骨空洞のための支持構造体インプラント
骨空洞内部に位置し、その空洞を画定する骨を支持する、支持構造体インプラントは、構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて延びる、組み合わせたワイヤから形成される。構造体は、第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで、外側に広がり、第2の端部における一定断面の首部分まで、幅広地点と第2の端部との間で内側にテーパー状になる。構造体は、首部分にワイヤを保持するリングクランプを第2の端部に含み、リングクランプは内側支持リングを含む。(a)内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面との間の距離の、(b)首部分の直径に対する割合は、約1.0以下である。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本発明は、骨空洞内部に位置し、その空洞を画定する骨を支持することができる、支持構造体インプラントに関する。本発明は、撚り合わせた(stranded)支持構造体インプラントを骨空洞に配備する組立体にも関する。
【0002】
空洞は、疾患の結果として、または、外傷の結果として、または外科処置の結果として、骨に形成される場合がある。この状態の治療は、骨組織が空洞内部で再生する間、空洞を支持することを伴う場合がある。充填材を空洞内に与えることができる。これは、硬化性材料(curable material)、例えば関節プロテーゼ構成要素を固定するため骨セメントとして使用されるものと同様のアクリレート材料、であってよい。これは、骨組織、例えば細切除去された(morcellised)骨組織の再生を刺激する材料であってよい。
【0003】
骨壊死(ON)、虚血性骨壊死、もしくは無菌性壊死としても知られる、無血管壊死(AVN)は、骨組織への循環の一時的または永続的な損失により生じ、骨組織の局所的な死を引き起こす。適切な血流の損失は、外傷、または障害状態(compromising conditions)、例えば長期のステロイド使用、アルコール使用、痛風糖尿病(gout diabetes)、膵炎、静脈閉塞、減圧症(decompression disease)、放射線療法、化学療法、およびゴーシェ病、から生じ得る。
【0004】
骨粗鬆症は、骨密度の減少により骨組織が弱まる状態の例である。骨の微小構造が破壊され、骨中の非コラーゲン性タンパク質の量および多様性が変化する。これは、椎骨構造の崩壊につながることもある。股関節骨折につながることもある。
【0005】
骨が弱まる状態は、短期間で、激しい痛みおよび運動制限を引き起こす場合があり、その状態が治療されないままであれば、わずか数年後に、骨、そして存在する場合は周囲の関節表面の70〜80%が完全に崩壊する可能性がある。大腿骨頭の無血管壊死の場合、患者は関節置換手術を受ける必要があるかもしれない。椎骨構造の場合、それらの構造を強化して、崩壊の可能性を低減することが必要であるかもしれない。
【0006】
大腿骨頭または他の骨もしくは関節を救うことに焦点を当てた、AVNの治療には、骨髄減圧術(core decompression)、骨切除(osteomy)、骨移植術、および血管新生腓骨移植術が含まれる。
【0007】
「Superelastic Cage Implantation: A New Technique for Treating Osteonecrosis of the Femoral Head with Middle-Term Follow-ups」というタイトルで、2008年10月10日付のThe Journal of Arthroplastyにオンライン公開された、Wangらの論文では、0.5mm直径のワイヤから形成されたケージが開示されている。これらのワイヤは、ニッケルチタン合金から作られている。ケージは、ワイヤを手で編むことによってワイヤから形成される。極(poles)におけるワイヤのループは、細いワイヤをそれらのループに組み合わせることによって、共に保持される。ケージは、各極に4mm直径の穴を有して、骨片をケージの中に置くことを可能にしている。ケージは、植え込みチューブを使用して、大腿骨頸部のボアを通して、大腿骨頭に位置付けられ得る。
【0008】
本発明は、張り出した本体部分と一端部における短い首部とを有するように編組プロセスによりワイヤから作られた、骨空洞に植え込まれる、撚り合わせた支持構造体インプラントを提供する。
【0009】
一態様では、本発明は、骨空洞内部に位置し、その空洞を画定する骨を支持することができる、支持構造体インプラントを提供し、この構造体は、構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて延びる、組み合わせたワイヤから形成され、構造体は、第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで外側に広がり、第2の端部における一定断面の首部分まで、幅広地点と第2の端部との間で内側にテーパー状になり、構造体は、首部分にワイヤを保持するリングクランプを第2の端部に含み、リングクランプは内側支持リングを含み、(a)内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面との間の距離の、(b)首部分の直径に対する割合は、約1.0以下である。
【0010】
好ましくは、(a)内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面との間の距離の、(b)首部分の内径に対する割合は、約0.7以下、特に約0.5以下、例えば約0.3以下、もしくは約0.2以下、または、具体的には約0.1以下、である。好ましくは、内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面との間の距離は、約10mm以下、より好ましくは約5mm以下、例えば約0.3mm以下である。
【0011】
好ましくは、構造体は、構造体の第1の端部から反対側の第2の端部へ向けて縦方向(machine direction)に編組することにより、ワイヤから形成される。このような編組ワイヤは、インプラントの第1の端部から第2の端部に向けて螺旋状に延びる。隣接するワイヤは、交互に(in alternative senses)、右回り、左回りにそれぞれ巻かれて、管状構造体を形成する。ワイヤは、各交差地点でインプラントの周りに螺旋状に延びるので、織り合わせられる。インプラントは、偶数本のワイヤから形成される。インプラントの管状構造体の横寸法は、インプラントの長さに沿った編組角(ワイヤが交差するところの角度)、および編組送り速度(braid feed rate)を変えることによって、変えることができる。編組は、第2の端部に延びる、ワイヤの別個の長さ部分(lengths)から形成され、編組を形成するワイヤの長さ部分の本数は、インプラントの第2の端部におけるワイヤの自由端の数に等しくなる。しかしながら、各ワイヤは、インプラントの第1の端部でループを形成するよう折り畳まれてよく、インプラントの第1の端部におけるループの数が、インプラントの第2の端部における自由端の数の半分に等しくなることに注意されたい。
【0012】
編組することにより本発明のインプラントを形成することは、直径を減少させるように編組構造体を操作することにより、好都合にも首部(throat)を第2の端部に形成することができるという利点を有する。これは、織り合わせなど他の技術を使用してワイヤから形成された構造より、編組構造体で、さらに好都合となり得る。編組を使用するさらなる利点は、編組の長さを適切に選択することにより、好都合にもインプラントのサイズを変えることができることである。
【0013】
本発明のインプラントは、従来の編組設備を使用して作られ得るという利点を有する。これにより、本発明のインプラントの効率的な製造が容易になる。また、結果として得られるインプラントが再生可能に作られることができ、その機械的特性を制御し得るという、さらなる利点を有する。これは、支持構造体が植え込まれるときに、適切な支持を周囲の骨組織に確実に与えるために、重要となり得る。
【0014】
ワイヤの各ループは、ループを形成するよう接合された2本のストランドから形成され得る。しかしながら、ワイヤのループはそれぞれ、連続したループ状ストランドから形成されることが好ましい場合がある。このことは、組み立てやすさおよび信頼性という利点を有する。また、望ましくない鋭利な尖頭を減らすのにも役立つことができ、そうでなければ、鋭利な尖頭はワイヤの端部によりもたらされる場合がある。
【0015】
インプラントの第1の端部のループから第2の端部に向けてワイヤを編組することにより形成される、支持構造体インプラントは、英国特許出願第0903247.5号(代理人整理番号:P211636)の優先権を主張する、本出願と共に出願された国際特許出願に開示されている。その出願の明細書に開示された主題は、この参照により本出願の明細書に組み込まれる。
【0016】
好ましくは、インプラントは、インプラントの第1の端部におけるループ間の間隔を制御する保持器(またはクリップ)を含む。これは、インプラントの剛性およびその形状を制御するのに役立つことができる。保持器は、ループを通って延びる複数のフィンガーを有するクリップを含んでよい。例えば、クリップは、中央ハブと、ハブから半径方向に延びる複数のフィンガーと、を含むことができる。
【0017】
保持器クリップは、差し込み部およびソケットのうち一方を提供することができる。これは、差し込み部およびソケットのうちもう一方を有するプローブ端部を含む挿入ツールと共に使用されてよく、プローブ端部およびクリップは、協働する差し込み部およびソケットによって、互いに係合することができる。
【0018】
したがって、保持器は、その中に形成されたソケットを有してよく、ソケットは編組軸と整列している。ソケットは、概して、インプラントの内側へと開いている。ソケットは、保持器を貫通して延びることができ、あるいは、凹部の形をした止まり穴(blind opening)であってよい。止まり穴は、支持構造体の内側に面する面で開口していてよい。例えば、保持器クリップのハブには、インプラントの内側に対して開口する凹部が形成されていてよい。
【0019】
保持器クリップが複数のフィンガーを含む場合、フィンガーはそれぞれ、少なくとも1つのループを通過し、折り返されてよい。折り重なったフィンガーにより、各ワイヤのループは、ヒンジの屈曲と同じように、フィンガーが折り重ねられた線の周りで旋回することができる。保持器クリップに対するワイヤのそのような動きの範囲は、クリップの周辺で変化してよく、植え込み前、植え込み中、そして植え込まれたときに、インプラントを非対称に変形させる。クリップは、そのような植え込みの間に支持構造体の形状に対する適切な制御を与えることができる。例えば、クリップは、インプラントが極で折り重なる傾向を低減するのに役立つことができ、代わりに、インプラントの形状が少なくとも部分的に湾曲したままであることを確実にする。
【0020】
保持器クリップは、支持構造体インプラントの製造中、ならびに植え込み中および植え込み後に保持器クリップがさらされる力に抵抗できる材料から形成しなければならない。クリップが、折り重ねられるフィンガーを含む場合、クリップの材料は、壊れずに折り畳まれ、また、折り重なった形状を維持することができなければならない。保持器クリップが金属から形成されることが、概して好ましい。適切な金属の例には、例えば植え込み可能な医療装置、特にクリップ装置、の製造に一般に使用されるものなど、特定のステンレス鋼が含まれる。
【0021】
保持器クリップを含む支持構造体インプラントが、英国特許出願第0903249.1号(代理人整理番号:P211637)の優先権を主張する、本出願と共に出願された国際特許出願に開示されている。その出願の明細書に開示された主題は、この参照により本出願の明細書に組み込まれる。
【0022】
支持構造体インプラントは、第1の端部から外側に広がっていてよい。好ましくは、インプラントは、第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで、外側に広がり、その幅広地点と第2の端部との間で内側にテーパー状になる。好ましくは、インプラントの形状は、変形力がない状態で片側から見た場合、概して丸みを帯びている。インプラントは、その軸に垂直な平面における断面で見た場合、ほぼ円形であることがしばしば好ましい。インプラントの長さが、最も幅広の地点におけるインプラントの直径にほぼ等しい場合、支持構造体は、その表面の大半にわたってほぼ球形である。
【0023】
支持構造体インプラントが第1の端部から外側に広がっており、ワイヤループを通って延びるフィンガーを備える保持器クリップを含んでいる場合、各フィンガーは、2つまたは3つ以上の隣接するループを通り抜けることができる。
【0024】
