説明

骨伝導マイクロホン

【課題】 環境に良い接合材料を用いつつ、片持ち支持型の圧電素子の保持接続工程を簡略化した骨伝導マイクロホンを提供すること。
【解決手段】 角形筒状部を有する良導体の保持枠金具3の矩形穴に圧電素子1a,1bと金属製の導通スペーサ2、絶縁スペーサ4を重ねて挿入した上で、絶縁スペーサ4と圧電素子1a,1bの電極面間に楔状の電極端子5を圧入することにより、各電極間の圧接接続を確保すると共に、保持枠金具3の矩形穴で圧電素子1a,1bを片持ち支持する構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子を用いて骨伝導振動を検出し電気信号に変換する骨伝導マイクロホンに関し、特に、バイモルフまたはユニモルフ型圧電素子を用いて、人体頭部を伝わる骨伝導振動を検出し、電気信号に変換して通信の用に供するのに適した骨伝導マイクロホンに関する。
【背景技術】
【0002】
バイモルフあるいはユニモルフの圧電素子を使用する骨伝導マイクロホンの圧電素子を片持ち支持する保持手段としては、単に絶縁素材で圧電素子の端部を保持し、両電極を専用線で接続するのが一般的であった中で、特許文献1や特許文献2に開示されたように、導電性接着剤を使用し、金属スペーサを介在させて基板上に片持ち支持する方法や、導電性接着剤で半田を置き換えたものがある。この場合、片側電極の導通手段をかねて配線の簡素化を行なうことが可能になっている。また、半田を使用した接続による支持方法は、圧電素子を劣化させずに作業が出来る低融点半田が、鉛の環境問題で使用出来なくなり、代わりに導電性接着剤での接続保持が提案された経緯がある。
【0003】
導電性接着剤を使用する保持方法では、感度確保と音声周波数帯域に共振点を持たぬようにするために、剛性の高い接続保持が必要である。この点で、現状150℃前後で硬化する導電性接着剤の使用が必須の状況である。この接着剤を使用する組立作業は、接着剤が硬化するまで圧電素子を必要な位置に固定しておく必要があり、接着組立の工程を数工程に分割した上で、各工程において冶具で固定して、高温炉に一定時間置くことが必要である。このため、多量生産時は冶具の数量も必要であるし、工程は平行しては進められないのでトータルの作業工程時間も長い欠点がある。また、支持剛性を導電性接着剤のみに依存するため、剛性と強度が不足しがちであり、共振周波数の低下を招きやすい。更に形状の自由度の大きな液体を使用するために、接着支持面積の作業ばらつきが出やすく、感度、特性のばらつきも出やすい。
【0004】
【特許文献1】特開平8−330887号公報
【特許文献2】特開2005−55305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の状況にあっては、(1)圧電素子を導電性接着剤が硬化するまで冶具で固定することを不要とすること、(2)接着の工程数を減らすこと、(3)作業ばらつきが出にくい形態にすること、(4)形状の自由度があり便利ではあるが作業ばらつきの要因になる導電材を使用した配線形態を減らすことが重要である。
【0006】
そこで、本発明の課題は、導電接着剤を用いながら、それを保持と電極接続の主要手段にせず、冶具に設置して高温槽に入れる必要もなく作業効率がよく、かつ、所要の保持剛性を確保し、電気接続の信頼性も確保出来る、ユニモルフ型あるいはバイモルフ型圧電素子の片持ち支持と電極接続を得られる骨伝導マイクロホンの構造を提供することにある。簡約すると、環境に良い接合材料を用いつつ、片持ち支持型の圧電素子の保持接続工程を簡略化した骨伝導マイクロホンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、圧電素子の片持ち支持を単にスペーサと半田付けあるいは導電性接着剤による積み重ね支持形態にするのではなく、金属枠の矩形穴内に、圧電素子の端部と、必要な電気的接続と絶縁を確保するスペーサを挿入し、相互の隙間に楔を打ち込む形態にして圧電素子の片持ち支持を行うことで、上記課題を一括して解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は前述した通り、従来例であるバイモルフ型圧電素子の片持ち支持と、その電極の接続に有鉛半田を使用することも、また、導電性接着剤を使用して、高温槽に、冶具に固定して入れることも無く組み立て、所要の保持剛性と電極接続の信頼性を確保出来る骨伝導マイクロホンを提供することが出来る。