説明

黒参、黒参濃縮液および黒参ハチミツ漬けの製造方法

9回に亘って蒸熟工程の後に乾燥過程を経ることなく直ちに熟成工程を行うことを特徴とする、黒参、黒参濃縮液および黒参ハチミツ漬けの製造方法を開示する。黒参製品は、既存の高麗人参、紅参関連製品に対する代替商品としての機能を行うことができ、年齢と国家的境界を越えて人々の好みに合う優れた味および香りを有するうえ、人々の健康に有益に利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒参(Black-Ginseng)、黒参濃縮液および黒参ハチミツ漬けの製造方法に係り、さらに具体的には、原料としての水参(生の高麗人参)から洗浄、1次蒸熟、1次熟成、2次蒸熟、2次熟成、原料形態固定、3〜9次蒸熟および3〜9次熟成、並びに乾燥工程を経て黒参を製造し、原料洗浄、1次蒸熟、1次熟成、2次蒸熟、2次熟成、原料形態固定、3〜9次蒸熟および3〜9次熟成、抽出、濾過、濃縮、精製、並びに濃縮工程を経て黒参濃縮液を製造し、原料洗浄、原料表面の水分乾燥、表皮膜除去、シーブへの配列、ハチミツへの浸漬、1次蒸熟、1次熟成、ハチミツへの浸漬、2次蒸熟、2次熟成、ハチミツへの浸漬、原料形態固定、3次〜9次蒸熟および3次〜9次熟成、1次乾燥、原料の手入れ、2次乾燥、並びに包装工程を経て黒参ハチミツ漬けを製造する、黒参、黒参濃縮液および黒参ハチミツ漬けの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、紅参は、生の高麗人参から原料洗浄、選別、手入れ、蒸熟、乾燥、選別、検査、および包装の段階を経て製造するが、紅参製造の際に最も重要な工程、すなわち蒸熟および乾燥を1回だけ行う。
【0003】
また、高麗人参ハチミツ漬けの製造方法では、高麗人参の表皮から異物を除去し、高麗人参の皮むきをして原料としての高麗人参を準備し、蒸熟、糖浸透、糖除去を行った後、風乾および包装を行うことにより、高麗人参ハツミチ漬けを製造する。
【0004】
黒参を生産するために行う蒸熟と乾燥作業による高麗人参の成分が熱分解または他の化学的変化に起因して炭素になる炭化現象が発生するおそれがあるという問題点があった。製造過程における特性上、低温で水分含有状態で長時間露出することにより、細菌による変質および有効成分の損失に対するおそれがあり、根と胴体を分離することなく黒参を製造すると、乾燥過程において胴体と根の乾燥速度および乾燥度合いの差があまり大きいため、胴体を水分含有量14%以下の基準に合わせて乾燥させると、根は既に過度な乾燥によって炭化が進み、根の乾燥状態に応じて乾燥させると、胴体は過度な水分を含有するという問題点があった。
【0005】
また、糖漬け高麗人参類の味および香りは、製造方法の画一化によりその差異を改善し難いという根本的な問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来の諸般問題点を解決するために創案されたもので、その目的とするところは、既存の高麗人参、紅参関連製品に対する代替商品としての機能を行うことができ、改良された新規の商品として市場の流れに新しい活力を生み出すことができ、豊かで風味のある深い味および香りによって年齢と国家的境界を越えて人々の好みに合う商品による経済的効果が大きいうえ、人々の健康に有益に利用できる、黒参、黒参濃縮液および黒人ハチミツ漬けの製造方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、黒参を蒸熟の後に乾燥させる代わりに、一定水準の水分を供給、含有した状態で自然的な熟成および乾燥を誘導して炭化現象による有効サポニン成分の損失を防ぎ、胴体と根を分離せずに原型を維持して新しい形態で製造することができ、蒸熟過程でアルコールを用いて製品の品質を高めることができ、乾燥法として陽乾法を用いることにより原料の胴体と根に水分が均一に含有された製品を得ることができる、黒参、黒参濃縮液よび黒参ハチミツ漬けの製造方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の別の目的は、黒参の有効サポニン成分を抽出して有効サポニン成分を80mg/g〜約300mg/g程度の量で含有する黒参濃縮液の製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の別の目的は、原料に糖類を均一に付けた後、蒸熟室で蒸熟し、最小限の糖類のみを用いて原料に糖類が沈着されるようにすることにより、原料の有効成分の抽出による損失を防ぎ、適正の温度で繰り返し蒸熟する方法を用いて、風味のある独特な香りを有する新規の黒参ハチミツ漬けを提供する、黒参ハチミツ漬けの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のある観点によれば、水参(生の高麗人参)を用いて黒参を製造する方法において、原料である加工されていない水参を、原型と成分の損