説明

顔料微粒子の形成方法および形成装置

【課題】顔料微粒子形成場での条件を均一化することにより、単分散、微細な顔料微粒子の形成を実現することができる顔料微粒子の形成方法および形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】良溶媒に顔料を溶解した顔料溶液と、該良溶媒と相溶し顔料に対して貧溶媒である貧溶媒溶液と、を含む2種類以上の溶液を混合部内にて接触させて顔料微粒子を形成する顔料微粒子の形成方法において、前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液を、それぞれ別々の導入口から導入し、前記混合部において瞬時に混合させて顔料微粒子を形成するとともに、形成した顔料微粒子を前記混合部から直ちに放出し、前記放出された顔料微粒子が前記混合部内に再度入り込めないようにすることを特徴とする顔料微粒子の形成方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料、印刷インク、電子写真用トナー、インクジェットプリンタ用インク、カラーフィルター等に用いられる顔料微粒子の製造方法および装置に係り、特に、一度溶解した顔料を顔料の溶解度を変化させる方法により析出させることで、顔料微粒子を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明性を重視するカラー材料は、色素、耐候性などを重視するため、顔料が主に用いられてきた。このような中で、さらに、顔料を微細化することで、その透明性を向上させ、光透過性が高く、耐候性も良い材料への適用が検討されている。このような方法として、2種類の方法があり、一つは顔料粒子をミル分散などの手段により微細化する方法がある。もう一つの方法としては、顔料を溶解し、貧溶媒と接触させることにより、粒子を形成する方法である。
【0003】
しかしながら、顔料のように種々の溶媒に対して溶解度の低い顔料を高濃度に溶解することは難しく、例えば、下記の特許文献1には、超臨界/亜臨界を用いて溶解する方法が記載されている。また、下記の特許文献2では、顔料を溶解した液を瞬時に貧溶媒と接触させ、粒子形成を行う方法が開示されている。この方法は、攪拌機による乱流渦を利用して顔料溶液と貧溶媒溶液との混合による粒子形成を行っている。
【特許文献1】特開2002−138229号公報
【特許文献2】特開2002−322404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、高圧発生部の装置コストが高く、また、この条件での腐食などに耐える材質の選択など、技術、コストの面で工業化するには問題点があった。また、特許文献2の方法では、反応開始当初はタンク内の液は、貧溶媒のみの液体であるが、時間の経過に伴い、顔料を溶解した溶剤濃度が高まるとともに、顔料粒子数が増大し、粒子形成場の不均一が発生する。この様な現象により、形成した粒子が衝突、合一などにより、粒子径の増大、多分散化する欠点を有している。
【0005】
さらに、近年、カラー型光学デバイス、材料が汎用化し、インクジェットインキ、カラートナーなどの出力材料、液晶ディスプレーなどの出力表示材料、CCD、カラーモザイクなどの光学デバイスにおいては、忠実な色再現性、光透過性などの光学特性と共に、使用場所を選ばない耐候性、耐熱性などが求められており、このようなニーズに応える材料として有機顔料の超微粒子(40nm以下、単分散)が求められている。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、粒子形成場での条件を均一化することにより、単分散、微細な粒子形成を実現するとともに、短時間に粒子形成を行うことで、設備投資の削減を行うことができる顔料微粒子の形成方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、良溶媒に顔料を溶解した顔料溶液と、該良溶媒と相溶し顔料に対して貧溶媒である貧溶媒溶液と、を含む2種類以上の溶液を混合部内にて接触させて顔料微粒子を形成する顔料微粒子の形成方法において、前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液を、それぞれ別々の導入口から導入し、前記混合部において瞬時に混合させて顔料微粒子を形成するとともに、形成した顔料微粒子を前記混合部から直ちに放出し、前記放出された顔料微粒子が前記混合部内に再度入り込めないようにすることを特徴とする顔料微粒子の形成方法を提供する。
【0008】
請求項1によれば、混合部内で顔料溶液と貧溶媒溶液を瞬時に混合させて顔料微粒子を形成し、形成した顔料微粒子を混合部外に直ちに放出している。また、一度形成され混合部外に放出された顔料微粒子が混合部の内部に侵入しないようにしている。この2つの要因により、形成された顔料微粒子による影響を受けずに混合部内で顔料微粒子を形成することができる。したがって、顔料微粒子形成場を一定の条件で行うことができるので、形成された顔料微粒子の形状を均一にすることができ、かつ、形成した微粒子の衝突、合一などにより、粒子径の増大、多分散化を防ぐことができ、顔料微粒子の形状を均一に保つことができる。なお、顔料溶液と貧溶媒溶液を混合部において混合させてから混合部外に排出するまでの時間は1マイクロ秒以上1000ミリ秒以下であることが好ましい。混合部内での溶液の滞留時間を上記範囲とすることにより、形成された顔料微粒子の衝突、合一などによる粒子径の増大、多分散化を防止することができる。
【0009】
請求項2は請求項1において、前記混合部が、前記放出された顔料微粒子を貯蓄する粒子タンク内の液中にあることを特徴とする。
【0010】
請求項2によれば、混合部が、粒子タンク内の液中にあるので、形成された顔料微粒子を形成後直ちに、今まで形成された顔料微粒子の液中に放出することができる。したがって、顔料微粒子を形成から液中の貯蓄するまでに変化することがないので、均一な粒子形成を行うことができる。なお、粒子タンク内の液は、混合器より放出された顔料微粒子と良溶媒の液でもよく、粒子タンク内に予め貧溶媒を溜めておいた液でもよく、両液の混合液でもよい。
【0011】
請求項3は請求項1または2において、前記混合部内の圧力が前記混合部外の圧力より高いことを特徴とする。
【0012】
請求項3によれば、混合部内の圧力を混合部外の圧力より高くすることで、混合部内に顔料微粒子が流入することを防ぐことができる。混合部内の圧力を高くする方法としては、混合部の出口配管の径を絞るなどの方法を挙げることができる。
【0013】
