説明

高飽和赤色発光Mn(IV)活性蛍光体およびその製造方法

【課題】UVによって励起可能な新規な高飽和赤色蛍光体組成物を用いる発光素子の提供。
【解決手段】約250から500nmの放射線を発する半導体光源;および前記半導体光源と放射的に結合される蛍光体組成物を備え、前記蛍光体組成物はMg14(Ge(5-a)Mna)O24,Sr(Ge(4-b)Mnb)O9,Mg2(Ti(1-c)Mnc)O4,Zn2(Ti(1-d)Mnd)O4,SrMg(Al(10-e)Mne)O17およびY3(Ga(5-f)Mnf)O12からなる群から選ばれる、発光素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体組成物に関し、特に発光素子用蛍光体組成物に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来の照明を蛍光灯によって一般的に置き換えるために、日光に近似した白色光を発生する発光ダイオード(LED)の使用は、照明分野での主要な課題として精力的に研究されている。これまでの照明に比べてLEDによる白色光の発生は鉛汚染がなく、低電力消費、高効率等の有益さがある。2つの機構は、最近の単一チップ白色光LEDによって役立っている。第1に、400nm以下のUV−LEDチップ発光波長は、白色光にするために混合される、赤色、緑色および青色(RGB)を発光する蛍光体を励起するための光源として用いられ、第2に、青色LEDチップは白色光を発生するための黄色蛍光体を励起するために用いられる。第1の機構において、適切な座標特性および劣化度合を持つ種々の蛍光体は白色光の品質を制御するために用いられ、第2の機構において適切な黄色蛍光体を用いることが重要で、かつ現在使用されているYAG蛍光体(日本の日亜株式会社によって特許されている)以外、未だ知られていない。さらに、白色光は2つ以上の蛍光体から発光する異なる波長を持つルミネセンスを混合することによっていつでも発生される。白色光を発光可能な単一物質の使用は、製造プロセスを非常に簡潔化し、かつこの分野の主要な課題である。
【0003】
エネルギーを抑え、環境にやさしくかつ使用に耐えるために、LEDは日常生活のみならず、車、携帯電話、パネルバックライトおよび交通信号の光源に有用であり、かつLEDの使用は従来の照明に置き換えられることができる。LEDは、従来の電球の電気に対したった10〜15%の電気を消費する。アメリカにおいて、例えば電気を発生する総コストは1年当たり約600億ドルで、かつ21%はランプ(効率約7%、7〜101m/W)が8%使用および電灯(効率約20%、35〜401m/W)が14%使用の照明で;平均効率は約14%である。仮に、これらがLED(効率30%)で置き換えられれば、国内の電気消費は10%低減される。電気光学産業開発協会の試算によると、電気のための1150億ドル、電気エネルギーのための760GW、炭素放出のための2580億m3および133の発電所(それぞれ容量1000MW)が200〜2020年に低減される。さらに、LEDの使用寿命は従来の照明器具のそれの10倍以上長い。小容積、高輝度および製造および廃棄に環境にやさしいような有益さによって、LEDは未来の光源として考慮されている。
【0004】
照明の利用において、白色光LEDは従来の照明と置き換えるために積極的に用いられている。一般に白色光LEDの構成は蛍光体組成物を用いる部分と蛍光体組成物のない部分とに分けられる。これらは、蛍光体を用いる3種の構成;(1)青色LED−励起可能YAG蛍光体組成物、(2)青色LED−励起可能YAG赤色蛍光体組成物、および(3)UVLED−励起可能蛍光体組成物である。
【0005】
GaNに基づく近紫外線LEDは、白色光を発光するためにRGB蛍光体として(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4612:Eu2+,ZnS:CuAlおよびY23S:Eu3+から作られる(非特許文献1)。赤色蛍光体としてのY23S:Eu3+の色彩度は、不十分であるので、白色光LEDの色表現が影響され、それゆえ最も高い色表現指標Raは約83である。従来の電球に置き換えるために、白色光LEDの色暖色および色表現は上昇させるべきであるが、効率はそれに対して2〜3倍である。
【0006】
(蛍光体組成物のスペクトル特性)
経験的に得られる蛍光体組成物のスペクトルにおいて、いくつかはラインを示し、いくつかは広い帯を示すことがわかる。電子遷移とエネルギーレベルの間の関係は、配置座標図の概念によって説明される(非特許文献2)。横座標としてのカチオンおよびアニオン(R0)と縦座標としてのエネルギー(E)の間の平均距離を取ることによって、この関係はエネルギーとオッシレータの変位の間の関係に関する式E=1/2kr2、ここでkは力の定数である、によって述べられる。フランク−コンドン原理によると、原子核は外殻電子より非常に重いので、その振動周波数は非常に低く、それゆえ電子の迅速遷移プロセスにおいて結晶中の相対位置および原子の振動周波数はほぼ不変と考えられている。換言すると、電子が基底状態から励起状態に遷移すると、結晶内部の原子核(R)間の相対距離は不変と考えられている。遷移の確率は、基底状態の電子で最高になる、XRDプロファイルを表す図1を参照。ゼロ遷移または非フォノン遷移と呼ばれる遷移ΔR=0(ΔR=R0−R)の場合、吸収または発光スペクトルの全てのピークは急峻なピークになる。
【0007】
しかしながら、いつもゼロ遷移が起こるわけではない。フォノン波伝播が主要格子内部および活性中心に生じ、ΔRがゼロにしないために振電相互作用を働かせると、励起状態の化学結合は基底状態の化学結合と異なることになり、一般的により弱まる。このとき、顕著な距離変化(ΔR)があり、かつ幅広の結合がスペクトルに示されるので、基底状態および励起状態のエネルギー準位はもはや平行ではなくなる。ΔR>>0の場合、電子遷移とフォノンまたは格子振動の結合が増強し、ΔR=0の場合その結合が弱まる。それゆえ、ΔRと適用エネルギー効率の関係(非特許文献3)によって、適用効率はΔRが増加するので低くなると予想される。蛍光体組成物が発光するプロセスにおいて、いくつかの非放射性または熱緩和の挙動が随伴され、それによって吸収および発光のエネルギーは相違する。波長の相当する位置は、したがって異なり、ストークシフト(非特許文献4)と呼ばれる変位ギャップを存在することになる。ストークシフトは、次の式によって計算することができる。
【0008】
ストークシフト=2Shν
ここで、SはHuang-Rhys結合定数で、電子格子振動結合の積分因子を表し、hνは2つの振動エネルギー準位間のエネルギー差である。S<1に対して弱結合、1<S<5に対して中間結合およびS>5に対して強結合と呼ばれる。ストークシフトは(ΔR)2に比例し、それゆえストークシフトはΔRが大きくなるので増加し、かつスペクトルに示される発光ピークは広くなる。
【0009】
(遷移金属発光中心)
遷移金属イオンは、電子配位dn(0<n<10)を持つ未充満d軌道を一般的に含む。そのエネルギー準位は、種々の強度を持つ結晶場でのd電子間の相互作用に基づく田辺および菅野によって計算された。一般的に、遷移金属イオンは配位子−金属電荷移動によるUV帯域での広く強い吸収帯であり、さらに選択規則が許容するので結晶場遷移に対する他の吸収がある。
【0010】
例えば、Cr3+は電荷移動後UVまたはVISスペクトル領域で追加的吸収である。発光機構の観点からいえば、結晶場は種々の強度が異なる波長でもたらされる遷移金属イオンの発光挙動に大きな影響を有する。種々の主要格子において、活性化剤イオンは異なる環境に置かれ、そのためその呈する発光特性が異なる。蛍光体の発光特性は、それに適用される主要な格子の影響が知られているならば、予想することができる。特に、2つの主因子:主結晶場の共有原子価および強度がある。電子間の相互作用は、共有原子価が増加するので弱まる。異なるエネルギー準位を横切る電子の遷移は、電子間の相互作用によって決定され、それゆえ増加される共有原子価は低準位へのシフトに対応する電子遷移に寄与する。主要格子は、より高い共有原子価であるので、その格子のカチオンとアニオンの間の電気陰性度の差は減少し、かつそれに対応する電荷移動の遷移エネルギーは従って低準位にシフトする。
