説明

食品密封収容袋包装箱、食品密封収容袋包装体及び箱原板

【課題】電子レンジ加熱にあたり所定部位を開封するが、傾斜状態で配置する必要はなく、それでいて袋の圧抜き部からの蒸気以外の袋内容物の流出を実用上差し支えない程度に抑制でき、或いは防止できる食品密封収容袋包装箱及びこれを採用した便利な食品密封収容袋包装体並びに該箱を形成するための箱原板を提供する。
【解決手段】前壁15部分で開封可能であり、前壁15部分を開いた状態で電子レンジ内に下向きに配置される上壁11側の一直線状に配列される折れ曲がり用ラインS1、S2、S3があることで、箱1内に収容される食品密封収容袋2の膨張により箱1が下向きにより大きく突出変形可能で、それにより、袋2が圧抜き部25より下に流動物が溜まるように膨張可能とする箱1。箱1に食品密封収容袋2を収容した包装体100。箱1を形成するための箱原板10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子レンジ加熱可能な食品、例えば調理された、或いは半調理された食品を密封収容した食品密封収容袋を包装する包装箱及び前記食品密封収容袋を前記包装箱に収容した食品密封収容袋包装体に関する。本発明はさらに該包装箱を提供するための箱原板にも関係している。
【背景技術】
【0002】
今日、マイクロ波透過可能な袋(通常、プラスチック袋)に密封収容された種々の電子レンジ加熱可能な食品、例えば既に調理された、或いは半調理された食品が市場に流通している。そのような食品密封収容袋は、電子レンジ内に配置して加熱すると、袋内食品が加熱され、蒸気が発生するので、袋破裂を防止するため、袋内圧が上昇してくると内圧により開封される圧抜き部が形成されている。
【0003】
このような電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋は、保管、運搬、展示、記載による種々の情報表示等のために包装箱で収容、包装されるのが一般的である。
【0004】
また、今日では、包装箱に容れられた食品密封収容袋は包装箱ごと電子レンジ内に配置し、加熱することができるようになっているものもある。
そのような袋及び箱として次のようなものが見受けられる。
【0005】
前記食品密封収容袋については、前記圧抜き部が袋のいずれかの端部に近い部位に設けられ、電子レンジ加熱にあたっては圧抜き部のある袋端部が反対側端部より高所に位置するように袋を傾けて電子レンジ内に配置すれば、加熱により圧抜き部が開封された場合でも袋内容物が開封された圧抜き部から流出して電子レンジ内を汚すなどの恐れはないとされているものである。
【0006】
一方、包装箱については、その一部を開けることで前記食品密封収容袋の前記圧抜き部を露出させることができるとともに、開けた箱の一部を折り曲げて支持部とするなどして電子レンジ内に傾斜姿勢で配置でき、それにより袋を圧抜き部のある端部が他端部より高所に位置する傾斜状態で箱ごと電子レンジ内に配置することができるようにしたものである。
【0007】
このような食品密封収容袋及び包装箱は通常その包装箱に食品密封収容袋を収容した食品密封収容袋包装体の態様で保管、運搬、展示、販売等されている。
【0008】
このような包装体は例えば特開2003−170930号公報、特許第4522782号公報に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−170930号公報
【特許文献2】特許第4522782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の食品密封収容袋包装体は、食品密封収容袋の内容物を電子レンジ加熱するために該袋を包装箱ごと電子レンジ内に配置する際には、単に包装箱を開封して電子レンジ内に配置すればよいのではなく、包装箱を指定された包装箱部位で、指定された手順に従って開封し、開けた箱の一部を折り曲げて支持部として、食品密封収容袋の圧抜き部のある端部が他端部より高所に位置する傾斜状態で電子レンジ内に配置しなければならず、その作業に慣れない消費者は戸惑うことがあり、消費者によっては煩わしく感じることもあったと思われる。
【0011】
また、使用する包装箱によっては、開けられた包装箱の一部がその開けられた状態から復元方向に動き、その結果、食品密封包装袋の圧抜き部が袋の他の部分に対して、袋内容物の吹き出しを十分抑制できるほどに高所に配置されなくなる恐れがある。
【0012】
本発明は、電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した、前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する食品密封収容袋を包装するための食品密封収容袋包装箱であって、該食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を電子レンジ加熱することができ、その際、予め指定された包装箱部位を開封するが、従来のように開けた箱の一部を折り曲げて支持部として傾斜状態で電子レンジ内に配置する必要はなく、それでいて前記袋の圧抜き部からの蒸気以外の袋内容物の流出を実用上差し支えない程度に抑制でき、或いは防止できる、消費者にとって便利な食品密封収容袋包装箱を提供することを第1の課題とする。
【0013】
また、本発明は、電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した、前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する食品密封収容袋を食品密封収容袋包装箱に収容した食品密封収容袋包装体であって、前記食品密封収容袋包装箱に前記食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を電子レンジ加熱することができ、その際、前記包装箱を予め指定された部位で開封するが、従来のように開けた箱の一部を折り曲げて支持部として傾斜状態で電子レンジ内に配置する必要はなく、それでいて前記袋の圧抜き部からの蒸気以外の袋内容物の流出を実用上差し支えない程度に抑制でき、或いは防止できる、消費者にとって便利な食品密封収容袋包装体を提供することを第2の課題とする。