失が発生しないように水で洗浄する原料洗浄段階と、洗浄された原料を原料自体の水分を用いて88〜96°Cで2.5〜4時間蒸熟器を加熱して蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する1次蒸熟段階と、1次蒸熟された原料を乾燥過程を経ることなく熟成室で別途の水分供給なしに35°Cと同一またはより低い温度で24〜72時間熟成させ、原料の全ての部位で水分の含有量が20%未満に低くならないように維持して自然熟成させる1次熟成段階と、外部の水分を蒸熟室に供給して蒸熟室の内部温度を65〜75°Cに1.5〜2.5時間維持して、1次熟成された原料を蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する2次蒸熟段階と、2次蒸熟された原料を熟成室に投入して35°Cと同一またはより低い温度で水分の含有量が20%未満に低くならないように維持して24時間熟成させ、熟成室の内部に水分を供給して、原料が乾燥せずに適当な水分を吸収した状態で原料を自然熟成させる2次熟成段階と、2次熟成された原料を麻布で包み或いは絹糸で結んで原料の形態を固定する原料形態固定段階と、前記固定された原料を2次蒸熟段階および2次熟成段階と同一の方法でさらに7回繰り返して9次蒸熟および9次熟成させる段階と、および9次熟成された原料を水分の含有量が14%と同一またはより低くなるように陽乾法によって乾燥させる乾燥段階とを含んでなる、黒参の製造方法を提供する。
【0011】
前記1次蒸熟段階では、蒸熟室を密閉し、蒸熟室の圧力を0kg/cm〜1kg/cmに維持した状態で88〜96°Cの温度で2.5〜4時間維持するが、原料の太さに応じて定められた88〜96°Cの温度で2.5〜4時間蒸熟することを特徴とする。
【0012】
前記1次〜9次蒸熟段階では、蒸熟の際にアルコールを投入するが、アルコールの純100%を基準とする場合に原料の重量と比較してアルコール5〜10%を蒸熟室の内部に投入することを特徴とする。
【0013】
前記1次〜9次熟成段階では、前記1次〜9次蒸熟段階で発生する原料の炭化現象による有効サポニン成分の損失を防ぐために、蒸熟段階の後に乾燥過程を経ることなく直ちに熟成させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の他の観点によれば、黒参濃縮液の製造方法において、原料である加工されていない水参を原型と成分の損失が発生しないように水によって洗浄する原料洗浄段階と、洗浄された原料を原料自体の水分を用いて88〜96°Cで2.5〜4時間蒸熟器を加熱して蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する1次蒸熟段階と、1次蒸熟された原料を乾燥過程を経ることなく蒸熟室で別途の水分供給なしに35°Cと同一またはより低い温度で24〜72時間熟成させ、原料の全ての部位で水分の含有量が20%未満に低くならないように維持して自然熟成させる1次熟成段階と、外部の水分を蒸熟室に供給して蒸熟室内の温度を65〜75°Cに1.5〜2.5時間維持して、1次熟成された原料を蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する2次蒸熟段階と、2次蒸熟された原料を熟成室に投入して35°Cと同一またはより低い温度で水分の含有量が20%未満にならないように維持して24時間熟成し、熟成室の内部に水分を供給して、原料が乾燥せずに適当な水分を吸収した状態で原料を自然熟成させる2次熟成段階と、2次熟成された原料を麻布で包み或いは絹糸で結んで原料の形態を固定する原料形態固定段階と、前記固定された原料を2次蒸熟段階および2次熟成段階と同一の方法でさらに7回繰り返して9次蒸熟および9次熟成させる段階と、アルコール含有量70%の溶媒を用いて黒参の有効サポニン成分を抽出するが、抽出時の温度は75°Cを超えないようにし、3回繰り返して抽出する段階と、前記抽出された液はマイクロフィルターを用いて有効サポニン成分以外の不純物の一部を濾過する濾過段階と、真空装置を用いて濃縮器の内部を減圧し、抽出の際に使用した溶媒の蒸発温度を45°Cより低い温度に誘導し、加熱温度は75°Cを超えないように維持して濃縮する段階と、前記濃縮した濃縮液はアルコール含有量70%の溶媒に希釈して沈殿法を用いて不純物を濾す精製段階と、濃縮液中の固形分の占有比率が60%と同一またはより高くなるように濃縮する濃縮段階とを含んでなる、黒参濃縮液の製造方法を提供する。
【0015】
また、本発明の別の観点によれば、前記方法によって製造された黒参からアルコール含有量70%の溶媒を用いて黒参の有効サポニン成分を抽出するが、抽出時の温度は75°Cを超えないようにし、3回繰り返して抽出する段階と、前記抽出された液はマイクロフィルターを用いて有効サポニン成分以外の不純物の一部を濾過する濾過段階と、真空装置を用いて濃縮器の内部を減圧し、抽出の際に使用した溶媒の蒸発温度を45°Cと同一またはより低い温度に誘導し、加熱温度は75°Cを超えないように維持して濃縮する段階と、前記濃縮した濃縮液はアルコール含有量70%の溶媒に希釈して沈殿法を用いて不純物を濾す精製段階と、濃縮液中の固形分の占有比率が60%と同一またはより高くなるように濃縮する濃縮段階とをさらに含んでなる、黒参濃縮液の製造方法を提供する。