支持構造体インプラントは、型(form)の上にワイヤを編組することにより作られ得る。ピンが、編組軸の周りに延びる列をなして型の上部に設けられ得る。編組ワイヤのループは、それらのピンにワイヤを巻き付けることで形成され得る。ピンは、概して、型の周りで等距離に間隔をあけている。ピンの数は、概して、インプラントを形成するため編組されるワイヤの数の半分に等しい。
【0025】
型の形状は、支持構造体インプラントの所望の形状を考慮して選択されるべきである。例えば、インプラントが概して丸みを帯びた形状を有する必要がある場合、型は、それに応じて丸みを帯びた形状を有する。ワイヤの材料、およびその材料の加工は、インプラントの形状が熱を加えることにより固まる(set)ことができるように選択される。適切に選択された金属材料の形状を固めるのに使用され得る熱処理は、当業者に既知である。
【0026】
支持構造体インプラントが第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで外側に広がり、幅広地点と第2の端部との間で内側にテーパー状になる場合、インプラントは、2つまたは3つ以上の型の組み合わせを用いて、意図する形状に形成され得る。1つの型が、一端部と隣接する幅広地点との間のインプラントの形状を制御するのに使用されてよく、別の型が、幅広地点の向こう側のインプラントの形状を制御するのに使用されてよい。
【0027】
例えば、支持構造体インプラントが一定直径の首部分と、球形部分とを有する場合、第1の型を使用して、首部分、および球形部分の半分を含む、インプラントの部分を作ることができ、第2の型を使用して、球形部分の残りの半分を作ることができる。編組ワイヤは、第1の型がワイヤ内部から取り外される前で、かつ第2の型がワイヤ内部に置かれる前に、第1の型上で熱硬化されてよい。編組ワイヤは、第2の型がワイヤ内部から取り外される前に、第2の型上で熱硬化されてよい。
【0028】
支持構造体インプラントを形成する器具は、ワイヤをその型または各型に対して所定の場所に保持することができる特徴部を備えていてよい。例えば、クランプを使用して、ワイヤを円筒形の型に対して留めることができる。ピンを使用して、ワイヤのループ状端部を型に対して留めることができる。
【0029】
骨空洞内部に位置し、その空洞を画定する骨を支持する、支持構造体インプラントは、以下の:
a.各ワイヤの2本の長さ部分が各ループから延びるように複数のワイヤにおいてループを形成し、そのループを捕捉することと、
b.ワイヤそれぞれの2本の長さ部分を、第1の型の上で編組することと、
c.ワイヤを型上で熱硬化させることと、
d.型をワイヤ内部から取り外すことと、を含む方法により作られ得る。
【0030】
支持構造体は、以下の:
a.各ワイヤの2本の長さ部分が各ループから延びるように複数のワイヤにおいてループを形成し、そのループを支持体に対して留めることと、
b.ワイヤのループによりもたらされた第1の端部、および反対側の第2の端部を有する支持構造体を形成するように、ワイヤそれぞれの2本の長さ部分を編組することと、
c.編組構造体を保持するように支持構造体の第2の端部においてワイヤのそれぞれをクランプすることと、を含む方法により作られ得る。
【0031】
ループは、1組のピンを使用して捕捉されることができ、各ループは、ピンのうち対応する1つの周りに適合する。各ワイヤの長さ部分は、ワイヤがピンの周りを通過した後で、交差しなければならない。長さ部分は、ループ状ワイヤの左手側の各長さ部分が右手側の長さ部分の上を通らなければならないか、あるいは、右手側の各長さ部分が左手側の長さ部分の上を通らなければならないという意味で、器具の周りに対称に交差しなければならない。
【0032】
型は、円筒形部分、および張り出し部分を有してよい。この方法は、編組工程後で、かつ熱硬化工程前に、型の円筒形部分上にワイヤそれぞれの2本の長さ部分をクランプする工程を含んでよい。この方法は、熱硬化工程後にループを集める工程を含むことができる。概して、集める工程に先立って、第1の型を取り外す工程がある。好ましくは、この方法は、第1の型を取り外した後、編組ワイヤ内部に第2の型を置く工程を含む。第2の型は、円筒形部分、および球形部分を有してよい。第2の型の円筒形部分は、第1の熱硬化工程により生じた編組ワイヤの円筒形部分内部に嵌められ、その中でクランプされることができる。ループは、次に、第2の型の球形部分上で集められてよい。集められたループは、それらのループが上に嵌まることができるピンを用いて、第2の型の所定の場所に保持され得る。ループは、第2の型の球形部分の表面上、好ましくは型の軸上に、設けられ得る。2つ(もしくは3つ以上)より多い隣接するループが各ピン上に嵌まり、支持構造体インプラントのテーパー形状を形成することが好ましい場合がある。
【0033】
支持構造体インプラントを形成するこの技術では、第1の型の円筒形部分とクランプとの間の編組ワイヤの位置が、第2の型の球形部分上に嵌まる編組ワイヤの長さを決める。クランプとワイヤのループとの間のワイヤの長さは、ワイヤがピンまたはループ状のワイヤのための別の保持器に適切に嵌まるように、注意深く測定されなければならない。
【0034】
ワイヤは、編組によりワイヤから管状物品を形成するのに従来使用される市販の編組器具を用いて、編組されてよい。支持構造体の機械的特性は、既知のとおり、編組されるワイヤの数、および編組角を変えることによって、制御され得る。
【0035】
ワイヤは、支持構造体インプラントの所望の機械的特性に従って選択されなければならない。関連する変数(variables)には、ワイヤの材料、ワイヤの寸法、ワイヤの構造、およびワイヤの加工が含まれる。
【0036】
好ましくは、ワイヤは金属から形成される。適切な金属の例には、医療用インプラントの製造に一般に使用されるものなどの、特定のステンレス鋼が含まれる。支持構造体インプラントのワイヤを形成するのに、形状記憶合金を使用するのが特に好ましい場合がある。形状記憶合金から形成された物品は、合金のマルテンサイト相とオーステナイト相との間の変質に関連する、形状記憶特性を示すことができる。これらの特性には、形態が熱誘導変化することが含まれ、この変化では、合金がそのマルテンサイト相である間に、物品がまず、熱安定性形態から熱不安定性形態へ変形する。その後、上昇した温度にさらすと、合金がマルテンサイト相からオーステナイト相に戻るので、熱不安定性形態から元の熱安定性形態へ形態が変化する。強化された弾性特性を示すように、特定の形状記憶合金を処理することが可能である。形状記憶合金の強化された弾性特性は、概して周知であり、T W Duerigらによって、「Engineering Aspects of Shape Memory Alloys」(Butterworth-Heinemann (1990))で論じられている。強化された弾性特性を示すように処理された形状記憶合金を、本発明の支持構造体で使用することが特に好ましい。そのような合金の例には、ニッケルチタン系合金、例えば50.8重量%のニッケルを含有するニッケルチタン二元合金、が含まれる。強化された弾性特性を示すように形状記憶合金を処理し、所望の弾性特性を選択する技術は、既知である。
【0037】
各ワイヤストランドは、単一のフィラメントにより提供されることができる。各ワイヤストランドは、複数のフィラメントにより提供されることができる。単一のフィラメントにより提供されたワイヤを使用することは、それらのフィラメントがもたらし得る機械的支持特性により、概して好ましい。
【0038】
ループの数は、支持構造体インプラントを形成するため編組機器により操作されるワイヤの数の半分に等しい。例えば、インプラントは、12本のワイヤ、または24本のワイヤ、または48本のワイヤ、または96本のワイヤ、または192本のワイヤで形成され得る。支持構造体の第1の端部におけるループの数は、それぞれ6、12、24、48、96個である。
【0039】
各ワイヤストランドの横寸法(ワイヤが円形断面を有する場合は直径)は、概して、約1.0mm以下、好ましくは約0.7mm以下、例えば約0.5または約0.6mmである。横寸法は、概して少なくとも約0.1mmである。
【0040】
好ましくは、リングクランプは、外側リングを含み、ワイヤは、内側支持リングと外側リングとの間に嵌められてよい。これは、内側支持リング上に収縮し得る外側リングを使用することにより達成され得る。外側リングは、機械構造(mechanical arrangement)を含んでよく、この機械構造により、外側リングは、例えばクリンプの形で収縮させられ得る。好ましくは、外側リングは、形状記憶合金から形成され、形状記憶合金は、その合金がマルテンサイト相からオーステナイト相に戻る際に、熱不安定性の拡張形態から、熱安定性の収縮形態へと縮むように、処理されたものである。形状記憶合金のそのような挙動は、「Encyclopedia of Chemical Technology」(編集:Kirk-Othmer)、第20巻、726〜736ページの、L McDonald Schetkyによる記事で論じられている。熱誘導形状記憶特性を示すように形状記憶合金を処理し、合金の適切な機械的特性および遷移温度を選択する技術は、既知である。
【0041】
US−4770725に開示されたものなど、NiTiNb合金から外側リングを形成するのが好ましいであろう。そのような合金は、患者に植え込まれるべき装置について適切な範囲の遷移温度で、製造され得る。
【0042】
形状記憶合金の遷移温度は、合金の組成、および合金を処理するのに使用される技術により、影響を受ける。好ましくは、合金は、その特徴的なAsおよびAf遷移温度がそれぞれ65℃および165℃になるように、製造される。このように処理された合金は、−60〜+300℃の範囲の温度にさらされると、適切なクランプ力を維持することができる。クランプ力は、合金を−120℃未満の温度にさらすことにより解除され得る。
【0043】
本発明は、本発明の支持構造体インプラントと、挿入ツールと、を含む組立体も提供する。挿入ツールは、支持構造体が植え込まれるべき場所に支持構造体を置くのに使用されてよい。挿入ツールは通常細長い。挿入ツールは、通常比較的剛性である。そして、挿入ツールは、この目的のため準備された骨のボアを通して骨空洞へ支持構造体インプラントを挿入するのに使用されることができる。
【0044】
挿入ツールは、(a)インプラントの第1の端部における保持器クリップに係合するのに使用され得るプローブ端部と、(b)リングクランプ上の係合形成物と協働することができる係合部分と、を含むことができる。プローブ端部および係合部分は、ツールの軸と整列する方向に、互いに対して動くことができる。挿入ツールは、プローブ端部と係合部分との間で相対運動を引き起こすことができるアクチュエーターを含んでよい。プローブ端部がインプラントの第1の端部で保持器クリップと係合され、ツールの係合部分がインプラントの第2の端部でクランプ係合部分と係合されると、アクチュエーターは、インプラントの長さを、そしてその結果、インプラントの幅を、変更するのに使用され得る。例えば、アクチュエーターは、インプラントの長さを増大させ、インプラントの幅を減少させるために使用されてよく、そうすると、インプラントは、骨に形成されたボアを通して患者に植え込まれることができる。インプラントが意図する場所に置かれたら、アクチュエーターは、インプラントがその未変形形態に向けて戻ることができるように、また、その後、周囲組織への支持を与えることができるように、解放され得る。
【0045】
支持構造体インプラントと挿入ツールとの組立体は、英国特許出願第0903251.7号(代理人整理番号:P211639)の優先権を主張する、本出願と共に出願された国際特許出願に開示されている。その出願の明細書に開示された主題は、この参照により本出願の明細書に組み込まれる。
【0046】
別の構成では、インプラントは、送達装置に収まってよく、送達装置内で、インプラントは、患者の骨のボアを通して送達されるように閉じ込められる。インプラントは、送達装置から放出され、支持構造体が植え込まれる空洞を画定する骨の表面に向けて、拡張することができる。そのような拡張は、インプラントの材料の弾性、例えば特定の形状記憶合金から利用可能である強化された弾性、に依存し得る。
【0047】
好ましくは、リングクランプは、係合形成物を有し、係合形成物によって、インプラントを挿入ツールに接続することができる。適切な係合形成物の例には、ねじ山、および差し込みピン取り付け部品が含まれ得る。これらの、また他の適切な係合構造は、他のインプラント、およびそれらを植え込む器具から既知である。
【0048】
好ましくは、係合形成物は、リングクランプの延長部、例えば内側支持リングの延長部、に設けられる。この延長部は、通常、編組ワイヤの端部を越えて延びている。好ましくは、延長部および内側支持リングは、単体の材料、特に金属、例えばステンレス鋼、から形成される。
【0049】
好ましくは、ボアが、任意の延長部を含む、リングクランプを貫通して延びて、材料が、そのボアを通過して、インプラント内部の空洞の中へと入ることができる。これは、空洞内部に細切除去された骨組織を置くのに使用されることができる。
