説明

高温および高圧下で酸化を利用する水性サンプル中の炭素測定

水サンプルにおいて、有機炭素および無機炭素の濃度または他の材料の濃度を測定する装置および方法は、関連する特別に適応させたコンポーネントおよびサブアセンブリならびに関連する制御システム、運用システム、および監視システムと共に述べられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、水性サンプル内に存在する有機炭素、無機炭素および全炭素の濃度についての非常に正確で、信頼性があり、また、再現性がある測定を行う方法および装置に関する。こうした方法および装置は、たとえば、飲料水、原水、廃水、工業処理用水などの中の全有機炭素(total organic carbon)(TOC)の濃度を測定するのに使用することができる。こうした測定は、種々の商業的な目的、たとえば、水質浄化プロセスを最適化するため、炭素の流出量を検出するため、および、環境規制の遵守を監視するために利用される可能性がある。本発明の方法および装置は、一般に、研究所内にあるような個々の水性サンプルの測定や、リアルタイムの濃度データを提供する水量の測定の両方に適用されうることができる。
【0002】
本発明の装置は、高濃度の塩および粒状物質を含有するサンプル中の炭素を迅速かつ正確に測定することができる。その理由は、サンプルが、高温かつ高圧で酸化されるが、反応器を出る前に、常温に冷却されるからである。サンプルの少なくとも一部が液相で反応器を出るため、塩および粒状物質は、反応器から押し流され、反応器に蓄積しない。酸化の状態は、UV放射により開始される酸化または低温での湿式化学酸化において達成されることができない、効率的な酸化および正確な炭素測定をもたらす。さらに、特に粒状物質によって著しく汚染されているサンプルは、装置内で独自に処理されるため、サンプルシリンジ、弁、または他のコンポーネントに過度の磨耗を生じさせることはなく、流体成分において沈降することもない。粒状物質を液体サンプル中に懸濁された状態で維持することによって、粒子による流体成分のプラギングが最小になり、こうした粒子中の有機材料が正確に測定される。
【背景技術】
【0003】
A.概要
全有機炭素は、有機物質の総濃度を定量化する、既に十分に確立された水品質パラメータであり、その有機物質はすべて、通常、水性環境において汚染物質とみなされる。水性サンプル中の全有機炭素は、1つまたは2つの成分−溶存有機炭素(dissolved organic carbon)(DOC)および粒子性有機炭素からなってもよい。DOCの測定は、通常、DOCの分析を実施する前に、粒子性有機炭素を除去するために、通常0.45μmフィルタを通して水サンプルをろ過する。こうした分析のための従来装置および手法についての制限は、TOCの代わりにDOCだけが効果的に測定されるという結果をもたらすことが多い。その理由は、両方の形態の有機炭素を含有するサンプル中の粒子が、通常、測定のエラーを生じ、流体の流路をプラギングさせ、ハードウェア故障をもたらすからである。
【0004】
以下の説明では、「DOC」は、粒子を除去するために最初にろ過されたサンプルの測定を指すために使用され、一方、「TOC」は、ろ過されていないサンプルの測定を指すために本明細書で使用される。しかし、他の点では、以下の説明はDOCの測定とTOCの測定の両方に関連する。
【0005】
1つの知られているDOCおよび/またはTOC測定では、水性サンプル中の有機化合物が酸化されて二酸化炭素(CO)になり、このCOが次に測定される。有機炭素成分に加えて、水性サンプルは、始めに、COおよび無機形態の炭素(たとえば、重炭酸塩および炭酸塩の形態)を含有する可能性がある。共に、これらの形態の無機炭素は、本明細書でICと呼ぶ。したがって、水性サンプル中の全炭素(total carbon)(TC)濃度は、TOC濃度とIC濃度の和である。
【0006】
酸化工程後の水性サンプルは、IC源およびTOC源の両方から生じるCOを含有しうるため、TOCを正確に測定するためには、ICは何らかの方法で明らかにしなければならない。ICに対処する1つの方法は、サンプルが酸化される前に、サンプルからICを除去することである。これは、一般に、炭酸塩および重炭酸塩を遊離COに変換するためにサンプルを酸性化し、次に、IC源から生じるそのCOを除去するために、COを含まないガスによってサンプルをスパージングすることによって行われる。しかし、こうしたスパージング工程中に、少なくとも一部の揮発性有機化合物がサンプルから除去される可能性があることがわかっている。そのため、スパージングされたサンプルがその後に酸化されると、生成されるCOはサンプル中の残りの(パージ不可)有機物の酸化によるものであるため、この測定は、パージ不可有機炭素(non−purgeable organic carbon)(NPOC)と呼ばれることが多い。多くのサンプルは、もし存在すれば、少量のパージ可能有機化合物を含有するため、これらのサンプル中のNPOCの濃度は、通常、本質的にTOC濃度に等しいと考えられる。
【0007】
ICに対処する第2の方法は、TC濃度およびIC濃度を別々に測定することである。この手法を使用すると、TOC濃度は、濃度差、TCマイナスIC(TC−IC)から計算される。この手法の1つの利点は、サンプルがスパージングされないため、パージ可能有機物が失われず、それにより、測定エラーの原因を除外することである。結果として、この「差分」手法によるTOCの測定は、おそらくより正確である。
【0008】
水性サンプル中の炭素濃度を測定する手法が規制遵守のための要件によって制約されないとき、技術者は、通常、各測定に必要とされる時間および資源、ならびに、監視されるサンプルの予想される組成に基づいて測定されるパラメータを選択する。しばしば、NPOC測定は、比較的速いので、実施される。可変のIC濃度に対応することが必要である場合、または、パージ可能有機炭素の減少が許容できない大きな矛盾を生じる場合、TOC(またはDOC)は、上述した差分手法によって測定される。
【0009】
他の場合には、サンプルは、TOC濃度と比較して少ないことが知られているIC濃度を含んでもよく、または、比較的一定であるIC濃度を含んでもよい。こうした場合、技術者は、TCを測定するように選択してもよい。その理由は、TCが高速測定であり、また、多くの一般的な用途でTOC動向の十分に正確な指標を提供するからである。
【0010】
B.関連する従来技術の特定
それぞれが参照により本明細書に組み込まれる以下の米国特許公報は、本発明の分野および有機廃棄物の酸化などの関連する技術領域における適切な従来技術の特許を示す。米国特許公報とは、米国特許第3,296,435号(Teal'435号特許)、第3,700,891号(Luft'891号特許)、第3,958,945号(Takahashi'945号特許)、第4,619,902号(Bernard'902号特許)、第4,882、098号(Weetman'098号特許)、第4,896,971号(Weetman'971号特許)、第4,902,896号(Fertig'896号特許)、第5,037,067号(Ray'067号特許)、第5,232,604号(Swallow'604号特許)、第5,271,900号(Morita'900号特許)、第5,482,077号(Serafin'077号特許)、第5,630,444号(Callaghan'444号特許)、第5,835,216号(Koskinen'216号特許)、第6,007,777号(Purcell'777号特許)、第6,114,700号(Blades'700号特許)、第6,142,458号(Howk'458号特許)、第6,375,900B1号(Lee−Alvarez'900号特許)および第6,988,825B2号(Colville'825号特許)である。
【0011】
同様に参照により本明細書に組み込まれる以下の技術的出版物もまた、本分野における適切な従来技術を示す。技術的出版物とは、Alken,G.R.,「Chloride Interference in the Analysis of Dissolved Organic Carbon by the Wet Oxidation Method」Environ.Sci.Technol.,Vol.26,No.12,pp.2435−2439;1992、Ie Clercq, M.;van der Plicht,J.and Meijer,H.A.J.,「A Supercritical Oxidation System for the Determination of Carbon Isotope Ratios in Marine Dissolved Organic Carbon」Analyt.Chim.Acta,Vol.370(1),pp.19〜27;1998、Eyerer,P.,「TOC Measurements on the Basis of Supercritical Water Oxidation」AE−2e.1、Fraunhover−Gesellschaft zur Foerderung,Institut Chemische Technologie;Munich, Germany,http://www.ict.fraunhofer.de/english/projects/meas/onlan/index.html#a5、ISO−CEN EN 1484,「Water Analysis Guidelines for the Determination of Total Organic Carbon(TOC) and Dissolved Organic Carbon(DOC)」1997、Koprivnjak,J−F,et al.,「The Underestimation of Concentrations of Dissolved Organic Carbon in Freshwaters」Water Research,Vol.29,No.1,pp.91−94,1995、Menzel,D.W.and Vaccaro,R.F.,「The Measurement of Dissolved Organic and Particulate Carbon in Seawater」Limnology and Oceanography,Vol.9(1),pp.138−142、1964、Nitta,M.;Iwata,T.;Sanui.Y.and Ogawachi,T.,「Determination of Total Organic Carbon in Highly Purified Water by Wet Oxidation at High Temperature and High Pressure」presented at Tenth Annual Semiconductor Pure Water Conference;February 26−28,1991,Santa Clara,CA;in Conference Proceedings,Balazs,M.K.(Ed.),pp.314−320、Wangersky,P.J.,「Dissolved Organic Carbon Methods:A Critical Review」Marine Chem.,Vol.41,pp.61−74,1993およびWilliam, P.J.leB.et al.,「DOC Subgroup Report」Marine Chem.,Vol.41,pp.11−21,1993である。これらの特許公報および技術的出版物は、以下の説明でさらに参照される。
【0012】
C.サンプル処理およびスパージングに関連する従来技術
Morita'900号特許、Purcell'777号特許およびLee−Alvarez'900号特許に開示されるような多くの従来技術の分析計は、サンプルをシリンジポンプ内に吸引する。これらのシリンジポンプは、回転弁を使用して、シリンジをサンプル、試薬、希釈水および他の分析計装置に接続させる。サンプル中の任意の塩および粒子は、弁およびシリンジのシール面に接触する。粒子は、これらのシール面上に沈降すると、磨耗および早期漏洩をもたらす。塩はまた、シール面上で乾燥し、塩結晶が研磨剤で、磨滅性があるためさらなる磨耗をもたらす。
【0013】
効率的なスパージングは、従来技術の特許および出版物の目的である。たとえば、Takahashi'945号特許は、TOC分析計で使用するためのマルチステージスパージャを開示する。2つ以上のステージを採用することによって、スパージングプロセスの効率が改善される。しかし、このデバイスの大きな内部容積は、大幅に異なる汚染物質の濃度を有する種々のサンプルを使用ごとに洗い流すことを難しくすることになる。
【0014】
Weetman'098号特許、Weetman'971号特許およびHowk'458号特許は、回転プロペラで溶液を攪拌することによって、スパージングがより効率的にされうることを開示する。しかし、この改良されたスパージング法は、モータおよび回転シールが必要になるため、分析機器に組み込むことを複雑にさせる。
【0015】
サンプルに試薬を添加する従来の一部の分析計では、溶液中をガスでバブリングさせることによって、混合が促進される(たとえば、Purcell'777号特許)。しかし、先に説明したように、スパージングが、揮発性有機物を除去して、それにより、測定にエラーをもたらしうるため、一部のサンプルはスパージングなしで測定されるべきである。しかし、スパージングなしで他のサンプルを試薬と混合しながら、望むときに一部のサンプルをスパージングすることが可能なデバイスを組み込んだ分析計は知られていない。さらに、従来の分析計では、スパージングが停止すると、溶液中のどの粒子もスパージャの底部に沈降する。これは、粒子中の有機材料を正確に測定することを不可能にし、装置の流体通路がプラギングする可能性を増す。
【0016】
D.酸化方法に関連する従来技術
湿式化学法を利用して有機炭素を酸化することが技術的によく知られている。たとえば、MenzelおよびVacarroの出版物において、著者は、酸化剤である過硫酸カリウムを含むシールされたガラスアンプル内で5mLサンプルを酸化させることによって海水中のDOCおよび有機炭素粒子を測定することを報告している。この酸化は、30分間、130℃でアンプルを加熱することによって達成される。加熱工程後、アンプルは、冷却され、壊して開けられ、アンプル内部に含まれるCOが、非分散型赤外線(non−dispersive infrared)(NDIR)検出器を使用して測定される。欠点の中でもとりわけ、この方法は、多くの手作業工程を含むという欠点を有する。さらに、アンプルは、加熱されるかまたはハンドリングされるときに壊れる可能性があり、データおよび安全性の喪失に関する不安が高まる。この方法は、流れ処理のリアルタイムの監視、さらには、多くのサンプルが毎日分析される実験室での分析にも実用的ではない。
【0017】
Bernard'902号特許は、湿式化学酸化法を自動化する機器を開示する。サンプルは酸性化され、過硫酸塩含有試薬が酸化の前に添加される。COを含まないガスが、サンプル中をバブリングして、(NPOC測定の実施に備えて)ICが除去されるか、または、ICの測定のためにNDIR検出器にサンプルが搬送される。溶液は、その後、有機物の酸化を達成するために、常圧で90℃〜100℃に加熱される。酸化中に、COは、COを測定するNDIR検出器に搬送される。これらの温度における過硫酸塩による酸化は緩徐であり、実際には、Bernard'902号特許の画期的な特徴は、酸化速度を上げるための金属触媒の使用である。
【0018】
こうした湿式化学法の他の欠点は、従来の湿式化学法による有機物の酸化が、特にサンプルが塩化物を含有するときに、不完全であることである(たとえば、William他、Wangersky、Koprivnjak、他;およびAlkenの出版物で報告されている)。酸化が不完全であるとき、TOC測定は有機炭素のすべてが測定されるわけではないため不正確である。
【0019】
Purcell'777号特許は、水性サンプル中の炭素を測定する別の分析機器を開示する。この場合、サンプルが酸性化され、酸化剤(過硫酸塩を含有する溶液)がサンプルに添加される。この混合はシリンジ内で起こり、得られる溶液は、その後、スパージャに搬送される。スパージング後に、シリンジはサンプルを反応器に搬送し、反応器内で、溶液が紫外線放射によって照射される。UV放射および過硫酸塩試薬の存在下で、サンプル中の多くの有機物が酸化してCOになり、COがNDIR検出器において測定される。
【0020】
Purcell'777号特許の場合と同様に、UV放射を使用して有機物を酸化することに関する問題は、サンプルが粒子を含有すると、酸化が非効率的であることである。たとえば、UV酸化に基づくTOC分析計が、20mgC/Lの実濃度下では、サンプルに添加されたセルロース粒子の3%未満を検出したというある調査報告がある。比較すると、以下で述べる高温触媒酸化法(HTCO)に基づく分析計では、セルロース粒子によって表されるセルロースを平均で83.2%検出している。
【0021】
より完全な酸化、ひいてはより高い精度を達成するために、HTCOを使用して有機物を酸化させる分析計が開発されている。たとえばTeal'435号特許は、水性サンプル中のTOCが、ICを含まないサンプルの一部分を約900℃に加熱した触媒反応器内に注入することによって測定されうることを開示する。水は、瞬時に気化し、有機材料は、触媒に接触すると、酸化してCOになる。キャリアガス(酸素)は、COを反応器からNDIR検出器まで輸送する。
【0022】
Morita'900号特許およびLee−Alvarez'900号特許は、自動的に、サンプルを酸性化およびスパージングし、HTCOを使用して有機物を酸化させ、COを測定するためにNDIR検出器を使用する方法および装置を開示する。これらの手法において、サンプルは、流体を他のコンポーネントに誘導するマルチポート弁に接続されたシリンジ内で酸と混合される。Morita'900号特許は、シリンジ内部で実施されるスパージングを開示し、一方、Lee−Alvarez'900号特許は、別個のスパージャを開示する。
【0023】
HTCOに基づくすべての方法の欠点は、反応器内で水が気化し、不揮発性の塩および粒子性物質が後に残るため、塩または粒子性物質を含有するサンプルが、最終的に反応器をプラギングさせることになることである。さらに、反応器は、安全に取り外され清浄されることができるように十分に冷却するのに通常2時間以上を必要とする。その後、反応器が作動温度まで再び加熱するのに、さらに約2時間が必要とされる。このことは、反応器が清浄されなければならないときはいつでも、機器は長時間使用できないことを意味する。
【0024】
