説明

風味組成物において味および風味の増強効果を示す飽和および不飽和N−アルカミド

【課題】食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、もしくはスープの風味を増強する、または5つの基本味特性である甘味、酸味、塩味、苦味、及び旨味の1つもしくは複数の知覚を変更する。
【解決手段】
構造式1及び構造式2:
【化1】



;水素又はメチル
;水素、C−Cアルキル、アルケニル、メチレン
;水素、C−C直鎖又は分岐鎖アルキル、アルケニル、ジエンアルキル、フェニル
;水素、メチル、エチル
;水素、メチル、エチル
;水素、C−C直鎖又は分岐鎖アルキル、アルケニル、アルキルジエニル、非環式又は1つだけ環を含む置換基

から成る群より選択される構造式で表されるN置換不飽和アルキルアミド化合物を、
食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、又はスープに添加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は甘味、塩味、または旨味、および風味増強特性を有する飽和および不飽和N−アルカミド化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
おいしいことまたは肉の味が豊かなことを述べる日本語に由来する「旨味」という用語は、食物が持つ独特の全体的な豊かさ、おいしそうなまたはよだれの出るような風味を述べるために用いられる用語である。この風味特性を示す物質は、一般に溶液中のグルタミン酸濃度を高くし、このことは旨味の重要な特徴の1つである。旨味は、5番目の味覚として認識されつつある(その他の味覚とは、酸味、甘味、塩味、および苦味である)。従来よりこの特徴を有すると記述されてきた化合物は、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、タンパク質加水分解物、数種のアミノ酸、ならびに特定のヌクレオチドおよびリン酸エステルである。
【0003】
MSGは「風味増強剤」として最も広く用いられる物質であり、これは「おいしい」成分の知覚に相乗効果を与えるが、人口に対してある割合でアレルギー反応を引き起こすと主張されてきてもいる。
【0004】
他の化合物の中では、いくつかのヌクレオチドもまた、旨味効果を示すことが示されており、このようなものとしてアデノシン5’−(二リン酸三水素)、5’−シチジル酸(5’−CMP)、5’−ウリジル酸(5’−UMP)、5’−アデニル酸(5’−AMP)、5’ −グアニル酸(5’−GMP)、5’−イノシン酸(5’−IMP)、ならびに5’−グアニル酸および5’−イノシン酸の二ナトリウム塩が挙げられる。
【0005】
最近の文献は、旨味効果を与えることが示されている混合物の風味活性成分として広範囲にわたる他の有機化合物を列挙している。このようなものとしては、コハク酸、乳酸、炭素数6、8、14、15、16、および17の飽和直鎖脂肪酸、Z4、Z7、Z10、Zl3、Zl6、Z19−ドコサヘキサエン酸、Z5、Z8、Z11、Z14、Z17−エイコサペンタエン酸、Z9、Zl2、Z16、Z19−オクタデカジエン酸、Z9−オクタデセン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、およびマロン酸などの有機酸が挙げられるが、必ずしもそれらに限定されない。文献で報告されている、旨味効果を有するアミノ酸として、グルタミン酸、アスパラギン酸、スレオニン、アラニン、バリン、ヒスチジン、プロリン、チロシン、シスチン、メチオニン、ピログルタミン酸、ロイシン、リシン、およびグリシンが挙げられる。旨味性を有するジペプチドとして、Val−GluおよびGlu−Aspが挙げられる。
【0006】
旨味特性を有する他の多種多様な化合物として、α−アミノアジピン酸、リンゴ酸、α−アミノ酪酸、α−アミノイソ酪酸、E2,E4−ヘキサジエナール、E2,E4−ヘプタジエナール、E2,E4−オクタジエナール、E2,E4−デカジエナール、Z4−ヘプテナール、E2,Z6−ノナジエナール、メチオナール、E3,E5−オクタジエン−2−オン、1,6−ヘキサンジアミン、テトラメチルピラジン、トリメチルピラジン、cis−6−ドデセン−4−オリド、グルタミン酸複合糖質、アンチョビペーストを配合した魚醤(特許文献1参照)、および多数の天然のアミノ酸が挙げられる。
【0007】
また、様々な分子が塩味を増強することが当業者に既知であり、このようなものとして、アデノシン5’−(二リン酸三水素)、5’−シチジル酸(5’−CMP)、5’−ウ
リジル酸(5’−UMP)、5’−アデニル酸(5’−AMP)、5’−グアニル酸(5’−GMP)、5’−イノシン酸(5’−IMP)ならびに5’−グアニル酸および5’−イノシン酸の二ナトリウム塩、(+)−(S)−アラピリダイン(化学物質名N−(1−カルボキシエチル)−6−ヒドロキシメチルピリジニウム−3−オール)、コハク酸、塩化セチルピリジニウム、トシル酸ブレチリウム、各種ポリペプチド、アスコルビン酸のカルシウム塩混合物、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、アルギニンアンモニウム塩化物、α−アミノ酸およびそれらの対応する塩酸塩、アンモニウム塩、およびナトリウム塩、ならびに多数の天然の植物抽出物が挙げられるが、それらに限定されない。これらの物質の使用については、特許文献2から6に記載されている。
【0008】
さらに、塩化コリンは塩味を増強し、塩化ナトリウムを減らした系のおいしさを増すことが示されている(非特許文献1参照)。
【0009】
本研究のほか、本発明者らの研究としては、米国特許出願第10/919,631号(2004年8月17日出願)、米国特許出願第10/861,751号(2004年6月4日出願)、および米国特許出願第10/783,652号(2004年2月20日出願)に記載される新規風味物質の同定が挙げられる。これらの開示にもかかわらず、新規風味成分、特に、風味増強または調節に、より好ましくは食品中のMSGおよび/または食塩濃度の低減に有利な性質を示すものが、引き続き必要とされている。
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0142090号明細書
【特許文献2】米国特許第4,997,672号明細書
【特許文献3】米国特許第5,288,510号明細書
【特許文献4】米国特許第6,541,050号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/0091721号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第2003/1291342号明細書
【非特許文献1】“Physiol Behav.”、1994年、第55巻、第6号、p.1039−1046
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、風味増強または調節、より好ましくは食品中のMSGおよび/または食塩濃度の低減に有利な性質を示す新規風味成分を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、またはスープに対して風味増強効果を与える、すなわち5つの基本味特性である甘味、酸味、塩味、苦味、および旨味のうちの1つまたは複数の知覚を改変する、新規化合物および方法に関し、以下に示す構造式:
【化1】

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化2】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基
であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化3】

またはシクロプロピル基であっても良く、
は、水素原子、メチル基、またはエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、
ただし、構造式1では例外的に、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基である場合には、Rは上述の群から選択されるか、またはフェニル基である)
に従って定義される少なくとも1種のN置換不飽和アルキルアミドの量および濃度を増加させることによって、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、またはスープの風味を増強する、すなわち基本味特性を改変する方法を含む。
【0013】
上記式は新規化合物を定義するが、ただし、構造式1において、Rが水素原子かつRが水素原子ならば、RとRがともに水素原子でない限りRは水素原子にもメチル基にもなり得ない。
【0014】
本明細書中で使用される場合、構造式2で表される化合物は、「シクロプロピルアミド」と呼ばれる。
【0015】
第二の実施形態は、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、またはスープに対して風味増強効果を与える、すなわち5つの基本味特性である甘味、酸味、塩味、苦味、および旨味のうちの1つまたは複数の知覚を改変する、新規化合物および方法に関し、以下に示す構造式:
【化4】

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化5】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基
であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化6】

またはシクロプロピル基
であっても良く、
は、メチレン基を除く、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、
ただし、構造式3では例外的に、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基である場合には、Rは上述の群から選択されるか、またはフェニル基である)
に従って定義される少なくとも1種のN置換不飽和アルキルアミドの量および濃度を増加させることで、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、またはスープの風味を増強する、すなわち基本味特性を改変する方法を含む。
【0016】
第三の実施形態は、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、またはスープに対して風味増強効果を与える、すなわち5つの基本味特性である甘味、酸味、塩味、苦味、および旨味のうちの1つまたは複数の知覚を改変する、新規化合物および方法に関し、以下に示す構造式:
【化7】

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化8】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基
であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化9】

またはシクロプロピル基
であっても良く、
は、炭素数1−4のアルキル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、
ただし、構造式5では例外的に、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合には、Rは上述の群から選択されるか、またはフェニル基である)
に従って定義される少なくとも1種のN置換不飽和アルキルアミドの量および濃度を増加させることで、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、またはスープの風味を増強する、すなわち基本味特性を改変する方法を含む。
【0017】
食品の風味を増強するための新規化合物およびその使用に加えて、食品および他の物質に上記成分および本明細書中に記載されるその他の成分を組込むことにより、それらの風味を増強する方法も含まれる。
【0018】
[発明の詳細な説明]
上述の式は、食物の風味特性を増強することを本発明者らが見いだした新規物質の一般的な分類を示している。
【0019】
本発明のより好適な実施形態において、アミドは前記構造式1および2に示される構造を有し、
ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化10】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基
であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化11】

またはシクロプロピル基
であっても良く、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、
ただし、構造式1では例外的に、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合には、Rは上述の群から選択されるか、またはフェニル基である。
【0020】
上述の本発明の化合物は、食品中の塩味および旨味を増強するにあたり、本発明の方法に従って用いることができる。上記式は、新規化合物を定義するが、ただし、構造式1において、Rが水素原子、かつRが水素原子ならば、RとRがともに水素原子でない限りはRは水素原子にもメチル基にもなり得ない。
【0021】
本発明の非常に好適な実施形態において、アミドは以下に示される化学式で表される:
【化12】

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化13】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基
であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化14】

またはシクロプロピル基
であっても良く、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、
ただし、化学式Iでは例外的に、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上述の群から選択されるか、またはフェニル基である。
【0022】
上述の本発明の化合物は、食品中の塩味および旨味を増強するにあたり、本発明の方法に従って用いることができる。上記式は、新規化合物を定義するが、ただし、構造式1において、Rが水素原子かつRが水素原子ならば、RとRがともに水素原子でない限り、Rは水素原子にもメチル基にもなり得ない。
【0023】
本明細書中で使用される場合、構造式1および化学式Iで記載される化合物は、「アルケニルアミド」と呼ばれる。
【0024】
本発明の最も好適な実施形態において、アミドは以下に示す構造で表される:
【化15】

(式中、Rは、水素原子、メチル基から成る群より選択され、
は、水素原子およびメチル基から成る群より選択され、
あるいはRとRはひとまとめに、
【化16】

または、シクロプロピル基
であっても良く、
は、水素原子およびメチル基から成る群より選択され、
10は、水素原子およびメチル基から成る群より選択される)
【0025】
上述の本発明の化合物は、食品中の塩味および旨味を増強するにあたり、本発明の方法に従って用いることができる。上記化合物もまた新規であるが、ただし、化学式IIにおいてRが水素原子の場合には、Rは水素原子にもメチル基にもなり得ないことが条件である。
【0026】
本発明の別の好適な実施形態において、アミドは以下に記載される構造で表される:
【化17】

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化18】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基
であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化19】

または、シクロプロピル基
であっても良く、
は、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、
ただし、構造式3では例外的に、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上述の群から選択されるか、またはフェニル基である)。
【0027】
本発明のさらなる実施形態において、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、またはスープの風味を増強するもしくは風味を付与する、すなわち5つの基本味特性である甘味、酸味、塩味、苦味、および旨味の1つまたは複数の知覚を変更する、新規化合物および方法は、以下の構造式5:
【化20】

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化21】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基
であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化22】

