1つまたは複数のらせん状に延びるフィーチャを有する蛇腹プランジャ、そのような蛇腹プランジャを含むポンプ、および関連する方法
ポンプシステムは、管状体と、閉じられた前部と、開かれた後部と、前部の近傍から後部の近傍まで長手方向に連続的にらせんのように延びる少なくとも1つのコンターとからなるらせん状の蛇腹プランジャで、少なくとも部分的には画定される、少なくとも1つの圧力室を含む。らせん状の蛇腹プランジャを形成する方法は、らせん状に延びる外部コンターを含む中子鋳型、および実質的に同じピッチの、中子鋳型のらせん状に延びる外部コンターと整列するように構成されたらせん状に延びる内部コンターを含む、協調的に関係づけられた型穴を使用してらせん状蛇腹プランジャを成形するステップと、中子鋳型と鋳型との間に成形材料を導入するステップと、成形材料を硬化させるステップと、硬化した成形材料を中子鋳型から回して外すステップとを含む。また、種々の構成のらせん状の蛇腹プランジャが、開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年1月9日に出願した「Helical Bellows,Pump Including Same and Method of Bellows Fabrication」に対する米国特許出願第12/351,516号の出願日の利益を主張するものであり、その特許出願の開示は、この参照によりその全体を本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、容積移送式装置(positive displacement device)に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、往復運動装置(reciprocating device)(例えば、ポンプ、弁など)に使用するための蛇腹プランジャ、そのような蛇腹プランジャを含む往復運動ポンプ、および蛇腹プランジャを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
往復運動流体ポンプは、多くの産業において使用される。一般に、往復運動流体ポンプは、ポンプ本体の中に2つの流体室を含む。往復運動ピストンまたは軸(shaft)が、ポンプ本体内で前後に駆動される。1つまたは複数の隔膜または蛇腹プランジャが、往復運動ピストンまたは軸に接続されてよい。往復運動ピストンは一方向に動くにつれて、隔膜または蛇腹プランジャの運動が、流体が2つの流体室のうちの第1の流体室に吸引され、第2の室から排出されることをもたらす。往復運動ピストンが反対方向に動くにつれて、隔膜または蛇腹プランジャの運動が、流体が第1の室から排出され、第2の室に吸引されることをもたらす。室入口および室出口が、第1の流体室と流体連結して設けられてよく、別の室入口および別の室出口が、第2の流体室と流体連結して設けられてよい。第1および第2の流体室への室入口が、共通の単一のポンプ入口と流体連結してよく、第1および第2の流体室からの室出口が、共通の単一のポンプ出口と流体連結してよく、それにより、流体が、単一の流体源からポンプ入口を通ってポンプ内に引き込まれてよく、流体が、単一のポンプ出口を通ってポンプから排出されてよい。流体が、室入口を通ってのみ流体室に流入することができ、かつ流体が、室出口を通ってのみ流体室から流出することができることを確実にするために、逆止弁が、流体室のそれぞれの室入口および室出口に設けられてよい。
【0004】
そのような往復運動流体ポンプの例が、例えば、1994年12月6日発行のDunnらの米国特許第5,370,507号、1996年9月24日発行のSimmonsらの米国特許第5,558,506号、1999年4月13日発行のSimmonsらの米国特許第5,893,707号、2000年8月22日発行のSteckらの米国特許第6,106,246号、2001年10月2日発行のSimmonsらの米国特許第6,295,918号、2004年2月3日発行のSimmonsらの米国特許第6,685,443号、2008年12月2日発行のSimmonsらの米国特許第7,458,309号に開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、本発明は、管状体を有する蛇腹プランジャを含む。管状体は、本体の第1の閉端近傍の位置から、本体の反対側の第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条(ridge)を画定する形状を有する側壁を含む。
【0006】
付加的実施形態では、本発明は、対象流体をポンピングするための往復運動流体ポンプを含む。ポンプは、ポンプ本体と、ポンプ本体内の少なくとも1つの対象流体室と、少なくとも部分的にはポンプ本体内に配置された少なくとも1つの蛇腹プランジャとを含む。蛇腹プランジャの表面は、対象流体室の表面を画定する。蛇腹プランジャは、本体の第1の閉端近傍の位置から、本体の反対側の第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を含む管状体を備える。
【0007】
さらに他の実施形態では、本発明は、中子鋳型の外面と鋳型の内面との間の空間が成形材料で満たされ、成形材料が空間内で凝固されて、管状体の第1の端部近傍の位置から管状体の第2の端部近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を含む管状体を有する蛇腹プランジャが形成される、蛇腹プランジャを形成する方法を含む。蛇腹プランジャの管状体を形成するために、中子鋳型の外面が、少なくとも1つのらせん状に延びる突条を備えてよく、鋳型の内面が、中子鋳型の外面のらせん状に延びる突条に相補的に整合された、らせん状に延びる凹部(recess)を備えてよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】らせん状に延びるフィーチャ(feature)を有する蛇腹プランジャを含む、本発明の往復運動流体ポンプの一実施形態の一例の断面図である。
【図2】流体ポンプの切替ピストン(shift piston)を示す図1の一部分の拡大図である。
【図3】流体ポンプのシャトル弁(shuttle valve)を示す図1の別の一部分の拡大図である。
【図4】図1に示す往復運動流体ポンプの蛇腹プランジャの等角図である。
【図5】図1および図4に示す蛇腹プランジャの側面図である。
【図6】図1、図4および図5に示す蛇腹プランジャの長手方向断面図である。
【図7】本発明の付加的実施形態による、蛇腹プランジャを形成するために使用されうる、組み立てられた鋳型組立体の断面図である。
【図8】蛇腹プランジャおよび中子鋳型が断面図で図示される、図7の鋳型組立体と、鋳型組立体の中で成形された蛇腹プランジャとの分解図である。
【図9】本発明の蛇腹プランジャの別の実施形態を示す、図6の長手方向断面図に類似する長手方向断面図である。
【図10】本発明の蛇腹プランジャのさらに別の実施形態を示す、図6および図9の長手方向断面図に類似する長手方向断面図である。
【図11】本発明の蛇腹プランジャの付加的実施形態の側壁の一部分を示す断面図である。
【図12】本発明の蛇腹プランジャの別の付加的実施形態の側壁の一部分を示す断面図である。
【図13】本発明の蛇腹プランジャのさらに別の付加的実施形態の側壁の一部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に提示される図は、いくつかの例において、任意の特定の往復運動流体ポンプ、蛇腹プランジャ、鋳型組立体、またはそれらの構成部品の実際の図面ではなく、本発明の実施形態を説明するために使用される理想的な表示にすぎない。加えて、図面の間で共通する要素は、同じ数字表示を保有する。
【0010】
図1は、本発明の流体ポンプ100の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、流
体ポンプは、例えば液体(例えば水、油、酸など)ガスを、または例えば圧縮ガス(例えば、空気)などの圧縮された駆動流体を使用して粉末状の物質などの対象流体を、ポンプでくみ出すように構成される。したがって、いくつかの実施形態では、流体ポンプ100は、空圧作動式流体ポンプを備えてよい。さらに、以下により詳細に説明するように、流体ポンプ100は、往復運動ポンプを備えてよい。
【0011】
流体ポンプ100はポンプ本体102を含み、ポンプ本体102は、ポンプ本体102を形成するために共に組み立てられうる2つ以上の構成部品を備えてよい。ポンプ本体102は、その中に第1の空洞110および第2の空洞112を含んでよい。駆動軸116が、ポンプ本体102内に設置されてよく、第1の空洞110と第2の空洞112との間に延びてよい。駆動軸116の第1の端部が、第1の空洞110内に設置されてよく、駆動軸116の反対側の第2の端部が、第2の空洞112内に設置されてよい。駆動軸116は、ポンプ本体102内で前後に滑動するように構成される。さらに、液密封止体が、駆動軸116の中央部とポンプ本体102との間に設けられてよく、それにより、第1の空洞110と第2の空洞112との間を、駆動軸116とポンプ本体102との間のいずれかの空間を通って流体が流れるのを防止する。
【0012】
第1の蛇腹プランジャ120が、第1の空洞110内に配置されてよく、第2の蛇腹プランジャ122が、第2の空洞112内に配置されてよい。蛇腹プランジャ120、122は、それぞれ、可撓性高分子材料(例えば、エラストマーまたは熱可塑性材料)で形成されてよく、かつ含んでよい。以下により詳細に説明するように、蛇腹プランジャ120、122のそれぞれは、流体ポンプ100が循環するにつれて、蛇腹プランジャ120、122の本体が長手方向に伸縮されるのを可能にする、1つまたは複数のらせん状に延びるフィーチャ(例えば、らせん形溝(flute))を備えてよい。第1の蛇腹プランジャ120は、第1の空洞110を、第1の蛇腹プランジャ120の駆動軸116と反対側の第1の対象流体室126と、第1の蛇腹プランジャ120の駆動軸116に近い側の第1の駆動流体室127とに分割することができる。同様に、第2の蛇腹プランジャ122は、第2の空洞112を、第2の蛇腹プランジャ122の駆動軸116と反対側の第2の対象流体室128と、第2の蛇腹プランジャ122の駆動軸116に近い側の第2の駆動流体室129とに分割することができる。
【0013】
第1の蛇腹プランジャ120の周縁(peripheral edge)がポンプ本体102に取り付けられてよく、液密封止体が、ポンプ本体102と第1の蛇腹プランジャ120との間に設けられてよい。駆動軸116の第1の端部が、任意選択で、第1の蛇腹プランジャ120に結合されてよい。いくつかの実施形態では、駆動軸116の第1の端部が、第1の蛇腹プランジャ120の中の開口を通って延びてよく、第1の蛇腹プランジャ120を駆動軸116の第1の端部に取り付けるため、かつ液密封止体を駆動軸116と第1の蛇腹プランジャ120との間に設けるために、封止用付属部材(例えば、ナット、座金、封止体など)が、第1の蛇腹プランジャ120の両側で駆動軸116上に設けられてよく、それにより、流体は、駆動軸116と第1の蛇腹プランジャ120との間のいずれかの空間を通って第1の対象流体室126と第1の駆動流体室127との間を流れることはできない。
【0014】
同様に、第2の蛇腹プランジャ122の周縁が、ポンプ本体102に取り付けられてよく、液密封止体がポンプ本体102と第2の蛇腹プランジャ122との間に設けられてよい。駆動軸116の第2の端部が、第2の蛇腹プランジャ122に結合されてよい。いくつかの実施形態では、駆動軸116の第2の端部が、第2の蛇腹プランジャ122の中の開口を通って延びてよく、第2の蛇腹プランジャ122を駆動軸116の第2の端部に取り付けるため、かつ液密封止体を駆動軸116と第2の蛇腹プランジャ122との間に設けるために、封止用付属部材(例えば、ナット、座金、封止体など)が、第2の蛇腹プラ
ンジャ122の両側で駆動軸116上に設けられてよく、それにより、流体は、駆動軸116と第2の蛇腹プランジャ122との間のいずれかの空間を通って第2の対象流体室128と第2の駆動流体室129との間を流れることはできない。
【0015】
この構成では、駆動軸116は、ポンプ本体102内で前後に滑動することができる。駆動軸116が(図1の視点で)右に移動するにつれて、第1の蛇腹プランジャ120が、第1の対象流体室126の容積が増加し、第1の駆動流体室127の容積が減少するように移動させられ、第2の蛇腹プランジャ122が、第2の対象流体室128の容積が減少し、第2の駆動流体室129の容積が増加するように移動させられる。それに反して、駆動軸116が(図1の視点で)左に移動するにつれて、第1の蛇腹プランジャ120が、第1の対象流体室126の容積が減少し、第1の駆動流体室127の容積が増加するように移動させられ、第2の蛇腹プランジャ122が、第2の対象流体室128の容積が増加し、第2の駆動流体室129の容積が減少するように移動させられる。
【0016】
ポンプ本体102を通って第1の対象流体室126に通じる、第1の対象流体入口130が、ポンプ本体102内に設けられてよく、ポンプ本体102を通って第1の対象流体室126から外に通じる、第1の対象流体出口134が、ポンプ本体102内に設けられてよい。同様に、ポンプ本体102を通って第2の対象流体室128に通じる、第2の対象流体入口132が、ポンプ本体102内に設けられてよく、ポンプ本体102を通って第2の対象流体室128から外に通じる、第2の対象流体出口136が、ポンプ本体102内に設けられてよい。さらに、流体が、第1の対象流体入口130を通って第1の対象流体室126に流入することはできるが、第1の対象流体入口130を通って第1の対象流体室126から流出することはできないことを確実にするために、第1の対象流体入口逆止弁131が、第1の対象流体入口130近傍に設けられてよい。流体が、第1の対象流体出口134を通って第1の対象流体室126から流出することはできるが、第1の対象流体出口134を通って第1の対象流体室126に流入することはできないことを確実にするために、第1の対象流体出口逆止弁135が、第1の対象流体出口134近傍に設けられてよい。同様に、流体が、第2の対象流体入口132を通って第2の対象流体室128に流入することはできるが、第2の対象流体入口132を通って第2の対象流体室128から流出することはできないことを確実にするために、第2の対象流体入口逆止弁133が、第2の対象流体入口132近傍に設けられてよい。流体が、第2の対象流体出口136を通って第2の対象流体室128から流出することはできるが、第2の対象流体出口136を通って第2の対象流体室128に流入することはできないことを確実にするために、第2の対象流体出口逆止弁137が、第2の対象流体出口136近傍に設けられてよい。
【0017】
図示はしないが、第1の対象流体室126に通じる対象流体入口130および第2の対象流体室128に通じる対象流体入口132が、共通の流体入口管路または導管と流体連結してよく、第1の対象流体室126から外に通じる対象流体出口134および第2の対象流体室128から外に通じる対象流体出口136が、共通の流体出口管路または導管と流体連結してよく、それにより、流体が、単一の流体源から流体入口管路を通ってポンプ内に引き込まれてよく、また流体が、単一の流体出口管路を通ってポンプから排出されてよい。
【0018】
第1の駆動流体室127が、第1の蛇腹プランジャ120を(図1の視点で)左に押す、圧縮された駆動流体で圧縮されてよい。第1の蛇腹プランジャ120が左に移動するにつれて、駆動軸116および第2の蛇腹プランジャ122が、やはり、左に引っ張られおよび/または押される。駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が(図1の視点で)左に移動するにつれて、第1の対象流体室126内の対象流体が、第1の対象流体出口134を通って第1の対象流体室126から排出され、
対象流体が、第2の対象流体入口132を通って第2の対象流体室128内に引き込まれる。
【0019】
第2の駆動流体室129が、第2の蛇腹プランジャ122を(図1の視点で)右に押す、圧縮された駆動流体で圧縮されてよい。第2の蛇腹プランジャ122が右に移動するにつれて、駆動軸116および第1の蛇腹プランジャ120が、やはり、右に押されおよび/または引っ張られる。駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が(図1の視点で)右に移動するにつれて、第2の対象流体室128内の対象流体が、第2の対象流体出口136を通って第2の対象流体室128から排出され、対象流体が、第1の対象流体入口130を通って第1の対象流体室126に引き込まれる。
【0020】
したがって、流体ポンプ100のポンピング動作を駆動するために、第1の駆動流体室127および第2の駆動流体室129が、交番方式で圧縮されてよく、上で説明したように、駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が、ポンプ本体102内で前後に往復運動させられる。
【0021】
流体ポンプ100は、駆動軸116の往復運動行程(stroke)の端部において、圧縮された駆動流体の流れを、第1の駆動流体室127と第2の駆動流体室129との間で前後を切り替えるための切替機構(shifting mechanism)を含んでよい。切替機構は、例えば、以下の詳細な説明で論ずるように、1つまたは複数の切替ピストン140、142および切替弁170を備えてよい。
【0022】
図1に示すように、第1の切替ピストン140は、第1の蛇腹プランジャ120に近く、隣接するポンプ本体102内に配置されてよく、第2の切替ピストン142は、第2の蛇腹プランジャ122に近く、隣接するポンプ本体102内に配置されてよい。切替ピストン140、142のそれぞれは、全体的に駆動軸116に平行に向けられた、細長い、全体的に円筒形の本体を備えてよい。切替ピストン140、142は、駆動軸116のそばのポンプ本体102内に配置されてよい。切替ピストン140、142は、第1の駆動流体室127と第2の駆動流体室129との間に配置され、ポンプ本体102を通って延びる、個別の全体的に円筒形の内腔(bore)内に配置されてよい。
【0023】
図2は、第1の切替ピストン140を含む図1の一部分の拡大図である。図2に示すように、2つの凹部143A、143Bが、第1の切替ピストン140が配置されるポンプ本体102を通って延びる内腔内の、ポンプ本体102の壁の中に設けられてよい。2つの凹部143A、143Bのそれぞれが、第1の切替ピストン140が配置されるポンプ本体102内の内腔の周りに延びる実質的に連続的な環状凹部を備えてよい。したがって、2つの凹部143A、143Bのそれぞれが、図2の断面図において、第1の切替ピストン140の(図2の視点で)上および下に見られうる。流体導管が、それぞれ、ポンプ本体102を通って2つの凹部143A、143Bのそれぞれに通じてよい。
【0024】