請求項4は請求項1において、前記混合部が、前記放出された顔料微粒子を貯蓄する粒子タンク内の液に浸漬しないように設けられ、前記放出された顔料微粒子が1秒以内に前記粒子タンク内の液面に到達することを特徴とする。
【0014】
請求項4によれば、混合部を粒子タンク内の液が浸漬しない位置に設けているため、形成された顔料微粒子の混合部への流入を防止することができる。したがって、混合部の内圧を意図的に上げる必要もないので、設計の自由度を持たせることができる。また、形成された顔料微粒子が、1秒以内に顔料微粒子の液面に到達するようにしたので、形成直後の粒子の変形を防止することができる。
【0015】
請求項5は請求項1から4いずれかにおいて、前記顔料溶液または前記貧溶媒溶液の少なくとも一方に分散剤を含有することを特徴とする。
【0016】
請求項5によれば、顔料溶液または貧溶媒溶液の少なくとも一方に分散剤を含有させているため、形成された顔料微粒子の衝突、合一などによる粒子径の増大、多分散化を防止することができるので、均一な粒子径の顔料微粒子を形成することができる。
【0017】
請求項6は請求項1から5いずれかにおいて、前記顔料微粒子は粒径が100nm以下であることを特徴とする
本発明の顔料微粒子の形成方法によれば、混合器内においては一定の条件で顔料微粒子を形成し、形成直後においては、顔料微粒子の形状が変化する前に顔料微粒子の液中に貯蓄しているので、粒子変形を防止することができ、粒径が100nm以下の均一な顔料微粒子を形成することができ、40nm以下の顔料微粒子を形成することが好ましい。
【0018】
本発明の請求項7は前記目的を達成するために、良溶媒に顔料を溶解した顔料溶液と、該良溶媒と相溶し顔料に対して貧溶媒である貧溶媒溶液と、を含む2種類以上の溶液を混合部内にて接触させて顔料微粒子を形成する顔料微粒子形成装置において、前記顔料溶液を貯蓄する顔料タンクと、貧溶媒溶液を貯蓄する貧溶媒タンクと、前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液を、前記混合部に導入するための、それぞれの導入管と、前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液とを瞬時に混合して前記顔料微粒子を形成するとともに、形成した顔料微粒子を直ちに混合場から放出する混合部と、前記混合部から放出された前記顔料微粒子を貯蓄する粒子タンクと、を有し、前記混合部が前記粒子タンク内の液中に設けられていることを特徴とする顔料微粒子形成装置を提供することを目的とする。
【0019】
本発明の請求項8は前記目的を達成するために、良溶媒に顔料を溶解した顔料溶液と、該良溶媒と相溶し顔料に対して貧溶媒である貧溶媒溶液と、を含む2種類以上の溶液を混合部内にて接触させて顔料微粒子を形成する顔料微粒子形成装置において、前記顔料溶液を貯蓄する顔料タンクと、貧溶媒溶液を貯蓄する貧溶媒タンクと、前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液を、前記混合部に導入するための、それぞれの導入管と、前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液とを瞬時に混合して前記顔料微粒子を形成するとともに、形成した顔料微粒子を直ちに混合場から放出する混合部と、前記混合部から放出された前記顔料微粒子を貯蓄する粒子タンクと、を有し、前記混合部が前記粒子タンク内の液に浸漬せず、前記混合部から放出された前記顔料微粒子が、1秒以内に前記粒子タンク内の液面に到達することを特徴とする顔料微粒子形成装置を提供する。
【0020】
請求項9は請求項7または8において、前記顔料粒子径は粒径が100nm以下であることを特徴とする。
【0021】
請求項7から9は、請求項1から6の顔料微粒子の形成方法を、顔料微粒子形成装置として展開したものであり、請求項6から8の顔料微粒子形成装置によれば、顔料微粒子の形成方法と同様の効果を得ることができる。
【0022】
本発明の請求項10は前記目的を達成するために、請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とするインクジェット記録用組成物を提供する。
【0023】
本発明の請求項11は前記目的を達成するために、請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルター用組成物を提供する。
【0024】
本発明の請求項12は前記目的を達成するために、請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とするカラーモザイク用組成物を提供する。
【0025】
本発明の請求項13は前記目的を達成するために、請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とするカラートナー用組成物を提供する。
【0026】
本発明の請求項14は前記目的を達成するために、請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とする塗料用組成物を提供する。
【0027】
本発明の請求項15は前記目的を達成するために、請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とする建材用組成物を提供する。
【0028】
本発明の請求項16は前記目的を達成するために、請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とする文房具用組成物を提供する。
【0029】
本発明の請求項17は前記目的を達成するために、請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とする捺染用組成物を提供する。
【0030】
請求項10から17は、本発明の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いた組成物であり、本発明の顔料微粒子の形成方法または微粒子形成装置により製造された顔料微粒子は、粒径が細かく、各微粒子が均一であるため、各組成物に対して好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0031】
