説明

顧客端末装置、無人取引システムおよび光学読取自動仕分け装置

【課題】回収した申込書の仕分け作業を容易に行なえるようにする顧客端末装置、無人取引システムおよび光学読取自動仕分け装置を提供する。
【解決手段】イメージ読取部21により申込書のイメージデータを取得し、このイメージデータを上位装置に送信して該上位装置から契約の成否の情報を受信し、その情報が契約成立のとき、該申込書および印字機構44で契約内容を印字した契約書を回収ボックス41に取り込むとともに、その契約書と同一内容を印字した契約書の控えを顧客に発行し、契約不成立のとき、該申込書を回収ボックス41に取り込む顧客端末装置において、前記印字機構44を、イメージ読取部21と回収ボックス41を結ぶ搬送路42に設け、前記上位装置から受信した契約の成否の情報にしたがって前記印字機構44で申込書に「契約成立」または「契約不成立」等の契約の成否を示す印字を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関等において、顧客が顧客操作端末を操作して契約の申し込みを行い、遠隔地にあるセンタ端末装置でオペレ−タが審査を行って契約を行う顧客端末装置ならびに無人取引システムおよびその契約で使用される申込書ならびに契約書を仕分ける光学読取自動仕分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関等においては、現金の入出金、その他の処理を顧客の操作によって自動的に実行する装置が広く普及している。顧客がキャッシュカード等の所定の金融商品を利用する場合には、契約の申込書等の記入や提出等の手続きが必要になる。このような手続きは、従来は金融機関の窓口で直接案内係の案内により処理されているが、近年、顧客が記入した申込書等の書類をイメージスキャナで読み取り、取得したイメージデータを本店の管理センタへ送って契約の申込み手続きを行う無人取引システムが登場してきた。
【0003】
この無人取引システムでは、顧客が操作する顧客端末装置にイメージスキャナを備えたイメージ読取部を搭載し、このイメージ読取部で申込書のイメージデータを取得し、管理センタに送られたイメージデータをオペレータが操作するセンタ端末装置に表示して内容を確認し、顧客が記入した事項に誤りがなければ身分証明書等のイメージデータとともにファイルに保管し、顧客端末装置側で契約書を発行する。申込書や顧客が署名した契約書は、顧客端末装置内に取り込み、その写しが顧客に渡される。以上のようにして、顧客のみによる申込み手続きを可能にし、金融機関の窓口の負担を軽減するようにしている。
【0004】
さらに、金融機関の係員等が顧客端末装置内に取り込んだ申込書や契約書を回収する際、その申込書と契約書の照合作業等を行う必要があるが、顧客端末装置内に取り込む申込書や契約書に同一の番号を印字して、その照合作業等を容易にしているものもある(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−175922号公報(段落「0055」〜段落「0078」、図13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、金融機関の係員等が顧客端末装置内に取り込んだ申込書および契約書を回収する際、その申込書と契約書を照合する作業が必要であるところ、利用者が行った契約が成立した場合、必ずその契約の申込書と契約書は顧客端末装置内に取り込まれるが、契約が不成立の場合、その申込書は顧客端末装置内に取り込まれても契約書は発行されず、顧客端末装置内に取り込まれることはない。このように契約が不成立の申込書を取り込んだ場合、申込書および契約書を回収する係員等は、その契約書が契約不成立のために存在しないのか、紛失してしまって存在しないのかを調査する作業が必要になってしまう。
【0006】
したがって、金融機関の係員等が顧客端末装置内に取り込まれた申込書および契約書を回収する場合、まず、契約が成立した申込書と契約が不成立の申込書とを仕分けしなければならず、その作業は申込書に印刷された番号や利用者の氏名等から判断する必要があり多大な労力と時間を必要としていたという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、イメージ読取部により申込書のイメージデータを取得し、このイメージデータを上位装置に送信して該上位装置から契約の成否の情報を受信し、その情報が契約成立のとき、該申込書および印字機構で契約内容を印字した契約書を回収ボックスに取り込むとともに、その契約書と同一内容を印字した契約書の控えを顧客に発行し、契約不成立のとき、該申込書を回収ボックスに取り込む顧客端末装置において、前記印字機構を、イメージ読取部と回収ボックスを結ぶ搬送路に設け、前記上位装置から受信した契約の成否の情報にしたがって前記印字機構で申込書に契約の成否を示す印字を行うようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、金融機関の係員等は申込書の仕分け作業をする際、申込書に印字された「契約成立」または「契約不成立」の別を一目で判断することができるようになり、仕分け作業が容易に行なえるようになるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による無人取引システムおよび自動書類仕分け装置の実施例を説明する。
【実施例】
【0010】
図1は第1の実施例における顧客端末装置の説明図で、この図1は、無人取引システムを構成する顧客端末装置の要部構成を示す。図2は第1の実施例における無人取引システムの構成を示すブロック図であり、まず、図2を用いて無人取引システムの全体構成について説明する。
図2において、1は顧客端末装置であり、顧客2が操作する装置である。この顧客端末装置1は通信網3を介して後述するセンタ端末装置等に相互に通信可能に接続されている。
【0011】
4はセンタ端末装置であり、オペレータ5が操作する装置である。このセンタ端末装置4は複数台の顧客端末装置1と通信網3を介して相互に通信可能に接続され、これら顧客端末装置1の中で、取引を実行している顧客端末装置1とセンタ端末装置4との間で、データの授受が行われる。
オペレータ5は、センタ端末装置4を操作して、取引を実行している顧客端末装置1に対して通信網3を介してガイダンスを送れるようになっており、顧客端末装置1は、音声や画像でガイダンスを出力する。そして、顧客端末装置1を操作する顧客2は、センタ端末装置4を操作するオペレータ5から適宜ガイダンスを受けながら申込書等の書類の記入や、記入済、あるいは持参した書類の所定位置へのセットを行う。
【0012】
図3は第1の実施例における顧客端末装置の外観を示す斜視図である。
11は本体キャビネットであり、顧客端末装置1の筐体である。
12はスピーカであり、一連の操作案内およびオペレータからのガイダンス等の音声を顧客に向けて出力するものである。
13は人物カメラであり、顧客端末装置1の前に座った顧客の姿を撮影するためのカメラである。この人物カメラ13で撮影された映像はセンタ端末装置4へ送られる。
【0013】
14は近接センサであり、取引作業を自動的に開始するため、顧客の接近を検知するものである。
15は手元カメラであり、顧客が申込書等の書類に署名したり、取引作業を行ったりする場合に、その手元を撮影するカメラである。この手元カメラ15で撮影された映像はセンタ端末4へ送られる。
