説明

高分子複合材料の製造装置及びその製造方法

【課題】合成高分子の母相に微粒子の分散相が形成されている高分子複合材料において、前記分散相を高度に微細化、均一化させる技術を提供する。
【解決手段】高分子複合材料の製造装置(10)において、前記合成高分子及び前記微粒子の含水物を投入する投入区間(A)が上流側に設けられ取出手段(17)が下流側に設けられているシリンダ(13)と、合成高分子が溶融する混練温度(Tz)に設定されているシリンダ(13)の内部で軸回転し前記主剤及び前記過剰含水物の混練物を取出手段(17)に向かって押し出すスクリュー(15)と、シリンダ(13)に設けられ混練温度(Tz)における飽和蒸気圧(Pz)よりも低くかつ大気圧よりも高い設定圧力(Pa,Pb,Pc)で混練物に含まれる水分を脱水する脱水手段(40)とを、備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成高分子及び微粒子が混合してなる高分子複合材料に関連する技術分野に属し、特にそのような高分子複合材料を製造する製造装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、微粒子と合成高分子とを複合化させることにより、化石資源から生産される合成高分子の使用量を低減させ地球環境の保全に貢献したり、従来にない新機能を発現したりする高分子複合材料を創出する研究が進められている。そのような高分子複合材料にあっては、合成高分子の母相に微粒子成分をいかにして微細にかつ均一に分散させるかが重要な検討課題となっている。
しかし、微粒子の粉末は凝集しやすい性質を有している。このため、微粒子を合成高分子の母相に微細にかつ均一に分散させることは一般に容易でない。
【0003】
前記した課題に対する従来技術として、デンプン質系バイオマスに含水処理を行った後に、合成高分子の主剤とともに加熱混練することにより、デンプン質を糊化(α化)させ母相に微細に均一に分散させる技術が公知となっている(例えば、特許文献1)。
また、草木質系バイオマスやキチン質系バイオマスに、高圧ホモゲナイザー等を用いて、これらバイオマスを水溶媒中で微細化し均質な懸濁液を作製する。そして、この懸濁液を、合成高分子の主剤とともに加熱混練することにより、バイオマス由来の微粒子を母相に微細に均一に分散させる技術が公知となっている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−21502号公報
【特許文献2】特開2006−289164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、以上述べた従来技術では、混練処理中に微細に均一に分散した微粒子が、大気圧開放により急激になされる脱水工程において、部分的に再凝集する現象が避けられない問題があった。このため、前記した従来技術により製造された高分子複合材料は、母相に対する分散相の微細化・均一化の達成度が不十分であるといえる。
【0006】
本発明は、前記した問題を解決することを課題とし、合成高分子の母相における微粒子の分散相を高度に微細化、均一化した高分子複合材料を製造する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明は、合成高分子及び微粒子が混合してなる高分子複合材料を製造する製造装置において、前記合成高分子、前記微粒子及び水が少なくとも含まれる混練物を設定された混練温度で混練する混練手段と、前記混練温度における飽和蒸気圧よりも低くかつ大気圧よりも高い設定圧力で前記混練物を脱水する脱水手段と、脱水された前記混練物を取り出す取出手段とを、含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、合成高分子の母相における微粒子の分散相を高度に微細化、均一化した高分子複合材料を製造する技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明に係る高分子複合材料の製造装置の第1実施形態を示す回転軸に沿う縦断面図であり、(b)はその脱水手段の部分を拡大して示す部分断面図であり、(c)はこの脱水手段の機能説明をするのに利用する水の状態図である。
【図2】(a)は本発明に係る高分子複合材料の製造装置の第2実施形態を示す回転軸に沿う縦断面図であり、(b)は第3実施形態を示す回転軸に沿う縦断面図である。
【図3】(a)から(c)は第4実施形態を示す高分子複合材料の製造装置の回転軸に直交する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1(a)は本発明に係る高分子複合材料の製造装置10(以下、単に「製造装置」という)の第1実施形態を示す縦断面図である。