またはシクロプロピル基
であっても良く、
は、炭素数1−4のアルキル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、またはエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、
ただし構造式5では例外的に、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上述の群から選択されるか、またはフェニル基である)に従って定義される少なくとも1種のN置換不飽和アルキルアミドの量および濃度を増加させることによって、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、またはスープの風味を増強する、すなわち基本味特性を改変する方法を含む。
【0028】
本明細書中で使用される場合、最も好適な化合物は、本明細書中以下、ジエンアルキルアミドと呼ばれる。
【0029】
本出願全体を通じて使用される際は、
【化23】

は、実施例に記載される、構造式1、2、3、4、5、ならびに化学式IおよびIIの酸部分のアルファ炭素に結合した、R、R、R、およびRで表示されるアルケン末端を表すと理解される。
【0030】
本発明は、特に、上記の構造式3に従った新規組成物に関する。
【0031】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【表1−15】

【表1−16】

【表1−17】

【表1−18】

【表1−19】

【表1−20】

【表1−21】

【表1−22】

【表1−23】

【表1−24】

【表1−25】

【表1−26】

【表1−27】

【表1−28】

【表1−29】

【表1−30】

【表1−31】

【表1−32】

【表1−33】

【表1−34】

【表1−35】

【表1−36】

【表1−37】

【表1−38】

【表1−39】

【表1−40】

【表1−41】

【表1−42】

【表1−43】

【表1−44】

【表1−45】

【表1−46】

【表1−47】

【表1−48】

【表1−49】

【表1−50】

【表1−51】

【0032】
われわれの発明は、特に、前記化学式Iに従った新規組成物に関する:
【0033】
【表2−1】

【表2−2】

【0034】
前記化学式IIについて見ると、本発明は、前記化学式IIに従った新規組成物に関する:
【0035】
【表3】

【0036】
これらの化合物およびその使用は、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、スナック、ソース、またはスープに、嗅覚に対する効果や風味の増強、すなわち体知覚的効果を与えるに有益であること、とりわけ、(a)旨味、(b)塩味、(c)風味増強、および(d)好ましい風味特性全般、を提供するに有益であることがわかった。
【0037】
本発明のジエンアルキルアミドの知覚される特徴を、以下により具体的に例示する。
【0038】
【表4】

