説明

高い光沢を有するスティック状化粧品

本発明は、少なくとも約85グロスユニット(gu)のグロス、ならびにスティック状化粧品を形成するのに十分な形状保持特性を有する化粧用組成物を提供する。特に、この化粧用組成物は:(a)高粘度オイル成分;(b)中粘度オイル成分;(c)低粘度オイル成分;ならびに(d)グリセロールまたはポリグリセリンと脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸および二塩基酸とのエステルを含むオイル状のゲル化剤を含む。本発明の化粧用組成物により形成されたスティック状化粧品は、従来のスティック状化粧品では得られない高い光沢を示しながらも、従来のスティック状化粧品により通常提供される高いメークアップカバー力を維持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リップスティック、ファンデーションスティック、ブラッシュスティック、アイシャドウスティックなどのスティック状化粧品を形成するのに好適な化粧用組成物に関する。このように形成されるスティック状化粧品は、従来のスティック状化粧品においては得られない並外れた光沢により特徴づけられる。
【背景技術】
【0002】
絶対に欠かせない化粧品は何であるかと女性に尋ねると、通常高い割合が、リップカラーが彼女たちの化粧ダンスの必須アイテムであると返答する。リップ製品は種々の形態で提供されるが、その形態は使用者が所望する外見によって異なる。この製品は、高度に着色されているか、真珠光沢があるか、マットであるか、またはグロス/光沢があるであろう。リップカラーの高いグロス/光沢があるタイプは現在特に人気がある。このような製品によりもたらされる外見は非常に魅力的であり、官能的である。
【0003】
しかしながら、高いグロス/光沢を有する従来のリップカラー組成物は通常、液状(例えば、液状のリップグロス)または半固体状(例えば、リップクリームまたはリップペースト)であり、それらはフリースタンディング(free-standing)のリップスティックの形成に用いるには柔らか過ぎるか、または「流れやすい(runny)」。さらに、このような従来のリップグロス、リップクリーム、およびリップペーストは十分に高いメークアップカバー力を提供しないため、通常従来のマットなリップスティックのトップコートとして適用されて所望のグロス/光沢を提供する。これに対して、フリースタンディングのリップスティックを形成するのに好適であり、十分なメークアップカバー力を有する従来の固体状リップカラー組成物は通常、顕著に低いグロス/光沢により特徴づけられる不透明でぼんやりしたコーティングをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、従来の液状リップグロスまたは半固体状リップクリーム/ペーストと同様の高いグロス/光沢を有し、フリースタンディングのスティック状化粧品を形成するのに十分な形状保持特性も有していて、従来のマットなリップスティックに近い高いメークアップカバー力を提供する改善された化粧用組成物が提供されることが望ましい。優れた塗布可能性、独特のクッション性のある贅沢な感触を提供し、よって着け心地のよい改善された化粧用組成物が提供されることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、少なくとも:
(a)第1粘度を有する高粘度オイル成分;
(b)上記第1粘度より低い第2粘度を有する中粘度オイル成分;
(c)上記第2粘度よりも低い第3粘度を有する低粘度オイル成分;ならびに
(d)グリセロールまたはポリグリセリンと脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸および二塩基酸とのエステルを含むオイル状のゲル化剤
を含む化粧用組成物に関し、
該化粧用組成物は、約85グロスユニット(gu)以上のグロスにより特徴づけられ、かつスティック状化粧品を形成するのに十分な形状保持特性を有する。
【0006】
好ましくは、第1粘度は約25℃において約100センチポイズ〜約300センチポイズの範囲にあり;第2粘度は約25℃において約10センチポイズ〜約100センチポイズの範囲にあり;かつ第3粘度は約25℃において約0.1センチポイズ〜約100センチポイズの範囲にある。より好ましくは、第1粘度は約25℃において約150センチポイズ〜約250センチポイズの範囲にあり;第2粘度は約25℃において約50センチポイズ〜約80センチポイズの範囲にあり;かつ第3粘度は約25℃において約5センチポイズ〜約30センチポイズの範囲にある。
【0007】
本明細書において使用する用語「グロスユニット」は、化粧用組成物または化粧品のグロスまたは光沢を定量化するための単位であり、実施例2に後述する試験方法により具体的に決定される。本明細書において使用する用語「形状保持特性」は、外部の装置または手段から何ら構造的に支持されることなく元来成形されたまたは配合(formulated)された特定の形状を維持することにおける、化粧用組成物または化粧品の能力を指す。このような形状保持特性は、種々の異なるパラメーターにより特定することができる。好ましくは、本発明の化粧用組成物の形状保持特性は、50℃以上、より好ましくは60℃以上、最も好ましくは70℃以上の滴点により特定される。
【0008】
別の態様では、本発明は上記の化粧用組成物により形成されるスティック状化粧品に関する。特に、このようなスティック状化粧品は約70℃以上の滴点により特徴づけられる。このようなスティック状化粧品は:(a)約10ポンド以上の破断点(breakage point)、および/または(b)約2キログラム以上の破砕点(crush point)によりさらに特徴づけられ得る。
【0009】
さらに別の態様では、本発明は:
(a)約20 wt%〜約80 wt%の、約25℃において約100センチポイズ〜約300センチポイズの範囲の第1粘度を有する高粘度オイル成分;
