楽再生装置としては、パーソナルコンピュータからの指令を受け付けるためのインタフェースとして、USBインタフェースやIEEE1394インタフェースを備えるものが広く知られている。従って、上記接続インタフェースとしては、USBインタフェースやIEEE1394インタフェースを採用するのが好ましい。
【0018】
また、上記発明(請求項1,2)を適用可能な電子機器としては、通信回線網に接続され、この通信回線網を通じて、外部装置からの送信信号を受信する通信装置(例えば、電話装置、電子メール受信装置等)を挙げることができる。また、この通信装置に、上記発明を適用する場合には、着信イベントが発生した際に、音楽再生装置の楽曲データに対応する音が、着信音としてスピーカから出力されるように、通信装置を構成されるとよい。
【0019】
即ち、上述の電子機器においては、通信回線網からの着信があると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力するように、再生指令手段を構成し、再生指令手段の動作により、接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号に対応する音を、スピーカに、着信音として、出力させるように、電子機器を構成するとよい。
【0020】
このように構成された電子機器(通信装置)によれば、従来よりも、着信音の選択自由度が高く、ユーザにとっては大変便利である。また、この電子機器によれば、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を、電子機器のスピーカから出力するので、ユーザに対し、違和感を与えることなく、着信音を好適に出力することができる(請求項3)。
【0021】
その他、上述の発明(請求項1,2)を電話装置に適用する場合には、再生指令手段を次のように構成されてもよい。
即ち、再生指令手段は、電子機器が通話状態に移行すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力する構成にされてもよい。このように再生指令手段を構成して、上記発明を電話装置に適用すれば、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を、電子機器(電話装置)のスピーカに、通話時の背景音として、出力させることができる(請求項4)。
【0022】
従って、この電子機器(電話装置)によれば、ユーザは、楽曲データの規格に依らず、通話中に、種々の背景音(BGM)を流すことができる。
また、上述の発明(請求項1,2)は、アラームクロックにも適用することができ、この場合には、再生指令手段を次のように構成されるとよい。
【0023】
即ち、再生指令手段は、予め設定されたアラーム時刻が到来すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力する構成にされるとよい。このように再生指令手段を構成して、上記発明をアラームクロックに適用すれば、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を、電子機器(アラームクロック)のスピーカに、アラーム音として、出力させることができる(請求項5)。
【0024】
従って、この電子機器(アラームクロック)によれば、ユーザは、楽曲データの規格に依らず、音楽再生装置が再生可能な種々の音を、アラーム音として、スピーカに出力させることができる。
【0025】
また、上述の電子機器は、接続インタフェースとして、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有する構成にされると好ましい。具体的に、指令信号出力用のインタフェースとしては、USBインタフェースやIEEE1394インタフェース等を挙げることができ、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースとしては、ライン入力端子を挙げることができる。
【0026】
また、再生信号受付用のインタフェースとして、音楽再生装置が備える再生信号送出用のライン出力端子に、伝送ケーブルを通じて接続されるライン入力端子を採用する場合には、出力制御手段を、次のように構成されるとよい。
【0027】
即ち、出力制御手段は、音楽再生装置からの再生信号に対応する音を、スピーカに出力させる際、ライン入力端子からスピーカへの伝送経路を形成する回路部を制御し、ライン入力端子から入力される再生信号を、スピーカに入力する構成にされるとよい(請求項6)。
【0028】
この電子機器によれば、簡易な構成で、音楽再生装置の再生信号に対応する音の出力制御を行うことができ、伝送経路を形成・遮断可能な回路部を制御し、イベント時以外の期間には、伝送経路を遮断することで、この期間に、音楽再生装置から出力される再生信号に対応する音がスピーカから出力されないようにすることができる。
【0029】
その他、本発明の電子機器は、音楽再生装置が接続されていない場合に、内蔵音を、スピーカから出力する構成にされるとよい。
即ち、電子機器には、上記所定イベントの発生時に、スピーカに入力する音信号を生成する信号生成手段と、接続インタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する判定手段と、を設け、出力制御手段は、判定手段により、接続インタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、信号生成手段を作動させ、信号生成手段により生成された音信号をスピーカに入力し、楽曲データの再生信号に対応する音に代え、スピーカに信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させる構成にされるとよい(請求項7)。
【0030】
このように構成された電子機器によれば、イベント発生時、接続インタフェースに、音楽再生装置が接続されていない場合、内蔵音がスピーカから出力される。従って、この電子機器によれば、接続インタフェースに音楽再生装置が接続されていないことによって、イベントが発生したにも拘らず、スピーカから音が出力されないといった問題が生じるのを回避することができる。
【0031】
尚、電子機器が、接続インタフェースとして、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有する構成にされている場合には、上記判定手段として、指令信号出力用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第一判定手段と、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第二判定手段と、を電子機器に設け、出力制御手段は、第一判定手段により、指令信号出力用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、又は、第二判定手段により、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合に、信号生成手段を作動させて、信号生成手段により生成された音信号をスピーカに入力し、楽曲データの再生信号に対応する音に代え、スピーカに信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させる構成にされるとよい(請求項8)。
【0032】
この構成によれば、指令信号出力用のインタフェース及び再生信号受付用のインタフェースのいずれか一方に、音楽再生装置が接続されていない場合、内蔵音がスピーカから出力される。従って、この電子機器によれば、音楽再生装置に楽曲データの再生を指令したのに、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないため、楽曲データに対応する音がスピーカから出力されなかったり、音楽再生装置に楽曲データの再生を指令できないため、楽曲データに対応する音がスピーカから出力されないといった問題が生じるのを回避することができる。
【0033】
また、上述した発明の概念を、電話装置の保留音などに適用する場合には、上記音出力システムにおいて、電子機器としての電話装置を、次のように構成されるとよい。
即ち、電話装置は、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェース(第一接続インタフェース)を備えると共に、外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、上記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、再生指令手段の動作により、接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、上記電話回線を通じて送出し、再生信号に対応する音を、接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段と、を備える構成にされるとよい(請求項9,請求項10)。
【0034】
このように構成された電話装置(及び音出力システム)では、所定イベントの発生時に音楽再生装置を操作して、音楽再生装置から楽曲データの再生信号を取得し、これを電話回線に送出することにより、接続先の外部電話装置で、再生信号に対応する音が、出力されるようにする。
【0035】
従って、本発明によれば、電話装置に、楽曲データを再生するためのデコーダ(再生手段)を設けずに、音楽再生装置が有する楽曲データに対応する音を、外部電話装置に出力させることができる。
【0036】
具体的に、電話回線の保留操作を受付可能な電話装置を採用する場合には、保留操作が行われたことを契機として、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力するように、再生指令手段を構成し、再生指令手段の動作により、接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、保留音の信号として、接続先の外部電話装置に送出するように、電話装置を構成するとよい(請求項11)。
【0037】
このように電話装置を構成すれば、従来よりも、保留音の選択自由度が高く、ユーザの好みの保留音を、外部電話装置で好適に出力することができる。
また、上記電話装置は、接続インタフェースとして、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有する構成にされるのが好ましく、再生信号受付用のインタフェースとして、音楽再生装置が備える再生信号送出用のライン出力端子に、伝送ケーブルを通じて接続されるライン入力端子を有する構成にされるのが好ましい。
【0038】
また、この場合には、所定イベントが発生すると(例えば、保留操作が行われると)、ライン入力端子から入力される再生信号を、送話器からの入力信号に代えて、電話回線を通じ、接続先の外部電話装置に送出するように、出力制御手段を構成すればよい(請求項12)。このように構成された電話装置によれば、簡単な装置構成で、音楽再生装置から入力される再生信号を、接続先の外部電話装置に送出し、この再生信号に対応する音を、接続先の外部電話装置に、保留音等として出力させることができる。
【0039】
また、当該電話装置には、上記所定イベントの発生時に、接続先の外部電話装置に入力する音信号を生成する信号生成手段を設けて、音楽再生装置が接続されていない場合、内蔵音を、接続先の外部電話装置に流すように、電話装置を構成するとよい。
【0040】
その他、当該電話装置が、接続インタフェースとして、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有する構成にされている場合には、指令信号出力用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第一判定手段と、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第二判定手段と、を電話装置に設け、出力制御手段は、第一判定手段により、指令信号出力用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、又は、第二判定手段により、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合に、信号生成手段を作動させて、信号生成手段により生成された音信号を、送話器からの入力信号に代えて、電話回線を通じ、接続先の外部電話装置に送出し、接続先の外部電話装置に、信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させる構成にされるとよい(請求項13)。
【0041】
