説明

風力発電装置群の制御システム及び制御方法

【課題】ウィンドファームから電力系統へ出力される電力の変動を抑制する風力発電装置群の制御システム及び制御方法を提供する。
【解決手段】電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システム1と、少なくとも1台の蓄電システム2を備えて構成される風力発電装置群100の制御システムであって、前記複数台のそれぞれの風力発電システム1及び蓄電システム2に設けられて通信ネットワーク6を介し前記複数台の風力発電システム1のそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御装置31、32と、前記通信ネットワーク6介して前記個別制御装置31、32からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システム1のそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御装置40と、を備え、前記集中制御装置40から前記複数台の風力発電システム1にそれぞれ送信される出力制限値に応じて前記風力発電装置群100の運転を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風のエネルギーを利用して発電した電力を、電力系統に供給する風力発電装置、および複数の風力発電装置から構成されるウィンドファームの風力発電装置群の制御システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策の一つとして、風力発電の導入が世界的に盛んになっている。風力発電の大量導入にあたっては、費用対効果の観点から一定の地域に複数台の風力発電装置を設け、それらの風力発電装置群を統括して制御し運用するウィンドファームとして設置されることが多くなっている。
これまで、ウィンドファームに関して特許文献1などの提案がなされている。特許文献1では、ウィンドファームに蓄電システムを併設し、ウィンドファームの変動する発電電力を、蓄電システムの充放電と、風力発電システムに対する電力制限を組み合わせて、電力系統に流出する電力変動を緩和する手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−79559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気象状況により発電出力が変動する風力発電装置(ウィンドファーム、風力発電装置群)の電力系統への導入が多くなるにつれて、その導入が将来さらに増えた場合の電力系統の電圧や、周波数の維持に関する影響が懸念されている。
電力系統における周波数の維持について言えば、これまでも各地域の電力会社が、主として需要の変動に対して種々の電源を組み合わせて需要と供給をバランスさせてきた。風力発電が電力系統に大量に連系された場合、従来の需要にいわばマイナスの負荷が重畳されることになる。需要の変動と風力発電出力の組み合わせによっては、これまで以上に高い需給調整能力が必要になると予測される。
【0005】
需要変動は、変化幅の小さい種々の振幅と周期を持った脈動成分や不規則な変動が重畳したものと考えられ、その成分は周期が数分までの微小変動、数分から10数分程度までの短周期変動、10数分以上の長周期変動の主要な3成分に分けられる。
風力発電の発電出力においても同様に前述の3成分が含まれる。
前記の需要変動に対して、周期が数分程度までの微小変動は、発電所の調速機を利用したガバナーフリー運転により調整が可能である。
周期が数分から10数分程度までの短周期変動に対しては、周波数偏差等を検出して周波数調整発電所の発電機出力を変化させており、これを負荷周波数制御(LFC:load frequency control)と呼んでいる。
周期がそれ以上長い長周期変動に対しては、経済性を考慮して各発電所に発電指令を送ることにより調整を行っており、これを経済負荷配分制御(ELD:economic load dispatching control)と呼んでいる。
【0006】
風力発電を大量に導入した場合、特に問題になるのは前記負荷周波数制御(LFC)である。風力発電出力の変動が需要(負荷)変動に重畳された場合、周波数調整発電所の設備容量が不足することが考えられる。しかし、単純に周波数調整発電所の設備容量を大きくすることは経済的負担が大きく、何らかの代替手段が必要となる問題がある。
これまで、特許文献1に開示されているように、ウィンドファームに蓄電システムを併設し、風力発電装置群と蓄電システムの出力電力の和、つまりウィンドファームの合計出力の変動が所定の範囲内に収まるように、風力発電システムの電力制限指令と蓄電システムの充放電電力とを組み合わせて制御する手段がある。
しかしながら、蓄電システムを併設するための経済的負担は大きく、特許文献1で示されているように気象予報により未来の風力発電システム出力が急減することを予測し、出力急減の直前に蓄電システムの充電率SOC(state of charge)を100%とすることで、蓄電システムの容量を有効に使う制御を行うとしても、想定される出力急減に備えた容量の蓄電システムを設置する必要があるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は前記の事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、ウィンドファームから電力系統へ出力される電力の変動を抑制する風力発電装置群の制御システム及び制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明を以下のように構成した。
