説明

飽和鉄心式超伝導故障限流器および該故障限流器の制御方法

飽和鉄心式超伝導故障限流器および該故障限流器の制御方法に関する。該故障限流器は、超伝導磁性体(2)、鉄心(4)、交流巻線(5)、低温システム、監視制御システム(7)および直流制御システム(6)を含む。該直流制御システム(6)の出力は超伝導磁性体(2)の両端に接続される。該直流制御システム(6)は更に監視制御システム(7)に接続される。該鉄心(4)は断面が一様でない鉄心構造を有する。該制御方法は超伝導磁性体(2)の電流を制御し、短絡故障発生時に電力ネットワーク(1)中の故障電流を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飽和鉄心式超伝導故障限流器に関する。該飽和鉄心式超伝導故障限流器は、超伝導磁性体、リアクタンスシステムである鉄心および交流巻線、低温(Cryostat)システム、監視制御システムを有する他に、さらに直流制御システムを含む。該直流制御システムは、超伝導磁性体の両端に接続され、データ線を介して監視制御システムに接続される。前記リアクタンスシステムの鉄心は、断面が一様でない鉄心構造を用いる。本発明は、保護する電力ネットワーク経路が安定して作動している場合に、超伝導磁性体内の電流の大きさを自動的に調節できるとともに、保護する電力ネットワークの位置で短絡故障が発生した場合に、故障を自動的に識別し、超伝導磁性体内の電流を切断(遮断)することにより、限流器の全ての鉄心を電力ネットワーク中の故障電流に参入させ、限流器の限流効率を大幅に向上させることができる。また、鉄心の構造、形状および寸法を変えることにより、鉄心に対する漏磁の影響を少なくし、鉄心上の磁位を新たに分布させ、励磁磁位が変わらない又は減少しないまま設計した飽和度に鉄心を達成させることが可能となる。
【0002】
本発明は、主に送配電ネットワークおよび電力装置の電流短絡保護、特に、高圧および超高圧電力ネットワークにおける電流短絡保護に適用される。
【背景技術】
【0003】
超伝導技術の発展に伴い、電力ネットワークに超伝導故障限流器を取り付けて短絡故障電流を制限することが可能となっている。現在、全世界で発展する各種タイプの超伝導故障限流器の中で、飽和鉄心式超伝導故障限流器は検出(detection)、トリガー(触発)、電流制限(current limitation)を一つに集め、かつ、電流制限過程においてクエンチすることなく、今のところ最も望ましく、もっとも発展の前途を有する限流装置となっている。
【0004】
従来の飽和鉄心式超伝導故障限流器は、鉄心群、交流巻線、超伝導磁性体(即ち超伝導巻線)、直流電源の四つの部分から構成されている。超伝導磁性体は、二つの並列した鉄心に励磁を提供し、二つの交流コイルは一定の形式で直列され、それぞれ二つの鉄心に巻かれ、これらにより発生する磁場が中間柱にて互いに相殺されることによって、直流超伝導巻線に対する交流誘電電圧(AC inductance voltage)の影響を少なくする。限流器が安定して動作している場合、直流励磁により鉄心は深飽和状態にあり、鉄心透磁率は低くなり、交流コイルのインダクタンスは小さく、電力ネットワークに影響しない。限流状態の場合、強い短絡電流の衝撃によって半波内で一方の鉄心が退磁し、他方の鉄心磁場が強くなり、単鉄心限流が起こる(増磁状態にあるリアクターは電流振幅限流に関与しない)。このような形態は受動式限流と呼ばれ、限流の機能を果たせるものの、顕著な欠点が存在する。第一に、限流器の限流効果が弱く、膨大な鉄心と交流巻線がなければ相応の限流効果が得られないこと、第二に、直流側が高誘電電圧の衝撃を受けなければならないこと、第三に、直流電源は必ず定電流電源とされるが、電源に大きな電流干渉が存在すると、限流効果が大幅に弱くなることである。
【0005】
さらに、高電圧下でのネットワークに適用されて作動する超導電故障限流器について言えば、交流巻線は高電位にあり、鉄心および超導電磁性体は低電位にあり、各交流巻線の間、交流巻線および鉄心、及び超伝導磁性体の間はすべて安全な絶縁距離を必要とする。したがって、一般的に図5に示す疎結合構造、即ち超伝導磁性体2および交流巻線5が同一の鉄心孔の異なる鉄心脚に位置する構造を採用する。鉄心のある段階又は全段階における動作は、鉄心材料のB〜H磁化特性曲線の非線形性段階、即ち飽和段階、ひいては深飽和段階にあるため、疎結合の構造では常に漏磁の問題が存在し、特に飽和になった後の漏磁の問題は重大である。図6に示すのは従来技術の口字形の鉄心励磁の概略図であり、超導電磁性体2が巻かれた鉄心部分を励磁部41と呼び、交流巻線5が巻かれた鉄心部分を動作部42と呼び、この二つの部を結ぶ他の部分を透磁部43と呼ぶ。超伝導磁性体2内の励磁電流が小さい場合、鉄心内磁場は弱く、鉄心は非飽和状態にあり、漏磁束は小さく、動作部42と励磁部42内の磁束はほぼ同じである。励磁電流が大きくなると、漏磁もこれに伴い大きくなり、漏磁が大きくなると、巻線によって生じる励磁部41の総磁位に占める磁位の割合もこれに伴い大きくなるため、動作部42上の磁位は励磁部41に対して小さくなり、これが一定の飽和度に達するには励磁電流を増やす必要があり、ひいては励磁電流を増やしても一定の飽和度に到達し難い。