【0014】
顧客端末装置1の本体キャビネット11の正面上部に、これらのスピーカ12、人物カメラ13、近接センサ14および手元カメラ15が並べて設けてある。
16は表示部であり、顧客に対するガイダンス等を表示するためのディスプレイである。
17はタッチパネル部であり、表示部16に表示された仮想キーを押すと、その圧力を検出して所定の処理を実行させるものである。
【0015】
18はハンドセットであり、顧客がオペレータの呼び出しを行うためのものである。
19はマイクであり、顧客の声の入力を受けて、センタ端末装置4に送るためのものである。
20は書類記入台であり、水平な面を有して、顧客が申込書に記入したり、契約書に署名したりする場合に用いるものである。
【0016】
21はイメージ読取部であり、申込書等と身分証明書を読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータはセンタ端末4へ送られる。
書類記入台20には開閉可能な蓋201が設けられ、この蓋201の下に、イメージ読取部21が設けられる。
22はカード発行口であり、契約が成立した時、顧客に対してカードを発行するためのものである。
【0017】
23は書類投入取り出し口であり、申込書や契約書等を受け入れたり、契約書や契約書の写し等を受け取って排出するものである。この書類投入取り出し口23は蓋201の奥に位置し、書類投入取り出し口23にセットされた申込書や契約書は、ここでは図示しない搬送路によってイメージ読取部21に搬送され、該イメージ読取部21の所定の位置にセットされてイメージデータの取得が行えるようになっているとともに、イメージ読取部21でイメージデータの取得の終了した申込書や契約書は、該イメージ読取部21から、やはりここでは図示しない搬送路によって回収ボックスに搬送される。
【0018】
また、ここでは図示しない収納ボックスから印字前の契約書等が繰り出されて、イメージ読取部21と回収ボックスを結ぶ搬送路に送り込まれ、該搬送路に設けられる印字機構で印字を行って、書類投入取り出し口23から排出するようになっている。なお、これら書類の処理機構の詳細については後述する。
本体キャビネット11の正面中央部には、これらの表示部16、タッチパネル部17、ハンドセット18、マイク19、書類記入台20、イメージ読取部21、カード発行口22、書類投入取り出し口23が設けられている。
【0019】
図4は第1の実施例における顧客端末装置の構成を示すブロック図である。
221はカード発行部であり、必要事項をカードに例えば磁気記録して発行するものである。このカード発行部221で処理されたカードが、カード発行口22から発行される。
231は書類取込機構であり、書類投入取り出し口23にセットされた申込書や契約書等を取り込み、イメージ読取部21に搬送して所定の位置にセットしたり、イメージ読取部21にある申込書や契約書等を回収ボックスへ搬送する。また、印字前の契約書等を収納ボックスから繰り出し、書類投入取り出し口23に搬送する。
【0020】
232はプリンタ部であり、前記書類取込機構231で搬送される契約書や署名した契約書の写しの印字を行う。
25はマルチメディア通信制御部であり、顧客を撮影した映像や顧客の声等をセンタ端末装置4へ送る制御を行うもので、人物カメラ13、手元カメラ15、マイク19およびハンドセット18が接続されている。
【0021】
28は制御部であり、顧客端末装置1の動作全体を制御するもので、内部には記憶部29が設けられている。この制御部28は、スピーカ12、近接センサ14、表示部16、タッチパネル部17、イメージ読取部21、カード発行部221、書類取込機構231およびプリンタ部232が接続され、また、制御部28にはマルチメディア通信制御部25も接続されている。さらに、制御部28はLAN(Local Area Network)や通信網3に接続されている。なお、イメージ読取部21で取得したイメージデータは、記憶部29に記憶される。
【0022】
図5は第1の実施例におけるセンタ端末装置の外観図である。
オペレータが操作するセンタ端末装置4には、ディスプレイ31、キーボード32、マウス33等を備えた制御部38と、カメラ34、ヘッドセット35、マルチメディア通信装置36、プリンタ37が設けられている。
カメラ34は、オペレータの顔を顧客端末装置1の表示部16に表示させるため、オペレータの顔を撮影する。
【0023】
ヘッドセット35はレシーバ352で顧客の声を聞き、マイク351でオペレータの声を入力する。
マルチメディア通信装置36は、音声や画像を送受信するための装置である。
プリンタ37は、オペレータが必要とする事項を印字して出力する。
図6は第1の実施例におけるセンタ端末装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
制御部38はセンタ端末装置4の動作全体を制御するもので、内部には記憶部39が設けられている。記憶部39には定型フォームの書類のイメージ等のデータが記憶されている。制御部38は、これに接続されるディスプレイ31、キーボード32、マウス33、カメラ34ならびにヘッドセット35が接続されたマルチメディア通信装置36およびプリンタ37を制御する。
【0025】
そして、制御部38はLANに接続され、同じLANに接続される顧客端末装置の制御部や、他の通信網3を介して接続される顧客端末装置の制御部と接続される。
次に、図1を用いて本発明の第1の実施例の詳細について説明する。
41は回収ボックスであり、申込書等を回収して収納しておくものである。
42は第1の搬送路であり、回収ボックス41とイメージ読取部21を結ぶものである。
【0026】
43は第2の搬送路であり、書類投入取り出し口23と第1の搬送路42を結ぶものである。
44は印字機構であり、第1の搬送路42に設けた印字ヘッド等である。
451、452は収納ボックスであり、収納ボックス451は契約書となる用紙を収納し、収納ボックス452は契約書の写しとなる用紙を収納するものである。
【0027】
46は第1の分岐部であり、第1の搬送路42と第2の搬送路43の合流点において申込書等の搬送方向を切り替えるものである。
47は第2の分岐部であり、第1の搬送路42において回収ボックス41への搬送経路と収納ボックス451もしくは収納ボックス452からの搬送経路の合流点において申込書等の搬送方向を切り替えるものである。
【0028】
また、書類取込機構231として、図示しないが、申込書等の繰出しや搬送を行う搬送ローラ、搬送ローラを駆動するためのモータ、申込書等の位置を検出するためのセンサ等を第1の搬送路42および第2の搬送路43に備えている。
前記印字機構44は、印字ヘッドやプラテン等を備えて、制御部28に制御されるプリンタ部232を構成し、収納ボックス451もしくは収納ボックス452から第1の搬送路42に送り込まれたれた契約書もしくは契約書の写しとなる印字前の用紙に印字を行い、契約書あるいは契約書の写しを作成する。また、イメージ読取部21から第1の搬送路42に送り込まれたれた申込書および契約書に文字やバーコード等を印字または印刷(以下、「印字」という。)する。
【0029】
第1の分岐部46は、図示しないブレードとこのブレードの駆動機構等により、イメージ読取部21にある申込書もしくは契約書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向か、回収ボックス41方向に切り替える。