(b)約0.1 wt%〜約5 wt%の、上記第1粘度よりも低い第2粘度(該第2粘度は約25℃において約10センチポイズ〜約100センチポイズの範囲にある)を有する中粘度オイル成分;
(c)約0.1 wt%〜約5 wt%の、上記第2粘度よりも低い第3粘度(該第3粘度は約25℃において約0.1センチポイズ〜約100センチポイズの範囲にある)を有する低粘度オイル成分;ならびに
(d)約0.1 wt%〜約5 wt%の、グリセロールまたはポリグリセリンと脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸および二塩基酸とのエステルを含むオイル状のゲル化剤
を含む化粧用組成物に関する。
【0010】
さらに他の態様では、本発明は、以下のステップ:
(a)第1粘度を有する高粘度オイル成分、上記第1粘度よりも低い第2粘度を有する中粘度オイル成分、上記第2粘度よりも低い第3粘度を有する低粘度オイル成分、ならびにグリセロールまたはポリグリセリンと脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸および二塩基酸とのエステルを含むオイル状のゲル化剤を含む化粧用組成物(ここで、該化粧用組成物は約85グロスユニット(gu)以上のグロスにより特徴づけられ、かつ該スティック状化粧品を形成するのに十分な形状保持特性を有する)を形成するステップ;
(b)上記化粧用組成物を1以上のスティック状のキャビティーを有する成形型に注入するステップ;および
(c)上記化粧用組成物を上記成形型中で凝固させ、これにより1以上のスティック状化粧品を形成するステップ
を含んでなるスティック状化粧品の形成方法に関する。
【0011】
本発明の他の態様および目的は、これを確保する発明の詳細な説明、実施例、および特許請求の範囲からさらに明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の化粧用組成物は、4種の基本的な要素:グリセロールまたはポリグリセリンと脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸および二塩基酸とのエステルを含むオイル状のゲル化剤と混合された、高粘度オイル成分、中粘度オイル成分、ならびに低粘度オイル成分を含む。これらの4要素を組み合わせることにより、十分な形状保持特性を有し、高い光沢/グロスを有するスティック状化粧品を形成するのに好適な高粘性組成物が得られる。
【0013】
本発明に使用するオイル状のゲル化剤は:(1)置換されていても非置換であってもよい8〜30炭素原子を有する直鎖状または分岐状の脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸、(2)12〜36炭素原子を有する直鎖状または分岐状の二塩基酸、および(3)グリセロールまたはポリグリセリンを、当技術分野において周知のエステル化方法にしたがってエステル化することにより形成される。本発明のオイル状のゲル化剤を形成するのに好適な脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸の例には、これらに限定されないが:オレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オクタン酸等が含まれる。本発明のオイル状のゲル化剤を形成するのに好適な二塩基酸の例には、これらに限定されないが:エイコサン二酸、1,7-エチルオクタデカン二酸、ドデカン二酸等が含まれる。グリセロールまたは2以上の重合度を有する任意のポリグリセリンを本発明のオイル状のゲル化剤を形成するために使用することができる。ポリグリセリンを使用する場合、このようなポリグリセリンの重合度は2〜10の範囲にあることが好ましい。本発明の特に好ましい実施形態では、オイル状のゲル化剤はベヘン酸およびエイコサン二酸のグリセロールエステルを含み、これはNisshin Oillio Co., Ltd. (Tokyo, Japan)から商品名「Nomcort HK-G」で市販されている。
【0014】
上記のオイル状のゲル化剤は通常、本発明の化粧用組成物中に約0.1 wt%〜約5 wt%、好ましくは約0.5 wt%〜約2 wt%の範囲の量で存在する。オイル状のゲル化剤は、所望の製品要件に応じて、上に特定した範囲を超える量で提供されてもよい。
【0015】
本発明に使用する高粘度オイル成分は、100センチポイズ以上の粘度を有する、化粧用組成物において使用するのに好適な任意の天然または合成のオイルであってもよい。好ましくは、高粘度オイルは、約25℃において約100センチポイズ〜約300センチポイズ、より好ましくは約150センチポイズ〜約250センチポイズの範囲の第1粘度を有する。このような高粘度オイルの例には、これらに限定されないが:トリメリト酸トリデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、およびそれらの組み合わせが含まれる。本発明の特に好ましい実施形態では、高粘度オイル成分はトリメリト酸トリデシルを含み、これは特にLipo Chemicals Inc.(Paterson, NY)から商品名「Liponate TDTM」で市販されている。
【0016】
上記の高粘度オイル成分は通常、本発明の化粧用組成物中に約20 wt%〜約80 wt%、好ましくは約40 wt%〜約60 wt%の範囲の量で存在する。高粘度オイル成分は、所望の製品要件に応じて、上に特定した範囲を超える量で提供されてもよい。しかしながら、高粘度オイル成分の濃度は約10 wt%以上に維持することが重要であろう。なぜならば、高粘度オイルの濃度が10 wt%未満である場合、十分な粘度および形状保持特性を提供するためには追加の増粘剤または結合剤が必要となるが、このような追加の増粘剤または結合剤は得られる化粧用組成物のグロス/光沢に悪影響を与える恐れがあるからである。さらに、特定の増粘剤または結合剤はオイル状のゲル化剤に適合せず、また、このような非適合性の増粘剤または結合剤の追加は、化粧用組成物の一貫性(consistency)および構造的完全性(structural integrity)を損なわせる恐れがあり、その結果スティック状製品に成形することができない組成物が得られる。
