説明

食品密封収容袋包装箱、食品密封収容袋包装体及び箱原板

【課題】食品密封収容袋を収容して電子レンジ加熱することができ、その際、袋内圧上昇に伴って開封される袋の圧抜き部からの内容物飛散を抑制することができる該袋の包装箱及びこれを採用した食品密封収容袋包装体並びに該箱形成のための箱原板を提供する。
【解決手段】食品Fを密封収容した食品密封収容袋2であって、上面20に加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部22を有する扁平状の袋2を包装するための食品密封収容袋包装箱1であり、上壁11に押し開き開封部10が形成されており、押し開き開封部10は、箱内側へ押されることで破断用ラインa、b1、b2が破断され、屈曲用ラインcを中心に箱内側へ折れ曲がり可能である箱1。箱1を形成するための箱原板1000.箱1に食品密封収容袋2を収容した包装体100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子レンジ加熱可能な食品、例えば調理された、或いは半調理された食品を密封収容した扁平状の食品密封収容袋を包装する包装箱及び前記食品密封収容袋を前記包装箱に収容した食品密封収容袋包装体に関する。本発明はさらに該包装箱を提供するための箱原板にも関係している。
【背景技術】
【0002】
今日、マイクロ波透過可能な袋(通常、プラスチック袋)に密封収容された種々の電子レンジ加熱可能な食品、例えば既に調理された、或いは半調理された食品が市場に流通している。そのような食品密封収容袋は、電子レンジ内に配置して加熱すると、袋内食品が加熱され、蒸気が発生するので、袋破裂を防止するため、袋内圧が上昇してくると内圧により開封される圧抜き部が形成されている。
【0003】
例えば、特許第3560862号公報には、内容物である食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を上面に有する扁平状の食品密封収容袋が記載されている。
【0004】
このような電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋は、保管、運搬、展示、記載による種々の情報表示等のために包装箱で収容、包装されるのが一般的である。
【0005】
また、今日では、包装箱に容れられた食品密封収容袋は包装箱ごと電子レンジ内に配置し、加熱することができるようになっているものもある。
特許第3560862号公報にはそのような包装箱も記載されている。
【0006】
同公報によるとは、食品密封収容袋は、その上面の圧抜き部を包装箱の上壁側に向けて該箱に収容され、電子レンジ加熱にあたっては、包装箱の上壁の切離開封部が開封され、それにより圧抜き部が箱外へ向け露出され、圧抜き部が上方に向けられた状態で該箱ごと
電子レンジ内に配置され、加熱される。
【0007】
このような食品密封収容袋及び包装箱は通常その包装箱に食品密封収容袋を収容した食品密封収容袋包装体の態様で保管、運搬、展示、販売等されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3560862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、前記従来の食品密封収容袋包装体によると、食品密封収容袋を包装箱ごと電子レンジ加熱するとき、該袋の圧抜き部は包装箱の上壁が開封されて、箱外へ向け露出されるので、該袋の圧抜き部が電子レンジ加熱にともなう袋内圧上昇によって開封されると、袋内容物が開かれた該圧抜き部から電子レンジ庫ないに飛散し、庫内を汚し、あとの掃除が大変なことがある。
【0010】
本発明は、電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋であって、上面に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する扁平状の食品密封収容袋を包装するための食品密封収容袋包装箱であり、該食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を加熱することができ、その際、袋内圧上昇に伴って開封される該袋の圧抜き部からの袋内容物の電子レンジ庫内飛散を、該圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合よりも抑制でき、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる、消費者にとって便利な食品密封収容袋包装箱を提供することを第1の課題とする。
【0011】
また、本発明は、電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋であって、上面に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する扁平状の食品密封収容袋を食品密封収容袋包装箱に収容した食品密封収容袋包装体であって、前記食品密封収容袋包装箱に前記食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を加熱することができ、その際、袋内圧上昇に伴って開封される該袋の圧抜き部からの袋内容物の電子レンジ庫内飛散を、該圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合よりも抑制でき、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる、消費者にとって便利な食品密封収容袋包装体を提供することを第2の課題とする。
【0012】
