説明

高誘電率の金属−セラミック−ポリマー複合誘電体及びこれを利用したエンベデッドキャパシターの製造方法

【課題】エンベデッドキャパシターの製造方法に関し、金属粒子をコーティングしなくてもパーコレーション現象を防止しつつエンベデッドキャパシターの容量値を増やし、高い誘電率と低い誘電損失を実現する。
【解決手段】高誘電率の金属−セラミック−ポリマー複合材料及びこれを利用したエンベデッドキャパシターの製造方法に関することとして、樹脂、金属粒子、セラミック粒子からなり、上記金属粒子の表面にセラミック粒子が付着されたことを特徴とする複合誘電体及び樹脂30−98体積%に金属粒子1−30体積%及びセラミック粒子1−40体積%を添加し、これらをボールミル処理し相対的に延性が大きい金属粒子の表面にセラミック粒子を付着させることを特徴とする複合誘電体の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高誘電率の金属/セラミック/ポリマー複合体及びこれを利用して製造されるエンベデッドキャパシターに関することとして、より具体的にはポリマー樹脂にセラミック絶縁粒子を金属粒子と同時に混合し金属粒子にセラミック粒子が付着することにより高い誘電率を有するエンベデッドキャパシターに関する。
【背景技術】
【0002】
積層形基板において小型化と高周波化の進展に伴い既存のPCB基板上に搭載されてきた受動素子らが小型化の障害要因と作用している。特に、半導体における急激なエンベデッド傾向とI/O数の増加により能動集積回路チップの周りに数多くの受動素子らが存在する空間を確保することは容易なことではない。また、これと共に半導体の運用周波数が高くなり、それに伴う入力端子で安定的な電源を供給するためのデカップリング用キャパシターが使用されるべきであるが、これらは入力端子の最近接距離で存在してのみ高周波数による誘導インダクタンスを減らすことが可能である。このような小型化と高周波数の要求に伴い能動集積回路チップの周りにキャパシターを適切に位置させることに対する限界を克服するための方案としてチップを基板の能動集積回路チップのすぐ下に内蔵する方法やチップのインダクタンス値を減らすための方法が提案されLow ESL MLCCが開発されている等多様な接近法が試みられている。
【0003】
従来エンベデッドキャパシター用の高誘電率材料は誘電率が高いと知られている強誘電性パウダーをエポキシレジンに分散させた材料が提案されている。この方法はマトリックスになるエポキシレジンが誘電率が非常に低いためパウダーの誘電率を向上させても直列連結のキャパシター形態が形成され全体誘電率は誘電率が小さいエポキシレジンの値に支配されるのである。従って、資材の誘電率はレジンの体積に対するパウダーの体積比率を増加させること以外に特別な方法を提示していない。
【0004】
しかし、パウダーの体積比率はPCB積層工程上において許容される限界があり容易に高めることが不可能で、その比率を高くすると工程特性が衰えるという限界がある。従って、工程に適用可能な体積比率において誘電率は殆ど変化され難いと言える。
【0005】
これを克服するために日本特許出願第2001−68803号では高誘電率材を入れて全体的な誘電率を高めることではなく、相対的に伝導度が良い物質を入れることによりフィラーが誘電体としての役割ではなく一種の伝導体としての役割をするようにし誘電率を高める方法が提示されている。
【0006】
しかし金属のような導電性フィラーはそれ自体が凝集され易くフィラーを樹脂に均一に分散することが容易ではない。また、伝導度が非常に高いためパウダー形態を入れる場合容易に誘電破壊が起こり得る。この現象は伝導体が一定な体積比で添加される場合、ミックシングルール(Mixing Rule)で言うパーコレーション(perxolation)が起こり誘電体膜として使用されることが不可能になり伝導体膜として使用されるようになる。そして、伝導体は周波数変化に伴い内部から発生する渦電流により誘電率損失の増加が現れる。すなわち、一般的な強誘電性フィラーのBaTiOを使用する場合、特定体積比率から誘電率が急激に増加する挙動をみせる。従って、金属パウダーの添加は容易に連結された伝導性を示すようになるため、これを効果的に制御しつつ金属の体積比率を最大限高めることが複合体の誘電率を高めるための方法になり得る。従って、多量の金属パウダーを添加するとしても容易に伝導のパーコレーションが起こらない状況にすることが重要である。
【0007】
これのためにアメリカ特許公開公報第20020039667号では金属 パウダーの表面を絶縁可能な誘電層にコーティングする方法が開示されている。この方法は金属粒子ら間のパーコレーションを抑制する効果と誘電層の誘電率を向上させる効果を与えることが可能である。
【0008】