【0017】
本発明に使用する中粘度オイル成分は、約25℃において約10センチポイズ〜約100センチポイズの範囲の粘度を有する、化粧用組成物において使用するのに好適な任意の天然または合成のオイルであってもよい。このような中粘度オイルの例には、これらに限定されないが:カプリル/カプリン酸トリグリセリド、テトライソステアリン酸ペンタエリトリチル、乳酸オクチルドデシル、ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル、およびそれらの組み合わせが含まれる。本発明の特に好ましい実施形態では、中粘度オイル成分はカプリル/カプリン酸トリグリセリドを含み、これは特にCroda Inc.(Edison, NJ)から商品名「Crodasperse」で市販されている。
【0018】
上記の中粘度オイル成分は通常、本発明の化粧用組成物中に約0.1 wt%〜約5 wt%、好ましくは約0.5 wt%〜約2 wt%の範囲の量で存在する。
【0019】
本発明に使用する低粘度オイル成分は、約25℃において約0.1センチポイズ〜約100センチポイズの範囲の粘度を有する、化粧用組成物に使用するのに好適な任意の天然または合成のオイルであってもよく、本発明の任意の所与の組成物において低粘度オイル成分の粘度が中粘度オイル成分の粘度より低くありさえすればよい。言い換えれば、特定のオイル成分はある組成物において低粘度オイル成分として使用することができるが、別の組成物においては、該別のオイル組成物がその中に低粘度オイルとして機能するための低粘度を有する追加のオイル成分を含んでいるかぎり、中粘度オイル成分として使用することができる。好適な低粘度オイルの例には、これらに限定されないが:ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸トリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソデシル、およびそれらの組み合わせが含まれる。本発明の特に好ましい実施形態では、低粘度オイル成分はネオペンタン酸オクチルドデシルを含み、これは特にBernel Chemical Company(Tenafly, NJ)から商品名「ELEFAC I-205」市販されている。
【0020】
上記の低粘度オイル成分は通常、本発明の化粧用組成物中に約0.1 wt%〜約5 wt%、好ましくは約0.5 wt%〜約2 wt%の範囲の量で存在する。好ましくは、必須ではないが、本発明において中粘度オイルと低粘度オイルの重量比は約1:5〜約10:1、より好ましくは約1:1〜約3:1の範囲にある。
【0021】
いかなる特定の理論によっても拘束されることを望まないが、発明者らは、上記のように異なる粘度を有する3種のオイル成分を組み合わせて使用することは、スティック状化粧品を形成するのに十分な形状保持特性ならびに十分な一貫性を有する化粧用組成物を提供するために重要であると考える。高粘度オイル成分はより良い製品形状保持のために化粧用組成物の全体的な粘度を改善すると考えられ、中粘度オイル成分および低粘度オイル成分は高粘度オイル成分と連動して粘度勾配を提供すると考えられ、これにより異なるオイル成分とオイル状のゲル化剤とのより良い適合性がもたらされ、最終的に得られる化粧用組成物の全体的な一貫性および構造的完全性が改善される。
【0022】
このように形成される化粧用組成物の形状保持特性は、種々の異なるパラメーターにより特定することができる。例えば、化粧用組成物の滴点は、その形状保持特性を特定するのに使用することができ、好ましくは、本発明の化粧用組成物は、50℃以上、より好ましくは60℃以上、最も好ましくは70℃以上の滴点により特徴づけられる。
【0023】
化粧用組成物の形状保持特性を増加させるのに通常使用するワックスは、本発明の組成物中に任意で使用することができる。しかしながら、高いワックス濃度は組成物のグロスまたは光沢を損なう恐れがあるので、本発明の組成物中のワックスの総量は10%未満、より好ましくは8%未満に維持することが好ましい。本発明に使用することができる好適なワックスには、これらに限定されないが:カンデリラ、カルナウバワックス、蜜ろう(beeswax)、鯨ろう(spermaceti)、カルナウバ、ベイスベリー(baysberry)、モンタン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、フィッシャー・トロッシュ(Fisher-Tropsch)ワックス、シリコーンワックス(例えば、Dow CorningからのDC 2503)、微結晶ワックスなどの合成ワックス等が含まれる。
【0024】
本発明の化粧用組成物は、クッション効果および保湿効果を提供し、得られる化粧用組成物の塗布可能性を改善するための1以上のポリマーゲルをさらに含むことができる。十分な保水率(例えば、原重量の約50%以上)を有する任意のポリマーゲルを本発明に使用することができる。好適なポリマーゲルには、これらに限定されないが:ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-2、テトラベヘン酸/ポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリトリチル、パルミチン酸デキストリン、ラウロイルグルタミン酸ジブチル、エチルセルロース等が含まれる。さらに特には、ベヘン酸およびヒドロキシステアリン酸との混合物の形態でPhoenix Chemical, Inc.(Somerville, NJ)から商品名「Pelemol DP-144B」で市販されているテトラベヘン酸/ポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリトリチルは耐用期間をより長くするため、本発明の化粧用組成物において特に好ましい。組成物中のポリマーゲルの総量は、特定の製品要件に応じて、約2 wt%〜約40%の範囲であってもよい。本発明の特に好ましい実施形態では、化粧用組成物は、約5 wt%〜約10 wt%のビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-2および約5 wt%〜約10 wt%のテトラベヘン酸/ポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリトリチルを含む。
