説明

(R)−4−(ヘテロアリール)フェニルエチル誘導体及びそれらを含有する医薬組成物

本発明は、補体のC5a画分によって誘導される走化性活性の阻害に有用な、新規なクラスの、式(I)で示される(R)−4−(ヘテロアリール)フェニルプロピオン酸誘導体に関する。前記化合物は、補体のC5a画分によって誘導される、好中球及び単球の走化性活性に依存する病状の治療に有用である。特に、本発明の化合物は、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、乾癬、水泡性類天疱瘡、リウマチ性関節炎、潰瘍性大腸炎、急性呼吸窮迫症候群、特発性線維症、糸球体腎炎の治療に及び、虚血と再潅流によって惹起される損傷の予防及び治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補体の画分C5aによって誘導される走化性活性化の阻害に有用な、新規なクラスの(R)−4−(ヘテロアリール)フェニルプロピオン酸誘導体に関する。該化合物は、補体の画分C5aによって誘導される、好中球及び単球の走化性活性化に依存する病理の治療に有用である。特に、本発明の化合物は、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、乾癬、水泡性類天疱瘡、リウマチ性関節炎、潰瘍性大腸炎、急性呼吸窮迫性症候群、特発性線維症、糸球体腎炎の治療に、及び虚血と再潅流によって惹起される障害の予防と治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
免疫的及び感染的イベントに反応して、補体系の活性化が、直接の膜作用と、C3、C4及びC5補体画分の酵素切断によって発生した、一連のペプチド断片(一般に、アナフィラトキシンとして知られる)の放出との両方によって、炎症反応の増幅を仲介する。これらのペプチドは、C3aとC5a(両方とも77アミノ酸である)を包含する;次には、C5転換酵素はC5補体画分を切断して、糖タンパク質C5a(74アミノ酸)を生じる。
【0003】
該補体のC5aペプチド断片は、その走化性及び炎症性活性のために、「完全な」炎症促進性メディエーターとして定義されている。実際に、例えば選択されたケモカイン(例えば、IL−8、MCP−1及びRANTES)のような、他の炎症メディエーターは、自己誘引性(self-attracted)細胞に対して高度に選択的であるが、例えばヒスタミン及びブラディキニンのような、他のメディエーターはごく弱い走化性因子である。説得力のある証拠は、虚血/再潅流、自己免疫性皮膚炎、膜増殖性特発性糸球体腎炎、気道非反応性、及び慢性炎症性疾患、ARDS及びCODP、アルツハイマー病、若年性リウマチ性関節炎を含めた、幾つかの病的状態へのin vivoでのC5aの関与を支持する(N. P. Gerard, Ann. Rev. Immunol., 12, 755, 1994)。具体的には、高いアナフィロトキシンC3aとC5aの存在は、リウマチ性関節炎(RA)患者において該補体系が異常に活発であることの幾つかの徴候のほんの1例である。最近公開された論文(E. P. Grant, J. Exp. Med.., 196(11), 1461, 2002)は、C5aRの遺伝的欠失が、抗コラーゲン抗体によって誘導される関節炎からマウスを完全に保護し、このことが、関節炎の初期におけるC5a依存性の細胞補充(cell recruitment)及び活性化の重要な役割を示唆することを報告している。これらのデータは、C5aRを標的とする新規な薬物及び生物学的療法剤(biotherapeutics)がRAのエフェクター期を阻止する治療的介入のための新たな方法を提供しうる可能性を高めている。抗体依存性II型自己免疫に関連した疾患の発生におけるC5a及びC5aRの病理学的重要性も、特に、溶血を惹起する自己赤血球(RBCs)に対して向けられる抗体の産生を特徴とする疾患である自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の勃発(insurgence)において、研究されている。AIHAはかなり異常な障害であり、1〜3件/100,000/年の発生率が推定される。IgG依存性AIHAにおけるC5aの重大な役割は、アナフィロトキシンの走化性機能とは関係なく、実験動物モデルにおいて確認されている(V. Kumar, J. Clin. Invest., 116(2), 512, 2006)。実際に、C5aRが欠失しているマウスは、このIgG自己抗体誘導疾患モデルに不充分に耐性であることが観察されており、そして特に肝臓マクロファージ上の活性化Fcγ受容体とのC5aRの掛け合い応答(cross-talk)は、抗赤血球抗体を投与すると、C5aR欠失マウスではKupfer細胞上の活性化FcγRsのアップレギュレーションが存在せず;これと並行して、FcγRsが欠失しているマウスでは、C5とC5aの産生が廃止されたという観察によって確認されている。これは、今までに同定されなかったFcγR仲介C5a産生経路の最初の証拠であり、抗体依存性自己免疫性疾患の発生におけるC5aの役割と、II型自己免疫性損傷に関連したAIHAにおけるC5a及び/又はC5aR遮断の可能な治療的利益を示唆する。
【0004】
補体画分の合成制御は、ショックの治療及び器官移植中の拒絶(多重器官不全と超急性移植片拒絶)の予防における有望な治療標的と見なされる(Issekutz A.C. et al., Int. J.Immunopharmacol, 12, 1, 1990; Inagi R. et al., Immunol.. Lett.,27, 49, 1991)。さらに最近では、補体画分の阻害が、慢性腸損傷と急性糸球体腎損傷の両方の病原への補体関与を考慮して、ネイティブ及び移植された腎臓損傷の予防に関与すると報告されている(Sheerin N. S. & Sacks S. H., Curr. Opinion Nephrol Hypert., 7, 395, 1998)。
【0005】
急性及び慢性の病的状態では、例えば、乾癬病変の高炎症性領域と治療不応性領域では、特徴的な好中球貯留が生じる。好中球は、刺激されたケラチノサイトによって放出されるCXCL8とGRO−αのようなケモカインの相乗作用によって、及び補体副経路(alternative complement pathway)活性化によって産生されるC5a/C5a−desArg画分の相乗作用によって、走化性的に誘引され、活性化される(T. Terui et al., Exp. Dermatol., 9, 1, 2000)。出願人らは、多形核細胞及び単核細胞の走化性の阻害剤として、新規なクラスの「R−2−アリール−プロピオン酸のω−アミノアルキルアミド」を記述した(WO 02/068377)。さらに、R−2−アリール−プロピオン酸のω−アミノアルキルアミドの第4級アンモニウム塩は、C5a誘導の好中球及び単球走化性の阻害剤として報告された(WO 03/029187)。さらに最近では、出願人らは、新規な(R)−アリールアルキルアミノ誘導体(PCT/EP 2006/068867)を、スルホアミド類及びアミド類の化学クラスに属する、C5誘導ヒトPMN走化性の強力で、選択的な阻害剤として記述した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO 02/068377
【特許文献2】WO 03/029187
【特許文献3】PCT/EP 2006/068867
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】N. P. Gerard, Ann. Rev. Immunol., 12, 755, 1994
【非特許文献2】E. P. Grant, J. Exp. Med.., 196(11), 1461, 2002
【非特許文献3】V. Kumar, J. Clin. Invest., 116(2), 512, 2006
【非特許文献4】Issekutz A.C. et al., Int. J.Immunopharmacol, 12, 1, 1990
【非特許文献5】Inagi R. et al., Immunol.. Lett.,27, 49, 1991
【非特許文献6】Sheerin N. S. & Sacks S. H., Curr. Opinion Nephrol Hypert., 7, 395, 1998
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
意外にも、現在、本発明者らは、C5a誘導好中球走化性の阻害に強力な選択性と効力を有する、新規なクラスの(R)−4−(ヘテロアリール)フェニルプロピオン酸誘導体を発見している。該新規な化合物は、10−5M〜10−6Mの濃度範囲において、COX阻害に不活性である。
【0009】
該新規な化合物は、置換又は非置換のテトラゾール、ヒドロキシアゾール、チアジアゾール、ピラゾール及びトリアゾールである。
本発明は、補体のC5a画分によって誘導される走化性活性化の阻害に有用な、新規な化合物に関する。前記化合物は、補体のC5a画分によって誘導される、好中球及び単球の走化性活性化に依存する病的状態の治療に有用である。特に、本発明の化合物は、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)及びリウマチ性関節炎の治療に有用である。さらに、該化合物は、乾癬、水泡性類天疱瘡、潰瘍性大腸炎、急性呼吸窮迫症候群、特発性線維症、糸球体腎炎の治療に、そして虚血及び再潅流によって惹起される損傷の予防にも有用である。
【0010】
本発明は、式(I):
【0011】
【化1】

