説明

音声処理装置、再生装置、その方法、そのプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】良好な音声を出力可能な音声処置装置を提供する。
【解決手段】入力部から入力された入力音声信号を所定レベル値Bだけ減衰させる係数乗算器210と、入力音声信号に所定のフィルタ処理を実施してエフェクト信号を生成する信号加工処理部220と、エフェクト信号のレベル値が係数乗算器210にて減衰されたレベル値Bを基準値である1から減算した値内となるように、このエフェクト信号を補正する補正信号を生成する補正信号生成手段240と、補正信号生成手段240から出力される補正信号に基づいてエフェクト信号のレベル値を調整するレベル調整器250と、レベル調整器250にてレベルが調整された補正エフェクト信号、および係数乗算器210にてレベルが減衰された入力音声信号を加算して出力手段300に出力する加算器260と、を具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
音声信号に所定のエフェクト効果を付加して出力させる音声処理装置、再生装置、音声処理方法、音声処理プログラム、および音声処理部プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オーディオ装置などの音声出力装置にて出力されるオーディオ信号に、所定のエフェクト信号を加算して出力する音声処理装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のものは、係数乗算部にて入力されたデジタルオーディオ信号(入力信号)に係数を乗算し、これにより生成された信号と、この信号をDSP乗加算処理部にて各種フィルタ処理することで得られる信号とを、加算部にて加算して出力信号を生成する。また、加算部にて生成された出力信号をクリップ検出部に入力し、クリップ検出部にて、出力信号がクリップするか否かを判断する。そして、クリップ検出部にて出力信号がクリップする場合、係数演算部にて出力信号がクリップしない範囲で最大のレベルとなるように係数を演算し、この係数を前段の係数乗算部に入力してフィードバックする構成が採られている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−151975号公報(第4頁左欄ないし第5頁左欄、図2および図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のような従来のデジタルオーディオアンプでは、入力信号が逐次変化するにしたがって、係数乗算部でのゲインが逐次変化するため、出力信号のS/N比の変動が大きくなる。すなわち、係数乗算部にて、ゲインが−24dB〜+18dBの範囲に対応するように入力信号に係数を乗算するため、この範囲に対応してS/N比も逐次変化してしまう。このため、出力される音声にノイズなどが発生してしまい、音声の出力状態が悪化するおそれがあるという問題が挙げられる。
【0006】
本発明は、良好な音声を出力可能な音声処置装置、再生装置、その方法、そのプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、入力手段から入力された音声信号を所定レベル値だけ減衰させる減衰手段と、前記入力された音声信号に所定の音声加工処理を実施して加工音声信号を生成する音声加工手段と、前記加工音声信号のレベル値が前記減衰手段に減衰されたレベル値を基準値から減算した値の範囲内となるように前記加工音声信号を補正する補正信号を生成する補正信号生成手段と、前記補正信号生成手段から出力される前記補正信号に基づいて前記加工音声信号のレベルを調整するレベル調整手段と、前記レベル調整手段にてレベルが調整された前記加工音声信号、および前記減衰手段にて減衰された前記入力された音声信号を加算して出力手段に出力する加算手段と、を具備したことを特徴とした音声処理装置である。
【0008】
請求項9に記載の発明は、音声信号が入力される入力手段と、前記入力手段に入力された前記音声信号を処理する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の音声処理装置と、前記音声処理装置にて処理された音声信号を出力する出力手段と、を具備したことを特徴とした再生装置である。
【0009】
請求項11に記載の発明は、入力手段から入力された音声信号を所定レベル値だけ減衰させ、前記入力された音声信号に所定の音声加工処理を実施して加工音声信号を生成し、前記加工音声信号のレベル値が前記減衰手段に減衰されたレベル値を基準値から減算した値の範囲内となるように前記加工音声信号を補正する補正信号を生成し、前記補正信号に基づいて前記加工音声信号のレベルを調整し、このレベルが調整された前記加工音声信号、および減衰された前記入力された音声信号を加算して出力手段に出力することを特徴とする音声処理方法である。
【0010】
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の音声処理装置として機能させることを特徴とした音声処理プログラムである。
【0011】
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の音声処理方法を演算手段に実施させることを特徴とした音声処理プログラムである。
【0012】
請求項14に記載の発明は、請求項12または請求項13に記載の音声処理プログラムが演算手段にて読取可能に記録されたことを特徴とした音声処理プログラムを記録した記録媒体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第一の実施の形態]
以下、本発明に係る第一の実施の形態における再生装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、第一の実施の形態に係る再生装置の概略を模式的に示すブロック図である。図2は、再生装置を構成する音声処理装置としてのDSPの概略を模式的に示すブロック図である。図3は、比較器における入力信号に対するレベル調整係数の関係を示す図である。図4は、レベル調整器における入力信号に対する出力信号の関係を示す図である。
【0015】
〔音声出力装置の構成〕
図1において、100は再生装置であり、この再生装置100は、オーディオ装置などから入力される音声信号に所定の信号加工処理を実施して加工音声信号を生成し、入力された音声信号とこの加工音声信号を加算して出力する、いわゆるDSP200を備えた装置である。なお、この第一の実施の形態では、音声データ再生出力する構成について説明するが、音声データとともに画像データを再生出力するために処理する構成を備えたものであってもよい。そして、再生装置100は、図1に示すように、入力手段としての入力部110と、操作部120と、メモリ130と、モニタ部140と、制御部150と、音声処理装置としてのDSP200と、出力手段300と、などを備えている。
【0016】
入力部110は、例えば図示しないプラグが着脱可能に接続されるコネクタやリード線が接続されるターミナルなどにより構成される入力端子を備えている。この入力端子には、図示しないオーディオ装置などの音声信号発信装置が接続され、この音声信号発信装置から音声信号が入力される(以降、入力された音声信号を入力音声信号と称す)。なお、入力部110は、再生装置100の外部に設けられる音声信号発信装置に接続される構成としてもよく、また再生装置100に内蔵される図示しないドライブ装置などの音声発信装置に接続される構成としてもよい。また、入力部110は、アナログ/デジタルコンバータを備え、このアナログ/デジタルコンバータにて入力されたアナログ信号の音声信号をデジタル信号の音声信号に変換する構成としてもよい。この入力部110は、制御部150およびDSP200に接続され、制御部150の制御により入力された入力音声信号をDSP200に出力する。また、入力部110は、上記入力端子を複数有しており、制御部150の制御により所定の入力端子に入力された入力音声信号のみをDSPに出力する構成としてもよい。
【0017】
操作部120は、入力操作可能な例えば図示しない操作ボタンや操作つまみなどのスイッチを複数有している。この操作部120は、これらスイッチの入力操作により所定の信号を制御部150に出力し、各種条件を制御部150に設定入力する。ここで、操作部120にて設定入力される情報としては、例えば、DSP200にて入力音声信号を加工処理する際の加工状態を決定する加工情報や、出力手段300から出力させる出力音声信号のボリュームに関する情報などが挙げられる。この加工情報とは、音声信号に所定のエフェクト効果を付加させる旨の命令情報であり、例えば入力音声信号に対して各種フィルタ処理を実施させる旨の命令情報、所定のイコライザを設定する旨の命令情報、所定のディレイを設定する旨の命令情報、残響成分を付加させる旨の命令情報、入力音声信号に所定の信号を加減算させる旨の命令情報、入力音声信号に所定の係数を乗算させる旨の命令情報などが挙げられる。なお、操作部120としては、スイッチの入力操作にて設定入力する構成に限らず、音声入力などいずれの入力方法が利用できる。また、いわゆるリモコンであるリモートコントローラとして構成し、入力操作に対応した信号を無線媒体を介して制御部150へ送信して設定入力させる構成としてもよい。
【0018】
メモリ130は、例えば光ディスクや磁気ディスクあるいはメモリカードなどの記録媒体に各種データを記憶および読み出すドライブやドライバなどを備えた構成や半導体チップなど、各種データを記憶および読み出し可能に構成されている。このメモリ130は、再生装置100を適宜制御するためのプログラムや、DPS200にて入力音声信号を加工する際の加工パラメータ、処理条件などを記憶する。
【0019】
モニタ部140は、例えば液晶やEL(Electro Luminescence)パネルなどの表示装置が用いられる。そして、モニタ部140は、制御部150の制御により、制御部150から出力される信号に基づいて、音声データの処理状況や再生出力状態、入力操作内容などを表示する。