【0025】
スティック状リップ製品の形成に使用する場合、本発明の化粧用組成物は、約32℃〜約42℃の範囲の融解温度または滴点を有するペースト成分をさらに含むことができる。平均的なヒト体温に近い融解温度または滴点を有するこのようなペースト成分により、得られる組成物が唇への適用時に軟化するため、滑らかで心地よいバターのような感触が提供される。本発明の化粧用組成物に使用することができる好適なペースト成分には、これらに限定されないが:カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸トリグリセリド、乳酸セチル、ラノリン、シアバター等が含まれる。本発明の特に好ましい実施形態では、ペースト成分はカプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸トリグリセリドを含み、これは特にSASOL North America Inc.(Houston, TX)から商品名「Softisan 378」で市販されている。上記のペースト成分は本発明の化粧用組成物中に約2 wt%〜約20 wt%、より好ましくは約5 wt%〜約10 wt%の範囲の量で存在してもよい。
【0026】
本発明の化粧用組成物の外見および着け心地をさらに改善するために、1以上のフィルム形成剤をその中に使用することが好ましい。好ましくは、このような組成物には、液体フィルム形成剤および固体フィルム形成剤の両方が含まれる。液体フィルム形成剤および固体フィルム形成剤の両方を組み合わせることにより、柔軟性および通気性のあるフィルムが形成され、得られる化粧品のにじみおよび色の消失が防止されるため、製品の性能が最適化される。
【0027】
本発明に使用するのに好適な液体フィルム形成剤には、これらに限定されないが:PVP/ヘキサデセンコポリマー、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2/イソホロンジイソシアネート(IPDI)コポリマー、合成ワックス(例えば、Phase Technologies(Piscataway, NJ)から入手可能なPerforma V-825)、水添ロジン酸メチル等が含まれ得る。このような液体フィルム形成剤は、約0.01 wt%〜約2 wt%の範囲の量で存在してもよい。好適な固体フィルム形成剤には、これらに限定されないが:PVP/エイコセンコポリマー、トリコンタニルPVP、C20〜C40アルコール、ロジン酸グリセリル等が含まれ得る。このような固体フィルム形成剤は、約0.5 wt%〜約5 wt%の範囲の量で存在してもよい。本発明の特に好ましい実施形態では、化粧用組成物は、約0.1 wt%〜約0.5 wt%のPVP/ヘキサデセンおよび約1 wt%〜約2 wt%のPVP/エイコセンコポリマーを含む。
【0028】
本発明の化粧用組成物は、飽和または不飽和C12〜C22脂肪酸を糖またはアルキル基が約1〜8炭素原子を含むアルキル糖と反応させることにより形成される1以上の糖ゲル化剤(sugar gellants)をさらに含むことができる。糖は、単糖またはオリゴ糖であることが好ましい。本発明に使用するのに好適な糖の例には、これらに限定されないが:セスキステアリン酸アルキルグルコース(セスキステアリン酸メチルグルコースなど)、パルミチン酸アルキルグルコース(パルミチン酸メチルグルコースおよびパルミチン酸エチルグルコースなど)、モノラウリン酸スクロース、パルミチン酸グルコース、ならびにこのような化合物のPEGまたはPPG誘導体が含まれる。本発明の化粧用組成物に使用する糖ゲル化剤の量は、約0.1 wt%〜約10 wt%、好ましくは約0.5 wt%〜約5 wt%の範囲にあってもよい。
【0029】
本発明の組成物をリップスティック、ブラッシュスティック、アイシャドウスティックなどの着色化粧品に使用するために設計する場合、本発明の組成物は1以上の有機および/または無機顔料も含む。好適な無機顔料の例には、これらに限定されないが:酸化鉄(黄、赤、茶または黒)、二酸化チタン(白)、酸化亜鉛、酸化クロム(緑)、クロム水和物(緑)、ウルトラマリン、マンガンバイオレット、フェロシアン化鉄、カルミン40、フェロシアン化鉄アンモニウム、またはそれらの組み合わせが含まれる。高い屈折率を有する薄いプレート状で層状の粒子であって、特定の厚さでプレートの異なる層からの通常2、場合によりさらに多くの光反射の干渉の結果干渉色を生成する干渉顔料も、製品に真珠光沢を提供するために添加することができる。本発明の組成物に使用するのに好適な有機顔料には、これらに限定されないが:天然着色剤、フタロシアニンブルーおよびグリーン顔料、ジアリーリドイエローおよびオレンジ顔料などの合成モノマーおよびポリマー着色剤、ならびにトルイジンレッド、リトレッド(litho red)、ナフトールレッドおよびブラウン顔料などのアゾタイプのレッドおよびイエロー顔料が含まれる。アルミナ、バリウムまたはカルシウム水和物などの不溶性ベース上への有機染料の沈殿および吸収により形成される顔料であるレーキも有用である。特に好ましいレーキは、一次FD&CまたはD&Cレーキおよびそれらの混合物である。ブロモ色素およびフルオレセイン色素などの染料も使用できる。化粧用組成物は、1以上の種類の化粧品上許容できる光輝顔料、すなわち、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリメタクリレート、およびポリ(ビニルブチラール)などの透明または着色された固体の有機物質の粒子、金属粒子、または金属コーティングされたフィルムまたは紙の粒子も含むことができる。