【0039】
本願の、その他の新規化合物には、前記構造式1に従った以下の化合物が含まれる:
【0040】
【表5−1】

【表5−2】

【0041】
本願の、その他の新規化合物には、前記構造式2に従った以下の化合物が含まれる:
【0042】
【表6】

【0043】
本願の、その他の新規化合物には、前記構造式4に従った以下の化合物が含まれる:
【0044】
【表7−1】

【表7−2】

【表7−3】

【表7−4】

【表7−5】

【表7−6】

【表7−7】

【表7−8】

【表7−9】

【表7−10】

【表7−11】

【表7−12】

【表7−13】

【表7−14】

【表7−15】

【表7−16】

【表7−17】

【表7−18】

【表7−19】

【表7−20】

【表7−21】

【表7−22】

【表7−23】

【表7−24】

【表7−25】

【表7−26】

【表7−27】

【表7−28】

【表7−29】

【表7−30】

【表7−31】

【表7−32】

【表7−33】

【表7−34】

【表7−35】

【表7−36】

【表7−37】

【表7−38】

【表7−39】

【表7−40】

【表7−41】

【表7−42】

【表7−43】

【表7−44】

【表7−45】

【表7−46】

【表7−47】

【表7−48】

【表7−49】

【表7−50】

【表7−51】

【表7−52】

【0045】
本願の、その他の新規化合物には、前記構造式5に従った以下の化合物が含まれる:
【0046】
【表8】

【0047】
下記の化合物とケミカルアブストラクト(CA)名は、本発明の種々の化合物のために提供される。
【0048】
【表9−1】

【表9−2】

【表9−3】

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【表9−100】

【表9−101】

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【表9−103】

【表9−104】

【表9−105】

【表9−106】

【表9−107】

【表9−108】

【表9−109】

【表9−110】

【表9−111】

【表9−112】

【表9−113】

【表9−114】

【0049】
驚くべきことに、本発明者らは、ジエンアルキルアミド、アルケニルアミド、またはシクロプロピルアミドが旨味を有するまたは増強するとして文献にこれまで報告されていなかったことを見いだした。また、ジエナールおよび不飽和酸などの構造式が密接に関連した化合物は、単離して味見した場合、旨味特性を有するとは特に報告されていない。さらに、ナトリウム濃度を増加させることなく製品の塩辛さを増強させる能力は、先行技術で開示も示唆もされていない。本発明の化合物の塩味増強特性は重要である。なぜならこれにより、フレーバリストは食品の塩濃度を実際に高めることなく食品および飲料に所望の塩味プロファイルを提供することが可能になるからである。したがって、消費者は、塩濃度の増加に伴う健康への悪影響(高血圧など)なく、望みの味プロファイルを得ることができる。
【0050】
本明細書中で使用される場合、嗅覚有効量は、風味組成物中の化合物の量を意味すると理解され、個々の構成成分はその特定の嗅覚特性に寄与するが、組成物全体での風味、味、および香り効果は風味成分のそれぞれの効果の合計である。本明細書中で使用される場合、味効果には、塩味、甘味、および旨味が含まれる。したがって、本発明の化合物は、組成物中の別の成分が寄与する味覚反応を修飾することにより風味組成物の味特性を変更するのに用いられ得る。この量は、他の成分、それらの相対量、および所望の効果を含む多くの要因に応じて変化する。
【0051】
製品に用いられるシクロプロピルアミド、アルケニルアミド、およびジエンアルキルアミドの濃度は、50ppb(10億分の1)より多く、一般に、出来上がった製品中、約0.01ppm〜約50ppmの濃度で、より好ましくは重量で約0.1ppm〜約20ppmの濃度で、そして好適な実施形態では約0.5〜約5ppmの濃度で提供される。
【0052】
シクロプロピルアミド、アルケニルアミド、およびジエンアルキルアミドの使用濃度は、ジエンアルキルアミドが用いられる製品に応じて変化する。例えば、アルコール飲料での使用濃度は、重量で、約0.1〜約5ppm、好ましくは約0.5〜約3ppm、そして最も好ましくは約1〜約2ppmである。ノンアルコール飲料は、約0.05ppm〜約5ppm、好ましくは約0.1ppb〜約2ppm、そして非常に好適な状況で、約0.7〜約1ppbの濃度で風味付けされる。スナック食品、キャンディ、およびガム製品などの他の製品は、本発明の化合物を上記の濃度で用いて風味付けすると有利であり得る。
【0053】
中でも、本発明の好ましい化合物は、
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−(2E)−
2−ブテンアミド,N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−(2E)−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3−(3−シクロヘキセン−1−イル)−2−プロペニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ドデカジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
プロパンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−
プロパンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−
アセトアミド、N−[(2Z,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
アセトアミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
アセトアミド、N−[(2Z,6Z)−2−メチル−2,6−ノナジエニル]−
アセトアミド、N−[(2Z,6Z)−2−メチル−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−
アセトアミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−メチル−N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−N−メチル−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−N−エチル−
プロパンアミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−N−シクロプロピルメチル−
である。
【0054】
本発明はまた、本明細書中に記載される化合物の知覚的に許容可能な濃度での組込みによって食物の塩味を増強または改変する方法も提供する。化合物は、個別に、または本発明の他の塩味増強化合物と組み合わせて用いられ得る。また、本発明の塩味増強物質は、当該技術分野で既知の他の塩味増強組成物と組み合わせて用いることができ、これには同時係属出願の、米国特許出願第10/919,631号(2004年8月17日出願)、米国特許出願第10/861,751号(2004年6月4日出願)、および米国特許出願第10/783,652号(2004年2月20日出願)に列挙される物質が挙げられる。また、様々な米国特許第4,997,672号、第5,288,510号、第6,541,050号、および米国特許出願第2003/0091721号に記載されるように、塩化セチルピリジウム、トシル酸ブレチリウム、各種ポリペプチド、アスコルビン酸のカルシウム塩混合物、塩化ナトリウム、および塩化カリウムが挙げられる。
【0055】
本発明の塩味増強化合物は、食品または飲料製品に用いられる任意の塩類の塩味の知覚を増強するのに用いられ得る。本発明の化合物によって増強されるに好適な塩味は塩化ナトリウムのものであり、これは主に、多量のナトリウム摂取がヒトに悪影響を及ぼす可能性があることがわかり、その結果、塩味を残しながら塩含量を減少させることが望ましいからである。
【0056】
また、本発明の化合物は、塩化カリウムおよびリボヌクレオチドを始めとする、食塩代替物として用いられ得る既知の塩味のする化合物の知覚される塩味を増強させるのに用いることもできる。適した化合物として、カチオン性アミノ酸および低分子量ジペプチドも挙げられる。これらの化合物の具体例は、アルギニン塩酸塩、アルギニンアンモニウム塩化物、リジン塩酸塩、およびリジンオルニチン塩酸塩である。これらの化合物は、塩味を示すが、通常は低濃度でのみ実用的である。なぜならそれらは高濃度では苦い風味を示すからである。したがって、最初に食品または飲料に、所望の塩味の達成に必要とされるよりも少ない塩化ナトリウムを配合し、次いで所望の味に達するよう、この塩味を付けた食品または飲料に、塩味を補強するに十分な量で本発明の化合物を加えることにより、食品または飲料製品の塩化ナトリウム含量を減らすことが可能である。また、塩化ナトリウム含量は、その少なくとも一部を、塩味のするカチオン性アミノ酸、低分子量ジペプチド、またはそれらの混合物で置換することにより、さらに減らすことが可能である。
【0057】
本発明の好適な実施形態において、本発明者らは、本発明の化合物が、重量を基準にして、約1:10〜約10:1、通常は約1:3〜約3:1、より好ましくは約1:1の重量比で、互いに、または他の塩味増強物質と組み合わせて用いられる物質であることを見
いだした。
【0058】
非常に好適な実施形態において、本発明者らは、同時係属出願である米国特許出願第10/783、652号(2004年2月20日出願)に開示される化合物と組合せて用いられる場合、本発明の化合物が塩味と旨味の増強効果を提供することを見出した。本出願で開示される好適な化合物として以下が挙げられるが、それらに限定されない。
N,N,3,7−テトラメチルオクタ−2,6−ジエンアミド、(2E)−
2−プロペンアミド、3−(3−シクロヘキセン−1−イル)−N−エチル−、(2E)−
3,7−ジメチル−2,6−オクタジエンアミド、N−エチル−、(2E)−
2,6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチル−、(2E,6Z)−
2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル、2−メチル−、(2E,6Z)−
2,6−ドデカジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−
2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル−、(2E,6Z)−
2,6−ノナジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−。
【0059】
前記化合物の混合比は、約1:10〜10:1の重量比、好ましくは約1:5〜約5:1の重量比、最も好ましくは1:2〜2:1の重量比である。
【0060】
製品に高いレベルの塩味および旨味増強効果を提供することが見いだされている組成物は、以下に示す本発明の化合物を含む組成物である:
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−(2E)−
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−(2E)−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3−(3−シクロヘキセン−1−イル)−2−プロペニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ドデカジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
プロパンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−
プロパンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−
アセトアミド、N−[(2Z,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
アセトアミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
アセトアミド、N−[(2Z,6Z)−2−メチル−2,6−ノナジエニル]−
アセトアミド、N−[(2Z,6Z)−2−メチル−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−
アセトアミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−メチル−N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−N−メチル−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−N−エチル−
プロパンアミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−N−シクロプロピルメチル−N,N,3,7−テトラメチルオクタ−2,6−ジエンアミド、(2E)−
2−プロペンアミド、3−(3−シクロヘキセン−1−イル)−N−エチル−、(2E)−
3,7−ジメチル−2,6−オクタジエンアミド、N−エチル−、(2E)−
2,6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチル−、(2E,6Z)−
2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル、2−メチル−、(2E,6Z)−
2,6−ドデカジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−
2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル−、(2E,6Z)−
2,6−ノナジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−。
【0061】
これらの組成物の非常に好適な重量比は、約2:1〜約1:2である。最も好適な組成物は、8ppmの総使用濃度で、シクロプロパンカルボキサミド,N−[(2E)−3,7-ジメチル−2,6−オクタジエニル]−と、2,6−ノナジエンアミド,N−シクロプロピル−,(2E,6Z)−、および2,6−ノナジエンアミド,N−エチル−,(2E,6Z)−、を約2:1:1の重量比で混合した組成物である。この場合には、食品などの製品中、重量でそれぞれ約4、2、および2ppmの使用濃度になるだろう。
【0062】
本明細書中で使用される場合、「食品」という用語は、人または動物にとって消化可能な固体および液体の物質両方を含み、これらの物質は、必ずしも必要ではないが、通常、栄養価を有する。したがって、食品には、肉、グレイビーソース、スープ、インスタント食品、麦芽、アルコール飲料および他の飲料、乳製品、魚、甲殻類、軟体動物などを含む海産物、キャンディ、野菜、穀物、ソフトドリンク、スナック、ドッグフードおよびキャットフード、他の家畜用製品などの食物製品が含まれる。
【0063】
本発明の化合物が風味付け組成物に用いられる場合、それらは従来の風味付け物質またはアジュバントと組み合わせられ得る。そのような共成分または風味アジュバントをそのように使用することは当該技術分野で既知であり、文献で広く記載されてきた。そのようなアジュバント物質の必要条件は、
(1)それらが本発明の化合物と非反応性であること、
(2)それらが本発明の化合物と知覚的に適合性であり、化合物が加えられた最終製品の風味がアジュバントの使用によって悪影響を受けないこと、および
(3)それらが消化可能、許容可能、したがって無毒または無害であること、である。これらの必要条件とは別に、従来の物質を用いることは可能であり、そしてこれには他の風味物質、ビヒクル、安定剤、増粘剤、界面活性剤、調整剤、および風味強化剤が広く含まれる。
【0064】
そのような従来の風味付け物質として、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、およびアミノ酸、第一級アルコールおよび第二級アルコールを始めとするアルコール、エステル、本発明のジエンアルキルアミド以外のケトンおよびアルデヒドを始めとするカルボニル化合物、ラ
クトン、ベンゼン誘導体を始めとする他の環式有機物質、非環式化合物、複素環(フラン、ピリジン、ピラジンなど)、チオール、スルフィド、ジスルフィドなどを始めとする硫黄含有化合物、タンパク質、脂質、炭水化物、いわゆる風味強化剤(グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸マグネシウム、グルタミン酸カルシウム、グアニル酸塩、およびイノシン酸塩など)、天然の風味付け物質(加水分解物、カカオ、バニラ、およびキャラメルなど)、精油および抽出物(アニス油、丁字油など)、および人工の風味付け物質(バニリン、エチルバニリンなど)が挙げられる。
【0065】
具体的に好適な風味アジュバントとして、以下が挙げられるが、それらに限定されない:アニス油、2−メチル酪酸エチル、バニリン、cis−3−ヘプテノール、cis−3−ヘキセノール、trans−2−ヘプテナール、吉草酸ブチル、2,3−ジエチルピラジン、メチルシクロ−ペンテノロン、ベンズアルデヒド、バレリアン油、3,4−ジメトキシ−フェノール、酢酸アミル、ケイヒ酸アミル、γ−ブチリルラクトン、フルフラール、トリメチルピラジン、フェニル酢酸、イソバレルアルデヒド、エチルマルトール、エチルバニリン、吉草酸エチル、酪酸エチル、カカオ抽出物、コーヒー抽出物、ペパーミント油、スペアミント油、丁字油、アネトール、カルダモン油、ウィンターグリーン油、シンナムアルデヒド、2−メチル吉草酸エチル、γ−ヘキセニルラクトン、2,4−デカジエナール、2,4−ヘプタジエナール、メチルチアゾールアルコール(4−メチル−5−β−ヒドロキシエチルチアゾール)、2−メチルブタンチオール、4−メルカプト−2−ブタノン、3−メルカプト−2−ペンタノン、1−メルカプト−2−プロパン、ベンズアルデヒド、フルフラール、フルフリルアルコール、2−メルカプトプロピオン酸、アルキルピラジン、メチルピラジン、2−エチル−3−メチルピラジン、テトラメチルピラジン、ポリスルフィド、ジプロピルジスルフィド、メチルベンジルジスルフィド、アルキルチオフェン、2,3−ジメチルチオフェン、5−メチルフルフラール、アセチルフラン、2,4−デカジエナール、グアヤコール、フェニルアセトアルデヒド、β−デカラクトン、d−リモネン、アセトイン、酢酸アミル、マルトール、酪酸エチル、レブリン酸、ピペロナール、酢酸エチル、n−オクタナール、n−ペンタナール、n−ヘキサナール、ジアセチル、グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸一カリウム、含硫アミノ酸、例えば、システイン、加水分解した植物タンパク質、2−メチルフラン−3−チオール、2−メチルジヒドロフラン−3−チオール、2,5−ジメチルフラン−3−チオール、加水分解した魚タンパク質、テトラメチルピラジン、プロピルプロペニルジスルフィド、プロピルプロペニルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジアリルトリスルフィド、ジプロペニルジスルフィド、ジプロペニルトリスルフィド、4−メチル−2−[(メチル−チオ)−エチル]−1,3−ジチオラン、4,5−ジメチル−2−(メチルチオメチル)−1,3−ジチオラン、および4−メチル−2−(メチルチオメチル)−1,3−ジチオラン。これらおよび他の風味成分は、米国特許第6,110,520号、および第6,333,180号に提供される。
【0066】
上記のように、本発明のシクロプロピルアミド、アルケニルアミド、およびジエンアルキルアミド、またはそれらを含む組成物は、それらを特定の製品に加えるために、1または複数のビヒクルまたはキャリアと組合せることができる。ビヒクルは、上記のように、エチルアルコール、プロピレングリコール、水などの、食用または他の用途に適した物質が可能である。キャリアとして、アラビアガム、カラギーナン、キサンタンガム、グアールガムなどの物質が挙げられる。
【0067】
本発明に従って調製されたシクロプロピルアミド、アルケニルアミド、およびジエンアルキルアミドは、スプレー乾燥、押し出し、ドラム乾燥などの従来手段でキャリアと組合せることができる。そのようなキャリアとして、上記に記載されるとおり、カプセル化製品を提供するために、本発明のジエンアルキルアミドをコアセルベート化する物質も挙げることができる。キャリアが乳濁液の場合、風味付け組成物は、モノグリセリドおよびジ
グリセリド、または脂肪酸などの乳化剤も含むことができる。これらのキャリアまたはビヒクルを用いて、所望の物理的形態の組成物が調製され得る。
【0068】
シクロプロピルアミド、アルケニルアミド、およびジエンアルキルアミドの使用量は、製品に所望の風味特性を付与するのに十分であるべきだが、一方で、過剰量の化合物の使用は、無駄が多くかつ非経済的であるばかりでなく、場合によっては量が多すぎて製品の風味または他の感覚刺激特性の釣り合いを崩す可能性がある。使用量は、最終製品の食品、食品に最初から存在する風味の量および種類、食品に対して行われるさらなる処理工程、地域性要因およびその他の嗜好要因、製品に対して行われる貯蔵の種類、および最終消費者により製品に加えられる消費前の処理(焼く、揚げるなど)に応じて変化する。したがって、「知覚的有効量」および「十分な量」という用語は、本発明の文脈においては、食品の風味を改変するに適正な量のことであると理解される。
【0069】
本発明の新規化合物に関して、合成は、以下の一般スキームに従って、酸無水物とアミンを、直接または溶液中で加えて反応させることによって行われる:
【化24】

(式中、R、R、R、R、R、およびRは、上述の化学式I、ならびに構造式1および2において規定される意味を有する)。
【0070】
アミンの合成は、文献の手順に従う[The Journal of Organic Chemistry 1989, 54, 3292-3303]。酸無水物を、0.9〜1.0当量のアミンを加えたヘキサンに、0℃〜室温、最も好ましくは10℃〜20℃の範囲の温度で溶解させる。得られる溶液を、室温で約1〜3時間熟成させる。
【0071】
反応は、残留する酸またはアミンを除去する必要に応じて、塩化ナトリウム、塩化水素、または水酸化ナトリウムの水溶液で停止することができる。混合物をエーテル系溶媒で抽出し、洗浄して中和し、そして溶媒を除去する。
【0072】
粗生成物は、物性に応じて、蒸留または再結晶で精製される。反応はアミンを基準にして、35〜70%モル収率で生じる。
【0073】
酸無水物が容易に入手できない場合、合成は、以下の一般スキームに従って、トリエチルアミンの存在下、酸のクロロギ酸エチルとの反応、そしてさらに中間体を直接または溶液状態で加えられたアミンと反応させることにより行われる:
【化25】

(式中、R、R、R、R、R、およびRは、上述の化学式I、ならびに構
造式1および構造式2において規定される意味を有する)。
【0074】
前記酸を、1.0〜2.0当量のクロロギ酸エチルを加えたジクロロメタンに、0℃〜室温、最も好ましくは10℃〜20℃の範囲の温度で溶解させる。得られる溶液を−10℃〜-30℃に冷却し、そして温度が0℃を超えないようにして1.0〜2.0当量のトリエチルアミンを加えて、混合物を1時間熟成させる。
【0075】
混合物をろ過して、ろ液を0℃に冷却する。アミンを、そのまままたは適当な溶媒に溶かした溶液として、1.0〜7.0当量で加え、そして反応系を室温で約1〜3時間熟成させる。
【0076】
反応は、残留する酸またはアミンを除去する必要に応じて、塩化ナトリウム、塩化水素、または水酸化ナトリウムの水溶液で停止することができる。混合物をエーテル系溶媒またはジクロロメタンで抽出し、洗浄して中和し、そして溶媒を除去する。
【0077】
粗生成物は、物性に応じて、蒸留または再結晶で精製される。
【0078】
反応は酸を基準にして、35〜75%モル収率で生じる。
【0079】
本発明のジエンアルキルアミドは、当業者に既知の技法を用いて、他の風味付け剤と混合されて食品および他の製品に組み込まれ得る。最も一般的には、ジエンアルキルアミドは、前述の割合の範囲内で、所望の成分を用いて、単に混合される。
【0080】
構造式2のアミドの調製では、出発物質であるアミンの合成は、当業者に既知の技法を用いてニトリルの標準的な還元方法を通じて形成されるシクロプロピルアルケンアミンの反応により行うことができる。そのようなニトリルは、同一出願人による米国特許出願第11/154,399号(2005年6月17日出願)に開示される。具体的には、2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)−シクロプロパンカルボニトリルなどのシクロプロパンカルボニトリル類は、対応するアルケンニトリル類から、すなわち、International Flavors & Fragrances Inc., NewYork, NewYorkから市販されている対応するアルケンニトリルからCorey’sシクロプロパン化反応を介して、調製することができる。ここで対応するアルケンニトリルとは3,7−ジメチル-オクタ−2,6−ジエンニトリルであり、これはCitralvaの商品名でも既知である。
【0081】
当業者は、本発明の化合物が多数のキラル中心を有し、それにより特許請求の範囲に記載される化合物の複数の異性体が提供されることを理解するだろう。本明細書中に記載される化合物にはそのような化合物の異性体混合物、ならびに当業者に既知の技法を用いて分離することができるそれらの異性体が含まれることが、本明細書中では意図される。適切な技法として、HPLCなどのクロマトグラフィー、特にゲルクロマトグラフィーおよび固相マイクロ抽出(「SPME」)が挙げられる。
【0082】
以下は、本発明の具体的な実施形態として提供される。本発明の範囲から逸脱することのない、本発明の他の変更が当業者に容易に明らかになるだろう。本明細書中で使用される場合、明細書および以下の実施例の両方において、全てのパーセンテージは、別段の記載がない限り、重量パーセントであると理解される。
【0083】
本明細書中で引用される全ての米国特許および米国特許出願は、その全体が記載されるかのように、本明細書中に参照として援用される。これまでの記述により、多数の応用、変更、および改変が思い付くだろう。しかしながら、それらは全て、本発明の精神の範囲内である。したがって、本発明の真の範囲を確認するためには、添付の特許請求の範囲を
参照するべきである。
【実施例】
【0084】
<実施例1>
本発明の物質の調製
以下の反応手順を用いて、以下に記載されるNMRデータで表される具体的な化合物を調製した:
【化26】

