説明

高機能性付与化粧品組成物

【課題】 優れた老化防止、紫外線防御、美白、養毛・育毛効果など、従来にない画期的な高機能を有する化粧品組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)フラーレン、フラーレン誘導体、水溶性フラーレン及び水溶性フラーレン誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を0.001〜20.0質量%、(B)動物由来の胎盤抽出物(プラセンタエキス)の1種又は2種以上を0.01〜10.0質量%、を必須成分として含有することを特徴とする化粧品組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高機能性付与化粧品組成物に関し、さらに詳しくは、老化防止、紫外線防御、美白、養毛(育毛)等の効能効果を発揮しうる化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ナノテク技術を駆使した化粧品の開発、上市が見受けられるようになってきている。とりわけ、フラーレン(C60、C70ナノカーボン)を化粧品素材として使用した場合、特にヒドロキシラジカル消去作用、スーパーオキシドアニオンラジカル消去作用、パーオキシド/過酸化水素発生抑制作用など、各種の活性酸素を消去する作用があることが知られている。このことにより、活性酸素によって引き起こされたり、助長されたり、修復妨害される紫外線障害、過酸化脂質障害、メラニン生成、シワ、くすみ、たるみ形成、セルライト形成などを防御する各種の美肌効果を示す。
【0003】
すなわち、本発明中のフラーレン及びフラーレン誘導体を含有する外用組成物は、その適用により、皮膚に塗布吸収された後、その抗酸化力を発揮するため、(1)肌の美白、(2)色素沈着の改善、(3)ニキビの改善、治療、(4)シワの改善、(5)肌荒れの改善、(6)油肌の改善、(7)乾燥肌の改善、(8)毛穴の縮小、(9)瘢痕の治療、(10)赤ら顔の治療、(11)抜け毛の治療、(12)育毛促進、(13)やけどの治療、(14)皮膚の殺菌、殺ダニ、(16)皮膚のキメの改善などの治療効果を発揮することが知られている(特許文献1〜3)。
【0004】
すなわち、特許文献1には、C60、C70のフラーレン、あるいはフラーレン誘導体等を有効成分とする抗酸化組成物が開示されており、化粧品や外用性の皮膚処方薬として応用可能であることが記載されている。
【0005】
特許文献2には、C60、C70のフラーレンと、溶解剤としての油分、および桂皮酸系紫外線吸収剤を含有してなる、皮膚及び毛髪を紫外線から防御するためのサンケア用化粧組成物が開示されている。
【0006】
特許文献3には、フラーレン、フラーレン誘導体を含み、pHが3〜10であり、遷移金属化合物の合計濃度が0.1%以下であり、かつ、0.01〜10重量%の保存安定剤又はキレート剤、0.01〜50重量%の非イオン界面活性剤、0.01〜20重量%のアスコルビン酸又はその誘導体、0.001〜50重量%の紫外線防御剤のうち少なくとも1種を含有する安定なフラーレン外用組成物が開示されている。さらに、該外用組成物に、美白成分、抗炎症成分、抗酸化成分のうちの少なくとも1種を含有することにより、肌の美白、色素沈着の改善、ニキビの治療、シワの改善、肌荒れの改善、油肌の改善、乾燥肌の改善、毛穴の縮小、瘢痕の治療、赤ら顔の治療、抜け毛の治療、育毛促進、やけどの治療、皮膚の殺菌、皮膚の殺ダニ、及び皮膚のキメの改善のうちの少なくとも一種の効果が増強されているフラーレン外用組成物が開示されている。
【0007】
その他に美肌効果だけに止まらず、C60フラーレンやC70フラーレンは、皮膚の炎症を防御したり、創傷治癒を促進する皮膚防護効果にも有効である(特許文献1)。中でも、細菌・カビ・ウイルス感染症、熱傷、日焼け、擦過傷、打撲傷、噛傷等の創傷による炎症に効果的である(特許文献1)。この様に活性酸素は各種皮膚障害のトリガー(引き金)となる為、活性酸素を消去する効果は対処療法ではなく、根治療法や予防法として決定的な有効手段となる。
【0008】
一方、胎盤抽出物は主に豚由来であるが、又は牛、馬、羊、人等の動物の胎盤から、常法により得られる酵素分解抽出エキス又は凍結融解エキス、有機溶剤抽出エキス及び水抽出エキスである。この胎盤抽出物にはチロシナーゼ活性阻害効果があり、この結果、美白を訴求する化粧品などに使用できることが知られている(特許文献4〜6)。
【0009】
すなわち、特許文献4には、水溶性多価アルコールと、高級脂肪酸塩と、水溶性高分子と、精製水と、美白剤を含有する水性スティック状美白用組成物が開示され、胎盤抽出物が美白剤の一例として記載されている。特許文献5には、メラニン分解性物質と美白成分を必須成分として含有する化粧料が開示され、水又はアルコールで抽出された胎盤抽出物が美白成分の一例として記載されている。特許文献6には、コエンザイムQ10と、それ以外の美白成分としての胎盤抽出物等とを併用した美白化粧料が開示されている。
【0010】
上記の特許文献4〜6においては、胎盤抽出物を美白剤として使用可能であることが記載されているのみであり、実際の使用効果は明らかにされていない。
【0011】
また胎盤抽出物には細胞賦活効果もあり、この結果、老化防止を訴求する化粧品及び養毛・育毛を訴求する化粧品などにも使用できることが知られている(特許文献7〜10)。
【0012】
すなわち、特許文献7には、豚又は馬の胎盤抽出物を含有する抗アレルギー剤、ヒスタミン遊離抑制剤、線維芽細胞増殖促進剤、ならびにこれらの何れか1種以上を含有する化粧料組成物が開示されている。この化粧料組成物によれば、アレルギー性・アトピー性の皮膚炎症疾患や乾燥肌の改善、肌にツヤ・張りの付与、皮膚のトラブルの予防ならびに改善が可能になることが記載されている。
【0013】
特許文献8には、豚胎盤抽出物と、美白成分又は育毛成分とを必須成分として含有する化粧料組成物が開示されている。豚の胎盤抽出物により皮膚の状態が改善され、別の美白成分や育毛成分の浸透性が高まり、それらが皮膚に有効的に作用するという優れた効果を奏することが記載されている。
【0014】
特許文献9には、ウマ胎盤抽出物と、美白成分又は育毛成分とを必須成分として含有する化粧料組成物が開示されている。ウマの胎盤抽出物による皮膚の生理的健全効果及び整肌効果といった機能により皮膚の状態が改善され、別の美白成分や育毛成分の浸透性が高まり、それらが皮膚に有効的に作用するという優れた効果を奏することが記載されている。
【0015】
特許文献10には、貝類肉より得た1型(α1)ホモ分子コラーゲンと、保湿剤、柔軟剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、血行促進剤及び美白剤から選ばれる1種又は2種以上を含有する化粧品が開示されている。細胞賦活剤として、ブタ、ウシ等の胎盤抽出物が例示されている。
【特許文献1】特開2004−250690
【特許文献2】特開平9−278625
【特許文献3】特開2004−269523
【特許文献4】特開2004−149500
【特許文献5】特開2004−107284
【特許文献6】特開2004−107262
【特許文献7】特開2002−226384
【特許文献8】特開2002−179523
【特許文献9】特開2002−187812
【特許文献10】特開2004−238386
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記のフラーレン及び動物由来の胎盤抽出物は、いずれもそこそこの効果は得られるものの、それぞれ単独で化粧品などに配合した場合、十分な老化防止、紫外線防御、美白、養毛・育毛効果が得られなかった。
