説明

高い耐性および弾性を有する繊維複合材料のためのプリプレグ

本発明は、50重量%〜85重量%の織物表面構成要素およびカルバミド酸エステル基を含む15質量%〜50質量%のポリアミノトリアジンエーテルを含む、高い耐性かつ弾性を有する複合材料繊維についての前浸透剤に関する。本発明の前浸透剤は、融解材料適用のための方法または液体材料適用のための方法に従う。この方法は、アミノトリアジンエーテル、300〜5000までの範囲のモル質量を有するポリアミノトリアジンエーテルの混合物を適用する工程を包含し、織物支持材料に解離する。トリアジン配列中の解離/イミノおよびアミノ基のモル比は、0.4:1〜0.7:1の等しい範囲である。上記前浸透剤は、防熱衣類、難燃性カバー、電気絶縁性紙、構造部品および乗物装置のために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノプラストを含有し、高い強度および弾力を有する繊維複合材料について意図されるプリプレグ、およびこれらを生成するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
酢酸セルロース(GB 1 164 424 A1)、ポリアミド(JP 53 028 707 A2)またはポリエステル(GB 2 028 352 B2)を含むシート様織物構造体の防しわ性、難燃性、および耐腐性を改善するためのアミノプラスト(例えば、メラミン樹脂)の使用が、公知である。
【0003】
ガラス繊維(US 3 574 027 A)、ジュート繊維(JP 10 016 123 A2)、セラミック繊維(JP 04 316 836 A2)、アスベスト繊維(DE 19 10 097 A1)もしくはフラックス繊維[Hagstrand,P,Polym.Compos.(2001),22(4),568−578]を含むマットまたは不織布に基づくプリプレグからのアミノプラスト(例えば、尿素樹脂またはメラミン樹脂)を浸漬される繊維複合材料の生成は、さらに公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
繊維複合材料の生成物中の通例のアミノプラスト積層用樹脂の使用の不都合は、複合材料の強度および弾力特性の不十分な組み合わせである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
アミノプラストを含有し、強度および弾力を改善された繊維複合材料に対して意図されるプリプレグが、本発明の目的である。
【0006】
本発明の目的は、繊維複合材料のためのプリプレグによって達成された。本発明によれば、このプリプレグは、50重量%〜85重量%のシート様織物構造およびカルバミン酸エステル基を含む15重量%〜50重量%のポリアミノトリアジンエーテルを含み、以下、
A)以下の構造
【0007】
【化19】

のアミノトリアジンエーテルであって、
は、
【0008】
【化20】

【0009】
であり、
は、−H、−C〜C−アルキルであり;
は、−C〜C18−アルキル、−R−OHであり、
は、
【化21】

であって、
(ここでnは、1〜200である);
型−[(X)−O−CO−(Y)−CO−O(X)]−のポリエステル配列であって、ここで
Xは、
【0010】
【化22】

であり;
Yは、
【0011】
【化23】

であり;
rは、1〜70であり;sは、1〜70であり、そしてyは、3〜50である、ポリエステル配列;
シロキサン基を含み、型
【0012】
【化24】

であるポリエーテル配列であって、ここでRは、H;C〜C−アルキルであり、そしてyは、3〜50である、ポリエーテル配列;
2−アミノ−4,6−ジ−C〜C−アルキレンアミノ−1,3,5−トリアジン配列を含む型のメラミンのアルキレンオキシド付加物に基づく配列;
−C〜C−アルキレン−O−C〜C18−アリーレン−O−C〜C−アルキレン配列を含む型の二価フェノールおよびC〜C−ジオールに基づくフェノールエテール配列;および/または
B)10重量%〜90重量%のアミノトリアジンエーテルA)および300〜5000のモル質量を有する90重量%〜10重量%のポリアミノトリアジンエーテルの混合物であって、上記ポリアミノトリアジンエーテルは、アミノトリアジンエーテルA)の熱性自己縮合によって形成される、混合物、ならびに
C)式R(N=C=O)のイソシアネートであって、ここでRは、C〜C14−アリーレン、C〜C18−アルキレンおよび/もしくはC〜C−シクロアルキレン、ならびに/またはオリゴマーポリエステルもしくは末端イソシアネート基および200〜5000のモル質量を有するポリエーテルである、イソシアネート、に基づき、
トリアジンセグメント対カルバミン酸エステル基のモル比が、1:1〜1:4である。
【0013】
このプリプレグにおいて、織物基材材料は、好ましくは織った布または不織布であり、特に、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維および/または熱硬化性プラスチック繊維を含む織った布または不織布である。
【0014】
このプリプレグ中の織物基材材料が構成され得るポリアミド繊維の例は、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、ポリアミド−11、ポリアミド−12、およびポリ−m−フェニレンイソフタルアミドの繊維である。
【0015】
このプリプレグ中の織物基材材料が構成され得るポリエステル繊維の例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはポリ−p−オキシ安息香酸を含む繊維である。
【0016】
このプリプレグ中の織物基材材料が構成され得る熱硬化性プラスチック繊維の例は、メラミン樹脂またはフェノール樹脂を含む繊維である。
【0017】
カルバミン酸エステル基を含み、本プリプレグ中に存在するポリアミノトリアジンエーテルにおいて、アルデヒド構成要素対トリアジン構成要素の比率は、好ましくは、1:1〜3:1である。
【0018】
構造式中の置換基Rによって定義される、アミノトリアジンエーテル中の適切なアミノトリアジン構成要素の例は、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ブチログアナミン、N−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)フタルイミドおよび2,4−ジアミノ−6−スクシンイミド−1,3,5−トリアジンである。
【0019】
構造式中の置換基Rによって定義される、アミノトリアジンエーテル中の適切なC〜C−アルデヒド構成要素の例は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドおよびトリメチロールアセトアルデヒドである。
【0020】
プリプレグ中のカルバミン酸エステル基を含みポリアミノトリアジンエーテルを基礎としたアミノトリアジンエーテルは、アミノトリアジンのC〜C−アルデヒドとの反応によって調製され得、アミノトリアジン前濃縮物(precondensate)、アミノトリアジン前濃縮物とC〜C−アルコールとのエーテル化、および必要に応じて続くC〜C18−アルコールおよび/または型HO−R−OHのジオールとのトランスエーテル化(transetherification)を与える。その構造式において、エーテル化構成要素は、C〜C18−アルコールおよび/または型HO−R−OHのジオールであり、Rによって定義される。
【0021】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得るC〜C−アルコールの例は、メタノール、イソプロパノールおよびブタノールである。
【0022】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得るC〜C18−アルコールの例は、エチルヘキシルアルコール、ドデシルアルコールおよびステアリルアルコールである。
【0023】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得る型HO−R−OHのジオール(Rは、C〜C18−アルキレンである)の例は、エチレングリコール、ブタンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオールおよびオクタデカンジオールである。
【0024】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得る、型HO−R−OHのジオール(Rは、−[CH−CH(CH)−O−CH−CH(CH)]−であり、かつnは、1〜200である)の例は、500〜5000のモル質量を有するポリエチレングリコールである。
【0025】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得る型HO−R−OHのジオール(Rは、−[O−CH−CH−CH−であり、かつnは、1〜200である)の例は、500〜5000のモル質量を有するポリプロピレングリコールである。
【0026】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得る、型HO−R−OHのジオール(Rは、−[O−CH−CH−CH−CH−であり、かつnは、1〜200である)の例は、500〜5000のモル質量を有するポリテトラヒドロフランである。
【0027】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得る型HO−R−OHのジオール(Rは、−[(CH2〜8−O−CO−C〜C14−アリーレン−CO−O−(CH2〜8−である)の例は、飽和ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、またはナフタレンジカルボン酸)、およびジオール(例えば、エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールおよび/またはヘキサンジオール)に基づくエステルならびにポリエステルである。好ましいエステルは、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートである。
【0028】
アミノトリアジンエーテル中にエーテル化構成要素Rとして存在し得る、型HO−R−OHのジオール(Rは、−[(CH2〜8−O−CO−C〜C12−アルキレン−CO−O−(CH2〜8−である)の例は、飽和ジカルボン酸(例えば、アジピン酸および/またはコハク酸)、不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸および/またはイタコン酸)、ならびにジオール(例えば、エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールおよび/またはヘキサンジオール)に基づくポリエステルである。
【0029】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得る、型HO−R−OHのジオール(Rは、型
【0030】
【化25】