【0014】
また、本発明は、本発明に係る食品密封収容袋包装箱を組み立て形成できる箱原板を提供することを第3の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は前記第1の課題を解決するため、
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した、前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する食品密封収容袋を包装するための食品密封収容袋包装箱であり、
上壁と、前記上壁の左側端に上端が続く左側壁と、前記上壁の右側端に上端が続く右側壁と、前記左右側壁の下端に続き、前記上壁に対向する下壁と、前記上壁及び下壁の前端に続く前壁及び後端に続く後壁を含んでいて前記左右側壁間距離及び前記前後壁間距離より前記上下壁間距離が短い扁平形状を呈しており、
前記前壁は前記上壁と同一面に位置するように開封可能な開封用部を含んでおり、
前記上壁の少なくとも前端部の左右方向における中央部に上壁前後端方向に延びる上壁折れ曲がり用ラインが形成されており、
前記前壁の前記開封用部に、該開封用部が開封されて前記上壁と同一面に配置されると前記上壁折れ曲がり用ラインに直線状に続く折れ曲がり用ラインが形成されている食品密封収容袋包装箱を提供する。
【0016】
本発明は前記第2の課題を解決するため、
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋を食品密封収容袋包装箱に収容した食品密封収容袋包装体であり、
前記食品密封収容袋はマイクロ波透過可能なフィルムで形成され、内部に電子レンジ加熱可能な食品が収容されているとともに前辺部、該前辺部に対向する後辺部及び該前後辺部間に延びる左右側辺部を含む周辺部が密封されて扁平形状を呈しており、前記前辺部寄りの部位に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部が形成されており、
前記食品密封収容袋包装箱は本発明に係る包装箱であり、
前記食品密封収容袋は前記前辺部が前記包装箱の前壁側に向けられて該包装箱内に収容されている食品密封収容袋包装体を提供する。
【0017】
本発明に係る食品密封収容袋包装箱によると、その組立て形成とともに内部に食品密封収容袋を収容することができる。このとき前記圧抜き部のある袋部分を前壁側に向けて収容できる。
【0018】
本発明に係る食品密封収容袋包装箱によると、前記前壁の開封用部を、概ね前記上壁と同一面に位置するように開封し、前記上壁折れ曲がり用ラインと前記前壁の開封用部の折れ曲がり用ラインが概ね直線状に続く状態として、上記のように食品密封収容袋を内部に収容したまま、前記上壁を下向きにして電子レンジ内トレイに載置し、加熱開始することができる。かくして食品密封収容袋内の食品が加熱され、それにより発生する蒸気圧で該袋が膨張してくる。
【0019】
この袋の膨張により、互いに対向している上壁(電子レンジ内では折れ曲がり用ラインを有する下向きに配置されている上壁)及び下壁(電子レンジ内では上向きに配置されている下壁)が上下方向に突っ張り力を受け、それにより該上壁及び下壁が次第に箱外側へ向け膨らむよう変形し始める。
【0020】
このとき、一直線状に続いている、前記上壁の折れ曲がり用ライン及び前記開封用部の折れ曲がり用ラインで包装箱の上壁側が、そのような折れ曲がり用ラインが形成されていない下壁側が上向き凸状に変形するより大きく下向き凸状に変形し、前記袋も電子レンジ内における上面側より箱抵抗のより少ない下面側でより大きく下向き凸状に膨張する。
【0021】
このような食品密封収容袋の膨張により、袋内の流動物は圧抜き部より下方に溜まる格好となり、圧抜き部が袋内圧上昇で開封されても、該圧抜き部から漏出することは、実用上差し支えない程度に抑制され、或いは防止される。
【0022】
このように本発明に係る包装箱によると、食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を電子レンジ加熱することができ、その際、包装箱の前壁部分を予め開封するが、従来のように開けた箱の一部を折り曲げて支持部として傾斜状態で電子レンジ内に配置する必要はなく、それでいて前記袋の圧抜き部からの蒸気以外の袋内容物の流出を実用上差し支えない程度に抑制でき、或いは防止できる。
【0023】
また本発明に係る食品密封収容袋包装体によると、食品密封収容袋包装箱として本発明に係る包装箱を採用しているので、該箱の前壁部分を前記と同様に開けて、上壁を下向きにして電子レンジ内トレイに載置し、加熱開始すると、食品密封収容袋内の食品が加熱され、それにより発生する蒸気圧で該袋が膨張してくることで包装箱の上壁側が、下壁側より大きく下向き凸状に変形し、前記袋も電子レンジ内における上面側より下面側の方が箱抵抗のより少ない下面側でより大きく下向き凸状に膨張する。
【0024】
このような食品密封収容袋の膨張により、袋内の流動物は圧抜き部より下方に溜まる格好となり、圧抜き部が袋内圧上昇で開封されても、該圧抜き部から漏出することは、実用上差し支えない程度に抑制され、或いは防止される。
【0025】
このように本発明に係る包装体によると、食品密封収容袋包装箱に食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を電子レンジ加熱することができ、その際、前記包装箱を予め前壁部分で開封するが、従来のように開けた箱の一部を折り曲げて支持部として傾斜状態で電子レンジ内に配置する必要はなく、それでいて前記袋の圧抜き部からの蒸気以外の袋内容物の流出を実用上差し支えない程度に抑制でき、或いは防止できる。