また、第1の分岐部46では、収納ボックス451もしくは収納ボックス452から第1の搬送路42に送り込まれた契約書もしくは契約書の写し、印字機構44で印字した申込書等の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替える。さらに、書類投入取り出し口23にある申込書、契約書、契約書の写しの搬送方向を、取引の進行状況に応じてイメージ読取部21方向か回収ボックス41方向かに切り替える。
【0030】
第2の分岐部47は、図示しないブレードとこのブレードの駆動機構等により、イメージ読取部21から搬送されてきた申込書もしくは契約書の搬送方向を回収ボックス41方向に切り替える。また、この第2の分岐部47は、収納ボックス451もしくは収納ボックス452から繰り出された契約書もしくは契約書の写しが、第1の搬送路42に送り込めるように搬送方向を切り替える。
【0031】
イメージ読取部21は、申込書と免許証等の身分証明書を同時に載せることが可能な大きさを持つ読取面を備える。そして、イメージ読取部21の身分証明書を載せる部分の上には開閉可能な蓋201が設けられ、顧客がアクセス可能となっている。これに対して、イメージ読取部21の申込書を載せる部分の上部は開閉せず、さらに、イメージ読取部21の身分証明書を載せる部分と申込書を載せる部分の間には仕切48を設けることで、イメージ読取部21の申込書を載せる部分には顧客はアクセスできないようにしてある。
【0032】
なお、申込書は、その記入面を上側に向けた状態で書類投入取り出し口23にセットするようにして、顧客が、記入した申込書を書類投入取り出し口23にセットする段階で裏返すという手間を省くようにしている。
また、身分証明書は、その対象が免許証であったり健康保険証であったりと、サイズや厚みが統一されていないので、顧客が直接イメージ読取部21の読取面にセットすることとしてある。顧客が直接イメージ読取部21の読取面に身分証明書をセットできるようにするため、イメージ読取部21の身分証明書が載る部分は、図3に示す書類記入台20の下側に位置する。そして、書類記入台20の蓋201の奥に書類投入取り出し口23があって、かつ、イメージ読取部21の読取面に申込書と身分証明書を並べるために、第2の搬送路43はU字状となっている。
【0033】
次に、上述した構成の作用について説明する。
以下の動作は、顧客が顧客端末装置を操作することで金融機関との間で契約書を交わし、キャッシュカードを発行する場合を例に説明する。図7および図8は第1の実施例における契約処理を示すフローチャートで、図7は顧客が記入した申込書と顧客が持参した身分証明書のイメージデータを取得し、これら書類を返却するまでの処理を示し、図8はこれ以降の動作、すなわち、契約書発行以降の処理を示す。
【0034】
図9は第1の実施の形態における書類の流れを示す説明図で、図1において説明した顧客端末装置における申込書等の書類の搬送経路を矢印A〜Iで示したものである。
以下に、動作を図7および図8のSAで表すステップにしたがって説明する。なお、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない制御部により制御される。
【0035】
顧客2が顧客端末装置1に接近すると、近接センサ14の出力から顧客の接近が検出され、制御部28は表示部16にガイダンスを表示する。
顧客2はガイダンスに従ってタッチパネル部17を操作し、取引項目を選択する。ここでは、キャッシュカードの発行取引が選択されるものとする。また、顧客2は、持参した身分証明書の種類を特定する情報をタッチパネル部17から入力する。顧客2が顧客端末装置1から入力した情報は、通信網3を介してセンタ端末装置4に送信される。
【0036】
SA1:顧客2はガイダンスに従って申込書を作成する。すなわち、顧客2は申込書に必要事項を記入する。なお、顧客2があらかじめ記入済の申込書を持参してもよい。
SA2:顧客2は、記入の終了した申込書の記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする。
SA3:申込書が書類投入取り出し口23にセットされると、図9の矢印Aで示すように、書類取込機構231によりこれを吸入し、イメージ読取部21に送り込む。すなわち、制御部28は、第1の分岐部46において、書類投入取り出し口23からの申込書の搬送方向を、イメージ読取部21方向に切り替え、図示しない搬送ローラを回転させて、書類投入取り出し口23にセットされた申込書を第2の搬送路43および第1の搬送路42によりによりイメージ読取部21に送り込む。
【0037】
申込書がイメージ読取部21の所定の位置に搬送されたと判断すると、制御部28は顧客に対して蓋201を開けて持参した身分証明書をセットするように促すガイダンスを表示部16やスピーカ12を用いて出力する。
SA4:顧客2は、このガイダンスを受けて、蓋201を開け、身分証明書をイメージ読取部21にセットする。
【0038】
ここで、イメージ読取部21の申込書を載せる部分と身分証明書を載せる部分の間には仕切48が設けられているので、身分証明書をイメージ読取部21にセットする際、蓋201を開けても、既に吸入してイメージ読取部21にセットしてある申込書にアクセスすることはできない。顧客2は身分証明書をイメージ読取部21にセットすると、蓋201を閉める。
【0039】
SA5:制御部28は、図示しないセンサの出力から蓋201が閉状態となったことを検出すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を実行する。このとき、申込書と身分証明書の両方を一度に読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した申込書と身分証明書のイメージデータを記憶部39に記憶する。
【0040】
一方、センタ端末装置4側では、送られてきた申込書と身分証明書のイメージデータがディスプレイ31に表示され、オペレータによる確認が行われる。
SA6、SA7:オペレータ5は、ディスプレイ31に表示された申込書のイメージと身分証明書のイメージを見て、顧客2が記入した申込書の内容を確認する(SA6)とともに、身分証明書の位置の確認および内容確認を行う(SA7)。
【0041】
前記SA6の判断で申込書の記入内容に不備があった場合は、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して申込書を返却して、表示部16から申込書の訂正のガイダンスを出力するように指示を出すとともに、ヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して音声によるガイダンスを入力する。
SA8:顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から申込書の返却指示を受けると、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの申込書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替え、図9の矢印Bで示すように、イメージ読取部21にある申込書を、書類取込機構231により書類投入取り出し口23に搬送して排出する。そして、表示部16からガイダンスを出力するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して入力した音声によるガイダンスをスピーカ12から出力する。