【0050】
好ましくは、リングクランプと、首部分に向けてテーパー状になる構造体の部分(球形部分の極先端(polar extremity)であろう)との間の、支持構造体インプラントの首部分の長さは短い。これには、インプラントの幅広部分が内側に変形した場合に首部分が圧縮に抵抗して支持され得るという利点がある。例えば、(a)内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面と、の間の距離の、(b)首部分の直径に対する割合は、約0.7以下、より好ましくは約0.5以下、特に約0.4以下、例えば約0.3以下、具体的には約0.1であるのが好適であろう。
【0051】
好ましくは、内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面と、の間の距離は、約10mm以下、より好ましくは約7mm以下、特に約5mm以下である。
【0052】
支持構造体インプラントの寸法は、インプラントが植え込まれるべき骨空洞のサイズに従って製造される場合に、変えることができる。インプラントが、例えば大腿骨頭に、AVNを持つ患者の治療に使用される場合、空洞は、15〜35mmの横寸法(球形空洞の直径に近い)を有するであろう。したがって、インプラントの横寸法は、好ましくは少なくとも約15mm、さらに好ましくは少なくとも約20mm、特に少なくとも約30mmである。インプラントの横寸法は、概して、約40mm以下、好ましくは約35mm以下である。インプラントは、骨空洞にぴったり嵌まらなければならず、恐らくは、植え込まれたときに少なくとも一部の寸法で、圧縮がいくらか残っている。
【0053】
インプラントの首部分の適切な横寸法に影響を及ぼす要因には、長さに沿って骨組織(例えば細切除去された骨組織)の再生を刺激する材料を通す能力、インプラントと挿入ツールとの間の係合、および、インプラントを植え込む、準備された骨空洞内へと、骨のボアに沿ってインプラントが入ること、が含まれ得る。編組ワイヤにより定められる首部分の内側横寸法は、好ましくは、約12mm以下、さらに好ましくは約10mm以下、例えば約9mm以下である。編組ワイヤにより定められる首部分の内側横寸法は、好ましくは少なくとも約4mm、さらに好ましくは少なくとも約6mm、例えば少なくとも約7mmである。内側支持リングの壁厚は、例えば外側リングにより加えられる圧縮力に抵抗して、リングクランプに適切な支持を与えることを前提として、最小に維持されるべきである。
【0054】
インプラントは、骨内の空洞に植え込まれて、骨を支持することができる。インプラントは、例えば大腿骨頭で、無血管壊死を治療するのに使用され得る。インプラントは、例えば骨粗鬆症の治療において、椎骨構造の減衰(degradation)を治療するのに使用され得る。インプラントは、例えば腫瘍を患っている骨の治療において、組織の除去の結果弱まった骨構造を治療するのに使用され得る。
【0055】
支持構造体インプラントは、骨のボアを通じて、骨の空洞内部に配備され得る。ボアは、ドリル、またはリーマーなどの別の切断ツールを使用して準備されることができる。インプラントを、例えば大腿骨頭において、AVNの治療に使用する場合、ボアは、外側大腿皮質(lateral femoral cortex)を通って、大腿頸部に沿って、延びることができる。ボアは、単純にするため真っ直ぐであってよい。特に大腿骨頭の上方領域にインプラントを位置させるため、ボアが湾曲しているのが有利となり得る。ボアは、通常、断面が円形である。好ましくは、ボアの直径は、少なくとも約3mm、さらに好ましくは少なくとも約5mm、例えば少なくとも約7mmである。好ましくは、ボアの直径は、約20mm以下、さらに好ましくは約15mm以下、例えば約10mm以下、である。
【0056】
AVNを治療する外科処置で使用される、骨に湾曲したボアを形成する器具は、US−A−2005/0203508およびWO−A−2008/099176に開示されている。
【0057】
本発明の実施形態は、添付図面を参照しながら、例として説明される。
【0058】
図面を参照すると、図1は、撚り合わせた支持構造体インプラント2を示しており、インプラント2は、骨の空洞に植え込まれて、その空洞を画定する骨を支持することができる。インプラントは、インプラントの第1の端部6で丸みを帯びた球形部分4、およびインプラントの第2の端部10における円筒形の首部分8を有する。
【0059】
インプラント2は、強化された弾性特性を示すように処理されているニッケルチタン形状記憶合金から形成された12本のワイヤ12から形成される。これらのワイヤは、0.5mmの直径を有する。
【0060】
ワイヤはそれぞれ、ループ14へと形成される。これらのループは、インプラントの第1の端部6で共に集められて、各ワイヤの2本の長さ部分が第1の端部から延びる。したがって、インプラントの第1の端部から延びるワイヤの24本の長さ部分があり、これらは編組される。球形部分4の形態は、インプラントが第1の端部6から幅広地点16に向けて外側に広がり、幅広地点から首部分8に向けて内側へテーパー状になるようになっている。
【0061】
インプラントは、その第1の端部に保持器クリップ18を含み、保持器クリップは、ワイヤ12に形成された12個のループ14に係合して、それらの間隔を制御する。保持器クリップは、図3を参照して、以下でさらに詳細に説明する。
【0062】
インプラントは、リングクランプ20を含む。リングクランプの詳細は、図2に示される。リングクランプ20は、内側支持リング22、および外側リング24を含む。内側支持リングは、ステンレス鋼から形成される。内側支持リングは、円筒形支持表面26を定め、円筒形支持表面は、第1の端部から段部28まで、リングに沿って軸方向に延びる。内側支持リングは、その第2の端部において、段部28の向こう側に、外側にねじ山の付いたカラー30を有する。
【0063】
外側リング24は、ニッケルチタン系形状記憶合金から形成され、この合金は、合金の特徴的なAf温度を超える温度に加熱されてリングを半径方向に収縮させるように処理される。
【0064】
リングクランプは、装置の第2の端部において編組ワイヤ12の端部を固定するのに使用され得る。内側支持リング22の円筒形支持表面26の外径は、首部分8における編組ワイヤの内径にほぼ等しい。編組ワイヤは、自由端が段部28に隣接した状態で、支持表面26に取り付けられるように刈り込まれる。外側リング24は、ワイヤ上に収縮し、ワイヤが、外側リングと支持表面との間で堅くクランプされる。抑制なしで収縮できる場合の、外側リングの内径は、内側支持リングの円筒形支持表面上に嵌められるときにワイヤの外径よりわずかに小さい。
【0065】
図3は、支持構造体インプラントの第1の端部で使用されて、ループ14を集合形態に保つ、保持器クリップ18を示す。クリップは、中央ハブ30と、ハブから半径方向に延びる6個のフィンガー32と、を含む。ハブには穴34が貫通して延びている。クリップは、圧搾によってステンレス鋼シートから形成される。
【0066】
図4は、ワイヤ12に形成された、整列したループ14を示す。図に示すように、ループは、対になって整列している。整列したループの各対内部では、一方のループがもう一方のループに対して右回り方向に転置されると考えることができる。これに基づいて、各対の右回りループが、左回りループの下に位置付けられているのを、図4で見ることができる。逆の構成を、別の方法で使用することもできる。
【0067】
保持器クリップ18のフィンガー32それぞれは、ワイヤ12に形成された2個の整列したループ14を通過することができる。各フィンガーは、折り返され、その後、折り重ね形状を維持することができる。
【0068】
インプラントの第1の端部で保持器クリップを使用することは、インプラントが横方向の圧縮力を受けるときに、第1の端部で折り重なる傾向がある、保持器クリップを含まないインプラントと比べて、横方向の圧縮力を受けた際に第1の端部で、より平らで丸みを帯びた形状(flatter, more rounded shape)を有する傾向があることを意味している。
【0069】
図5a、図5bおよび図6は、本発明による支持構造体インプラントを製造する第1工程で編組機器に使用され得る、第1のマンドレル102を示す。第1のマンドレルは、主要部品103(図5a)、および取り外し可能部品104(図5b)を有する。
【0070】
マンドレルの主要部品103は、第1の端部106から第2の端部114へと延びる。主要部品は、第1の端部における一定直径の幅広部分110と、第2の端部114における一定直径の小幅部分112と、を有する。マンドレルは、幅広部分110と小幅部分112との間に、半球形の遷移部分116を含む。
【0071】
マンドレルの主要部品は、第1の端部に形成された止まりソケット111を有する。
【0072】
マンドレルの取り外し可能部品104は、幅広部分110の端部で、主要部品と端部同士を接して据え付けられていてよい。取り外し可能部品は、差し込み部115を有し、差し込み部は、マンドレルの主要部品のソケット111に嵌まることができる。幅広部分と端部同士を接して据え付けられるところの直径は、幅広部分の直径と同じである。取り外し可能部品は、裁頭円錐形状(frustoconical shape)を有し、主要部品から離れる方向へ内側にテーパー状になる。
【0073】
マンドレルの取り外し可能部品104は、その円筒形外側表面に形成された12個のボア120を有する。ピンが、マンドレルの主要部品の幅広部分に近接して、マンドレルの外周の周りに等しく離間している。図6に示すように、ピン122が、ボア120それぞれに嵌められることができる。ワイヤの12本の長さ部分は、インプラントを製造するため、編組機器に使用される。使用中、ワイヤの各長さ部分は、1つのボビンから、マンドレル上のピンのうち1つの周囲に延びて、別のボビンに戻るように、構成される。各ワイヤは、ピンに巻き付けられて、そのワイヤの2本の長さ部分が、ピンとボビンとの間で交わる。各ワイヤは、同じ方向(右回りまたは左回り)に、対応するピンの周りを通過する。
【0074】
マンドレルの主要部品は、第1の端部に形成されたソケットを有する。マンドレルの取り外し可能部品には、差し込み部が形成されている。主要部品および取り外し可能部品は、取り外し可能部品の差し込み部を主要部品のソケットの中に位置させることにより、共に適合され得る。あるいは、第1のマンドレルは、分離可能な主要部品および取り外し可能部品を有する代わりに、単一の構成要素として作られてもよい。第1のマンドレルは、図6で、使用する準備ができているところが図示されており、取り外し可能部品104の差し込み部115が、主要部品103のソケット111に受容されている。
【0075】
第1のマンドレル102の実施形態の寸法は以下のとおりである:
【表1】
【0076】
図7は、第2のマンドレル130を示す。第2のマンドレルは、第1のマンドレルの一定直径の小幅部分122と同じ寸法を有する、一定直径の小幅部分132を有する。一定直径の小幅部分は、球形部分134に接合される。第2のマンドレルの球形部分の直径は、第1のマンドレルの半球形遷移部分116の直径と同じである。第2のマンドレルは、第1の端部に6個の穴136を有し、これらの穴は、マンドレルの極周辺で等しく離間している。ピンはこれらの穴に嵌まることができる。
【0077】
本発明による支持構造体インプラントは、50.8重量%のニッケルを含有する二元ニッケルチタン合金から作られたワイヤから製造されることができる。この合金は、ワイヤが20〜45℃の範囲の温度で、強化された弾性特性を示すように処理される。
【0078】
第1のマンドレルは、編組機器で使用され、編組機器は、ワイヤから編組物品を形成するのに従来使用されるような、対応する駆動部および台を備えた、複数のボビンを有する。編組機器は、ボビンとピンとの間で編まれた(laid up)ワイヤから、マンドレル上に管状編組を構築するように、従来どおり操作され、各ワイヤは、第1のボビンから、ピンの周りを延びて、第2のボビンに戻る。
【0079】
編組ワイヤを備えたマンドレルは、ワイヤが幅広部分110、半球形遷移部分116上で、そして小幅部分112上へ編組された後で、編組機器内部から取り外される。第1および第2のクランプが、ワイヤに取り付けられて、それらを、円筒形小幅部分112に対してクランプする。第1のクランプは、半球形遷移部分116にできるだけ近接して位置付けられる。第2のクランプは、クランプ間における編組管状スリーブの長さが、インプラントの首部分を形成するのに十分長く、編組がほどけないように、位置付けられる。クランプは、ワイヤおよびマンドレルの周りで締められることができなければならない。クランプのデザインは、例えばホースクランプを含んでよい。適切なクランプは、ウォーム駆動のように、ねじ山アクチュエーターを利用することができる。
【0080】
編組管状スリーブを備えた第1のマンドレルが、次に、15分間500℃のオーブンの中に置かれ、ワイヤを熱硬化させて、ワイヤはマンドレルの形状に従う。