【0006】
したがって、従来の飽和鉄心式超電導故障限流器は、コストが高く、体積重量が大きく、電源技術の解決が難しい限流形式であり、実際に応用するのは難しいと考えられてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の不足と欠陥を克服し、飽和鉄心超伝導故障限流器およびその制御方法を提供し、電力電子制御技術によって受動式限流を能動式限流に変えるとともに、鉄心の構造、形状および寸法を変えることにより、鉄心に対する漏磁の影響を少なくし、鉄心上の磁位を新たに分布させ、励磁磁位が変わらない又は減少しない場合において、設計した飽和度に鉄心を達成させることにある。従来の技術に比べ、本発明の飽和鉄心超伝導故障限流器は、体積が小さく小型化され、限流効率が高く、回復性が早く、誘導過電圧の心配がない等の特性を有し、優れた応用前途を有している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を実現するために、本発明は、超伝導磁性体、リアクタンスシステムである鉄心および交流巻線、低温(Cryostat)システム、及び監視制御システムを含む飽和鉄心超伝導故障限流器であって、超伝導磁性体の両端に接続され、データ線を介して監視制御システムに接続される直流制御システムをさらに含み、前記リアクタンスシステムの前記鉄心は断面が一様でない鉄心構造を用いることを特徴とする飽和鉄心超伝導故障限流器を提供する。
【0009】
前記直流制御システムは、
出力端を有する直流電源モジュールと、
超伝導磁性体と直列に接続され、その電流方向が一方向性を有する吸収ブランチと、吸収ブランチと超伝導磁性体とが直列した回路と並列に接続され、電流方向は吸収ブランチと反対である続流ブランチとからなり、直流電源モジュールの出力端に接続された磁気エネルギー吸収モジュールと、
信号線によって、電力ネットワーク電力変流器と、直流電源モジュール及び磁気エネルギー吸収モジュールの制御可能な電力電子スイッチの状態データ線と接続し、電気ネットワークの電気測定信号を受信し、直流制御システムの制御可能な電力電子デバイスの状態信号および制御信号を受信・発信し、電力ネットワークの作動状態を識別し、直流電源モジュールおよび磁気エネルギー吸収モジュールの作動状態を制御する制御モジュールと、を含む。
【0010】
前記直流電源モジュールの直流電源は、単相または三相交流電力整流後に出力された直流電源、或いは乾電池、蓄電池から提供される直流電源である。
【0011】
前記単相または三相交流電力整流後に出力された直流電源には、制御可能な電力電子スイッチが一つまたは複数含まれ、前記制御可能な電力電子スイッチは、出力電圧の制御および出力定電流の調節を実現する。
【0012】
前記吸収ブランチは、制御可能な電力電子スイッチと磁気エネルギー吸収素子が並列に接続されてなる。
【0013】
前記直流電源モジュールおよび磁気エネルギー吸収モジュール中の電力電子スイッチは、絶縁ゲート型両極性トランジスタ(IGBT)、集積ゲート転流型サイリスタ(IGCT)、およびゲートターンオフサイリスタ(GTO)のうちのいずれか一つから選ばれる。
【0014】
前記吸収ブランチ中の磁気エネルギー吸収素子は、ピエゾ抵抗、空気放電管、固体放電管、または瞬時電圧抑制器のうちの一つまたは複数の組合せである。
【0015】
前記続流ブランチは、一つまたは複数のダイオードからなる。
【0016】
前記リアクタンスシステムの鉄心は、閉鎖型鉄心で、かつ断面が一様でない鉄心構造を用い、励磁部、動作部および透磁部を含む。励磁部の鉄心の断面積と動作部の鉄心の断面積との比率が1.01〜10であり、励磁部の鉄心の断面積と透磁部の鉄心の断面積との比率が1〜10である。
【0017】
前記閉鎖型鉄心は、リング形または多角形である。
【0018】
前記多角形の鉄心の辺数は、4〜20とすることができる。
【0019】
前記励磁部に超伝導巻線が巻かれ、動作部に動作巻線が巻かれ、透磁部に励磁部および動作部が接続される。
【0020】
前記透磁部の鉄心の断面積は、動作部の鉄心の断面積より大きく、且つ励磁部の鉄心の断面積以下である。
【0021】
前記励磁部と動作部の鉄心脚の断面積形状は異なり、2〜6個の前記励磁部の鉄心脚は、中心を360°囲む組み合わせ中間柱にコンパクトにつなぎ合わされ、二つの励磁部の鉄心脚の間毎に一つの合わせ絶縁隔板を設け、組み合わせ中間柱の断面外縁輪郭は、円形、楕円形、トラック形、矩形または類似形状の一つが選択される。
【0022】