従って、環境に良い素材を使用し、生産コストを下げることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態では、バイモルフ型またはユニモルフ型で2つの主面の一方に第1電極面が形成され他方に第2電極面が形成され外部電極となった矩形板状の圧電素子部が、矩形穴の角形筒状部を有する保持枠金具で片持ち支持されてなる振動検出手段を備える骨伝導マイクロホンを作製する。そのとき、(1)保持枠金具の矩形穴に電気絶縁材からなるコの字形の絶縁スペーサを挿入し、(2)その圧電素子部の第1電極面および側面の一端を絶縁スペーサのコの字形の内周面で囲うように保持枠金具の矩形穴に挿入し、(3)圧電素子部の第2電極面の一端が保持枠金具の矩形穴の一面に圧接し導通するように、くさび部を持つ圧入スペーサを絶縁スペーサと圧電素子部の第1電極面の一端との間、または絶縁スペーサの外側の面と保持枠金具の矩形穴の面との間に圧入する。
【0010】
また、矩形板状の圧電素子の複数個を一端で金属の導通スペーサを挟むように積み重ね直列に電気接続してなる圧電素子部を形成しつつ、圧電素子部の外面に露出した前記第1電極面および側面の一端を絶縁スペーサのコの字形の内周面で囲うように保持枠金具の矩形穴に挿入し、圧電素子部の他の外面に露出した第2電極面が保持枠金具の矩形穴の一面に圧接し導通するように、くさび部を持つ圧入スペーサを絶縁スペーサと圧電素子部の第1電極面間との間、または前記絶縁スペーサの外側の面と前記矩形穴の面との間に圧入する。
【0011】
また、コの字形の絶縁スペーサの内側で前記圧電素子を主面に平行な面内で並置し、圧電素子の第1電極面の一端を絶縁スペーサのコの字形の内周面に接するように保持枠金具の矩形穴に挿入し、圧電素子の第2電極面の一端が保持枠金具の矩形穴の一面に圧接し導通するように、くさび部を持つ圧入スペーサを絶縁スペーサと圧電素子部の第1電極面間との間、または絶縁スペーサの外側の面と保持枠金具の矩形穴の面との間に圧入する。
【0012】
また、圧入スペーサを金属製とし、圧電素子部の第1電極面と絶縁スペーサとの間に圧入することにより、圧電素子部の第1電極面と導通する電極とする。
【0013】
また、圧電素子部の第2電極面と導通している保持枠金具をクランド側電極とし、増幅回路を構成した回路基板のグランドパターンに接続すると共に固定保持し前記回路基板上に圧電素子部を片持ち支持する。
【0014】
また、圧電素子部の第2電極面と導通している保持枠金具をクランド側電極とし、インピーダンス変換回路を構成した回路基板のグランドパターンと接続すると共に、その回路基板上に保持枠金具を固定保持することにより、圧電素子部を回路基板上に片持ち支持し、かつ、圧電素子部の第1電極面と導通した電極を回路基板の信号側パターンと直接接続する。
【0015】
また、圧電素子部を搭載した回路基板の圧電素子搭載の部品面とは反対側の裏面の大半をグランドパターンとなし、回路基板に搭載の圧電素子部とインピーダンス変換部とを覆うケースを、導通体または内側面に導通皮膜を持つ素材で形成し、回路基板のグランドパターンと導通させ電気的シールド効果を持たせる。
【0016】
また、前記ケースを骨伝導の音声振動を拾うための人体接触部とする。
【実施例】
【0017】
本発明を実施した最適の実施例を図1から図5に示し、これを説明する。
【0018】
(実施例1)図1は実施例1の骨伝導マイクロホンの外観の斜視図であり、図2はその側面図で、図3は図2に示すG−G位置の断面図である。図4は構成部品に分解して示した斜視図である。図5は、組立工程での、ケース7を除いた状態をCに、回路基板6を除いた状態をDに、更に保持枠金具3を除いた状態をEに、絶縁スペーサ4を除いた状態をFに、それぞれ示した斜視図である。
【0019】
バイモルフ型の圧電素子1aと同じく1bはその上下両面に銀の皮膜を電極として施されている。銅合金製の導通スペーサ2は間隔を取る役目と導通の役目を担い、圧電素子1aと1bとの片持ち支持される端部の電極面間に配置されている。図3,図4の電極端子5(くさび部を持つ圧入スペーサ)は先端に行くに従って厚さが薄くなるテーパー状の平面部を持ち、圧電素子1bの下面側の第1電極面A(図5)に平面部を接触する位置に配置されている。圧電素子1a,1bの片持ち支持端部、導通スペーサ2、電極端子5の配置部を囲むようにコの字形の絶縁スペーサ4が配置され、これらを更に導電性の良い金属製の保持枠金具3の矩形リング部が囲む構造になっている。