この製造装置10は、投入手段12(ホッパ)と、混練手段50と、脱水手段40と、強制減圧装置30とを、含んで構成されている。ここで混練手段50は、駆動手段11と、シリンダ13と、スクリュー15とを含んだ構成である。
【0011】
このように製造装置10が構成されことにより、投入手段12により高分子複合材料の原材料が投入されると、この原材料は、シリンダ13の内部で軸回転するスクリュー15により混練されるとともに、脱水手段40及び強制減圧装置30により脱水処理されて、取出手段17から高分子複合材料の溶融体となって取り出されることになる。
なお、この高分子複合材料の溶融体は、取出手段17に設けられ小さな穴が十数ヶ所空いているダイ(図示略)を通って、束状に放出される。さらに、冷却バスを通過して凝固した後にペレタイザー(図示略)に引込まれ米粒状のペレットにカットされる。
【0012】
駆動手段11は、スクリュー15の一端に接続して、このスクリュー15を軸回転させるものであって、高分子複合材料の原材料を混練する動力源である。なお図1においてスクリュー15は、一本のみ表示されているが、製造装置10は、このような一軸のものに限定されるものではなく、二本以上のスクリュー15が並列して構成される多軸のものである場合も含まれる。
このように、多軸で構成される製造装置10にあって駆動手段11は、設置される複数のスクリュー15のそれぞれを軸回転させる。なおこの場合、複数のスクリュー15のそれぞれの軸回転の方向及び速度については任意設定事項である。
【0013】
投入手段12は、高分子複合材料の原材料である合成高分子及び微粒子の含水物を、シリンダ13の内部に投入するものである。この投入されるものの分量並びに配合率は、合成高分子、水、微粒子をそれぞれ供給する供給部(図示略)によって任意に設定することができる。
【0014】
ここで合成高分子として製造装置10に投入されるものとして、加熱により溶融する熱可塑性樹脂や、加熱により硬化する熱硬化性樹脂のいずれも採用することができる。
熱可塑性高分子の主剤として採用することができるものとしては、ペレット状に成形された、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のポリオレフィン系の樹脂が好適である。
またこれらに限定されることなく、その他、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、アクリル・ブチレン・スチレン(ABS)等、加熱により熱流動する性質を有し一般に押出成形が可能なものであれば、特に制限無く用いることができる。さらに、これら熱可塑性樹脂は、二種以上混合して使用してもよい。
【0015】
一方、熱可塑性高分子の主剤として、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)等の生分解性を具備したものを用いれば、その全てが土に還元される性質を有し、環境保全の観点から好適な高分子複合材料が得られる。また、テグラノボン(商標)や、マクロテク・リサーチ社(米国)のECMマスターバッチ(商品名)等の生分解性を付与する添加剤が付与されているポリオレフィン樹脂を用いても同様に環境保全の観点から好適である。
【0016】
熱硬化性高分子として採用することができるものとしては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、ジアリルフタレート、アルキド等の各種公知の熱硬化性樹脂が挙げられる。
これら熱硬化性高分子は、公知の硬化剤を主剤に添加して、所定の形状を保持して、硬化温度に設定して重合反応させることにより成形品にすることができるものである。なお、これら熱硬化性高分子の主剤は、重合反応前の単量体が低分子量化合物であるために、液体、固体、半固体の性状を取り得るが、少なくとも温度を上げれば流動状態を示すものである。
よって、硬化温度よりも低い温度に設定された混練温度で、熱硬化性高分子の主剤と微粒子とが混練されることになる。
【0017】
これら熱硬化性高分子のなかでも、アルキド樹脂は、多価アルコールと多塩基酸とが縮合重合してなる合成高分子であって、この多塩基酸は、混練中に微粒子の表面を化学修飾する。このために、合成高分子と微粒子とは界面の親和性が良好になるので、微細でかつ均一な分散構造が得られる。
このような多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール等が挙げられる。
多塩基酸としては無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸等が挙げられる。
また硬化剤として、有機過酸化物(ベンゾイールペルオキシド、ジクミルペルオキシド等)が挙げられる。
【0018】
