説明

飲料の表面にデザインを付与するための方法および装置

【課題】本発明はコーヒー溶液で発泡ミルクの表面にデザインを生じるための方法および装置を提供する。
【解決手段】この方法はアプリケータを使用して所期のデザインに応じたパターンで発泡ミルクの表面にコーヒー溶液を分配することを備えている。この分配は自動化手段により制御される。本発明の装置は、a)溜め部と、b)アプリケータと、c)アプリケータ機構と、d)トレーと、e)データ制御装置と、f)コントローラとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にコーヒー飲料の関連特徴をデザインするための食料の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー、特に、カプチーノ、コーヒーラッテ、カフェオレおよび他のプレミアムコーヒー飲料のようなコーヒー飲料を飲む人気の上昇に伴って、フロス化ミルクの頂面を装飾する実施も開発されてきた。前述の飲料を含めて、種々の種類のコーヒー飲料がコーヒー溶液上のフロス化ミルクの頂層を備えて給仕される。発泡ミルクを装飾する最も広く実施されている技術は「ラッテアート」として知られている。ラッテアートは発泡ミルクの表面にデザインをトレースするためにコーヒー溶液を使用する技術を指しており、通常、発泡ミルクはカフェオレ、カプチーノ、コーヒーラッテなどのようなコーヒー飲料にある。発泡ミルクに生じられたデザインは、広い配列の可能性、例えば、図柄、像および文章のものであることができる。デザインを生じるための2つの主な技術:すなわち、1)発泡ミルク上にコーヒー溶液を注ぐ技術(この場合、得ることを望むデザインの移動を生じながら、コーヒー溶液を薄い流れで注ぐ)、2)発泡ミルクにおいてデザインをトレースするためにコーヒーに浸漬される器具の先端部を使用して(3)望ましい像/図柄(りんご、木、葉および任意の他の可能なデザインを生じるためにフロス化ミルクの流れを生じならが、コーヒー溶液にフロス化(発泡)ミルクを注ぐ技術がある。他の技術が当業界で訓練された人により知られているが、さほど頻繁には使用されない。データに対する公知の技術すべては、手動式に用いられており、著しい職人的熟練を必要としている。従って、前記技術は同様に時間がかかる。かくして、商業的規模で前記デザインを生じることは、技術的熟練者を必要とし、且つ泡上にデザインを有する各コーヒー飲料の給仕時間が比較的長いと言う点で問題がある。多くの出願、例えば、米国特許第6,058,843号明細書(特許文献1)、米国特許第6,536,345号明細書(特許文献2)が、食用基質に食料着色で印刷するためのインクジェットプリンタ、泡ジェットプリンタまたは他の公知のプリンタの使用を提案している。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,058,843号明細書
【特許文献2】米国特許第6,536,345号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の出願は、ラッテアートの分野に受け入れられない食料着色剤の使用を教示しており、そして主に、食料着色剤(食用インク)が固定されるように固形物、ゲルであるか、或は高い粘度のものである食用基質に使用すること目的とされている。更に、従来の装置はデザインの付与中に基質を移動させる。従って、前記従来技術は、発泡ミルクでトッピングされたコーヒー飲料である基質を移動させ、そうする際に、液体を撹拌してデザインを損傷させるので、ラッテアート用に適していない。かくして、従来技術はラッテアートを生じるために用いられることができる自動化方法を教示していない。
【0005】
従って、技術的熟練者を必要しなく、且つすばやく行われることができる、コーヒー溶液で発泡ミルクにデザインを生じるための方法のための長いフェルトの必要性がある。
【0006】
従って、本発明の目的はコーヒー溶液で発泡ミルクにデザインを生じるための方法を提供することである。
【0007】
本発明の更なる目的はラッテアートを生じるために適している装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、所期のデザインに応じたパターンで発泡ミルクの表面にコーヒー溶液をアプリケータにより分配することを備えている、コーヒー溶液で発泡ミルクの表面にデザインを生じる方法であって、分配が自動化手段により制御される、コーヒー溶液で発泡ミルクの表面にデザインを形成する方法を提供することを特徴とする。
【0009】
更に、本発明は、コーヒー溶液で発泡ミルクの表面にデザインを生じるための装置であって、a)溜め部と、b)アプリケータと、c)アプリケータ機構と、d)トレーと、e)データ制御装置と、f)コントローラとを備えている装置が提供することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