【0017】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、優れた老化防止、紫外線防御、美白、養毛・育毛効果など、従来にない画期的な高機能を有する化粧品組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、フラーレン及び動物由来の胎盤抽出物(プラセンタエキス)を効能効果剤の主剤として併用することにより、相互の弱所がカバーされ、驚くべき相乗効果がもたらされ、従来にない画期的な高機能を有する化粧品組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0019】
すなわち本発明は、(A)フラーレン、フラーレン誘導体、水溶性フラーレン及び水溶性フラーレン誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上と、(B)動物由来の胎盤抽出物の1種又は2種以上と、を必須成分として含有することを特徴とする化粧品組成物を提供する。
【0020】
本発明の化粧品組成物においては、フラーレンが、C60フラーレン、C70フラーレン又はその両者を含むフラーレン混合物であることが好ましい。また、胎盤抽出物が、豚、牛、馬、羊又は人の胎盤抽出物であることが好ましい。
【0021】
本発明の化粧品組成物においては、(A)成分を0.001〜20.0質量%含有し、(B)成分を0.01〜10.0質量%含有することが好ましい。また、(A)成分と(B)成分の比率(質量比)は1:9〜9:1の範囲が好ましい。
【0022】
本発明の化粧品組成物は、さらに(C)細胞賦活剤を含有するものであってもよい。前記細胞賦活剤は、デオキシリボ核酸及びその塩、植物抽出物及び植物由来の抽出物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0023】
本発明の化粧品組成物は、さらに(D)美白剤を含有するものであってもよい。
【0024】
本発明の化粧品組成物は、さらに(E)活性酸素消去剤を含有するものであってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、フラーレンとその類縁体及び動物由来の胎盤抽出物を併用することにより、老化防止、紫外線防御、美白、養毛・育毛効果などに優れた効果を発揮する。これにより、生体適合性が要求される種々の応用分野への適応が可能となり、従来技術の限界を克服した新しい機能を実現するための技術的手段、特に高機能性付与化粧品としての応用手段を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、(A)フラーレン、フラーレン誘導体、水溶性フラーレン及び水溶性フラーレン誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上と、(B)動物由来の胎盤抽出物(プラセンタエキス)の1種又は2種以上と、を効能効果剤の主剤として併用することを特徴とする化粧品組成物に関するものである。以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
本発明における(A)成分としては、フラーレン、フラーレン誘導体、水溶性フラーレン及び水溶性フラーレン誘導体から選ばれる1種又は2種以上の任意の混合物が用いられる。これらのフラーレン類のうち、フラーレンについては、C60、C70又はこれらの混合物をはじめとする各種のものが用いられる。
【0028】
「フラーレン」とは、炭素原子から構成される中空球体の巨大炭素分子で、R.F.カールらが、「フラーレン類」(サイエンティフィック・アメリカン(第32〜41頁、1991年10月号))等に記載したように、炭素原子数60(C60)、同70(C70)をはじめ種々の分子量のものがあり、紫外線領域に吸収を持つことが知られている。そして現在までに、R.S.ルオフらの「C60の溶解性」(ジャーナル・オブ・フィジカルケミストリー(第3379〜3383頁、1993年))から、デカリンや芳香環、ハロゲンを有する有機溶媒への溶解性が高いことや、T.アンダーソンらの「水溶性フラーレン」(ジャーナル・オブ・ケミカルソサイエティーケミカルコミュニケーション(第604〜607頁、1992年))から、シクロデキストリンに包接させることにより水への溶解が可能であること、などが知られている。
【0029】
本発明で用いるフラーレンは、フラーレン分子であれば特に限定されることなく、例えば、炭素原子数32(C32)、同44(C44)、同50(C50)、同58(C58)、同60(C60)、同70(C70)、同76(C76)、同78(C78)、同82(C82)、同84(C84)、同90(C90)、同96(C96)、同210(C210)、同960(C960)等を用いることができる。これらの中でも、球状構造上安定性が高く、かつ多量に存在するC60及びC70のものが好適に用いられる。本発明ではこれらフラーレンのうちの1種又は2種以上の任意の混合物を用いることができる。
【0030】
フラーレン誘導体としては、メチル基、ヒドロキシル基、アミノ基、飽和脂肪酸等で化学修飾されたものがあり、例えば、水酸化フラーレン、水素化フラーレン(以上、フロンティアカーボン(株))等が挙げられる。
【0031】
また、水溶性フラーレン及び水溶性フラーレン誘導体は、上記のフラーレン及びフラーレン誘導体を有機化合物(有機オリゴマー、有機ポリマー、シクロデキストリン、クラウンエーテル、及びこれらの類縁化合物のうちの1種以上)により修飾もしくは包接したものである。例えば、商品名「ラジカルスポンジ」(ビタミンC60バイオリサーチ(株))等が代表例として挙げられる。
【0032】
上記のフラーレン類の中でも、化粧品に対する相性及び取扱いの点より、水溶性フラーレン及びその誘導体が特に好ましい。
【0033】
本発明における(B)成分としては、動物由来の胎盤抽出物(プラセンタエキス)の1種又は2種以上の任意の混合物が用いられる。前記の胎盤抽出物は、主に豚由来であるが、牛、馬、羊、人等に由来するものもあり、これらの動物の胎盤から常法により得られる酵素分解抽出エキス又は加水分解抽出エキスである。その抽出方法、精製法、処理方法は特に限定されるものではなく、水溶性プラセンタエキスとして一般に市販され化粧品原料として使用されているものを用いることができ、例えば、豚、牛、馬、羊、人等の哺乳動物の胎盤を洗浄、除血、破砕、凍結融解、酵素分解、有機溶剤又は水抽出等の常法工程を経て、水溶性成分を抽出した後、更に不純物を除去して得られるものを挙げることができる。市販品としては、例えば、「プレックスPA」(スノーデン(株)、豚胎盤の水抽出エキス)、「ラエンネック」((株)日本生物製剤)、「メルスモン」(メルスモン製薬(株))等が挙げられる。特に好ましいのは、豚胎盤の水抽出エキスである。
【0034】
本発明で用いられる動物由来の胎盤抽出物(プラセンタエキス)には、以下のような薬理作用があることが知られている。すなわちプラセンタエキスは、絨毛組織(胎盤)加水分解物で、アルギニン、フェニルアラニン、リジン、トリプトファンなど各種天然アミノ酸を始め各種ペプチド類、各種ビタミン、核酸様物質、ムコ多糖類、亜鉛、鉄などのミネラルが豊富に含まれるものである。古くは民間薬、上薬(漢方)に始まり、外用の化粧品(保湿、美白)として利用され、その効果・安全性など歴史的な裏付けを基に幅広く応用されていることが知られている。
【0035】