のシロキサン基を含む配列である)の例は、1,3−ビス(ヒドロキシブチル)−テトラメチルジシロキサンおよび1,3−ビス(ヒドロキシオクチル)−テトラエチルジシロキサンである。
【0031】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得る、型HO−R−OHのシロキサン基を含むジオール(Rは、−[(X)−O−CO−(Y)−CO−O−(X)]−である)を含むポリエステル配列(ここで、Xは、
【0032】
【化26】

であり;
Yは、
【0033】
【化27】

であり;
rは、1〜70であり;sは、1〜70であり、そしてyは、3〜50である)の例は、ヒドロキシル末端基を含むポリエステルであり、芳香族C〜C14−アリーレンジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、またはナフタレンジカルボン酸)、脂肪族C〜C12−アルキレンジカルボン酸(例えば、アジピン酸、マレイン酸またはピメリン酸)、ジオール(例えば、エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールまたはヘキサンジオール)、およびシロキサン(例えば、ヘキサメチルジシロキサンまたはα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン)に基づく。
【0034】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得るシロキサン基を含むポリエーテルジオールHO−R−OH(Rは、型
【0035】
【化28】

のポリエーテル配列であり、
ここでRは、H;C〜C−アルキルであって、そしてyは、3〜50である)の例は、シロキサン(例えば、ヘキサメチルジシロキサンまたはα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン)、およびアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)に基づくポリエーテルジオールである。
【0036】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得る型2−アミノ−4,6−ビス(ヒドロキシ−C〜C−アルキレンアミノ)−1,3,5−トリアジンのメラミンのアルキレンオキシド付加物に基づくジオールの例は、メラミンおよびエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドに基づくジオールである。
【0037】
アミノトリアジンエーテル中のエーテル化構成要素Rとして存在し得るビス(ヒドロキシ−C〜C−アルキレン−O−)C〜C18−アリーレン型の二価フェノールおよびC〜C−ジオールに基づくフェノールエーテルジオールの例は、ジフェニルオールプロパン(diphenylolpropane)のエチレンオキシド付加物またはプロピレンオキシド付加物である。
【0038】
多価アルコールとしてのジオールに加えて、三価アルコール(例えば、グリセロール)、または四価アルコール(例えば、エリトリトール)、またはこれらの二価アルコールとの混合物は、アミノトリアジンエーテル中にエーテル化構成要素Rとして存在し得る。
【0039】
本プリプレグ中のカルバミン酸エステル基を含むポリアミノトリアジンエーテルを基礎として300〜5000のモル質量を有するポリアミノトリアジンエーテルを調製するための好ましいプロセスは、連続ニーダー(continuous kneader)における120℃〜220℃でのアミノトリアジンエーテルの熱性自己縮合である。
【0040】
本プリプレグにおいて、カルバミン酸エステル基を含むポリアミノトリアジンエーテルは、好ましくは、型R(N=C=O)のメラミン、ホルムアルデヒド、メタノールおよびジイソシアナートに基づくポリアミノトリアジンエーテルである。
【0041】
カルバミン酸エステル基を含むポリトリアジンエーテル中のイソシアネート構成要素としての式R(N=C=O)のイソシアネートの例は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、p−トルエンジイソシアネートまたはジイソシアネートジフェニル(diisocyanatodiphenyl)エーテルである。
【0042】
カルバミン酸エステル基を含む、好ましいポリアミノトリアジンエーテルは、特に、以下、
B)5重量%〜30重量%のアミノトリアジンエーテルA)および300〜5000のモル質量を有する95重量%〜70重量%のポリアミノトリアジンエーテルの混合物であって、上記ポリアミノトリアジンエーテルは、アミノトリアジンエーテルA)の熱性自己縮合によって形成される、混合物、ならびに
C)式R(N=C=O)のイソシアネートであって、ここでRは、C〜C18−アルキレン、および/もしくはC〜C−シクロアルキレン、ならびに/またはオリゴマーポリエステルもしくは末端イソシアネート基および200〜5000のモル質量を有するポリエーテルである、イソシアネート、
に基づくポリアミノトリアジンエーテルである。
【0043】
高い強度および弾力を有する繊維複合材料のためのプリプレグは、本発明に従うプロセスによって生成される。50重量%〜85重量%のシート様織物構造およびカルバミン酸エステル基を含み15重量%〜50重量%のポリアミノトリアジンエーテルは、以下、
A)以下の構造、
【0044】
【化29】

