説明

高カカオポリフェノール含有量および改善された風味を有する食用製品並びにその中に使用される粉砕カカオ抽出物

粒径を減少させるためにカカオポリフェノール(CP)を含有する乾燥抽出物を粉砕すると、粉砕カカオ抽出物を含有する食用製品(例えば、食品、医療食品、栄養補給食品、および薬剤)または添加物の風味が改善される。その製品、例えば、チョコレートは、渋味と苦味が弱い。粉砕後の平均粒径は、約15マイクロメートル未満、好ましくは約10マイクロメートル未満、最も好ましくは約5マイクロメートル未満である。粉砕抽出物の総CP含有量は、粉砕抽出物1g当たり少なくとも約300ミリグラム、好ましくは約300から約700ミリグラムである。先の添加物は、(i)粉砕された高CPカカオ抽出物および(ii)脂肪(例えば、カカオバター)、油(例えば、植物油)、またはシロップ(例えば、コーンシロップ)から実質的になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒径の減少したカカオ抽出物、および粒径の減少したカカオ抽出物を含有する、食品、栄養補給食品、および薬剤などの製品または粒径の減少したカカオ抽出物を含有する添加物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリフェノール化合物は、植物性素材由来の生活性物質である。この化合物は、これらの植物性素材由来の製品の官能品質および栄養品質に密接に関連している。多くの植物性ポリフェノールは、抗酸化活性および数多くの健康上の利益を有する。カカオ製品中のカカオポリフェノール(CP)の消費により、著しい健康上の利益が得られる。カカオポリフェノールは、アテローム性動脈硬化症および心疾患の発症に関与すると考えられているプロセスに有益な効果をもたらすことが示されてきた。カカオポリフェノールは、LDL酸化を阻害し、一酸化窒素/一酸化窒素シンターゼ(NO/NOS)活性を向上させ、シクロオキシゲナーゼ(COX)およびリポキシゲナーゼ(LOX)活性を阻害する。これらの効果が、1997年10月9日に発行された特許文献1に報告されている。カカオポリフェノールは、非ステロイド系抗炎症薬、例えば、アスピリンの投与により影響を受けることが知られている症状を治療するまたは防ぐために使用することもできる。
【0003】
「カカオポリフェノール」という用語は、カカオ豆、カカオニブ、およびカカオ豆またはカカオニブから調製されたほとんどのカカオ成分中に存在する、プロアントシアニジン、より詳しくはプロシアニジンを含むポリフェノール化合物を称する。「プロシアニジン」という用語は、天然に生じるまたは合成由来のカテキンおよび/またはエピカテキンのオリゴマーを称する。「カカオポリフェノール」への言及のいずれも、フラバン−3−オールモノマーのカテキンおよびエピカテキンを含むものと理解すべきである。これらのモノマーは、(+)−カテキンと(−)−エピカテキンおよびそれらのそれぞれのエピマー(例えば、(+)−エピカテキンおよび(−)−カテキン)並びにそれらの誘導体を含む。これらのモノマーは、化学式「A」を有し、オリゴマーは「An」を有し、ここで、nは2から18以上の整数である。「A」は、化学式:
【化1】