【0026】
本発明に係る包装箱の例として例えば次のものを挙げることができる。
前記前壁は前記上壁の前端に続く第1前壁用片及び前記下壁の前端に続く第2前壁用片を含んでおり、前記第2前壁用片は左右方向における中央部に前記下壁との境界ラインから該境界ラインとは反対側の該第2前壁用片の自由端へ延びる左右一対の破断用ライン及び該左右一対の破断用ライン中間の第2前壁用片折れ曲がり用ラインを有しており、該左右一対の破断用ラインの前記下壁との境界ライン側のライン端に跨る箱開封開始用破断用ラインが、該境界ライン及び該境界ラインに隣り合う前記下壁の前端部分のうち少なくとも一方に形成されており、
前記第1前壁用片は前記第2前壁用片の上に重ね接着されており、
前記第1前壁用片には該第1前壁用片が前記第2前壁用片に重ねられた状態で前記第2前壁用片折れ曲がり用ラインに重なる第1前壁用片折れ曲がり用ラインが形成されており、
前記第1前壁用片折れ曲がり用ラインは前記第1前壁用片が開かれて前記上壁と同一面に配置されると前記上壁折れ曲がり用ラインに直線状に続く折れ曲がり用ラインであり、 前記第1前壁用片及び前記第2前壁用片の前記左右一対の破断用ラインで挟まれた部分は前記前壁の前記開封用部を提供している包装箱である。
【0027】
この包装箱によると、前記前壁を構成している第2前壁用片の左右一対の破断用ラインの前記下壁との境界ライン側のライン端に跨る破断用ラインが箱開封開始用の破断用ラインである。
【0028】
包装箱は、例えば、この箱開封開始用の破断ラインに例えば手指をあてがい、該第2前壁用片の上に重ね接着されている前記第1前壁用片を開く方向に引っ張ることで、該第1前壁用片を開くことができる。
【0029】
このとき、第2前壁用片の左右一対の破断用ラインを破断しつつ、それら一対の破断用ラインで挟まれた第2前壁用片の中央部分を、それが未だ接着している前記第1前壁用片とともに開くことができる。
【0030】
このように、第1前壁用片は、一対の破断用ラインで挟まれた第2前壁用片の部分とともに2重構造部分を維持しつつ、変形や形崩れ等が抑制される状態で開くことができる。
【0031】
このように前壁部分で開いた状態では、第1前壁用片とともに開かれた第2前壁用片の部分の左右一対の破断用ライン中間の前記第2前壁用片折れ曲がり用ラインと、これに重なるように形成されている第1前壁用片の折れ曲がり用ラインと、前記上壁に形成されている上壁折れ曲がり用ラインが一直線状に配列された格好となる。
【0032】
このように箱が開封された状態で、しかし内部に食品密封収容袋が収容された状態で、前記上壁を下向きにして電子レンジ内トレイに載置し、加熱開始することができる。かくして食品密封収容袋内の食品が加熱され、それにより発生する蒸気圧で該袋が膨張してくる。
【0033】
この袋の膨張により、互いに対向している上壁(電子レンジ内では折れ曲がり用ラインを有する下向きに配置されている上壁)及び下壁(電子レンジ内では上向きに配置されている下壁)が上下方向に突っ張り力を受け、それにより該上壁及び下壁が次第に箱外側へ向け膨らむよう変形し始める。
【0034】
このとき、一直線状に続いている、上壁の折れ曲がり用ライン、第1前壁用片の折れ曲がり用ライン、これに重なる前記第2前壁用片折れ曲がり用ラインで包装箱の上壁側が、そのような折れ曲がり用ラインが形成されていない下壁側が上向き凸状に変形するより大きく下向き凸状に変形し、前記袋も電子レンジ内における上面側より箱抵抗のより少ない下面側でより大きく下向き凸状に膨張する。
【0035】
このような食品密封収容袋の膨張により、袋内の流動物は圧抜き部より下方に溜まる格好となり、圧抜き部が袋内圧上昇で開封されても、該圧抜き部から漏出することは、実用上差し支えない程度に抑制され、或いは防止される。
【0036】
包装箱に食品密封収容袋を収容してなる食品密封収容袋包装体の保管、運搬、展示等において、包装箱の前壁部分が何かに衝突する、引っ掛かる等して意図せず開けられてしまうこと防止する等のために、該左右一対の破断用ラインの前記下壁との境界ライン側のライン端に跨る箱開封開始用破断用ラインを短めにするうえで、前記第2前壁用片の左右一対の破断用ラインは、該第2前壁用片と前記下壁との境界ラインから該境界ラインとは反対側の前記第2前壁用片の自由端へ左右対称に次第に互いに遠ざかるようにハの字状に形成されていてもよい。
【0037】
また、電子レンジ加熱に伴って包装箱内に収容された食品密封収容袋が膨張するとき、電子レンジ内で上向きに配置される箱下壁の上方凸状変形が抑制される一方、電子レンジ内で下向きに配置される箱上壁が、より確実に、大きく下方へ凸状に変形できるように、次の構成を採用してもよい。
【0038】
すなわち、前記前壁は前記左右の各側壁の前端に続く前フラップを含んでおり、該前フラップは内側へ折り曲げられていて該折り曲げられた前フラップの上に前記第2前壁用片が曲げ重ねられるとともに該第2前壁用片の前記左右一対の破断用ラインの外側の部分が該前フラップに接着されている構成である。
【0039】
この場合、前壁が開封されたあとも、第2前壁用片の前記左右一対の破断用ラインの外側の部分が前フラップに接着されたまま電子レンジ加熱に供することで、電子レンジ内で上向きに配置される箱下壁側の剛性を箱上壁側の剛性より大きく保って、電子レンジ内で下向きに配置される箱上壁を大きく下方へ凸状に変形させることができる。
【0040】
いずれにしても、前記前壁の第2前壁用片の左右一対の破断用ラインは、例えば、切断線と該切断線より短い点状破断用部を交互にライン状に配列して形成されているものを挙げることができる。ここで[切断線]とは壁構成材を表裏に貫通するように切断してなる線である。また、破断用ラインは、切断線をミシン目様に配列したようなものでもよい。