しかし、金属パウダー表面を絶縁可能な誘電層にコーティングする方法の場合、絶縁層コーティングによるSpace Chargeの減少でパーコレーションされるフィラーの含量が増加するようになる。すなわち、高い誘電率を得るために30vol%以上のフィラーを含有すべきであるため工程性を低下させる。また、熱処理等をすべきであるため工程が複雑になるだけではなく、均一なコーティングが難しいため再現性を確保することが不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は高い誘電率を有しつつ工程を簡単にし、金属含量を増加させつつパーコレーションを抑制することが可能な複合誘電体を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は上記のような複合誘電体を使用した多層配線板を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は上記複合誘電体を使用したモジュール基板を提供することである。
【0012】
さらに、本発明の他の目的は上記複合誘電体を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1見地によると、樹脂にセラミック粒子と金属粒子を分散させ上記セラミック粒子が金属粒子を囲むことを特徴とする複合誘電体組成物が提供される。
【0014】
本発明の第2見地によると、上記本発明の複合誘電体組成物を使用し製造されたことを特徴とするプリント回路基板が提供される。
【0015】
本発明の第3見地によると、上記本発明の複合誘電体で製造されたプリント回路基板を含み製造されたモジュール基板が提供される。
【0016】
本発明の第4見地によると、上記本発明の複合誘電体を製造する方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明のように金属粒子より小さいセラミック粒子を混合することにより金属粒子表面にセラミック粒子を付着させることにより金属粒子をコーティングしなくてもパーコレーション現象を防止しつつエンベデッドキャパシターの容量値を増やすことが可能で、金属表面のコーティングのための工程が不必要になる等工程が簡素化される効果を示し、金属粒子表面に直径がより小さいセラミック粒子が付着され絶縁体の役割をすることにより高い誘電率と低い誘電損失を有する材料を提供する優秀な効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明はセラミック粒子と金属粒子を混合し樹脂に分散させ、上記金属粒子がセラミック粒子で囲まれるようにすることにより工程性低下を防止し高い誘電率を有するエンベデッドキャパシターの製造に使用される複合誘電体の組成物が提供される。セラミック粉末と共に金属を使用することにより、誘電率を向上させることが可能で、セラミック粉末の使用量を減らすことが可能なため工程性をさらに向上させることが可能である。
【0019】
本発明で使用される金属粒子は特に制限されてはいないが、Cu、Ni、Ag、Al、Zn、Co、Fe、Cr、Mn等が使用され得る。
【0020】
金属粒子は0.1−75μm範囲の平均直径を有する粒子を使用することが可能である。0.1μmより小さいと金属粒子の分散性が悪化され、金属粒子に対するセラミック粒子のコーティング性が不良になり好ましくなく、75μmより大きいと誘電損失が増加するようになり好ましくないため、上記範囲の粒径を有する金属粒子が好ましい。より好ましくは1−50μm、特に好ましくは2−25μmの粒径を有する金属粒子を使用することが可能である。
【0021】
上記金属粒子は球形の粒子を使用することが可能で、表面が粗い金属粒子を使用することがより好ましい。表面が粗い金属粒子を使用すると金属表面にセラミック粉末がより容易に付着されることが可能である。
【0022】
上記表面が粗い金属粒子を使用する場合、金属粒子の粗度は0.01−0.5ミクロン、より好ましくは0.05−0.3ミクロン範囲内で使用することが可能である。0.01ミクロン以下の粗度を有する金属粒子を使用する場合は球形の粒子を使用する場合と大きい効果上の差が無く、0.5ミクロン以上の粗度を有する金属粒子を使用する場合はポリマー樹脂内でボールミリング工程中表面の粗い部分が崩壊され好ましくない。従って、上記範囲内の粗度を有する金属粒子を使用することが好ましい。
【0023】
金属粒子は複合誘電体組成物の全体体積に対し1−30体積%の含量で使用することが可能である。金属粒子が1体積%未満で使用される場合は誘電率が却って低下され、30体積%を超過し使用すると下記の通りセラミック粒子の体積比率も共に増やすべきであるため、樹脂含量が相対的に減少し誘電層が銅フォイル等の金属フォイルから剥離される問題があり、樹脂の体積比率を維持するためセラミック粒子の比率を減少させると金属粒子が相互接触しパーコレーションが発生し好ましくない。従って、上記のような範囲内で金属粒子を使用することが好ましく、より好ましくは10−30体積%の範囲内で使用することが可能である。
【0024】