また、前記した多価アルコールに代えてエポキシドを採用してもよい。この場合、エポキシドが混練されるとその3員環が開裂して周囲の水分子が付加して二価の多価アルコールとなり、前記した場合と同様のアルキド樹脂が合成される。また混練時に未反応のエポキシドは、その後、硬化温度に設定して成形品にする際に、3員環が開環重合してエポキシ樹脂になる。
【0019】
混練工程における多塩基酸を投入するタイミングとしては、多価アルコール(又はエポキシド)の投入よりも先行させて、微粒子の表面を化学修飾させることを優先させることが望ましい。これにより、微粒子の表面が改質されて、合成高分子に対する親和性の向上がさらに期待できるからである。このように、混練工程の前段階で微粒子の含水物と多塩基酸の一部とを化学反応させて表面改質してから、多塩基酸の残部と多価アルコール(又はエポキシド)を投入して混練する。
なお、硬化剤を投入するタイミングは、混練工程の前半・後半及び脱水工程の前・後いずれの場合もありうるが実験的に最適条件が導かれる。
【0020】
微粒子に水を含浸させることにより、飛散しやすい微粒子の集合体の取り扱いが簡便化し生産効率が向上する効果が得られる。
さらに、微粒子の集合体は、内包する空気が水に置換された後に、合成高分子と混練されることになる。これにより、製造される高分子複合材料は、残留する気泡が減少し欠陥が少なくなる効果が得られる。
【0021】
シリンダ13は、投入手段12を備える原料投入区間Aを最上流とし取出手段17を備える部分を最下流として、この最上流と最下流との間が、少なくとも混練区間B、脱水区間C(C1,C2,C3)、再加圧区間Dに分類されるよう構成されている。また、シリンダ13の周囲には、その内部を混練温度Tz(図1(c)参照)に設定するためのヒータ(図示せず)が設けられている。
【0022】
混練区間Bは、投入手段12から投入された、合成高分子及び微粒子の含水物、並びに相溶化剤を、所定の圧力と混練温度Tzとで混練する区間である。これにより微粒子は、混練物中で微細化し、適宜相溶化剤と化学反応することによって合成高分子との親和性が付与され、混練物中に均一に分散することになる。
【0023】
脱水区間Cは、さらに加圧脱水区間C1、常圧脱水区間C2、減圧脱水区間C3に分類することができ、これらにはそれぞれ少なくとも1つ以上の脱水手段40(図1(b)参照)が設けられている。
ここで、加圧脱水区間C1は、混練物に含まれる水分を、図1(c)に示されるように、その混練温度Tzにおける飽和蒸気圧Pzよりも低くかつ大気圧P0よりも高い設定圧力Pa,Pbで脱水する部分である。
このような設定圧力Pa,Pbで脱水処理されることにより、混練物は、含水量を急激ではなく徐々に低減させながら、さらに混練されることになる。これにより、混練物中で分散した微粒子は、再凝集することが抑制されつつさらに、微細化、分散化が進行することとなる。
【0024】
常圧脱水区間C2は、加圧脱水区間C1を通過した混練物に含まれる水分を、図1(c)に示されるように、大気圧P0に近い設定圧力Pc,Pdで脱水する部分である。このような設定圧力Pc,Pdで脱水処理されることにより、含水量が低減した混練物は、さらに含水量を徐々に低減しつつさらに混練されることになる。これにより、混練物中で分散した微粒子は、再凝集することが抑制されつつさらに、微細化、分散化が進行することとなる。
【0025】
減圧脱水区間C3は、常圧脱水区間C2を通過した混練物に含まれる水分を、図1(c)に示されるように、強制減圧装置30によって大気圧P0よりも低い設定圧力Peで脱水する部分である。このような設定圧力Peで脱水処理されることにより、混練物に含まれる水分はほとんど除去されることになる。
なお減圧脱水区間C3が接続する真空トラップ31は、気化した蒸気を冷却して液体に戻し、強制減圧装置30に高温の飽和水蒸気が強制減圧装置30に入るのを防止してその劣化を抑制するものである。
このように、混練物に付与される圧力を、脱水区間Cにおいて、混練温度Tzにおける飽和蒸気圧Pzから段階的に引き下げて脱水することにより、微粒子の再凝集を抑制しつつ、その微細化、分散化を促進させることができる。
【0026】
再加圧区間Dは、脱水処理の終了した混練物を継続して混練するとともに、再加圧して取出手段17から取り出されるに必要な圧力を付与する部位である。これにより、微粒子が微細に分散している高分子複合材料の溶融体が取出手段17から取り出されることになる。
【0027】
スクリュー15は、その軸周りに螺旋状のフライト16が形成されているものであって、軸回転することにより、フライト16が圧力を付与して混練物を、シリンダ13の上流から下流に向けて押し出すものである。
【0028】
脱水手段40は、図1(b)の部分断面図で示されるように、濾過板41と、遮断壁42と、調圧手段45とを、含んで構成されるものである。
このように構成される脱水手段40は、調圧手段45により混練温度Tzにおける飽和蒸気圧Pzよりも低くかつ大気圧P0よりも高い任意の設定圧力Px(x=a,b,c,d,e)を、シリンダ13内の混練物に付与するものである。これにより脱水手段40は、混練物に含まれる水分を、急激ではなく徐々に脱水していくことが可能になる。