【0081】
次に、第1および第2のクランプは取り外され、第1のマンドレル102は、編組管状スリーブ内部から取り外される。第1のマンドレルは、第2のマンドレル130と置き換えられる。図8に示すように、第3のクランプ138および第4のクランプ140が、スリーブに嵌められ、ワイヤを円筒形小幅部分132に対してクランプする。第3のクランプは、球形遷移部分134にできるだけ近接して位置付けられる。第4のクランプは、クランプ間の編組管状スリーブの長さが、インプラントの首部分を形成するのに十分長く、編組がほどけないように、位置付けられる。
【0082】
ピンを受容する第1のマンドレルの穴120と、第1のマンドレルの半球形部分116と一定直径の幅広部分110との間の遷移部との間の距離は、第2のマンドレルの球形部分134の球形表面における、その赤道と、ピンを受容する穴136との間で測定した距離と同じである。したがって、スリーブの真っ直ぐな部分は、マンドレルの球形部分134の周辺で引き締められることができ、ワイヤのループ14は、穴136上に嵌められ、ピンによってそこに保持される。2つのループが、各ピンによって所定の場所に保持される。編組管状スリーブを備えたマンドレルは、その後、15分間、500℃のオーブンに入れられ、ワイヤを熱硬化させ、ワイヤは、第2のマンドレルの球形状に従い、第2のマンドレルはその後、スリーブ内部から取り外される。
【0083】
保持器クリップは、図3を参照して前述したように、編組スリーブの第1の端部で嵌められる。
【0084】
リングクランプ150が、スリーブの第2の端部で嵌められる。リングクランプは、図1および図2を参照して前述されている。編組ワイヤは、首部分のワイヤの長さにより、内側支持リング22の円筒形支持表面26が首部分内部に嵌まり、ワイヤが支持表面上に位置して、段部28に隣接することができるように、切断される。外側リング24は、ワイヤ上へ収縮し、ワイヤは、外側リングと支持表面との間で堅くクランプされる。外側リングの内径は、何の抑制もなく収縮することができる場合、内側支持リングの円筒形支持表面上に嵌められると、ワイヤの外径よりわずかに小さくなる。
【0085】
支持構造体インプラントは、例えば大腿骨頭におけるAVNの治療において、骨空洞に植え込まれて、その空洞を画定している骨を支持することができる。
【0086】
第1工程は、管状ボアを形成することを伴い、管状ボアは、外側皮質から大腿骨頸部に沿って延び、大腿骨頭の罹患領域とつながる。これは、ドリルなどの、ボア切断ツールで行うことができる。
【0087】
第2工程は、壊死組織を切り取ることを伴う。これは、US−A−2005/0240193およびWO−A−2008/0099187に開示されたもののような、壊死組織近傍に配備され得るカッターを使用して、達成することができる。その後、骨は、本発明のインプラントを受容する準備ができる。
【0088】
図9は、植え込みに使用され得る挿入ツール200を示し、挿入ツールは、中空シース202を含み、中空シースは、その内部でスライドするように構成されたシャフト204を有している。シースは、その遠隔端部にコネクタ206を有し、コネクタは、リングクランプ20の内側支持リング22のねじ山30に係合できるように内側にねじ山が切られている。
【0089】
シャフト204は、保持器クリップ18のハブ30の穴34内に嵌まることができる、先端部208を有する。
【0090】
したがって、支持構造体インプラント2は、シャフト204の先端部208をインプラントの首部に挿入して、コネクタ206のねじ山がリングクランプ20の内側支持リング22のねじ山30に係合できるまでシース202を前進させることによって、挿入ツール200に嵌められ得る。図10は、このように組み立てられたインプラントおよび挿入ツールを示しており、内側支持リング22と保持器クリップ18との間に延びるワイヤ12が概略的に図示されている。
【0091】
シャフト204の先端部208は、保持器クリップのハブの穴34に受容されるまで、シース202に対して前進することができる。シース202に対してシャフト204を遠くへ前進させることにより、インプラント2は細長くなり、インプラントの幅が結果として減少する。このように、例えば約300〜400Nの力を加えることで、インプラントの長さ(リングクランプの端部からインプラントの第1の端部まで)は、22mmから約30mmへ増大することができ、インプラントの最大幅は、22mmから約12mmに減少し得る。インプラントは、図11では、細長い形態で図示されている。このようなインプラントの変形により、インプラントは、患者の骨のボアに沿って、骨の空洞に入ることができる。クリップの折り重ねられたフィンガー32により、ヒンジを屈曲させるのと同じように、フィンガーが折り重ねられた線の周りでワイヤそれぞれのループが旋回することができる。保持器クリップに対するワイヤのこのような動きの範囲は、クリップ周辺で変えることができ、植え込み前および植え込み中、および植え込まれる際の、インプラントの非対称な変形を可能にする。クリップは、そのような植え込みのために変形すると、支持構造体の形状に対する制御を提供することができる。例えば、クリップは、インプラントが極で折り重なる傾向を低減するのに役立つことができ、代わりに、インプラントの形状が少なくとも部分的に湾曲したままであることを確実にする。
【0092】
挿入ツール200はその後、コネクタ206のねじ山をリングクランプ20の内側支持リング22のねじ山30から外すことによりインプラントから係合解除され、患者の骨内部から取り外されることができる。次に、骨片は、リングクランプのボアおよびインプラントの首部分を通して空洞内部に置かれることができる。
【0093】
本発明のインプラントの利点は、インプラントを骨空洞内部から取り外す処置において、リングクランプのねじ山が、前述した挿入ツールに類似していてよいツールに係合するのに使用され得ることである。
【0094】
〔実施の態様〕
(1) 骨空洞内部に位置し、前記空洞を画定する骨を支持する、支持構造体インプラントにおいて、
前記構造体は、前記構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて延びる、組み合わせたワイヤから形成され、
前記構造体は、前記第1の端部から、前記第1の端部と前記第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで外側に広がり、前記第2の端部における一定断面の首部分まで、前記幅広地点と前記第2の端部との間で内側にテーパー状になり、
前記構造体は、前記首部分において前記ワイヤを保持するリングクランプを前記第2の端部に含み、前記リングクランプは、内側支持リングを含み、
(a)前記内側支持リングと、前記テーパー部分と前記首部分との間の界面との間の距離の、(b)前記首部分の直径に対する割合は、約1.0以下である、インプラント。
(2) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記構造体は、前記構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて縦方向に編組することにより、ワイヤから形成される、インプラント。
(3) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記内側支持リングと、前記テーパー部分と前記首部分との間の界面との間の距離は、約10mm以下である、インプラント。
(4) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記リングクランプは、外側リングを含み、
前記ワイヤは、前記内側支持リングと前記外側リングとの間に嵌まることができる、インプラント。
(5) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記リングクランプは、係合形成物を有し、前記係合形成物によって、前記インプラントは、挿入ツールに接続されることができる、インプラント。
【0095】
(6) 実施態様5に記載のインプラントにおいて、
前記係合形成物は、ねじ山の形をしている、インプラント。
(7) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記構造体の前記第1の端部における前記ワイヤ間の間隔を制御するクリップを含み、
前記クリップは、その中に形成された凹部を有する、インプラント。
(8) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記ワイヤは、金属から形成される、インプラント。
(9) 実施態様8に記載のインプラントにおいて、
前記ワイヤは、形状記憶合金から形成される、インプラント。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】骨空洞内部に位置し、その空洞を画定する骨を支持する、撚り合わせた支持構造体インプラントの側面図である。
【図2】線II−II上の、図1に示すインプラントの一部を貫通した断面図である。
【図3】本発明のインプラントに使用され得る保持器クリップの、下から見た等角図である。
【図4】第1の端部を示す、撚り合わせた支持構造体インプラントの上面図であり、保持器クリップが取り外されている。
【図5a】編組支持構造体インプラントを作るのに使用され得る第1のマンドレルの主要部品および取り外し可能部品の等角図である。
【図5b】編組支持構造体インプラントを作るのに使用され得る第1のマンドレルの主要部品および取り外し可能部品の等角図である。
【図6】図5に示す第1のマンドレルの側面図である。
【図7】編組支持構造体インプラントを作るのに使用され得る第2のマンドレルの等角図である。
【図8】インプラント製造中に第2のマンドレル上に位置付けられる、編組支持構造体インプラントを示す。
【図9】インプラントを植え込むのに使用され得る器具を示す。
【図10】図9に示すような器具上に組み立てられる、本発明のインプラントを示す。
【図11】図10に示すインプラントおよび器具を示し、インプラントは、器具によって、植え込まれるよう変形している。
【開示の内容】
【0001】
本発明は、骨空洞内部に位置し、その空洞を画定する骨を支持することができる、支持構造体インプラントに関する。本発明は、撚り合わせた(stranded)支持構造体インプラントを骨空洞に配備する組立体にも関する。
【0002】
空洞は、疾患の結果として、または、外傷の結果として、または外科処置の結果として、骨に形成される場合がある。この状態の治療は、骨組織が空洞内部で再生する間、空洞を支持することを伴う場合がある。充填材を空洞内に与えることができる。これは、硬化性材料(curable material)、例えば関節プロテーゼ構成要素を固定するため骨セメントとして使用されるものと同様のアクリレート材料、であってよい。これは、骨組織、例えば細切除去された(morcellised)骨組織の再生を刺激する材料であってよい。
【0003】
骨壊死(ON)、虚血性骨壊死、もしくは無菌性壊死としても知られる、無血管壊死(AVN)は、骨組織への循環の一時的または永続的な損失により生じ、骨組織の局所的な死を引き起こす。適切な血流の損失は、外傷、または障害状態(compromising conditions)、例えば長期のステロイド使用、アルコール使用、痛風糖尿病(gout diabetes)、膵炎、静脈閉塞、減圧症(decompression disease)、放射線療法、化学療法、およびゴーシェ病、から生じ得る。
【0004】
骨粗鬆症は、骨密度の減少により骨組織が弱まる状態の例である。骨の微小構造が破壊され、骨中の非コラーゲン性タンパク質の量および多様性が変化する。これは、椎骨構造の崩壊につながることもある。股関節骨折につながることもある。
【0005】
骨が弱まる状態は、短期間で、激しい痛みおよび運動制限を引き起こす場合があり、その状態が治療されないままであれば、わずか数年後に、骨、そして存在する場合は周囲の関節表面の70〜80%が完全に崩壊する可能性がある。大腿骨頭の無血管壊死の場合、患者は関節置換手術を受ける必要があるかもしれない。椎骨構造の場合、それらの構造を強化して、崩壊の可能性を低減することが必要であるかもしれない。
【0006】
大腿骨頭または他の骨もしくは関節を救うことに焦点を当てた、AVNの治療には、骨髄減圧術(core decompression)、骨切除(osteomy)、骨移植術、および血管新生腓骨移植術が含まれる。
【0007】
「Superelastic Cage Implantation: A New Technique for Treating Osteonecrosis of the Femoral Head with Middle-Term Follow-ups」というタイトルで、2008年10月10日付のThe Journal of Arthroplastyにオンライン公開された、Wangらの論文では、0.5mm直径のワイヤから形成されたケージが開示されている。これらのワイヤは、ニッケルチタン合金から作られている。ケージは、ワイヤを手で編むことによってワイヤから形成される。極(poles)におけるワイヤのループは、細いワイヤをそれらのループに組み合わせることによって、共に保持される。ケージは、各極に4mm直径の穴を有して、骨片をケージの中に置くことを可能にしている。ケージは、植え込みチューブを使用して、大腿骨頸部のボアを通して、大腿骨頭に位置付けられ得る。