この構成によれば、指令信号出力用のインタフェース及び再生信号受付用のインタフェースのいずれか一方に、音楽再生装置が接続されていない場合、内蔵音信号が、接続先の外部電話装置に送出される。従って、この電話装置によれば、音楽再生装置に楽曲データの再生を指令したのに、再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないため、保留音等が、外部電話装置で流れなかったり、音楽再生装置に楽曲データの再生を指令できないため、保留音等が外部電話装置で流れないといった問題が生じるのを回避することができる。
【0042】
また、上述の電子機器又は電話装置(請求項1〜請求項13)が有する各手段は、プログラムにより、コンピュータに実現させることができる。即ち、所定イベントが発生すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、上記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、再生指令手段の動作により、上記接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、スピーカに入力し、スピーカに、上記再生信号に対応する音を、出力させる出力制御手段、としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースを備える電子機器に組み込めば、プログラムにより、上述の電子機器(請求項2)の機能を実現することができる(請求項14)。
【0043】
また、外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、再生指令手段の動作により、接続インタフェースを介して音楽再生装置から入力される楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、電話回線を通じて送出し、再生信号に対応する音を、接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段、としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースを備えた電話装置に組み込めば、プログラムにより、上述の電話装置(請求項10)の機能を実現することができる(請求項15)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施例について、図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された音出力システム1の概略構成を表すブロック図である。
図1に示すように、本実施例の音出力システム1は、電話機能及びファクシミリ機能を有するディジタル複合機(以下、単に「複合機」と称する。)30に、携帯型の音楽再生装置10が接続されてなる。
【0045】
音楽再生装置10は、周知の音楽再生装置(音楽プレーヤ)と同様に、マイクロコンピュータ等からなる制御部11と、楽曲データを記憶するフラッシュメモリやハードディスク装置等からなる記憶部13と、ユーザ操作を受け付けるための各種操作キーやディスプレイ等からなる表示操作部15と、D/A(ディジタル/アナログ)変換器やライン出力端子SLout等からなる音出力部17と、USBスレーブとして機能するUSBインタフェース19と、を備える。
【0046】
この音楽再生装置10は、周知の音楽再生装置と同様、表示操作部15を通じて行われるユーザ操作に従って、制御部11により、ユーザ操作に対応する楽曲データを記憶部13から読み出し、これを再生処理する。
【0047】
即ち、制御部11は、ソフトウェア又はハードウェアにより実現されるデコーダ11aを起動して、読み出した楽曲データを再生処理し、再生信号を音出力部17に入力する。また、音出力部17では、制御部11から入力されたディジタルの再生信号を、アナログ信号に変換するなどの信号処理を行い、この処理後の再生信号を、ライン出力端子SLoutから出力する。このような動作により、音楽再生装置10は、ライン出力端子SLoutに接続されたヘッドホン等を通じて、楽曲データに対応する音を出力する。
【0048】
また、音楽再生装置10は、USBインタフェース19が有するUSBコネクタ19aに、USBケーブルを介し、USBホストとして機能する情報処理装置のUSBインタフェースが接続されると、この情報処理装置と通信可能に構成される。尚、上記の情報処理装置としては、USBホスト機能を有するパーソナルコンピュータの他、本実施例の複合機30が挙げられる。
【0049】
本実施例の音出力システム1は、このような構成の音楽再生装置10のUSBコネクタ19aに、USBケーブルを介して、USBホストとして機能する複合機30のUSBインタフェース47が接続されて、構成される。
【0050】
また、音楽再生装置10は、USBコネクタ19aに接続された情報処理装置からのコマンドに従って、各種処理を実行する機能を有する。具体的に、音楽再生装置10は、情報処理装置からのコマンドに従って、楽曲データを再生処理する機能や、記憶部13に記憶された楽曲データのリストを、コマンド送信元に提示する機能を有する。
【0051】
次には、この点について、図2〜図4を用いて説明する。図2は、音楽再生装置10の制御部11が繰返し実行するコマンド受付処理を表すフローチャートであり、図3は、再生コマンドの構成を表す説明図である。
【0052】
コマンド受付処理を開始すると、制御部11は、まず、USBインタフェース19を介して、外部からコマンドを受信するまで待機し(S110)、コマンドを受信すると(S110でYes)、受信コマンドが、再生コマンドであるか否かを判断する(S120)。
【0053】
再生コマンドは、楽曲データの再生を要求(指令)するデータであり、本実施例において、この再生コマンドは、当該データが再生コマンドであることを表すコマンドタイプ情報と、楽曲データの指定タイプを表す指定タイプ情報と、曲指定情報と、からなる。尚、指定タイプとしては、楽曲データをファイル名で指定するファイル指定タイプ、楽曲データを曲タイトルで指定するタイトル指定タイプ、楽曲データをインデックス番号で指定するインデックス指定タイプとが、存在する。
【0054】
楽曲データの指定タイプがファイル指定タイプである場合、図3(a)に示すように、再生コマンドには、指定タイプ情報として、ファイル指定タイプであることを表すコードが記述され、曲指定情報として、再生を要求する楽曲データのファイル名が記述される。
【0055】
また、楽曲データの指定タイプがタイトル指定タイプである場合、図3(b)に示すように、再生コマンドには、指定タイプ情報として、タイトル指定タイプであることを表すコードが記述され、曲指定情報として、再生を要求する楽曲データの曲タイトルが記述される。
【0056】
その他、楽曲データの指定タイプがインデックス指定タイプである場合、図3(c)に示すように、再生コマンドには、指定タイプ情報として、インデックス指定タイプであることを表すコードが記述され、曲指定情報として、再生を要求する楽曲データのインデックス番号が記述される。
【0057】
また、本実施例では、図3(d)に示すように、再生コマンドに、指定タイプ情報及び曲指定情報としてヌル値が設定される場合がある。この場合の再生コマンドは、曲指定がないことを表す。本実施例の音楽再生装置10は、このような構成の再生コマンドを解釈可能な構成にされている。
【0058】
S120にて、受信コマンドが上述の再生コマンドであると判断すると(S120でYes)、制御部11は、S130にて、図4に示す再生制御処理を実行する。図4は、制御部11が実行する再生制御処理を表すフローチャートである。
【0059】
再生制御処理を開始すると、制御部11は、まず、受信した再生コマンドが曲を指定するものであるか否かを判断する(S131)。そして、曲を指定するものであると判断すると(S131でYes)、再生コマンドが有する指定タイプ情報及び曲指定情報により特定される楽曲データを、記憶部13内において検索し、記憶部13に、該当楽曲データ(再生コマンドが有する指定タイプ情報及び曲指定情報により特定される楽曲データ)が存在するか否かを判断する(S133)。
【0060】
そして、記憶部13に該当楽曲データが存在すると判断すると(S133でYes)、この楽曲データを記憶部13から読み出すと共に、デコーダ11aを起動して、この楽曲データの再生処理を開始し、この再生信号を音出力部17を介してライン出力端子SLoutから出力する。即ち、楽曲データに対応する音が、ライン出力端子SLoutに接続された装置から出力されるようにする(S134)。また、S134における再生処理の開始に先駆けては、例えば、USBインタフェース19を通じて肯定応答を出力することにより、コマンド送信元に、楽曲データの再生処理の開始を通知する。また、S134での処理を終えると、再生処理(再生信号の出力)を継続した状態で、当該再生制御処理を終了する。
【0061】
一方、受信した再生コマンドが曲を指定しないものであると判断するか(S131でNo)、指定曲の楽曲データが記憶部13に存在しないと判断すると(S133でNo)、制御部11は、S136に移行して、記憶部13に再生処理可能な楽曲データが一つ以上存在するか否かを判断する。そして、再生処理可能な楽曲データが一つ以上存在すると判断すると(S136でYes)、所定の再生開始位置から、楽曲データの再生処理を開始する(S137)。尚、本実施例において、再生開始位置は、最後に再生停止操作がなされたときの再生停止位置に設定されており、この再生停止位置は、楽曲データの再生処理を停止した際に、制御部11により記憶される。
【0062】
また、S137における再生処理の開始に先駆けては、例えば、USBインタフェース19を通じて肯定応答を出力することにより、コマンド送信元に、楽曲データの再生処理の開始を通知する。また、S137での処理を終えると、再生処理(再生信号の出力)を継続した状態で、当該再生制御処理を終了する。
【0063】
その他、S136において、再生処理可能な楽曲データが一つも存在しないと判断すると(S136でNo)、制御部11は、USBインタフェース19を通じて否定応答を出力することにより、コマンド送信元に、再生コマンドの無効を通知する(S139)。その後、当該再生制御処理を終了する。本実施例では、このようにして再生制御処理を実行し、S130において再生制御処理を終了すると、コマンド受付処理を一旦終了する。
【0064】
また、受信コマンドが再生コマンドではないと判断すると(S120でNo)、制御部11は、S140に移行し、受信コマンドが、再生停止を指令する再生停止コマンドであるか否かを判断する。
【0065】
そして、受信コマンドが再生停止コマンドであると判断すると(S140でYes)、S150に移行して、現在、再生処理中の楽曲データが存在するか否かを判断する。即ち、上述の再生制御処理にて、再生処理を開始し、現在も再生処理中の楽曲データが存在するか否かを判断する。そして、再生処理中の楽曲データが存在すると判断すると(S150でYes)、楽曲データの再生処理を停止し(S160)、その後、当該コマンド受付処理を一旦終了する。その他、再生処理中の楽曲データが存在しないと判断すると(S150でNo)、S160の処理を実行することなく、当該コマンド受付処理を一旦終了する。
【0066】
また、受信コマンドが再生停止コマンドではないと判断すると(S140でNo)、制御部11は、受信コマンドが曲リスト提示コマンドであるか否かを判断し(S170)、受信コマンドが曲リスト提示コマンドではないと判断すると(S170でNo)、その他の受信コマンドに対応した処理を実行する(S190)。その後、当該コマンド受付処理を一旦終了して、次のコマンドを受信するまで待機する(S110)。
【0067】
また、受信コマンドが曲リスト提示コマンドであると判断すると(S170でYes)、制御部11は、S181に移行する。そして、パラメータi=0に設定し、S183に移行する。
【0068】
S183に移行すると、制御部11は、パラメータiの値が、記憶部13に記憶された楽曲データの総数Mに等しいか否かを判断し、パラメータi=Mではないと判断すると(S183でNo)、インデックス番号が一番小さい楽曲データを0番目の楽曲データとして、インデックス番号が小さい方からi番目の楽曲データについての曲目データを生成する(S185)。
【0069】
尚、曲目データは、対応する楽曲データのインデックス番号と、楽曲データのファイル名と、曲タイトルを表す文字情報と、からなるものである。本実施例の音楽再生装置10は、記憶部13に、記憶する楽曲データのリストを有し、このリストにおいて、各楽曲データのファイル名と、インデックス番号と、曲タイトルと、を対応付けて記憶している。
【0070】
即ち、上記曲目データは、このリストから生成される。尚、本実施例において、曲タイトルは、例えば、楽曲データが内包するプロパティ情報から抽出される。