前記励磁部の鉄心脚の断面形状において、口字形の鉄心内側にある辺は前記組み合わせ中間柱断面の外縁輪郭円形の一段の円弧であり、口字形の鉄心外側にある辺は楔形であり、残りの両辺は平行直辺である。
【0023】
前記楔形頂角の角度は、60°、90°、120°又は180°である。
【0024】
前記超伝導磁性体は、電圧固定コイルと並列に接続する。
【0025】
前記電圧固定コイルは単一の銅、アルミニウム、銀コイル巻線又は単一の電気抵抗、又は銅/アルミニウムコイル巻線と電気抵抗との直列接続で構成される。
【0026】
前記超伝導磁性体と電圧固定コイルの巻数比は20以上である。
【0027】
上記目的を達成するために、本発明は、さらに飽和鉄心式超伝導故障限流器の制御方法を提供する。該方法は以下のステップを含む。1)制御モジュールが、電力ネットワーク中の電力変流器からの電気測定信号を受信して処理することで、電力ネットワークの作動状態を、正常作動状態、短絡故障状態及び故障回復状態の三つから識別する。2)制御モジュールは電力ネットワークの作動が正常作動状態にあると識別したとき、制御モジュールが非磁気エネルギー吸収状態になるよう磁気エネルギー吸収モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御し、低圧直流定電流出力の状態になるよう直流電源モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御する、3)直流電源モジュールが低圧直流定電流出力の状態にあるとき、制御モジュールが電力ネットワークの負荷の大きさに基づいて超伝導磁性体内の電流の大きさを電力ネットワークの負荷とマッチするように調節し、その後ステップ1)に戻り、このサイクルを、電力ネットワークの作動状態に変化が生じるまで繰り返す、4)制御モジュールは電力ネットワークが短絡故障発生状態にあると識別したとき、制御モジュールが磁気エネルギー吸収状態になるよう磁気エネルギー吸収モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御し、直流出力を中断するように直流電源モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御し、それ後ステップ1)に戻り、このサイクルを、電力ネットワークの作動状態に変化が生じるまで繰り返す、5)制御モジュールは電力ネットワークが故障回復状態にあると識別したとき、非磁気エネルギー吸収状態になるよう磁気エネルギー吸収モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御し、高圧直流出力状態になるよう直流電源モジュールの電力電子スイッチを制御し、それ後ステップ1)に戻り、このサイクルを、電力ネットワークの作動状態に変化が生じるまで繰り返す。
【発明の効果】
【0028】
本発明は以下の有益な技術効果を有する。従来の技術に比べ、本発明が提案する飽和鉄心式超伝導故障限流器は、受動式限流を能動式限流に変え、限流効率を高めるとともに、鉄心の構造、形状および寸法を変えることにより、鉄心が飽和状態に入ることによって起こる漏磁がもたらす不利な影響をなくし、鉄心に対する漏磁の影響を大幅に少なくし、鉄心上の磁位を新たに分布させることができ、さらに励磁磁位が変わらない又は減少しない場合において、鉄心を設計した飽和度に達成させることができる。そして、技術的にも経済的にも優れた応用前途を有している。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の飽和鉄心式超伝導故障限流器の全体回路図である。
【図2】直流制御システムの回路原理図である。
【図3】本発明の直流制御システムの一応用実施例の回路概略図である。
【図4】本発明の直流制御システムの制御方法のステップフロー図である。
【図5】従来技術の疎結合六鉄心構造の概略図である。
【図6】従来技術の口字形の鉄心励磁の概略図である。
【図7】本発明の断面が一様でない鉄心構造、並びに動作巻線がそれぞれ異なる位置に巻かれた概略図である。
【図8】本発明の断面が一様でない鉄心構造、並びに動作巻線がそれぞれ異なる位置に巻かれた概略図である。
【図9】本発明の断面が一様でない鉄心構造、並びに動作巻線がそれぞれ異なる位置に巻かれた概略図である。
【図10】本発明の六つの励磁部の鉄心脚がコンパクトにつなぎ合わされた組み合わせ中間柱の断面概略図である。
【図11】本発明の一楔形励磁部の鉄心脚の断面の拡大概略図である。
【図12】本発明の断面が一様でない六鉄心構造の応用実例の正面図及び平面図である。
【図13】本発明の断面が一様でない六鉄心構造の応用実例の正面図及び平面図である。
【図14】本発明の電圧固定コイルの実施例の構造概略図の一つである。
【図15】本発明の電圧固定コイルの実施例の構造概略図のもう一つである。
【符号の説明】
【0030】
1 電力ネットワーク
2 超伝導磁性体
3 電力ネットワークの負荷
4 鉄心
5 交流巻線
