説明

頭皮外用剤

【課題】 頭皮の清浄化による根本的な改善による頭皮の健常化をはかり、抗アドロゲン作用を有する成分が有効に働く頭皮外用剤の開発が望まれていた。
【解決手段】頭皮の状態を改善し、健常に保つことが頭皮外用剤の目的のひとつである。また、育毛効果、養毛効果を有する成分による育毛・養毛剤としての作用を有する。
頭皮の健常及び育毛効果を従来の製品に比較してより高い機能を付与するためにリンゴポリフェノールと抗アドロゲン作用を有する成分を使用することにより頭皮外用剤を提供することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は頭皮外用剤に関するものであり、より詳しくは優れた抗酸化作用、抗アレルギー作用、消臭作用、静菌作用により頭皮を清浄に保ち、抗アンドロゲン効果を高め、非常に優れた育毛・養毛作用を有する頭皮外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から多くの頭皮外用剤は知られており、頭皮を清浄にする手段としてアルコール等により物理的に拭う清浄法や、清涼成分の配合による爽快感などの手段がとられてきた。近年、リンゴポリフェノールの活用が少なく、特に、抗アンドロゲン作用を有する成分を含有する頭皮外用剤の乏しいが、関連するものにリンゴポリフェノールを化粧料とするものに「特許文献1」が、ジエステルなどを化粧料にしょうしているものに「特許文献2」が、アントシアニン重合体からなるラジカル消去剤として「特許文献3」などがあげられる。
【特許文献1】特開2005−330217
【特許文献2】特開2005−206573
【特許文献3】特開2002−3389
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの方法は根本的に頭皮を清浄にし、かつ健常に保つためには、十分とは言えない。頭皮の状態は、常に皮脂腺より分泌される皮脂が存在しこの皮脂は酸化により分子量の低い脂肪酸や過酸化物へと変化して刺激物質となり、この刺激物質が頭皮を刺激し痒みや、しいてはアレルギーの誘引ともなる。このような根本的な反応を改善する頭皮外用剤が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
リンゴリンゴポリフェノールにより皮脂の酸化を防ぎ、アレルギー反応の抑制、さらに静菌作用、臭気改善により頭皮を清浄にし、健常とすることを根本的に解決し抗アンドロゲン作用の効果を著しく高めることを見出して本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0005】
本発明の頭皮外用剤は、優れた抗酸化力、抗アレルギー作用、消臭作用による頭皮健常効果があり、抗アンドロゲン剤を効果的に作用させ、その機能を発揮させ、非常に優れた育毛、養毛効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
抗アドロゲン作用を有する成分を有効成分として、リンゴポリフェノールを抗酸化剤、坑アレルギー剤、抗消臭作用剤、静菌剤として含有することを特徴とする化粧品、医薬部外品の頭皮外用剤。
【0007】
本発明は(1)成分としてリンゴポリフェノールを(2)成分として抗アドロゲン作用を有する成分を含有するものである。(1)成分であるリンゴポリフェノールはリンゴよりメタノールなどのアルコールで抽出した抽出液から精製及び分画したポリフェノール(例えばアサヒビール社製のアップルフェノン)が用いられる。天然由来のポリフェノールたとえばブドウ種子やお茶由来のポリフェノール類は、ポリフェノールの分子量分布が低分子であったり高分子であったりどちらかに偏っているが、前記リンゴポリフェノールは幅広い分布を有している。このためリンゴポリフェノール抗酸化作用とフリーラジカルスカベンジャーとしての機能を有し、をさらに抗アレルギー、消臭作用、静菌作用を有している。(1)成分であるリンゴポリフェノールの配合量は0.01〜10%、好ましくは0.02〜5%、より好ましくは0.05〜3%である。配合量が少ないと抗酸化作用、抗アレルギー作用、消臭作用、静菌作用が少なくなる。また配合量が多いと頭皮外用剤としての感触の面への影響や、経済的な面においても問題点が出る。(2)成分である抗アドロゲン作用を有する成分は、クジンエキスであり、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコールなどの溶媒で抽出されたものであるが、これらの溶媒が混合されたもので抽出されたものでも良い。
【0008】
抗アドロゲン作用を有する成分の配合量は0.001〜20%、好ましくは0.01〜15%、より好ましくは0.03〜10%である。本成分は育毛・養毛効果を有する成分であり配合量が少ないと効果が小さくなる。
【0009】
本発明の頭皮外用剤においては本発明の効果を妨げない範囲において通常使用される成分を配合することができる。
植物抽出物としては、アシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、カモミラエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバ−エキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ−ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、イチョウエキス等があげられる。
【0010】
ビタミン類としてはビタミンAおよびその誘導体ビタミンB類及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE類及びその誘導体、ビタミンD類、ビタミンKなど、その他配合してよい成分としては、レシチン、油脂成分、保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、有機および無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤があげられる。
【0011】
また、頭皮外用剤としての剤型としてはヘアートニック型、乳化型、ゲル型など制限はないが、ヘアートニック型、ゲル型が好ましい。さらに有効性を高めるための剤型といて、リポソーム化剤型、マイクロエマルション型、可溶化系が好ましい。
【実施例1】
【0012】
評価方法として実施例1〜3の成分及び比較例1〜3の成分を含む頭皮外用剤を定法により調整し次に述べる評価法にて試験を行った。
【0013】
男性型脱毛症の被験者15名の頭部に、各試料(実施例及び比較例記載の試料)を毎朝夕各1回塗布し頭皮の状態、脱毛の状態、新毛の発生と剛毛状態の観察を各被験者が行い3ヶ月間評価した。
評価基準は 新毛の発生と剛毛化が観察された8名以上: ○
新毛の発生と剛毛化が観察された4名〜7名 : △
新毛の発生と剛毛化が観察された 3名未満 : ×
脱毛の改善、かゆみの改善、ふけの改善、においの改善は10名以上:○
脱毛の改善、かゆみの改善、ふけの改善、においの改善 5名〜9名:△
脱毛の改善、かゆみの改善、ふけの改善、においの改善 4名以下 :×
【0014】
【表1】