他の酸化方法もまた報告されている。Nitta他の出版物は、サンプルが硫酸および過硫酸ナトリウムと混合される分析計を開示する。ICがスパージングによって除去され、その後、ポンプが連続して流れる溶液ストリームを2.0〜2.5MPa(284〜356psig)に加圧する。加圧された溶液は反応器内で200℃まで加熱され、有機物が酸化されてCOになる。溶液は、その後、流量制限器を流れる(先に述べたように、上流圧を生じるのは、この制限器を通る流れである)。酸化中に生成されたCOは、スパージングによって除去され、赤外線検出器を使用して測定される。いくつかの日本国特許公報(日本国特許第63135858号、第1021352号、第1021355号、第1021356号、第1049957号、第1049958号、第1318954号、第1318955号、第1318956号、および第5080022号)が、上述した機器のさらなる態様を開示する。この方法は、酸化が常圧で実施される場合に比べて、より高い酸化温度、おそらくより完全な酸化をもたらす温度で達成されうるという利点を有する。しかし、装置は、粒子および塩が制限器を急速にプラギングさせるという欠点を有する。さらに、こうした装置のコストは、制限器によって生成される背圧に抗して、溶液が継続的に圧送されなければならないため、高くなる可能性がある。
【0025】
酸化の効率を改善する試みとして、超臨界状態(すなわち、374℃を超え、かつ22.12MPaを越える状態)下でサンプルを酸化させる方法が報告されている。Le Clercq他は、DOCにおける炭素同位体比を測定することを開示する。500〜1,000mLの海水が、酸素と混合され、35MPaの最大圧で圧送され、650℃に加熱されたアルミナ反応器に流通される。反応器の下流に0.18mmID毛細管を配置し、流速を2mL/分に設定することによって、上述した圧力が生成された。毛細管を出るガスは酸化中に形成されたCOを収集するために冷却され、CO中の炭素の同位体を測定するために、質量分析計が使用された。この装置に関する問題は、粒子を含有するサンプルが毛細管をプラギングする傾向にあることである。こうした問題はIe Clercq他によって報告されており、Ie Clercq他は、問題を軽減するために、毛細管の前方に2μmフィルタを設置した。しかし、装置が長期間作動しなければならない用途では、こうしたフィルタの定期的なプラギングでさえ、過剰の保守およびダウンタイムを生じることになる。別の問題は、酸化が生じる著しく高い温度および圧力にある。こうした作動状態のための適切なハードウェアは、高価であり、急速に腐食する可能性がある。この文献に開示される反応器は、腐食を最小にするためにアルミナ製であるが、アルミナの構造特性では信頼性がない。こうした理由で、アルミナ反応器は、安全性のために、金属シールド内部に搭載されなければならない。
【0026】
Eyereは別の手法を開示する。サンプルは、最初に、酸化剤を生成する電気化学セルを通して圧送される。その後、サンプルは600℃まで加熱された反応器および26MPaまでの背圧を生む弁を通過する。サンプルは、これらの条件で酸化され、その後、疎水性膜を通過する。COの一部は、膜を拡散し、質量分析計で測定される。この装置は、前述のIe Clercq他の手法と同じタイプの腐食、信頼性、およびコストの欠点を受ける。
【0027】
上述した有機炭素の測定に関する特許以外に、迅速な酸化もまた、有機廃棄物破壊システムの開発者の目的である。所望の迅速な酸化速度を達成する1つの方法は、臨界に近い状態または超臨界状態で酸化を実施することである。種々の酸化剤が使用されており、最も経済的な酸化剤は空気中の酸素である。オゾンや過酸化水素、または過硫酸塩、過マンガン酸塩および硝酸塩を含有する塩、あるいは、酸素を含有するアニオンが液体/空気混合物に添加される場合、酸化速度が、補助的な加熱をすることなく発熱プロセスが働くのに十分に迅速であることを、Swallow'604号特許は開示する。これは、大規模工業プロセスにとって重要な考慮事項であるが、ハードウェアが非常に小さいため、分析機器にとって重要性はかなり低い。
【0028】
連続して流れるストリーム中で有機物を酸化させる代わりに、サンプルのバッチを加熱する。こうすることは、バッチがその後加熱される容器内にシールされることを必要とし、容器を自動的にシールする最良の方法は、加熱中に生じる圧力に耐えうる弁を使用することである。高圧用途のためにデザインされた多くの弁は、精密シール表面を採用する。ボール弁は、漏洩を回避するために、パッキン押さえ内に高度に研磨されたボールを必要とする。他の高圧弁は、(たとえば、Callaghan'444号特許に開示されるように)金属−金属シールを必要とする。これらの弁は、コストがかかり、液体内の粒子による急速な磨耗を受ける。
【0029】
粒子の存在下で弁シールを達成するよりよい方法は、磨滅に耐性がある軟質シールを使用することである。Serafin'077号特許は、エラストマーシールが高圧の逆止弁に使用されうることを開示し、Ray'067号特許は、プラグ弁のポートをシールするためのOリングの使用を開示する。両方の発明は、シールが磨耗したとき、シールの交換が容易ではないという欠点を有する。
【0030】
E.NDIR検出器に関連する従来技術
TOC分析計のコンポーネントとして使用されるCOのNDIR検出器は、一般に、赤外線(IR)放射を調節するための回転チョッパホイール、および、測定されるCOに吸収されないIR放射を測定するための空気IR検出器を使用する。Luft'891号特許はこうしたNDIR検出器を開示する。この技術の欠点は、チョッパホイール機構が故障を受け易く、また、チョッパホイールの開口のサイズおよび向きの不規則性がCOの測定においてかなりの電気ノイズを生じる。
【0031】
NDIRの応答に対する温度および圧力の影響を克服するために、温度および圧力補償を内蔵した検出器が、Fertig'896号特許などにおいて開示されている。温度の影響を克服するための他の手法は、焦電検出器のような、温度によって比較的影響を受けないIR検出器を使用することである。Koskinen'216号特許は、チョッパホイールに関する問題を回避するためにIR源を電子的に変調するNDIR検出器を開示しており、焦電IR検出器を使用する。しかし、このNDIRは、測定されるIR波長を選択するために、コストがかかるファブリペロー干渉計を使用する。
【0032】
Blades'700号特許は、特にTOC分析計で使用するためにデザインされたNDIR検出器を開示する。IR源は、焦電IR検出器を有する電気変調式白熱ランプである。しかし、白熱ランプの使用は、変調が低周波に制限されるため、NDIRのダイナミックレンジおよび感度を制限する。
【0033】
一般に、NDIR検出器は、IR検出器の平均出力に比例するDC信号を生成するために、整流器回路およびローパスフィルタを使用する。この技術の欠点には、広い帯域幅にわたる「ノイズ」を整流器出力信号の一部に変換することが含まれる。さらに、整流された波形を平均化するローパスフィルタもまた、高速に変化するCO濃度に応答するNDIR検出器の能力を損なう。Blades'700号特許は、2つの同期検出器を使用し、それぞれがIR検出器からの信号の反対の半サイクルに応答するNDIRを開示している。2つの同期検出器の使用は整流器回路の応答時間制限を改善するが、この手法は依然として、ノイズが出力信号に混ざるという欠点を受け易い。
【0034】
炭素測定機器は、一般に、サンプルが塩化物イオンを含有すると、塩素を生成する。塩素は多くのNDIR検出器を腐食させることになるため、塩素がNDIRに入る前に塩素を除去するためのスクラバーが使用される(たとえば、Lee−Alvarez'900号特許およびPurcell'777号特許)。スクラバーは、こうした機器の作業コストおよび保守作業を増加させる消耗品である。
【0035】
IC、TOC、およびTC測定に対する従来技術の手法の、これらのまたは他の制限および欠点は、本発明の方法および装置によって、完全にまたは少なくとも部分的に克服される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】米国特許第3,296,435号
【特許文献2】米国特許第3,700,891号
【特許文献3】米国特許第3,958,945号
【特許文献4】米国特許第4,619,902号
【特許文献5】米国特許第4,882、098号
【特許文献6】米国特許第4,896,971号
【特許文献7】米国特許第4,902,896号
【特許文献8】米国特許第5,037,067号
【特許文献9】米国特許第5,232,604号
【特許文献10】米国特許第5,271,900号
【特許文献11】米国特許第5,482,077号
【特許文献12】米国特許第5,630,444号
【特許文献13】米国特許第5,835,216号
【特許文献14】米国特許第6,007,777号
【特許文献15】米国特許第6,114,700号
【特許文献16】米国特許第6,142,458号
【特許文献17】米国特許第6,375,900B1号
【特許文献18】米国特許第6,988,825B2号
【特許文献19】日本国特許第63135858号
【特許文献20】日本国特許第1021352号
【特許文献21】日本国特許第1021355号
【特許文献22】日本国特許第1021356号
【特許文献23】日本国特許第1049957号
【特許文献24】日本国特許第1049958号
【特許文献25】日本国特許第1318954号
【特許文献26】日本国特許第1318955号
【特許文献27】日本国特許第1318956号
【特許文献28】日本国特許第5080022号
【非特許文献】
【0037】
【非特許文献1】Alken,G.R.,「Chloride Interference in the Analysis of Dissolved Organic Carbon by the Wet Oxidation Method」Environ.Sci.Technol.,Vol.26,No.12,pp.2435−2439;1992
【非特許文献2】Ie Clercq, M.;van der Plicht,J.and Meijer,H.A.J.「A Supercritical Oxidation System for the Determination of Carbon Isotope Ratios in Marine Dissolved Organic Carbon」Analyt.Chim.Acta,Vol.370(1),pp.19〜27,1998
【非特許文献3】Eyerer,P.,「TOC Measurements on the Basis of Supercritical Water Oxidation」AE−2e.1;Fraunhover−Gesellschaft zur Foerderung,Institut Chemische Technologie;Munich, Germany,http://www.ict.fraunhofer.de/english/projects/meas/onlan/index.html#a5
【非特許文献4】ISO−CEN EN 1484,「Water Analysis Guidelines for the Determination of Total Organic Carbon(TOC) and Dissolved Organic Carbon(DOC)」1997
【非特許文献5】Koprivnjak,J−F,et al.「The Underestimation of Concentrations of Dissolved Organic Carbon in Freshwaters」Water Research,Vol.29,No.1,pp.91−94,1995
【非特許文献6】Menzel,D.W.andVaccaro,R.F.,「The Measurement of Dissolved Organic and Particulate Carbon in Seawater」Limnology and Oceanography,Vol.9(1),pp.138−142、1964
【非特許文献7】Nitta,M.;Iwata,T.;Sanui,Y.and Ogawachi,T.,「Determination of Total Organic Carbon in Highly Purified Water by Wet Oxidation at High Temperature and High Pressure」presented at Tenth Annual Semiconductor Pure Water Conference;February 26−28,1991,Santa Clara,CA;in Conference Proceedings,Balazs,M.K.(Ed.),pp.314−320
【非特許文献8】Wangersky,P.J.,「Dissolved Organic Carbon Methods:A Critical Review」Marine Chem.,Vol.41,pp.61−74,1993
【非特許文献9】William, P.J.leB.et al.「DOC Subgroup Report」Marine Chem.,Vol.41,pp.11−21,1993
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
したがって、本発明の主な目的は、水性サンプル内に存在する可能性のある、水素および酸素以外の1つまたは複数の元素(たとえば、不純物)の有無を決定する、かつ/または、それを測定する方法および装置を提供することであり、そのとき、こうした元素の少なくとも1つは、有機形態で、無機形態で、または両方の形態内に存在しうる。
【0039】
本発明のより詳細な目的は、1つまたは一連の不連続な水性サンプル内の有機炭素および/または無機炭素の有無を決定する、かつ/または、それを測定するための、容易に自動化される方法および装置を提供することである。
【0040】
本発明のさらに別の目的は、1つまたは複数の水性ストリーム内の有機炭素および/または無機炭素の濃度を測定し、かつ/または、監視する方法および自動化装置を提供することである。
【0041】
本発明のさらに別の目的は、粒子および塩を含有する可能性がある、1つまたは一連の不連続な水性サンプル、および/または、水性ストリーム内の有機炭素および無機炭素を測定する方法および装置を提供することである。
【0042】
本発明のさらに別の目的は、水性サンプル内の粒子および塩が流体通路をプラギングしない、または、シリンジポンプのコンポーネントに過剰の磨耗をもたらさない方法で分析される水性サンプルに対して、試薬を、および必要とされるときには、希釈水を添加することを提供する。
【0043】
本発明のさらに別の目的は、炭素濃度測定が粒子性物質中の炭素量を正確に反映するように、実質的に均質な溶液または懸濁液内の分析される水性サンプル内の粒子をシール可能な酸化反応器内に効率的に搬送することを提供する。
【0044】
本発明のさらに別の目的は、反応器内部の水性サンプルが、水性サンプル内の有機物質の酸化、反応および/または分解を引き起こすのに十分な温度および圧力条件を受けている間に、シールされうる反応器を使用して、水性サンプル内の有機物質を酸化し、反応させ、かつ/または、分解する方法および装置を提供することである。
【0045】
本発明のさらに別の目的は、水性サンプル内に溶存できる形態で存在しようがかつ/または粒子形態で存在しようが、有機炭素の測定がすべての炭素を正確に反映するように、シール可能な反応器内で水性サンプル内の有機炭素をほぼ完全に酸化させる方法および装置を提供することである。
【0046】
本発明のさらに別の目的は、信頼性があり、再現性があり、および、大気中のCOの温度、圧力、または濃度の変動によって本質的に影響を受けない方法で、水性サンプル内の有機炭素および/または無機炭素から生じるCOを測定する方法および装置を提供することである。
【0047】
本発明のさらに別の目的は、低濃度におけるCOの測定精度を制限している「ノイズ」または干渉を排除し、その上、依然としてCO濃度の急速な変化に高速に応答しながら、広濃度範囲にわたって水性サンプル内の有機炭素および/または無機炭素から生じるCOを測定することを提供する。
【0048】
本発明のさらに別の目的は、測定に使用される酸化反応器から発生する塩素または他の酸化物による測定装置の腐食を実質的に回避しながら、水性サンプル内の有機炭素および/または無機炭素から生じるCOを測定することを提供する。
【0049】
本発明のこれらおよび他の目的および利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0050】
先に説明したように、水性サンプル中の炭素濃度測定を行うことに対する従来技術の手法の制限と比較すると、本発明の方法および装置は、TOC、溶存固体、および粒子の濃度を含有するサンプル中の上述したパラメータのすべてを測定することが特に可能である。一般に、サンプルは、本発明の分析計に吸引され、試薬が添加され、必要に応じて希釈される。本発明によって、サンプル中の溶存固体または粒子によって損傷される装置コンポーネントにサンプルが入ることを完全に回避することが可能である。本発明はまた、少なくとも粒子が酸化反応器に入るまで、粒子をサンプル溶液内に懸濁した状態に維持する。したがって、この本発明は、粒子有機炭素が正確に測定されることを可能にし、粒子がスパージャ内に沈降しサンプル流路をプラギングする場合に生じる、さらなる保守作業およびダウンタイムを回避する。
【0051】
本発明に従って処理される既知量のサンプル中の有機炭素(または、他の有機物質)の酸化は反応器内で起こり、反応器は、高温かつ高圧条件において反応器内に流体を収容するためにシールされうるか、または、流体サンプルを導入するかまたは取り除くためにシールされない。こうしたシール可能な反応器は、塩および粒子を含有するサンプルをハンドリングすることが可能であるように特にデザインされ、および適応される。本発明の代表的な実施形態では、既知量のサンプルは、開放した反応器入口ポートを通して、最初は冷たいシール可能反応器に流入する。反応器は、その後シールされ、シールされた後にサンプル中の有機物質が急速に酸化される温度および圧力条件まで急速に加熱される。水性サンプル中の水がシールされた反応器内で蒸発することができないため、サンプル(およびサンプル中の有機物質)は、比較的高い温度および圧力まで加熱されうる。さらに、本発明のシールされた反応器の内部で到達可能な高温/高圧条件において、水性サンプル中の水は、有機物質の急速な酸化を促進する特性を含む特別な特性を示す超臨界流体になりうる。
【0052】
有機物質の酸化が終了すると、反応器は、液体反応生成物を凝縮させるために、ほぼ常温まで急速に冷却される。反応器は、その後、開放され、酸化されたサンプルは、COなどの有機物質の酸化生成物を含むことになる気体反応生成物と共に、液体反応生成物(溶存していた塩)として部分的に開放した反応器出口ポートを通って反応器を出る。粒子もまた反応器から洗い流される。液体反応生成物がこの工程で回収されるため、塩および粒子は、反応器内に蓄積せず、結果として、保守およびダウンタイムが最小になる。
【0053】
反応器から出る酸化されたサンプル中のCOは、信頼性があり、安定しており、また広いダイナミックレンジを有する本発明による独創的なタイプのNDIR検出器において測定される。本発明のNDIR検出器のこれらの特徴は、再較正することなく分析計が長期間の間作動することを可能にする。