近年、この天然素材プラセンタエキスは、医薬品、健康補助食品、化粧品としての科学的な裏付けEBM(Evidence Based Medicine)より、広範囲に渡り新たな有用性が見出されたことから、注目されてきている。最近では、プラセンタエキスには微量金属亜鉛が豊富に含まれ、亜鉛不足の問題や紫外線からのダメージ防止など健康効果、薬理効果が解明されている。
【0036】
本発明は、プラセンタエキスが有している抗ストレス作用、抗不安作用、抗酸化作用(活性酸素消去能)、抗アレルギー作用、抗炎症作用(傷慢性化防止)、免疫賦活作用などの効果を、有効に化粧品へ応用展開したものである。とりわけ抗酸化作用(活性酸素消去作用)については、有酸素生物は絶えず活性酸素、更に紫外線からダメージを受けており、特に未コントロール活性酸素による弊害は、老化、エージングのみならず各種疾病に関係していることが解明されて来ている。そのため、活性酸素に対する関心が高まってきている。細胞レベルでも、エネルギー産生の場であるミトコンドリアにおける活性酸素の問題や、細胞膜(二重脂質膜)への影響、肌質構成成分への影響など、生体組織、臓器はこの活性酸素にさらされており、健康維持されているものの、未コントロールの活性酸素の悪影響は無視できない。加齢と活性酸素の消去能には相関関係があり、その消去能力は年齢と共に落ちていくことが判っており、未コントロールの活性酸素をコントロールできれば、加齢現象は改善できると考えられる。
【0037】
また、プラセンタエキスは、有意に活性酸素(スーパーオキシドアニオン、一重項酸素等)を消去する効果があることが知られているが、フラーレンはC60の場合で理論的にビタミンCが持つ活性酸素消去に関係する機能部位と同様の化学構造を一分子中に34部位含有していると言われており、両者を併用することにより、老化防止、紫外線防御、美白、養毛・育毛効果などに優れた効果が発現すると推察される。
【0038】
本発明において(A)成分の配合量は、化粧品組成物全量に対し、有効成分として、0.001〜20.0質量%(以下、「%」)が好ましく、より好ましくは0.001〜1.0%、さらに好ましくは0.001〜0.1%である。0.001%未満では十分な老化防止、紫外線防御効果、美白効果、養毛(育毛)効果を得ることができず、一方、20.0%超では色調面への影響が大となるとともに、コスト面でも負荷がかかることとなる。
【0039】
(B)成分の配合量は、化粧品組成物全量に対し、有効成分として、0.01〜10.0%が好ましく、より好ましくは0.01〜2.0%である。0.01%未満では十分な老化防止、美白効果、養毛(育毛)効果を得ることができず、一方、10.0%超では効果の向上もあまり期待できず、又コスト面でも決して有利とはいえない。
【0040】
本発明において(A)成分と(B)成分を効能効果剤の主剤として併用する場合、上記の量範囲内で使用することが好ましく、その併用比は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の比率(質量比)は、9:1〜1:9の範囲が好ましく、より好ましくは8:2〜2:8である。(A)成分の比率が上記範囲内であれば色調悪化やコスト高を抑えることができ、一方、(B)成分の比率が上記範囲内であれば所望の効果が発揮され、コスト面でも有利となる。このように(A)成分の水溶性フラーレン等と(B)成分のプラセンタエキスを上記の量で併用することにより、老化防止、紫外線防御、美白、養毛(育毛)等の各々単独使用では得られなかった優れた効果を得ることができ、従来にない画期的な高機能性を有する化粧品組成物を得ることができる。
【0041】
本発明の化粧品組成物には、各機能をより助長させる為に、上記(A)成分及び(B)成分以外に、後記のような細胞賦活剤、美白剤、活性酸素消去剤、紫外線防御剤、界面活性剤、保湿剤、抗炎症剤、抗酸化剤や、従来公知の賦形剤、基剤等を配合しても良い。特に、(C)細胞賦活剤、(D)美白剤、(E)活性酸素消去剤は、好ましく配合されるものである。
【0042】
本発明では、(A)成分及び(B)成分を生体や皮膚に投与又は塗布して薬効を促進するためには、投与対象である細胞を賦活するための薬剤としての(C)細胞賦活剤を、同時投与又は塗布することはより好ましい。
【0043】
(C)細胞賦活剤としては、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン−リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、フラビンアデニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトニン、チミン、キサンチン及びそれらの誘導体であるカフェイン、テオフェリン、並びにそれらの塩等の核酸関連物質、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、トリ等の卵成分、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ヘモグロビン又はその分解物、ラクトフェリン又はその分解物、イカスミ等の軟体動物抽出物、魚肉抽出物等、哺乳類、鳥類、貝類、昆虫類、魚類、軟体動物類、甲殻類等の動物由来の抽出物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物等の発酵代謝産物から選ばれる微生物由来の抽出物が挙げられる。
【0044】
更に、細胞賦活剤としては、レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール、トレチノイン、カロチン等のカロチノイド等のビタミンA類;チアミン類(チミン塩酸塩、チアミン硫酸塩)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ビリドキシン、ビリドキシンオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミンB類;アンズ抽出物、イチョウ抽出物、オタネニンジン抽出物、オオムギ抽出物、オレンジ抽出物、キュウリ抽出物、キウイ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、トウガラシ抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ブクリョウ抽出物、モモ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、霊芝抽出物、ローズマリー抽出物、アスパラガス抽出物、イブキトラオノ抽出物、エンドウ豆抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、オノニス抽出物、海藻抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、リノール酸を含有する植物油、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、ソウハクヒ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、トウキ抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブナノキ抽出物、ブドウ種子抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ヨクイニン抽出物、羅漢果抽出物、アカネ抽出物、アカブドウ抽出物、アカメガシワ抽出物、アケビ抽出物、アサ抽出物、アサガオ抽出物、アズキ抽出物、アセンヤク抽出物、アマチャ抽出物、アマチャヅル