【0016】
前記製造された黒参濃縮液は、ジンセノサイドRg1、ジンセノサイドRg2、ジンセノサイドRg3、ジンセノサイドRd、ジンセノサイドRe、ジンセノサイドRf、ジンセノサイドRb1、ジンセノサイドRb2およびジンセノサイドRcを含む有効サポニン成分を80mg/g〜300mg/gの量で含有することを特徴とする。
【0017】
前記製造された黒参は、脳頭、胴体および根を分離せず原型を維持して製造した形態、根を除去して製造した原参の形態、または胴体を除去して製造した尾参の形態であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のさらに別の観点によれば、黒参ハチミツ漬けを製造する方法において、原料である水参の表面から不純物を除去して洗浄する原料洗浄段階と、前記洗浄された原料の中から原型が損傷していない原料を選別し、選別された原料の表面の水分を乾燥させる段階と、水分を乾燥させた原料を切断し、原料の表皮膜を破壊または除去する段階と、切断された原料をシーブに配列する段階と、シーブにきちんと配列した原料をハチミツに浸漬する段階と、ハチミツが均一に塗布された原料を88〜96°Cで2.5〜4時間原料の水分を用いて蒸熟させる1次段階と、1次蒸熟された原料を35°C未満の熟成室で8時間熟成させる1次熟成段階と、1次熟成された原料をハチミツに浸漬する段階と、浸漬された原料を65〜75°Cに1.5〜2.5時間維持して蒸熟する2次蒸熟段階と、2次蒸熟された原料を35°C未満の熟成室で8時間熟成させる2次熟成段階と、前記熟成された原料をハチミツに浸漬し、2次蒸熟段階および2次熟成段階と同一の方法でさらに7回繰り返してハチミツに浸漬し、9次蒸熟および9次熟成させる段階と、9次熟成された原料を半乾燥状態に乾燥させる1次乾燥段階と、半乾燥状態の原料を手入れする原料手入れ段階と、手入れした原料を、ハチミツ漬けに許容される水分の含有量に合わせて乾燥させる2次乾燥段階と、2次乾燥した原料を真空状態で包装する包装段階と、真空状態で包装された原料を90°Cの温度で30分間露出させて殺菌処理する殺菌段階とを含んでなる、黒参ハチミツ漬けの製造方法を提供する。
【0019】
前記2次蒸熟〜9次蒸熟段階では別途の水分供給なしで蒸熟することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上述したように、本発明は、既存の高麗人参、紅参関連製品に対する代替商品としての機能を行うことができ、改良された新規の商品として市場の流れに新しい活力を生み出すことができ、豊かで風味のある深い味および香りによって年齢と国家的境界を越えて人々の好みに合う商品による経済的効果が大きいうえ、人々の健康に有益に利用できるという効果がある。
【0021】
また、黒参を蒸熟の後に乾燥させる代わりに、一定水準の水分を供給、含有した状態で自然的な熟成および乾燥を誘導して炭化現象による有効サポニン成分の損失を防ぎ、胴体と根を分離せずに原型を維持して新しい形態で製造することができ、蒸熟過程でアルコールを用いて製品の品質を高めることができ、乾燥法として陽乾法を用いることにより原料の胴体と根に水分が均一に含有された製品を得ることができるという効果がある。
【0022】
また、黒参の有効サポニン成分を抽出して有効サポニン成分を80mg/g〜約300mg/g程度の量で含有する、黒参濃縮液を製造することができるという効果がある。
【0023】
また、原料に糖類を均一に付けた後、蒸熟室で蒸熟し、最小限の糖類のみを用いて原料に糖類が沈着されるようにすることにより、原料の有効成分の抽出による損失を防ぎ、適正の温度で繰り返し蒸熟する方法を用いて、風味のある独特な香りを有する新規の黒参ハチミツ漬けを提供するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明黒参を製造する製造方法は、次のとおりである。
【0025】
1.第1工程:原料洗浄
原料である生の高麗人参、すなわち加工されていない水参を原型と成分の損失が発生しないように水で洗浄する。原料の表皮に付いている不純物は清い水で奇麗に洗浄する。この際、高麗人参をあまり洗浄すると、原料の部分脱落による有効成分の損失および品質低下の原因になるおそれがあるので、注意深く洗浄する。
【0026】
洗浄の後、原料の品質、太さ、部位などの状態に応じて、製造過程で設定する時間と温度は基準内で少しずつ差異があり得るため、原料の品質と状態に応じて種類別に選別する過程を経る。この際、原型を維持したままで作業することを原則とするが、原型を維持したままで作業するには適しないと判断される原料の胴体と根を分離し、形態別に選別する作業を併行する。