第1の切替シャトル導管146Aが、第1の凹部143Aとシャトル弁170との間を延びてよい。第1の切替ピストン通気導管148Aが、第2の凹部143Bからポンプ本体102の外部まで延びてよい。第2の切替ピストン142の拡大図は提示されていないが、第2の切替シャトル導管146Bが、第1の切替シャトル導管146Aの拡大図と同様に、第2の切替ピストン142とシャトル弁170との間を延びてよく、第2の切替ピストン通気導管148Bが、図1に示すように、第1の切替ピストン通気導管148Aの拡大図と同様に、第2の切替ピストン142からポンプ本体102の外部まで延びてよい。
【0025】
引き続き図2を参照すると、円筒形挿入体150が、切替ピストン140と、切替ピストン140が配置される内腔内の、ポンプ本体102の壁の中の2つの凹部143A、143Bとの間に配置されてよい。1つまたは複数の穴152が、2つの凹部143A、143Bのうちの一方と整列された、切替ピストン140の長手方向軸を横切るそれぞれの平面内に、円筒形挿入体150を貫通して設けられてよい。したがって、流体連結が、円筒形挿入体150内の穴152を通して、円筒形挿入体150の内部と凹部143A、143Bのそれぞれとの間に設けられる。さらに、円筒形挿入体150とポンプ本体102との間のいずれかの空間を通して凹部143Aと143Bとの間で流体連結することを排除するために、複数の環状封止部材(例えば、Oリング)(図示せず)が、円筒形挿入体150の外側の円筒形表面と切替ピストン140が配置される内腔内の、ポンプ本体102の隣接壁との間に、任意選択で設けられてよい。
【0026】
切替ピストン140は、切替ピストン140の外面に環状凹部156を備える。環状凹部156は、切替ピストン上に配置され、環状凹部156を、切替ピストン140の往復運動行程を通して第2の凹部143Bと長手方向にオーバラップさせるのに十分なだけ長い長さ(すなわち、切替ピストン140の長手方向軸に全体的に平行な寸法)を有する。この構成では、第2の凹部143Bおよび第2の凹部143Bと整列された、円筒形挿入体150内の対応する穴152を通して、環状凹部156内で切替ピストン140を取り囲む空間とポンプ本体102の外部との間に流体連結がもたらされ、その流体連結が、ポンプ本体102内の切替ピストン140の運動を容易にすることができる。
【0027】
図2に示すように、細長い延長部分160が、少なくとも部分的には第1の駆動流体室127の中に延びる切替ピストン140の第1の端部に設けられてよい。図1に示すように、切替ピストン140の反対側の第2の端部の端面164に隣接するポンプ本体102内の空間162が、第1の駆動室127、および第1の駆動室127とシャトル弁170との間に延びる第1の駆動室導管180Aと流体連結することができる。図1に示すように、第2の駆動室導管180Bが同様に、第2の切替ピストン142の端面に隣接するポンプ本体内の空間とシャトル弁170との間に延びることができる。
【0028】
再び図2を参照すると、切替ピストン140の細長い延長部分160は、第1の蛇腹プランジャ120が、切替ピストン140の細長い延長部分160の端部に接するように配置され構成されてよい。第1の蛇腹プランジャ120が、第1の駆動流体室127に圧力をかけることによって(図1および図2の視点で)左に動いているときに、第1の駆動流体室127と切替ピストン140の第2の端部の端面164に隣接する空間162との間にもたらされる流体連結が、切替ピストン140の細長い延長部分160の端部を第1の蛇腹プランジャ120に押しつけ、切替ピストン140を同様に左に移動させることができる。第1の蛇腹プランジャ120が、第2の駆動流体室129に圧力をかけることによって(図1および図2の視点で)右に動いているときに、第1の蛇腹プランジャ120が、同様に、切替ピストン140の細長い延長部分160の端部に押しつけられ、切替ピストン140が同様に右に移動させられる。
【0029】
切替ピストン140が(図1および図2の視点で)左に動いているときに、切替ピストン140の第2の端部の端面164が、最終的に、ポンプ本体102内の第1の凹部143A、および第1の凹部143Aと整列された、円筒形挿入体150内の穴152に到達し、そこを通り過ぎる。以下により詳細に論じるように、この時点で、切替ピストン140の端面164に隣接する空間162を通して、第1の駆動室導管180Aと第1の切替シャトル導管146Aとの間に流体連結がもたらされ、この流体連結が、圧縮された空気(または他の駆動流体)を第1の切替シャトル導管146Aを通してシャトル弁170に送り、駆動軸116の往復運動行程の終端を知らせ、駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122を(図1および図2の視点で)右に動きださ
せる。
【0030】
図3は、シャトル弁170を含む図1の一部分の拡大図である。図3に示すように、シャトル弁170は、シャトル弁本体172、および少なくとも部分的にはシャトル弁本体172を通って延びる内腔内に配置されたシャトルスプール174を含む。5つの凹部176A〜176Eが、シャトルスプール174が配置された内腔内のシャトル弁本体172の壁の中に設けられてよい。5つの凹部172A〜172Eのそれぞれが、シャトルスプール174が配置されたシャトル弁本体172内の内腔周りに延びる実質的に連続的な環状凹部を備えてよい。したがって、5つの凹部176A〜176Eのそれぞれが、図3の断面図において、(図3の視点で)シャトルスプール174の左側および右側に見られうる。流体導管が、それぞれ、シャトル弁本体172を通って5つの凹部176A〜176Eのそれぞれに通じてよい。
【0031】
駆動流体導管178が、図3に示すように、中央の第3の凹部176Cに通じてよい。したがって、圧縮された駆動流体が、圧縮された駆動流体源(例えば、圧縮空気などの圧縮ガス源)から第3の凹部176Cに供給されてよい。
【0032】
図1および図3を共に見ることによって分かるように、第1の駆動室導管180Aが、第2の凹部176Bと第1の駆動流体室127との間に延びてよく、第2の駆動室導管180Bが、第4の凹部176Dと第2の駆動流体室129との間に延びてよい。
【0033】
第1のシャトル弁通気導管182Aが、第1の凹部176Aからシャトル弁本体172の外部まで延びてよく、第2のシャトル弁通気導管182Bが、第5の凹部176Eからシャトル弁本体172の外部まで延びてよい。これらのシャトル弁通気導管182A、182Bが、ねじ込み式受け口(threaded receptacle)として図3に示される。消音器(muffler)または他の流体導管が、任意選択で、そのようなねじ込み式受け口によって、シャトル弁通気導管182A、182Bと結合されてよい。
【0034】
第1の切替シャトル導管146A(図1および図2を参照して説明済み)が、第1の切替ピストン140(図2)に隣接する第1の凹部143Aとシャトルスプール174が配置されたシャトル弁本体172内の内腔の第1の長手方向の端部との間に延びてよく、第2の切替シャトル導管146Bが、第2の切替ピストン142(図1)に隣接する同様の凹部とシャトルスプール174が配置されたシャトル弁本体172内の内腔の、反対側の第2の長手方向の端部との間に延びてよい。
【0035】
図3に示すように、円筒形挿入体190が、シャトルスプール174と、シャトルスプール174が配置された内腔内のシャトル弁本体172の壁の中の5つの凹部176A〜176Eとの間に配置されてよい。円筒形挿入体190は、5つの凹部176A〜176Eのうちの一つと整列された、切替スプール174の長手方向軸を横切る各平面内に円筒形挿入体190を貫通して延びる1つまたは複数の穴192を備えてよい。したがって、円筒形挿入体190内の穴192を通して、円筒形挿入体190の内部と凹部176A〜176Eのそれぞれとの間に、流体連結がもたらされる。さらに、円筒形挿入体190とシャトル弁本体172との間のいずれかの空間を通して凹部176A〜176Eのうちのいずれかの間で流体連結することを排除するために、複数の環状封止部材(例えば、Oリング)(図示せず)が、円筒形挿入体190の外側の円筒形表面と切替ピストン190が配置される内腔内の、シャトル弁本体172の隣接壁との間に、任意選択で設けられてよい。
【0036】
シャトルスプール174は、シャトルスプール174の外面内の第1の環状凹部196A、およびシャトルスプール174の外面内の第2の環状凹部196Bを備える。第1の
環状凹部196Aおよび第2の環状凹部196Bは、シャトルスプール174の外面上の中央環状突条(central annular ridge)197で分離される。さらに、環状の第1の端部突条198Aが、第1の環状凹部196Aの長手方向の中央環状突条197と反対側のシャトルスプール174の外面上に設けられ、環状の第2の端部突条198Bが、第2の環状凹部196Bの長手方向の中央環状突条197と反対側のシャトルスプール174の外面上に設けられる。
【0037】
第1の環状凹部196Aおよび第2の環状凹部196Bのそれぞれは、5つの凹部176A〜176Eのうちの2つの隣接する凹部を、少なくとも部分的には長手方向にオーバラップさせるのに十分なだけ長い長さ(すなわち、シャトルスプール174の長手方向軸に全体的に平行な寸法)を有する。例えば、シャトルスプール174が図3に示す位置にあるとき、第1の環状凹部196Aが、第2の凹部176Bおよび第3の凹部176Cのそれぞれに延びて、少なくとも部分的にはそれぞれとオーバラップし、第2の環状凹部196Bが、第4の凹部176Dおよび第5の凹部176Eのそれぞれに延びて、少なくとも部分的にはそれぞれとオーバラップする。この構成では、第3の凹部176C、第3の凹部176Cと整列された円筒形挿入体190内の穴192、シャトルスプール174内の第1の環状凹部196A、第2の凹部176Bと整列された円筒形挿入体190内の穴192、および第2の凹部176Bを通して、駆動流体導管178と第1の駆動室導管180Aとの間に流体連結がもたらされる。また、この構成では、第4の凹部176D、第4の凹部176Dと整列された円筒形挿入体190内の穴192、シャトルスプール174内の第2の環状凹部196B、第5の凹部176Eと整列された円筒形挿入体190内の穴192、および第5の凹部176Eを通して、第2の駆動室導管180Bと第2のシャトル弁通気導管182Bとの間に流体連結がもたらされる。
【0038】
図1〜図3を共に見ることによって分かるように、駆動流体導管178から第2の駆動室導管180Bまでシャトル弁170を通し、第2の駆動流体室129を通し、第2の切替シャトル導管146Bを通してシャトルスプール174の第2の端部に圧縮された駆動流体を印加することによって、シャトルスプール174が、図3に示す位置まで移動されうる。したがって、いくつかの実施形態では、周囲の圧力(大気圧)がシャトルスプール174の一方の長手方向端面にもたらされながら、正の圧力をシャトルスプール174の反対側の長手方向端面に印加することによって、シャトルスプール174が、シャトル弁本体172内で前後に移動させられる。シャトルスプール174が図3に示す位置まで移動すると、シャトルスプール174の第1の端部付近、および第1の切替シャトル導管146A内の任意の流体(例えば、空気などのガス)が、第2のシャトル弁通気導管182Bを通って周囲に放出されうる。シャトルスプール174の第2の端部(および第2の切替シャトル導管146B内)に正の圧力を保持することによって、および/または1つまたは複数の戻り止め機構を使用することによって、シャトルスプール174は、図3に示す位置に保持されうる。
【0039】
流体ポンプ100の動作を完全に理解するのを容易にするために、流体ポンプの(駆動軸116の左方への往復運動行程および右方への往復運動行程を含めた)完全なポンピングサイクルが、以下に説明される。
【0040】
流体ポンプ100のサイクルは、シャトル弁170のシャトルスプール174が図1および図3に示す位置にある間に始まる。上で説明したように、シャトルスプール174が、図1および図3に示す位置に移動すると、圧縮された駆動流体が、駆動流体導管178(図1および図3)からシャトルスプール174内の第1の環状凹部196A内でシャトルスプール174の周囲を通って第1の駆動室導管180Aに流入する。圧縮された駆動流体が、第1の駆動室導管180Aを通って第1の駆動流体室127(図1)に流れ、圧縮された駆動流体が、第1の蛇腹プランジャ120を(図1の視点で)左に推進する。第
1の蛇腹プランジャ120が左に移動するにつれて、駆動軸116および第2の蛇腹プランジャ122がやはり、左に引っ張られおよび/または押される。駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が(図1の視点で)左に移動するにつれて、第1の対象流体室126内の対象流体が、第1の対象流体室126から外に通じる第1の対象流体出口134を通って第1の対象流体室126から押し出され、対象流体が、第2の対象流体室128に通じる第2の対象流体入口132を通って、第2の対象流体室128内に引き込まれる。
【0041】
この左方への往復運動行程が継続するにつれて、第1の切替ピストン140は、空間162(図2)内の圧縮された駆動流体によって左に推進され、第2の切替ピストン142は、第2の蛇腹プランジャ122によって左に推進される。この左方への往復運動行程は、第1の切替ピストン140が、空間162(図2)内の圧縮された駆動流体が第1の切替シャトル導管146Aに流入することができるのに十分なだけ左に移動するまで継続する。圧縮された駆動流体が第1の切替シャトル導管146Aに入るとき、圧縮された駆動流体のパルスが、第1の切替シャトル導管146Aを通ってシャトル弁170内のシャトルスプール174の第1の端部に流れ、そのことが、シャトルスプール174をシャトル弁本体172内で(すなわち、図1および図3の視点でシャトル弁170の上端に向かって)滑動させる。
【0042】
シャトルスプール174は、図面の中で、シャトル弁本体172内の内腔の反対端に設置されるように示されてはいないが、シャトルスプール174が、シャトル弁本体172内の内腔の反対端に移動すると、駆動流体導管178を通ってシャトル弁170に入る圧縮された駆動流体が、第1の駆動室導管180Aから第2の駆動室導管180Bに方向転換されるであろうことは理解されよう。言い換えれば、シャトルスプール174がシャトル弁本体172の反対端に移動すると、圧縮された駆動流体が、駆動流体導管178からシャトルスプール174内の第2の環状凹部196Bを通り、第2の駆動室導管180Bを通って第2の駆動流体室129(図1)まで流れ、そのことが、第2の蛇腹プランジャ122を(図1の視点で)右に推進する。第2の蛇腹プランジャ122が右に移動するにつれて、駆動軸116および第1の蛇腹プランジャ120がやはり、右に押されおよび/または引っ張られる。駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が(図1の視点で)右に移動するにつれて、第2の対象流体室128内の対象流体が、第2の対象流体室128から、第2の対象流体室128から外に通じる第2の対象流体出口136を通って押し出され、対象流体が、第1の対象流体室126に通じる個別の対象流体入口130を通って第1の対象流体室126内に引き込まれる。
【0043】
この右方への往復運動行程は、第2の切替ピストン140が、第2の駆動流体室129内の圧縮された駆動流体が第2の切替シャトル導管146Bに流入することができるのに十分なだけ(図1の視点で)右に移動するまで継続し、そのことが、シャトルスプール174を図1および図3に示す位置に戻させ、それにより、流体ポンプ100の完全な1サイクルが完了し、その時点で新しいサイクルが始まる。この往復運動動作は継続可能であり、その結果、流体ポンプ100を通る、少なくとも実質的に連続的な対象流体の流れがもたらされる。
【0044】
上で説明したように、本発明のいくつかの実施形態によれば、蛇腹プランジャ120、122のそれぞれが、流体ポンプ100が循環するにつれて、蛇腹プランジャ120、122の本体が長手方向に伸縮されるのを可能にする、1つまたは複数のらせん状に延びるフィーチャ(例えば、らせん形溝(flute))を備えてよい。
【0045】
図4〜図6は、図1の蛇腹プランジャ120(および蛇腹プランジャ122)を示す。蛇腹プランジャ120は、第1の閉端202および反対側の第2の開端204を有する本
体200を備えてよい。
【0046】
蛇腹プランジャ120の本体200は、全体的に管状であってよい。図6を参照すると、本体200は、内面207Aおよび外面207Bを有する全体的に管状の側壁206を含んでよい。全体的に管状の側壁206は、長手方向に起伏して、蛇腹プランジャ120の本体200の外側に、複数の山208および谷210を画定する。山208および谷210は、1つまたは複数のらせん状に延びる突条220および1つまたは複数のらせん状に延びる凹部222で画定されてよく、かつそれら突条および凹部を備えてよく、それら突条および凹部は、蛇腹プランジャ120の本体200の第1の閉端202と第2の開端204との間で長手方向に、蛇腹プランジャ120周りにらせん状に延びる。本体200の平均的な壁の厚さは、山208と谷210との間の距離に比べて相対的に小さくてよいことに留意されたい。この構成では、本体200の外面207B上の山208が、本体200の内面207A上の対応する谷212を画定してよく、本体200の外面207B上の谷210が、本体200の内面207A上の対応する山214を画定してよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、山208が、単一のらせん状に延びる突条220で画定されてよく、かつその突条を備えてよく、谷210が、単一のらせん状に延びる凹部222で画定されてよく、かつその凹部を備えてよい。そのような実施形態では、1つの山208(および突条220)は、全360度の完全な1回転を通して本体200の周囲を1回たどられるので、山208は、本体200の輪郭に沿って次の直近の山208につながる。
【0048】
しかし、他の実施形態では、山208は、2つ(または3つ以上)のらせん状に延びる突条220で画定されてよく、かつそれらの突条を備えてよく、谷210は、2つ(または3つ以上)のらせん状に延びる凹部222で画定されてよく、かつそれらの凹部を備えてよい。そのような多重の突条220および多重の谷210は、互いに横に並んでらせん状に延びてよい。そのような実施形態では、1つの山208(および突条220)は、全360度の完全な1回転を通して本体200の周囲を1回たどられるので、山208は、次の直近の山208(それは異なる突条220の一部分である)にはつながらず、その山208から2つ目(または3つ目など)の山208につながる。
【0049】
いくつかの実施形態では、本体200は、本体200の長さに沿って、少なくとも実質的に一定の横断面平均直径を有する、全体的に円筒形の形状を有してよい。本体200の断面形状は、ポンプ本体102の中の第1の空洞110または第2の空洞112内にはめ込むことができる任意の形状であってよく、全体的に円筒形、全体的に円錐形、断面形状において全体的に矩形、などであってよい。
【0050】