【0029】
濾過板41は、シリンダ13の壁面に設けられた開口を閉じるように配置され、シリンダ13の内部及びその外部を隔てるとともに混練物のうち含まれる水分を選択的に濾過するものである。このような濾過板41の構成としては、板面に多数の孔を設けられ、その板面がシリンダ13の内壁面に沿って固定されるものが挙げられる。
【0030】
遮断壁42は、濾過板41により濾過された水分を気化させる気化空間Vを形成するとともにこの気化空間Vを大気から遮断するものである。このような遮断壁42の構成としては、有底の容体がその開口とシリンダ13に設けた開口とを略一致するように固定され、さらに濾過板41を当接してこれが固定されるようにするものが挙げられる。
【0031】
調圧手段45は、気化空間Vの気圧を計測する圧力計43と、気化空間Vから遮断壁42を通過して大気側に放出される気体(水蒸気)に流動抵抗を可変して付与する絞り弁44とから構成され、気化空間Vの気圧を所定の設定圧力Px(x=a,b,c,d,e)に設定するものである。
この絞り弁44の絞り量を適宜調節することにより、気化空間Vの気圧を、混練温度Tzにおける飽和蒸気圧Pzから大気圧P0までの間の任意の値に設定することができる。つまり、絞り弁44を完全に閉塞すれば気化空間Vの気圧は、この飽和蒸気圧Pzに設定され、絞り弁44を完全に開放すればから大気圧P0に設定されることになる。さらに強制減圧装置30に接続して気化空間Vの気圧を大気圧P0以下に設定することができる。
【0032】
なお、この調圧手段45は、シリンダ13に設けられている複数個の脱水手段40においてその設定圧力Pxが取出手段17に近くなる程小さく設定されていること(Pa>Pb>Pc)が、微粒子の再凝集が抑制する上で望ましいことはすでに述べたとおりである。
また設定圧力Pxは、投入された液状試薬が気化して排出されないように、水分が優先的に排出されるように適宜設定される。
そして、シリンダ13に複数設けられている脱水手段40のうち最下流に位置するものを大気圧P0よりも低圧な設定圧力Pe(P0>Pe)にすることで、取出手段17から押し出される混練物の脱水をより完全にすることができる。
【0033】
(製造装置の動作説明)
次に図1(a)並びに図1(b)及び水の状態図である図1(c)を参照して製造装置10の動作並びに脱水手段40の機能説明を行う。
製造装置10の内部に、合成高分子、微粒子及び水並びにその他必要な成分(ワックス、相溶化剤等)が、投入手段12を通じて投入され、設定された混練温度で混練手段50により混練される。
【0034】
シリンダ13に設けられたもののうち最上流に位置する脱水手段40aに到達した混練物は、スクリュー15から付与される圧力により、濾過板41に押し付けられて、含まれる水分が選択的にこの濾過板41を通過して気化空間Vに溜まる。この気化空間Vに溜まった水分は混練温度Tzであるところ、その飽和蒸気圧Pzより低い圧力Paに設定されている気化空間Vにおいて、この溜まった水分は気化することになる。この気化した水分(水蒸気)は調圧手段45の絞り弁44を通過して大気に放出されることになる。
この脱水手段40aでは、設定圧力Paと大気圧P0との差圧が小さいために、混練物の脱水が急激にされることはなく、含水量が低減した状態となって混練されながら下流の脱水手段40bに押し出される。
【0035】
次の脱水手段40bにおいても、同様に、飽和蒸気圧Pzより低い圧力Pbに設定されている気化空間Vにおいて溜まった水分は気化して大気に放出されることになる。
以下、このように、下流側に設けられている脱水手段40(40c,40d,40e)において同様の動作が繰り返されて、混練物は段階的に徐々に脱水を実行しつつ混練されるために微粒子の再凝集が抑制されることになる。
【0036】
そして、脱水が完了した混練物は、微粒子が分散した高分子複合材料の溶融体として、取出手段17から取り出されるとともに、ペレタイザー(図示略)等により米粒状のペレット等(高分子複合材料組成物)に成形される。
このペレットは、再加熱して溶融させてから、金型に注入してバルク状の成形品としたり、延伸加工(例えばインフレーション法、カレンダー加工法、T−ダイ法、吹き込み法等)してフィルム状の成形品としたり、発泡させて発泡成形品としたりして、一般的な高分子加工成形品を製造するための原料として適用することができる。
なおこのように、ペレットの成形を経由せずに、取出手段17から押し出される高分子複合材料の溶融体からそのような成形品を直接製造してもよい。
【0037】