また、本発明は、本発明に係る食品密封収容袋包装箱を組み立て形成できる箱原板を提供することを第3の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は前記第1の課題を解決するため、
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋であって、上面に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する扁平状の食品密封収容袋を包装するための食品密封収容袋包装箱であり、
上壁と、前記上壁の左側端に上端が続く左側壁と、前記上壁の右側端に上端が続く右側壁と、前記左右側壁の下端に続き、前記上壁に対向する下壁と、前記上壁及び下壁の前端に続く前壁及び後端に続く後壁を含んでいて前記左右側壁間距離及び前記前後壁間距離より前記上下壁間距離が短い扁平形状を呈しており、
前記上壁の前端部に押し開き開封部が形成されており、前記押し開き開封部は、上壁前端側の左右方向破断用ラインと、前記左右方向破断用ラインの左右端から上壁後端側へ向け延びる左側破断用ライン及び右側破断用ラインと、前記左側破断用ライン及び右側破断用ラインの上壁後端側のライン端を結ぶ屈曲用ラインで囲まれており、箱外側から箱内側へ押されることで前記各破断用ラインが破断され、前記屈曲用ラインを中心に箱内側へ折れ曲がり可能であり、
前記上壁と前記前壁の境界稜線に沿って、前壁開き用の破断用ラインが形成されている食品密封収容袋包装箱を提供する。
【0014】
本発明は前記第2の課題を解決するため、
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋を食品密封収容袋包装箱に収容した食品密封収容袋包装体であり、
前記食品密封収容袋はマイクロ波透過可能なフィルムで形成され、内部に電子レンジ加熱可能な食品が収容され、周辺部が密封されているとともに上面の前端寄り部位に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部が形成されている扁平状の袋であり、
前記食品密封収容袋包装箱は本発明に係る包装箱であり、
前記食品密封収容袋は、前記包装箱の前記上壁の押し開き開封部が箱内側へ押し開かれると前記食品密封収容袋の圧抜き部に箱前端側から庇状に覆い被さるように、前記圧抜き部が前記上壁の前記押し開き開封部の方へ向けられて該包装箱内に収容されている食品密封収容袋包装体を提供する。
【0015】
本発明に係る食品密封収容袋包装箱によると、その組立て形成とともに内部に食品密封収容袋を収容することができる。
本発明に係る食品密封収容袋包装箱によると、前記上壁に形成された押し開き開封部を箱内側へ向けて押すことで、該押し開き開封部を囲っているラインのうち、換言すれば、該押し開き開封部を形成しているラインのうち、破断用ラインを破断するとともに屈曲用ラインを中心にして(換言すれば、支線にして)、該押し開き開封部を箱内側へ折り曲げ、開くことができる。
【0016】
さらにそのあと、そのようにして開かれた箱部分から前記前壁の上端部の内側等へ力を及ぼして、前記上壁と前記前壁の境界稜線に沿って形成された前壁開き用の破断用ラインを破断して該前壁を前方へ開くことができる。
【0017】
このように箱が開封された状態で、また、内部に食品密封収容袋が収容された状態で、且つ、該袋の圧抜き部が箱上壁の押し開き開封部の方へ向けられて収容された状態で、前記上壁を上向きにして電子レンジ内トレイに載置し、食品密封収容袋内食品を加熱開始することができる。かくして食品密封収容袋内の食品が加熱され、それにより発生する蒸気圧で該袋の圧抜き部が開封される。
【0018】
この包装箱によると、前記袋の圧抜き部が開封されても、押し開かれて箱内側へ折り曲げられた前記押し開き開封部が、該開封された圧抜き部に箱前端側から庇状に覆い被さるような姿勢をとるので、圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合と比較すると、袋内容物の圧抜き部からの電子レンジ庫内飛散をよりよく抑えることができ、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる。
【0019】
また本発明に係る食品密封収容袋包装体によると、食品密封収容袋包装箱として本発明に係る包装箱を採用しているので、該箱の上壁の押し開き開封部、或いはさらに前記前壁を前記と同様に開けて、上壁を上向きにして電子レンジ内トレイに載置し、加熱開始することができ、食品密封収容袋内の食品が加熱され、それにより発生する蒸気圧で該袋の圧抜き部が開封される。
【0020】
このように本発明に係る包装体によると、食品密封収容袋包装箱に食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を電子レンジ加熱することができ、その際、
前記袋の圧抜き部が開封されても、押し開かれて箱内側へ折り曲げられた前記押し開き開封部が、該開封された圧抜き部に箱前端側から庇状に覆い被さるような姿勢をとるので、圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合と比較すると、袋内用物飛散をよりよく抑えることができ、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる。
【0021】
いずれにしても、本発明に係る包装箱における前記上壁の押し開き開封部を提供する左右方向破断用ライン、左側破断用ライン、右側破断用ラインや前壁開き用の破断用ラインとしては、切断線と該切断線より短い点状破断用部を交互にライン状に配列して形成されているもの、切断線を間隔を開けてミシン目状に配列したものを例示できる。
なお、[切断線]とは壁構成材を表裏に貫通するように切断してなる線である。
【0022】