【0027】
2.第2工程:1次蒸熟
第1工程を済ませた原料を、原料自体の水分を用いて88〜96°Cで2.5〜4時間蒸熟器を加熱して蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する1次蒸熟段階である。
【0028】
全て9回の蒸熟過程を経るが、本1次蒸熟の場合には加湿して蒸熟せず、生の高麗人参(水参)自体の水分を用いて蒸熟する。これは、原料としての高麗人参自体の水分含有量は約70%であり、さらに蒸熟室の内部に水分を供給すると、水分が多くなって、過多な水分が原料に凝集し、凝集した水分によって原料の成分が自然に抽出されて流下する抽出現象を遮断するためである。
【0029】
また、原料の太さに応じて、時間および温度を所定の2.5〜4時間と88°C〜96°Cの温度内で少しずつ異なるように設定することができる。蒸熟の際に熱効率を極大化させ、高温で蒸熟室内の水分が外に流出せず効果的に蒸熟されるようにするために、蒸熟室を密閉するが、この際、蒸熟室の圧力は0kg/cm〜1kg/cmの状態を保つ。
【0030】
また、9回まで蒸熟する全ての蒸熟過程でアルコールを蒸熟室の内部に投入するが、これは、アルコールを投入することにより全体的な作業工程における細菌による変質を予防し、殺菌効果を有し、加工される原料の状態を最上の状態に維持することに効果的な影響を及ぼし、水参、白参、紅参などでは感じられない黒参のみの深さのある固有の味と香りを持たせるうえ、保存にも効率的であるためである。
【0031】
投入されるアルコールは、純度100%を基準とするときに原料の重量と比較して5〜10%程度である。
【0032】
3.第3工程:1次熟成
第2工程を済ませた原料は、乾燥過程を経ることなく、熟成室で別途の水分供給なしに熟成過程を経る。熟成は35°C以下の温度で24時間〜72時間原料の全部位で水分の含有量を20%未満に低くならないように維持した状態で自然的に熟成されるように誘導する。
【0033】
4.第4工程:2次蒸熟
外部の水分を蒸熟室に供給し、蒸熟室の内部温度を65〜75°Cに1.5〜2.5時間維持し、1次熟成された原料を蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する2次蒸熟段階である。投入するアルコールは、純度100%を基準とするときに原料の重量と比較して5〜10%程度である。
【0034】
第2工程とはその方法が異なるが、1次蒸熟では原料自体の水分を用いて蒸熟したが、本蒸熟の過程からは外部の水分を蒸熟室に供給する方法によって蒸熟する。その理由は、原料の水分の含有量が低いため、外部の水分供給なしで加熱する場合、蒸熟されずに高温で乾燥して炭化現象を起こして有効成分の損失および品質の低下をもたらすためである。
【0035】
「炭化現象」とは、高麗人参の成分が熱分解または他の化学的変化に起因して炭素になることをいう。
【0036】
5.第5工程:2次熟成
原料の状態によって若干の差異があり得るが、前述した第4工程を済ませた原料には、胴体の場合は水分の含有量が約40%に至り、尾参の場合は水分の含有量が30%程度の水準に至るが、熟成室に投入して35°C以下の温度で水分の含有量を20%未満に低くならないように維持し、約24時間熟成させる。もし根の端部があまりにも乾燥する場合には、加湿して乾燥を防止する。
【0037】
6.第6工程:原料形態固定
手入れした原料は、形態を固定するために、麻布で包み或いは絹糸などで結ぶ作業を行う。結んでおいた麻布または糸などは最終熟成作業と乾燥作業を済ませた状態で解く。
【0038】
製品の商品性を高めるために、特に人の注意深い手入れを多く必要とするが、熟成工程を経た原料は水参状態のときより水分の含有量が相当低くなり、原料の材質状態が柔らかくなる。よって、原料を所望の形状に手入れすることに容易である。
【0039】
7.第7工程:3次〜9次蒸熟および3次〜9次熟成
第6工程を済ませた原料を、2次蒸熟段階および2次熟成段階と同一の方法でさらに7回繰り返し行うことにより、9次蒸熟および9次熟成させる段階である。
【0040】
8.第8工程:乾燥
9次熟成された原料を、水分の含有量が14%と同一またはより低くなるように陽乾法を用いて乾燥させる乾燥段階である。乾燥の過程は非常に重要であるが、その理由は、乾燥過程で注意を傾けなければ、原料だけでなく、多くの労働力および時間的・金銭的な損害を甘受しなければならないためである。
【0041】
前述した蒸熟の後、水分を維持して熟成させる9回にわたってなされる全ての工程によって最終的に水分を14%以下に維持する段階では、原料(胴体と根)に含有された水分が既に基準に近接した状態となるので、9次熟成の後には、日光と空気中の水分による自然的な乾燥方法である陽乾法を使用する。
【0042】