したがって、蛇腹プランジャ120の本体200の壁206は、1つまたは複数の実質的に連続的ならせん状突条220およびらせん状凹部222を含んでよい。蛇腹プランジャ120のリブまたはらせん状溝を画定する、本体200の1つまたは複数の実質的に連続的ならせん状突条220およびらせん状凹部は、閉端202に近い位置から開端204に近い位置まで延びてよい。らせん状の突条220および凹部222は、蛇腹プランジャ120の本体200が長手方向に圧縮し伸張することを可能にする。したがって、たとえ、1つまたは複数のらせん状突条220の構造が、以前から知られている蛇腹プランジャのリブのような複数の離散的な、横方向に延び、長手方向に分離されるリブとは異なる、1つまたは複数の長い連続的なリブを設けるとしても、1つまたは複数のらせん状に延びる突条220は、本体200を長手方向に伸張収縮することを可能にすることによって、蛇腹プランジャ120の「リブ」として適切に特徴づけられてよい。したがって、本体200の伸張収縮は、動作において、コイルばねの伸張収縮に例えられうる。
【0051】
閉端202は、本体200に結合されるかまたは一体的に形成される端板230を備え
てよい。言い換えれば、いくつかの実施形態では、端板230は、本体200と一体的に形成されてよく、他の実施形態では、閉端202は、本体200と分離して形成され、本体200の端部に取り付けられてよい。例えば、端板230は、接着剤、締結具(例えば、ボルトおよびねじ)、熱封止(例えば、融着)を使用して、またはいくつかの他の知られている手段、ならびにそれらの組合せを用いて、本体200に取り付けられてよい。少なくともいくつかの実施形態では、閉端202は、環状フランジ232を備えてよく、環状フランジ232に向かって1つまたは複数のらせん状突条220が延びる。いくつかの実施形態では、端板230はまた、その中に凹部234を含んでよい。閉端202の外部は、相補的に形成されたポンプ本体102の内面と係合するように構成された、形成された表面236を備えてよい。限定でなく例として、形成された表面236は、少なくとも実質的には、平坦、円錐台、凸状または凹状であってよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、形成された表面236は、表面236から延びる中央突起238を含んでよい。他の実施形態では、形成された表面236は、ボルトまたはねじなど、閉端202の駆動軸116(図1)への取り付けを可能にする開口を備えてよい。そのような開口は、閉端202を完全に貫通して延びてよく、または閉端202の一部の中に部分的に延びてよい。したがって、そのような開口は、いくつかの実施形態では通り穴を備えてよく、他の実施形態では止まり穴を備えてよい。さらに、いくつかの実施形態では、開口は、駆動軸116の取り付け具、または閉端202を駆動軸116に固定するための取り付け構造を受け入れるために、ねじを切られてよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、端板230は、その中に設置された構造用挿入体240を含んでよい。構造用挿入体は、蛇腹プランジャ120の本体200の材料に比べて比較的剛性の材料(すなわち、本体200の材料よりも剛性の材料)を含んでよい。限定ではなく例として、端板230は、板状の構造、または少なくとも部分的には端板230内に形成されたいくつかの他の形態(configuration)(例えば、リブ、網目など)の補強構造として構成された構造用挿入体240を備えてよい。構造用挿入体240は、鋼(耐食鋼を限定ではなく含む)、樹脂、またはセラミック材料など、金属または金属合金を含んでよい。そのような材料は単なる例であり、種々の他の材料、または材料の組合せが、構造用挿入体240に使用されてよいことは、当業者には理解されよう。構造用挿入体240は、取り付け構造の取付具(例えば、ボルトまたはねじ)を受け入れるための締結手段(例えば、ねじ山)など、1つまたは複数の特徴をさらに含んでよい。また、網目など、1つまたは複数の構造用挿入体が、蛇腹プランジャ120の本体200の壁の中に設けられてよい。
【0054】
蛇腹プランジャ120の本体200の開端204は、蛇腹プランジャ120の内部248への中央開口246を画定する環状フランジ244を備えてよい。環状フランジ244は、蛇腹プランジャ120をポンプ本体102に固定することに適応するように構成されてよい。限定ではなく例として、環状フランジ244は、長手方向に取られた矩形断面形状を有してよく、ポンプ本体102またはなんらかの他の構造もしくは装置に締め付けられる(be clamped)かまたは別のやり方で固定されるように構成されてよい。さらに、いくつかの実施形態では、環状フランジ244は、フランジ244全体に設けられた液密封止体を改良するために、フランジ244の平坦な長手方向の端部の面(end
face)250上に同心のリブ245を備えてよい。
【0055】
再び図1を参照すると、いくつかの実施形態では、蛇腹プランジャ120、122のそれぞれの閉端202(図4〜図6)が、蛇腹プランジャ120、122の閉端202が互いに面を遠ざけるようにして、ポンプ本体102内の個別の第1および第2の空洞110、112内に設置されてよい。そのような構成は、往復運動流体ポンプ100の外側の部分に向かって設置された第1の対象流体室126および第2の対象流体室128を備える
ように構成された往復運動流体ポンプ100の中で使用されてよい。しかし、そのような構成が、本発明の往復運動流体ポンプの実施形態を限定することは意図されていない。例えば、他の実施形態では、第1の対象流体室126および第2の対象流体室128は、米国特許出願第11/437,447号(2007年11月22日に米国特許出願公開第2007/0266846号として公開されたもの)に開示されたポンプにおけるように、往復運動流体ポンプ100の内側の部分に向かって設置されてよい。加えて、往復運動流体ポンプ100は、第1の駆動流体室127および第2の駆動流体室129が蛇腹プランジャ120、122の内側に配置され、第1の対象流体室126および第2の対象流体室128が蛇腹プランジャ120、122の外側に配置されるように構成された図1において示されるが、駆動流体室127、129および対象流体室126、128は、本発明の付加的実施形態では入れ替えられてよい。言い換えれば、第1の駆動流体室127および第2の駆動流体室129が、蛇腹プランジャ120、122の外側に配置されてよく、第1の対象流体室126および第2の対象流体室128が、蛇腹プランジャ120、122の内側に配置されてよい。
【0056】
さらに、蛇腹プランジャ120、122のそれぞれの閉端202の位置は、蛇腹プランジャ120、122の閉端202に結合されうる駆動軸116(図1)によって、互いに相対的に固定されてよい。軸116は、蛇腹プランジャ120、122の下部近くに設置されるように図1に描かれるが、そのような構成が限定であることは意図されていない。いくつかの実施形態では、駆動軸116は、蛇腹プランジャ120、122の端板230に対して少なくとも実質的には中心に設置されてよく、そのように設置されなければ蛇腹プランジャ120、122に印加されうる曲げ力および/またはねじり力が、低減される。蛇腹プランジャ120、122の閉端202は、対象流体室126と駆動流体室127との間、および対象流体室128と駆動流体室129との間を流体が通過することを防止する。
【0057】
第1および第2の駆動室導管は、駆動流体の駆動流体室127、129への投入および駆動流体の駆動流体室127、129からの排出の両方に使用されるが、付加的実施形態では、駆動流体を駆動流体室127、129に投入するため、および駆動流体を駆動流体室127、129から排出するために、個別の導管が使用されてよい。
【0058】
本発明の付加的実施形態は、図に示す蛇腹プランジャ120、122など、蛇腹プランジャを作製する方法を含む。蛇腹プランジャ120、122の本体200の1つまたは複数の突条220および凹部のらせん状の構成は、本発明の実施形態による蛇腹プランジャが製造される容易さを改良することができる。図7および図8は、本発明のいくつかの実施形態による蛇腹プランジャを形成するために使用されうる鋳型組立体260を示す。鋳型262は、中子鋳型264(例えば、挿入体)の少なくとも一部の周りに設けられ、設置されてよい。鋳型262と中子鋳型264との間の型穴を画定する空間268の容積が、その後、蛇腹プランジャを形成するために、成形材料で満たされてよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、鋳型262は、鋳型262を形成するために共に組み立てられうる2つ以上の構成部品を含んでよい。型穴をその中に画定する鋳型262の内面270は、型穴の中で成形される蛇腹プランジャの外面207B(例えば、図4〜図6に示す蛇腹プランジャ120の外面207Bと同様)と、少なくとも実質的に合致する寸法、形状、および構成(configuration)を有することができる。鋳型262の内面270は、全体的に円筒形の蛇腹プランジャ120を形成することが望まれるときは、全体的に円筒形の(しかし、蛇腹プランジャ120の1つまたは複数の突条220および凹部222を形成するために使用される、起伏しながららせん状に延びる突条および凹部に対する)形状であってよい。
【0060】
中子鋳型264は、蛇腹プランジャ120の内面207Aを形成するために寸法決めされ、形作られ、構成されてよい。蛇腹プランジャ120の内面207Aは、上で説明したように、蛇腹プランジャ120の外面207Bのコンター(contour)と相補的なコンターを有してよく、1つまたは複数のらせん状に延びる突条および凹部を含んでよい。したがって、中子鋳型264の外面274もまた、1つまたは複数のらせん状に延びる突条および凹部を含んでよい。
【0061】
中子鋳型264が鋳型262と共に組み立てられるとき、鋳型262の内面270上のらせん状に延びるフィーチャが、中子鋳型264の外面274上の相補的ならせん状に延びるフィーチャに全体的に平行に延びてよく、2つのフィーチャの間に連続的に延びる空洞が形成され、その中に成形材料が注入されてよい。いくつかの実施形態では、中子鋳型264の外面274と鋳型262の内面270との間の距離は、蛇腹プランジャ120の本体200の管状壁206を形成するために使用される領域において実質的に均一であってよく、それにより、管状壁206は、1つまたは複数のらせん状に延びる突条220および凹部222に沿って実質的に均一な厚さを有する。
【0062】
中子鋳型264は、中子鋳型264の外面274のらせん状に延びるフィーチャが、鋳型262の内面270の相補的ならせん状に延びるフィーチャに整列されながら、鋳型262の中に設置されてよい。次いで、蛇腹プランジャ120は、中子鋳型264と鋳型262との間の型穴を画定する空間268の容積を、適切な成形材料で満たすことによって形成されうる。限定ではなく例として、成形材料は、中子鋳型264と鋳型262との間の型穴を画定する空間268に、従来の射出成形技術を使用して圧力で押し込まれてよい。適切な成形材料は、成形用のエラストマーおよび樹脂など、高分子材料を含むが、限定はされない。いくつかの実施形態では、成形材料は、フッ素重合体を含んでよい。限定ではなく例として、成形材料は、ネオプレン、ブナN(buna−N)、エチレンジエンMクラス(EPDM)、VITON(登録商標)、ポリウレタン、HYTREL(登録商標)、SANTOPRENE(登録商標)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン樹脂(PFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ナイロン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、NORDEL(商標)、およびニトリルのうちの1つまたは複数を含んでよい。
【0063】
空間268を満たす成形材料は、鋳型組立体260の中の場所で、その中に蛇腹プランジャ120が形成するために、硬化または凝固されてよい。新しく形成された蛇腹プランジャ120は、鋳型262を成形された蛇腹プランジャ120の周りから取り外し、中子鋳型264を蛇腹プランジャ120の中から取り外すことによって、鋳型組立体260から取り出されうる。蛇腹プランジャ120を鋳型262から取り外すために、鋳型262は、蛇腹プランジャ120の周りから開かれるかまたは分解されてよい。他の実施形態では、蛇腹プランジャ120は、蛇腹プランジャ120を、回して外すことによって、または後退させることによって、鋳型262の中から取り外されうる。言い換えれば、蛇腹プランジャ120は、蛇腹プランジャ120の長手方向軸周りに、鋳型262に対して回転させられてよい。そのように回転すると、蛇腹プランジャ120のらせん状に延びるフィーチャが、蛇腹プランジャ120を鋳型262から外に移動させる。
【0064】
中子鋳型264は、中子鋳型264の周りに形成された蛇腹プランジャ120の中から、中子鋳型264を、回して外すことによって、蛇腹プランジャ120から取り外されうる。言い換えれば、蛇腹プランジャ120は、蛇腹プランジャ120の長手方向軸周りに、中子鋳型264に対して回転させられてよい。そのように回転すると、蛇腹プランジャ120のらせん状に延びるフィーチャが、蛇腹プランジャ120を中子鋳型264から離れるように移動させる。一般に、蛇腹プランジャ120のらせん状に延びるフィーチャが
、蛇腹プランジャ120と中子鋳型264との間に相対的な回転をもたらすことにより、蛇腹プランジャ120を中子鋳型264から長手方向に後退させることによって、蛇腹プランジャ120が中子鋳型264から容易に取り外されることを可能にする。
【0065】
以前から知られている蛇腹プランジャの構成は、そのようならせん状に延びるフィーチャを含まず、したがって、本明細書で説明したように、本発明のいくつかの実施形態におけるような、中子鋳型264を取り巻く鋳型262の中で成形されるものではない。中子鋳型264を、その周りに成形された蛇腹プランジャ120から、回して外すことができることは、以前から知られている複数の離散的な円周方向に延びるリブを有する蛇腹プランジャを製作する間に経験されるような、蛇腹プランジャ120のリブと中子鋳型264のリブとの間の機械的干渉の問題を軽減する。したがって、適切なコンターを有する一体の中子鋳型264が、蛇腹プランジャ120の内側のフィーチャを形成するために使用されてよい。
【0066】
再び図6を参照すると、本発明の付加的実施形態では、内面207Aの1つまたは複数の谷212(外面207Bの山208に対応)の深さおよび幅のうちの少なくとも一方が、閉端202から開端204に向かって伸びる方向に増加してよく、そのことが、中子鋳型254の取り外しを容易にすることができる。言い換えれば、内面207Aの谷212は、閉端202近傍に第1の幅W1および第1の深さD1を有してよい。しかし、開端204近傍で、谷212は、第1の幅W1より大きい第2の幅W2、および第1の深さD1より大きい深さD2を有してよい。らせん状に延びる谷212の幅および/または深さは、閉端202近傍の位置から開端204近傍の位置まで、徐々にかつ連続的に増加してよい。この構成では、中子鋳型264が、中子鋳型264の周りに成形された蛇腹プランジャ120から回して外されるにつれて、谷212内の中子鋳型264の外面が、蛇腹プランジャ120の管状体の内面207Aの領域から分離し、そのことが、中子鋳型264が蛇腹プランジャ120からより容易に取り外されることを可能にする。
【0067】
図9は、本発明の蛇腹プランジャ280の別の実施形態を示す、図6に類似の長手方向断面図である。図9の蛇腹プランジャ280は、全体的に、図4〜図6の蛇腹プランジャ120に類似しており、長手方向に起伏する全体的に管状の側壁282を有する本体281を含み、本体281の外側に複数の山292および谷294を画定する。山292および谷294は、1つまたは複数のらせん状に延びる突条296および1つまたは複数のらせん状に延びる凹部298で画定されてよく、かつそれら突条および凹部を備えてよく、それらの突条および凹部は、蛇腹プランジャ280の本体281の、第1の閉端283と反対側の第2の開端284との間を長手方向に、蛇腹プランジャ280の周りにらせん状に延びる。図9の実施形態では、本体281の閉端283は中空であり、その中にキャビティ286を含む。開口288が、本体281の第1の閉端283の一部を通って延び、本体281の内部領域と本体281の閉端283内のキャビティ286との間に流体連結をもたらす。図9に示すように、閉端283は、本明細書で前に説明した構造用挿入体240に類似する、構造用挿入体290を含んでよく、キャビティ286は、少なくとも部分的には構造用挿入体290内に配置されてよい。キャビティ286の寸法および形状は、蛇腹プランジャ280の内部の中の駆動流体の所与の圧力に対して、蛇腹プランジャ280に作用する合力(net force)の大きさおよび/または方向を改良するように、選択的に適応されてよい。
【0068】
図10は、本発明の蛇腹プランジャ300のさらに別の実施形態を示す、図6および図9の断面図に類似の長手方向断面図である。図10の蛇腹プランジャ300は、図4〜図6の蛇腹プランジャ120に全体的に類似し、長手方向に起伏して、本体301の外部に複数の山306および谷308を画定する、全体的に管状の側壁302を有する本体301を含む。山306および谷308は、1つまたは複数のらせん状に延びる突条310お
よび1つまたは複数のらせん状に延びる凹部312で画定されてよく、かつそれら突条および凹部を備えてよく、それら突条および凹部は、蛇腹プランジャ300の本体301の第1の閉端314と、反対側の第2の開端316との間で長手方向に、蛇腹プランジャ300の周りにらせん状に延びる。しかし、図10の実施形態では、管状の側壁302は、図9の蛇腹プランジャ280の管状の側壁282および図4〜図6の蛇腹プランジャ120の管状の側壁206のそれぞれの、全体的に円筒形の形状とは対照的に、全体的に円錐形の形状を有する。全体的に円錐形の形状を有する管状の側壁302を設けることによって、中子鋳型を覆ってその周りに成形された蛇腹プランジャ300の内部から中子鋳型を取り外すことが、比較的容易になりうる。とりわけ、蛇腹プランジャの管状の側壁が全体的に円筒形である実施形態において必要であるように、中子鋳型を最後まで回して蛇腹プランジャ300から外すのとは対照的に、蛇腹プランジャを中子鋳型に対して、またはその逆に、1回またはほんの数回だけの全回転によって回転させた後、中子鋳型を蛇腹プランジャ300から単に引き出すことが可能になる。このことは、中子鋳型と蛇腹プランジャとの間の横方向の間隙が各回転毎に増加するにつれて、中子鋳型が蛇腹プランジャ300から速やかに離脱することによる。同様に、挿入された中子鋳型を有する蛇腹プランジャ300は、もたらされた拡大された横方向の間隙によって、取り囲む鋳型の型穴の中からより容易に引き出されうる。
【0069】
図11〜図13は、本発明の蛇腹プランジャの付加的実施形態に使用されうる、管状の側壁の一部の断面図を示す。
【0070】