【0020】
制御部150は、入力部110、操作部120、メモリ130、モニタ部140、DSP200、出力手段300と電気的に接続されている。また、制御部150は、図示しない電源装置に接続され、電源装置からの電力を各部に供給する。この制御部150は、再生装置100全体の動作を制御する。
【0021】
DSP200は、図2に示すように、減衰手段としての係数乗算器210と、音声加工手段としての信号加工処理部220と、全波整流手段としての全波整流器230と、補正信号生成手段240と、レベル調整手段としてのレベル調整器250と、加算手段としての加算器260と、などを備えている。
【0022】
係数乗算器210は、入力部110および加算器260に電気的に接続されている。この係数乗算器210は、入力部110から入力された入力音声信号のレベル値を所定レベル値Bだけ減衰する。ここで係数乗算器210にて減衰されるレベル値Bとしては、出力手段300におけるオーディオ出力信号のS/N比が許容できる適切な固定値に設定されており、このレベル値Bが1(0dB)に近いほどS/N比が良好になり、レベル値Bが0(−∞dB)に近いほどS/N比が悪化する。なお、本実施の形態では、レベル値Bとして、B=0.5(−6dB)が設定された例を挙げて説明する。また、この係数乗算器210は、減衰した入力音声信号を加算器260に出力する。
【0023】
信号加工処理部220は、入力部110に電気的に接続されている。すなわち、信号加工処理部220は、入力部110と係数乗算器210を接続する信号線から分岐した信号線に接続されている。また、信号加工処理部220は、制御部150、レベル調整器250、および全波整流器230に接続されている。そして、この信号加工処理部220は、入力部110から入力された入力音声信号に所定の加工処理を実施する。具体的には、信号加工処理部220は、制御部150から入力される加工情報に基づいて、入力音声信号に各種フィルタ処理、イコライザ処理、ディレイ処理、残響成分付加処理、信号加算処理、信号減算処理、係数乗算処理などを実施し、加工音声信号としてのエフェクト信号を生成する。そして、信号加工処理部220は生成したエフェクト信号をレベル調整器250および全波整流器230に出力する。
【0024】
全波整流器230は、信号加工処理部220および補正信号生成手段240に接続されている。この全波整流器230は、信号加工処理部220から入力されたエフェクト信号を全波整流する。具体的には、全波整流器230は、エフェクト信号の絶対値を取ることにより、交流信号の正の半サイクル信号および負の半サイクル信号を同一方向の信号として出力し、全波整流する。そして、この全波整流器230は、全波整流したエフェクト信号を補正信号生成手段240に出力する。
【0025】
補正信号生成手段240は、図2に示すように、レベル調整出力手段としての比較器241と、波形成形器242と、を備えている。この補正信号生成手段240は、後述する加算器260にて、入力音声信号およびエフェクト信号を加算した際に加算値がオーバーフローしないように、エフェクト信号のレベルを調整するための補正信号を生成する。
【0026】
比較器241には、全波整流器230にて全波整流されたエフェクト信号が入力される。そして、比較器241は、この全波整流されたエフェクト信号と予め設定された閾値Aとを比較する。ここで、閾値Aとしては、係数乗算器210にて入力音声信号を減衰したレベル値Bに基づいて設定され、次式により決定される。
【0027】
[数1]
A=1−B …(1)
【0028】
上記(1)式において、閾値Aは、所定の基準値である1と係数乗算器210におけるレベル減衰値Bとの差により決定される。なお、本実施の形態においては、係数乗算器210での減衰レベル値BがB=0.5にされているため、閾値Aは、A=0.5に設定される。
そして、比較器241は、この閾値Aと入力された全波整流されたエフェクト信号のレベル値Xとを比較し、比較結果により図3に示すような値を波形成形器242に出力する。この図3において、横軸は全波整流器230から比較器241に入力される全波整流されたエフェクト信号のレベル値X(リニア値)である。また、図3における縦軸は、比較器241から出力されるレベル調整信号のレベル値Y(リニア値)である。
【0029】
すなわち、比較器241は、エフェクト信号のレベル値XがA以下である場合、レベル調整係数として所定の基準レベル値、例えば1を設定する。すなわち、比較器241は、レベル調整係数がY=F(X)=1であるレベル調整信号を波形成形器242に出力する。一方、比較器241は、エフェクト信号のレベル値XがAよりも大きい場合、レベル調整係数がY=F(X)=A/Xであるレベル調整信号を波形成形器242に出力する。ここで、レベル調整係数YがA/Xよりも小さいレベル調整信号が出力されると、後述するレベル調整器250において生成される補正エフェクト信号が小さくなりすぎるため、エフェクト効果が減少してしまう。また、レベル調整係数YがA/Xよりも大きいレベル調整信号が出力されると、レベル調整器250において生成される補正エフェクト信号が大きくなるため、後述の加算器260にて入力音声信号と加算する際にオーバーフローしてしまい、ノイズなどが生じてしまう。
【0030】
波形成形器242は、比較器241から入力されるレベル調整信号を平滑化して、連続的に変化するエフェクト補正信号を生成する。具体的には、波形成形器242は、LPF(Low Pass Filter)を備え、このLPFに比較器241から入力されるレベル調整信号を通過させて高周波数の成分を除去することで平滑化された補正信号を生成し、レベル調整器250に出力させる。この時、LPFは、エフェクト信号のレベル値Xの増減状態に応じて、異なる時定数τが設定される。すなわち、エフェクト信号のレベル値Xが大きくなる時(アタック時)のLPFの時定数(アタックタイム)は例えばτ=0.2msecに設定され、エフェクト信号のレベル値Xが小さくなる時(リリース時)のLPFの時定数(リリースタイム)は例えばτ=125msecに設定されている。
【0031】
レベル調整器250は、信号加工処理部220、波形成形器242、および加算器260に接続されている。このレベル調整器250は、信号加工処理部220から入力されるエフェクト信号に、波形成形器242から入力される補正信号を掛け合わせる。補正信号はレベル調整信号を平滑化して生成されたものであるため、所定のレベル調整係数を有しており、エフェクト信号にこの補正信号を掛け合わせることで、エフェクト信号のレベル値は図4に示すように調整される。この図4において、横軸は、信号加工処理部220からレベル調整器250に入力されるエフェクト信号のレベル値L(dBFS)であり、縦軸は、レベル調整器250から加算器260に出力される補正エフェクト信号の信号レベル値M(dBFS)である。
【0032】
具体的には、レベル調整器250は、エフェクト信号のレベル値Xが閾値A以下である場合、信号加工処理部220から入力されるエフェクト信号と、補正信号生成手段240から出力されるレベル調整係数が1である補正信号とを掛け合わせる。これにより、エフェクト信号のレベル値Xが閾値A以下である場合、レベル調整器250から出力される補正エフェクト信号の信号レベル値Mは、次式となる。
【0033】
[数2]
M=G(L)=L …(2)
【0034】
したがって、図4に示すように、レベル調整器250から出力される補正エフェクト信号は、信号加工処理部220から入力されたエフェクト信号がそのまま出力される。
【0035】
一方、レベル調整器250は、エフェクト信号のレベル値Xが閾値Aよりも大きい場合、信号加工処理部220から入力されるエフェクト信号と、補正信号生成手段240から出力されるレベル調整係数がA/Xである補正信号とを掛け合わせる。これにより、レベル調整器250から出力される補正エフェクト信号の信号レベル値Mは、次式となる。
【0036】
[数3]
M=G(L)=20×log10A …(3)
【0037】
したがって、エフェクト信号のレベル値Xが閾値Aよりも大きい場合、レベル調整器250から出力される補正エフェクト信号のレベル値は、図4に示すように、係数乗算器210における減衰レベル値Bを所定の基準値である1から減算した値、すなわち閾値Aと略一致する−6dBFSの略一定値が出力され、いわゆるヘッドルームPが形成される。ここで、前述のように、比較器241からのレベル調整信号のレベル調整係数がA/Xよりも小さい場合、レベル調整器250から出力される補正エフェクト信号の出力レベル値Mも20×log10Aよりも小さくなり、エフェクト効果が減少してしまう。また、比較器241からのレベル調整信号のレベル調整係数YがA/Xよりも大きい場合、レベル調整器250において生成される補正エフェクト信号の出力レベル値も20×log10Aより大きくなり、オーバーフローの原因となる。
【0038】
また、波形成形器242からレベル調整器250に入力される補正信号は、前記したように、アタック時にはアタックタイムτ=0.2msec、リリース時にはリリースタイムτ=125msecとなるように設定されている。これにより、レベル調整器250は、アタック時において、0.2msecで連続的に変化する補正信号が入力されるので、この連続的に変化する補正信号により、エフェクト信号を連続的にレベル調整することが可能となる。したがって、補正エフェクト信号の出力において、ノイズの発生を防止することが可能となり、クリップが生じた場合でも視聴者が知覚できない程度の短時間に抑えることが可能となる。さらに、レベル調整器250は、リリース時において、リリースタイム125msecに設定されているため、処理されたエフェクト信号のレベル値が減衰する時間も僅かであり、短時間で元のレベル値に復帰する。したがって、エフェクト効果の減少時間も微小であり、視聴者が知覚できない程度に抑えることが可能となる。
【0039】
加算器260は、係数乗算器210、レベル調整器250および出力手段300に接続されている。この加算器260には、係数乗算器210からレベル値が減衰された入力音声信号が入力され、レベル調整器250から補正信号により補正された補正エフェクト信号が入力される。そして、加算器260は、これらの入力音声信号および補正エフェクト信号を加算してオーディオ出力信号を生成し、生成したオーディオ出力信号を出力手段300に出力する。