を有するアミノトリアジンエーテルであって、
は、
【0045】
【化30】

であり、
は、−H、−C〜C−アルキルであり;
は、−C〜C18−アルキル、−R−OHであり、
は、
【0046】
【化31】

であって、
ここでnは、1〜200である、アミノトリアジンエーテル;
型−[(X)−O−CO−(Y)−CO−O(X)]−のシロキサン基を含みポリエステル配列であって、ここで
Xは、
【0047】
【化32】

であって;
Yは、
【0048】
【化33】

であって;
rは、1〜70であり;sは、1〜70であり、そしてyは、3〜50である、ポリエステル配列;

【0049】
【化34】

のシロキサン基を含むポリエーテル配列であり、ここでRは、−Hであり;−C〜C−アルキルであり、そしてyは、3〜50である、ポリエーテル配列;
2−アミノ−4,6−ジ−C〜C−アルキレンアミノ−1,3,5−トリアジン配列を含む型のメラミンのアルキレンオキシド付加物に基づく配列;
−C〜C−アルキレン−O−C〜C18−アリーレン−O−C〜C−アルキレン配列を含む型の二価フェノールおよびC〜C−ジオールに基づくフェノールエーテル配列;ならびに/または
B)10重量%〜90重量%のアミノトリアジンエーテルA)および90重量%〜10重量%の300〜5000のモル質量を有するポリアミノトリアジンエーテルの混合物であって、上記ポリアミノトリアジンエーテルは、アミノトリアジンエーテルA)の熱性自己縮合によって形成される、混合物、ならびに
C)式R(N=C=O)のイソシアネートであって、ここでRは、C〜C14−アリーレン、C〜C18−アルキレンおよび/もしくはC〜C−シクロアルキレン、ならびに/またはオリゴマーポリエステルもしくは末端イソシアネート基および200〜5000のモル質量を有するポリエーテルである、イソシアネート、
の混合物中における融解適用方法によって生成され、
トリアジン配列中のジイソシアネート対イミノ基およびアミノ基の合計のモル比は、0.15:1〜0.65:1である。そして、この混合物について、アミノトリアジンエーテルを基準にして、0.05重量%〜2重量%の潜在性硬化剤を含有することが可能であり、85℃〜130℃の温度において融解され、反応され、そして織物基材材料に適用される。
【0050】
アミノトリアジンエーテルおよびジイソシアネートを主に含む混合物は、融解適用方法の間に、ナイフコーターを用いるか、または噴霧することにより低粘度融解を適用することによって、移動するシート様皮膜に対して適用され得る。
【0051】
押出コーティング単位は、ポリアミノトリアジンエーテルおよびジイソシアネートを主に含む、相対的に高粘度の混合物を融解し適用するための融解適用方法において、適切である。
【0052】
高い強度および弾力を有する繊維複合材料のためのプリプレグを生成するための第二のプロセスは、本発明に従って、50重量%〜85重量%のシート様織物構造およびカルバミン酸エステル基を含む15重量%〜50重量%のポリアミノトリアジンエーテルを含むプリプレグを、液体適用方法によって生成する工程を包含する。この方法において、C〜C12−炭化水素および/もしくはC〜C12−ケトン中の分散液、またはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよび/もしくはジメチルアセトアミド中の溶液は、25重量%〜70重量%の固形分を有し、以下、
A)以下の構造、
【0053】
【化35】

のアミノトリアジンエーテルであって、
は、
【0054】
【化36】

であり、
は、−H、−C〜C−アルキルであり;
は、−C〜C18−アルキル、−R−OHであり、
は、
【0055】
【化37】

であって、
ここでnは、1〜200である、アミノトリアジン;
型−[(X)−O−CO−(Y)−CO−O(X)]−のシロキサン基を含むポリエステル配列であって、ここで
Xは、
【0056】
【化38】

であって;
Yは、
【0057】
【化39】

であって;
rは、1〜70であり;sは、1〜70であり、そしてyは、3〜50である、ポリエステル配列;