S185において曲目データを生成すると、制御部11は、この曲目データを、コマンド送信元に、USBインタフェース19を介して送信する(S187)。また、この処理を終えると、パラメータiの値を1増加させて(S189)、S183に移行する。そして、パラメータi=Mであると判断した場合には(S183でYes)、当該コマンド受付処理を一旦終了する。一方、パラメータi=Mでないと判断した場合には、パラメータi=Mとなるまで、繰返し、S183〜S189の処理を実行し、各楽曲データの曲目データを、コマンド送信元に、USBインタフェース19を介して送信する。
【0071】
以上、音楽再生装置10の構成及び処理動作について説明したが、続いて、複合機30の構成及び処理動作について、図5〜図13を用いて説明する。
図5は、複合機30の概略構成を表すブロック図である。本実施例の複合機30は、装置内各部を統括制御する制御部31と、着信音やアラーム音等を出力するためのスピーカ35e(図6参照)を備えた鳴動部35と、外部の電話装置やファクシミリ装置と通信可能な電話本体部37と、各種操作キーやディスプレイを備える表示操作部41と、電話本体部37を介して受信したファクシミリデータに基づく画像や読取部45にて生成された画像データに基づく画像を用紙に印刷可能な印刷部43と、載置された原稿を光学的に読み取り、原稿の読取画像を表す画像データを生成する読取部45と、USBホストとして機能するUSBインタフェース47と、を備える。
【0072】
具体的に、制御部31は、各種プログラムを実行するCPU31aと、プログラム実行時に作業用メモリとして使用されるRAM31bと、CPU31aが実行するプログラム等を記憶するROM31cと、設定情報等を記憶する電気的にデータ書換可能な不揮発性メモリ(NVRAM)31dと、を備え、CPU31aにて各種プログラムを実行することにより、電話機能やファクシミリ機能、コピー機能、アラーム機能等を実現する。
【0073】
また、鳴動部35は、ライン入力端子SLinを備え、ライン入力端子SLinからの入力信号に対応する音(楽曲)や、音信号生成部35a(図6参照)で生成された内蔵音信号に対応する音を、着信音等として、スピーカ35eを通じ出力する構成にされている。尚、図6は、鳴動部35及び電話本体部37の詳細構成を示したブロック図である。
【0074】
図6に示すように、本実施例の鳴動部35は、上述したライン入力端子SLin及びスピーカ35e並びに音信号生成部35aを備える他、音信号生成部35aにて生成されたディジタルの内蔵音信号を、スピーカ35eにて出力可能なアナログの内蔵音信号に変換するD/A(ディジタル/アナログ)変換器35bと、入力側にD/A変換器35b及びライン入力端子SLinが接続された出力選択器35cと、出力選択器35cからの出力信号を増幅して、その増幅信号をスピーカ35eに入力する増幅器35dと、を備える。
【0075】
また、音信号生成部35aは、内蔵音信号として、着信音信号、保留音信号、及び、アラーム音信号を生成する機能を有し(即ち、着信音信号生成機能、保留音信号生成機能、及び、アラーム音信号生成機能を有し)、制御部31に制御されて起動されると、制御部31からの指示に従って、対応する機能を働かせ、着信音信号、保留音信号、及びアラーム音信号のいずれかを、内蔵音信号として出力する構成にされている。
【0076】
また、出力選択器35cは、D/A変換器35bと増幅器35dとの間の伝送経路を形成し、D/A変換器35bからの入力信号を増幅器35dに出力するモードと、ライン入力端子SLinと増幅器35dとの間の伝送経路を形成して、ライン入力端子SLinからの入力信号を増幅器35dに出力するモードと、増幅器35dに繋がる伝送経路を遮断しD/A変換器35b及びライン入力端子SLinの各部からの入力信号を増幅器35dに伝送しない非伝送モードと、を有する。この出力選択器35cは、制御部31に制御されて、モードを切り替え、上記3つのモードのいずれかのモードを採る。
【0077】
この他、電話本体部37は、公衆電話回線網に繋がる電話線に接続され、回線接続及び切断を行う機能を備えると共にモデム機能を備えた回線制御部37aと、回線制御部37aを介して外部電話装置へ送出する信号の種類を切り替えるための出力切替部37bと、鳴動部35の出力選択器35cと増幅器35dとの間を結ぶ線路に接続され、出力選択器35cの出力信号を増幅する増幅器37cと、ハンドセット37dと、を備える。
【0078】
具体的に、この電話本体部37が備える出力切替部37bは、鳴動部35から入力される保留音信号を、回線制御部37aを介して、外部電話装置に送出するモードと、ハンドセット37dのマイクロフォン37eから入力されるユーザの発話信号を、回線制御部37aを介して、外部電話装置に送出するモードと、を有し、制御部31に制御されて、モードを切り替える。尚、初期状態で、電話本体部37aは、後者のモードで動作し、マイクロフォン37eから入力されるユーザの発話信号を、回線制御部37aを介して、外部電話装置に送出する。
【0079】
また、ハンドセット37dは、回線制御部37aに接続され、回線制御部37aを介して外部電話装置からの発話信号を再生するスピーカ37fと、出力切替器37bを介して回線制御部37aに接続され、ユーザの声を集音し、この発話信号を、回線制御部37aを介して外部電話装置に送信するためのマイクロフォン37eとを備える。
【0080】
また、USBインタフェース47は、USBスレーブとして機能するUSB機器にUSBケーブルを介して接続されるUSBコネクタ47aを複数有し、これらのUSBコネクタ47aを通じて、USB機器と通信する構成にされている。
【0081】
尚、本実施例の音出力システム1は、上記複合機30のUSBコネクタ47aのいずれかに、USBケーブルを介して、USB機器としての音楽再生装置10のUSBインタフェース19が接続され、複合機30のライン入力端子SLinに、伝送ケーブルを介して、音楽再生装置10のライン出力端子SLoutが接続されて構成される。
【0082】
続いて、制御部31がプログラムの実行によりCPU31a上で実現する処理について説明する。図7は、複合機30の制御部31が繰返し実行する音設定処理を表すフローチャートである。この音設定処理を実行することにより、制御部31は、ユーザ操作に従って、着信音、保留音、背景音、及び、アラーム音を設定する。尚、この音設定処理は、後述する他の処理(着信音出力処理、背景音出力処理、保留音出力処理、及び、アラーム音出力処理)と並列に処理される。
【0083】
音設定処理を開始すると、制御部31は、表示操作部41を通じて音設定開始操作がなされるまで待機する(S210)。尚、本実施例の複合機30は、音設定開始操作として、着信音設定開始操作、背景音設定開始操作、保留音設定開始操作、及び、アラーム音設定開始操作を受付可能な構成にされている。即ち、S210では、計4種の音設定開始操作のいずれかが表示操作部41を通じてユーザによりなされるまで待機する。
【0084】
そして、音設定開始操作がなされると(S210でYes)、USBコネクタ47aのいずれかに、音楽再生装置10が接続されているか否かを判断する(S220)。尚、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かの判断は、USBコネクタ47aに接続された各USB機器からデバイス情報を取得することで実現できる。また、制御部31は、特定の問合せ信号を、各USB機器に送信し、この応答結果に基づいて、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断する構成にされてもよい。
【0085】
そして、USBコネクタ47aのいずれにも音楽再生装置10が接続されていないと判断すると(S220でNo)、制御部31は、当該音設定処理を一旦終了する。一方、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されていると判断すると、S230に移行し、USBインタフェース47を介して、接続されている音楽再生装置10に曲リスト提示コマンドを送信する。
【0086】
また、この処理を終えると、制御部31は、曲リスト提示コマンドに対する応答データを受信し(S240)、応答データの受信が完了すると、受信した応答データに基づいて、曲リストを、表示操作部41のディスプレイに表示する(S250)。尚、上述したように、音楽再生装置10は、曲リスト提示コマンドに対応する応答データとして、曲目データを、曲毎に送信してくる。従って、S240〜S250では、これら各曲目データを順に受信し、この曲目データに基づいて、曲タイトルを列挙した曲リストを、ディスプレイに表示する。
【0087】
また、S250での処理を終えると、制御部31は、表示された曲リストに基づき、ユーザにより、曲タイトルの選択操作、又は、出力音に設定する曲の確定操作が、表示操作部41を通じてなされるまで待機し(S260でNo、S270でNo)、曲タイトルの選択操作がなされたと判断すると(S260でYes)、その操作内容に従って、ディスプレイに表示された曲リストの表示画面を更新する(S265)。例えば、操作内容に従って、曲リストに設けられたカーソルを移動させたり、選択された曲タイトルの文字列を、白黒反転表示する等の処理を行う。また、S265での処理を終えると、制御部31は、S260に移行し、再び、曲タイトルの選択操作又は曲の確定操作がなされるまで待機する。
【0088】
その他、曲の確定操作がなされたと判断すると(S270でYes)、制御部31は、S280に移行し、S220〜S270を実行するにいたった原因の音設定開始操作が、着信音設定開始操作であるか否かを判断する。そして、着信音設定開始操作であると判断すると(S280でYes)、S290に移行し、ユーザにより選択された曲を着信音に設定する。
【0089】
即ち、確定操作がなされた時点で選択されていた曲タイトルに対応する楽曲データを、着信音として再生コマンドの送信時に指定する楽曲データに設定する(S290)。この設定動作は、NVRAM31dに、着信音設定情報として、選択された曲タイトルに対応する曲目データのインデックス番号、曲タイトル及びファイル名を記録することで、実現される。そして、この処理を終えると、制御部31は、当該音設定処理を一旦終了し、再び、音設定開始操作がなされるまで待機する(S210)。
【0090】
一方、S280において、上記原因の音設定開始操作が、着信音設定開始操作ではないと判断すると、制御部31は、S300に移行し、上記原因の音設定開始操作が、背景音設定開始操作であるか否かを判断する。そして、上記原因の音設定開始操作が、背景音設定開始操作であると判断すると(S300でYes)、S310に移行して、図8(a)に示す背景音設定処理を開始する。尚、図8(a)は、制御部31が実行する背景音設定処理を表すフローチャートである。
【0091】
背景音設定処理を開始すると、制御部31は、上述の曲リスト表示画面を通じて、ユーザにより選択された曲を背景音に設定する。即ち、NVRAM31dに、背景音設定情報として、選択された曲タイトルに対応する曲目データのインデックス番号、曲タイトル及びファイル名を記録する(S311)。
【0092】
また、この処理を終えると、S313に移行して、背景音がスピーカ35eから出力されている最中であるか否かを判断する。尚、背景音は、通話中にスピーカ35eから出力されるものであり、具体的には、後述の背景音出力処理(図10)により、スピーカ35eから出力される。
【0093】
そして、背景音がスピーカ35eから出力されている最中であると判断すると(S313でYes)、制御部31は、新しく設定した背景音に対応する楽曲データの再生処理の実行を指示する上述の再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S315)。即ち、制御部31は、NVRAM31dに記憶されている最新の背景音設定情報及び指定タイプ設定情報(詳細後述)を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S315)。その後、当該背景音設定処理を終了する。
【0094】
その他、背景音がスピーカ35eから出力されていないと判断すると(S313でNo)、制御部31は、S315の処理を実行することなく、当該背景音設定処理を終了する。そして、背景音設定処理を終了すると、音設定処理についても一旦終了する。
【0095】
また、S300において、上記原因の音設定開始操作が、背景音設定開始操作ではないと判断すると、制御部31は、S320に移行し、上記原因の音設定開始操作が、保留音設定開始操作であるか否かを判断する。
【0096】
そして、上記原因の音設定開始操作が、保留音設定開始操作であると判断すると(S320でYes)、S330に移行し、図8(b)に示す保留音設定処理を開始する。尚、図8(b)は、制御部31が実行する保留音設定処理を表すフローチャートである。
【0097】
保留音設定処理を開始すると、制御部31は、上述の曲リスト表示画面を通じて、ユーザにより選択された曲を保留音に設定する。即ち、NVRAM31dに、保留音設定情報として、選択された曲タイトルに対応する曲目データのインデックス番号、曲タイトル及びファイル名を記録する(S331)。
【0098】