【0004】
ここで、Rは、3−(α)−OH、3−(β)−OH、3−(α)−O−サッカライド、3−(β)−O−サッカライド、3−(α)−O−C(O)−R1、または3−(β)−O−C(O)−R1
隣接するモノマー間の結合は、4位と6位または4位と8位で生じ;
4位におけるモノマーへの結合は、アルファまたはベータの立体的配置を有し;
X、YおよびZは、少なくとも1つの末端モノマーに関して、隣接するモノマーのそこへの結合が4位にあるという条件で、A、水素、およびサッカライド部分からなる群より選択され、必要に応じて、Y=Z=水素であり;
サッカライド部分は、フェノール部分により必要に応じて置換されていてよいモノまたはジ−サッカライド部分であり;
1は、必要に応じて少なくとも1つのヒドロキシ基により置換されたアリールまたはヘテロアリール部分であってよく;および
それらの塩、誘導体、および酸化生成物を有する。サッカライド部分は、グルコース、キシロース、ラムノース、およびアラビノースからなる群に由来することが有利である。サッカライド部分およびR、X、YおよびZのいずれかまたは全ては、任意の位置で、エステル結合によりフェノール部分と必要に応じて置換されてもよい。このフェノール部分は、コーヒー酸、桂皮酸、クマル酸、フェルラ酸、没食子酸、ヒドロキシ安息香酸、およびシナピン酸からなる群より選択される。
【0005】
カカオポリフェノール抽出物、特に、エピカテキン、カテキン、およびプロシアニジン抽出物は、最近、相当な生物学的有用性を有することが示された。それゆえ、カカオポリフェノールの含有量の多いココア製品の消費により、著しい健康上の利益がもたらされるであろう。
【0006】
カカオポリフェノール抽出物、またはそこからさらに分離された化合物は、最初に、研究室規模で調製された。1996年9月10日に発行された特許文献2(Romanczyk等)を参照のこと。カカオ抽出物を含有する固体組成物および液体調製物が、特許文献2に開示されている。
【0007】
不完全発酵(underfermented)および未発酵(unfermented)の生のカカオ材料が、発酵カカオ材料と比べて相当な量のカカオポリフェノールを含有する。発酵および乾燥により、カカオ豆において複雑な変化がもたらされる、とりわけ、特徴的な風味とココア色の発色に必要な成分が形成される。しかしながら、発酵によって、未発酵または不完全発酵のカカオ豆中のポリフェノール化合物の濃度と比べて、発酵したカカオ豆中のポリフェノール化合物の濃度が著しく減少してしまう。カカオ豆の焙煎または脱脂などの工程を含む従来のカカオ豆の加工処理によって、ココア粉末またはそれにより生成されるチョコレートリカー中のカカオポリフェノールの濃度も減少してしまう。その上、これらのプロセスにより、高級オリゴマーポリフェノール(すなわち、オリゴマー5〜12)のほうが、低級オリゴマー(すなわち、オリゴマー2〜4)よりも急速に濃度が減少してしまう。
【0008】
ポリフェノールを含有するカカオ抽出物は、未発酵および/または不完全発酵のカカオ豆またはカカオニブから調製された部分脱脂または完全脱脂されたカカオ固形分を溶媒抽出することによって、調製することもできる。2000年1月18日に発行された特許文献3(kealey等)および2001年11月6日に発行された特許文献4(Kealey等)を参照のこと。これらの開示をここに引用する。
【0009】
部分脱脂されたカカオ固形分から、四量体、五量体、またはそれより高分子量のオリゴマーおよび単量体と二量体を選択的に抽出するプロセスが、2003年9月30日に発行された特許文献5(Hammerstone等)に開示されている。その開示をここに引用する。
【0010】
カカオポリフェノールの水性混合物からプロシアニジンを選択的に抽出するプロセスが、2007年4月5日に公開された特許文献6(Robbins等)に開示されている。その開示をここに引用する。
【0011】
部分脱脂または完全脱脂されたカカオ固形分の食品または栄養補助食品への加工処理中のカカオポリフェノールの損失を防ぐプロセスは、約80℃以下で液体であるステロールおよび/またはスタノールエステルを約9質量%から90質量%有するカカオ固形分を前処理するまたはレシチンを約0.05質量%から約5質量%有するカカオ固形分を前処理する工程を含む。2005年3月31日に公開された特許文献7(Chimel等)を参照のこと。その開示をここに引用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第97/36497号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5554645号明細書
【特許文献3】米国特許第6015913号明細書
【特許文献4】米国特許第6312753号明細書
【特許文献5】米国特許第6627232号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2007/0078261−A1号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/0069625−A1号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
ある実施の形態において、本発明は、粉砕抽出物1グラム当たり少なくとも約300ミリグラム、好ましくは約300から約700ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量および減少した粒径を有する粉砕カカオ抽出物に関する。カカオ抽出物は、ココア豆とも称されるカカオ豆、またはカカオ豆またはカカオニブから調製されたカカオ固形分を溶媒抽出することによって、得られる。カカオ豆は、未発酵および/または不完全発酵のカカオ豆であることが好ましい。粉砕抽出物の平均粒径は、約15マイクロメートル未満、好ましくは約10マイクロメートル未満、最も好ましくは約5マイクロメートル未満である。粉砕粒子の約90体積%が、約30マイクロメートル未満、好ましくは約20マイクロメートル未満、最も好ましくは約10マイクロメートル未満である。総カカオポリフェノール含有量は、粉砕カカオ抽出物1グラム当たり、好ましくは約400ミリグラム、より好ましくは約400から約600ミリグラム、最も好ましくは約400から約500ミリグラムである。
【0014】
高CPカカオ抽出物中のカカオポリフェノールは、以下に限られないが、エピカテキン、カテキン、および/またはそれらのプロシアニジンオリゴマーを含む。この抽出物は、二量体から少なくとも十量体、ある場合には、十一量体および十二量体などのオリゴマーを含有してもよい。この抽出物は、モノマーまたは個々のオリゴマーに分別されてもよい。
【0015】
第2の実施の形態において、本発明は、(i)脂肪および/または油;(ii)カカオポリフェノールを含む粉砕カカオ抽出物;および(iii)随意的に、乳化剤から実質的になる添加物に関する。脂肪は、カカオバターまたは乳脂であって差し支えない。油は、植物油であって差し支えない。脂肪および/または油は、この脂肪および/または油中に粉砕カカオ抽出物を分散させるのに十分な量で存在する。粉砕カカオ抽出物は、上述した総カカオポリフェノール含有量および平均粒径および/または粒径分布を有する。
【0016】
第3の実施の形態において、本発明は、(i)水および栄養性炭水化物甘味料および/または砂糖代替物を含むシロップ;(ii)粉砕カカオ抽出物;および(iii)随意的に、脂肪および/または油から実質的になる添加物に関する。シロップは、このシロップ中に粉砕カカオ抽出物を分散させるのに十分な量で存在する。粉砕カカオ抽出物は、上述した総カカオポリフェノール含有量および平均粒径および/または粒径分布を有する。栄養性炭水化物甘味料は、コーンシロップまたはそれと別の甘味料とのブレンドであって差し支えない。脂肪は、存在する場合には、カカオバターまたは乳脂であり、油は、存在する場合には、植物油であることが好ましい。
【0017】
それらの添加物は、減少した水分活性、すなわち、0.91以下、好ましくは、0.1から0.7の水分活性を有する食品、医療食品、栄養補給食品、または薬剤製品に使用できる。
【0018】
第4の実施の形態において、本発明は、(i)粉砕カカオ抽出物;および(ii)脂肪、油、および/またはシロップまたは(ii)粉砕高CPカカオ抽出物および脂肪、油、および/またはシロップから実質的になる添加物を含む、水分活性が減少した、食品、医療食品、栄養補給食品、または薬剤に関する。
【0019】
ここにおいて特に有用な食品としては、菓子、シリアル、シリアルバー、焼き物、プディング、およびソース、好ましくは、例えば、ミルクチョコレート、スキムミルクチョコレート、バターミルクチョコレート、混合乳製品チョコレート、スイートチョコレート、ビタースイートチョコレート、ホワイトチョコレート、および減脂チョコレートなどのチョコレートが挙げられる。
【0020】
粉砕抽出物1グラム当たり少なくとも約300ミリグラムの総カカオポリフェノールを含有する粉砕カカオ抽出物を含むチョコレートは、減少した苦味、例えば、0から15の尺度で約0.5単位の減少、および減少した渋味、例えば、0から15の尺度で約0.5単位、好ましくは約0.75単位、より好ましくは約0.75単位より大きい単位の減少により特徴付けられる。使用した尺度は、以下に論じる当該技術分野において認められた感覚尺度である。
【0021】
前記チョコレートは、
a. 1種類以上の炭水化物成分、1種類以上のカカオ成分、および随意的に、1種類以上の乳固形分含有成分の混合物を提供する工程、および
b. その成分混合物に、コンチングまたは調温の前、後または最中に、上述した総カカオポリフェノール含有量および粒径分布を有する粉砕カカオ抽出物を添加する工程、
を含むプロセスにより調製される。
【0022】
チョコレートの調製に用いられるカカオ成分としては、チョコレートリカー、アルカリ化チョコレートリカー、部分脱脂または完全脱脂カカオ固形分、アルカリ化された部分または完全脱脂カカオ固形分、カカオ粉末、アルカリ化カカオ粉末、および/またはカカオバターが挙げられる。ある実施の形態において、多量の総カカオポリフェノール(CP)を有するチョコレートリカーおよび/またはカカオ固形分は、最終製品の総カカオポリフェノール含有量を増加させるために、製品中に用いられる。高CPカカオ成分は、未発酵および/または不完全発酵カカオ豆から調製される。
【0023】
粉砕高CPカカオ抽出物を含有する製品および添加物は、改善された風味、すなわち、渋味が少なく、苦味が少ない風味を有するが、より重要なことには、それらの総カカオポリフェノール含有量が、粒径を減少させるために用いられる粉砕により減少されない。当業者には、苦味または渋味化合物を粉砕することによって、その化合物の増加した表面積により、カフェインに観察されるように、苦味または渋味のレベルが増加することが予測されるであろう。意外なことに、粉砕された高CP抽出物が、より小さな粒径まで粉砕されるときに、苦味と渋味の減少が認められる。粉砕された高CPカカオ抽出物が水またはミルクやクリームなどの水性系に加えられたときには、同じ風味の改善は見られない。チョコレートに加えられたときに、渋味と苦味が減少する。例えば、1食40グラム当たり150ミリグラムの総カカオポリフェノールを含有するミルクチョコレートバーにおいて、苦味は、0から15の尺度で0.5単位だけ減少したのに対し、渋味は、0から15の尺度で0.75単位近く減少した。これらの特性は、≦0.10で著しく異なる。これらの特性は、「テスト手法」の項目で以下に論じられる、0から15の標準強度尺度で定量化される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】未粉砕高CPカカオ抽出物の粒径分布を示すグラフ
【図2】5,000rpmの粗粉分離器速度で空気ジェット粉砕した高CPカカオ抽出物の粒径分布を示すグラフ
【図3】10,000rpmの粗粉分離器速度で空気ジェット粉砕した高CPカカオ抽出物の粒径分布を示すグラフ
【図4】図2および3の粉砕高CPカカオ抽出物の粒径分布の重なりを示すグラフ
【図5】未粉砕高CPカカオ抽出物の粒径分布を示すグラフ
【図6】オステライザー・ブレンダ内において高速で1分間に亘り挽かれた高CPカカオ抽出物の粒径分布を示すグラフ
【図7】オステライザー・ブレンダ内において高速でさらに5分間に亘り挽かれた高CPカカオ抽出物の粒径分布を示すグラフ
【図8】図4の未粉砕高CPカカオ抽出物に、図5および6の粉砕高CP抽出物の粒径分布を重ねたグラフ
【図9】高CPカカオ抽出物を含有しないミルクチョコレート(比較ミルクチョコレート)、約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕カカオ抽出物を含有するミルクチョコレート(対照ミルクチョコレート)、および約3.7マイクロメートルの粒径を有する粉砕カカオ抽出物を含有するミルクチョコレート(テストミルクチョコレート)に関する、気本気な味覚要因を比較したグラフ
【発明を実施するための形態】
【0025】
カカオ豆の選択
カカオ豆は、色に基づいて4つの範疇に分類できる:主に褐色(完全発酵)、紫色/褐色、紫色、およびスレート色(不完全発酵)。カカオ固形分は、不完全発酵カカオ豆、すなわち、スレート色のカカオ豆、紫色のカカオ豆、紫色とスレート色のカカオ豆の混合物、紫色と褐色のカカオ豆の混合物、またはスレート色、紫色および褐色のカカオ豆の混合物から調製されることが好ましい。カカオ豆は、発酵した豆よりもカカオポリフェノール含有量が多い、スレート色および/または紫色のカカオ豆であることがより好ましい。
【0026】
「発酵係数」という用語は、一山のカカオ豆の発酵レベルの数量化である。発酵係数は100(不完全/未発酵)から400(完全発酵)までに及ぶ。発酵の程度を評価するために、カカオ豆には、定型的に、産業等級規格において定義されるような表記品質に関する標準切断テストが行われる。豆の半割れが、カカオ豆の発酵、乾燥および/または貯蔵中に生じ得る欠陥並びに色の目視検査のために、板の上に並べられる。
【0027】
「発酵係数」は、カカオ豆の発酵を特徴付けるための等級システムである。不完全/未発酵のスレート色は1で表され、紫色は2で、紫色/褐色は3で、褐色は4で表される。各範疇に入る豆の割合は、加重数がかけられる。それゆえ、100%褐色の豆のサンプルに関する「発酵係数」は、100×4すなわち400であるのに対し、100%紫色の豆のサンプルに関する発酵係数は、100×2すなわち200である。50%のスレート色の豆と50%の紫色の豆のサンプルは、150[(50×1)+(50×2)]の発酵係数を有する。トリニタリオ(Trinitario)種およびフェラステロ(Ferastero)種の豆由来のカカオ豆に適用できる切断テストは、例えば、完全に紫色から明るい黄褐色に及ぶ豆の色の変動に遭遇することもあるクリオロ(Criollo)種由来のカカオ豆には適用できるかもしれないし、できないかもしれない。したがって、色に基づく切断テストは、その色が明るい黄褐色であるカタンゴ(Catango)(またはカトンゴ(Catongo))などの、紫色の原因であるアントシアニン色素のない特定のカカオ遺伝子型にも適用できないであろう。他の例外としては、他のテオブロマ(Theobroma)種およびヘラニア(Herrania)種並びに種間および種内交雑由来の「カカオ豆」が挙げられる。これらの種からの豆は、色が「黄褐色」である。これらの種の豆については、発酵レベルは、改良型標準切断テストを用いて決定してもよい。改良型テストを用いて、半割れの豆の表面が、色の変化というよりもむしろ、発酵中に形成される線、割れ目または亀裂について検査される。特許文献3の図1(a)〜(d)は、発酵中の切断された豆の半割れの表面の変化を示している。線/割れ目の数およびそれらが、切断された半割れの全表面に亘り延在する程度が、豆が発酵されるにつれて、増加しているのが図から分かる。カカオ豆が発酵するにつれ、その表面に、小さな枝状の線または割れ目が生じる。この改良型テストは、発酵係数を近似するのにも使用できる。図1(a)に対応するカカオ豆は100で表され、図1(b)は200で、図1(c)は300で、図1(d)は400で表される。上述した範疇の定義は一般的な指針であるが、発酵の評価は、チョコレートおよびカカオの加工処理に通じた当業者の技能の十分に範囲内である(Wood et al., Cocoa, 4th Ed. (1985)の511-513頁を参照のこと、ここに引用する)。数量指数1〜4または100〜400は、カカオ豆の相対的発酵を反映するためにここに用いられ、したがって、カカオ豆中のカカオポリフェノールの相対濃度に関連する定性用語である。1または100の値は、カカオポリフェノールの最大の総量またはほぼ総量を有する未発酵の豆を示す。4または400の値は、発酵後に残っているカカオポリフェノールの量を有する完全発酵した豆を示す。任意のカカオ豆サンプルまたはカカオ成分の実際にカカオポリフェノール濃度は、特許文献2(Romanczyk等)に記載された高速液体クロマトグラフィー(HPLC)技法を用いて決定してもよい。
【0028】
「標準平均品質のカカオ豆」という用語は、果肉素材から分離され、乾燥され、カビおよび寄生虫を比較的含まないカカオ豆を称する。そのような豆は市販の商品である。この用語は、遺伝子組み換えされたそのような任意の豆を含む。
【0029】
「生の新たに収穫されたカカオ豆」という用語は、カカオの実から新たに収穫され、果肉からの分離以外の加工処理が施されていない種または豆を称する。この用語は、遺伝子組み換えされたそのような任意の豆を含む。
【0030】
高CPカカオ抽出物の調製
「カカオポリフェノール」という用語は、カカオ豆およびカカオ豆から調製されたある種のカカオ成分中に存在する、フラバン−3−オール(すなわち、エピカテキンおよびカテキン)およびそれらのプロシアニジンオリゴマーを含む。
【0031】
カカオ抽出物は、カカオ豆を粉末に粉砕し、この粉末を脱脂し、脱脂した粉末から活性化合物を抽出し、精製することによって調製してもよい。この粉末は、一般に、カカオ豆および果肉を凍結乾燥し、凍結乾燥した豆から果肉を除去し、外皮を取り、外皮の取れた豆またはニブを粉砕することより調製される。カカオポリフェノールの抽出は、メタノール、エタノール、またはイソブタノールなどの水性アルコールまたはアセトンなどの水性ケトンを用いた溶媒抽出技法によって行われる。酢酸メチルおよび酢酸エチルなどの酢酸エステルが、モノマーおよび低級オリゴマーの抽出に用いられる。抽出物は、ゲル透過クロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)技法、またはそのような方法の組合せにより精製される。ここに引用する特許文献2を参照のこと。
【0032】
カカオ抽出物は、未発酵および不完全発酵のカカオ豆またはカカオニブから調製された高CPの部分または完全脱脂カカオ固形分を溶媒抽出することによつて、調製してもよい。カカオ豆を、カカオニブを焙煎せずにカカオの外皮を弛めるのに十分な豆内部温度(IBT)で十分な時間だけ加熱することが好ましい。その開示を引用する、特許文献3および4を参照のこと。
【0033】
高級オリゴマーを含有する、またはモノマーおよび低級オリゴマーを含有する抽出物は、その開示を引用する、特許文献5の選択的抽出手法を用いて調製しても差し支えない。そのプロセスは、(a)カカオ固形分を酢酸エチルで抽出し、(b)抽出されたカカオ固形分を回収し、(c)回収された抽出済みカカオ固形分を、50体積%までの水を含む、アセトン、エタノール、またはそれらの混合物で抽出し、(d)工程(c)のカカオ抽出物から、カカオ固形分を分離して、高級オリゴマーを含有する抽出物を得る各工程を含む。必要に応じて、溶媒は、例えば、酢酸によって、約2から約4のpHまで酸性化されている。特許文献5により、酢酸メチルまたは酢酸エチルを用いて、エピカテキン、カテキンおよび二量体や三量体などの低分子量オリゴマーを選択的に抽出する方法が提供される。
【0034】
カカオポリフェノールの水性混合物からのモノマーおよびプロシアニジンオリゴマーの選択的抽出が、その開示をここに引用する特許文献6に開示されている。そのプロセスは、この水性混合物を酢酸n−ブチルで抽出し、プロシアニジン二量体および高級オリゴマーが豊富な水相と、カテキンおよびエピカテキンが豊富な酢酸n−ブチル相を分離する各工程を含む。水相の様々な溶媒または混合溶媒によるその後の抽出により、様々なプロシアニジンオリゴマーが豊富な水相および溶媒相が得られる。
【0035】
高CPカカオ固形分およびチョコレートリカーの調製
「カカオ成分」という用語は、外皮を含まないカカオ固形分(例えば、ケーキまたは粉末)、アルカリ化カカオ粉末またはアルカリ化チョコレートリカーなどに由来のカカオ固形分含有素材を称する。「チョコレートリカー」という用語は、カカオニブを粉砕することによって形成された焦げ褐色の流体である「リカー」を称する。その流動性は、カカオバター中に懸濁されたカカオ固形分の粉砕粒子の懸濁が得られる加工処理中のカカオバターの放出および細胞壁の破壊による。カカオ成分は、豆はカカオポリフェノールの含有量がより多いので、未発酵または不完全発酵の豆から調製されたものを含む。
【0036】
高カカオポリフェノール(CP)含有量を有する部分脱脂カカオ固形分は、特許文献3(Kealey等)に開示された豆またはニブ焙煎工程を使用せずに、カカオ豆をカカオ固形分に直接加工処理することによって得ても差し支えない。この方法は、従来の焙煎工程を省いているので、カカオポリフェノールが保存される。その方法は、(a)カカオ豆を、含水量を約3質量%まで減少させ、かつカカオの外皮を弛めるのに丁度十分な豆内部温度まで加熱し、(b)カカオの外皮からカカオニブを選り分け、(c)カカオニブを圧縮し、(d)カカオポリフェノールを含有するカカオバターおよび部分脱脂カカオ固形分を回収する各工程を含む。
【0037】
あるいは、高CPチョコレートリカーおよび/または高CPカカオ固形分は、(a)275以下の発酵係数を有する選択されたカカオ豆を95℃から160℃の豆内部温度に焙煎し、(b)焙煎したカカオ豆からカカオニブを選り分け、(c)カカオニブをチョコレートリカーに粉砕し、(d)必要に応じて、チョコレートリカーからカカオバターおよび部分脱脂カカオ固形分を回収することによって、調製しても差し支えない。あるいは、チョコレートリカーおよび/またはカカオ固形分は、(a)275以下の発酵係数を有するカカオ豆を95℃〜135℃の豆内部温度に加熱して、カカオニブからカカオの外皮を弛め、(b)カカオの外皮からカカオニブを選り分け、(c)カカオニブを95℃から160℃の豆内部温度に焙煎し、(d)焙煎したニブをチョコレートリカーに粉砕し、(e)必要に応じて、チョコレートリカーからカカオバターおよび部分脱脂カカオ固形分を回収することによって、調製しても差し支えない。