以上の実施形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、製造装置10は、加圧脱水区間C1が少なくとも設けられていれば、特に常圧脱水区間C2及び減圧脱水区間C3を設ける必要が無い場合がある。これは、混練温度Tzにおいては、大気圧P0よりも高い圧力で充分に脱水する(水分を気化させる)ことが可能であることが図1(c)の水の状態図から充分に裏付けられるからである。
【0038】
また、図示されているシリンダ13の区分(A,B,C1,C2,C3,D)は例示であって、これらの区分の間に他の区分を設けること(例えば、常圧脱水区間C2と減圧脱水区間C3との間に混練区間Bを設けること、原料投入区間Aを複数設けること等)は適宜可能である。
そのような、他の具体的な適用例について例示する。投入手段12からは、微粒子と、相溶化剤とを、投入して第1の原料投入区間Aで両者を混練する。この原料投入区間Aで、微粒子は、さらに粉砕されて微粒子化するとともにその表面に相溶化剤を吸着させて、後に投入される合成高分子に対する親和性を向上させる。
【0039】
次に、第2の原料投入区間(図示せず)において、合成高分子の主剤及びその他必要な試薬を投入し、微粒子と共に混練する。これにより、微粒子が合成高分子の連続相に微細にかつ均一に分散していくこととなる。
なお製造装置10の構成として、脱水区間C1,C2,C3は、第1の原料投入区間Aと第2の原料投入区間(図示せず)との中間工程に位置する場合、第2の原料投入区間(図示せず)の後工程に位置する場合の、いずれの場合も取り得る。さらに、混練区間Bが、任意区間の中間に追加される場合も取り得る。
【0040】
(第2実施形態)
次に図2(a)に示す縦断面図を参照して、本発明に係る高分子複合材料の製造装置の第2実施形態を説明する。なお、図2(a)において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、すでにした記載を援用して、詳細な説明を省略する。
【0041】
第2実施形態の製造装置10’は、高分子複合材料の原料として用いられる微粒子の含水物として、懸濁液のような含水量が多く流動性の高いものが採用される場合に適切なものである。
そのような製造装置10’において特徴的な構成は、この微粒子の含水物をシリンダ13の内部に圧入する圧入手段20と、軸径が変化しているスクリュー15’とを採用する点にある。そして、高分子複合材料の原料が投入される区間は、合成高分子の主剤が投入される主剤投入区間A1と、その下流に設けられ微粒子の過剰含水物の懸濁液が投入される懸濁液投入区間A2とに分割して構成される。
【0042】
圧入手段20は、シリンダ13の懸濁液投入区間A2に設けられている注入口14を介して接続されるものであって、微粒子の含水物が充填されている液溜21と、この液溜21から微粒子の含水物をシリンダ13に注入する駆動力を与えるモータ22と、この注入される微粒子の含水物の逆流を防止する逆止弁24と、シリンダ13に注入される微粒子の含水物の注入量を調節する絞り弁25とを含んで構成されている。
なお、この注入口14の近傍のシリンダ13の内部は、合成高分子の混練物が加圧された状態にあるので、圧入手段20は、それよりも大きな圧力で微粒子の含水物を圧入させる必要がある。また、圧入された過剰含水物が混練物の温度を下げないように、圧入手段20には、過剰含水物を加熱する加熱手段を適宜設けてもよい。
【0043】
仮に、このような流動性の高い微粒子の含水物を、第1実施形態の製造装置10のように合成高分子と混合してシリンダ13に投入するとなると、投入手段12の内部で両者が分離して、微粒子の配合比率が変動して混練物に配合比率のむらが生じることが懸念される。しかし、第2実施形態の製造装置10’のように、流動性の高い微粒子の含水物を下流側に設けた注入口14から圧入することにより、常に一定比率でむらなく微粒子を混練物に投入することが可能になる。
【0044】
そして圧入手段20から圧入されるものは、前記した微粒子の含水物に限定されるものではなく、例えば前記したような、多塩基酸、多価アルコール、有機過酸化物のような混練工程において配合される種々の液状試薬が圧入される場合もある。
また圧入手段20は、図2に示されるように単数配置に限定されるものでなく目的に応じて複数配置される場合があり、また配置される位置も脱水手段40の上流に配置されることに限定されるものでなく、その下流に配置される場合もある。前記したような液状試薬は、脱水が充分に行われた後に、混練物に圧入されることが望ましい場合があるからである。
【0045】
次に、スクリュー15’は、加圧脱水区間C1又は常圧脱水区間C2に設けられている脱水手段40(40a,40b,40c,40d)の設置部位において、その軸径が上流側よりも太径に形成されている。このようにスクリュー15’が構成されることにより、混練物は上流側よりもさらに加圧されることとなり、含有する水分が除去されて混練物の容積が減少してもこの混練物に付与される圧力は少なくとも維持されることになる。
【0046】