(式中、R、R、R、R、R、およびRは、上述の化学式I、ならびに構造式1および構造式2において規定される意味を有する)。
【0085】
酸無水物を、アミンを0.9〜1.0当量で加えたヘキサンに、0℃〜室温、最も好ましくは10℃〜20℃の範囲の温度で溶解した。得られる溶液を、室温で約1〜3時間熟成させた。
【0086】
残留する酸またはアミンを除去する必要に応じて、塩化ナトリウム、塩化水素、または水酸化ナトリウムの水溶液を用いて反応を停止した。混合物をエーテル系溶媒で抽出し、洗浄して中和し、そして溶媒を除去した。
【0087】
粗生成物は、物性に応じて、蒸留または再結晶で精製した。
【0088】
アミドを、上記の一般的なスキームに従って、以下の具体的な実施例のように合成した。設定した当量は、出発物質のアミンを基準にしたモル当量であり、収率は出発物質のアミンを基準にした蒸留後の化学収率であった。
【0089】
ブタンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
酪酸無水物 1.1当量、3,7−ジメチルオクタ−2E,6−ジエニルアミン l当量、10%水酸化ナトリウムで停止し、収率=35%。
H NMR 0.95 ppm(3H、t、J=7.34Hz)、1.60 ppm(3H、s)、1.62−1.71 ppm(2H、m)、1.67 ppm(3H、s)、1.68 ppm(3H、s)、2.01 ppm(2H、m)、2.08 ppm(2H、m)、2.15 ppm(2H、m)、3.85 ppm(2H、m)、5.08
ppm(1H、m)、5.19 ppm (1H、m)、5.44 ppm(1H、br.s)。
【0090】
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−(2E)
クロトン酸無水物 1.1当量、3,7−ジメチルオクタ−2E,6−ジエニルアミン l当量、10%水酸化ナトリウムで停止し、収率=70%。
H NMR 1.60 ppm(3H、s)、1.68 ppm(6H、m)、1.84−1.91 ppm(3H、m)、1.94−2.09 ppm(4H、m)、3.84 ppm(1H、m)、3.91 ppm(1H、m)、5.08 ppm(1H、m)、5.21 ppm(1H、m)、5.34 ppm(1H、br.s)、5.79 ppm(1H、d、J=15.15Hz)、6.84 ppm(1H、m)。
【0091】
プロパンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−
2−メチルプロピオン酸無水物 1.1当量、3,7−ジメチルオクタ−2E,6−ジエニルアミン l当量、10%水酸化ナトリウムで停止し、収率=58%。
H NMR 1.17 ppm(d、6H、J=6.5Hz)、1.63 ppm(3H、s)、1.69 ppm(3H、s)、1.71 ppm(3H、s)、2.04 ppm(2H、m)、2.08 ppm(2H、m)、2.82(1H、m)、3.87
ppm(2H、m)、5.10 ppm(1H、m)、5.26 ppm(1H、m)、5.56 ppm(1H、br.s)。
【0092】
プロパンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
プロピオン酸無水物 1.1当量、3,7−ジメチルオクタ−2Z,6−ジエニルアミン
l当量、10%水酸化ナトリウムで停止し、収率=76%。
H NMR 1.15 ppm(m、3H)、1.60 ppm(s、3H)、1.69 ppm(s、3H)、1.72 ppm(s、3H)、1.98−2.28 ppm(m、6H)、3.31−3.37 ppm(m、2Hの〜25%)、3.81−3.83 ppm(m、2Hの〜75%)、5.09 ppm(s、1H)、5.20 ppm(m、1H)、5.59 ppm(br.s、1H)。
【0093】
アセトアミド、N−[(2E,6Z)ノナジエニル]−
手順:1.0当量のノニル−2,6−ジエニルアミン、1.1当量の酢酸無水物、10%水酸化ナトリウムで停止し、60%の収率。
H NMR (500 MHz、CDCl) 5.65−5.60(m、1H)、5.53−5.37(m、3H)、5.33−5.28(m、1H)、3.82(t、J=5.7Hz、2H)、2.17−2.06(m、4H)、2.05−2.02(m、2H)、1.99(s、3H)、0.96(t、J=7.53Hz、3H)。
【0094】
プロパンアミド、N−[(2E,6Z)−ノナジエニル]−
手順:1.0当量のノニル−2,6−ジエニルアミン、1.1当量のプロピオン酸無水物、10%水酸化ナトリウムで停止し、63%の収率。
H NMR (500MHz、CDCl) 5.86(bs、1H)、5.63−5.30(m、4H)、3.81(s、2H)、2.23−2.19(q、J=7.4Hz、2H)、2.09−2.01(m、6H)、1.16(t、J=7.5Hz、3H)、0.96(t、J=7.4Hz、3H)。
【0095】
アセトアミド、N−[2,6−ノナジエニル]−2−メチル−(6Z)−
手順:1.0当量の2−メチル−ノニル−2,6−ジエニルアミン、1.1当量の無水酢酸、10%水酸化ナトリウムで停止し、53%の収率。
H NMR (500MHz、CDCl) 5.52−5.30(m、4H)、3.85(d、J=5.43Hz、0.6H)、3.78(d、J=5.77Hz、1.4H)、2.13−2.01(m、6H)、2.00(s、0.9H)、1.98(s、2.1H)、1.72(s、0.9H)、1.62(s、2.1H)、0.96(t、J=7.53Hz、3H)。
【0096】
アセトアミド、N−[(2E)−3−(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−プロペニル]−
手順:1.0当量の3−(2,4−ジメチル)−シクロヘキサ−3−エニル)−アリルアミン、1.1当量の無水酢酸、10%水酸化ナトリウムで停止し、67%の収率。
H NMR (500MHz、CDCl) δ 5.75(bs、1H)、5.66
−5.28(m、2H)、5.35−5.25(d、0.5H)、5.18(s、0.5H)、3.81−3.82(d、J=5.27Hz、2H)、1.98(s、3H)、2.05−1.95(m、1H)、1.94−1.77(m、2H)、1.75−1.57(m、2H)、1.63(s、3H)、1.54−1.37(m、1H)、0.92−0.86(m、2.5H)、0.82−0.72(t、J=7.2Hz、0.5H)。
【0097】
アセトアミド、N−[(2E)−2−メチル−3−フェニル−2−プロペニル]−
手順:1.0当量の2−メチル−3−フェニル−アリルアミン、1.1当量の無水酢酸、10%水酸化ナトリウムで停止し、67%の収率。
H NMR (500MHz、CDCl) δ 7.32−7.16(m、5H)、6.45(s、0.8H)、6.38(s、0.2H)、5.81(s、0.2H)、5.58(s、0.8H)、4.06(d、J=5.61Hz、1.6H)、3.96(d、J=5.97Hz、0.4H)、2.04(s、0.9H)、1.96(s、2.1H)、1.90(s、2.3H)、1.86(s、0.7H)。
【0098】
プロパンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−
イソ酪酸無水物 1.1当量、3,7−ジメチルオクタ−2Z,6−ジエニルアミン 1当量、10%水酸化ナトリウムで停止し、収率=80%。
H NMR 1.15 ppm(d、6H、J=6.8Hz、of d、J=2.4Hz)、1.60−1.73 ppm(m、9H)、1.98−2.24 ppm(m、4H)、2.27−2.35 ppm(m、1H)、3.83 ppm(m、2H)、5.09 ppm(m、1H)、5.16−5.28 ppm(m、1H)、5.46 ppm(br.s、1H)。
【0099】
<実施例2>
本発明の物質の調製
以下の反応手順を用いて、以下に記載されるNMRデータで表される具体的な化合物を調製した:
【化27】