【0040】
出力手段300は、DAC(Digital-Analog Converter:デジタル/アナログコンバータ)310と、アンプ320と、出力部330と、などを備えている。
【0041】
DAC310は、DSP200の加算器260に接続され、加算器260から入力されるオーディオ出力信号をアナログ信号に変換する。そして、DAC310は、アナログに変換したオーディオ出力信号を、それぞれアンプ320へ出力する。
【0042】
アンプ320は、DAC310から入力されるオーディオ出力信号の信号レベル値を増幅し、出力部330に出力する。この時、アンプ320は、係数乗算器210にて減衰したレベル値Bを補償する。例えば、係数乗算器210にてレベル値B=0.5(−6dB)だけ減衰された場合、アンプ320は、オーディオ出力信号を+6dB増幅して出力部330に出力する。
【0043】
出力部330は、例えば図示しないプラグが着脱可能に接続されるコネクタやリード線が接続されるターミナルなどにより構成される出力端子を備えている。この出力端子には、図示しないスピーカが、直接、またはアナログアンプなどを介して接続され、このスピーカからオーディオ出力信号を音声として出力する。
【0044】
〔音声処理装置の動作〕
次に、上記音声処理装置100の動作として、DSP200の音声加工処理について、図5に基づいて説明する。図5は、音声処理装置のDSPの音声加工処理を示すフローチャートである。
【0045】
図5において、音声処理装置100の電源がON状態にされると、制御部150は、図示しない電源から各部に電力を供給する。そして、制御部150は、入力部110を制御して、入力部110から所定の入力音声信号が入力されたことを認識すると、この入力音声信号をDSP200に出力する。
【0046】
制御部150は、DSP200に入力部110から入力音声信号が入力されると(ステップS101)、入力された入力音声信号を係数乗算器210および信号加工処理部220に入力する。そして、係数乗算器210は、入力された入力音声信号のレベル値を、所定のレベル値B、例えばB=0.5(−6dB)だけ減衰させる(ステップS102)。
【0047】
一方、信号加工処理部220は、入力された入力音声信号に所定の信号加工処理を実施し、エフェクト信号を生成する(ステップS103)。具体的には、信号加工処理部220は、制御部150から入力される操作部120により入力設定された加工情報に基づいて、入力音声信号に各種フィルタ処理、イコライザ処理、ディレイ処理、残響成分付加処理、信号加算処理、信号減算処理、係数乗算処理などを実施し、加工音声信号としてのエフェクト信号を生成する。そして、この信号加工処理部220にて生成したエフェクト信号は、全波整流器230およびレベル調整器250に出力される。
【0048】
次に、全波整流器230に入力されたエフェクト信号は、絶対値を取ることにより、全波整流される(ステップS104)。そして、全波整流されたエフェクト信号は、比較器241に入力される。
【0049】
そして、この比較器241は、全波整流されたエフェクト信号のレベル値Xと閾値Aとを比較し(ステップS105)、エフェクト信号のレベル値Xが閾値A以下である場合、レベル調整係数がY=1となるレベル調整信号を波形成形器242に出力する(ステップS106)。一方、ステップS105において、エフェクト信号のレベル値Xが閾値Aよりも大きい場合、レベル調整係数がY=A/Xとなるレベル調整信号を波形成形器242に出力する(ステップS107)。
【0050】
この後、波形成形器242は、入力されたレベル調整信号を平滑化する。この時、波形成形器242は、比較器241に入力されたエフェクト信号が増大している状態か、減少している状態かを判断する(ステップS108)。このステップS108において、エフェクト信号が増大している状態、すなわちアタック時である場合、波形成形器242は、LPFの時定数(アタックタイム)をτ=0.2msecに設定してレベル調整信号を平滑化し、補正信号を生成する(ステップS109)。また、波形成形器242は、生成した補正信号をレベル調整器250に出力する。
【0051】
一方、ステップS108において、波形成形器242は、比較器241に入力されたエフェクト信号が減少している状態、すなわちリリース時である場合、波形成形器242は、LPFの時定数(リリースタイム)をτ=125msecに設定してレベル調整信号を平滑化し、補正信号を生成する(ステップS110)。また、波形成形器242は、生成した補正信号をレベル調整器250に出力する。
【0052】
この後、レベル調整器250は、ステップS109またはステップS110にて生成された補正信号と、信号加工処理部220から入力されるエフェクト信号とを掛け合わせ、補正エフェクト信号を生成する(ステップS111)。そして、レベル調整器250は、生成した補正エフェクト信号を、加算器260に出力する。
【0053】
次に、加算器260は、ステップS102にてレベル値を減衰した入力音声信号と、ステップS111にて生成された補正エフェクト信号とを加算し、オーディオ出力信号を生成する(ステップS112)。この時、補正エフェクト信号は、補正信号生成手段240により、係数乗算器210にて減衰した6dB(0.5)を所定の基準値である1から減算した値、すなわち閾値A以下となるように設定されているため、加算器260にてこれらの入力音声信号と補正エフェクト信号とを加算しても、クリップすることがない。
【0054】
そして、加算器260にて生成されたオーディオ出力信号は、出力手段300のDAC310に入力され、このDAC310にてアナログ信号に変換される。この後、オーディオ出力信号はアンプ320に入力される。そして、このアンプ320は、入力されたオーディオ出力信号を、ステップS102にて減衰したレベル値分だけ増幅させる。これにより、オーディオ出力信号は、入力音声信号と同じレベル値まで補償される(ステップS113)。
【0055】
この後、オーディオ出力信号は、出力部330に出力され、出力部330からスピーカなどに送信されて音声が出力される(ステップS114)。
【0056】
そして、DSP200は、入力音声信号が入力されなくなるまで、上記ステップS101ないしステップS113の信号処理動作を繰り返し、入力音声信号の入力が終了すると、処理を終了させる(ステップS115)。
【0057】
〔音声処理装置の作用効果〕
上述したように、上記再生装置100は、係数乗算器210にて入力部110から入力された入力音声信号を所定のレベル値Bだけ減衰させる。また、再生装置100は、信号加工処理部220にて入力音声信号に所定の加工処理を実施してエフェクト信号を生成させる。さらに、補正信号生成手段240にて、このエフェクト信号と所定の閾値Aと比較して、エフェクト信号のレベル値Xが閾値A以下である場合はレベル調整係数Yが1であるレベル調整信号に基づいた補正信号を出力し、エフェクト信号のレベル値Xが閾値Aよりも大きい場合にレベル調整係数YがA/Xであるレベル調整信号に基づいた補正信号を出力させる。そして、再生装置100は、レベル調整器250にてこれらのエフェクト信号と補正信号とを掛け合わせた補正エフェクト信号を生成し、加算器260にて、補正エフェクト信号と所定レベル値だけ減衰された入力音声信号とを加算してオーディオ出力信号を生成して出力手段300に出力させている。
このため、再生装置100は、係数乗算器210にて減衰したレベル値Bを所定の基準値である1から減算した値、すなわち閾値Aの範囲内に補正エフェクト信号のレベル値を収めることができる。したがって、入力音声信号に所定のエフェクト信号を加算しても、加算されて生成されたオーディオ出力信号がオーバーフローすることがない。また、係数乗算器210における減衰レベル値Bを固定しているため、S/N比の変動がなく、良好なS/N比を維持することができる。よって、DSP200は、出力手段300から、S/N比が良好で、クリップによりノイズなどがない良好なオーディオ音声信号を出力することができ、出力手段300から良好な音声を出力することができる。
【0058】
また、閾値Aは、係数乗算器210にて減衰するレベル値Bに基づいて、A=1−Bにより求められ、比較器241は、この閾値Aとエフェクト信号のレベル値Xとを比較する。そして、エフェクト信号のレベル値Xが閾値A以下である場合、レベル調整係数が1であるレベル調整信号を出力し、エフェクト信号のレベル値Xが閾値Aよりも大きい場合、レベル調整係数がA/Xであるレベル調整信号を出力する。
このため、レベル調整器250において、比較器241から出力されたレベル調整信号に基づいた補正信号によりエフェクト信号を補正することで、エフェクト信号のレベル値Xが閾値A以下である場合、補正エフェクト信号をそのまま加算器260に出力することができる。したがって、入力音声信号に最適なエフェクト効果を施すことができ、良好な音声を出力させることができる。一方、エフェクト信号のレベル値Xが閾値Aより大きい場合、補正エフェクト信号のレベル値Mが20×log10Aに設定することができる。すなわち、補正エフェクト信号のレベル値Mを、係数乗算器210にて減衰したレベル値Bを所定の基準値である1から減算した値、すなわち閾値Aの対数表現20×log10Aの近似値に設定することができ、レベル調整器250から出力される補正エフェクト信号のレベル値MをヘッドルームPに一致させることができる。したがって、加算器260にて入力音声信号と補正エフェクト信号とを加算した場合に、加算して生成されるオーディオ出力信号がクリップしたり、エフェクト効果が弱すぎたりすることがなく、良好なエフェクト効果が付加された音声を出力することができる。
【0059】
さらに、補正信号生成手段240の波形成形器242は、LPFにより出力信号を平滑化して補正信号を生成している。
このため、補正信号は平滑化されて連続的に変化する波形に形成されているため、急激な信号の変化などがなく、ノイズなどを防止することができる。
【0060】