6 直流制御システム
7 監督制御システム
8 変流器
9 低温システム
10 合わせ絶縁隔板
11 電圧固定コイル
12 電気抵抗
41 励磁部
42 動作部
43 透磁部
411 一段の円弧
412 楔形
413 平行直辺
414 平行直辺
61 直流電源モジュール
62 磁気エネルギー吸収モジュール
63 制御モジュール
621 吸収ブランチ
622 続流ブランチ
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に図面と共に、本発明の具体的な実施の形態及び具体的な実施例を詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の飽和鉄心式超伝導故障限流器の全体回路図である。本発明は超伝導磁性体2、鉄心4および交流巻線5を含み、電力ネットワーク電源1に接続された飽和鉄心超伝導故障限流器であって、超伝導磁性体2の両端に接続され、データ線を介して監視制御システム7に接続される直流制御システム6をさらに含む飽和鉄心超伝導故障限流器である。
【0033】
図2の直流制御システムの回路原理図が示すように、直流制御システム6は、
出力端を有した直流電源モジュール61と、
超伝導磁性体2とが直列に接続してその電流方向が一方向性を有する吸収ブランチ621と、吸収ブランチ621と超伝導磁性体2とが直列に接続された回路と並列に接続し、電流方向が吸収ブランチ621と反対である続流ブランチ622と、からなり、直流電源モジュール61の出力端に接続された磁気エネルギー吸収モジュール62と、
信号線によって、電力ネットワーク電力変流器8、直流電源モジュール61及び磁気エネルギー吸収モジュール62の制御可能な電力電子スイッチの状態データ線と接続し、電気ネットワーク1の電気測定信号を受信し、直流制御システム6の制御可能な電力電子デバイスの状態信号および制御信号を受信・発信し、電力ネットワーク1の状態を識別し、直流電源モジュール61および磁気エネルギー吸収モジュール62の作動状態を制御する制御モジュール63と、を含む。
【0034】
図3に示すように、直流電源モジュール61の直流電源は、単相または三相交流電力整流後の直流電流を出力する直流電源であり、制御可能な電力電子スイッチQ1、インダクタンスコイルL1、コンデンサC2、ダイオードD2によって出力電圧制御を実現し、制御可能な電力電子スイッチQ3によって出力定電流調節を実現する。限流器が正常に作動しているとき、直流電源モジュール61は、低い直流電圧を出力して超伝導磁性体2内の励磁電流を維持し、限流器が励磁状態を回復すると、高い直流強制電圧を出力して超伝導磁性体2内の磁場を素早く励磁状態に到達させる。
【0035】
吸収ブランチ621は、制御可能な電力電子スイッチQ2と磁気エネルギー吸収素子Rmが並列に接続されて構成される。超伝導磁性体2の作動が励磁状態にあるとき、吸収ブランチ621は接続となり、短絡状態に相当する。超伝導磁性体2が励磁状態を脱すると、吸収ブランチ621は切断となり、超伝導磁性体2の磁気エネルギーを吸収し、超伝導磁性体2の両端の電圧を安全なレベルに制限する。
【0036】
吸収ブランチ621の磁気エネルギー吸収素子Rmは、ピエゾ抵抗、空気放電管(ガス放電管)、固体放電管、または瞬時電圧抑制器のうちの一つまたは複数の組合せで構成することができる。
【0037】
続流ブランチ622は、一つまたは複数のダイオードD1からなる。続流ブランチ622の電流の向きは一方向性を有し、超電動磁性体2内の電流の向きと反対である。よって、続流ブランチ622は一つ又は複数のダイオードD1の直列、並列又は直並列の複数の組合せであり、制御可能な電力電子スイッチでもよい。
【0038】
制御モジュール63は、限流器の作動方策に基づき、直流電源モジュール61、磁気エネルギー吸収モジュール62の作動状態をそれぞれ制御でき、その制御方法は図4の本発明の直流制御システムの制御方法のステップフロー図が示すように、以下のステップを含む。
1)制御モジュール63は、電力ネットワークの電力変流器8からの電気測定信号を受信して処理することで、電力ネットワークの作動状態を、正常作動状態、短絡故障状態及び故障回復状態の三つから識別する。
2)制御モジュール63は電力ネットワークの作動が正常作動状態にあると識別したとき、非磁気エネルギー吸収状態になるよう磁気エネルギー吸収モジュール62の制御可能な電力電子スイッチを制御し、低圧直流定電流出力の状態になるよう直流電源モジュール61の制御可能な電力電子スイッチを制御する。
3)直流電源モジュール61が低圧直流定電流出力の状態にあるとき、制御モジュール63は電力ネットワークの負荷の大きさに基づいて超伝導磁性体2内の電流の大きさを電力ネットワークの負荷とマッチするように調節する。それからステップ1)に戻り、このサイクルを、電力ネットワークの作動状態に変化が生じるまで繰り返す。