従来の貧溶媒溶液中に顔料溶液を添加する方法では、貧溶媒溶液中に顔料を添加するにつれ、顔料溶液の溶媒が増加するため、微粒子形成場での雰囲気が添加開始時と添加終了時点では大きく変化していた。特に、顔料溶液を滴下するニードル先端において変化するため、粒子サイズのバラツキが見られた。本発明によれば、混合部内で、顔料微粒子を形成し、さらに、混合部内に形成された顔料微粒子が流入しないようにしたため、一定の条件で顔料微粒子を形成することができ、均一な微粒子を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、添付図面に従って、本発明に係る顔料微粒子の形成方法および顔料微粒子形成装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0033】
本発明の顔料微粒子の形成方法は、良溶媒に顔料を溶解した顔料溶液と、良溶媒と相溶し顔料に対して貧溶媒である貧溶媒溶液と、を含む溶液を混合部内にて接触させて顔料溶液の溶解度を変化させることにより、顔料微粒子を析出させる方法(ビルドアップ再沈法)に関するものである。
【0034】
≪第1実施形態≫
まず、本発明の第1実施形態に係る顔料微粒子の形成方法および形成装置について説明する。図1は第1実施形態の顔料微粒子形成装置の一例を示す。図1に示すように顔料微粒子形成装置10は、顔料溶液と貧溶媒液を混合する混合部である混合器20、混合器20で形成された顔料微粒子を貯蓄する粒子タンク30から形成されている。なお、粒子タンク内には、混合前に貧溶媒を貯蓄させておくこともできる。さらに、形成された顔料微粒子を溶液中から取り出す濾過手段40を備えている。また、混合器20は粒子タンク30内の、貧溶媒溶液または既に形成された顔料微粒子の液中に浸漬しない位置に設置されている。
【0035】
混合器20には、少なくとも顔料タンク21と貧溶媒タンク22が備えられており、この顔料タンク21に顔料溶液が、貧溶媒タンク21に貧溶媒溶液が貯蓄されている。この顔料タンク21および貧溶媒タンク22からそれぞれの溶液が混合器20に供給され、接触することで、顔料の溶解度が変化し、混合器20内で顔料微粒子が形成される。顔料溶液または貧溶媒溶液には分散剤を添加することが好ましい。分散剤を添加することにより、粒子径の増大、多分散化を防止することができ、均一な粒子径の顔料微粒子を形成することができる。なお、図1においては、顔料タンク21および貧溶媒タンク22のみ図示したが、混合器20内で他の溶液を接触させる場合には、さらに別のタンクを設けることも可能であり、この別のタンクから分散剤を供給することもできる。
【0036】
混合器20としては、攪拌機、超音波、高圧などの動的混合機能を用いた方法、マイクロリアクターなどの混合手段として用いられるセグメント型の静的混合方法のいずれか若しくは組み合わせた方法で行うことができる。また、それぞれの液体の混合器20内への流入方法としては、特に限定されないが、混合器20内での混合性を良くするため、相対する方向から流入させることが好ましい。
【0037】
動的混合機能を用いた例として、図2に混合器の概略図を示す。図2に示す混合器20は、上面から顔料溶液供給管23を通過させ、顔料溶液を混合器20内に供給する。また、下面から貧溶媒供給管24を通過させ、貧溶媒を混合器20内に供給する。混合器20内に供給された顔料溶液および貧溶媒溶液は、攪拌翼26を有する攪拌機27により攪拌され、速やかに混合し顔料微粒子が形成される。形成された顔料微粒子は混合器20の側面に設けられた排出口25から排出される。
【0038】
混合器としてマイクロリアクターなどの混合手段を用いる場合は、混合器に供給される溶液の各流路を、その流路を流れる流体の流動特性を主に決定する長さ、つまり代表さが等価直径において、1μm以上1000μm以下、好ましくは5μm以上800μm以下、さらに好ましくは10μm以上500μm以下の流路とすることが好ましい。なお、「等価直径」とは、相当(直)径とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意断面形状の配管(本発明では流路)に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径を等価直径という。
【0039】
等価直径(deq)は、A:配管の断面積、p:配管のぬれぶち長さ(周長)を用いて、deq=4A/pと定義される。円管に適した場合、この等価直径は円管直径に一致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現象の空間的スケール(代表的長さ)を表わす。等価直径は、一辺aの正四角形管でdeq=4a2/4a=a、一辺aの正三角形管では、deq=a/√3となる。また、流路高さhの平行平板間の流れではdeq=2hとなる(例えば、(社)日本機械学会編「機械工学事典」1997年、丸善(株)参照)。
【0040】
第1実施形態のように、混合器20を粒子タンク30内の溶液に浸漬させずに設置することにより、形成した顔料微粒子溶液が混合器20内に流入することを防止することができる。したがって、混合器20の出口配管の径については、攪拌機の回転により、混合部が不圧になり空気を巻き込まない条件であれば、設計の自由度をもたせることができる。
【0041】
また、混合器20内で形成された顔料微粒子は素早く混合器20の外に放出するため、混合器20の排出口は複数設けることが好ましい。
【0042】
混合器20内で形成された顔料微粒子は粒子タンク30内で貯蓄され、その後、濾過手段40により顔料微粒子を濾過し、顔料微粒子が分離される。
【0043】
このようにして形成された顔料微粒子の粒子径は粒径が100nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
【0044】
≪第2実施形態≫
図3は、本発明の第2実施形態の顔料微粒子形成装置110の一例を示す。第2実施形態は第1実施形態に比べ、混合器20が粒子タンク30内の貧溶媒またはすでに形成された顔料微粒子中に浸漬して設置されている点が異なっている。
【0045】
第2実施形態のように、混合器20を粒子タンク30内の溶液中に設置した場合は、形成された顔料微粒子が混合器20内に入らないようにするため、混合器20内の圧力を混合器20の外の圧力より高くすることが好ましい。混合器20内の圧力を高くする方法としては、例えば、混合器の出口配管の径を絞ることにより行うことができる。なお、混合器20は第1実施形態と同様の混合器を用いることができる。
【0046】
≪第3実施形態≫
図4は、本発明の第3実施形態の顔料微粒子形成装置120の一例を示す。第3実施形態は第1実施形態に比べ、混合器20で顔料微粒子を形成させた後に、凝集剤と接触させ顔料微粒子の凝集体を形成させるためのY字流路50および凝集剤タンク51を備える点が異なっている。顔料微粒子の凝集体を形成することにより、その後の濾過工程において、容易に濾過を行うことができ、また濾材への目詰まりを防止することができる。
【0047】