また、このLPFは、アタック時とリリース時において異なる時定数が設定されている。一般に、アタック時では、エフェクト信号が大きくなるため、急激な信号変化が生じた場合にオーディオ出力信号がオーバーフローしないように、アタックタイムをリリースタイムよりも小さく設定することが好ましい。これに対して、上記再生装置100の波形成形器242のLPFは、アタックタイムをリリースタイムよりも小さく設定しているため、補正信号をより細かく設定して連続的に変化させることができるので、急激な信号変化に対しても、良好に補正信号を出力することができる。
【0061】
また、この時、LPFのアタックタイムはτ=0.2msecに設定されている。このため、アタックタイムが微小であるため、波形成形器242から出力される補正信号をこの微小時間毎により細かく変化させることができ、連続的に変化する補正信号を出力することができる。したがって、エフェクト信号のレベル値が急激に変化するような場合でも、このエフェクト信号に対応した補正信号を出力することができ、レベル調整器250にてエフェクト信号のレベルを連続的に適切な値に調整することができる。したがって、加算器260において、入力音声信号と補正エフェクト信号とを加算してオーディオ出力信号を生成する際に、オーディオ出力信号がオーバーフローすることがなく、良好な音声を出力することができる。仮に急激な信号の変化などによりオーディオ出力信号がオーバーフローしたとしても、アタックタイムは0.2msecに設定されているため、視聴者が知覚不可能であり、出力音声の音質低下に影響しない。
【0062】
さらに、LPFのリリースタイムはτ=125msecに設定されている。このため、レベル調整器250にて生成される補正エフェクト信号のレベル値が減衰する時間も僅かであり、短時間で元のレベル値に復帰することができる。したがって、エフェクト効果の減少時間も微小であり、視聴者が知覚できない程度に抑えることができるため、出力音声の音質低下に影響せず、良好な音声の出力を維持することができる。
【0063】
そして、出力手段300のアンプ320は、係数乗算器210にて減衰したレベル値Bだけ、オーディオ出力信号のレベル値を増幅させている。このため、係数乗算器210での減衰量をアンプ320で補償しているので、入力部110から入力された入力音声信号の基準レベルを適切に保つことができる。
【0064】
そして、係数乗算器210は、入力音声信号の減衰レベル値Bとして、B=0.5(−6dB)だけ減衰させている。一般に、係数乗算器の減衰量は、このレベル値Bが1(0dB)に近いほどS/N比が良好になり、レベル値Bが0(−∞dB)に近いほどS/N比が悪化する。しかしながら、係数乗算器の減衰レベル値を1近傍に設定すると、エフェクト信号の補正量が増大し、良好なエフェクト効果を得ることができず、減衰レベル値を0近傍に設定すると、入力音声信号が小さくなりすぎるため、ノイズが大きくなり、良好な音声を出力することができない。これに対して、上記のように、係数乗算器210は、減衰レベル値Bが0.5となるように入力音声信号を減衰しているので、S/N比の悪化を抑えることができるとともに、補正エフェクト信号を加算してもオーバーフローしないレベル値に設定されるのでエフェクト効果も良好に付加することができる。
【0065】
また、全波整流器230は、エフェクト信号の絶対値を採ることで全波整流して比較器241に出力している。このため、比較器241にて、エフェクト信号のレベル値Xが容易に認識でき、容易に閾値Aとエフェクト信号のレベル値Xとを比較することができる。
【0066】
[第二の実施の形態]
〔音声処理装置の構成〕
上記第一の実施の形態では、入力部110から1系統の入力音声信号が入力される例を示したが、第二の実施の形態では、入力部110から5系統の入力音声信号が入力される、いわゆるマルチチャンネル方式の再生装置100Aについて、図面に基づいて説明する。図6は、第二の実施の形態における音声処理装置の一部の概略を示すブロック図である。なお、第一の実施の形態と同様の構成については、図面において同一符号もしくは符号を省略するとともに、その説明も簡略化または省略する。
【0067】
第二の実施の形態の再生装置100Aは、第一の実施の形態の再生装置100と同様に、入力部110、操作部120、メモリ130、モニタ部140、制御部150を備えている。また、再生装置100Aは、複数(本実施の形態では5つ)のエフェクト可変処理部200A,200B,200C,200D,200Eを備えている。なお、操作部120、メモリ130、モニタ部140、制御部150は第一の実施の形態の構成と同様であり、ここでは、その説明を省略する。
【0068】
入力部110は、図示しないオーディオ装置などの音声信号発信装置に接続される複数の入力端子を備えており、これらの入力端子からマルチチャンネル方式に対応した各入力音声信号が入力される。すなわち、入力部は、左側出力用のLch入力音声信号が入力されるLch入力端子部110Aと、右側出力用のRch入力音声信号が入力されるRch入力端子部110Bと、左側サラウンド出力用のSLch入力音声信号が入力されるSLch入力端子部110Cと、右側サラウンド出力用のSRch入力音声信号が入力されるSRch入力端子部110Dと、センター出力用のCch入力音声信号が入力されるCch入力端子部110Eと、を備えている。そして、Lch入力端子部110Aから入力されたLch入力音声信号は、Lch用のエフェクト可変処理部200Aに入力される。同様に、Rch入力端子部110Bから入力されたRch入力音声信号は、Rch用のエフェクト可変処理部200Bに入力される。同様に、SLch入力端子部110Cから入力されたSLch入力音声信号は、SLch用のエフェクト可変処理部200Cに入力される。同様に、SRch入力端子部110Dから入力されたSRch入力音声信号は、SRch用のエフェクト可変処理部200Dに入力される。同様に、Cch入力端子部110Eから入力されたCch入力音声信号は、Cch用のエフェクト可変処理部200Eに入力される。
【0069】
各エフェクト可変処理部200A〜200Eは、図6に示すように、それぞれDSP200と、出力手段300と、を備えている。
【0070】
DSP200は、第一の実施の形態のDSP200と同様に、係数乗算器210と、信号加工処理部220と、全波整流器230と、補正信号生成手段240と、レベル調整器250と、加算器260と、を備えている。
【0071】
係数乗算器210は、第一の実施の形態と同様に、入力された入力音声信号を所定のレベル値、例えば減衰レベル値B=0.5(−6dB)だけ減衰させる。すなわち、エフェクト可変処理部200Aの係数乗算器210は、Lch入力音声信号のレベル値を所定量減衰させ、エフェクト可変処理部200Bの係数乗算器210は、Rch入力音声信号のレベル値を所定量減衰させ、エフェクト可変処理部200Cの係数乗算器210は、SLch入力音声信号のレベル値を所定量減衰させ、エフェクト可変処理部200Dの係数乗算器210は、SRch入力音声信号のレベル値を所定量減衰させ、エフェクト可変処理部200Eの係数乗算器210は、Cch入力音声信号のレベル値を所定量減衰させる。
【0072】
信号加工処理部220は、第一の実施の形態と同様に、入力された入力音声信号を制御部から入力される加工情報に基づいて加工し、所定のエフェクト信号を生成する。この際、信号加工処理部220には、入力部110にて入力される全入力音声信号が入力され、他の入力音声信号と同期を取りつつ、メインとなる入力音声信号のエフェクト信号を生成する。例えば、エフェクト可変処理部200Aの信号加工処理部220は、Rch入力音声信号、SLch入力音声信号、SRch入力音声信号、およびCch入力音声信号と同期を取りつつ、Lch入力音声信号のエフェクト信号を生成する。
【0073】
全波整流器230は、第一の実施の形態と同様に、信号加工処理部220から入力されるエフェクト信号を全波整流する。
【0074】
補正信号生成手段240は、第一の実施の形態と同様に、比較器241と、波形成形器242とを備えている。そして、比較器241は、全波整流されたエフェクト信号のレベル値Xと、係数乗算器210における減衰量Bに基づいて、前述した(1)式により設定される閾値Aとを比較し、エフェクト信号の信号Xが閾値A以下である場合にレベル調整係数が1であるレベル調整信号を出力し、エフェクト信号の信号Xが閾値Aより大きい場合にレベル調整係数がA/Xであるレベル調整信号を出力する。波形成形器242は、LPFを内蔵し、このLPFによりレベル調整信号を平滑化して補正信号としてレベル調整器250に出力する。
【0075】
レベル調整器250は、第一の実施の形態と同様に、信号加工処理部220から入力されるエフェクト信号と、波形成形器242から入力される補正信号とを掛け合わせて、補正エフェクト信号を生成して加算器260に出力する。
【0076】
加算器260は、第一の実施の形態と同様に、係数乗算器210から入力される入力音声信号と、レベル調整器250から入力される補正エフェクト信号とを加算してオーディオ出力信号を生成し、出力手段300に出力する。
【0077】
出力手段300は、DAC310と、アンプ320と、出力部330とを備えている。DAC310は、第一の実施の形態と同様に、DSP200から出力されるオーディオ出力信号をアナログ信号に変換してアンプ320に出力する。
【0078】
アンプ320は、第一の実施の形態と同様に、入力されるオーディオ出力信号のレベル値を係数乗算器210にて減衰されたレベル値Bだけ増幅させて補償する。
【0079】
出力部330は、出力端子を備えており、この出力端子から各エフェクト可変処理部200A〜200Eに対応したオーディオ出力信号が出力される。すなわち、エフェクト可変処理部200Aの出力部330Aは、Lch入力音声信号をエフェクト処理したLchオーディオ出力信号を出力し、エフェクト可変処理部200Bの出力部330Bは、Rch入力音声信号をエフェクト処理したRchオーディオ出力信号を出力し、エフェクト可変処理部200Cの出力部330Cは、SLch入力音声信号をエフェクト処理したSLchオーディオ出力信号を出力し、エフェクト可変処理部200Dの出力部330Dは、SRch入力音声信号をエフェクト処理したSRchオーディオ出力信号を出力し、エフェクト可変処理部200Eの出力部330Eは、Cch入力音声信号をエフェクト処理したCchオーディオ出力信号を出力する。