【0058】
【化40】

のシロキサン基を含むポリエーテル配列であり、ここでRは、−H;−C〜C−アルキルであり、そしてyは、3〜50である、ポリエーテル配列;
2−アミノ−4,6−ジ−C〜C−アルキレンアミノ−1,3,5−トリアジン配列を含む型のメラミンのアルキレンオキシド付加物に基づく配列;
−C〜C−アルキレン−O−C〜C18−アリーレン−O−C〜C−アルキレン配列を含む型の二価フェノールおよびC〜C−ジオールに基づくフェノールエーテル配列;ならびに/または
B)10重量%〜90重量%のアミノトリアジンエーテルA)および300〜5000のモル質量を有する90重量%〜10重量%のポリアミノトリアジンエーテルの混合物であって、上記ポリアミノトリアジンエーテルは、トリアジンエーテルA)の自己縮合によって形成される、混合物、ならびに
C)式R(N=C=O)のイソシアネートであって、ここでRは、−C〜C14−アリーレン、−C〜C18−アルキレンおよび/もしくは−C〜C−シクロアルキレン、ならびに/またはオリゴマーポリエステルもしくは末端イソシアネート基および200〜5000のモル質量を有するポリエーテルである、イソシアネート、
を含み、トリアジン配列中のジイソシアネート対イミノ基およびアミノ基の合計のモル比は、0.15:1〜0.65:1である。そして、この混合物について、アミノトリアジンエーテルに基づいて、0.05重量%〜2重量%の潜在性硬化剤を含有することが可能であり、5℃〜80℃の温度において織物基材材料と接触され、0.1〜1barあたり80℃〜120℃において反応され、そして乾燥させる。
【0059】
液体適用方法において分散剤として使用され得るC〜C12−炭化水素の例は、ペンタン、イソオクタンおよびドデカンである。
【0060】
液体適用方法において分散剤として使用され得るC〜C12−ケトンの例は、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンおよびエチルヘキシルケトンである。
【0061】
プリプレグを生成するための融解適用方法および液体適用方法において、2,4,6−トリス(メトキシメチルアミノ)−1,3,5−トリアジンが、好ましくは、アミノトリアジンエーテルとして使用される。
【0062】
プリプレグを生成するための融解適用方法および液体適用方法において、上記使用される潜在性硬化剤は、好ましくは弱酸であり、特に、以下である:
ブロックされたスルホン酸、
リン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、
芳香族C〜C14−カルボン酸または無機酸のC〜C12−アルキルエステルまたはC〜C−ヒドロキシアルキルエステル、
脂肪族C〜C18−カルボン酸との、メラミンまたはグアナミンの塩
〜C20−ジカルボン酸の無水物、モノエステルまたはモノアミド、
エチレン性の(ethylenically)不飽和C〜C20−ジカルボキシル無水物とC〜C20−オレフィンおよび/もしくはC〜C20−ビニル芳香族を含む型のエチレン性の不飽和モノマーのコポリマーとの、モノエステルまたはモノアミド、ならびに/あるいは
脂肪族C〜C18−カルボン酸、芳香族C〜C14−カルボン酸もしくはアルキル芳香族カルボン酸、および塩酸型、硫酸型またはリン酸型の無機酸との、C〜C12−アルキルアミンあるいはアルカノールアミンの塩。
【0063】
プリプレグの生成において潜在性硬化剤として使用され得るブロックされたスルホン酸の例は、ベンジルモノオキシムトシレート、エチルα−シクロヘキシルスルホニル−オキシイミノフェニルアセテート、アセトンオキシムp−ベンゾイルベンゼンスルホネート、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシ−イミノ)ベンジルシアン化物、2−ニトロベンジルスルホネートおよび2−メチルスルホニルオキシイミノ−4−フェニルブト−3−エンニトリルである。
【0064】
プリプレグの生成において潜在性硬化剤として使用され得る脂肪族C〜C18−カルボン酸の例は、酪酸、カプロン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸である。
【0065】
プリプレグの生成において潜在性硬化剤として使用され得るリン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の例は、リン酸水素アンモニウム、ポリリン酸ナトリウムおよびリン酸水素カリウムである。
【0066】
プリプレグの生成において潜在性硬化剤として使用され得る芳香族C〜C14−カルボン酸または無機酸のC〜C12−アルキルエステルまたはC〜C−ヒドロキシアルキルエステルの例は、ジブチルフタレート、ジグリコールフタレートおよび/またはグリコールトリメリテートである。
【0067】
プリプレグの生成において潜在性硬化剤として使用され得る脂肪族C〜C18−カルボン酸との、メラミンまたはグアナミンの塩の例は、メラミンホルマート、メラミンシトレートおよび/またはアセトグアナミンブチレートである。
【0068】
プリプレグの生成において潜在性硬化剤として使用され得るC〜C20−ジカルボン酸の無水物、モノエステルまたはモノアミドの例は、無水マレイン酸、モノ−C〜C18−アルキルマレエート(例えば、モノブチルマレエート、モノエチルヘキシルマレエートもしくはモノステアリルマレエート)、またはモノ−C〜C18−アルキルマレアミド(例えば、モノエチルマレアミド、モノオクチルマレアミドもしくはモノステアリルマレアミド)である。
【0069】
プリプレグの生成において潜在性硬化剤として使用され得るエチレン性の不飽和C〜C20−ジカルボンキシル無水物とC〜C20−オレフィンおよび/もしくはC〜C20−ビニル芳香族を含む型のエチレン性の不飽和モノマーとのコポリマーの、モノエステルまたはモノアミドの例は、無水マレイン酸とイソブテン、ジイソブテンおよび/もしくは4−メチルペンテンを含む型のC〜C−α−オレフィンおよび/もしくはスチレンとのコポリマーのモノエステルまたはモノアミドである。ここで、無水マレイン酸対C〜C−α−オレフィンまたはスチレンまたは対応するモノマー混合物のモル比は、1:1〜1:5である。
【0070】