混合器20で形成された顔料微粒子は、Y字流路50の一方の流路からY字流路50内に供給される。そして、他方の流路から凝集剤が供給され、Y字流路50内の合流部50Aにおいて、一回の接触で顔料微粒子と凝集剤が接触し、凝集体が形成される。
【0048】
その際、顔料微粒子と凝集剤との接触は速やかに行うことが好ましい。顔料微粒子と凝集剤との接触の時間が長くなると、顔料微粒子の成長にバラツキが生じ、再分散工程後においても、均一な微粒子を形成することができなくなる。したがって、凝集剤を接触させるまでの時間を短くすることにより、均一な顔料微粒子の状態で凝集体を形成することができるので、再分散工程後においても、均一な顔料微粒子を形成することができる。顔料微粒子を形成してから凝集剤を接触させるまでの時間は0.01秒以上1秒以下であることが好ましい。
【0049】
また、混合器20から放出された顔料微粒子は、放出されてから1秒以内に粒子タンク30内の顔料微粒子液面に到達するように、混合器20の高さ、顔料溶液および貧溶媒溶液の流量を調節する。顔料微粒子形成後、液面に到着するまでの時間が長くなると、形成された顔料微粒子の粒径にブレが生じ、均一な粒径の顔料微粒子が形成できなくなる。
【0050】
形成された凝集体は粒子タンク30内に貯蓄される。粒子タンク30内においては、凝集体同士を接触する機会を減らすように、凝集体の濃度を低くするようにタンク内で速やかに希釈することが好ましい。また、タンク内で凝集体同士が衝突、接触する事で粗大化を防止するために、タンク内を緩やかに出来るだけ均一に攪拌する事で沈降等が発生しないようにする事が大切である。また、この様な現象を防ぐ為にタンク内が一定量になった時点で供給量を加味した流量でタンク内の液を次の濾過工程に送り出す事も可能である。
【0051】
次に、濾過手段40により濾過され、凝集体の分離を行う。濾過された凝集体は再分散タンク60内の混合器20に運ばれ、pH調整剤タンク61から供給されるpH調整剤と混合され、再分散することにより、顔料微粒子を形成することができる。凝集体をpH調整剤により再分散する方法としては、上記顔料微粒子形成工程において、顔料溶液と貧溶媒溶液を接触させる際に用いた方法と同様の方法により行うことができる。また、顔料の種類によってはpH調整剤を直接タンクに添加して凝集体を分散させることもできる。凝集体はpHの変化に伴い、自然にコンフォメーションを変えて分散するため、混合器を用いずに分散させることも可能である。
【0052】
次に本発明の顔料微粒子の形成方法および形成装置に用いられる材料について説明する。
【0053】
本発明に用いられる有機顔料は、色相的に限定されるものではなく、マゼンタ顔料、イエロー顔料、またはシアン顔料であることができる。詳しくは、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンまたはイソビオラントロン系顔料またはそれらの混合物などのマゼンタ顔料、イエロー顔料、またはシアン顔料である。更に詳しくは、例えば、C.I.ピグメントレッド190(C.I.番号71140)、C.I.ピグメントレッド224(C.I.番号71127)、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43(C.I.番号71105)、もしくはC.I.ピグメントレッド194(C.I.番号71100)等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、もしくはC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン系顔料、C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン系顔料、C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777)、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、もしくはC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221(C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、もしくはC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合系顔料、C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、もしくはC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094)等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、もしくはC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料、C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、もしくは15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、もしくはC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール系顔料、C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ系顔料、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、もしくはC.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料である。
【0054】
好ましい顔料は、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、ジスアゾ縮合系、アゾ系、またはフタロシアニン系、ジオキサジン系顔料である。
【0055】
次に、良溶媒について説明する。有機顔料を溶解する良溶媒としては、使用する有機顔料を溶解することができ、かつ貧溶媒との相溶する又は均一に混ざるものであれば、特に限定されない。良溶媒に対する有機顔料の溶解度は、0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。この有機顔料の溶解度は、特に上限はないが、通常用いられる有機材料を考慮すると、50質量%以下であることが実際的である。なお、上記有機顔料の溶解度は、酸又はアルカリの存在下の溶解度であってもよい。
【0056】