【0011】
種々の主要格子は異なる強度を有するので、エネルギー準位の分割がもたらされる。常識的に、d軌道を有する遷移金属イオンにとって、電子遷移に対応する波長は結晶場の強度に依存し;異なる電子配位を有する遷移金属イオンは結晶場の強度によって影響され、エネルギー準位差の原因になる。例えば、Al23:Cr3+およびCr23は同じ構造を有するが、明らかに異なる色、Al23:Cr3+は赤色、Cr23は緑色である。小さな格子寸法を持つAl23:Cr3+において、Cr3+イオンは小さなAl3+格子サイトに占め、それによって結晶場の強度が増強され、そのためその遷移エネルギーはCr23のCr3+より高くなる理由である。それゆえ、格子がある環境は発光中心のこの種類を通して観察することができる。希土類イオンに関して、5sおよび5p軌道で電子の影響を遮断するため、4f軌道内の電子は結晶場によって僅かに影響される。
【0012】
(蛍光体組成物の量子収量)
蛍光体組成物の量子収量(QE)は、次式で規定される。
【0013】
QE=発光フォトン数/吸収されたフォトン数
エネルギー的に見て、吸収に対する発光の総エネルギーの比である。それから、QEは
QE={(IDλ)emission/(IDλ)absorption}{(1−R)absorption/(1−R)emission
として表される。
【0014】
ここで、Iは強度を表し、λは波長を表し、かつRは吸収スペクトルの反射エネルギーを比較することによって得られる反射率を表す。
【0015】
優れた蛍光体組成物は、80%以上のQE値である。標準試料をSおよび既知試料をUで規定することによって、未知試料の量子収量は
(QE)U=(QE)S×{(ΣEdλexS}/{(ΣEdλexU}×{(ΣEdλemU}/{(ΣEdλemS}×{(1−R)S}/{(1−R)U
ここで、Eはエネルギーを表し、λexおよびλemは励起および発光の波長をそれぞれ表し、Edλexは吸収を表す。
【0016】
である。
【0017】
(色度座標)
視覚的に同じ感じである2つの色は、互いに異なる波長を持つ光で実質的に構成されるかもしれない。3原色、すなわち赤色、青色および緑色に基づいて、視覚的に様々な色は三色理論(非特許文献5)による種々の比で構成することによって表される。I’Eclairage国際委員会(CIE)は、三原色に対する当量単位、および標準白色光の光束がΦr:Φg:Φb=1:4.5907:0.0601であると決めた。三原色に対する当量単位は、白色光Fw=1「R]+1[G]+[B]、ここでRは赤色光を表し、Gは緑色光を表し、Bは青色光を表す、に対する色組合せ関係で決定される。
【0018】
いくつかの色を持つ光Fに対して、その色組合せ式、F=r「R]+g[G]+b[B]、ここでr,gおよびbは赤色、青色、緑色の係数を表す、は経験的に決定される。相当する光束は、Φ=680(R+4.5907G+0.0601B)輝度(lm、輝度単位)、ここで、r、gおよびb間の比は彩度(色飽和度の度合)を決定し、数は組合せ色の明るさを決定する。三原色r[R],g[G]およびb[B]の関係は、規格化:F=X[X]+Y[Y]+Z[Z]=m{x[X]+y[Y]+z[Z}}、ここでm=X+Y+Z、かつx−(X/m),y=(Y/m),z=(Z/m)のマトリックスで表される。各発光波長は、固有のr、gおよびb値を有する。XとしてVIS域の全ての値の総量、Yとしてのg値の総量およびZとしてのb値の総量を規定することによって、蛍光体組成物の彩度はC.I.E.1931測色光システム(C.I.E.測色光座標)と命名される標準x、y座標システムによって表される。そのため、スペクトルが測定されると、各波長の光の寄与は計算され、それから色度座標の正確な位置が指し示され、蛍光体組成物から発光する光の色はそれによって決定される。
【0019】
(Mn4+蛍光体組成物)
マグネシウムゲルマネート蛍光体組成物は、1947年にウイリアムズ(非特許文献6)によって最初に発見された。当初の2MgO・GeO2:0.01Mn赤色蛍光体組成物のMgO比の変更は、5倍以上の改良される最上の発光効率を持つ4MgO・GeO2:0.01Mnの蛍光体組成物を結果としてもたらす。
【0020】
Patten およびWilliamsらは、種々の温度でのマグネシウムゲルマネート蛍光体組成物に対するスペクトル分析を開示し、発光ピークの広がりが温度の平方根に比例することを確立し、かつ発光状態で活性化剤の電子配位が温度に関連することを提言されている(非特許文献7)。
【0021】
オランダのロイヤル・フィリップス社のKroeger Boomgaardは、製造プロセスおよびMgOGeO2:0.01Mn組成物の光ルミネセンス挙動を研究し、かつ最も強い発光を持つ蛍光体が窒素中での予備加熱および空気中、固体合成での焼成によって得られることを提言した(非特許文献8)。発光スペクトルは、同じエネルギー準位の最初の3つおよび別のエネルギー準位の他の4つは最終的に異なる振動エネルギー準位の基底状態に緩和される、異なる強度の7つの狭いピークからなる。Mn活性化剤は、広いピークの代わりに狭いピークが観察されることによって、原子価で+4であるべきことが決定される。
【0022】
Travnicekは非特許文献9で、6MgOAs25:Mn4+組成物のりん光特性を述べている。Travnicekは、発光の主要部中の種々の量のMgOの影響について研究し、蛍光体組成物の量子収量がMgO:As25=6:1で最も高くなると結論付けている。6MgOAs25および3MgOAs25の構造間の差は、X線データによって見出すことができ、かつ近紫外線で励起する6MgOAs25:Mn4+は5つの狭い付随されたピークを持つ赤色光スペクトルの結果をもたらすことがわかる。
【0023】
KemenyおよびQ Haakeは、3.5MgO0.5・MgF2・GeO2:Mn4+蛍光体組成物の発光中心について研究し、Mn4+が酸素原子によって作られる中心八面体に占めると述べている(非特許文献10)。前記Boomgaard’s文献と同様、前記組成物の発光スペクトルに7つの狭いピークがある。田辺−菅野のd3遷移金属図によってエネルギー遷移を説明したように、結晶場強度パラメータDqが2400cm-1である場合、吸収スペクトルの35000cm-1および24000cm-1でのピークはそれぞれ4241および4242のエネルギー遷移に起因する。
【0024】
RisebergおよびWeberは、Y2Al512:Mn4+のりん光スペクトルで2E→42のエネルギー遷移と温度の間の関係に関するモデルを確立し、2E→42のエネルギー遷移の非放射性崩壊速度を測定した(非特許文献11)。
【0025】
Bergstein and Whiteは、Sr12AlO19:MnおよびGaAl1219:Mn蛍光体組成物の製造プロセスについて研究し、酸化雰囲気が焼成プロセスで用いられる場合、得られた蛍光体組成物は赤色光を発光するが、還元雰囲気が用いられる場合、得られた蛍光体組成物はMn2+から緑色光を発光すると述べ、それゆえMn4+が八面体格子の占めながら、同時にMn2+が四面体格子の占めることを提言している(非特許文献12)。
【0026】
Kostiner and Blessは、6MgOAs25:Mn4+蛍光体組成物の合成を改良し、フラックスとしてPbOの使用を提言している(非特許文献13)。また、そのりん光特性および3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+が比較された。
【0027】