【0054】
本発明は、塩および粒子が漏洩を生じることになるシリンジまたはそのバルビング内にサンプルが吸引されないという特定の利点を有する。代わりに、サンプルおよび試薬が、清潔な希釈水だけを含むシリンジによってある長さのチュービング内に吸引される。その希釈水はまた、さらなる処理の前に、非常に高い濃度の有機炭素を含有するサンプルを希釈するのに使用されうる。本発明の好ましい実施形態では、分析計は、サンプルが希釈されない場合には最大約1,000ppmのTOCを、また、サンプルが希釈される場合には最大約50,000ppmのTOCを測定することが可能である(ここでの唯一の制約は、種々の装置コンポーネントの好ましいサイズであり、大きな装置は、適切な希釈によって、さらに高いTOC濃度をハンドリングすることが可能である)。
【0055】
サンプルおよび試薬(および必要であるとき希釈水)の混合物または組合せ物は、その後、溶液/懸濁液を混合すると共にスパージングしうる本発明による混合デバイスに入る。混合装置は、腐食を防止するために不活性ポリマーをコーティングされるソレノイドおよび磁気攪拌器(攪拌バー)からなる。攪拌バーは、バーがチャンバ内を上下に移動するときに、サンプル混合物を攪拌するのに役立つ突出部を両端に有してもよい。このデザインは、モータも回転シールも必要としない。本発明の磁気ミキサは、作動すると、スパージング効率を思いのほか改善する。こうした改善は、スパージングプロセス中に、ガス気泡がそれ自体で、溶液を活発に攪拌すると思われることを考慮すると予想外である。したがって、本発明の混合/スパージング装置を使用すると、本質的にICの完全な除去について少ない時間が必要とされ、そのため、分析が高速になる。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、有機化合物は約375℃で効率的に酸化される。この温度では、過硫酸塩、酸素、または他の酸化剤による有機物の酸化は、高速でかつ実質的に完全である。チタンで構成されると、反応器および弁の腐食が存在しないことを本発明者等は見出した。
【0057】
本発明の反応器は、サンプルが実際に酸化される短い期間の間だけ加熱されるため、著しく信頼性がある。本発明の好ましい反応器は、比較的小さな質量を有し、比較的小さな質量によって、反応器がサンプルを酸化するために急速に加熱され、その後常温まで急速に冷却される。本発明は、初期始動時に、または、保守後に迅速に使用可能にされうり、それにより、ダウンタイムが最小にされる。
【0058】
本発明の好ましい実施形態では、反応器チューブの入口および出口ポートで使用される特別な高圧弁は、高密度ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、または、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などのエラストマーで構成されるシールを含む。これらの材料の使用は、処理されるサンプルが粒子性材料を含有するときでも、弁が確実にシールすることを可能にし、これらの弁のコストは、精密加工が必要でないため低減される。本発明による反応器弁の特異な特徴は、シールが、磨耗すると、容易にかつ迅速に交換されうることである。さらに、反応器がシールされると、弁のそれぞれの内部が洗い流されて清潔になることを可能にするバイパス流体経路を各弁が組み込むため、本発明の反応器弁は既知の弁と異なる。
【0059】
本発明は、粒子によってプラギングされることになる、費用がかかる高圧ポンプまたは制限器を必要としない。本発明は、脆いアンプル、毒性のある水銀を含有するUVランプ、または高価な触媒の使用を必要としない。酸化の完全性は、サンプル中の塩素または粒子性材料の存在によって低下しない。従来技術のHTCO反応器と違って、本発明は反応器内に塩または粒子を蓄積せず、反応器に関する保守が最小である。
【0060】
本発明によるNDIR検出器は、可動部品をまったく持たないため、特に信頼性があり、また、反応器から出る、塩素を含む酸化生成物に適合する材料で構成される。多くの他の類似する機器と違って、本発明によって、NDIRに入るガスから塩素を除去するためのスクラバーが必要とされない。
【0061】
本発明で利用されるIR源は、白熱電球、熱放射器、およびエレクトロルミネセントダイオードを含む、種々のタイプの赤外線放射源から選択されうる。好ましい実施形態におけるIR源は、COの低濃度を正確に測定する高周波で電気的に変調されるときでも、強力なIR放射を生成する耐熱性薄膜である。
【0062】
本明細書で利用されるIR検出器はまた、ボロメータタイプ、熱電タイプ、および光電タイプを含む、種々のタイプの赤外線放射検出器の中から選択されうる。本発明の好ましい実施形態の焦電IR検出器は、比較的温度変化の影響を受けない検出器である。温度の影響をさらになくすために、IR源およびIR検出器は、好ましい実施形態では、一定温度で制御されてもよい。IR源およびIR検出器は好ましくは、COを含まないガスで洗い流されるチャンバ内に搭載され、それにより、周囲のCO濃度の変化による応答の変動が防止される。NDIRの応答はまた、COの圧力の変化を補償するために調整されてもよい。
【0063】
本発明のNDIRではCOを測定するのに複数波長が使用されることができ、選択される波長は、光フィルタの使用および所望の波長の放射を放出するIR源(たとえば、発光ダイオード)の使用を含む、いくつかの方法のいずれかで実施されうる。光フィルタが使用されると、光フィルタは、NDIR検出器内の種々の場所に配置されうる。好ましい実施形態では、約4.26μmの公称波長がCOの測定のために使用され、他の波長を除去するのに使用される光フィルタは、IR検出器の一部であり、通常、検知要素の直前に配置される。
【0064】
本発明の1つの具体例では、サンプルはシリンジポンプを使用して機器内に吸引される。しかし、サンプルがシリンジに入る代わりに、サンプルは、サンプルによってプラギングされるか、または、永久的に汚染される場合に容易にかつ安価に交換されうる、ある長さのチュービングに入る。チュービングは、有利には、機器の内部で占める空間量を低減するために巻かれる。
【0065】
シリンジはまた、チュービングのコイル内に酸性試薬、酸化剤試薬およびサンプルを連続して(しかし、任意所望の順序で)吸引するように配置される、かつ/または、接続される。サンプル中の有機炭素の濃度が非常に高い場合、先に説明したように、希釈水もまた吸引されうる。チュービング内に吸引される液体の総量は、シリンジポンプの作動を監視することによってわかるため、希釈比は精密に制御されうる。
【0066】
コイルチュービング内のいくつかの流体は、その後、ミキサおよびスパージャを組み合わせるチャンバなどの、装置内の混合ロケーションに放出されうる。混合チャンバ内のサンプルおよび他の流体は、完全に混合されスパージングされて、NPOCが測定されうるか、あるいは、TCまたはICが測定されるときは、スパージングが無い状態で混合されうる。混合動作は、溶液または懸濁液中で粒子を実質的に均一に懸濁した状態で維持するため、溶液/懸濁液は、接続される混合チャンバ、または、チュービングをプラギングすることなく、正確に測定されうる。
【0067】
混合チャンバからのサンプル混合物の一部分は、その後、酸化反応器の反応器チューブに流れ、反応器チューブの内部領域内でシールされる。上述した、また、高圧に耐えることができる反応器弁は、反応器チューブの両端をシールする。チューブは、その後、約150〜650℃、または好ましくは約300℃〜400℃、より好ましくは約350℃〜390℃の温度に加熱される。チューブは、約1〜30分、たとえば、好ましくは約2〜4分間、加熱される。その後、加熱器は停止され、ファンが反応器チューブに周囲空気を吹き流して、反応器をほぼ常温まで急速に冷却する。弁は開放され、COを含まないキャリアガスは、反応器チューブの内部領域から反応器液体および反応器ガスを吹き流すのに使用される。液体反応生成物およびガス状反応生成物が分離し、キャリアガスが、COを含むガス酸化生成物を、炭素測定ための本発明による化学検出器、たとえば、NDIR検出器まで搬送する。
【0068】
NDIRでは、IR放射は、適した周波数、1つの好ましい発明の実施形態では55Hzで電気的に変調されるIR源から放出される。1つの好ましい実施形態では、IR源は、COを含まないガスでパージされるチャンバ内で、適した一定温度(たとえば、約65℃)に維持される。IR源からのIR放射は、レンズによってコリメーションされ、反応器から流れるガス(ガス酸化生成物とキャリアガスの組合せ体)を通過する。NDIRを通って流れるガス中に存在するいずれのCOも、約4.26μm、たとえば、4.26μm±0.2μmの波長のIRを吸収する。COによって吸収されないIR放射は、その後、IR検出器上に収束させる第2レンズを通過する。1つの好ましい実施形態では、フィルタが、このIR検出器上に配置されて、4.26μm以外の波長のIRが、焦電検出器要素に到達することを遮断し、IR検出器は、COを含まないガスでパージされるチャンバ内に搭載され、一定温度(たとえば、約55℃)に維持される。
【0069】
NDIR電子回路は変調周波数でIR源を駆動し、IR検出器は、IR検出器が受信する赤外光を元の電気信号に変換し、その信号は、測定されるガス中に存在する任意のCOによって減衰する。NDIR電子回路は、バンドパスフィルタによってこの信号を調節し、その後、アナログ−デジタル変換器によって、このアナログ信号をデジタルに変換する。アナログ−デジタル変換器は、変調サイクル当たり多数回、波形をサンプリングする(1つの好ましい発明の具体例では、変調サイクル当たり100の波形サンプルで)。NDIR電子回路はまた、デジタル信号処理法を使用して、さらなるバンドパスフィルタリングを実施し、また、受信信号の振幅を測定する。この振幅から、NDIR電子回路は反応器から流れるガス中のCO濃度を計算し報告する。
【0070】
より特定の装置の実施形態では、本発明は、液体サンプル中の炭素を測定する分析機器を備え、機器は、サンプル入口と、前記サンプル、任意選択で、他の材料を装置内に吸引するポンプと、混合チャンバと、スパージング源および/またはキャリアガスおよびガス流量制御システムと、サンプル混合物を含むために両端でシールされうる酸化反応器と、加熱器と、液体ならびにガスと液体の混合物を上述したコンポーネントを通して輸送する流体圧送システムと、反応器から出る生成物中のCOを測定するCO検出器とを組み合わせて備える。
【0071】
別の特定の実施形態では、本発明は、上述したいくつかの要素およびコンポーネントを有する分析機器を備え、さらに、酸性試薬入口を含む。
【0072】
別の特定の実施形態では、本発明は、上述したいくつかの要素およびコンポーネントを有する分析機器を備え、さらに、酸化剤試薬入口を含む。
【0073】
別の特定の実施形態では、本発明は、上述したいくつかの要素およびコンポーネントを有する分析機器を備え、さらに、希釈水入口を含む。
【0074】
さらに別の特定の実施形態では、本発明は、上述したいくつかの要素およびコンポーネントを有する分析機器を備え、さらに、反応器を冷却するためにファンまたはブロワを含む。
【0075】
さらに別の特定の実施形態では、本発明は、上述したいくつかの要素およびコンポーネントを有する分析機器を備え、さらに、混合/スパージングチャンバ内に含まれる溶液または液体懸濁液を通して、スパージングガスが発泡することを比較的容易に可能にするように構成される、混合または混合/スパージングチャンバを含む。
【0076】
さらに別の特定の実施形態では、本発明は、上述したいくつかの要素およびコンポーネントを有する分析機器を備え、さらに、(チャンバ内に含まれる、溶液または液体懸濁液、たとえば、酸性化されたサンプル混合物を通して、ガスが発泡した後)混合/スパージングチャンバから出るガスをCO検出器に誘導するかまたはチャネリングする弁または匹敵する流量制御要素を含む。
【0077】
別の特定の実施形態では、本発明は、上述したいくつかの要素およびコンポーネントを有する分析機器を備え、さらに、ノイズ排除/フィルタリング用のまた信号振幅測定用のAC信号処理を使用して広範囲のCO濃度を測定するようにデザインされたNDIR検出器を含む。
【0078】
別の特定の実施形態では、本発明は、本明細書で述べる電子および/またはコンピュータ制御システムを使用して、上述したいくつかの要素およびコンポーネントを有する分析機器を自動化することを含む。
【0079】
別の特定の実施形態では、本発明は、上述したいくつかの要素およびコンポーネントを有する分析機器を作動させ制御する方法を含む。
【0080】
一般的な方法の実施形態では、本発明による方法は、連続した工程を含んでおり、連続した工程は、選択された量のサンプルを分析システムのサンプルハンドリング部分内に吸引する工程と、適した量の(既知の酸性または酸性濃度の)酸性試薬を、また、測定される炭素や、同様にサンプルの量に関連した酸化剤試薬(既知の濃度の)のタイプに応じて添加する工程と、おそらく、所望である場合、低濃度または本質的にゼロのTOC希釈水によってサンプル/酸/酸化剤混合物を希釈する工程と、実質的に均質な溶液または液体懸濁液を形成するために、サンプル、酸、酸化剤(存在する場合)、および希釈水(もしあれば)を混合する工程と、NPOCが測定される場合、サンプル中のICが実質的に完全に除去されることを保証するようにスパージガスの流量を制御しながら、(たとえば、システムのガス制御アセンブリによって供給される)COを含まないガスによって、酸性化された溶液/懸濁液をスパージングする工程と、あるいは、TCまたはICが測定される場合、溶液/懸濁液をスパージングするのではなく混合する工程と、混合された/スパージングされた均質な溶液/懸濁液の一部分を酸化反応器に搬送する工程と、NPOCまたはTCが測定される場合、溶液/懸濁液の一部の有機化合物を酸化させるために反応器がシールされた後に、溶液/懸濁液の一部分を加熱し、その後、ほぼ室温まで冷却する工程と、反応器内の液体反応生成物およびガス状反応生成物をガス/液体分離器に搬送するために、ガス制御アセンブリからキャリアガスのストリームを使用する工程と、液体をガスから分離し、分離された液体をガス/液体分離器から除去する工程と、ガス/液体分離器からNDIR検出器へ(COを含有する)ガス状反応生成物を流す工程と、NDIR検出器を使用してガス状反応生成物中のCOを測定する工程と、任意選択で、ガス状反応生成物中のCOが測定された後に、ガス状反応生成物を、戻るようにガス/液体分離器を通して流し、その後、大気に排出する工程である。
【0081】
別の装置の実施形態では、本発明による装置は、以下の装置要素またはコンポーネントを組み合わせて備えており、装置要素またはコンポーネントは、複数の弁およびチュービングのコイルと低TOC希釈水を含むリザーバとの両方に3方弁を通して接続されるシリンジを備えるサンプルハンドリングユニットであって、チュービングのコイルの内部容積がシリンジの内部容積より大きいサンプルハンドリングユニットと、サンプル源からサンプルを吸引し、サンプルを管接続部によって6方向流体相互接続要素に送出するポンプと、チュービングのコイルに接続される混合/スパージングチャンバであって、COを含まないガスがチャンバ内の溶液/懸濁液を通してスパージングするためのスパージング要素を含む、混合/スパージングチャンバと、スパージング要素に接続されるCOを含まない圧縮ガスの供給源、ならびにこうしたガスの流量および圧力を制御するガス制御モジュールと、任意選択で、混合/スパージングチャンバから出るガスを、ガス/液体分離器を通り、その後、NDIR検出器に送る弁および管と、混合/スパージングチャンバからシール可能な反応器まで、混合された/スパージングされた溶液/懸濁液の少なくとも一部を搬送するポンプおよび関連する管と、反応器に、またガス/液体分離器を介してインラインフィルタに、またその後NDIR検出器に接続されるキャリアガスの供給源と、反応器に関連する加熱器およびファンと、電気接続部、ならびに、所定のシーケンスおよび/またはタイミングに従って、または、種々のシステムモニタから受信されるフィードバックに従って流体弁および他のシステム制御要素を作動させるようになっている運用ソフトウェアを備える関連する自動化制御システムである。
【0082】
別の特定の装置の実施形態では、本発明によるNDIR検出器は、3つのチャンバ、すなわち、IR源を含む第1チャンバ、中心に配置され、かつ、キャリアガスおよびCOを含むガス状反応生成物が流れる光経路を備える第2チャンバ、およびIR検出器を含む第3チャンバを備え、前記第1および第3チャンバは、測定中に、COを含まないガスで洗い流されるようにデザインされる。
【0083】
別の特定の装置の実施形態では、本発明によるミキサ/スパージャ要素は、液体入口およびスパージガス出口を含む上部セクションと、スパージガス用の入口ポートおよび液体出口を含む下部セクションと、磁気攪拌器コンポーネントを含む中央セクションとを備え、前記中央セクションは、ソレノイドコイル内部に配置され、ソレノイドコイルは、磁気攪拌器コンポーネントを中央セクション内部で上下に移動させる一連の電流パルスを流すことによって作動されうる。
【0084】
別の特定の装置の実施形態では、本発明による装置は一対の高圧反応器弁を備え、各弁は関連するモータが作動すると弁体内部で前後に移動するプランジャに取り付けられたポリマーまたは弾性シールを備え、シールの後部分はハウジングの内部をシールするために2つのOリングを保持し、シールの前部分は、弁が閉鎖した位置にあるとき、反応器開口(反応器入口または反応器出口)の栓をする。
【0085】
別の特定の装置の実施形態では、本発明によるNDIR用のIR源は、変調式薄膜IR放射器を備える。
【0086】
別の特定の装置の実施形態では、本発明によるNDIR検出器は、焦電センサ要素を備え、好ましい実施形態は、タンタル酸リチウムからなる焦電センサを有する。
【0087】
さらにより具体的には、本発明は、以下の実施形態を含む。すなわち、
1.分析機器であって、液体サンプル入口と、既知の量の液体サンプルを機器内に吸引し、液体およびガスを機器のコンポーネントまでまたコンポーネントを通して輸送する流体輸送システムと、サンプルを導入するかまたは反応生成物を放出するために開放されること、あるいは、反応生成物を生成するように反応器内部でサンプルを熱処理するためにシールされることを交互に行いうる反応器と、反応器加熱サイクル中に電源を入れられ、反応器冷却サイクル中に電源を切られうる反応器加熱ユニットと、反応器冷却サイクル中電源を入れられ、反応器加熱サイクル中に電源を切られうる反応器冷却ユニットと、流体輸送システムに連通するガスの供給源およびガス流量制御システムと、反応器生成物の化学成分を測定する化学検出器と、を組み合わせて備える分析機器。
2.流体輸送システムに連通する流体圧送システムをさらに備える、パラグラフ1の機器。
