説明

駆動源ユニット、及びロボット

【課題】ブレーキとモーターとを配置するために必要な体積を抑制して、モーター及びブレーキを収容するために必要なアームの大きさが増大することを抑制することができる駆動源ユニット、及びロボットを提供する。
【解決手段】中心軸まわりに回動する出力軸を備える駆動源と、出力軸に係合しており、出力軸と略一体に、中心軸まわりに回動する出力部材と、出力軸の軸方向において駆動源と並べて配設されており、出力軸の回動を制動することが可能な制動手段と、を備え、出力部材と制動手段とは、出力軸の軸方向において、少なくとも一部分が、同じ位置に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源と制動装置とを備える駆動源ユニット、及び駆動源ユニットを備えるロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アームの先端に、作業内容に対応した溶接ガン、塗装ガンなどのエンドエフェクタを取り付けられ、当該作業を実施する産業用ロボットが知られている。そのような産業用ロボットは、アームを駆動すると共に、任意の位置で停止させて停止位置に維持することが必要である。そのようなロボットを駆動するために、駆動用の駆動源と停止用の制動装置とを組み合わせた駆動源ユニットが用いられている。
【0003】
特許文献1には、アーム構造体を構成するケーシング内に、アームを駆動するためのモータを配設して、アーム構造体のケーシングの軽量化及び小型化を行う、産業用ロボットのアーム構造体が開示されている。しかし、内蔵するモーターのサイズによって、ケーシングの小型化は制限をうけるため、モーターのサイズを小さくすることが求められる。
特許文献2には、被駆動体を駆動するモータと、モータと別体に形成され、ブレーキ軸を介してモータの回転を規制するブレーキと、モータの出力軸とブレーキ軸とを動力伝達可能に連結する動力伝達部と、を備える多関節ロボット及びロボットシステムが開示されている。特許文献2によれば、モータの出力軸とは別にブレーキ軸を設けることで、ブレーキを含めたモータの出力軸方向の長さを短くすることができる。これにより、当該モータを内蔵するアームを小型化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−23642号公報
【特許文献2】特開2010−94749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示されたような多関節ロボットでは、モータの出力軸に略直角な方向においては、ブレーキ軸とモータとを並列させることに起因して、ブレーキとモータとを配置するために必要な幅が増大するという課題があった。このため、特許文献2に開示された発明を適用しても、ロボットなどを、必ずしも小型化できないという課題があった。アームにおけるモータの配設位置によっては、モータ及びブレーキを収容するために必要なアームの大きさが増大する可能性があるという課題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかる駆動源ユニットは、中心軸まわりに回動する出力軸を備える駆動源と、前記出力軸に係合しており、前記出力軸と略一体に、前記中心軸まわりに回動する出力部材と、前記出力軸の軸方向において前記駆動源と並べて配設されており、前記出力軸の回動を制動することが可能な制動手段と、を備え、前記出力部材と前記制動手段とは、前記出力軸の軸方向において、少なくとも一部分が、同じ位置に配設されていることを特徴とする。
【0008】
本適用例にかかる駆動源ユニットによれば、制動手段は出力軸の軸方向において駆動源と並べて配設されている。これにより、出力軸の軸方向に直交する方向において、制動手段が駆動源と並べて配設されている構成にくらべて、出力軸の軸方向に直交する方向において駆動源ユニットが大きくなることを抑制することができる。
出力部材と制動手段とは、出力軸の軸方向において、少なくとも一部分が、同じ位置に配設されている。これにより、出力部材と制動手段とが出力軸の軸方向に並べられた構成にくらべて、出力部材と制動手段とを合わせた出力軸の軸方向における大きさを小さくすることができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例にかかる駆動源ユニットは、前記制動手段が、略円板形状を有し、前記出力軸に対して、前記出力軸の回動方向における相対移動が略禁止され、前記出力軸の軸方向における相対移動が許容されて、前記出力軸に係止された制動板と、前記制動板の第一面に前記出力軸の軸方向において対向する固定枠面を備え、前記駆動源に対して位置が固定された固定枠と、前記制動板の前記第一面の反対側の第二面に、前記出力軸の軸方向において対向する可動板面を備え、前記可動板面が前記第二面に対して離接する方向に移動可能な可動板と、前記可動板を、前記可動板面が前記第二面に近接する方向に付勢する付勢手段と、前記可動板を、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記第二面から離間させる方向に移動させることが可能な可動板移動手段と、を備えることが好ましい。
【0010】
この駆動源ユニットによれば、可動板は制動板の第二面に対して離接方向に移動可能であって、付勢手段によって第二面に近接する方向に付勢される。制動板は出力軸の軸方向における相対移動が許容されており、第一面が固定枠の固定枠面と対向している。この構成により、付勢手段によって付勢された可動板が制動板の第二面に当接し、当接した可動板によって押された制動板の第一面が、対向する固定枠面に当接する。固定枠は駆動源に対して位置が固定されており、制動板は出力軸に対して出力軸の回動方向における相対移動が略禁止されている。これにより、付勢手段の付勢力によって押し当てられた制動板の第一面と固定枠の固定枠面との摩擦力によって、付勢駆動源に対する出力軸の軸まわりの回動を制動することができる。