英国科学者Pauluszは、F座標およびMnF62-の化学結合特性の面からMn4+蛍光体組成物の効率を議論し、座標形態について説明した(非特許文献14)。eg軌道でのσ−反結合の度合が減少すると、t2g軌道での反結合の度合が増大し、それゆえ発光効率は優れ、かつクエンチィング温度が高くなることを強調した。また、K2SiF6:Mn4+,K2GeF6:Mn4+,K2TiF6:Mn4+等のようなフッ化物および酸化物のりん光特性が比較された。
【0028】
Stadeらは、Mg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の発光がMn4+のみならず未知の欠陥で形成されるN−中心に関係され、エネルギーはUVが吸収されるときに、2EからN−中心に遷移するが、422Eのエネルギーが吸収されるときにN−中心を励起するために有用である前記組成物の発光特性を説明した(非特許文献15)。また、狭いピークの度合は製造プロセスでのアニーリング条件で変化することを見出し、かつ697.8および699.4nmの発光ピークがシステムの僅かなMgTiO3:Mn4+に起因することを提言した。
【0029】
SrivastavaおよびBeersは、歪まされたプロブスカイトGd2MgTiO6の発光のMn4+効果について研究した(非特許文献16)。より長い波長でのピークに付随される、O2-→Mn4+の電荷移動を表す31700cm-1での吸収ピークおよび2E→42のゼロフォノン移動を表す14685cm-1での発光ピークは、提言されるような種々の格子でのMn4+のために発光スペクトルに現れる。6座標Mn4+は八面体格子に占め、かつ見積もられるDqは2066cm-1であり、八面体でのν3およびν4振動モードの結合は選択規則によって緩和され、Gd3+自身の8S→6P発光はMn4+濃度が低いときにMn4+の電荷移動と一部重複して起こる310nmで見出される、ことが述べられている。
【0030】
Shamshurinらは、深電子捕獲が崩壊寿命を増大するために格子に生じるので、2MgO・GeO2および2MgO・GeO2・MgF2中のMn4+の崩壊寿命が異なることを述べていた(非特許文献17)。イオン半径の比較は、Ge4+の半径(0.44Å)がMg2+のそれ(0.74Å)よりMn4+のそれ(0.52Å)に近似することを示し、そのためMn4+は半径が近似し、同じ電荷のGe4+格子に侵入することを提言した。また、633および660nmでの発光ピークは2142および2E→42の遷移に帰し、両者は非平衡または歪ませた格子中のMn4+の占有によって生成されるかもしれない。
【0031】
ロシア科学者Bryknarらは、SrTiO3:Mn4+の系列試験を実施し、13826.8cm-1での発光ピークおよび付随されるピークが2E→42のゼロフォノン遷移によって発生し、位置が温度で変化し、従って種々の温度で絶縁特性に関する異常なシフトが生じることを述べた(非特許文献18)。18182cm-1および23585cm-1での2つの広い吸収帯は、4242および4241の遷移によるものである。Mn4+およびCr3+の比較は、負電荷がCr3+がMn4+格子に置換されたときに生じ、かつ大きな正電荷の形成がMn4+およびO2-閉塞を作り、そのためMn4+およびO2-の波因子は大きな部分で重複し、Mn4+と格子間の相互作用を増強することを示す。フォトンエネルギーが1.9eVより大きく、かつ温度が100K以下である場合、表面エネルギー準位での電子は組成物が励起され、代わりにMn4+の濃度を減少し、かつ発光強度を減少する結果をもたらす、Mn4+→Mn5+の電荷移動を生じるとの理由で、前記温度効果は蛍光体組成物の発光強度に影響を及ぼす。一方、温度が100K以上の場合、十分なエネルギーが存在し、発光強度を増強する。
【0032】
Bulyarskiiらは、Gd3Ga512:Mn4+蛍光体組成物中の4つ組み4242の遷移確率を計算し、かつ2E→42の遷移確率を比較した(非特許文献19)。Gd3Ga512:Mn4+蛍光体組成物をレーザ材料に利用できることが述べられている。
【0033】
Murataらは、白色LEDに有用で、従来の固体合成で調製される赤色蛍光体組成物CaAl1219:Mn4+を紹介した(非特許文献20)。3つの付随された小さなピークを持つ656nmの発光ピークは、2E→42の遷移によるものである。CaF2およびMgF2は、それにドープされ、一対のCa2+またはMg2+でMn4+およびAl3+を交換することによって電荷競合を解決し、そのためMn2+の生成は避けられ、かつ発光強度は2倍以上に増強されることが述べられた。色度座標は、非常に高く色飽和される値(0.728,0.269)を示す。
【0034】
一般的に、Mn4+は格子中で6座標物と選択的に置換する。Mn4+と同じ半径寸法のイオンはGe4+>Al3+>Ti4+>As5+>Ga3+>Si4+であるので、Ge4+,Al3+およびTi4+は蛍光体組成物を設計する場合、Mn4+格子に対して最も適した置換物であると考えられている(非特許文献21)。
【0035】
したがって、UVによって励起可能な高飽和赤色蛍光体組成物は市場の現在の間接タイプのLEDをできる限り置き換え、かつ白色光LEDの色暖色および色表現を向上することを可能にすることを考慮される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0036】
【非特許文献1】T. Murata, T. Tanoue, M. Iwasaki, K. Morinaga, and T. Hase, J. Lumin., 114, 207 (2005)
【非特許文献2】R. B. King, “Encyclopedia of Inorganic Chemistry”, 4, John Wiley & Sons (1994)
【非特許文献3】G. Blasse and A. Bril, J. Electrochem. Soc., 115, 1067 (1968)
【非特許文献4】G. Blasse and B. C. Grabmaier, “Luminescent Materials”, Springer-Verlag, Berlin Heidelberg, Germany (1994)
【非特許文献5】H. Mizuno, Fundamental Opto-Mechtronics, Chapter 5, Fu-Han Publishing Ltd., 1993
【非特許文献6】F. E. Williams, J. Opt. Soc. Am., 37, 302, 1947
【非特許文献7】S. H. Patten and F. E. Williams, J. Opt. Soc. Am., 39, 702, 1949
【非特許文献8】F. A. Kroeger and J. Van Den Boomgaard, J. Electrochem. Soc., 97, 377, 1950
【非特許文献9】F. A. Kroger, TH. P. J. Botden and P. Zaim, Physica., 18, 33, 1952
【非特許文献10】G. Kemeny and C.H. Haake, J. Chem. Phys., 33, 783, 1960
【非特許文献11】L.A. Riseberg, M.J. Weber, Solid State Commun, 9, 791, 1971
【非特許文献12】A. Bergstein and W.B. White, J. Electrochem. Soc., 118, 1166, 1971
【非特許文献13】E. Kostiner and P. W. Bless, J. Electrochem. Soc., 119, 548, 1972
【非特許文献14】A. G. Paulusz, J. Electrochem. Soc., 120, 942, 1973
【非特許文献15】J. Stade, D. Hahn and R. Dittmann, J. Lumin., 8, 318, 1974
【非特許文献16】A. M. Srivastava and W. W. Beers, J. Electrochem. Soc., 143, 203, 1996