図11を参照すると、らせん状に延びる突条322および凹部324を含む、管状体の側壁320の一部が図示される。突条322および凹部324は、全体的に丸い弧状の断面形状を有する、図6に示す側壁206の突条220および凹部222とは対照的に、全体的に三角形の断面形状を有する。付加的実施形態では、蛇腹プランジャの全体的に管状の壁の、1つまたは複数のらせん状に延びる突条および凹部は、プランジャが長手方向に伸張し圧縮されることを可能にする任意の断面形状を有してよいことに留意されたい。
【0071】
図12を参照すると、らせん状に延びる突条332および凹部334を含む、管状体の側壁330の一部が図示される。突条332および凹部334は、図12に示すように、側壁330の起伏する長手方向の輪郭に沿った、複数の山336および谷338を画定する。やはり図12に示すように、側壁330は、山336および谷338において、山と谷との間の側壁330の中間部分におけるよりも比較的薄い厚さを有する。側壁330を、山336および谷338において比較的薄くなるように形成することによって、側壁330を長手方向に伸張圧縮させるのに必要な力が低減されうる。
【0072】
図13を参照すると、らせん状に延びる突条342および凹部344を含む、管状体の側壁340の一部分が図示される。突条342および凹部344は、図13に示すように、側壁340の起伏する長手方向の輪郭に沿った複数の山346および谷348を画定する。やはり図13に示すように、側壁340は、山346および谷348において、山と谷との間の側壁340の中間部分におけるよりも比較的厚い厚さを有する。山と谷との間の側壁340の中間部分に比べると、山346および谷348は、これらの領域における応力および変形(例えば、曲げ)の集中および繰り返しによる亀裂を、より発生しやすい可能性がある。したがって、側壁340を、山346および谷348において比較的厚くなるように形成することによって、側壁340における亀裂または他のモードの故障を発生する傾向が低減可能であり、それゆえ、管状壁340の運転寿命が増加されうる。
【0073】
図1の流体ポンプ100は2つの蛇腹プランジャを使用するように示されるが、本発明の流体ポンプの付加的実施形態は、単一の本明細書で説明するような蛇腹プランジャのみを含んでよく、または3つ以上の本明細書で説明するような蛇腹プランジャを含んでよい
。限定ではなく例として、米国特許第5,165,866号に開示されるポンプは、本発明のいくつかの実施形態による、本明細書で説明されるような蛇腹プランジャを設けられてよい。加えて、ポンプシステムは、自動で(例えば、空圧的もしくは電気的に)運転されてよく、または手動で運転されてよい。手動運転ポンプシステムの限定でない例が、米国特許第4,260,079号に開示されている。そのようなポンプシステムは、本発明の付加的実施形態による、本明細書で説明されるような蛇腹プランジャを設けられてよい。
【0074】
さらに、本明細書で上で説明されたような蛇腹プランジャの実施形態は、ポンプ、弁および脈動減衰装置(pulsation dampener)を限定でなく含むすべての往復運動式もしくは振動式流体操作装置(fluid handling device)に使用されてよい。
【0075】
本発明の付加的実施形態が、以下に説明される。
【0076】
実施形態1:蛇腹プランジャが、第1の閉端および反対側の第2の開端を有する管状体を備え、管状体が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を備える。
【0077】
実施形態2:管状体の側壁が全体的に円筒形である、実施形態1の蛇腹プランジャ。
【0078】
実施形態3:管状体の側壁が全体的に円錐形である、実施形態1の蛇腹プランジャ。
【0079】
実施形態4:管状体の第1の閉端が、側壁とは別に形成されて側壁に取り付けられた端板を備える、実施形態1または実施形態2の蛇腹プランジャ。
【0080】
実施形態5:管状体の第1の閉端が、少なくとも部分的には閉端の中に配置された構造用挿入体を備える、実施形態1から4のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0081】
実施形態6:管状体の第1の閉端内に配置されたキャビティと、管状体の第1の閉端の一部を通って延び、管状体の内部領域と管状体の第1の閉端内のキャビティとの間に流体連結をもたらす開口とをさらに備える、実施形態1から5のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0082】
実施形態7:管状体の側壁が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる複数の突条を画定する形状を有する、実施形態1から6のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0083】
実施形態8:管状体の側壁が、少なくとも実質的に均一な壁の厚さを有する、実施形態1から7のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0084】
実施形態9:側壁が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの凹部を画定する形状を有する、実施形態1から8のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0085】
実施形態10:管状体が、エラストマー材料および樹脂材料のうちの少なくとも一方を含む、実施形態1から9のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0086】
実施形態11:管状体がフッ素重合体を含む、実施形態1から10のいずれかの1実施
形態の蛇腹プランジャ。
【0087】
実施形態12:管状体の側壁が、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる谷を画定する内面を有し、谷の幅および深さのうちの少なくとも一方が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで延びる方向に増加する、実施形態1から11のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0088】
実施形態13:ポンプ本体と、ポンプ本体内の少なくとも1つの対象流体室と、実施形態1から12のいずれかの1実施形態に記載の少なくとも1つの蛇腹プランジャとを備える、対象流体をポンピングするための往復運動流体ポンプ。
【0089】
実施形態14:ポンプ本体内に少なくとも1つの駆動流体室をさらに備え、少なくとも1つの蛇腹プランジャが、ポンプ本体内で、少なくとも1つの駆動流体室を少なくとも1つの対象流体室から分離する、実施形態13の往復運動流体ポンプ。
【0090】
実施形態15:少なくとも1つの蛇腹プランジャが、第1の蛇腹プランジャおよび第2の蛇腹プランジャを備え、第1の蛇腹プランジャが第1の対象流体室を第1の駆動流体室から分離し、第2の蛇腹プランジャが第2の対象流体室を第2の駆動流体室から分離し、軸が第1の蛇腹プランジャと第2の蛇腹プランジャとの間に延び、第1の蛇腹プランジャおよび第2の蛇腹プランジャのそれぞれが第1の閉端および反対側の第2の開端を有する管状体を備え、管状体が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を備える、実施形態14の往復運動流体ポンプ。
【0091】
実施形態16:中子鋳型の外面と鋳型の内面との間の空間を成形材料で満たすステップであって、中子鋳型の外面が少なくとも1つのらせん状に延びる突条を備え、鋳型の内面が、中子鋳型の外面のらせん状に延びる突条に相補的に整列されてらせん状に延びる凹部を備える、ステップと、空間内の成形材料を凝固させて、管状体の第1の端部と反対側の第2の端部との間に延びる側壁を有する管状体を有する蛇腹プランジャを形成するステップであって、側壁が、第1の端部近傍の位置から第2の端部近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する、ステップと、蛇腹プランジャを鋳型および中子鋳型から分離するステップとを含む、蛇腹プランジャを形成する方法。
【0092】
実施形態17:エラストマー材料および樹脂材料のうちの少なくとも一方を含むように成形材料を選択するステップをさらに含む、実施形態16の方法。
【0093】
実施形態18:中子鋳型の外面と鋳型の内面との間の空間を成形材料で満たすステップが、射出成形機を用いて成形材料を空間内に射出するステップを含む、実施形態16または実施形態17の方法。
【0094】
実施形態19:蛇腹プランジャを鋳型および中子鋳型から分離するステップが、蛇腹プランジャの長手方向軸周りに、中子鋳型と蛇腹プランジャとの間に相対的回転をもたらして、蛇腹プランジャを中子鋳型から回して外すステップを含む、実施形態16から18までのいずれかの1実施形態の方法。
【0095】
実施形態20:蛇腹プランジャの管状体の側壁に全体的に円錐状の形状を持たせるように鋳型および中子鋳型を形成するステップをさらに含む、実施形態16から19までのいずれかの1実施形態の方法。
【0096】
実施形態21:蛇腹プランジャの管状体の側壁に少なくとも実質的に均一な壁の厚さを持たせるように鋳型および中子鋳型を形成するステップをさらに含む、実施形態16から19までのいずれかの1実施形態の方法。
【0097】
このように、いくつかの実施形態が説明され、添付の図面に示されたが、そのような実施形態は単なる例であり、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明は、図示され説明された具体的な構造および配置に限定されるものではない。なぜなら、説明された実施形態に付加され、修正を加えられ、また説明された実施形態から削除される、種々の他の実施形態が、当業者には明らかとなるからである。例えば、一実施形態を参照して図示され、説明された要素および特徴は、本明細書で説明された実施形態のうちの他の実施形態に組み込まれてよい。それゆえ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の字義通りの言語、および法的に正当な等価物によってのみ限定される。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年1月9日に出願した「Helical Bellows,Pump Including Same and Method of Bellows Fabrication」に対する米国特許出願第12/351,516号の出願日の利益を主張するものであり、その特許出願の開示は、この参照によりその全体を本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、容積移送式装置(positive displacement device)に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、往復運動装置(reciprocating device)(例えば、ポンプ、弁など)に使用するための蛇腹プランジャ、そのような蛇腹プランジャを含む往復運動ポンプ、および蛇腹プランジャを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
往復運動流体ポンプは、多くの産業において使用される。一般に、往復運動流体ポンプは、ポンプ本体の中に2つの流体室を含む。往復運動ピストンまたは軸(shaft)が、ポンプ本体内で前後に駆動される。1つまたは複数の隔膜または蛇腹プランジャが、往復運動ピストンまたは軸に接続されてよい。往復運動ピストンは一方向に動くにつれて、隔膜または蛇腹プランジャの運動が、流体が2つの流体室のうちの第1の流体室に吸引され、第2の室から排出されることをもたらす。往復運動ピストンが反対方向に動くにつれて、隔膜または蛇腹プランジャの運動が、流体が第1の室から排出され、第2の室に吸引されることをもたらす。室入口および室出口が、第1の流体室と流体連結して設けられてよく、別の室入口および別の室出口が、第2の流体室と流体連結して設けられてよい。第1および第2の流体室への室入口が、共通の単一のポンプ入口と流体連結してよく、第1および第2の流体室からの室出口が、共通の単一のポンプ出口と流体連結してよく、それにより、流体が、単一の流体源からポンプ入口を通ってポンプ内に引き込まれてよく、流体が、単一のポンプ出口を通ってポンプから排出されてよい。流体が、室入口を通ってのみ流体室に流入することができ、かつ流体が、室出口を通ってのみ流体室から流出することができることを確実にするために、逆止弁が、流体室のそれぞれの室入口および室出口に設けられてよい。
【0004】
そのような往復運動流体ポンプの例が、例えば、1994年12月6日発行のDunnらの米国特許第5,370,507号、1996年9月24日発行のSimmonsらの米国特許第5,558,506号、1999年4月13日発行のSimmonsらの米国特許第5,893,707号、2000年8月22日発行のSteckらの米国特許第6,106,246号、2001年10月2日発行のSimmonsらの米国特許第6,295,918号、2004年2月3日発行のSimmonsらの米国特許第6,685,443号、2008年12月2日発行のSimmonsらの米国特許第7,458,309号に開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、本発明は、管状体を有する蛇腹プランジャを含む。管状体は、本体の第1の閉端近傍の位置から、本体の反対側の第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条(ridge)を画定する形状を有する側壁を含む。
【0006】
付加的実施形態では、本発明は、対象流体をポンピングするための往復運動流体ポンプを含む。ポンプは、ポンプ本体と、ポンプ本体内の少なくとも1つの対象流体室と、少なくとも部分的にはポンプ本体内に配置された少なくとも1つの蛇腹プランジャとを含む。蛇腹プランジャの表面は、対象流体室の表面を画定する。蛇腹プランジャは、本体の第1の閉端近傍の位置から、本体の反対側の第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を含む管状体を備える。
【0007】
さらに他の実施形態では、本発明は、中子鋳型の外面と鋳型の内面との間の空間が成形材料で満たされ、成形材料が空間内で凝固されて、管状体の第1の端部近傍の位置から管状体の第2の端部近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を含む管状体を有する蛇腹プランジャが形成される、蛇腹プランジャを形成する方法を含む。蛇腹プランジャの管状体を形成するために、中子鋳型の外面が、少なくとも1つのらせん状に延びる突条を備えてよく、鋳型の内面が、中子鋳型の外面のらせん状に延びる突条に相補的に整合された、らせん状に延びる凹部(recess)を備えてよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】らせん状に延びるフィーチャ(feature)を有する蛇腹プランジャを含む、本発明の往復運動流体ポンプの一実施形態の一例の断面図である。
【図2】流体ポンプの切替ピストン(shift piston)を示す図1の一部分の拡大図である。
【図3】流体ポンプのシャトル弁(shuttle valve)を示す図1の別の一部分の拡大図である。
【図4】図1に示す往復運動流体ポンプの蛇腹プランジャの等角図である。
【図5】図1および図4に示す蛇腹プランジャの側面図である。
【図6】図1、図4および図5に示す蛇腹プランジャの長手方向断面図である。
【図7】本発明の付加的実施形態による、蛇腹プランジャを形成するために使用されうる、組み立てられた鋳型組立体の断面図である。
【図8】蛇腹プランジャおよび中子鋳型が断面図で図示される、図7の鋳型組立体と、鋳型組立体の中で成形された蛇腹プランジャとの分解図である。
【図9】本発明の蛇腹プランジャの別の実施形態を示す、図6の長手方向断面図に類似する長手方向断面図である。
【図10】本発明の蛇腹プランジャのさらに別の実施形態を示す、図6および図9の長手方向断面図に類似する長手方向断面図である。
【図11】本発明の蛇腹プランジャの付加的実施形態の側壁の一部分を示す断面図である。
【図12】本発明の蛇腹プランジャの別の付加的実施形態の側壁の一部分を示す断面図である。
【図13】本発明の蛇腹プランジャのさらに別の付加的実施形態の側壁の一部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に提示される図は、いくつかの例において、任意の特定の往復運動流体ポンプ、蛇腹プランジャ、鋳型組立体、またはそれらの構成部品の実際の図面ではなく、本発明の実施形態を説明するために使用される理想的な表示にすぎない。加えて、図面の間で共通する要素は、同じ数字表示を保有する。
【0010】
図1は、本発明の流体ポンプ100の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、流
体ポンプは、例えば液体(例えば水、油、酸など)ガスを、または例えば圧縮ガス(例えば、空気)などの圧縮された駆動流体を使用して粉末状の物質などの対象流体を、ポンプでくみ出すように構成される。したがって、いくつかの実施形態では、流体ポンプ100は、空圧作動式流体ポンプを備えてよい。さらに、以下により詳細に説明するように、流体ポンプ100は、往復運動ポンプを備えてよい。
【0011】
流体ポンプ100はポンプ本体102を含み、ポンプ本体102は、ポンプ本体102を形成するために共に組み立てられうる2つ以上の構成部品を備えてよい。ポンプ本体102は、その中に第1の空洞110および第2の空洞112を含んでよい。駆動軸116が、ポンプ本体102内に設置されてよく、第1の空洞110と第2の空洞112との間に延びてよい。駆動軸116の第1の端部が、第1の空洞110内に設置されてよく、駆動軸116の反対側の第2の端部が、第2の空洞112内に設置されてよい。駆動軸116は、ポンプ本体102内で前後に滑動するように構成される。さらに、液密封止体が、駆動軸116の中央部とポンプ本体102との間に設けられてよく、それにより、第1の空洞110と第2の空洞112との間を、駆動軸116とポンプ本体102との間のいずれかの空間を通って流体が流れるのを防止する。
【0012】
第1の蛇腹プランジャ120が、第1の空洞110内に配置されてよく、第2の蛇腹プランジャ122が、第2の空洞112内に配置されてよい。蛇腹プランジャ120、122は、それぞれ、可撓性高分子材料(例えば、エラストマーまたは熱可塑性材料)で形成されてよく、かつ含んでよい。以下により詳細に説明するように、蛇腹プランジャ120、122のそれぞれは、流体ポンプ100が循環するにつれて、蛇腹プランジャ120、122の本体が長手方向に伸縮されるのを可能にする、1つまたは複数のらせん状に延びるフィーチャ(例えば、らせん形溝(flute))を備えてよい。第1の蛇腹プランジャ120は、第1の空洞110を、第1の蛇腹プランジャ120の駆動軸116と反対側の第1の対象流体室126と、第1の蛇腹プランジャ120の駆動軸116に近い側の第1の駆動流体室127とに分割することができる。同様に、第2の蛇腹プランジャ122は、第2の空洞112を、第2の蛇腹プランジャ122の駆動軸116と反対側の第2の対象流体室128と、第2の蛇腹プランジャ122の駆動軸116に近い側の第2の駆動流体室129とに分割することができる。