上記表1から明らかなように、本発明の頭皮外用剤においては、かゆみの防止、ふけの防止、においの改善がなされ、さらに新毛の発生とそれの剛毛化が比較例と較べても有意的に観察された。
【0015】
次に、各種剤型の処方例を実施例として示す。ヘヤートニック例を実施例4、5に示した。
【実施例4】
【0016】
ヘヤートニック1
成分 配合量(%)
リンゴポリフェノール*1 2.0
クジンエキス 1.0
グリチルレチン酸 0.2
l−メントール 0.1
香料 適量
エタノール 30.0
水 残量
*1 ;アップルフェノン アサヒビール
【実施例5】
【0017】
ヘヤートニック2
成分 配合量(%)
リンゴポリフェノール*1 1.0
クジンエキス 1.0
イチョウエキス 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
クエン酸Na 0.8
香料 適量
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.5
エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 7.0
防腐剤 適量
水 残量
*1 ;アップルフェノン アサヒビール
【実施例6】
【0018】
レシチンを使用し高圧ホモジナイザーによりリポソーム化したレシチンベシクル外用剤例を実施例6に示した。
実施例 6
レシチンベシクル外用剤
成分 配合量(%)
リンゴポリフェノール*1 1.0
リンゴポリフェノール*1 1.0
クジンエキス 1.0
ニンジンエキス 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
水素添加大豆リン脂質 0.5
クエン酸 Na 0.4
1,3ブチレングリコール 7.0
防腐剤 適量
香料 適量
水 残量
*1 ;アップルフェノン アサヒビール
【実施例7】
【0019】
水溶性高分子を使用したゲル状の外用剤を実施例7に示した。
実施例 7
ゲル外用剤
成分 配合量(%)
リンゴポリフェノール*1 2.0
クジンエキス 1.0
ニンジンエキス 1.0
イチョウエキス 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
l−メントール 0.1
オキシベンゾンスルフォン酸ナトリウム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.6
水酸化ナトリウム 0.3
クエン酸 Na 0.4
水 残量
*1 ;アップルフェノン アサヒビール
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は頭皮外用剤に関するものであり、より詳しくは優れた抗酸化作用、抗アレルギー作用、消臭作用、静菌作用により頭皮を清浄に保ち、抗アドロゲン作用を高め、非常に優れた育毛・養毛作用を有する頭皮外用剤に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)リンゴポリフェノールと(2)抗アドロゲン作用を有する成分を含有することを特徴とする頭皮外用剤。
【請求項2】
(2)の抗アドロゲン作用を有する成分がクジンエキスである請求項1の頭皮外用剤。
【請求項3】
(2)の抗アドロゲン作用を有する成分がエチニルエストラジオールである請求項1及び請求項2の頭皮外用剤。
【請求項4】
(1)のリンゴポリフェノールが0.01〜10%配合することを特徴とする請求項1〜3の頭皮外用剤。
【請求項5】
(2)のクジンエキスが0.001〜20%配合することを特徴とする請求項1〜4の頭皮外用剤。

【公開番号】特開2010−13429(P2010−13429A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194099(P2008−194099)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(503040181)
【Fターム(参考)】