説明

高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置

【課題】本発明は、加工用レーザ光源を用いて微小ワークの形状、位置、姿勢、およびレーザとの相対位置を計測できるようにすることにより、画期的かつ独自性の高い高精度レーザ加工装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の高精度レーザ加工装置は、計測用レーザ光を用いてワークの初期位置、および、ワーク保持手段によりワークを所定角度回転させたときの回転位置を計測して、制御手段によりワークの3次元位置を把握し、ワークの加工照射点を求めることによりワークの保持誤差を補正するワーク保持誤差補正手段を備えることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工装置、特に、血管拡張用ステント、回路検査用コンタクトプローブ、注射針、医療用検査プローブ等の小径軸の加工対象物を高精度にレーザ加工し、電解仕上げ加工する高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓外科,脳外科に応用される手術用カテーテル,ステント等の医療用カテーテル,チューブ,及び小径,高柔軟性が要求される高密度電子回路検査用プローブ等の需要が増加している。
医療用カテーテル,チューブ市場は約1,819億円(2006年,株式会社矢野経済研究所調べ)であり,前年と比較して増加傾向にある.特に発展途上であるマイクロカテーテル市場は脳外科手術用として期待されている.カテーテル,ステント材には樹脂,コイル状小径ワイヤ,編まれた小径ワイヤ等も用いられるが,比較的高剛性のステンレスの金属細管が多く用いられている.細管材の表面には,直径を拡大させる,剛性と柔軟性を両立する,注入するため皮膚を切り裂く,摩擦を軽減する,採血する等の機能を持たせるため,複雑形状を形成することが必要である.特に脳外科手術では直径0.2mm以下のマイクロカテーテルが要求されるため表面へ複雑形状の形成は非常に困難である.医療用カテーテル・チューブ,回路検査用プローブの加工には現在機械加工,放電加工等が用いられるが,複雑微細形状の加工に極端な長時間を要する,加工力による変形のためカテーテル径などをある程度以上小さく出来ないなどの問題点がある。これらの問題点を解決するため,非接触加工のため加工力が発生せず,ワークと工具(電極)間隙の複雑なコントロールを必要としないレーザ加工を用いることが考えられる。
レーザ加工を適用する場合,非接触加工であるためにワーク・工具間の相対位置を検出することが難しい。また,カテーテル,ステント,プローブ等の微小部品を精度良く保持することは全ての加工法共通の課題である.
【0003】
一方、従来から、加工対象物(以下「ワーク」ともいう。)に対して加工用レーザ光で除去加工等の微細なレーザ加工を行うレーザ加工装置が利用されている。
この種のレーザ加工装置として、加工用レーザ光を出射する加工用レーザ光源に加え、加工用レーザ光の焦点とワークとの位置合せを行うため、加工用レーザ光と波長の異なる計測用レーザ光を出射する計測用レーザ光源を有するレーザ加工装置が知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
【0004】
特許文献1に記載のレーザ加工装置では、ワークで反射された計測用レーザ光は、ピンホールマスクを介してフォトディテクタに入射させ、共焦点効果を用いて材料の高さを計測,その情報を基に加工用レーザの焦点高さを調整する。
また、特許文献2に記載のレーザ加工装置では、計測用レーザ光源から出射されワークで反射された計測用レーザ光は、CCDカメラに入射する。そして、CCDカメラでの撮影結果やフォトディテクタでの受光量に基づいて、円筒内の高さを計測,その情報を基に加工用レーザの照射位置を調整する。
なお、特許文献1および2に記載のレーザ加工装置では、加工用レーザ光源からワークまでの光路の一部と、計測用レーザ光源からワークまでの光路の一部とが共通になっている。
【0005】
さらに、特許文献3に記載のレーザ加工装置では、計測用レーザを用いてワークのZ軸方向を計測し、CCDカメラによりワークを撮影することにより、XY軸方向の計測を行うものである。
【特許文献1】特開2002−321080号公報
【特許文献2】特開2005−161387号公報
【特許文献3】特開2004−243383号公報
【0006】
特許文献1および2に記載のレーザ加工装置では、加工用レーザおよび計測用レーザの2つのレーザ源を用いるものであり、両者の設置誤差が計測誤差に反映されるという問題点がある。また、基本的にZ方向の位置情報のみ計測可能であり、軸姿勢の測定を行うことはできない。
【0007】
また、特許文献3記載のレーザ加工の加工装置では、加工用レーザおよび計測用レーザの2つのレーザ源を用いるものであり、両者の設置誤差が計測誤差に反映されるという問題点がある。また、X,Y軸方向の計測はあらかじめ設定された基準加工地点のみで行われるため、正確なワーク設置が要求される。さらに、軸姿勢の測定は行うことができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