【0100】
前記酸を、1.0〜2.0当量のクロロギ酸エチルを加えたジクロロメタンに、0℃〜室温、最も好ましくは10℃〜20℃の範囲の温度で溶解した。得られる溶液を−10℃〜−30℃に冷却し、そして温度範囲が0℃を超えないようにして1.0〜2.0当量のトリエチルアミンを加えて、混合物を1時間熟成させる。
【0101】
混合物をろ過して、ろ液を0℃に冷却した。アミンを、そのままで、またはTHF溶液として、1.0〜7.0当量で加え、そして反応系を室温で約1〜3時間熟成させた。
【0102】
残留する酸またはアミンを除去する必要に応じて、塩化ナトリウム、塩化水素、または水酸化ナトリウム水溶液で反応を停止した。混合物をエーテル系溶媒またはジクロロメタンで抽出し、洗浄して中和し、そして溶媒を除去した。
【0103】
粗生成物は、物性に応じて、蒸留または再結晶で精製した。
【0104】
アミドを、上記の一般的なスキームに従って、以下の特定の実施例で合成した。設定した当量は、出発物質の酸を基準にしたモル当量であり、収率は出発物質の酸を基準にした蒸留後の化学収率であった。
【0105】
以下の実施例のいくつかでは、カルボン酸およびクロロギ酸エチルの代わりに酸塩化物を用いる。
【0106】
2,6−ノナジエンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E,6Z)−
2E,6Z−ノナジエン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 1.5当量、トリエチルアミン 1.5当量、3,7−ジメチルオクタ−2E,6−ジエニルアミン 1.6当量、10%塩化ナトリウム溶液で停止し、収率=50%。
H NMR 0.95 ppm(t、3H、J=7.53Hz)、1.60 ppm(s、3H)、1.68 ppm(s、6H)、1.96−2.13 ppm(m、6H)、2.17−2.22 ppm(m、4H)、3.91 ppm(t、2H、J=6.07Hz)、5.06−5.09 ppm(m、1H)、5.22 ppm(t、1H、J=6.98Hz)、5.28−5.33 ppm(m、1H)、5.37−5.43 ppm(m、1H)、5.58 ppm(br.s、1H)、5.79 ppm(d、1H、J=15.33Hz)、6.82 ppm(d、1H、J=15.25Hz、of t、J=6.59Hz)。
【0107】
プロパンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2,2−ジメチル−
トリメチル酢酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 1.5当量、トリエチルアミン 1.5当量、3,7−ジメチルオクタ−2E,6−ジエニルアミン 1.6当量、10%塩化ナトリウム溶液で停止し、収率=41%。
H NMR 1.20 ppm(2s、9H)、1.60 ppm(s、3H)、1.67 ppm(s、3H)、1.68 ppm(s、3H)、1.98−2.10 ppm(m、4H)、3.82−3.84 ppm(m、2H)、5.07−5.09 ppm(m、1H)、5.17−5.20 ppm(m、1H)、5.53 ppm(br.s、1H)。
【0108】
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−
3,3−ジメチルアクリル酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 1.5当量、トリエチルアミン 1.5当量、3,7−ジメチルオクタ−2E,6−ジエニルアミン 1.6当量、10%塩化ナトリウム溶液で停止し、収率=16%。
H NMR 1.60 ppm(s、3H)、1.67 ppm(s、3H)、1.68 ppm(s、3H)、1.83 ppm(s、3H)、1.95−2.02 ppm(m、2H)、2.06−2.13 ppm(m、2H)、2.15 ppm(s、3H)、3.85−3.89 ppm(m、2H)、5.07−5.09 ppm(m、1H)、5.20−5.22 ppm(m、1H)、5.42 ppm(br.s、1H)、5.56 ppm(s、1H)。
【0109】
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−(2E)
2−メチル−2E−ブテン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 1.5当量、トリエチルアミン 1.5当量、3,7−ジメチルオクタ−2E,6−ジエニルアミン 1.6当量
、10%塩化ナトリウム溶液で停止し、収率=31%。
H NMR 1.60 ppm(s、3H)、1.68−1.71 ppm(2s、6H)、1.74−1.75 ppm(2s、3H)、1.84 ppm(s、3H)、1.96−2.03 ppm(m、2H)、2.07−2.15 ppm(m、2H)、3.89−3.91 ppm(m、2H)、5.07−5.09 ppm(m、1H)、5.21−5.24 ppm(m、1H)、5.60 ppm(br.s、1H)、6.40−6.42 ppm(m、1H)。
【0110】
ブタンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−
2−メチルブタン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 1.5当量、トリエチルアミン 1.5当量、3,7−ジメチルオクタ−2E,6−ジエニルアミン 1.6当量、10%塩化ナトリウム溶液で停止し、収率=46%。
H NMR 0.89−0.92 ppm(m、3H)、1.12−1.17 ppm(m、3H)、1.39−1.45 ppm(m、1H)、1.51−1.80 ppm(m、1H)、1.60 ppm(s、3H)、1.67 ppm(s、3H)、1.68 ppm(s、3H)、1.97−2.17 ppm(m、5H)、3.86 ppm(s、2H)、5.08 ppm(s、1H)、5.18−5.21 ppm(m、1H)、5.30−5.67 ppm(br.s、1H)。
【0111】
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
シクロプロパンカルボン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 1.5当量、トリエチルアミン 1.5当量、3,7−ジメチルオクタ−2Z,6−ジエニルアミン 1.6当量、10%塩化ナトリウム溶液で停止し、収率=56%。
H NHR 0.70−0.71 ppm(m、2H)、0.94−0.96 ppm(m、2H)、1.30−1.34 ppm(m、1H)、1.61−1.73 ppm(m、9H)、1.98−2.28 ppm(m、4H)、3.83−3.88 ppm(m、2H)、5.10 ppm(m、1H)、5.20−5.24 ppm(m、1H)、5.72 ppm(br.s、1H)。
【0112】
シクロプロパンカルボキサミド、N−(3−メチル−2−ブテニル)−
シクロプロパンカルボン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 1.5当量、トリエチルアミン 1.5当量、3−メチル−2−ブテニルアミン 1.6当量、10%塩化ナトリウム溶液で停止し、収率=17%。
H NMR 0.69−0.73 ppm(m、2H)、0.95−0.98 ppm(m、2H)、1.28−1.33 ppm(m、1H)、1.68 ppm(s、3H)、1.73 ppm(s、3H)、3.85 ppm(t、2H、J=6.1Hz)、5.21 ppm(t、1H、J=7.1Hz)、5.50 ppm(br.s、1H)。
【0113】
シクロプロピルカルボキサミド、N−[2,6−ドデカジエニル]−(2E,6Z)−
手順:1.0当量のドデシル−2,6−ジエニルアミン、1.1当量の塩化シクロプロパンカルボニル、1.5当量のトリエチルアミン、水で停止し、61%の収率。
H NMR (500MHz、CDC1) 5.65−5.61(m、2H)、5.50−5.46(m、1H)、5.40−5.33(m、2H)、3.84(m、2H)、2.11−2.07(m、4H)、2.03−1.99(m、2H)、1.35−1.26(m、7H)、0.99−0.96(m、2H)、0.89(t、J=7.18Hz、3H)、0.74−0.71(m、2H)。
【0114】
アセトアミド、N−[(2E)−3−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテニル]−
手順:1.0当量の3−(4−メチル−シクロヘキシ−3−エニル)−ブト−2−エニルアミン、1.1当量の塩化アセチル、1.5当量のトリエチルアミン、水で停止し、42%の収率。
H NMR (500MHz、CDCl) δ 6.13(bs、1H)、5.38(s、1H)、5.23−5.16(m、1H)、3.87−3.79(m、2H)、2.16−2.02(m、2H)、1.97(s、3H)、2.01−1.95(m、1H)、1.92−1.77(m、1H)、1.74−1.68(m、1H)、1.66−1.60(m、6H)、1.59−1.25(m、2H)。
【0115】
シクロプロピルカルボキサミド、N−[2,6−ノナジエニル]−(2E,6Z)−
手順:1.0当量のノニル−2,6−ジエニルアミン、1.1当量の塩化シクロプロパンカルボニル、1.5当量のトリエチルアミン、水で停止し、63%の収率。
H NMR (500MHz、CDCl) 5.80−5.28(m、5H)、3.90(d、J=6.06Hz、0.33H)、3.84(t、J=5.65Hz、1.67H)、2.17−1.98(m、6H)、1.34−1.29(m、1H)、0.96(t、J=7.5Hz、3H)、1.02−0.93(m、2.33H)、0.75−0.71(m、1.67H)。
【0116】
シクロプロピルカルボキサミド、N−[2,6−ノナジエニル]−2−メチル−(2E,6Z)−
手順:1.0当量の2−メチル−ノニル−2,6−ジエニルアミン、1.1当量の塩化シクロプロパンカルボニル、1.5当量のトリエチルアミン、水で停止し、58%の収率。H NMR (500MHz、CDCl) 5.52−5.30(m、4H)、3.91−3.80(m、2H)、2.13−1.95(m、6H)、1.73(s、1H)、1.63(s、2H)、1.38−1.28(m、1H)、0.96(t、J=7.5Hz、3H)、1.00−0.94(m、1.5H)、0.93−0.84(m、1H)、0.75−0.71(m、1.5H)。
【0117】
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3−(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−プロペニル]−
手順:1.0当量の3−(2,4−ジメチル)−シクロヘキシ−3−エニル)−アリルアミン、1.1当量の塩化シクロプロパンカルボニル、1.5当量のトリエチルアミン、水で停止し、65%の収率。
H NMR (500MHz、CDCl) δ 5.75(bs、1H)、5.66−5.44(m、2H)、5.35−5.28(d、0.5H)、5.19(s、0.5H)、3.90−3.79(m、2H)、2.05−1.81(m、3H)、1.65(d、3H)、1.72−1.57(m、1H)、1.57−1.41(m、1H)、1.40−1.18(m、2H)、0.97−0.95(m、2H)、0.92(d、J=6.1Hz、1.8H)、0.89(d、J=6.5Hz、1.2H)、0.73−0.70(m、2H)。
【0118】
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−2−メチル−3−フェニル−2−プロペニル]−
手順:1.0当量の2−メチル−3−フェニル−アリルアミン、1.1当量の塩化シクロプロパンカルボニル、1.5当量のトリエチルアミン、水で停止し、69%の収率。
1H NMR (500MHz、CDCl) δ 7.33(dd、J=8.57、7.33Hz、2H)、7.25(d、J=8.57Hz、2H)、7.21(t、J=7.33Hz、1H)、6.40(s、1H)、5.80(bs、1H)、4.00(d、
J=5.97Hz、2H)、1.87(s、3H)、1.41−1.38(m、1H)、1.02−1.00(m、2H)、0.78−0.75(m、2H)。
【0119】
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
手順:シクロプロパンカルボン酸 1当量、クロロギ酸エチル 1.5当量、トリエチルアミン 1.5当量、3,7−ジメチルオクタ−2E,6−ジエニルアミン 1.6当量、10%塩化ナトリウム溶液で停止し、収率=36%。
0.71 ppm(2H、m)、0.96 ppm(2H、m)、1.33 ppm(1H、m)、1.60 ppm(3H、s)、1.67 ppm(3H、s)、1.69 ppm(3H、s)、2.01 ppm(2H、m)、2.08 ppm(2H、m)、3.87 ppm(2H、m)、5.08 ppm(1H、m)、5.21 ppm(1H、m)、5.61 ppm(1H、br.s)。
【0120】
<実施例3>
様々な分子で味見試験を行った。以下の分子(A)は、本明細書中に開示および特許請求されている。分子(B)および分子(J)は、同時係属出願の米国特許出願第10/783,652号(2004年2月20日出願)に、風味物質として開示および特許請求されている。以下の味見実施例で、これらの物質を用いた。
【0121】
(A) シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]
(B) (2E)−N,N,3,7−テトラメチルオクタ−2,6−ジエンアミド
(C) 2,6−ノナジエンアミド、N−2−プロペニル−,(2E,6Z)
(D) N−イソブチル−(E2,Z6)−ノナジエンアミド
(E) 2,6−ドデカジエンアミド、N−シクロプロピル−,(2E,6Z)
(F) 2−ブテンアミド、N−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−(2E)
(G) 2,6−オクタジエンアミド、N−エチル−3,7−ジメチル
(H) グリシンN−[(2E,6Z)−1−オキソ−2,6−ノナジエニル]メチルエステル
(I) n−シクロプロピル−(E2,Z6)−ノナジエンアミド
(J) 2,6−ノナジエンアミド、N−エチル−(2E,6Z)−
【0122】
約16人のフレーバリストからなる訓練された消費者パネルで、味見溶液中の上記分子を評価して、各々の味見溶液について塩味および旨味の知覚を評定してもらった。重量比0.3%のNaCl、0.1%のMSG、および0.015%のリボタイド(グアニル酸二ナトリウムおよびイノシン酸二ナトリウムの市販の混合物)を含む味見溶液をパネリストに提供した。上記分子を、試験溶液に1ppmおよび4ppmで加えた。
【0123】
上記味見パネルにより、本発明の分子が塩味および旨味の知覚を、40%を上回って増加させることがわかった。このような基剤の塩味および旨味の増加は、基剤に0.12%の濃度でKClを加えた場合に見られる増加、または基剤中の食塩、MSG、およびリボタイドの総量が40%増加した場合に見られる増加よりも高かった。
【0124】
<実施例4>
フレーバリストおよび科学者からなる訓練されたパネルに、重量で0.3%NaCl、0.1%MSG、および0.015%リボタイドを含む一連の味見試料の対を提供した。パネルの各メンバーについて2つの試料を用意した。与えられた試料の1つは、変更無しの味見溶液であり、2番目の試料は上記分子を1ppm加えた試料であった。パネリスト
は、上記分子を含有する試料の方が高い塩味特性および旨味特性を有することを発見した。塩味および旨味の知覚は、約20%まで増加した。
【0125】
<実施例5>
フレーバリストおよび食品技術者からなる熟練パネルに、上述の本発明の分子を1ppmから4ppmの間で含有する、ナトリウム量を減らした一連のビーフブロスを目隠しで評価してもらった。パネルにより、それらのブロスの塩味および旨味の味わいが明らかに向上することが明らかにされた。
【0126】
<実施例6>
市販されている米料理を、本発明の化合物を加えて、または加えずに、調理した。上述の分子を、加工済みの米料理に3ppmで加えた。次いで、米料理を、包装にある指示に従って加熱した。フレーバリストおよび食品技術者からなる熟練パネルに、試料の塩味を評定してもらった。パネルにより、上記分子を加えた米サンプルが風味付けしていない参照サンプルよりも明らかに塩味が強いことが明らかにされた。
【0127】
本発明の分子を、市販されている麺料理に2ppmで加えた。フレーバリストおよび食品技術者からなるパネルに、風味付けしたサンプルおよび風味付けしていないサンプルを目隠しで提供して、風味の違いについて感想を求めた。上記分子を含有するサンプルは、一様に、風味付けしていないサンプルよりも塩気が強いと評価された。
【0128】
<実施例7>
先の実施例で採用したフレーバリストおよび食品技術者からなるパネルに、一連の、ナトリウム量を減らしたチキンブロスに対してナトリウムをそのまま残したチキンブロスを評価してもらった。この差異試験では、パネルは、10%少ない塩を含むチキンブロスの風味が明らかに異なることを見いだすことができた。パネルにより、塩が15%減らされた場合に低塩試料の風味の違いがはっきりすることが明らかにされた。
【0129】
上述の本発明の分子を800ppb含有する低塩チキンブロス試料を、このパネルに提供して評価をおこなった。パネルは、食塩量そのままのチキンブロスと上述の分子を含有する15%少ない塩を含むチキンブロスとの間の違いに気付くことはできなかった。塩を20%減らした、本発明の分子含有ブロスの試料が、塩量そのままのブロスと明らかに異なると気づかれることはなかった。
【0130】
<実施例8>
本発明の物質の調製
以下の反応手順を用いて、以下のNMRデータで示す具体的な化合物を調製した:
【化28】