また、この処理を終えると、制御部31は、S333に移行して、音楽再生装置10からの再生信号が保留音信号として外部電話装置に出力されている最中であるか否かを判断する。尚、保留音信号は、後述の保留音出力処理(図11、図12)により、外部電話装置に出力される。
【0099】
そして、音楽再生装置10からの再生信号が保留音信号として外部電話装置に出力されている最中であると判断すると(S333でYes)、制御部31は、新しく設定した保留音に対応する楽曲データの再生処理の実行を指示する上述の再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S335)。即ち、制御部31は、NVRAM31dに記憶されている最新の保留音設定情報及び指定タイプ設定情報(詳細後述)を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S335)。その後、当該保留音設定処理を終了する。
【0100】
その他、音楽再生装置10からの再生信号が保留音信号として外部電話装置に出力されていないと判断すると(S333でNo)、制御部31は、S335の処理を実行することなく、当該保留音設定処理を終了する。そして、保留音設定処理を終了すると、音設定処理についても一旦終了する。
【0101】
また、S320において、上記原因の音設定開始操作が、保留音設定開始操作ではないと判断すると、制御部31は、S340に移行し、上記原因の音設定開始操作が、アラーム音設定開始操作であるか否かを判断する。
【0102】
そして、上記原因の音設定開始操作が、アラーム音設定開始操作であると判断すると(S340でYes)、S350に移行し、上述の曲リスト表示画面を通じて、ユーザにより選択された曲を、アラーム音に設定する。その後、当該音設定処理を終了する。一方、上記原因の音設定開始操作が、アラーム音設定開始操作でもない判断すると(S340でNo)、制御部31は、S350の処理を実行することなく、当該音設定処理を終了する。そして、次の音設定開始操作がなされるまで待機する(S210)。
【0103】
尚、この音設定開始処理にて参照されるNVRAM31d内の指定タイプ設定情報は、ユーザが、表示操作部41を通じて、指定タイプの切替操作を行うことにより、更新される。即ち、本実施例の複合機30は、曲の指定タイプを、ユーザ操作に従って切替可能な構成にされており、指定タイプの切替操作が、表示操作部41を通じてなされると、制御部31は、この操作内容に従って、NVRAM31dに記憶されている指定タイプ設定情報を更新し、指定タイプを、上述のファイル指定タイプ、タイトル指定タイプ、インデックス指定タイプのいずれかに設定する。
【0104】
続いて、制御部31が繰返し実行する着信音出力処理について説明する。図9は、この着信音出力処理を表すフローチャートである。尚、この着信音出力処理は、上述した音設定処理、後述する背景音出力処理、保留音出力処理、及び、アラーム音出力処理と並列に処理される。
【0105】
着信音出力処理を開始すると、制御部31は、公衆電話回線網(PSTN)を通じて回線制御部37aが外部の電話装置又はファクシミリ装置から呼を受信するまで待機する(S410)。そして、呼を受信すると(S410でYes)、S220と同様の手法にて、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断する(S420)。ここで、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれかに接続されていると判断すると(S420でYes)、S430に移行し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれにも接続されていないと判断した場合には(S420でNo)、S510に移行する。
【0106】
S430に移行すると、制御部31は、まず、NVRAM31dに記憶されている着信音設定情報及び指定タイプ設定情報を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S440)。即ち、指定タイプ設定情報がファイル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてファイル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、着信音設定情報が示すファイル名を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0107】
その他、指定タイプ設定情報がタイトル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてタイトル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、着信音設定情報が示す曲タイトルを記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0108】
また、指定タイプ設定情報がインデックス指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてインデックス指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、着信音設定情報が示すインデックス番号を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0109】
また、S440での処理を終えると、制御部31は、S450に移行し、再生コマンドに対して肯定応答があったか否かを判断する。
S450では、例えば、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されるのを監視して、ライン入力端子SLinから再生信号が入力された場合、肯定応答があったと判断し、所定時間内に、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されなかった場合、肯定応答がなかったと判断する。
【0110】
また、別例として、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10から再生コマンドに対する応答信号を受信し、応答信号が肯定応答を示す場合、Yesと判断し、否定応答を示す場合には、Noと判断する。また、音楽再生装置10が所定時間内に応答信号を送信してこなかった場合、Noと判断する。
【0111】
S450で再生コマンドに対する肯定応答があったと判断すると(S450でYes)、制御部31は、S460に移行し、肯定応答がなかったと判断すると(S450でNo)、S510に移行する。
【0112】
S460に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路を形成し、ライン入力端子SLinからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、ライン入力端子SLin側に切り替える。
【0113】
このようにして、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路が形成されると、ライン入力端子SLinから入力される音楽再生装置10の再生信号は、スピーカ35eに入力され、スピーカ35eからは、音楽再生装置10の再生信号に対応する音が出力される。即ち、再生コマンドに対応する曲が、着信音として、スピーカ35eから出力される。
【0114】
また、S460での処理を終えると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、ユーザ操作(ハンドセットの操作等)又は自動応答機能(留守録機能等)により、通話又はファクシミリ通信が開始されるか、呼が途絶えるまで待機し(S465でNo、S470でNo、S475でNo)、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S465でYes)、S510に移行する。
【0115】
一方、通話又はファクシミリ通信が開始されるか、呼が途絶えた場合には(S470でYes又はS475でYes)、出力選択器35cを制御し、出力選択器35cを非伝送モードに設定することで、ライン入力端子SLinから入力される再生信号の増幅器35d側への伝送を中止する(S480)。この処理が完了すると、スピーカ35eからの着信音の出力は停止する。
【0116】
また、S480での処理を終えると、制御部31は、S490に移行し、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10に、再生停止コマンドを入力する。その後、当該着信音出力処理を一旦終了し、再び、呼を受信するまで待機する(S410)。
【0117】
一方、S510に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、音信号生成部35aから増幅器35dへの伝送経路を形成し、音信号生成部35aからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、音信号生成部35a側に切り替える。尚、出力選択器35cは、入力ソースが音信号生成部35aに設定されているとき、ライン入力端子SLinからの入力信号を、増幅器35dへ伝送しない構成にされている。
【0118】
また、S510での処理を終えると、制御部31は、S520に移行し、音信号生成部35aの着信音信号生成機能を作動状態(オン)にして、音信号生成部35aから出力される内蔵音信号(着信音信号)を、スピーカ35eに入力する。この動作により、スピーカ35eからは、着信音として内蔵音(ベル音)が出力される。
【0119】
また、S520での処理を終えると、制御部31は、ユーザ操作又は自動応答機能により、通話又はファクシミリ通信が開始されるか、呼が途絶えるまで待機し(S530でNo、S535でNo)、通話又はファクシミリ通信が開始されるか、呼が途絶えた場合には(S530でYes又はS535でYes)、音信号生成部35aの着信音信号生成機能を停止状態(オフ)にして、内蔵音(ベル音)の出力を停止する(S540)。その後、当該着信音出力処理を一旦終了し、再び、呼を受信するまで待機する(S410)。
【0120】
続いて、制御部31が繰返し実行する背景音出力処理について説明する。図10は、この背景音出力処理を表すフローチャートである。尚、この背景音出力処理は、上述した音設定処理、着信音出力処理、後述する保留音出力処理、及び、アラーム音出力処理と並列に処理される。
【0121】
背景音出力処理を開始すると、制御部31は、公衆電話回線網(PSTN)を通じて回線制御部37aが外部の電話装置又はファクシミリ装置から呼を受信するまで待機する(S610)。そして、呼を受信すると(S610でYes)、呼が途絶えるか、ハンドセット37dが取り上げられて通話が開始されるまで待機する(S613でNo、S617でNo)。
【0122】
そして、通話が開始されず着信が切れた場合には(S613でYes)、当該背景音出力処理を一旦終了し、次の着信があるまで待機する(S610)。一方、ハンドセット37dが取り上げられて通話が開始されると(S617でYes)、S220と同様の手法で、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断する(S620)。ここで、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれかに接続されていると判断すると(S620でYes)、S630に移行し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれにも接続されていないと判断した場合には(S620でNo)、当該背景音出力処理を一旦終了する。
【0123】
S630に移行すると、制御部31は、まず、NVRAM31dに記憶されている背景音設定情報及び指定タイプ設定情報を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S640)。例えば、指定タイプ設定情報がファイル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてファイル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、背景音設定情報が示すファイル名を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0124】
また、S640での処理を終えると、制御部31は、S650に移行し、S450と同様の手法にて、再生コマンドに対して肯定応答があったか否かを判断する。S650では、例えば、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されるのを監視して、ライン入力端子SLinから再生信号が入力された場合、肯定応答があったと判断し、所定時間内に、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されなかった場合、肯定応答がなかったと判断する。