【0038】
乾燥した高CPカカオ抽出物の粉砕(milling)
第1の実施の形態は、カカオ抽出物の粒径を減少させるために粉砕された高カカオポリフェノール(CP)カカオ抽出物に関する。粉砕された高CPカカオ抽出物は、典型的に、粉砕されたカカオ抽出物1グラム当たり、少なくとも約300ミリグラム、好ましくは約300から約700ミリグラム、より好ましくは少なくとも約400ミリグラム、さらにより好ましくは約400から約600ミリグラム、最も好ましくは約400から約500ミリグラムのカカオポリフェノールを含有する。
【0039】
粉砕は、粉末の乾式粉砕に典型的に用いられる設備のいずれで行っても差し支えない。エアジェットミルが特に有用であるが、ハンマーミル、低温ミル、または長期間に亘り高温にならずに粒径を著しく減少させる任意の他のミルもここでは有用である。上述したように、チョコレートリカー、カカオ固形分、およびカカオ抽出物などのカカオ成分の調製に高温が用いられたときに、カカオポリフェノールが失われる。有用なエアジェットミルが、その開示をここに引用する、米国特許第4807815号(Csillag等)、同第4189102号(Andews)、同第3559895号(Fay)、同第4056233号(Fay)、同第4504017号(Andrews)、同第5637344号(Carpenter等)、および同第3726484号(Schurr)に記載されている。
【0040】
エアジェットミル済み粉末を製造するための有用な市販のジェット微粉砕機の例としては、Garlock Plastomer Productsにより販売されているTROST(商標)Air Impact Pulverizer、Fluid Energy Aljet, Inc.(ペンシルベニア州、プラムステッドビル所在)により販売されているROTO−JET、Jet Pulverizer Companyにより販売されているMICRON MASTER(登録商標)JET PULVERIZER、Nisshin Engineering Col, Ltd.(イリノイ州、バッファローグローブ所在)により販売されているAIR JET PULVERIZERなどが挙げられる。
【0041】
脂肪および/または油系添加物
脂肪および/または油および随意的に乳化剤から実質的になる添加物が、粉砕した高CPカカオ抽出物の分散体を食品、栄養補給食品、および薬剤などの製品に添加するのに有用である。
【0042】
脂肪および/または油は、粉砕された高CPカカオ抽出物を含有する添加物において基材として働く。粉砕された粒子を分散させるために、十分な脂肪および/または油がなくてはならない。典型的に、脂肪または油の量は、添加物の総質量に基づいて、約35から約98%である。その量は、好ましくは約40から約70%、より好ましくは約40から約60%、最も好ましくは約45から約55%である。
【0043】
ここに用いたように、「脂肪」という用語は、食品、特に、チョコレートなどの菓子製品に用いられるトリグリセリドを称する。有用な脂肪としては、カカオバター、圧搾されたカカオバター、溶媒抽出されたカカオバター、精製されたカカオバター、乳脂(milk fat)、無水乳脂、分別(fractionated)乳脂、乳脂の代用品、乳脂肪(butterfat)、分別乳脂肪、および他の植物脂肪などの天然に生じる脂肪および油、並びにカカオバター類似物(CBE)、カカオバター置換体(CBS)、カカオバターの代用品(CBR)を含む、これらの脂肪の他の変種、ベヘン酸ベヘノイルオレコイル(BOB)、減カロリー脂肪およびノンカロリー脂肪代替物などの抗乳白化剤が挙げられる。減カロリー脂肪は、典型的に脂肪の全ての性質を有するが、典型的に脂肪よりもカロリーの少ない脂肪である。ノンカロリー脂肪代替物、例えば、スクロースポリエステルは、同様に、典型的な脂肪特性の全てを有するが、消化後に吸収されず、それゆえ、代謝されない。
【0044】
適切な油としては、ココナッツ油、トウモロコシ油、ひまわり油、大豆油、ベニバナ油、ヤシ油、ピーナッツ油、ごま油、綿実油、オリーブ油などの植物油、並びに、硬化ココナッツ油、分別ヤシ油などの分別または硬化植物油が挙げられる。
【0045】
シロップ系添加物
本発明の別の実施の形態は、その中に粉砕された高CPカカオ抽出物の粒子を含有するシロップ系添加物に関する。この添加物は、(i)水および栄養性炭水化物甘味料および/または砂糖代替物を含むシロップ、(ii)上述した粉砕されたカカオ抽出物、および(iii)随意的に、上述した脂肪または油の内の1つから実質的になる。このシロップは、粉砕されたカカオ抽出物をその中に分散させるのに十分な量で存在する。典型的に、シロップの量は、添加物の総質量に基づいて、約35から約98%である。その量は、好ましくは約40から約70%、より好ましくは約40から約60%、最も好ましくは約45から約55%である。このシロップ系添加物は、グラノラバーなどのフードバーおよびチョコレートキャンディー(Chew)などの菓子類に有用である。様々な程度の甘味強度を有する栄養性炭水化物甘味料がここにおいて有用である。この甘味料は、コーンシロップまたはコーンシロップと別の甘味料とのブレンドを含む。適切な甘味料としては、食品に典型的に用いられるものを含み、その例としては、以下に限られないが、スクロース(例えば、サトウキビまたは砂糖大根から)、デキストロース、フルクトース、ラクトース、マルトース、グルコースシロップまたはそれらの固形分、コーンシロップまたはその固形分、転化糖、加水分解ラクトース、ハチミツ、かえで糖、黒砂糖、モラセスなどが挙げられる。
【0046】
特に、減カロリー製品の製造において、シロップにおける甘味料をある程度置き換えるために、砂糖代替物を用いてもよい。「砂糖代替物」という用語は、高効能(high potency)甘味料、糖アルコール(ポリオール)、充填剤、またはそれらの組合せを含む。高効能甘味料の例としては、アステルパーム、チクロ、サッカリン、アセスルファーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、アリテーム、ステビア甘味料、グリシルリジン、タウマチン、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい高効能甘味料としては、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、およびアセスルファームKが挙げられる。糖アルコールの例は、当該技術分野において典型的に使用されているものが挙げられ、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、ラクチトールなどが挙げられる。そのシロップは、典型的に高効能甘味料と組み合わせて用いられるものなどの、充填剤を含有してもよい。「充填剤」という用語は、典型的に使用されているもののいずれであってよく、その例としては、ポリデキストロース、セルロースおよびその誘導体、マルトデキストリン、アラビアゴムなどが挙げられる。
【0047】
このシロップは、シロップの総質量に基づいて、約5%から100%のコーンシロップ固形分および80%までの砂糖を含む。フードバーについては、コーンシロップは、約5%から100%、好ましくは約65%から約98%、最も好ましくは約80%から約95%であり、砂糖は、約20%まで、好ましくは約1%から約10%、より好ましくは約1%から約5%である。キャンディーなどのチョコレート菓子について、コーンシロップは、約5%から約80%、好ましくは約10%から約50%、最も好ましくは約20%から約35%である。
【0048】
高CP製品
本発明の製品は、粉砕された抽出物1グラム当たり、少なくとも約300ミリグラム、好ましくは約300から約700ミリグラム、より好ましくは約400から約600ミリグラム、最も好ましくは約400から約500ミリグラムの総ポリフェノール含有量を有する粉砕されたカカオ抽出物を含有する、脂肪系、油系、および/またはシロップ系製品である。これらの製品は、減少した水分有効性を有する。食品中のそのような水の有効性は、「水分活性」と通例呼ばれる。一般に、減少した水分活性(0.91未満)は、ほとんどの病原菌が一般に増殖しない環境の存在を表し、0.1〜0.7が好ましい。
【0049】
この製品としては、食品、医療食品、栄養補給食品、および薬剤が挙げられる。適切な食品としては、糖菓などの連続脂肪相を有する食品;中間水分の、周囲、冷蔵または冷凍乳製品;中間水分の、冷蔵または冷凍果物製品および/または砂糖製品;発泡体などの気泡食品;菓子類のためのカカオ粉末などの乾燥粉末コーティング;ソース、調味料、サラダドレッシングを調製するための乾燥粉末ミックスなどが挙げられる。
【0050】
本発明の製品および添加物は、炭水化物および/または砂糖代替物;乳固形分;乾燥成分;タンパク質;天然と人工の香味料(例えば、スパイス、コーヒー、塩、および/またはブラウンナッツの仁など);ビタミン類とミネラル類;ステロール、スタノール、およびそれらのエステル;およびナッツ片、ナッツ粉、およびナッツペーストなどのL−アルギニン含有成分などの他の成分を含有してもよい。食品がカカオ含有食品であることが好ましく、チョコレート菓子類が最も好ましい。
【0051】
ここに用いたように、「食品」は、成長を維持し、生活過程を修復し、エネルギーを供給するために任意の有機体の体に用いられる、タンパク質、炭水化物および/または脂肪からなる材料である。食品は、ミネラル類、ビタミン類、および調味料などの補助物質を含有してもよい(Merriam-Webster Collegiate Dictionary, 10th Edition, 1993)。
【0052】
ここに用いたように、「医療食品」は、医者または医療専門家により処方された食品である。
【0053】
ここに用いたように、「栄養補給食品」は、以下の栄養成分:ビタミン、ミネラル、ハーブまたは他の植物、アミノ酸、毎日の総摂取量を増やすことにより食事を補うためにヒトが使用するための栄養物質、またはこれらの成分の濃縮物、代謝物、成分、抽出物または組合せ:の内の1種類以上を有するすなわち含有する、食事を補うことを目的とした食品(タバコ以外の)である(Merriam-Webster Collegiate Dictionary, 10th Edition, 1993)。この用語を食品表示に使用する場合、「栄養補給(supplement)」は、栄養素が、米国の推奨する一日当たりの摂取量(“Understanding Normal and Clinical Nutrition”, 3rd Edition, Editors Whitney, Catalado, and Rolfes at page 525)を50%より多く超えた量で加えられることを意味する。
【0054】
ここに用いたように、「薬剤」は医薬品である(Merriam-Webster Collegiate Dictionary, 10th Edition, 1993)。
【0055】
グラノラバーなどの乾燥した直ぐに食べられる食品を調製しているときに、カカオ固形分、特に高CPカカオ固形分は、カカオポリフェノールの損失を防ぐために、ステロールエステルおよび/またはスタノールエステルで前処理される。その量は、カカオ固形分の質量に基づいて、約9から約90%であって差し支えない。製品に含まれるステロールおよび/またはスタノールのエステルは、コレステロール低下剤として働く。その開示をここに引用する、2005年3月31日に公開された米国特許出願公開第2005/0069625−A1号(Chimel等)明細書を参照のこと。
【0056】
乳化剤
乳化剤を、前記製品または脂肪系添加物に用いてもよい。乳化剤は、懸濁液のレオロジーに重要な役割を果たすことが知られており、固体懸濁液のレオロジーを向上させるため(すなわち、粘度および/または降伏値を減少させるため)に、食品製造、特に、菓子類およびチョコレートの製造の至る所で用いられる。大豆レシチンは、最も古く、最も広く用いられている乳化剤の内の1つである。チョコレートにおいて、レシチンは、完成したチョコレートの約0.3質量%から約0.7質量%の最適濃度で用いられたときに、著しい粘度低下作用を示す。
【0057】
例示の乳化剤としては、大豆、紅花、トウモロコシなどの植物源由来のレシチン、例えば、分別レシチン、モノ−およびジ−グリセリド、モノ−およびジ−グリセリドのジ−アセチル酒石酸エステル(DATEMとも称する)、食用脂肪または油のモノ−およびジ−グリセリドのリン酸一ナトリウム誘導体、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヒドロキシル化レシチン、グリセロールおよびプロピレングリコールの乳酸脂肪酸エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪および脂肪酸のプロピレングリコールモノ−およびジ−グリセリド、および特に、米国の食品医薬局の定義したソフトキャンディーの部類に承認されるであろう任意の乳化剤が挙げられる。前記製品の調製に使用するための乳化剤を選択することは、当業者の技能の範囲であると考えられる。使用してよい他の乳化剤としては、ポリグリセロールポリリシノール酸エステル(PGPR)、ホスファチジン酸のアンモニウム塩(例えば、YN)、スクロースエステル、オート麦抽出物など、およびチョコレートまたは類似の脂肪/固形分系に適していることが分かった、任意の乳化剤またはそれらの組合せが挙げられる。乳化剤の選択された組合せは、脂肪分低減菓子類を提供することが確認されている。その開示をここに引用する、2002年5月21日に発行された米国特許第6391373号(Kaiser等)明細書を参照のこと。脂肪分低減菓子類に特に有用な組合せは、レシチン、ポリエルカ酸スクロース(sucrose polyerucate)、ポリステアリン酸スクロース、アンモニウムホスファチド(ammonium phosphatide)、リン酸化モノ−およびジ−グリセリド/モノ−グリセリドのジアセチル酒石酸エステル(PMD/DATEM)、または分別レシチンと、ポリエルカ酸スクロースおよび/またはポリリシノール酸ポリグリセロールとの組合せである。ポリリシノール酸ポリグリセロール、ポリエルカ酸スクロース、および大豆レシチンの組合せにより、脂肪分低減チョコレートのレオロジーが著しく改善される。
【0058】
炭水化物
「炭水化物」という用語は、様々な程度の甘味強度を有する栄養性炭水化物甘味料を称する。このような甘味料としては、以下に限られないが、スクロース(例えば、サトウキビまたは砂糖大根からの)、デキストロース、フルクトース、ラクトース、マルトース、グルコースシロップ固形分、コーンシロップ固形分、転化糖、加水分解ラクトース、ハチミツ、カエデ糖、黒糖、モラセスなどが挙げられる。特に、減カロリー菓子類(例えば、チョコレート)の製造において、栄養性炭水化物甘味料をある程度置き換えるために、を砂糖代替物を使用してもよい。ここに用いたように、「砂糖代替物」という用語は、高効力甘味料、糖アルコール(ポリオール)、および/または充填剤を含む。高効能甘味料としては、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、アセスルファーム、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、スクラロース、アリテーム、ステビア甘味料、グリチルリチン、および/またはタウマチンが挙げられる。好ましい高効力甘味料としては、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、およびアセスルファームKが挙げられる。糖アルコールの例としては、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、ラクチトールなどが挙げられる。前記製品は、典型的に高効力甘味料と組み合わせて用いられるものなどの充填剤を含有してもよい。「充填剤」という用語は、ポリデキストロース、セルロースおよびその誘導体、マルトデキストリン、アラビアゴムなどの当該技術分野において典型的に用いられているもののいずれをも含む。
【0059】
香味料
「香味料」という用語は、所望の風味および/または芳香を与えるために、チョコレートなどの菓子類および食用製品に用いられる化合物または組成物を称する。例示の香味料としては、バニリン、スパイス、および天然の圧搾柑橘油またはスパイス油が挙げられる。
【0060】
チョコレート
「チョコレート」という用語は、脂肪系成分相または脂肪様組成を有するチョコレートまたはチョコレート様組成物の全てを称することか意図されている。この用語は、別記しない限り、ダークチョコレート、ベーキングチョコレート、ミルクチョコレート、スイートチョコレート、乳製品混合チョコレート、低脂肪チョコレート、ホワイトチョコレート、気泡入りチョコレート、配合コーティング、非標準チョコレート、およびチョコレート様組成物を含む、例えば、標準チョコレートおよび非標準チョコレートを含む、すなわち、それぞれ、米国の識別基準(SOI)に適合する組成および米国の識別基準に適合しない(non−SOI)組成を有するチョコレートを含むことが意図されている。
【0061】
米国において、チョコレートは、食品医薬品化粧品法の定義の下で米国食品医薬品局により確立された識別基準および米国において十分に確立された様々なタイプのチョコレートの基準を受ける。非標準チョコレートは、標準チョコレートの特定の範囲から外れた組成を有するチョコレートである。チョコレートは、クラムス固形分またはクラムプロセスにより完全にまたはある程度製造された固形物を含有するものも含む。
【0062】
例えば、栄養性炭水化物甘味料がある程度または完全に置き換えられたとき、またはカカオバター、カカオバター代用品、カカオバター同等物、カカオバター増量剤、カカオバター代替物、カカオバター置換物または乳脂がある程度または完全に置き換えられたとき、もしくは、牛乳、バターまたはチョコレートを模倣した風味を有する成分が加えられたか、またはチョコレートのFDAの識別基準から外れた、配合に他のものが添加されたか、配合から除かれたとき、もしくはそれらの組合せが行われたときに、非標準チョコレートが生成される。チョコレート様組成物は、パンニング、モールディング、またはエンロービング、例えば、イナゴマメの被覆などの用途においてチョコレートの置換物として使用できる脂肪系組成物である。
【0063】
チョコレートは、バーまたは新規の形状などの、チョコレートの固形片の形態をとってよく、チョコレートが、一般に、キャラメル、ピーナッツバター、ヌガー、果物片、ナッツ、ウエハス、アイスクリームなどの他の食品と組み合わせられ、一般にはそれらを被覆する、他のより複雑な菓子における成分として含まれてもよい。これらの食品は、標準気圧条件下で、65°〜89°F(19〜26℃)で微生物的に保存安定であると特徴付けられる。
【0064】
直ぐに食べられるフードバー
高CPカカオ成分を含有する、直ぐに食べられるフードバーに、任意の適切な穀物、穀粉、および/またはタンパク質を使用しても差し支えない。典型的な穀物としては、フレーク状のオート麦、小麦、大麦、ライ麦、焼かれた押しオート麦、パリパリのライスなどが挙げられる。典型的な穀粉としては、ふすま、小麦、および米が挙げられる。典型的なタンパク質としては、大豆、ホエー、牛乳、ピーナッツ、および卵タンパク質が挙げられる。随意的な乾燥成分としては、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、およびココナツのフレークなどの刻みナッツまたはホールナッツ;ブルーベリーおよびチェリーなどのドライフルーツが挙げられる。前記シロップは、フードバーの約30質量%から約75質量%、好ましくは約40質量%から約65質量%、より好ましくは約50質量%から約60質量%、最も好ましくは55質量%を構成する。フルーツおよび/またはナッツの含有物の有無にかかわらないグラノラバーをチョコレートで、好ましくは、調温ダークチョコレート、ヨーグルト、または風味付きグラニュー糖で被覆または装飾することが好ましい。所望であれば、グラノラバーは、圧縮フレークの形態で加えられる補給用食物繊維を含有しても差し支えない。ここに用いたように、「補給用食物繊維」という用語は、グラノラバーに典型的に含まれる繊維とは別に、このバーに加えられる食物繊維を称する。補給用食物繊維は、様々なタイプのものであり得、様々なタイプの混合物であることが好ましく、可溶性と不溶性の食物繊維の混合物であることがより好ましい。不溶性繊維を与えることが一般に知られている供給源としては、以下に限られないが、大豆繊維、リンゴ繊維、トウモロコシのふすま、オーツ麦のふすま、大麦のふすま、ライ麦のふすま、ライ小麦のふすま、セルロース、エンドウ豆繊維、砂糖大根繊維、およびピーナッツ繊維が挙げられる。可溶性繊維を与えることが一般に知られている供給源としては、以下に限られないが、アラビアゴム、ガッチゴム、グアーガム、ペクチン、オオバコ、カラギーナン、キサンタン、トラガカント、カラヤ、イナゴマメゴム、寒天、およびアルギナートが挙げられる。
【0065】
非カカオポリフェノール
ここにおける製品は、カカオ以外の供給源からのポリフェノールを含有してもよい。これらのポリフェノールは、様々なナッツ、フルーツ、野菜、および植物に見られるポリフェノールを含む。適切なナッツとしては、ピーナッツ、クルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、大豆などが挙げられる。ナッツ片、ナッツの皮、ナッツのペースト、および/またはナッツ粉もここでは有用である。ピーナッツの皮は約17%のプロシアニジンを含有し、アーモンドの皮は約30%のプロシアニジンを含有する。例えば、菓子に用いられるヌガーにおいて、ナッツの皮を用いても差し支えない。リンゴとオレンジの皮もポリフェノールを含有する。ブドウの種およびザクロも、ポリフェノールが多い。
【0066】
L−アルギニン
粉砕高CPカカオ抽出物を含有する製品および添加物は、一酸化窒素の生成を刺激するめたにL−アルギニンを含有してもよい。L−アルギニンの供給源を開示している、2004年10月19日に発行された米国特許第6805883号(Chevaux等)明細書を参照のこと。この特許の開示をここに引用する。
【0067】
フィトステロール