【0131】
シクロプロパンカルボキサミド、N−メチル−N−[2,6−ノナジエニル]−(E2,Z6)
窒素下、反応フラスコに、NaH(2.0g、50mmol)および100mLのトルエンを投入した。反応系を80℃に加熱し、そしてアミド(10g、48mmol)を25分かけて加えた。混合物を1時間熟成し、次いでジメチルスルフィド(DMS)(4.1g、33mmol)を15分かけて反応系に加えた。反応系を4時間熟成し、それから
85gの25%(wt/wt)NaOH溶液を用いて停止した。反応系を80℃で1時間熟成し、次いで層を分離させて有機層を温水で2回洗浄した。溶媒を減圧除去した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーにより、(0〜50%EtOAc/ヘキサン)で溶出して精製し、6.3gの生成物を得た(収率60%)。
H NMR (500MHz、CDCl) 5.59(m、1H)、5.50−5.36(m、2H)、5.30(m、1H)、4.01(s、1H)、3.94(s、1H)、3.07(s、1.5H)、2.91(s、1.5H)、2.12(m、4H)、2.03(m、2H)、1.71(m、1H)、0.96(m、2H)、0.96(t、J=7.53Hz、3H)、0.73(m、2H)。
【化29】

【0132】
シクロプロパンカルボキサミド、N−[3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエニル]−N−メチル−(2E)
窒素下、反応フラスコに、NaH(1.2g、29mmol)および50mLのトルエンを投入した。反応系を80℃に加熱し、そして25mLのトルエンに溶解させたアミド(6.0g、27mmol)を30分かけて加えた。混合物を1時間熟成し、次いでジメチルスルフィド(2.4g、19mmol)を5分かけて反応系に加えた。反応系を4時間熟成し、それから61gの25%(wt/wt)NaOH溶液で停止した。反応系を80℃で1時間熟成し、次いで層を分離させて有機層を温水で2回洗浄した。溶媒を減圧除去した。生成物を、クーゲルロール蒸留で精製し、4.2gの生成物を得た(収率66%)。
H NMR (500MHz、CDCl) 5.21−5.11(m、1H)、5.08−5.07(m、1H)、4.08−4.02(m、1H)、3.88−3.85(m、1H)、3.07(s、1.5H)、2.91(s、1.5H)、2.10−2.00(m、4H)、1.73−1.68(m、7H)、1.60(m、3H)、0.98−0.96(m、2H)、0.74−0.70(m、2H)。
【化30】

【0133】
シクロプロパンカルボキサミド、N−[3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエニル]−N−エチル−(2E)
窒素下、反応フラスコに、NaH(1.2g、29mmol)および50mLのトルエンを投入した。反応系を80℃に加熱し、そして25mLのトルエンに溶解させたアミド(6.0g、27mmol)を30分かけて加えた。混合物を1時間熟成し、次いでジエチルスルフィド(DES)(3.0g、19mmol)を5分かけて反応系に加えた。反応系を4時間熟成し、それから61gの25%(wt/wt)NaOH溶液で停止した。反応系を80℃で1時間熟成し、次いで層を分離させて有機層を温水で2回洗浄した。溶媒を減圧除去した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーにより、(0〜50%EtOAc/ヘキサン)で溶出して精製し、3.6gの生成物を得た(収率57%)。
H NMR (500MHz、CDCl 5.21−5.11(m、1H)、5.08−5.07(m、1H)、4.08−4.02(m、1H)、3.88−3.85(m
、1H)、3.53−3.36(m、2H)、2.10−2.00(m、4H)、1.73−1.68(m、7H)、1.60(m、3H)、1.28−1.21(m、1.5H)、1.18−1.09(m、1.5H)、0.98−0.96(m、2H)、0.74−0.70(m、2H)。
【化31】

【0134】
プロピオンアミド、N−シクロプロピルメチル−N−[2,6−ノナジエニル]−(2E,6Z)
窒素下、反応フラスコに、NaH(2.3g、56mmol)および100mLのTHFを投入した。反応系を50℃に加熱し、そしてアミド(10.0g、50mmol)を45分かけて加えた。混合物を1時間熟成し、次いでブロモメチルシクロプロパン(11g、80mmol)を15分かけて反応系に加えた。反応系を4時間熟成し、それから75mLの水を加えて反応を停止した。層を分離させて有機層をNaHCO飽和溶液、水、およびブラインで洗浄した。溶媒を減圧除去した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーにより、(0〜50%EtOAc/ヘキサン)で溶出して精製し、6.2gの生成物を得た(収率48%)。
H NMR (500MHz、CDCl 5.58−5.52(m、1H)、5.42−5.33(m、2H)、5.30−5.27(m、1H)、4.05(d、J=6.12Hz、0.8H)、3.92(d、J=4.97Hz、1.2H)、3.24(d、J=6.8Hz、1.2H)、3.13(d、J=6.5Hz、0.8H)、2.38(q、J=7.4Hz、0.8H)、2.33(q、J=7.4Hz、1.2H)、2.10(bs、4H)、2.02(m、2H)、1.16(t、J=7.4Hz、1.2H)、1.14(t、J=7.4Hz、1.8H)、0.95(t、J=7.5Hz、3H)、1.0−0.93(m、0.4H)、0.93−0.84(m、0.6H)、0.57−0.53(m、0.8H)、0.49−0.45(m、1.2H)、0.23−0.18(m、2H)。
【0135】
<実施例9>
上述の、および同一出願人による米国出願第11/154,399号(2005年7月17日出願)において開示される窒化物の標準還元方法を用いて、以下に記載のNMRデータで表される、化合物の特定のアミン前駆体を調製した。
【0136】
シクロプロパンカルボキサミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−:
窒素下、反応フラスコに、1−[2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロピル]メタンアミン(10.0g、0.06mol)、トリエチルアミン(10.4mL、0.07mol)、および75mlの無水塩化メチレンを投入した。反応系を−5℃に冷却し、そしてシクロプロパンカルボン酸塩化物(6.9g、0.066mol)を滴下した。滴下が完了したら、反応混合物を室温で3時間熟成させてから、75mLの水を加えて停止した。有機物を抽出してブラインで洗浄した。クーゲルロール蒸留により、8.1gの生成物を得た(収率57%)。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.08−0.16(m、1H)、0.46−0.51(m、1H)、0.77−0.98(m、5H)、1.05−1.09(2s、3H)、1.11−1.18(m、1H)、1.26−1.40(m、2H)、1.61−1.74(m、6H)、2.01−2.17(m、2H)、3.33(br
.s、2H)、5.10(m、1H)、5.58(br.s、1H)。
【0137】
アセトアミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−:
塩化アセチル 1.1当量、1−[2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロピル]メタンアミン 1.0当量、トリエチルアミン 1.2当量、水で停止し、収率65%。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.09−0.13(m、1H)、0.42−0.51(m、1H)、0.72−0.79(m、1H)、1.05−1.07(2s、3H)、1.09&1.43(m、3H)、1.62(s、3H)、1.69(s、3H)、1.98(s、3H)、2.01−2.09(m、2H)、3.11−3.36(m、2H)、5.08−5.11(m、1H)、5.41(br.s.、1H)。
【0138】
プロパンアミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−:
塩化プロピオニル 1.1当量、1−[2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロピル]メタンアミン 1.0当量、トリエチルアミン 1.2当量、水で停止し、収率62%。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.09−0.14(m、1H)、0.45−0.51(m、1H)、0.73−0.79(m、1H)、1.05−1.07(2s、3H)、1.09−1.14&1.31−1.39(m、3H)、1.17(t、J=7.55Hz、3H)、1.61(s、3H)、1.68(s、3H)、2.04−2.09(m、2H)、2.20(q、J=7.57Hz、2H)、3.11−3.86(m、2H)、5.08−5.12(m、1H)、5.38(m、1H)。
【0139】
実施例2に従った反応手順を用いて、以下に記載のNMRデータで表される特定の化合物を調製した:
【0140】
イソプロパンアミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−2−メチル−:
イソ酪酸無水物 1.1当量、1−[2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロピル]メタンアミン 1.0当量、トリエチルアミン 1.2当量、水で停止し、収率70%。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.10−0.14(m、1H)、0.45−0.51(m、1H)、0.73−0.79(m、1H)、1.05−1.07(2s、3H)、1.09−1.13&1.31−1.39(m、3H)、1.16(d、J=6.89Hz、6H)、1.61(s、3H)、1.68(s、3H)、2.01−2.10(m、2H)、2.34(七重線、J=6.89Hz、1H)、3.09−3.86(m、2H)、5.08−5.12(m、1H)、5.39(br.s.、1H)。
【0141】
2−ブテンアミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−:
クロトン酸無水物 1.1当量、1−[2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロピル]メタンアミン 1.0当量、トリエチルアミン 1.2当量、水で停止し、収率61%。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.10−0.15(m、1H)、0.45−0.51(m、1H)、0.75−0.82(m、1H)、1.05−1.08(2s、3H)、1.10−1.15(m、1H)、1.3−1.39(m、1H)、
1.61(s、3H)、1.68(s、3H)、1.85(d、J=6.8Hz、3H)、2.02−2.09(m、2H)、3.17−3.44(m、2H)、5.08−5.12(m、1H)、5.36(br.s、1H)、5.79(d、J=15.2Hz、1H)、6.83(dq、J=15.1、6.9Hz、1H)。
【0142】
<実施例10>
実施例2に従った反応手順(ここでR1〜R7は、上述の構造式5で規定されたと同じ意味を有する)を用いて、下記のNMRデータで表される特定の化合物を調製した:
【0143】
2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロパンカルボキサミド、N−シクロプロピル−:
150mLの酢酸エチルに溶解した2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロパンカルボン酸(20.0g、0.11mol)、およびクロロギ酸エチル(17.9g、0.165mol)を反応フラスコに投入した。次いで、反応混合物を0℃に冷却した。反応温度を0℃に維持しながら、トリエチルアミン(23.8g、0.165mol)をゆっくりと加えた。滴下が完了したら、反応混合物を2時間熟成させた。次に、シクロプロピルアミン(18.8g、0.33mol)を1時間かけてゆっくりと加えた。滴下が完了したら、反応混合物を室温に昇温し、2時間熟成させた。次いで、反応混合物に200mLの水を加えて反応を止め、ジエチルエーテルで抽出し、そしてブラインで洗浄した。クーゲルロール蒸留により、15.1gの生成物を得た(収率62%)。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.44−0.90(m、6H)、1.06(t、1H、J=4.77Hz)1.1&1.14(2s、3H)、1.16−1.43(m、2H)、1.60−1.70(m、6H)、2.01−2.13(m、2H)、2.68−2.75(m、1H)、5.09(br.s、1H)、5.45−5.64(m、1H)。
【0144】
2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロパンカルボキサミド、N,N−ジメチル−:
ジメチルアミン 3.0当量、2−[(3Z)−ヘキサ−3−エン−1−イル]シクロプロパンカルボン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 2.0当量、トリエチルアミン 2.0当量、塩化ナトリウム飽和溶液で反応停止し、55%の収率。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.61(m、1H)、0.95(t、J=7.52Hz、3H)、0.96(m、1H)、1.17(m、1H)、1.37(m、2H)、1.49(m、2H)、2.04(p、J=7.16Hz、2H)、2.14(q、J=6.69Hz、2H)、2.95(s、3H)、3.15(s、3H)、5.30−5.49(m、2H)。
【0145】
2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロパンカルボキサミド、N−エチル−:
エチルアミン 3.0当量、2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロパンカルボン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 2.0当量、トリエチルアミン 2.0当量、塩化ナトリウム飽和溶液で反応停止し、63%の収率を得た。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.70(m、1H)、1.12−1.70(m、16H)、1.92−2.20(m、2H)、3.30(m、2H)、5.08−5.11(m、1H)、5.49−5.52(m、1H)。
【0146】
2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロパンカルボキサミド、N−2−メチルプロパニル−:
イソブチルアミン 3.0当量、2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−
イル)シクロプロパンカルボン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 2.0当量、トリエチルアミン 2.0当量、塩化ナトリウム飽和溶液で反応停止し、71%の収率を得た。H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.71(br.s.1H)、0.92(d、J=6.43Hz、6H)、1.06(m、1H)、1.121.14(2s、3H)、.19−1.26(m、2H)、1.39−1.44(m、1H)、1.61(2s、3H)、1.69(2s、3H)、1.74−1.82(m、1H)、1.93−2.13(m、2H)、3.11(br.s、2H)、5.09−5.12(m、1H)、5.54(br.s、1H)。
【0147】
2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロパンカルボキサミド、N−メチル−:
メチルアミン 3.0当量、2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロパンカルボン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 2.0当量、トリエチルアミン 2.0当量を塩化ナトリウム飽和溶液で反応停止し、51%の収率を得た。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.70−0.72&1.05−1.07(m、1H)、1.11−1.15(2s、3H)、1.17−1.26&1.27−1.43(m、2H)、1.59−1.70(m、7H)、1.906−2.13(m、2H)、2.82(s、3H)、5.06−5.11(m、1H)、5.25−5.32&5.49(m、1H)。
【0148】
2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロパンカルボキサミド、N−2−プロペニル−:
アリルアミン 3.0当量、2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロパンカルボン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 2.0当量、トリエチルアミン 2.0当量を塩化ナトリウム飽和溶液で反応停止し、72%の収率を得た。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.71−0.74(m、1H)、0.84−0.90(m、1Hの〜38%)1.08(t、1Hの〜62%、J=4.87Hz)、1.12−1.15(2s、3H)、1.21−1.28(m、2H)、1.41−1.50(m、1H)、1.55−1.69(m、6H)、1.95−2.14(m、2H)、3.88−3.93(m、2H)、5.08−5.14(m、2H)、5.17−5.22(m、1H)、5.53−5.66(m、1H)、5.81−5.92(m、1H)。
【0149】
2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロパンカルボキサミド、N−1−メチルエチル−:
イソプロピルアミン 3.0当量、2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エン−1−イル)シクロプロパンカルボン酸 1.0当量、クロロギ酸エチル 2.0当量、トリエチルアミン 2.0当量を塩化ナトリウム飽和溶液で停止し、68%の収率を得た。
H NMR (500MHz、CDCl) δ:0.65−0.69&1.03−1.04(m、1H)、1.11−1.30(m、12H)、1.39−1.46&1.46−1.51(m、1H)、1.59−1.71(m、6H)、1.94−2.10(m、2H)、4.06−4.11(m、1H)、5.08−5.12(m、1H)、5.29−5.33(m、1H)。
【0150】
<実施例11>
基本味特性の強度および性質の評定のため、基本味について訓練した消費者パネルに、MSG、リボタイド(グアニル酸二ナトリウムおよびイノシン酸二ナトリウムの市販の混合物)、および本発明の分子の溶液の旨味強度を比較してもらった。
【0151】
440mgのナトリウムブロスベースを参照として用い、以下のプロトコルに従って試
験を行った。
【0152】
【表10】