保持、搬送が難しい血管拡張用ステント、回路検査用コンタクトプローブ、注射針、医療用検査プローブ等の小径の軸形状のものでは正確に加工機へ設置することが難しいため、所望の位置に微細な形状を加工することは非常に困難である。
もし、ワークの姿勢を機上で計測、保持誤差を補正することができれば、高精度にワークを設置しなくてもワーク上の加工点へ正確にレーザを照射することができる。
計測用レーザによってワーク形状を計測し、必要に応じてレーザ除去加工を行う加工システムは多く存在するが、計測用レーザ、加工用レーザが同一ではないため計測点と加工点は異なる。もし、加工と計測を同一光源で行えば、計測点と加工点を同一とすることができる。
従来、軸位置をCCD、計測用レーザ等を用いて撮影・計測し、これらのデータを基に軸位置補正が行われているが、この場合、加工用光学系に加え、計測用光学系、照明が必要となるばかりか、移動可能エリアの減少、システムの巨大化などの問題の原因となっている。
一方、レーザ加工後の材料表面には熱影響層(HAZ)、バリ等が発生することが問題となっている。
【0009】
本発明は、加工用レーザおよび計測用レーザを出射するレーザヘッドからの唯一の光源を用いて微小ワークの形状、位置、姿勢、およびレーザとの相対位置を計測できるようにすることにより、画期的かつ独自性の高い高精度レーザ加工装置を提供することを目的とする。その際、微小ワークの形状が既知の場合は、レーザ出射方向(Z軸方向)のワーク形状の測定を省略して行うことができる。
また、本発明は、加工製品のひとつに医療部品を想定しているため、レーザ加工後の微細形状の仕上げにバリの発生する機械加工を避け電解仕上げ加工することにより、加工量を高能率,高精度でコントロールすることが可能であり、また、仕上げに必要な材料除去量を最小にすることができる高精度レーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の高精度レーザ加工装置は、レーザ加工装置およびワーク保持具を支持するスピンドル、ならびに、該レーザ加工装置とスピンドルとをXYZ方向に相対移動させる移動ステージを備え、前記レーザ加工装置は、レーザ発振器、加工用レーザ光および計測用レーザ光を出射するレーザ光出射手段としてのレーザヘッドと、ワークで反射された計測用レーザ光の反射光量を測定するための反射光量測定手段と、計測用レーザ光の反射光を用いてワークを撮影可能な撮像素子と、レーザヘッドから出射された加工用レーザ光および計測用レーザ光の光路を形成するための光学系と、加工用レーザ光および計測用レーザ光の光軸方向で、レーザヘッドに対して、ワークよりも離れた位置に配置され、計測用レーザ光を反射する反射板と、前記移動ステージ、レーザ発振器、反射光量測定手段および撮像素子を制御する制御手段とを備え、計測用レーザ光を用いてワークの初期位置、および、ワーク保持手段によりワークを所定角度回転させたときの回転位置を計測して、制御手段によりワークの3次元位置を把握し、ワークの加工照射点を求めることによりワークの保持誤差を補正するワーク保持誤差補正手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の高精度レーザ加工装置は、レーザ加工装置およびワーク保持具を支持するスピンドル、ならびに、該レーザ加工装置とスピンドルとをXYZ方向に相対移動させる移動ステージを備え、前記レーザ加工装置は、レーザ発振器、加工用レーザ光および計測用レーザ光を出射するレーザ光出射手段としてのレーザヘッドと、計測用レーザ光の反射光を用いてワークを撮影可能な撮像素子と、レーザヘッドから出射された加工用レーザ光および計測用レーザ光の光路を形成するための光学系と、加工用レーザ光および計測用レーザ光の光軸方向で、レーザヘッドに対して、ワークよりも離れた位置に配置され、計測用レーザ光を反射する反射板と、前記移動ステージ、レーザ発振器、反射光量測定手段および撮像素子を制御する制御手段とを備え、計測用レーザ光を用いてワークの初期位置、および、ワーク保持手段によりワークを所定角度回転させたときの回転位置を計測して、制御手段によりワークの3次元位置を把握し、ワークの加工照射点を求めることによりワークの保持誤差を補正するワーク保持誤差補正手段を備えることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のレーザ・電解複合加工装置は、前記高精度レーザ加工装置において、レーザ加工装置が載置されたステージ上にレーザ加工装置に隣接するようにして電解加工装置を載置することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)加工用レーザおよび計測用レーザを出射する唯一のレーザヘッドからの光源で形状計測を行うため,計測位置と加工位置のずれがない形状計測/加工が可能となる。
(2)ワークの形状、位置、姿勢、およびレーザとの相対位置を計測できるようにすることにより、保持位置が一定しないワークに対して、または、保持誤差のあるワークに対してもレーザを正確な位置に照射することができる。
(3)計測用レーザ,専用光学系を必要としないため、システムの飛躍的な小型化が実現できる。
【0013】