【0041】
前記箱開封開始用破断用ラインは、例えば、第2前壁用片と前記下壁との境界ラインに沿って形成されていてもよいし(例えば切断線で形成されていてもよいし)、該境界ラインに隣り合う前記下壁の前端部に形成されていてもよい。
【0042】
本発明は前記第3の課題を解決するため、予め裁断された紙製(紙主体)の平坦な箱原板を提供する。
該箱原板は平坦な状態において
前記上壁折れ曲がり用ラインを含む前記上壁、
前記上壁の左側端に続く前記左側壁、
前記上壁の右側端に続く前記右側壁、
前記左側壁の左側端又は前記右側壁の右側端に続く前記下壁、
前記左右の各側壁の前端に続く前フラップ、
前記上壁の前端に続き、前記第1前壁用片折れ曲がり用ラインを有する前記第1前壁用片、
前記下壁の前端に続き、前記左右一対の破断用ライン及びそれらの中間の第2前壁用片折れ曲がり用ラインを有する前記第2前壁用片、
前記左右の各側壁の後端に続く後ろフラップ、
前記上壁の後端に続く第1後壁用片、
前記下壁の後端に続く第2後壁用片及び
前記左右側壁のいずれか又は前記下壁に続く糊代片を含んでいる。
【0043】
前記第2前壁用片の前記左右一対の破断用ラインの前記下壁との境界ライン側のライン端に跨る箱開封開始用破断用ラインが、該境界ライン及び該境界ラインに隣り合う前記下壁の前端部分のうち少なくとも一方に形成されている。
【0044】
この箱原板によると、前記右側壁、前記上壁、前記左側壁、前記下壁及び前記糊代片を隣り合うものの境目で順次折り曲げるとともに前記糊代片を介して前記下壁と前記左右側壁のいずれかを接続するとともに、前記前フラップをそれぞれ内側へ折り曲げ、該前フラップ上に前記第2及び第1の前壁用片をこの順序で曲げ重ねるとともに少なくとも該第1及び第2の前壁用片を接着し、前記後ろフラップをそれぞれ内側へ折り曲げ、該後ろフラップ上に前記第1及び第2の後壁用片を曲げ重ねるとともに少なくとも該第1及び第2の後壁用片を接着して前記食品密封収容袋包装箱を形成できる。
【発明の効果】
【0045】
以上説明したように本発明によると、電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した、前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する食品密封収容袋を包装するための食品密封収容袋包装箱であって、該食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を電子レンジ加熱することができ、その際、予め指定された包装箱部位を開封するが、従来のように開けた箱の一部を折り曲げて支持部として傾斜状態で電子レンジ内に配置する必要はなく、それでいて前記袋の圧抜き部からの蒸気以外の袋内容物の流出を実用上差し支えない程度に抑制でき、或いは防止できる、消費者にとって便利な食品密封収容袋包装箱を提供することができる。
【0046】
また、本発明によると、電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した、前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する食品密封収容袋を食品密封収容袋包装箱に収容した食品密封収容袋包装体であって、前記食品密封収容袋包装箱に前記食品密封収容袋を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を電子レンジ加熱することができ、その際、前記包装箱を予め指定された部位で開封するが、従来のように開けた箱の一部を折り曲げて支持部として傾斜状態で電子レンジ内に配置する必要はなく、それでいて前記袋の圧抜き部からの蒸気以外の袋内容物の流出を実用上差し支えない程度に抑制でき、或いは防止できる、消費者にとって便利な食品密封収容袋包装体を提供することができる。
【0047】
また、本発明によると、本発明に係る食品密封収容袋包装箱を組み立て形成できる箱原板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る食品密封収容袋包装体の1例の上壁側からの斜視図である。
【図2】図1の食品密封収容袋包装体の下壁側からの斜視図である。
【図3】図1の包装体を構成している食品密封収容袋包装箱の組み立て前の原板例を示す図である。
【図4】食品密封収容袋の1例の上面図である。
【図5】図1の包装体において包装箱を開けた状態の斜視図であり、図(A)は前フラップは閉じたままの状態の斜視図であり、図(B)は前フラップも開いた状態の斜視図である。
【図6】図5のように箱を開けた包装体を電子レンジ加熱したときの包装箱前壁側から見た袋の膨張及び包装箱の変形状態例を示す図である。
【図7】本発明に係る食品密封収容袋包装体の他の例の上壁側からの斜視図である。
【図8】図7の包装体を構成している食品密封収容袋包装箱の組み立て前の原板例を示す図である。
【図9】図7の包装体において包装箱を開けた状態の斜視図であり、図(A)は前フラップは閉じたままの状態の斜視図であり、図(B)は前フラップも開いた状態の斜視図である。
【図10】図7のように箱を開けた包装体を電子レンジ加熱したときの包装箱前壁側から見た袋の膨張及び包装箱の変形状態例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は本発明に係る食品密封収容袋包装体の1例100の上壁側からの斜視図であり、図2は同包装体の下壁側からの斜視図である。
【0050】
図示の包装体100は電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋2を食品密封収容袋包装箱1に収容したものである。
【0051】