【0125】
S650で再生コマンドに対する肯定応答があったと判断すると(S650でYes)、制御部31は、S660に移行し、肯定応答がなかったと判断すると(S650でNo)、当該背景音出力処理を一旦終了する。
【0126】
一方、S660に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路を形成し、ライン入力端子SLinからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、ライン入力端子SLin側に切り替える。
【0127】
このようにして、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路が形成されると、ライン入力端子SLinから入力される音楽再生装置10の再生信号は、スピーカ35eに入力され、スピーカ35eからは、再生コマンドに対応する曲が、背景音(BGM)として、スピーカ35eから出力される。
【0128】
また、S660での処理を終えると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、通話開始と共に外部電話装置と接続された電話回線がハンドセット37dが下ろされるなどして切断されるまで待機する(S665、S675)。
【0129】
そして、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S665でYes)、S670に移行し、出力選択器35cを制御して、出力選択器35cを非伝送モードに設定することで、ライン入力端子SLinから入力される再生信号の増幅器35d側への伝送を中止する。また、この処理を終えると、制御部31は、当該背景音出力処理を一旦終了する。
【0130】
一方、通話開始と共に外部電話装置と接続された電話回線がハンドセット37dが下ろされるなどして切断された場合には(S675でYes)、出力選択器35cを非伝送モードに設定して、スピーカ35eからの背景音の出力を停止した後(S680)、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10に、再生停止コマンドを入力する(S690)。その後、当該背景音出力処理を一旦終了し、再び、呼を受信するまで待機する(S610)。
【0131】
続いて、制御部31が繰返し実行する保留音出力処理について説明する。図11及び図12は、以下に説明する保留音出力処理を表すフローチャートである。尚、この保留音出力処理は、上述した音設定処理、着信音出力処理、背景音出力処理、及び、後述するアラーム音出力処理と並列に処理される。
【0132】
保留音出力処理を開始すると、制御部31は、当該複合機30が外部の電話装置と電話回線を通じて接続された状態(回線接続状態)にあるか否かを判断し(S710)、回線接続状態にある場合(S710でYes)、S713に移行し、回線接続状態にない場合には(S710でNo)、当該複合機30が回線接続状態になるまで待機し、当該複合機30が回線接続状態になった時点で、S713に移行する。
【0133】
また、S713に移行すると、制御部31は、表示操作部41を通じてユーザにより保留操作がなされたか否かを判断し、保留操作がなされていない場合には(S713でNo)、S710に移行し、保留操作がなされた場合には(S713でYes)、S717に移行する。尚、ここでいう保留操作とは、電話本体部37を保留状態に移行させるための操作のことをいい、「保留状態」は、周知の電話装置と同様に、ハンドセット37dが下ろされるなどしても、自装置から回線を切断することなく、回線接続状態を保持する状態のことをいう。
【0134】
また、S717に移行すると、制御部31は、出力切替器37bを制御して、増幅器37cから回線制御部37aへの伝送経路を形成し、鳴動部35からの入力信号が増幅器37c及び出力切替器37b及び回線制御部37aを介して、電話回線に送出され、接続先の外部電話装置に伝送されるようにする。即ち、外部電話装置への入力ソースを、鳴動部35側に切り替え、マイクロフォン37eからユーザの発話信号を外部電話装置に伝送する代わりに、鳴動部35からの入力信号を外部電話装置に伝送する。
【0135】
そして、この処理を終えると、S719に移行し、現在、音楽再生装置10を用いて背景音をスピーカ35eから出力している最中であるか否かを判断する。そして、出力中であると判断した場合には(S719でYes)、S850に移行し、出力中ではないと判断した場合には(S719でNo)、S720に移行する。
【0136】
S720に移行すると、制御部31は、S220と同様の手法で、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれかに接続されていると判断すると(S720でYes)、S730に移行し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれにも接続されていないと判断した場合には(S720でNo)、S810に移行する。
【0137】
S730に移行すると、制御部31は、NVRAM31dに記憶されている保留音設定情報及び指定タイプ設定情報を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S740)。例えば、指定タイプ設定情報がファイル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてファイル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、保留音設定情報が示すファイル名を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0138】
また、この処理を終えると、制御部31は、S450と同様の手法にて、再生コマンドに対して肯定応答があったか否かを判断する(S750)。S750では、例えば、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されるのを監視して、ライン入力端子SLinから再生信号が入力された場合、肯定応答があったと判断し、所定時間内に、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されなかった場合、肯定応答がなかったと判断する。
【0139】
そして、S750で再生コマンドに対する肯定応答があったと判断すると(S750でYes)、制御部31は、S760に移行し、肯定応答がなかったと判断すると(S750でNo)、S810に移行する。
【0140】
S760に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路を形成し、ライン入力端子SLinからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、ライン入力端子SLin側に切り替える。
【0141】
このようにして、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路が形成されると、ライン入力端子SLinから入力される音楽再生装置10の再生信号は、スピーカ35eに入力され、再生コマンドに対応する曲が、保留音として、スピーカ35eから出力される。また、この際には、音楽再生装置10の再生信号が、電話本体部37を通じて、外部電話装置に伝送され、外部電話装置では、再生コマンドに対応する曲が、保留音として、その装置のスピーカから出力される。
【0142】
また、S760での処理を終えると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、保留解除操作が表示操作部41等を介してなされるまで待機し(S770でNo、S775でNo)、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S770でYes)、S810に移行する。
【0143】
一方、保留解除操作がなされた場合には(S775でYes)、S780に移行し、出力選択器35cを制御して、出力選択器35cを非伝送モードに設定することで、ライン入力端子SLinから入力される再生信号の増幅器35d及び電話本体部37側への伝送を中止する。この処理が完了すると、スピーカ35e及び外部電話装置からの保留音の出力は停止する。
【0144】
尚、S775では、表示操作部41やハンドセット37dを通じて保留解除操作がなされた場合だけでなく、回線が切断された場合にも、保留解除操作がなされたと判断する。
そして、S780での処理を終えると、制御部31は、S790に移行し、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10に、再生停止コマンドを入力する。また、この処理を終えると、出力切替器37bを制御して、マイクロフォン37eから回線制御部37aへの伝送経路を形成し、ハンドセット37dのマイクロフォン37eから、ユーザの発話信号が、回線制御部37aを介して、電話回線に送出され、接続先の外部電話装置に伝送されるようにする(S795)。即ち、外部電話装置への入力ソースを、マイクロフォン37e側に切り替え、鳴動部35からの入力信号を外部電話装置に伝送するのに代えて、マイクロフォン37eからの入力信号を外部電話装置に伝送する。また、この処理を終えると、当該保留音出力処理を一旦終了し、再び、保留操作が行われるまで待機する(S710、S713)。
【0145】
この他、S810に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、音信号生成部35aから増幅器35dへの伝送経路を形成し、音信号生成部35aからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、音信号生成部35a側に切り替える。
【0146】
また、S810での処理を終えると、制御部31は、S820に移行し、音信号生成部35aの保留音信号生成機能を作動状態(オン)にして、音信号生成部35aから出力される内蔵音信号(保留音信号)を、スピーカ35eに入力すると共に、回線制御部37aを介して接続先の外部電話装置に入力する。この動作により、スピーカ35e及び接続先の外部電話装置からは、保留音として内蔵音が出力される。
【0147】
また、S820での処理を終えると、制御部31は、保留解除操作が表示操作部41等を介してなされるまで待機し(S830でNo)、保留解除操作がなされた場合には(S830でYes)、S840に移行する。そして、S840では、音信号生成部35aの保留音信号生成機能を停止状態(オフ)にすることで、内蔵音の出力を停止する(S840)。その後、S795に移行する。
【0148】
この他、現在、背景音をスピーカ35eから出力している最中であると判断して(S719でYes)、S850に移行すると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、保留解除操作が表示操作部41等を介してなされるまで待機し(S850でNo、S860でNo)、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S850でYes)、S810に移行する。
【0149】
一方、保留解除操作がなされた場合には(S860でYes)、S795に移行し、出力切替器37bを制御して、外部電話装置への入力ソースを、マイクロフォン37e側に切り替え、鳴動部35からの入力信号を外部電話装置に伝送するのに代えて、マイクロフォン37eからの入力信号を外部電話装置に伝送する。尚、S860では、S775及びS830の処理と同様、回線が切断された場合にも、保留解除操作がなされたと判断する。また、S795での処理を終えると、当該保留音出力処理を一旦終了し、再び、保留操作が行われるまで待機する(S710、S713)。
【0150】
続いて、制御部31が繰返し実行するアラーム音出力処理について説明する。図13は、このアラーム音出力処理を表すフローチャートである。尚、このアラーム音出力処理は、上述した音設定処理、着信音出力処理、背景音出力処理、及び、保留音出力処理と並列に処理される。
【0151】
アラーム音出力処理を開始すると、制御部31は、公衆電話回線網(PSTN)を通じて回線制御部37aが外部の電話装置又はファクシミリ装置から呼を受信している状態(即ち、着信状態)、若しくは、外部の電話装置又はファクシミリ装置と回線接続されている状態(即ち、回線接続状態)にあるか否かを判断し(S900)、回線制御部37aが着信状態又は回線接続状態にある場合には、回線制御部37aが着信状態及び回線接続状態のいずれでもなくなるまで待機する。尚、この処理は、アラーム音に優先して、着信音や背景音、保留音を出力するために行われる。
【0152】