【0012】
[式中、Xは、S、O及びNから選択されるヘテロ原子であり;Yは、H又は、ハロゲン、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシ、−COOH、C−Cアシルオキシ、フェノキシ、シアノ、ニトロ、NH、C−Cアシルアミノ、ハロ−C−Cアルキル、ベンゾイル、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホネート、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホンアミド、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキルスルホニルメチルから選択される残基であり;Zは、非置換テトラゾール及び、1つのヒドロキシ基によって置換された、そして任意にさらに、ハロゲン、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアシルオキシ、シアノ、ニトロ、NH、C−Cアシルアミノ、ハロ−C−Cアルキル、ハロ−C−Cアルコキシ、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホネート及び直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホンアミドから成る群から選択される1つ以上の基によって置換された、トリアゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びオキサジアゾールから選択されるヘテロアリール環である]
で示される化合物及びその製薬的に受容される塩に関する。
【0013】
本発明の好ましい実施態様によると、式Iで示される化合物は、式Iにおいて、XがS及びOから選択されるヘテロ原子であり;YがH又は、ハロゲン、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキル及びハロ−C−Cアルキルから選択される残基であり;Zが非置換テトラゾール及び、1つのヒドロキシ基によって置換された、そして任意にさらに、ハロゲン、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキル、C−Cアルキルチオ及びハロ−C−Cアルキルから成る群から選択される1つ以上の基によって置換された、トリアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びオキサジアゾールから成る群から選択されるヘテロアリール環である化合物である。
【0014】
式Iで示される上記化合物のなかでも、特に好ましいのは、式Iにおいて、YがHであるか又は、トリフルオロメチル、塩素、メチル及びtert−ブチルから成る群から選択される基であり;及び/又は前記トリアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール又はオキサジアゾール環が1つのヒドロキシ基によって置換されている、そして任意にさらに、メチル、トリフルオロメチル及び塩素から成る群から選択される1つ以上の基によって置換されている化合物である。
【0015】
式(I)で示される上記化合物のなかで、特に好ましい化合物は次のとおりである:
1. N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン;
2. 4−メチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン;
3. 4−tert−ブチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン;
4. N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン;
5. N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾル−2−アミン;
6. 4−メチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−オキサゾル−2−アミン;
7. 5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−ピラゾル−1−オール;
8. 4−メチル−5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−ピラゾル−1−オール;
9. 5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,3−トリアゾル−1−オール;
10. 5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソオキサゾル−3−オール;
11. 4−メチル−5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソオキサゾル−3−オール;
12. 5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソチアゾル−3−オール;
13. 4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−オキサジアゾル−3−オール;
14. 4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−チアジアゾル−3−オール;
15. 5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,4−トリアゾル−1−オール。
【0016】
好ましい化合物は、フェニル環の4位における置換基が置換若しくは非置換2−アミノチアゾール部分である化合物である。該リスト中で最も好ましい化合物は、化合物1[N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン]である。以下の実施例セクションで実証されるように、式(I)で示される化合物は、C5aによって誘導されるヒトPMNs走化性の強力な阻害剤である。それ故、C5a誘導ヒトPMNs走化性に伴って生じる疾患の治療に用いるための式(I)で示される化合物を提供することが、本発明の他の目的である。
【0017】
さらに、式(I)で示される化合物が10−5〜10−7Mの範囲の濃度においてリポ多糖類刺激(LPS、1μg/ml)によってマウスマクロファージ中に誘導されるPGE産生を妨害しないことも、意外にも発見されている。
【0018】
それ故、薬剤としての本発明の化合物の使用が、本発明の他の目的である。
上記で考察した実験的証拠と、好中球の活性化及び浸潤が関与するプロセスにおいて補体カスケード、即ち、そのC5a画分が果たす役割とを考慮すると、本発明の化合物は、例えば、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、リウマチ性関節炎(M. Selz et al, J. Clin. Invest., 87, 463, 1981)、乾癬(R. J. Nicholoff et al., Am. J. Pathol, 138, 129, 1991)、水泡性類天疱瘡( bullous pemphigoid)、慢性腸炎症性病変、例えば、潰瘍性大腸炎(Y. R. Mahida et al., Clin. Sci, 82, 273, 1992)、急性呼吸窮迫症候群及び特発性線維症(E. J. Miller, 上記文献及び P. C. Carre et al., J. Clin. Invest., 88, 1882, 1991), 嚢胞性線維症、糸球体腎炎(T. Wada et al., J. Exp. Med., 180, 1135, 1994)のような疾患の治療に 及び、虚血と再潅流によって惹起される損傷の予防及び治療に特に有用である。
【0019】
次に、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、乾癬、水泡性類天疱瘡、リウマチ性関節炎、潰瘍性大腸炎、急性呼吸窮迫症候群、特発性線維症、糸球体腎炎の治療に、及び虚血と再潅流によって惹起される損傷の予防及び治療に用いるための式(I)で示される化合物を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0020】
この目的のために、式(I)で示される本発明の化合物は、慣用的な手法及び製薬的に受容される賦形剤及び/又は希釈剤(例えば、"Remington' s Pharmaceutical Sciences Handbook" MACK Publishing, New York, 18th ed., 1990に記載されているもの)を用いて、医薬組成物に好都合に処方される。
【0021】
本発明の化合物は、ボラスとして静脈内注射によって、皮膚製剤(クリーム、ローション、スプレー及び軟膏)中で、吸入によって並びに、カプセル剤、錠剤、シロップ剤、制御放出製剤等の形態で経口的に投与することができる。
【0022】
平均1日量は、疾患の重症度、患者の容態、年齢、性別及び体重のような、幾つかの要因に依存する。該投与量は、一般に、式(I)化合物1〜1500mg/日の範囲で変化し、任意に複数回投与に分割される。
【0023】
多様な実験方法に従って、式(I)化合物が合成されている。実施例1〜6で例示されているテトラゾールに関する限り、これらは一般的な方法によって、関連するカルボン酸から出発して合成した。該酸は、カップリング剤(1,1’−カルボニルジイミダゾールのような)による処理とそれに続くアンモニアとの反応の標準的方法によって、対応する第1級アミドに転化する。脱水による該アミドからニトリルへの転化と、それに続く、式(II):
【0024】
【化2】