上記セラミック粒子は特に限定されることではないが、例えばBaTiO、PbTiO、CaTiO、SrTiO、PMN、PMN−PT、PZT、PZN−PT、PMT−PT等のABO化学式を有する強誘電体材料を使用することが可能で、これらを混合し使用することが可能である。
【0025】
本発明に使用されるセラミック粒子は本発明が属する技術分野において通常使用される絶縁粒子を使用することが可能であるが、好ましくは強誘電性の絶縁粒子またはペロブスカイト(Perovskite)構造を有する絶縁粒子を使用することが可能である。上記ペロブスカイト構造を有するセラミック粉末は本発明が属する技術分野において通常使用される合成法の水熱法、加水分解法、固相法、水酸塩法、クエン酸法、気相法等の方法から得ることが可能である。
【0026】
セラミック粒子は上記金属粒子対比50%未満の平均直径を有する粒子を使用することが可能である。セラミック粒子の直径がこれより大きいと金属粒子を囲み難くなり、これによって金属粒子が相互接触しパーコレーションを誘発するためショート(short)が発生し好ましくない。
【0027】
上記セラミック粒子は複合誘電体組成物の全体体積に対し1−40体積%で添加する。セラミック粒子が1体積%未満であると静電容量が低下され好ましくなく、50体積%を超過する場合はエポキシ樹脂の減少により金属フォイルに対する接着力が低下され好ましくない。従って、上記範囲内でセラミック粒子を含有することが好ましく、より好ましくは20−40体積%の範囲で使用することが可能である。
【0028】
本発明で使用されるセラミック粒子は誘電率を向上させるため添加剤でドーピングされたものを使用することが可能である。このような添加剤としてはMn、Mg、Sr、Ca、Y、Nb等の2+、3+、5+酸化物、またはCe、Dy、Ho、Yb、Nd等のランタン系元素の酸化物が単独または混合で使用され得る。
【0029】
上記添加剤は強誘電体1mol当り0.01−5mol%、より好ましくは1−2mol%で添加され得る。添加剤の含量が0.01mol%未満であると誘電率上昇効果が微々で、5mol%を超過すると却って誘電率が減少し好ましくない。
【0030】
上記添加剤を導入した強誘電体を酸化雰囲気、還元雰囲気または真空雰囲気下で800−1300℃、好ましくは1000−1300℃で30分-2時間熱処理を行うことが可能である。熱処理は酸化雰囲気、還元雰囲気または真空雰囲気のように本発明が属する技術分野において通常行う方法で熱処理をすることが可能である。800℃より低い温度または30分未満で熱処理する場合は上記セラミック粒子に対する添加剤の結合量が充分ではないため誘電率上昇効果が少なく、1300℃を超過するか2時間以上熱処理する場合は熱処理による粒成長及び絶縁層が厚くなり却って誘電率が減少するため好ましくない。
【0031】
以上のような金属粒子とセラミック粒子を樹脂に添加した後、これを混合し金属とセラミック粒子を樹脂上に分散させる。この際ボールミル法を使用し金属とセラミック粒子を混合・分散させ得るが、必ずしもこれに限定されることではない。樹脂上で金属粒子とセラミック粒子の混合及び分散による粒子らの変化を図1に概略的に図示した。
【0032】
本発明は金属粒子がセラミック粒子に比べ相対的に延性が大きい性質を利用し金属粒子表面にセラミック粒子を付着させることである。すなわち、上記のように樹脂に金属粒子とセラミック粒子を添加した混合物に対しボールミル法によりミーリング工程を遂行する中に延性が大きい金属粒子表面にセラミック粒子が付着する。これによって図1に図示された通りセラミック絶縁粒子が金属粒子表面を囲むようになり、セラミック絶縁粒子は金属粒子表面にセラミックコーティング層を形成するような役割をする。これによって金属粒子が相互接触して起こるパーコレーション現象の発生が抑えられ、また金属粒子全体をセラミック絶縁体にコーティングすることではないため、金属粒子表面の一部が露出されることにより局部的に電極役割をするようになり静電容量を増加させる。
【0033】
セラミック絶縁粒子の混合量が多い場合は金属粒子をさらに多く添加することが可能で、また金属粒子の周りに分体状態のセラミック絶縁粒子が非常に不規則に存在するためパーコレーション電位幅も広く高い誘電率を図ることが可能である。
【0034】
さらに、本発明の金属/セラミック/ポリマー複合誘電体は硬化剤、硬化促進剤、分散剤及び/または気泡除去剤等を追加で含むことが可能である。これらの種類及び使用量はこの技術分野の技術者が適切に選定し使用可能なことである。
【0035】
例えば、上記硬化剤はビスフェノールAノボラック樹脂のようなフェノール類、ジシアンジアミド、ジシアングアニジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等のアミン系、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカーボン酸等の酸無水物硬化剤等の一般的に知られているものを単独または混合し使用され得る。上記硬化促進剤は2−メチルイミダゾールのような一般的に知られているものを使用することが可能である。