3.酸性試薬入口、酸化剤試薬入口、および希釈水入口から選択される1つ以上のさらなる入口をさらに備える、パラグラフ1の機器。
4.反応器の上流に混合/スパージングチャンバをさらに備え、液体サンプルおよび1つ以上の他の液体が、混合されるか、または、混合され同時にスパージガスによってスパージングされうるパラグラフ1の機器。
5.化学検出器は、反応器の下流に、炭素、窒素、または硫黄酸化生成物用の検出器を備える、パラグラフ1の機器。
6.化学検出器は、反応器の下流に非分散型赤外線(NDIR)検出器を備える、パラグラフ1の機器。
7.NDIR検出器は、測定される化学成分によって吸収されるIR放射の波長に固有の光フィルタを含む、パラグラフ6の機器。
8.光フィルタは、炭素酸化生成物に固有である、パラグラフ7の機器。
9.光フィルタは、COに固有である、パラグラフ7の機器。
10.反応器産物から液体を除去するために、反応器とNDIR検出器との間にガス/液体分離器をさらに備える、パラグラフ6の機器。
11.ノイズ排除/フィルタリングおよび信号振幅測定に有効なAC信号処理要素をさらに備える、パラグラフ1の機器。
12.電子/コンピュータ自動化制御システムをさらに備える、パラグラフ1の機器。
13.分析機器であって、複数の弁、およびチュービングのコイルと低TOC希釈水を含むリザーバとの両方に3方弁を通して接続されるシリンジを備えるサンプルハンドリングユニットであって、コイルの容積がシリンジの容積と少なくとも同じ程度の大きさである、サンプルハンドリングユニットと、サンプル源からサンプルを吸引し、サンプルを管接続部によって流体相互接続要素に送るのに有効なポンプコンポーネントと、チュービングのコイルに接続される混合/スパージングチャンバであって、チャンバ内の溶液/懸濁液を通してCOを含まないガスでスパージングするためのスパージング要素を含む混合/スパージングチャンバと、スパージング要素に接続されるCOを含まない圧縮ガスの供給源、ならびにこうしたガスの流量および圧力を制御するガス制御モジュールと、混合/スパージングチャンバからシール可能な反応器に溶液/懸濁液の少なくとも一部分を搬送するポンプコンポーネントおよび関連する管と、反応器に関連する加熱器およびファンと、反応器に接続されるキャリアガスの供給源と、反応生成物を、ガス/液体分離器、インラインフィルタを通り、その後CO検出器まで連続して搬送する、反応器の管下流と、電気接続部、ならびに、所定のシーケンスおよび/またはタイミングに従って、または、種々のシステムモニタから受信されるフィードバックに従って流体弁および他のシステム制御要素を作動させるようになっている運用ソフトウェアを備える、関連する自動化制御システムと、を備える分析機器。
14.混合/スパージングチャンバから出るスパージガスを、ガス/液体分離器を通してCO検出器まで搬送する弁および管をさらに備える、パラグラフ13の機器。
15.以下の連続した工程を含む分析方法であって、連続した工程は、既知の量のサンプルを分析システムのサンプルハンドリング部分内に吸引する工程と、適した量の1つ以上の化学試薬を既知の量のサンプルに添加する工程と、実質的に均質な溶液または懸濁液を形成するために、サンプルおよび化学試薬を混合する工程と、均質な溶液/懸濁液の一部分を反応器に搬送する工程と、反応器をシールする工程と、反応生成物を形成するために、シールされた反応器内で溶液/懸濁液を処理する工程と、反応器および反応生成物をほぼ常温にする工程と、反応器を開放し、キャリアガスのストリームを使用して、反応器からガス/液体分離器まで液体およびガス状反応生成物を搬送する工程と、液体反応生成物をガス状反応生成物から分離する工程と、ガス/液体分離器から化学検出器までガス状反応生成物を流す工程と、検出器を使用してガス状反応生成物中の化学成分を測定する工程である方法。
16.化学試薬は、酸および酸化剤から選択される、パラグラフ15の方法。
17.サンプルおよび化学試薬に希釈水を添加する工程をさらに含む、パラグラフ15の方法。
18.サンプルおよび化学試薬を混合する工程は、溶液/懸濁液をスパージガスで同時にスパージングすることを含む、パラグラフ15の方法。
19.混合/スパージング工程からのスパージガスを分析用の化学検出器に流すことによって、スパージング工程の進行を監視する工程をさらに含む、パラグラフ18の方法。
20.溶液/懸濁液は、有機物質を含み、有機物質を酸化するために、実質的に反応器工程において反応器内で約150〜650℃の温度に加熱される、パラグラフ15の方法。
21.溶液/懸濁液は、反応器工程において超臨界流体温度/圧力条件まで加熱される、パラグラフ15の方法。
22.溶液/懸濁液は、反応器工程において約100℃以下の温度に加熱される、パラグラフ15の方法。
23.化学検出器は、炭素、窒素、および硫黄酸化生成物から選択される材料に固有である、パラグラフ15の方法。
24.化学検出器は、CO検出器である、パラグラフ15の方法。
25.化学検出器は、非分散型赤外線(NDIR)検出器である、パラグラフ15の方法。
26.NDIR検出器は、測定される化学成分によって吸収されるIR放射の波長に固有の光フィルタを含む、パラグラフ25の方法。
27.光フィルタは、COに固有である、パラグラフ26の方法。
28.AC信号処理要素は、ノイズ排除/フィルタリングおよび信号振幅測定に使用される、パラグラフ15の方法。
29.分析は、電子/コンピュータ自動化制御システムによって自動化される、パラグラフ15の方法。
30.ガス状反応生成物に対する化学検出器の応答を化学成分の濃度に相関する数式を使用して、サンプル中の化学成分の濃度を確定する工程をさらに含む、パラグラフ15の方法。
31.有機物質を含有する水性サンプルを処理する装置であって、
(a)反応器入口および出口ポートならびに常温および常圧を超える条件下で水性サンプルを含むための反応器内部を有する反応器と、
(b)前記反応器入口および出口ポートの高圧流体反応器弁部材であって、開放弁モードにあるときにそれぞれ反応器内部内へ入るまたは反応器内部から出る流体の流れを可能にし、あるいは、閉鎖した弁モードにあるときに反応器内部をシールする、高圧流体反応器弁部材と、
(c)常温を超える条件に反応器内部を急速にかつ周期的に加熱するようになっている反応器加熱システムであって、水性サンプルは反応器内部でシールされる、反応器加熱システムと、
(d)加熱サイクルを経て、反応器内部および反応器内部でシールされた水性サンプルを急速にかつ周期的に冷却するようになっている反応器冷却システムと、を備える装置。
32.反応器加熱システムは、反応器内部および反応器内部でシールされた水性サンプルを約150〜650℃に加熱することができ、一方、反応器内部および反応器弁部材は、サンプルをシールされた状態下で維持する、パラグラフ31の装置。
33.反応器加熱システムは、反応器内部および反応器内部でシールされた水性サンプルを、反応器内部で超臨界流体状態を生成するのに十分に高い温度および圧力まで加熱することができ、一方、反応器内部および反応器弁部材は、サンプルをシールされた状態下で維持する、パラグラフ31の装置。
34.反応器弁部材はそれぞれ、主流体入口および主流体出口を有する弁ハウジング、弁ハウジング内部の可動性弁プランジャ要素を備え、弁プランジャ要素の前部分は、弁プランジャ要素が前進した位置にあるとき、主流体出口に嵌合し栓をし、弁プランジャ要素が後退した位置にあるとき、主流体出口をシール解除するサイズと形に作られたセクションを有するポリマーまたは弾性プランジャシール部材を備える、パラグラフ31の装置。
35.弁部材は、弁プランジャ要素の前進と後退を交互に行うモータをさらに備える、パラグラフ34の装置。
36.弁ハウジングは、パージガス入口およびパージガス出口をさらに備え、それにより、パージガスは、弁プランジャ要素が主流体出口をシールしている間に、弁ハウジングの内部を流れることができる、パラグラフ34の装置。
37.反応器加熱システムは中空管状加熱要素を備え、反応器は加熱要素の中空内部にある、パラグラフ31の装置。
38.反応器冷却システムは、反応器に近接して配置され、かつ、周囲空気を反応器の外部に沿って吹くように配向されたファンを備える、パラグラフ31の装置。
39.管状加熱要素は、両端が開放され、さらに、反応器冷却システムは、加熱要素の一方の開放端に近接して配置され、かつ、周囲空気を、加熱要素の中空内部を通りかつ反応器の外部に沿って吹き流すように配向されたファンを備える、パラグラフ37の装置。
40.粒子性物質を含有する水性サンプルを1つ以上の他の液体成分と混合する装置であって、
(a)シールされた管状混合容器であって、サンプル入口およびスパージガス出口を含む、第1容器端の液体入口/ガス出口セクションと、スパージガス入口およびサンプル出口を含む、第2容器端の液体出口/ガス入口セクションと、前記液体入口/ガス出口セクションと前記液体出口/ガス入口セクションとの間の流体混合領域とを有する、シールされた管状混合容器と、
(b)前記流体混合領域内部の磁気作動可能な攪拌器要素と、
(c)前記流体混合領域の少なくとも一部分を囲む環状ソレノイドコイルであって、流体混合領域内部で攪拌器要素を移動させるように、一連の電流パルスによって作動可能である、環状ソレノイドコイルと、
(d)スパージガス入口と流体混合領域との間に配置される多孔質ガス分散器と、を備える装置。
41.攪拌器要素は、防食性外側層でコーティングされる、パラグラフ40の装置。
42.ガス分散器はガス孔を有し、孔サイズは約1μm〜約0.125インチの範囲にある、パラグラフ40の装置。
43.攪拌器要素は、スパージガスが流体混合領域に供給されているかどうかに無関係に作動される、パラグラフ40の装置。
44.パージ可能な流体シール弁装置であって、
(a)主流体入口および主流体出口を有する弁ハウジングと、
(b)弁ハウジング内部の可動性プランジャ要素であって、弁プランジャ要素の前部分は、弁プランジャ要素が前進した位置にあるとき、主流体出口上にシールし栓をし、弁プランジャ要素が後退した位置にあるとき、主流体出口をシール解除するサイズと形に作られたプランジャシール部材を備える、可動性弁プランジャ要素とを備え、
(c)弁ハウジングは、弁パージガス入口および弁パージガス出口をさらに備え、それにより、パージガスは、弁プランジャ要素が主流体出口をシールしている間に、弁ハウジングの内部を流れることができる流体シール弁装置。
45.前記プランジャシール部材は、ポリマーまたは弾性部材を含む、パラグラフ44の流体シール弁装置。
46.弁プランジャ要素の外部壁は、1つ以上のOリングシールをシールさせるようになっている、パラグラフ44の流体シール弁装置。
47.パージガスの供給源から弁パージガス入口までの管路接続部をさらに備える、パラグラフ44の流体シール弁装置。
48.弁プランジャ要素の前進と後退を交互に行うモータをさらに備える、パラグラフ44の流体シール弁装置。
49.パージ可能な非分散型赤外線(NDIR)検出器装置であって、
(a)IR源チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線放射源を含むIR源チャンバと、
(b)IR検出器チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線検出器を含むIR検出器チャンバと、
(c)IR源チャンバとIR検出器チャンバとの間の、光路チャンバであって、光路チャンバの第1端に光チャンバガス入口ポートを、また、光路チャンバの第2端に光チャンバガス出口ポートを有する、光路チャンバと、を備えるNDIR装置。
50.IR源チャンバを光路チャンバから隔離する第1区画分離レンズおよびIR検出器チャンバを光路チャンバから隔離する第2区画分離レンズをさらに備える、パラグラフ49のNDIR装置。
51.検出器の検知要素の前で赤外線検出器内に搭載された光フィルタをさらに備える、パラグラフ49のNDIR装置。
52.光フィルタは4.26μm±0.2μmフィルタである、パラグラフ51のNDIR装置。
53.装置の作動を自動化する電子制御システムをさらに備え、電子制御システムは、
(a)変調周波数でIR源を作動させるドライバと、
(b)変調周波数の赤外線検出器信号コンテンツを通過させるバンドパスフィルタと、
(c)各変調サイクル中に、多数回、バンドパスフィルタの出力をサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、
(d)アナログ−デジタル変換器からのサンプルをさらにバンドパスフィルタリングし、得られるAC信号の振幅を計算するデジタル信号処理要素と、を備えるパラグラフ49のNDIR装置。
54.装置の作動を自動化する電子制御システムをさらに備える、パラグラフ49のNDIR装置。
55.パージガスの供給源からIR源チャンバパージガス入口およびIR検出器チャンバパージガス入口までの管路接続部をさらに備える、パラグラフ49のNDIR装置。
56.IR源は、変調式薄膜IR放射器を備える、パラグラフ49のNDIR装置。
57.IR検出器は、タンタル酸リチウム焦電センサ要素を備える、パラグラフ49のNDIR装置。
58.サンプル/試薬ハンドリング装置であって、
(a)少なくとも不純物を含有する水溶液/懸濁液、希釈水、酸化試薬、および酸から選択される1つ以上の液体の別個の供給源と、
(b)水溶液/懸濁液の供給源、酸化試薬の供給源、および酸の供給源とある長さの保持チュービングの第1端との間の管路接続部ならびに希釈水源とチュービングの第2端との間の希釈水管接続部と、
(c)希釈水管接続部に流体連結する較正されたシリンジであって、チュービングの内部容積以下の内部容積を有する、較正されたシリンジと、
(d)チュービングの第1端と混合デバイスとの間の管接続部と、
(e)管接続部のそれぞれに沿う流体弁であって、それにより、シリンジが使用されて、チュービングの第2端からシリンジ内に希釈水を吸引し、それに続いて、シリンジ内の希釈水をチュービングの第2端に戻るように放出することによって、測定された量の酸化剤、酸、および水溶液/懸濁液を別々にチュービングの第1端内に吸引して、チュービングの第1端内に保持される液体を混合デバイスに搬送する、流体弁とを備える、サンプル/試薬ハンドリング装置。
59.水溶液/懸濁液源、酸化試薬源、および酸源とチュービングの第1端との間の管接続部に沿って配置される多方向流体ハブをさらに備える、パラグラフ58のサンプル/試薬ハンドリング装置。
60.混合デバイスは混合チャンバを備え、混合チャンバにおいて、チュービングの第1端から搬送された液体が、混合されるか、スパージガスによってスパージングされるか、あるいは、同時に混合されスパージングされうる、パラグラフ58のサンプル/試薬ハンドリング装置。
61.混合デバイスは、
(a)シールされた管状混合容器であって、サンプル/試薬入口およびスパージガス出口を含む、第1容器端の液体入口/ガス出口セクションと、スパージガス入口およびサンプル混合物出口を含む、第2容器端の液体出口/ガス入口セクションと、前記液体入口/ガス出口セクションと前記液体出口/ガス入口セクションとの間の流体混合領域とを有する、シールされた管状混合容器と、
(b)前記流体混合領域内部の磁気作動可能な攪拌器要素と、
(c)前記流体混合領域の少なくとも一部分を囲む環状ソレノイドコイルであって、流体混合領域内部で攪拌器要素を移動させるように、一連の電流パルスによって作動可能である、環状ソレノイドコイルと、
(d)スパージガス入口と流体混合領域との間に配置される多孔質ガス分散器と、を備えるパラグラフ60のサンプル/試薬ハンドリング装置。
62.非水系成分の測定用のサンプルを調製するために、非水系成分を含有する水性サンプルを処理する液体処理装置であって、反応器装置と組み合わせた、パラグラフ61によるサンプル/試薬ハンドリング装置を備え、反応器装置は、
(a)反応器入口および出口ポートならびに常温および常圧を超える条件下で水性サンプルを含むための反応器内部を有する反応器と、
(b)前記反応器入口および出口ポートの高圧流体反応器弁部材であって、開放した弁モードにあるときにそれぞれ反応器内部内へ入るまたは反応器内部から出る流体の流れを可能にし、あるいは、閉鎖した弁モードにあるときに反応器内部をシールする、高圧流体反応器弁部材と、
(c)常温を超える条件に反応器内部を急速にかつ周期的に加熱するようになっている反応器加熱システムであって、水性サンプルは反応器内部でシールされる、反応器加熱システムと、
(d)加熱サイクルを経て、反応器内部および反応器内部でシールされた水性サンプルを急速にかつ周期的に冷却するようになっている反応器冷却システムと、
(e)前記混合デバイスのサンプル混合物出口と前記反応器入口ポートの流体反応器弁部材との間の混合デバイス/反応器管接続部と、を備える液体処理装置。
63.水性サンプルの非水系成分を測定する分析装置であって、非水系成分の少なくとも一部分は有機物質の形態で存在してもよく、非分散型赤外線(NDIR)検出器装置と組み合わせた、パラグラフ62による液体処理装置を備え、NDIR検出器装置は、
(a)IR源チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線放射源を含むIR源チャンバと、
(b)IR検出器チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線検出器を含むIR検出器チャンバと、
(c)IR源チャンバとIR検出器チャンバとの間の、光路チャンバであって、光路チャンバの第1端に光チャンバガス入口ポートを、また、光路チャンバの第2端に光チャンバガス出口ポートを有する、光路チャンバと、
(d)前記反応器出口ポートの流体反応器弁部材とNDIR検出器の光チャンバガス入口ポートとの間の反応器/NDIR管路接続部と、を備える分析装置。
64.NDIRに達する前に、反応器の生成物の液体成分を除去するために、反応器/NDIR管接続部に沿ってガス/液体分離器をさらに備えるパラグラフ63の分析装置。
65.反応器ガス生成物を反応器/NDIR管路に沿ってNDIRまで搬送するために、COを含まないキャリアガスを反応器に供給するガス供給システムをさらに備える、パラグラフ63の分析装置。
66.流体反応器弁部材はそれぞれ、
(a)主流体入口および主流体出口を有する弁ハウジングと、
(b)弁ハウジング内部の可動性プランジャ要素であって、弁プランジャ要素の前部分は、弁プランジャ要素が前進した位置にあるとき、主流体出口上にシールし栓をし、弁プランジャ要素が後退した位置にあるとき、主流体出口をシール解除するサイズと形に作られたプランジャシール部材を備える、可動性弁プランジャ要素とを備え、
(c)弁ハウジングは、弁パージガス入口および弁パージガス出口をさらに備え、それにより、パージガスは、弁プランジャ要素が主流体出口をシールしている間に、弁ハウジングの内部を流れることができ、さらに、ガス供給システムから弁パージガス入口まで管接続部が存在する、パラグラフ65の分析装置。
67.ガス供給システムとIR源チャンバパージガス入口およびIR検出器チャンバパージガス入口との間に管路接続部が存在する、パラグラフ66の分析装置。