脂肪、油、またはシロップ系の製品は、コレステロール低下剤として、ステロール、スタノール、および/またはそれらのエステルを含有してもよい。スタノールは、環の全ての炭素−炭素結合が飽和している、ステロールの飽和誘導体である。スタノールは、典型的に、28または29の炭素原子を有し、その例としては、ベータ−シトスタノール、クリオナスタノール、22,23−ジヒドロブラシカスタノールおよびカンペステノールが挙げられる。スタノールは、自然に少量見つけられるが、当業者に公知のいくつかの方法のいずれかにより、ステロールを水素添加することによって、ステロールから容易に調製されるであろう。ステロール出発材料が植物素材から調製される場合、その素材は、いくつかの異なるステロールの混合物を含有し、それゆえ、水素添加後、得られるスタノールも、異なるスタノールの混合物になる。カカオの外皮から抽出されたカカオ油は、フィトステロールの良好な供給源である。カカオフィトステロールは、遊離ステロールと結合ステロールの混合物であり、遊離ステロールが、存在するフィトステロールの約90%までを占める。フィトステロールは、カンペステロール、β−シトステロール、スティグマステロール、シクロアルテノイル、24−メチレンシクロアルテノイル、並びに少量の他のフィトステロールを含む。結合フィトステロールは、脂肪酸エステルまたはフィトステロールのフェルラ酸エステル誘導体を含む。
【0068】
ステロールおよびスタノールのエステル化形態が、ここにおいて最も有用な形態である。エステル化によって、ステロール/スタノールは、脂肪および油中により溶けやすくなり、例えば、ステロールは、菜種油、キャノーラ油、および同様の油などの脂肪酸エステルによってエステル化してもよい。適切な脂肪酸としては、一般に14から24の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸が挙げられる。エステル化ステロールの例としては、酢酸シトステロール、オレイン酸シトステロール、およびオレイン酸スティグマステロールが挙げられる。スタノールエステルは、当該技術分野において公知のように、例えば、その開示をここに引用する、米国特許第6174560号、同第6031118号、同第5958913号、同第5892068号、および同第5502045号の各明細書に記載されたように、調製してもよい。米国特許第5502045号明細書には、ナトリウムエチラートなどのエステル交換触媒を用いた、遊離スタノールの、C2からC22脂肪酸のメチルエステル混合物(例えば、菜種油)によるエステル交換が記載されている。この特許に開示されたプロセスなどのエステル交換プロセスは、ステロールエステルをエステル化するのに用いても差し支えない。別の実施の形態において、上述した米国特許第5958913号明細書に記載されているように、C2からC22脂肪酸エステルにより、少なくとも1種類のステロールをエステル化することによって、有用なスタノールエステルを調製する。
【0069】
キャノーラ油ステロールエステル、ひまわり油ステロールエステル、およびそれらの混合物が特に有用である。これらのステロールエステル混合物は、約30℃〜50℃で溶融するが、典型的に、エステルは、混合物全体が液化されていることを確実にするために、約60℃〜80℃まで加熱される。カカオポリフェノールを保持するために、液体または液化ステロール/スタノールエステルは、カカオ固形分の最終製品へのさらなる加工処理中にCPを保護するために、高CPカカオ固形分と混合される。
【0070】
分析およびテスト手法
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)手法
実施例6〜10において、フラバン−3−オールエピカテキンおよびカテキン並びにプロシアニジンオリゴマーを含有するカカオポリフェノールの分離を、オートサンプラー、クォータナリー・ポンプ、カラム加熱器、光ダイオードアレイおよび発光検出器を備えた、Agilent1100シリーズHPLCシステムで行った。計量作業は、Phenomenex(カリフォルニア州、トランス所在)から購入したDevelosil diol 100A(250×4.6mm、5μの粒径)で行った。クロマトグラフィーの移動相は、酢酸アセトニトリル((A)、CH3CN:OHAAc、98:2;v,v)および酸性メタノール水溶液((B)CH3OH:H2O:HOAc、95:3:2;v,v,v)からなる二成分勾配(溶媒AおよびB)であった。出発移動相条件は、3分間に亘り無勾配に保持した7%のBであった。その後、溶媒Bを57分間で37.6%まで上昇させ、その後3分で100%のBにした。6分で出発条件(7%のB)に戻す前に、この条件を、7分間に亘り100%のBに保持した。76分の総運転時間で、フラバノール(DP=1)およびプロシアニジン(DP2−10)について、ベースライン最少変動を達成した。UV検出は280nmに設定した。発光検出は、230nmの励起波長および321nmでの発光により行った。他のFLD条件には光電子増倍管勾配があった。全成分(DP1〜10)をFLDの検出範囲内の範囲にするために、光電子増倍管利得勾配を用いた。利得は、異なる時間間隔での時間にしたがって変化した。光電子増倍管利得は、0〜8分で7に設定し、8.1〜15.0分で9に設定し、最後に15.1〜76分で10に設定した。正確な利得勾配時間の設定は、個々のカラムについて評価する必要がある。保持時間における小さなカラムからカラムへのシフトを考慮しなければならない。カラム温度は35℃に保持した。流量は1mL/分であり、典型的な注入容積は5μLであった。Phenomenex(カリフォルニア州、トランス所在)から、シアノ(CN)(4×3.0mm)SecurityGuardカートリッジを得て、カラムを保護するために用いた。このガードカラムをSecurityGuard Guard Cartridge Kit(これもPhenomenexから得た)に取り付けた。オートサンプラーを5℃に設定し、保持した。
【0071】
総カカオポリフェノールを測定した他の実施例において、高CPカカオ抽出物の総カカオポリフェノール含有量を測定するために、わずかに異なる分析法を用いた。この方法は、Hammerstone, et al. Identification of Procyanidins in Cocoa (Theobroma cacao) and Chocolate Using High-Performance Liquid Chromatography/Mass Spectrometry, J. Ag. Food Chem. 47 (10):490-496 (1999)に報告された研究に基づくものである。この分析法の有用性を、Lazarus et al., High-performance Liquid Chromatography/Mass Spectrometry Analysis of Proanthocyanidins in Foods and Beverages; J. Ag. Food Chem. 47 (9):3693-3701 (1999)に報告されたように、様々なタイプのプロアントシアニジンを含有することが報告された幅広い食品と飲料のサンプルの定性研究に適用した。Lazarus等の分析では、選択性および感度が高いので、蛍光検出を用いる。
【0072】
両方の方法において、Adamson et al., HPLC Method for the Quantification of Procyanidins in Cocoa and Chocolate Samples and Correlation to Total Antioxidant Capacity, J. Ag. Food Chem. 47 (10):4184-4188 (1999)に報告された分析法を用いて、十量体、またはある場合には十二量体までの、各プロシアニジンオリゴマーについて、複合標準株溶液および校正曲線を作成した。次いで、サンプルを複合基準と比較して、カカオポリフェノールのレベルを正確に決定した。
【0073】
粒径分析
粒径は、当該技術分野において公知のいくつの技法のいずれにより測定してもよい。分布の平均粒径は、Coulter(登録商標)レーザ光散乱技法を用いて測定した、所定の分布に亘る平均体積粒子直径として定義される。所定の分布における最大と最小の粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)レーザ光散乱技法などにより決定してもよい。個々の粉末を、「Coutler」LS230粒径分析器(Coutler Corporation(フロリダ州、ハイアリーア所在)により販売されている)を用いたレーザ光散乱技法により分析した。
【0074】
苦味および渋味の測定
ミルクチョコレート製品の苦味および渋味は、当該技術分野において認められた標準化テストプロトコルを用いて測定する:the 2nd Edition of Sensory Evaluation Techniques by M. Meilgaard et al. (CRC Press)に詳述されたスペクトル法強度尺度を用いた記述分析。10〜20人のパネリストの選択と訓練を、142頁から始まる詳細にしたがって行った。このパネルは、特に、菓子製品(例えば、飴玉、キャラメル、ヌガー、キャンディーバー、トフィー)に焦点を当てていた。風味と化学的感覚についての強度尺度(0から15)が173頁に記載されている(スケジュールBを参照のこと)。
【0075】
訓練したパネリストにより用いられた定義は以下のとおりである。「苦い」は、キニーネ、カフェイン、およびホップの苦みなどの物質により刺激された、舌への風味と定義される。「渋い」は、タンニンまたはミョウバンなどの物質により生じる舌の表面の収縮またはすぼまりとして定義される。
【0076】
以下の実施例は、本発明のある好ましい実施の形態の例証を目的としたものであり、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0077】
実施例1−カカオ豆供給源および調製方法
収穫したカカオの実を開き、果肉を有する豆を凍結乾燥のために取り出した。凍結乾燥したカカオマスから、果肉を手作業で除去した。未発酵の凍結乾燥したカカオ豆から手作業で外皮を取り、TEKMARミルにより微細な粉末カカオマスに挽いた。次いで、溶媒として蒸留ヘキサンを用いたソックスレー抽出によって、得られたカカオマスを一晩脱脂した。周囲温度での真空によって、脱脂したカカオマスから残留溶媒を除去した。
【0078】
実施例2−脱脂したカカオマスからのカカオポリフェノールの抽出
Jalal and Collin (1977)により記載された方法の改良版を使用して、カカオポリフェノールを抽出した。実施例1からの脱脂したカカオマスの50グラムのバッチを、400mLの70%のアセトン/脱イオン水により二回抽出し、ジクロロメタン(CH2Cl2)により二回抽出した。溶媒相は廃棄した。次いで、水相を、500mLの酢酸エチルにより四回抽出した。得られたエマルジョンを、10℃で30分間に亘り2,000×gで動作したSorvall RC28S遠心分離機での遠心分離によって破壊した。混合酢酸エチル抽出物に、100から200mLの脱イオン水を加えた。部分真空下に保持したロータリー・エバポレータによる45℃での蒸発により、溶媒を除去した。得られた水相を、液体窒素(N2)中で凍結させ、その後、LABCONCO Freeze Dry Systemにより凍結乾燥を行った。
【0079】
実施例3−高CP部分脱脂カカオ固形分の調製
約7から8質量%の初期含水量を有する市販のカカオ豆を皮むき機(scalperator)内で予備清浄した。予備清浄した豆をエアー流動床密度分離機(air fluidized bed density separator)中でさらに洗浄した。次いで、洗浄した豆を赤外線加熱装置に通した。装置の振動ベッドにおける豆の深さは、豆約2〜3個の深さであった。装置の表面温度を約165℃に設定し、それによって、1から1.5分の時間で約135℃の豆内部温度(IBT)になった。この処理により、外皮を迅速に乾燥させ、カカオニブから分離した。選り分け工程に先立ち、振動ふるいによって分離した割れた小片を製品の流れに再導入した。微粉化の後に得られた豆は、約3.9質量%の含水量を有する必要があった。そのような豆は約135℃のIBTで現れ、約3分間で約90℃の温度まで急冷して、さらなる水分損失を最小限にした。その後、豆を選り分けし、豆に亀裂を入れて外皮を弛め、ニブからそれより軽い外皮を分離し、一方で同時に外皮廃棄流と共に失われるニブの量を最小限にした。得られたカカオニブを、2つのスクリュープレスを用いてプレスして、カカオ固形分からカカオバターを抽出した。
【0080】
未発酵カカオ豆(発酵係数233)から上述したプロセスにしたがって製造したカカオ固形分のサンプルは、Adamson等の上記の方法にしたがって分析した場合、通常、脱脂カカオ粉末1g当り、約50から約75ミリグラム、好ましくは約60から約75ミリグラム、またはより好ましくは約75から約80ミリグラムの総カカオポリフェノールを有する。
【0081】
実施例4−高CP部分脱脂カカオ固形分からの高CPカカオ抽出物の調製
実施例3からのカカオ固形分を、0.5から3.5時間に亘り室温で水性有機溶媒と接触させた。この溶媒は、約75%のエタノール/25%の水(v/v)または約80%のアセトン/20%の水(v/v)であった。カカオ残留物からミセルを分離し、蒸発によって、30から50%の総固形分含有量まで濃縮した。次いで、濃縮した抽出物を噴霧乾燥した。
【0082】
実施例5−高CPチョコレートリカーの調製
7.4質量%の初期含水量、および233の発酵係数レベル(スレート色31%、紫色29%、紫褐色22%、および褐色17%)を有する標準平均品質(FAQ)のスラウェシ産のカカオ豆を出発材料として選択した。カカオ豆を、振動する赤外線加熱装置(Micronizer Company Ltd.(英国)により製造された)に通した。赤外線加熱器に通す豆の供給速度、および赤外線加熱器床角度(bed angle)により、豆が受ける熱処理の量を制御する。豆が赤外線加熱器中で費やした総時間(滞留時間)は、床角度および供給速度により決定される。マイクロナイザーの排出口で、豆のIBTを測定した。赤外線加熱器から排出される豆の表面温度は、IBTより高い。急速な表面冷却により、その表面温度を1分未満でIBTに近づける。研究室規模の加工処理設備を用いて、カカオ豆をチョコレートリカーにさらに加工処理した。割れた豆を、研究室規模の選分けシステムに通して、外皮とニブに分けた。次いで、カカオニブをMelange(英国のPascall Engineering Col, Ltd.社)内で粗いリカーに粉砕した。Melange内のリカーの通常の動作温度は約50℃であった。カカオニブを1時間に亘りMelange内で細砕した。
【0083】
総カカオポリフェノール含有量を、上述したAdeamson等の方法を用いて測定した。42秒間に亘り107℃のIBTで加熱したときに、脱脂したカカオリカーの総カカオポリフェノール含有量は、39,690マイクログラムであった。126℃のIBTおよび82秒の滞留時間では、総カカオポリフェノール含有量は28,815マイクログラムであり、148℃のIBTおよび156秒の滞留時間では、23,937マイクログラムであった。
【0084】
実施例6−粉砕した高CPカカオ抽出物の調製
実施例4におけるように調製した噴霧乾燥したカカオ抽出物を、空気ジェットミル(Fluid Energy Aljet Roto-Jet)を用いて粉砕した。これらの抽出物を、110psi(約759kPa)の粉砕空気が用いられるミルに手作業で供給した。細かく粉砕された抽出物を分離するために、5,000および10,000rpmの分離速度を用いた。
【0085】
代表的なサンプルを、Beckman Coulter Particle Size Analyzer内で分析した。
【0086】
図1は、粉砕していない噴霧乾燥した抽出物の粒径分布を示している。未粉砕抽出物の平均粒径および中央粒径は、それぞれ、45.4マイクロメートルおよび28.83マイクロメートルであった。粒子の90体積%は64.9マイクロメートル未満(D90)であり、粒子の75体積%は44.86マイクロメートル未満(D75)であり、粒子の50体積%は28.83マイクロメートル未満(D50)であり、粒子の25体積%は16.34マイクロメートル未満(D25)であり、粒子の10体積%は8.112マイクロメートル未満(D10)であった。未粉砕抽出物の総カカオポリフェノール含有量は、未粉砕抽出物1グラム当たり468.5ミリグラムであった。
【0087】
図2は、5,000rpmの分離速度を用いて空気ジェット粉砕した噴霧乾燥したカカオ抽出物の粒径分布を示している。粉砕抽出物の平均粒径および中央粒径は、それぞれ、7.49マイクロメートルおよび6.517マイクロメートルであった。粒子の90体積%は15.26マイクロメートル未満(D90)であり、粒子の75体積%は11.21マイクロメートル未満(D75)であり、粒子の50体積%は6.517マイクロメートル未満(D50)であり、粒子の25体積%は2.889マイクロメートル未満(D25)であり、粒子の10体積%は1.35マイクロメートル未満(D10)であった。粉砕抽出物の総カカオポリフェノール含有量は、粉砕抽出物1グラム当たり477.9ミリグラムであった。
【0088】
図3は、10,000rpmの分離速度を用いて空気ジェット粉砕した噴霧乾燥したカカオ抽出物の粒径分布を示している。粉砕抽出物の平均粒径および中央粒径は、それぞれ、3.71マイクロメートルおよび3.452マイクロメートルであった。粒子の90体積%は6.755マイクロメートル未満(D90)であり、粒子の75体積%は5.192マイクロメートル未満(D75)であり、粒子の50体積%は3.452マイクロメートル未満(D50)であり、粒子の25体積%は1.913マイクロメートル未満(D25)であり、粒子の10体積%は1.057マイクロメートル未満(D10)であった。この粉砕抽出物の総カカオポリフェノール含有量は、515.3mg/gであった。未粉砕抽出物と粉砕抽出物との間の総カカオポリフェノール含有量の差は、それほど大きくなく、これらの分析について典型的に見られる差の範囲内である。
【0089】
図4は、図2および3の粉砕した高CPカカオ抽出物の重なりを示している。
【0090】
実施例7−カカオバター中の高CPカカオ抽出物の分散
約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物および平均粒径3.71マイクロメートルとなるまで粉砕された高CPカカオ抽出物を、40℃で暖めたカカオバター中に分散させた。この混合物は、1.5質量%のカカオ抽出物および98.5質量%のカカオバターを含有していた。味わったときに、粉砕した高CPカカオ抽出物を含有するカカオバターは、未粉砕の高CPカカオ抽出物を含有するカカオバターよりも、苦味と渋味が著しく弱いことが分かった。
【0091】
実施例8−無水乳脂中の高CPカカオ抽出物の分散
約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物および平均粒径3.71マイクロメートルとなるまで粉砕された高CPカカオ抽出物を、40℃で暖めた無水乳脂中に分散させた。この混合物は、1.5質量%の高CPカカオ抽出物および98.5質量%の無水乳脂を含有していた。味わったときに、粉砕した高CPカカオ抽出物を含有する無水乳脂は、未粉砕の高CPカカオ抽出物を含有する無水乳脂よりも、苦味と渋味が著しく弱いことが分かった。
【0092】
実施例9−コーンシロップ中の高CPカカオ抽出物の分散
約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物および平均粒径3.71マイクロメートルとなるまで粉砕された高CPカカオ抽出物を、40℃で暖めた63DEのコーンシロップ中に分散させた。この混合物は、1.5質量%の高CPカカオ抽出物および98.5質量%のコーンシロップを含有していた。味わったときに、粉砕した高CPカカオ抽出物を含有するコーンシロップは、未粉砕の高CPカカオ抽出物を含有するコーンシロップよりも、苦味と渋味が著しく弱いことが分かった。
【0093】
実施例10−ミルクチョコレート中の高CPカカオ抽出物の分散
約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物および粉砕された高CPカカオ抽出物(3.7マイクロメートルの平均粒径)を、40℃で暖めたミルクチョコレート中に分散させた。この高CPチョコレート混合物は、1.03質量%の高CPカカオ抽出物および98.97質量%のミルクチョコレートを含有していた。粉砕した高CPミルクチョコレートは、別々に調温し、8グラムの固体チョコレート片に成形した。
【0094】
これらのミルクチョコレートの苦味と渋味を、先に記載した手法を用いて、1から15の尺度でチョコレートを評価した訓練された官能パネルにより評価した。各パネリストは、1食40グラム中に合計で150ミリグラムのカカオポリフェノールを食べた。チョコレート片はそれぞれ8グラムであり、各食において5片が食べられた。比較のために、カカオ抽出物を含有しないミルクチョコレートが含まれた。
【0095】
粉砕した高CPカカオ抽出物(約3.7マイクロメートルの平均粒径)を含有するテスト用ミルクチョコレートは、未粉砕の高CPカカオ抽出物(約45マイクロメートルの平均粒径)を含有する対照ミルクチョコレートよりも、苦味と渋味が著しく弱かった。粉砕した高CPカカオ抽出物を含有するテスト用ミルクチョコレートは、未粉砕の高CPカカオ抽出物を含有する対照ミルクチョコレートよりも、不快な後味が弱かった。
【0096】
比較のチョコレートは、高CPカカオ抽出物を含有しないミルクチョコレートであり、テスト用チョコレートは、約3.7マイクロメートルの平均粒径を有する粉砕した高CPカカオ抽出物を含有するミルクチョコレートであり、対照チョコレートは、約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物を同量含有するミルクチョコレートである。
【0097】
カカオ抽出物をミルクチョコレートに添加する影響が図9に示されている。
【0098】
実施例11−高CP部分脱脂カカオケーキの粒径の減少(比較例)
この実施例は、高CPの部分脱脂したカカオケーキを粉砕して、苦味/渋味が減少せず、総カカオポリフェノールが相当損失した製品が得られることを示している。
【0099】
未粉砕のカカオケーキは、脱脂ケーキ1グラム当たり約72ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有した。このカカオケーキの粒径は、空気分級ミル(ACM)内で様々な速度での粉砕によって減少させた。空気流量および供給量は、粉砕プロセス中ずっと一定に維持した。この分級機とロータの速度は、所望の粒径分布を達成するために変更した。粉砕結果が以下に示されている。
【表1】