【非特許文献17】A. V. Shamshurin, N.P. Efryushina and A.V. Repin, Inorg. Mater., 36, 629, 2000
【非特許文献18】Z. Bryknar, V. Trepakov, Z. Potucek and L. Jastrabik, J. Lumin., 87, 605, 2000
【非特許文献19】S. V. Bulyarskii, A.V. Zhukov and V. V. Prikhod’ko. Opt. Spectrosc., 94, 538, 2003
【非特許文献20】T. Murata, T. Tanoue, M. Iwasaki, K Morinaga and T. Hase, J. Lumin., 114, 207, 2005
【非特許文献21】L.H. Ahrens., Geochim. Cosmochim. Acta, 2, 155, 1952
【発明の概要】
【0037】
本発明は、約250から500nmの放射線を発する半導体光源;および前記半導体光源と放射的に結合される蛍光体組成物を備え、前記蛍光体組成物はMn4+活性化剤と組み合わされたMn4+蛍光体を基礎とし、固体合成によって調製される。結晶相および構造についてのX線回折の分析、光ルミネセンススペクトルの測定、C.I.E.色度座標、全反射スペクトル、電子エネルギースペクトル、量子収量を通して、かつ発光特性とMn4+を含む種々の格子間の機構との差に用いて、高飽和赤色蛍光体組成物が調製される。
【0038】
転移プロセスでエネルギーを非放射性的に失うことを避けるために、蛍光体組成物の量子収量を改善し、かつ蛍光体組成物の選択で主要本体または主格子(小さな原子質量のカチオンと組み合わせることによる)の剛性を増大することが考えられる。それゆえ、本蛍光体組成物に対する設計規則は、
1.Mn4+が類似の半径を持つイオン格子サイトに侵入する;
2.Mn4+に適切な主要本体の置換サイトが6−座標である;
3.Mn4+の励起および発光がd3遊離イオンのための田辺−菅野図によって説明可能であり、そのため結晶場強度パラメータ(Dq)およびラカーパラメータ(B)が見積もられる。
【0039】
4.小さな原子質量のカチオンは、量子収量を改善するためにMn4+蛍光体組成物の主要本体を形成するのに用いられる。
【0040】
したがって、高飽和赤色蛍光体組成物は調製され、かつ発光素子に用いられる。本組成物は、Mg14Ge(5-a)24:aMn4+,SrGe(4-c)9:cMn4+,Mg2Ti(1-d)4:dMn4+,Zn2Ti(1-e)4:eMn4+,SrMgAl(10-f)17:fMn4+およびY3Ga(5-g)12:gMn4+、ここで0.0025<a<0.05,0.0005<d<0.02,0.0005<e<0.02,0.005<f<0.15および0.0025<g<0.075、からなる群から選ばれる。最良の組成物は、(1)Mg14(Ge4.9875Mn0.0125)O2,(2)Sr(Ge3.96Mn0.04)O9,(3)Mg2(Ti0.9975Mn0.0025)O4,(4)Zn2(Ti0.995Mn0.005)O4,(5)SrMg(Al9.975Mn0.025)O17および(6)Y3(Ga4.9875Mn0.0125)O12である。
【0041】
本組成物は、混合反応粉末をアルミニウム酸化物るつぼ中、1000〜1600℃で8時間、均一に焼成し、それから得られた粉末の結晶相および結晶構造についてのX線回折の分析、および光ルミネセンススペクトル、C.I.E.色度座標、全反射スペクトル、電子エネルギースペクトル、量子収量の測定を実行することによって調製される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】種々の焼成温度で合成されたMg14Ge524蛍光体組成物のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図2】種々の濃度のMn4+でドープされたMg14Ge524蛍光体組成物試料の系列のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図3】1200℃で合成されたMg14Ge524蛍光体組成物の励起および光ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図4】Mg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す図である。
【図5】Mg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物の色度座標を示す図である。
【図6】種々の焼成温度で合成されたSrGe49:xMn4+蛍光体組成物のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図7】(A)は種々の濃度のMn4+でドープされたSrGe49:xMn4+蛍光体組成物試料の系列のXRDプロファイルの比較を示す図、(B)は種々の濃度のMn4+でドープされたSrGe49:xMn4+蛍光体組成物試料の系列のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図8】1100℃で合成されたSrGe49:xMn4+蛍光体組成物の励起および光ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図9】種々の濃度のMn4+でドープされたSrGe49:xMn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す図である。
【図10】SrGe49:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す図である。
【図11】種々の温度で合成されたMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図12】(A)は種々の濃度のMn4+でドープされたMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物試料の系列のXRDプロファイルの比較を示す図、(B)は種々の濃度のMn4+でドープされたMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物試料の系列のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図13】1300℃で合成されたMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の励起および光ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図14】種々の濃度のMn4+でドープされたMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す図である。
【図15】Mg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す図である。
【図16】種々の温度で合成されたZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図17】(A)は種々の濃度のMn4+でドープされたZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物試料の系列のXRDスペクトルの比較を示す図、(B)は種々の濃度のMn4+でドープされたZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物試料の系列のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図18】1300℃で合成されたZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の励起および光ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図19】種々の濃度のMn4+でドープされたZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す図である。