プリプレグの生成において潜在性硬化剤として使用され得る、脂肪族C〜C18−カルボン酸、芳香族C〜C14−カルボン酸もしくはアルキル芳香族カルボン酸、および塩酸型、硫酸型またはリン酸型の無機酸との、C〜C12−アルキルアミンあるいはアルカノールアミンの塩の例は、エタノールアンモニウムクロライド、トリエチルアンモニウムマレエート、ジエタノールアンモニウムホスフェートおよび/またはイソプロピルアンモニウムp−トルエンスルホネートである。
【0071】
上に記載のプリプレグを使用して生成される繊維複合材料は、さらに本発明に従う。
【0072】
繊維複合材料の生成のために、50重量%〜85重量%のシート様織物構造およびカルバミン酸エステル基を含む15重量%〜50重量%のポリアミノトリアジンエーテルを含むプリプレグは、135℃〜190℃の温度で、4分〜90分の滞留時間において、単層または複数の層の形態で、好ましくは40bar〜120barの圧力下において硬化され得る。
【0073】
135℃〜190℃の温度で4分〜90分の滞留時間におけるプリプレグの硬化はまた、50重量%〜85重量%のシート様織物構造およびカルバミン酸エステル基を含む15重量%〜50重量%のポリアミノトリアジンエーテルを含むプリプレグのシート様基材材料との積層の後に行われ得る。このシート様基材材料は、木材、金属、プラスチック、紙、板材、シート様織物構造または基材材料に基づくプリプレグ(例えば、シート様織物構造もしくは紙)を含み、積層用樹脂(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂または不飽和ポリエステル樹脂)と共に、好ましくは成形と同時の圧迫および40bar〜120barの圧迫で浸漬される。
【0074】
50重量%〜85重量%のシート様織物構造およびカルバミン酸エステル基を含む15重量%〜50重量%のポリアミノトリアジンエーテルを含むプリプレグとの積層による繊維複合材料の生成において使用され得るシート様基材材料の例は、銅はく、クラフトペーパープリプレグ(kraft paper prepreg)、発泡ポリスチレン、発泡ポリオレフィン、金属ネット(metal net)およびフェノール樹脂/ガラス繊維プリプレグである。
【0075】
本発明に従う繊維複合材料は、好ましくは、防熱衣類、防炎ブランケット、電気絶縁性紙、電子装置、構造部品(construction part)および媒体付属品(vehicle fitting)における難燃性構成要素としての使用に適切である。
【0076】
本発明は、以下の実施例によって説明される。
【実施例】
【0077】
(実施例1)
(1.1 アミノトリアジンエーテルおよびポリアミノトリアジンエーテルの混合物の調製)
95℃において13.7kgのメタノール中で1.0kgのメラミンを導入することによって、メラミン分散液を30リットルの攪拌式オートクレーブ中において調製する。pHを6に調整した後に、3kgのホルムアルデヒドと、1.29kgのメタノールと4.31kgとの水の90℃に予熱した混合物を、アルデヒド成分として圧力下でオートクレーブ中に計量する。そして、反応温度95℃かつ反応時間5分において、この反応混合物を反応させる。
【0078】
65℃まで冷却した後、N/10の水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、pH9を確立する。そして2.23kgのブタノールを添加した後、第一の真空エバポレータ中に水−メタノール混合物中に溶解したエーテル化アミノトリアジン樹脂縮合物を移す。第一の真空エバポレータ中で、エーテル化アミノトリアジン樹脂縮合物の溶液を80℃で濃縮し、75重量%の固形分および10重量%のブタノール含有量を有する、高濃縮アミノトリアジン樹脂溶液を得る。
【0079】
エーテル化アミノトリアジン樹脂の高濃縮溶液を、続いて第二の真空エバポレータに移して90℃で濃縮し、95重量%の固形分および5重量%のブタノール含有量を有するシロップ状の融解物(syrupy melt)を得る。
【0080】
(1.2 プリプレグの生成および繊維複合材料を生じるための加圧)
GL 27 D44(Leistritz)ラボラトリー押出機(laboratory extruder)の供給ホッパ中に2.6kg/時間で、このシロップ状の融解物を計量する(供給部の後および生成物放出部の前の真空の脱揮発成分(devolatilization)部、液体媒体についての副流計量部および100×2mmのフラットシートダイを有し、温度特性は、180℃/220℃/220℃/220℃/200℃/170℃/140℃/110℃/90℃/90℃/90℃であり、押出機の速度は、1分あたり200である)。アミノトリアジンエーテルを熱性縮合に供し、100mbarにおける脱揮発成分によって、揮発性画分を除く。真空脱揮発成分ノズルから得るアミノトリアジンエーテル/ポリアミノトリアジンエーテル混合物の分析サンプルは、650のモル質量を有する。2.25kg/時間のヘキサメチレンジイソシアネートを、ポリアミノトリアジンエーテル/アミノトリアジンエーテル混合物の融解物中で副流計量器によって計量し、混合物と均一化する。150mbarでの第二の真空脱揮発成分の後、この融解物をフラットシートダイを介してガラス繊維布上に5m/分(単位領域あたりの質量は、200g/m)の移動速度で押し出す。この布は、浸漬の後に加熱トンネル(heating tunnel)を通過する(120℃、平均滞留時間は8分)。
【0081】
この浸漬したガラス繊維布は、44重量%の樹脂含有量を有する。ATR検査(ATR investigation)は、1:2.6のトリアジンセグメント対カルバミン酸エステル基の比率を示す。
【0082】
この浸漬したガラス繊維布を、160℃/30barで20分間、硬化させながら圧迫する。
【0083】
この積層は、以下の材料特性を有する:
曲げ強さ:320N/mm 衝撃強さ:78kJ/m
引張り強さ:180N/mm 伸び:3%
同じ樹脂含有量を有する積層を、類似の条件下であるが、ジイソシアネートの添加を伴わずに生成する場合、以下の材料特性を得る:
曲げ強さ:290N/mm 衝撃強さ:52kJ/m
引張り強さ:168N/mm 伸び:2.2%
(実施例2)
(2.1 アミノトリアジンエーテルの調製)
95℃において、15kgのメタノール中で0.9kgのメラミンおよび0.1kgのベンゾグアナミンを導入することによって、アミノトリアジン分散液を30リットルの攪拌式オートクレーブ中において調製する。pHを6.2に調整した後に、2.7kgのホルムアルデヒドと、0.3kgのグリオキサールと3kgとの水の90℃に予熱した混合物を、アルデヒド成分として圧力下で攪拌式オートクレーブ中に計量する。そして、反応温度90℃かつ反応時間10分において、この反応混合物を反応させる。