【0100】
上述したHammerstone等の方法を用いて、総カカオポリフェノール含有量を測定した。未粉砕のカカオケーキは、ケーキ1グラム当たり71.45ミリグラムの総カカオポリフェノールを含有した。81.00マイクロメートルの粒径まで粉砕されたサンプル番号4は、脱脂粉末1グラム当たり72.56ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有した。13.50マイクロメートルの平均粒径に粉砕されたサンプル番号1は、脱脂粉末1グラム当たりたった50.80ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量しか有さなかった。それゆえ、微細に細砕されたサンプルの総カカオポリフェノール含有量は、71.45から50.80mg/gまで減少した。粉砕された製品に風味の改善が見られなかったことはより重要である。粉砕製品をチョコレートチューにおいて評価したときに、苦味/渋味およびザラザラ感(grittiness)/脆さ(chalkiness)に著しい差はなかった。
【0101】
実施例12−高CPカカオ抽出物の細砕(比較例)
この実施例は、乾式粉砕よりむしろ、高CPカカオ抽出物を細砕することにより、噴霧乾燥した高CPカカオ抽出物の粒径が減少しなかったことを示している。細砕のために使用したブレンダは、特許文献4(Kealey等)の実施例12に用いられた液体ブレンダと同じタイプの10速のOsterizer Blend Master(登録商標)(モデル50200MP)であった。実施例12に用いられたブレンダは、Hamilton Beach Blendmaster液体ブレンダ(モデル#50100、タイプB12)であった。粒子の約90%が約82マイクロメートル未満である、約26マイクロメートルの平均粒径を有する噴霧乾燥したカカオ抽出物を、1分間および6分間に亘り高速でOsterizerブレンダ内で細砕した。合計で300グラムの噴霧乾燥したカカオ抽出物を、Osterizerブレンダの5つのカップ型ガラス容器内に入れた(それゆえ、13/4の印まで満たされた)。ブレンダを液化に設定し、サンプルを1分間、次いで、6分間に亘り細砕した。細砕の間に粉末を撹拌した。代表的なサンプルを、Beckman Coulter Particle Size Analyzerを用いて分析した。
【0102】
細砕した噴霧乾燥のカカオ抽出物は、未細砕の噴霧乾燥したカカオ抽出物とほとんど同じ粒径分布を有した。未細砕の噴霧乾燥したカカオ抽出物の粒径分布を示す図5および1分間および追加に5分間(合計で6分間)に亘り細砕した噴霧乾燥したカカオ抽出物についての粒径分布を示す図6および7を参照のこと。図8は、細砕カカオ抽出物および未細砕のカカオ抽出物に関する粒径分布の重なりを示しており、粒径が減少されなかったことを示している。
【0103】
実施例13−高CPカカオ粉末および粉砕高CPカカオ抽出物を有するシリアル製品
【表2】