食品密封収容袋2は図4に示すように、マイクロ波透過可能なフィルムfで形成され、内部に電子レンジ加熱可能な食品Fが収容されているとともに前辺部21、前辺部21に対向する後辺部22及び前後辺部21、22間に延びる左右側辺部23を含む周辺部20が密封されて扁平矩形状を呈している。
【0052】
前辺部21と左側辺部23で提供される前側コーナ部位24に食品Fの加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部25が形成されている。圧抜き部25は本例では図7に示すように、袋本体を構成している重ねられたフィルムfの一部をヒートシール251し、該ヒートシール部分251の中央部に透孔252を形成したものである。
【0053】
ヒートシール部分251は電子レンジ加熱時の袋本体内気圧上昇で、袋が破裂しない安全圧力範囲内でフィルムf間を剥がして袋内を孔252へ連通させることができる部分であり、周辺部20より弱い弱シール部である。
この袋2は包装箱1を後述するように組み立てるとき、圧抜き部25を包装箱1の前壁15側に向けて該包装箱に収容される。
【0054】
食品密封収容袋包装箱1は、図1、図2に示すように、上壁11と、上壁11の左側端113に上端が連続する左側壁12と、上壁11の右側端114に上端が連続する右側壁13と、左右側壁12、13の下端に連続し、上壁11に対向する下壁14と、前記各壁の前端に続く前壁15及び後端に続く後壁16を含んでいる。包装箱1は左右側壁12、13間距離及び前後壁15、16間距離より上下壁11、14間距離が短い扁平直方体形状を呈している。
【0055】
前壁15は、上壁11の前端111に続く第1前壁用片151及び下壁14の前端141に続く第2前壁用片152を含んでおり、さらに、左側壁12の前端に続く前フラップ121及び右側壁13の前端に続く前フラップ131を含んでいる。
【0056】
第2前壁用片152は左右方向における丁度中央部に下壁14との境界ライン(換言すれば下壁14の前端141)(図2参照)から該境界ライン141とは反対側の該第2前壁用片152の自由端へ延びる左右一対の破断用ラインC1、C2を有している。第2前壁用片152は、さらに、破断用ラインC1、C2の丁度中間の第2前壁用片折れ曲がり用ラインS3を有している。
【0057】
左右一対の破断用ラインC1、C2の下壁14との境界ライン141側のライン端に跨る箱開封開始用破断用ラインcが、境界ライン141に沿って形成されている。
【0058】
第1前壁用片151は第2前壁用片152の上に重ねられ接着されている。
第1前壁用片151には、それが第2前壁用片152に重ねられた状態で第2前壁用片の折れ曲がり用ラインS3に重なる折れ曲がり用ラインS2が形成されている。
【0059】
さらに、上壁11の少なくとも前端部には第1前壁用片151の折れ曲がり用ラインS2に続く上壁折れ曲がり用ラインS1が形成されている。
【0060】
この包装箱1は、図3に示す予め裁断された紙製の(主として紙で形成されている)平坦な箱原板10を折り曲げ、ホットメルトグルーのような接着剤で接着して形成されている。
箱原板10は図3に示す平坦な状態において次のように構成されている。すなわち、
前端部の丁度中央部に上壁長手方向に一直線に筋付け形成された前記折れ曲がり用ラインS1を有する上壁11、
上壁11の左側端113に続く左側壁12、
上壁11の右側端114に続く右側壁13、
左側壁12の左側端144(換言すれば下壁14の右側端144)に続く下壁14、
左右の側壁12,13の前端に続く前フラップ121、131、
上壁11の前端111に続き、一直線に筋付け形成された前記折れ曲がり用ラインS2を有する第1前壁用片151、
下壁14の前端141に連続し、左右一対の前記破断用ラインC1、C21及びそれらの丁度中間の、一直線に筋付け形成された前記折れ曲がり用ラインS3を有する第2前壁用片152、
左右の側壁12、13の後端に続く後ろフラップ122、132、
上壁11の後端112に続く第1後壁用片161、
下壁14の後端142に続く第2後壁用片162及び
下壁14の左側端143に続く糊代片17を含んでいる。
【0061】
第2前壁用片152の左右一対の破断用ラインC1、C2の下壁14との境界ライン141側(換言すれば下壁14の上端141側)のライン端に跨って前記の箱開封開始用破断用ラインcが、境界ライン141に沿って形成されている。箱開封開始用破断用ラインcはここでは壁材を貫通する切断線である。
【0062】
破断用ラインC1、C2は切断線と点状の破断用部を交互に配列してなるものであり、ライン全体として、箱開封開始用破断用ラインc側から前壁用片152の自由端へ向かって、互いに次第に離れるように、自由端側から見てハの字状に形成されている。
【0063】
これら右側壁13、上壁11、左側壁12、下壁14及び糊代片17が隣り合うものの境目で順次折り曲げられるとともに糊代片17が右側壁13に接着される。
【0064】
さらに前フラップ121、131がそれぞれ内側へ折り曲げられ、それら前フラップ上に第2及び第1の前壁用片152、151がこの順序で曲げ重ねられるとともに該前壁用片152、151が接着される。後ろフラップ122,132がそれぞれ内側へ折り曲げられ、該後ろフラップ上に第1及び第2の後壁用片161、162が曲げ重ねられるとともにそれらが互いに接着される。
【0065】
また、本例では、前フラップ121、131とその上に重ねられる第2前壁用片152も接着される。第2前壁用片152の前フラップ121、131に重なる部分に透孔hを形成しておいて、その孔hを通じて前フラップ121、131と第1前壁用片151を接着してもよい。
【0066】
また、後ろフラップ122、132とその上に重ねられる第2後壁用片162も接着される。第2後壁用片162の後ろフラップ122、132に重なる部分に透孔を形成しておいて、その孔を通じて後ろフラップ122、132と第1後壁用片161を接着してもよい。