【0084】
65℃まで冷却した後、N/10の水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、pH9.2を確立する。そして0.6kgのブタノールを添加した後、第一の真空エバポレータ中に水−メタノール混合物中に溶解したエーテル化アミノトリアジン樹脂縮合物を移し、ここでエーテル化アミノトリアジン樹脂縮合物の溶液を80℃で濃縮し、76重量%の固形分および3.1重量%のブタノール含有量を有する、高濃縮アミノトリアジン樹脂溶液を得る。
【0085】
エーテル化アミノトリアジン樹脂の高濃縮溶液を、続いて、混練部において0.8kgのSimusol BPLE(ビスフェノールAのオリゴエチレングリコールエーテル)と混合し、第二の真空エバポレータに移して、90℃で濃縮し、98重量%の固形分および2.2重量%のブタノール含有量を有するシロップ状の融解物を得る。
【0086】
(2.2 プリプレグの生成および繊維複合材料を生じるための加圧)
GL 27 D44(Leistritz)ラボラトリー押出機の供給ホッパ中に2.8kg/時間で、このシロップ状の融解物を計量する(供給部の後および生成物放出部の前の真空の脱揮発成分部、液体媒体についての副流計量部および100×2mmのフラットシートダイを有し、温度特性は、180℃/220℃/220℃/220℃/200℃/170℃/140℃/110℃/90℃/90℃/90℃であり、押出機の速度は、1分あたり200である)。アミノトリアジンエーテルを熱性縮合に供し、100mbarにおける脱揮発成分によって、揮発性画分を除く。真空脱揮発成分ノズルから得るアミノトリアジンエーテル/ポリアミノトリアジンエーテル混合物の分析サンプルは、3800のモル質量を有する。
【0087】
1.9kg/時間のテトラメチレンジイソシアネートを、アミノトリアジンエーテル/ポリアミノトリアジンエーテル混合物の融解物中に副流計量部によって計量し、混合物と均一化する。150mbarにおける第二の真空脱揮発成分の後、この融解物をフラットシートダイを介してガラス繊維布上に3.5m/分(単位領域あたりの質量は、200g/m)の移動速度で押し出す。この布は、浸漬の後に加熱トンネルを通過する(120℃、平均滞留時間は8分)。
【0088】
この浸漬したガラス繊維布は、50重量%の樹脂含有量を有する。プリプレグのATR検査は、1:3.7のトリアジン配列対カルバミン酸エステル基の比率を示す。
【0089】
この浸漬したガラス繊維布を、160℃/30barで20分間、硬化させながら圧迫する。
【0090】
この積層は、以下の材料特性を有する:
曲げ強さ:330N/mm 衝撃強さ:74kJ/m
引張り強さ:188N/mm 伸び:2.8%
同じ樹脂含有量を有する積層を、類似の条件下であるが、ジイソシアネートの添加を伴わずに生成する場合、以下の材料特性を得る:
曲げ強さ:295N/mm 衝撃強さ:50kJ/m
引張り強さ:175N/mm 伸び:2.0%
(実施例3)
プリプレグの生成のため、2,4,6−トリス(メトキシメチルアミノ)−1,3,5−トリアジンを、アミノトリアジンエーテルとして使用し、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートを、トランスエーテル化のためのジオール構成要素として使用し、そしてジイソシアネートジフェニルを、ジイソシアネートとして使用する。
【0091】
アミノトリアジンエーテルのトランスエーテル化および熱性自己縮合を、測定ニーダー(measuring kneader)(Haake Polylabsystem 540pが提供)中で実施する。170℃に予熱した後、32.5gのビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートおよび39.5gの2,4,6−トリス(メトキシメチル−アミノ)−1,3,5−トリアジンを、ニーディングチャンバー中に計量し、6分の反応時間の後に3Nmのトルクが達成されるまで、50/分の速度において練る。冷却の後、アミノトリアジンエーテルおよびポリアミノトリアジンエーテルの混合物を、インパクトディスク(impact disk)および2mmシーブを備える100 UPZ/IIユニバーサルミル(Alpine Hosokawa)中で粉砕する。GPC検査は、1650のモル質量を示す。
【0092】
アミノトリアジンエーテルおよびポリアミノトリアジンエーテルの混合物50gを、200mlのジメチルスルホキシド中に110℃において溶解する。この溶液を50℃に冷却し、次いで、68gのジイソシアネートジフェニルエーテルおよび2gのジブチルフタレートを添加し、そしてこの混合物を均一化する。
【0093】
この粘性溶液を、ナイフコーターによって不織布セルロースウェブに適用し(120g/m,Lenzing AG,Austria)、そして浸漬した不織布セルロースをニードルバーフレームに固定し、真空乾燥機中で5時間115℃/0.1barにおいて乾燥させる。このように、生成するプリプレグは、約50%の樹脂コートを有する。プリプレグのATR検査は、1:3のトリアジン配列対カルバミン酸エステル基の比率を示す。
【0094】
このプリプレグを、30×20cmの大きさに切断する。U特性(U−profile)の形態の曲がった縁を有する形成物の生成のために、3つのプリプレグおよび最上層として1つの未処理の不織布セルロースを、160℃に予熱した圧縮型(30×20cm)中で、1つを他の上に配置していく。そして圧縮機をゆっくりと近づけると、未硬化のプリプレグは、容易に成形可能である。160barの圧力下で、温度が180℃に上昇し、20分間で成形を達成する。仕上げた加工品を取り出し、ゆっくりと冷却し、圧縮型のはめこみの縁においてとびだした樹脂によって形成されるフラッシュを、削り取る。
【0095】
この加工品から切断した試験標本は、曲げ試験において、6.5GPaの弾性率、最大力において3.2%の伸びおよび13kJ/mの衝撃強さの係数を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い強度および弾力を有する繊維複合材料のためのプリプレグであって、該プリプレグは、50重量%〜85重量%のシート様織物構造およびカルバミン酸エステル基を含む15重量%〜50重量%のポリアミノトリアジンエーテルを含み、そして以下、
A)以下の構造
【化1】