【0013】
第1の蛇腹プランジャ120の周縁(peripheral edge)がポンプ本体102に取り付けられてよく、液密封止体が、ポンプ本体102と第1の蛇腹プランジャ120との間に設けられてよい。駆動軸116の第1の端部が、任意選択で、第1の蛇腹プランジャ120に結合されてよい。いくつかの実施形態では、駆動軸116の第1の端部が、第1の蛇腹プランジャ120の中の開口を通って延びてよく、第1の蛇腹プランジャ120を駆動軸116の第1の端部に取り付けるため、かつ液密封止体を駆動軸116と第1の蛇腹プランジャ120との間に設けるために、封止用付属部材(例えば、ナット、座金、封止体など)が、第1の蛇腹プランジャ120の両側で駆動軸116上に設けられてよく、それにより、流体は、駆動軸116と第1の蛇腹プランジャ120との間のいずれかの空間を通って第1の対象流体室126と第1の駆動流体室127との間を流れることはできない。
【0014】
同様に、第2の蛇腹プランジャ122の周縁が、ポンプ本体102に取り付けられてよく、液密封止体がポンプ本体102と第2の蛇腹プランジャ122との間に設けられてよい。駆動軸116の第2の端部が、第2の蛇腹プランジャ122に結合されてよい。いくつかの実施形態では、駆動軸116の第2の端部が、第2の蛇腹プランジャ122の中の開口を通って延びてよく、第2の蛇腹プランジャ122を駆動軸116の第2の端部に取り付けるため、かつ液密封止体を駆動軸116と第2の蛇腹プランジャ122との間に設けるために、封止用付属部材(例えば、ナット、座金、封止体など)が、第2の蛇腹プラ
ンジャ122の両側で駆動軸116上に設けられてよく、それにより、流体は、駆動軸116と第2の蛇腹プランジャ122との間のいずれかの空間を通って第2の対象流体室128と第2の駆動流体室129との間を流れることはできない。
【0015】
この構成では、駆動軸116は、ポンプ本体102内で前後に滑動することができる。駆動軸116が(図1の視点で)右に移動するにつれて、第1の蛇腹プランジャ120が、第1の対象流体室126の容積が増加し、第1の駆動流体室127の容積が減少するように移動させられ、第2の蛇腹プランジャ122が、第2の対象流体室128の容積が減少し、第2の駆動流体室129の容積が増加するように移動させられる。それに反して、駆動軸116が(図1の視点で)左に移動するにつれて、第1の蛇腹プランジャ120が、第1の対象流体室126の容積が減少し、第1の駆動流体室127の容積が増加するように移動させられ、第2の蛇腹プランジャ122が、第2の対象流体室128の容積が増加し、第2の駆動流体室129の容積が減少するように移動させられる。
【0016】
ポンプ本体102を通って第1の対象流体室126に通じる、第1の対象流体入口130が、ポンプ本体102内に設けられてよく、ポンプ本体102を通って第1の対象流体室126から外に通じる、第1の対象流体出口134が、ポンプ本体102内に設けられてよい。同様に、ポンプ本体102を通って第2の対象流体室128に通じる、第2の対象流体入口132が、ポンプ本体102内に設けられてよく、ポンプ本体102を通って第2の対象流体室128から外に通じる、第2の対象流体出口136が、ポンプ本体102内に設けられてよい。さらに、流体が、第1の対象流体入口130を通って第1の対象流体室126に流入することはできるが、第1の対象流体入口130を通って第1の対象流体室126から流出することはできないことを確実にするために、第1の対象流体入口逆止弁131が、第1の対象流体入口130近傍に設けられてよい。流体が、第1の対象流体出口134を通って第1の対象流体室126から流出することはできるが、第1の対象流体出口134を通って第1の対象流体室126に流入することはできないことを確実にするために、第1の対象流体出口逆止弁135が、第1の対象流体出口134近傍に設けられてよい。同様に、流体が、第2の対象流体入口132を通って第2の対象流体室128に流入することはできるが、第2の対象流体入口132を通って第2の対象流体室128から流出することはできないことを確実にするために、第2の対象流体入口逆止弁133が、第2の対象流体入口132近傍に設けられてよい。流体が、第2の対象流体出口136を通って第2の対象流体室128から流出することはできるが、第2の対象流体出口136を通って第2の対象流体室128に流入することはできないことを確実にするために、第2の対象流体出口逆止弁137が、第2の対象流体出口136近傍に設けられてよい。
【0017】
図示はしないが、第1の対象流体室126に通じる対象流体入口130および第2の対象流体室128に通じる対象流体入口132が、共通の流体入口管路または導管と流体連結してよく、第1の対象流体室126から外に通じる対象流体出口134および第2の対象流体室128から外に通じる対象流体出口136が、共通の流体出口管路または導管と流体連結してよく、それにより、流体が、単一の流体源から流体入口管路を通ってポンプ内に引き込まれてよく、また流体が、単一の流体出口管路を通ってポンプから排出されてよい。
【0018】
第1の駆動流体室127が、第1の蛇腹プランジャ120を(図1の視点で)左に押す、圧縮された駆動流体で圧縮されてよい。第1の蛇腹プランジャ120が左に移動するにつれて、駆動軸116および第2の蛇腹プランジャ122が、やはり、左に引っ張られおよび/または押される。駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が(図1の視点で)左に移動するにつれて、第1の対象流体室126内の対象流体が、第1の対象流体出口134を通って第1の対象流体室126から排出され、
対象流体が、第2の対象流体入口132を通って第2の対象流体室128内に引き込まれる。
【0019】
第2の駆動流体室129が、第2の蛇腹プランジャ122を(図1の視点で)右に押す、圧縮された駆動流体で圧縮されてよい。第2の蛇腹プランジャ122が右に移動するにつれて、駆動軸116および第1の蛇腹プランジャ120が、やはり、右に押されおよび/または引っ張られる。駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が(図1の視点で)右に移動するにつれて、第2の対象流体室128内の対象流体が、第2の対象流体出口136を通って第2の対象流体室128から排出され、対象流体が、第1の対象流体入口130を通って第1の対象流体室126に引き込まれる。
【0020】
したがって、流体ポンプ100のポンピング動作を駆動するために、第1の駆動流体室127および第2の駆動流体室129が、交番方式で圧縮されてよく、上で説明したように、駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が、ポンプ本体102内で前後に往復運動させられる。
【0021】
流体ポンプ100は、駆動軸116の往復運動行程(stroke)の端部において、圧縮された駆動流体の流れを、第1の駆動流体室127と第2の駆動流体室129との間で前後を切り替えるための切替機構(shifting mechanism)を含んでよい。切替機構は、例えば、以下の詳細な説明で論ずるように、1つまたは複数の切替ピストン140、142および切替弁170を備えてよい。
【0022】
図1に示すように、第1の切替ピストン140は、第1の蛇腹プランジャ120に近く、隣接するポンプ本体102内に配置されてよく、第2の切替ピストン142は、第2の蛇腹プランジャ122に近く、隣接するポンプ本体102内に配置されてよい。切替ピストン140、142のそれぞれは、全体的に駆動軸116に平行に向けられた、細長い、全体的に円筒形の本体を備えてよい。切替ピストン140、142は、駆動軸116のそばのポンプ本体102内に配置されてよい。切替ピストン140、142は、第1の駆動流体室127と第2の駆動流体室129との間に配置され、ポンプ本体102を通って延びる、個別の全体的に円筒形の内腔(bore)内に配置されてよい。
【0023】
図2は、第1の切替ピストン140を含む図1の一部分の拡大図である。図2に示すように、2つの凹部143A、143Bが、第1の切替ピストン140が配置されるポンプ本体102を通って延びる内腔内の、ポンプ本体102の壁の中に設けられてよい。2つの凹部143A、143Bのそれぞれが、第1の切替ピストン140が配置されるポンプ本体102内の内腔の周りに延びる実質的に連続的な環状凹部を備えてよい。したがって、2つの凹部143A、143Bのそれぞれが、図2の断面図において、第1の切替ピストン140の(図2の視点で)上および下に見られうる。流体導管が、それぞれ、ポンプ本体102を通って2つの凹部143A、143Bのそれぞれに通じてよい。
【0024】
第1の切替シャトル導管146Aが、第1の凹部143Aとシャトル弁170との間を延びてよい。第1の切替ピストン通気導管148Aが、第2の凹部143Bからポンプ本体102の外部まで延びてよい。第2の切替ピストン142の拡大図は提示されていないが、第2の切替シャトル導管146Bが、第1の切替シャトル導管146Aの拡大図と同様に、第2の切替ピストン142とシャトル弁170との間を延びてよく、第2の切替ピストン通気導管148Bが、図1に示すように、第1の切替ピストン通気導管148Aの拡大図と同様に、第2の切替ピストン142からポンプ本体102の外部まで延びてよい。
【0025】
引き続き図2を参照すると、円筒形挿入体150が、切替ピストン140と、切替ピストン140が配置される内腔内の、ポンプ本体102の壁の中の2つの凹部143A、143Bとの間に配置されてよい。1つまたは複数の穴152が、2つの凹部143A、143Bのうちの一方と整列された、切替ピストン140の長手方向軸を横切るそれぞれの平面内に、円筒形挿入体150を貫通して設けられてよい。したがって、流体連結が、円筒形挿入体150内の穴152を通して、円筒形挿入体150の内部と凹部143A、143Bのそれぞれとの間に設けられる。さらに、円筒形挿入体150とポンプ本体102との間のいずれかの空間を通して凹部143Aと143Bとの間で流体連結することを排除するために、複数の環状封止部材(例えば、Oリング)(図示せず)が、円筒形挿入体150の外側の円筒形表面と切替ピストン140が配置される内腔内の、ポンプ本体102の隣接壁との間に、任意選択で設けられてよい。
【0026】
切替ピストン140は、切替ピストン140の外面に環状凹部156を備える。環状凹部156は、切替ピストン上に配置され、環状凹部156を、切替ピストン140の往復運動行程を通して第2の凹部143Bと長手方向にオーバラップさせるのに十分なだけ長い長さ(すなわち、切替ピストン140の長手方向軸に全体的に平行な寸法)を有する。この構成では、第2の凹部143Bおよび第2の凹部143Bと整列された、円筒形挿入体150内の対応する穴152を通して、環状凹部156内で切替ピストン140を取り囲む空間とポンプ本体102の外部との間に流体連結がもたらされ、その流体連結が、ポンプ本体102内の切替ピストン140の運動を容易にすることができる。
【0027】
図2に示すように、細長い延長部分160が、少なくとも部分的には第1の駆動流体室127の中に延びる切替ピストン140の第1の端部に設けられてよい。図1に示すように、切替ピストン140の反対側の第2の端部の端面164に隣接するポンプ本体102内の空間162が、第1の駆動室127、および第1の駆動室127とシャトル弁170との間に延びる第1の駆動室導管180Aと流体連結することができる。図1に示すように、第2の駆動室導管180Bが同様に、第2の切替ピストン142の端面に隣接するポンプ本体内の空間とシャトル弁170との間に延びることができる。
【0028】
再び図2を参照すると、切替ピストン140の細長い延長部分160は、第1の蛇腹プランジャ120が、切替ピストン140の細長い延長部分160の端部に接するように配置され構成されてよい。第1の蛇腹プランジャ120が、第1の駆動流体室127に圧力をかけることによって(図1および図2の視点で)左に動いているときに、第1の駆動流体室127と切替ピストン140の第2の端部の端面164に隣接する空間162との間にもたらされる流体連結が、切替ピストン140の細長い延長部分160の端部を第1の蛇腹プランジャ120に押しつけ、切替ピストン140を同様に左に移動させることができる。第1の蛇腹プランジャ120が、第2の駆動流体室129に圧力をかけることによって(図1および図2の視点で)右に動いているときに、第1の蛇腹プランジャ120が、同様に、切替ピストン140の細長い延長部分160の端部に押しつけられ、切替ピストン140が同様に右に移動させられる。
【0029】
切替ピストン140が(図1および図2の視点で)左に動いているときに、切替ピストン140の第2の端部の端面164が、最終的に、ポンプ本体102内の第1の凹部143A、および第1の凹部143Aと整列された、円筒形挿入体150内の穴152に到達し、そこを通り過ぎる。以下により詳細に論じるように、この時点で、切替ピストン140の端面164に隣接する空間162を通して、第1の駆動室導管180Aと第1の切替シャトル導管146Aとの間に流体連結がもたらされ、この流体連結が、圧縮された空気(または他の駆動流体)を第1の切替シャトル導管146Aを通してシャトル弁170に送り、駆動軸116の往復運動行程の終端を知らせ、駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122を(図1および図2の視点で)右に動きださ
せる。
【0030】
図3は、シャトル弁170を含む図1の一部分の拡大図である。図3に示すように、シャトル弁170は、シャトル弁本体172、および少なくとも部分的にはシャトル弁本体172を通って延びる内腔内に配置されたシャトルスプール174を含む。5つの凹部176A〜176Eが、シャトルスプール174が配置された内腔内のシャトル弁本体172の壁の中に設けられてよい。5つの凹部172A〜172Eのそれぞれが、シャトルスプール174が配置されたシャトル弁本体172内の内腔周りに延びる実質的に連続的な環状凹部を備えてよい。したがって、5つの凹部176A〜176Eのそれぞれが、図3の断面図において、(図3の視点で)シャトルスプール174の左側および右側に見られうる。流体導管が、それぞれ、シャトル弁本体172を通って5つの凹部176A〜176Eのそれぞれに通じてよい。
【0031】
駆動流体導管178が、図3に示すように、中央の第3の凹部176Cに通じてよい。したがって、圧縮された駆動流体が、圧縮された駆動流体源(例えば、圧縮空気などの圧縮ガス源)から第3の凹部176Cに供給されてよい。
【0032】
図1および図3を共に見ることによって分かるように、第1の駆動室導管180Aが、第2の凹部176Bと第1の駆動流体室127との間に延びてよく、第2の駆動室導管180Bが、第4の凹部176Dと第2の駆動流体室129との間に延びてよい。
【0033】
第1のシャトル弁通気導管182Aが、第1の凹部176Aからシャトル弁本体172の外部まで延びてよく、第2のシャトル弁通気導管182Bが、第5の凹部176Eからシャトル弁本体172の外部まで延びてよい。これらのシャトル弁通気導管182A、182Bが、ねじ込み式受け口(threaded receptacle)として図3に示される。消音器(muffler)または他の流体導管が、任意選択で、そのようなねじ込み式受け口によって、シャトル弁通気導管182A、182Bと結合されてよい。
【0034】
第1の切替シャトル導管146A(図1および図2を参照して説明済み)が、第1の切替ピストン140(図2)に隣接する第1の凹部143Aとシャトルスプール174が配置されたシャトル弁本体172内の内腔の第1の長手方向の端部との間に延びてよく、第2の切替シャトル導管146Bが、第2の切替ピストン142(図1)に隣接する同様の凹部とシャトルスプール174が配置されたシャトル弁本体172内の内腔の、反対側の第2の長手方向の端部との間に延びてよい。
【0035】
図3に示すように、円筒形挿入体190が、シャトルスプール174と、シャトルスプール174が配置された内腔内のシャトル弁本体172の壁の中の5つの凹部176A〜176Eとの間に配置されてよい。円筒形挿入体190は、5つの凹部176A〜176Eのうちの一つと整列された、切替スプール174の長手方向軸を横切る各平面内に円筒形挿入体190を貫通して延びる1つまたは複数の穴192を備えてよい。したがって、円筒形挿入体190内の穴192を通して、円筒形挿入体190の内部と凹部176A〜176Eのそれぞれとの間に、流体連結がもたらされる。さらに、円筒形挿入体190とシャトル弁本体172との間のいずれかの空間を通して凹部176A〜176Eのうちのいずれかの間で流体連結することを排除するために、複数の環状封止部材(例えば、Oリング)(図示せず)が、円筒形挿入体190の外側の円筒形表面と切替ピストン190が配置される内腔内の、シャトル弁本体172の隣接壁との間に、任意選択で設けられてよい。
【0036】
シャトルスプール174は、シャトルスプール174の外面内の第1の環状凹部196A、およびシャトルスプール174の外面内の第2の環状凹部196Bを備える。第1の
環状凹部196Aおよび第2の環状凹部196Bは、シャトルスプール174の外面上の中央環状突条(central annular ridge)197で分離される。さらに、環状の第1の端部突条198Aが、第1の環状凹部196Aの長手方向の中央環状突条197と反対側のシャトルスプール174の外面上に設けられ、環状の第2の端部突条198Bが、第2の環状凹部196Bの長手方向の中央環状突条197と反対側のシャトルスプール174の外面上に設けられる。
【0037】
第1の環状凹部196Aおよび第2の環状凹部196Bのそれぞれは、5つの凹部176A〜176Eのうちの2つの隣接する凹部を、少なくとも部分的には長手方向にオーバラップさせるのに十分なだけ長い長さ(すなわち、シャトルスプール174の長手方向軸に全体的に平行な寸法)を有する。例えば、シャトルスプール174が図3に示す位置にあるとき、第1の環状凹部196Aが、第2の凹部176Bおよび第3の凹部176Cのそれぞれに延びて、少なくとも部分的にはそれぞれとオーバラップし、第2の環状凹部196Bが、第4の凹部176Dおよび第5の凹部176Eのそれぞれに延びて、少なくとも部分的にはそれぞれとオーバラップする。この構成では、第3の凹部176C、第3の凹部176Cと整列された円筒形挿入体190内の穴192、シャトルスプール174内の第1の環状凹部196A、第2の凹部176Bと整列された円筒形挿入体190内の穴192、および第2の凹部176Bを通して、駆動流体導管178と第1の駆動室導管180Aとの間に流体連結がもたらされる。また、この構成では、第4の凹部176D、第4の凹部176Dと整列された円筒形挿入体190内の穴192、シャトルスプール174内の第2の環状凹部196B、第5の凹部176Eと整列された円筒形挿入体190内の穴192、および第5の凹部176Eを通して、第2の駆動室導管180Bと第2のシャトル弁通気導管182Bとの間に流体連結がもたらされる。