【0104】
カカオ粉末およびカカオ抽出物を除いて、全成分を小さなリボンブレンダ内で混ぜ合わせ、3分間に亘りブレンドした。ブレンド工程の終わりに、全ての素材を、カカオ粉末および粉砕された高CPカカオ抽出物と共に、40kg/hrでAccurate Feederに空気圧搬送し、これをWerner−Pfleierer Twin Screw Extruder(弾丸型チップを有するモデルZSK57)に6.18kg/hrでK−tron Feederを通して供給する。水を1.2l/hrの流量で加える。標準作動手法を用いて、押出機を始動させる。乾燥ブレンドおよび水の供給量は、目標値に調節される。スクリューのrpmを200に設定する。カカオ供給機を標的値に調節し、シリアルチューブを収集する。外皮のシリアルチューブをローラ機械に供給し、2フィート(約60cm)の長さで収集する。潰された端で折ることによって、別個のピロー形の製品を製造する。
【0105】
実施例14−高CPカカオ抽出物で製造された調理済みバニラプディング
【表3】

【0106】
ドライプディングミックスに5%のカカオ抽出物を加え、針金製泡立て器を用いて混ぜ合わせることによって、プディングを調理する。Magna Liteソースパン内のプディングミックスに2カップの全乳を加える。乾燥混合物および全乳を、この混合物が完全に沸騰するまで、HOTPOINT(モデルRS744G0N1BG)の中火で針金製泡立て器を用いて、絶えず撹拌しながら調理する。プディングを熱から離し、貯蔵容器内に注ぎ入れ、冷蔵庫内に貯蔵する。
【0107】
実施例15−粉砕した高CPカカオ抽出物を有するブラウニー
以下の配合にしたがって高CPカカオ抽出物を用いて、ブラウニーを作った。
【表4】