陽乾法によって乾燥させる場合、乾燥時間は長くなるおそれがあるが、過度な乾燥による炭化現象に注意すると、空気中の水分を適当に吸収または排出する過程を繰り返しながら、条件に合う水準の乾燥状態を比較的安全に維持することができる。
【0043】
陽乾法は日光と空気による自然的な乾燥方法であり、火乾法は火力と風力などを使用する乾燥機を用いた人為的な乾燥方法である。
【0044】
前記第8工程を済ませた黒参は、形態を固定するために結んでおいた麻布または絹糸を除去し、用途に合わせて選別するが、水分の含有量が過多なものは再乾燥の過程を経る。前記選別した黒参を検査基準に基づいて検査し、検査を済ませた黒参は製品の形態と品質別に区分して衛生的に包装される。
【0045】
また、商品の品質状態に応じて定める基準に合わせて区分し、形態によっては原型を維持した黒参、黒参の原参、黒参の尾参に分ける。
【0046】
前記製造された黒参は脳頭、胴体および根が分離せずに原型を維持して製造した黒参であり、黒参の原参は根を除去して製造したものであり、黒参の尾参は胴体を除去して製造したものである。
【0047】
前記製造された黒参は、一般的な水参、白参、紅参からは感じられない黒参のみの深さのある固有の味と香りを持つことが好ましい。
【0048】
また、前記製造された黒参を用いて黒参濃縮液を製造することができる。
【0049】
本発明に係る黒参濃縮液の製造方法は、次のとおりである。
【0050】
まず、前記第7工程まで済ませた、前記第9次蒸熟および9次熟成段階を経た黒参を用いる。
【0051】
8.第8工程:抽出
アルコール含有量70%の溶媒を用いて黒参の有効サポニン成分を抽出するが、抽出時の温度は75°Cを超えないようにし、3回繰り返して抽出する。
【0052】
9.第9工程:濾過
前記抽出された液は、マイクロフィルターを用いて有効サポニン成分以外の不純物の一部を濾過する。
【0053】
10.第10工程:濃縮
真空装置を用いて濃縮器の内部を減圧し、抽出の際に使用した溶媒の蒸発温度を45°Cより低い温度に誘導し、加熱する温度は75°Cを超えないように維持して濃縮する。
【0054】
これは、有効サポニン成分の熱による損傷を防止し、濃縮液が含んでいる黒参の味と香り成分を保存するためである。
【0055】
11.第11工程:精製
前記濃縮した濃縮液をアルコール含有量70%の溶媒に希釈し、沈殿法を用いて不純物を濾して精製する。
【0056】
12.第12工程:濃縮
濃縮液中の固形分の占有比率が60%と同一またはより高くなるように濃縮すると、黒参濃縮液が製造される。
【0057】
前記濃縮は、真空装置を用いて濃縮器の内部を減圧し、抽出の際に使用した溶媒の蒸発温度を45°C以下に誘導し、濃縮器の加熱温度は75°Cを超えないようにするが、その理由は、有効サポニン成分の熱による損傷を防止し、濃縮液が含んでいる黒参の味および香り成分を保存するためである。
【0058】
前記製造された黒参濃縮液は、黒参が持っている固有の味および香りを有し、有効サポニン成分を80mg/g〜300mg/g程度の含量で含有する。
【0059】
前記製造された黒参濃縮液を国家公認機関の施設で基準に適した方法によって検査し、検査済みの濃縮液は所定の規格に合わせて衛生的に包装する。すると、黒参濃縮液が完成する。
【0060】
すなわち、前述したように第7工程まで済ませた黒参を用いて濃縮液を抽出して製造することで、製造工程を減らして製造工程の効率性を高めることができる。
【0061】
また、黒参製造方法における第8工程の乾燥を済ませた黒参を用いて黒参濃縮液を製造することもできる。すなわち、第7工程の9次蒸熟および9次熟成を済ませた原料に対して第8工程の乾燥を行った後、前述したように抽出、濾過、濃縮、精製および濃縮段階を行うことにより、黒参濃縮液を製造する。
【0062】
抽出、濾過、濃縮、精製および濃縮段階は前記黒参濃縮液の製造方法と全て同一である。
【0063】
すなわち、第8工程を経た黒参濃縮液の製造方法について説明すると、次のとおりである。
【0064】
原料(加工されていない水参(生の高麗人参))→1.第1工程:洗浄→2.第2工程:1次蒸熟→3.第3工程:1次熟成→4.第4工程:2次蒸熟→5.第5工程:2次熟成→6.第6工程:原料形態固定→7.第7工程:3〜9次蒸熟および3〜9次熟成→8.第8工程:乾燥→9.第9工程:抽出→10.第10工程:濾過→11.第11工程:濃縮→12.第12工程:精製→13.第13工程:濃縮
【0065】
前記第13工程を済ませた黒参濃縮液を国家公認機関の施設で基準に適した方法によって検査し、検査済みの濃縮液は所定の規格に合わせて衛生的に包装する。
【0066】
前記製造された黒参濃縮液は、紅参から検出される代表的な有効サポニン成分を全て含有するが、その内容は表1のとおりであり、国内国家公認機関で紅参の主要有効サポニン成分に対して確認を行うときに検査する必須項目を全て含む。
【0067】
【表1】

【0068】