可動板移動手段によって、付勢手段の付勢力に抗して可動板を第二面から離間させる方向に移動させることで、制動板の第一面と固定枠の固定枠面とが当接した状態を解除することができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例にかかる駆動源ユニットは、前記出力部材は、前記出力軸に対する前記出力軸の回動方向における相対移動が略禁止されて前記出力軸に係合している軸接続部と、前記軸接続部と一体に形成されており、前記駆動源の出力を伝達する出力伝達部と、を備え、前記出力伝達部の少なくとも一部分が、前記出力軸の軸方向において、前記制動手段の少なくとも一部分と同じ位置に配設されており、前記軸接続部が、前記制動板であることが好ましい。
【0012】
この駆動源ユニットによれば、軸接続部と制動板とが共通の部材である。軸接続部と制動板とをそれぞれ個別に設ける構成にくらべて、出力部材と制動手段とを合わせた大きさを、小さくすることができる。
【0013】
[適用例4]本適用例にかかるロボットは、上記適用例のいずれかに記載の駆動源ユニットと、前記駆動源ユニットによって駆動される被駆動体と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本適用例にかかるロボットによれば、出力部材と制動手段とを合わせた大きさを小さくすることができる駆動源ユニットを備えることで、駆動源ユニットが占める体積を小さくすることができる。駆動源ユニットが占める体積を小さくすることで、ロボットを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】モーターユニットの構成を示す説明図。
【図2】(a)は、制動をしている(ブレーキを掛けている)状態のブレーキを示す模式断面図。(b)は、制動をしていない(ブレーキを掛けていない)状態のブレーキを示す模式断面図。
【図3】ロボットシステムの全体構成を示す説明図。
【図4】アーム部分におけるモーターユニットの配置例を示す説明図。
【図5】モーターユニットの構成を示す説明図。
【図6】モーターユニットの構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、駆動源ユニット、及びロボットについて、図面を参照して説明する。本実施形態は、多関節ロボットのアームを駆動するために用いられるモーターユニットを例にして説明する。なお、以下の説明において参照する図面では、図示の便宜上、部材又は部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
【0017】
<モーターユニット>
最初に、モーターユニット1について、図1を参照して説明する。図1は、モーターユニットの構成を示す説明図である。モーターユニット1が、駆動源ユニットに相当する。
図1に示すように、モーターユニット1は、モーター11と、エンコーダー15と、ブレーキ21と、プーリー31と、モータープレート3とを備えている。モーター11とブレーキ21とがモータープレート3に固定されており、モーターユニット1は、モータープレート3をロボット51(図3参照)に固定することによって、ロボット51に取り付けられている。
【0018】
モーター11は、略円柱形状の外形を有し、出力軸12を備えている。出力軸12は、モーター11の略円柱形状の一端から突出している。モータープレート3には、軸孔3aが形成されている。出力軸12が軸孔3aを貫通する状態で、モーター11の端面がモータープレート3に当接しており、図示省略した固定部材によって、モーター11がモータープレート3に固定されている。モーター11のモータープレート3に固定されている端面の反対側の端面には、エンコーダー15が固定されている。
【0019】
モータープレート3におけるモーター11が固定されている反対面には、ブレーキ21が配設されている。ブレーキ21は、ブレーキ21を構成する部材が、モータープレート3、又は軸孔3aを貫通して突出した出力軸12に固定されることによって、モータープレート3に固定されている。ブレーキ21の構成の詳細は、後述する。
【0020】
プーリー31は、プーリーハブ33と、プーリー体34と、を備えている。プーリーハブ33は、外径が異なる2枚の円板が中心軸を合わせて一体にされ、中心位置に取付孔が形成された形状を有している。プーリーハブ33は、取付孔が出力軸12に勘合して、図示省略した固定部材によって、出力軸12に固定されている。プーリー体34は、プーリーディスク34aと、プーリー輪34bとを有している。プーリーディスク34aは、中央に勘合孔が形成された円板形状を有している。プーリー輪34bは、円筒形状を有している。プーリー輪34bの円筒形状の一端がプーリーディスク34aに外嵌して、プーリーディスク34aとプーリー輪34bとが一体にされて、プーリー体34が形成されている。一体にされたプーリーディスク34aとプーリー輪34bとで略円柱形状の空間を形成している。プーリーディスク34aの勘合孔がプーリーハブ33に外嵌した状態で、図示省略した固定部材によって、プーリー体34がプーリーハブ33に固定されて、プーリー31が形成されている。
【0021】
プーリー31は、略円柱形状の空間の開口をモータープレート3に向けた状態で、出力軸12に固定されている。プーリー31の略円柱形状の空間には、ブレーキ21が配設されている。