【0025】
[式中、Xは、S、O及びNから選択されるヘテロ原子であり;Yは、H又は、ハロゲン、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシ、−COOH、C−Cアシルオキシ、フェノキシ、シアノ、ニトロ、−NH、C−Cアシルアミノ、ハロ−C−Cアルキル、ベンゾイル、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホネート、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホンアミド、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキルスルホニルメチルから選択される残基である]
で示される該ニトリルの、トリメチルシリルアジドによる処理は、所望のテトラゾールを生じた。テトラゾールと他のヘテロアリール誘導体7〜15との両方に対して行なった実験方法は、本発明の特定の基質に適応させた、公開方法に由来するものであった(Friederick K. et al. in Rapoport Z., The Chemistry of the Cyano Group, Wiley, NY, 96, 1970; Matzen L. et al., Sisido K. et al., J. Organomet. Chem.,33, 337, 1971; J. Med. Chem., 40, 520, 1997; StensbOl T. B. et al., J. Med. Chem., 45, 19, 2002; Lolli M. L. et al., J, Med. Chem., 49, 4442, 2006)。
【0026】
下記実施例によって、本発明を説明する。
実験セクション
略号リスト
CHCl:ジクロロメタン;CHCN:アセトニトリル;CHCl:クロロホルム;HCl:塩酸;CHOH:メタノール;AcOH:酢酸;EtOAc:酢酸エチル;DIBAH:水素化ジイソブチルアルミニウム;EtO:ジエチルエーテル;EtOH:エタノール;m−CPBA:メタ−クロロ過安息香酸;CDI:1,1’−カルボニルジイミダゾール
【実施例1】
【0027】
中間体の製造
メチル(2R)−2−[4−(カルバモチオイルアミノ)フェニル]プロパノエート
CHOH(120ml)中の(2R)−2−(4−ニトロフェニル)プロパン酸(25g,0.128mol)の溶液を、室温において、37%HCl(5ml)によって処理して、4時間還流させた。該溶媒を減圧下で除去して、粗メチルエステル中間体をさらなる工程に用いた。
【0028】
鉄粉(71g,1.28mol)をCHOH(250ml)と水(20ml)との混合物中に懸濁させた;該混合物を加熱し、37%HCl(0.5ml)で処理し、次に、1時間還流させた。室温で冷却した後に(After cooling at room temperature)、CHOH(25ml)中の該粗メチルエステルの溶液を30分間で滴加して、得られた溶液を一晩還流させた。該懸濁液をまだ熱いうちにセライト・ショートカラムで濾過し、濾液を蒸発させて、オレンジ色油状物(20g)を得て、これをCHCl(200cc)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(3x150ml)によって抽出し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で蒸発させて、純粋なメチル(2R)−2−(4−アミノフェニル)プロパノエート(17.5g,98mmol)をオレンジ色油状物として得た(76%)。
【0029】
【数1】

【0030】
トルエン(300ml)中の該メチルエステル(17.5g,98mmol)の溶液に、濃HSO(2.6ml,0.05mol)を徐々に加えた。次に、チオシアン酸ナトリウム(10.29g,0.128mol)を該懸濁液に加え、この反応混合物を24時間還流させた。室温で冷却した後に、該混合物を飽和NHCl水溶液(2x100ml)によって洗浄して、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗生成物(crude)を得て、これをフラッシュ・クロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc 1:1)によって精製した後に、メチル(2R)−2−[4−(カルバモチオイルアミノ)フェニル]プロパノエート(10.7g,48.4mmol)を白色固体として得た(49%)。
【0031】
【数2】

【0032】
(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸
ジオキサン(200ml)中のメチル(2R)−2−[4−(カルバモチオイルアミノ)フェニル]プロパノエート(10.7g,0.0484mol)の溶液を室温において3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オン(5ml,0.0484mol)によって処理して、得られた混合物を2時間還流させた。室温で冷却した後に、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗生成物をCHCl(200ml)によって希釈し、飽和NaHCO水溶液(3x100ml)によって洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、蒸発させて、純粋なメチル(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパノエート(12.8g,38.7mmol)を黄色油状物として得た(80%)。
【0033】
【数3】

【0034】
AcOH(50ml)と37%HCl(17.5ml)中の該メチルエステル(12.8g,38.7mmol)の溶液を12時間還流させた。室温で冷却し、溶媒を蒸発させた後に、粗生成物をCHCl(200ml)中で希釈し、水(3x100ml)とブライン(brine) (3x100ml)によって洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥させて、溶媒を蒸発させて、淡黄色油状物を得て、これをn−ヘキサン中で一晩パルプ状にした後に、純粋な(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸(8.4g,26mmol)を白色固体として得た(68%)。
【0035】
【数4】

【0036】
(2R)−2−{4−[(4−メチル−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸
この酸は、(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸に関して上述した同じ方法に従って、メチル(2R)−2−[4−(カルバモチオイルアミノ)フェニル]プロパノエート(2.0g、8.40mmol)とクロロ−2−プロパノン(0.67ml,8.40mmol)から出発して得た。次の酸加水分解によって、純粋な(2R)−2−{4−[(4−メチル−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸(1.65g,6.30mol)を黄色油状物として得た(75%)。
【0037】
【数5】