貧溶媒と良溶媒との相溶性又は均一混合性は、貧溶媒に対する良溶媒の溶解量が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。貧溶媒に対する良溶媒の溶解量は、特に上限はないが、任意の割合で混ざり合う範囲であるのが実際的である。
【0057】
良溶媒としては、例えば、水性溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素溶媒、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水性溶媒、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、エステル化合物溶媒、アミド化合物溶媒、またはこれらの混合物が好ましく、水性溶媒、アルコール化合物溶媒、エステル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒またはアミド化合物溶媒が好ましく、水性溶媒、スルホキシド化合物溶媒またはアミド化合物溶媒がさらに好ましく、スルホキシド化合物溶媒またはアミド化合物溶媒が特に好ましい。
【0058】
スルホキシド化合物溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。アミド化合物溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。
【0059】
本発明において、2種類以上の有機顔料又は有機顔料の固溶体又は有機顔料と無機顔料の組み合わせも使用することができる。有機顔料は、良溶媒中に均一に溶解されなければならないが、酸性又はアルカリ性で溶解することも好ましい。一般に分子内にアルカリ性で解離可能な基を有する顔料の場合はアルカリ性が用いられ、アルカリ性で解離する基が存在せず、プロトンが付加しやすい窒素原子を分子内に多く有するときは酸性が用いられる。たとえば、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ジスアゾ縮合系顔料はアルカリ性で溶解され、フタロシアニン系顔料は、酸性で溶解される。
【0060】
アルカリ性で溶解させる場合に用いられる塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、もしくは水酸化バリウムなどの無機塩基、またはトリアルキルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、金属アルコキシドなどの有機塩基である。使用される塩基の量は、顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、無機塩基の場合、好ましくは顔料に対して1.0〜30モル当量であり、より好ましくは2.0〜25モル当量であり、さらに好ましくは3〜20モル当量である。有機塩基の場合は好ましくは顔料に対して1.0〜100モル当量であり、より好ましくは5.0〜100モル当量であり、さらに好ましくは20〜100モル当量である。
【0061】
酸性で溶解させる場合に用いられる酸は、硫酸、塩酸、もしくは燐酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、もしくはトリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸であるが好ましくは無機酸である。特に好ましくは硫酸である。使用される酸の量は、顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多い。無機酸および有機酸の場合を問わず、好ましくは顔料に対して3〜500モル当量であり、より好ましくは10〜500モル当量であり、さらに好ましくは30〜200モル当量である。
【0062】
アルカリ又は酸を有機溶媒と混合した良溶媒を用いる場合、アルカリ又は酸を良溶媒に完全に溶解させるため、アルカリ又は酸に対して高い溶解性を示す溶剤を、有機溶媒に添加することが好ましい。このような溶剤としては、たとえば、水や低級アルコール等が挙げられる。低級アルコールとしては、具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール等を使用できる。溶剤量は、良溶媒全量に対して50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
【0063】
次に貧溶媒について説明する。有機顔料を溶解しにくい貧溶媒としては、有機顔料を溶解する良溶媒と相溶する又は均一に混ざるものであれば、特に限定されない。このような貧溶媒は、有機顔料の溶解度が0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。貧溶媒に対する有機顔料の溶解度は、特に下限はない。この溶解度は、酸又はアルカリの存在下で溶解された場合の溶解度であってもよい。また、良溶媒と貧溶媒との相溶性もしくは均一混合性の好ましい範囲は前述の通りである。
【0064】
貧溶媒としては、例えば、水性溶媒(例えば、水、又は塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素溶媒、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水性溶媒、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、エステル化合物溶媒、またはこれらの混合物が好ましく、水性溶媒、アルコール化合物溶媒またはエステル化合物溶媒がより好ましい。
【0065】
アルコール化合物溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。ケトン化合物溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル化合物溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族化合物溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル化合物溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。ハロゲン化合物溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル化合物溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPFとの塩などが挙げられる。
【0066】