モーター11が、駆動源に相当する。プーリー31が、出力部材に相当する。ブレーキ21が、制動手段に相当する。
【0022】
<ブレーキ>
次に、モーターユニット1を構成するブレーキ21について、図2を参照して説明する。図2は、ブレーキの構成を示す模式断面図である。図2(a)は、制動をしている(ブレーキを掛けている)状態のブレーキを示す模式断面図であり、図2(b)は、制動をしていない(ブレーキを掛けていない)状態のブレーキを示す模式断面図である。
【0023】
図2に示すように、ブレーキ21は、ブレーキ板22と、可動板26と、固定枠27と、電磁石28と、ブレーキばね29と、を備えている。
固定枠27は、円筒の一端が円板で塞がれて、一方が開口した円柱形状の円柱空間27bが形成された形状を有している。固定枠27における円板部分の、円柱空間27bに臨む面を、固定面27aと表記する。円板の中央には穴が形成されており、固定枠27は、当該穴を出力軸12が貫通し、円筒空間の開口がモータープレート3で塞がれる状態で、モータープレート3に固定されている。固定枠27がモータープレート3に固定された状態で、固定面27aの面方向は、出力軸12の軸方向に略直交する方向である。
固定面27aが、固定枠面に相当する。
【0024】
ブレーキ板22は、ブレーキハブ23と摩擦板24とを有している。ブレーキハブ23は、外径が異なる2枚の円板が中心軸を合わせて一体にされ、中心位置に係合孔が形成された形状を有している。摩擦板24は、中央に勘合孔が形成された円板形状を有している。摩擦板24は、勘合孔がブレーキハブ23の外径に外嵌して、ブレーキハブ23と一体にされている。
ブレーキハブ23は、係合孔を出力軸12が貫通して、出力軸12に係止されている。係合孔と出力軸12とには、図示省略したキー溝が形成されている。両方のキー溝に係合したキーによって、ブレーキハブ23は、出力軸12に対して、出力軸12の軸方向に摺動可能であり、出力軸12の周方向への回動を略禁止されて、出力軸12に係止されている。ブレーキハブ23に固定されている摩擦板24は、板面の面方向が出力軸12の軸方向に略直交する方向である。ブレーキ板22は、モータープレート3に固定された固定枠27の円柱空間27bに位置しており、摩擦板24の一面は、固定枠27の固定面27aに対向している。
ブレーキ板22又は摩擦板24が、制動板に相当する。固定面27aに対向している摩擦板24の一面が、第一面に相当する。
【0025】
電磁石28は、円筒形状を有している。電磁石28は、円柱空間27bに位置しており、中央の穴を出力軸12が貫通しており、円筒形状の一端がモータープレート3に当接して、モータープレート3に固定されている。電磁石28におけるモータープレート3に当接した反対側の端が、電磁石28の吸着面である。電磁石28が、可動板移動手段に相当する。
【0026】
可動板26は、中央に穴が形成された円板形状を有している。可動板26は、電磁石28と摩擦板24の間に位置しており、円板の両面が、それぞれ電磁石28の吸着面又は摩擦板24に対向している。円柱空間27bの側壁の近くには、複数の案内軸25が固定枠27における円板部分の周辺近くから電磁石28の枠体に差し渡されている。可動板26は、周辺近くに形成された孔が、それぞれ案内軸25に係合して、出力軸12の軸方向に摺動自在に、支持されている。摩擦板24において可動板26に対向する面が、第二面に相当する。
可動板26は、磁性材料で構成されており、電磁石28によって吸着可能である。磁性材料は、例えば、鉄や、鉄系の合金や、磁性を有するステンレス鋼などである。
【0027】
ブレーキばね29は、複数のブレーキばね29が、電磁石28の吸着面の周囲に配設されている。ブレーキばね29は、一端が電磁石28の吸着面の周囲の枠体に形成された凹部に勘合して固定されている。ブレーキばね29のもう一端は、可動板26に当接しており、可動板26を、摩擦板24の方に付勢している。ブレーキばね29が、付勢手段に相当する。
【0028】
図2(a)は、ブレーキ21が制動を実施している(ブレーキを掛けている)状態を示している。図2(a)に示すように、ブレーキばね29が、可動板26を摩擦板24の方に付勢している。可動板26、及び摩擦板24を有するブレーキ板22は、出力軸12の軸方向に摺動可能である。可動板26が摩擦板24の方に付勢されることにより、可動板26が移動して摩擦板24に当接し、摩擦板24(ブレーキ板22)が、固定枠27における円板部分の方に付勢され、移動する。移動したブレーキ板22の摩擦板24が、固定枠27における円板部分の固定面27aに当接して、ブレーキばね29の付勢力に応じた力で押し付けられる。
固定枠27とモーター11との相対位置は、モータープレート3を介して固定されている。摩擦板24が固定されているブレーキハブ23は、出力軸12に対して、出力軸12の周方向への回動を略禁止されて、出力軸12に係止されている。摩擦板24が、固定枠27の固定面27aに、ブレーキばね29の付勢力に応じた力で押し付けられることで、出力軸12の回動が制動される。
【0029】
図2(b)は、ブレーキ21が制動を実施していない(ブレーキを掛けていない)状態を示している。図2(b)に示すように、電磁石28が、ブレーキばね29の付勢力に抗して、可動板26を吸着している。摩擦板24が固定面27aに、ブレーキばね29の付勢力によって押し付けられる状態が解除されているため、出力軸12の回動が制動される状態が解除されている。
【0030】
<ロボット>
次に、ロボットシステム50を構成するロボット51の構成について、図3、及び図4を参照して説明する。図3は、ロボットシステムの全体構成を示す説明図である。図4は、アーム部分におけるモーターユニットの配置例を示す説明図である。