本発明に係る包装箱における前記上壁の押し開き開封部を提供する前記屈曲用ラインとしては、前記上壁を厚さ方向に、貫通しないようにカットしたハーフカット線からなっているものを例示できる。この場合、屈曲用ラインは、一本に連続したハーフカット線からなっていてもよく、ミシン目様に断続的に形成されたハーフカット線からなっていてもよい。
【0023】
また、前記屈曲用ラインは、前記上壁を厚さ方向に窪むように筋付けして形成されていてもよい。
【0024】
前記押し開き開封部を形成している前記屈曲用ラインは、箱内の食品密封収容袋が加熱されて膨張するにともない上壁及びそれに対向する下壁が上下に突っ張られて上壁が上方へ凸に膨らむと、該押し開き開封部が一層箱内側へ折れ曲がった姿勢に維持され易くなるように、また、いったん箱内側へ折り曲げられると、反対に箱外側へは曲がり難くなるように、上壁後端側へ向け膨出する円弧状ラインであってもよい。
【0025】
また同様の理由で、押し開き開封部は上壁前端側から上壁後端側へ広がる扇形状の開封部であってもよい。
【0026】
また、前記上壁に箱内側から突っ張り力が作用した場合に該上壁の箱外側への膨らみ変形を容易化するための、該上壁の前後端方向に延びる上壁折れ曲がり用ラインが前記上壁に形成されていてもよい。該折れ曲がり用ラインは、例えば、上壁を厚さ方向に窪むように筋付けして形成することができる。
【0027】
前記押し開き開封部には押し開きを誘導するためのエンボス加工(例えば窪み形成)が施されていてもよい。
【0028】
前記押し開き開封部に関して、次の二つのタイプの包装箱を例示できる。一つは、
前記押し開き開封部を形成している上壁前端側の前記左右方向破断用ラインが前記上壁と前記前壁の境界稜線に沿って形成されており、前記境界稜線に沿う前記前壁開き用の破断用ラインは該左右方向破断用ラインの左右方向外側に形成されている包装箱である。
【0029】
この包装箱の場合、
前記前壁は前記上壁の前端に続く第1前壁用片及び前記下壁の前端に続く第2前壁用片を含んでおり、前記第1前壁用片は前記第2前壁用片の上に重ね接着されており、前記押し開き開封部を形成している前記左右方向破断用ラインに臨む前記第2前壁用片の端縁は、該左右方向破断用ラインを提供している押し開き開封部の端縁の前記押し開き時の引っ掛かりを防止するための切り欠き部を有することができる。
【0030】
もう一つのタイプの包装箱は、
前記押し開き開封部を形成している上壁前端側の左右方向破断用ラインが前記上壁と前記前壁の境界稜線より上壁後端側へ後退した上壁部位に形成されており、該左右方向破断用ラインの左右端から前記境界稜線へ破断用ラインが形成され、前記左右方向破断用ラインと、該境界稜線へ向かう破断用ラインと、前記境界稜線で囲まれる後退部が提供されており、前記前壁開き用の破断用ラインは該後退部の左右方向外側に形成されている包装箱である。
【0031】
本発明は前記第3の課題を解決するため、予め裁断された紙製(紙主体)の平坦な箱原板を提供する。
該箱原板は平坦な状態において
前記押し開き開封部が形成された前記上壁、
前記上壁の左側端に続く前記左側壁、
前記上壁の右側端に続く前記右側壁、
前記左側壁の左側端又は前記右側壁の右側端に続く前記下壁、
前記左右の各側壁の前端に続く前フラップ、
前記上壁の前端に続く前記第1前壁用片、
前記下壁の前端に続く前記第2前壁用片、
前記左右の各側壁の後端に続く後ろフラップ、
前記上壁の後端に続く第1後壁用片、
前記下壁の後端に続く第2後壁用片及び
前記左右側壁のいずれか又は前記下壁に続く糊代片を含んでいる。
【0032】
前記上壁の押し開き開封部は上壁前端側の左右方向破断用ラインと、前記左右方向破断用ラインの左右端から上壁後端側へ向け延びる左側破断用ライン及び右側破断用ラインと、前記左側破断用ライン及び右側破断用ラインの上壁後端側のライン端を結ぶ屈曲用ラインで囲まれており、
前記上壁と前記第1前壁用片の境界ラインに沿って、前壁開き用の破断用ラインが形成されている。
【0033】
この箱原板によると、前記右側壁、前記上壁、前記左側壁、前記下壁及び前記糊代片を隣り合うものの境目で順次折り曲げるとともに前記糊代片を介して前記左右側壁のいずれかと前記下壁を接続し、前記前フラップをそれぞれ内側へ折り曲げ、該前フラップ上に前記第1及び第2の前壁用片を曲げ重ねるとともに少なくとも該第1及び第2の前壁用片を接着し、前記後ろフラップをそれぞれ内側へ折り曲げ、該後ろフラップ上に前記第1及び第2の後壁用片を曲げ重ねるとともに少なくとも該第1及び第2の後壁用片を接着することで前記食品密封収容袋包装箱を形成できる。
【0034】
この箱原板においても、前記上壁の押し開き開封部を形成している前記屈曲用ラインは上壁後端側へ向け膨出する円弧状ラインとすることができる。該押し開き開封部は例えば上壁前端側から上壁後端側へ広がる扇形状の開封部であってもよい。また、上壁に上壁の前後端方向に延びる上壁折れ曲がり用ラインが形成されていてもよい。さらに、押し開き開封部には押し開きを誘導するためのエンボス加工(例えば窪み形成)が施されていてもよい。
【0035】
また、前記押し開き開封部に関し、前記包装箱の場合と同様に、
(1)前記押し開き開封部を形成している上壁前端側の前記左右方向破断用ラインは前記上壁と前記第1前壁用片の境界ラインに沿って形成されており、前記境界ラインに沿う前記前壁開き用の破断用ラインは該左右方向破断用ラインの左右方向外側に形成されている場合、
(2)前記押し開き開封部を形成している上壁前端側の左右方向破断用ラインは前記上壁と前記第1前壁用片の境界ラインより上壁後端側へ後退した上壁部位に形成されており、該左右方向破断用ラインの左右端から該境界ラインへ破断用ラインが形成され、前記左右方向破断用ラインと、該境界ラインへ向かう破断用ラインと、該境界ラインで囲まれる後退部が提供されており、前記前壁開き用の破断用ラインは該後退部の左右方向外側に形成されている場合を例示できる。