さらにスクリュー15’は、減圧脱水区間C3に設けられている脱水手段40(40e)の設置部位において、その軸径が上流側よりも細径に形成されている。このようにスクリュー15’が構成されることにより、混練物はこの区間においてスクリュー15’から混練物に付与されている圧力は解除(減圧)されることになり、さらに混練物は大気圧P0より低圧にさらされて脱水が促進されることになる。
【0047】
さらにスクリュー15’は、脱水区間C1,C2,C3を通過した再加圧区間Dにおいて、その軸径が上流側よりも太径に形成されている。このようにスクリュー15’が構成されることにより、脱水された混練物はこの区間において再加圧されて取出手段17から取り出されることになる。
【0048】
また、前記した第2実施形態の説明においては、投入手段12からシリンダ13の内部には合成高分子の主剤が投入され、圧入手段20からシリンダ13の内部に微粒子を含む懸濁液が投入される例を示した。
第2実施形態における他の適用例として、投入手段12からは合成高分子の主剤及び微粒子がシリンダ13の内部に投入されることとして、圧入手段20を注水手段としてシリンダ13の内部に水を注水する場合もある。
この場合、圧入手段20は、流量並びに温度の調節機能を有する一般的な給湯手段を用いることができる。
【0049】
(第3実施形態)
次に図2(b)に示す縦断面図を参照して、本発明に係る高分子複合材料の製造装置の第3実施形態を説明する。なお、図2(b)において図1及び図2(a)と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、すでにした記載を援用して、詳細な説明を省略する。
【0050】
第3実施形態の製造装置10”は、第2実施形態の場合と同様に、高分子複合材料の原料として用いられる微粒子の含水物として、懸濁液のように含水量が多く流動性の高いものを採用する場合に適切なものである。
そして製造装置10”において特徴的な構成は、フライト16のピッチが変化しているスクリュー15”を採用する点にある。
このようにスクリュー15”の下流に向うに従いフライト16のピッチが狭く変化すると混練物に付与される圧力は増大し、逆にピッチが広く変化すると混練物に付与される圧力は減少することになる。
【0051】
そこでスクリュー15”は、加圧脱水区間C1又は常圧脱水区間C2に設けられている脱水手段40(40a,40b,40c,40d)の設置部位において、フライト16のピッチが上流側よりも狭く形成することにする。そしてスクリュー15”は、減圧脱水区間C3に設けられている脱水手段40(40e)の設置部位において、フライト16のピッチが上流側よりも広く形成されている。
このようにスクリュー15”が構成されることにより、混練物は、第2実施形態の場合と同じ要領で、脱水手段40が設けられている位置で加圧又は減圧されることになり、その脱水が段階的に促進されることになる。
【0052】
(第4実施形態)
次に図3に示す断面図を参照して、本発明に係る高分子複合材料の製造装置の第4実施形態を説明する。前記した図1及び図2の製造装置10は、原料の投入工程、混練工程、混練物の取出工程がそれぞれ寸断されることなく同時に進行し連続的に高分子複合材料を製造する連続式のものであった。これに対し、第4実施形態に係る製造装置60は、原料の投入工程、混練工程、混練物の取出工程がそれぞれ順繰りに繰り返され断続的に高分子複合材料を製造するバッチ式のものである。
【0053】
この製造装置60は、投入手段12(ホッパ)と、混練手段62と、脱水手段40とを、含んで構成されている。ここで混練手段62は、駆動手段(図示せず)と、ケーシング63と、ロータ65とを含んだ構成である。
また図3(a)〜(c)は、ロータ65の回転軸に直交する断面であって、その長手方向に沿って異なる(それぞれ投入手段12、脱水手段40、取出手段67を含む)製造装置60の断面図を示している。
なお、図3において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、すでにした記載を援用して、詳細な説明を省略する。
【0054】
混練手段62は、ケーシング63と、ロータ65とを構成に含み、投入された合成高分子、微粒子及び水並びにその他のものを設定した混練温度で撹拌して混練し、微細にかつ均一な高分子複合材料にするものである。
ケーシング63は、合成高分子、微粒子及び水を投入する投入手段12並びに混練物を外部に取り出す取出手段67が設けられている。
この投入手段12は、第1開閉手段61を介してケーシング63内部の混練空間Wと連通しており、この第1開閉手段61を「開状態」にすると投入手段12から混練空間Wに合成高分子及び微粒子の含水物を投入することができるようになっている。一方、第1開閉手段61を「閉状態」にすると混練空間Wと投入手段12との間を行き交う気体の流れも遮断される。