すなわち、本発明の風力発電装置群の制御装置は、電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムと、少なくとも1台の蓄電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御システムであって、前記複数台のそれぞれの風力発電システム及び蓄電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御装置と、前記通信ネットワークを介して前記個別制御装置からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御装置と、を備え、前記集中制御装置から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする。
また、本発明の風力発電装置群の制御方法は、電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムと、少なくとも1台の蓄電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御方法であって、前記複数台のそれぞれの風力発電システム及び蓄電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御手段と、前記通信ネットワークを介して前記個別制御手段からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御手段と、を備え、前記集中制御手段から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上、本発明によれば、ウィンドファームから電力系統へ出力される電力の変動を抑制する風力発電装置群の制御システム及び制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の風力発電装置群の制御システムの第1実施形態の装置構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に備えた集中制御装置の内部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に備えた集中制御装置の風車出力制御部の動作を説明する図であり、(a)は動作例を示すフローチャート、(b)は風況分析手段で生成するテーブルのサンプル、(c)は風力発電システムの出力特性カーブ、(d)は平均風速と調整用風車台数の関係を示したテーブルのサンプルである。
【図4】従来技術である調整用風車グループ制御がない場合に、風車出力の急減が発生した場合の、風力発電システム及び蓄電システムの動作を模式的に表した図である。(a)は風力発電システムの合計出力、(b)は蓄電システムの合計充放電出力、(c)は風力発電システムと蓄電システムを合わせたウィンドファームの合計出力を示している。
【図5】本発明の第1実施形態において、調整用風車グループ制御を適用した場合の効果を模式的に表した図である。(a)は通常風車グループに属する風力発電システムの合計出力、(a’)は調整用風車グループに属する風力発電システムの合計出力、(b)は蓄電システムの合計充放電出力、(c)はウィンドファームの合計出力を示している。
【図6】本発明の風力発電装置群の制御装置の第2実施形態の装置構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態を適用した際の効果を示す模式図である。(a)は通常風車出力合計(%)、(a’)は調整用風車出力合計(%)、(b)はウィンドファーム出力合計(%)を示している。
【図8】本発明の風力発電装置群の制御システムの第3実施形態の装置構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
なお、以下においては、ウィンドファームの制御装置のみならず制御方法の説明も兼ねる。
【0012】
(第1実施形態)
本発明の風力発電装置群の制御システムの第1実施形態について説明する。
【0013】
≪風力発電装置群の制御システムの装置構成・第1実施形態≫
図1は、本発明の風力発電装置群の制御システムの第1実施形態の装置構成を示すブロック図である。
図1において、ウィンドファーム(風力発電装置群)100は電力系統7に一箇所で接続されており、電力系統7とウィンドファーム100から需要家8に対して電力を供給している。
ウィンドファーム100は、複数の風力発電システム1と、蓄電システム2と、風車個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)31と、蓄電池個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)32と、集中制御装置(集中制御手段)40と、前記した個別制御装置31、32と集中制御装置40とを相互に接続する通信ネットワーク6と、を備えて構成されている。