抽出物、イタドリ抽出物、イチジク抽出物、イチョウ抽出物、イランイラン抽出物、ウツボグサ抽出物、ウメ抽出物、ウワウルシ抽出物、ウンシュウミカン抽出物、エゾウコギ抽出物、エビスグサ抽出物、エンジュ抽出物、エンドウ抽出物、オオバコ抽出物、オクラ抽出物、オグルマ抽出物、オニグルミ抽出物、オミナエシ抽出物、オランダイチゴ抽出物、カキ抽出物、カキドウシ抽出物、カシュウ抽出物、カシュー抽出物、カノコソウ抽出物、カラスウリ抽出物、カリン抽出物、ガラナ抽出物、キキョウ抽出物、キク抽出物、キササゲ抽出物、ギシギシ抽出物、ギムネマ・シルベスタ抽出物、キンミズヒキ抽出物、グァバ抽出物、クコ抽出物、クズ抽出物、クスノキ抽出物、クリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲッケイジュ抽出物、ケイヒ抽出物、ゴショイチゴ抽出物、コショウ抽出物、コーヒー抽出物、ゴマノハグサ抽出物、コロンボ抽出物、サザンカ抽出物、サンショウ抽出物、サフラン抽出物、サクラ抽出物、ザクロ抽出物、サンズコン抽出物、サンペンズ抽出物、シオン抽出物、ショウブ抽出物、スイカ抽出物、ステビア抽出物、スモモ抽出物、セイヨウキズタ抽出物、セイヨウナシ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、セイヨウネズ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、セキショウ抽出物、セリ抽出物、セネガ抽出物、センナ抽出物、ダイオウ抽出物、ダイダイ抽出物、タマリンド抽出物、タラノキ抽出物、タンポポ抽出物、チコリ抽出物、チョウジ抽出物、チョウセンゴミシ抽出物、チョレイ抽出物、ツキミソウ抽出物、ツボクサ抽出物、ツユクサ抽出物、ツルナ抽出物、テウチグルミ抽出物、トウガン抽出物、トチュウ抽出物、トロロアオイ抽出物、ナズナ抽出物、ナツミカン抽出物、ナンテン抽出物、ニガキ抽出物、ノコギリソウ抽出物、パイナップル抽出物、ハイビスカス抽出物、パパイヤ抽出物、バジル抽出物、ハス抽出物、ハダカムギ抽出物、ヒオウギ抽出物、ピーナッツ抽出物、ヒキオコシ抽出物、ヒシ抽出物、ピスタチオ抽出物、ヒバ抽出物、ヒメマツタケ抽出物、ビャクシ抽出物、ビワ抽出物、フキタンポポ抽出物、フシノキ抽出物、フジバカマ抽出物、ブルーベリー抽出物、ボウフウ抽出物、ホオズキ抽出物、ホオノキ抽出物、ボケ抽出物、マイカイ抽出物、マオウ抽出物、マンゴー抽出物、マンネンタケ抽出物、ミシマサイコ抽出物、ミソハギ抽出物、ミツバ抽出物、ミモザ抽出物、メリロート抽出物、メロン抽出物、モクレン抽出物、モモルディカ・グロスベノリイ抽出物、モロヘイヤ抽出物、モヤシ抽出物、ヤクチ抽出物、ユズリハ抽出物、ヨモギ抽出物、ライムギ抽出物、ラン抽出物、リュウガン抽出物、リンゴ抽出物、レイシ抽出物、レンギョウ抽出物等の植物抽出物;ヒノキチオール、セファランチン等の植物由来の抽出物;α−及びγ−リノレン酸、エイコペンタエン酸及びそれらの誘導体、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、コハク酸、乳酸、サリチル酸等の有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられる。
【0045】
上記に挙げた細胞賦活剤は1種又は2種以上を任意に用いることができる。上記の細胞賦活剤の中でも、化粧料としての相性が良い、デオキシリボ核酸及びその塩、植物抽出物及び植物由来の抽出物が好ましく、植物抽出物が特に好ましい。
【0046】
細胞賦活剤は本発明の効果を阻害しない範囲で配合すれば良く、その配合量は化粧品組成物全量に対し、0.01〜2.0%が好ましく、より好ましくは0.05〜2.0%である。
【0047】
本の発明の(A)成分及び(B)成分を併用する組成物には、美白効果を助長するために別の美白剤を配合しても良い。この(D)美白剤としては、アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩(一般的にビタミンCと呼ばれているもの)、N,N−ジアセチルシスチンジメチル等のシステイン及びその誘導体並びにその塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン、アルブチン等のハイドロキノン及びその誘導体、レゾルシン及びその誘導体、フェルラ酸とカフェー酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、グルタチオン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0048】
上記の美白剤の中でも、化粧料としての相性が良い点より、アルブチン等のハイドロキノン及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩が好ましく、アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩が特に好ましい。
【0049】
美白剤は本発明の効果を阻害しない範囲で配合すれば良く、その配合量は化粧品組成物全量に対し、0.1〜10.0%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0%程度である。
【0050】
ここで、上記のアスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩としては、L−アスコルビン酸及びL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等の誘導体があり、これらの塩であるナトリウム塩、カリウム塩、等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等でも良い。更に具体的には、パルミチン酸L−アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、イソパルミチン酸L−アスコルビル、ジイソパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル、ステアリン酸L−アスコルビル、ジステアリン酸L−アスコルビル、イソステアリン酸L−アスコルビル、ジイソステアリン酸L−アスコルビル、ミリスチン酸L−アスコルビル、ジミリスチン酸L−アスコルビル、イソミリスチン酸L−アスコルビル、ジイソミリスチン酸L−アスコルビル、オレイン酸L−アスコルビル、ジオレイン酸L−アスコルビル、2−エチルヘキサン酸L−アスコルビル、L−アスコルビン酸グルコシド、L−アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルカリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルカルシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルアルミニウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルカルシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルアルミニウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、トアスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸アルミニウム等、抽出物では、蝉退抽出物、カンゾウ抽出物、カミツレ抽出物、カロチノイド類を含有する動植物抽出物、アスパラガス抽出物、エンドウ豆抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、オノニス抽出物、海藻抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コーヒー抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、トマト抽出物、ビャクレン抽出物、ブナの芽抽出物、ブドウ抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨクイニン抽出物、グァバ抽出物、愛玉子抽出物及び羅漢果抽出物等が挙げられる。