【0036】
本発明に使用される樹脂としては特に限定されることではなく、本発明が属する技術分野において通常使用される樹脂を選択し使用することが可能で、例えば、PMMAP(ポリメチルメタクリレート)、エポキシ樹脂、ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂、ノボラックタイプエポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂等を使用することが可能である。
【0037】
また、本発明は上記のような組成物、すなわち樹脂内にセラミック粒子が相対的に延性が大きい金属粒子表面に付着されることを特徴とする複合誘電体を利用し高誘電率及び低誘電損失の誘電特性を有するキャパシターが提供される。
【0038】
また、本発明は上記組成物で製造されたキャパシターを回路中に形成することにより多層配線板を製造することが可能で、また上記組成物で製造されたキャパシターを内蔵し、半導体チップを搭載することによりモジュール基板を製造することが可能である。
【0039】
以下、本発明を実施例を通じ具体的に説明する。しかし、以下の実施例は本発明に対する一実施例としてこれにより本発明を限定することではない。
【0040】
(実施例1−2)
表1のような体積%でPMMAポリマー及びフィラーとしてBaTiO(以下、'BTO'と称する)セラミック粒子(平均粒径0.82μm)及び表面が粗く処理されたNi金属(平均粒径4μm)を混合した。この際、BTO含量を10体積%に固定させ、Ni金属含量を増加させそれに伴う誘電特性の変化を測定することが可能である。
【0041】
上記混合物をボールミル装置で2時間処理した後、マウンティングプレス(mounting press)を利用し180℃で270barの圧力で30分間維持させ硬化した。硬化された試料の両面に銅フォイルを一定大きさに切り両面に付着させ、300barの圧力で圧着させた後、試料を製作した。
【0042】
上記製作された試料を利用し誘電特性を測定した。上記誘電特性はインピーダンス分析機(Impedance Analyzer)を利用し1MHzで誘電常数と誘電タンジェント値を測定した。その値を表1に示した。
【0043】
(実施例3−5)
表1と同じ体積%でPMMAポリマー及びフィラーとしてBTOセラミック粒子(平均粒径0.82μm)及び表面を粗く処理したNi金属(平均粒径4μm)を混合した。この際、BTO含量を20体積%と固定させ、Ni金属含量を増加させたものである。その以外は実施例1と同様に実施した。
その結果を表1に示した。
【0044】
(比較例1−2)
表1と同じ体積%でPMMA及びBTOセラミック粒子(平均粒径0.82μm)を混合したことを除いては上記実施例1と同様に実施した。
その結果を表1に示した。
【0045】
(比較例3−4)
表1と同じ体積%でPMMA及びBTOセラミック粒子(平均粒径1.0μm)を混合したことを除いては上記実施例1と同様に実施した。
その結果を表1に示した。
【0046】
(比較例5−6)
表1と同じ体積%でPMMA及び表面を粗く処理したNi金属(平均粒径4μm)を混合したことを除いては上記 実施例1と同様に実施した。
その結果を表1に示した。
【0047】
(比較例7−8)
表1と同じ体積%でPMMA及び球形Ni金属(平均粒径4μm)を混合したことを除いては上記実施例1と同様に実施した。
その結果を表1に示した。
【0048】
(比較例9−10)
表1と同じ体積%でPMMA及びCu金属を混合したことを除いては 上記実施例1と同様に実施した。
その結果を表1に示した。
【0049】
【表1】

各成分に対する含量単位:体積%
【0050】
上記表1から、各成分の変化に伴う試料の誘電常数及び誘電損失変化の特性を分かることが可能である。すなわち、本発明による実施例1−5が比較例1−10に比べ誘電常数の増加幅が大きいと同時に誘電損失の増加量が小さいことを分かることが可能である。
【0051】
金属を含まずBTOを変化させた場合の比較例1及び2、BTOを10体積%と固定しNiを変化させた場合の実施例1及び2とBTOを20体積%と固定しNiを変化させた場合の実施例3、4及び5のパーコレーション臨界分率Pc(各Pc1、Pc2及びPc3)とパーコレーション転移領域(各々a、b及びc)を比較し、その結果を図3に示した。また、図4に周波数別の誘電率と誘電損失グラフを示した。
【0052】
図3から分かるように、BTO添加量が多いほどNiのパーコレーション臨界分率が増加(Pc1<Pc2<Pc3)することを示し、同時にパーコレーション転移領域も拡大(a>b>c)され、これによってこの付近における誘電率値も非常に高くなることが分かる。
【0053】