なお、複数ある風力発電システム1は、稼動時の風力に応じて発電する通常風車グループ10と、風力が所定値よりある通常時は発電量を制限され、風力が弱くなったとき、通常風車グループ10の発電量の低下を補うように、制限を緩和される調整用風車グループ20とがある。
また、個別制御装置31、32と集中制御装置40とを含んで風力発電装置群の制御システムが構成される。
【0014】
風力発電システム1は、回転速度、及びピッチが可変、かつ、制御可能な風力発電装置であって、送電線9により電力系統7に接続されており、需要家8に対して電力を供給する。
蓄電システム2は、例えばリチウムイオン蓄電池や鉛蓄電池等の二次電池で構成され、送電線9により電力系統7に接続されており、複数ある風力発電システム1の電力供給量が需要家8の電力需要量を上回るときは蓄電し、複数ある風力発電システム1の電力供給量が需要家8の電力需要量を下回るときは、需要家8に対して電力を供給する。
また、蓄電システム2は、複数ある風力発電システム1の電力供給量が、例えば前記電力供給量の移動平均値で表される電力目標値を上回るときは蓄電し、前記目標値を下回るときは、放電する。
なお、前記二次電池の種類は、ナトリウム硫黄電池や、その他の種類の二次電池であっても本発明の効果は変わらない。また、二次電池以外の例えばキャパシタ、フライホイール等の蓄電可能な装置あるいはそれらの組み合わせであっても同様である。
また、図1において、風力発電システム1と同じ図形による記号がウィンドファーム100に複数個が表記されているが、それらも風力発電システム1である。また、蓄電システム2についても同じ図形による記号がウィンドファーム100に複数個が表記されているが、それらも蓄電システム2である。
【0015】
風車個別制御装置31は、所定のタイミング毎に、対応する風力発電装置の風速と発電出力を含むデータを、通信ネットワーク6を介して集中制御装置40に送信する。さらに、集中制御装置40からの出力制限指令に従って、対応する風力発電装置の出力上限値を制御する。
蓄電池個別制御装置32は、所定のタイミング毎に、対応する蓄電システム2の充電率SOCと、充放電出力を含むデータを、通信ネットワーク6を介して集中制御装置40に送信する。さらに、集中制御装置40からの充放電指令に従って、対応する蓄電システム2の充放電電出力を制御する。
【0016】
≪集中制御装置の構成≫
図2は、集中制御装置40の内部の構成を示すブロック図である。
集中制御装置40は、送受信手段70と、風車出力制御部41と、蓄電池充放電制御部42と、を備えている。
送受信手段70は、通信ネットワーク6を介して、ウィンドファーム100(図1)内の複数台の風力発電システム1から送付される風速、発電出力等の運転情報を受信する。
【0017】
風車出力制御部41は、それぞれの風力発電システム1から取得したウィンドファーム100内の各風車位置の風速分布を分析する風況分析手段411と、前記運転情報と風況分析手段411から取得した風速を所定時間平均するなどして、ウィンドファーム100内の各風車位置の風速分布を分析した風況から出力の大きい少なくとも1台の風力発電システム1を調整用風車グループ20として設定する調整用風車グループ決定手段412と、調整用風車グループ20の発電出力の制限値を決定する出力制限値決定手段413と、出力制限値を前記調整用風車グループ20に指令する出力制限値指令手段414と、前記運転情報に含まれる発電出力から風力発電システム1の出力の急減を検出する出力急減検出手段415と、前記出力の急減を検出すると、前記調整用風車グループ20の出力制限値を緩和する出力制限値緩和手段416と、を備えている。
【0018】
蓄電池充放電制御部42は、前記運転情報に含まれる発電出力の変動を記録し、一定期間の発電出力の最大値、最小値から発電出力の変動を分析する風車出力変動分析手段421と、前記発電出力の変動から、前記風力発電装置群のウィンドファーム出力目標値を決定するウィンドファーム出力目標値決定手段422と、前記ウィンドファーム出力目標値と前記発電出力の偏差に応じて蓄電システム2(図1)の充放電量を決定する蓄電装置充放電量決定手段423と、を備えている。
なお、ウィンドファーム出力目標値決定手段(422)は図2において、「WF出力目標値決定手段」(422)と表記されている。
【0019】
≪風車出力制御部の動作のフローチャート≫
図3は、風車出力制御部41(図2)の動作を説明する図である。
図3(a)は、風車出力制御部41の動作例を示すフローチャートである。
図3(b)は、風況分析手段411で生成する各風車の風速計測値の過去1時間の平均から、風速順のテーブルT1を生成したサンプル例である。
図3(c)は、過去に発生したことのある風力発電システムの出力急減と、その直前の合計出力との関係を記録した特性カーブT2の特性図である。
図3(d)は、ウィンドファーム内の平均風速と、調整用風車台数の関係を示したテーブルT3のサンプル例である。
【0020】
風況分析手段411によって、ステップS301、ステップS302を行う。
まず、風況分析手段411で、各風車で計測している風速計測値の過去1時間の平均から、ウィンドファーム100内の風況分布のテーブルT1(図3(b))を生成する(ステップS301)。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS301は「風速順のテーブルT1の生成」と簡略化して表記している。
【0021】