【0153】
試験の結果は、本発明の選ばれた分子を2ppmで添加した場合、0.5%の食塩、または0.65%のMSG、または0.08%のリボタイドの添加とほぼ同じ強度で、さらなる旨味特性が付加されることを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式1および構造式2:
【化1】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1から4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1から8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化2】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、かつ
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式1において、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合には、Rは上記の群より選択されても良く、またはフェニル基であっても良い

から成る群より選択される構造式で表される、N置換不飽和アルキルアミド化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、
は、水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、およびアルケニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化3】

シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、および
シクロヘキセニル基

から成る群より選択され、
は、水素原子、およびメチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、およびメチル基から成る群より選択され、かつ
は、炭素数3−7の直鎖または分岐鎖アルキル基、またはアルケニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基、そして構造式1の場合にはフェニル基、から成る群より選択されるが、ただし、
構造式1において、Rが水素原子かつRが水素原子ならば、Rは水素原子にもメチル基にもならないことを特徴とする、化合物。
【請求項3】
以下の化学式:
【化4】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子およびメチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、エチル基、アリルイソプロピル基、およびプロピル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化5】

シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、およびシクロヘキセニル基

から成る群より選択され、
は、水素原子およびメチル基から成る群より選択され、
は、水素原子およびメチル基から成る群より選択され、かつ
は、炭素数6の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、シクロヘキセニル基、またはフェニル基から成る群より選択されるが、ただし
が水素原子かつRが水素原子ならば、Rは水素原子にもメチル基にもならない

で表される化合物。
【請求項4】
以下の化学式:
【化6】


式中、Rは、水素原子およびメチル基から成る群より選択され、
は、水素原子およびメチル基から成る群より選択されるか、あるいは
とRはひとまとめに、
【化7】

または、シクロプロピル基

であっても良く、
は、水素原子およびメチル基から成る群より選択され、かつ
10は、水素原子およびメチル基から成る群より選択されるが、ただし
が水素原子ならば、Rは水素原子にもメチル基にもならない

で表される化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物を、重量比で約50ppbより多く含む食品。
【請求項6】
飲料、食品、チューインガム、歯科および口腔衛生用製品から成る群より選択される消耗品と、知覚的に許容可能な濃度の請求項1に記載の化合物を含む組成物。
【請求項7】
前記知覚的に許容可能な化合物の濃度は約50ppbより高いことを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記知覚的に許容可能な化合物の濃度は、約0.01ppm〜約50ppmの重量濃度である、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
食塩を含有する飲料、食品、チューインガム、歯科および口腔衛生用製品の塩味を増強する方法であって、以下の構造式1および構造式2:
【化8】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化9】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘ
キシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、かつ
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式1において、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合には、Rは上記の群より選択されても良く、またはフェニル基であっても良い

から成る群より選択される構造式で表される化合物を、塩味を増強する濃度で添加することを含む、方法。
【請求項10】
(a)請求項9に記載の方法で用いられる化合物、および
(b)食品材料
を含む、食品組成物。
【請求項11】
請求項9に記載の化合物は構造式1で表される、請求項10に記載の食品組成物。
【請求項12】
(a)請求項9に記載の方法で用いられる化合物、および
(b)第二の塩味増強物質
を含み、(a)対(b)の重量比は、約1:10〜約10:1である、知覚的に許容可能な組成物。
【請求項13】
前記(a)対(b)の重量比は、約1:5〜約5:1の範囲である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記(a)対(b)の重量比は、約1:3〜約3:1の範囲である、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
請求項9に記載の化合物は、
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−;
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−;
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−;
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−;
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z,6Z)−2,6−ノナジエニル]−;
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−;
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3−(3−シクロヘキセン−1−イル)−2−プロペニル]−;
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ドデカジエニル]−;シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−;
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
から成る群より選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
請求項12に記載の組成物を含む食品または飲料であって、前記塩味増強物質(a)は、
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−;
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−;
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−;
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−;
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z,6Z)−2,6−ノナジエニル]−;シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−;
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3−(3−シクロヘキセン−1−イル)−2−プロペニル]−;
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ドデカジエニル]−;シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−;
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
から成る群より選択される、食品または飲料。
【請求項17】
前記塩味増強物質(b)は、
N,N,3,7−テトラメチルオクタ−2,6−ジエンアミド、(2E)−;
2−プロペンアミド、3−(3−シクロヘキセン−1−イル)−N−エチル−、(2E)−;
3,7−ジメチル−2,6−オクタジエンアミド、N−エチル−、(2E)−;
2,6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチル−、(2E,6Z)−;
2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル、2−メチル−、(2E,6Z)−;
2,6−ドデカジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−;
2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル−、(2E,6Z)−;
2,6−ノナジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−
から成る群より選択される、請求項16に記載の食品または飲料。
【請求項18】
食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、またはスープの旨味を増進または増強する、もしくはこれらに旨味を付与する方法であって、知覚的に許容可能な濃度の、請求項9に記載の方法で用いられる化合物を、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、またはスープに加えることを含む、方法。
【請求項19】
前記知覚的に許容可能な濃度は、重量比で約50ppbより高いことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
知覚的に許容可能な量の化合物と塩化ナトリウムを含む組成物であって、該化合物は、以下の構造式1および構造式2:
【化10】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化11】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、かつ
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式1において、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合には、Rは上記の群より選択されても良く、またはフェニル基であっても良い