【0080】
〔音声処理装置の動作〕
上記第二の実施の形態の再生装置100Aの動作について説明する。再生装置100Aは、入力部110の各入力端子部110A〜110Eに入力音声信号が入力されると、各入力音声信号に対して、第一の実施の形態の再生装置100の動作と略同様の信号処理操作を実施する。
【0081】
すなわち、再生装置100Aの各エフェクト可変処理部200A〜200Eは、ステップS101において、各入力音声信号が入力されると、ステップS102の信号処理を実施し、係数乗算器210にてこれらの各入力音声信号をそれぞれ所定レベル値Bだけ減衰させる。また、ステップS103の信号処理を実施して、信号加工処理部220にて各入力音声信号からエフェクト信号を生成する。このステップS103において、各エフェクト可変処理部200A〜200Eの各信号加工処理部220は、他の入力音声信号と同期を取りつつ、メインとなる入力音声信号のエフェクト信号を生成する。
【0082】
この後、第一の実施の形態と同様に、ステップS104ないしステップS115の信号処理操作を実施し、各エフェクト可変処理部200A〜200Eにてそれぞれ入力音声信号に基づいたオーディオ出力信号を生成し、出力部330A〜330Eから、各オーディオ出力信号を出力する。
【0083】
〔音声処理装置の作用効果〕
第二の実施の形態の再生装置100Aでは、各入力音声信号に対してエフェクト可変処理部200A〜200Eが設けられ、これらのエフェクト可変処理部200A〜200EにそれぞれDSP200が内蔵されている。このため、各入力音声信号のそれぞれに対して個別にエフェクト信号を生成し、このエフェクト信号と入力音声信号とを加算した各オーディオ出力信号を出力することができる。したがって、出力される各オーディオ出力信号において、S/N比を良好にすることができるとともに、エフェクト信号加算時のオーバーフローを防止することができる。よって、マルチチャンネル方式の再生装置100Aにおいても、各オーディオ出力信号により良好な音声出力が実現できる。
【0084】
さらに、各エフェクト可変処理部200A〜200Eの信号加工処理部220は、メインとなる入力音声信号の他の入力音声信号と同期を取ってエフェクト信号を生成している。このため、マルチチャンネル方式の再生装置100Aにおいても、エフェクト効果がずれて出力されることなく、良好な音声を出力することができる。
【0085】
[第三の実施の形態]
次に、本発明に係る第三の実施の形態の再生装置100Bについて図面に基づいて説明する。図7は、第三の実施の形態に係る音声処理装置の一部の概略を示すブロック図である。なお、第三の実施の形態の説明に当たり、前記第一および第二の実施の形態と同様の構成は同符号もしくは省略し、その説明も省略もしくは簡略化する。
【0086】
〔音声処理装置の構成〕
第三の実施の形態の再生装置100Bでは、第二の実施の形態と同様に、入力部110に複数の入力音声信号が入力されるマルチチャンネル方式が採られている。この再生装置100Bは、前記第一および第二の実施の形態と同様に、入力部110、操作部120、メモリ130、モニタ部140、制御部150、DSP200F、出力手段300Fを備えている。なお、入力部110、操作部120、メモリ130、モニタ部140、制御部150は、第一および第二の実施の形態の構成と同様であり、ここでは、その説明を省略する。
【0087】
DSP200Fは、入力部110から入力される複数の入力音声信号(本実施の形態では、Lch入力音声信号、Rch入力音声信号、SLch入力音声信号、SRch入力音声信号、Cch入力音声信号の5つ)に対応して、複数の係数乗算器210A〜210E、信号加工処理220A〜220E、複数の全波整流器230A〜230E、複数のレベル調整器250A〜250E、複数の加算器260A〜260Eを備えている。また、DSP200Fは、最大値選択手段としての最大値選択部270、および補正信号生成手段240を備えている。
【0088】
係数乗算器210A〜210Eは、第一および第二の実施の形態の係数乗算器210と同様に、入力部110から入力された各入力音声信号を所定レベル値Bだけ減衰する。ここで、係数乗算器210Aは、Lch入力音声信号のレベル値をレベル値Bだけ減衰させ、係数乗算器210Bは、Rch入力音声信号のレベル値をレベル値Bだけ減衰させ、係数乗算器210Cは、SLch入力音声信号のレベル値をレベル値Bだけ減衰させ、係数乗算器210Dは、SRch入力音声信号のレベル値をレベル値Bだけ減衰させ、係数乗算器210Eは、Cch入力音声信号のレベル値をレベル値Bだけ減衰させる。
【0089】
信号加工処理部220A〜220Eは、第一および第二の実施の形態の信号加工処理部220と同様に、入力された入力音声信号に制御部150から入力される加工情報に基づいた所定のエフェクト処理を実施し、エフェクト信号を生成する。この時、信号加工処理部220Aは、Lch入力音声信号に基づいてLchエフェクト信号を生成し、信号加工処理部220Bは、Rch入力音声信号に基づいてRchエフェクト信号を生成し、信号加工処理部220Cは、SLch入力音声信号に基づいてSLchエフェクト信号を生成し、信号加工処理部220Dは、SRch入力音声信号に基づいてSRchエフェクト信号を生成し、信号加工処理部220Eは、Cch入力音声信号に基づいてCchエフェクト信号を生成する。この時、これらの信号加工処理部220A〜220Eは、入力部110から入力される全入力音声信号が入力され、他の入力音声信号と同期を取りつつ、メインとなる入力音声信号のエフェクト信号を生成する。例えば、信号加工処理部220Aは、Rch入力音声信号、SLch入力音声信号、SRch入力音声信号、およびCch入力音声信号と同期を取りつつ、Lch入力音声信号のエフェクト信号を生成する。
【0090】
全波整流器230A〜230Eは、各エフェクト信号を全波整流する。すなわち、全波整流器230Aは、信号加工処理部220Aにて生成されるLchエフェクト信号を全波整流し、全波整流器230Bは、信号加工処理部220Aにて生成されるLchエフェクト信号を全波整流し、全波整流器230Bは、信号加工処理部220Bにて生成されるRchエフェクト信号を全波整流し、全波整流器230Cは、信号加工処理部220Cにて生成されるSLchエフェクト信号を全波整流し、全波整流器230Dは、信号加工処理部220Dにて生成されるSRchエフェクト信号を全波整流し、全波整流器230Eは、信号加工処理部220Eにて生成されるCchエフェクト信号を全波整流する。
【0091】
最大値選択部270は、全波整流器230A〜230Eにて全波整流された各エフェクト信号から、信号レベル値が最大であるエフェクト信号を選択する。そして、最大値選択部270は選択したレベル値が最大のエフェクト信号を補正信号生成手段240に出力する。
【0092】
補正信号生成手段240は、第一および第二の実施の形態と同様に、比較器241と、波形成形器242とを備えている。そして、比較器241は、最大値選択部270から入力されたエフェクト信号のレベル値Xと、係数乗算器210における減衰量Bに基づいて、前述した(1)式により設定される閾値Aとを比較し、エフェクト信号の信号Xが閾値A以下である場合にレベル調整係数が1であるレベル調整信号を出力し、エフェクト信号の信号Xが閾値Aより大きい場合にレベル調整係数がA/Xであるレベル調整信号を出力する。波形成形器242は、LPFを内蔵し、このLPFによりレベル調整信号を平滑化して補正信号として各レベル調整器250A〜250Eに出力する。
【0093】
レベル調整器250A〜250Eは、補正信号とエフェクト信号とを掛け合わせて補正エフェクト信号を生成する。すなわち、レベル調整器250Aは、信号加工処理部220Aから入力されるLchエフェクト信号と補正信号とを掛け合わせてLch補正エフェクト信号を生成し、レベル調整器250Bは、信号加工処理部220Bから入力されるRchエフェクト信号と補正信号とを掛け合わせてRch補正エフェクト信号を生成し、レベル調整器250Cは、信号加工処理部220Cから入力されるSLchエフェクト信号と補正信号とを掛け合わせてSLch補正エフェクト信号を生成し、レベル調整器250Dは、信号加工処理部220Dから入力されるSRchエフェクト信号と補正信号とを掛け合わせてSRch補正エフェクト信号を生成し、レベル調整器250Eは、信号加工処理部220Eから入力されるCchエフェクト信号と補正信号とを掛け合わせてCch補正エフェクト信号を生成する。
【0094】
加算器260A〜260Eは、入力音声信号と補正エフェクト信号とを加算し、オーディオ出力信号を生成して出力手段300Fに出力する。すなわち、加算器260Aは、係数乗算器210Aから入力されるLch入力音声信号と、レベル調整器250Aから入力されるLch補正エフェクト信号とを加算し、Lchオーディオ出力信号を生成する。加算器260Bは、係数乗算器210Bから入力されるRch入力音声信号と、レベル調整器250Bから入力されるRch補正エフェクト信号とを加算し、Rchオーディオ出力信号を生成する。加算器260Cは、係数乗算器210Cから入力されるSLch入力音声信号と、レベル調整器250Cから入力されるSLch補正エフェクト信号とを加算し、SLchオーディオ出力信号を生成する。加算器260Dは、係数乗算器210Dから入力されるSRch入力音声信号と、レベル調整器250Dから入力されるSRch補正エフェクト信号とを加算し、SRchオーディオ出力信号を生成する。加算器260Eは、係数乗算器210Eから入力されるCch入力音声信号と、レベル調整器250Eから入力されるCch補正エフェクト信号とを加算し、Cchオーディオ出力信号を生成する。
【0095】