(4)レーザ加工された微細形状の仕上げ加工を、バリの発生する機械加工を避け電解仕上げ加工することにより、電解電流量を変化させることで仕上げ領域、加工量を高能率、高精度でコントロールすることが可能である。また、仕上げに必要な材料除去量を最小にすることで、管剛性が高く保たれた状態で高い柔軟性、拡張性等の機能を付加できる。
(5)また電解加工ではワークへ電極を取り付け/取り外しする工程がボトルネックとなるケースが多く、特に微小ワークの場合更に顕在化するが、レーザ加工と電解加工を逐次に同一機上、ワンチャックで行うレーザ・電解逐次複合加工装置によれば、電解加工用電源とワーク保持機構を導通させることで、この問題を解決できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加えうるものである。
【0015】
〔実施の形態1〕
図1および2は、実施の形態1を説明するものであり、ワーク形状が既知でない場合である。
(高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置の概略構成を模式的に示す図である。
図2は、図1の高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置のレーザ加工装置を説明するための説明図である。
【0016】
図1において、移動ステージ1上には、レーザ加工装置4および電解加工装置5が載置されており、また、移動ステージ2にはスピンドル6を支持する回転ステージ3が載置されている。
ステージドライバ(図示は省略されている。以下同じ。)により、移動ステージ1はY方向(紙面に垂直方向)に、また、移動ステージ2はXおよびZ方向に移動され、さらに、回転ステージ3は矢印Rで示す方向に回転される。
なお、スピンドル6を載置する移動ステージ2をXYZ方向に移動できるように構成する場合には、移動ステージ1を固定ステージとすることができる。要は、レーザ加工装置4および電解加工装置5とスピンドルとをXYZ方向に相対移動できるように構成しておけばよい。
ワーク保持具11は、血管拡張用ステント、回路検査用コンタクトプローブ、注射針、医療用検査プローブ等の小径軸の加工対象物であるワーク15を保持するものであって、スピンドル6に支持されており、スピンドル6の中心軸周りに回転駆動(図1の矢印C参照。)される。
【0017】
レーザ加工装置4のレーザヘッド7はレーザ発振器8に接続されており、また、電解加工装置5の電解電極10およびスピンドル6のワーク保持具11は電解加工用電源9に接続されている。
制御手段を構成するコントロールPC12は、ステージドライバ、レーザ発振器8、電解加工用電源9および後記する受光素子13、99、撮像素子14からの情報取得およびそれぞれの制御を行う。
【0018】
(レーザ加工装置)
レーザ加工装置4について、図2を参照しながら説明する。
このレーザ加工装置4は、ワーク15の加工を行うための加工用レーザ光および加工用レーザ光の焦点とワーク15との位置合せ等を行うための計測用レーザ光を出射するレーザ光出射手段としてのレーザヘッド7と、レーザヘッド7からのレーザ出力変動測定手段としての受光素子13と、ワーク15で反射された計測用レーザ光の反射光量を測定するための反射光量測定手段としての受光素子99と、計測用レーザ光の反射光を用いてワーク15を撮影可能な撮像素子14と、レーザヘッド7から出射された加工用レーザ光や計測用レーザ光の光路を形成するための光学系16とを備えている。
また、レーザ加工装置4は、加工用レーザ光および計測用レーザ光の光軸方向で、レーザヘッド7に対して、ワーク15よりも離れた位置に配置され、計測用レーザ光を反射する反射板17とを備えている。
【0019】
なお、以下では、加工用レーザ光および計測用レーザ光をまとめて表す場合には「レーザ光」と表記する。また、以下では、図1の左右方向(すなわち、ワーク15に照射されるレーザ光の光軸方向)をZ方向、紙面垂直方向をY方向、上下方向をX方向と表記する。
また、本形態では、ワーク15に照射されるレーザ光の光軸方向を加工表面に対して垂直にしているが、角度をつけ斜めに照射しても実施可能である。
【0020】
光学系16は、レンズ18、ミラー19、ビームサンプラー20、ビームスプリッタ98と、受光素子13、99、撮像素子14、レンズ21および対物レンズ22とを備えている。
【0021】
ビームサンプラー20は、レーザヘッド7から出射され、レンズ18、ミラー19により導かれたレーザ光の大半を対物レンズ22に向かって透過させるとともに、残りのレーザ光を受光素子13に向かって反射する。また、ビームサンプラー20は、ワーク15や反射板17で反射された計測用レーザ光の一部をビームサンプラー98に向かって反射する。対物レンズ22は、レンズ21を透過したレーザ光をワーク15に集光する。ビームサンプラー98はワーク15や反射板17で反射された計測用レーザ光の一部を撮像素子14へ透過させると共に受光素子99へ反射する。
【0022】
レーザヘッド7およびレーザ発振器8は、たとえばファイバーレーザであり、上述のように、加工用レーザ光と計測用レーザ光とを出力する。計測用レーザ光の出力は、加工用レーザ光の出力よりも非常に小さくなっている。たとえば、計測用レーザ光の出力は、加工用レーザ光の出力の20分の1程度である。また、本形態のレーザヘッド7は、ワーク15の適切な加工を行うため、出力の安定した加工用レーザ光を出射する。