【0036】
前者(1)の場合、前記上壁の前端に続く第1前壁用片は前記下壁の前端に続く第2前壁用片の上に重ね接着され、前記押し開き開封部を形成している前記左右方向破断用ラインに臨むべき前記第2前壁用片の端縁は、該左右方向破断用ラインを提供している押し開き開封部の端縁の前記押し開き時の引っ掛かりを防止するための切り欠き部を有することができる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように本発明によると、
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋であって、上面に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する扁平状の食品密封収容袋を包装するための食品密封収容袋包装箱であり、該食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を加熱することができ、その際、袋内圧上昇に伴って開封される該袋の圧抜き部からの袋内容物の電子レンジ庫内飛散を、該圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合と比較すると、よく抑えることができ、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる、消費者にとって便利な食品密封収容袋包装箱を提供することができる。
【0038】
また本発明によると、
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋であって、上面に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する扁平状の食品密封収容袋を食品密封収容袋包装箱に収容した食品密封収容袋包装体であって、前記食品密封収容袋包装箱に前記食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を加熱することができ、その際、袋内圧上昇に伴って開封される該袋の圧抜き部からの袋内容物の電子レンジ庫内飛散を、該圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合と比較すると、よく抑えることができ、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる、消費者にとって便利な食品密封収容袋包装体を提供することができる。
【0039】
本発明によると、さらに、本発明に係る食品密封収容袋包装箱を形成できる箱原板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る食品密封収容袋包装体の1例の上壁側からの斜視図である。
【図2】図1の包装体を構成している食品密封収容袋包装箱の組み立て前の原板例を示す図である。
【図3】図1の包装体において包装箱を開けた状態例の斜視図である。
【図4】食品密封収容袋の1例を示すもので、図(A)は上面図、図(B)は側面図、図(C)は圧抜き部を示す図である。
【図5】本発明に係る食品密封収容袋包装体の他の例の上壁側からの斜視図である。
【図6】図5の包装体を構成している食品密封収容袋包装箱の組み立て前の原板例を示す図である。
【図7】図5の包装体において包装箱を開けた状態例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は本発明に係る食品密封収容袋包装体の1例100の上壁側からの斜視図であり、図2はこの包装体100を構成している食品密封収容袋包装箱の組み立て前の原板例を示す図である。
【0042】
図示の包装体100は電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋2を食品密封収容袋包装箱1に収容したものである。
【0043】
食品密封収容袋2は図4に示すように、マイクロ波透過可能なフィルムfで形成され、内部に電子レンジ加熱可能な食品Fが収容されているとともに周辺部200がヒートシールで密封されて扁平矩形状を呈しているものである。
【0044】
袋2は、その上面20の袋前端21寄りの部位に、食品Fの加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部22を有している。圧抜き部22は、それとは限定されないが、本例では袋2を形成しているフィルムf同士を袋上面側で対面させてヒートシールし、且つ、その際、ヒートシールの一部を弱シール部として圧抜き部22としたものである。圧抜き部のヒートシールは、袋の他の部分のヒートシールが破損しない袋内圧で開かれる弱シール部である。
【0045】
この袋2は包装箱1を後述するように組み立てるとき、圧抜き部22を包装箱1の前壁15側に向けて、且つ、上壁11の押し開き開封部10の方へ向けて該包装箱1に収容される。
【0046】
食品密封収容袋包装箱1は、図1に示すように、上壁11と、上壁11の左側端113に上端が連続する左側壁12と、上壁11の右側端114に上端が連続する右側壁13と、左右側壁12、13の下端に連続し、上壁11に対向する下壁14と、前記各壁の前端に続く前壁15及び後端に続く後壁16を含んでいる。包装箱1は左右側壁12、13間距離及び前後壁15、16間距離より上下壁11、14間距離が短い扁平直方体形状を呈している。
【0047】
上壁11の前端部に押し開き開封部10が形成されている。押し開き開封部10は、上壁前端111側の左右方向破断用ラインaと、左右方向破断用ラインaの左右端から上壁後端112側へ向け延びる左側破断用ラインb1及び右側破断用ラインb2と、破断用ラインb1、b2の上壁後端112側のライン端を結ぶ屈曲用ラインcで囲まれている。屈曲用ラインcは上壁後端112側へ向け膨出する円弧状ラインである。