【0051】
本発明の(A)成分及び(B)成分を含有する組成物には、活性酸素消去を助長するために、別の活性酸素消去剤を同時使用することもでき、必要に応じて配合することが好ましい。この(E)活性酸素消去剤としては、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、ウエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、ルチン、ルチン誘導体、タウリン、チオタウリン、卵殻膜抽出物、没食子酸、没食子酸誘導体;酵母抽出物、霊芝抽出物、ヤシャジツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ボタンピ抽出物、メリッサ抽出物、パセリ抽出物及びジコッピ抽出物等の植物抽出物;レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のビタミンA類;チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩等)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコパラミン、葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミンB類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等のビタミンD類;トコフェロール及びその誘導体dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸…dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等)、ユビキノン類等のビタミンE類:ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。これらの活性酸素消去剤は1種又は2種以上を任意に用いることができる。
【0052】
上記の活性酸素消去剤の中でも、化粧料としての相性が良い点より、レチノール及びその誘導体、植物抽出物が好ましく、植物抽出物が特に好ましい。
【0053】
活性酸素消去剤は本発明の効果を阻害しない範囲で配合すれば良く、その配合量は化粧品組成物全量に対し、0.01〜1.0%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5%程度である。
【0054】
また、上記の紫外線防御剤としては、化粧品に常用されている紫外線防御剤を配合することができる。これら紫外線防御剤としては、例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルへキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロへキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルへキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、3,4,5−トリメトキシケイ皮酸3−メチル−4−〔メチルビス(トリメチルシリキシシリル〕ブチル等の桂皮酸系紫外線防御剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルへキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線防御剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,1−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルベンゾイルメタン、5−(3,3’−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、テレフィタリリデンジカンファースルホン酸等が挙げられる。これらの紫外線防御剤の中から選ばれる1種又は2種以上を任意に用いることができる。
【0055】
なかでも、桂皮酸系紫外線防御剤は、紫外線防御作用とともに、フラーレンまたはフラーレン混合物の溶解性も大きく向上させることもできるので、配合成分として好ましいものである。
【0056】
紫外線防御剤を配合する場合は、安全性の点などから、その配合量は化粧品組成物全量に対し、0.1〜20.0%が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0%である。本発明においては、従来に比べてフラーレン及びフラーレン誘導体の配合により、紫外線防御剤を低配合量としても、安全でより優れた紫外線防御効果を得ることができる。
【0057】
また、上記の界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、及び両性タイプの種々活性剤があるが、これら界面活性剤の中から選ばれる1種又は2種以上を任意に用いることができる。上記のアニオン性界面活性剤としては、各種脂肪酸ナトリウム塩(ラウリル、ミルスチル、パルミチル、ステアリル、オレイル、べへニル等)や、パルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等;
両性界面活性剤としては、ベタイン、アルキルベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等があげられる。
【0058】
その他界面活性剤としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸エステル塩基、ベタイン基、四級アンモニウム塩基、ポリオキシエチレン基等の親水性基を有するフッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレン基などの親水基を有するフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤、サーファクチン、リポペプチド等のポリペプチド誘導体界面活性剤、サポニン、レシチン等の天然界面活性剤が挙げられる。
【0059】
本発明においては、界面活性剤の配合により、均一なる透明分散・乳化分散等の効果を得ることができる。上記の界面活性剤の中でも、安定性、安全性を考慮するとアニオン系界面活性剤及び非イオン系界面活性剤が好ましく、非イオン系界面活性剤が特に好ましい。
【0060】
界面活性剤は本発明の効果を阻害しない範囲で配合すれば良く、その配合量は化粧品組成物全量に対し、0.1〜10.0%が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0%である。
【0061】