【0042】
顧客2は、書類投入取り出し口23から排出された申込書を受け取り、表示部16からの映像によるガイダンスとスピーカ12からの音声によるガイダンスに従い該申込書を修正し、修正の終了した申込書を、記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする(SA2)。修正の終了した申込書が書類投入取り出し口23にセットされると、図9の矢印Aで示すように、書類取込機構231によりこれを吸入し(SA3)、イメージ読取部21に送り込んで、イメージ読取部21により読取動作を実行する(SA5)。このとき、申込書と既にセットしてある身分証明書の両方を一度に読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した申込書と身分証明書のイメージデータを記憶部39に上書き記憶する。
【0043】
前記SA7の判断で身分証明書の位置に不備があった場合は、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して表示部16から身分証明書の位置の訂正のガイダンスを出力するように指示を出すとともに、ヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して音声によるガイダンスを入力する。
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から身分証明書の位置の訂正指示を受けると、表示部16から蓋201を開けて身分証明書をセットし直させるガイダンスを出力するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して入力した音声によるガイダンスをスピーカ12から出力する。
【0044】
このガイダンスを受けて、顧客2は、蓋201を開けて身分証明書をセットし直し、再度蓋201を閉める(SA4)。制御部28は、図示しないセンサの出力から蓋201が閉状態となったことを検出すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を実行する(SA5)。このとき、既に取り込んである申込書とセットし直された身分証明書の両方を一度に読み取ってイメージデータを取得する。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した申込書と身分証明書のイメージデータを記憶部39に上書き記憶する。
【0045】
SA9:申込書の内容に不備がなく、身分証明書の位置にも不備がなければ、契約内容の審査を行う。
SA10:その審査が通ると、契約書の交付手続きに移行するべく、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書の発行を指示する。顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の発行指示を受けると、イメージ読取部21にある申込書を、図9の矢印Cで示すように、書類取込機構231により印字機構44のところに搬送して、プリンタ部232を制御して該印字機構44により、図10(a)に示すように申込書71に「契約成立」72の旨を表記する印字を行う。なお、この「契約成立」72の旨を表記する印字は文字に限られることなく、数字、記号、暗号、イラストまたは略号、符号もしくはバーコード等のコードを使用して印字するようにしてもよい。
【0046】
SA11:また、該印字機構44により、図10(a)に示すように申込書71に番号73を印字するナンバリングを行う。なお、この番号は、次の取引前には自動的にインクリメントされる。
SA12:申込書に番号を印字するナンバリングを行うとその申込書を書類取込機構231により回収ボックス41に搬送して回収する。すなわち、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの申込書の搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、イメージ読取部21にある申込書を第1の搬送路42を搬送させて回収ボックス41に回収する。
【0047】
SA13:また、身分証明書を返却するため、表示部16とスピーカ12からガイダンスを出力して、顧客2に対して身分証明書を受け取るように促す。このガイダンスを受けて、顧客2は蓋201を開け、身分証明書を受け取る。なお、イメージ読取部21の申込書を載せる部分と身分証明書を載せる部分の間には仕切48が設けてあり、蓋201を開けても申込書を差し替える等の不正を行うことはできないので、申込書の回収動作と並行して身分証明書の返却動作を行うことが可能であり、蓋201が開いた時に、申込書がイメージ読取部21に残っている状態が許されるので、処理の高速化が図れるものである。
【0048】
SA14:一方、SA9における審査の結果、契約が成立しないと判断された場合、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して取引の中止を指示する。顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から取引の中止の指示を受けると、イメージ読取部21にある申込書を、図9の矢印Cで示すように、書類取込機構231により印字機構44のところに搬送して、プリンタ部232を制御して該印字機構44により、図10(b)に示すように申込書71に「契約不成立」74の旨を表記する印字を行う。なお、この「契約不成立」74の旨を表記する印字は文字に限られることなく、数字、アルファベット、記号、暗号、イラストまたは略号、符号もしくはバーコード等のコードを使用して印字するようにしてもよい。
【0049】
SA15:また、該印字機構44により、図10(b)に示すように申込書71に番号73を印字するナンバリングを行う。なお、この番号も、次の取引前には自動的にインクリメントされる。
SA16:申込書に番号を印字するナンバリングを行うとその申込書を書類取込機構231により回収ボックス41に搬送して回収する。すなわち、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの申込書の搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、イメージ読取部21にある申込書を第1の搬送路42を搬送させて回収ボックス41に回収する。
【0050】
SA17:また、身分証明書を返却するため、表示部16とスピーカ12からガイダンスを出力して、顧客2に対して身分証明書を受け取るように促す。このガイダンスを受けて、顧客2は蓋201を開け、身分証明書を受け取り、取引を終了する。
SA18:次に、顧客端末装置1の制御部28は、第2の分岐部47において、収納ボックス451から繰り出された契約書となる用紙が、第1の搬送路42に送り込めるように搬送方向を切り替えて、図9の矢印Eで示すように、該収納ボックス451から契約書となる用紙を繰り出し、第1の搬送路42に送り込む。
【0051】