【0038】
(2R)−2−{4−[(4−tert−ブチル−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸
この酸は、(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸に関して上述した同じ方法に従って、メチル(2R)−2−[4−(カルバモチオイルアミノ)フェニル]プロパノエート(2.0g、8.40mmol)と1−ブロモピナコロン(1.13ml,8.40mmol)から出発して得た。次の酸加水分解によって、純粋な(2R)−2−{4−[(4−tert−ブチル−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸(1.41g,4.62mmol)を淡黄色油状物として得た(55%)。
【0039】
【数6】

【0040】
(2R)−2−[4−(1,3−チアゾル−2−イルアミノ)フェニル]プロパン酸
この酸は、(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸に関して上述した同じ方法に従って、メチル(2R)−2−[4−(カルバモチオイルアミノ)フェニル]プロパノエート(2.0g、8.40mmol)とクロロアセトアルデヒド(HO中50重量%,0.54ml,8.40mmol)から出発して得た。次の酸加水分解によって、純粋な(2R)−2−{4−[(1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸(1.47g,5.62mmol)を淡黄色油状物として得た(55%)。
【0041】
【数7】

【0042】
メチル(2R)−2−[4−(カルバモイルアミノ)フェニル]プロパノエート
トルエン(50ml)中のメチル(2R)−2−(4−アミノフェニル)プロパノエート(3.0g,18.1mmol)の溶液に、濃HSO(0.47ml,50mmol)を徐々に加えた。次に、シアン酸ナトリウム(1.88g,28mmol)を該懸濁液に加え、この反応混合物を24時間還流させた。室温で冷却した後に、該混合物を飽和NHCl水溶液(2x30ml)によって洗浄して、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得て、これをフラッシュ・クロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc 1:1)によって精製した後に、メチル(2R)−2−[4−(カルバモイルアミノ)フェニル]プロパノエート(2.07g,9.95mmol)を白色固体として得た(55%)。
【0043】
【数8】

【0044】
(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸
ジオキサン(50ml)中のメチル(2R)−2−[4−(カルバモイルアミノ)フェニル]プロパノエート(2.7g,9.95mmol)の溶液を室温において3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オン(1.03ml,10mmol)によって処理して、得られた混合物を2時間還流させた。室温で冷却した後に、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗生成物をCHCl(50ml)によって希釈し、飽和NaHCO水溶液(3x30ml)によって洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、蒸発させて、純粋なメチル(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパノエート(2.5g,7.96mmol)を黄色油状物として得た(80%)。
【0045】
【数9】

【0046】
AcOH(4.1ml)と37%HCl(1.42ml)中の該メチルエステル(2.5g,7.96mmol)の溶液を12時間還流させた。室温で冷却し、溶媒を蒸発させた後に、粗生成物をCHCl(20ml)中で希釈し、水(3x15ml)とブライン(3x15ml)によって洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥させて、溶媒を蒸発させて、淡黄色油状物を得て、これをジエチルエーテル中で一晩パルプ状にした後に、純粋な(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸(1.86g,6.21mmol)を白色固体として得た(78%)。
【0047】
【数10】

【0048】
(2R)−2−{4−[(4−メチル−1,3−オキサゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸
この酸は、(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸に関して上述した同じ方法に従って、メチル(2R)−2−[4−(カルバモイルアミノ)フェニル]プロパノエート(2.0g、9.95mmol)とクロロ−2−プロパノン(0.80ml,9.95mmol)から出発して得た。次の酸加水分解によって、純粋な(2R)−2−{4−[(4−メチル−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸(1.71g,6.96mol)を黄色油状物として得た(70%)。
【0049】
【数11】

【実施例2】
【0050】
式(1)化合物の合成
N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン(1)
(1a) (2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパンアミド
CHCl(20ml)中の(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸(1g,3.16mmol)の冷却した混合物(0〜5℃)に、1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI)(0.512g,3.16mmol)を加えた。0〜5℃において1時間撹拌した後に、ガス状アンモニアを該混合物中に4時間バブルさせ、次に、出発物質が完全に消失するまで、室温において撹拌状態に放置した。HPO/HPOバッファー溶液(pH=2.0,5ml)を加えて、該反応をクエンチし、2つの相を分離させ、有機相を同じバッファー(3x10ml)と水(3x10ml)によって洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、溶媒を減圧下で蒸発させて、(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパンアミド(788mg,2.5mmol)を白色固体として得て(79%)、これをさらに精製せずに用いた。
(1b) (2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパンニトリル
トルエン(10ml)中の該アミドの冷却した(0〜5℃)の溶液に、ホスゲン溶液(トルエン中1.93M,5.2ml)を滴加した。得られた混合物を室温において一晩撹拌状態に放置し、次に、減圧下で蒸発させて、粗生成物をCHClで希釈した。有機層を飽和NaHCO溶液(2x10ml)によって、水(3x5ml)によって及びブライン(3x5ml)によって洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、溶媒を蒸発させた後に、中間体(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパンニトリル(639mg,2.15mmol)を無色油状物として単離し、これを次の工程に用いた。
(1c) N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン
フッ化テトラブチルアンモニウム3水和物(339mg,1.075mmol)とトリメチルシリル・アジド(0.342ml,2.58mmol)を、該ニトリル中間体(639mg,2.15mmol)に加えた。得られた混合物を85℃において激しく撹拌しながら18時間加熱した。室温で冷却した後に、粗混合物をEtOAc(20ml)で希釈し、1M HCl(3x5ml)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させて、純粋なN−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン(1)(329mg,0.97mmol)を褐色固体として得た(45%)。
【0051】
【数12】

【0052】
4−メチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン(2)
化合物1の合成に関して述べた方法に従って、中間体(2R)−2−{4−[(4−メチル−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸(4.1mmol)から出発して、化合物2を得た。純粋な4−メチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン(2)(0.65g、2.26mmol)を白色固体として単離した(55%)。
【0053】
【数13】

【0054】
4−tert−ブチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン(3)
化合物1の合成に関して述べた方法に従って、中間体(2R)−2−{4−[(4−tert−ブチル−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸(3.5mmol)から出発して、化合物3を得た。純粋な4−tert−ブチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン(3)(0.57g,1.75mmol)を白色固体として単離した(50%)。
【0055】
【数14】

【0056】
N−{4−[(1R)−1−(2H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン(4)
化合物1の合成に関して述べた方法に従って、中間体(2R)−2−{4−[(1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸(3.5mmol)から出発して、化合物4を得た。純粋なN−{4−[(1R)−1−(2H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン(4)(0.48g,1.75mmol)を白色固体として単離した(50%)。
【0057】
【数15】

【0058】
N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾル−2−アミン(5)
化合物1の合成に関して述べた方法に従って、中間体(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸(3.5mmol)から出発して、化合物5を得た。純粋なN−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾル−2−アミン(5)(0.62g,1.92mmol)を白色固体として単離した(55%)。
【0059】
【数16】