下記の説明は本発明の実施形態の例示的なものである。下記の説明は限定するものとして解釈されるべきでなく、熟練者が本発明の多くの明らかな変形例を行い得ることは理解されるであろう。
【0011】
本発明は発泡ミルクにデザインを形成するための新規な方法を提供し、この方法は、アート熟練者の必要を回避しながら、自動化手段によって商業規模で適用され得る。本発明によりデザインを形成するために必要とされる時間は前記デザインを手で形成するために必要とされる時間より著しく短い。更に、所望のデザインは、これが自動化手段により制御されるので、必要とされるほどの多くの回数、ほとんど同じに再生され得る。この自動化手段を用いることにより、走査手段または任意の他のコンピュータ像発生方法によりコンピュータ像発生を介してほとんど任意のデザインを形成することが可能である。この方法は特に発泡ミルクの表面用に採用される。
【0012】
明細書全体にわたって、語「コーヒー溶液」は本発明の目的に適しているコーヒーの任意の液状溶液を指している。また、語「発泡ミルク」は泡を形成するために泡立てられる任意の乳製品を網羅している。明細書全体にわたって、発泡ミルクに言及するが、この言及はまた、前記発泡ミルクが飲料の一部、例えば、カップに供給されえたコーヒーの頂部の発泡ミルクである実施形態を包含する。また、語「デザイン」は、像、図柄、外郭線、文字、語、ロゴ、符号、筆記文およびそれらの組合せを網羅している。
【0013】
本発明において、前記方法は、所期のデザインに応じたパターンで発泡ミルクの表面にコーヒー溶液をアプリケータによって分配することを備えている、コーヒー溶液で発泡ミルクの表面にデザインを形成するための方法において、この分配が自動化手段により制御される方法を提供する。アプリケータは、種々の種類のものであってもよく、発泡ミルクの表面へのコーヒー溶液の分配を行うようにして組み立てられている。アプリケータの非限定的な例は、インクジェットおよび泡ジェット印刷ヘッド、医療注射針と同様に中空であってもよく、先の尖った針状の器具、エアブラシアプリケータなど、またはコーヒー溶液を発泡ミルク上に噴霧したり、霧化したり、垂らしたり、或いは塗布したりすることができる任意の種類のアプリケータである。好ましくは、アプリケータは噴霧または霧化技術により作用する。
【0014】
自動化手段は機械装置とデータ制御装置との組合せである。自動化手段の機械装置は発泡ミルクの表面に対するアプリケータの位置を制御する。自動化手段内のデータ制御装置はデザインを形成するために必要とされるデータを入力し、処理し、そして出力するようになっている。データとしては、所望の像を形成するためのデータと、機械的装置を制御して移動させるための指令とが挙げられる。
【0015】
本発明によれば、更に、コーヒー溶液で発泡ミルクの表面にデザインを形成するための装置が提供され、この装置は、a)溜め部と、b)アプリケータと、c)アプリケータ機構と、d)トレーと、e)データ処理装置と、f)コントローラとを備えている。
【0016】
図に関連する本発明の特定の実施形態によれば、溜め部1は発泡ミルクの表面に付けられるコーヒー溶液を収容するようになっている。前記溜め部1はアプリケータ2に連結されており、このアプリケータ2は、選択自由として導管3を介して溜め部1からコーヒー溶液を受け入れ、そして発泡ミルク4の表面に分配する。前記アプリケータ2は用いられる自動化手段に応じてアプリケータの種々の種類のものであってもよい。アプリケータの非限定的な例は、幾つかの場合に、溜め部とアプリケータとを結合するインクジェット/泡ジェット印刷ヘッド、医療注射器針と同様に中空であってもよい先の尖った針状器具、エアブラシアプリケータなど、またはコーヒー溶液を発泡ミルクに噴霧したり、霧化したり、垂らしたり、或は塗布したりすることができる任意の種類のアプリケータである。好ましくは、アプリケータは噴霧または霧化技術により作用する。アプリケータはアプリケータ機構5により移動され、このアプリケータ機構5は、動作の任意の必要とされる組合せで三次元軸線(X、Y、Z)のうちのいずれかに沿ってアプリケータを移動させる能力をもたらすように設計されている。特定の実施形態によれば、コントローラからの指令を受入れる電子モータ10がアプリケータ機構を線状移動で移動させる。アプリケータ機構は、電気的に、機械的に、油圧的に、或は熟練職人により認知されているような任意の他の技術により作動されてもよい。本発明の選択自由な実施形態によれば、アプリケータ機構はラッテアートを1つより多い基質に同時に施すために1つより多いアプリケータを移送するように設計されている。
【0017】