【0048】
この押し開き開封部10は、そこを箱内側へ向けて押すことで、該押し開き開封部10を囲っているラインのうち、換言すれば、該押し開き開封部10を形成しているラインのうち、破断用ラインa,b1、b2を破断するとともに屈曲用ラインcを中心にして(換言すれば、支線にして)、箱内側へ折り曲げ、開くことができる部分である。
【0049】
破断用ラインa、b1、b2は短い切断線を間隔を開けてミシン目様に配列してなるものである。ここで[切断線]とは壁構成材を表裏に貫通するように切断してなる線である。
【0050】
屈曲用ラインcは、ハーフカット線を間隔をおいてミシン目様に、且つ、上壁後端側へ膨出した円弧状に配列してなるものである。ここで「ハーフカット線」とは、上壁11がその厚さ方向に、上壁を貫通することなくカットされた線である。
【0051】
屈曲用ラインcは、上壁11にその厚さ方向に窪むように筋付けして形成されていてもよい。
【0052】
図示例では、押し開き開封部10は上壁前端111側から上壁後端112側へ広がる扇形状の開封部である。押し開き開封部10には箱内側へ向けての押し開きを誘導するための窪み部Hがエンボス加工で形成されている。
【0053】
また、図示例では、上壁11に箱内側から突っ張り力が作用した場合に上壁11の箱外側への膨らみ変形を容易化するための、上壁前後端方向に延びる上壁折れ曲がり用ラインLが上壁11に形成されている。図示例では、ラインLは屈曲用ラインcの両端から上壁後端側の両角部へ向け延びている。各折れ曲がり用ラインLは上壁を厚さ方向に窪むように筋付けして形成されている。
【0054】
図1に示す例では、押し開き開封部10を形成している破断用ラインa、b1、b2及び屈曲用ラインcのうち、左右方向破断用ラインaは上壁11と前壁15の境界稜線(本例では上壁の前端111に一致)に沿って形成されており、この破断用ラインaの左右方向外側で、該境界稜線に沿って前壁開き用の破断用ラインd1、d2が形成されている。
【0055】
前壁15は、左右の側壁12,13の前端に続く前フラップ121、131、 上壁11の前端111(本例では前壁15と上壁11の、前記前壁開き用破断ラインd1、d2を設けた境界稜線に同じ)に続く第1前壁用片151及び下壁14の前端141に続く第2前壁用片152を含んでいる。
【0056】
第1前壁用片151は第2前壁用片152の上に重ね接着されている。
押し開き開封部10を形成している左右方向破断用ラインaに臨む第2前壁用片152の端縁βには、左右方向破断用ラインaを提供している押し開き開封部の端縁αが開封部10の押し開き時に引っ掛かることを防止するための切り欠き部152aが形成されている。
【0057】
この包装箱1は、図2に示す予め裁断された紙製の(主として紙で形成されている)平坦な箱原板1000を折り曲げ、ホットメルトグルーのような接着剤で接着して形成されている。
箱原板1000は図2に示す平坦な状態において次のように構成されている。すなわち、
押し開き開封部10及び折れ曲がり用ラインLが形成された上壁11、
上壁11の左側端113に続く左側壁12、
上壁11の右側端114に続く右側壁13、
左側壁12の左側端120(ここでは下壁14の右側端144に一致)に続く下壁14、
左右の側壁12,13の前端に続く前フラップ121,131、
上壁11の前端111に続く第1前壁用片151、
下壁14の前端141に続く第2前壁用片152、
左右の側壁12,13の後端に続く後ろフラップ122,132、
上壁11の後端112に続く第1後壁用片161、
下壁14の後端142に続く第2後壁用片162及び
下壁14の左側端143続く糊代片17を含んでいる。
【0058】
この箱原版における上壁11の押し開き開封部10は上壁前端側の左右方向破断用ラインaと、左右方向破断用ラインaの左右端から上壁後端側へ向け延びる左側破断用ラインb1及び右側破断用ラインb2と、破断用ラインb1、b2の上壁後端側のライン端を結ぶ屈曲用ラインcで囲まれている。
【0059】
左右方向破断用ラインaは上壁11と前壁15の境界稜線111に沿って形成されており、その両外側に境界稜線111に沿って前壁開き用の破断用ラインd1、d2が形成されている。前壁15の第2前壁用片152の端縁βには、切り欠き部152aが形成されている。
【0060】
この原版1000は、右側壁13、上壁11、左側壁12、下壁14及び糊代片17が隣り合うものの境目で順次折り曲げられるとともに糊代片17を介して下壁14と右側壁13が接着接続される。さらに、前フラップ121,131がそれぞれ内側へ折り曲げられ、前フラップ上に第2及び第1の前壁用片152,151がこの順序で曲げ重ねられるとともに両前壁用片が接着され、後ろフラップ161、612がそれぞれ内側へ折り曲げられ、該後ろフラップ上に第1及び第2の後壁用片161,162が曲げ重ねられるとともに両者が接着される。このようにして食品密封収容袋包装箱1は形成される。
【0061】
なお、前記糊代片17は側壁13に続けて形成されてもよく、また、下壁14が側壁13に続けて形成されるとともに糊代片17が側壁12又は下壁14に続けて形成されてもよい。
【0062】
以上説明した包装体100を構成している包装箱1は、図3に示すように、上壁11に形成された押し開き開封部10を箱内側へ向けて押すことで、該開封部10を形成している破断用ラインa、b1、b2を破断するとともに屈曲用ラインcを中心にして箱内側へ折り曲げ、開くことができる。
【0063】
さらにそのあと、そのようにして開かれた箱部分から前壁15の上端部の内側等へ力を及ぼして、上壁11と前壁15の境界稜線111に沿って形成された前壁開き用の破断用ラインd1、d2を破断して該前壁15を前方へ開くことができる。