【0030】
本発明の化粧用組成物中の顔料の総量は、約0.1 wt%〜約30 wt%の範囲にあってもよい。着色化粧品には、組成物中により多量の顔料、例えば、約5 wt%〜約30 wt%、より好ましくは約10 wt%〜約20 wt%を使用することが好ましい。
【0031】
本発明の化粧用組成物は、ソフトフォーカス粉末または以下のような板状非球形粉末などの無機粉末も含むことができる:オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、硫酸バリウム、マイカ、セリサイト、マスコバイト、合成マイカ、酸化チタンでコーティングしたマイカ、酸化チタンでコーティングしたオキシ塩化ビスマス、酸化チタンでコーティングしたタルク、板状酸化鉄、アルミニウムなどの金属粉末、ラウロイルリジンおよび板状タルク。このような無機粉末の量は重要ではないが、使用する場合、通常約0.5〜約5%の量で使用するであろう。
【0032】
本発明の化粧用組成物は、1以上のスキンケア活性成分またはスキンケア活性剤をさらに含むことができる。本明細書において使用する用語「スキンケア活性成分」または「スキンケア活性剤」は、単に化粧用組成物の物理的特性を改善するだけではなく、皮膚に利益をもたらす薬剤を指す。例えば、化粧用組成物は、老化防止剤、フリーラジカル捕捉剤、脂質過酸化防止剤、リポゲナーゼ不活性化剤(lipogenase inactivating agents)、望ましくない酵素活性を阻害する薬剤、およびコラーゲン合成を促進する薬剤を含むことができる。化粧用組成物は、日焼け防止剤、酸化防止剤、剥皮剤(exfoliants)、鎮痛剤、麻酔剤、抗細菌剤(antibacterials)、抗酵母菌剤(antiyeast agents)、抗菌剤(antifungal agents)、抗ウイルス剤、抗皮膚炎剤、抗そう痒剤、抗嘔吐剤、抗炎症剤、抗角化症剤(antihyperkeratolytic agents)、抗発汗剤、抗乾癬剤、抗脂漏症剤、抗シワ剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン、コルチコステロイド、日焼け用剤、ホルモン、レチノイン酸およびレチノールなどのレチノイド、局所的心血管治療剤、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ミコノゾール、グリセオフルビン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、プラモキシン、リドカイン、プロカイン、メピバカイン、モノベンゾン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クリンダマイシン、メクロサイリン、ヒドロキノン、ミノサイクリン、ナプロキセン、イブプロフェン、チオフィリン、クロモリン、アルブテロール、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21-アセテート、ヒドロコルチゾン17-バレレート、およびヒドロコルチゾン17-ブチレートなどの局所ステロイド、ベタメタゾンバレレート、ベタメタゾンジプロプリオネート、ベンゾイルペルオキシド、クロタミトン、プロプラノロール、プロメタジン、ビタミンAパルミテート、ビタミンEアセテートならびにこれらの混合物を含むことができる。上記のスキンケア活性成分は本発明の化粧用組成物の任意の成分にすぎず、化粧用組成物の意図する機能に実質的に影響を与えることなくこのような組成物から省略することができる。
【0033】
本願の化粧用組成物中に配合することができる追加の物質には、これらに限定されないが:保湿剤、収斂剤、キレート剤、界面活性剤、皮膚軟化剤、防腐剤、安定剤、増粘剤、湿潤剤、顔料等が含まれる。
【0034】
例えば、本発明の化粧用組成物に使用することができる皮膚軟化剤には、これらに限定されないが:ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、イソセチルアルコール、脂肪アルコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、オクタデカン2-オール、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソブチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸、ジメチルポリシロキサン、モノリシノール酸グリセリル、セバシン酸ジ-n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、ポリエチリングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、アセチル化ラノリン、ゴマ油、ココナツ油、落花生油(arrachis oil)、ヒマシ油、ミンク油、鉱油、および石油が含まれる。
【0035】
保存期限を延長させるために、種々の水溶性の保存剤を本発明の化粧用組成物に添加することができる。好適な防腐剤には、これらに限定されないが:ソルビン酸カリウム、イミダゾリジニル尿素、p-ヒドロキシ安息香酸エステル、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、CTFA指定パラベン、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール/フェノキシエタノール/ヘキシレングリコール等が含まれる。本発明の化粧用組成物に使用するのに好適な他の防腐剤は、「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第12版、2004」に開示されており、その全開示を参照により本明細書に組み込む。