すなわち、製造された黒参濃縮液は、ジンセノサイドRg1、ジンセノサイドRg2、ジンセノサイドRg3、ジンセノサイドRd、ジンセノサイドRe、ジンセノサイドRf、ジンセノサイドRb1、ジンセノサイドRb2、およびジンセノサイドRcを含む有効サポニン成分を80mg/g〜300mg/gの含量で含有する。
【0069】
また、黒参を用いて黒参ハチミツ漬けを製造する方法は次のとおりである。
【0070】
1.第1工程:原料の洗浄
原料である生の高麗人参、すなわち水参を準備するが、原料は商品の品質において最も核心となる事項なので、次の瑕疵がある原料以外の良い品質の原料のみを厳選する。
【0071】
黄参とは、原料の成長過程における問題によって表皮が奇麗ではなく、かなり荒い形態のやや赤い黄色を帯びたものをいい、隠皮参とは、表面の色相はまるで正常の如く見えるが、詳しく察してみると表面が荒くあばたのようになっており、表皮の内側が損傷しているものをいう。
【0072】
また、腐った高麗人参は、表面を見て区分することはできないが、脆くて芯部の縁部などに黒く損傷した痕跡があり、芯部の匂いを嗅ぐと腐った匂いがするものをいい、乱髪参は、高麗人参の胴体があまり短く根の比重があまり多いため、製品の外形が奇形的なものをいう。
【0073】
また、眠参は、高麗人参の成長過程における様々な問題によって葉が早く枯れ、或いはその年に新芽が生えていない状態で休眠して正常な脳頭と茎はなく、根だけあるものである。このような高麗人参は、高麗人参の有効成分および細胞の組織が正常的に充実に保存されておらず、ほぼ空いている状態で外形だけ維持しているため、製造後にはほぼ外皮だけ残るのである。
【0074】
前述したように原料を準備した後、原料である水参の表面に付いている不純物を除去して洗い出すが、洗浄し過ぎて原型に損傷を与えないように注意する。
【0075】
前記洗浄した原料の中から原型の損傷していない原料を選別し、選別された原料表面の水分を乾燥させる。
【0076】
原料選別は、洗浄の後には原料を洗浄する前より原料の状態を確認することが容易なので、さらに細かく原料の状態を確認して瑕疵のあるものは選び出し、切断して加工するものと、原型を維持して加工するものなどに区分する作業を併行する。
【0077】
2.第2工程:原料表面の水分乾燥
前記選別された原料の表面を乾燥させることにはいろいろの理由がある。長時間保管しようとする場合、水分が多過ぎると、腐り易く、次の過程を行うのにも支障をもたらす。また、原料をハチミツに浸漬する過程でハチミツの濃度が薄くなることにより、作業工程における効率性を低下させる。
【0078】
3.第3工程:原料の切断および原料表皮膜の除去
水分を乾燥させた原料を切断し、原料の表皮膜を破壊または除去する。
【0079】
選別して表面の水分を乾燥させた原料は、用途に応じて切断してハチミツ漬けにしたり、原型を維持した状態でハチミツ漬けにしたりする。特に、原料の形態を維持した状態でハチミツ漬けにする場合、高麗人参の表皮に形成されているビニルと類似の表皮は、糖類またはハチミツが高麗人参に吸収されるための最も大きな妨害要素として作用するので、表皮を除去し或いは表皮に損傷を加えることにより、ハチミツなどの成分の浸透が容易となるような措置を取る。
【0080】
4.第4工程:シーブへの原料配列
切断された原料をシーブにきちんと配列する。
【0081】
効率の良い作業を行うために、そして商品の品質を高めるために、きちんと配列する作業は必須の作業工程である。
【0082】
5.第5工程:ハチミツへの浸漬
シーブにきちんと配列した原料をハチミツに浸漬する。
【0083】
ハチミツ漬けにする従来の製造過程では本過程で浸漬した状態で加熱して沸かす方法によって糖類が高麗人参の本体内に吸収されるように誘導したが、この過程で高麗人参の有効成分が抽出されて商品の品質が低下することを防ぐために、本発明では、高麗人参にハチミツを付けることだけを行った後、加熱せずに次の過程に移行する。
【0084】
6.第6工程:1次蒸熟
ハチミツが均一に塗布された原料を、88〜96°Cで2.5〜4時間原料自体の水分を用いて蒸熟する1次蒸熟段階である。
【0085】
7.第7工程:1次熟成
1次蒸熟した原料を35°C未満の熟成室で8時間熟成させる1次熟成段階である。
【0086】
8.第8工程:ハチミツへの浸漬
1次熟成させた原料をハチミツに浸漬する。
【0087】
9.第9工程:2次蒸熟
第8工程を経た原料を、65〜75°Cで1.5〜2.5時間維持して蒸熟する。蒸熟過程で別途の水分は供給しない。
【0088】
10.第10工程:2次熟成
2次蒸熟した原料を35°C未満の熟成室で8時間熟成させる。
【0089】
11.第11工程:ハチミツへの浸漬、3次〜9次蒸熟および3次〜9次熟成
前記熟成させた原料をハチミツに浸漬し、2次蒸熟段階および2次熟成段階と同一の方法でさらに7回繰り返してハチミツに浸漬し、9次蒸熟および9次熟成させる。
【0090】
また、前記2次蒸熟〜9次熟成段階は別途の水分供給なしで行う。
【0091】
12.第12工程:1次乾燥