【0060】
4−メチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−オキサゾル−2−アミン(6)
化合物1の合成に関して述べた方法に従って、中間体(2R)−2−{4−[(4−メチル−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}プロパン酸(3.5mmol)から出発して、化合物6を得た。純粋な4−メチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−オキサゾル−2−アミン(6)(0.59g,2.2mmol)を白色固体として単離した(50%)。
【0061】
【数17】

【0062】
5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−ピラゾル−1−オール(7)
(7a) メチル(4R)−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタノエート
乾燥CHCl(70ml)中の(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸(3g,9.5mmol)の冷却した(0〜5℃)混合物に、DMF(0.073ml,0.95mmol)を加えて、続いて、塩化オキサリル(0.965ml,11.4mmol)を滴加した。該反応を0℃において20分間撹拌し、次に、室温で温度上昇させて、さらに1.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後に、(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパノイル・クロリドを淡黄色油状物として単離した、これは次の工程のために充分に純粋であった。
【0063】
乾燥CHCl(50ml)中の再結晶した2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(メルドラム酸)(1.50g,10.45mmol)の冷却した溶液に、乾燥ピリジン(1.8ml,22.8mmol)をアルゴン雰囲気下で10分間にわたって加えた。得られた透明な溶液に、乾燥CHCl(10ml)中の(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパノイル・クロリドの溶液を20分間にわたって滴下した。得られた反応混合物を0℃において1時間撹拌し、次に、室温においてさらに1時間撹拌した。該反応混合物をCHCl(15ml)で希釈して、クラッシュ・アイスを含有する2N HCl(50ml)中に注入した。有機相を分離し、水層をCHCl(2x10ml)で抽出した。回収した有機抽出物を一緒にして、2N HCl(2x10ml)で洗浄し、ブライン(20ml)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、蒸発させて、アシルメルドラム中間体(acyl Meldrum’s intermediate)を淡黄色油状物として得た。粗生成物を乾燥CHOH(30ml)中で2.5時間還流させた。室温において冷却し、フラッシュ・クロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc 8:2)によって精製した後に、メチル(4R)−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタノエート(1.6g,4.3mmol)を黄色油状物として単離した(45%)。
【0064】
【数18】

【0065】
(7b) N−{4−[(1R)−1−(1H−ピラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン
乾燥CHCl(20ml)中の該エステル(1.16g,3mmol)の冷却した(−78℃)溶液に、アルゴン雰囲気下で、DIBAH(ヘキサン中1M,3.6ml)をシリンジから15分間にわたって滴加した;ひと度、添加が完了したならば、得られた溶液を−78℃において1時間撹拌した。該冷溶液を飽和NHCl溶液(10ml)中に注入して、該反応をクエンチした。1M HCl(10ml)を加えて、二相混合物を10分間激しく撹拌した。層を分離させ、有機層をブラインで洗浄し、水層をEtO(2x10ml)によって抽出した。回収した有機抽出物を一緒にして、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮して、(4R)−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタナール(728mg)を白色ワックス状固体として得て、これをさらに精製せずに用いた。EtOH/THF(2:1,15ml)中の該アルデヒド(728mg)の溶液に、ヒドラジン1水和物(0.495ml,10.2mmol)を加えて、混合物を30分間還流させた。室温で冷却した後に、該混合物を飽和NHCl溶液でクエンチして、EtOAc(3x25ml)によって抽出した。回収した有機抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、N−{4−[(1R)−1−(1H−ピラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン(421mg,1.24mmol)を無色油状物として得た(61%)。
【0066】
【数19】

【0067】
(7c) 5-[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−ピラゾル−1−オール
EtOAc(5ml)中のN−{4−[(1R)−1−(1H−ピラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン(0.421g,1.24mmol)の溶液に、m−CPBA(256mg,1.5mmol)を加えて、得られた混合物を室温において一晩撹拌した。粗生成物をEtOAc(10ml)で希釈して、水(2x10ml)によって洗浄して、無水NaSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後に、粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィーによって精製して、純粋な5-[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−ピラゾル−1−オール(7)(0.295g,0.65mmol)を白色固体として得た(67%)。
【0068】
【数20】

【0069】
4−メチル−5-[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−ピラゾル−1−オール(8)
化合物8は、化合物7の合成に関して述べた方法に従って、中間体(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパン酸(0.68mmol)から出発して、対応する酸塩化物を2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(0.75mmol)と反応させて得た。純粋な4−メチル−5-[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−ピラゾル−1−オール(8)を白色固体として単離した(55%)。
【0070】
【数21】

【0071】
5-[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,3−トリアゾル−1−オール(9)
(9a) 2−{4−[(1R)−1−メチルプロパ−2−イン−1−イル]ベンジル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール
CHCN(15ml)中のKCO(0.41g,3.0mmol)とp−トルエンスルホニルアジド(0.24g,1.2mmol)との懸濁液に、ジメチル−2−オキソプロピルホスフォネート(0.25ml,1.2mmol)を加えた。2時間撹拌した後に、CHOH(5ml)中の(4R)−2−メチル−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタナール(0.34g,1.0mmol)の溶液を加えて、得られた混合物を室温において8時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、残渣をEtO(10ml)で希釈し、水(2x10ml)とブライン(2x5ml)で洗浄して、無水NaSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後に、粗生成物をn−ペンタン中でパルプ状にして、2−{4−[(1R)−1−メチルプロパ−2−イン−1−イル]ベンジル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール(0.22g,0.745mmol)を無色油状物として得た(75%)。
【0072】
【数22】

【0073】
(9b) 4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]メチル}フェニル)エチル]−1H−1,2,3−トリアゾール
CHCl(5ml)中の2−{4−[(1R)−1−メチルプロパ−2−イン−1−イル]ベンジル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール(0.115g,0.4mmol)、p−トルエンスルホニルアジド(66mg,0.33mmol)、2,6−トルイジン(48mg,0.4mmol)及びCuI(5%mmol)の冷却した(0〜5℃)混合物を12時間撹拌した。バッファー溶液(pH=5.4)を加えることによって、該反応をクエンチして、生成物をCHCl(3x5ml)によって抽出した。溶媒を蒸発させた後に、該粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィーによって精製して、純粋な1−(4−メチルベンゼンスルホニル)−4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]メチル}フェニル)エチル]−1H−1,2,3−トリアゾール(0.95g,0.20mmol)を黄色油状物として得た(50%)。
(9c) N−{4−[(1R)−1−(1H−1,2,3−トリアゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン
CHOH(3ml)中のマグネシウム削り屑(0.20mmol)の懸濁液に室温において該化合物を加えて、反応混合物を2時間撹拌した。飽和NHCl溶液(2ml)の添加によって、該反応をクエンチした。2相を分離させ、有機相を水(2x5ml)とブライン(2x5ml)によって洗浄し、無水NaSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後に、残渣をn−ペンタン(5ml)中でパルプ状にして、濾過によって単離して、純粋なN−{4−[(1R)−1−(1H−1,2,3−トリアゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン(0.061g,0.18mmol)を白色固体として得た(90%)。
【0074】
【数23】

