説明

1以上の、ヒドロキシル基、アルコキシ基、及び/又はアミノ基で置換されている連結アームによって結合されている新規なダブルパラ−フェニレンジアミン類及び染色におけるこれの使用

【課題】本出願は、1以上の、ヒドロキシル置換基、アルコキシ置換基、及び/又はアミノ置換基を含む連結アームによって結合されているダブルパラ−フェニレンジアミン類の新規ファミリーに関するものであり、また、ケラチン繊維を染色するためのこれの使用に関する。
【解決手段】これらの新規パラ−フェニレンジアミン類は、ケラチン繊維を染色するための酸化ベースとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、1以上の、ヒドロキシル基、アルコキシ基、及び/又はアミノ基で置換されている連結アームによって結合されているダブルパラ−フェニレンジアミン類の新規ファミリーに関するものであり、また、ケラチン繊維を染色するためのこれの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には酸化ベースと称される酸化染料前駆体、例えば、オルト−又はパラ−フェニレンジアミン類、オルト−又はパラ−アミノフェノール類、及び複素環式化合物などを含む染色用組成物で、ケラチン繊維、特にヒト毛髪のケラチン繊維を染色することが知られている。これらの酸化ベースは、酸化物質と組み合わされて、酸化縮合プロセスにより着色した化合物を生じ得る、無色又は弱く着色した化合物である。
【0003】
また、カプラー又は染色調節剤(dyeing modifier)と組み合わせることにより、これら酸化ベースにより得られる色調を変化させることができることも知られており、後者は特に以下から選択される:芳香族のメタ−ジアミノベンゼン類、メタ−アミノフェノール類、メタ−ジフェノール類、及びある種の複素環式化合物、例えば、インドール化合物及びピリジン化合物など。
【0004】
酸化ベース及びカプラーとして用いられる様々な分子により、豊富な色彩を得ることが可能となる。
【特許文献1】独国特許出願公開第10144226号明細書
【特許文献2】英国特許第1026978号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの酸化染料を使用することで得られる「永久的な」染色は、さらに、一定の要求を満足させなければならない。従って、いかなる毒物学的欠点も有さず、所望の強さの色調が得られ、外的要因、例えば、光、悪天候、洗浄、パーマネントウェーブ処理、発汗、及び摩擦などに対して良好な耐性を示すものでなければならない。
【0006】
また、染料は白髪をカバーすべきものでなければならず、最終的には最小限の選択性を呈示しなければならず、すなわち、一般的には毛先と根元では敏感度(すなわち傷み具合)が異なっている、同一のケラチン繊維の全長に亘って可能な限り色差が小さくなるようにできなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、低選択性の強く美しい多様な色調、並びに繊維が受けるかもしれない様々な攻撃因子、例えば、光、汗及びシャンプーなどに耐性のある多様な色で、ケラチン繊維を染色可能な新規の酸化ベースを提供することである。
【0008】
本発明は、下記式(I):
【0009】
【化1】

[式中:
− Rは、ヒドロキシル基、C〜Cアルコキシ基、アミノ基、(C〜C)モノアルキルアミノ基、又は(C〜C)ジアルキルアミノ基から選択される1以上の基で置換されている、直鎖状又は分枝状のC〜C10アルキレン基を意味し、
− R及びRは、互いに独立に、水素原子;直鎖状若しくは分枝状のC〜Cアルキル基;又は1以上の、ヒドロキシル基、C〜Cアルコキシ基、アミノ基、(C〜C)モノアルキルアミノ基、若しくは(C〜C)ジアルキルアミノ基で置換されている、直鎖状若しくは分枝状のC〜Cアルキル基を意味し、
− R’及びR”は、互いに独立に、C〜Cアルキル基;C〜Cアルコキシ基;ヒドロキシ(C〜C)アルコキシ基;(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル基;又はモノ−若しくはポリヒドロキシ(C〜C)アルキル基を意味し、
− n及びmは、互いに独立に、0〜4の整数を意味し、
− 下記の化合物:
【0010】
【化2】