さらに、風況分析手段411で、過去に発生したことのある風力発電システム1の出力急減と、その直前の合計出力との関係を記録した特性カーブT2(図3(c))から、現在の風力発電システム1の合計出力で発生しうる最大の出力急減の値を推定する(ステップS302)。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS302は「発生しうる最大の出力急減の推定」と簡略化して表記している。
【0022】
出力急減検出手段415によって、ステップS303を行う。
出力急減検出手段415で、複数の風力発電システム1の合計出力を計測し、例えば1分前の合計出力からの偏差ΔPmaxが、複数の風力発電システム1の合計定格出力の10%以上の減少となったか否かを検出し、判定する(ステップS303)。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS303は「出力急減発生、ΔPmax<−10%?」と簡略化して表記している。
偏差ΔPmaxが、風力発電システム合計定格出力の10%以上の減少となった場合を出力急減発生(Yes)と判定し、10%以上の減少とならない場合を出力急減が発生せず(No)と判定する。
【0023】
出力急減が発生していない場合(ステップS303でNo)は、調整用風車グループ決定手段412において、事前に設定しておいたウィンドファーム100内の平均風速と、調整用風車台数の関係を示したテーブルT3(図3(d))に基づいて、風速順のテーブルT1の風速の高い風車から、決められた台数の風車を、調整用風車として設定し、残りを通常風車として設定する(ステップS304)。
すなわち、調整用風車は時々刻々変化する風況に合わせて、位置と台数を動的に変化させる。
【0024】
なお、地形的に定常的に風速の強い風車が決まっているウィンドファーム100などでは、調整用風車グループ20とする風車(風力発電システム1)の位置と台数を固定することも可能である。ただし、このような場合には、調整用風車と通常風車間で稼働率に大きな差が生じ、メンテナンス周期が偏る等の弊害が生じる可能性がある。そのため、例えば1ヶ月に1回など定期的に調整用風車の割り当てをローテーションする方法がある。この方法で稼働率の差を平準化することが可能となる。
【0025】
また、頻繁に風況が変化するようなウィンドファーム100の場合には、調整用風車の位置と台数を変える周期を例えば6時間に1回にするというような設定も可能である。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS304は「調整用風車の設定」と簡略化して表記している。
【0026】
出力制限値決定手段413によって、ステップS305を行う。
出力制限値決定手段413で、調整用風車グループ20に属するとして設定された1台以上の風力発電システム1に対して、ウィンドファーム100のユーザがあらかじめ設定した出力上限値Plimitを決定する(ステップS305)。
出力上限値Plimitの値は、通常の風況において、風力発電システム1の出力をほぼ一定値で出力可能な値、例えば定格出力の10%程度に設定する。常時強風が見込めるウィンドファーム100では、出力上限値Plimitをさらに高い値に設定することで、発電電力量の損失を抑えることも可能である。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS305は「調整用風車グループの出力上限値の設定」と簡略化して表記している。
【0027】
ステップS305の「調整用風車グループの出力上限値の設定」である出力上限値Plimitを決定するとステップS307に進む。
なお、ステップS307については、後記する。
【0028】
ステップS303に戻って説明を続ける。
出力急減検出手段415によるステップS303で、出力急減発生と判定された場合(Yes)には、ステップS306に進む。
【0029】
出力制限値緩和手段416によって、ステップS306を行う。
出力制限値緩和手段416で、調整用風車グループ20(図1)の風力発電システム1(図1)の出力上限値を、段階的に緩和する(ステップS306)。
具体的には出力上限値Plimitを、例えば、10%⇒30%と変化させる。変化させる速度は、出力急減の速度に依存し、出力急減に要する時間が短いほど、出力上限値Plimitを早く変化させるように制御する。
【0030】
ウィンドファーム100(図1)で出力急減が発生した場合、調整用風車グループ20に属する風力発電システム1も急減の影響を受けるが、元々10%など低い値で出力を制限して運転しているため、例えば他の風力発電システム1の出力が100%から40%まで、60%の急減をした場合でも、調整用風車グループ20に属する風力発電システム1には10%から40%に出力を増大させられる余力があることになる。
調整用風車グループ20の台数を適切に設定し、出力急減のタイミングに合わせて、出力上限値Plimitを変化させることにより、ウィンドファーム100(図1)の合計(通常風車グループ10と調整用風車グループ20の総和)出力変動を緩和することが可能となる。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS306は「調整用風車グループの出力上限値の緩和」と簡略化して表記している。
【0031】
出力制限値指令手段414によって、ステップS307を行う。