また、上記の保湿剤としては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール等の多価アルコールが、皮膚の保湿及び刺激を緩和するために添加される。又、アルカリ単純温泉水、深層水、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、へパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸などのムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、ケラチンなどのタンパク質またはそれらの誘導体並びにそれらの塩、大豆及び卵由来のリン脂質、糖脂質、セラミド、ムチン、ハチミツ、ロイヤルゼリー、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、ペンタエリスリトール、フルクトース、デキストリン及びその誘導体、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、トレハロース、ブドウ糖等の糖類、尿素、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、オルチニン、グルタミン、グリシン、グルタミン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、システイン、シスチン、シトルリン、スレオニン、セリン、チロシン、トリプトファン、テアニン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、リジンなどのアミノ酸及びそれらの塩なども挙げられる。更に保湿剤として、D−パンテノール、アボガド抽出物、アーモンド油、イナゴマメ抽出物、イネ抽出物、イチゴ抽出物、ウイキョウ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン抽出物、オリーブ油、オドリコソウ抽出物、カカオ脂、カラスムギ抽出物、キズタ抽出物、クマザサ抽出物、クチナシ抽出物、グレープフルーツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゲンチアナ抽出物、ゴボウ抽出物、コボタンズル抽出物、ゴマ抽出物、サボテン抽出物、ショウガ抽出物、ジオウ抽出物、シア脂、シモツケ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ツバキ抽出物、トウモロコシ抽出物、ドクダミ抽出物、トウチュウカソウ抽出物、トルメンテラ抽出物、パクモンドウ抽出物、ハウチマメ抽出物、ハマメリス抽出物、ハッカ抽出物、ミドリハッカ抽出物、セイヨウハッカ抽出物、パセリ抽出物、バラ抽出物、ヒマワリ抽出物、ヒノキ抽出物、ヘチマ抽出物、プルーン抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ボラージ油、ボタン抽出物、ホホバ油、ボダイジュ抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マロニエ抽出物、マカデミアナッツ油、マルメロ抽出物、ムラサキ抽出物、メドウホーム油、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユリ抽出物、ユズ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンドウ抽出物、ワレモコウ抽出物、及びリンゴ抽出物、オリーブスクワラン等が挙げられる。
【0062】
本発明においては、保湿剤の配合により、皮膚の保湿及び刺激を緩和させる効果を得ることができ、上記に挙げた保湿剤は1種又は2種以上を任意に用いることができる。
【0063】
上記の保湿剤の中でも、化粧料としての相性が良い点より、ピロリドンカルボン酸及びその塩、多価アルコールが好ましく、多価アルコールが特に好ましい。
【0064】
保湿剤は本発明の効果を阻害しない範囲で配合すれば良く、その配合量は化粧品組成物全量に対し、0.1〜10.0%が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0%である。
【0065】
また、上記の抗炎症剤としては、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等、β−グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ステアリル、3−サクシニルオキシグリチルリチン酸ニナトリウム等のグリチルリチン酸、若しくはグリチルリチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパンテノール及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロン酸、ジクロフェナクナトリウム、トラネキサム酸等が挙げられる。
【0066】
上記に挙げた抗炎症剤は1種又は2種以上を任意に用いることができる。上記の抗炎症剤の中でも、取扱いが容易で化粧料としての相性が良い点より、パンテノール及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、グリチルリチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩が好ましく、グリチルリチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩が特に好ましい。
【0067】
抗炎症剤は本発明の効果を阻害しない範囲で配合すれば良く、その配合量は化粧品組成物全量に対し、0.01〜1.0%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5%である。
【0068】
また、上記の抗酸化剤としては、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール、カロチン、リコピン、アスタキサンチン等のカロチノイド、ビタミンA類、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンオクタノエート等のピリドキシン類、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等のビタミンB類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等のビタミンD類;dl−α(β,γ)−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類等のビタミンE類、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール、フェルラ酸とカフェー酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。血行促進剤としてはノニル酸ワレニルアミド、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、α−ボルネオール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベレパミル、セファランチン、γ−オリザノール等が挙げられる。これらの抗酸化剤は、1種又は2種以上を任意に用いることができる。
【0069】
上記の抗酸化剤の中でも、化粧料としての相性や安定性等に優れる点より、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンD類及びビタミンE類が好ましく、ビタミンE類が特に好ましい。