68.有機物質を含有する水性サンプルを処理する方法であって、
(a)サンプル混合物を形成するために、既知の量の水性サンプルを、酸化剤、酸、および希釈水から選択される1つ以上の他の液体と混合する工程と、
(b)サンプル混合物の少なくとも一部分を、実質的に周囲条件にある反応容器内に流す工程であって、前記反応容器は、反応器入口および出口ポートにおいて、交互にかつ繰返し開放しシールするようになっている、流す工程と、
(c)サンプル混合物の一部分を反応容器の内部でシールする工程と、
(d)反応容器の内部および内部のサンプル混合物部分を、周囲条件を実質的に超える温度および圧力まで、かつ、実質的に有機物質を酸化し反応生成物を形成するのに十分な時間の間、急速に加熱する工程と、
(e)加熱工程を停止し、その後、冷却した液体およびガス状反応生成物を形成するために、反応容器の内部および内部の反応生成物を実質的に周囲条件まで急速に冷却する工程と、
(f)反応容器を開放し、反応器内部から冷却した液体およびガス状反応生成物を除去する工程と、を含む方法。
69.反応器内部は、工程(d)で、約150〜650℃との間の温度に加熱される、パラグラフ68の方法。
70.反応器内部は、工程(d)で、超臨界流体状態を生成するのに十分に高い温度および圧力まで加熱される、パラグラフ68の方法。
71.反応器内部は、工程(d)で、約100℃以下の温度に加熱される、パラグラフ68の方法。
72.反応容器は、加熱工程(d)を実施するために電源が入れられる管状加熱要素の中空内部に配置される、パラグラフ68の方法。
73.加熱工程(d)は、約30分以内で終了する、パラグラフ68の方法。
74.加熱工程(d)は、約4分以内で終了する、パラグラフ68の方法。
75.反応容器は、反応容器の外部にわたって周囲空気を吹き流すことによる冷却工程(e)で冷却される、パラグラフ68の方法。
76.反応容器は、工程(c)で、反応器入口および出口ポートにおいてパージ可能な高圧反応器弁を閉鎖することによりシールされ、方法は、反応容器がシールされている間に、反応器弁のそれぞれの内部を通してCOを含まないパージガスを流す工程をさらに含む、パラグラフ68の方法。
77.工程(f)の一部として、反応容器の内部を通してCOを含まないキャリアガスを流す工程をさらに含む、パラグラフ68の方法。
78.実質的に均質で、また任意選択で、ガスを含まない液体混合物を形成するために、粒子性物質を含有する水性サンプルおよび1つ以上の他の液体コンポーネントの組合せを処理する方法であって、
(a)粒子性物質を含有する水性サンプルおよび他の液体成分を、液体入口および出口、ガス入口および出口を有し、磁気作動式の攪拌部材を含む混合チャンバ内に導入する工程と、
(b)混合チャンバ内部で移動させ、液体内容物を攪拌し、サンプル混合物を形成するために攪拌部材を作動させる工程と、
(c)サンプル混合物からのガスの除去が望まれる場合、攪拌部材の作動と同時に、混合チャンバの低い部分に実質的にCOを含まないスパージガスを導入する工程とを含む方法。
79.他の液体コンポーネントは、酸化剤、酸、および希釈水から選択される、パラグラフ78の方法。
80.攪拌部材は、混合チャンバを囲む環状に配設されたソレノイドコイルを通して一連の電流パルスを流すことによって作動される、パラグラフ78の方法。
81.スパージガスは、多孔質ガス分散器を通して混合チャンバ内に導入される、パラグラフ78の方法。
82.多孔質ガス分散器は、約1μm〜約0.125インチの孔径を有する孔を有する、パラグラフ81の方法。
83.工程(c)は、約50〜500cc/分のスパージガス流量で約10秒〜20分の期間実施される、パラグラフ79の方法。
84.流体ストリームの化学成分を測定する方法であって、
(a)非分散型赤外線(NDIR)検出器装置を設ける工程であって、NDIR検出器装置は、
(i)IR源チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線放射源を含むシールされたIR源チャンバと、
(ii)IR検出器チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線検出器を含むシールされたIR検出器チャンバと、
(iii)IR源チャンバとIR検出器チャンバとの間の、シールされた光路チャンバであって、光路チャンバの第1端に光チャンバ流体入口ポートを、また、光路チャンバの第2端に光チャンバ流体出口ポートを有する、シールされた光路チャンバとを備える、設ける工程と、
(b)IR放射が光チャンバを通して誘導される間に、化学成分を含有する流体ストリームを、入口ポートから中に入り、光チャンバを通って、出口ポートから出るように流す工程と、
(c)工程(b)全体を通して、測定される化学成分が実質的に無いパージガスを、IR源チャンバおよびIR検出器チャンバを通して流す工程と、
(d)光チャンバを通して誘導されるIR放射の強度を変調させる工程と、
(e)光チャンバを通した流体ストリームの通過に対する化学検出器の検出応答に基づいて、数学的相関式を使用して化学成分の濃度を計算する工程と、を含む方法。
85.NDIRは、化学成分によって吸収される波長以外の波長のIR放射をフィルタリングする光フィルタを含む、パラグラフ84の方法。
86.化学成分はCOであり、光フィルタは4.26μm±0.2μmの光フィルタである、パラグラフ85の方法。
87.工程(e)は、流体ストリーム内の化学成分が光チャンバを流れることによってIR放射のピーク吸収を確定すること、または、光チャンバを通して流体ストリームを流すことによって生成される完全な応答曲線の面積を確定することに基づく、パラグラフ84の方法。
88.電子/コンピュータ制御システムによってNDIR検出および測定シーケンスを自動化する工程をさらに含み、電子/コンピュータ制御システムは、
(a)変調周波数でIR源を作動させるドライバと、
(b)DCオフセット、ノイズ、および変調周波数の高調波を排除しながら、変調周波数の赤外線検出器信号コンテンツを通過させるバンドパスフィルタと、
(c)各変調サイクル中に、多数回、バンドパスフィルタの出力をサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、
(d)変調周波数の信号を通過させながら、ノイズを排除するためにアナログ−デジタル変換器からのサンプルをさらにバンドパスフィルタリングし、得られるAC信号の振幅を計算するデジタル信号処理要素とを備える、パラグラフ84の方法。
89.電子/コンピュータ制御システムによってNDIR検出および測定シーケンスを自動化する工程をさらに含む、パラグラフ84の方法。
90.測定された量の水性サンプルおよび1つ以上の他の液体を、1回測定シリンジを使用して、サンプルまたは他の液体でシリンジを汚染することなく分析機器内に導入する方法であって、
(a)サンプル/試薬ハンドリングシステムを設ける工程であって、サンプル/試薬ハンドリングシステムは、
(i)水溶液/懸濁液、希釈水、1つ以上の試薬から選択される1つ以上の液体の別個の供給源と、
(ii)水溶液/懸濁液の供給源および試薬の供給源とある長さの保持チュービングの第1端との間の管接続部ならびに希釈水源とチュービングの第2端との間の希釈水管接続部と、
(iii)希釈水管接続部に流体連結する較正されたシリンジであって、チュービングの内部容積以下の内部容積を有する、較正されたシリンジと、
(iv)管接続部のそれぞれに沿う流体弁とを備える、設ける工程と、
(b)保持チュービングを希釈水で充填する工程と、
(c)適切な流体弁を開放および/または閉鎖し、その後、シリンジを開放することによって、チュービングの第1端内に、水性サンプルまたは他の液体のうちの測定された第1の量の第1の液体を吸引する工程であって、それにより、測定された第1の量の希釈水を、チュービングの第2端からシリンジ内に吸引する、吸引する工程と、
(d)適切な流体弁を開放および/または閉鎖し、その後さらに、シリンジを開放することによって、チュービングの第1端内に、水性サンプルまたは他の液体のうちの測定された第2の量の第2の液体を吸引する工程であって、それにより、測定された第2の量の希釈水をチュービングの第2端からシリンジ内に吸引する、吸引する工程と、
(e)適切な流体弁を開放および/または閉鎖し、その後、シリンジを閉鎖することによって、液体の測定された第1の量の第1の液体および液体の測定された第2の量の第2の液体を混合ロケーションまで搬送する工程であって、それにより、シリンジ内の希釈液のすべてをチュービングの第2端内に戻るように完全に放出し、それにより、チュービングの第1端内の液体をチュービングの外に押しやる、搬送する工程と、を含む方法。
91.適切な流体弁を開放および/または閉鎖し、その後さらに、シリンジを開放することによって、チュービングの第1端内に、水性サンプルまたは他の液体のうちの測定された第3の量の第3の液体を吸引するという、工程(d)と(e)との間の工程であって、それにより、測定された第3の量の希釈水をチュービングの第2端からシリンジ内に吸引する、工程(d)と(e)との間の工程をさらに含む、パラグラフ90の方法。
92.保持チュービングは小さな空間を占めるように巻かれる、パラグラフ90の方法。
93.さらに、サンプル/試薬ハンドリングシステムは、液体源とチュービングの第1端との間の管接続部に沿って配置される多方向流体ハブを含む、パラグラフ90の方法。
94.分析方法であって、
(a)パラグラフ90の方法に従って、分析装置内に、測定された量の水性サンプルおよび1つ以上の他の液体を導入する工程と、
(b)測定された量の液体を、保持チュービングの第1端から混合ロケーションまで搬送する工程であって、この混合ロケーションにおいて、液体は完全に混合され、また任意選択で、サンプル混合物を形成するためにスパージングされうる、搬送する工程と、
(c)サンプル混合物の少なくとも一部分をシール可能な反応容器まで流し、サンプル混合物を、
(i)反応容器の内部でサンプル混合物の一部分をシールする工程、
(ii)反応容器の内部および内部のサンプル混合物部分を、周囲条件を実質的に超える温度および圧力まで、かつ、実質的に有機物質を酸化し反応生成物を形成するのに十分な時間の間、急速に加熱する工程、
(iii)加熱工程を停止し、その後、冷却した液体およびガス状反応生成物を形成するために、反応容器の内部および内部の反応生成物を実質的に周囲条件まで急速に冷却する工程、および、
(iv)反応容器を開放し、冷却した液体およびガス状反応生成物を反応器内部から除去する工程
によって処理する工程と、
(d)少なくともガス状反応生成物を化学検出器まで搬送し、検出器を使用してガス状反応生成物の化学成分を測定する工程と、を含む方法。
95.ガス/液体分離器内で反応生成物を処理するステップであって、それにより、ガス状反応生成物を化学検出器に送出する前に液体反応生成物を除去する、処理するステップをさらに含む、パラグラフ94の方法。
96.さらに、化学検出器は、非分散型赤外線(NDIR)検出器である、パラグラフ94の方法。
【0088】
本発明のこれらおよび他の方法および装置の実施形態は、以下の詳細な説明および図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明による測定装置の好ましい実施形態の5つの重要な流体サブアセンブリをブロック形態で示す図である。
【図2】図1に示す流体サブアセンブリのそれぞれを構成するコンポーネント要素を詳細に示す、本発明による測定装置の機能コンポーネントの全体略図である。
【図3】本発明によるミキサ/スパージャコンポーネントの部分切断/断面図である。
【図4】本発明による反応器をシールするのに使用される高圧反応器弁の部分切断/断面図である。
【図5】本発明による反応器サブアセンブリの部分切断/断面図である。
【図6】本発明によるNDIRサブアセンブリの部分切断/断面図である。
【図7】図6に示すNDIRサブアセンブリの内部詳細、関連する電気接続部およびコンポーネントを示すブロック図である。
【図8】有機化合物の酸化により機器内で生成されるガス状反応生成物に含有されるCOに対する、本発明によるNDIR検出器の典型的な応答を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1は、本発明による自動化された炭素測定装置/分析計の1つの好ましい実施形態のブロック略図であり、分析計を構成する5つのコンポーネントサブアセンブリ1〜5を示す。図1に示すように、水性サンプルは、装置のサンプルハンドリングサブアセンブリ1内に吸引され、そこで、所望の量の酸性試薬および/または酸化剤試薬が、選択された量のサンプルに添加される。サンプルはまた、このステージにおいて、必要な場合、反応器サブアセンブリ3に移動される前に、低TOC希釈水で希釈されてもよい。
【0091】
サンプル、試薬、およびもしあれば希釈水は、装置のサンプルハンドリング部分で混合されて、実質的に均質な溶液または懸濁液を含むサンプル混合物が生成される。NPOCが測定される場合、酸性化されたサンプル混合物はまた、ガス制御サブアセンブリ/モジュール2によって供給されるCOを含まないガスでスパージングされる。スパージガスの流量は、サンプル中のICが、効率的にかつ実質的に完全に除去されることを保証するように制御される。TCまたはICが測定される場合、サンプル混合物は混合されるがスパージングされない。
【0092】
均質な溶液/懸濁液の一部は、その後、反応器サブアセンブリ3に搬送される。NPOCまたはTCが測定される場合、酸化剤を含有する溶液/懸濁液は、シールされた反応器内で加熱されて、溶液/懸濁液中の有機化合物を酸化し、その後、溶液/懸濁液は、ほぼ室温まで冷却される。ICが測定される場合、酸化剤は溶液/懸濁液に添加されない。この場合、溶液/懸濁液は、重炭酸塩および炭酸塩のCOへの転化を促進するために加熱されてもよいが、有機化合物の酸化が起こるほどには高く加熱されない。
【0093】
次に、ガス制御サブアセンブリ/モジュール2からのキャリアガスのストリームは、反応器サブアセンブリ3内の液体およびガス生成物をガス/液体分離器サブアセンブリ/モジュール4まで搬送する。液体は、ガス/液体分離器モジュール4から分析計を出て、一方、COを含有するガス生成物は、NDIR検出器サブアセンブリ5まで流れる。ガス生成物中のCOが測定された後、ガス生成物とキャリアガスの混合物は、ガス/液体分離器モジュール4を通り、大気中に排出されうる。
【0094】
図2は、装置のいくつかの流体コンポーネントをより詳細に示す略図である。図2では、図1に示すサブアセンブリ1〜5は破線で示される。サンプルハンドリングサブアセンブリ1は、3方向弁7を通してチュービングのコイル8および低TOC希釈水を含む希釈水リザーバ9に接続されるシリンジ6を備える。図2に示す装置を使用する本発明の代表的な例が以下で述べられる。しかし、当然のことながら、サンプル、試薬、および希釈水をシステム内に導入する代替のシーケンスおよび方法は、本発明の範囲と一貫性を持って使用されうる。たとえば、図2に示す装置を使用すると、酸化剤および酸性試薬は、システム内にサンプルを導入する前に、コイル8からミキサ/スパージャ18などの装置の混合ロケーションまで移動して、これらの成分が混合ロケーションで混合される準備ができるまで、これらの成分間の分離を維持しうる。
【0095】
最初、シリンジは空であり、弁7およびコイル8は希釈水だけを含む。コイル8の容積は、シリンジ6の容積と少なくとも同程度であり、好ましくは、それより大きくなるようにデザインされ選択されるため、シリンジに入ることができる液体だけが、コイル8またはリザーバ9からの希釈水である。分析が始まると、弁10が開放し、弁11、弁12、および弁13が閉鎖する。シリンジ6はコイル8のシリンジ端から吸引される希釈水による充填を始動し、それにより、酸化剤試薬リザーバ14からの酸化剤試薬が、6方向流体要素17を通り、コイル8のサンプル/試薬端内に吸引される。シリンジ6は、必要とされる量の酸化剤をコイル8のサンプル/試薬端内に吸引すると、すぐに停止し、弁10が閉鎖する。弁11が開放し、シリンジ6がコイル8のシリンジ端からシリンジ6内にさらなる希釈水を吸引し、シリンジ6は、次に、酸リザーバ15からコイル8のサンプル/試薬端内に必要とされる量の酸を吸引し、酸はコイル8のサンプル/試薬端に既に存在する酸化剤試薬と部分的に混合される可能性がある。所望の量の酸がコイル8に入ると、シリンジ6はすぐに停止し、弁11が閉鎖し、弁12が開放されて、コイル8のシリンジ端からのさらなる希釈水がシリンジ6内に吸引されるにつれて、必要とされる量のサンプルが、コイル8のサンプル/試薬端内に吸引されることが可能になる。必要とされる量のサンプルがコイル内に入ると、シリンジ6は再び停止し、弁12が閉鎖する。コイル8は、現状、測定に必要とされる所望の量の酸化剤、酸、およびサンプル溶液を含む。コイル8は、コイル8内に吸引される酸化剤、酸、およびサンプルの量に対するコイル8の内部容積に応じて、また同様に、サンプルが分析の前に希釈を必要とするか否かに応じて、この時点で必要量の希釈水を含んでもよく、または、含まなくてもよい。
【0096】
上述した手順が終了するのにかなりの時間をとる場合、コイル8のサンプル/試薬端からの酸化剤試薬またはおそらくはさらに酸が、コイル8のシリンジ端で希釈水中に拡散する条件が存在することになり、シリンジの汚染をもたらしうることが理解される。しかし、実際には、コイル8を充填するいくつかの工程は、コイル8のサンプル/試薬端内に吸引される試薬が、コイル8のシリンジ端で希釈水中に拡散する条件が存在しないくらい十分短い時間で終了する。
【0097】
いくつかの場合には、サンプルの供給源は、特に本発明の分析計が生産工程のプロセスストリームを監視するのに使用されるときに、分析計から遠く離れている。こうした状況では、サンプルを分析計まで圧送する唯一の方法がシリンジポンプである場合、分析計は、リアルタイム測定値を提供することができない。したがって、本発明の好ましい実施形態では、装置はまた、サンプルの導入されたばかりの部分を6方向共用体17まで迅速に吸引しうるポンプ16を含む。導入されたばかりのサンプル部分は、要素17まで搬送されると、適切な時間にシリンジ6をさらに開放することによって、迅速にコイル8内に吸引されうる。
【0098】
測定方法の次の工程は弁13を開放することである。弁13が開放した状態で、シリンジ6を閉鎖する工程は、コイル8からミキサ/スパージャコンポーネント18などのシステム内の混合ロケーションまで液体を移動させることをもたらし、ミキサ/スパージャコンポーネント18で、試薬、サンプル、およびもしあれば希釈水が完全に混合される。サンプル中の粒子性材料は、溶液/懸濁液が実質的に均質であるように懸濁液中に維持される。
【0099】