出力手段300Fは、DSP200Fから出力される各オーディオ出力信号に対応して、複数のDAC310A〜310Eと、複数のアンプ320A〜320Eと、複数の出力部330A〜330Eを備えている。DAC310A〜310Eは、第一および第二の実施の形態のDAC310と同様に、DSP220Fから入力された各オーディオ出力信号をアナログ信号に変換する。アンプ320A〜320Eは、第一および第二の実施の形態のアンプ320と同様に、各オーディオ出力信号のレベル値を各係数乗算器210A〜210Eにて減衰された減衰量Bだけ増幅させて、減衰量を補償する。出力部330A〜330Eは、各オーディオ出力信号を出力する。すなわち、Lch出力部330Aは、Lchオーディオ出力信号を出力し、Rch出力部330Bは、Rchオーディオ出力信号を出力し、SLch出力部330Cは、SLchオーディオ出力信号を出力し、SRch出力部330Dは、SRchオーディオ出力信号を出力し、Cch出力部330Eは、Cchオーディオ出力信号を出力する。
【0096】
〔音声処理装置の動作〕
上記第三の実施の形態の再生装置100Bの動作について説明する。再生装置100Bは、入力部110の各入力端子部110A〜110Eに入力音声信号が入力されると、各入力音声信号に対して、第一の実施の形態の再生装置100の動作と略同様の信号処理操作を実施する。
【0097】
すなわち、再生装置100BのDSP200Fは、ステップS101において、各入力音声信号が入力されると、ステップS102の信号処理を実施し、各係数乗算器210A〜210Eにてこれらの各入力音声信号をそれぞれ所定レベル値Bだけ減衰させる。また、ステップS103の信号処理を実施して、各信号加工処理部220A〜220Eにて各入力音声信号からエフェクト信号を生成する。このステップS103において、各信号加工処理部220A〜220Eは、他の入力音声信号と同期を取りつつ、メインとなる入力音声信号のエフェクト信号を生成する。また、各エフェクト信号に対してステップS104の処理を実施し、全波整流する。この全波整流した各エフェクト信号は、最大値選択部270に入力され、この最大値選択部270にて、レベル値Xが最大であるエフェクト信号が選択され、比較器241に出力される。
【0098】
この後、再生装置100BのDSP200Fは、補正信号生成手段240にてステップS105ないしステップS110の処理を実施し、補正信号を生成する。このステップS105ないしステップS110生成された補正信号は、各レベル調整器250A〜250Eに入力され、ステップS111の処理を実施して、各補正エフェクト信号が生成される。さらに、DSP200Fは、ステップS112を実施して、各入力音声信号と、各補正エフェクト信号とを加算し、各オーディオ出力信号を生成する。この後、再生装置100Bは、ステップS113ないしステップS115の処理を実施して、出力部330A〜330Eから、各オーディオ出力信号を出力する。
【0099】
〔音声処理装置の作用効果〕
上述したように、上記第三の実施の形態の再生装置100Bでは、入力部110からLch入力音声信号、Rch入力音声信号、SLch入力音声信号、SRch入力音声信号、Cch入力音声信号が入力され、これらの入力音声信号に対応して、それぞれ複数の係数乗算器210A〜210E、信号加工処理部220A〜220E、レベル調整器250A〜250E、加算器260A〜260Eが設けられている。そして、再生装置100Bでは、各信号加工処理部220A〜220Eにて各入力音声信号を加工処理して、それぞれの入力音声信号に対応したエフェクト信号を生成し、このエフェクト信号を全波整流した後、最大値選択部270にてエフェクト信号のレベル値Xが最大となるものを選択する。この後、この選択されたエフェクト信号を補正信号生成手段240に入力して補正信号を生成し、この補正信号に基づいて、各エフェクト信号を調整して各補正エフェクト信号を生成する。そして、この各補正エフェクト信号と各入力音声信号を加算して各オーディオ出力信号を生成し、出力手段300Fから出力させている。
このため、複数の入力音声信号に対して補正信号生成手段240は1つ設けられているだけでよいため、第二の実施の形態に比べてDPS200Fの構成を簡単にできる。また、最大値選択部270により、レベル値Xが最大となるエフェクト信号を選択するため、このレベル値Xが最大であるエフェクト信号に基づいて生成される補正エフェクト信号と、各入力音声信号を加算した際に、オーバーフローすることがない。さらに、エフェクト信号が最大であるため、各オーディオ出力信号に十分なエフェクト効果を付加することができる。したがって、良好な音声を出力することができる。
【0100】
[第四の実施の形態]
次に、本発明に係る第四の実施の形態の再生装置100Cについて図面に基づいて説明する。図8は、第四の実施の形態に係る音声処理装置の一部の概略を示すブロック図である。なお、第四の実施の形態の説明に当たり、前記第一ないし第三の実施の形態と同様の構成は同符号もしくは省略し、その説明も省略もしくは簡略化する。
【0101】
〔音声処理装置の構成〕
第四の実施の形態の再生装置100Cでは、入力部110に、メイン音声信号としてのLch入力音声信号、メイン音声信号としてのRch入力音声信号、SLch入力音声信号、SRch入力音声信号、およびセンター音声信号としてのCch入力音声信号が入力され、これらの入力音声信号から2つのオーディオ出力信号を出力させる、いわゆるバーチャルサラウンド方式が採られている。この再生装置100Cは、前記第一および第三の実施の形態と同様に、入力部110、操作部120、メモリ130、モニタ部140、および制御部150を備えている。また、再生装置100Cは、DSP200G、出力手段300Fを備えている。なお、入力部110、操作部120、メモリ130、モニタ部140、制御部150は、第一ないし第三の実施の形態の構成と同様であり、ここでは、その説明を省略する。
【0102】
DSP200Gは、入力部110から入力される各入力音声信号のうち、メイン音声であるLch入力音声信号およびRch入力音声信号に対応して、2つの係数乗算器210A,210B、2つの信号加工処理部220F,220G、2つの全波整流器230A,230B、2つのレベル調整器250A,250B、2つの加算器260F,260Gが設けられている。また、DSP200Eは、センター減衰手段としてのセンター係数乗算器210Fと、最大値選択部270と、補正信号生成手段240とを備えている。なお、全波整流器230A,230B、最大値選択部270、および補正信号生成手段240は、上述した第三の実施の形態と同様の構成であり、ここではその説明を簡略化する。
【0103】
係数乗算器210A,210Bは、それぞれLch入力音声信号、Rch入力音声信号のレベル値を所定のレベル値Bだけ減衰させる。この係数乗算器210A,210Bは、Lcha入力音声信号およびRch入力音声信号をそれぞれレベル値B=0.4(−8dB)分だけ減衰させ、これらの入力音声信号を加算器260A,260Bに出力する。
【0104】
センター係数乗算器210Fは、Cch入力音声信号のレベル値を所定のレベル値Cだけ減衰させる。このレベル値Cは、係数乗算器210A,210Bにおけるレベル減衰量Bよりも所定量大きく、例えばレベル値Cは、C=0.28(−11dB)に設定されている。
【0105】
信号加工処理部220F,220Gは、制御部150から入力される加工情報に基づいて、入力部110から入力されたLch入力音声信号、Rch入力音声信号に所定の信号加工処理、特にHRTF(頭部伝達関数)に基づいたイコライザ処理やクロストークキャンセル処理を実施し、Lchエフェクト信号、Rchエフェクト信号をそれぞれ生成する。この時、これらの信号加工処理部220F,220Gは、入力部110から入力されるLch入力音声信号、Rch入力音声信号、SLch入力音声信号、およびSRch入力音声信号と同期を取りつつ、エフェクト信号を生成する。例えば、信号加工処理部220Fは、Rch入力音声信号、SLch入力音声信号、およびSRch入力音声信号と同期を取りつつ、Lchエフェクト信号を生成する。
【0106】
全波整流器230Aは、Lchエフェクト信号を全波整流する。同様に、全波整流器230Bは、Rchエフェクト信号を全波整流する。
【0107】
最大値選択部270は、全波整流器230A,230Bにて全波整流されたLchエフェクト信号およびRchエフェクト信号から、信号レベル値が最大である一方を選択する。そして、最大値選択部270は選択したレベル値が最大のエフェクト信号を補正信号生成手段240に出力する。
【0108】
補正信号生成手段240は、第一ないし第三の実施の形態と同様に、比較器241と、波形成形器242とを備えている。
【0109】
比較器241は、最大値選択部270から入力されたエフェクト信号のレベル値Xと、係数乗算器210における減衰量Bと、センター係数乗算器210Fにおける減衰量Cに基づいて、次式により設定される閾値Aとを比較する。
【0110】
[数4]
A=1−B−C …(4)
【0111】
この(4)式において、Bは係数乗算器210A,210Bにおけるレベル減衰値であり、Cは、センター係数乗算器210Fにおけるレベル減衰値である。したがって、上記のように、B=0.4、C=0.28に設定されている場合、閾値AはA=0.32に設定される。そして、比較器241は、この閾値Aと、最大値選択部270から入力されるエフェクト信号のレベル値Xとを比較し、エフェクト信号の信号Xが閾値A以下である場合にレベル調整係数が1であるレベル調整信号を出力し、エフェクト信号の信号Xが閾値Aより大きい場合にレベル調整係数がA/Xであるレベル調整信号を出力する。
【0112】
波形成形器242は、第一ないし第三の実施の形態と同様に、LPFを内蔵し、このLPFによりレベル調整信号を平滑化して補正信号として各レベル調整器250A,250Bに出力する。
【0113】
レベル調整器250A,250Bは、補正信号とエフェクト信号とを掛け合わせて補正エフェクト信号を生成する。すなわち、レベル調整器250Aは、信号加工処理部220Aから入力されるLchエフェクト信号と補正信号とを掛け合わせてLch補正エフェクト信号を生成し、レベル調整器250Bは、信号加工処理部220Bから入力されるRchエフェクト信号と補正信号とを掛け合わせてRch補正エフェクト信号を生成する。
【0114】