【0023】
受光素子13、99は、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の素子で構成されている。受光素子13、99は、その受光量を電気量に変換することで、レーザヘッド7からの出力光量のばらつき及びワーク15で反射された計測用レーザ光の反射光量を測定する。
【0024】
撮像素子14は、CCDやCMOS等のイメージセンサである。この撮像素子14は、ワーク15が計測用レーザ光の焦点Fの位置にあるときに、ワーク15の反射光が結像する位置が撮像素子14の受光面となるように配置されている。
【0025】
反射板17は、ワーク15が、X方向で計測用レーザ光の焦点Fから外れた位置にあるときに、計測用レーザ光を反射する。この反射板17は、後述のように、ワーク2のX、Y方向の端部を検出するために用いられる。本形態の反射板17は、セラミック部材や金属部材で形成されている。
【0026】
図1において、コントロールPC12には、レーザ発振器8と受光素子13、99と撮像素子14と電解加工用電源9と移動ステージ1、2および回転ステージ3を駆動するステージドライバとが接続されている。コントロールPC12は、上述のように、レーザ加工装置4、電解加工用電源9、ステージドライバの各種の制御を行う。たとえば、コントロールPC12は、レーザヘッド7に対して、レーザ光の出射指令、または、停止指令を出力する。また、コントロールPC12は、受光素子99で測定された反射光量に基づいて、計測用レーザ光の焦点FのZ方向位置を特定し、移動ステージ2を駆動させて焦点Fの位置までワーク15を移動する。また、コントロールPC12は、上記反射光量の変化に基づいて加工対象物の加工状態を検知する加工状態検知手段を備え、加工状態に応じてレーザ光の停止指令等の制御を行う。また、コントロールPC12は受光素子13で測定された光量を用いて計測用レーザ光の出力変動を正規化するための演算を行う。
【0027】
(計測用レーザ光の焦点のZ方向位置の検出原理)
図3は、図1に示すワーク15のZ方向の位置と、受光素子99で測定される反射光量との関係を示すグラフである。
【0028】
レーザヘッド7から出射される計測用レーザ光の出力が一定である場合には、受光素子13で測定される計測用レーザ光の反射光量と、ワーク15のZ方向位置との関係は、図3の実線で示すグラフGのように略正規分布状になる。すなわち、Z方向で、ワーク15が計測用レーザ光の焦点Fの位置にあるときには、受光素子99で測定される反射光量は極大値Lとなり、ワーク15が焦点Fから対物レンズ22側または反射板17側に向かって離れるにしたがって、受光素子99で測定される反射光量は小さくなる。
【0029】
したがって、計測用レーザ光の出力が一定である場合には、移動ステージ2でZ方向にワーク15を移動させながら、受光素子13で計測用レーザ光の反射光量を測定して、極大点Mを特定し、極大点Mに対応するワーク15のZ方向位置を測定することで、計測用レーザ光の焦点FのZ方向位置が検出される。
【0030】
(ワークのX、Y方向端部の検出原理)
図4は、図1に示す反射板17で計測用レーザ光が反射されたときに撮像素子14で撮影される映像の一例を示す図である。
【0031】
本形態では、反射板17で反射された計測用レーザ光を用いて、ワーク15のX、Y方向の端部が検出される。以下、説明の都合上便宜的に直方体状のワーク15のX方向端部15b(図2も併せて参照。)が検出される場合を例に、本形態のワーク15のX、Y方向端部の検出原理を説明する。
【0032】
ワーク15のX方向端部15bの検出前に、まず、上述の方法で計測用レーザ光の焦点FのZ方向位置が検出され、ワーク15と焦点Fとの位置合せが行われる。すなわち、図2に示すように、Z方向で、ワーク15の面と焦点Fとの位置合せが行われる。この状態で、撮像素子14によって撮影された映像上に、焦点Fに対応する焦点対応点F1が設定される(図4参照)。その後、移動ステージ1によってワーク15がY方向へ移動され、Y方向で焦点Fから外れた位置に配置される。
【0033】
ワーク15がY方向で焦点Fから外れると、撮像素子14によってたとえば、図4に示す映像が撮影される。すなわち、反射板17で乱反射された計測用レーザ光の一部がワーク15によって遮られるため、撮像素子14によって撮影された映像上の、ワーク15に対応するワーク対応エリア15cが暗くなり、その他のエリアは明るくなる。また、Z方向で、ワーク15の面と焦点Fとの位置合せが行われているため、ワーク15のY方向端部に対応する端部対応線15dは、撮像素子14によって撮影された映像上で明確に特定される。すなわち、ワーク15のY方向端部15dが検出される。
【0034】
端部対応線15dが明確に特定されると、端部対応線15dと焦点対応点F1とのY方向の距離Y1が算出される。すなわち、Y方向端部15dと焦点Fとの距離が算出される。また、Y方向端部15dとワーク15の加工部位と距離は予め、設計上でわかっているため、焦点Fとワーク15の加工部位までのY方向の距離が算出される。同様に、ワーク15のX方向の端部も検出され、焦点Fとワーク15の加工部位までのZ方向の距離が算出される。また、焦点Fとワーク15の加工部位までの距離の算出は、コントロールPC12で行われている。