【0038】
図1〜図3を共に見ることによって分かるように、駆動流体導管178から第2の駆動室導管180Bまでシャトル弁170を通し、第2の駆動流体室129を通し、第2の切替シャトル導管146Bを通してシャトルスプール174の第2の端部に圧縮された駆動流体を印加することによって、シャトルスプール174が、図3に示す位置まで移動されうる。したがって、いくつかの実施形態では、周囲の圧力(大気圧)がシャトルスプール174の一方の長手方向端面にもたらされながら、正の圧力をシャトルスプール174の反対側の長手方向端面に印加することによって、シャトルスプール174が、シャトル弁本体172内で前後に移動させられる。シャトルスプール174が図3に示す位置まで移動すると、シャトルスプール174の第1の端部付近、および第1の切替シャトル導管146A内の任意の流体(例えば、空気などのガス)が、第2のシャトル弁通気導管182Bを通って周囲に放出されうる。シャトルスプール174の第2の端部(および第2の切替シャトル導管146B内)に正の圧力を保持することによって、および/または1つまたは複数の戻り止め機構を使用することによって、シャトルスプール174は、図3に示す位置に保持されうる。
【0039】
流体ポンプ100の動作を完全に理解するのを容易にするために、流体ポンプの(駆動軸116の左方への往復運動行程および右方への往復運動行程を含めた)完全なポンピングサイクルが、以下に説明される。
【0040】
流体ポンプ100のサイクルは、シャトル弁170のシャトルスプール174が図1および図3に示す位置にある間に始まる。上で説明したように、シャトルスプール174が、図1および図3に示す位置に移動すると、圧縮された駆動流体が、駆動流体導管178(図1および図3)からシャトルスプール174内の第1の環状凹部196A内でシャトルスプール174の周囲を通って第1の駆動室導管180Aに流入する。圧縮された駆動流体が、第1の駆動室導管180Aを通って第1の駆動流体室127(図1)に流れ、圧縮された駆動流体が、第1の蛇腹プランジャ120を(図1の視点で)左に推進する。第
1の蛇腹プランジャ120が左に移動するにつれて、駆動軸116および第2の蛇腹プランジャ122がやはり、左に引っ張られおよび/または押される。駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が(図1の視点で)左に移動するにつれて、第1の対象流体室126内の対象流体が、第1の対象流体室126から外に通じる第1の対象流体出口134を通って第1の対象流体室126から押し出され、対象流体が、第2の対象流体室128に通じる第2の対象流体入口132を通って、第2の対象流体室128内に引き込まれる。
【0041】
この左方への往復運動行程が継続するにつれて、第1の切替ピストン140は、空間162(図2)内の圧縮された駆動流体によって左に推進され、第2の切替ピストン142は、第2の蛇腹プランジャ122によって左に推進される。この左方への往復運動行程は、第1の切替ピストン140が、空間162(図2)内の圧縮された駆動流体が第1の切替シャトル導管146Aに流入することができるのに十分なだけ左に移動するまで継続する。圧縮された駆動流体が第1の切替シャトル導管146Aに入るとき、圧縮された駆動流体のパルスが、第1の切替シャトル導管146Aを通ってシャトル弁170内のシャトルスプール174の第1の端部に流れ、そのことが、シャトルスプール174をシャトル弁本体172内で(すなわち、図1および図3の視点でシャトル弁170の上端に向かって)滑動させる。
【0042】
シャトルスプール174は、図面の中で、シャトル弁本体172内の内腔の反対端に設置されるように示されてはいないが、シャトルスプール174が、シャトル弁本体172内の内腔の反対端に移動すると、駆動流体導管178を通ってシャトル弁170に入る圧縮された駆動流体が、第1の駆動室導管180Aから第2の駆動室導管180Bに方向転換されるであろうことは理解されよう。言い換えれば、シャトルスプール174がシャトル弁本体172の反対端に移動すると、圧縮された駆動流体が、駆動流体導管178からシャトルスプール174内の第2の環状凹部196Bを通り、第2の駆動室導管180Bを通って第2の駆動流体室129(図1)まで流れ、そのことが、第2の蛇腹プランジャ122を(図1の視点で)右に推進する。第2の蛇腹プランジャ122が右に移動するにつれて、駆動軸116および第1の蛇腹プランジャ120がやはり、右に押されおよび/または引っ張られる。駆動軸116、第1の蛇腹プランジャ120および第2の蛇腹プランジャ122が(図1の視点で)右に移動するにつれて、第2の対象流体室128内の対象流体が、第2の対象流体室128から、第2の対象流体室128から外に通じる第2の対象流体出口136を通って押し出され、対象流体が、第1の対象流体室126に通じる個別の対象流体入口130を通って第1の対象流体室126内に引き込まれる。
【0043】
この右方への往復運動行程は、第2の切替ピストン140が、第2の駆動流体室129内の圧縮された駆動流体が第2の切替シャトル導管146Bに流入することができるのに十分なだけ(図1の視点で)右に移動するまで継続し、そのことが、シャトルスプール174を図1および図3に示す位置に戻させ、それにより、流体ポンプ100の完全な1サイクルが完了し、その時点で新しいサイクルが始まる。この往復運動動作は継続可能であり、その結果、流体ポンプ100を通る、少なくとも実質的に連続的な対象流体の流れがもたらされる。
【0044】
上で説明したように、本発明のいくつかの実施形態によれば、蛇腹プランジャ120、122のそれぞれが、流体ポンプ100が循環するにつれて、蛇腹プランジャ120、122の本体が長手方向に伸縮されるのを可能にする、1つまたは複数のらせん状に延びるフィーチャ(例えば、らせん形溝(flute))を備えてよい。
【0045】
図4〜図6は、図1の蛇腹プランジャ120(および蛇腹プランジャ122)を示す。蛇腹プランジャ120は、第1の閉端202および反対側の第2の開端204を有する本
体200を備えてよい。
【0046】
蛇腹プランジャ120の本体200は、全体的に管状であってよい。図6を参照すると、本体200は、内面207Aおよび外面207Bを有する全体的に管状の側壁206を含んでよい。全体的に管状の側壁206は、長手方向に起伏して、蛇腹プランジャ120の本体200の外側に、複数の山208および谷210を画定する。山208および谷210は、1つまたは複数のらせん状に延びる突条220および1つまたは複数のらせん状に延びる凹部222で画定されてよく、かつそれら突条および凹部を備えてよく、それら突条および凹部は、蛇腹プランジャ120の本体200の第1の閉端202と第2の開端204との間で長手方向に、蛇腹プランジャ120周りにらせん状に延びる。本体200の平均的な壁の厚さは、山208と谷210との間の距離に比べて相対的に小さくてよいことに留意されたい。この構成では、本体200の外面207B上の山208が、本体200の内面207A上の対応する谷212を画定してよく、本体200の外面207B上の谷210が、本体200の内面207A上の対応する山214を画定してよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、山208が、単一のらせん状に延びる突条220で画定されてよく、かつその突条を備えてよく、谷210が、単一のらせん状に延びる凹部222で画定されてよく、かつその凹部を備えてよい。そのような実施形態では、1つの山208(および突条220)は、全360度の完全な1回転を通して本体200の周囲を1回たどられるので、山208は、本体200の輪郭に沿って次の直近の山208につながる。
【0048】
しかし、他の実施形態では、山208は、2つ(または3つ以上)のらせん状に延びる突条220で画定されてよく、かつそれらの突条を備えてよく、谷210は、2つ(または3つ以上)のらせん状に延びる凹部222で画定されてよく、かつそれらの凹部を備えてよい。そのような多重の突条220および多重の谷210は、互いに横に並んでらせん状に延びてよい。そのような実施形態では、1つの山208(および突条220)は、全360度の完全な1回転を通して本体200の周囲を1回たどられるので、山208は、次の直近の山208(それは異なる突条220の一部分である)にはつながらず、その山208から2つ目(または3つ目など)の山208につながる。
【0049】
いくつかの実施形態では、本体200は、本体200の長さに沿って、少なくとも実質的に一定の横断面平均直径を有する、全体的に円筒形の形状を有してよい。本体200の断面形状は、ポンプ本体102の中の第1の空洞110または第2の空洞112内にはめ込むことができる任意の形状であってよく、全体的に円筒形、全体的に円錐形、断面形状において全体的に矩形、などであってよい。
【0050】
したがって、蛇腹プランジャ120の本体200の壁206は、1つまたは複数の実質的に連続的ならせん状突条220およびらせん状凹部222を含んでよい。蛇腹プランジャ120のリブまたはらせん状溝を画定する、本体200の1つまたは複数の実質的に連続的ならせん状突条220およびらせん状凹部は、閉端202に近い位置から開端204に近い位置まで延びてよい。らせん状の突条220および凹部222は、蛇腹プランジャ120の本体200が長手方向に圧縮し伸張することを可能にする。したがって、たとえ、1つまたは複数のらせん状突条220の構造が、以前から知られている蛇腹プランジャのリブのような複数の離散的な、横方向に延び、長手方向に分離されるリブとは異なる、1つまたは複数の長い連続的なリブを設けるとしても、1つまたは複数のらせん状に延びる突条220は、本体200を長手方向に伸張収縮することを可能にすることによって、蛇腹プランジャ120の「リブ」として適切に特徴づけられてよい。したがって、本体200の伸張収縮は、動作において、コイルばねの伸張収縮に例えられうる。
【0051】
閉端202は、本体200に結合されるかまたは一体的に形成される端板230を備え
てよい。言い換えれば、いくつかの実施形態では、端板230は、本体200と一体的に形成されてよく、他の実施形態では、閉端202は、本体200と分離して形成され、本体200の端部に取り付けられてよい。例えば、端板230は、接着剤、締結具(例えば、ボルトおよびねじ)、熱封止(例えば、融着)を使用して、またはいくつかの他の知られている手段、ならびにそれらの組合せを用いて、本体200に取り付けられてよい。少なくともいくつかの実施形態では、閉端202は、環状フランジ232を備えてよく、環状フランジ232に向かって1つまたは複数のらせん状突条220が延びる。いくつかの実施形態では、端板230はまた、その中に凹部234を含んでよい。閉端202の外部は、相補的に形成されたポンプ本体102の内面と係合するように構成された、形成された表面236を備えてよい。限定でなく例として、形成された表面236は、少なくとも実質的には、平坦、円錐台、凸状または凹状であってよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、形成された表面236は、表面236から延びる中央突起238を含んでよい。他の実施形態では、形成された表面236は、ボルトまたはねじなど、閉端202の駆動軸116(図1)への取り付けを可能にする開口を備えてよい。そのような開口は、閉端202を完全に貫通して延びてよく、または閉端202の一部の中に部分的に延びてよい。したがって、そのような開口は、いくつかの実施形態では通り穴を備えてよく、他の実施形態では止まり穴を備えてよい。さらに、いくつかの実施形態では、開口は、駆動軸116の取り付け具、または閉端202を駆動軸116に固定するための取り付け構造を受け入れるために、ねじを切られてよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、端板230は、その中に設置された構造用挿入体240を含んでよい。構造用挿入体は、蛇腹プランジャ120の本体200の材料に比べて比較的剛性の材料(すなわち、本体200の材料よりも剛性の材料)を含んでよい。限定ではなく例として、端板230は、板状の構造、または少なくとも部分的には端板230内に形成されたいくつかの他の形態(configuration)(例えば、リブ、網目など)の補強構造として構成された構造用挿入体240を備えてよい。構造用挿入体240は、鋼(耐食鋼を限定ではなく含む)、樹脂、またはセラミック材料など、金属または金属合金を含んでよい。そのような材料は単なる例であり、種々の他の材料、または材料の組合せが、構造用挿入体240に使用されてよいことは、当業者には理解されよう。構造用挿入体240は、取り付け構造の取付具(例えば、ボルトまたはねじ)を受け入れるための締結手段(例えば、ねじ山)など、1つまたは複数の特徴をさらに含んでよい。また、網目など、1つまたは複数の構造用挿入体が、蛇腹プランジャ120の本体200の壁の中に設けられてよい。
【0054】
蛇腹プランジャ120の本体200の開端204は、蛇腹プランジャ120の内部248への中央開口246を画定する環状フランジ244を備えてよい。環状フランジ244は、蛇腹プランジャ120をポンプ本体102に固定することに適応するように構成されてよい。限定ではなく例として、環状フランジ244は、長手方向に取られた矩形断面形状を有してよく、ポンプ本体102またはなんらかの他の構造もしくは装置に締め付けられる(be clamped)かまたは別のやり方で固定されるように構成されてよい。さらに、いくつかの実施形態では、環状フランジ244は、フランジ244全体に設けられた液密封止体を改良するために、フランジ244の平坦な長手方向の端部の面(end
face)250上に同心のリブ245を備えてよい。
【0055】
再び図1を参照すると、いくつかの実施形態では、蛇腹プランジャ120、122のそれぞれの閉端202(図4〜図6)が、蛇腹プランジャ120、122の閉端202が互いに面を遠ざけるようにして、ポンプ本体102内の個別の第1および第2の空洞110、112内に設置されてよい。そのような構成は、往復運動流体ポンプ100の外側の部分に向かって設置された第1の対象流体室126および第2の対象流体室128を備える
ように構成された往復運動流体ポンプ100の中で使用されてよい。しかし、そのような構成が、本発明の往復運動流体ポンプの実施形態を限定することは意図されていない。例えば、他の実施形態では、第1の対象流体室126および第2の対象流体室128は、米国特許出願第11/437,447号(2007年11月22日に米国特許出願公開第2007/0266846号として公開されたもの)に開示されたポンプにおけるように、往復運動流体ポンプ100の内側の部分に向かって設置されてよい。加えて、往復運動流体ポンプ100は、第1の駆動流体室127および第2の駆動流体室129が蛇腹プランジャ120、122の内側に配置され、第1の対象流体室126および第2の対象流体室128が蛇腹プランジャ120、122の外側に配置されるように構成された図1において示されるが、駆動流体室127、129および対象流体室126、128は、本発明の付加的実施形態では入れ替えられてよい。言い換えれば、第1の駆動流体室127および第2の駆動流体室129が、蛇腹プランジャ120、122の外側に配置されてよく、第1の対象流体室126および第2の対象流体室128が、蛇腹プランジャ120、122の内側に配置されてよい。
【0056】
さらに、蛇腹プランジャ120、122のそれぞれの閉端202の位置は、蛇腹プランジャ120、122の閉端202に結合されうる駆動軸116(図1)によって、互いに相対的に固定されてよい。軸116は、蛇腹プランジャ120、122の下部近くに設置されるように図1に描かれるが、そのような構成が限定であることは意図されていない。いくつかの実施形態では、駆動軸116は、蛇腹プランジャ120、122の端板230に対して少なくとも実質的には中心に設置されてよく、そのように設置されなければ蛇腹プランジャ120、122に印加されうる曲げ力および/またはねじり力が、低減される。蛇腹プランジャ120、122の閉端202は、対象流体室126と駆動流体室127との間、および対象流体室128と駆動流体室129との間を流体が通過することを防止する。
【0057】
第1および第2の駆動室導管は、駆動流体の駆動流体室127、129への投入および駆動流体の駆動流体室127、129からの排出の両方に使用されるが、付加的実施形態では、駆動流体を駆動流体室127、129に投入するため、および駆動流体を駆動流体室127、129から排出するために、個別の導管が使用されてよい。
【0058】
本発明の付加的実施形態は、図に示す蛇腹プランジャ120、122など、蛇腹プランジャを作製する方法を含む。蛇腹プランジャ120、122の本体200の1つまたは複数の突条220および凹部のらせん状の構成は、本発明の実施形態による蛇腹プランジャが製造される容易さを改良することができる。図7および図8は、本発明のいくつかの実施形態による蛇腹プランジャを形成するために使用されうる鋳型組立体260を示す。鋳型262は、中子鋳型264(例えば、挿入体)の少なくとも一部の周りに設けられ、設置されてよい。鋳型262と中子鋳型264との間の型穴を画定する空間268の容積が、その後、蛇腹プランジャを形成するために、成形材料で満たされてよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、鋳型262は、鋳型262を形成するために共に組み立てられうる2つ以上の構成部品を含んでよい。型穴をその中に画定する鋳型262の内面270は、型穴の中で成形される蛇腹プランジャの外面207B(例えば、図4〜図6に示す蛇腹プランジャ120の外面207Bと同様)と、少なくとも実質的に合致する寸法、形状、および構成(configuration)を有することができる。鋳型262の内面270は、全体的に円筒形の蛇腹プランジャ120を形成することが望まれるときは、全体的に円筒形の(しかし、蛇腹プランジャ120の1つまたは複数の突条220および凹部222を形成するために使用される、起伏しながららせん状に延びる突条および凹部に対する)形状であってよい。
【0060】
中子鋳型264は、蛇腹プランジャ120の内面207Aを形成するために寸法決めされ、形作られ、構成されてよい。蛇腹プランジャ120の内面207Aは、上で説明したように、蛇腹プランジャ120の外面207Bのコンター(contour)と相補的なコンターを有してよく、1つまたは複数のらせん状に延びる突条および凹部を含んでよい。したがって、中子鋳型264の外面274もまた、1つまたは複数のらせん状に延びる突条および凹部を含んでよい。
【0061】