【0020】
図5のDに示す状態が組立工程の最初のまとまり状態である。組立順序としては、先ず保持枠金具3の矩形のリング穴(角形筒状部の矩形穴35)に絶縁スペーサ4を挿入し、次に圧電素子1b、導通スペーサ2、圧電素子1a、の順に絶縁スペーサ4のコの字の内側空間に重ねるように挿入した後、絶縁スペーサ4の内側の面と圧電素子1bの下面側の第1電極面Aとが対面する空間に、電極端子5のテーパー状の平面部を楔として圧入する。
【0021】
保持枠金具の矩形穴35の縦寸法は、挿入される5つの部材(圧電素子1a,1b、導通スペーサ2、絶縁スペーサ4、電極端子5)の関係部の厚みの合計より小さく設定され、電極端子5が楔として圧入されることにより、互いに圧接し、かつ弾性変形して、保持枠金具3に圧電素子1a,1bが導通スペーサ2の厚み分の間隔を保って平行に片持ち支持される。なお、圧電素子1a,1bの振動検出の最大感度方向は図3に示す矢印方向31である。
【0022】
圧電素子1a,1bは片持ち支持されるだけではなく、圧電素子1aの上側の第2電極面Bが保持枠金具3の矩形穴内側の面と、下側の電極面が導通スペーサ2の面と、圧電素子1bの上側の電極面が導通スペーサ2のもう一方の面と、更に、下側の第1電極面Aが電極端子5の面と互いに圧接することにより電気的導通がなされ、2個の圧電素子1a,1bが保持枠金具3と電極端子5とを両極の端子として電気回路上の直列接続に構成されることになる。
【0023】
この相互の導通の信頼性は、各接触面の清浄の確保と、酸化しにくい材質の採用と、弾性変形の反力による適切な圧接力の維持とで成されるが、環境条件に対する耐力の向上と、保持の安定性を確保するため、10μmほどの隙間にも浸透していく流動性の良い絶縁性接着剤を、圧電素子1a,1bの側面と絶縁スペーサ4との隙間、更には絶縁スペーサ4と保持枠金具3との隙間、および保持部の外面などに塗布することもよい。
【0024】
また、電極端子5の圧入作業後、接続する各電極部の接触面外周部の一部に、機械的な強度は低いが導電性の良い常温硬化型の導電性接着剤を接続の補助として塗布することも、電気的接続の信頼性の向上には良い。導通スペーサ2の端部にV形の切り込み2aを設けてあるが、これは接続すべき電極面を必要面積分露出させ、接続の用に供するためである。すなわち、組み合わせた後に出来たV溝部に導通補助のための導電性接着剤を塗布することにより確実な導通を得ることが出来る。他の接続部は作業が容易な部分が露出しているので、特にそのための形状は設けていない。
【0025】
いずれにしても、ここまでの作業工程では、位置決め冶具に設置して高温槽に入れ、導電性接着剤の硬化作業を行なう必要はなくなる上、圧電素子の保持は接着剤に直接頼ることが無いので、その信頼性も良く、剛性も確保しやすい。
【0026】
以上の工程作業で組み立てられたブロックは、更に、FET8、コンデンサ9などでインピーダンス変換回路が片面に構成された回路基板6に、圧電素子1a,1bを直列接続した両極端子である保持枠金具3と電極端子5を所要のパターンに接続する形で搭載し、相互を固定する。回路基板6の部品搭載面とは反対の裏面側は、グランドパターンと半田ランド、それに信号の出力半田ランドが構成されている(図示省略)。なお、FET8の後段に1〜2段の増幅部を設け、初段をインピーダンス変換部とした増幅回路を構成してもよい。
【0027】
回路基板6と圧電素子部のブロックとの相互の固定には、保持枠金具3と電極端子5のそれぞれの接続所要部を、回路基板のパターンに半田付けしても良い。ここでは融点の高い無鉛半田を使用しても、加熱作業を速やかに行なうことで圧電素子に性能ダメージを与えるほどの温度は掛けなくて済ますことが出来る。
【0028】
また、半田付けの速やかな作業が困難な状況で、代わりに導電性接着剤を使用し、導通と基板への保持固定を行なうにしても、位置決めの冶具は必要とせず、整列するのみで高温槽に入れることが出来る。また、接続は常温硬化型の導電性接着剤を使用し、保持は別に常温硬化型の剛性の高い接着剤を使用することも可能であり、この場合は高温槽に入れる作業工程も必要ではなくなる。