【0031】
図3に示すように、ロボットシステム50は、ロボット51と制御装置52とを備えている。制御装置52は、予め入力されたプログラムに従ってロボット51を制御して、プログラムで規定された所定の作業を実施させる。
【0032】
ロボット51は、いわゆる垂直多関節ロボットである。ロボット51は、基台53と、回動基部54と、第一アーム55と、アーム揺動基部56と、第二アーム57と、先端揺動基部58と、先端アーム59と、を備えている。
【0033】
ロボット51は、基台53に他の部材が組み上げられて構成されている。基台53を床などに固定することで、ロボット51が当該床などの上に設置される。
回動基部54は、基台53に、設置面に略垂直な基部回動軸54aを中心に回動自在に、支持されている。
第一アーム55は、一方の端が、回動基部54に支持されている。第一アーム55は、回動基部54に、軸方向が基部回動軸54aの軸方向と略直角な第一揺動軸55aを中心に、揺動可能に支持されている。
【0034】
第一アーム55における第一揺動軸55aを中心に揺動させられる先端側には、アーム揺動基部56が支持されている。アーム揺動基部56は、第一アーム55に、第一揺動軸55aと略平行な第二揺動軸56aを中心に回動可能に支持されている。アーム揺動基部56には、第二アーム57の一端が支持されている。アーム揺動基部56が第二揺動軸56aを中心に回動することで、第二アーム57が第二揺動軸56aを中心に揺動する。
第二アーム57は、アーム揺動基部56に、軸方向が第二揺動軸56aの軸方向と略直角な第二回動軸57aを中心に、回動可能に支持されている。第二アーム57の延在方向は、略第二回動軸57aの軸方向である。
【0035】
第二アーム57における第二揺動軸56aを中心に揺動させられる先端側には、先端揺動基部58が支持されている。先端揺動基部58は、第二アーム57に、軸方向が第二回動軸57aの軸方向と略直角な先端揺動軸58aを中心に、回動可能に支持されている。先端揺動基部58には、先端アーム59の一端が支持されている。先端揺動基部58が先端揺動軸58aを中心に回動することで、先端アーム59が先端揺動軸58aを中心に揺動する。
先端アーム59は、先端揺動基部58に、軸方向が先端揺動軸58aの軸方向と略直角な先端回動軸59aを中心に回動可能に支持されている。先端アーム59の延在方向は、略先端回動軸59aの軸方向である。
先端アーム59の先端には、図示省略した取付機構が配設されており、当該取付機構を介して、エンドエフェクタが、ロボット51に取り付けられる。
【0036】
基台53には、基部回動軸54aを中心に回動基部54を回動させるためのモーターユニット(図示省略)が配設されている。
第一アーム55には、第一揺動軸55aを中心に第一アーム55を揺動させるためのモーターユニット(図示省略)と、第二揺動軸56aを中心にアーム揺動基部56を回動させて、第二揺動軸56aを中心に第二アーム57を揺動させるためのモーターユニット(図示省略)と、第二回動軸57aを中心に第二アーム57を回動させるためのモーターユニット(図示省略)と、が配設されている。
それぞれのモーターユニットは、モーターユニット1と、基本的に同様の構成を有している。
回動基部54と、第一アーム55と、アーム揺動基部56と、第二アーム57とが、被駆動体に相当する。
【0037】
図4に示すように、第二アーム57を構成するアーム枠571には、モーターユニット60と、モーターユニット70と、が配設されている。モーターユニット60は、先端揺動軸58aを中心に先端揺動基部58を回動させて、先端揺動軸58aを中心に先端アーム59を揺動させるための揺動ユニット60Aを構成する。モーターユニット70は、先端回動軸59aを中心に先端アーム59を回動させるための回動ユニット70Aを構成する。モーターユニット60及びモーターユニット70は、モーターユニット1と、基本的に同様の構成を有している。
【0038】
揺動ユニット60Aは、モーターユニット60と、揺動体プーリー62と、揺動ベルト65、と揺動基部軸64と、を備えている。モーターユニット60は、揺動モーター61と、揺動プーリー63と、図示省略したブレーキ21と、を備えている。
モーターユニット60は、モーターユニット60が備える出力軸12の軸方向が先端揺動軸58aの軸方向と略平行になる方向で、アーム枠571に固定されている。揺動体プーリー62は、揺動基部軸64を介して、先端揺動基部58に、先端揺動軸58aを中心に回動する位置に固定されている。揺動体プーリー62とモーターユニット60の揺動プーリー63とは、先端揺動軸58aの軸方向において、略同一の位置に位置している。揺動体プーリー62と揺動プーリー63とには、揺動ベルト65が掛け渡されている。
【0039】
揺動モーター61が稼動すると、揺動プーリー63が回動させられる。揺動プーリー63の回動が揺動ベルト65を介して揺動体プーリー62に伝えられ、揺動プーリー63の回動に同期して揺動体プーリー62が回動させられる。揺動体プーリー62が回動させられることで、揺動体プーリー62が固定された先端揺動基部58が、先端揺動軸58aを中心に回動する。先端揺動基部58に支持されている先端アーム59が、先端揺動軸58aを中心に揺動させられる。
【0040】
回動ユニット70Aは、モーターユニット70と、回動体プーリー72と、回動ベルト75と、回動伝達軸74と、回動伝達歯車76aと、回動伝達歯車76bと、先端アーム軸79と、を備えている。モーターユニット70は、回動モーター71と、回動プーリー73と、を備えている。