【0036】
使用できる湿潤剤には、これらに限定されないが:グリセロール、ポリアルキレングリコール、およびアルキレンポリオールならびにこれらの混合物を含む多価アルコール、ヒアルロン酸、尿素、グリセリン、ソルビトール、2-ピロリドン-5-カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチルおよびゼラチンが含まれる。
【0037】
本発明の化粧用組成物は、該組成物を消費者にとってより魅力的にするために十分な量の香料を任意に含むことができる。好ましくは、香料は、組成物の総重量に対して約0.01%〜約10%の量で存在する。
【0038】
本発明の最も好ましい実施形態は無水で油性の組成物であるが、本発明の組成物は水と油とのエマルジョンの油相として利用することができる。エマルジョンの油相として使用する場合、組成物の水相は、水溶性の活性剤も含むことができる。さらに、本発明の化粧用組成物の特に好ましい使用はリップスティックの形成においてであるが、例えば、ファンデーションスティック、ブラッシュスティック、アイシャドウスティック、アイライナー、ボディーメークアップスティックなどの他の種類のスティック状化粧品を形成するために使用してもよい。
【0039】
このようなスティック状化粧品は、スティック状化粧品を作製するために従来用いられる工程により容易に製造することができる。特に、本発明のスティック状化粧品は以下のステップにより形成してもよい:
(a)1以上の混合ステップにより上記化粧用組成物を形成するステップ;
(b)上記化粧用組成物を1以上のスティック状のキャビティーを有する成形型に注入するステップ;および
(c)上記化粧用組成物を上記成形型中で凝固させ、これにより1以上のスティック状化粧品を形成するステップ。
【0040】
上記の化粧用組成物から形成されるスティック状化粧品は、典型的には約50℃以上、より典型的には約60℃以上、最も典型的には約70℃以上の滴点により特徴づけられる。さらに、スティック状化粧品は:(1)比較的高い破断点(breakage point)(例えば、少なくとも約10ポンド);および/または(2)比較的高い破砕点(crush point)(例えば、少なくとも約2キログラム)により特徴づけられ得る。最も好ましくは、本発明のスティック状化粧品は、75℃を超える滴点、12ポンドを超える破断点、および2.2キログラムを超える破砕点を有する。
【0041】
以下の実施例は、本発明の広い範囲を制限することなく、本発明の種々の特定の実施形態をさらに説明する。
【実施例】
【0042】
実施例1:高い光沢を有するリップスティック組成物
配合I
【表1】

【0043】
配合II
【表2】

【0044】
配合II中の相Cおよび相Eの顔料を、ローラーミルまたはボールミルにより粉砕する前に、室温で主液およびビタミンE(酸化防止剤)のブレンド中に予め分散させた。微粉砕物の質は、ヘグマンゲージ(Hegman Gauge)スケール(0〜10のスケール)上で確認した。最良の結果は7〜8であった。相Aの成分を、プロペラ型の撹拌機を備える適切な大きさのビーカーに入れ、生成物が空気にさらされることおよびこぼれることを防ぐために中程度の混合速度で少なくとも20分間で90℃まで加熱した。相Bの成分をゆっくり加え、塊が消えるまで10分間混合した。次に、温度を85℃に下げ、相Cの微粉砕物をこの混合物に加えて、色の筋が観察されることなく全てが均一になるまで十分に混合した。温度を同じ85℃に保ち、相DおよびGをこの混合物に加えて、乾燥した粉末が浮遊することなしに全てが湿潤するまで十分に混合した。相EおよびHを色彩調整(濃淡調整の場合、100%配合になるように慎重に相EまたはHを使用する)のために使用した。濃淡適合工程を終了した後、バッチを下ろす直前に相FおよびIを加えた。最終バッチは、即座にリップスティックに成形するか、または密閉容器に保存して成形型に充填する前に再融解した。成形温度は約80〜85℃に維持した。
【0045】
実施例2:グロス測定
実施例1に上記した配合Iにしたがって形成したリップスティックを、フォーム2Aレネタカード(Leneta cards)上に塗布して、厚さ約10ミルの層を形成した。次に、Micro-Gloss(登録商標)光沢計(BYK-Gardner(Columbia, MD)から)を角度60°で用いて、層の明領域および暗領域上でグロス測定を行った。具体的には、2回の測定は暗領域上で行い、3回目は明領域上で行った。次に、3回の測定を平均して、グロスユニット(すなわち、gu)についてグロス測定値を得た。グロスユニットの数字が高いほど、その層はより艶がある。
【0046】
得られたグロス測定の結果を以下のように表にまとめる。
【表3】

【0047】
実施例3:滴点測定
実施例1に上記した配合Iにしたがって形成したリップスティックの滴点を以下のプロトコールにしたがって測定した。
【0048】
FP83HT Dropping Point Cellに接続したMettler-Toledo Drop Point Model FP90 Central Processor(両方ともMettler-Toledo AG(Greifensee, Switzerland)製)を、上記配合Iとして特定される組成物から形成されたリップスティックの滴点を決定するために使用した。リップスティックを液体状態まで完全に融解し、計量カップに注ぎ、そのまま25℃で24時間押さえ、次いで上記Mettler-Toledo装置(40℃において2℃/分の速度で100℃まで加熱し始めるようにプログラムした)に設置した。この塊が融解炉中で再度液化した時に、特定の温度で最初の滴を放出した。この温度を滴点温度として記録した。配合Iから形成したリップスティックについては、滴点は約76℃であった。
【0049】
実施例4:破断点(Break Point)測定