【0035】
(ワークの厚み計測)
図5は、図1に示す高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置でのワーク15の厚み計測の手順を示すフローチャートである。以上のように構成された高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置では、以下のように、ワーク15の厚み計測を行う。
【0036】
まず、移動ステージ1および2によって、レーザ装置4とワーク15とをX、Y方向へ相対移動させて、レーザヘッド7から出射されるレーザ光が照射される位置にワーク15を配置する(ステップS1)。その後、レーザヘッド7から計測用レーザ光を出射し(ステップS2)、受光素子99で反射光量を測定する(ステップS3)。
【0037】
その後、ワーク2をX方向の所定範囲に配置して、各配置位置で反射光量を測定したか否かを判断する(ステップS4)。具体的には、ステップS4では、Z方向で計測用レーザ光の焦点Fの位置を含む所定範囲にワーク15を配置して、各配置位置で反射光量を測定したか否かを判断する。所定範囲で測定が行われていない場合には、ステップS3へ戻る。
【0038】
一方、所定範囲で反射光量を測定している場合には、計測用レーザ光の焦点FのZ方向位置を検出する(ステップS6)。
このときの計測用レーザ光の焦点FのZ方向位置がそのX、Y方向におけるワーク15の厚みを表している。
【0039】
その後、移動ステージ1および2によって、ワーク15をX、Y方向へ移動させ、各X、Y方向におけるワーク15の厚みを計測する(ステップ7)。X、Y方向のある領域についてワーク15の高さを検出したら、加工が必要と判断された位置にフラグを立て、加工位置を特定する(ステップS8)。ワーク15の加工位置の特定後には、特定された加工位置にレーザヘッド7から加工用レーザ光を出射してワーク15のレーザ加工を行う。また、加工用レーザ光に計測用レーザ光を混入し、規定の反射・散乱光量まで操作を繰り返してもよい。
【0040】
なお、本実施の形態1では、ステップS2は、レーザヘッド7から計測用レーザ光を出射する計測用レーザ光出射ステップであり、ステップS3は、ワーク15で反射された計測用レーザ光の特性の1つである反射光量を測定する反射光特性測定ステップであり、ステップS6は、計測用レーザ光の焦点Fの位置を検出する焦点検出ステップである。
【0041】
上記したワーク厚みの計測には、ワーク15のXYZ位置計測工程が含まれているが、加工対象であるワークの加工に厳密な精度が要求されない場合、例えば、事前にワークの形状・構造が既知で、あらかじめ設定した加工位置および加工量を加工すればよいような場合には、XYZ位置計測工程(上記のS3〜S6)を省略して以下の要領でワークの焦点位置を決定することができる。
(1)図5におけるS2の後、ワークの形状・寸法から算出して加工が可能な位置にワークを設置する。
(2)加工の進行に伴う加工深さ変化に起因する照射レーザスポット変化が残留加工厚の測定に致命的な影響を及ぼさない光学系(焦点距離の長い集光レンズ等を配置)を用いる。
(3)ワークの形状・寸法から事前にワークの加工位置および加工量を決定し、加工の進行に伴い残留加工厚の測定に致命的な影響を与えない範囲で適宜X方向にワークを移動させる。
【0042】
(ワークの軸中心計測)
本形態における加工対象物である小径の軸形状のワークの軸中心を計測するには、移動ステージ1および2によって、ワーク15をX、Y方向へ移動させて、レーザヘッド7から計測用レーザ光を出射し、反射板17で反射された計測用レーザ光を撮像素子14で撮影し、反射光が検出される部分とワーク15により遮られた部分の境界のピントが合った高さをワークの軸中心高さとする。
【0043】
(ワーク保持誤差の補正)
図6に示すように、ワーク保持具11に対してワーク15が正確に保持されていない場合、レーザを本来の加工位置に照射しても正しい加工ができない。そのため、ワーク保持誤差を把握し、レーザ照射位置を移動させる必要がある。
本形態は、以下に説明するように、計測用レーザ光を用いてワーク15の初期位置、および、ワーク保持具11によりワーク15を所定角度回転させたときの回転位置を計測して、コントロールPCによりワークの3次元位置を把握し、ワーク15の加工照射点を求めることにより、ワークの保持誤差を補正する手段を備えるものである。
【0044】
例として、図7に示すように、ワーク15であるところの微小管がその回転中心、すなわち、スピンドル6の回転中心sから偏心しているとする。
なお、測定においては、微小管の管径を考慮して、微小管の径方向のエッジの位置から微小管の中心座標を算出する。以下、微小管の中心座標のみを示す。
座標軸X、Y、Zは本発明の高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置の持つ座標軸であり、微小管の回転中心sの座標軸X、Y、ZにおけるYおよびZ方向の位置ycおよびzcは未知である。