加算器260F,260Gは、入力音声信号と補正エフェクト信号とを加算し、オーディオ出力信号生成して出力手段300Fに出力する。具体的には、加算器260Fは、係数乗算器210Aから入力される減衰されたLch入力音声信号、レベル調整器250Aから入力されるLch補正エフェクト信号、センター係数乗算器210Fから入力される減衰されたCch入力音声信号を加算し、Lchオーディオ出力信号を生成する。同様にして、加算器260Gは、係数乗算器210Bから入力される減衰されたRch入力音声信号、レベル調整器250Bから入力されるRch補正エフェクト信号、センター係数乗算器210Fから入力される減衰されたCch入力音声信号を加算し、Rchオーディオ出力信号を生成する。
【0115】
出力手段300Fは、第三の実施の形態と同様に、DAC310A,310Bと、アンプ320A,320Bと、出力部330A,330Bとを備えている。そして、DAC310Aは、Lchオーディオ出力信号をアナログ信号に変換し、アンプ320Aに出力し、DAC310Bは、Rchオーディオ出力信号をアナログ信号に変換し、アンプ320Bに出力する。アンプ320A,320Bは、係数乗算器210A,210Bにて減衰されたレベル値Bだけオーディオ出力信号のレベル値を増幅し、減衰量を補償する。そして、アンプ320A,320Bから出力されたオーディオ出力信号は、出力部330A,330Bからスピーカなどに出力される。
【0116】
〔音声処理装置の動作〕
上記第四の実施の形態の再生装置100Cの動作について説明する。再生装置100Cは、入力部110の各入力端子部110A〜110Eに入力音声信号が入力されると、各入力音声信号に対して、第一の実施の形態の再生装置100の動作と略同様の信号処理操作を実施する。
【0117】
すなわち、再生装置100CのDSP200Gは、ステップS101において、各入力音声信号が入力されると、ステップS102の信号処理を実施し、各係数乗算器210A,210BにてLch入力音声信号およびRch入力音声信号をそれぞれ所定レベル値Bだけ減衰させる。さらに、センター係数乗算器210FにてCch入力音声信号をレベル値Cだけ減衰させる。
【0118】
また、ステップS103の信号処理を実施して、信号加工処理部220F,220Gにて各入力音声信号からエフェクト信号を生成する。このステップS103において、各信号加工処理部220F,220Gは、他の入力音声信号と同期を取りつつ、メインとなる入力音声信号のエフェクト信号を生成する。また、各信号加工処理部220F,220Gに対してステップS104の処理を実施し全波整流する。そして、全波整流した各エフェクト信号は最大値選択部270に入力され、この最大値選択部270にて、レベル値Xが最大であるエフェクト信号が選択され、比較器241に出力される。
【0119】
この後、再生装置100CのDSP200Gは、補正信号生成手段240にてステップS105ないしステップS110の処理を実施し、補正信号を生成する。このステップS105ないしステップS110生成された補正信号は、各レベル調整器250A,250Bに入力され、ステップS111の処理を実施して、各補正エフェクト信号が生成される。さらに、DSP200Gは、ステップS112を実施して、加算器260Fにて、Lch入力音声信号、Cch入力音声信号、およびLch補正エフェクト信号を加算してLchオーディオ出力信号を生成する。同様に、加算器260Gにて、Rch入力音声信号、Cch入力音声信号、およびRch補正エフェクト信号を加算してRchオーディオ出力信号を生成する。この後、再生装置100Cは、ステップS113ないしステップS115の処理を実施して、出力部330A,330Bから、各オーディオ出力信号を出力する。
【0120】
〔音声処理装置の作用効果〕
上述したように、上記第四の実施の形態の再生装置100Cでは、入力部110からLch入力音声信号、Rch入力音声信号、SLch入力音声信号、SRch入力音声信号、Cch入力音声信号が入力され、これらのうち、Lch入力音声信号およびRch入力音声信号に対応して、係数乗算器210A,210B、信号加工処理部220F,220G、レベル調整器250A,250B、加算器260F,260Gが設けられ、Cch入力音声信号に対応してセンター係数乗算器210Fが設けられている。そして、再生装置100Cでは、信号加工処理部220F,220Gにて生成されたLchエフェクト信号、およびRchエフェクト信号を全波整流した後、最大値選択部270にてエフェクト信号のレベル値Xが最大となる一方を選択する。この後、この選択されたエフェクト信号を補正信号生成手段240に入力して補正信号を生成し、この補正信号に基づいて、各エフェクト信号を調整して各補正エフェクト信号を生成する。そして、この各補正エフェクト信号、LchまたはRch入力音声信号、およびCch入力音声信号を加算し各オーディオ出力信号を生成し、出力手段300Fから出力させている。
このため、複数の入力音声信号から2系統のオーディオ出力信号を出力するバーチャルサラウンド方式であっても、上記のような信号操作により、オーディオ出力信号のオーバーフローを防止でき、かつS/N比も良好に維持できる。したがって、良好な音声を出力できる。また、第三の実施の形態と同様に、複数の入力音声のそれぞれに補正信号生成手段240を設ける必要がないため、DSP200Gの構成を簡単にできる。
【0121】
さらに、比較器241は、閾値Aとして、(4)式にて示されるように、基準値1から係数乗算器210A,210Bにおけるレベル減衰値Bおよびセンター係数乗算器210Fにおけるレベル減衰値Cを差し引いた値を用いている。そして、アンプ320A,320Bは、係数乗算器210A,210Bにて減衰したレベル値Bだけオーディオ出力信号のレベル値を増幅している。このため、補正エフェクト信号は、レベル減衰量A,Bを加算した値以下に設定されるので、これらの補正エフェクト信号、LchまたはRch入力音声信号、およびCch入力音声信号を加算したオーディオ出力信号がオーバーフローすることがない。また、バーチャルサラウンド方式におけるメイン音声となるLch入力音声信号およびRch入力音声信号の基準レベル値を維持できるとともに、Cch入力音声信号のレベル値のみが所定レベル値だけ減衰したオーディオ出力信号を出力することができ、効果的なバーチャルサラウンドを実現することができる。
【0122】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0123】
例えば、DAC310を介してDSP200がアンプ320に接続される例を示したが、例えばオーディオ出力信号をデジタル信号のまま出力部330から出力する場合などでは、DAC310が設けられない構成としてもよい。また、操作部120からの入力設定に基づいて、DAC310においてオーディオ出力信号をアナログ信号に変換するか否かを選択できる構成としてもよい。
【0124】
また、第一ないし第三の実施の形態では、係数乗算器210,210A〜210Eにおけるレベル減衰値はB=0.5に設定し、第四の実施の形態では、係数乗算器210A,210Bにおけるレベル減衰値はB=0.4、センター係数乗算器210Fにおけるレベル減衰値はC=0.28に設定していたが、これに限定されない。例えば、これらのレベル減衰量は、操作部120の入力設定により任意に設定されてもよい。
【0125】
また、再生装置100,100A〜100Cは、アンプ320,320A〜320Eを備え、係数乗算器210,210A〜210Eにて減衰した減衰レベル値Bだけオーディオ出力信号のレベル値を増幅させる構成を示したが、アンプが再生装置100,100A〜100Cの外部に別個設けられる構成としてもよい。この場合、出力手段300にアンプを接続し、出力手段300から出力されたオーディオ出力信号を係数乗算器210,210A〜210Eにて減衰した減衰レベル値Bだけ増幅させる構成とすることで、係数乗算器210,210A〜210Eの減衰値Bを補償することができる。
また、再生装置100,100A,100B,100CにDSP200とアンプ320を備えた出力手段300とが設けられる構成としたが、DSP200内にアンプ320が設けられる構成、DSP200内にDAC310およびアンプが設けられる構成などとしてもよい。
【0126】
さらに、上記実施の形態では、波形成形器242に設けられるLPFは、アタックタイムがτ=0.2msec、リリースタイムがτ=125msecに設定された例を示したが、これに限らない。すなわち、アタックタイムおよびリリースタイムは、補正信号を連続的に変化させてより平滑にするために、微小な値に設定されていることが好ましく、この値は、視聴者により知覚できない程度の時間であればよい。したがって、アタックタイムを例えば0.15msecないし2.0msec、リリースタイムを50.0msecないし500msecの範囲で適宜設定されていればよく、この範囲であれば、良好な補正信号をレベル調整器250に出力でき、良好なオーディオ出力信号を出力させることができる。
【0127】
そして、上記実施の形態において、再生装置100,100A,100B,100Cは、オーディオ装置などの音声信号発信装置に接続される装置として説明したが、これに限定されず、例えば、オーディオ装置、パーソナルコンピュータなど音声信号を発信する装置に内蔵されている構成としてもよい。
【0128】
また、上述した各機能をプログラムとして構築する構成などとしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、取り扱いが容易で、利用の拡大が容易に図れる。
【0129】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0130】
〔実施の形態の効果〕