【0075】
(9d) 5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,3−トリアゾル−1−オール
EtOAc(10ml)中のN−{4−[(1R)−1−(1H−1,2,3−トリアゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン(0.06g,0.18mmol)の溶液に、m−CPBA(43mg,0.25mmol)を加えて、得られた混合物を室温において一晩撹拌した。EtOAc(10ml)を加えて、有機層を水(2x10ml)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、溶媒の蒸発後に、粗生成物を得て、これをフラッシュ・クロマトグラフィー(EtOAc/CHOH 7:3)によって精製して、純粋な5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,3−トリアゾル−1−オール(9)(0.025g,0.072mmol)を透明な油状物として得た(40%)。
【0076】
【数24】

【0077】
5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソオキサゾル−3−オール(10)
CHOH(0.5ml)中の中間体7a,メチル(4R)−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタノエート(372mg,1mmol)の冷却した(−30℃)溶液に、CHOH(4ml)中のNaOH(42mg,1.05mmol)の溶液を点滴(dripping)によって加えた。得られた混合物を10分間撹拌し、次に、CHOH/水(4ml/0.5ml)中の塩酸ヒドロキシルアミン(133mg,2mmol)とNaOH(83mg,2mmol)との混合物を同じ温度において加えた。−30℃において2時間撹拌した後に、該反応混合物を37%HCl(1.5ml)中に注入し、得られた混合物を80℃において2時間加熱した。室温で冷却し、溶媒を蒸発させた後に、粗生成物を水で希釈して、EtOAc(3x10ml)によって抽出した。一緒にした有機抽出物を無水NaSO上で乾燥させ、蒸発させ、フラッシュ・クロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc 8:2;1%AcOH)によって精製して、純粋な5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソオキサゾル−3−オール(10)(202mg,0.57mmol)を淡黄色固体として得た(57%)。
【0078】
【数25】

【0079】
4−メチル−5−[(1R)−1−(4−{[5−(トリフルオロメチル)−2H−ピロル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソオキサゾル−3−オール(11)
化合物10の合成に関して述べた同じ方法に従って、但し、化合物8の合成に関して述べた中間体(4R)−2−メチル−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタノエート(0.53mmol)から出発して、該化合物を製造した。純粋な4−メチル−5−[(1R)−1−(4−{[5−(トリフルオロメチル)−2H−ピロル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソオキサゾル−3−オール(11)(0.11g,0.3mmol)を淡黄色固体として単離した(57%)。
【0080】
【数26】

【0081】
5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソチアゾル−3−オール(12)
(12a) (4R)−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタン酸
AcOH(10ml)と37%HCl(1.5ml)中のメチル(4R)−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタノエート(372mg,1mmol)の溶液を12時間還流させた。室温に冷却し、溶媒を蒸発させた後に、粗生成物をCHCl(10ml)によって希釈して、水(3x5ml)とブライン(3x5ml)によって洗浄し、無水NaSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後に、得られた淡黄色油状物をn−ヘキサン中で一晩パルプ状にした。純粋な(4R)−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタン酸(283mg,0.79mmol)を濾過によって白色固体として単離した(79%)。
(12b) (4R)−3−チオキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタンアミド
CHCl(10ml)中の(4R)−3−オキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタン酸(283mg,0.79mmol)の冷却した混合物(0〜5℃)に、CDI(0.128g,0.79mmol)を加えた。0〜5℃において1時間撹拌した後に、ガス状アンモニアを該混合物中に2時間バブルさせた。該混合物を、出発物質が完全に消失するまで、室温において撹拌した。HPO/HPOバッファー溶液(pH=2.0,5ml)を加えて、2相を分離させた;有機相を同じバッファー(3x5ml)と水(3x5ml)によって洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させて、次の工程のために充分に純粋な黄色油状物を得た。無水EtOH(5ml)をガス状HClガスとガス状HSによって、両ガスを0〜5℃において各々30分間通すことによって、飽和させた;EtOH(5ml)中の中間体12aの溶液を加えて、ガス状HSを該溶液中に、温度を0〜5℃に維持しながら、さらに10時間バブルさせた。溶媒を蒸発させ、該粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(n−ヘキサン/EtOAc 9:1)によって精製した後に、(4R)−3−チオキソ−4−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)ペンタンアミド(150mg,0.40mmol)を透明な油状物として得た(51%)。
(12c) 5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソチアゾル−3−オール
EtOH(5ml)中の中間体12b(150mg,0.40mmol)とKCO(212mg,1.53mmol)との冷却した混合物(0〜5℃)に、EtOH(5ml)中のヨウ素(135mg,0.53mmol)の溶液を滴加した。該反応混合物を室温において24時間撹拌した。水(10ml)を加え、1M HClによってpHを3に調節した。水層をEtOAc(3x10ml)によって抽出した;回収した有機抽出物を無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた後に、フラッシュ・クロマトグラフィー(CHCl/CHOH 95:5)によって粗生成物を精製して、5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソチアゾル−3−オール(12)(82mg,0.22mmol)を白色固体として得た(41%)。
【0082】
【数27】

【0083】
4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−オキサジアゾル−3−オール(13)
(13a) (3R)−2−(ヒドロキシアミノ)−3−{4−[(4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}ブタンニトリル
水(15ml)中のシアン化カリウム(0.2g,3.66mmol)の冷却した(0〜5℃)溶液に、(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパナール(1.0g,3.33mmol)を30分間にわたって加えた。同じ温度において、AcOH(3.66mmol)を30分間にわたって加えて、反応混合物を18時間撹拌した。ヒドロキシルアミン溶液(HO中50重量%;4.0mmol)(5ml)と一緒にしたNHCl(0.5g,9.66mmol)の水溶液(2ml)の溶液に、中間体シアノヒドリンの溶液を徐々に加えた。得られた反応混合物を室温において一晩撹拌し、次に、CHCl(3x15ml)によって抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、(3R)−2−(ヒドロキシアミノ)−3−{4−[(4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}ブタンニトリル(0.74g,2.16mmol)を赤褐色油状物として得た、これはさらに精製せずに次の工程に用いた。
【0084】
【数28】