第11工程を経た原料を半乾燥状態に乾燥させる1次乾燥段階である。これは原料の手入れを容易にするためである。
【0092】
13.第13工程:原料の手入れ
第12工程を経た半乾燥状態の原料を手入れする。これは半乾燥状態の原料を、商品的価値を持つことができるように手入れすることである。
【0093】
14.第14工程:2次乾燥
第13工程を経た手入れ済みの原料を、ハチミツ漬けに許容される水分の含有量に合わせて2次乾燥させる。
【0094】
15.第15工程:包装
2次乾燥した原料を真空状態で包装する。
【0095】
基準に適したか否かを検査し、適した原料を選別し、選別された原料は適切な包装紙を用いて真空状態で包装する。
【0096】
16.第16工程:殺菌
第15工程を経て真空状態で包装された原料を、90°Cの温度で30分間露出させて殺菌処理する。
【0097】
前述したように製造された原料は、風味のある味と香りを含有し、柔らかくてしこしこした感触を持つ黒参ハチミツ漬けに完成される。
【0098】
以上、本発明の好適な実施例について説明の目的で開示したが、当業者であれば、添付した請求の範囲に開示された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形、追加または置換を加え得ることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水参(生の高麗人参)から黒参を製造する方法において、
原料としての加工されていない水参を、原型と成分の損失が発生しないように水で洗浄する原料洗浄段階と、
洗浄された原料を原料自体の水分を用いて88〜96°Cで2.5〜4時間蒸熟器を加熱して蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する1次蒸熟段階と、
1次蒸熟された原料を乾燥過程を経ることなく熟成室で別途の水分供給なしに35°Cと同一またはより低い温度で24〜72時間熟成させ、原料の全ての部位で水分の含有量が20%未満に低くならないように維持して自然熟成させる1次熟成段階と、
外部の水分を蒸熟室に供給して蒸熟室の内部温度を65〜75°Cに1.5〜2.5時間維持して、1次熟成された原料を蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する2次蒸熟段階と、
2次蒸熟された原料を熟成室に投入して35°Cと同一またはより低い温度で水分の含有量が20%未満に低くならないように維持して24時間熟成させ、熟成室の内部に水分を供給して、原料が乾燥せずに適当な水分を吸収した状態で原料を自然熟成させる2次熟成段階と、
2次熟成された原料を麻布で包み或いは絹糸で結んで原料の形態を固定する原料形態固定段階と、
前記固定された原料を2次蒸熟段階および2次熟成段階と同一の方法でさらに7回繰り返して9次蒸熟および9次熟成させる段階と、
9次熟成された原料を水分の含有量が14%と同一またはより低くなるように陽乾法によって乾燥させる乾燥段階とを含んでなることを特徴とする、黒参の製造方法。
【請求項2】
前記1次蒸熟段階では、蒸熟室を密閉し、蒸熟室の圧力を0kg/cm〜1kg/cmに維持した状態で88〜96°Cの温度で2.5〜4時間維持するが、原料の太さに応じて定められた88〜96°Cの温度で2.5〜4時間蒸熟させることを特徴とする、請求項1に記載の黒参の製造方法。
【請求項3】
1次〜9次蒸熟段階では、蒸熟の際にアルコールを投入するが、アルコールの純度100%を基準にする場合に原料の重量と比較してアルコール5〜10%を蒸熟室の内部に投入することを特徴とする、請求項1に記載の黒参の製造方法。
【請求項4】
1次〜9次熟成段階では、前記1次〜9次蒸熟段階で発生する原料の炭化現象による有効サポニン成分の損失を防ぐために、蒸熟段階の後に乾燥過程を経ることなく直ちに熟成させることを特徴とする、請求項1に記載の黒参の製造方法。
【請求項5】
黒参濃縮液の製造方法において、
原料としての加工されていない水参を原型と成分の損失が発生しないように水によって洗浄する原料洗浄段階と、
洗浄された原料を原料自体の水分を用いて88〜96°Cで2.5〜4時間蒸熟器を加熱して蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する1次蒸熟段階と、
1次蒸熟された原料を乾燥過程を経ることなく蒸熟室で別途の水分供給なしに35°Cと同一またはより低い温度で24〜72時間熟成させ、原料の全ての部位で水分の含有量が20%未満に低くならないように維持して自然熟成させる1次熟成段階と、
外部の水分を蒸熟室に供給して蒸熟室内の温度を65〜75°Cに1.5〜2.5時間維持して、1次熟成された原料を蒸熟し、蒸熟室の内部にアルコールを投入する2次蒸熟段階と、
2次蒸熟された原料を熟成室に投入して35°Cと同一またはより低い温度で水分の含有量が20%未満とならないように維持して24時間熟成させ、熟成室の内部に水分を供給して、原料が乾燥せずに適当な水分を吸収した状態で原料を自然熟成させる2次蒸熟段階と、