中子鋳型264が鋳型262と共に組み立てられるとき、鋳型262の内面270上のらせん状に延びるフィーチャが、中子鋳型264の外面274上の相補的ならせん状に延びるフィーチャに全体的に平行に延びてよく、2つのフィーチャの間に連続的に延びる空洞が形成され、その中に成形材料が注入されてよい。いくつかの実施形態では、中子鋳型264の外面274と鋳型262の内面270との間の距離は、蛇腹プランジャ120の本体200の管状壁206を形成するために使用される領域において実質的に均一であってよく、それにより、管状壁206は、1つまたは複数のらせん状に延びる突条220および凹部222に沿って実質的に均一な厚さを有する。
【0062】
中子鋳型264は、中子鋳型264の外面274のらせん状に延びるフィーチャが、鋳型262の内面270の相補的ならせん状に延びるフィーチャに整列されながら、鋳型262の中に設置されてよい。次いで、蛇腹プランジャ120は、中子鋳型264と鋳型262との間の型穴を画定する空間268の容積を、適切な成形材料で満たすことによって形成されうる。限定ではなく例として、成形材料は、中子鋳型264と鋳型262との間の型穴を画定する空間268に、従来の射出成形技術を使用して圧力で押し込まれてよい。適切な成形材料は、成形用のエラストマーおよび樹脂など、高分子材料を含むが、限定はされない。いくつかの実施形態では、成形材料は、フッ素重合体を含んでよい。限定ではなく例として、成形材料は、ネオプレン、ブナN(buna−N)、エチレンジエンMクラス(EPDM)、VITON(登録商標)、ポリウレタン、HYTREL(登録商標)、SANTOPRENE(登録商標)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン樹脂(PFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ナイロン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、NORDEL(商標)、およびニトリルのうちの1つまたは複数を含んでよい。
【0063】
空間268を満たす成形材料は、鋳型組立体260の中の場所で、その中に蛇腹プランジャ120が形成するために、硬化または凝固されてよい。新しく形成された蛇腹プランジャ120は、鋳型262を成形された蛇腹プランジャ120の周りから取り外し、中子鋳型264を蛇腹プランジャ120の中から取り外すことによって、鋳型組立体260から取り出されうる。蛇腹プランジャ120を鋳型262から取り外すために、鋳型262は、蛇腹プランジャ120の周りから開かれるかまたは分解されてよい。他の実施形態では、蛇腹プランジャ120は、蛇腹プランジャ120を、回して外すことによって、または後退させることによって、鋳型262の中から取り外されうる。言い換えれば、蛇腹プランジャ120は、蛇腹プランジャ120の長手方向軸周りに、鋳型262に対して回転させられてよい。そのように回転すると、蛇腹プランジャ120のらせん状に延びるフィーチャが、蛇腹プランジャ120を鋳型262から外に移動させる。
【0064】
中子鋳型264は、中子鋳型264の周りに形成された蛇腹プランジャ120の中から、中子鋳型264を、回して外すことによって、蛇腹プランジャ120から取り外されうる。言い換えれば、蛇腹プランジャ120は、蛇腹プランジャ120の長手方向軸周りに、中子鋳型264に対して回転させられてよい。そのように回転すると、蛇腹プランジャ120のらせん状に延びるフィーチャが、蛇腹プランジャ120を中子鋳型264から離れるように移動させる。一般に、蛇腹プランジャ120のらせん状に延びるフィーチャが
、蛇腹プランジャ120と中子鋳型264との間に相対的な回転をもたらすことにより、蛇腹プランジャ120を中子鋳型264から長手方向に後退させることによって、蛇腹プランジャ120が中子鋳型264から容易に取り外されることを可能にする。
【0065】
以前から知られている蛇腹プランジャの構成は、そのようならせん状に延びるフィーチャを含まず、したがって、本明細書で説明したように、本発明のいくつかの実施形態におけるような、中子鋳型264を取り巻く鋳型262の中で成形されるものではない。中子鋳型264を、その周りに成形された蛇腹プランジャ120から、回して外すことができることは、以前から知られている複数の離散的な円周方向に延びるリブを有する蛇腹プランジャを製作する間に経験されるような、蛇腹プランジャ120のリブと中子鋳型264のリブとの間の機械的干渉の問題を軽減する。したがって、適切なコンターを有する一体の中子鋳型264が、蛇腹プランジャ120の内側のフィーチャを形成するために使用されてよい。
【0066】
再び図6を参照すると、本発明の付加的実施形態では、内面207Aの1つまたは複数の谷212(外面207Bの山208に対応)の深さおよび幅のうちの少なくとも一方が、閉端202から開端204に向かって伸びる方向に増加してよく、そのことが、中子鋳型254の取り外しを容易にすることができる。言い換えれば、内面207Aの谷212は、閉端202近傍に第1の幅W1および第1の深さD1を有してよい。しかし、開端204近傍で、谷212は、第1の幅W1より大きい第2の幅W2、および第1の深さD1より大きい深さD2を有してよい。らせん状に延びる谷212の幅および/または深さは、閉端202近傍の位置から開端204近傍の位置まで、徐々にかつ連続的に増加してよい。この構成では、中子鋳型264が、中子鋳型264の周りに成形された蛇腹プランジャ120から回して外されるにつれて、谷212内の中子鋳型264の外面が、蛇腹プランジャ120の管状体の内面207Aの領域から分離し、そのことが、中子鋳型264が蛇腹プランジャ120からより容易に取り外されることを可能にする。
【0067】
図9は、本発明の蛇腹プランジャ280の別の実施形態を示す、図6に類似の長手方向断面図である。図9の蛇腹プランジャ280は、全体的に、図4〜図6の蛇腹プランジャ120に類似しており、長手方向に起伏する全体的に管状の側壁282を有する本体281を含み、本体281の外側に複数の山292および谷294を画定する。山292および谷294は、1つまたは複数のらせん状に延びる突条296および1つまたは複数のらせん状に延びる凹部298で画定されてよく、かつそれら突条および凹部を備えてよく、それらの突条および凹部は、蛇腹プランジャ280の本体281の、第1の閉端283と反対側の第2の開端284との間を長手方向に、蛇腹プランジャ280の周りにらせん状に延びる。図9の実施形態では、本体281の閉端283は中空であり、その中にキャビティ286を含む。開口288が、本体281の第1の閉端283の一部を通って延び、本体281の内部領域と本体281の閉端283内のキャビティ286との間に流体連結をもたらす。図9に示すように、閉端283は、本明細書で前に説明した構造用挿入体240に類似する、構造用挿入体290を含んでよく、キャビティ286は、少なくとも部分的には構造用挿入体290内に配置されてよい。キャビティ286の寸法および形状は、蛇腹プランジャ280の内部の中の駆動流体の所与の圧力に対して、蛇腹プランジャ280に作用する合力(net force)の大きさおよび/または方向を改良するように、選択的に適応されてよい。
【0068】
図10は、本発明の蛇腹プランジャ300のさらに別の実施形態を示す、図6および図9の断面図に類似の長手方向断面図である。図10の蛇腹プランジャ300は、図4〜図6の蛇腹プランジャ120に全体的に類似し、長手方向に起伏して、本体301の外部に複数の山306および谷308を画定する、全体的に管状の側壁302を有する本体301を含む。山306および谷308は、1つまたは複数のらせん状に延びる突条310お
よび1つまたは複数のらせん状に延びる凹部312で画定されてよく、かつそれら突条および凹部を備えてよく、それら突条および凹部は、蛇腹プランジャ300の本体301の第1の閉端314と、反対側の第2の開端316との間で長手方向に、蛇腹プランジャ300の周りにらせん状に延びる。しかし、図10の実施形態では、管状の側壁302は、図9の蛇腹プランジャ280の管状の側壁282および図4〜図6の蛇腹プランジャ120の管状の側壁206のそれぞれの、全体的に円筒形の形状とは対照的に、全体的に円錐形の形状を有する。全体的に円錐形の形状を有する管状の側壁302を設けることによって、中子鋳型を覆ってその周りに成形された蛇腹プランジャ300の内部から中子鋳型を取り外すことが、比較的容易になりうる。とりわけ、蛇腹プランジャの管状の側壁が全体的に円筒形である実施形態において必要であるように、中子鋳型を最後まで回して蛇腹プランジャ300から外すのとは対照的に、蛇腹プランジャを中子鋳型に対して、またはその逆に、1回またはほんの数回だけの全回転によって回転させた後、中子鋳型を蛇腹プランジャ300から単に引き出すことが可能になる。このことは、中子鋳型と蛇腹プランジャとの間の横方向の間隙が各回転毎に増加するにつれて、中子鋳型が蛇腹プランジャ300から速やかに離脱することによる。同様に、挿入された中子鋳型を有する蛇腹プランジャ300は、もたらされた拡大された横方向の間隙によって、取り囲む鋳型の型穴の中からより容易に引き出されうる。
【0069】
図11〜図13は、本発明の蛇腹プランジャの付加的実施形態に使用されうる、管状の側壁の一部の断面図を示す。
【0070】
図11を参照すると、らせん状に延びる突条322および凹部324を含む、管状体の側壁320の一部が図示される。突条322および凹部324は、全体的に丸い弧状の断面形状を有する、図6に示す側壁206の突条220および凹部222とは対照的に、全体的に三角形の断面形状を有する。付加的実施形態では、蛇腹プランジャの全体的に管状の壁の、1つまたは複数のらせん状に延びる突条および凹部は、プランジャが長手方向に伸張し圧縮されることを可能にする任意の断面形状を有してよいことに留意されたい。
【0071】
図12を参照すると、らせん状に延びる突条332および凹部334を含む、管状体の側壁330の一部が図示される。突条332および凹部334は、図12に示すように、側壁330の起伏する長手方向の輪郭に沿った、複数の山336および谷338を画定する。やはり図12に示すように、側壁330は、山336および谷338において、山と谷との間の側壁330の中間部分におけるよりも比較的薄い厚さを有する。側壁330を、山336および谷338において比較的薄くなるように形成することによって、側壁330を長手方向に伸張圧縮させるのに必要な力が低減されうる。
【0072】
図13を参照すると、らせん状に延びる突条342および凹部344を含む、管状体の側壁340の一部分が図示される。突条342および凹部344は、図13に示すように、側壁340の起伏する長手方向の輪郭に沿った複数の山346および谷348を画定する。やはり図13に示すように、側壁340は、山346および谷348において、山と谷との間の側壁340の中間部分におけるよりも比較的厚い厚さを有する。山と谷との間の側壁340の中間部分に比べると、山346および谷348は、これらの領域における応力および変形(例えば、曲げ)の集中および繰り返しによる亀裂を、より発生しやすい可能性がある。したがって、側壁340を、山346および谷348において比較的厚くなるように形成することによって、側壁340における亀裂または他のモードの故障を発生する傾向が低減可能であり、それゆえ、管状壁340の運転寿命が増加されうる。
【0073】
図1の流体ポンプ100は2つの蛇腹プランジャを使用するように示されるが、本発明の流体ポンプの付加的実施形態は、単一の本明細書で説明するような蛇腹プランジャのみを含んでよく、または3つ以上の本明細書で説明するような蛇腹プランジャを含んでよい
。限定ではなく例として、米国特許第5,165,866号に開示されるポンプは、本発明のいくつかの実施形態による、本明細書で説明されるような蛇腹プランジャを設けられてよい。加えて、ポンプシステムは、自動で(例えば、空圧的もしくは電気的に)運転されてよく、または手動で運転されてよい。手動運転ポンプシステムの限定でない例が、米国特許第4,260,079号に開示されている。そのようなポンプシステムは、本発明の付加的実施形態による、本明細書で説明されるような蛇腹プランジャを設けられてよい。
【0074】
さらに、本明細書で上で説明されたような蛇腹プランジャの実施形態は、ポンプ、弁および脈動減衰装置(pulsation dampener)を限定でなく含むすべての往復運動式もしくは振動式流体操作装置(fluid handling device)に使用されてよい。
【0075】
本発明の付加的実施形態が、以下に説明される。
【0076】
実施形態1:蛇腹プランジャが、第1の閉端および反対側の第2の開端を有する管状体を備え、管状体が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を備える。
【0077】
実施形態2:管状体の側壁が全体的に円筒形である、実施形態1の蛇腹プランジャ。
【0078】
実施形態3:管状体の側壁が全体的に円錐形である、実施形態1の蛇腹プランジャ。
【0079】
実施形態4:管状体の第1の閉端が、側壁とは別に形成されて側壁に取り付けられた端板を備える、実施形態1または実施形態2の蛇腹プランジャ。
【0080】
実施形態5:管状体の第1の閉端が、少なくとも部分的には閉端の中に配置された構造用挿入体を備える、実施形態1から4のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0081】
実施形態6:管状体の第1の閉端内に配置されたキャビティと、管状体の第1の閉端の一部を通って延び、管状体の内部領域と管状体の第1の閉端内のキャビティとの間に流体連結をもたらす開口とをさらに備える、実施形態1から5のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0082】
実施形態7:管状体の側壁が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる複数の突条を画定する形状を有する、実施形態1から6のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0083】
実施形態8:管状体の側壁が、少なくとも実質的に均一な壁の厚さを有する、実施形態1から7のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0084】
実施形態9:側壁が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの凹部を画定する形状を有する、実施形態1から8のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0085】
実施形態10:管状体が、エラストマー材料および樹脂材料のうちの少なくとも一方を含む、実施形態1から9のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0086】
実施形態11:管状体がフッ素重合体を含む、実施形態1から10のいずれかの1実施
形態の蛇腹プランジャ。
【0087】
実施形態12:管状体の側壁が、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる谷を画定する内面を有し、谷の幅および深さのうちの少なくとも一方が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで延びる方向に増加する、実施形態1から11のいずれかの1実施形態の蛇腹プランジャ。
【0088】
実施形態13:ポンプ本体と、ポンプ本体内の少なくとも1つの対象流体室と、実施形態1から12のいずれかの1実施形態に記載の少なくとも1つの蛇腹プランジャとを備える、対象流体をポンピングするための往復運動流体ポンプ。
【0089】
実施形態14:ポンプ本体内に少なくとも1つの駆動流体室をさらに備え、少なくとも1つの蛇腹プランジャが、ポンプ本体内で、少なくとも1つの駆動流体室を少なくとも1つの対象流体室から分離する、実施形態13の往復運動流体ポンプ。
【0090】
実施形態15:少なくとも1つの蛇腹プランジャが、第1の蛇腹プランジャおよび第2の蛇腹プランジャを備え、第1の蛇腹プランジャが第1の対象流体室を第1の駆動流体室から分離し、第2の蛇腹プランジャが第2の対象流体室を第2の駆動流体室から分離し、軸が第1の蛇腹プランジャと第2の蛇腹プランジャとの間に延び、第1の蛇腹プランジャおよび第2の蛇腹プランジャのそれぞれが第1の閉端および反対側の第2の開端を有する管状体を備え、管状体が、第1の閉端近傍の位置から第2の開端近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を備える、実施形態14の往復運動流体ポンプ。
【0091】
実施形態16:中子鋳型の外面と鋳型の内面との間の空間を成形材料で満たすステップであって、中子鋳型の外面が少なくとも1つのらせん状に延びる突条を備え、鋳型の内面が、中子鋳型の外面のらせん状に延びる突条に相補的に整列されてらせん状に延びる凹部を備える、ステップと、空間内の成形材料を凝固させて、管状体の第1の端部と反対側の第2の端部との間に延びる側壁を有する管状体を有する蛇腹プランジャを形成するステップであって、側壁が、第1の端部近傍の位置から第2の端部近傍の位置まで、管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する、ステップと、蛇腹プランジャを鋳型および中子鋳型から分離するステップとを含む、蛇腹プランジャを形成する方法。
【0092】
実施形態17:エラストマー材料および樹脂材料のうちの少なくとも一方を含むように成形材料を選択するステップをさらに含む、実施形態16の方法。
【0093】
実施形態18:中子鋳型の外面と鋳型の内面との間の空間を成形材料で満たすステップが、射出成形機を用いて成形材料を空間内に射出するステップを含む、実施形態16または実施形態17の方法。
【0094】
実施形態19:蛇腹プランジャを鋳型および中子鋳型から分離するステップが、蛇腹プランジャの長手方向軸周りに、中子鋳型と蛇腹プランジャとの間に相対的回転をもたらして、蛇腹プランジャを中子鋳型から回して外すステップを含む、実施形態16から18までのいずれかの1実施形態の方法。
【0095】
実施形態20:蛇腹プランジャの管状体の側壁に全体的に円錐状の形状を持たせるように鋳型および中子鋳型を形成するステップをさらに含む、実施形態16から19までのいずれかの1実施形態の方法。
【0096】
実施形態21:蛇腹プランジャの管状体の側壁に少なくとも実質的に均一な壁の厚さを持たせるように鋳型および中子鋳型を形成するステップをさらに含む、実施形態16から19までのいずれかの1実施形態の方法。
【0097】