【0085】
(13b) 4−[(1R)−1−{4−[(4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}エチル]−1,2,5−オキサジアゾル−3−アミン
EtOH(15ml)中の中間体13a(0.738g,2.16mmol)、塩酸ヒドロキシルアミン(83mg,2.50mmol)及び酢酸ナトリウム(410mg,5mmol)の混合物を4時間還流させた。冷却した後に、濾過によって沈殿を回収して、乾燥させた。沈殿したα−オキシイミド−アセトアミドオキシム・酢酸ナトリウム誘導体を乾燥EtO(15ml)中の過剰なPClと共に6時間還流させた。室温で冷却した後に、pH8.2のバッファー溶液(10ml)で該反応をクエンチして、2相を分離させた。水層をEtO(2x10ml)によって抽出し、回収した有機相を無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、4−[(1R)−1−{4−[(4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}エチル]−1,2,5−オキサジアゾル−3−アミン(0.57g,1.62mmol)を白色固体として得た(75%)。
【0086】
【数29】

【0087】
(13c) 4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−オキサジアゾル−3−オール
AcOH(5ml)と37%HCl(3ml)中の4−[(1R)−1−{4−[(4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}エチル]−1,2,5−オキサジアゾル−3−アミン(0.2g,0.56mmol)の冷却した溶液に、水(3ml)中の亜硝酸ナトリウム(44mg,0.845mmol)の溶液を滴加した。得られた反応混合物を30分間撹拌して、次に、濃HSO(0.5ml)を加え、飽和NHCl溶液(10ml)によって該反応をクエンチした;該生じた混合物をEtO(3x10ml)によって抽出し、回収した有機抽出物を減圧下で蒸発させた;粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィーによって精製して、純粋な4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−オキサジアゾル−3−オール(13)(0.17g,0.48mmol)を白色固体として得た(85%)。
【0088】
【数30】

【0089】
4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−チアジアゾル−3−オール(14)
(14a) (3R)−2−アミノ−3−{4−[(4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}ブタンニトリル
水(15ml)中のシアン化カリウム(0.2g,3.66mmol)の冷却した(0〜5℃)溶液に、(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパナール(1.0g,3.33mmol)(中間体7bに関して述べた方法に従って、対応するプロパノエートから出発して製造)を30分間にわたって加えた。同じ温度において、AcOH(3.66mmol)を点滴し、反応混合物を18時間撹拌した。中間体シアノヒドリンの溶液を、NHOH(HO中14N;4.0mmol)(5ml)中のNHCl(0.5g,9.66mmol)の別の溶液に、徐々に加えた。得られた反応混合物を室温において18時間撹拌し、次に、CHCl(3x15ml)によって抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、(3R)−2−アミノ−3−{4−[(4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル)アミノ]フェニル}ブタンニトリル(0.705g,2.16mmol)を赤色油状物として得た、これはさらに精製せずに次の工程に用いた。
【0090】
【数31】

【0091】
(14b) N−{4−[(1R)−1−(4−クロロ−1,2,5−チアジアゾル−3−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン
DMF(15ml)中の一塩化硫黄(0.35ml,4.32mmol)の冷却した(5〜10℃)溶液に、DMF(5ml)中の中間体14a(0.7g,2.16mmol)の溶液を1時間にわたって加えた。反応混合物を1時間撹拌し;氷冷水(30ml)を加えて、温度を20℃未満に維持し、硫黄を沈殿させた。該混合物を濾過して、母液をバッファー溶液(pH8.5,50ml)で希釈した。水層をCHCl(2x10ml)によって抽出し、回収した有機抽出物を蒸発させて、粗生成物を得た、これをn−ヘプタンからの結晶化による精製後に、純粋なN−{4−[(1R)−1−(4−クロロ−1,2,5−チアジアゾル−3−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン(1.09g,2.80mmol)を黄色固体として得た(65%)。
【0092】
【数32】

【0093】
(14c) 4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−チアジアゾル−3−オール
中間体14b(1.09g,2.80mmol)を、CHOH(10ml)中のNaOH(0.11g、2.75mmol)の溶液中に溶解した。この反応混合物を50℃において1時間撹拌して、次に、飽和NHCl溶液(10ml)によってクエンチした;水層をCHCl(2x10ml)によって抽出し、一緒にした有機相を、無水NaSO上で乾燥させた後に、減圧下で蒸発させて、n−ヘプタンから結晶化させて、純粋な4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−チアジアゾル−3−オール(14)(0.625g,1.68mmol)を白色固体として得た(60%)。
【0094】
【数33】

【0095】
5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,4−トリアゾル−1−オール(15)
(15a) (2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパンイミドアミド
CHOH/EtO(1:1,20ml)中の中間体1b(0.64g,2.15mmol)の溶液中にHClガスを5時間バブルさせ、次に該混合物を室温において一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、CHOH(10ml)中に溶解した後に、NHガスによって、該溶液が飽和するまで、処理した。得られた混合物を室温において一晩撹拌した。蒸発させた後に、残渣をCHCl(10ml)中に溶解して、1M HCl(3x5ml)によって洗浄した。回収した水相をEtOAc(3x10ml)によって戻し抽出した(extracted back)。一緒にした有機抽出物を無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、純粋な(2R)−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)プロパンイミドアミド(0.4g,1.29mmol)を黄色固体として得た(60%)。
【0096】
【数34】

【0097】
(15b) N−{4−[(1R)−1−(1H−1,2,4−トリアゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン
EtOH(5ml)中の中間体15a(0.4g,1.29mmol)の溶液に、ホルミルヒドラジン(95mg,1.55mmol)を加えて、混合物を48時間還流させた。室温で冷却した後に、溶媒を留去して、粗生成物をCHCl(10ml)中に溶解し、1M HCl(2x5ml)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た、これをフラッシュ・クロマトグラフィーによって精製した後に、純粋なN−{4−[(1R)−1−(1H−1,2,4−トリアゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン(0.22mg,0.645mmol)を黄色物質(yellow)として得た(42%)。
【0098】
【数35】

【0099】
(15c) 5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,4−トリアゾル−1−オール
EtOAc(5ml)中の中間体15b(0.21g,0.62mmol)の溶液に、m−CPBA(0.17g,0.97mmol)を加えて、得られた混合物を室温において一晩撹拌した。反応混合物を水(2x10ml)によって洗浄して、無水NaSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を得た、これをフラッシュ・クロマトグラフィーによって精製した後に、純粋な5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,4−トリアゾル−1−オール(15)を白色固体として得た(67%)。
【0100】
【数36】