そして、プリンタ部232を制御して、印字機構44により、第1の搬送路42を搬送される契約書となる用紙に必要事項の印字を行って契約書を作成する。そして、第1の分岐部46において、収納ボックス451から第1の搬送路42に送り込まれた契約書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替えて、図9の矢印Fで示すように、契約書を第1の搬送路42から第2の搬送路43に送り込み、書類投入取り出し口23から排出する。
【0052】
ここで、第1の搬送路42の上側に印字機構44を設け、第1の分岐部46により、イメージ読取部21を経由することなく契約書を書類投入取り出し口23に送り込むことで、顧客2には、印字面を上にした状態で契約書を発行できる。
SA19:顧客2はこの契約書を受け取り、署名する。
SA20:そして、顧客2は署名の終了した契約書を、その記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする(SA13)。
【0053】
SA21:契約書が書類投入取り出し口23にセットされると、図9の矢印Aで示すように、書類取込機構231によりこれを吸入し、イメージ読取部21に送り込む。すなわち、制御部28は、第1の分岐部46において、書類投入取り出し口23からの契約書の搬送方向を、イメージ読取部21方向に切り替え、書類投入取り出し口23にセットされた契約書を第2の搬送路43および第1の搬送路42によりによりイメージ読取部21に送り込む。
【0054】
契約書がイメージ読取部21の所定の位置に搬送されたと判断すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を実行する。
SA22:そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した契約書のイメージデータを記憶部39に記憶する。また、取得したイメージデータは、顧客端末装置1の記憶部29にも記憶される。
【0055】
センタ端末装置4側では、送られてきた契約書のイメージデータがディスプレイ31に表示され、オペレータ5による確認が行われる。オペレータ5は、ディスプレイ31に表示された契約書のイメージを見て、顧客2の署名を確認する。
SA23:前記SA22の判断で契約書の署名に不備があった場合は、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書を返却して、表示部16から署名の訂正のガイダンスを出力するように指示を出すとともに、ヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して音声によるガイダンスを入力する。
【0056】
顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の返却指示を受けると、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの契約書の搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替え、図9の矢印Bで示すように、イメージ読取部21にある契約書を、書類取込機構231により書類投入取り出し口23に搬送して排出する。
そして、表示部16からガイダンスを出力するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5自身が顧客2に対して入力した音声によるガイダンスをスピーカ12から出力する。
【0057】
顧客2は、書類投入取り出し口23から排出された契約書を受け取り、表示部16からの映像によるガイダンスとスピーカ12からの音声によるガイダンスに従い該契約書の署名を修正し、修正の終了した契約書を、記入面を上にした状態で書類投入取り出し口23にセットする(SA20)。修正の終了した契約書が書類投入取り出し口23にセットされると、図9の矢印Aで示すように、書類取込機構231によりこれを吸入し、イメージ読取部21に送り込んで、イメージ読取部21により読取動作を実行する(SA21)。そして、取得したイメージデータをセンタ端末装置4に送信し、センタ端末装置4の制御部38は、受信した契約書のイメージデータを記憶部39に上書き記憶する。
【0058】
SA24:前記SA22の判断で契約書の署名に不備がなければ、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書の回収および契約書の写しの発行を指示する。顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の回収および契約書の写しの発行指示を受けると、まず、イメージ読取部21にある契約書を、図9の矢印Cで示すように、書類取込機構231により印字機構44のところに搬送して、プリンタ部232を制御して該印字機構44により、図10(c)に示すように契約書75に前記回収した申込書に印字した番号と同じ番号73を印字するナンバリングを行う。
【0059】
SA25:契約書に番号を印字するナンバリングを行うとその契約書を書類取込機構231により回収ボックス41に搬送して回収する。すなわち、第1の分岐部46において、イメージ読取部21からの契約書の搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、イメージ読取部21にある契約書を第1の搬送路42を搬送させて回収ボックス41に回収する。
【0060】
SA26:次に、顧客端末装置1の制御部28は、第2の分岐部47において、収納ボックス452から繰り出された契約書の写しとなる用紙が、第1の搬送路42に送り込めるように搬送方向を切り替えて、図9の矢印Gで示すように、該収納ボックス452から契約書の写しとなる用紙を繰り出し、第1の搬送路42に送り込む。そして、記憶部29に記憶してある契約書のイメージデータを用い、プリンタ部232を制御して印字機構44により、第1の搬送路42を搬送される契約書の写しとなる用紙に必要事項の印字を行って契約書の写しである契約書の控えを作成する。そして、第1の分岐部46において、収納ボックス452から第1の搬送路42に送り込まれた契約書の写しの搬送方向を、書類投入取り出し口23方向に切り替えて、図9の矢印Fで示すように、契約書の写しを第1の搬送路42から第2の搬送路43に送り込み、書類投入取り出し口23から排出し、顧客2に契約書の写しを発行する。
【0061】
SA27:さらに、カード発行部221を制御してカードに必要事項を記憶し、カード発行口22から発行する。顧客が書類投入取り出し口23から契約書の写しを受け取り、カード発行口22からカードを受け取ると、キャッシュカードの発行取引が終了する。
ここで、制御部28は、近接センサ14の出力から顧客2が顧客端末装置1から離れたと判断してから一定時間が経過しても、図示しないセンサの出力から契約書の写しが書類投入取り出し口23にあると、顧客2が契約書の写しを取り忘れたものと判断し、第1の分岐部46において書類投入取り出し口23にある契約書の写しの搬送方向を、回収ボックス41方向に切り替え、書類投入取り出し口23にある契約書の写しを、図9の矢印HおよびIで示すように第2の搬送路43および第1の搬送路42を搬送させて回収ボックス41に回収する。
【0062】