【0008】
本発明は、張り出した本体部分と一端部における短い首部とを有するように編組プロセスによりワイヤから作られた、骨空洞に植え込まれる、撚り合わせた支持構造体インプラントを提供する。
【0009】
一態様では、本発明は、骨空洞内部に位置し、その空洞を画定する骨を支持することができる、支持構造体インプラントを提供し、この構造体は、構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて延びる、組み合わせたワイヤから形成され、構造体は、第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで外側に広がり、第2の端部における一定断面の首部分まで、幅広地点と第2の端部との間で内側にテーパー状になり、構造体は、首部分にワイヤを保持するリングクランプを第2の端部に含み、リングクランプは内側支持リングを含み、(a)内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面との間の距離の、(b)首部分の直径に対する割合は、約1.0以下である。
【0010】
好ましくは、(a)内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面との間の距離の、(b)首部分の内径に対する割合は、約0.7以下、特に約0.5以下、例えば約0.3以下、もしくは約0.2以下、または、具体的には約0.1以下、である。好ましくは、内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面との間の距離は、約10mm以下、より好ましくは約5mm以下、例えば約0.3mm以下である。
【0011】
好ましくは、構造体は、構造体の第1の端部から反対側の第2の端部へ向けて縦方向(machine direction)に編組することにより、ワイヤから形成される。このような編組ワイヤは、インプラントの第1の端部から第2の端部に向けて螺旋状に延びる。隣接するワイヤは、交互に(in alternative senses)、右回り、左回りにそれぞれ巻かれて、管状構造体を形成する。ワイヤは、各交差地点でインプラントの周りに螺旋状に延びるので、織り合わせられる。インプラントは、偶数本のワイヤから形成される。インプラントの管状構造体の横寸法は、インプラントの長さに沿った編組角(ワイヤが交差するところの角度)、および編組送り速度(braid feed rate)を変えることによって、変えることができる。編組は、第2の端部に延びる、ワイヤの別個の長さ部分(lengths)から形成され、編組を形成するワイヤの長さ部分の本数は、インプラントの第2の端部におけるワイヤの自由端の数に等しくなる。しかしながら、各ワイヤは、インプラントの第1の端部でループを形成するよう折り畳まれてよく、インプラントの第1の端部におけるループの数が、インプラントの第2の端部における自由端の数の半分に等しくなることに注意されたい。
【0012】
編組することにより本発明のインプラントを形成することは、直径を減少させるように編組構造体を操作することにより、好都合にも首部(throat)を第2の端部に形成することができるという利点を有する。これは、織り合わせなど他の技術を使用してワイヤから形成された構造より、編組構造体で、さらに好都合となり得る。編組を使用するさらなる利点は、編組の長さを適切に選択することにより、好都合にもインプラントのサイズを変えることができることである。
【0013】
本発明のインプラントは、従来の編組設備を使用して作られ得るという利点を有する。これにより、本発明のインプラントの効率的な製造が容易になる。また、結果として得られるインプラントが再生可能に作られることができ、その機械的特性を制御し得るという、さらなる利点を有する。これは、支持構造体が植え込まれるときに、適切な支持を周囲の骨組織に確実に与えるために、重要となり得る。
【0014】
ワイヤの各ループは、ループを形成するよう接合された2本のストランドから形成され得る。しかしながら、ワイヤのループはそれぞれ、連続したループ状ストランドから形成されることが好ましい場合がある。このことは、組み立てやすさおよび信頼性という利点を有する。また、望ましくない鋭利な尖頭を減らすのにも役立つことができ、そうでなければ、鋭利な尖頭はワイヤの端部によりもたらされる場合がある。
【0015】
インプラントの第1の端部のループから第2の端部に向けてワイヤを編組することにより形成される、支持構造体インプラントは、英国特許出願第0903247.5号(代理人整理番号:P211636)の優先権を主張する、本出願と共に出願された国際特許出願に開示されている。その出願の明細書に開示された主題は、この参照により本出願の明細書に組み込まれる。
【0016】
好ましくは、インプラントは、インプラントの第1の端部におけるループ間の間隔を制御する保持器(またはクリップ)を含む。これは、インプラントの剛性およびその形状を制御するのに役立つことができる。保持器は、ループを通って延びる複数のフィンガーを有するクリップを含んでよい。例えば、クリップは、中央ハブと、ハブから半径方向に延びる複数のフィンガーと、を含むことができる。
【0017】
保持器クリップは、差し込み部およびソケットのうち一方を提供することができる。これは、差し込み部およびソケットのうちもう一方を有するプローブ端部を含む挿入ツールと共に使用されてよく、プローブ端部およびクリップは、協働する差し込み部およびソケットによって、互いに係合することができる。
【0018】
したがって、保持器は、その中に形成されたソケットを有してよく、ソケットは編組軸と整列している。ソケットは、概して、インプラントの内側へと開いている。ソケットは、保持器を貫通して延びることができ、あるいは、凹部の形をした止まり穴(blind opening)であってよい。止まり穴は、支持構造体の内側に面する面で開口していてよい。例えば、保持器クリップのハブには、インプラントの内側に対して開口する凹部が形成されていてよい。
【0019】
保持器クリップが複数のフィンガーを含む場合、フィンガーはそれぞれ、少なくとも1つのループを通過し、折り返されてよい。折り重なったフィンガーにより、各ワイヤのループは、ヒンジの屈曲と同じように、フィンガーが折り重ねられた線の周りで旋回することができる。保持器クリップに対するワイヤのそのような動きの範囲は、クリップの周辺で変化してよく、植え込み前、植え込み中、そして植え込まれたときに、インプラントを非対称に変形させる。クリップは、そのような植え込みの間に支持構造体の形状に対する適切な制御を与えることができる。例えば、クリップは、インプラントが極で折り重なる傾向を低減するのに役立つことができ、代わりに、インプラントの形状が少なくとも部分的に湾曲したままであることを確実にする。
【0020】
保持器クリップは、支持構造体インプラントの製造中、ならびに植え込み中および植え込み後に保持器クリップがさらされる力に抵抗できる材料から形成しなければならない。クリップが、折り重ねられるフィンガーを含む場合、クリップの材料は、壊れずに折り畳まれ、また、折り重なった形状を維持することができなければならない。保持器クリップが金属から形成されることが、概して好ましい。適切な金属の例には、例えば植え込み可能な医療装置、特にクリップ装置、の製造に一般に使用されるものなど、特定のステンレス鋼が含まれる。
【0021】
保持器クリップを含む支持構造体インプラントが、英国特許出願第0903249.1号(代理人整理番号:P211637)の優先権を主張する、本出願と共に出願された国際特許出願に開示されている。その出願の明細書に開示された主題は、この参照により本出願の明細書に組み込まれる。
【0022】
支持構造体インプラントは、第1の端部から外側に広がっていてよい。好ましくは、インプラントは、第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで、外側に広がり、その幅広地点と第2の端部との間で内側にテーパー状になる。好ましくは、インプラントの形状は、変形力がない状態で片側から見た場合、概して丸みを帯びている。インプラントは、その軸に垂直な平面における断面で見た場合、ほぼ円形であることがしばしば好ましい。インプラントの長さが、最も幅広の地点におけるインプラントの直径にほぼ等しい場合、支持構造体は、その表面の大半にわたってほぼ球形である。
【0023】
支持構造体インプラントが第1の端部から外側に広がっており、ワイヤループを通って延びるフィンガーを備える保持器クリップを含んでいる場合、各フィンガーは、2つまたは3つ以上の隣接するループを通り抜けることができる。
【0024】
支持構造体インプラントは、型(form)の上にワイヤを編組することにより作られ得る。ピンが、編組軸の周りに延びる列をなして型の上部に設けられ得る。編組ワイヤのループは、それらのピンにワイヤを巻き付けることで形成され得る。ピンは、概して、型の周りで等距離に間隔をあけている。ピンの数は、概して、インプラントを形成するため編組されるワイヤの数の半分に等しい。
【0025】
型の形状は、支持構造体インプラントの所望の形状を考慮して選択されるべきである。例えば、インプラントが概して丸みを帯びた形状を有する必要がある場合、型は、それに応じて丸みを帯びた形状を有する。ワイヤの材料、およびその材料の加工は、インプラントの形状が熱を加えることにより固まる(set)ことができるように選択される。適切に選択された金属材料の形状を固めるのに使用され得る熱処理は、当業者に既知である。
【0026】
支持構造体インプラントが第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで外側に広がり、幅広地点と第2の端部との間で内側にテーパー状になる場合、インプラントは、2つまたは3つ以上の型の組み合わせを用いて、意図する形状に形成され得る。1つの型が、一端部と隣接する幅広地点との間のインプラントの形状を制御するのに使用されてよく、別の型が、幅広地点の向こう側のインプラントの形状を制御するのに使用されてよい。
【0027】
例えば、支持構造体インプラントが一定直径の首部分と、球形部分とを有する場合、第1の型を使用して、首部分、および球形部分の半分を含む、インプラントの部分を作ることができ、第2の型を使用して、球形部分の残りの半分を作ることができる。編組ワイヤは、第1の型がワイヤ内部から取り外される前で、かつ第2の型がワイヤ内部に置かれる前に、第1の型上で熱硬化されてよい。編組ワイヤは、第2の型がワイヤ内部から取り外される前に、第2の型上で熱硬化されてよい。
【0028】
支持構造体インプラントを形成する器具は、ワイヤをその型または各型に対して所定の場所に保持することができる特徴部を備えていてよい。例えば、クランプを使用して、ワイヤを円筒形の型に対して留めることができる。ピンを使用して、ワイヤのループ状端部を型に対して留めることができる。
【0029】
骨空洞内部に位置し、その空洞を画定する骨を支持する、支持構造体インプラントは、以下の:
a.各ワイヤの2本の長さ部分が各ループから延びるように複数のワイヤにおいてループを形成し、そのループを捕捉することと、
b.ワイヤそれぞれの2本の長さ部分を、第1の型の上で編組することと、
c.ワイヤを型上で熱硬化させることと、
d.型をワイヤ内部から取り外すことと、を含む方法により作られ得る。
【0030】
支持構造体は、以下の:
a.各ワイヤの2本の長さ部分が各ループから延びるように複数のワイヤにおいてループを形成し、そのループを支持体に対して留めることと、
b.ワイヤのループによりもたらされた第1の端部、および反対側の第2の端部を有する支持構造体を形成するように、ワイヤそれぞれの2本の長さ部分を編組することと、
c.編組構造体を保持するように支持構造体の第2の端部においてワイヤのそれぞれをクランプすることと、を含む方法により作られ得る。
【0031】
ループは、1組のピンを使用して捕捉されることができ、各ループは、ピンのうち対応する1つの周りに適合する。各ワイヤの長さ部分は、ワイヤがピンの周りを通過した後で、交差しなければならない。長さ部分は、ループ状ワイヤの左手側の各長さ部分が右手側の長さ部分の上を通らなければならないか、あるいは、右手側の各長さ部分が左手側の長さ部分の上を通らなければならないという意味で、器具の周りに対称に交差しなければならない。
【0032】