のアミノトリアジンエーテルであって、
は、
【化2】

であり、
は、−H、−C〜C−アルキルであり;
は、−C〜C18−アルキル、−R−OHであり、
は、
【化3】

であって、
ここでnは、1〜200であり;
型−[(X)−O−CO−(Y)−CO−O(X)]−のシロキサン基を含むポリエステル配列であって、ここで
Xは、
【化4】

であって;
Yは、
【化5】

であって;
rは、1〜70であり;sは、1〜70であり、そしてyは、3〜50である、ポリエステル配列;
シロキサン基を含み、そして型
【化6】

であるポリエーテル配列であり、
ここでRは、H;C〜C−アルキルであり、そしてyは、3〜50である、
ポリエーテル配列;
2−アミノ−4,6−ジ−C2〜C4−アルキレンアミノ−1,3,5−トリアジン配列を含む型のメラミンのアルキレンオキシド付加物に基づく配列;
−C〜C−アルキレン−O−C〜C18−アリーレン−O−C〜C−アルキレン配列を含む型の二価フェノールおよびC〜C−ジオールに基づくフェノールエテール配列;および/または
B)10重量%〜90重量%のアミノトリアジンエーテルA)および300〜5000のモル質量を有する90重量%〜10重量%のポリアミノトリアジンエーテルの混合物であって、該ポリアミノトリアジンエーテルは、アミノトリアジンエーテルA)の熱性自己縮合によって形成される、混合物、ならびに
C)式R(N=C=O)のイソシアネートであって、ここでRは、C〜C14−アリーレン、C〜C18−アルキレンおよび/もしくはC〜C−シクロアルキレンである、イソシアネート、ならびに/または末端イソシアネート基および200〜5000のモル質量を有するオリゴマーポリエステルもしくはポリエーテル、
に基づき、トリアジンセグメント対カルバミン酸エステル基の該モル比が、1:1〜1:4であることで特徴付けられるプリプレグ。
【請求項2】
前記織物基材材料が、織った布または不織布であって、好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維および/または熱硬化性プラスチック繊維を含む織った布または不織布であることに特徴付けられる、請求項1に記載のプリプレグ。
【請求項3】
アルデヒド構成要素対トリアジン構成要素の比率が、前記カルバミン酸エステル基を含むポリアミノトリアジンエーテル中で、1:1〜3:1であることで特徴付けられる、請求項1または請求項2に記載のプリプレグ。
【請求項4】
前記カルバミン酸エステル基を含むポリアミノトリアジンエーテルが、メラミン、ホルムアルデヒド、メタノールおよび前記型R(N=C=O)のジイソシアナートに基づくポリアミノトリアジンエーテルであることで特徴付けられる、請求項1から請求項3の少なくとも1項に記載のプリプレグ。
【請求項5】
前記カルバミン酸エステル基を含むポリアミノトリアジンエーテルが、
B)5重量%〜30重量%のアミノトリアジンエーテルA)および300〜500のモル質量を有する95重量%〜70重量%の、ポリアミノトリアジンエーテルの混合物であって、該ポリアミノトリアジンエーテルは、アミノトリアジンエーテルA)の熱性自己縮合によって形成される、混合物、ならびに
C)前記式R(N=C=O)のイソシアネートであって、ここでRは、C〜C18−アルキレンおよび/もしくはC〜C−シクロアルキレンである、イソシアネート、ならびに/または末端イソシアネート基および200〜5000のモル質量を有するオリゴマーポリエステルもしくはポリエーテル、
に基づくポリアミノトリアジンエーテルであることで特徴付けられる、請求項1から請求項4の少なくとも1項に記載のプリプレグ。
【請求項6】
高い強度および弾力を有する繊維複合材料のためのプリプレグを生成するためのプロセスであって、50重量%〜85重量%のシート用織物構造およびカルバミン酸エステル基を含む15重量%〜50重量%のポリアミノトリアジンエーテルを含むプリプレグが、以下、
A)以下の構造、
【化7】

のアミノトリアジンエーテルであって、
は、
【化8】

であり、
は、−H、−C〜C−アルキルであり;
は、−C〜C18−アルキル、−R−OHであり、
は、
【化9】

であって、
ここでnは、1〜200であり;
前記型−[(X)−O−CO−(Y)−CO−O(X)]−のシロキサン基を含むポリエステル配列であって、ここで
Xは、
【化10】