【0029】
圧電素子ブロックを基板に搭載した後は、導通体または内側面に導通皮膜を持つ素材で形成され電気的シールド効果のあるケース7を、回路部を覆うように取り付け、回路基板6のグランド側パターンと接続することにより、高インピーダンスで外来ノイズに弱い圧電素子とインピーダンス変換回路のシールド効果を確保する。また、回路基板6の左右の支持突起部6a(図4など)は骨伝導マイクロホンを支持するための構造である。
【0030】
ケース7は回路基板6とで保持枠金具3の上下面を挟み込むことにより、組立完成品である骨伝導マイクロホンの外装部と、圧電素子1a,1bの片持ち支持部である保持枠金具3との接続剛性をより高くすることが出来、その外装部が人体に圧接され音声振動を拾った時に、その振動を損なうことなく圧電素子に伝えることが出来る。
【0031】
(実施例2)図6に2個の圧電素子を横に並べた形態の実施例2の骨伝導マイクロホンの主要部を斜視図で示す。すなわち、2個の圧電素子をその主面に平行な面内で並置して圧電素子部としたものである。前述の実施例1と同じように圧電素子11a,11bは保持枠金具13の矩形穴を持つリング部13aの矩形穴に絶縁スペーサ部材、導通スペーサ部材、楔部材、電極部材と共に圧入状態で保持されている。実施例1と同じように冶具に設置しての高温槽での硬化作業を必要としない構造である。また、回路基板16上にインピーダンス変換回路あるいは増幅回路を構成することは、実施例1と同様である。
【0032】
(実施例3)図7は実施例3の骨伝導マイクロホンの主要部を示す斜視図である。これは、製品全体の構造基板である金属板製の基板部材23にプレス曲げで立ち上がり部23bをつくり、ここに矩形穴を持つリング部23aをプレス絞り加工で形成したもので、回路基板26は基板部材23の主平面部に搭載され、そのグランドパターンは圧電素子の一電極となっている基板部材23の突起23cに接続されている。また圧電素子21bと絶縁シート部材との間に圧入され、圧電素子の他の電極部となっている電極部材25は回路基板26の信号パターンと接続している(図示省略)。この実施例3でも、前述の実施例1,2と全く同様の効果を得ることが出来る。
【0033】
以上の実施例ではバイモルフ型の圧電素子を2個用いた場合を説明したが、ユニモルフ型であっても、第1電極面と第2電極面が板の両側に形成される構造はバイモルフ型と同様であるので、ユニモルフ型圧電素子をこの発明に使用することは可能であり、また圧電素子の個数は1個であっても、3個以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施例1の骨伝導マイクロホンの外観斜視図。
【図2】実施例1の骨伝導マイクロホンの側面図。
【図3】図2に示すG−G位置の断面図。
【図4】実施例1の骨伝導マイクロホンの構成部品を示す分解斜視図。
【図5】組立工程での各部を示す斜視図。
【図6】実施例2の骨伝導マイクロホンの主要部を示す斜視図。
【図7】実施例3の骨伝導マイクロホンの主要部を示す斜視図。
【符号の説明】
【0035】
1a,1b,11a,11b,21a,21b 圧電素子
2 導通スペーサ
2a 切り込み
3,13 保持枠金具
4 絶縁スペーサ
5 電極端子
6,16,26 回路基板
6a 支持突起部
7 ケース
8 FET
9 コンデンサ
13a リング部
23 基板部材
23a リング部
23b 立ち上がり部
23c 突起
25 電極部材
31 矢印方向
35 矩形穴
A 第1電極面
B 第2電極面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイモルフ型またはユニモルフ型で2つの主面の一方に第1電極面が形成され他方に第2電極面が形成され外部電極となった矩形板状の圧電素子部が、矩形穴の角形筒状部を有する保持枠金具で片持ち支持されてなる振動検出手段を備える骨伝導マイクロホンにおいて、
前記矩形穴に電気絶縁材からなるコの字形の絶縁スペーサを挿入し、
前記圧電素子部の第1電極面および側面の一端を前記絶縁スペーサのコの字形の内周面で囲うように前記矩形穴に挿入し、