【0070】
抗酸化剤は本発明の効果を阻害しない範囲で配合すれば良く、その配合量は化粧品組成物全量に対し、0.1〜1.0%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5%である。
【0071】
さらに、本発明の化粧品組成物には、上記した(A)成分、(B)成分及びその他の成分以外に、薬理効果を損なわない範囲で、通常、化粧品組成物に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、金属石鹸、ゲル化剤(増粘剤)、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン剤、ビタミン類等を適時1種又は2種以上添加することができる。これらの各成分は、本発明の効果を阻害しない範囲で配合すれば良く、その配合量は特に限定されるものではなく、化粧品に常用されている範囲で配合すればよい。
【0072】
ここで、上記の金属石鹸としては、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
【0073】
増粘剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロプルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニールメチルエーテル、カルボキシビニールポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
【0074】
粉体としては、通常の化粧品組成物に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子系(煙霧状、微粒子、顔料等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、無機粉体、有機粉体、顔料などいずれのものも使用することができる。例えば、無機粉体としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、パーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等が挙げられる。また、有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾクアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等が挙げられる。
【0075】
油剤としては、通常の化粧品組成物に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類、いずれの油剤も使用することができる。例えばオゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類、ミツロウ、カルナバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエステル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のラノリン誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、へキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−へキシルデシル、アジピン酸ジ−2−へプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルへキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルへキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルへキシル、パルミチン酸2−へキシルデシル、パルミチン酸2−へプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−へキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸へキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−へプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等のグリセライド油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等のシリコーン油、パーフルオロポリエ−テル、パ−フルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤が挙げられる。
【0076】
pH調整剤としては、保存安定化剤又はキレート効果を有する有機酸又はその塩が好適に例示される。これらはエリソルビン酸及びその塩、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール及びその誘導体、ポリフィリン、ブチルヒドロキシアニソール、亜硫酸水素ナトリウム、無水亜硫酸ナトリウム、没食子酸及びその誘導体、アラニン、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、クエン酸、フマル酸、コハク酸、乳酸等の有機酸及びその塩、グルコン酸、酒石酸、フィチン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である。その配合量は、組成物の全質量に対して0.01〜50.0%、好ましくは0.1〜5.0%の範囲で添加すれば良い。塩としては、特に限定されないが、その皮膚に対する安全性から遷移金属以外の金属が望ましく、特にナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが望ましい。
【0077】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、1、2−ヘキサンジオール、1、2−ペンタンジオール等が挙げられる。
【0078】
また、本発明の組成物またはその希釈液を保存する目的で、エタノールのような防腐剤を添加することができる。また、上記のpH調整剤以外に、NaOH、KOHを添加してpHを調整することもできる。
【0079】
本発明の化粧品組成物は、pH5〜9の範囲でpHを調整するのが好ましく、pH6〜8の範囲が最適である。
【実施例】
【0080】
次に、本発明について、さらに詳細に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例になんら限定されるものでない。なお、配合量は質量%基準である。
【0081】
(参考例)
実験として、マウスの皮膚にプラセンタエキスを塗布したものと未塗布のものに、in vivoにて紫外線を照射し、ESRスピントラップ法で比較した結果を表1〜表2に示す。表の結果より、プラセンタエキスは、有意に活性酸素(スーパーオキシドアニオン、一重項酸素等)を消去する効果のあることが判った。この消去能は、濃度依存性であるが低濃度でも効果があった。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
常法により、表3〜表9に示す化粧品組成物を調製した。各実施例の処方を表3〜表9に示す。
【0085】
(実施例1)
スキンローション
【0086】
【表3】

【0087】
(実施例2)
スキンクリーム
【0088】
【表4】

【0089】
(実施例3)
スキンコンディショナー