【0045】
〈測定1〉
図8に示すように、微小管の初期位置において、Y方向の位置yとY方向の傾きVyを計測用レーザ光を用いて測定する。
微小管のx点におけるY方向位置yは、
y=Vx+y (1)
となる。
【0046】
〈測定2〉
図9に示すように、微小管を初期位置から時計回りに90゜回転させ、その回転位置において、Z方向の位置zとZ方向の傾きVzを計測用レーザ光を用いて測定する。
微小管のx点におけるZ方向位置zは、
z=Vx+z (2)
【0047】
〈測定3〉
図10に示すように、微小管を初期位置から時計回りに180゜回転させ、その回転位置において、Y方向の位置y-とZ方向のY方向の傾きV-yを計測用レーザ光を用いて測定する。
微小管のx点におけるY方向位置y-は、
-=V-x+y- (3)
となり、
-=-V
+y-=y+y-=2y
の関係がある。
【0048】
式(1)(3)より微小管の回転中心のy位置yを算出すると、
=(y+y-)/2=(y+y-)/2 (4)
【0049】
次に、図11に基づいて、微小管の加工照射点の求め方を説明する。
加工点X=xにおけるY、Z座標値は式(1)(2)より
=V+y
=V+z
【0050】
微小管の回転中心からの偏差は式(4)の結果を用いて、
y’=(y-y
z’=(z-y
である。
したがって、微小管を回転角θだけ回転させたときの加工点におけるY、Z座標値は、
Y=y’cosθ+z’sinθ+y
Z=-y’sinθ+z’cosθ+z
ただし、上式よりわかるように、加工用レーザの焦点のZ軸方向位置を厳密に加工点に合わせるにはzを別途測定する必要がある。
【0051】
上記のように、ワーク保持誤差の補正することができるので、ワーク保持機構は保持精度が比較的悪いが素早く簡単にワークを保持することが可能な機構,例えば平行板でワークを挟む様な機構を適用することが可能である。さらに同機構を用いれば,ワーク径が変化しても保持具を変えずに保持することが可能である。
【0052】
(電解加工装置)
レーザ加工後のワーク表面には再凝固物,熱影響層が存在し,製品としては不完全である。これを仕上げるには、機械研磨、化学研磨等があるが、直径が0.5〜数mmの微小管を機械加工することは加工物の剛性の関係で適しておらず、また、化学研磨の場合、溶液温度の制御が難しく、加工時間が長い等の問題がある。
本形態では、図1に示すように、レーザ加工装置4が載置された移動ステージ1上にレーザ加工装置4に隣接するようにして電解加工装置5が載置されており、ワーク保持具11に保持されたワーク15を電解加工槽25および電解電極10近傍まで自由に移動できる構成となっている。
なお、スピンドル6を載置する移動ステージ2をXYZ方向に移動できるように構成する場合には、移動ステージ1を固定ステージとすることができ、要は、レーザ加工装置4および電解加工装置5とスピンドルとをXYZ方向に相対移動
できるように構成されていればよい。
【0053】
ワーク15をレーザ加工装置4でレーザ加工後、ワーク15をワーク保持具11に保持したまま、電解加工槽25へ移動させる。スピンドル6のワーク保持具11および電解電極10を電解加工用電源9に導通させると、レーザ加工時の保持状態のまま電解仕上げ加工が可能となる。その際、レーザ加工時における計測結果とあらかじめ測定されたスピンドル6、電解電極10の相対位置からワーク15、電解電極10の相対距離を求め、電解加工に適したワーク位置をステージコントロールにより行い、電解加工を行うことができる。
【0054】
レーザ加工後に電解仕上げ加工を行うレーザ・電解複合加工によれば、直径0.1mm以下の微小管の加工が可能であり、機械加工+機械研磨、あるいは、機械加工+化学研磨に比べ仕上げ加工量を減少できるので加工能率が約10倍となり、バリレスであり、残留応力を低減でき、残留砥粒を無しとすることができる。
【0055】
ワークを加工する工程を説明すると以下のようになる。
(1)設計形状をコントロールPC12へ入力する。
(2)ワーク15をワーク保持具11に設置する。
(3)集光光学系16、反射板17間にワーク15を移動する。
(4)ワーク保持誤差をレーザ計測する。
(5)計測結果からワーク保持誤差の補正を行いつつ設計形状の加工を行うためのステージコントロール、加工用レーザのOnOffを行いながら、ワーク15のレーザ加工を行う。
(6)ワーク15を電解加工漕25へ移動させる。ワーク保持具11、電解電極,に電解加工電源を導通させる。
(7)電解仕上げ加工を行う。
【0056】
〔実施の形態2〕
図12および13は、実施の形態2を説明するものであり、ワーク形状が既知の場合である。
本実施の形態2においては、撮像素子14の画像情報に基づいて、計測用レーザ光の焦点FのZ方向位置を特定する方式を採用しているため、上記した実施の形態1とは光学系16の構成が相違するものであり、実施の形態1における上記した(計測用レーザ光の焦点のZ方向位置の検出原理)、(ワークの厚み計測)の作業を省略できる点に特徴がある。
なお、本実施の形態2において、実施の形態1において説明した(ワーク保持誤差の補正)(電解加工装置)は同じであるので、説明は省略する。
【0057】
図12および13において、光学系16は、凸レンズ23、ミラー19、ビームサンプラー20と、撮像素子14、凸レンズ24および対物レンズ22とを備えている。