【0108】
Kitchen Aid K45ボウルにカカオ成分およびショートニングを入れる。次いで、ボウルを、345グラムの沸騰(100℃)水が入ったMAGNA Liteソースパン(4 1/4.5 qt.)の上面に配置する。次いで、この二重の煮沸器をHOTPOINTストーブ上で弱火で加熱する。混合物が溶融したときに、これを熱から離す。砂糖、卵、およびバニラを、溶融した混合物中に混合する。残りの乾燥成分を混ぜ合わせ、その生地を、油を塗った13インチ×9インチ×2インチ(約33cm×23cm×5cm)のパン焼き皿に広げる。ブラウニーが焼き皿の側面から離れるまで、ブラウニーを約30分間に亘りHOTPOINTオーブン内で350°F(約177℃)で焼く。
【0109】
実施例16−高CPカカオ抽出物で作ったチョコレートクッキー
以下に示す成分を用いて、チョコレートクッキーを作る。
【表5】

【0110】
オーブンを325°F(約163℃)に予熱する。バターと砂糖の1/4を約2分間でKitchen Aidミキサでクリームにする。残りの成分を加え、約3分間混ぜる。生地を小さなボールに成形し、油の塗ってないクッキーシート上に置き、15〜17分間に亘り325°F(約163℃)で焼く。
【0111】
実施例17−粉砕した高CPカカオ抽出物を含む米およびチーズソースミックス
以下の配合を用いてミックスを調製する。
【表6】

【0112】
21/4カップの水および小さじ1から2のバターの入ったソースパンで成分を混ぜ合わせる。その混合物を沸騰させ、次いで、ほとんどの水が吸収されるまで、約10分間に亘り煮立てる。次いで、そのミックスを約5分間放置して、チーズソースを濃くする。
【0113】
実施例18−粉砕した高CPカカオ抽出物で調製した押出エネルギーバー
以下の配合を用いてバーを調製する。
【表7】

【0114】
50℃に設定されたJH Day50ガロンジャケット付きステンレス鋼製双腕型シグマブレードミキサ内で成分を混合する。炭水化物シロップ、脂肪、および果物/果物調製品をミキサ内で混ぜ合わせ、均一になるまで50rpmで混合する(約5分間)。ミキサを運転しながら、残りの成分を以下の順序で徐々に加え、均一になるまでブレンドする:微量栄養素、香味料、カカオ成分、単糖、マルトデキストリン、タンパク質粉末、およびパリパリしたライス/ライス。得られた塊を、40℃に維持したジャケット付き押出機のホッパーに移して、その塊を軟らかく、成形しやすく維持する。この塊を、ノズルブロックに通して、細長い片を調理トンネルに搬送するコンベヤベルト上に押し出す。15〜20℃で調理トンネルを出るときに、ギロチンを用いてバーに切断する。
【0115】
実施例19−粉砕した高CPカカオ抽出物で作った硬いキャンディー
Lees & Jackson, 1st Edition, Sugar Confectionery and Chocolate Manufacture, pages 176-186 (1995)に記載された方法によって、以下の配合を用いて、成形され、被着したタイプの硬いキャンディーを調製する。
【表8】

【0116】
実施例20−粉砕した高CPカカオ抽出物で作ったフルーツおよびゼラチンペストリーバー
以下の配合を用いて、ストロベリーフルーツフィリングを作る。
【表9】

【0117】
フルーツフィリングを作るために、ブレンダを用いて、冷水中でガムを水和させる。中火から強火を用いて、230°F(約110℃)で、コーンシロップ固形分、水、フルーツピューレ、およびグリセリンをストーブ上面で調理する。その混合物を熱から離し、冷ます。水和ゴムを混合物に加え、この混合物を216°F(約102℃)に加熱する。再度、混合物を熱から離し、少なくとも5分間に亘り冷ます。その混合物に高CPカカオ抽出物、酸、着色料、リンゴ粉末および溶けた脂肪を加える。その混合物をさらに2分間に亘り冷ます。十分に混合しながら、香味料を混合物に加える。
【0118】
以下の配合にしたがって、ペストリーラッパーを作る。
【表10】

【0119】
ペストリーラッパーを作るために、アラビアゴム、Kelite CM、重炭酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、塩、Kelco GSF、およびグリセリンを、ブレンダを用いて水中で水和する。溶融した脂肪中にレシチンを入れてかき混ぜる。残りの乾燥成分を混合ボウルに加える。速度2でKitchen Aidミキサを用いて、脂肪ブレンドを乾燥ブレンドに加える。ゴムブレンドを混合ボウルにゆっくりと加える。混合後、粘着性を減少させるために濡れたペーパータオルを被せて、生地を15分間に亘りねかせる。Rondo Sheeterを用いて、2.5mmの生地厚にする。生地を、33gの重さの4インチ×4インチ(約10cm×10cm)の正方形に切断する。絞り袋を用いて、19.5gのフルーツフィリングを正方形の各生地の上面に塗布する。生地を折り畳んでバーの形に作り、このバーの端部をクリンピングにより閉じる。ナイフを用いて、バーの上面に孔を開けて、熱が逃げるのを助け、バーが爆発するのを防ぐ。バーを357°F(約180℃)で6分半焼く。最終的な焼いたバーの質量は、45.5gになるはずである。
【0120】
実施例21−高CPカカオ抽出物を含む砂糖錠
【表11】

【0121】
ゼラチンを水に漬け、スクロースをカカオ成分と予混する。ゼラチンを水和された後、90℃まで加熱し、高剪断力でアラビアゴムを加える。この溶液を香料と共に、スクロース/カカオ混合物の1/4に混ぜ合わせ、残りのスクロース/カカオ混合物を、混合しながらゆっくりと加える(HobartまたはKitchen Aid Ultra Powerミキサ内で)。この配合物を10〜15分間に亘り混合し、所望の厚さ(約5mm)にする。乾燥と所望の形状(円盤状)の打ち抜き後、それらの小片を、約3〜6%の最終水分までさらに乾燥させる。
【0122】
実施例22−高CPファッジ・トッピングを有するグラノラバー
以下のレシピにしたがって、粉砕された高CPカカオ抽出物を用いたファッジ配合物を作る。
【表12】

【0123】
ファッジ・トッピングを作るために、乾燥成分を、Kitchen Aidミキサ内で低速で、約3〜4分間に亘り、またはよく混ざるまで、ブレンドした。硬化大豆油を電子レンジ内で55〜64℃で溶かす。大豆レシチンを、溶けた油中に分散させる。油/レシチン混合物を、低速で運転しているHobertミキサ内で混ぜられた乾燥成分中に注ぎ入れる。ミキサの速度を徐々に増し、水、グリセリン、および高フルクトースコーンシロップを加える。得られたファッジ・トッピングを2〜3分間に亘り、または完全に混ざるまで、混合する。
【0124】
以下の配合にしたがって、完成したバーを作る。
【表13】

【0125】
完成製品は、グラノラ成分を結合剤とブレンドし、パラフィン紙上で延べ棒により約15mmの高さに伸ばす。ファッジ・トッピングを、グラノラベース上に伸ばし、約1時間に亘り硬化させる。バーを以下の寸法に切断する。
【表14】

【0126】
次いで、切断したバーを、高CPチョコレートで被覆する。
【0127】
実施例23−高CPシナモンキャラメルを有する高CPミルクチョコレート
ミルクチョコレートを86°F(約30℃)で手で調温し、次いで、様々な形状の型内でシェルを作るのに使用する。約965グラムの標準的なキャラメルを55℃に暖め、20グラムの粉砕した高CPカカオ抽出物および15グラムのシナモンを、暖めたキャラメルに加え、よく混ぜる。キャラメルを冷ませ、次いで、チョコレートシェル中に絞り袋で入れる。次いで、シェルを、調温したチョコレートで蓋をし、型から取り出す。成形された小片は、6グラムのミルクチョコレートおよび4グラムのキャラメルからなるはずである。
【表15】

【0128】
実施例24−チョコレート風味のヌガーを有する高CPダークチョコレート
チョコレートを86°F〜88°F(約30℃〜31℃)で手で調温し、様々な形状の型内でシェルを作るのに使用する。チョコレート風味のヌガーの配合物を用いて、フラッペを作る。合計で5グラムの粉砕した高CPカカオ抽出物を104グラムのスラリーに加え、これを、92.40%のフラッペおよび7.6%のスラリーの比率でフラッペに軽く混ぜ入れる。次いで、完成したチョコレート風味のヌガーを、冷却テーブル上で伸ばし、成形済みのシェルに合うように切断する。次いで、シェルを、調温したチョコレートで蓋をし、型から取り出す。成形された小片は、22.5グラムのダークチョコレートおよび12.5グラムのチョコレート風味のヌガーからなる。
【表16】