型は、円筒形部分、および張り出し部分を有してよい。この方法は、編組工程後で、かつ熱硬化工程前に、型の円筒形部分上にワイヤそれぞれの2本の長さ部分をクランプする工程を含んでよい。この方法は、熱硬化工程後にループを集める工程を含むことができる。概して、集める工程に先立って、第1の型を取り外す工程がある。好ましくは、この方法は、第1の型を取り外した後、編組ワイヤ内部に第2の型を置く工程を含む。第2の型は、円筒形部分、および球形部分を有してよい。第2の型の円筒形部分は、第1の熱硬化工程により生じた編組ワイヤの円筒形部分内部に嵌められ、その中でクランプされることができる。ループは、次に、第2の型の球形部分上で集められてよい。集められたループは、それらのループが上に嵌まることができるピンを用いて、第2の型の所定の場所に保持され得る。ループは、第2の型の球形部分の表面上、好ましくは型の軸上に、設けられ得る。2つ(もしくは3つ以上)より多い隣接するループが各ピン上に嵌まり、支持構造体インプラントのテーパー形状を形成することが好ましい場合がある。
【0033】
支持構造体インプラントを形成するこの技術では、第1の型の円筒形部分とクランプとの間の編組ワイヤの位置が、第2の型の球形部分上に嵌まる編組ワイヤの長さを決める。クランプとワイヤのループとの間のワイヤの長さは、ワイヤがピンまたはループ状のワイヤのための別の保持器に適切に嵌まるように、注意深く測定されなければならない。
【0034】
ワイヤは、編組によりワイヤから管状物品を形成するのに従来使用される市販の編組器具を用いて、編組されてよい。支持構造体の機械的特性は、既知のとおり、編組されるワイヤの数、および編組角を変えることによって、制御され得る。
【0035】
ワイヤは、支持構造体インプラントの所望の機械的特性に従って選択されなければならない。関連する変数(variables)には、ワイヤの材料、ワイヤの寸法、ワイヤの構造、およびワイヤの加工が含まれる。
【0036】
好ましくは、ワイヤは金属から形成される。適切な金属の例には、医療用インプラントの製造に一般に使用されるものなどの、特定のステンレス鋼が含まれる。支持構造体インプラントのワイヤを形成するのに、形状記憶合金を使用するのが特に好ましい場合がある。形状記憶合金から形成された物品は、合金のマルテンサイト相とオーステナイト相との間の変質に関連する、形状記憶特性を示すことができる。これらの特性には、形態が熱誘導変化することが含まれ、この変化では、合金がそのマルテンサイト相である間に、物品がまず、熱安定性形態から熱不安定性形態へ変形する。その後、上昇した温度にさらすと、合金がマルテンサイト相からオーステナイト相に戻るので、熱不安定性形態から元の熱安定性形態へ形態が変化する。強化された弾性特性を示すように、特定の形状記憶合金を処理することが可能である。形状記憶合金の強化された弾性特性は、概して周知であり、T W Duerigらによって、「Engineering Aspects of Shape Memory Alloys」(Butterworth-Heinemann (1990))で論じられている。強化された弾性特性を示すように処理された形状記憶合金を、本発明の支持構造体で使用することが特に好ましい。そのような合金の例には、ニッケルチタン系合金、例えば50.8重量%のニッケルを含有するニッケルチタン二元合金、が含まれる。強化された弾性特性を示すように形状記憶合金を処理し、所望の弾性特性を選択する技術は、既知である。
【0037】
各ワイヤストランドは、単一のフィラメントにより提供されることができる。各ワイヤストランドは、複数のフィラメントにより提供されることができる。単一のフィラメントにより提供されたワイヤを使用することは、それらのフィラメントがもたらし得る機械的支持特性により、概して好ましい。
【0038】
ループの数は、支持構造体インプラントを形成するため編組機器により操作されるワイヤの数の半分に等しい。例えば、インプラントは、12本のワイヤ、または24本のワイヤ、または48本のワイヤ、または96本のワイヤ、または192本のワイヤで形成され得る。支持構造体の第1の端部におけるループの数は、それぞれ6、12、24、48、96個である。
【0039】
各ワイヤストランドの横寸法(ワイヤが円形断面を有する場合は直径)は、概して、約1.0mm以下、好ましくは約0.7mm以下、例えば約0.5または約0.6mmである。横寸法は、概して少なくとも約0.1mmである。
【0040】
好ましくは、リングクランプは、外側リングを含み、ワイヤは、内側支持リングと外側リングとの間に嵌められてよい。これは、内側支持リング上に収縮し得る外側リングを使用することにより達成され得る。外側リングは、機械構造(mechanical arrangement)を含んでよく、この機械構造により、外側リングは、例えばクリンプの形で収縮させられ得る。好ましくは、外側リングは、形状記憶合金から形成され、形状記憶合金は、その合金がマルテンサイト相からオーステナイト相に戻る際に、熱不安定性の拡張形態から、熱安定性の収縮形態へと縮むように、処理されたものである。形状記憶合金のそのような挙動は、「Encyclopedia of Chemical Technology」(編集:Kirk-Othmer)、第20巻、726〜736ページの、L McDonald Schetkyによる記事で論じられている。熱誘導形状記憶特性を示すように形状記憶合金を処理し、合金の適切な機械的特性および遷移温度を選択する技術は、既知である。
【0041】
US−4770725に開示されたものなど、NiTiNb合金から外側リングを形成するのが好ましいであろう。そのような合金は、患者に植え込まれるべき装置について適切な範囲の遷移温度で、製造され得る。
【0042】
形状記憶合金の遷移温度は、合金の組成、および合金を処理するのに使用される技術により、影響を受ける。好ましくは、合金は、その特徴的なAsおよびAf遷移温度がそれぞれ65℃および165℃になるように、製造される。このように処理された合金は、−60〜+300℃の範囲の温度にさらされると、適切なクランプ力を維持することができる。クランプ力は、合金を−120℃未満の温度にさらすことにより解除され得る。
【0043】
本発明は、本発明の支持構造体インプラントと、挿入ツールと、を含む組立体も提供する。挿入ツールは、支持構造体が植え込まれるべき場所に支持構造体を置くのに使用されてよい。挿入ツールは通常細長い。挿入ツールは、通常比較的剛性である。そして、挿入ツールは、この目的のため準備された骨のボアを通して骨空洞へ支持構造体インプラントを挿入するのに使用されることができる。
【0044】
挿入ツールは、(a)インプラントの第1の端部における保持器クリップに係合するのに使用され得るプローブ端部と、(b)リングクランプ上の係合形成物と協働することができる係合部分と、を含むことができる。プローブ端部および係合部分は、ツールの軸と整列する方向に、互いに対して動くことができる。挿入ツールは、プローブ端部と係合部分との間で相対運動を引き起こすことができるアクチュエーターを含んでよい。プローブ端部がインプラントの第1の端部で保持器クリップと係合され、ツールの係合部分がインプラントの第2の端部でクランプ係合部分と係合されると、アクチュエーターは、インプラントの長さを、そしてその結果、インプラントの幅を、変更するのに使用され得る。例えば、アクチュエーターは、インプラントの長さを増大させ、インプラントの幅を減少させるために使用されてよく、そうすると、インプラントは、骨に形成されたボアを通して患者に植え込まれることができる。インプラントが意図する場所に置かれたら、アクチュエーターは、インプラントがその未変形形態に向けて戻ることができるように、また、その後、周囲組織への支持を与えることができるように、解放され得る。
【0045】
支持構造体インプラントと挿入ツールとの組立体は、英国特許出願第0903251.7号(代理人整理番号:P211639)の優先権を主張する、本出願と共に出願された国際特許出願に開示されている。その出願の明細書に開示された主題は、この参照により本出願の明細書に組み込まれる。
【0046】
別の構成では、インプラントは、送達装置に収まってよく、送達装置内で、インプラントは、患者の骨のボアを通して送達されるように閉じ込められる。インプラントは、送達装置から放出され、支持構造体が植え込まれる空洞を画定する骨の表面に向けて、拡張することができる。そのような拡張は、インプラントの材料の弾性、例えば特定の形状記憶合金から利用可能である強化された弾性、に依存し得る。
【0047】
好ましくは、リングクランプは、係合形成物を有し、係合形成物によって、インプラントを挿入ツールに接続することができる。適切な係合形成物の例には、ねじ山、および差し込みピン取り付け部品が含まれ得る。これらの、また他の適切な係合構造は、他のインプラント、およびそれらを植え込む器具から既知である。
【0048】
好ましくは、係合形成物は、リングクランプの延長部、例えば内側支持リングの延長部、に設けられる。この延長部は、通常、編組ワイヤの端部を越えて延びている。好ましくは、延長部および内側支持リングは、単体の材料、特に金属、例えばステンレス鋼、から形成される。
【0049】
好ましくは、ボアが、任意の延長部を含む、リングクランプを貫通して延びて、材料が、そのボアを通過して、インプラント内部の空洞の中へと入ることができる。これは、空洞内部に細切除去された骨組織を置くのに使用されることができる。
【0050】
好ましくは、リングクランプと、首部分に向けてテーパー状になる構造体の部分(球形部分の極先端(polar extremity)であろう)との間の、支持構造体インプラントの首部分の長さは短い。これには、インプラントの幅広部分が内側に変形した場合に首部分が圧縮に抵抗して支持され得るという利点がある。例えば、(a)内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面と、の間の距離の、(b)首部分の直径に対する割合は、約0.7以下、より好ましくは約0.5以下、特に約0.4以下、例えば約0.3以下、具体的には約0.1であるのが好適であろう。
【0051】
好ましくは、内側支持リングと、テーパー部分と首部分との間の界面と、の間の距離は、約10mm以下、より好ましくは約7mm以下、特に約5mm以下である。
【0052】
支持構造体インプラントの寸法は、インプラントが植え込まれるべき骨空洞のサイズに従って製造される場合に、変えることができる。インプラントが、例えば大腿骨頭に、AVNを持つ患者の治療に使用される場合、空洞は、15〜35mmの横寸法(球形空洞の直径に近い)を有するであろう。したがって、インプラントの横寸法は、好ましくは少なくとも約15mm、さらに好ましくは少なくとも約20mm、特に少なくとも約30mmである。インプラントの横寸法は、概して、約40mm以下、好ましくは約35mm以下である。インプラントは、骨空洞にぴったり嵌まらなければならず、恐らくは、植え込まれたときに少なくとも一部の寸法で、圧縮がいくらか残っている。
【0053】
インプラントの首部分の適切な横寸法に影響を及ぼす要因には、長さに沿って骨組織(例えば細切除去された骨組織)の再生を刺激する材料を通す能力、インプラントと挿入ツールとの間の係合、および、インプラントを植え込む、準備された骨空洞内へと、骨のボアに沿ってインプラントが入ること、が含まれ得る。編組ワイヤにより定められる首部分の内側横寸法は、好ましくは、約12mm以下、さらに好ましくは約10mm以下、例えば約9mm以下である。編組ワイヤにより定められる首部分の内側横寸法は、好ましくは少なくとも約4mm、さらに好ましくは少なくとも約6mm、例えば少なくとも約7mmである。内側支持リングの壁厚は、例えば外側リングにより加えられる圧縮力に抵抗して、リングクランプに適切な支持を与えることを前提として、最小に維持されるべきである。
【0054】
インプラントは、骨内の空洞に植え込まれて、骨を支持することができる。インプラントは、例えば大腿骨頭で、無血管壊死を治療するのに使用され得る。インプラントは、例えば骨粗鬆症の治療において、椎骨構造の減衰(degradation)を治療するのに使用され得る。インプラントは、例えば腫瘍を患っている骨の治療において、組織の除去の結果弱まった骨構造を治療するのに使用され得る。
【0055】
支持構造体インプラントは、骨のボアを通じて、骨の空洞内部に配備され得る。ボアは、ドリル、またはリーマーなどの別の切断ツールを使用して準備されることができる。インプラントを、例えば大腿骨頭において、AVNの治療に使用する場合、ボアは、外側大腿皮質(lateral femoral cortex)を通って、大腿頸部に沿って、延びることができる。ボアは、単純にするため真っ直ぐであってよい。特に大腿骨頭の上方領域にインプラントを位置させるため、ボアが湾曲しているのが有利となり得る。ボアは、通常、断面が円形である。好ましくは、ボアの直径は、少なくとも約3mm、さらに好ましくは少なくとも約5mm、例えば少なくとも約7mmである。好ましくは、ボアの直径は、約20mm以下、さらに好ましくは約15mm以下、例えば約10mm以下、である。
【0056】
AVNを治療する外科処置で使用される、骨に湾曲したボアを形成する器具は、US−A−2005/0203508およびWO−A−2008/099176に開示されている。