なお、顧客2が契約途中で顧客端末装置1から離れてしまい、申込書もしくは契約書が書類投入取り出し口23に残ってしまった場合も、上述した契約書の写しの回収動作と同様にして、回収ボックス41に回収する。これにより、顧客端末装置1を後から利用する顧客に前に利用していた顧客の申込書、契約書あるいは契約書の写しを使用されることはない。
【0063】
以上説明したように、第1の実施例では、申込書に「契約成立」または「契約不成立」の旨の表記を印字して回収ボックスに取り込むことにより、金融機関の係員等は申込書の仕分け作業をする際、申込書に印字された「契約成立」または「契約不成立」の別を一目で判断することができるようになり、仕分け作業が容易に行なえるようになるという効果が得られる。

次に第2の実施例を説明する。
【0064】
図11は第2の実施例における無人取引システムの構成を示すブロック図である。この第2の実施例における無人取引システムの構成は第1の実施例における無人取引システムの構成に対して光学読取自動仕分け装置を付加したものである。
なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0065】
図11において、50は光学読取自動仕分け装置であり、顧客操作端末1で回収した申込書および契約書に印字された情報を読み取り、その情報にしたがって申込書および契約書を仕分けるものである。
この光学読取自動仕分け装置50を図12の第2の実施例における光学読取自動仕分け装置の構成を示す説明図、図13の第2の実施例における光学読取自動仕分け装置の構成を示すブロック図で説明する。
【0066】
図12において、51は書類取込み部であり、申込書および契約書等の書類を集積する部位を備え、その部位に集積された書類を図示しない分離ローラや搬送ローラ等により1枚ずつ分離し、繰出し装置内へ送り込むものである。
52は光学読取部であり、バーコードリーダ等で構成され、書類取込み部51から送り込まれた書類に印字されたバーコードや二次元コード等を読み取るものである。
【0067】
53は書類搬送路であり、搬送ローラ等で構成されたものである。この書類搬送路53は、書類取込み部51と後述する契約成立書類仕分け集積部および契約不成立種類集積部を結び書類を書類取込み部51から契約成立書類仕分け集積部または契約不成立種類集積部へ搬送するものである。
54は切替ブレードであり、書類搬送路53上の分岐点に設けられ書類の搬送先を切り替えるものである。
【0068】
55は契約成立書類仕分け集積部であり、光学読取部52で読み取った結果、契約が成立したと判断され、書類搬送路53により搬送された書類を集積する部位である。この契約成立書類仕分け集積部55は複数の集積する部位を備え、光学読取部52で読み取った情報により書類を分類して集積することができる。なお、本実施例では、12段の集積する部位を備えたものを図示するが12段に限られるものでなく、12段未満のもの、または、13段以上のものであってもよい。
【0069】
56は契約不成立書類集積部であり、光学読取部52で読み取った結果、契約が不成立したと判断され、書類搬送路53により搬送された書類を集積する部位である。
図13において、61は操作部であり、係員等が所定の処理を実行する指令を入力するものである。
62は表示部であり、係員等の操作を誘導するガイダンス等を表示するディスプレイである。
【0070】
63は搬送部であり、切替ブレード54を切替えて書類取込み部51に集積された書類を所定の契約成立書類仕分け集積部または契約不成立種類集積部へ搬送するための制御を行うものである。
65は制御部であり、操作部61、表示部62、搬送部63、光学読取部52、記憶部66および図示しない通信回線を介して他の装置と行う通信制御を含め光学読取自動仕分け装置50全体を制御するものである。なお、記憶部66はメモリや磁気ディスクおよび取外し可能な記憶媒体等で構成され、この記憶部66に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)により光学読取自動仕分け装置50全体を制御する。
【0071】
次に、上述した構成の作用について説明する。
以下の動作は、顧客が顧客端末装置を操作することで金融機関との間で契約書を交わし、キャッシュカードを発行する場合を例に説明する。図14および図15は第2の実施例における契約処理を示すフローチャートで、図14は顧客が記入した申込書と顧客が持参した身分証明書のイメージデータを取得し、これら書類を返却するまでの処理を示し、図15はこれ以降の動作、すなわち、契約書発行以降の処理を示す。
【0072】
以下に、動作を図14および図15のSBで表すステップにしたがって説明する。なお、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない制御部により制御される。
顧客2が顧客端末装置1に接近すると、近接センサ14の出力から顧客の接近が検出され、制御部28は表示部16にガイダンスを表示する。
【0073】
顧客2はガイダンスに従ってタッチパネル部17を操作し、取引項目を選択する。ここでは、キャッシュカードの発行取引が選択されるものとする。また、顧客2は、持参した身分証明書の種類を特定する情報をタッチパネル部17から入力する。顧客2が顧客端末装置1から入力した情報は、通信網3を介してセンタ端末装置4に送信される。
SB1〜SB9:SA1〜SA9と同様である。
【0074】
SB10:その審査が通ると、契約書の交付手続きに移行するべく、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書の発行を指示する。顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の発行指示を受けると、イメージ読取部21にある申込書を、図9の矢印Cで示すように、書類取込機構231により印字機構44のところに搬送して、プリンタ部232を制御して該印字機構44により、申込書71に「契約成立」およびナンバリングの番号を意味するバーコードを印字する。なお、このバーコードに替えて図16(a)に示すように「契約成立」およびナンバリングの番号のふたつの情報を含む二次元コード76を印字するようにしてもよい。
【0075】
SB11〜SB13:SA11〜SA13と同様である。
SB14:一方、SB9における審査の結果、契約が成立しないと判断された場合、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して取引の中止を指示する。顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から取引の中止の指示を受けると、イメージ読取部21にある申込書を、図9の矢印Cで示すように、書類取込機構231により印字機構44のところに搬送して、プリンタ部232を制御して該印字機構44により、申込書71に「契約不成立」およびナンバリングの番号を意味するバーコードを印字する。なお、このバーコードに替えて図16(b)に示すように「契約不成立」およびナンバリングの番号のふたつの情報を含む二次元コード76を印字するようにしてもよい。
【0076】
SB15〜SB23:SA15〜SA23と同様である。