【0064】
例えばこのように箱1が予め開封された状態で、また、内部に食品密封収容袋2が収容された状態で、且つ、袋2の圧抜き部22が箱上壁11の押し開き開封部10の方へ向けられて収容された状態で、上壁11を上向きにして電子レンジ内トレイに載置し、食品密封収容袋内食品Fを加熱開始することができる。かくして食品密封収容袋2内の食品Fが加熱され、それにより発生する蒸気圧で袋2の圧抜き部22が開封される。
【0065】
この包装箱1によると、袋2の圧抜き部22が開封されても、押し開かれて箱内側へ折り曲げられた押し開き開封部10が、開封された圧抜き部22に箱前端側から庇状に覆い被さるような姿勢をとるので、圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合と比較すると、袋内容物の圧抜き部22からの電子レンジ庫内飛散をよりよく抑えることができ、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる。
【0066】
また、図1に示す包装箱1では、押し開き開封部10の屈曲用ラインcは上壁後端側へ凸円弧状に形成されているので、押し開き開封部10が箱内側へ押し開かれたあと、袋2内の食品Fが電子レンジ加熱され、袋2が膨張して上壁11が箱内側から上下方向の突っ張り力を受けて上方外側へ膨らむように変形する、或いは変形しようとすることで、押し開き開封部10は開封された圧抜き部22に箱前端側から庇状に覆い被さるような姿勢を維持しやすく、また、上壁11には左右の折れ曲がり用ラインLが形成されていて上壁11は袋2の膨張により上向きに膨らみ変形しやすく、この点からも、開封部10は圧抜き部22に箱前端側から庇状に覆い被さるような姿勢を維持しやすい。
【0067】
また食品密封収容袋包装体100によると、食品密封収容袋包装箱として包装箱1を採用しているので、箱上壁11の押し開き開封部10及び前壁15を前記と同様に開けて、上壁11を上向きにして電子レンジ内トレイに載置し、加熱開始することができ、袋2内の食品Fが加熱され、それにより発生する蒸気圧で該袋の圧抜き部22が開封される。
【0068】
このように包装体100によると、食品密封収容袋包装箱1に食品密封収容袋2を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を電子レンジ加熱することができ、その際、
袋の圧抜き部22が開封されても、予め押し開かれて箱内側へ折り曲げられた押し開き開封部10が、該開封された圧抜き部に箱前端側から庇状に覆い被さるような姿勢をとるので、圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合と比較すると、袋内用物飛散をよりよく抑えることができ、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる。
【0069】
図5は食品密封収容袋包装体の他の例100’を示している。図6は包装体100’を構成している食品密封収容袋包装箱1’の組み立て前の原板例1000’を示している。図7は包装体100’において包装箱1’を開けた状態例を示している。
【0070】
図5〜図7からわかるように、包装体100’は包装箱の点で包装体100と異なっているが、その他の点は包装体100と同じである。また、包装箱1’は次の点で前記包装箱1と異なっているだけである。図1〜図3に示す包装体100及び包装箱1と同じ部分、部品等には図1〜図3と同じ参照符号を付してある。
【0071】
食品密封収容袋包装体100’は食品密封収容袋包装箱1’に食品密封収容袋2を収容したものである。食品密封収容袋包装箱1’は前記箱1の押し開き開封部10を上壁11と前壁15の境界稜線111(上壁11の前端111に同じ)から少し上壁後端112側へずらせて設けるとともに、左右方向破断用ラインaの左右端から境界稜線111へ破断用ラインe1、e2を形成し、左右方向破断用ラインaと、該破断用ラインe1、e2と、境界稜線111で囲まれる後退部Rを形成したものである。前壁開き用の破断用ラインd1、d2は境界稜線111に沿って後退部Rの左右方向外側に形成されている。その他の点は箱1と同じである。
【0072】
また、箱1’は例えば図6に示す箱原版1000’から組み立てることができるが、箱原版1000’は前記の箱原版1000において、上壁11の押し開き開封部10を上壁11と前壁用片151の境界線111(上壁11の前端111に同じ)から少し上壁後端112側へずらせて設けるとともに、左右方向破断用ラインaの左右端から境界線111へ破断用ラインe1、e2を形成し、左右方向破断用ラインaと、該破断用ラインe1、e2と、境界線111で囲まれる後退部Rを形成したものである。前壁開き用の破断用ラインd1、d2は境界線111に沿って後退部Rの左右方向外側に形成されている。その他の点は箱原版1000と同じであり、原版1000の場合と同様にして箱1’へ組み立てることができる。
【0073】
この包装箱1’及び包装体100’の場合も、図7に示すように、上壁11に形成された押し開き開封部10を箱内側へ向けて押すことで、該開封部10を形成している破断用ラインa、b1、b2を破断するとともに屈曲用ラインcを中心にして箱内側へ折り曲げ、開くことができる。
【0074】
さらにそのあと、後退部Rを前壁15の内面へ当てがうように箱内側へ押し曲げつつ前壁15の上端部の内側等へ力を及ぼして、上壁11と前壁15の境界線111に沿って形成された前壁開き用の破断用ラインd1、d2を破断して該前壁15を前方へ開くことができる。
【0075】