1つの代替のまた時として好ましい実施形態では、酸および酸化剤が、最初にコイル8内に吸引され、その後、混合/スパージングチャンバ18に搬送される。サンプルおよび希釈水(もしあれば)は、その後、コイル8内に吸引され、混合/スパージングチャンバ18内に搬送され、混合/スパージングチャンバ18で、サンプル、酸、酸化剤、および希釈水が混合される。液体を混合/スパージングチャンバ18に2つの工程で搬送することは、サンプル中のICとコイル8中の酸性試薬との早期反応を防止する利点を有する。(サンプル中のICと酸との反応による)コイル8内でのガスの発生は、コイル8内に吸引されるサンプルの量を減少させ、測定の精度に悪い影響を及ぼす。
【0100】
ミキサ/スパージャ18は混合およびスパージングチャンバを含み、混合およびスパージングチャンバはまた、NPOCが測定される場合、ICを除去するために溶液/懸濁液を通してスパージング用のCOを含まないガスを提供するようにデザインされる。スパージングのために、ミキサ/スパージャ18のチャンバ要素が、試薬、サンプル、および希釈水(もしあれば)を含んだのち、弁19が開放されて、スパージガスが、ミキサ/スパージャ18のチャンバ要素を通して発泡することが可能になる。ガスは、COを含まないスパージガスとして、かつ/または、キャリアガスとして、かつ/または、パージガスとして使用するために十分に空気を浄化する吸収剤を通して周囲空気を吸引する、加圧されたガスシリンダ(図示せず)から、または、ポンプ(図示せず)から供給されうる。いずれの場合も、COを含まないガスはガス制御サブアセンブリモジュール2で使用するために調製される。サブアセンブリ2は、ガスの圧力を約20psigに調整する圧力調節デバイス20を含む。プロポーショニング弁21は、スパージガス流量センサ22によって弁19を流れるガスの流量を制御する。さらに、別の管分岐内のキャリアガス流量センサ23は、反応器サブアセンブリ3へのキャリアガスの流量を監視し制御するのに使用されうる。また、さらに別の管分岐内の制限器24は、NDIR検出器へのパージガスの小さな流量を供給するのに使用されうる。
【0101】
他の実施形態では、弁(図示せず)は、ミキサ/スパージャ18のチャンバ要素を出るガスを、ガス/液体分離器ユニット4を通り、その後NDIRサブアセンブリ5まで誘導するのに使用されうる。この配置構成は、スパージングプロセスの完全性が監視されることを可能にすることになる。そのため、NDIRへ進むスパージガス中のCOの濃度が非常に小さな(無視できる)値まで減少したことをNDIRが示すとき、スパージングは完全であると考えられる。
【0102】
ミキサ/スパージャ18のチャンバ要素内のスパージングおよび/または混合が完全であるとき、弁25が開放されて、チャンバ要素内の溶液/懸濁液のすべてまたは一部分がポンプ27によって反応器26の内部に吸引されることが可能になる。高圧反応器入口28および出口弁29は、それぞれ、この時点で開放される。弁30、31、32、および33は閉鎖する。反応器加熱器34はオフであり、反応器26はほぼ常温である。ポンプ27は、チャンバ18からの十分な液体が反応器26の内部を通過して、実質的に残っている以前のサンプルを洗い落とし、反応器26内部の反応器チューブを充填するまで作動する。この時点で、ポンプ27は停止し、弁25、28、および29が閉鎖する。
【0103】
反応器弁28および29は、これらの弁が閉鎖した後、弁ハウジングが洗い流されることを可能にするように本発明により特にデザインされている。洗い流し工程は、サンプル中のICの酸性化によって形成されたCOを含有する過剰なサンプルを除去する。このCOが弁から洗い流されなかった場合、その後の測定でエラーを生じることになる。反応器弁ハウジングを洗い流すために弁30および31が開放され、これらのハウジング内の残留液体およびガスが、その後、ポンプ27によって排出され、キャリアガスによって置換されうる。
【0104】
反応器26の反応器チューブがサンプルで充填され、反応器弁28および29が洗い流された後、弁31が閉鎖し、弁32が開放されて、キャリアガスが、サブアセンブリ3から弁32を流れ、ガス/液体分離器4を通過し、その後、NDIR検出器サブアセンブリ5まで流れることを可能にする。この時点でのキャリアガスの流れは、その後のCO測定の前に、NDIR検出器が定常ベースラインに達することを可能にするために必要である。インラインフィルタ37は、ガス/液体分離器4とNDIRユニットとの間に設けられて、反応器26から、かつ/または、ガス/液体分離器4からのエアロゾルが、NDIR検出器の光路39に入ることを防止してもよい。
【0105】
NPOCまたはTCを測定するために、反応器26の反応器チューブ内のサンプル部分に含まれる有機物が酸化されなければならない。この酸化は、温度センサ35を使用して温度を制御しながら、加熱器34によって反応器26の内部を加熱することによって起こるようにさせられうる。シールされた反応器は、たとえば、約150℃〜650℃の間(好ましくは約300℃〜400℃の間および1つの好ましい実施形態では約350℃〜390℃の間)の温度で加熱されうる。加熱期間は、約1〜30分の間、好ましくは約2分〜4分の間、1つの好ましい実施形態では約3分であってよい。この期間中に、有機物は反応器のサンプル部分内で酸化される。この期間の終わりに、加熱要素34は消され、ファンユニット36は、付けられて、反応器26に周囲空気を吹き流し、反応器26をほぼ室温まで冷却する。反応器26の質量が小さいため、反応器26は、通常、この冷却工程によって約90秒未満でほぼ常温まで冷却される。
【0106】
ICを測定するために、反応器26内部の液体は酸化されない。反応器は上述したように充填されるが、反応器26は重炭酸塩および炭酸塩からのCOの形成を促進するのに十分な温度まで(すなわち、通常、せいぜい約100℃まで)加熱されるだけである。その後の冷却工程は、この場合、短縮されるかまたは完全に省略されてもよい。さらに、酸化剤試薬はIC測定には必要とされず、そのため、反応器工程の前のサンプルの添加は、運用コストを低減し、分析をより速くするために省略されうる。
【0107】
反応器26の加熱および冷却が終了する(または、匹敵するIC反応器シーケンスが終了する)と、弁30および32が閉鎖され、弁28、29、31、および33が開放される。この装置構成は、キャリアガスが、反応器26の反応器チューブを流れ、ガス/液体分離器4を通り、NDIRサブアセンブリまで、NDIR光路39に沿って反応生成物を搬送することを可能にする。
【0108】
NDIRは、約4.26μm、たとえば、4.26±0.2μmの波長における、NDIR光路39に沿って流れるガス中のCOの吸収を測定する。反応器26から搬送されるCOがNDIRに入り、通過するとき、吸収測定はベースラインレベルで始まり、最大レベルまで上昇し通過し、その後、反応器26に関連する弁が開放される前に存在したベースラインレベルまで戻る。吸収ピークの高さ(または強度トラフの深さ)または吸収応答曲線の円錐形状面積は、反応器から出るガス生成物内に含有されるCOの量を確定するために較正され使用されうる。
【0109】
本発明のNDIR検出器は、図2および6に見られるように、3つのチャンバからなる。第1のチャンバ38はIR源を含む。NDIR光路39である中央チャンバは、反応器26からのキャリアガスおよびガス生成物(COを含む)が流れるチャンバである。第3のチャンバ40はIR検出器を含む。チャンバ38および40は、流量コントローラ24を含む管を通って供給されるCOを含まないガスによって洗い流されるため、空気中のCOは、NDIRによって行われる測定に影響を及ぼさない。NDIRは、さらに好ましくは、関連する温度センサ41、および、NDIRに対してすぐ近くに配置され、NDIRの外部の大気圧(NDIR内のCOの圧力と本質的に同じ)を監視する、関連する圧力センサ42を含む。温度センサ41および圧力センサ42によってそれぞれ行われる温度測定および圧力測定は、測定されるガスの温度および圧力の変動についてのNDIRの応答を補償するのに使用されうる。あるいは、センサ41および/または42は、測定が温度補償および/または圧力補償を必要としない場合、省略されてもよい。
【0110】
本発明の装置のいくつかの新規なコンポーネントのうちの1つは、ミキサ/スパージャ18である。図3により詳細に示すように、本発明の好ましいミキサ/スパージャは、液体入口/ガス出口セクション43、中央セクション44、および液体出口/ガス入口セクション45を含む。上部セクション43は、液体入口43aおよびスパージガス出口43bを含む。下部セクション45は、スパージガス用の入口ポート45bおよび液体用の出口45aを含む。中央セクション44は、環状ソレノイドコイル44bであって、環状ソレノイドコイル44bを通して一連の電流パルスを流すことによって作動される、環状ソレノイドコイル44bの内部に配置されるチャンバ要素44aを含む。こうした電流波形パルスによって、チャンバ44a内部に配置された磁気攪拌器46がチャンバ44a内部で上下に高速に移動する。好ましい実施形態では、磁気攪拌器46は、防食性外側層でコーティングされ、ソレノイドによって生成される波形パルスの影響下での上下動作によって、チャンバ44a内部のサンプル、試薬、およびもしあれば希釈水が、通常約60秒以下で、高速に混合される。
【0111】
ミキサ/スパージャ18の下部セクション45は、スパージガスがそこを通ってチャンバ44a内に誘導される多孔質ガス分散器47を含む。ガス分散器47の孔径は、約1μm〜0.125inch、たとえば好ましくは、約5〜50μm、好ましい実施形態では約18μmであってよい。分散器47を通してスパージガスを流すことによって生成される小さな気泡は、一般に約50〜約500cc/分の範囲のスパージガス流量において約10秒〜20分で、通常また好ましくは、約200cc/分のスパージガス流量において約1分以下で、チャンバ44a内の液体からのICの効率的な除去をもたらす。
【0112】
本発明の装置の新規なコンポーネントのうちの他のコンポーネントは、図2に示され、また図4でより詳細に示される、高圧反応器弁28および29である。これらの高圧反応器弁は、本発明の好ましい実施形態に含まれる。図4に見られるように、ポリマーまたは弾性のシール48が、可動性プランジャ要素49の前端またはセクションに取り付けられるかあるいは前端またはセクションを構成し、可動性プランジャ要素49は、モータ51が作動されると、ハウジング/弁体50内部で前後に移動するようにデザインされる。シール48の後部分は、ハウジング50の内部をシールする第1Oリング52および第2Oリング53をそれぞれ保持するようになっている。シール48の前端は、プランジャ要素49を前進することによって弁が閉鎖すると、反応器26の開口(すなわち、入口開口または出口開口)に嵌合し栓をする、サイズと形に作られる。反応器26は、たとえば、取付け具70(図4に見られる)を使用して弁ハウジング50に取り付けられてもよく、取付け具70は、溶液/懸濁液が反応器26の内部でシールされ、反応器26が加熱されると、反応器26内で生成される圧力において本質的に漏れが無いシールを提供する。
【0113】
シール48は、反応器26のシールされる開口から少なくとも第1Oリング52まで延在する、弁ハウジング50によって画定されるシールチャンバによって囲まれる。このチャンバは、図4に示すように、シールチャンバポート54および55を使用して、ガスによって連続してまたは定期的に洗い流されうる。(反応器弁28および29もまたそれぞれ、図4に示されない第3ポートを有する。サンプル溶液/懸濁液は、その第3ポートを通って弁および反応器26の内部に入るかまたは出る。)この装置構成は、サンプルが反応器26内で酸化される/処理される間に、弁ハウジング50内に存在する可能性がある任意のICまたは遊離COを除去することを可能にする。
【0114】
図5は、反応器26の両端に搭載された反応器弁28および29の略図である。好ましい実施形態では、反応器加熱要素34は、両端で開口する管状構造を有し、また、加熱器34の管状部分の内部に搭載される反応器26をもつ加熱器ハウジングの内部に配置される。好ましい実施形態では、加熱器34は、図5に示すように、加熱器34の管状部分上の電気絶縁性コーティング上に堆積された厚膜加熱要素を備える。加熱器34の管状部分は、ステンレス鋼、チタン、または他の適した材料で構成されてもよい。反応器26の2つの端は、加熱器34の管状部分の側壁内のスロット(図5には示さず)をそれぞれ通過する。好ましい実施形態では、反応器26はチタンで構成されたチューブである。しかし、ステンレス鋼、セラミック、および、本発明の酸化温度に関して十分に防食性がありかつ適合する他の材料も使用されうる。先に説明したように、反応器アセンブリは、好ましくは、加熱/酸化工程後に反応器を冷却するファンコンポーネントを含む。図5に見られるように、ファン36の出口(下流側)は、好ましくは、加熱器34の一方の開放端の近くに配置され、冷却工程中の冷却用空気の流れが加熱器ハウジングを通りかつ加熱器34の外部と内部の両方にわたって流れるように、また同様に、冷却工程中の加熱器34の管状部分の内部を通って流れる空気流が加熱器34の管状部分内に含まれる反応器26の部分にわたって流れるように調節される。
【0115】
本発明の特別なNDIR検出器サブアセンブリ5は、図6により詳細に示される。NDIRは、(図7のブロック図に示すように)光システムおよび関連するNDIR電子システムからなる。NDIR光システムは、3つの主要なセクション、すなわち、IR源室38、サンプルセル/NDIR光路39、およびIR検出器室40を有する。サンプルセル39の両端に配置されるコリメーティングレンズ58は、隣接するセクションを分離する。好ましい実施形態では、レンズ58はシリコンから成る。
【0116】
好ましい実施形態では、IR源56は薄膜加熱器である。IR源56は、IR源加熱器およびIR源温度センサに取り付けられるプレート59内に搭載されてもよい。関連するNDIR電子システムを使用して、プレート59およびIR源56は、1つの好ましい実施形態では、約65℃の温度に制御される。
【0117】
好ましい実施形態では、IR検出器60は、焦電性でタンタル酸リチウムセンサ要素である。4.26μmフィルタは、センサ要素の前のIR検出器内に搭載される。このフィルタは、COによって吸収される波長の赤外線放射を選択的に通す。そのため、IR検出器60は、COによって吸収されないで、光路39およびフィルタを通過するIR放射を測定する。
【0118】
IR検出器60は、IR検出器加熱器およびIR検出器温度センサに取り付けられたプレート61内に搭載されてもよい。好ましい実施形態では、IR検出器60は、関連するNDIR電子システムを使用して約55℃の温度に制御される。
【0119】
キャリアガスおよびCOを含む反応器26からのガス生成物は、NDIRの中央セクション39を通って流れる。別個の室に配置されたIR源56およびIR検出器60は、区画分離レンズ58によって、水蒸気および潜在的に腐食性のある酸化生成物から隔離される。チャンバ38および40もまたシールされ、周囲空気からのCOは、ガス制御サブアセンブリ2によって供給されるパージガスを流すことによって、これらのチャンバに入ることを、または少なくともこれらのチャンバ内に留まることを防止される。NDIRの中央セクション39は、ガス入口ポート62およびガス出口ポート63を有し、そこを通って、キャリアガスおよびCOを含む反応器からのガス生成物が流れる。図6に示すように、ガス入口ポート62はNDIRのIR検出器端の近くに配置され、一方、ガス出口ポート63は、NDIRのIR源端の近くに配置される。しかし、その逆の配置もまた実施される。
【0120】
好ましい発明の実施形態においてNDIRサブアセンブリを作動させる電子システムは、図7に概略的に示される。図7に見られるように、電子システムは、IR源、IR源加熱器、IR検出器、IR検出器加熱器、および他の電気コンポーネントに電力を供給するために選択される電子デバイスを含む。好ましい実施形態では、電子制御システムは、IR源への電力を55Hzの周波数で変調する。バンドパスフィルタおよびアナログ−デジタル変換器などの他のコンポーネントの作動のための他の周波数の信号が、当技術分野で知られているフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)から生成されてもよい。
【0121】
FPGAは、IR源の作動に適するデューティサイクルを有する、IR源用の55Hzクロックを発生するようになっており、また、そのように調整されうる。IR源ドライバは、ロジックレベルクロック信号を、IR源によって必要とされるパルス状電力に変換する。IR源は、55Hzで変調された赤外線を放出する。NDIRの中央セクション39内に存在する任意のCOによって減衰したこの光はIR検出器に達する。IR検出器は、受信する赤外光を、受信する赤外光に比例する55Hzの信号コンテンツを有する電気信号に再変換する。検出器バンドパスフィルタは、55Hz信号の高調波およびDCオフセット、低周波ノイズ、およびIR検出器によって生成される高周波ノイズを除去するように選択されるかまたは除去するようになっている。スイッチトキャパシタフィルタなどの同期回路は、検出器バンドパスフィルタ内で使用され、クロックは55Hzの倍数でFPGAによって供給される。アナログ−デジタル変換器は、同様に55Hzの整数倍でFPGAによって供給されるクロックを使用して、検出器バンドパスフィルタからの波形をサンプリングする。たとえば、5500Hzのクロックは、IR検出器波形の1サイクル当たり100の波形サンプルを提供する。FPGAおよびマイクロプロセッサは、55Hzの変調周波数を中心として、デジタル化されたIR検出器信号のさらなるバンドパスフィルタリングを実施して、検出器ノイズおよび50Hzまたは60HzのAC電源からのノイズが除去される。デジタルバンドパスフィルタの出力における55Hz信号の振幅がその後測定される。IR検出器の応答は、必要に応じて、温度、圧力、および流量について調整され、CO濃度は、上述したように計算される。本明細書で示される説明に基づいて、上述した処理工程は本発明による装置を使用して当業者によって容易に実施されうる。
【0122】
図8は、炭素測定シーケンス中のNDIRの代表的な応答曲線を示す。出力は機器カウントであり、機器カウントはIR検出器60で検出するIR放射の量に比例する。セクション39内にCOが存在しないとき、応答は最大レベルかまたはベースラインレベルにある。COがセクション39に入るとすぐ、応答は、セクション39内のCOの量が最大に達するとき(最大吸収)に相当する最小値(トラフ)に達するまで減少する。COがセクション39から流れ去ると、応答は元のベースラインレベルまで戻る。
【0123】
試験される水性サンプル内の炭素濃度を計算するために応答ピーク(トラフ)が使用されうる2つの方法が存在する。応答曲線は数学的に積分され、得られる応答曲線の円錐形状の面積は1つのタイプの数学的較正相関によって炭素濃度に関連付けられうる。あるいは、ピークの高さ(トラフの深さ)が測定され、別のタイプの数学的較正相関によって炭素濃度に関連付けられうる。これらの数学的較正相関は、既知の濃度のIC、OCおよび/またはTCを含有するサンプルに対して試験を実施することによって、本発明による特定の機器に展開されうる。計算をピーク高さの測定に基づかせることはガス流量の変化によって比較的影響を受けないという利点を有し、そのため、本発明の好ましい実施形態で使用される技法である。