モーターユニット70は、モーターユニット70が備える出力軸12の軸方向が先端揺動軸58aの軸方向と略平行になる方向で、アーム枠571に固定されている。モーターユニット70は、モーターユニット60と並べて配設されている。モーターユニット70とモーターユニット60とは、モーターユニット70における回動プーリー73と、モーターユニット60の揺動プーリー63とが、先端揺動軸58aの軸方向において、反対側に位置する方向で配設されている。
【0041】
回動伝達軸74は、先端揺動基部58において、揺動体プーリー62が固定された側と先端揺動軸58aの軸方向における反対側に配設されている。回動伝達軸74は、先端揺動基部58の内部からアーム枠571の先端にかけて、延在している。回動伝達軸74は回動中心が先端揺動軸58aと略一致しており、アーム枠571に対して先端揺動基部58を支持する軸とは独立して、回動可能に支持されている。
回動体プーリー72は、回動伝達軸74のアーム枠571側の先端に、先端揺動軸58aを中心に回動する位置に固定されている。回動体プーリー72とモーターユニット70の回動プーリー73とは、先端揺動軸58aの軸方向において、略同一の位置に位置している。回動体プーリー72と回動プーリー73とには、回動ベルト75が掛け渡されている。
回動伝達歯車76aは、回動伝達軸74における先端揺動基部58の内部側の先端に、固定されている。回動伝達歯車76bは、先端アーム軸79の先端に固定されており、回動伝達歯車76aと噛合っている。先端アーム軸79は、回動伝達歯車76bが固定された反対側の一端が先端アーム59に固定されており、回動中心が先端回動軸59aと略一致している。回動伝達歯車76a及び回動伝達歯車76bは、笠歯車であり、先端アーム軸79の軸と回動伝達軸74の軸とは、略直交している。
【0042】
回動モーター71が稼動すると、回動プーリー73が回動させられる。回動プーリー73の回動が回動ベルト75を介して回動体プーリー72に伝えられ、回動プーリー73の回動に同期して回動体プーリー72が回動させられる。回動体プーリー72が回動させられることで、回動体プーリー72が固定された回動伝達軸74が、先端揺動軸58aを中心に回動する。回動伝達軸74が回動することで、回動伝達歯車76a及び回動伝達歯車76bを介して、先端アーム軸79が回動し、先端アーム軸79が固定されている先端アーム59が、先端回動軸59aを中心に回動させられる。
先端揺動基部58と、先端アーム59とが、被駆動体に相当する。
【0043】
回動基部54を回動させるためのモーターユニットを備える回動ユニット、及び第二アーム57を回動させるためのモーターユニットを備える回動ユニットは、回動ユニット70Aと同様の構成を備えている。第一アーム55を揺動させるためのモーターユニットを備える揺動ユニット、及びアーム揺動基部56を回動させて第二アーム57を揺動させるためのモーターユニットを備える揺動ユニットは、揺動ユニット60Aと同様の構成を備えている。
【0044】
<他のモーターユニット例の1>
次に、上述したモーターユニット1とは異なるモーターユニット101の構成例について、図5を参照して説明する。図5は、モーターユニットの構成を示す説明図である。
図5に示すように、モーターユニット101は、モーター111と、エンコーダー15と、ブレーキ121と、プーリー102と、モータープレート108とを備えている。モーター111とブレーキ121とがモータープレート108に固定されており、モーターユニット101は、モータープレート108をロボット51などに固定することによって、ロボット51などに取り付けられる。モーターユニット101が、駆動源ユニットに相当する。
【0045】
モーター111は、モーター11と同様の構成を有し、出力軸112を備えている。出力軸112は、モーター111の略円柱形状の一端から突出している。モータープレート108には、軸孔108aが形成されている。出力軸112が軸孔108aを貫通する状態で、モーター111の端面がモータープレート108に当接しており、図示省略した固定部材によって、モーター111がモータープレート108に固定されている。モーター111のモータープレート108に固定されている端面の反対側の端面には、エンコーダー15が固定されている。
【0046】
モータープレート108におけるモーター111が固定されている反対面には、ブレーキ121と、プーリー102と、ブレーキプレート109と、が配設されている。
ブレーキプレート109は、取付部99aと、側壁部99bと、プレート部99cとを有している。ブレーキプレート109は、取付部99aがモータープレート108に当接して、モータープレート108に固定されている。側壁部99bは、取付部99aから略垂直に立ち上がっている。プレート部99cは、側壁部99bから、モータープレート108と略平行に張り出している。プレート部99cと、側壁部99bと、モータープレート108とで囲まれた空間が形成されており、当該空間に、ブレーキ121及びプーリー102が配設されている。当該空間を構成する側壁部99bには、出力ベルト105を配設するための開口が形成されている。
【0047】
ブレーキ121は、ブレーキ21と同様の構成を有している。ブレーキ121は、モータープレート3に配設されたブレーキ21と同様に、ブレーキプレート109のプレート部99cにおけるモータープレート108に臨む面に配設されている。
【0048】