本発明では、均一に溶解した溶液を流路に投入することが好ましい。懸濁液を投入すると粒子サイズが大きくなったり、粒子分布が広い顔料微粒子になったりする。場合によっては容易に流路を閉塞してしまう。「均一に溶解」の意味は可視光線下で観測した場合にほとんど濁りが観測されない溶液であり、本発明では1μm以下のミクロフィルターを通して得られる溶液、または1μmのフィルターを通した場合に濾過される物を含まない溶液を均一に溶解した溶液と定義する。
【0067】
本発明では、顔料溶液の溶解度を変化させ、顔料微粒子を製造する方法であるが、図1に示すように、混合器20に顔料タンク21から顔料の均一溶液を導入し、貧溶媒タンク22から顔料溶液の溶解度を変化させる貧溶媒、またはそれらに分散剤を溶解した溶液を導入し、両液を混合器20内で接触させることにより、顔料を含む溶液の溶解度を低下させる。顔料は貧溶媒には溶解しにくいため、顔料溶液の溶解度が低下するに従って、顔料微粒子として析出する。溶解度の変化の幅は、顔料溶液の溶解度によるが、顔料微粒子の析出を促すのに十分な範囲でよい。
【0068】
次に溶液に添加される分散剤について説明する。分散剤は析出した顔料微粒子に素早く吸着して、顔料微粒子同士が再び凝集することを防止するからである。分散剤には、一般的にアニオン性分散剤、カチオン性分散剤、両イオン分散剤、顔料性分散剤の低分子、及び高分子分散剤がある。
【0069】
本発明の顔料微粒子を形成する方法では、顔料を含む顔料溶液の中、又は/及び溶解度を変化させるための貧溶媒溶液の中に分散剤を添加することができる。
【0070】
アニオン性分散剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシル−N−アルキルタウリン塩が好ましい。N−アシル−N−アルキルタウリン塩としては、特開平3−273067号明細書に記載されているものが好ましい。これらアニオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0071】
カチオン性分散剤(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミンおよびポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリンおよびこれらのカチオン性物質の塩が含まれる。これらカチオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0072】
両イオン性分散剤は、前記アニオン性分散剤が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性分散剤が分子内に有するカチオン基部分を共に分子内に有する分散剤である。
【0073】
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0074】
顔料性分散剤とは、親物質としての有機顔料から誘導され、その親構造を化学修飾することで製造される顔料性分散剤と定義する。例えば、糖含有顔料分散剤、ピペリジル含有顔料分散剤、ナフタレンまたはペリレン誘導顔料分散剤、メチレン基を介して顔料親構造に連結された官能基を有する顔料分散剤、ポリマーで化学修飾された顔料親構造、スルホン酸基を有する顔料分散剤、スルホンアミド基を有する顔料分散剤、エーテル基を有する顔料分散剤、あるいはカルボン酸基、カルボン酸エステル基またはカルボキサミド基を有する顔料分散剤などがある。
【0075】
高分子分散剤としては、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール一部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール一部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、スチレン−アクリル酸塩共重合物、スチレン−メタクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル―メタクリル酸塩共重合物、スチレン−イタコン酸塩共重合物、イタコン酸エステル−イタコン酸塩共重合物、ビニルナフタレン−アクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−メタクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−イタコン酸塩共重合物、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ポリビニルピロリドンが好ましい。これら高分子は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、アニオン性分散剤を水性媒体に含有させ、かつノニオン性分散剤および/または高分子分散剤を、顔料を溶解した溶液に含有させる態様を挙げることができる。
【0076】
分散剤の配合量は、顔料の均一分散性および保存安定性をより一層向上させるために、顔料100質量部に対して0.1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜500質量部の範囲であり、更に好ましくは10〜250質量部の範囲である。0.1質量部未満であると顔料微粒子の分散安定性の向上が見られない場合がある。
【0077】
次に、製造された顔料微粒子の粒径サイズの計測法について説明する。
【0078】
微粒子の計測法において、数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、および各種の平均径(長さ平均、面積平均、重量平均など)がある。本発明の方法で製造される顔料微粒子の粒径サイズは、モード径で1μm以下が好ましい。好ましくは3nm〜800nmであり、特に好ましくは5nm〜500nmである。
【0079】
次に本発明に用いられる凝集剤について説明する。凝集剤は、析出した顔料微粒子同士を凝集させ凝集体を作り、その後の濾過工程を容易に行うことができる。
【0080】
凝集剤としては、顔料微粒子を凝集させてスラリー、ペースト、粉状、粒状、ケーキ状(塊状)、シート状、短繊維状、フレーク状などにして従来公知の分離法によって分離することができれば、いかなるものでも使用することができる。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酸、メタンスルホン酸などがあげられる。なかでも、塩酸、酢酸、硫酸が特に好ましい。また、加える量は、顔料微粒子が凝集する範囲でできるだけ少ない方が好ましい。
【0081】