このように箱1’が予め開封された状態で、また、内部に食品密封収容袋2が収容された状態で、且つ、袋2の圧抜き部22が箱上壁11の押し開き開封部10の方へ向けられて収容された状態で、上壁11を上向きにして電子レンジ内トレイに載置し、食品密封収容袋内食品Fを加熱開始することができる。かくして食品密封収容袋2内の食品Fが加熱され、それにより発生する蒸気圧で袋2の圧抜き部22が開封される。
【0076】
この包装箱1’の場合も、押し開かれて箱内側へ折り曲げられた押し開き開封部10が、開封された圧抜き部22に箱前端側から庇状に覆い被さるような姿勢をとるので、圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合と比較すると、袋内容物の圧抜き部22からの電子レンジ庫内飛散をよりよく抑えることができ、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる。
【0077】
また食品密封収容袋包装体100’によると、食品密封収容袋包装箱として包装箱1’を採用しているので、箱上壁11の押し開き開封部10及び前壁15を前記と同様に開けて、上壁11を上向きにして電子レンジ内トレイに載置し、加熱開始することができる。
【0078】
また、予め押し開かれて箱内側へ折り曲げられた押し開き開封部10が、該開封された圧抜き部に箱前端側から庇状に覆い被さるような姿勢をとるので、圧抜き部が従来のように電子レンジ庫内へ直接露出される場合と比較すると、袋内用物飛散をよりよく抑えることができ、電子レンジ庫内掃除もそれだけ楽になる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋を包装する便利な食品密封収容袋包装箱及び前記食品密封収容袋を前記食品密封収容袋包装箱に収容した便利な食品密封収容袋包装体並びに包装箱を形成するための箱原板を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0080】
100、100’ 食品密封収容袋包装体
1、1’ 食品密封収容袋包装箱
1000、1000’ 箱原板
11 上壁
10 押し開き開封用部
a 左右方向破断用ライン
b1 左側破断用ライン
b2 右側破断用ライン
c 屈曲用ライン
d1、d2 破断用ライン
111 上壁前端
112 上壁後端
113 上壁左端
114 上壁右端
12 左側壁
13 右側壁
14 下壁
15 前壁
121、131 前フラップ
151,152 前壁用片
α 押し開き開封用部10の端縁
β 第2前壁用片152の切り欠き部
16 後壁
122、132 後ろフラップ
161,162 後壁用片
17 糊代片
2 食品密封収容袋
f フィルム
200 周辺部
20 袋上面
21 袋前端
22 圧抜き部
F 食品



【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋であって、上面に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する扁平状の食品密封収容袋を包装するための食品密封収容袋包装箱であり、
上壁と、前記上壁の左側端に上端が続く左側壁と、前記上壁の右側端に上端が続く右側壁と、前記左右側壁の下端に続き、前記上壁に対向する下壁と、前記上壁及び下壁の前端に続く前壁及び後端に続く後壁を含んでいて前記左右側壁間距離及び前記前後壁間距離より前記上下壁間距離が短い扁平形状を呈しており、
前記上壁の前端部に押し開き開封部が形成されており、前記押し開き開封部は、上壁前端側の左右方向破断用ラインと、前記左右方向破断用ラインの左右端から上壁後端側へ向け延びる左側破断用ライン及び右側破断用ラインと、前記左側破断用ライン及び右側破断用ラインの上壁後端側のライン端を結ぶ屈曲用ラインで囲まれており、箱外側から箱内側へ押されることで前記各破断用ラインが破断され、前記屈曲用ラインを中心に箱内側へ折れ曲がり可能であり、
前記上壁と前記前壁の境界稜線に沿って、前壁開き用の破断用ラインが形成されている
ことを特徴とする食品密封収容袋包装箱。
【請求項2】
前記押し開き開封部を形成している前記屈曲用ラインは上壁後端側へ向け膨出する円弧状ラインである請求項1記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項3】
前記押し開き開封部は上壁前端側から上壁後端側へ広がる扇形状の開封部である請求項2記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項4】
前記上壁に箱内側から突っ張り力が作用した場合に該上壁の箱外側への膨らみ変形を容易化するための、該上壁の前後端方向に延びる上壁折れ曲がり用ラインが前記上壁に形成されている請求項2又は3記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項5】
前記押し開き開封部には押し開きを誘導するためのエンボス加工が施されている請求項1から4のいずれか1項に記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項6】
前記押し開き開封部を形成している前記屈曲用ラインは上壁を厚さ方向にハーフカットしたハーフカット線からなっている1から5のいずれか1項に記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項7】
前記押し開き開封部を形成している上壁前端側の前記左右方向破断用ラインは前記上壁と前記前壁の境界稜線に沿って形成されており、前記境界稜線に沿う前記前壁開き用の破断用ラインは該左右方向破断用ラインの左右方向外側に形成されている請求項1から6のいずれか1項に記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項8】