【0129】
実施例25−粉砕したカカオ抽出物およびピーナッツを含有するチョコレート
10ポンドSigmaブレードミキサを用いて、以下に挙げる濃度範囲内で成分を一緒に混合する。
【表17】

【0130】
レシチンと脂肪を組み合わせ、均一になるまで10ポンドのSigmaブレードミキサを用いて混合する。得られた脂肪/レシチン混合物を、第2の10ポンドのSigmaブレードミキサ内で粒状スクロースに加える。スクロース、脂肪、およびレシチンを、均一になるまで約35℃から約90℃で混合する。チョコレートリカーおよび粉砕された高CPカカオ抽出物を含む残りの成分を加え、均一になるまで混合する。得られた混合物を、約20マイクロメートルの粒径となるまで精製し、コンキングし、標準化する。最終製品の約5〜30質量パーセントの量のピーナッツを加えて、カカオポリフェノールとL−アルギニンの量の多い製品を形成する。
【0131】
実施例26−ピーナッツバター食品
予め炒ったピーナッツを、ピーナッツバターを作るために、所望のように塩と砂糖と共に、挽く。この混合物に、混合しながら、カカオ粉末および粉砕された高CPカカオ抽出物を約2から3質量%および約0.5から3質量%の量で加える。この食品は、カカオポリフェノールとL−アルギニンを含有する。
【0132】
実施例27−ピーナッツを含有するダークチョコレート
以下の一般的なレシピを用いて、ダークチョコレートを調製する。
【表18】

【0133】
製品全体の約5〜30質量パーセントの量のピーナッツを加える。
【0134】
実施例28−高CPカカオ抽出物およびL−アルギニンを含有する乾燥飲料ミックス
以下の配合を用いて、カカオ粉末、高CPカカオ抽出物、およびL−アルギニンを含有する乾燥飲料ミックスを作る。
【表19】

【0135】
乾燥成分を上記の配合にしたがってバッチ配合し、速度2で針金製泡立て器を用いたKitchen Aid Professionalミキサ内で1時間に亘り混合する。Niro−Aeromatic Agglomerator内で使用する前に、レシチンが凝集する。
【0136】
実施例29−ステロールエステルを含有する高CPチョコレートチュー
例えば、Zブレードミキサ内で、ステロールエステル、カカオ固形分、粉砕した高CPカカオ抽出物、レシチン、およびダークチョコレートリカーまたはミルクチョコレートリカーを予混することによって、以下の示す成分から、チューを調製する。この混合物を、残りの成分を含有する調理シロップ(66℃に加熱されている)に含ませる。このシロップの含水量は約9%である。この混合物をゆっくりと冷却し、圧延し、巻く。最終的な混合物の含水量は約8.3〜8.7%であるはずである。
【表20−1】

【表20−2】

【0137】
チューを調製するのに用いられるキャノーラステロールエステルは、フィンランド国のRaisio Bebecol Ltd.社または米国のRaisio Staaco Inc.社により供給される。このエステルは、約30℃の融点を有し、完全な液化を確実にするために、約50〜60℃で加熱される。この混合物中に存在するフィトステロールは、B−シトステロール(50.6%)、カンペステロール(27.6%)、スティグマステロール(16.8%)、および他のステロール(5%)を含む。これらのステロールは、米国特許第5502045号明細書に記載されたエステル交換プロセスを用いてエステル化される。
【0138】
このように、本発明の好ましい実施の形態を詳細に記載してきたが、添付の特許施右級の範囲により定義される本発明は、その多くの明白な変更例が、本発明の精神すなわち範囲から逸脱せずに可能であるので、先の記載に述べられた任意の特定の詳細により制限されるものではないことが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕されたカカオ抽出物であって、該抽出物1グラム当たり少なくとも約300ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有することを特徴とする抽出物。
【請求項2】
前記抽出物の平均粒径が約15マイクロメートル未満である、および/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約30マイクロメートル未満であることを特徴とする請求項1記載の抽出物。
【請求項3】
前記総カカオポリフェノール含有量が約300ミリグラムから約700ミリグラムであり、前記抽出物の平均粒径が約10マイクロメートル未満である、および/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約20マイクロメートル未満であることを特徴とする請求項1記載の抽出物。
【請求項4】
前記総カカオポリフェノール含有量が約400ミリグラムから約600ミリグラムであり、前記抽出物の平均粒径が約5マイクロメートル未満である、および/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約10マイクロメートル未満であることを特徴とする請求項1記載の抽出物。
【請求項5】
前記総カカオポリフェノール含有量が約400ミリグラムから約500ミリグラムであることを特徴とする請求項4記載の抽出物。
【請求項6】
前記カカオポリフェノールが、エピカテキン、カテキン、および/またはそれらのプロシアニジンオリゴマーであることを特徴とする請求項1記載の抽出物。
【請求項7】
(i) 脂肪および/または油、
(ii) カカオポリフェノールを含む、粉砕されたカカオ抽出物、および
(iii) 随意的に乳化剤、
から実質的になる添加物。
【請求項8】
前記脂肪がカカオバターまたは乳脂であり;前記油が植物油であり;前記脂肪および/または前記油が、前記粉砕されたカカオ抽出物をその中に分散させるのに十分な量で存在し;前記粉砕されたカカオ抽出物が、カカオポリフェノールを含み、該抽出物1グラム当たり少なくとも約300ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有し;前記粉砕されたカカオ抽出物が、約15マイクロメートル未満の平均粒径を有するおよび/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約20マイクロメートル未満であり;前記カカオポリフェノールが、エピカテキン、カテキン、および/またはそれらのプロシアニジンオリゴマーを含むことを特徴とする請求項7記載の添加物。
【請求項9】
(i) 水および栄養性炭水化物甘味料を含むシロップ、
(ii) 粉砕されたカカオ抽出物、および
(iii) 随意的に脂肪および/または油、
から実質的になる添加物であって、
前記シロップが、前記粉砕されたカカオ抽出物をその中に分散させるのに十分な量で存在し;前記粉砕されたカカオ抽出物が、カカオポリフェノールを含み、該抽出物1グラム当たり少なくとも約300ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有し;前記粉砕されたカカオ抽出物が、約15マイクロメートル未満の平均粒径を有するおよび/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約30マイクロメートル未満であり;前記カカオポリフェノールが、エピカテキン、カテキン、および/またはそれらのプロシアニジンオリゴマーを含むことを特徴とする添加物。
【請求項10】
前記栄養性炭水化物甘味料がコーンシロップまたはそのブレンドであり;前記総カカオポリフェノール含有量が約400ミリグラムから約700ミリグラムであり;前記平均粒径が約10マイクロメートル未満である、および/または前記粒子の約90体積%が約20マイクロメートル未満であり;前記脂肪が、存在する場合、カカオバターまたは乳脂であり;前記油が、存在する場合、植物油であることを特徴とする請求項9記載の抽出物。
【請求項11】
前記抽出物の平均粒径が約5マイクロメートル未満である、および/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約10マイクロメートル未満であることを特徴とする請求項7または9記載の抽出物。
【請求項12】
前記抽出物の平均粒径が約5マイクロメートル未満である、および/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約10マイクロメートル未満であることを特徴とする請求項7または9記載の抽出物。
【請求項13】
(i) 粉砕されたカカオ抽出物、および
(ii) 脂肪、油、および/またはシロップ、
を含む食品、医療食品、栄養補給食品、または薬剤であって、
前記粉砕されたカカオ抽出物が、該抽出物1グラム当たり少なくとも約300ミリグラムの総カカオポリフェノールを含有し;前記粉砕されたカカオ抽出物が、約15マイクロメートル未満の平均粒径を有するおよび/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約30マイクロメートル未満であることを特徴とする食品。
【請求項14】
前記食品が、連続脂肪相を有する食品、中間水分食品、気泡食品、乾燥粉末コーティング、乾燥粉末ミックス、または焼き食品であり;前記脂肪がカカオバターまたは乳脂であり;前記油が植物油であり;前記シロップが、栄養性炭水化物甘味料および/または砂糖代替物の水溶液であり;前記カカオポリフェノールが、エピカテキン、カテキン、および/またはそれらのプロシアニジンオリゴマーであり;前記粉砕されたカカオ抽出物が、該抽出物1グラム当たり約400ミリグラムから約700ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有し;前記粉砕されたカカオ抽出物の平均粒径が、約15マイクロメートル未満であり、および/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約30マイクロメートル未満であることを特徴とする請求項13記載の食品。
【請求項15】
ダークチョコレート、ビタースイートチョコレート、ベーキングチョコレート、セミスイートチョコレート、スイートチョコレート、ミルクチョコレート、バターミルクチョコレート、乳製品混合チョコレート、およびホワイトチョコレートからなる群より選択される識別基準または非識別基準のチョコレートであって、該チョコレートが、粉砕されたカカオ抽出物を含有し、該カカオ抽出物が、該抽出物1グラム当たり少なくとも約300ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有し、前記粉砕されたカカオ抽出物が、約15マイクロメートル未満の平均粒径を有するおよび/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約30マイクロメートル未満であることを特徴とするチョコレート。
【請求項16】
減脂肪チョコレート、気泡チョコレート、および/またはコンパウンドコーティングチョコレートであることを特徴とする請求項15記載のチョコレート。
【請求項17】
前記総カカオポリフェノール含有量が、前記抽出物1グラム当たり約400ミリグラムから約700ミリグラムであり、前記平均粒径が、約10マイクロメートル未満であるおよび/または前記粒子の約90体積%が約20マイクロメートル未満であることを特徴とする請求項15記載のチョコレート。
【請求項18】
前記チョコレートがミルクチョコレートであり、前記総カカオポリフェノール含有量が、前記抽出物1グラム当たり約400ミリグラムから約500ミリグラムであり、前記平均粒径が、約5マイクロメートル未満であるおよび/または前記粒子の約90体積%が約10マイクロメートル未満であることを特徴とする請求項17記載のチョコレート。
【請求項19】
粉砕されたカカオ抽出物を含むチョコレートであって、該カカオ抽出物が、該抽出物1グラム当たり少なくとも約300ミリグラムの総カカオポリフェノールを含有し、減少した苦味および減少した渋味により特徴付けられるチョコレート。
【請求項20】
前記苦味が、0から15の尺度に基づいて、約0.5単位だけ減少し、前記渋味が、0から15の尺度に基づいて、約0.5単位だけ減少していることを特徴とする請求項19記載のチョコレート。
【請求項21】
前記渋味が約0.75だけ減少していることを特徴とする請求項20記載のチョコレート。
【請求項22】
前記渋味が約0.75より多く減少していることを特徴とする請求項20記載のチョコレート。
【請求項23】
高CPチョコレートを調製する方法であって、
(i) 1種類以上の炭水化物成分、1種類以上のカカオ成分、および随意的に1種類以上の乳固形分含有成分を含む混合物を調製する工程、および
(ii) 前記成分の混合物に、コンキングまたは精製の前、後もしくは最中に、1グラム当たり少なくとも約300ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有する粉砕されたカカオ抽出物を添加する工程であって、前記粉砕されたカカオ抽出物が、約5マイクロメートル未満の平均粒径を有するおよび/または前記抽出物の粒子の約90体積%が約30マイクロメートル未満である工程、
を有してなる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−530246(P2010−530246A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513317(P2010−513317)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/065763
【国際公開番号】WO2008/157039
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(390037914)マース インコーポレーテッド (80)
【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
【Fターム(参考)】