次に本発明に用いられるpH調整剤について説明する。pH調整剤は、凝集体形成工程において形成された凝集体を顔料微粒子に再度分散させるために用いられる。
【0082】
pH調整剤としては、具体的に、アミノメチルプロパノール、ジメチルアミノプロパノール、ジメチルエタノールアミン、ジエチルトリアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、モルホリン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニアが挙げられる。これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0083】
上記のpH調整剤の使用量は、顔料微粒子の凝集体を水に安定に再分散できる範囲であれば特に限定されるものではないが、印刷インキやインクジェットプリンタ用インクなどの用途に用いる場合は各種部材の腐食の原因になる場合があるため、pHが6〜12、さらに好ましくは7〜11の範囲になる量を使用するのがよい。
【0084】
また、凝集体を再分散する際に、水溶性の有機溶剤を添加して、再分散しやすくすることができる。具体的に使用できる有機溶剤としては特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等の脂肪族ケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0085】
本発明の顔料微粒子の形成方法および顔料微粒子形成装置により形成された顔料微粒子は、粒径が細かく、各微粒子が均一であるため、インクジェット記録用組成物、カラーフィルター用組成物、カラーモザイク用組成物、カラートナー用組成物、塗料用組成物、建材用組成物、文房具用組成物、捺染用組成物などの各組成物に対して好適に用いることができる。
【実施例】
【0086】
以下の実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0087】
[実施例1]
実験装置として、以下の装置を準備した。
【0088】
1000mlの顔料タンク、4000mlの貧溶媒タンクおよび各々の液を混合器に送液するために、富士テクノ社製プランジャーポンプを用いた。また、混合器として、直径50mm、深さ15mmの空間の中心部にモーター駆動で高速回転(5000rpm)するエッジドタービン型攪拌翼(直径30mm)を粒子タンク内(40l)に設け、この混合器の上面から顔料溶液、下面から貧溶媒溶液を羽根に対して直角方向から羽根の中心部近傍に添加し、この混合器の側面6箇所に設けた排出口(直径1.0mm)から放出し、放出液が中心部に攪拌機(上下攪拌用ジェットタービン型)を有するタンク液面に落下できる位置で、反応が終了した時点で混合器が液中に浸漬しない位置に設置した。
【0089】
反応させる液として、顔料溶液は以下の液を用いた。ジメチルスルホキシドを80部に、顔料としてPR−122(ピグメントレッド122)を10部、分散剤としてスチレン/アクリル酸共重合体(酸化250、分子量5000)の10部を室温で攪拌混合し、懸濁液を調整した。ここに、30%水酸化カリウムのメタノール溶液を少量ずつ滴下し、顔料が溶解して透明になるまで滴下、混合に行い、透明になった時点で滴下を中止し、3時間攪拌状態を保持し、顔料を完全に溶解した。また、粒子形成に使用する貧溶媒溶液としては、0℃に冷却した蒸留水を準備した。
【0090】
この2液を、粒子タンク内の液面上に設けられた混合器であるエッジドタービン型攪拌翼に導入し、5000rpmで回転させ、混合後、タンクに添加し、希釈、安定化を行った。2液の添加条件は、顔料溶液は10ml/min、蒸留水は40ml/minで100分間の添加により顔料微粒子の形成を行った。
【0091】
このようにして得た液を、添加開始から終了まで10分ごとタンクからサンプリングを行い、日機装社製マイクロトラックを使用して粒子サイズ測定を行った。粒子サイズの平均値は20.1nm、サイズ分布(Mv/Mn)が1.33であった。10回のサンプリングの平均値のバラツキは粒子サイズで±0.2nm、Mv/Mnで±0.4であった。なお、Mv/Mnは粒子サイズの均一性(粒子が単分散でサイズが揃っている)ことを表わす指標であり、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比で表わされる。
【0092】
[比較例1]
比較例1として図5に示す顔料微粒子形成装置200を用いて顔料微粒子の形成を行った。顔料微粒子形成装置200は、粒子タンク30内に貧溶媒溶液である蒸留水を貯蓄しておき、顔料タンク21からポンプ225により流量を調節しながら、顔料溶液を配管224、ニードル223を通して、粒子タンク30内に添加し、顔料溶液と貧溶媒溶液を接触させることにより顔料微粒子の形成を行った。ニードルは先端をマイクロドリル加工により内径0.6mm、長さ3mmとしたニードルを用いた。粒子タンクの攪拌条件は実施例1と同様の条件で行い、サンプリングも添加開始から終了まで10分ごと行った。
【0093】
添加開始から10分後の粒子サイズは21.5nm、Mv/Mnは1.39であり、実施例1の結果に近い数値であった。しかしながら、微粒子の形成が進むにつれ、粒子サイズ、Mv/Mnが上昇し、最終ラップ(100分後)では粒子サイズ30.5nm、Mv/Mnは1.55であり、全データの平均は粒子サイズ25.7、Mv/Mnは1.46であった。
【0094】
以上より、従来の形成方法である比較例1のような粒子タンクの中に顔料溶液を添加する方法では、時々刻々と粒子タンク内のジメチルスルホキシド濃度が高まり、ニードル先端部の過飽和状態が変化し、顔料溶液添加開始時点と終了時点では、粒子形成すべき過飽和場の条件が大きく変化しているため、微粒子の形成が進むにつれて粒子サイズが大きくなる事が確認された。一方、本発明のフロー型で粒子形成場を形成することにより、粒子形成開始から終了まで、粒子形成場の過飽和条件は一定であるため、均一なサイズで顔料微粒子の形成を行うことができた。また、実施例1における顔料微粒子の粒子径は、比較例1の顔料微粒子の形成初期の粒子径と同程度のサイズであり、本発明の方法により形成される顔料微粒子の粒子径が従来の方法で形成される顔料微粒子の粒子径と同程度のサイズで形成できることが確認できた。
【0095】
また、実施例1におけるMv/Mnは、顔料微粒子形成から終了までバラツキの範囲の変動しか認められなかったが、比較例1においては時間と共にサイズ分布が広くなる多分散化の傾向が認められた。この原因は明確ではないが、比較例1においては、先に形成された顔料微粒子が粒子タンクの攪拌機による対流でニードルから噴射される粒子形成場に入り込み、既存粒子上に新しい粒子が沈積し、多分散化しているためであると推察された。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1実施形態における顔料微粒子形成装置の一例を示す図である。