前記前壁は前記上壁の前端に続く第1前壁用片及び前記下壁の前端に続く第2前壁用片を含んでおり、前記第1前壁用片は前記第2前壁用片の上に重ね接着されており、前記押し開き開封部を形成している前記左右方向破断用ラインに臨む前記第2前壁用片の端縁は、該左右方向破断用ラインを提供している押し開き開封部の端縁の前記押し開き時の引っ掛かりを防止するための切り欠き部を有している請求項7に記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項9】
前記押し開き開封部を形成している上壁前端側の左右方向破断用ラインは前記上壁と前記前壁の境界稜線より上壁後端側へ後退した上壁部位に形成されており、該左右方向破断用ラインの左右端から前記境界稜線へ破断用ラインが形成され、前記左右方向破断用ラインと、該境界稜線へ向かう破断用ラインと、前記境界稜線で囲まれる後退部が提供されており、前記前壁開き用の破断用ラインは該後退部の左右方向外側に形成されている請求項1から6のいずれか1項に記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項10】
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋を食品密封収容袋包装箱に収容した食品密封収容袋包装体であり、
前記食品密封収容袋はマイクロ波透過可能なフィルムで形成され、内部に電子レンジ加熱可能な食品が収容され、周辺部が密封されているとともに上面の前端寄り部位に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部が形成されている扁平状の袋であり、
前記食品密封収容袋包装箱は請求項1から9のいずれか1項に記載の包装箱であり、
前記食品密封収容袋は、前記包装箱の前記上壁の押し開き開封部が箱内側へ押し開かれると前記食品密封収容袋の圧抜き部に箱前端側から庇状に覆い被さるように、前記圧抜き部が前記上壁の前記押し開き開封部の方へ向けられて該包装箱内に収容されていることを特徴とする食品密封収容袋包装体。
【請求項11】
請求項1記載の食品密封収容袋包装箱を形成するための、予め裁断された紙製の平坦な箱原板であり、平坦な状態において
前記押し開き開封部が形成された前記上壁、
前記上壁の左側端に続く前記左側壁、
前記上壁の右側端に続く前記右側壁、
前記左側壁の左側端又は前記右側壁の右側端に続く前記下壁、
前記左右の各側壁の前端に続く前フラップ、
前記上壁の前端に続く前記第1前壁用片、
前記下壁の前端に続く前記第2前壁用片、
前記左右の各側壁の後端に続く後ろフラップ、
前記上壁の後端に続く第1後壁用片、
前記下壁の後端に続く第2後壁用片及び
前記左右側壁のいずれか又は前記下壁に続く糊代片を含んでおり、
前記上壁の押し開き開封部は上壁前端側の左右方向破断用ラインと、前記左右方向破断用ラインの左右端から上壁後端側へ向け延びる左側破断用ライン及び右側破断用ラインと、前記左側破断用ライン及び右側破断用ラインの上壁後端側のライン端を結ぶ屈曲用ラインで囲まれており、
前記上壁と前記第1前壁用片の境界ラインに沿って、前壁開き用の破断用ラインが形成されており、
前記右側壁、前記上壁、前記左側壁、前記下壁及び前記糊代片を隣り合うものの境目で順次折り曲げるとともに前記糊代片を介して前記左右側壁のいずれかと前記下壁を接続し、前記前フラップをそれぞれ内側へ折り曲げ、該前フラップ上に前記第1及び第2の前壁用片を曲げ重ねるとともに少なくとも該第1及び第2の前壁用片を接着し、前記後ろフラップをそれぞれ内側へ折り曲げ、該後ろフラップ上に前記第1及び第2の後壁用片を曲げ重ねるとともに少なくとも該第1及び第2の後壁用片を接着することで前記食品密封収容袋包装箱を形成できることを特徴とする箱原板。
【請求項12】
前記上壁の押し開き開封部を形成している前記屈曲用ラインは上壁後端側へ向け膨出する円弧状ラインである請求項11記載の箱原板。
【請求項13】
前記上壁に下面側から突っ張り力が作用した場合に該上壁の上面外側への膨らみ変形を容易化するための、該上壁の前後端方向に延びる上壁折れ曲がり用ラインが前記上壁に形成されている請求項12記載の箱原板。
【請求項14】
前記押し開き開封部を形成している上壁前端側の前記左右方向破断用ラインは前記上壁と前記第1前壁用片の境界ラインに沿って形成されており、前記境界ラインに沿う前記前壁開き用の破断用ラインは該左右方向破断用ラインの左右方向外側に形成されている請求項11,12又は13に記載の箱原板。
【請求項15】
前記上壁の前端に続く第1前壁用片は前記下壁の前端に続く第2前壁用片の上に重ね接着され、前記押し開き開封部を形成している前記左右方向破断用ラインに臨むべき前記第2前壁用片の端縁は、該左右方向破断用ラインを提供している押し開き開封部の端縁の前記押し開き時の引っ掛かりを防止するための切り欠き部を有している請求項14に記載の箱原板。
【請求項16】
前記押し開き開封部を形成している上壁前端側の左右方向破断用ラインは前記上壁と前記第1前壁用片の境界ラインより上壁後端側へ後退した上壁部位に形成されており、該左右方向破断用ラインの左右端から該境界ラインへ破断用ラインが形成され、前記左右方向破断用ラインと、該境界ラインへ向かう破断用ラインと、該境界ラインで囲まれる後退部が提供されており、前記前壁開き用の破断用ラインは該後退部の左右方向外側に形成されている請求項11,12又は13に記載の箱原板。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−18502(P2013−18502A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151502(P2011−151502)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000206945)大塚食品株式会社 (17)
【Fターム(参考)】