4)制御モジュール63は電力ネットワークが短絡故障状態にあると識別したとき、磁気エネルギー吸収状態になるよう磁気エネルギー吸収モジュール62の制御可能な電力電子スイッチを制御し、直流出力を中断するよう直流電源モジュール61の制御可能な電力電子スイッチを制御する。それからステップ1)に戻り、このサイクルを、電力ネットワークの作動状態に変化が生じるまで繰り返す。
5)制御モジュール63は電力ネットワークが故障回復状態にあると識別したとき、非磁気エネルギー吸収状態になるよう磁気エネルギー吸収モジュール62の制御可能な電力電子スイッチを制御し、高圧直流出力状態になるよう直流電源モジュール61の電力電子スイッチを制御する。それからステップ1)に戻り、このサイクルを、電力ネットワークの作動状態に変化が生じるまで繰り返す。
【0039】
図7は、本発明の口字形の断面が一様でない鉄心構造、並びに交流巻線5が超伝導磁性体2に対向する位置に巻かれた一つの実施例の概略図である。これは、磁性飽和領域で動作するための断面が一様でない鉄心構造であって、該鉄心は閉鎖型鉄心であり、励磁部41、動作部42および透磁部43を含む。励磁部41の鉄心の断面積と動作部42の鉄心の断面積との比率は1.01〜10であり、該比率の好ましい範囲は1.2〜3であり、励磁部41の鉄心の断面積と透磁部43の鉄心の断面積との比率は1〜10であり、該比率の好ましい範囲は1〜3であり、かつ、透磁部43の鉄心の断面積は、動作部42の鉄心の断面積より大きく、励磁部41の鉄心の断面積以下である。図示のように、本実施例の透磁部43の鉄心の断面積は、励磁部41の鉄心の断面積よりも小さい。そして、励磁部41に超伝導磁性体2が巻かれ、動作部42に交流巻線5が巻かれ、透磁部43に励磁部41および動作部42が接続される。
【0040】
図8及び図9は、本発明の口字形の断面が一様でない鉄心構造、並びに交流巻線5が超伝導磁性体2に隣り合う位置に巻かれた一つの実施例の概略図である。該鉄心は閉鎖型鉄心であり、励磁部41、動作部42および透磁部43を含む。励磁部41の鉄心の断面積と動作部42の鉄心の断面積との比率は1.01〜10であり、該比率の好ましい範囲は1.2〜3であり、励磁部41の鉄心の断面積と透磁部43の鉄心の断面積との比率は1〜10であり、該比率の好ましい範囲は1〜3であり、かつ、透磁部43の鉄心の断面積は動作部42の鉄心の断面積より大きく、励磁部41の鉄心の断面積以下である。図示のように、本実施例の透磁部43の鉄心の断面積は励磁部41の鉄心の断面積よりも小さい。そして、励磁部41には同様に超伝導磁性体2が巻かれ、動作部42に交流巻線5が巻かれ、透磁部43に励磁部41および動作部42が接続される。
【0041】
図10に示すように、本発明の六つの励磁部の鉄心脚が組み合わせ中間柱にコンパクトにつなぎ合わされ、二つの励磁部鉄心脚41の間毎に一つの合わせ絶縁隔板10を設け、組み合わせ中間柱の断面外縁輪郭は円形である。
【0042】
図11は、本発明の六つの励磁部の鉄心脚がコンパクトにつなぎ合わされた組み合わせ中間柱の楔形断面の拡大概略図である。これを例に、励磁部鉄心脚41の断面形状において、口字形の鉄心内側にある辺は、組み合わせ中間柱断面の外縁輪郭の円形の一段の円弧411であり、口字形の鉄心外側にある辺は楔形412であり、残りの両辺は平行直辺413、414である。
【0043】
図14は、本発明の超伝導磁性体2と電圧固定コイル11の並列構造概略図の一つである。該電圧固定コイルの巻数は超電磁磁性体の巻数よりはるかに少なく、こうして超電磁磁性体と電圧固定コイルからなる並列構造の等価コイル巻数は、超伝導磁性体の巻数に比べ大幅に低減され、超伝導磁性体が受ける誘電電圧は減少する。超伝導磁性体が励磁したとき、その電気抵抗はゼロであるため、直流定電流電源が提供する電流は、超伝導磁性体だけを通り、このため並列の電圧固定コイルは超伝導磁性体の正常な励磁機能に影響しない。図15は、本発明の超伝導磁性体2と電圧固定コイル11の並列構造概略図のもう一つである。特別な必要に応じて、電圧固定コイルは電気抵抗R12が直列に接続されて超伝導磁性体と並列に接続するように構成することができる。
【0044】
以下に実際の具体的な実施例と共に、飽和鉄心式超伝導故障限流器の直流制御システム及び断面が一様でない鉄心構造をさらに説明する。
【0045】
図3は、35kV超伝導故障限流器の直流制御システムの詳細な回路図である。直流電源モジュール61は、三相380V交流電力が三相フルブリッジ整流を経て、整流された電圧550Vの直流を出力する。直流電源モジュール61は、制御可能な電力電子スイッチQ1、インダクタンスコイルL1、コンデンサC2、ダイオードD2によってその出力電圧を制御し、制御可能な電力電子スイッチQ3によって定電流調節を実現する。
【0046】
本発明の実施例の飽和鉄心式超伝導故障限流器の直流制御システムの詳細な構成、原理及び機能は以下のとおりである。
【0047】
1)直流電源モジュール61