【0058】
ビームサンプラー20は、レーザヘッド7から出射され、レンズ18、ミラー19により導かれたレーザ光の大半を対物レンズ22に向かって透過させる。また、ビームサンプラー20は、ワーク15や反射板17で反射された計測用レーザ光の一部を撮像素子14に向かって反射する。対物レンズ22は、凸レンズ24を透過したレーザ光をワーク15に集光する。
【0059】
レーザヘッド7は、たとえばファイバーレーザであり、上述のように、加工用レーザ光と計測用レーザ光とを出力する。計測用レーザ光の出力は、加工用レーザ光の出力よりも非常に小さくなっている。たとえば、計測用レーザ光の出力は、加工用レーザ光の出力の20分の1程度である。また、本形態のレーザヘッド7は、ワーク15の適切な加工を行うため、出力の安定した加工用レーザ光を出射する。
【0060】
撮像素子14は、CCDやCMOS等のイメージセンサである。この撮像素子14は、ワーク15が計測用レーザ光の焦点Fの位置にあるときに、ワーク15の反射光が結像する位置が撮像素子14の受光面となるように配置されている。
【0061】
反射板17は、ワーク15が、X方向で計測用レーザ光の焦点Fから外れた位置にあるときに、計測用レーザ光を反射する。この反射板17は、後述のように、ワーク2のX、Y方向の端部を検出するために用いられる。本形態の反射板17は、セラミック部材や金属部材で形成されている。
【0062】
図12において、コントロールPC12には、レーザ発振器8と撮像素子14と電解加工用電源9と移動ステージ1、2および回転ステージ3を駆動するステージドライバとが接続されている。コントロールPC12は、上述のように、レーザ加工装置4、電解加工用電源9、ステージドライバの各種の制御を行う。たとえば、コントロールPC12は、レーザヘッド7に対して、レーザ光の出射指令、または、停止指令を出力する。また、コントロールPC12は、撮像素子14の情報に基づいて、計測用レーザ光の焦点FのZ方向位置を特定し、移動ステージ2を駆動させて焦点Fの位置までワーク15を移動する。また、コントロールPC12は、上記反射光量の変化に基づいて加工対象物の加工状態を検知する加工状態検知手段を備え、加工状態に応じてレーザ光の停止指令等の制御を行う。
【0063】
(ワークのX、Y方向端部の検出原理)
図4は、図12に示す反射板17で計測用レーザ光が反射されたときに撮像素子14で撮影される映像の一例を示す図である。
【0064】
本形態では、反射板17で反射された計測用レーザ光を用いて、ワーク15のX、Y方向の端部が検出される。以下、説明の都合上便宜的に直方体状のワーク15のX方向端部15b(図13も併せて参照。)が検出される場合を例に、本形態のワーク15のX、Y方向端部の検出原理を説明する。
【0065】
ワーク15のX方向端部15bの検出前に、まず、上述の方法で計測用レーザ光の焦点FのZ方向位置が検出され、ワーク15と焦点Fとの位置合せが行われる。すなわち、図13に示すように、Z方向で、ワーク15の面と焦点Fとの位置合せが行われる。この状態で、撮像素子14によって撮影された映像上に、焦点Fに対応する焦点対応点F1が設定される(図4参照)。その後、移動ステージ1によってワーク15がY方向へ移動され、Y方向で焦点Fから外れた位置に配置される。
【0066】
ワーク15がY方向で焦点Fから外れると、撮像素子14によってたとえば、図4に示す映像が撮影される。すなわち、反射板17で乱反射された計測用レーザ光の一部がワーク15によって遮られるため、撮像素子14によって撮影された映像上の、ワーク15に対応するワーク対応エリア15cが暗くなり、その他のエリアは明るくなる。また、Z方向で、ワーク15の面と焦点Fとの位置合せが行われているため、ワーク15のY方向端部に対応する端部対応線15dは、撮像素子14によって撮影された映像上で明確に特定される。すなわち、ワーク15のY方向端部15dが検出される。
【0067】
端部対応線15dが明確に特定されると、端部対応線15dと焦点対応点F1とのY方向の距離Y1が算出される。すなわち、Y方向端部15dと焦点Fとの距離が算出される。また、Y方向端部15dとワーク15の加工部位と距離は予め、設計上でわかっているため、焦点Fとワーク15の加工部位までのY方向の距離が算出される。同様に、ワーク15のX方向の端部も検出され、焦点Fとワーク15の加工部位までのZ方向の距離が算出される。また、焦点Fとワーク15の加工部位までの距離の算出は、コントロールPC12で行われている。
【0068】
(ワークのZ位置計測)
本形態における加工対象物である小径の軸形状のワークの軸中心を計測するには、移動ステージ1および2によって、ワーク15をX、Y方向へ移動させて、レーザヘッド7から計測用レーザ光を出射し、反射板17で反射された計測用レーザ光を撮像素子14で撮影し、反射光が検出される部分とワーク15により遮られた部分の境界のピントが合った高さをワークの軸中心高さとする。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置の概略構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置におけるレーザ加工装置を説明するための説明図である。