かくして食品密封収容袋包装箱1が形成される。
【0067】
以上説明した包装体100を構成している包装箱1は、前壁15を構成している第2前壁用片152の左右一対の破断用ラインC1、C2の下壁14との境界ライン141側のライン端に跨る破断用ラインcが箱開封開始用の破断用ラインである。
【0068】
包装箱1は、この箱開封開始用の破断ラインcに例えば手指をあてがい、第2前壁用片152の上に重ね接着されている第1前壁用片151を開く方向に引っ張ることで、第1前壁用片151を開くことができる。
【0069】
このとき、第2前壁用片152の左右一対の破断用ラインC1、C2を破断しつつ、それら一対の破断用ラインで挟まれた第2前壁用片の中央部分152aを、それが未だ接着している第1前壁用片151とともに開くことができる。また、それとともに、第1前壁用片151を第2前壁用片152の左右一対の破断用ラインC1、C2の両外側の部分152bから引き剥がしつつ開くことができる。このように、第1前壁用片151は、一対の破断用ラインC1、C2で挟まれた第2前壁用片の部分152aとともに2重構造部分を維持しつつ、変形や形崩れ等が抑制される状態で開くことができる。図5(A)はそのように開いた状態を示している。
【0070】
また、そのあとさらに、第2前壁用片152の左右一対の破断用ラインC1、C2の両外側の部分152bも前フラップ121、131から剥がして開くことができる。図5(B)はそのように開いた状態を示している。
【0071】
図6は箱1を開けた包装体100を電子レンジ加熱したときの包装箱前壁側から見た袋2の膨張及び包装箱1の変形状態例を示している。
【0072】
包装箱1をその前壁15部分で開いた状態では、第1前壁用片151とともに開かれた第2前壁用片の部分152aの折れ曲がり用ラインS3と、これに重なるように形成されている第1前壁用片151の折れ曲がり用ラインS2と、上壁11に形成されている上壁折れ曲がり用ラインS1が一直線状に配列された格好となる。
【0073】
箱1が図5(A)又は図5(B)のように開封された状態で、しかし内部に食品密封収容袋2が収容された状態で、上壁11を下向きにして電子レンジ内トレイに載置し、加熱開始することができる。そうすると、食品密封収容袋2内の食品Fが加熱され、それにより発生する蒸気圧で袋2が膨張してくる。
【0074】
この袋2の膨張により、互いに対向している上壁11(電子レンジ内では折れ曲がり用ラインを有する下向きに配置されている上壁11)及び下壁14(電子レンジ内では上向きに配置されている下壁14)が上下方向に突っ張り力を受け、それにより該上壁11及び下壁14が次第に箱外側へ向け膨らむよう変形し始める。
【0075】
このとき、図6に示すように、一直線状に続いている、上壁11の折れ曲がり用ラインS1、第1前壁用片151の折れ曲がり用ラインS2、これに重なる第2前壁用片152の折れ曲がり用ラインS3で包装箱1の上壁1側が、そのような折れ曲がり用ラインが形成されていない下壁側が上向き凸状に変形するより大きく下向き凸状に変形し、袋2も電子レンジ内における上面側より箱抵抗のより少ない下面側でより大きく下向き凸状に膨張する。
【0076】
なお、図5(A)のように開封された状態で電子レンジ加熱すると、電子レンジ内で上向きに配置される箱下壁14側の剛性を箱上壁11側の剛性より大きく保って、電子レンジ内で下向きに配置される箱上壁11をより確実に、大きく下方へ凸状に変形させることができる。
【0077】
いずれにしても、このような食品密封収容袋2の膨張により、袋2内の流動物は圧抜き部25より下方に溜まる格好となり、圧抜き部25が袋内圧上昇で開封されても、該圧抜き部25から漏出することは、実用上差し支えない程度に抑制され、或いは防止される。
【0078】
このように包装箱1によると、食品密封収容袋2を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品を電子レンジ加熱することができ、その際、包装箱1の前壁15部分を予め開封するが、従来のように開けた箱の一部を折り曲げて支持部として傾斜状態で電子レンジ内に配置する必要はなく、それでいて袋2の圧抜き部25からの蒸気以外の袋内容物の流出を実用上差し支えない程度に抑制でき、或いは防止できる。
【0079】
また、食品密封収容袋包装体100によると、食品密封収容袋包装箱として前記箱1を採用しているので、箱の前壁15部分を前記と同様に開けて、上壁11を下向きにして電子レンジ内トレイに載置し、加熱開始すると、食品密封収容袋2内の食品Fが加熱され、それにより発生する蒸気圧で袋2が膨張してくることで包装箱1の上壁11側が、下壁14側より大きく下向き凸状に変形し、袋2も電子レンジ内における上面側より箱抵抗のより少ない下面側でより大きく下向き凸状に膨張する。
【0080】
このような食品密封収容袋2の膨張により、袋2内の流動物は圧抜き部25より下方に溜まる格好となり、圧抜き部25が袋内圧上昇で開封されても、該圧抜き部から漏出することは、実用上差し支えない程度に抑制され、或いは防止される。
【0081】
このように包装体100によると、食品密封収容袋包装箱1に食品密封収容袋2を収容したまま電子レンジ内に配置して該袋内食品Fを電子レンジ加熱することができ、その際、包装箱1を予め前壁15部分で開封するが、従来のように開けた箱の一部を折り曲げて支持部として傾斜状態で電子レンジ内に配置する必要はなく、それでいて袋2の圧抜き部25からの蒸気以外の袋内容物の流出を実用上差し支えない程度に抑制でき、或いは防止できる。
【0082】
図7は食品密封収容袋包装体の他の例100’を示している。図8は包装体100’を構成している食品密封収容袋包装箱1’の組み立て前の原板例10’を示している。図9は包装体100’において包装箱1’を開けた状態を示している。図10は図9のように箱1’を開けた包装体100’を電子レンジ加熱したときの包装箱前壁側から見た袋1の膨張及び包装箱1’の変形状態例を示している。