プーリー102は、ブレーキ121とモータープレート108との間で、出力軸112に固定されている。プーリー102は、プーリーハブ103と、プーリー体104と、を備えている。プーリーハブ103は、プーリーハブ33と同様の構成を有している。プーリーハブ103は、モータープレート108の直近で、出力軸112に固定されている。プーリー体104は、プーリー体34のプーリーディスク34a及びプーリー輪34bと同様の、プーリーディスク104a及びプーリー輪104bを有している。プーリー102は、プーリーディスク104a及びプーリー輪104bによって形成された略円柱形状の空間の開口を、プレート部99cに向けた状態で、出力軸112に固定されている。プーリー102の略円柱形状の空間には、ブレーキ121が位置している。
モーター111が、駆動源に相当する。プーリー102が、出力部材に相当する。ブレーキ121が、制動手段に相当する。
【0049】
<他のモーターユニット例の2>
次に、上述したモーターユニット1及びモーターユニット101とは異なるモーターユニット201の構成例について、図6を参照して説明する。図6は、モーターユニットの構成を示す説明図である。
図6に示すように、モーターユニット201は、モーター211と、ブレーキ221と、プーリー202と、モータープレート208とを備えている。モーター211とブレーキ221とがモータープレート208に固定されており、モーターユニット201は、モータープレート208をロボット51などに固定することによって、ロボット51などに取り付けられる。モーターユニット201が、駆動源ユニットに相当する。
【0050】
モーター211は、モーター11やモーター111と同様の構成を有し、出力軸212を備えている。出力軸212は、モーター211の略円柱形状の一端から突出している。モータープレート208には、軸孔208aが形成されている。出力軸212が軸孔208aを貫通する状態で、モーター211の端面がモータープレート208に当接しており、図示省略した固定部材によって、モーター211がモータープレート208に固定されている。モーター211のモータープレート208に固定されている端面の反対側の端面には、エンコーダー15(図示省略)が固定されている。
【0051】
モータープレート208におけるモーター211が固定されている反対面には、ブレーキ221が配設されている。
ブレーキ221は、プーリー202と、可動板26と、ブレーキ枠227と、電磁石28と、ブレーキばね29と、を備えている。可動板26と、電磁石28と、ブレーキばね29とは、モーターユニット1のブレーキ21が備える可動板26と電磁石28とブレーキばね29と、同様である。
【0052】
ブレーキ枠227は、取付部227aと、側壁部227bと、プレート部227cとを有している。
ブレーキ枠227は、取付部227aがモータープレート208に当接して、モータープレート208に固定されている。側壁部227bは、取付部227aから略垂直に立ち上がっている。プレート部227cは、側壁部227bから、モータープレート208と略平行に張り出している。プレート部227cと、側壁部227bと、モータープレート208とで囲まれた空間が形成されており、当該空間に、プーリー202などのブレーキ221を構成する構成要素が配設されている。当該空間を形成する側壁部227bには、出力ベルト105を配設するための開口が形成されている。プレート部227cには、出力軸212に勘合したプーリーハブ203が当たらないようにするための逃がし穴が形成されている。
プレート部227cにおけるモータープレート208に臨む側の面を、固定面227dと表記する。ブレーキ枠227がモータープレート208に固定された状態で、固定面227dの面方向は、出力軸212の軸方向に略直交する方向である。プレート部227cが、固定枠に相当する。固定面227dが、固定枠面に相当する。
【0053】
プーリー202は、プーリーハブ203と、プーリー体204と、を備えている。プーリーハブ203はブレーキハブ23と同様の構成であり、取付孔が出力軸212に係合している。
プーリー体204は、プーリーディスク206と、プーリー輪205とを有している。プーリーディスク206は、中央に勘合孔が形成された円板形状を有している。プーリー輪205は、円筒形状を有している。プーリー輪205の円筒形状の一端がプーリーディスク206に外嵌して、プーリーディスク206とプーリー輪205とが一体にされて、プーリー体204が形成されている。一体にされたプーリーディスク206とプーリー輪205とで略円柱形状の空間を形成している。プーリーディスク206の勘合孔がプーリーハブ203に外嵌した状態で、図示省略した固定部材によって、プーリー体204が、プーリーハブ203に固定されて、プーリー202が形成されている。
【0054】
プーリーハブ203は、係合孔を出力軸212が貫通して、出力軸212に係止されている。プーリーハブ203の係合孔と出力軸212とには、図示省略したキー溝が形成されている。両方のキー溝に係合したキーによって、プーリーハブ203は、出力軸212に対して、出力軸212の軸方向に摺動可能であり、出力軸212の周方向への回動を略禁止されて、出力軸212に係止されている。プーリーハブ203に固定されているプーリー体204のプーリーディスク206は、板面の面方向が出力軸212の軸方向に略直交する方向である。
【0055】
プーリー202は、略円柱形状の空間の開口をモータープレート208に向けた状態で、出力軸212に支持されている。プーリー202のプーリーディスク206は、プレート部227cの直近に位置しており、固定面227dに対向している。プーリー202の略円柱形状の空間には、可動板26と、電磁石28と、ブレーキばね29と、が配設されている。
プーリーハブ203とプーリーディスク206、又はプーリーディスク206が、軸接続部及び制動板に相当する。固定面227dに対向しているプーリーディスク206の一面が、第一面に相当する。プーリー輪205が、出力伝達部に相当する。