【実施例3】
【0101】
生物学的アッセイ
(3a) C5a誘導走化性活性の阻害
実施例2で製造した化合物を、補体C5a及びC5a−desArgの画分によって誘導された多形核白血球(以下では、PMNと呼ぶ)及び単球の走化性を阻害する、それらの能力に関して、in vitroで評価した。この目的のために、健康な成人被験者から採取したヘパリン処理ヒト血液からPMNsを単離するために、単核球(mononucleates)はデキストランによる沈降(sedimentation on dextran)(W.J. Ming et al, J. Immunol., 138, 1469, 1987が開示した方法による)によって取り出し、赤血球は低張液によって取り出した。細胞生命力(cell vitality)は、トリパンブルー色素排除法(exclusion with Trypan blue)によって算出したが、循環多形核球(polymorphonucleates)の比率は、ディフ・クイックによる染色後の細胞遠心分離(cytocentrifugate)で見積りした。
【0102】
走化性実験に刺激剤としてヒト組換え画分C5aとC5a−desArg(Sigma)を用いて、実際に同じ結果を得た。凍結乾燥したC5aを、ある量の0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)含有HBSS中に溶解し、このようにして10−5Mの濃度を有するストック溶液を得て、これを走化性アッセイのために10−9Mの濃度にHBSS中で希釈した。走化性実験では、PMNsを本発明の式(I)化合物と共に、5%CO含有雰囲気中で37℃において15分間インキュベートした。PMN数1.5x10/mlの濃度でHBSS中に再懸濁させたヒト循環多形核球(PMNs)に関して、C5aの走化性活性を評価した。走化性アッセイ(W. Falket et al, J. Immunol. Methods, 33, 239, 1980による)では、5μmの多孔度と、複製に適したマイクロチャンバ(microchambers)とを有するPVPフリー・フィルターを用いた。
【0103】
実施例2の化合物を、10−7〜10−10Mの範囲内の濃度において評価した;この目的のために、これらを該ミクロチャンバの下部孔と上部孔の両方に同温度で加えた。下部のウェルはC5a若しくは単純なキャリヤーの溶液を含有し、上部のウェルはPMNsの懸濁液を含有する。
【0104】
5%CO含有雰囲気中で37℃において60分間、走化性用の該ミクロチャンバをインキュベートすることによって、個々の化合物によるC5a誘導走化性活性の阻害を評価した。
【0105】
ヒト単球のC5a誘導走化性を阻害する被験化合物の能力の評価は、Van Damme J.ら(Eur. J. Immunol, 19, 2367, 1989)によって開示された方法に従って行なった。ヒト単球に対する個々の化合物によるC5a誘導走化性活性の阻害は、10−7〜10−10Mの範囲内の濃度において、5%CO含有雰囲気中で37℃において120分間、走化性用の該ミクロチャンバをインキュベートすることによって、評価した。
【0106】
観察された、PMNsの走化性の阻害データ(濃度10−8M)は、表1に報告する。
(3b) PGE産生の阻害
実施例2で製造した化合物を、ex vivo血液中で、全体として、Patrignaniら(J. Pharmacol. Exper. Ther., 271, 1705, 1994)によって開示された方法に従って評価した。全ての場合に、式(I)化合物は、10−5〜10−7Mの範囲内の濃度において、リポ多糖類刺激(LPS、1μg/ml)によってマウス・マクロファージにおいて誘導されたPGE産生を妨害しない。PGE産生の阻害は、大抵は、統計的有意性の限界にあり、一般には、基準値の15〜20%未満である。
【0107】
【化3】

【0108】
【化4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

で示される(R)−4−(ヘテロアリール)フェニルプロピオン酸化合物及びその製薬的に受容される塩:
上記式において、
Xは、S、O及びNから選択されるヘテロ原子であり;
Yは、H又は、ハロゲン、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシ、−COOH、C−Cアシルオキシ、フェノキシ、シアノ、ニトロ、−NH、C−Cアシルアミノ、ハロ−C−Cアルキル、ベンゾイル、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホネート、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホンアミド、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキルスルホニルメチルから成る群から選択される残基であり;
Zは、非置換テトラゾール及び、1つのヒドロキシ基によって置換された、そして任意にさらに、ハロゲン、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアシルオキシ、シアノ、ニトロ、NH、C−Cアシルアミノ、ハロ−C−Cアルキル、ハロ−C−Cアルコキシ、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホネート及び直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルカンスルホンアミドから成る群から選択される1つ以上の基によって置換された、トリアゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びオキサジアゾールから成る群から選択されるヘテロアリール環である。
【請求項2】
XがS及びOから選択されるヘテロ原子であり;
YがH又は、ハロゲン、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキル及びハロ−C−Cアルキルから成る群から選択される残基であり;
Zが非置換テトラゾール及び、1つのヒドロキシ基によって置換された、そして任意にさらに、ハロゲン、直鎖若しくは分枝鎖C−Cアルキル、C−Cアルキルチオ及びハロ−C−Cアルキルから成る群から選択される1つ以上の基によって置換された、トリアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びオキサジアゾールから成る群から選択されるヘテロアリール環である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
YがHであるか又は、トリフルオロメチル、塩素、メチル及びtert−ブチルから成る群から選択される残基である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記トリアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール又はオキサジアゾール環が、1つのヒドロキシ基によって置換されている、そして任意にさらに、メチル、トリフルオロメチル及び塩素から成る群から選択される1つ以上の基によって置換されている、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
下記化合物:
N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−アミン;
4−メチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン;
4−tert−ブチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン;
N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−チアゾル−2−アミン;
N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾル−2−アミン;
4−メチル−N−{4−[(1R)−1−(1H−テトラゾル−5−イル)エチル]フェニル}−1,3−オキサゾル−2−アミン;
5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−ピラゾル−1−オール;
4−メチル−5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−ピラゾル−1−オール;
5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,3−トリアゾル−1−オール;
5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソオキサゾル−3−オール;
4−メチル−5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソオキサゾル−3−オール;
5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]イソチアゾル−3−オール;
4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−オキサジアゾル−3−オール;
4−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1,2,5−チアジアゾル−3−オール;
5−[(1R)−1−(4−{[4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾル−2−イル]アミノ}フェニル)エチル]−1H−1,2,4−トリアゾル−1−オール
から成る群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
薬剤として使用するための請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
C5a誘導ヒトPMN走化性に関与する疾患の治療に用いるための請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、乾癬、水泡性類天疱瘡、リウマチ性関節炎、潰瘍性大腸炎、急性呼吸窮迫症候群、特発性線維症、糸球体腎炎の治療に及び、虚血と再潅流によって惹起される損傷の予防及び治療に用いるための請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物と、製薬的に受容される賦形剤及び/又は希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項10】
Zがテトラゾールである、請求項1記載の化合物の製造方法であって、式(II):
【化2】

[式中、XとYは、請求項1で定義した意味と同じ意味を有する]
で示される化合物を、トリメチルシリルアジドと反応させて、式(I)で示される対応テトラゾールを得ることを含む方法。

【公表番号】特表2011−500643(P2011−500643A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529394(P2010−529394)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064023
【国際公開番号】WO2009/050258
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(501165813)ドムペ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ (8)
【Fターム(参考)】