【図20】Zn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す図である。
【図21】種々の焼成温度で合成されたSrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図22】(A)は種々の濃度のMn4+でドープされたSrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物試料の系列のXRDスペクトルの比較を示す図、(B)は種々の濃度のMn4+でドープされたSrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物試料の系列のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図23】SrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物の励起および光ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図24】種々の濃度のMn4+でドープされたSrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す図である。
【図25】SrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す図である。
【図26】種々の温度で合成されたY3Ga512:Mn4+蛍光体組成物のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図27】(A)は種々の濃度のMn4+でドープされたY3Ga512:Mn4+蛍光体組成物試料の系列のXRプロファイルの比較を示す図、(B)は種々の濃度のMn4+でドープされたY3Ga512:Mn4+蛍光体組成物試料の系列のXRDプロファイルの比較を示す図である。
【図28】Y3Ga512:Mn4+蛍光体組成物の励起および光ルミネッセンススペクトルを示す図である。
【図29】種々の濃度のMn4+でドープされたY3Ga512:Mn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す図である。
【図30】Y3Ga512:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
組成物の組合せおよび機構特性、さらに課題、技術的説明、形態およびこの分野でそれらの精通による本発明の効果のより良い理解のために、本発明は次の具体例、図および表を参照して説明する。
【0044】
本発明は、UVによって励起可能な新規な高飽和赤色蛍光体組成物を用いる発光素子に関する。
【0045】
蛍光体変換物質(蛍光体変換組成物)は、受けたUVまたは青色光を蛍光体組成物の特別な成分によって決められる異なる波長を持つ可視光に遷移可能である。蛍光体組成物は、単一または2つ以上の組成物で構成される。十分な輝度および白色光を発生するために光源として使用可能なLEDが必要である。本発明の1つの具体例において、蛍光体組成物は白色光を発生するためにLED上に被覆される。蛍光体組成物は、異なる波長を持つ光によって励起されるときに異なる色を発光する。例えば近紫外光または青色光LEDは、250〜500nmの波長で励起されるときに可視光を発する。蛍光体組成物によって可視光を発することは、高い強度および輝度を表すことを特徴付けている。本発明の好ましい具体例の1つは、半導体光源、すなわち発光ダイオードチップとこのチップに接続される導電リードとを有する発光素子または発光ランプである。導電リードは、電気を前記チップに供給し、放射発光を可能にするために電極シートによって支持される。
【0046】
また、発光素子は青色またはUV半導体光源を備え、放射は白色光を直接的に発生する蛍光体組成物上に放射されることによって発生される。したがって、前記LEDは適切なIII−V、II−VまたはIV−IV半導体(例えばGaN,ZnSまたはSiC)レーザの多様性を有し、かつ放出される放射の波長は250〜500nmが好ましい。例えば窒化物IniGajAlkN(ここで、0≦i,0≦Jおよび0≦k;i+j+k=1)からなるLEDは、250nmより長く、500nmより短い波長を持つ光を励起することが可能である。前記LEDは従来から知られ、本発明の励起光源として用いることができる。しかしながら、本発明はそれに限定されず、半導体レーザ光源を含む半導体によって励起可能な種々の光源は有用である。
【0047】
さらに、議論されるLEDは無機LEDを言及すると同時に、この分野でそれらを有機LEDまたは他の放射源で置換可能であることが適切であることは明らかである。
【0048】
本発明は、250〜500nmの波長で発光する半導体光源;およびMg14Ge(5-a)24:aMn4+,SrGe(4-b)9:bMn4+,Mg2Ti(1-c)4:cMn4+,Zn2Ti(1-d)4:dMn4+,SrMgAl (10-e)17:eMn4+およびY3Ga(5-f)12:fMn4からなる群から選ばれる、前記光源で励起される蛍光体組成物を備える発光素子を提供する。前記半導体光源はLEDのみならず有機LEDも使用できる。本蛍光体組成物は、白色光を発生する光源として用いられる前記LED上に被覆される。
【0049】
Mn4+に最も適した主要本体が6−座標であり、かつ蛍光体の量子収量がMn4+によって上昇されることに基づいて、本発明は
1.Mn4+が類似の半径を持つ主格子サイトに侵入する;
2.Mn4+に適切な主要本体の置換サイトが6−座標である;
3.Mn4+の励起および発光がd3遊離イオンのための田辺−菅野図によって説明可能であり、そのため結晶場強度パラメータ(Dq)およびラカーパラメータ(B)が見積もられる。
【0050】
による蛍光組成物を調製することにより達成される。
【0051】
より小さい原子質量を持つカチオンは、量子収量を改善するためにMn4+蛍光体組成物の主要本体を形成するのに用いられる。
【0052】
以下は、本発明の具体例、組成物1−7の詳細である。本発明に用いられる機器は、高温オーブンセット、高温通気管状オーブン、X線回折計(ブラッカーAXS D8)、分光蛍光計(Spex Fluorog-3; Jobin Yvon-Spex計器)、色分析計(DT−100色分析計;LASIKO)およびUV−VIS分光計(U−3010;日立)、その他である。
【0053】
蛍光体組成物の調製
(1)Mg14Ge524:xMn4+蛍光体組成物の調製
化学量論的に量った(x=0.15〜2.5%)MgO,GeO2およびMnO2は、30分間均一に混合、粉砕され、それから酸化アルミニウムるつぼに入れ、1000〜1300℃、8時間焼成した。結晶相、構造についてのX線回折の分析、光ルミネセンススペクトル、C.I.E.色度座標、その他を含む関連物理光学測定は、焼成淡黄色粉末に実行された。
【0054】
(2)SrGe49:xMn4+蛍光体組成物の調製
化学量論的に量った(x=0.15〜2.5%)SrCO3,GeO2およびMnO2は、30分間均一に混合、粉砕され、それから酸化アルミニウムるつぼに入れ、1000〜1100℃、8時間焼成した。結晶相、構造についてのX線回折の分析、光ルミネセンススペクトル、C.I.E.色度座標、その他を含む関連物理光学測定は、焼成桃色粉末に実行された。
【0055】
(3)Mg2TiO4:xMn4+蛍光体組成物の調製