出力制限値指令手段414で、ステップS305もしくはステップS306で設定された出力上限値Plimitを、調整用風車グループ20(図1)の各風力発電システム1(図1)に対して指令する。
なお、図3のフローチャートにおいて、ステップS307は「調整用風車グループに出力上限値を指令」と簡略化して表記している。
また、所定の時間が経過後、風況分析手段411によるステップS301からフローチャートの手順が繰り返される。
【0032】
なお、図3(b)、(c)、(d)について、補足する。
図3(b)は、前記したように、風況分析手段411で生成する各風車の風速計測値の過去1時間の平均か風速順のテーブルT1のサンプル例である。
各風車(風力発電システム1)の番号(No)と、過去1時間の平均風速(m/s)と、この平均風速の順位と、このときの平均風速における発電出力可能量(%)とが、風況分析の項目として記録される。
図3(c)は、前記したように、過去に発生したことのある風力発電システムの出力急減と、その直前の合計出力との関係を記録した特性カーブT2の特性図である。
図の横軸はウィンドファーム100の出力の百分率である「WF出力(%)」であり、縦軸は過去に発生したことのある風力発電システム1の出力急減である「最大出力急減(%)」である。
図3(d)は、前記したようにウィンドファーム100内の平均風速と、調整用風車グループ20の風力発電システム1の台数との関係を示したテーブルT3のサンプル例である。
ウィンドファーム100内の平均風速(m/s)と、調整用風車グループ20の風力発電システム1の台数が項目としてあり、各平均風速に対して、用いる調整用風車グループ20の風力発電システム1の台数との関係が記録されている。
【0033】
なお、前記したように複数の風車からなる調整用風車グループ20の出力上限値を段階的に緩和したり、調整用風車グループ20の調整用風車の台数や位置を風速によって変更したりすることによって、ウィンドファーム100内の風速の急減が発生した場合においても、ウィンドファーム100の発電出力の変動を緩和する制御を、適宜、「調整用風車グループ制御」と表記する。
【0034】
<比較例>
次に、第1実施形態の効果を示すために、比較例として、第1実施形態の調整用風車グループ制御技術を用いない場合の特性を参考に示す
図4は、比較例として、調整用風車グループ制御がない場合に、風車出力の急減が発生したときの、風力発電システム及び蓄電システムの動作を模式的に表した図である。
図4(a)は風力発電システムの合計出力、(b)は蓄電システムの合計充放電出力、(c)は風力発電システムと蓄電システムを合わせたウィンドファームの合計出力を示している。
図4(a)、(b)、(c)において、横軸はすべて時間であり、縦軸はそれぞれ「風車出力合計(%)」、「蓄電池出力合計(%)」、「WF出力合計(%)」である。なお、「WF」とはウィンドファームの略である。縦軸は(%)で表記しているので、(a)と(b)の縦軸の値を単純に足しても(c)にはならない。
【0035】
図4において、出力急減(443)が発生した時刻Td以前は、通常の出力変動(441)であり、風力発電システムの合計出力の変動に合わせて、蓄電池を充放電することにより、ウィンドファームの合計出力の変動を、例えば任意の20分間で、出力の最大値と最小値の差を定格出力の10%以内に緩和することができる。
【0036】
このときの蓄電システム2(図1)の制御について次に説明する。
時刻Tdで風力発電システム1(図1)の出力急減(443)が発生すると、蓄電システム2(図1)は出力変動を緩和するために、蓄電池の放電出力を最大放電出力(蓄電池最大放電出力445)まで増大させる。
その後は、出力変動の許容幅の範囲で、ウィンドファーム100(図1)合計出力が変化するように、時間をかけて蓄電池の放電出力を減少させ、出力急減を緩和(448)する。
すなわち、出力急変に備えるためには、最大放電出力(蓄電池最大放電出力445)(kW)と、図4(b)の三角形の面積(446)で表される蓄電池必要容量446(Ah:アンペアアワー)との両方の条件を満たす蓄電池を設置する必要がある。
【0037】
≪第1実施形態の調整用風車グループ制御を適用した場合の効果≫
図5は、第1実施形態の調整用風車グループ制御を適用した場合の効果を模式的に表した図である。(a)は通常風車グループ10に属する風力発電システム1の合計出力、(a’)は調整用風車グループ20に属する風力発電システムの合計出力、(b)は蓄電システム2の合計充放電出力、(c)はウィンドファーム100の合計出力を示している。
図5(a)、(a’)、(b)、(c)において、横軸はすべて時間であり、縦軸はそれぞれ「通常風車出力合計(%)」、「調整用風車出力合計(%)」、「蓄電池出力合計(%)」、「WF出力合計(%)」である。なお、「WF」とはウィンドファームの略である。縦軸は(%)で表記しているので、(a)と(b)の縦軸の値を単純に足しても(c)にはならない。
【0038】
図5において、時刻Td以前の通常の出力変動(541)の区間では、調整用風車グループ20の風力発電システム1は、出力制限(542)により定格の10%の出力で一定運転をしている。時刻Tdで通常風車グループ10(図1)の通常風車である風力発電システム1の出力急減(543)が発生すると、調整用風車グループ20(図1)の調整用風車の風力発電システム1(図1)の出力制限を段階的に緩和(544)する(出力を増加する)。