であって;
Yは、
【化11】

であって;
rは、1〜70であり;sは、1〜70であり、そしてyは、3〜50である、ポリエステル配列;
前記型
【化12】

のシロキサン基を含むポリエーテル配列であって、ここでRは、H;C〜C−アルキルであり、そしてyは、3〜50である、ポリエーテル配列;
前記2−アミノ−4,6−ジ−C〜C−アルキレンアミノ−1,3,5−トリアジン配列を含む型のメラミンのアルキレンオキシド付加物に基づく配列;
前記−C〜C−アルキレン−O−C〜C18−アリーレン−O−C〜C−アルキレン配列を含む型の二価フェノールおよびC〜C−ジオールに基づくフェノールエテール配列;および/または
B)10重量%〜90重量%のアミノトリアジンエーテルA)および300〜5000のモル質量を有する90重量%〜10重量%のポリアミノトリアジンエーテルの混合物であって、該ポリアミノトリアジンエーテルは、アミノトリアジンエーテルA)の熱性自己縮合によって形成される、混合物、ならびに
C)前記式R(N=C=O)のイソシアネートであって、ここでRは、C〜C14−アリーレン、C〜C18−アルキレンおよび/もしくはC〜C−シクロアルキレンである、イソシアネート、ならびに/または末端イソシアネート基および200〜5000のモル質量を有するオリゴマーポリエステルもしくはポリエーテル、
の混合物における融解適用方法によって生成され、
該トリアジン配列中のジイソシアネート対イミノ基とアミノ基の合計のモル比が、0.15:1〜0.65:1であって、該混合物について、該アミノトリアジンエーテルに基づいて、0.05重量%〜2重量%の潜在性硬化剤を含むことが可能であり、85℃〜130℃の温度において融解され、反応され、そして織物基材材料に適用されることで特徴付けられる、プリプレグを生成するためのプロセス。
【請求項7】
高い強度および弾力を有する繊維複合材料のためのプリプレグを生成するためのプロセスであって、50重量%〜85重量%のシート用織物構造およびカルバミン酸エステル基を含む15重量%〜50重量%のポリアミノトリアジンエーテルを含むプリプレグが、液体適用方法によって生成され、ここでこのC〜C12−炭化水素および/もしくはC〜C12−ケトン中の分散物、またはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよび/もしくはジメチルアセトアミド中の溶液は、25重量%〜70重量%の固形分を有し、以下、
A)以下の構造、
【化13】

のアミノトリアジンエーテルであって、
は、
【化14】

であり、
は、−H、−C〜C−アルキルであり;
は、−C〜C18−アルキル、−R−OHであり、
は、
【化15】

であって、
ここでnは、1〜200であり;
前記型−[(X)−O−CO−(Y)−CO−O(X)]−のシロキサン基を含むポリエステル配列であって、ここで
Xは、
【化16】

であって;
Yは、
【化17】

であって;
rは、1〜70であり;sは、1〜70であり、そしてyは、3〜50である、ポリエステル配列;
シロキサン基含み、前記型
【化12】

であるポリエーテル配列であり、ここでRは、H;C〜C−アルキルであり、そしてyは、3〜50である、ポリエーテル配列;
前記2−アミノ−4,6−ジ−C〜C−アルキレンアミノ−1,3,5−トリアジン配列を含む型のメラミンのアルキレンオキシド付加物に基づく配列;
前記−C〜C−アルキレン−O−C〜C18−アリーレン−O−C〜C−アルキレン配列を含む型の二価フェノールおよびC〜C−ジオールに基づくフェノールエテール配列;および/または
B)10重量%〜90重量%のアミノトリアジンエーテルA)および300〜5000のモル質量を有する90重量%〜10重量%のポリアミノトリアジンエーテルの混合物であって、該ポリアミノトリアジンエーテルは、アミノトリアジンエーテルA)の自己縮合によって形成される、混合物、ならびに
C)前記式R(N=C=O)のイソシアネートであって、ここでRは、C〜C14−アリーレン、C〜C18−アルキレンおよび/もしくはC〜C−シクロアルキレンである、イソシアネート、ならびに/または末端イソシアネート基および200〜5000のモル質量を有するオリゴマーポリエステルもしくはポリエーテル、
を含み、
該トリアジン配列中のジイソシアネート対イミノ基とアミノ基の合計の前記モル比が、0.15:1〜0.65:1であり、そして該混合物について、該アミノトリアジンエーテルに基づいて、0.05重量%〜2重量%の潜在性硬化剤を含有することが可能であり、5℃〜80℃の温度において織物基材材料に適用され、そして0.1〜1barあたり80℃〜120℃において反応され、そして乾燥させることで特徴づけられる、プリプレグを生成するためのプロセス。
【請求項8】
前記使用されるアミノトリアジンが、2,4,6−トリス(メトキシメチルアミノ)−1,3,5−トリアジンであることで特徴付けられる、請求項6または請求項7に記載のプリプレグを生成するためのプロセス。
【請求項9】
前記使用される潜在性硬化剤が、弱酸であって、好ましくは、
ブロックされたスルホン酸、
リン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、
芳香族C〜C14−カルボン酸もしくは無機酸のC〜C12−アルキルエステルまたはC〜C−ヒドロキシアルキルエステル、
脂肪族C〜C18−カルボン酸との、メラミンまたはグアナミンの塩
〜C20−ジカルボン酸の無水物、モノエステルまたはモノアミド、
エチレン性不飽和C〜C20−ジカルボン酸無水物、およびC〜C20−オレフィンおよび/もしくはC〜C20−ビニル芳香族を含む型のエチレン性不飽和モノマーのコポリマーの、モノエステルまたはモノアミド、ならびに/あるいは
脂肪族C〜C18−カルボン酸、芳香族C〜C14−カルボン酸もしくはアルキル芳香族カルボン酸、および塩酸型、硫酸型またはリン酸型の無機酸との、C〜C12−アルキルアミンまたはアルカノールアミンの塩、
であることで特徴付けられる、請求項6〜請求項8の少なくとも1項に記載のプリプレグを生成するためのプロセス。
【請求項10】
請求項1〜請求項5の1項以上に記載のプリプレグを使用して生成される、繊維複合材料。
【請求項11】
防熱衣類、防炎ブランケット、電気絶縁性紙、構造部品および乗物付属品のための、請求項10に記載の繊維複合材料の使用。

【公表番号】特表2006−520416(P2006−520416A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504753(P2006−504753)
【出願日】平成16年3月19日(2004.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002906
【国際公開番号】WO2004/083288
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(505350972)アミ アグロリンズ メラミン インターナショナル ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】