化学量論的に量った(x=0.05〜2%)MgO,TiO2およびMnO2は、30分間均一に混合、粉砕され、それから酸化アルミニウムるつぼに入れ、1300〜1500℃、8時間焼成した。焼成粉末は、酸素流れを持つオーブン中で570℃、16時間焼成することによってアニールした。結晶相、構造についてのX線回折の分析、光ルミネセンススペクトル、C.I.E.色度座標、その他を含む関連物理光学測定は、得られた橙色粉末に実行された。
【0056】
(4)Zn2TiO4:xMn4+蛍光体組成物の調製
化学量論的に量った(x=0.05〜2%)ZnO,TiO2およびMnO2は、30分間均一に混合、粉砕され、それから酸化アルミニウムるつぼに入れ、1200〜1400℃、8時間焼成した。焼成粉末は、酸素流れを持つオーブン中で570℃、16時間焼成することによってアニールした。結晶相、構造についてのX線回折の分析、光ルミネセンススペクトル、C.I.E.色度座標、その他を含む関連物理光学測定は、得られた橙色粉末に実行された。
【0057】
(5)SrMgAl1017:xMn4+蛍光体組成物の調製
化学量論的に量った(x=0.05〜1.5%)SrCO3,MgO,Al23およびMnO2は、30分間均一に混合、粉砕され、それから酸化アルミニウムるつぼに入れ、1300〜1600℃、8時間焼成した。結晶相、構造についてのX線回折の分析、光ルミネセンススペクトル、C.I.E.色度座標、その他を含む関連物理光学測定は、焼成橙色粉末に実行された。
【0058】
(6)Y3Ga512:xMn4+蛍光体組成物の調製
化学量論的に量った(x=0.05〜1.5%)Y23,Ga23およびMnO2は、30分間均一に混合、粉砕され、それから酸化アルミニウムるつぼに入れ、1000〜1400℃、8時間焼成した。結晶相、構造についてのX線回折の分析、光ルミネセンススペクトル、C.I.E.色度座標、その他を含む関連物理光学測定は、焼成桃色粉末に実行された。
【0059】
蛍光体組成物の物理光学測定
組成物1
(Mg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物の物理特性)
Mg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物は、固体合成によって調製された。良好な結晶性を持つ単相のMg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物は、1200℃の合成温度で得られ、一方1100℃の合成温度で、MgOおよびGeO2は焼成物に残留され、かつ結晶は良好ではなかった。また、1300℃の合成温度で、僅かな融解が生じ、かつ反応物は蒸発した。図1は、種々の焼成温度で調製されたMg14Ge524:Mn4+を示し、その中の1200℃で得られた結晶相が純粋である比較によって立証された。図2は、種々のMn4+濃度でドープされた試料の系列のXRDスペクトルを示す。X線回折スペクトルは低ドープ濃度で同様であり、ドーパント濃度が0.5モル%以上の場合、ミラー指数(520)をもつ結晶化相の成長速度が低下され、かつ(422)をもつ結晶化相の成長が好ましいことを理解することができる。
【0060】
(Mg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物の光学特性)
図3は、1200℃で合成されたMg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物の光ルミネセンススペクトルを示す。図3において、破線は励起スペクトルを表し、327および419nmでの励起波長が好ましく、419nmのそれはより好ましい。固体線は、6つの狭いピークからなる発光スペクトルを表し、赤色域で659nmのピークの発光強度が最も高く、かつ両励起および発光波長がMn4+のドープ量に影響を受けない。したがって、発光への励起プロセスにおいて、Mg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物は4241および4242として励起され、かつ2E→42として発光し、ここで結晶場でのエネルギー準位の最も低い励起状態は2Eであり、基底状態は42である。一般的に、蛍光体組成物は41および42で励起され、それから2Eで緩和されて2E→42発光を生じる。図4は、種々の濃度のMn4+でドープされたMg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す。ルミネセンスの強度は、Mn4+のドープ量が増大するほど、増大し、0.25モル%で最高になることを理解することができる。Mn4+のドープ量が0.5モル%以上である間、濃度クエンチングはMn4+濃度があまりに高いために生じ、そのため発光強度が低下する。Mn4+による発光スペクトルの積分面積の多様性は、発光スペクトルの強度のそれと全く同じである。
【0061】
図5は、Mg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す。Mg14Ge524試料の系列は、419nmで励起され、0.05〜0.5モル%のMn4+でドープされた試料の色度座標値、‘*’で表される、は(0.71,0.27)であり、かつ1モル%でドープされたそれ、‘△’で表される、は(0.72,0.27)であり、両者は従来の市販品Y22S:Eu3+(o.64,0.35)より良好であることを理解できる。しかしながら、色度座標は発光強度が低下するほどに右にシフトし、肉眼で見ると、広範囲の赤色発光を示す。652nmの光ルミネセンス波長によれば、そのような高色飽和を得ることが妥当である。表1は、種々の濃度のMn4+でドープされたMg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物の色度座標値の比較を示す。
【表1】

【0062】
組成物2
(SrGe49:Mn4+蛍光体組成物の物理特性)
SrGe49:xMn4+蛍光体組成物は、固体合成によって調製された。単一相は、900℃の初期焼成温度では全く見られず、母材SrGe49は1000℃で見られるが、結晶性は良好ではなかった。蒸発状態生産物は、1200℃で現れる。図6は、種々の焼成温度で合成された試料を示す。温度が1100℃以上に上昇するまで、良好な結晶性を持つ単一相のSrGe49:xMn4+蛍光体組成物が得られることが明らかである。
【0063】
図7の(A)および(B)は、種々の濃度のMn4+でドープされたSrGe49:Mn4+試料の系列のXRDプロファイルを示す。SrGe49の構造は、0.15から2.5モル%のドーパント濃度範囲のMn4+によって影響を受けることがない。
【0064】
(SrGe49:Mn4+蛍光体組成物の光学特性)
図8は、1200℃で合成されたSrGe49:Mn4+蛍光体組成物の光ルミネセンススペクトルを示す。左手の破線は、励起スペクトルを表し、O2-P→Mn4+3dの遷移帯に起因する329nmでの励起波長が好ましい。前記帯に近似する312nmの狭いピークは、4241に起因し、かつ325および419nmでのそれらピークはそれぞれ4221および4242に起因する。4221は、スピン禁制であるので、4241および4242に比べて弱い強度を示す。固体線は、620〜700nmで現れるリニアーのピークを表し、655nmでの発光ピークが2E→42に起因するSrGe49:Mn4+と同様である。
【0065】
図9は、種々の濃度のMn4+でドープされたSrGe49:Mn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す。明らかなように、ルミネセンスの強度は1モル%のドーパント濃度で最高になる。ドープ濃度が1モル%以下である間、濃度クエンチングは過剰エネルギー遷移のために生じ、そのためルミネセンスの強度が低下する。さらに、両最高の発光スペクトルの積分面積(integrated area)および輝度は1モル%で出現する。
【0066】