本実施例において、単相又は三相交流電力は電力電子スイッチで整流され、パルス直流を出力し、後端に波形整形フィルタコンデンサC1が並列に接続し、電源出力の調波を除く。
【0048】
直流電源の出力後端に、インダクタンスL1、電力電子スイッチQ1、ダイオードD2及び濾波エネルギー蓄積コンデンサC2等からなるスイッチ型BOAST昇圧回路を並列に接続し、PWMパルス幅変調電力電子スイッチQ1によって出力電圧の大きさを制御し、電圧制御を実現する。
【0049】
限流器が正常に作動しているとき、PWMパルス幅変調電力電子スイッチQ1のオンオフのデューティ比によって、低い直流電圧を出力し、超伝導磁性体2内の励磁電流を維持する。限流器回復状態のとき、PWMパルス幅変調電力電子スイッチQ1のオンオフのデューティ比によって、高い直流強制電圧を出力し、超伝導磁性体2内の磁場を素早く励磁状態に到達させる。
【0050】
電力電子スイッチQ3は、直流電源の出力を調節及び切断するためのものであり、制御モジュール63によって制御される。これはPWMパルス幅変調制御電力電子スイッチQ3のオンオフのデューティ比によって、超伝導磁性体2内の電流値を調節する。
【0051】
電力電子スイッチQ1及びQ3は、一つの又は複数の絶縁ゲート型両極性トランジスタ(IGBT)、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)又は集積ゲート転流型サイリスタ(IGCT)を直並列接続して構成できる。
【0052】
2)磁気エネルギー吸収モジュール62
磁気エネルギー吸収モジュール62は、吸収ブランチ621及び続流ブランチ622から構成される。吸収ブランチ621は、超伝導磁性体2と直列に接続し、その電流の向きは一方向性を有する。続流ブランチ622は、吸収ブランチ621と超伝導磁性体2とが直列に接続した回路と並列に接続し、電流の方向は、吸収ブランチ621と反対である。
【0053】
図3の示すように、吸収ブランチ621は、電力電子スイッチQ2とピエゾ抵抗Rmが並列して接続されて構成され、一つの回路として超伝導磁性体2と直列に接続される。
【0054】
なお、電力電子スイッチQ2とピエゾ抵抗Rmが並列してなるデバイス群は、少なくとも、一つの電力電子スイッチとピエゾ抵抗Rmとが並列して接続されて構成されたり、又は複数の電力電子スイッチとピエゾ抵抗Rmが並列して接続された群が直列して構成される。吸収ブランチのピエゾ抵抗Rmは、高圧ピエゾ抵抗、空気放電管(GDT)、固体放電管(SDT)、または瞬時電圧抑制器(TVS)などを用いることができる。
【0055】
図3の示すように、続流ブランチ622は、一つのダイオードD1からなる。これは超電動磁性体2内の電流の向きと反対であり、続流に用いる。
【0056】
必要に応じて、複数のダイオードの直列、並列又は直並列の統合的な形式で構成してもよい。また、ダイオードD1の代わりとして制御可能な電力電子デバイスを用いてもよい。
【0057】
限流器が励磁状態を脱すると、図2−2の電力電子スイッチQ3に電源の出力を切断するよう指令し、このとき、超伝導磁性体2は、ダイオードD1及びQ2を流れる続流を形成する。Q3が切断されると同時にQ2が切断され、超伝導磁性体2の両端に一つの切断過電圧が発生し、スイッチQ2の両端に加わる。このとき、ピエゾ抵抗Rmは、放電すると同時に超伝導磁性体2の両端の電圧をクランプする。こうして超伝導磁性体2内の磁気エネルギーが放出され、電力電子スイッチQ2が過電圧の脅威を受けるのも免れて保護される。
【0058】
3)制御モジュール63
制御モジュール63は、図3の点線枠63の部分に示される。データ制御線を介して電力ネットワークの電力変流器8、及び直流電源モジュール61と磁気エネルギー吸収モジュール62の電力電子デバイスのデータ線に接続される。受信したデータの処理、及び直流電源モジュール61及び磁気エネルギー吸収モジュール62の電力電子デバイスの作動状態を制御するのに用いられる。
【0059】
図12は、本発明における六つの口字形鉄心からなる三相限流器の実施例の正面図である。同図における六つの鉄心は、いずれも口字形(四角形)又はその類似の形状の鉄心であり、励磁部41、動作部42、透磁部43を含む。励磁部41の鉄心の断面積と動作部42の鉄心の断面積との比率は1.01〜10であり、該比率の好ましい範囲は1.2〜3であり、本実施例では約2である。励磁部41の鉄心の断面積と透磁部43の鉄心の断面積との比率は1〜10であり、該比率の好ましい範囲は1〜3であり、本実施例では1である。透磁部43の鉄心の断面積は動作部の鉄心の断面積より大きく、励磁部41の鉄心の断面積以下である。図示のように、本実施例の透磁部43の鉄心の断面積は励磁部41の鉄心の断面積と等しい。
【0060】