【0056】
可動板26、電磁石28、及びブレーキばね29は、モーターユニット1のブレーキ21が備える可動板26、電磁石28、又はブレーキばね29と、同様の構成であり、モーターユニット1における配設位置と略同様に配設されている。
複数の案内軸225が電磁石28の枠体に立設されている。可動板26は、周辺近くに形成された孔が、それぞれ案内軸225に係合して、出力軸212の軸方向に摺動自在に、支持されている。
【0057】
図6は、ブレーキ221が制動を実施している(ブレーキを掛けている)状態を示している。図6ように、ブレーキばね29が、可動板26をプーリーディスク206の方に付勢している。可動板26、及びプーリーディスク206を有するプーリー202は、出力軸212の軸方向に摺動可能である。可動板26がプーリーディスク206の方に付勢されることにより、可動板26が移動してプーリーディスク206に当接し、プーリーディスク206(プーリー202)が、ブレーキ枠227におけるプレート部227cの方に付勢され、移動する。移動したプーリー202のプーリーディスク206の部分が、ブレーキ枠227におけるプレート部227cの固定面227dに当接して、ブレーキばね29の付勢力に応じた力で押し付けられる。
【0058】
ブレーキ枠227とモーター211との相対位置は、モータープレート208を介して固定されている。プーリーディスク206が固定されているプーリーハブ203は、出力軸212に対して、出力軸212の周方向への回動を略禁止されて、出力軸212に係止されている。プーリーディスク206が、ブレーキ枠227の固定面227dに、ブレーキばね29の付勢力に応じた力で押し付けられることで、出力軸212の回動が制動される。
モーター211が、駆動源に相当する。プーリー202が、出力部材に相当する。ブレーキ221が、制動手段に相当する。
【0059】
以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)モーターユニット1では、ブレーキ21が、プーリー31の略円柱形状の空間に配設されている。モーターユニット101では、プーリー102の略円柱形状の空間に、ブレーキ121が配設されている。したがって、ブレーキ21とプーリー31とが、又はブレーキ121とプーリー102とが、出力軸12、又は出力軸112の軸方向において一部が同じ位置に位置している。これにより、ブレーキとプーリーとが出力軸の軸方向において並べられている構成にくらべて、モーターユニット1、及びモーターユニット101を、出力軸12、又は出力軸112の軸方向において、短くすることができる。
【0060】
(2)モーターユニット201のプーリー202は、プーリーハブ203と、プーリー体204と、を備えている。プーリーハブ203はブレーキハブ23と同様の構成であり、出力軸212に対して、出力軸212の軸方向に摺動可能であり、出力軸212の周方向への回動を略禁止されて、出力軸212に係止されている。プーリー体204は、プーリーディスク206と、プーリー輪205とを有しており、プーリーディスク206は、ブレーキ21におけるブレーキ板22の摩擦板24と同様の位置に配設されている。この構成により、プーリー202は、ブレーキ21におけるブレーキ板22及びプーリー31の機能を有している。ブレーキ板22とプーリー31とをそれぞれ備えるモーターユニット1にくらべて、モーターユニット201を、出力軸212の軸方向において、短くすることができる。
【0061】
(3)ロボット51は、軸方向の長さを短くできるモーターユニット1を備えている。これにより、モーターユニット1を内蔵する第二アーム57などが大きくなることを抑制することができる。モーターの出力軸とは別にブレーキ軸を備える構成のモーターユニットを使用する場合にくらべて、モーターユニットを配置するために必要な体積を小さくすることができる。
【0062】
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0063】
(変形例1)前記実施形態においては、ブレーキ21などは、いわゆる電磁ブレーキであったが、制動手段が電磁ブレーキであることは必須ではない。また、摩擦力を利用する摩擦ブレーキであることも必須ではない。例えば、回動側と固定側との間に介在させた磁性粉体を磁化させて鎖状につながらせることによって、回動側と固定側とを連結させる制動装置であってもよい。例えば、回動側と固定側とに設けた歯車などの係止部材を互いに係合させることによって、回動側と固定側とを連結させる制動装置であってもよい。
【0064】
(変形例2)前記実施形態においては、モーターユニット1などは、モーター11と、エンコーダー15とを備えていたが、駆動源がエンコーダーを備えることは必須ではない。ロボットのアームなどにエンコーダーを配設し、アームなどの回動角度を検出して、アームなどの回動角度に基づいて制御を実施してもよい。また、ステッピングモーターなどのように、回動角度を精密に規定できる駆動源を用いる構成であってもよい。
【0065】
(変形例3)前記実施形態においては、出力軸12などは、モーター11のローターの回動が直接伝えられる構成であったが、出力軸は駆動源に直結する出力軸に限らない。出力軸は、減速機などを介してローターなどに接続されたものであってもよい。この場合、減速機などを含むモーターが、駆動源に相当する。
【0066】
(変形例4)前記実施形態においては、揺動ベルト65や回動ベルト75はいわゆる平ベルトとであったが、出力部材からの力を伝える手段は平ベルトに限らない。力を伝える手段は、歯付きベルトやVベルトのようなベルトであってもよいし、歯車機構などであってもよい。