【0124】
本発明は、例証のために、本発明の好ましい実施形態を参照して詳細に述べられた。本発明の説明に特定の用語が使用されるが、特定の用語は、限定する目的のためでなく包括的かつ説明的な意味でのみ使用されており、またそのように解釈されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載の本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態並びに詳細の、種々な変更、置換、および修正が行われてもよいことが、当業者に理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析機器であって、液体サンプル入口と、既知の量の液体サンプルを機器内に吸引し、液体およびガスを機器のコンポーネントまでまたコンポーネントを通して輸送する流体輸送システムと、サンプルを導入するかまたは反応生成物を放出するために開放されること、あるいは、反応生成物を生成するように反応器内部でサンプルを熱処理するためにシールされることを交互に行いうる反応器と、反応器加熱サイクル中に電源を入れられ、反応器冷却サイクル中に電源を切られうる反応器加熱ユニットと、反応器冷却サイクル中に電源を入れられ、反応器加熱サイクル中に電源を切られうる反応器冷却ユニットと、前記流体輸送システムに連通するガスの供給源およびガス流量制御システムと、前記反応生成物の化学成分を測定する化学検出器と、を組み合わせて備える分析機器。
【請求項2】
前記流体輸送システムに連通する流体圧送システムをさらに備える、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
酸性試薬入口、酸化剤試薬入口、および希釈水入口から選択される1つ以上のさらなる入口をさらに備える、請求項1に記載の機器。
【請求項4】
前記反応器の上流に混合/スパージングチャンバをさらに備え、液体サンプルおよび1つ以上の他の液体が、混合されるか、または、混合され同時にスパージガスによってスパージングされうる請求項1に記載の機器。
【請求項5】
前記化学検出器は、前記反応器の下流に、炭素、窒素、または硫黄酸化生成物用の検出器を備える、請求項1に記載の機器。
【請求項6】
前記化学検出器は、前記反応器の下流に非分散型赤外線(NDIR)検出器を備える、請求項1に記載の機器。
【請求項7】
前記NDIR検出器は、測定される前記化学成分によって吸収されるIR放射の波長に固有の光フィルタを含む、請求項6に記載の機器。
【請求項8】
前記光フィルタは、炭素酸化生成物に固有である、請求項7に記載の機器。
【請求項9】
前記光フィルタは、COに固有である、請求項7に記載の機器。
【請求項10】
前記反応器産物から液体を除去するために、前記反応器と前記NDIR検出器との間にガス/液体分離器をさらに備える、請求項6に記載の機器。
【請求項11】
ノイズ排除/フィルタリングおよび信号振幅測定に有効なAC信号処理要素をさらに備える、請求項1に記載の機器。
【請求項12】
電子/コンピュータ自動化制御システムをさらに備える、請求項1に記載の機器。
【請求項13】
分析機器であって、複数の弁、およびチュービングのコイルと低TOC希釈水を含むリザーバとの両方に3方弁を通して接続されるシリンジを備えるサンプルハンドリングユニットであって、前記コイルの容積が前記シリンジの容積と少なくとも同じ程度の大きさである、サンプルハンドリングユニットと、サンプル源からサンプルを吸引し、サンプルを管接続部によって流体相互接続要素に送るのに有効なポンプコンポーネントと、前記チュービングのコイルに接続される混合/スパージングチャンバであって、チャンバ内の溶液/懸濁液を通してCOを含まないガスでスパージングするためのスパージング要素を含む混合/スパージングチャンバと、前記スパージング要素に接続されるCOを含まない圧縮ガスの供給源、ならびにこうしたガスの流量および圧力を制御するガス制御モジュールと、混合/スパージングチャンバからシール可能な反応器に、溶液/懸濁液の少なくとも一部分を搬送するポンプコンポーネントおよび関連する管と、前記反応器に関連する加熱器およびファンと、前記反応器に接続されるキャリアガスの供給源と、前記反応生成物を、ガス/液体分離器、インラインフィルタを通り、その後CO検出器まで連続して搬送する、前記反応器の管下流と、電気接続部、ならびに、所定のシーケンスおよび/またはタイミングに従って、または、種々のシステムモニタから受信されるフィードバックに従って流体弁および他のシステム制御要素を作動させるようになっている運用ソフトウェアを備える、関連する自動化制御システムと、を備える分析機器。
【請求項14】
前記混合/スパージングチャンバから出るスパージガスを、前記ガス/液体分離器を通して前記CO検出器まで搬送する弁および管をさらに備える、請求項13に記載の機器。
【請求項15】
以下の連続した工程を含む分析方法であって、連続した工程は、既知の量のサンプルを分析システムのサンプルハンドリング部分内に吸引する工程と、適した量の1つ以上の化学試薬を前記既知の量のサンプルに添加する工程と、実質的に均質な溶液または懸濁液を形成するために、前記サンプルおよび化学試薬を混合する工程と、前記均質な溶液/懸濁液の一部分を反応器に搬送する工程と、前記反応器をシールする工程と、反応生成物を形成するために、シールされた反応器内で前記溶液/懸濁液を処理する工程と、前記反応器および前記反応生成物をほぼ常温にする工程と、前記反応器を開放し、キャリアガスのストリームを使用して、前記反応器からガス/液体分離器まで前記液体およびガス状反応生成物を搬送する工程と、前記液体反応生成物を前記ガス状反応生成物から分離する工程と、前記ガス/液体分離器から化学検出器まで前記ガス状反応生成物を流す工程と、前記検出器を使用して前記ガス状反応生成物中の化学成分を測定する工程である方法。
【請求項16】
前記化学試薬は、酸および酸化剤から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記サンプルおよび化学試薬に希釈水を添加する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記サンプルおよび化学試薬を混合する工程は、前記溶液/懸濁液をスパージガスで同時にスパージングすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記混合/スパージング工程からの前記スパージガスを分析用の前記化学検出器に流すことによって、前記スパージング工程の進行を監視する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記溶液/懸濁液は、有機物質を含み、前記有機物質を酸化するために、実質的に前記反応器工程において前記反応器内で約150〜650℃の温度に加熱される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記溶液/懸濁液は、前記反応器工程において超臨界流体温度/圧力条件まで加熱される、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記溶液/懸濁液は、前記反応器工程において約100℃以下の温度に加熱される、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記化学検出器は、炭素、窒素、および硫黄酸化生成物から選択される材料に固有である、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記化学検出器は、CO検出器である、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記化学検出器は、非分散型赤外線(NDIR)検出器である、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記NDIR検出器は、測定される化学成分によって吸収されるIR放射の波長に固有の光フィルタを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記光フィルタは、COに固有である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
AC信号処理要素は、ノイズ排除/フィルタリングおよび信号振幅測定に使用される、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記分析は、電子/コンピュータ自動化制御システムによって自動化される、請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記ガス状反応生成物に対する前記化学検出器の応答を前記化学成分の濃度に相関する数式を使用して、前記サンプル中の化学成分の濃度を確定する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項31】
有機物質を含有する水性サンプルを処理する装置であって、
(a)反応器入口および出口ポートならびに常温および常圧を超える条件下で水性サンプルを含むための反応器内部を有する反応器と、
(b)前記反応器入口および出口ポートの高圧流体反応器弁部材であって、開放弁モードにあるときにそれぞれ前記反応器内部内へ入るまたは前記反応器内部から出る流体の流れを可能にし、あるいは、閉鎖した弁モードにあるときに前記反応器内部をシールする、高圧流体反応器弁部材と、
(c)常温を超える条件に前記反応器内部を急速にかつ周期的に加熱するようになっている反応器加熱システムであって、水性サンプルは前記反応器内部でシールされる、反応器加熱システムと、
(d)加熱サイクルを経て、前記反応器内部および前記反応器内部でシールされた水性サンプルを急速にかつ周期的に冷却するようになっている反応器冷却システムと、を備える装置。
【請求項32】
前記反応器加熱システムは、前記反応器内部および前記反応器内部でシールされた水性サンプルを約150〜650℃に加熱することができ、一方、前記反応器内部および前記反応器弁部材は、前記サンプルをシールされた状態下で維持する、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記反応器加熱システムは、前記反応器内部および前記反応器内部でシールされた水性サンプルを、前記反応器内部で超臨界流体状態を生成するのに十分に高い温度および圧力まで加熱することができ、一方、前記反応器内部および前記反応器弁部材は、前記サンプルをシールされた状態下で維持する、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記反応器弁部材はそれぞれ、主流体入口および主流体出口を有する弁ハウジング、前記弁ハウジング内部の可動性弁プランジャ要素を備え、前記弁プランジャ要素の前部分は、前記弁プランジャ要素が前進した位置にあるとき、前記主流体出口に嵌合し栓をし、前記弁プランジャ要素が後退した位置にあるとき、前記主流体出口をシール解除するサイズと形に作られたセクションを有するポリマーまたは弾性プランジャシール部材を備える、請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記弁部材は、前記弁プランジャ要素の前進と後退を交互に行うモータをさらに備える、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記弁ハウジングは、パージガス入口およびパージガス出口をさらに備え、それにより、パージガスは、前記弁プランジャ要素が前記主流体出口をシールしている間に、前記弁ハウジングの内部を流れることができる、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記反応器加熱システムは中空管状加熱要素を備え、前記反応器は前記加熱要素の中空内部にある、請求項31に記載の装置。
【請求項38】
前記反応器冷却システムは、前記反応器に近接して配置され、かつ、周囲空気を前記反応器の外部に沿って吹くように配向されたファンを備える、請求項31に記載の装置。
【請求項39】
前記管状加熱要素は、両端が開放され、さらに、前記反応器冷却システムは、前記加熱要素の一方の開放端に近接して配置され、かつ、周囲空気を、前記加熱要素の前記中空内部を通りかつ前記反応器の外部に沿って吹き流すように配向されたファンを備える、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
粒子性物質を含有する水性サンプルを1つ以上の他の液体成分と混合する装置であって、
(a)シールされた管状混合容器であって、サンプル入口およびスパージガス出口を含む、第1容器端の液体入口/ガス出口セクションと、スパージガス入口およびサンプル出口を含む、第2容器端の液体出口/ガス入口セクションと、前記液体入口/ガス出口セクションと前記液体出口/ガス入口セクションとの間の流体混合領域とを有する、シールされた管状混合容器と、
(b)前記流体混合領域内部の磁気作動可能な攪拌器要素と、
(c)前記流体混合領域の少なくとも一部分を囲む環状ソレノイドコイルであって、前記流体混合領域内部で前記攪拌器要素を移動させるように、一連の電流パルスによって作動可能である、環状ソレノイドコイルと、
(d)前記スパージガス入口と前記流体混合領域との間に配置される多孔質ガス分散器と、を備える装置。
【請求項41】
前記攪拌器要素は、防食性外側層でコーティングされる、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記ガス分散器はガス孔を有し、孔サイズは約1μm〜約0.125インチの範囲にある、請求項40に記載の装置。
【請求項43】
前記攪拌器要素は、スパージガスが前記流体混合領域に供給されているかどうかに無関係に作動される、請求項40に記載の装置。
【請求項44】
パージ可能な流体シール弁装置であって、
(a)主流体入口および主流体出口を有する弁ハウジングと、
(b)弁ハウジング内部の可動性プランジャ要素であって、弁プランジャ要素の前部分は、弁プランジャ要素が前進した位置にあるとき、前記主流体出口上にシールし栓をし、弁プランジャ要素が後退した位置にあるとき、前記主流体出口をシール解除するサイズと形に作られたプランジャシール部材を備える、可動性弁プランジャ要素とを備え、
(c)弁ハウジングは、弁パージガス入口および弁パージガス出口をさらに備え、それにより、パージガスは、前記弁プランジャ要素が前記主流体出口をシールしている間に、弁ハウジングの内部を流れることができる流体シール弁装置。
【請求項45】
前記プランジャシール部材は、ポリマーまたは弾性部材を含む、請求項44に記載の流体シール弁装置。
【請求項46】
前記弁プランジャ要素の外部壁は、1つ以上のOリングシールをシールさせるようになっている、請求項44に記載の流体シール弁装置。
【請求項47】
パージガスの供給源から前記弁パージガス入口までの管接続部をさらに備える、請求項44に記載の流体シール弁装置。
【請求項48】
前記弁プランジャ要素の前進と後退を交互に行うモータをさらに備える、請求項44に記載の流体シール弁装置。
【請求項49】
パージ可能な非分散型赤外線(NDIR)検出器装置であって、
(a)IR源チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線放射源を含むIR源チャンバと、
(b)IR検出器チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線検出器を含むIR検出器チャンバと、
(c)前記IR源チャンバと前記IR検出器チャンバとの間の、光路チャンバであって、光路チャンバの第1端に光チャンバガス入口ポートを、また、光路チャンバの第2端に光チャンバガス出口ポートを有する、光路チャンバと、を備えるNDIR装置。
【請求項50】
前記IR源チャンバを前記光路チャンバから隔離する第1区画分離レンズおよび前記IR検出器チャンバを前記光路チャンバから隔離する第2区画分離レンズをさらに備える、請求項49に記載のNDIR装置。
【請求項51】
前記検出器の検知要素の前で前記赤外線検出器に搭載された光フィルタをさらに備える、請求項49に記載のNDIR装置。
【請求項52】
前記光フィルタは4.26μm±0.2μmフィルタである、請求項51に記載のNDIR装置。
【請求項53】
前記装置の作動を自動化する電子制御システムをさらに備え、電子制御システムは、
(a)変調周波数で前記IR源を作動させるドライバと、
(b)変調周波数の前記赤外線検出器信号コンテンツを通過させるバンドパスフィルタと、
(c)各変調サイクル中に、多数回、前記バンドパスフィルタの出力をサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、
(d)前記アナログ−デジタル変換器からのサンプルをさらにバンドパスフィルタリングし、得られるAC信号の振幅を計算するデジタル信号処理要素と、を備える請求項49に記載のNDIR装置。
【請求項54】
前記装置の作動を自動化する電子制御システムをさらに備える、請求項49に記載のNDIR装置。
【請求項55】
パージガスの供給源から前記IR源チャンバパージガス入口および前記IR検出器チャンバパージガス入口までの管接続部をさらに備える、請求項49に記載のNDIR装置。
【請求項56】
前記IR源は、変調式薄膜IR放射器を備える、請求項49に記載のNDIR装置。
【請求項57】
前記IR検出器は、タンタル酸リチウム焦電センサ要素を備える、請求項49に記載のNDIR装置。
【請求項58】
サンプル/試薬ハンドリング装置であって、
(a)少なくとも不純物を含有する水溶液/懸濁液、希釈水、酸化試薬、および酸から選択される1つ以上の液体の別個の供給源と、
(b)水溶液/懸濁液の供給源、酸化試薬の供給源、および酸の供給源とある長さの保持チュービングの第1端との間の管路接続部ならびに希釈水源と前記チュービングの第2端との間の希釈水管接続部と、
(c)前記希釈水管接続部に流体連結する較正されたシリンジであって、前記チュービングの内部容積以下の内部容積を有する、較正されたシリンジと、
(d)前記チュービングの第1端と混合デバイスとの間の管接続部と、
(e)前記管接続部のそれぞれに沿う流体弁であって、それにより、前記シリンジが使用されて、前記チュービングの前記第2端から前記シリンジ内に希釈水を吸引し、それに続いて、前記シリンジ内の前記希釈水を前記チュービングの前記第2端に戻るように放出することによって、測定された量の酸化剤、酸、および水溶液/懸濁液を別々に前記チュービングの前記第1端内に吸引して、前記チュービングの前記第1端内に保持される液体を前記混合デバイスに搬送する、流体弁とを備える、サンプル/試薬ハンドリング装置。