【0083】
図7〜図9からわかるように、包装体100’は包装箱の点で包装体100と異なっているが、その他の点は包装体100と同じである。また、包装箱1’は次の点で前記包装箱1と異なっているだけである。図1〜図6に示す包装体100及び包装箱1と同じ部分、部品等には図1〜図6と同じ参照符号を付してある。
【0084】
食品密封収容袋包装体100’は食品密封収容袋包装箱1’に食品密封収容袋2を収容
したものである。食品密封収容袋包装箱1’は前記箱1の箱開封開始用破断用ラインcに代えて、第2前壁用片152に隣り合う下壁14の前端部に箱開封開始用破断用ラインC3を円弧状に形成したものである。破断用ラインC3で囲まれた下壁の部分14aには第2前壁用片152の部分152aに形成された折れ曲がり用ラインS3に一直線状に続く折れ曲がり用ラインS4を筋付け形成してある。
【0085】
包装箱1’ではその前壁15部分を開いた状態では、図9に示すように第2前壁用片の部分152aの折れ曲がり用ラインS3と、これに重なるように形成されている第1前壁用片151の折れ曲がり用ラインS2と、上壁11に形成されている上壁折れ曲がり用ラインS1と、折れ曲がり用ラインS4が一直線に配列された格好となる。
【0086】
なお、図9(A)は下壁14の破断用ラインC3及び第2前壁用片152の左右一対の破断用ラインC1、C2を破断しつつ、それら一対の破断用ラインC1、C2で挟まれた第2前壁用片の中央部分152aを、それが未だ接着している第1前壁用片151とともに開き、また、それとともに、第1前壁用片151を第2前壁用片152の左右一対の破断用ラインC1、C2の両外側の部分152bから引き剥がしつつ開いた状態を示している。図9(B)はそのあとさらに、第2前壁用片152の左右一対の破断用ラインC1、C2の両外側の部分152bも前フラップ121、131から剥がして開いた状態を示している。
【0087】
箱1が図9(A)又は図9(B)のように開封された状態で、しかし内部に食品密封収容袋2が収容された状態で、上壁11を下向きにして電子レンジ内トレイに載置し、加熱開始することができる。そうすると、食品密封収容袋2内の食品Fが加熱され、それにより発生する蒸気圧で袋2が膨張してくる。
【0088】
そうすると、包装体100の場合と同様に、一直線状に続いている、折れ曲がり用ラインS1、S2、S3及びS4のある上壁11側が、下壁14側より大きく下向き凸状に変形し、袋2も電子レンジ内における上面側より下面側の方が箱抵抗のより少ない下面側でより大きく下向き凸状に膨張する。
【0089】
なお、図9(A)のように開封された状態で電子レンジ加熱すると、電子レンジ内で上向きに配置される箱下壁14側の剛性を箱上壁11側の剛性より大きく保って、電子レンジ内で下向きに配置される箱上壁11をより確実に、大きく下方へ凸状に変形させることができる。
【0090】
いずれにしても、食品密封収容袋2の膨張により、袋2内の流動物は圧抜き部25より下方に溜まる格好となり、圧抜き部25が袋内圧上昇で開封されても、該圧抜き部25から漏出することは、実用上差し支えない程度に抑制され、或いは防止される。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋を包装する便利な食品密封収容袋包装箱及び前記食品密封収容袋を前記食品密封収容袋包装箱に収容した便利な食品密封収容袋包装体並びに該」包装箱を形成するための箱原板を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0092】
100、100’ 食品密封収容袋包装体
1、1’ 食品密封収容袋包装箱
10、10’ 箱原板
11 上壁
111 上壁前端
112 上壁後端
113 上壁左端
114 上壁右端
12 左側壁
13 右側壁
14 下壁
15 前壁
121、131 前フラップ
151,152 前壁用片
C1、C2 破断用ライン
c、C3 箱開封開始用破断用ライン
S1 上壁折れ曲がり用ライン
S2 第1前壁用片折れ曲がり用ライン
S3 第2前壁用片折れ曲がり用ライン
S4 折れ曲がり用ライン
14a 下壁の破断用ラインC3で囲まれた部分
152a 前壁用片152の破断用ラインC1、C2間部分
152b 前壁用片152の破断用ラインC1、C2の外側部分
16 後壁
122、132 後ろフラップ
161,162 後壁用片
17 糊代片
2 食品密封収容袋
f フィルム
20 周辺部
21 前辺部
22 後辺部
23 側辺部
24 コーナ部位
25 圧抜き部
F 食品



【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した、前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部を有する食品密封収容袋を包装するための食品密封収容袋包装箱であり、
上壁と、前記上壁の左側端に上端が続く左側壁と、前記上壁の右側端に上端が続く右側壁と、前記左右側壁の下端に続き、前記上壁に対向する下壁と、前記上壁及び下壁の前端に続く前壁及び後端に続く後壁を含んでいて前記左右側壁間距離及び前記前後壁間距離より前記上下壁間距離が短い扁平形状を呈しており、
前記前壁は前記上壁と同一面に位置するように開封可能な開封用部を含んでおり、
前記上壁の少なくとも前端部の左右方向における中央部に上壁前後端方向に延びる上壁折れ曲がり用ラインが形成されており、
前記前壁の前記開封用部に、該開封用部が開封されて前記上壁と同一面に配置されると前記上壁折れ曲がり用ラインに直線状に続く折れ曲がり用ラインが形成されていることを特徴とする食品密封収容袋包装箱。
【請求項2】