2次熟成された原料を麻布で包み或いは絹糸で結んで原料の形態を固定する原料形態固定段階と、
前記固定された原料を2次蒸熟段階および2次蒸熟段階と同一の方法でさらに7回繰り返して9次蒸熟および9次熟成させる段階と、
アルコール含有量70%の溶媒を用いて黒参の有効サポニン成分を抽出するが、抽出時の温度は75°Cを超えないようにし、3回繰り返して抽出する段階と、
前記抽出された液はマイクロフィルターを用いて有効サポニン成分以外の不純物の一部を濾過する濾過段階と、
真空装置を用いて濃縮器の内部を減圧し、抽出の際に使用した溶媒の蒸発温度を45°Cより低い温度に維持し、加熱温度は75°Cを超えないように維持して濃縮する段階と、
前記濃縮した濃縮液をアルコール含有量70%の溶媒に希釈し、沈殿法を用いて不純物を濾す精製段階と、
濃縮液中の固形分の占有比率が60%と同一またはより高くなるように濃縮する濃縮段階とを含んでなることを特徴とする、黒参濃縮液の製造方法。
【請求項6】
請求項1の方法によって製造された黒参からアルコール含有量70%の溶媒を用いて黒参の有効サポニン成分を抽出するが、抽出時の温度は75°Cを超えないようにし、3回繰り返し抽出する段階と、
前記抽出された液からマイクロフィルターを用いて有効サポニン成分以外の不純物の一部を濾過する濾過段階と、
真空装置を用いて濃縮器の内部を減圧し、抽出の際に使用した溶媒の蒸発温度を45°Cと同一またはより低い温度に誘導し、加熱する温度は75°Cを超えないように維持して濃縮する段階と、
前記濃縮された濃縮液をアルコール含有量70%の溶媒に希釈し、沈殿法を用いて不純物を濾す精製段階と、
濃縮液中の固形分の占有比率が60%と同一またはより高くなるように濃縮する濃縮段階とをさらに含んでなることを特徴とする、黒参濃縮液の製造方法。
【請求項7】
製造された黒参濃縮液は、ジンセノサイドRg1、ジンセノサイドRg2、ジンセノサイドRg3、ジンセノサイドRd、ジンセノサイドRe、ジンセノサイドRf、ジンセノサイドRb1、ジンセノサイドRb2、およびジンセノサイドRcを含む有効サポニン成分を80mg/g〜300mg/gの量で含有することを特徴とする、請求項5または6に記載の黒参濃縮液の製造方法。
【請求項8】
製造された黒参は、脳頭、胴体および根を分離せず原型を維持して製造した形態、根を除去して製造した原参の形態、または胴体を除去して製造した尾参の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の黒参濃縮液の製造方法。
【請求項9】
黒参ハチミツ漬けの製造方法において、
原料である水参の表面に付いている不純物を除去して洗浄する原料洗浄段階と、
前記洗浄された原料の中から原型の損傷していない原料を選別し、選別された原料表面の水分を乾燥させる段階と、
乾燥した原料を切断し、原料の表皮膜を破壊または除去する段階と、
切断された原料をシーブに配列する段階と、
シーブに配列した原料をハチミツに浸漬する段階と、
ハチミツが均一に塗布された原料を88〜96°Cで2.5〜4時間原料自体の水分を用いて蒸熟する1次蒸熟段階と、
1次蒸熟された原料を35°C未満の熟成室で8時間熟成させる1次熟成段階と、
1次熟成された原料をハチミツに浸漬する段階と、
浸漬された原料を65〜75°Cに1.5〜2.5時間維持して蒸熟する2次蒸熟段階と、
2次蒸熟された原料を35°C未満の熟成室で8時間熟成させる2次熟成段階と、
前記熟成された原料をハチミツに浸漬し、2次蒸熟段階および2次熟成段階と同一の方法でさらに7回繰り返してハチミツに浸漬し、9次蒸熟および9次熟成させる段階と、
9次熟成された原料を半乾燥状態に乾燥させる1次乾燥段階と、
半乾燥状態の原料を手入れする原料手入れ段階と、
手入れした原料を、ハチミツ漬けに許容される水分の含有量に合わせて乾燥させる2次乾燥段階と、
2次乾燥した原料を真空状態で包装する包装段階と、
真空状態で包装された原料を90°Cの温度で30分間露出させて殺菌処理する殺菌段階とを含んでなることを特徴とする、黒参ハチミツ漬けの製造方法。
【請求項10】
前記2次蒸熟〜9次蒸熟段階では別途の水分供給なしで蒸熟することを特徴とする、請求項9に記載の黒参ハチミツ漬けの製造方法。

【公表番号】特表2009−536941(P2009−536941A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509437(P2009−509437)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/KR2007/002328
【国際公開番号】WO2007/133014
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508329999)
【Fターム(参考)】