【請求項59】
前記水溶液/懸濁液源、酸化試薬源、および酸源と前記チュービングの前記第1端との間の管接続部に沿って配置される多方向流体ハブをさらに備える、請求項58に記載のサンプル/試薬ハンドリング装置。
【請求項60】
前記混合デバイスは混合チャンバを備え、混合チャンバにおいて、前記チュービングの前記第1端から搬送された液体が、混合されるか、スパージガスによってスパージングされるか、あるいは、同時に混合されスパージングされうる、請求項58に記載のサンプル/試薬ハンドリング装置。
【請求項61】
混合デバイスは、
(a)シールされた管状混合容器であって、サンプル/試薬入口およびスパージガス出口を含む、第1容器端の液体入口/ガス出口セクションと、スパージガス入口およびサンプル混合物出口を含む、第2容器端の液体出口/ガス入口セクションと、前記液体入口/ガス出口セクションと前記液体出口/ガス入口セクションとの間の流体混合領域とを有する、シールされた管状混合容器と、
(b)前記流体混合領域内部の磁気作動可能な攪拌器要素と、
(c)前記流体混合領域の少なくとも一部分を囲む環状ソレノイドコイルであって、前記流体混合領域内部で前記攪拌器要素を移動させるように、一連の電流パルスによって作動可能である、環状ソレノイドコイルと、
(d)前記スパージガス入口と前記流体混合領域との間に配置される多孔質ガス分散器と、を備える請求項60に記載のサンプル/試薬ハンドリング装置。
【請求項62】
非水系成分の測定用のサンプルを調製するために、非水性系成分を含有する水性サンプルを処理する液体処理装置であって、反応器装置と組み合わせた、請求項61のサンプル/試薬ハンドリング装置を備え、反応器装置は、
(a)反応器入口および出口ポートならびに常温および常圧を超える条件下で水性サンプルを含むための反応器内部を有する反応器と、
(b)前記反応器入口および出口ポートの高圧流体反応器弁部材であって、開放した弁モードにあるときにそれぞれ前記反応器内部内へ入るまたは前記反応器内部から出る流体の流れを可能にし、あるいは閉鎖した弁モードにあるときに前記反応器内部をシールする、高圧流体反応器弁部材と、
(c)常温を超える条件に前記反応器内部を急速にかつ周期的に加熱するようになっている反応器加熱システムであって、水性サンプルは前記反応器内部でシールされる、反応器加熱システムと、
(d)加熱サイクルを経て、前記反応器内部および前記反応器内部でシールされた水性サンプルを急速にかつ周期的に冷却するようになっている反応器冷却システムと、
(e)前記混合デバイスの前記サンプル混合物出口と前記反応器入口ポートの前記流体反応器弁部材との間の混合デバイス/反応器管接続部と、を備える液体処理装置。
【請求項63】
水性サンプルの非水系成分を測定する分析装置であって、前記非水系成分の少なくとも一部分は有機物質の形態で存在してもよく、非分散型赤外線(NDIR)検出器装置と組み合わせた、請求項62の液体処理装置を備え、NDIR検出器装置は、
(a)IR源チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線放射源を含むIR源チャンバと、
(b)IR検出器チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線検出器を含むIR検出器チャンバと、
(c)IR源チャンバとIR検出器チャンバとの間の、光路チャンバであって、光路チャンバの第1端に光チャンバガス入口ポートを、また、光路チャンバの第2端に光チャンバガス出口ポートを有する、光路チャンバと、
(d)前記反応器出口ポートの前記流体反応器弁部材と前記NDIR検出器の前記光チャンバガス入口ポートとの間の反応器/NDIR管接続部と、を備える分析装置。
【請求項64】
前記NDIRに達する前に、前記反応器の生成物の液体成分を除去するために、前記反応器/NDIR管接続部に沿ってガス/液体分離器をさらに備える、請求項63に記載の分析装置。
【請求項65】
反応器ガス生成物を前記反応器/NDIR管路に沿って前記NDIRまで搬送するために、COを含まないキャリアガスを前記反応器に供給するガス供給システムをさらに備える、請求項63に記載の分析装置。
【請求項66】
前記流体反応器弁部材はそれぞれ、
(a)主流体入口および主流体出口を有する弁ハウジングと、
(b)前記弁ハウジング内部の可動性プランジャ要素であって、弁プランジャ要素の前部分は、弁プランジャ要素が前進した位置にあるとき、前記主流体出口上にシールし栓をし、弁プランジャ要素が後退した位置にあるとき、前記主流体出口をシール解除するサイズと形に作られたプランジャシール部材を備える、可動性弁プランジャ要素とを備え、
(c)弁ハウジングは、弁パージガス入口および弁パージガス出口をさらに備え、それにより、パージガスは、前記弁プランジャ要素が前記主流体出口をシールしている間に、弁ハウジングの内部を流れることができ、さらに、前記ガス供給システムから前記弁パージガス入口まで管接続部が存在する、請求項65に記載の分析装置。
【請求項67】
前記ガス供給システムと前記IR源チャンバパージガス入口および前記IR検出器チャンバパージガス入口との間に管路接続部が存在する、請求項66に記載の分析装置。
【請求項68】
有機物質を含有する水性サンプルを処理する方法であって、
(a)サンプル混合物を形成するために、既知の量の水性サンプルを、酸化剤、酸、および希釈水から選択される1つ以上の他の液体と混合する工程と、
(b)前記サンプル混合物の少なくとも一部分を、実質的に周囲条件にある反応容器内に流す工程であって、前記反応容器は、反応器入口および出口ポートにおいて、交互にかつ繰返し開放しシールするようになっている、流す工程と、
(c)前記サンプル混合物の一部分を前記反応容器の内部でシールする工程と、
(d)前記反応容器の内部および内部の前記サンプル混合物部分を、周囲条件を実質的に超える温度および圧力まで、かつ、実質的に有機物質を酸化し反応生成物を形成するのに十分な時間の間、急速に加熱する工程と、
(e)前記加熱工程を停止し、その後、冷却した液体およびガス状反応生成物を形成するために、前記反応容器の内部および内部の前記反応生成物を実質的に周囲条件まで急速に冷却する工程と、
(f)前記反応容器を開放し、前記反応器内部から前記冷却した液体およびガス状反応生成物を除去する工程と、を含む方法。
【請求項69】
反応器内部は、工程(d)で、約150〜650℃との間の温度に加熱される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記反応器内部は、工程(d)で、超臨界流体状態を生成するのに十分に高い温度および圧力まで加熱される、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記反応器内部は、工程(d)で、約100℃以下の温度に加熱される、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記反応容器は、加熱工程(d)を実施するために電源が入れられる管状加熱要素の中空内部に配置される、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記加熱工程(d)は、約30分以内で終了する、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記加熱工程(d)は、約4分以内で終了する、請求項68に記載の方法。
【請求項75】
前記反応容器は、前記反応容器の外部にわたって周囲空気を吹き流すことによる冷却工程(e)で冷却される、請求項68に記載の方法。
【請求項76】
前記反応容器は、工程(c)で、前記反応器入口および出口ポートにおいてパージ可能な高圧反応器弁を閉鎖することによりシールされ、前記方法は、前記反応容器がシールされている間に、前記反応器弁のそれぞれの内部を通してCOを含まないパージガスを流す工程をさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項77】
工程(f)の一部として、前記反応容器の内部を通してCOを含まないキャリアガスを流す工程をさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項78】
実質的に均質で、また任意選択で、ガスを含まない液体混合物を形成するために、粒子性物質を含有する水性サンプルおよび1つ以上の他の液体コンポーネントの組合せを処理する方法であって、
(a)粒子性物質を含有する水性サンプルおよび他の液体コンポーネントを、液体入口および出口、ガス入口および出口を有し、磁気作動式の攪拌部材を含む混合チャンバ内に導入する工程と、
(b)前記混合チャンバ内部で移動させる、前記液体内容物を攪拌し、サンプル混合物を形成するために前記攪拌部材を作動させる工程と、
(c)前記サンプル混合物からのガスの除去が望まれる場合、前記攪拌部材の作動と同時に、混合チャンバの低い部分に実質的にCOを含まないスパージガスを導入する工程とを含む方法。
【請求項79】
他の液体コンポーネントは、酸化剤、酸、および希釈水から選択される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記攪拌部材は、前記混合チャンバを囲む環状に配設されたソレノイドコイルを通して一連の電流パルスを流すことによって作動される、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記スパージガスは、多孔質ガス分散器を通して前記混合チャンバ内に導入される、請求項78に記載の方法。
【請求項82】
前記多孔質ガス分散器は、約1μm〜約0.125インチの孔径を有する孔を有する、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
工程(c)は、約50〜500cc/分のスパージガス流量で約10秒〜20分の期間実施される、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
流体ストリームの化学成分を測定する方法であって、
(a)非分散型赤外線(NDIR)検出器装置を設ける工程であって、NDIR検出器装置は、
(i)IR源チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線放射源を含むシールされたIR源チャンバと、
(ii)IR検出器チャンバパージガス入口およびパージガス出口を備え、赤外線検出器を含むシールされたIR検出器チャンバと、
(iii)IR源チャンバとIR検出器チャンバとの間の、シールされた光路チャンバであって、光路チャンバの第1端に光チャンバ流体入口ポートを、また、光路チャンバの第2端に光チャンバ流体出口ポートを有する、シールされた光路チャンバとを備える、設ける工程と、
(b)IR放射が前記光チャンバを通して誘導される間に、化学成分を含有する流体ストリームを、前記入口ポートから中に入り、前記光チャンバを通って、前記出口ポートから出るように流す工程と、
(c)工程(b)全体を通して、測定される化学成分が実質的に無いパージガスを、前記IR源チャンバおよび前記IR検出器チャンバを通して流す工程と、
(d)前記光チャンバを通して誘導される前記IR放射の強度を変調させる工程と、
(e)前記光チャンバを通した前記流体ストリームの通過に対する化学検出器の検出応答に基づいて、数学的相関式を使用して前記化学成分の濃度を計算する工程とを含む方法。
【請求項85】
前記NDIRは、前記化学成分によって吸収される波長以外の波長のIR放射をフィルタリングする光フィルタを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記化学成分はCOであり、前記光フィルタは4.26μm±0.2μmの光フィルタである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
工程(e)は、前記流体ストリーム内の前記化学成分が前記光チャンバを通って流れることによって前記IR放射のピーク吸収を確定すること、または、前記光チャンバを通して前記流体ストリームを流すことによって生成される完全な応答曲線の面積を確定することに基づく、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
電子/コンピュータ制御システムによって前記NDIR検出および測定シーケンスを自動化する工程をさらに含み、電子/コンピュータ制御システムは、
(a)変調周波数で前記IR源を作動させるドライバと、
(b)DCオフセット、ノイズ、および変調周波数の高調波を排除しながら、変調周波数の前記赤外線検出器信号コンテンツを通過させるバンドパスフィルタと、
(c)各変調サイクル中に、多数回、バンドパスフィルタの出力をサンプリングするアナログ−デジタル変換器と、
(d)変調周波数の前記信号を通過させながら、ノイズを排除するためにアナログ−デジタル変換器からの前記サンプルをさらにバンドパスフィルタリングし、得られるAC信号の振幅を計算するデジタル信号処理要素とを備える、請求項84に記載の方法。
【請求項89】
電子/コンピュータ制御システムによって前記NDIR検出および測定シーケンスを自動化する工程をさらに含む、請求項84に記載の方法。
【請求項90】
測定された量の水性サンプルおよび1つ以上の他の液体を、1回測定シリンジを使用して、サンプルまたは他の液体でシリンジを汚染することなく分析機器内に導入する方法であって、
(a)サンプル/試薬ハンドリングシステムを設ける工程であって、サンプル/試薬ハンドリングシステムは、
(i)水溶液/懸濁液、希釈水、1つ以上の試薬から選択される1つ以上の液体の別個の供給源と、
(ii)前記水溶液/懸濁液の供給源および前記試薬の供給源とある長さの保持チュービングの第1端との間の管接続部ならびに前記希釈水源と前記チュービングの第2端との間の希釈水管接続部と、
(iii)前記希釈水管接続部に流体連結する較正されたシリンジであって、前記チュービングの内部容積以下の内部容積を有する、較正されたシリンジと、
(iv)前記管接続部のそれぞれに沿う流体弁とを備える、設ける工程と、
(b)前記保持チュービングを前記希釈水で充填する工程と、
(c)前記適切な流体弁を開放および/または閉鎖し、その後、前記シリンジを開放することによって、前記チュービングの前記第1端内に、前記水性サンプルまたは他の液体のうちの測定された第1の量の第1の液体を吸引する工程であって、それにより、測定された第1の量の希釈水を、前記チュービングの前記第2端からシリンジ内に吸引する、吸引する工程と、
(d)前記適切な流体弁を開放および/または閉鎖し、その後さらに、前記シリンジを開放することによって、前記チュービングの前記第1端内に、前記水性サンプルまたは他の液体のうちの測定された第2の量の第2の液体を吸引する工程であって、それにより、測定された第2の量の希釈水を前記チュービングの前記第2端から前記シリンジ内に吸引する、吸引する工程と、
(e)前記適切な流体弁を開放および/または閉鎖し、その後、前記シリンジを閉鎖することによって、前記液体の測定された第1の量の第1の液体および前記液体のうちの測定された第2の量の第2の液体を混合ロケーションまで搬送する工程であって、それにより、前記シリンジ内の希釈液のすべてを前記チュービングの前記第2端内に戻るように完全に放出し、それにより、前記チュービングの前記第1端内の液体を前記チュービングの外に押しやる、搬送する工程と、を含む方法。
【請求項91】
前記適切な流体弁を開放および/または閉鎖し、その後さらに、前記シリンジを開放することによって、前記チュービングの前記第1端内に、前記水性サンプルまたは他の液体のうちの測定された第3の量の第3の液体を吸引するという、工程(d)と(e)との間の工程であって、それにより、測定された第3の量の希釈水を前記チュービングの前記第2端から前記シリンジ内に吸引する、工程(d)と(e)との間の工程をさらに含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記保持チュービングは小さな空間を占めるように巻かれる、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
さらに、前記サンプル/試薬ハンドリングシステムは、前記液体源と前記チュービングの前記第1端との間の前記管接続部に沿って配置される多方向流体ハブを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
分析方法であって、
(a)請求項90に記載の方法に従って、分析装置内に、測定された量の水性サンプルおよび1つ以上の他の液体を導入する工程と、
(b)測定された量の液体を、前記保持チュービングの前記第1端から混合ロケーションまで搬送する工程であって、この混合ロケーションにおいて、前記液体は完全に混合され、また任意選択で、サンプル混合物を形成するためにスパージングされうる、搬送する工程と、
(c)前記サンプル混合物の少なくとも一部分をシール可能な反応容器まで流し、前記サンプル混合物を、
(i)前記反応容器の内部で前記サンプル混合物の一部分をシールする工程、
(ii)前記反応容器の内部および内部の前記サンプル混合物部分を、周囲条件を実質的に超える温度および圧力まで、かつ、実質的に有機物質を酸化し反応生成物を形成するのに十分な時間の間、急速に加熱する工程、
(iii)前記加熱工程を停止し、その後、冷却した液体およびガス状反応生成物を形成するために、前記反応容器の内部および内部の前記反応生成物を実質的に周囲条件まで急速に冷却する工程、および、
(iv)前記反応容器を開放し、前記冷却した液体およびガス状反応生成物を前記反応器内部から除去する工程
によって処理する工程と、
(d)少なくとも前記ガス状反応生成物を化学検出器まで搬送し、前記検出器を使用して前記ガス状反応生成物の化学成分を測定する工程と、を含む方法。
【請求項95】
ガス/液体分離器内で前記反応生成物を処理するステップであって、それにより、前記ガス状反応生成物を前記化学検出器に送出する前に前記液体反応生成物を除去する、処理するステップをさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
さらに、前記化学検出器は、非分散型赤外線(NDIR)検出器である、請求項94に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−538297(P2010−538297A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524000(P2010−524000)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/010265
【国際公開番号】WO2009/032205
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(508102244)ジーイー アナリティカル インスツルメンツ, インク. (2)
【Fターム(参考)】