【0057】
本発明の実施形態は、添付図面を参照しながら、例として説明される。
【0058】
図面を参照すると、図1は、撚り合わせた支持構造体インプラント2を示しており、インプラント2は、骨の空洞に植え込まれて、その空洞を画定する骨を支持することができる。インプラントは、インプラントの第1の端部6で丸みを帯びた球形部分4、およびインプラントの第2の端部10における円筒形の首部分8を有する。
【0059】
インプラント2は、強化された弾性特性を示すように処理されているニッケルチタン形状記憶合金から形成された12本のワイヤ12から形成される。これらのワイヤは、0.5mmの直径を有する。
【0060】
ワイヤはそれぞれ、ループ14へと形成される。これらのループは、インプラントの第1の端部6で共に集められて、各ワイヤの2本の長さ部分が第1の端部から延びる。したがって、インプラントの第1の端部から延びるワイヤの24本の長さ部分があり、これらは編組される。球形部分4の形態は、インプラントが第1の端部6から幅広地点16に向けて外側に広がり、幅広地点から首部分8に向けて内側へテーパー状になるようになっている。
【0061】
インプラントは、その第1の端部に保持器クリップ18を含み、保持器クリップは、ワイヤ12に形成された12個のループ14に係合して、それらの間隔を制御する。保持器クリップは、図3を参照して、以下でさらに詳細に説明する。
【0062】
インプラントは、リングクランプ20を含む。リングクランプの詳細は、図2に示される。リングクランプ20は、内側支持リング22、および外側リング24を含む。内側支持リングは、ステンレス鋼から形成される。内側支持リングは、円筒形支持表面26を定め、円筒形支持表面は、第1の端部から段部28まで、リングに沿って軸方向に延びる。内側支持リングは、その第2の端部において、段部28の向こう側に、外側にねじ山の付いたカラー30を有する。
【0063】
外側リング24は、ニッケルチタン系形状記憶合金から形成され、この合金は、合金の特徴的なAf温度を超える温度に加熱されてリングを半径方向に収縮させるように処理される。
【0064】
リングクランプは、装置の第2の端部において編組ワイヤ12の端部を固定するのに使用され得る。内側支持リング22の円筒形支持表面26の外径は、首部分8における編組ワイヤの内径にほぼ等しい。編組ワイヤは、自由端が段部28に隣接した状態で、支持表面26に取り付けられるように刈り込まれる。外側リング24は、ワイヤ上に収縮し、ワイヤが、外側リングと支持表面との間で堅くクランプされる。抑制なしで収縮できる場合の、外側リングの内径は、内側支持リングの円筒形支持表面上に嵌められるときにワイヤの外径よりわずかに小さい。
【0065】
図3は、支持構造体インプラントの第1の端部で使用されて、ループ14を集合形態に保つ、保持器クリップ18を示す。クリップは、中央ハブ30と、ハブから半径方向に延びる6個のフィンガー32と、を含む。ハブには穴34が貫通して延びている。クリップは、圧搾によってステンレス鋼シートから形成される。
【0066】
図4は、ワイヤ12に形成された、整列したループ14を示す。図に示すように、ループは、対になって整列している。整列したループの各対内部では、一方のループがもう一方のループに対して右回り方向に転置されると考えることができる。これに基づいて、各対の右回りループが、左回りループの下に位置付けられているのを、図4で見ることができる。逆の構成を、別の方法で使用することもできる。
【0067】
保持器クリップ18のフィンガー32それぞれは、ワイヤ12に形成された2個の整列したループ14を通過することができる。各フィンガーは、折り返され、その後、折り重ね形状を維持することができる。
【0068】
インプラントの第1の端部で保持器クリップを使用することは、インプラントが横方向の圧縮力を受けるときに、第1の端部で折り重なる傾向がある、保持器クリップを含まないインプラントと比べて、横方向の圧縮力を受けた際に第1の端部で、より平らで丸みを帯びた形状(flatter, more rounded shape)を有する傾向があることを意味している。
【0069】
図5a、図5bおよび図6は、本発明による支持構造体インプラントを製造する第1工程で編組機器に使用され得る、第1のマンドレル102を示す。第1のマンドレルは、主要部品103(図5a)、および取り外し可能部品104(図5b)を有する。
【0070】
マンドレルの主要部品103は、第1の端部106から第2の端部114へと延びる。主要部品は、第1の端部における一定直径の幅広部分110と、第2の端部114における一定直径の小幅部分112と、を有する。マンドレルは、幅広部分110と小幅部分112との間に、半球形の遷移部分116を含む。
【0071】
マンドレルの主要部品は、第1の端部に形成された止まりソケット111を有する。
【0072】
マンドレルの取り外し可能部品104は、幅広部分110の端部で、主要部品と端部同士を接して据え付けられていてよい。取り外し可能部品は、差し込み部115を有し、差し込み部は、マンドレルの主要部品のソケット111に嵌まることができる。幅広部分と端部同士を接して据え付けられるところの直径は、幅広部分の直径と同じである。取り外し可能部品は、裁頭円錐形状(frustoconical shape)を有し、主要部品から離れる方向へ内側にテーパー状になる。
【0073】
マンドレルの取り外し可能部品104は、その円筒形外側表面に形成された12個のボア120を有する。ピンが、マンドレルの主要部品の幅広部分に近接して、マンドレルの外周の周りに等しく離間している。図6に示すように、ピン122が、ボア120それぞれに嵌められることができる。ワイヤの12本の長さ部分は、インプラントを製造するため、編組機器に使用される。使用中、ワイヤの各長さ部分は、1つのボビンから、マンドレル上のピンのうち1つの周囲に延びて、別のボビンに戻るように、構成される。各ワイヤは、ピンに巻き付けられて、そのワイヤの2本の長さ部分が、ピンとボビンとの間で交わる。各ワイヤは、同じ方向(右回りまたは左回り)に、対応するピンの周りを通過する。
【0074】
マンドレルの主要部品は、第1の端部に形成されたソケットを有する。マンドレルの取り外し可能部品には、差し込み部が形成されている。主要部品および取り外し可能部品は、取り外し可能部品の差し込み部を主要部品のソケットの中に位置させることにより、共に適合され得る。あるいは、第1のマンドレルは、分離可能な主要部品および取り外し可能部品を有する代わりに、単一の構成要素として作られてもよい。第1のマンドレルは、図6で、使用する準備ができているところが図示されており、取り外し可能部品104の差し込み部115が、主要部品103のソケット111に受容されている。
【0075】
第1のマンドレル102の実施形態の寸法は以下のとおりである:
【表1】
【0076】
図7は、第2のマンドレル130を示す。第2のマンドレルは、第1のマンドレルの一定直径の小幅部分122と同じ寸法を有する、一定直径の小幅部分132を有する。一定直径の小幅部分は、球形部分134に接合される。第2のマンドレルの球形部分の直径は、第1のマンドレルの半球形遷移部分116の直径と同じである。第2のマンドレルは、第1の端部に6個の穴136を有し、これらの穴は、マンドレルの極周辺で等しく離間している。ピンはこれらの穴に嵌まることができる。
【0077】
本発明による支持構造体インプラントは、50.8重量%のニッケルを含有する二元ニッケルチタン合金から作られたワイヤから製造されることができる。この合金は、ワイヤが20〜45℃の範囲の温度で、強化された弾性特性を示すように処理される。
【0078】
第1のマンドレルは、編組機器で使用され、編組機器は、ワイヤから編組物品を形成するのに従来使用されるような、対応する駆動部および台を備えた、複数のボビンを有する。編組機器は、ボビンとピンとの間で編まれた(laid up)ワイヤから、マンドレル上に管状編組を構築するように、従来どおり操作され、各ワイヤは、第1のボビンから、ピンの周りを延びて、第2のボビンに戻る。
【0079】
編組ワイヤを備えたマンドレルは、ワイヤが幅広部分110、半球形遷移部分116上で、そして小幅部分112上へ編組された後で、編組機器内部から取り外される。第1および第2のクランプが、ワイヤに取り付けられて、それらを、円筒形小幅部分112に対してクランプする。第1のクランプは、半球形遷移部分116にできるだけ近接して位置付けられる。第2のクランプは、クランプ間における編組管状スリーブの長さが、インプラントの首部分を形成するのに十分長く、編組がほどけないように、位置付けられる。クランプは、ワイヤおよびマンドレルの周りで締められることができなければならない。クランプのデザインは、例えばホースクランプを含んでよい。適切なクランプは、ウォーム駆動のように、ねじ山アクチュエーターを利用することができる。
【0080】
編組管状スリーブを備えた第1のマンドレルが、次に、15分間500℃のオーブンの中に置かれ、ワイヤを熱硬化させて、ワイヤはマンドレルの形状に従う。
【0081】
次に、第1および第2のクランプは取り外され、第1のマンドレル102は、編組管状スリーブ内部から取り外される。第1のマンドレルは、第2のマンドレル130と置き換えられる。図8に示すように、第3のクランプ138および第4のクランプ140が、スリーブに嵌められ、ワイヤを円筒形小幅部分132に対してクランプする。第3のクランプは、球形遷移部分134にできるだけ近接して位置付けられる。第4のクランプは、クランプ間の編組管状スリーブの長さが、インプラントの首部分を形成するのに十分長く、編組がほどけないように、位置付けられる。
【0082】
ピンを受容する第1のマンドレルの穴120と、第1のマンドレルの半球形部分116と一定直径の幅広部分110との間の遷移部との間の距離は、第2のマンドレルの球形部分134の球形表面における、その赤道と、ピンを受容する穴136との間で測定した距離と同じである。したがって、スリーブの真っ直ぐな部分は、マンドレルの球形部分134の周辺で引き締められることができ、ワイヤのループ14は、穴136上に嵌められ、ピンによってそこに保持される。2つのループが、各ピンによって所定の場所に保持される。編組管状スリーブを備えたマンドレルは、その後、15分間、500℃のオーブンに入れられ、ワイヤを熱硬化させ、ワイヤは、第2のマンドレルの球形状に従い、第2のマンドレルはその後、スリーブ内部から取り外される。
【0083】
保持器クリップは、図3を参照して前述したように、編組スリーブの第1の端部で嵌められる。
【0084】
リングクランプ150が、スリーブの第2の端部で嵌められる。リングクランプは、図1および図2を参照して前述されている。編組ワイヤは、首部分のワイヤの長さにより、内側支持リング22の円筒形支持表面26が首部分内部に嵌まり、ワイヤが支持表面上に位置して、段部28に隣接することができるように、切断される。外側リング24は、ワイヤ上へ収縮し、ワイヤは、外側リングと支持表面との間で堅くクランプされる。外側リングの内径は、何の抑制もなく収縮することができる場合、内側支持リングの円筒形支持表面上に嵌められると、ワイヤの外径よりわずかに小さくなる。
【0085】
支持構造体インプラントは、例えば大腿骨頭におけるAVNの治療において、骨空洞に植え込まれて、その空洞を画定している骨を支持することができる。
【0086】
第1工程は、管状ボアを形成することを伴い、管状ボアは、外側皮質から大腿骨頸部に沿って延び、大腿骨頭の罹患領域とつながる。これは、ドリルなどの、ボア切断ツールで行うことができる。
【0087】
第2工程は、壊死組織を切り取ることを伴う。これは、US−A−2005/0240193およびWO−A−2008/0099187に開示されたもののような、壊死組織近傍に配備され得るカッターを使用して、達成することができる。その後、骨は、本発明のインプラントを受容する準備ができる。
【0088】
図9は、植え込みに使用され得る挿入ツール200を示し、挿入ツールは、中空シース202を含み、中空シースは、その内部でスライドするように構成されたシャフト204を有している。シースは、その遠隔端部にコネクタ206を有し、コネクタは、リングクランプ20の内側支持リング22のねじ山30に係合できるように内側にねじ山が切られている。
【0089】
シャフト204は、保持器クリップ18のハブ30の穴34内に嵌まることができる、先端部208を有する。
【0090】
したがって、支持構造体インプラント2は、シャフト204の先端部208をインプラントの首部に挿入して、コネクタ206のねじ山がリングクランプ20の内側支持リング22のねじ山30に係合できるまでシース202を前進させることによって、挿入ツール200に嵌められ得る。図10は、このように組み立てられたインプラントおよび挿入ツールを示しており、内側支持リング22と保持器クリップ18との間に延びるワイヤ12が概略的に図示されている。
【0091】