図10は、SrGe49:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す。明らかなように、SrGe49試料の系列は、419nmで励起される。黒点の座標値は、(0.73,0.26)である。色度座標値は、0.15から2.5モル%のドーパント濃度範囲で影響を受けず、色飽和が従来の市販品Y22S:Eu3+(o.64,0.35)より良好である。
【0067】
表2は、種々の濃度のMn4+でドープされSrGe49:Mn4+蛍光体組成物の色度座標値の比較を示す。
【表2】

【0068】
組成物3
(Mg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の物理特性)
図11は、種々の温度で合成されたMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物のXRDプロファイルの比較を示す。Mg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物は、1300℃と同じ位高い温度で首尾よく合成された。1400および1500℃で得られた製品の結晶性は高いが、種々の回折ピーク間の強度比を確認する無機結晶構造データベース(ICSD)からのデータは1300℃で得られるそれに近くなり、従って好ましい合成温度は1300℃である。
【0069】
図12の(A)および(B)は、種々の濃度のMn4+でドープされたMg2TiO4:Mn4+試料の系列のXRDプロファイルを示す。Mg2TiO4:Mn4+の構造は、0.05から2モル%のドーパント濃度範囲のMn4+によって影響を受けることがない。
【0070】
(Mg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の光学特性)
図13は、1300℃で合成されたMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の光ルミネセンススペクトルを示す。破線部において、300nmでの小さいピークはO2-p→Mn4+3dの電荷遷移帯に起因し、352,400および478nmでのそれらのピークは42414221および4242にそれぞれ相当する。4222は、スピン禁制であるので、より弱い強度を示す。右手の固体線は、主に2E→42に起因する発光スペクトルを表す。
【0071】
図14は、種々の濃度のMn4+でドープされたMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す。発光スペクトルの両方の強度および積分面積(integrated area)は、0.25モル%で最高になるが、低濃度で平坦になる。濃度クエンチングは1モル%以上の濃度で見出される。
【0072】
図15は、Mg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す。明らかなように、‘△’は0.05〜1.0モル%のMn4+でドープされた試料(近似的に飽和された)の色度座標値、(0.73,0.26)を表し、一方‘*’は1.5〜2.0モル%でドープされたそれを表す。同様に、0.05〜1.0モル%でドープされたMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物は従来の市販品Y22S:Eu3+(0.64,0.35)より良好である。
【0073】
表3は、種々の濃度のMn4+でドープされMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の色度座標値の比較を示す。
【表3】

【0074】
組成物4
(Zn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の物理特性)
Zn2TiO4:Mn4+の構造は、前記Mg2TiO4:Mn4+のそれと同じである。図16は、種々の温度で合成されたZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物のXRDプロファイルを示す。Zn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物は、約1200℃で合成することができるが、1300℃で得られたそれらは最高の結晶性および純度である。1400℃で得られた製品の結晶性は、低くなる。さらに、図17の(A)および(B)は、種々の濃度のMn4+でドープされたZn2TiO4:Mn4+試料の系列のXRDスペクトルを示す。Zn2TiO4:Mn4+の構造は、0.05から2モル%のドーパント濃度範囲のMn4+によって影響を受けることがない。
【0075】
(Zn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の光学特性)
図18は、1300℃で合成されたZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の光ルミネセンススペクトルを示す。左手の破線は、励起スペクトルを表し、300nmでのピークはO2-2P→Mn4+3dの電荷遷移帯に起因し、362および486nmでのそれらのピークは4241および4242にそれぞれ相当する。右手の固体線は、発光スペクトルを表し、赤色域の672nmでの発光強度が最高になる。
【0076】
図19は、種々の濃度のMn4+でドープされたZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の濃度影響を示す。ルミネッセンススペクトルの強度は、ドーパント濃度の増加により増大し、0.5モル%で最高に到達し、それから落下する。
【0077】
図20は、Zn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す。明らかなように、‘△’は0.25〜1.0モル%のMn4+でドープされた試料の色度座標値を表し ‘*’は0.05〜1.5モル%でドープされたそれを表し、‘□’は1.5モル%でドープされたそれを表し、‘●’は2.0モル%でドープされたそれを表す。Zn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の最高は、0.25〜1.0モル%のMn4+でドープされたときに得られる。色度座標値は、左にシフトする時に減少し、かつ組成物は飽和未満になる。また、‘○’は、従来の市販品Y22S:Eu3+の色度座標値を表わす。
【0078】
表4は、種々の濃度のMn4+でドープされZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物の色度座標値の比較を示す。
【表4】

【0079】
組成物5
(SrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物の物理特性)
図16から明らかなように、SrMgAl1017:Mn4+の最良合成温度は1600℃であるが、SrMgAl1017:Mn4+結晶相は1300℃で始まって形成する。理論に従って、蛍光体組成物の結晶性は強度に比例するが、SrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物の最良の合成温度は以前の文献(N. Iyi and M. Gobbels, J. Solid State Chem., 122, 46, 1996)で1700℃以上であり、使用される高温オーブンの電力限界のため本発明において1600℃でのみ到達できる。
【0080】
図22の(A)および(B)は、種々の濃度のMn4+でドープされたSrMgAl1017:Mn4+試料の系列のXRDプロファイルを示す。結晶性は、ドーパント濃度1.5モル%以上のMn4+によって影響を受ける。
【0081】
(SrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物の光学特性)