トレー8は、飲料、例えば、発泡ミルクでトッピングされるコーヒーを収容するカップ9または任意の他の種類の容器を支持するようになっている。本発明の装置の1つの特定の実施形態によれば、前記トレー8は、デザインを付与する方法中、トレーの平面上で移動されないが、アプリケータの唯一の動作がデザインを生じるように、トレーの高さを調整するように移動されることができる。従って、液体の頂部にある発泡ミルクは、デザインが付与されている間、攪拌されない。塗布中のトレーの平面におけるトレーの動作はが、デザイン付与中に発泡ミルクの攪拌を引き起こすことがあり、これはデザインを損傷することがある。選択自由として、トレー8は、デザイン付与中にトレーの高さの調整を可能にしながら、デザイン付与の後または前にトレー機構により移動されることができる。
【0018】
装置のデータ制御装置6は、デザインを生じるために必要とされる種々のパラメータを制御するために必要とされるデータを受入れ、処理し、そして供給する。前記パラメータとしては、コーヒー溶液の量、アプリケータ2および/またはトレー8の位置および動作、およびデザインに応じて像を発生させるためのパラメータがある。好適なデータ制御装置は像または自己発生像を受入れ、そしてデータをコントローラ7に供給することができるコンピュータ6である。
【0019】
コントローラ7はデータ制御装置6から指令を受け、そして指令をアプリケータおよび/またはトレーに送ることにより発泡ミルクの表面に対するアプリケータの位置決めを制御する。更に、指令をコントローラ7から投与量調整装置に送り、この投与量調整装置は分配されるコーヒー溶液の量を制御する。前記投与量調整装置はアプリケータ内にあるように、或は溜め部の一部として含まれてもよい。
【0020】
本発明の更なる実施形態によれば、本装置は、任意の数の装置a)ないしf)が単一の装置に組み入れられるように、或は装置a)ないしf)の組合せが1つより多い装置に組み入れられるように、例えば、装置a)ないしc)およびf)が泡ジェットプリンタであることができるように、或は装置a)ないしc)がインクジェットプリンタヘッドであることができるようにして組立てられてもよい。
【0021】
本発明の特定の実施形態によれば、データ制御装置は外部データ発生装置または源に接続されてもよい。例えば、データ制御装置は発泡コーヒー上に発生されるべきSMSメッセージを受けるためにインターネットまたは携帯電話装置に接続されることができる。
【0022】
本発明の更なる実施形態によれば、ミルクの泡上に生じられるデザインは、強さの広いスペクトルで極めて複雑なデザイン(図4)を生じることができるために、コーヒーの茶色の種々の強さを含むデザインであってもよい。強さの制御は、インクジェットプリンタに用いられる方法により、或は熟練職人に知られている他の色強さ制御方法によりなされてもよい。
【0023】
図6に関する本発明の更なる実施形態によれば、本発明の方法および装置はコーヒー店のような商業環境において行われることができるコーヒー調製方法に用いられ、その際、デザインを携帯電話13からデータ制御コンピュータ6に送信する。送信をレシーバ12を介して受信し、コンピュータ6で処理する。発泡ミルクトッピングを有するコーヒー飲料を商業的コーヒー機械14で調製し、次いで、コーヒー飲料カップをデザイン発生装置11に位置決めし、そこでデザインを発泡ミルクの表面に付与し、その後、デザインを有するコーヒー飲料を顧客のテーブル15に給仕する。
【0024】
本発明の実施形態を例示として説明したが、本発明がその精神を逸脱することなしに或は請求項の範囲を超えることなしに多くに変更例、変形例および応用例で実施され得ることが明らかであろう。
【0025】
幾つかの変更例、変形例および置換例が、本発明の教示から逸脱することなしに当業者から予想され且つ予期されることは理解されるべきである。従って、請求項が広く且つ本発明の精神および範囲と一致するように解釈されることが適切である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】装置の頂面図である。
【図2】装置の正面図である。
【図3】装置の側面図である。
【図4】コーヒー飲料の印刷された像を示す図である。
【図5】コーヒー飲料にフォントを使用した印刷されたメッセージを示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す全体の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所期のデザインに応じたパターンで発泡ミルクの表面にコーヒー溶液をアプリケータにより分配することを備えている、コーヒー溶液で発泡ミルクの表面にデザインを形成する方法であって、分配は自動化手段により制御されることを特徴とするコーヒー溶液で発泡ミルクの表面にデザインを形成する方法。
【請求項2】