そして、着信状態及び回線接続状態のいずれでもないと判断した場合(S900でNo)、制御部31は、S910に移行して、予めユーザにより設定されたアラーム時刻が到来したか否かを判断し、アラーム時刻が到来していないと判断すると(S910でNo)、S900に移行し、アラーム時刻が到来したと判断すると、S920に移行する。
【0153】
また、S920に移行すると、制御部31は、S220と同様の手法で、USBコネクタ47aのいずれかに音楽再生装置10が接続されているか否かを判断し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれかに接続されていると判断すると(S920でYes)、S930に移行し、音楽再生装置10がUSBコネクタ47aのいずれにも接続されていないと判断した場合には(S920でNo)、S1010に移行する。
【0154】
S930に移行すると、制御部31は、まず、NVRAM31dに記憶されているアラーム音設定情報及び指定タイプ設定情報を参照し、これらの情報に基づいて、対応する再生コマンドを生成し、生成した再生コマンドを、USBインタフェース47を通じて、接続されている音楽再生装置10に出力する(S940)。例えば、指定タイプ設定情報がファイル指定タイプを示す場合には、指定タイプ情報としてファイル指定タイプを表すコードを記し、曲指定情報として、アラーム音設定情報が示すファイル名を記した再生コマンドを生成し、この再生コマンドを音楽再生装置10に出力する。
【0155】
また、S940での処理を終えると、制御部31は、S950に移行し、再生コマンドに対して肯定応答があったか否かを判断する。S950では、例えば、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されるのを監視して、ライン入力端子SLinから再生信号が入力された場合、肯定応答があったと判断し、所定時間内に、ライン入力端子SLinから再生信号が入力されなかった場合、肯定応答がなかったと判断する。そして、S950で再生コマンドに対する肯定応答があったと判断すると(S950でYes)、S960に移行し、肯定応答がなかったと判断すると(S950でNo)、S1010に移行する。
【0156】
S960に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路を形成し、ライン入力端子SLinからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、ライン入力端子SLin側に切り替える。
【0157】
このようにして、ライン入力端子SLinから増幅器35dへの伝送経路が形成されると、ライン入力端子SLinから入力される音楽再生装置10の再生信号は、スピーカ35eに入力され、スピーカ35eからは、音楽再生装置10の再生信号に対応する音が出力される。即ち、再生コマンドに対応する曲が、アラーム音として、スピーカ35eから出力される。
【0158】
また、S960での処理を終えると、制御部31は、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外されるか、公衆電話回線網(PSTN)を通じて外部から呼が送信されてくるか、アラーム音の出力停止操作が表示操作部41を通じてなされるか、予め設定された鳴動時間が経過するまで待機し(S965でNo、S970でNo、S973でNo、S977でNo)、音楽再生装置10がUSBインタフェース47から外された場合には(S965でYes)、S1010に移行する。
【0159】
一方、公衆電話回線網(PSTN)を通じて外部から呼を受信するか、アラーム音の出力停止操作が表示操作部41を通じてなされるか、予め設定された鳴動時間が経過した場合には(S970でYes、S973でYes、S977でYes)、S980に移行し、出力選択器35cを非伝送モードに設定することで、ライン入力端子SLinから入力される再生信号の増幅器35d側への伝送を中止する。これにより、スピーカ35eからのアラーム音の出力は停止する。
【0160】
また、S980での処理を終えると、制御部31は、S990に移行し、USBインタフェース47を通じて、音楽再生装置10に、再生停止コマンドを入力する。その後、当該アラーム音出力処理を一旦終了する。
【0161】
一方、S1010に移行すると、制御部31は、出力選択器35cを制御して、音信号生成部35aから増幅器35dへの伝送経路を形成し、音信号生成部35aからの入力信号が出力選択器35cを介して増幅器35dに伝送されるようにする。即ち、増幅器35dの入力ソースを、音信号生成部35a側に切り替える。
【0162】
また、S1010での処理を終えると、制御部31は、S1020に移行し、音信号生成部35aのアラーム音信号生成機能を作動状態(オン)にして、音信号生成部35aから出力される内蔵音信号(アラーム音信号)を、スピーカ35eに入力する。この動作により、スピーカ35eからは、アラーム音として内蔵音が出力される。
【0163】
また、S1020での処理を終えると、制御部31は、公衆電話回線網(PSTN)を通じて外部から呼が送信されてくるか、アラーム音の出力停止操作が表示操作部41を通じてなされるか、予め設定された鳴動時間が経過するまで待機する(S1030でNo、S1033でNo、S1037でNo)。そして、公衆電話回線網(PSTN)を通じて外部から呼を受信するか、アラーム音の出力停止操作が表示操作部41を通じてなされるか、予め設定された鳴動時間が経過した場合には(S1030でYes、S1033でYes、S1037でYes)、音信号生成部35aのアラーム音信号生成機能を停止状態(オフ)にして、内蔵音の出力を停止する(S1040)。その後、当該アラーム音出力処理を一旦終了する。
【0164】
以上、本実施例の音出力システム1について説明したが、この音出力システム1では、複合機30が、公衆電話回線網からの着呼の際や、通話モードへの移行時、アラーム時刻の到来時に、USBインタフェース47に接続された音楽再生装置10に対して再生コマンドを出力して、この音楽再生装置10のライン出力端子SLoutから出力される楽曲データの再生信号を、ライン入力端子SLinから取得する。そして、この再生信号をスピーカ35eに入力することにより、スピーカ35eに、再生信号に対応する音を、着信音や背景音(BGM)、アラーム音として出力させる。
【0165】
また、この音出力システム1では、複合機30が、保留モードへの移行時、USBインタフェース47に接続された音楽再生装置10に対して再生コマンドを出力して、この音楽再生装置10のライン出力端子SLoutから出力される楽曲データの再生信号を、ライン入力端子SLinから取得すると共に、出力切替器37bを鳴動部35側に切り替えて、音楽再生装置10からの再生信号を電話回線に送出し、接続先の外部電話装置に、再生信号に対応する音を、保留音として出力させる。
【0166】
従って、本実施例の音出力システム1によれば、音楽再生装置10にて再生処理可能な楽曲データについて、これに対応する再生処理機能を、複合機30に設けなくとも、この楽曲データに対応する曲を、複合機30から着信音、背景音、アラーム音として出力することができると共に、楽曲データに対応する曲を、接続先の外部電話装置に対し、保留音として流すことができる。
【0167】
即ち、この音出力システム1によれば、音楽再生装置10が有する楽曲データに対応する曲を、簡単に、複合機30の着信音、背景音、保留音、アラーム音に設定することができる。また、音楽再生装置10の機能を用いて楽曲データを再生処理するので、様々な規格の楽曲データを利用して、この楽曲データに対応する曲を、着信音、背景音、保留音、アラーム音として出力することができる。
【0168】
また、本実施例の音出力システム1によれば、音楽再生装置10にて再生処理された楽曲データの再生信号を、複合機30に取り込んで、複合機30から着信音を出力するので、着信音を、電話装置とは別の装置から出力する従来システムよりも、ユーザに違和感を与えずに、着信音を出力することができる。
【0169】
従って、本実施例によれば、従来よりも、出力音の選択自由度が高く、イベントの発生時に、イベントに対応した音を好適に発生させることが可能な複合機30(換言すると、電話装置やアラームクロック)を構成することができる。
【0170】
また、本実施例では、既存の携帯型の音楽再生装置が、パーソナルコンピュータからの指令を受け付けるためのインタフェースとして、USBインタフェースを有し、更に、ヘッドホンを接続するためのライン出力端子を備えることに着目して、USBインタフェースを通じて、再生コマンドを音楽再生装置に入力し、ライン出力端子を介して、楽曲データの再生信号を、音楽再生装置から取り込むようにした。
【0171】
従って、本実施例によれば、音楽再生装置に関して、既存の携帯型の音楽再生装置を利用、又は、既存の音楽再生装置のプログラムを変更する程度で、当該音出力システム1を構成することができる。
【0172】
その他、本実施例では、音楽再生装置10のライン出力端子SLoutを、複合機30のライン入力端子SLinを通じて、直接スピーカ35eに接続するのではなく、伝送経路上に出力選択器35cを設けて、イベント発生時以外には、音楽再生装置10のライン出力端子SLoutから出力される再生信号がスピーカ35eに入力されないようにした。従って、本実施例の音出力システム1によれば、適切に、音楽再生装置10の再生信号を利用して、着信音、背景音、保留音、アラーム音を出力することができる。
【0173】
尚、本発明の電子機器(電話装置)が備える接続インタフェースは、本実施例において、USBコネクタ47aとライン入力端子SLinとからなり、指令信号送出用のインタフェースは、USBコネクタ47aに相当し、再生信号受付用のインタフェースは、ライン入力端子SLinに相当する。また、音楽再生装置が備える接続インタフェースは、USBコネクタ19a及びライン出力端子SLoutの組に相当する。
【0174】
また、再生指令手段は、S440,S640,S740,S940の処理にて実現され、出力制御手段は、S460〜540,S660〜S690,S717,S760〜S840,S960〜S1040の処理にて実現されている。その他、楽曲データ記憶手段は、記憶部13にて実現され、再生信号出力手段は、S130の処理にて実現されている。
【0175】
また、信号生成手段は、音信号生成部35aにて実現され、第一判定手段は、S420,S720,S920の処理にて実現され、第二判定手段は、S450,S750,S950の処理にて実現されている。
【0176】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、指令信号送出用のインタフェースとして、USBインタフェースを採用したが、上記指令信号送出用のインタフェースとしては、その他に、IEEE1394インタフェース等を用いることができる。また、複合機30が電子メールを着信可能な構成にされている場合には、電子メールの着信に対しても、上述の技術を利用して(音楽再生装置10からの再生信号を利用して)、着信音を出力することができる。
【0177】
また、複合機30には、コンピュータネットワーク(例えば、インターネット)内のノードと通信可能な通信手段を設け、更に、このネットワークを通じ、外部から時刻情報を取得し、この時刻情報に基づいて、内部時計を修正する機能を設けるとよい。このようにすれば、複合機30から、正確にアラーム音を出力することができる。また、複合機30の内部時計に基づいて、音楽再生装置10の内部時計を修正するように、システムを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】音出力システム1の概略構成を表すブロック図である。
【図2】音楽再生装置10の制御部11が繰返し実行するコマンド受付処理を表すフローチャートである。
【図3】再生コマンドの構成を表す説明図である。
【図4】制御部11が実行する再生制御処理を表すフローチャートである。
【図5】複合機30の概略構成を表すブロック図である。
【図6】鳴動部35及び電話本体部37の詳細構成を示したブロック図である。
【図7】複合機30の制御部31が繰返し実行する音設定処理を表すフローチャートである。
【図8】制御部31が実行する背景音設定処理を表すフローチャート(a)及び制御部31が実行する保留音設定処理を表すフローチャート(b)である。
【図9】制御部31が繰返し実行する着信音出力処理を表すフローチャートである。
【図10】制御部31が繰返し実行する背景音出力処理を表すフローチャートである。
【図11】制御部31が繰返し実行する保留音出力処理を表すフローチャートである。
【図12】制御部31が繰返し実行する保留音出力処理を表すフローチャートである。
【図13】制御部31が繰返し実行するアラーム音出力処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0179】