調整用風車グループ20(図1)の風力発電システム1(図1)の出力が増加したことで、通常風車グループ10(図1)と調整用風車グループ20(図1)による複数の風力発電システム1の合計出力変動は抑制され、残った変動を蓄電システム2(図1)の放電出力で抑制する。この調整用風車の出力を利用する手法により、蓄電池(蓄電システム2、図1)の最大放電出力(蓄電池最大放電出力545)及び必要容量(蓄電池必要容量546)が、前記した<比較例>に対して、低下(必要容量低減547相当)し、蓄電池の導入コストを低減することが可能となる。
【0039】
(第2実施形態)
本発明の風力発電装置群のシステムの第2実施形態について説明する。
【0040】
≪風力発電装置群の制御システムの装置構成・第2実施形態≫
図6は本発明の風力発電装置群の制御システムの第2実施形態の装置構成を示すブロック図である。
図6において、ウィンドファーム100は電力系統7に一箇所で接続されており、電力系統7とウィンドファーム100から需要家8に対して電力を供給している。
ウィンドファーム100は、複数の風力発電システム1と、風車個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)31と、集中制御装置(集中制御手段)40と、前記した個別制御装置31と集中制御装置40とを相互に接続する通信ネットワーク6と、を備えて構成されている。
なお、複数ある風力発電システム1は、稼動時の風力に応じて発電する通常風車グループ10と、通常は発電量を制限され、風力が弱くなったとき、通常風車グループ10の発電量の低下を補うように、制限を緩和される調整用風車グループ20とがある。
【0041】
前記の図6に示す構成では、ウィンドファーム100は、通常風車グループ10と、調整用風車グループ20から構成され、図1で示したような蓄電システムは用いない。
蓄電システムがないため、風力発電システム1が発生する出力変動を完全に抑制することは困難だが、調整用風車グループ制御を適用することによって、出力急減時には大きな出力変動を緩和することが可能となる。その理由については、次に説明する。
【0042】
≪第2実施形態の調整用風車グループ制御を適用した場合の効果≫
図7は、図6の第2実施形態の効果を示す模式図である。(a)は通常風車出力合計(%)、(a’)は調整用風車出力合計(%)、(b)はウィンドファーム出力合計(%)を示している。
図7(a)、(a’)、(b)において、横軸はすべて時間であり、縦軸はそれぞれ「通常風車出力合計(%)」、「調整用風車出力合計(%)」、「WF出力合計(%)」である。
【0043】
図7において、時刻Td以前の通常の出力変動(741)の区間では、調整用風車グループ20の調整用風車は、出力制限(742)をして運転している。
時刻Tdで通常風車グループ10の通常風車の出力急減(743)が発生すると、調整用風車グループ20の調整用風車は出力制限を段階的に緩和(744)(出力を増加)して、ウィンドファーム100(図6)の合計出力の変動を緩和(出力急減を緩和748)することが可能となる。
この第2実施形態のように、蓄電池を設置しないウィンドファーム100(図6)においても、調整用風車グループ制御を用いることで、第1実施形態ほどではないが、出力変動を抑制することが可能となる。あるいは、調整用風車グループ20の調整用風車の台数や最大出力を増大すれば、第1実施形態と同等以上の効果もでる。特に出力急減時などの大きな出力変動を抑制することにおいては効果的である。
【0044】
(第3実施形態)
本発明の風力発電装置群の制御システムの第3実施形態について説明する。
【0045】
≪風力発電装置群の制御システムの装置構成・第3実施形態≫
図8は本発明の風力発電装置群の制御システムの第3実施形態の装置構成を示すブロック図である。
図8において、ウィンドファーム100は電力系統7に一箇所で接続されており、電力系統7とウィンドファーム100から需要家8に対して電力を供給している。
ウィンドファーム100は、複数の風力発電システム1と、蓄電システム2と、風車個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)31と、蓄電池個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)32と、集中制御装置(集中制御手段)40と、前記した個別制御装置31、32と集中制御装置40とを相互に接続する通信ネットワーク6と、を備えて構成されている。
【0046】
なお、複数ある風力発電システム1は、稼動時の風力に応じて発電する通常風車グループ10と、通常は発電量を制限され、風力が弱くなったとき、通常風車グループ10の発電量の低下を補うように、制限を緩和される調整用風車グループ20とがある。
また、図8において、ウィンドファーム100の外部の例えば中央給電指令所71から、集中制御装置40に対して、通信路65を介して、出力制限指令、変動抑制インセンティブ情報等が送信されてくる。
【0047】
≪第3実施形態の調整用風車グループ制御を適用した場合の効果≫
中央給電指令所71から、集中制御装置40に対して、出力制限指令、変動抑制インセンティブ情報等が送信され、それらの指令、情報に基づき調整用風車グループ20の制御を行えば、図8に示したウィンドファーム100のみを効率的に制御するのみならず、中央給電指令所71が管理する広域における風況や需要・供給の関連情報を反映したより大局的な制御が可能となる。