【0055】
取出手段67は、第2開閉手段68を介してケーシング63の混練空間Wと連通しており、この第2開閉手段68を「開状態」にすると混練空間Wにある混練物が取り出せることができるようになっている。一方、第2開閉手段68を「閉状態」にすると混練空間Wと取出手段67との間を行き交う気体の流れも遮断される。
このように、第1開閉手段61及び第2開閉手段68を「閉状態」にすると混練空間Wは密閉空間になり、混練空間Wは、設定された混練温度Tzにおける飽和蒸気圧Pz(>P0:大気圧)に保持されることになる(図1(c)参照)。
【0056】
ロータ65は、密閉空間にされ混練温度に設定されたケーシング63の混練空間Wで回転し混練物を混練するものである。このロータ65は、図3中、互いに回転方向が逆方向である二つの回転体が、投入手段12からの投入物を巻き込むようにかつ取出手段67へ混練物を押し出すように回転するものが例示されているが、このような実施形態に限定されるものでなく公知のものを適用することができる。
【0057】
脱水手段40は、図3(b)に示されるように、ケーシング63に穿設された混練空間Wの開口に設けられ、密閉空間の圧力を調節し、この調節された圧力により混練物の脱水を実行するものである。
濾過板41は、ケーシング63の混練空間W及び外部を隔てるとともに混練物のうち含まれる水分を選択的に濾過するものである。
遮断壁42は、濾過板41を介して混練空間Wに連通する気化空間Vが形成されるとともに調圧手段45が設けられている。
調圧手段45は、密閉空間にされた混練空間Wの気圧を調節して設定圧力に設定するものであって、圧力計43及び絞り弁44を備える。
【0058】
なお図3(b)の脱水手段40は、図1(b)と同じものが示されているが、本実施形態の製造装置60おいては、混練空間Wの上部も連通する気化空間Vと同じ役割を果たしており、濾過板41及び遮断壁42を設けずに、ケーシング63に直接調圧手段45を設ける構成も取り得る。
また、図3で図示されていないが、製造装置60において、圧入手段20(図2参照)が設けられる構成も取り得る。
【0059】
(製造装置の動作説明)
次に図3を参照して製造装置60の動作説明を行う。
第1開閉手段61を「開状態」とし第2開閉手段68を「閉状態」とし、製造装置60の内部に、合成高分子及び微粒子の含水物及びその他必要な成分(ワックス、相溶化剤等)を、投入手段12を通じて投入する。そして、第1開閉手段61を「閉状態」にして投入物を混練温度に設定し混練手段62により混練する。
【0060】
そして、適時、調圧手段45を動作させて混練空間Wにある水分を水蒸気にして外部に放出させたり、図示しない圧入手段20(図2参照)から必要な液状試薬を投入したりする。また必要に応じて強制減圧装置30(図1(a)参照)により、混練空間Wを大気圧よりも減圧し、脱水を完全にする。
次に第2開閉手段68を「開状態」とし混練空間W内の混練物を取出手段67から取り出す。以上の工程を繰り返すことにより、高分子複合材料を量産する。
【0061】
以上述べた高分子複合材料の製造装置10,10’,10”,60で混練される合成高分子の主剤としては、熱可塑性高分子及び熱硬化性高分子のいずれも適用することができるものである。また、これら合成高分子の主剤に適宜添加される試薬(熱硬化性高分子の硬化剤を含む)については、その種類、性状、添加方法について公知のものを採用することができる。さらにそのような試薬を主剤に混合する手段は、例示した実施形態に限定されるものでなく、事例に応じて最適な手段が採用される。
【0062】
また合成高分子及び微粒子の含水物並びにその他必要な成分(ワックス、相溶化剤等)が、投入手段12から投入される順番並びに脱水を実施するタイミング及び回数についても任意である。
つまり、前記した成分を全て一機に投入して混練・脱水して取り出す場合の他、例えば、微粒子の過剰含水物及び相溶化剤を、先行して投入し混練・脱水した後に、合成高分子の主剤を投入して混練して混練物を取り出す場合も取り得る。
【符号の説明】
【0063】
10,10’,10”,60…製造装置、12…ホッパ(投入手段)、13…シリンダ、14…注入口、15,15’,15”…スクリュー、16…フライト、17…取出手段、20…圧入手段、30…強制減圧装置、40(40a,40b,40c,40d,40e)…脱水手段、41…濾過板、42…遮断壁、45…調圧手段、50,62…混練手段、63…ケーシング、65…ロータ、67…取出手段、61,68…開閉手段、A…原料投入区間、B…混練区間、C1…加圧脱水区間(脱水区間)、C2…常圧脱水区間(脱水区間)、C3…減圧脱水区間(脱水区間)、D…再加圧区間、P0…大気圧、Pz…混練温度における飽和蒸気圧、Px(Pa,Pb,Pc,Pd,Pe)…設定圧力、Tz…混練温度、V…気化空間、W…混練空間(密閉空間)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成高分子及び微粒子が混合してなる高分子複合材料を製造する製造装置において、