前記圧電素子部の第2電極面の一端が前記矩形穴の一面に圧接し導通するように、くさび部を持つ圧入スペーサを前記絶縁スペーサと前記圧電素子部の第1電極面の一端との間、または前記絶縁スペーサの外側の面と前記矩形穴の面との間に圧入したことを特徴とする骨伝導マイクロホン。
【請求項2】
バイモルフ型またはユニモルフ型で2つの主面の一方に第1電極面が形成され他方に第2電極面が形成された矩形板状の圧電素子の複数個を矩形穴の角形筒状部を有する保持枠金具で片持ち支持してなる振動検出手段を備える骨伝導マイクロホンにおいて、
前記矩形穴に電気絶縁材からなるコの字形の絶縁スペーサを挿入し、
前記圧電素子の複数個を一端で金属の導通スペーサを挟むように積み重ね直列に電気接続してなる圧電素子部を形成しつつ、前記圧電素子部の外面に露出した前記第1電極面および側面の一端を前記絶縁スペーサのコの字形の内周面で囲うように前記矩形穴に挿入し、前記圧電素子部の他の外面に露出した前記第2電極面が前記矩形穴の一面に圧接し導通するように、くさび部を持つ圧入スペーサを前記絶縁スペーサと前記圧電素子部の第1電極面間との間、または前記絶縁スペーサの外側の面と前記矩形穴の面との間に圧入したことを特徴とする骨伝導マイクロホン。
【請求項3】
バイモルフ型またはユニモルフ型で2つの主面の一方に第1電極面が形成され他方に第2電極面が形成された矩形板状の圧電素子の複数個からなる圧電素子部を矩形穴の角形筒状部を有する保持枠金具で片持ち支持してなる振動検出手段を備える骨伝導マイクロホンにおいて、
前記矩形穴に電気絶縁材からなるコの字形の絶縁スペーサを挿入し、
前記絶縁スペーサの内側で前記圧電素子を主面に平行な面内で並置し、
前記圧電素子部の第1電極面の一端を前記絶縁スペーサのコの字形の内周面に接するように前記矩形穴に挿入し、
前記圧電素子部の第2電極面の一端が前記矩形穴の一面に圧接し導通するように、くさび部を持つ圧入スペーサを前記絶縁スペーサと前記圧電素子部の第1電極面間との間、または前記絶縁スペーサの外側の面と前記矩形穴の面との間に圧入したことを特徴とする骨伝導マイクロホン。
【請求項4】
前記圧入スペーサを金属製とし、前記圧電素子部の第1電極面と絶縁スペーサとの間に圧入することにより、前記圧電素子部の第1電極面と導通する電極としたことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の骨伝導マイクロホン。
【請求項5】
前記圧電素子部の第2電極面と導通している保持枠金具をグランド側電極とし、増幅回路を構成した回路基板のグランドパターンに接続すると共に固定保持し前記回路基板上に圧電素子部を片持ち支持してなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の骨伝導マイクロホン。
【請求項6】
前記圧電素子部の第2電極面と導通している保持枠金具をグランド側電極とし、インピーダンス変換回路を構成した回路基板のグランドパターンと接続すると共に、前記回路基板上に前記保持枠金具を固定保持することにより、前記圧電素子部を回路基板上に片持ち支持し、かつ、前記圧電素子部の第1電極面と導通した電極を前記回路基板の信号側パターンと直接接続したことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の骨伝導マイクロホン。
【請求項7】
前記圧電素子部を搭載した回路基板の圧電素子搭載の部品面とは反対側の裏面の大半をグランドパターンとなし、前記回路基板に搭載の圧電素子部とインピーダンス変換部とを覆うケースを、導通体または内側面に導通皮膜を持つ素材で形成し、前記回路基板のグランドパターンと導通させ電気的シールド効果を持たせたことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の骨伝導マイクロホン。
【請求項8】
前記ケースを骨伝導の音声振動を拾うための人体接触部としたことを特徴とする、請求項7記載の骨伝導マイクロホン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−259008(P2007−259008A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80012(P2006−80012)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】