1…音出力システム、10…音楽再生装置、11,31…制御部、11a…デコーダ、13…記憶部、15,41…表示操作部、17…音出力部、19,47…USBインタフェース、19a,47a…USBコネクタ、30…複合機、31a…CPU、31b…RAM、31c…ROM、31d…NVRAM、35…鳴動部、35a…音信号生成部、35b…D/A変換器、35c…出力選択器、35d,37c…増幅器、35e,37f…スピーカ、37…電話本体部、37a…回線制御部、37b…出力切替部、37d…ハンドセット、37e…マイクロフォン、43…印刷部、45…読取部、SLin…ライン入力端子、SLout…ライン出力端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽再生装置と、スピーカを備える電子機器と、を備えた音出力システムであって、
前記電子機器は、
前記音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な第一接続インタフェースと、
所定イベントが発生すると、前記第一接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記第一接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記第一接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、前記スピーカに入力し、前記スピーカに前記再生信号に対応する音を、出力させる出力制御手段と、
を備え、
前記音楽再生装置は、
前記電子機器が備える第一接続インタフェースと対となる前記電子機器接続用の第二接続インタフェースと、
楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データ記憶手段が記憶する楽曲データを再生する再生手段と、
前記第二接続インタフェースを介して、前記第二接続インタフェースに接続された電子機器から、楽曲データの再生を指令する指令信号が入力されると、前記再生手段を作動させて、前記再生手段が再生した楽曲データの再生信号を、前記第二接続インタフェースを介して前記電子機器に出力する再生信号出力手段と、
を備えることを特徴とする音出力システム。
【請求項2】
スピーカを備える電子機器であって、
音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースと、
所定イベントが発生すると、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、前記スピーカに入力し、前記スピーカに前記再生信号に対応する音を、出力させる出力制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
当該電子機器は、通信回線網に接続され、この通信回線網を通じて、外部装置からの送信信号を受信する通信装置であり、
前記再生指令手段は、前記通信回線網からの着信があると、前記所定イベントが発生したとして、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する構成にされ、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号に対応する音を、前記スピーカに、着信音として、出力させることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
当該電子機器は、電話装置であり、
前記再生指令手段は、当該電子機器が通話状態に移行すると、前記所定イベントが発生したとして、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する構成にされ、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号に対応する音を、前記スピーカに、通話時の背景音として、出力させることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
当該電子機器は、アラームクロックであり、
前記再生指令手段は、予め設定されたアラーム時刻が到来すると、前記所定イベントが発生したとして、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する構成にされ、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号に対応する音を、前記スピーカに、アラーム音として、出力させることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項6】
前記接続インタフェースは、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有し、
前記再生信号受付用のインタフェースは、前記音楽再生装置が備える再生信号送出用のライン出力端子に、伝送ケーブルを通じて接続されるライン入力端子であり、
前記出力制御手段は、前記音楽再生装置からの再生信号に対応する音を前記スピーカに出力させる際、前記ライン入力端子から前記スピーカへの伝送経路を形成する回路部を制御し、前記ライン入力端子から入力される再生信号を、前記スピーカに入力することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記所定イベントの発生時に、前記スピーカに入力する音信号を生成する信号生成手段と、
前記接続インタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記出力制御手段は、前記判定手段により、前記接続インタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、前記信号生成手段を作動させて、前記信号生成手段により生成された音信号を前記スピーカに入力し、前記楽曲データの再生信号に対応する音に代え、前記スピーカに前記信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
前記所定イベントの発生時に、前記スピーカに入力する音信号を生成する信号生成手段と、
前記指令信号送出用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第一判定手段と、
前記再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第二判定手段と、
を備え、
前記出力制御手段は、前記第一判定手段により、前記指令信号送出用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、又は、前記第二判定手段により、前記再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合に、前記信号生成手段を作動させて、前記信号生成手段により生成された音信号を前記スピーカに入力し、前記楽曲データの再生信号に対応する音に代え、前記スピーカに前記信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させることを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項9】
音楽再生装置と、電話装置と、を備えた音出力システムであって、
前記電話装置は、
音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な第一接続インタフェースと、
外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、前記第一接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記第一接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記第一接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、前記電話回線を通じて送出し、前記再生信号に対応する音を、前記接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段と、
を備え、
前記音楽再生装置は、
前記電話装置が備える第一接続インタフェースと対となる前記電話装置接続用の第二接続インタフェースと、
楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データ記憶手段が記憶する楽曲データを再生する再生手段と、
前記第二接続インタフェースを介して、前記第二接続インタフェースに接続された電話装置から、楽曲データの再生を指令する指令信号が入力されると、前記再生手段を作動させて、前記再生手段が再生した楽曲データの再生信号を、前記第二接続インタフェースを介して前記電話装置に出力する再生信号出力手段と、
を備えることを特徴とする音出力システム。
【請求項10】
音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースと、
外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、前記電話回線を通じて送出し、前記再生信号に対応する音を、前記接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段と、
を備えることを特徴とする電話装置。
【請求項11】
当該電話装置は、外部電話装置と接続された電話回線の保留操作を受付可能な電話装置であり、
前記再生指令手段は、前記保留操作が行われると、前記所定イベントが発生したとして、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する構成にされ、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、保留音の信号として、接続先の外部電話装置に送出することを特徴とする請求項10記載の電話装置。
【請求項12】
前記接続インタフェースは、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有し、
前記再生信号受付用のインタフェースは、前記音楽再生装置が備える再生信号送出用のライン出力端子に、伝送ケーブルを通じて接続されるライン入力端子であり、
前記出力制御手段は、前記所定イベントが発生すると、前記ライン入力端子から入力される再生信号を、送話器からの入力信号に代えて、前記電話回線を通じ、前記接続先の外部電話装置に送出する構成にされていることを特徴とする請求項10又は請求項11記載の電話装置。
【請求項13】
前記所定イベントの発生時に、前記接続先の外部電話装置に入力する音信号を生成する信号生成手段と、
前記指令信号送出用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第一判定手段と、
前記再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第二判定手段と、
を備え、
前記出力制御手段は、前記第一判定手段により、前記指令信号送出用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、又は、前記第二判定手段により、前記再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合に、前記信号生成手段を作動させて、前記信号生成手段により生成された音信号を、送話器からの入力信号に代えて、前記電話回線を通じ、前記接続先の外部電話装置に送出し、前記接続先の外部電話装置に、前記信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させることを特徴とする請求項12記載の電話装置。
【請求項14】
スピーカを備えると共に、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースを備えた電子機器のコンピュータに、
所定イベントが発生すると、前記接続インタフェースに接続された前記音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、前記スピーカに入力し、前記スピーカに前記再生信号に対応する音を、出力させる出力制御手段
としての機能を実現させるためのプログラム。
【請求項15】
音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースを備えた電話装置のコンピュータに、
外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、前記電話回線を通じて送出し、前記再生信号に対応する音を、前記接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段
としての機能を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