図13は、本発明における六つの口字形鉄心からなる三相限流器の実施例の平面図である。励磁部41の鉄心脚の断面形状と動作部42の鉄心脚の断面形状は異なる。六つの励磁部の鉄心脚は中心を360°囲む組み合わせ中間柱にコンパクトにつなぎ合わされ、二つの励磁部41の鉄心脚の間毎に一つの合わせ絶縁隔板10を設け、組み合わせ中間柱の断面外縁輪郭は円形である。六鉄心構造の楔形の励磁部41の鉄心脚の頂角は60°である。
【0061】
本発明は、電力電子制御技術によって超伝導故障限流器を能動式限流に変え、限流効率を高くすることができる。また、断面が一様でない鉄心構造を用いて、動作鉄心を設計した飽和度に容易に達成させることができ、超伝導巻線が提供するバイアス磁位も従来技術よりずっと小さく、鉄心体積を小さくしている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導磁性体、リアクタンスシステムである鉄心および交流巻線、低温システム、及び監視制御システムを含む飽和鉄心超伝導故障限流器であって、
超伝導磁性体の両端に接続され、データ線を介して監視制御システムに接続される直流制御システムをさらに含み、
前記リアクタンスシステムの鉄心は、その断面が一様でない鉄心構造を用いることを特徴とする飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項2】
前記直流制御システムは、
出力端を有する直流電源モジュールと、
超伝導磁性体と直列に接続し、その電流方向が一方向性を有する吸収ブランチと、吸収ブランチと超伝導磁性体とが直列に接続した回路と並列に接続し、電流方向が前記吸収ブランチと反対である続流ブランチと、からなり、前記直流電源モジュールの出力端に接続される磁気エネルギー吸収モジュールと、
信号線によって、電力ネットワーク電力変流器、前記直流電源モジュール及び前記磁気エネルギー吸収モジュールの制御可能な電力電子スイッチの状態データ線と接続し、電力ネットワーク及び制御システムの電気測定信号を受信し、電力ネットワークの作動状態を識別し、直流電源モジュールおよび磁気エネルギー吸収モジュールの作動状態を制御する制御モジュールと、
を含む請求項1に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項3】
前記直流電源モジュールの直流電源は、単相または三相交流電力整流後に出力する直流電源、或いは乾電池、蓄電池から提供される直流電源である請求項2に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項4】
前記単相または三相交流電力整流後に出力する直流電源には、制御可能な電力電子スイッチが一つまたは一つ以上含まれ、前記制御可能な電力電子スイッチは、出力電圧の制御および出力定電流の調節を実現するためのものである請求項3に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項5】
前記吸収ブランチは、制御可能な電力電子スイッチと磁気エネルギー吸収素子とが並列に接続されて構成される請求項2に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項6】
前記制御可能な電力電子スイッチは、絶縁ゲート型両極性トランジスタ(IGBT)、集積ゲート転流型サイリスタ(IGCT)、およびゲートターンオフサイリスタ(GTO)のうちの一つが選ばれる請求項4又は5に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項7】
前記磁気エネルギー吸収素子は、ピエゾ抵抗、空気放電管、固体放電管、または瞬時電圧抑制器のうちの一つまたは複数の組合せである請求項5に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項8】
前記続流ブランチは、一つまたは複数のダイオードからなる請求項2に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項9】
前記断面が一様でない鉄心構造は閉鎖型鉄心であり、励磁部、動作部および透磁部を含み、励磁部の鉄心の断面積と動作部の鉄心の断面積との比率が1.01〜10であり、励磁部の鉄心の断面積と透磁部の鉄心の断面積との比率が1〜10である請求項1に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項10】
前記閉鎖型鉄心はリング形または多角形である請求項9に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項11】
前記多角形の鉄心の辺数は、4〜20である請求項10に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項12】
前記励磁部に超伝導巻線が巻かれ、動作部に交流巻線が巻かれ、透磁部に励磁部および動作部が接続される請求項9に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項13】