実施例1に上記した配合Iにしたがって形成したリップスティックの破断点を、Cavalla/Model # 1009(Cavalla Inc.(Hackensack, NJ)製)を用いて測定した。新たに作製したリップスティックを、試験前に25℃で24時間インキュベートした。リップスティックのキャップを取り、このリップスティックを回転させて全部出し、次いでリップスティックケースとともにホルダーに設置した。Cavallaのゲージ針をゼロにセットし、Cavallaのモーターを稼働させた。リップスティックが横方向に破断した後に、破断点をCavallaスケール上の黒い針の先端から直接読み取った。
【0050】
リップスティックの破断に必要な力の量(すなわち、破断点)は、約13.3ポンドであった。
【0051】
実施例5:破砕点(crush point)測定
実施例1に上記した配合Iにしたがって形成したリップスティックの破砕点を、CHATILLON(登録商標)LTCM-2シリーズ荷重試験機(Ametek U.S.(Largo, FL)から)を用いて測定した。新たに作製したリップスティックを、試験前に25℃で24時間インキュベートし、次いでグラシン封筒の内部に入れた。装置の速度を5にセットし、ゲージ針をゼロに配置した。リップスティックを含むグラシン封筒を、荷重試験機のプレート間に設置した。試験機のモーターを稼働させ、ゲージの動きが止まるまで(約30〜60で起こる)作動させ、破砕点を荷重試験機のゲージから直接読み取った。
【0052】
リップスティックを破砕するために必要な力の量(すなわち、破砕点)は、約2.4キログラムであった。
【0053】
本発明は本明細書において例示的な実施形態および特徴に関して多様に開示されているが、上記実施形態および特徴は本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、他の変形、改良および他の実施形態を当業者に示唆するものであることが理解されよう。したがって、本発明は以下に記載する特許請求の範囲に基づき広く解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1粘度を有する高粘度オイル成分;
(b)上記第1粘度より低い第2粘度を有する中粘度オイル成分;
(c)上記第2粘度よりも低い第3粘度を有する低粘度オイル成分;ならびに
(d)グリセロールまたはポリグリセリンと脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸および二塩基酸とのエステルを含むオイル状のゲル化剤
を含む化粧用組成物であって、
該化粧用組成物が、少なくとも約85グロスユニット(gu)のグロスにより特徴づけられ、かつスティック状化粧品を形成するのに十分な形状保持特性を有する、上記化粧用組成物。
【請求項2】
前記第1粘度が約25℃において約100センチポイズ〜約300センチポイズの範囲にあり、前記第2粘度が約25℃において約10センチポイズ〜約100センチポイズの範囲にあり、かつ前記第3粘度が約25℃において約0.1センチポイズ〜約100センチポイズの範囲にある、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項3】
前記高粘度オイル成分が、トリメリト酸トリデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1以上のオイルを含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項4】
前記高粘度オイル成分が、前記組成物中に約20 wt%〜約80 wt%の範囲の量で存在する、請求項3に記載の化粧用組成物。
【請求項5】
前記中粘度オイル成分が、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、テトライソステアリン酸ペンタエリトリチル、乳酸オクチルドデシル、ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1以上のオイルを含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項6】
前記中粘度オイル成分が、前記組成物中に約0.1 wt%〜約5 wt%の範囲の量で存在する、請求項5に記載の化粧用組成物。
【請求項7】
前記低粘度オイル成分が、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸トリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソデシル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1以上のオイルを含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項8】
前記低粘度オイル成分が、前記組成物中に約0.1 wt%〜約5 wt%の範囲の量で存在する、請求項7に記載の化粧用組成物。
【請求項9】
前記オイル状のゲル化剤が、前記組成物中に約0.1 wt%〜約5 wt%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項10】
約50℃以上の滴点により特徴づけられる、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項11】
約10%未満のワックスを含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項12】
ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-2、テトラベヘン酸/ポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリトリチル、パルミチン酸デキストリン、ジブチルラウロイルグルタミド、エチルセルロースおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される1以上のポリマーゲルをさらに含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項13】