図4から分かるように、本発明による複合誘電体がNiのみ使用した従来の例より誘電率は高くなり、誘電損失は低くなる優秀な特性を有することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】金属粒子とセラミック粒子の混合及び分散による粒子らの変化を概略的に図示した図面である。
【図2】球形の金属粒子と表面を粗く処理した金属粒子に対する図面である。
【図3】実施例1−5及び比較例1-2における成分の含量変化に伴うパーコレーションの臨界分率及び転移領域の変化と誘電率に対する相関関係を示すグラフである。
【図4】実施例1−5及び比較例1−2における成分の含量変化による周波数別の誘電特性変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂、金属粒子、セラミック粒子を含んで組成され、上記金属粒子の表面にセラミック粒子が付着されたことを特徴とする複合誘電体。
【請求項2】
上記金属粒子は粗度が0.01−0.5ミクロン範囲の表面が粗い金属粒子であることを特徴とする請求項1に記載の複合誘電体。
【請求項3】
上記金属粒子はCu、Ni、Ag、Al、Zn、Co、Fe、Cr、Mn
及びこれらの組合わせからなる群から選択されたいずれか一つの金属であることを特徴とする請求項1に記載の複合誘電体。
【請求項4】
上記金属粒子が1−30体積%で含まれたことを特徴とする請求項1に記載の複合誘電体。
【請求項5】
上記セラミック粒子はBaTiO、PbTiO、CaTiO、SrTiO、PMN、PMN−PT、PZT、PZN−PT及びPMT−PTで構成される群から選択された少なくとも一つの強誘電体材料であることを特徴とする請求項1に記載の複合誘電体。
【請求項6】
上記セラミック粒子はMn、Mg、Sr、Ca、Y、Nb等の2+、3+、5+酸化物、またはCe、Dy、Ho、Yb、Nd等のランタン系元素の酸化物が単独またはこれらの混合物の添加剤でドーピングされたものであることを特徴とする請求項1に記載の複合誘電体。
【請求項7】
上記セラミック粒子が1−40体積%で含まれたことを特徴とする請求項1に記載の複合誘電体。
【請求項8】
上記金属粒子は平均粒径が0.1−7.5μmであり、上記セラミック粒子は平均粒径が金属粒子に対し50%未満であることを特徴とする請求項1に記載の複合誘電体。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8中いずれか一つによる複合誘電体を利用したキャパシター。
【請求項10】
請求項9によるキャパシターを回路中に形成した多層配線板。
【請求項11】
請求項9によるキャパシターを内蔵し半導体チップを搭載したモジュール基板。
【請求項12】
樹脂30−98体積%に金属粒子1−30体積%及びセラミック粒子1−40体積%を添加し、これらをボールミル処理し相対的に延性が大きい金属粒子表面にセラミック粒子を付着させることを特徴とする複合誘電体の製造方法。
【請求項13】
上記樹脂はPMMA(ポリメチルメタクリレート)、エポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ノボラックタイプエポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂及びこれらの組合せからなる群から選択されたいずれか一つの樹脂であることを特徴とする請求項12に記載の複合誘電体の製造方法。
【請求項14】
上記金属粒子はCu、Ni、Ag、Al、Zn、Co、Fe、Cr、Mn及びこれらの組合せからなる群から選択されたいずれか一つの金属であることを特徴とする請求項12に記載の複合誘電体の製造方法。
【請求項15】
上記セラミック粒子はBaTiO、PbTiO、CaTiO、SrTiO、PMN、PMN−PT、PZT、PZN−PT及びPMT−PTで構成された群から選択された少なくとも一つの強誘電体材料であることを特徴とする請求項12に記載の複合誘電体の製造方法。
【請求項16】
上記金属粒子は平均粒径が0.1−7.5μmであり、セラミック粒子は平均粒径が金属粒子の50%未満であることを特徴とする請求項12に記載の複合誘電体の製造方法。

【図1】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図2a】
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【図2b】
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【公開番号】特開2006−287203(P2006−287203A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41572(P2006−41572)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】