【図3】図1に示すワークのZ方向の位置と、受光素子で測定される反射光量との関係を示すグラフである。
【図4】図1に示す反射板で計測用レーザ光が反射されたときに撮像素子で撮影される映像の一例を示す図である。
【図5】図1に示す高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置でのワークの厚み計測の手順を示すフローチャートである。
【図6】ワークの保持誤差を説明するための説明図である。
【図7】ワークの保持誤差を補正する手段を説明するための説明図である。
【図8】ワークが初期位置にある状態を示す説明図である。
【図9】ワークが90゜回転位置にある状態を示す説明図である。
【図10】ワークが180゜回転位置にある状態を示す説明図である。
【図11】加工照射点を求める方法を説明するための説明図である。
【図12】本発明の実施の形態2にかかる高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置の概略構成を模式的に示す図である。
【図13】図12に示す高精度レーザ加工およびレーザ・電解複合加工装置におけるレーザ加工装置を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1 移動ステージ
2 移動ステージ
3 回転ステージ
4 レーザ加工装置
5 電解加工装置
6 スピンドル
7 レーザヘッド
8 レーザ発振器
9 電解加工用電源
10 電解電極
11 ワーク保持具
12 コントロールPC(制御手段)
13 受光素子
14 撮像素子
15 ワーク
16 光学系
17 反射板
18 レンズ
19 ミラー
20 ビームサンプラー
21 レンズ
22 対物レンズ
23 凸レンズ
24 凸レンズ
98 ビームサンプラー
99 受光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工装置およびワーク保持具を支持するスピンドル、ならびに、該レーザ加工装置とスピンドルとをXYZ方向に相対移動させる移動ステージを備え、前記レーザ加工装置は、レーザ発振器、加工用レーザ光および計測用レーザ光を出射するレーザ光出射手段としてのレーザヘッドと、ワークで反射された計測用レーザ光の反射光量を測定するための反射光量測定手段と、計測用レーザ光の反射光を用いてワークを撮影可能な撮像素子と、レーザヘッドから出射された加工用レーザ光および計測用レーザ光の光路を形成するための光学系と、加工用レーザ光および計測用レーザ光の光軸方向で、レーザヘッドに対して、ワークよりも離れた位置に配置され、計測用レーザ光を反射する反射板と、前記移動ステージ、レーザ発振器、反射光量測定手段および撮像素子を制御する制御手段とを備え、計測用レーザ光を用いてワークの初期位置、および、ワーク保持手段によりワークを所定角度回転させたときの回転位置を計測して、制御手段によりワークの3次元位置を把握し、ワークの加工照射点を求めることによりワークの保持誤差を補正するワーク保持誤差補正手段を備えることを特徴とする高精度レーザ加工装置。
【請求項2】
レーザ加工装置およびワーク保持具を支持するスピンドル、ならびに、該レーザ加工装置とスピンドルとをXYZ方向に相対移動させる移動ステージを備え、前記レーザ加工装置は、レーザ発振器、加工用レーザ光および計測用レーザ光を出射するレーザ光出射手段としてのレーザヘッドと、計測用レーザ光の反射光を用いてワークを撮影可能な撮像素子と、レーザヘッドから出射された加工用レーザ光および計測用レーザ光の光路を形成するための光学系と、加工用レーザ光および計測用レーザ光の光軸方向で、レーザヘッドに対して、ワークよりも離れた位置に配置され、計測用レーザ光を反射する反射板と、前記移動ステージ、レーザ発振器、反射光量測定手段および撮像素子を制御する制御手段とを備え、計測用レーザ光を用いてワークの初期位置、および、ワーク保持手段によりワークを所定角度回転させたときの回転位置を計測して、制御手段によりワークの3次元位置を把握し、ワークの加工照射点を求めることによりワークの保持誤差を補正するワーク保持誤差補正手段を備えることを特徴とする高精度レーザ加工装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の高精度レーザ加工装置において、レーザ加工装置が載置されたステージ上にレーザ加工装置に隣接するようにして電解加工装置を載置することを特徴とするレーザ・電解複合加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−195955(P2009−195955A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40490(P2008−40490)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年9月3日 社団法人精密工学会発行の「精密工学会秋季大会 プログラム&アブストラクト集」に発表
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】