から成る群より選択される構造式で表されることを特徴とする、組成物。
【請求項21】
食塩代替化合物を付加的に含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記食塩代替化合物は、塩化カリウム、リボヌクレオチド、カチオン性アミノ酸、低分子量ジペプチド、グルタミン酸一ナトリウム、および酵母菌から成る群より選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記食塩代替化合物は、アルギニン塩酸塩、アルギニンアンモニウム塩化物、リジン塩酸塩、およびリジンオルニチン塩酸塩から成る群より選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
請求項20に記載の組成物を含む食品、飲料、チューインガム、医薬品、または歯磨き粉であって、前記化合物を50ppbより高い濃度で含むことを特徴とする、食品、飲料、チューインガム、医薬品、または歯磨き粉。
【請求項25】
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7-ジメチル−2,6−オクタ
ジエニル]−と、2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル−、(2E,6Z)−と、2,6−ノナジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−、を含む組成物。
【請求項26】
前記シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7-ジメチル−2,6−オクタジエニル]−と、2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル−、(2E,6Z)−と、2,6−ノナジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−は、約2:1:1の重量比である、請求項25の組成物。
【請求項27】
請求項26に記載の組成物を含む食品、飲料、チューインガム、医薬品、または歯磨き粉。
【請求項28】
請求項25に記載の組成物を50ppbより高い濃度で含む、食品、飲料、チューインガム、医薬品、または歯磨き粉。
【請求項29】
以下の構造式3および構造式4:
【化12】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化13】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化14】

またはシクロプロピル基

であっても良く、
は、メチレン基を除く炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式3では、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上記の群から選択されるか、またはフェニル基である

から成る群より選択される構造式で表される、N置換不飽和アルキルアミド化合物。
【請求項30】
請求項29の化合物を重量比で約50ppbより多く含む食品。
【請求項31】
飲料、食品、チューインガム、歯科および口腔衛生用製品から成る群より選択される消耗品と、知覚的に許容可能な濃度の請求項29の化合物を含む組成物。
【請求項32】
前記知覚的に許容可能な化合物の濃度は約50ppbより高いことを特徴とする、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記知覚的に許容可能な化合物は、約0.01ppm〜約50ppmの重量濃度である、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
食塩を含有する飲料、食品、チューインガム、歯科および口腔衛生用製品の塩味を増強する方法であって、以下の構造式3および構造式4:
【化15】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化16】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化17】

またはシクロプロピル基

であっても良く、
は、メチレン基を除く炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式3では、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上記の群から選択されるか、またはフェニル基である

から成る群より選択される構造式で表される化合物を、塩味を増強する濃度で添加することを含む、方法。
【請求項35】
(a)請求項34に記載の方法で用いられる化合物、および
(b)食品材料
を含む、食品組成物。
【請求項36】
請求項34に記載の化合物は構造式3で表される、請求項35に記載の食品組成物。
【請求項37】
(a)請求項34に記載の方法で用いられる化合物、および
(b)第二の塩味増強物質
を含み、(a)対(b)の重量比は、約1:10〜約10:1である、知覚的に許容可能な組成物。
【請求項38】
前記(a)対(b)の重量比は、約1:5〜約5:1の範囲である、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記(a)対(b)の重量比は、約1:3〜約3:1の範囲である、請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、またはスープの旨味を増進または増強する、もしくはこれらに旨味を付与する方法であって、知覚的に許容可能な濃度の、請求項34に記載の方法で用いられる化合物を、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、またはスープに加えることを含む、方法。
【請求項41】
前記知覚的に許容可能な濃度は、重量比で約50ppbより高いことを特徴とする、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
以下の構造式5:
【化18】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化19】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化20】

またはシクロプロピル基

であっても良く、
は、炭素数1−4のアルキル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式5では、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上記の群から選択されるか、またはフェニル基である

で表される、N置換不飽和アルキルアミド化合物。
【請求項43】
請求項42の化合物を、重量比で約50ppbより多く含む食品。
【請求項44】
飲料、食品、チューインガム、歯科および口腔衛生用製品から成る群より選択される消耗品と、知覚的に許容可能な濃度の請求項42の化合物を含む組成物。
【請求項45】
前記知覚的に許容可能な化合物の濃度は、約50ppbより高いことを特徴とする、請
求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記知覚的に許容可能な化合物の濃度は、約0.01ppm〜約50ppmの重量濃度である、請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
食塩を含有する飲料、食品、チューインガム、歯科および口腔衛生用製品の塩味を増強する方法であって、以下の構造式5:
【化21】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化22】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化23】

またはシクロプロピル基

であっても良く、
は、炭素数1−4のアルキル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式5では、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上記の群から選択されるか、またはフェニル基である

で表される化合物を、塩味を増強する濃度で添加することを含む、方法。
【請求項48】
(a)請求項47に記載の方法で用いられる化合物、および
(b)食品材料
を含む、食品組成物。
【請求項49】
(a)請求項47に記載の方法で用いられる化合物、および
(b)第二の塩味増強物質
を含み、(a)対(b)の重量比は、約1:10〜約10:1である、知覚的に許容可能な組成物。
【請求項50】
前記(a)対(b)の重量比は、約1:5〜約5:1の範囲である、請求項47に記載の組成物。
【請求項51】
前記(a)対(b)の重量比は、約1:3〜約3:1の範囲である、請求項47に記載の組成物。
【請求項52】
食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、またはスープの旨味を増進または増強する、もしくはこれらに旨味を付与する方法であって、知覚的に許容可能な濃度の、請求項47に記載の方法で用いられる化合物を、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、またはスープに加えることを含む、方法。
【請求項53】
前記知覚的に許容可能な濃度は、重量比で約50ppbより高いことを特徴とする、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記塩味または旨味増強物質(a)を含む食品または飲料であって、該物質(a)は、
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−、(2E)−
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−3−メチル−
2−ブテンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−(2E)−
2−ブテンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−(2E)−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド,N−[(2E)−3−(3−シクロヘキセン−1−イル)−2−プロペニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ドデカジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−
プロパンアミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−メチル−
プロパンアミド、N−[(2Z)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−2−
メチル−
アセトアミド、N−[(2Z,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
アセトアミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
アセトアミド、N−[(2Z,6Z)−2−メチル−2,6−ノナジエニル]−
アセトアミド、N−[(2Z,6Z)−2−メチル−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−
アセトアミド、N−[[2−メチル−2−(4−メチル−3−ペンテニル)シクロプロピル]メチル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−メチル―N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−N−メチル−
シクロプロパンカルボキサミド、N−[(2E)−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル]−N−エチル−
プロパンアミド、N−[(2E,6Z)−2,6−ノナジエニル]−N−シクロプロピルメチル−
N,N,3,7−テトラメチルオクタ−2,6−ジエンアミド、(2E)−
2−プロペンアミド、3−(3−シクロヘキセン−1−イル)−N−エチル−、(2E)−
3,7−ジメチル−2,6−オクタジエンアミド、N−エチル−、(2E)−
2,6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチル−、(2E,6Z)−
2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル−、2−メチル−、(2E,6Z)−
2,6−ドデカジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−
2,6−ノナジエンアミド、N−シクロプロピル−、(2E,6Z)−
2,6−ノナジエンアミド、N−エチル−、(2E,6Z)−
から成る群より選択されることを特徴とする、食品または飲料。
【請求項55】
以下の構造式1および構造式2:
【化24】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化25】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘ
キシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化26】

またはシクロプロピル基

であっても良く、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式1では、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上記の群より選択されても良く、またはフェニル基であっても良く、
が水素原子かつRが水素原子である場合、RとRがともに水素原子でない限り、Rは水素原子でもメチル基でもない

から成る群より選択される構造式で表される、N置換不飽和アルキルアミド化合物。
【請求項56】
以下の構造式1:
【化27】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化28】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化29】

またはシクロプロピル基

であっても良く、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式1では、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上記の群より選択されても良く、またはフェニル基であっても良く、
が水素原子かつRが水素原子である場合、RとRがともに水素原子でない限り、Rは水素原子でもメチル基でもない

から成る群より選択される構造式で表される、N置換不飽和アルキルアミド化合物。
【請求項57】
請求項55に記載の化合物を、重量比で約50ppbより多く含む食品。
【請求項58】
飲料、食品、チューインガム、歯科および口腔衛生用製品から成る群より選択される消耗品と、知覚的に許容可能な濃度の請求項55の化合物を含む組成物。
【請求項59】
前記知覚的に許容可能な化合物の濃度は約50ppbより高いことを特徴とする、請求項58に記載の組成物。
【請求項60】
前記知覚的に許容可能な化合物の濃度は、約0.01ppm〜約50ppmの重量濃度である、請求項58に記載の組成物。
【請求項61】
食塩を含有する飲料、食品、チューインガム、歯科および口腔衛生用製品の塩味を増強する方法であって、以下の構造式1および構造式2:
【化30】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化31】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、あるいは
がメチル基の場合、RとRはひとまとめに、
【化32】

またはシクロプロピル基

であっても良く、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式1においては、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上記の群より選択されても良く、またはフェニル基であっても良く、
が水素原子かつRが水素原子である場合、RとRがともに水素原子でない限り、Rは水素原子でもメチル基でもない

から成る群より選択される構造式で表される化合物を、塩味を増強する濃度で添加することを含む、方法。
【請求項62】
(a)請求項61に記載の方法で用いられる化合物、および
(b)食品材料
を含む、食品組成物。
【請求項63】
請求項61に記載の化合物は構造式1で表される、請求項62に記載の食品組成物。
【請求項64】
(a)請求項61に記載の方法で用いられる化合物、および
(b)第二の塩味増強物質
を含み、(a)対(b)の重量比は、約1:10〜約10:1である、知覚的に許容可能な組成物。
【請求項65】
前記(a)対(b)の重量比は、約1:5〜約5:1の範囲である、請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
前記(a)対(b)の重量比は、約1:3〜約3:1の範囲である、請求項64に記載の組成物。
【請求項67】
食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、またはスー
プの旨味を増進または増強する、あるいはこれらに旨味を付与する方法であって、知覚的に許容可能な濃度の、請求項61に記載の方法で用いられる化合物を、食品、チューインガム、医薬品、歯磨き粉、アルコール飲料、水様の飲料、またはスープに加えることを含む、方法。
【請求項68】
前記知覚的に許容可能な濃度は、重量比で約50ppbより高いことを特徴とする、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
以下の構造式1および構造式2:
【化33】


式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、炭素数1−4のアルキル基、アルケニル基、およびメチレン基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−8の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、ジエンアルキル基、およびフェニル基から成る群より選択されるが、
が水素原子の場合には、RとRはひとまとめに、
【化34】

シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、またはシクロヘキセニル基

であっても良く、あるいは
がメチル基の場合には、RとRはひとまとめに、
【化35】

またはシクロプロピル基

であっても良く、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、メチル基、およびエチル基から成る群より選択され、
は、水素原子、炭素数1−9の直鎖または分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキルジエニル基、非環式または1つだけ環を含む置換基から成る群より選択されるが、ただし、
構造式1においては、Rが水素原子またはメチル基であり、かつRが水素原子またはメチル基の場合、Rは上記の群より選択されても良く、
が水素原子かつRが水素原子である場合、RとRがともに水素原子でない限
り、Rは水素原子でもメチル基でもない

から成る群より選択される構造式で表される化合物を、知覚的に許容可能な量で含む組成物。
【請求項70】
食塩代替化合物を付加的に含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
前記食塩代替化合物は、塩化カリウム、リボヌクレオチド、カチオン性アミノ酸、低分子量ジペプチド、グルタミン酸一ナトリウム、および酵母から成る群より選択される、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
前記食塩代替化合物は、アルギニン塩酸塩、アルギニンアンモニウム塩化物、リジン塩酸塩、およびリジンオルニチン塩酸塩から成る群より選択される、請求項70に記載の組成物。
【請求項73】
請求項70に記載の組成物を、50ppbより高い濃度で含む食品、飲料、チューインガム、医薬品、または歯磨き粉。

【公開番号】特開2006−77015(P2006−77015A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264365(P2005−264365)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(502451731)インターナショナル フレーバーズ アンド フラグランシズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】