また、集中制御装置40は元々、ウィンドファーム100内の風力発電システム1に対して出力制限を指令することを前提としているため、中央給電指令所71からの出力制限指令に対し、調整用風車グループ20の台数を増やすなどの対応をすることが容易であり、追加の機器等が不要となるメリットがある。
【0048】
また、ウィンドファームの導入量が増えると、より変動の少ないウィンドファームの電力買い取り価格を高くするなど、変動抑制に対するインセンティブが出ることが考えられる。そのような場合には、より変動を抑制した方が、インセンティブが高くなるときには、調整用風車グループ20の台数を増やし、インセンティブが低いときには調整用風車グループ20の台数を減らすといった制御が可能となる。
【0049】
(本発明、本実施形態の補足)
本発明の目的は、ウィンドファームから電力系統へ出力される電力の変動を抑制することにある。特に、電力系統制御の観点から有効な、数分から数十分程度の短周期変動を抑制でき、その際に併設する蓄電システムの容量を低減することが可能な、風力発電装置群の制御システム及び制御方法を提供することである。
第1〜第3実施形態によって、前記目的が達成できる。
なお、第1〜第3実施形態の説明は、主として風力発電装置群の制御システムの説明であったが、制御方法の説明も兼ねている。
【0050】
また、本明細書中で「出力上限値」としているのは例えば有効電力上限値、有効電流上限値等が考えられ、それ以外にも風力発電システムの発電電力に対して制限をかける効果を達成できるものであれば、「出力上限値」に含まれるものとする。「出力」についても有効電力、有効電流等のことであり、何かひとつに特定するものではない。
【符号の説明】
【0051】
1 風力発電システム
10 通常風車グループ
100 ウィンドファーム(風力発電装置群)
2 蓄電システム
20 調整用風車グループ
31 風車個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)
32 蓄電池個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)
40 集中制御装置、集中制御手段
41 風車出力制御部
42 蓄電池充放電制御部
411 風況分析手段
412 調整用風車グループ決定手段
413 出力制限値決定手段
414 出力制限値指令手段
415 出力急減検出手段
416 出力制限値緩和手段
421 風車出力変動分析手段
422 ウィンドファーム出力目標値決定手段
423 蓄電装置充放電量決定手段
441、541、741 通常の出力変動
443、543、743 出力急減
445、545 蓄電池最大放電出力
446、546 蓄電池必要容量
448、548、748 出力急減を緩和
542、742 出力制限
544、744 出力制限を緩和
547 必要容量低減分
6 通信ネットワーク
65 通信路
7 電力系統
70 送受信手段
71 中央給電指令所
8 需要家
9 送電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムと、少なくとも1台の蓄電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御システムであって、
前記複数台のそれぞれの風力発電システム及び蓄電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御装置と、
前記通信ネットワークを介して前記個別制御装置からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御装置と、
を備え、
前記集中制御装置から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。
【請求項2】
電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御システムであって、
前記複数台のそれぞれの風力発電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御装置と、
前記通信ネットワークを介して前記個別制御装置からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御装置と、
を備え、
前記集中制御装置から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の風力発電装置群の制御システムにおいて、
前記集中制御装置は、
前記通信ネットワークを介して前記複数台の風力発電システムから送付される風速、発電出力等の運転情報を受信する送受信手段と、
当該送受信手段を介して前記複数台の風力発電システムの各風車位置の風速分布を分析する風況分析手段と、
前記運転情報に含まれる風速を所定時間平均して、出力の大きい特定の風力発電装置を調整用風車グループとして設定する調整用風車グループ決定手段と、
前記調整用風車グループの発電出力の制限値を決定する出力制限値決定手段と、
前記出力制限値を前記調整用風車グループに指令する出力制限値指令手段と、
前記運転情報に含まれる発電出力から出力の急減を検出する出力急減検出手段と、
前記出力の急減を検出すると、前記調整用風車グループの出力制限値を緩和する出力制限値緩和手段と、
前記運転情報に含まれる発電出力の変動を記録し、所定期間の発電出力の最大値、最小値から発電出力の変動を分析する風車出力変動分析手段と、