前記合成高分子、前記微粒子及び水が少なくとも含まれる混練物を設定された混練温度で混練する混練手段と、
前記混練温度における飽和蒸気圧よりも低くかつ大気圧よりも高い設定圧力で前記混練物を脱水する脱水手段と、
脱水された前記混練物を取り出す取出手段とを、含むことを特徴とする高分子複合材料の製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の高分子複合材料を製造する製造装置において、
前記混練手段は、
前記合成高分子、前記微粒子及び水の投入手段が上流側に設けられ前記取出手段が下流側に設けられているシリンダと、
前記混練温度に設定されている前記シリンダの内部で軸回転し前記混練物を前記投入手段から前記取出手段へ向かって押し出すスクリューとを、有し、
前記脱水手段は、
前記シリンダの内部及びその外部を隔てるとともに前記混練物のうち含まれる水分を選択的に濾過する濾過板と、
前記濾過板により濾過された水分を気化させる気化空間を形成するとともに大気を遮断する遮断壁と、
前記気化空間の気圧を前記設定圧力に設定する調圧手段とを、有することを特徴とする高分子複合材料の製造装置。
【請求項3】
請求項2に記載の高分子複合材料の製造装置において、前記シリンダに対し複数個の前記脱水手段が設けられ、
これら複数個の脱水手段の設定圧力は、前記取出手段に近くなる程小さく設定されていることを特徴とする高分子複合材料の製造装置。
【請求項4】
請求項3に記載の高分子複合材料の製造装置において、前記取出手段に直近の前記脱水手段の設定圧力は、大気圧よりも低圧に設定できることを特徴とする高分子複合材料の製造装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の高分子複合材料の製造装置において、前記脱水手段が備えられている部位の前記混練物が、前記スクリューの軸径を変化させることによって加圧又は減圧されることを特徴とする高分子複合材料の製造装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の高分子複合材料の製造装置において、前記脱水手段が備えられている部位の前記混練物が、前記スクリューに設けられるフライトのピッチを変化させることによって加圧又は減圧されることを特徴とする高分子複合材料の製造装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の高分子複合材料の製造装置において、液状試薬又は前記水が前記合成高分子及び前記微粒子の投入手段よりも下流側に設けられている圧入手段から圧入されることを特徴とする高分子複合材料の製造装置。
【請求項8】
請求項1に記載の高分子複合材料を製造する製造装置において、
前記混練手段は、
前記合成高分子、前記微粒子及び前記水を投入する投入手段並びに前記取出手段が設けられるケーシングと、
密閉空間にされ前記混練温度に設定された前記ケーシングの内部で回転し前記混練物を混練するローターとを、有し、
前記脱水手段は、
前記密閉空間の気圧を前記設定圧力に設定する調圧手段を、有することを特徴とする高分子複合材料の製造装置。
【請求項9】
請求項8に記載の高分子複合材料を製造する製造装置において、
前記ケーシングの内部及び外部を隔てるとともに前記混練物のうち含まれる水分を選択的に濾過する濾過板と、
前記濾過板を介して前記密閉空間に連通する気化空間が形成されるとともに前記調圧手段が設けられている遮断壁とを、有することを特徴とする高分子複合材料の製造装置。
【請求項10】
合成高分子及び微粒子が混合してなる高分子複合材料を製造する製造方法において、
前記合成高分子、前記微粒子及び水が少なくとも含まれる混練物を設定された混練温度で混練する混練工程と、
前記混練温度における飽和蒸気圧よりも低くかつ大気圧よりも高い設定圧力で混練物を脱水する脱水工程と、
脱水された混練物を取り出す取出工程とを、含むことを特徴とする高分子複合材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−51349(P2011−51349A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238843(P2010−238843)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【分割の表示】特願2007−263879(P2007−263879)の分割
【原出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(504004647)アグリフューチャー・じょうえつ株式会社 (24)
【Fターム(参考)】