このように、いくつかの実施形態が説明され、添付の図面に示されたが、そのような実施形態は単なる例であり、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明は、図示され説明された具体的な構造および配置に限定されるものではない。なぜなら、説明された実施形態に付加され、修正を加えられ、また説明された実施形態から削除される、種々の他の実施形態が、当業者には明らかとなるからである。例えば、一実施形態を参照して図示され、説明された要素および特徴は、本明細書で説明された実施形態のうちの他の実施形態に組み込まれてよい。それゆえ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の字義通りの言語、および法的に正当な等価物によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の閉端(202、283、314)および反対側の第2の開端(204、284、316)を有する管状体(200、281、301)を備える蛇腹プランジャ(120、122、280、300)であって、前記管状体(200、281、301)は、前記第1の閉端近傍の位置から前記第2の開端近傍の位置まで、前記管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条(220、296、310、322、332、342)を画定する形状を有する側壁(206、282、302、320、330、340)を備える、蛇腹プランジャ(120、122、280、300)において、前記管状体の前記側壁が、前記管状体の前記長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる谷(212、294、308、338、348)を画定する内面(207A)を有し、前記谷の幅および深さのうちの少なくとも一方が、前記第1の閉端近傍の前記位置から前記第2の開端近傍の前記位置まで延びる方向に増加することを特徴とする、蛇腹プランジャ。
【請求項2】
前記管状体の前記側壁が全体的に円筒形である、請求項1に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項3】
前記管状体の前記側壁が全体的に円錐形である、請求項1に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項4】
前記管状体の前記第1の閉端が、前記側壁とは別に形成されて前記側壁に取り付けられた端板(230)を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項5】
前記管状体の前記第1の閉端が、少なくとも部分的には前記閉端の中に配置された構造用挿入体(240、290)を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項6】
前記管状体の前記第1の閉端内に配置されたキャビティ(286)と、
前記管状体の前記第1の閉端の一部を通って延び、前記管状体の内部領域と前記管状体の前記第1の閉端内の前記キャビティとの間に流体連結をもたらす開口(288)と
をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項7】
前記管状体の前記側壁が、前記第1の閉端近傍の位置から前記第2の開端近傍の位置まで、前記管状体の前記長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる複数の突条(220)を画定する形状を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項8】
前記管状体の前記側壁が、少なくとも実質的に均一な壁の厚さを有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項9】
前記側壁が、前記第1の閉端近傍の位置から前記第2の開端近傍の位置まで、前記管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの凹部(222、298、312、324、334、344)を画定する形状を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項10】
前記管状体が、エラストマー材料および樹脂材料のうちの少なくとも一方を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項11】
前記管状体がフッ素重合体を含む、請求項10に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項12】
前記谷の前記幅が、前記第1の閉端近傍の前記位置から前記第2の開端近傍の前記位置まで延びる方向に増加する、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項13】
ポンプ本体(102)と、
前記ポンプ本体内の少なくとも1つの対象流体室(126、128)と、
少なくとも1つの蛇腹プランジャ(120、122、280、300)と
を備える、対象流体をポンピングするための往復運動流体ポンプ(100)であって、
前記少なくとも1つの蛇腹プランジャが、請求項1から3のいずれか1項に記載の少なくとも1つの蛇腹プランジャを備えることを特徴とする、往復運動流体ポンプ。
【請求項14】
前記ポンプ本体内に少なくとも1つの駆動流体室(127、129)をさらに備え、前記少なくとも1つの蛇腹プランジャが、前記ポンプ本体内の前記少なくとも1つの駆動流体室を前記少なくとも1つの対象流体室から分離する、請求項13に記載の往復運動流体ポンプ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの蛇腹プランジャが、第1の蛇腹プランジャおよび第2の蛇腹プランジャを備え、前記第1の蛇腹プランジャが第1の対象流体室を第1の駆動流体室から分離し、前記第2の蛇腹プランジャが第2の対象流体室を第2の駆動流体室から分離し、
軸(116)が前記第1の蛇腹プランジャと前記第2の蛇腹プランジャとの間に延び、
前記第1の蛇腹プランジャおよび前記第2の蛇腹プランジャのそれぞれが、第1の閉端および反対側の第2の開端を有する管状体を備え、前記管状体が、前記第1の閉端近傍の位置から前記第2の開端近傍の位置まで、前記管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を備える、請求項14に記載の往復運動流体ポンプ。
【請求項16】
中子鋳型(264)の外面(274)と鋳型(262)の内面(270)との間の空間(268)を成形材料で満たすステップであって、前記中子鋳型の前記外面が少なくとも1つのらせん状に延びる突条を備え、前記鋳型の前記内面が、前記中子鋳型の前記外面の前記らせん状に延びる突条に相補的に整列されてらせん状に延びる凹部を備える、ステップと、
前記空間内の前記成形材料を凝固させて、前記管状体の第1の端部(202、283、314)と反対側の第2の端部(204、284、316)との間に延びる側壁(206、282、302、320、330、340)を有する管状体(200、281、301)を有する蛇腹プランジャ(120、122、280、300)を形成するステップであって、前記側壁が、前記第1の端部近傍の位置から前記第2の端部近傍の位置まで、前記管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条(220、296、310、322、332、342)を画定する形状を有する、ステップと、
前記蛇腹プランジャを前記鋳型および前記中子鋳型から分離するステップと
を含む蛇腹プランジャ(120、122、280、300)を形成する方法であって、
前記蛇腹プランジャの前記管状体の前記側壁に、前記管状体の前記長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる谷(212、294、308、338、348)を画定する内面(207A)を持たせるように前記鋳型および前記中子鋳型を形成するステップをさらに含み、前記谷の幅および深さのうちの少なくとも一方が、前記第1の閉端近傍の前記位置から前記第2の開端近傍の前記位置まで延びる方向に増加することを特徴とする、方法。
【請求項17】
エラストマー材料および樹脂材料のうちの少なくとも一方を含むように前記成形材料を選択するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記中子鋳型の前記外面と前記鋳型の前記内面との間の前記空間を前記成形材料で満たすステップが、射出成形機を用いて前記成形材料を前記空間内に射出するステップを含む、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記蛇腹プランジャを前記鋳型および前記中子鋳型から分離するステップが、前記蛇腹
プランジャの長手方向軸周りに、前記中子鋳型と前記蛇腹プランジャとの間に相対的回転をもたらして、前記蛇腹プランジャを前記中子鋳型から回して外すステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記蛇腹プランジャの前記管状体の前記側壁に全体的に円錐状の形状を持たせるように前記鋳型および前記中子鋳型を形成するステップをさらに含む、請求項16、17および19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記蛇腹プランジャの前記管状体の前記側壁に少なくとも実質的に均一な壁の厚さを持たせるように前記鋳型および前記中子鋳型を形成するステップをさらに含む、請求項16、17および19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
第1の閉端(202、283、314)および反対側の第2の開端(204、284、316)を有する管状体(200、281、301)を備える蛇腹プランジャ(120、122、280、300)であって、前記管状体(200、281、301)は、前記第1の閉端近傍の位置から前記第2の開端近傍の位置まで、前記管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条(220、296、310、322、332、342)を画定する形状を有する側壁(206、282、302、320、330、340)を備える、蛇腹プランジャ(120、122、280、300)において、前記管状体の前記側壁が、前記管状体の前記長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる谷(212、294、308、338、348)を画定する内面(207A)を有し、前記谷の幅および深さのうちの少なくとも一方が、前記第1の閉端近傍の前記位置から前記第2の開端近傍の前記位置まで延びる方向に増加することを特徴とする、蛇腹プランジャ。
【請求項2】
前記管状体の前記側壁が全体的に円筒形である、請求項1に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項3】
前記管状体の前記側壁が全体的に円錐形である、請求項1に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項4】
前記管状体の前記第1の閉端が、前記側壁とは別に形成されて前記側壁に取り付けられた端板(230)を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項5】
前記管状体の前記第1の閉端が、少なくとも部分的には前記閉端の中に配置された構造用挿入体(240、290)を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項6】
前記管状体の前記第1の閉端内に配置されたキャビティ(286)と、
前記管状体の前記第1の閉端の一部を通って延び、前記管状体の内部領域と前記管状体の前記第1の閉端内の前記キャビティとの間に流体連結をもたらす開口(288)と
をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項7】
前記管状体の前記側壁が、前記第1の閉端近傍の位置から前記第2の開端近傍の位置まで、前記管状体の前記長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる複数の突条(220)を画定する形状を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項8】
前記管状体の前記側壁が、少なくとも実質的に均一な壁の厚さを有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項9】
前記側壁が、前記第1の閉端近傍の位置から前記第2の開端近傍の位置まで、前記管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの凹部(222、298、312、324、334、344)を画定する形状を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項10】
前記管状体が、エラストマー材料および樹脂材料のうちの少なくとも一方を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項11】
前記管状体がフッ素重合体を含む、請求項10に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項12】
前記谷の前記幅が、前記第1の閉端近傍の前記位置から前記第2の開端近傍の前記位置まで延びる方向に増加する、請求項1から3のいずれか1項に記載の蛇腹プランジャ。
【請求項13】
ポンプ本体(102)と、
前記ポンプ本体内の少なくとも1つの対象流体室(126、128)と、
少なくとも1つの蛇腹プランジャ(120、122、280、300)と
を備える、対象流体をポンピングするための往復運動流体ポンプ(100)であって、
前記少なくとも1つの蛇腹プランジャが、請求項1から3のいずれか1項に記載の少なくとも1つの蛇腹プランジャを備えることを特徴とする、往復運動流体ポンプ。
【請求項14】
前記ポンプ本体内に少なくとも1つの駆動流体室(127、129)をさらに備え、前記少なくとも1つの蛇腹プランジャが、前記ポンプ本体内の前記少なくとも1つの駆動流体室を前記少なくとも1つの対象流体室から分離する、請求項13に記載の往復運動流体ポンプ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの蛇腹プランジャが、第1の蛇腹プランジャおよび第2の蛇腹プランジャを備え、前記第1の蛇腹プランジャが第1の対象流体室を第1の駆動流体室から分離し、前記第2の蛇腹プランジャが第2の対象流体室を第2の駆動流体室から分離し、
軸(116)が前記第1の蛇腹プランジャと前記第2の蛇腹プランジャとの間に延び、
前記第1の蛇腹プランジャおよび前記第2の蛇腹プランジャのそれぞれが、第1の閉端および反対側の第2の開端を有する管状体を備え、前記管状体が、前記第1の閉端近傍の位置から前記第2の開端近傍の位置まで、前記管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条を画定する形状を有する側壁を備える、請求項14に記載の往復運動流体ポンプ。
【請求項16】
中子鋳型(264)の外面(274)と鋳型(262)の内面(270)との間の空間(268)を成形材料で満たすステップであって、前記中子鋳型の前記外面が少なくとも1つのらせん状に延びる突条を備え、前記鋳型の前記内面が、前記中子鋳型の前記外面の前記らせん状に延びる突条に相補的に整列されてらせん状に延びる凹部を備える、ステップと、
前記空間内の前記成形材料を凝固させて、前記管状体の第1の端部(202、283、314)と反対側の第2の端部(204、284、316)との間に延びる側壁(206、282、302、320、330、340)を有する管状体(200、281、301)を有する蛇腹プランジャ(120、122、280、300)を形成するステップであって、前記側壁が、前記第1の端部近傍の位置から前記第2の端部近傍の位置まで、前記管状体の長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる少なくとも1つの突条(220、296、310、322、332、342)を画定する形状を有する、ステップと、
前記蛇腹プランジャを前記鋳型および前記中子鋳型から分離するステップと
を含む蛇腹プランジャ(120、122、280、300)を形成する方法であって、
前記蛇腹プランジャの前記管状体の前記側壁に、前記管状体の前記長手方向軸周りに連続的にらせん状に延びる谷(212、294、308、338、348)を画定する内面(207A)を持たせるように前記鋳型および前記中子鋳型を形成するステップをさらに含み、前記谷の幅および深さのうちの少なくとも一方が、前記第1の閉端近傍の前記位置から前記第2の開端近傍の前記位置まで延びる方向に増加することを特徴とする、方法。
【請求項17】
エラストマー材料および樹脂材料のうちの少なくとも一方を含むように前記成形材料を選択するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記中子鋳型の前記外面と前記鋳型の前記内面との間の前記空間を前記成形材料で満たすステップが、射出成形機を用いて前記成形材料を前記空間内に射出するステップを含む、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記蛇腹プランジャを前記鋳型および前記中子鋳型から分離するステップが、前記蛇腹
プランジャの長手方向軸周りに、前記中子鋳型と前記蛇腹プランジャとの間に相対的回転をもたらして、前記蛇腹プランジャを前記中子鋳型から回して外すステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記蛇腹プランジャの前記管状体の前記側壁に全体的に円錐状の形状を持たせるように前記鋳型および前記中子鋳型を形成するステップをさらに含む、請求項16、17および19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記蛇腹プランジャの前記管状体の前記側壁に少なくとも実質的に均一な壁の厚さを持たせるように前記鋳型および前記中子鋳型を形成するステップをさらに含む、請求項16、17および19のいずれか1項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−514729(P2012−514729A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545460(P2011−545460)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/020509
【国際公開番号】WO2010/081008
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(511167917)
【出願人】(511167928)
【出願人】(511168372)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/020509
【国際公開番号】WO2010/081008
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(511167917)
【出願人】(511167928)
【出願人】(511168372)
【Fターム(参考)】
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