【0067】
(変形例5)前記実施形態においては、ブレーキ21などは、ブレーキばね29が当接して付勢する可動板26を備えていた。可動板26を備えることで、ブレーキばね29に加わる、出力軸12などの軸まわり方向の力を小さくすることができる。しかし、制動手段が可動板26のような部材を備えることは必須ではない。付勢手段が可動板を介することなく制動板を付勢する構成であってもよい。この場合、付勢手段と制動板との接触面の摩擦係数を小さくすることで、付勢手段に加わる、出力軸の軸まわり方向の力を小さくすることができる。または、出力軸の軸まわり方向の移動を規制された部材を介して、付勢手段を制動板に当接させることで、付勢手段に加わる、出力軸の軸まわり方向の力を小さくすることができる。
【0068】
(変形例6)前記実施形態においては、ロボット51はいわゆる垂直多関節ロボットであった。しかし、実施形態において説明したようなモーターユニット1などの駆動源ユニットを用いて、駆動源ユニットが占める体積を小さくすることで、小型化することができるロボットは、垂直多関節ロボットに限らない。ロボットは、水平多関節ロボットや、直交ロボットなど、他の形状のロボットであってもよい。
【0069】
(変形例7)前記実施形態においては、モーターユニット1などの駆動源ユニットを用いる対象の装置として、ロボット51を例に説明したが、モーターユニット1などのような駆動源ユニットを用いる対象の装置は、ロボットに限らない。駆動源ユニットによって駆動される被駆動体を備え、当該被駆動体の動作を制動する必要があるような装置は、上記実施形態において説明したモーターユニット1などのような駆動源ユニットを用いることで、駆動源ユニットが占める体積を小さくして、装置を小型化することができる。
【符号の説明】
【0070】
1…モーターユニット、11…モーター、12…出力軸、21…ブレーキ、22…ブレーキ板、23…ブレーキハブ、24…摩擦板、26…可動板、27…固定枠、27a…固定面、28…電磁石、31…プーリー、51…ロボット、53…基台、54…回動基部、54a…基部回動軸、55…第一アーム、55a…第一揺動軸、56…アーム揺動基部、56a…第二揺動軸、57…第二アーム、57a…第二回動軸、58…先端揺動基部、58a…先端揺動軸、59…先端アーム、59a…先端回動軸、60…モーターユニット、61…揺動モーター、63…揺動プーリー、70…モーターユニット、71…回動モーター、73…回動プーリー、99a…取付部、99b…側壁部、99c…プレート部、101…モーターユニット、102…プーリー、111…モーター、112…出力軸、121…ブレーキ、201…モーターユニット、202…プーリー、203…プーリーハブ、204…プーリー体、205…プーリー輪、206…プーリーディスク、211…モーター、212…出力軸、221…ブレーキ、227…ブレーキ枠、227d…固定面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸まわりに回動する出力軸を備える駆動源と、
前記出力軸に係合しており、前記出力軸と略一体に、前記中心軸まわりに回動する出力部材と、
前記出力軸の軸方向において前記駆動源と並べて配設されており、前記出力軸の回動を制動することが可能な制動手段と、を備え、
前記出力部材と前記制動手段とは、前記出力軸の軸方向において、少なくとも一部分が、同じ位置に配設されていることを特徴とする駆動源ユニット。
【請求項2】
前記制動手段は、
略円板形状を有し、前記出力軸に対して、前記出力軸の回動方向における相対移動が略禁止され、前記出力軸の軸方向における相対移動が許容されて、前記出力軸に係止された制動板と、
前記制動板の第一面に前記出力軸の軸方向において対向する固定枠面を備え、前記駆動源に対して位置が固定された固定枠と、
前記制動板の前記第一面の反対側の第二面に、前記出力軸の軸方向において対向する可動板面を備え、前記可動板面が前記第二面に対して離接する方向に移動可能な可動板と、
前記可動板を、前記可動板面が前記第二面に近接する方向に付勢する付勢手段と、
前記可動板を、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記第二面から離間させる方向に移動させることが可能な可動板移動手段と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の駆動源ユニット。
【請求項3】
前記出力部材は、前記出力軸に対する前記出力軸の回動方向における相対移動が略禁止されて前記出力軸に係合している軸接続部と、
前記軸接続部と一体に形成されており、前記駆動源の出力を伝達する出力伝達部と、を備え、
前記出力伝達部の少なくとも一部分が、前記出力軸の軸方向において、前記制動手段の少なくとも一部分と同じ位置に配設されており、
前記軸接続部が、前記制動板であることを特徴とする、請求項2に記載の駆動源ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駆動源ユニットと、
前記駆動源ユニットによって駆動される被駆動体と、を備えることを特徴とするロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−24883(P2012−24883A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165596(P2010−165596)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】