前記前壁は前記上壁の前端に続く第1前壁用片及び前記下壁の前端に続く第2前壁用片を含んでおり、前記第2前壁用片は左右方向における中央部に前記下壁との境界ラインから該境界ラインとは反対側の該第2前壁用片の自由端へ延びる左右一対の破断用ライン及び該左右一対の破断用ライン中間の第2前壁用片折れ曲がり用ラインを有しており、該左右一対の破断用ラインの前記下壁との境界ライン側のライン端に跨る箱開封開始用破断用ラインが、該境界ライン及び該境界ラインに隣り合う前記下壁の前端部分のうち少なくとも一方に形成されており、
前記第1前壁用片は前記第2前壁用片の上に重ね接着されており、
前記第1前壁用片には該第1前壁用片が前記第2前壁用片に重ねられた状態で前記第2前壁用片折れ曲がり用ラインに重なる第1前壁用片折れ曲がり用ラインが形成されており、
前記第1前壁用片折れ曲がり用ラインは前記第1前壁用片が開かれて前記上壁と同一面に配置されると前記上壁折れ曲がり用ラインに直線状に続く折れ曲がり用ラインであり、 前記第1前壁用片及び前記第2前壁用片の前記左右一対の破断用ラインで挟まれた部分は前記前壁の前記開封用部を提供している請求項1記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項3】
前記前壁は前記左右の各側壁の前端に続く前フラップを含んでおり、該前フラップは内側へ折り曲げられていて該折り曲げられた前フラップの上に前記第2前壁用片が曲げ重ねられるとともに該第2前壁用片の前記左右一対の破断用ラインの外側の部分が該前フラップに接着されている請求項2記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項4】
前記第2前壁用片の前記左右一対の破断用ラインは、該第2前壁用片と前記下壁との境界ラインから該境界ラインとは反対側の前記第2前壁用片の自由端へ左右対称に次第に互いに遠ざかるようにハの字状に形成されている請求項2又は3記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項5】
前記第2前壁用片の左右一対の破断用ラインの前記下壁との境界ライン側のライン端に跨る前記箱開封開始用破断用ラインは、該境界ラインに沿って形成されている請求項2、3又は4記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項6】
前記第2前壁用片の左右一対の破断用ラインの前記下壁との境界ライン側のライン端に跨って該境界ラインに沿って形成された前記箱開封開始用破断用ラインは切断線である請求項5記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項7】
前記第2前壁用片の左右一対の破断用ラインの前記下壁との境界ライン側のライン端に跨る前記箱開封開始用破断用ラインは、該境界ラインに隣り合う前記下壁の前端部に形成されている請求項2、3又は4記載の食品密封収容袋包装箱。
【請求項8】
電子レンジ加熱可能な食品を密封収容した食品密封収容袋を食品密封収容袋包装箱に収容した食品密封収容袋包装体であり、
前記食品密封収容袋はマイクロ波透過可能なフィルムで形成され、内部に電子レンジ加熱可能な食品が収容されているとともに前辺部、該前辺部に対向する後辺部及び該前後辺部間に延びる左右側辺部を含む周辺部が密封されて扁平形状を呈しており、前記前辺部寄りの部位に前記食品の加熱による内圧上昇により開封される圧抜き部が形成されており、
前記食品密封収容袋包装箱は請求項1から7のいずれかに記載の包装箱であり、
前記食品密封収容袋は前記前辺部が前記包装箱の前壁側に向けられて該包装箱内に収容されていることを特徴とする食品密封収容袋包装体。
【請求項9】
請求項1、2又は3記載の食品密封収容袋包装箱を形成するための、予め裁断された紙製の平坦な箱原板であり、平坦な状態において
前記上壁折れ曲がり用ラインを含む前記上壁、
前記上壁の左側端に続く前記左側壁、
前記上壁の右側端に続く前記右側壁、
前記左側壁の左側端又は前記右側壁の右側端に続く前記下壁、
前記左右の各側壁の前端に続く前フラップ、
前記上壁の前端に続き、前記第1前壁用片折れ曲がり用ラインを有する前記第1前壁用片、
前記下壁の前端に続き、前記左右一対の破断用ライン及びそれらの中間の第2前壁用片折れ曲がり用ラインを有する前記第2前壁用片、
前記左右の各側壁の後端に続く後ろフラップ、
前記上壁の後端に続く第1後壁用片、
前記下壁の後端に続く第2後壁用片及び
前記左右側壁のいずれか又は前記下壁に続く糊代片を含んでおり、
前記第2前壁用片の前記左右一対の破断用ラインの前記下壁との境界ライン側のライン端に跨る箱開封開始用破断用ラインが、該境界ライン及び該境界ラインに隣り合う前記下壁の前端部分のうち少なくとも一方に形成されており、
前記右側壁、前記上壁、前記左側壁、前記下壁及び前記糊代片を隣り合うものの境目で順次折り曲げるとともに前記糊代片を介して前記下壁と前記左右側壁のいずれかを接続するとともに、前記前フラップをそれぞれ内側へ折り曲げ、該前フラップ上に前記第2及び第1の前壁用片をこの順序で曲げ重ねるとともに少なくとも該第1及び第2の前壁用片を接着し、前記後ろフラップをそれぞれ内側へ折り曲げ、該後ろフラップ上に前記第1及び第2の後壁用片を曲げ重ねるとともに少なくとも該第1及び第2の後壁用片を接着して前記食品密封収容袋包装箱を形成できることを特徴とする箱原板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−18509(P2013−18509A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152133(P2011−152133)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000206945)大塚食品株式会社 (17)
【Fターム(参考)】