図23は、SrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物の光ルミネセンススペクトルを示す。左手の破線は、励起スペクトルを表し、340nmでの吸収ピークは4241に起因し、396および468nmでの小さいピークは4222および4242にそれぞれ相当する。右手の固体線は、発光スペクトルを表し、658nmでのピークは2E→42の赤色発光に起因する。
【0082】
図24は、種々の濃度のMn4+でドープされたSrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物の発光強度の比較を示す。658nmのピークの両方の強度および積分面積は、0.25モル%で最高になる。
【0083】
図25は、SrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示す。明らかなように、‘△’は飽和された340nmによって励起されたSrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物の658nmでの発光波長の色度座標値、(0.73,0.27)、を表す。表5は、種々の濃度のMn4+でドープされたSrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物の色度座標値の比較を示し、色度座標値は0.05〜1.5モル%でドーパント濃度に影響を受けない。
【表5】

【0084】
組成物6
(Y3Ga512:Mn4+蛍光体組成物の物理特性)
3Ga512:Mn4+蛍光体組成物は、固体合成で調製される。図26から明らかなように、Y3Ga512結晶相は合成温度が1100℃に達したときに形成、最良の結晶性は1400℃で得られ、蒸発ガラス状製品は1500℃で得られる。したがって、本Y3Ga512:Mn4+蛍光体組成物の最良の合成温度は1400℃である。
【0085】
図27の(A)および(B)は、種々の濃度のMn4+でドープされたY3Ga512:Mn4+試料の系列のXRDプロファイルを示す。明らかなように、構造はMn4+イオンの導入よって影響を受けない。
【0086】
(Y3Ga512:Mn4+蛍光体組成物の光学特性)
図28は、合成されたY3Ga512:Mn4+蛍光体組成物の光ルミネセンススペクトルを示す。左手の破線部において、293nmの吸収ピークはO2-2P→Mn4+3dの電荷遷移帯に起因し、かつ395および492nmでのそれらのピークは4241および4242にそれぞれ相当する。右手の固体線部において、600〜750nmの発光ピークは2E→42に起因する。
【0087】
図29は、種々の濃度のMn4+でドープされたY3Ga512:Mn4+蛍光体組成物の強度および積分面積の比較を示す。明らかなように、最大は0.25モル%で得られる。
【0088】
図30は、Y3Ga512:Mn4+蛍光体組成物のC.I.E.色度座標を示し、ここで‘△’は、0.25モル%のMn4+でドープされた試料の色度座標値(0.72,0.27)を表し、‘*’は0.15モル%でドープされたそれを表し、‘□’は0.5〜1.5モル%でドープされたそれを表わす。最良の試料は、0.25モル%で得られる。
【0089】
表6は、種々の濃度のMn4+でドープされたY3Ga512:Mn4+蛍光体組成物の色度座標値の比較を示す。
【表6】

【0090】
前述したように、本発明は本発光素子に有用であるMg14Ge524:Mn4+、SrGe49:xMn4+、Mg2TiO4:xMn4+、Zn2Ti(1-d)4:Mn4+、SrMgAl1017:xMn4+およびY3Ga512:xMn4+蛍光体組成物を提供する。本蛍光体組成物の最良の組成比、物理および光学特性は、表7に示される。
【表7】

【0091】
前記表において、λexは蛍光体組成物にとって好ましい励起波長を表し、かつλemは蛍光体組成物からの発光の放射波長を表す。本発光素子は、前記組成物からなる。本組成物は、0.72〜0.73のx範囲および0.26〜0.27のy範囲のC.I.E.色度座標値を持つ高赤色飽和である。本組成物は、近紫外線LED用光源として有用であるばかりか、660nmでの発光波長組成物は従来市販の医療機器のみならず多くの他の応用に適用できる。本発明は、好ましい具体例を参照して前に開示されたが、具体例は本例に限定して用いられない。本発明の精神および範囲から引き離さない本発明を実行される変化および変更は可能であり、かつ本発明の範囲は添付請求の範囲で保護されることはこの分野で明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約250から500nmの放射線を発する半導体光源;および前記半導体光源と放射的に結合される蛍光体組成物を備え、前記蛍光体組成物はMg14Ge524:Mn4+,SrGe49:Mn4+,Mg2TiO4:Mn4+,Zn2TiO4:Mn4+,SrMgAl1017:Mn4+およびY3Ga512:Mn4+からなる群から選ばれる、発光素子。
【請求項2】
前記光源は発光ダイオードである請求項1記載の発光素子。
【請求項3】
前記発光ダイオードは、窒素を含む半導体である請求項2記載の発光素子。
【請求項4】
前記光源は、有機発光素子である請求項1記載の発光素子。
【請求項5】
蛍光体組成物は、前記光源の表面に被覆される請求項1記載の発光素子。
【請求項6】
MnがMg14Ge524:Mn4+蛍光体組成物中のGeを置換する割合は、0.05〜1モル%である請求項1記載の発光素子。
【請求項7】
MnがSrGe49:Mn4+蛍光体組成物中のGeを置換する割合は、0.25〜2モル%である請求項1記載の発光素子。
【請求項8】
MnがMg2TiO4:Mn4+蛍光体組成物中のTiを置換する割合は、0.05〜2モル%である請求項1記載の発光素子。
【請求項9】
MnがZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物中のTiを置換する割合は、0.05〜2モル%である請求項1記載の発光素子。
【請求項10】
MnがSrMgAl1017:Mn4+蛍光体組成物中のAlを置換する割合は、0.05〜1.5モル%である請求項1記載の発光素子。
【請求項11】
MnがY3Ga512:Mn4+蛍光体組成物中のGaを置換する割合は、0.05〜1.5モル%である請求項1記載の発光素子。
【請求項12】
前記蛍光体組成物は、前記半導体光源からの光で励起され、かつ0.63〜0.73のx範囲および0.26〜0.34のy範囲のC.I.E色度座標値で発光する請求項1〜11いずれか記載の発光素子。
【請求項13】
前記蛍光体組成物は、前記半導体光源からの光で励起され、かつ600〜680nmの波長で発光する請求項1〜11いずれか記載の発光素子。
【請求項14】
1000〜1600℃の固相合成によってなされる請求項1から13いずれか記載の発光素子に用いられる蛍光体組成物の製造方法。
【請求項15】
前記反応時間は、6〜10時間である請求項14記載の方法。
【請求項16】
Mg2TiO4:Mn4+およびZn2TiO4:Mn4+蛍光体組成物は、更に酸素下、490〜590℃で焼成される請求項14記載の方法。
【請求項17】
焼成の反応時間は、14〜18時間である請求項16記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−26610(P2011−26610A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212295(P2010−212295)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【分割の表示】特願2006−322153(P2006−322153)の分割
【原出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年6月 http://140.113.39.130/cgi−bin/gs/tugsweb.cgi?ccd=k6OiKj&o=v4−1を通じて発表
【出願人】(598139748)國立交通大學 (92)
【Fターム(参考)】