シャフト204の先端部208は、保持器クリップのハブの穴34に受容されるまで、シース202に対して前進することができる。シース202に対してシャフト204を遠くへ前進させることにより、インプラント2は細長くなり、インプラントの幅が結果として減少する。このように、例えば約300〜400Nの力を加えることで、インプラントの長さ(リングクランプの端部からインプラントの第1の端部まで)は、22mmから約30mmへ増大することができ、インプラントの最大幅は、22mmから約12mmに減少し得る。インプラントは、図11では、細長い形態で図示されている。このようなインプラントの変形により、インプラントは、患者の骨のボアに沿って、骨の空洞に入ることができる。クリップの折り重ねられたフィンガー32により、ヒンジを屈曲させるのと同じように、フィンガーが折り重ねられた線の周りでワイヤそれぞれのループが旋回することができる。保持器クリップに対するワイヤのこのような動きの範囲は、クリップ周辺で変えることができ、植え込み前および植え込み中、および植え込まれる際の、インプラントの非対称な変形を可能にする。クリップは、そのような植え込みのために変形すると、支持構造体の形状に対する制御を提供することができる。例えば、クリップは、インプラントが極で折り重なる傾向を低減するのに役立つことができ、代わりに、インプラントの形状が少なくとも部分的に湾曲したままであることを確実にする。
【0092】
挿入ツール200はその後、コネクタ206のねじ山をリングクランプ20の内側支持リング22のねじ山30から外すことによりインプラントから係合解除され、患者の骨内部から取り外されることができる。次に、骨片は、リングクランプのボアおよびインプラントの首部分を通して空洞内部に置かれることができる。
【0093】
本発明のインプラントの利点は、インプラントを骨空洞内部から取り外す処置において、リングクランプのねじ山が、前述した挿入ツールに類似していてよいツールに係合するのに使用され得ることである。
【0094】
〔実施の態様〕
(1) 骨空洞内部に位置し、前記空洞を画定する骨を支持する、支持構造体インプラントにおいて、
前記構造体は、前記構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて延びる、組み合わせたワイヤから形成され、
前記構造体は、前記第1の端部から、前記第1の端部と前記第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで外側に広がり、前記第2の端部における一定断面の首部分まで、前記幅広地点と前記第2の端部との間で内側にテーパー状になり、
前記構造体は、前記首部分において前記ワイヤを保持するリングクランプを前記第2の端部に含み、前記リングクランプは、内側支持リングを含み、
(a)前記内側支持リングと、前記テーパー部分と前記首部分との間の界面との間の距離の、(b)前記首部分の直径に対する割合は、約1.0以下である、インプラント。
(2) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記構造体は、前記構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて縦方向に編組することにより、ワイヤから形成される、インプラント。
(3) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記内側支持リングと、前記テーパー部分と前記首部分との間の界面との間の距離は、約10mm以下である、インプラント。
(4) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記リングクランプは、外側リングを含み、
前記ワイヤは、前記内側支持リングと前記外側リングとの間に嵌まることができる、インプラント。
(5) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記リングクランプは、係合形成物を有し、前記係合形成物によって、前記インプラントは、挿入ツールに接続されることができる、インプラント。
【0095】
(6) 実施態様5に記載のインプラントにおいて、
前記係合形成物は、ねじ山の形をしている、インプラント。
(7) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記構造体の前記第1の端部における前記ワイヤ間の間隔を制御するクリップを含み、
前記クリップは、その中に形成された凹部を有する、インプラント。
(8) 実施態様1に記載のインプラントにおいて、
前記ワイヤは、金属から形成される、インプラント。
(9) 実施態様8に記載のインプラントにおいて、
前記ワイヤは、形状記憶合金から形成される、インプラント。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】骨空洞内部に位置し、その空洞を画定する骨を支持する、撚り合わせた支持構造体インプラントの側面図である。
【図2】線II−II上の、図1に示すインプラントの一部を貫通した断面図である。
【図3】本発明のインプラントに使用され得る保持器クリップの、下から見た等角図である。
【図4】第1の端部を示す、撚り合わせた支持構造体インプラントの上面図であり、保持器クリップが取り外されている。
【図5a】編組支持構造体インプラントを作るのに使用され得る第1のマンドレルの主要部品および取り外し可能部品の等角図である。
【図5b】編組支持構造体インプラントを作るのに使用され得る第1のマンドレルの主要部品および取り外し可能部品の等角図である。
【図6】図5に示す第1のマンドレルの側面図である。
【図7】編組支持構造体インプラントを作るのに使用され得る第2のマンドレルの等角図である。
【図8】インプラント製造中に第2のマンドレル上に位置付けられる、編組支持構造体インプラントを示す。
【図9】インプラントを植え込むのに使用され得る器具を示す。
【図10】図9に示すような器具上に組み立てられる、本発明のインプラントを示す。
【図11】図10に示すインプラントおよび器具を示し、インプラントは、器具によって、植え込まれるよう変形している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨空洞内部に位置し、前記空洞を画定する骨を支持する、支持構造体インプラントにおいて、
前記構造体は、前記構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて延びる、組み合わせたワイヤから形成され、
前記構造体は、前記第1の端部から、前記第1の端部と前記第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで外側に広がり、前記第2の端部における一定断面の首部分まで、前記幅広地点と前記第2の端部との間で内側にテーパー状になり、
前記構造体は、前記首部分において前記ワイヤを保持するリングクランプを前記第2の端部に含み、前記リングクランプは、内側支持リングを含み、
(a)前記内側支持リングと、前記テーパー部分と前記首部分との間の界面との間の距離の、(b)前記首部分の直径に対する割合は、約1.0以下である、インプラント。
【請求項2】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記構造体は、前記構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて縦方向に編組することにより、ワイヤから形成される、インプラント。
【請求項3】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記内側支持リングと、前記テーパー部分と前記首部分との間の界面との間の距離は、約10mm以下である、インプラント。
【請求項4】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記リングクランプは、外側リングを含み、
前記ワイヤは、前記内側支持リングと前記外側リングとの間に嵌まることができる、インプラント。
【請求項5】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記リングクランプは、係合形成物を有し、前記係合形成物によって、前記インプラントは、挿入ツールに接続されることができる、インプラント。
【請求項6】
請求項5に記載のインプラントにおいて、
前記係合形成物は、ねじ山の形をしている、インプラント。
【請求項7】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記構造体の前記第1の端部における前記ワイヤ間の間隔を制御するクリップを含み、
前記クリップは、その中に形成された凹部を有する、インプラント。
【請求項8】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記ワイヤは、金属から形成される、インプラント。
【請求項9】
請求項8に記載のインプラントにおいて、
前記ワイヤは、形状記憶合金から形成される、インプラント。
【請求項1】
骨空洞内部に位置し、前記空洞を画定する骨を支持する、支持構造体インプラントにおいて、
前記構造体は、前記構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて延びる、組み合わせたワイヤから形成され、
前記構造体は、前記第1の端部から、前記第1の端部と前記第2の端部との間の幅広地点における最大横寸法まで外側に広がり、前記第2の端部における一定断面の首部分まで、前記幅広地点と前記第2の端部との間で内側にテーパー状になり、
前記構造体は、前記首部分において前記ワイヤを保持するリングクランプを前記第2の端部に含み、前記リングクランプは、内側支持リングを含み、
(a)前記内側支持リングと、前記テーパー部分と前記首部分との間の界面との間の距離の、(b)前記首部分の直径に対する割合は、約1.0以下である、インプラント。
【請求項2】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記構造体は、前記構造体の第1の端部から反対側の第2の端部に向けて縦方向に編組することにより、ワイヤから形成される、インプラント。
【請求項3】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記内側支持リングと、前記テーパー部分と前記首部分との間の界面との間の距離は、約10mm以下である、インプラント。
【請求項4】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記リングクランプは、外側リングを含み、
前記ワイヤは、前記内側支持リングと前記外側リングとの間に嵌まることができる、インプラント。
【請求項5】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記リングクランプは、係合形成物を有し、前記係合形成物によって、前記インプラントは、挿入ツールに接続されることができる、インプラント。
【請求項6】
請求項5に記載のインプラントにおいて、
前記係合形成物は、ねじ山の形をしている、インプラント。
【請求項7】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記構造体の前記第1の端部における前記ワイヤ間の間隔を制御するクリップを含み、
前記クリップは、その中に形成された凹部を有する、インプラント。
【請求項8】
請求項1に記載のインプラントにおいて、
前記ワイヤは、金属から形成される、インプラント。
【請求項9】
請求項8に記載のインプラントにおいて、
前記ワイヤは、形状記憶合金から形成される、インプラント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−518511(P2012−518511A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551533(P2011−551533)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050335
【国際公開番号】WO2010/097635
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(500353989)デピュー インターナショナル リミテッド (40)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050335
【国際公開番号】WO2010/097635
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(500353989)デピュー インターナショナル リミテッド (40)
【Fターム(参考)】
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