SB24:SB22の判断で契約書の署名に不備がなければ、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して契約書の回収および契約書の写しの発行を指示する。顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から契約書の回収および契約書の写しの発行指示を受けると、まず、イメージ読取部21にある契約書を、図9の矢印Cで示すように、書類取込機構231により印字機構44のところに搬送して、プリンタ部232を制御して該印字機構44により、契約書75に前記回収した申込書に印字したナンバリングの番号と同じ番号を意味するバーコードを印字する。なお、このバーコードに替えて図16(c)に示すようにナンバリングの番号の情報を含む二次元コード76を印字するようにしてもよい。
【0077】
SB25〜SB28:SA24〜SA27と同様である。
なお、上述した動作において、印字するバーコードの種類、印字内容の暗号化、印字位置等はタッチパネル部17から入力して記憶部29に記憶することにより任意に設定できるものとする。
また、センタ端末装置4からの指示により、契約者または申込者の氏名、契約者または申込者の性別、契約者または申込者の生年月日、契約者または申込者の住所、契約者または申込者の電話番号、契約者または申込者の勤務先、契約者または申込者の自動車運転免許証番号、契約者または申込者の保険証番号、契約の種類、契約の内容、契約または申込の日時、契約または申込の店舗等の申込書および契約書の記入項目の内容の契約者情報をバーコードにして印字することができるものとする。
【0078】
次に、書類仕分け処理に使用する光学読取自動仕分け装置の動作について説明する。
係員は顧客端末装置1の回収ボックス41に回収された申込書または契約書である書類を光学読取自動仕分け装置50の書類取込み部51に集積させる。
係員により操作部61の開始キーが押下されると、書類取込み部51は図示しない分離ローラにより集積された書類を1枚ずつ分離し、図示しない搬送ローラにより分離された書類を書類搬送路53へ送り込む。
【0079】
書類搬送路53へ送り込まれた書類は光学読取部52へ搬送され、光学読取部52は書類に印字されているバーコードから契約の成立または不成立の別および契約識別情報である番号を読み取る。
契約が成立している場合、読み取った番号に分類して契約成立書類仕分け集積部55へ搬送して集積させる。例えば、読み取った番号が同一の申込書と契約書をひとつの契約成立書類仕分け集積部55へ搬送して集積させる。これにより、契約が成立している同一の番号が付与された申込書と契約書を対応付けて仕分けすることができる。
【0080】
契約が成立していない場合、契約不成立書類集積部56へ搬送して集積させる。これにより、契約が成立していない書類を一括して集積させておくことができる。
上述した動作を書類取込み部51に集積された書類がなくなるまで繰り返して行う。
このようにして書類取込み部51に集積された書類を仕分ける動作を行う。
なお、上述したバーコードまたは二次元コードに、例えば、契約の種類、契約者または申込者の性別等の情報を含ませることにより契約の種類、契約者または申込者の性別毎に分類することもできる。
【0081】
また、書類に印刷されたバーコードから読取った情報を記憶部66へ記憶させ、センタ端末4に備えられたデータベースに記憶した契約情報と照合させることもできる。
さらに、顧客端末装置1に光学読取部52、書類搬送路53、契約成立書類仕分け集積部55、契約不成立種類集積部56等を備え、種類を仕分けるようにしてもよい。
以上説明したように、第2の実施例では、顧客操作端末で申込書および契約書等の書類に「契約成立」または「契約不成立」の情報および番号等をバーコード化して印刷し、それを光学読取自動仕分け装置で読取り、分類することで係員が行う書類の仕分け作業が軽減されるという効果が得られる。

次に第3の実施例を説明する。
【0082】
なお、第3の実施例の構成は第2の実施例と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
第3の実施例の作用について説明する。
以下の動作は、顧客が顧客端末装置を操作することで金融機関との間で契約書を交わし、キャッシュカードを発行する場合を例に説明する。図17および図18は第3の実施例における契約処理を示すフローチャートで、図17は顧客が記入した申込書と顧客が持参した身分証明書のイメージデータを取得し、これら書類を返却するまでの処理を示し、図18はこれ以降の動作、すなわち、契約書発行以降の処理を示す。
【0083】
以下に、動作を図17および図18のSCで表すステップにしたがって説明する。なお、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない制御部により制御される。
顧客2が顧客端末装置1に接近すると、近接センサ14の出力から顧客の接近が検出され、制御部28は表示部16にガイダンスを表示する。
【0084】
顧客2はガイダンスに従ってタッチパネル部17を操作し、取引項目を選択する。ここでは、キャッシュカードの発行取引が選択されるものとする。また、顧客2は、持参した身分証明書の種類を特定する情報をタッチパネル部17から入力する。顧客2が顧客端末装置1から入力した情報は、通信網3を介してセンタ端末装置4に送信される。
SC1〜SC13:SA1〜SA13と同様である。
【0085】
SC14:SC9における審査の結果、契約が成立しないと判断された場合、オペレータ5はキーボード32やマウス33を操作して、顧客端末装置1に対して取引の中止を指示する。顧客端末装置1の制御部28は、センタ端末装置4から取引の中止の指示を受けると、イメージ読取部21にある申込書を、図9の矢印Bで示すように、書類取込機構231により書類挿入取り出し口23に搬送し、その後、図9の矢印Hで示すように、書類取込機構231により印字機構44のところに搬送して、プリンタ部232を制御して該印字機構44により、図19(a)に示すように申込書71に印字された氏名、生年月日、住所、電話番号、勤務先および趣味等の契約者情報を図19(b)に示すように黒く塗りつぶす印字を行う。
【0086】
ここで、黒く塗りつぶす印字を行う領域は、記憶部29に予め設定された所定の位置であるものとする。
SC15:申込書に印字された氏名、生年月日、住所、電話番号、勤務先および趣味等の契約者情報を黒く塗りつぶす印字を行うと図9の矢印Fで示すように申込書を書類投入取り出し口23へ搬送し、その後、図9の矢印Aで示すように申込書をイメージ読取部21に送り込む。制御部28は、申込書71がイメージ読取部21の所定の位置に搬送されたと図示しないセンサ等で判断すると、イメージ読取部21を制御して読取動作を行う。
【0087】
SC16:制御部28はイメージ読取部21で読み取った申込書のイメージデータを表示部16に表示するとともに、センタ端末装置4のヘッドセット35からオペレータ5が顧客2に対して音声により「申込書に記入した内容を消去した」旨を入力する。
SC17:顧客2が申込書に記入した内容が黒く塗りつぶされ消去されたことを確認し、顧客2によりタッチパネル部17の確認キー等が押下されるとイメージ読取部21にある申込書を、図9の矢印Cで示すように、書類取込機構231により印字機構44のところに搬送して、プリンタ部232を制御して該印字機構44により、申込書71に「契約不成立」およびナンバリングの番号を意味するバーコードを印字する。なお、このバーコードに替えて図19(b)に示すように「契約不成立」およびナンバリングの番号のふたつの情報を含む二次元コード76を印字するようにしてもよい。