【図2】混合器の構造を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態における顔料微粒子形成装置の一例を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態における顔料微粒子形成装置の一例を示す図である。
【図5】比較例1で用いられた顔料微粒子形成装置を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
10、110、120…顔料微粒子形成装置、20…混合機、21…顔料タンク、22…貧溶媒タンク、23…顔料溶液供給管、24…貧溶媒供給管、25…排出口、26…攪拌翼、27…攪拌機、30…粒子タンク、40…濾過手段、50…流路、51…凝集剤タンク、60…再分散タンク、61…pH調整剤タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
良溶媒に顔料を溶解した顔料溶液と、該良溶媒と相溶し顔料に対して貧溶媒である貧溶媒溶液と、を含む2種類以上の溶液を混合部内にて接触させて顔料微粒子を形成する顔料微粒子の形成方法において、
前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液を、それぞれ別々の導入口から導入し、前記混合部において瞬時に混合させて顔料微粒子を形成するとともに、形成した顔料微粒子を前記混合部から直ちに放出し、
前記放出された顔料微粒子が前記混合部内に再度入り込めないようにすることを特徴とする顔料微粒子の形成方法。
【請求項2】
前記混合部が、前記放出された顔料微粒子を貯蓄する粒子タンク内の液中にあることを特徴とする請求項1に記載の顔料微粒子の形成方法。
【請求項3】
前記混合部内の圧力が前記混合部外の圧力より高いことを特徴とする請求項1または2に記載の顔料微粒子の形成方法。
【請求項4】
前記混合部が、前記放出された顔料微粒子を貯蓄する粒子タンク内の液に浸漬しないように設けられ、前記放出された顔料微粒子が1秒以内に前記粒子タンク内の液面に到達することを特徴とする請求項1に記載の顔料微粒子の形成方法。
【請求項5】
前記顔料溶液または前記貧溶媒溶液の少なくとも一方に分散剤を含有することを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法。
【請求項6】
前記顔料微粒子は粒径が100nm以下であることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法。
【請求項7】
良溶媒に顔料を溶解した顔料溶液と、該良溶媒と相溶し顔料に対して貧溶媒である貧溶媒溶液と、を含む2種類以上の溶液を混合部内にて接触させて顔料微粒子を形成する顔料微粒子形成装置において、
前記顔料溶液を貯蓄する顔料タンクと、
貧溶媒溶液を貯蓄する貧溶媒タンクと、
前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液を、前記混合部に導入するための、それぞれの導入管と、
前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液とを瞬時に混合して前記顔料微粒子を形成するとともに、形成した顔料微粒子を直ちに混合場から放出する混合部と、
前記混合部から放出された前記顔料微粒子を貯蓄する粒子タンクと、を有し、
前記混合部が前記粒子タンク内の液中に設けられていることを特徴とする顔料微粒子形成装置。
【請求項8】
良溶媒に顔料を溶解した顔料溶液と、該良溶媒と相溶し顔料に対して貧溶媒である貧溶媒溶液と、を含む2種類以上の溶液を混合部内にて接触させて顔料微粒子を形成する顔料微粒子形成装置において、
前記顔料溶液を貯蓄する顔料タンクと、
貧溶媒溶液を貯蓄する貧溶媒タンクと、
前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液を、前記混合部に導入するための、それぞれの導入管と、
前記顔料溶液と前記貧溶媒溶液とを瞬時に混合して前記顔料微粒子を形成するとともに、形成した顔料微粒子を直ちに混合場から放出する混合部と、
前記混合部から放出された前記顔料微粒子を貯蓄する粒子タンクと、を有し、
前記混合部が前記粒子タンク内の液に浸漬せず、前記混合部から放出された前記顔料微粒子が、1秒以内に前記粒子タンク内の液面に到達することを特徴とする顔料微粒子形成装置。
【請求項9】
前記顔料粒子径は粒径が100nm以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の顔料微粒子形成装置。
【請求項10】
請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とするインクジェット記録用組成物。
【請求項11】
請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルター用組成物。
【請求項12】
請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とするカラーモザイク用組成物。
【請求項13】
請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とするカラートナー用組成物。
【請求項14】
請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とする塗料用組成物。
【請求項15】
請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とする建材用組成物。
【請求項16】
請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とする文房具用組成物。
【請求項17】
請求項1から6いずれかに記載の顔料微粒子の形成方法により形成された顔料微粒子を用いて製造されたことを特徴とする捺染用組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−215413(P2009−215413A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59904(P2008−59904)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】