音楽再生装置と、スピーカを備える電子機器と、を備えた音出力システムであって、
前記電子機器は、
前記音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な第一接続インタフェースと、
所定イベントが発生すると、前記第一接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記第一接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記第一接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、前記スピーカに入力し、前記スピーカに前記再生信号に対応する音を、出力させる出力制御手段と、
を備え、
前記音楽再生装置は、
前記電子機器が備える第一接続インタフェースと対となる前記電子機器接続用の第二接続インタフェースと、
楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データ記憶手段が記憶する楽曲データを再生する再生手段と、
前記第二接続インタフェースを介して、前記第二接続インタフェースに接続された電子機器から、楽曲データの再生を指令する指令信号が入力されると、前記再生手段を作動させて、前記再生手段が再生した楽曲データの再生信号を、前記第二接続インタフェースを介して前記電子機器に出力する再生信号出力手段と、
を備えることを特徴とする音出力システム。
【請求項2】
スピーカを備える電子機器であって、
音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースと、
所定イベントが発生すると、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、前記スピーカに入力し、前記スピーカに前記再生信号に対応する音を、出力させる出力制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
当該電子機器は、通信回線網に接続され、この通信回線網を通じて、外部装置からの送信信号を受信する通信装置であり、
前記再生指令手段は、前記通信回線網からの着信があると、前記所定イベントが発生したとして、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する構成にされ、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号に対応する音を、前記スピーカに、着信音として、出力させることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
当該電子機器は、電話装置であり、
前記再生指令手段は、当該電子機器が通話状態に移行すると、前記所定イベントが発生したとして、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する構成にされ、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号に対応する音を、前記スピーカに、通話時の背景音として、出力させることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
当該電子機器は、アラームクロックであり、
前記再生指令手段は、予め設定されたアラーム時刻が到来すると、前記所定イベントが発生したとして、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する構成にされ、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号に対応する音を、前記スピーカに、アラーム音として、出力させることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項6】
前記接続インタフェースは、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有し、
前記再生信号受付用のインタフェースは、前記音楽再生装置が備える再生信号送出用のライン出力端子に、伝送ケーブルを通じて接続されるライン入力端子であり、
前記出力制御手段は、前記音楽再生装置からの再生信号に対応する音を前記スピーカに出力させる際、前記ライン入力端子から前記スピーカへの伝送経路を形成する回路部を制御し、前記ライン入力端子から入力される再生信号を、前記スピーカに入力することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記所定イベントの発生時に、前記スピーカに入力する音信号を生成する信号生成手段と、
前記接続インタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記出力制御手段は、前記判定手段により、前記接続インタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、前記信号生成手段を作動させて、前記信号生成手段により生成された音信号を前記スピーカに入力し、前記楽曲データの再生信号に対応する音に代え、前記スピーカに前記信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
前記所定イベントの発生時に、前記スピーカに入力する音信号を生成する信号生成手段と、
前記指令信号送出用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第一判定手段と、
前記再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第二判定手段と、
を備え、
前記出力制御手段は、前記第一判定手段により、前記指令信号送出用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、又は、前記第二判定手段により、前記再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合に、前記信号生成手段を作動させて、前記信号生成手段により生成された音信号を前記スピーカに入力し、前記楽曲データの再生信号に対応する音に代え、前記スピーカに前記信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させることを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項9】
音楽再生装置と、電話装置と、を備えた音出力システムであって、
前記電話装置は、
音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な第一接続インタフェースと、
外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、前記第一接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記第一接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記第一接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、前記電話回線を通じて送出し、前記再生信号に対応する音を、前記接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段と、
を備え、
前記音楽再生装置は、
前記電話装置が備える第一接続インタフェースと対となる前記電話装置接続用の第二接続インタフェースと、
楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データ記憶手段が記憶する楽曲データを再生する再生手段と、
前記第二接続インタフェースを介して、前記第二接続インタフェースに接続された電話装置から、楽曲データの再生を指令する指令信号が入力されると、前記再生手段を作動させて、前記再生手段が再生した楽曲データの再生信号を、前記第二接続インタフェースを介して前記電話装置に出力する再生信号出力手段と、
を備えることを特徴とする音出力システム。
【請求項10】
音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースと、
外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、前記電話回線を通じて送出し、前記再生信号に対応する音を、前記接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段と、
を備えることを特徴とする電話装置。
【請求項11】
当該電話装置は、外部電話装置と接続された電話回線の保留操作を受付可能な電話装置であり、
前記再生指令手段は、前記保留操作が行われると、前記所定イベントが発生したとして、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する構成にされ、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、保留音の信号として、接続先の外部電話装置に送出することを特徴とする請求項10記載の電話装置。
【請求項12】
前記接続インタフェースは、指令信号送出用のインタフェースと、楽曲データの再生信号受付用のインタフェースと、を独立して有し、
前記再生信号受付用のインタフェースは、前記音楽再生装置が備える再生信号送出用のライン出力端子に、伝送ケーブルを通じて接続されるライン入力端子であり、
前記出力制御手段は、前記所定イベントが発生すると、前記ライン入力端子から入力される再生信号を、送話器からの入力信号に代えて、前記電話回線を通じ、前記接続先の外部電話装置に送出する構成にされていることを特徴とする請求項10又は請求項11記載の電話装置。
【請求項13】
前記所定イベントの発生時に、前記接続先の外部電話装置に入力する音信号を生成する信号生成手段と、
前記指令信号送出用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第一判定手段と、
前記再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されているか否かを判定する第二判定手段と、
を備え、
前記出力制御手段は、前記第一判定手段により、前記指令信号送出用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合、又は、前記第二判定手段により、前記再生信号受付用のインタフェースに音楽再生装置が接続されていないと判定された場合に、前記信号生成手段を作動させて、前記信号生成手段により生成された音信号を、送話器からの入力信号に代えて、前記電話回線を通じ、前記接続先の外部電話装置に送出し、前記接続先の外部電話装置に、前記信号生成手段により生成された音信号に対応する音を、出力させることを特徴とする請求項12記載の電話装置。
【請求項14】
スピーカを備えると共に、音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースを備えた電子機器のコンピュータに、
所定イベントが発生すると、前記接続インタフェースに接続された前記音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、前記スピーカに入力し、前記スピーカに前記再生信号に対応する音を、出力させる出力制御手段
としての機能を実現させるためのプログラム。
【請求項15】
音楽再生装置を接続可能なインタフェースであって、接続された前記音楽再生装置に対して指令信号を出力可能、且つ、前記音楽再生装置が再生した楽曲データの再生信号を受付可能な接続インタフェースを備えた電話装置のコンピュータに、
外部電話装置と電話回線を通じて接続された状態で、所定イベントが発生すると、前記接続インタフェースに接続された音楽再生装置に、前記音楽再生装置が記憶する楽曲データの再生を指令する指令信号を、前記接続インタフェースを介して出力する再生指令手段と、
前記再生指令手段の動作により、前記接続インタフェースを介して前記音楽再生装置から入力される前記楽曲データの再生信号を、接続先の外部電話装置に、前記電話回線を通じて送出し、前記再生信号に対応する音を、前記接続先の外部電話装置に出力させる出力制御手段
としての機能を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−11486(P2008−11486A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259118(P2006−259118)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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