【0088】
SC18〜SC20:SB15〜SB17と同様である。
SC21〜SC31:SB18〜SB28と同様である。
なお、上述したバーコードまたは2次元コードに申込書の記入内容である契約者または申込者の氏名、生年月日等の契約者情報を含ませ、そのバーコードまたは2次元コードを読み取ることで申込書に記入した内容を復元することもできる。ただし、申込書の記入内容をバーコード等に印字する場合、暗号化等して第三者に判読させないようにする。
【0089】
以上説明したように、第3の実施例では、契約が不成立の申込書を回収しても、その記入した内容を消去しているため、金融機関側は顧客でない非契約者の個人情報を紙面で保有することがなくなり、個人情報の漏洩を防止し、また、個人情報の管理等から開放されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】第1の実施例における顧客端末装置の説明図
【図2】第1の実施例における無人取引システムの構成を示すブロック図
【図3】第1の実施例における顧客端末装置の外観を示す斜視図
【図4】第1の実施例における顧客端末装置の構成を示すブロック図
【図5】第1の実施例におけるセンタ端末装置の外観図
【図6】第1の実施例におけるセンタ端末装置の構成を示すブロック図
【図7】第1の実施例における契約処理を示すフローチャート
【図8】第1の実施例における契約処理を示すフローチャート
【図9】第1の実施例における契約処理の動作を示す説明図
【図10】第1の実施例における申込書および契約書の説明図
【図11】第2の実施例における無人取引システムの構成を示すブロック図
【図12】第2の実施例における光学読取自動仕分け装置の構成を示す説明図
【図13】第2の実施例における光学読取自動仕分け装置の構成を示すブロック図
【図14】第2の実施例における契約処理を示すフローチャート
【図15】第2の実施例における契約処理を示すフローチャート
【図16】第2の実施例における申込書および契約書の説明図
【図17】第3の実施例における契約処理を示すフローチャート
【図18】第3の実施例における契約処理を示すフローチャート
【図19】第3の実施例における申込書の説明図
【符号の説明】
【0091】
1 顧客操作端末
2 顧客
3 通信網
4 センタ端末装置
5 オペレータ
11 本体キャビネット
12 スピーカ
13 人物カメラ
14 近接センサ
15 手元カメラ
16 表示部
17 タッチパネル部
18 ハンドセット
19 マイク
20 書類記入台
21 イメージ読取部
22 カード発行口
221 カード発行部
23 書類投入取り出し口
231 書類取り込み機構
232 プリンタ部
25 マルチメディア制御部
28 制御部
29、39、66 記憶部
31 ディスプレイ
32 キーボード
33 マウス
34 カメラ
35 ヘッドセット
36 マルチメディア通信装置
37 プリンタ
38 制御部
41 回収ボックス
42 第1の搬送路
43 第2の搬送路
44 印字機構
451、452 収納ボックス
46 第1の分岐部
47 第2の分岐部
50 光学読取自動仕分け装置
51 書類取込み部
52 光学読取部
53 書類搬送路
54 切替ブレード
55 契約成立書類仕分け集積部
56 契約不成立書類集積部
61 操作部
62 表示部
63 搬送部
65 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージ読取部により申込書のイメージデータを取得し、このイメージデータを上位装置に送信して該上位装置から契約の成否の情報を受信し、その情報が契約成立のとき、該申込書および印字機構で契約内容を印字した契約書を回収ボックスに取り込むとともに、その契約書と同一内容を印字した契約書の控えを顧客に発行し、契約不成立のとき、該申込書を回収ボックスに取り込む顧客端末装置において、
前記印字機構を、イメージ読取部と回収ボックスを結ぶ搬送路に設け、
前記上位装置から受信した契約の成否の情報にしたがって前記印字機構で申込書に契約の成否を示す印字を行うようにしたことを特徴とする顧客端末装置。
【請求項2】
請求項1の顧客端末装置において、
前記申込書に契約の成否を示す印字に替え、または加え、契約の成否の情報および該申込書に付与した番号をバーコードとして印字し、
前記契約書に、該申込書に付与した番号と同一番号をバーコードとして印字するようにしたことを特徴とする顧客端末装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の顧客端末装置において、
前記契約の成否を示す印字を、文字、数字、記号、暗号、イラストまたは略号、符号もしくはバーコード等のコードを印字して行うようにしたことを特徴とする顧客端末装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3の顧客端末装置において、
前記契約不成立のとき、該申込書に記入された顧客の氏名や生年月日等の契約者情報の全部または一部を塗りつぶす印字を行うようにしたことを特徴とする顧客端末装置。
【請求項5】
顧客が記入した申込書のイメージデータを受信し、そのイメージデータを表示するセンタ端末装置と、イメージ読取部により該申込書のイメージデータを取得し、このイメージデータをセンタ端末装置に送信して該センタ端末装置から契約の成否の情報を受信し、その情報が契約成立のとき、該申込書および印字機構で契約内容を印字した契約書を回収ボックスに取り込みむとともに、その契約書と同一内容を印字した契約書の控えを顧客に発行し、契約不成立のとき、該申込書を回収ボックスに取り込む顧客端末装置とを備えた無人取引システムにおいて、
前記センタ端末装置から受信した契約の成否の情報にしたがって該申込書に契約の成否を印字して回収ボックスに取り込むようにした顧客端末装置を備えたことを特徴とする無人取引システム。
【請求項6】
契約の成否および番号等の契約識別情報がバーコードとして印字された契約書および申込書等の書類を取り込む書類取込み部と、
契約が成立した書類を契約識別情報で分類して集積する契約成立書類仕分け集積部と、
契約不成立の書類を集積する契約不成立書類集積部と、
前記書類取込み部と契約成立書類仕分け集積部および契約不成立書類集積部とを結び書類を搬送する書類搬送路と、
前記搬送路上に設けた搬送先を切り替える切替ブレードと、
前記書類搬送路に設けた書類に印字されたバーコードを読み取る光学読取部とを備え、
前記書類取込み部に投入された書類を前記搬送路で搬送し、該書類に印字されたバーコードを光学読取部で読取り、その読み取った情報にしたがって前記搬送路の切替ブレードを切り替え、該書類を分類して前記契約成立書類仕分け集積部または契約不成立書類集積部に集積させるようにしたことを特徴とする光学読取自動仕分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−52686(P2007−52686A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238188(P2005−238188)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】