前記1以上のポリマーゲルが、前記組成物中に約2 wt%〜約40 wt%の総量で存在する、請求項12に記載の化粧用組成物。
【請求項14】
約5 wt%〜約10 wt%の範囲の量のビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-2、および約5 wt%〜約10 wt%の範囲の量のテトラベヘン酸/ポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリトリチルを含む、請求項13に記載の化粧用組成物。
【請求項15】
約32℃〜約42℃の範囲の融解温度または滴点を有するペースト成分をさらに含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項16】
前記ペースト成分が、カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸トリグリセリド、乳酸セチル、ラノリン、シアバター、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項15に記載の化粧用組成物。
【請求項17】
前記ペースト成分が、前記組成物中に約2 wt%〜約20 wt%の範囲の量で存在する、請求項16に記載の化粧用組成物。
【請求項18】
カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸トリグリセリドを約5 wt%〜約10 wt%の範囲の量で含む、請求項17に記載の化粧用組成物。
【請求項19】
液体フィルム形成剤および固体フィルム形成剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項20】
前記液体フィルム形成剤が、PVP/ヘキサデセンコポリマー、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2/イソホロンジイソシアネート(IPDI)コポリマー、合成液体ワックス、水添ロジン酸メチル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、また前記組成物中に約0.01 wt%〜約2 wt%の量で存在し、かつ前記固体フィルム形成剤がPVP/エイコセンコポリマー、トリコンタニルPVP、C20〜C40アルコール、ロジン酸グリセリル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、また前記組成物中に約0.5 wt%〜約5 wt%の量で存在する、請求項19に記載の化粧用組成物。
【請求項21】
PVP/ヘキサデセンコポリマーを約0.1 wt%〜約0.5 wt%の範囲の量で、およびPVP/エイコセンコポリマーを約1 wt%〜約2 wt%の範囲の量で含む、請求項20に記載の化粧用組成物。
【請求項22】
1以上の有機および/または無機顔料を約5 wt%〜約30 wt%の範囲の総量でさらに含む、請求項1に記載の化粧用組成物。
【請求項23】
前記化粧品スティックが少なくとも約70℃の滴点により特徴づけられる、請求項1に記載の化粧用組成物により形成されるスティック状化粧品。
【請求項24】
(a)約20 wt%〜約80 wt%の、約25℃において約100センチポイズ〜約300センチポイズの範囲の第1粘度を有する高粘度オイル成分;
(b)約0.1 wt%〜約5 wt%の、上記第1粘度よりも低い第2粘度(該第2粘度は約25℃において約10センチポイズ〜約100センチポイズの範囲にある)を有する中粘度オイル成分;
(c)約0.1 wt%〜約5 wt%の、上記第2粘度よりも低い第3粘度(該第3粘度は約25℃において約0.1センチポイズ〜約100センチポイズの範囲にある)を有する低粘度オイル成分;ならびに
(d)約0.1 wt%〜約5 wt%の、グリセロールまたはポリグリセリンと脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸および二塩基酸とのエステルを含むオイル状のゲル化剤
を含む、化粧用組成物 。
【請求項25】
1以上の有機および/または無機顔料を約5 wt%〜約30 wt%の範囲の総量で含む着色化粧用組成物である、請求項24に記載の化粧用組成物。
【請求項26】
スティック状化粧品を形成する方法であって、以下のステップ:
(a)第1粘度を有する高粘度オイル成分、上記第1粘度よりも低い第2粘度を有する中粘度オイル成分、上記第2粘度よりも低い第3粘度を有する低粘度オイル成分、ならびにグリセロールまたはポリグリセリンと脂肪族酸またはヒドロキシル脂肪族酸および二塩基酸とのエステルを含むオイル状のゲル化剤を含む化粧用組成物(ここで、該化粧用組成物は少なくとも約85グロスユニット(gu)のグロスにより特徴づけられ、かつ該スティック状化粧品を形成するのに十分な形状保持特性を有する)を形成するステップ;
(b)上記化粧用組成物を1以上のスティック状のキャビティーを有する成形型に注入するステップ;および
(c)上記化粧用組成物を上記成形型中で凝固させ、これにより1以上のスティック状化粧品を形成するステップ
を含んでなる、上記方法。

【公表番号】特表2010−521490(P2010−521490A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553795(P2009−553795)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/056963
【国際公開番号】WO2008/115776
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】