【0090】
【表5】

【0091】
(実施例4)
モイスチュアゲル
【0092】
【表6】

【0093】
(実施例5)
ミルキーローション
【0094】
【表7】

【0095】
(実施例6)
ヘアーローション
【0096】
【表8】

【0097】
(実施例7)
ピールオフパック
【0098】
【表9】

【0099】
紫外線防御効果について、上記実施例1〜7に示した化粧料の中から、実施例1のスキンローションについて下記基準に基づき評価した。
【0100】
[効果試験]
被験動物として、褐色モルモットを用いた。この褐色モルモットの背部をバリカン(Model6000AD)で剃毛し、縦2cm横2cm位(ほぼ4cm)の正方形を3ヶ所作成し、2ヶ所は同一の被験物質、残り1ヶ所はUV非照射の対照部位とした。被験物質は、1日1回5分間UV照射後3日間(照射前には精製水にて除去)とその後56日間(計59日間)各サンプル50μl塗布した。被験物質のコントロールとしてビタミンC1.0%水溶液を用いた。スキンローションは、それぞれ、ラジカルスポンジ1.0%、プラセンタエキス2.0%、及びラジカルスポンジ(1.0%)+プラセンタエキス(2.0%)配合したものを用いた。
【0101】
剃毛した部位を中心に紫外線(UVB)の強度が0.5〜0.55mW/cm(Custum、UV−340 UV light meter)になるように、紫外線ランプ(東芝蛍光ランプ、FL20SBLB)2本の高さを調節し、固定した。モルモット1匹づつケージ(W13×D28×H15cm)に入れ、5分間で3日間実施した。
【0102】
(明度の測定)
明度の測定にはコニカ・ミノルタ社製Color reader(CR−13)を用いた。UV照射前、被験物質塗布開始後1週間間隔で8週間目まで測定した。L値(明度)を指標に非照射部位と比較し、下式より防御率及び回復率を算出した。
【0103】
【数1】

【0104】
以上の試験結果を図1に示す。図からも明らかなように、本発明の化粧料は、ラジカルスポンジ及びプラセンタエキス単品使用の化粧料より明らかに照射後の紫外線回復率が上回り、色素沈着に対する防止、及び早期改善等に優れた効果が認められた。
【0105】
[安定性試験]
上記本発明のスキンローションを用いて、0℃、室温、−5℃〜40℃、50℃の各条件下で3ヶ月間の保存安定性試験を行った結果を表10に示す。その結果、全てについて問題なく、保存安定性も優れていることが確認された。
【0106】
【表10】

【0107】
[安全性試験]
上記本発明のスキンローションを用いて、ウサギを用いた皮膚一次刺激試験(パッチテスト)を実施した。尚、その皮膚一次刺激試験の詳細な内容と結果を以下に示した。
【0108】
(試験動物)
日本白色種雄ウサギ、体重2.0〜2.3Kgを購入(東京実験動物(株))し、1週間の予備飼育後、健常な動物を試験に供した。飼料はウサギ、モルモット用固形飼料REQ(オリエンタル酵母(株))及び水道水を自由摂取させた。各検体について1群3羽用いた。
【0109】
(試験方法)
試験検体の塗布前日に各ウサギの背部被毛をバリカン((株)夏目製作所6000AD型)にて刈り取った。翌日、各ウサギの刈り取った部位に約6cm(2×3cm)の面積で4箇所を設定し、そのうち2箇所には18ゲージの注射針を用いて真皮までには達しないように角化層に井型状のすり傷を付け(有傷皮膚)、他の2箇所は無処置(無傷皮膚)とした。無傷及び有傷皮膚の各1箇所に検体の0.05mlをマイクロピペットを用いて滴下し、セラミック製のヘラにて均一に塗布した。残りの無傷及び有傷皮膚は対照ブランクとした。
【0110】
曝露時間は24時間とし、その後曝露部を局方精製水で清拭し検体を除去した。除去直後、1、24、48、及び72時間後に皮膚表面の観察を行い、表11に示す評価基準に従って刺激反応を採点し、併せて、塗布部位の写真を撮影した。
【0111】
【表11】

【0112】
さらに、Federal Register(1978)に準拠して、除去直後、1、24、及び48時間後の採点値を合計して8で除し、さらに各試験動物の平均値を算出して一次刺激性index(P.I.I.)とし、表12に示した基準に基づき、検体の刺激性を評価した。
【0113】
【表12】

【0114】
(試験結果)
検体除去直後、1、24、及び48時間後の一次刺激性Index(P.I.I.)は、3検体ともブランクを含め、いずれの時点においても刺激性は認められなかった。最終的にP.I.Iはブランク、検体とも0と算出された。尚、72時間後の皮膚についても観察したが、フラーレン、フラーレン+プラセンタエキス及びプラセンタエキスのいずれの動物についても48時間後と同様に刺激性は皆無であった。
【0115】
本試験の結果から、今回用いた3種類の検体の皮膚刺激性はブランクも含めて3検体とも「無刺激性」と評価された。このことから全ての試料について、何ら問題なく安全性でも優れていることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】紫外線防御・回復効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)フラーレン、フラーレン誘導体、水溶性フラーレン及び水溶性フラーレン誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上と、(B)動物由来の胎盤抽出物の1種又は2種以上と、を必須成分として含有することを特徴とする化粧品組成物。
【請求項2】
フラーレンが、C60フラーレン、C70フラーレン又はその両者を含むフラーレン混合物である、請求項1記載の化粧品組成物。
【請求項3】
胎盤抽出物が、豚、牛、馬、羊又は人の胎盤抽出物である、請求項1又は2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
(A)成分を0.001〜20.0質量%含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
(B)成分を0.01〜10.0質量%含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
(A)成分と(B)成分の比率(質量比)が1:9〜9:1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
さらに(C)細胞賦活剤を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
(C)細胞賦活剤が、デオキシリボ核酸及びその塩、植物抽出物及び植物由来の抽出物より選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
さらに(D)美白剤を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
さらに(E)活性酸素消去剤を含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化粧品組成物。


【図1】
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【公開番号】特開2006−321781(P2006−321781A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−251446(P2005−251446)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(593206894)スノーデン株式会社 (10)
【Fターム(参考)】