前記発電出力の変動から、前記風力発電装置群のウィンドファーム出力目標値を決定するウィンドファーム出力目標値決定手段と、
前記ウィンドファーム出力目標値と前記発電出力の偏差に応じて蓄電システムの充放電量を決定する蓄電装置充放電量決定手段と、
を備え、
前記風力発電装置群の出力変動を抑制することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の風力発電装置群の制御システムにおいて、
前記集中制御装置は、前記風力発電装置群を少なくとも1台の調整用風車グループと、残りの通常風車グループとに分け、前記調整用風車グループの発電出力を通常時は定格出力に対して低い値に制限することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載の風力発電装置群の制御システムにおいて、
前記集中制御装置は、前記通常風車グループの合計発電出力が、通常時の出力に対して所定の割合より減少した場合には、前記調整用風車グループの発電出力の制限を段階的に緩和することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。
【請求項6】
電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムと、少なくとも1台の蓄電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御方法であって、
前記複数台のそれぞれの風力発電システム及び蓄電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御手段と、
前記通信ネットワークを介して前記個別制御手段からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御手段と、
を備え、
前記集中制御手段から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力制限値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。
【請求項7】
電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御方法であって、
前記複数台のそれぞれの風力発電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御手段と、
前記通信ネットワークを介して前記個別制御手段からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御手段と、
を備え、
前記集中制御手段から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。
【請求項8】
請求項6に記載の風力発電装置群の制御方法において、
前記集中制御手段は、
前記通信ネットワークを介して前記複数台の風力発電システムから送付される風速、発電出力等の運転情報を受信する送受信手段と、
当該送受信手段を介して前記複数台の風力発電システムの各風車位置の風速分布を分析する風況分析手段と、
前記運転情報に含まれる風速を所定時間平均して、発電出力の大きい特定の風力発電装置を調整用風車グループとして設定する調整用風車グループ決定手段と、
前記調整用風車グループの発電出力の制限値を決定する出力制限値決定手段と、
前記出力制限値を前記調整用風車グループに指令する出力制限値指令手段と、
前記運転情報に含まれる発電出力から前記風力発電システムの出力の急減を検出する出力急減検出手段と、
前記発電出力の急減を検出すると、前記調整用風車グループの出力制限値を緩和する出力制限値緩和手段と、
前記運転情報に含まれる発電出力の変動を記録し、所定期間の発電出力の最大値、最小値から発電出力の変動を分析する風車出力変動分析手段と、
前記発電出力の変動から、前記風力発電装置群のウィンドファーム出力目標値を決定するウィンドファーム出力目標値決定手段と、
前記ウィンドファーム出力目標値と前記発電出力の偏差に応じて蓄電システムの充放電量を決定する蓄電装置充放電量決定手段と、
を備え、
前記風力発電装置群の出力変動を抑制することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の風力発電装置群の制御方法において、
前記集中制御手段は、前記風力発電装置群を少なくとも1台の調整用風車グループと、残りの通常風車グループとに分け、前記調整用風車グループの発電出力を通常時は定格出力に対して低い値に制限することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の風力発電装置群の制御方法において、
前記集中制御手段は、前記通常風車グループの合計発電出力が、通常時の出力に対して大きく減少した場合には、前記調整用風車グループの発電出力の制限を段階的に緩和することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−241576(P2012−241576A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111079(P2011−111079)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】