前記透磁部の鉄心の断面積は、動作部の鉄心の断面積より大きく且つ励磁部の鉄心の断面積以下である請求項9に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項14】
前記励磁部と動作部の鉄心脚の断面積形状が異なり、2〜6個の前記励磁部の鉄心脚が中心を360°囲む組み合わせ中間柱にコンパクトにつなぎ合わされ、二つの励磁部の鉄心脚の間毎に一つの合わせ絶縁隔板を設け、組み合わせ中間柱の断面外縁輪郭が、円形、楕円形、トラック形、矩形またはそれらに類似する形状の一つが選択される請求項9に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項15】
前記励磁部の鉄心脚の断面形状において、口字形の鉄心内側にある辺は前記組み合わせ中間柱断面の外縁輪郭円形の一段の円弧であり、口字形の鉄心外側にある辺は楔形であり、残りの両辺は平行直辺である請求項14に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項16】
前記楔形頂角の角度は、60°、90°、120°又は180°である請求項15に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項17】
前記超伝導磁性体は、電圧固定コイルと並列に接続する請求項1に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項18】
前記電圧固定コイルは単一の銅、アルミニウム、銀コイル巻線又は単一の電気抵抗、又は銅/アルミニウムコイル巻線と電気抵抗との直列接続で構成される請求項17に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項19】
前記超伝導磁性体と電圧固定コイルとの巻数比は、20以上である請求項17に記載の飽和鉄心超伝導故障限流器。
【請求項20】
飽和鉄心式超伝導故障限流器の制御方法であって、以下のステップを含むことを特徴とする。
1)制御モジュールは、電力ネットワーク中の電力変流器からの電気測定信号を受信して処理することで、電力ネットワークの作動状態を、正常作動状態、短絡故障状態及び故障回復状態の三つから識別する;
2)制御モジュールは電力ネットワークの作動が正常作動状態にあると識別したとき、非磁気エネルギー吸収状態になるよう磁気エネルギー吸収モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御し、低圧直流定電流出力の状態になるよう直流電源モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御する;
3)直流電源モジュールが低圧直流定電流出力の状態にあるとき、制御モジュールは電力ネットワークの負荷の大きさに基づいて超伝導磁性体内の電流の大きさを電力ネットワークの負荷とマッチするように調節し、その後前記ステップ1)に戻り、このサイクルを電力ネットワークの作動状態に変化が生じるまで繰り返す;
4)制御モジュールは電力ネットワークが短絡故障発生状態にあると識別したとき、磁気エネルギー吸収状態になるよう磁気エネルギー吸収モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御し、直流出力を中断するように直流電源モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御し、それ後前記ステップ1)に戻り、このサイクルを電力ネットワークの作動状態に変化が生じるまで繰り返す;
5)制御モジュールは電力ネットワークが故障回復状態にあると識別したとき、非磁気エネルギー吸収状態になるよう磁気エネルギー吸収モジュールの制御可能な電力電子スイッチを制御し、高圧直流出力状態になるよう直流電源モジュールの電力電子スイッチを制御し、それ後ステップ1)に戻り、このサイクルを電力ネットワークの作動状態に変化が生じるまで繰り返す。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−524268(P2010−524268A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503337(P2010−503337)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/CN2008/000792
【国際公開番号】WO2008/125022
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(509288091)イノパワー スーパーコンダクター ケーブル カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】