上述したように、上記のような再生装置100は、係数乗算器210にて入力部110から入力された入力音声信号を所定のレベル値Bだけ減衰させる。また、再生装置100は、信号加工処理部220にて入力音声信号に所定の加工処理を実施してエフェクト信号を生成させる。そして、補正信号生成手段240にて、エフェクト信号と所定の閾値Aと比較して、エフェクト信号のレベル値Xが閾値A以下である場合はレベル調整係数Yが1であるレベル調整信号に基づいた補正信号を出力し、エフェクト信号のレベル値Xが閾値Aよりも大きい場合にレベル調整係数YがA/Xであるレベル調整信号に基づいた補正信号を出力させる。そして、再生装置100は、レベル調整器250にてこれらのエフェクト信号と補正信号とを掛け合わせた補正エフェクト信号を生成し、加算器260にて、補正エフェクト信号と所定レベル値だけ減衰された入力音声信号とを加算してオーディオ出力信号を生成して出力手段300に出力させている。
このため、再生装置100は、係数乗算器210にて減衰したレベル値を基準値である1から減算した値の範囲内に補正エフェクト信号のレベル値を収めることができ、入力音声信号に所定のエフェクト信号を加算する際に、オーディオ出力信号がオーバーフローすることがない。また、係数乗算器210にて所定のレベル値だけが減少されるため、S/N比の変動がなく、良好なS/N比を維持することができる。よって、DSP200は、出力手段300から、S/N比が良好で、クリップによりノイズなどがない良好なオーディオ音声信号を出力することができ、出力手段300から良好な音声を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】第一の実施の形態に係る音声処理装置の概略を模式的に示すブロック図である。
【図2】第一の実施の形態における音声処理装置を構成するDSPの概略を模式的に示すブロック図である。
【図3】DSPを構成する比較器における入力信号に対するレベル調整係数の関係を示す図である。
【図4】DSPを構成するレベル調整器における入力信号に対する出力信号の関係を示す図である。
【図5】音声処理装置のDSPの音声加工処理を示すフローチャートである。
【図6】第二の実施の形態における音声処理装置の一部の概略を示すブロック図である。
【図7】第三の実施の形態に係る音声処理装置の一部の概略を示すブロック図である。
【図8】第四の実施の形態に係る音声処理装置の一部の概略を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0132】
100,100A,100B,100C…再生装置
110…入力手段としての入力部
200,200F,200G…音声処理装置としてのDSP
210,210A,210B,210C,210D,210E…減衰手段としての係数乗算器
210F…センター減衰手段としてのセンター係数乗算器
220,220A,220B,220C,20D,220E,220F,220G…音声加工手段としての信号加工処理部
240…補正信号生成手段
241…レベル調整出力手段としての比較器
242…波形成形手段としての波形成形器
250,250A,250B,250C,250D,250E…レベル調整手段としてのレベル調整器
260,260A,260B,260C,260D,260E,260F,260G…加算手段としての加算器
270…最大値選択手段としての最大値選択部
300,300F…出力手段
320,320A,320B,320C,320D,320E…アンプ
A …閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段から入力された音声信号を所定レベル値だけ減衰させる減衰手段と、
前記入力された音声信号に所定の音声加工処理を実施して加工音声信号を生成する音声加工手段と、
前記加工音声信号のレベル値が前記減衰手段に減衰されたレベル値を基準値から減算した値の範囲内となるように前記加工音声信号を補正する補正信号を生成する補正信号生成手段と、
前記補正信号生成手段から出力される前記補正信号に基づいて前記加工音声信号のレベルを調整するレベル調整手段と、
前記レベル調整手段にてレベルが調整された前記加工音声信号、および前記減衰手段にて減衰された前記入力された音声信号を加算して出力手段に出力する加算手段と、
を具備したことを特徴とした音声処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音声処理装置であって、
補正信号生成手段は、前記加工音声信号のレベル値および予め設定された閾値を比較して、所定のレベル調整係数を有するレベル調整信号を出力するレベル調整出力手段と、このレベル調整出力手段から出力されるレベル調整信号を平滑化して前記補正信号を生成する波形成形手段と、を備えた
ことを特徴とした音声処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の音声処理装置であって、
前記閾値は、前記減衰手段にて減衰される所定レベル値と所定の基準値との差により設定され、
前記レベル調整出力手段は、前記加工音声信号のレベル値と前記閾値とを比較して、前記加工音声信号のレベル値が前記閾値以下である場合には、所定の基準レベル値を前記レベル調整係数としたレベル調整信号を出力し、前記加工音声信号のレベル値が前記閾値よりも大きい場合、前記閾値を前記加工音声信号のレベル値で除算した値をレベル調整係数としたレベル調整信号を出力する
ことを特徴とした音声処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の音声処置装置であって、
前記波形成形手段は、所定の周波数以下の信号を通過させるLPFを備え、
このLPFは、前記加工音声信号が大きくなる状態と、前記加工音声信号が小さくなる状態とで、異なる時定数が設定されている
ことを特徴とした音声処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の音声処理装置であって、
前記LPFは、前記加工音声信号が大きくなる状態において時定数を0.15msecないし2.0msecに設定し、前記加工音声信号が小さくなる状態において時定数を50.0msecないし500msecに設定した
ことを特徴とした音声処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の音声処理装置であって、
前記加算手段にて加算された音声信号を、少なくとも前記減衰手段にて減衰したレベル分だけ増幅するアンプを備えた
ことを特徴とした音声処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の音声処理装置であって、
前記入力手段には、音場を形成する複数の音声信号が入力され、
これらの複数の音声信号に対応して、前記減衰手段、前記音声加工手段、前記レベル調整手段、前記加算手段、および前記出力手段が複数設けられ、
前記複数の音声加工手段にて生成された各音声信号に対応する加工音声信号のうちレベル値が最大となる加工音声信号を選択し、この選択された加工音声信号を前記補正信号生成手段に入力する最大値選択手段を備え、
前記補正信号生成手段は、前記最大値選択手段にて選択された加工音声信号に基づいて生成した前記補正信号を前記複数のレベル調整手段にそれぞれ出力する
ことを特徴とした音声処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の音声処理装置であって、
前記複数の音声信号は、音場のメイン音声を形成するメイン音声信号と、音場のセンター音声を形成するセンター音声信号とを有し、
前記減衰手段、前記音声加工手段、前記レベル調整手段、前記加算手段、および前記出力手段は、前記メイン音声の音声信号数に対応して複数設けられ、
前記センター音声信号を前記メイン音声信号の前記減衰手段での減衰量よりも所定レベル値だけ大きく減衰させるセンター減衰手段を備え、
前記加算手段は、前記レベル調整手段にてレベル値が調整された前記加工音声信号と、前記減衰手段にて減衰処理された音声信号と、前記センター減衰手段にて減衰されたセンター音声信号とを加算処理して出力手段に出力する
ことを特徴とした音声処理装置。
【請求項9】
音声信号が入力される入力手段と、
前記入力手段に入力された前記音声信号を処理する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の音声処理装置と、
前記音声処理装置にて処理された音声信号を出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とした再生装置。
【請求項10】
請求項9に記載の再生装置であって、
前記入力手段には、複数の音声信号が入力され、
前記音声処理装置は、前記複数の音声信号に対応して、複数設けられ、
前記出力手段は、これらの複数の音声処理装置から出力される出力信号に対応して、複数設けられた
ことを特徴とした再生装置。
【請求項11】
入力手段から入力された音声信号を所定レベル値だけ減衰させ、
前記入力された音声信号に所定の音声加工処理を実施して加工音声信号を生成し、
前記加工音声信号のレベル値が前記減衰手段に減衰されたレベル値を基準値から減算した値の範囲内となるように前記加工音声信号を補正する補正信号を生成し、
前記補正信号に基づいて前記加工音声信号のレベルを調整し、
このレベルが調整された前記加工音声信号、および減衰された前記入力された音声信号を加算して出力手段に出力する
ことを特徴とする音声処理方法。
【請求項12】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の音声処理装置として機能させる
ことを特徴とした音声処理プログラム。
【請求項13】
請求項11に記載の音声処理方法を演算手段に実施させる
ことを特徴とした音声処理プログラム。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の音声処理プログラムが演算手段にて読取可能に記録された
ことを特徴とした音声処理プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−295144(P2007−295144A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118732(P2006−118732)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】