アプリケータは、インクジェット/泡ジェット印刷ヘッド、中空であってもよい先の尖った針状の器具、エアブラシアプリケータなど、またはコーヒー溶液を発泡ミルク上に噴霧したり、霧化したり、垂らしたり、或は塗布したりすることができる任意の種類のアプリケータの中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アプリケータは噴霧または霧化技術により作用することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
自動化手段は機械的装置とデータ制御装置との組合せであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
自動化手段における機械的装置は発泡ミルクの表面に対するアプリケータの位置を制御することを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
自動化手段内のデータ制御装置は、デザインを形成するために必要とされるデータを入力し、処理し、そして出力するようになっており、前記データは、所望の像を発生させるためのデザインデータおよび機械的装置を制御して移動させるための指令を含むことができることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
コーヒー溶液で発泡ミルクの表面にデザインを形成するための装置であって、a)溜め部と、b)アプリケータと、c)アプリケータ機構と、d)トレーと、e)データ制御装置と、f)コントローラとを備えていることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記アプリケータは、インクジェット/泡ジェット印刷ヘッド、中空であってもよい先の尖った針状の器具、エアブラシアプリケータなど、またはコーヒー溶液を発泡ミルク上に噴霧したり、霧化したり、垂らしたり、或は塗布したりすることができる任意の種類のアプリケータの中から選択されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
アプリケータは噴霧または霧化技術により作用することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
アプリケータ機構は、電子的に、機械的に或は油圧的に作動できるように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
アプリケータ機構は、ラッテアートを1つより多い基質に同時に施すために1つより多いアプリケータを移送するように設計されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
デザイン付与の後または前に、トレーをトレー機構により移動させることができることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記制御装置は像または自己発生像を受け、そしてデータをコントローラに供給するコンピュータである、請求項7に記載の装置。
【請求項14】
前記装置a)ないしf)のうちの任意の数が単一装置に組み入れられるか、或は装置a)ないしf)の組合せが1つより多い装置に組み入れられるように組立てられ得ることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項15】
前記装置a)ないしc)がインクジェットプリンタヘッドであることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
データ制御装置は、インターネット、携帯電話装置を含めて外部データ発生装置または源に接続され得ることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項17】
コーヒーの茶色の種々の強さを制御し得ることを特徴とする請求項7に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−502300(P2009−502300A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523531(P2008−523531)
【出願日】平成18年7月23日(2006.7.23)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000851
【国際公開番号】WO2007/013061
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(508024337)
【氏名又は名称原語表記】ELIAV, Eyal
【住所又は居所原語表記】5 Hamagid St., 47280 Tel−aviv IL
【出願人】(506250181)
【氏名又は名称原語表記】Danny Lavie
【住所又は居所原語表記】12 Eilat Street, 47280 Ramat Hasharon, IL
【Fターム(参考)】