は除かれる]
のダブルパラ−フェニレンジアミン類の新規ファミリー、及びこれの対応する付加塩類に関するものであり、上述の目的を達成するものである。
【0011】
本発明の組成物により、とりわけ、低選択的かつ特に光に対して耐性のある、ケラチン繊維の非常に強い着色を得ることが可能となる。
【0012】
本発明の別の主題は、ケラチン繊維、特にヒト毛髪等のケラチン繊維を染色するための組成物であって、少なくとも1の式(I)のパラ−フェニレンジアミンを含む組成物に関するものである。
【0013】
本発明の主題はまた、この組成物を用いた染色方法、ケラチン繊維、特にヒト毛髪等のケラチン繊維を染色するための本発明の組成物の使用、及び複数の区画を備えた装置又は染色用「キット」に関するものでもある。
【0014】
例として、下記のパラ−フェニレンジアミン類:
【0015】
【表1】

を挙げることができる。
【0016】
特定の実施態様では、式(I)のパラ−フェニレンジアミン類のR及びRは、独立に、水素原子、又は置換されていてもよいC〜Cアルキル基を意味する。Rは、1以上の、ヒドロキシル基、メトキシ基、アミノ基、(C〜C)モノアルキルアミノ基、及び(C〜C)ジアルキルアミノ基で置換されている、C〜Cアルキレン基を意味することが好ましい。n及びmは、0又は1であることが好ましい。
【0017】
一般的に、使用され得る付加塩類は、酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、パラ−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リン酸及び酢酸などとの付加塩類から特に選択される。
【0018】
付加塩類はまた、溶媒和物の形態であってもよく、例えば、水和物、又はエタノール若しくはイソプロパノールなどの直鎖状若しくは分枝状のアルコールの溶媒和物などの形態であってもよい。
【0019】
本出願の式(I)のパラ−フェニレンジアミン類は、一般的な合成法によって製造され得る。例えば、独国特許出願公開第10144226号明細書(A)を参照のこと。
【0020】
例として、式(I)のパラ−フェニレンジアミン類は、以下の反応スキーム:
【0021】
【化3】

に従って合成され得る。
【0022】
合成の第一工程は、パラ−フルオロニトロベンゼン誘導体へのジアミンの求核置換反応であり、この工程は、Synthesis 1990 (12), 1147-1148及びSynth. Commun. 1990, 20 (22), 3537-3545で提案されている。第二工程は、一般的な還元工程であって、例えば、Pd/C、Pd(II)/C、若しくはラネーニッケルの存在下での不均一触媒による水素化反応、あるいは金属、例えば、亜鉛、鉄、若しくはスズなどによる還元反応であってよい(Advanced Organic Chemistry, 4th edition, 1992, J. March, Wiley Interscience; Reduction in Organic Chemistry, M. Hudlicky, 1983, Ellis Honwood Series Chemical Science)。
【0023】
本出願はまた、式(I)のパラ−フェニレンジアミン類を得るために使用され得る、下記式(II):
【0024】
【化4】

[式中:
、R、R、R’、R”、n及びmは、先に定義したとおりのものであり、下記の化合物:
【0025】
【化5】

は除かれる]
の窒素含有化合物に関するものでもある。
【0026】
本発明の主題はまた、染色に適した媒体中に、少なくとも1の先に定義したとおりの式(I)のパラ−フェニレンジアミンタイプの酸化ベースを含む染色用組成物でもある。
【0027】
染色用組成物中の式(I)のパラ−フェニレンジアミンの量は、前記組成物の総重量に対して、一般的には0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.01重量%〜10重量%である。
【0028】
本発明の組成物には、好ましくは、少なくとも1の酸化カプラーが含まれる。
【0029】
酸化カプラーのうち、特に、メタ−フェニレンジアミン類、メタ−アミノフェノール類、メタ−ジフェノール類、ナフタレン系カプラー及び複素環カプラー、並びにそれらの付加塩類を挙げることができる。
【0030】
例として以下を挙げることができる:2−メチル−5−アミノフェノール、5−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、6−クロロ−2−メチル−5−アミノフェノール、3−アミノフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン(又はレゾルシノール)、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2−アミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、3−ウレイドアニリン、3−ウレイド−1−ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1−β−ヒドロキシエチルアミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、α−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、1−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、及び2,6−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、並びにそれらの付加塩類。
【0031】
一般的に、酸化カプラー(1以上)の量は、前記組成物の総重量に対して、0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0032】
本発明の組成物はまた、式(I)の酸化ベースとは異なる、少なくとも1の追加の酸化ベースを含むこともできる。
【0033】
この酸化ベースは、パラ−フェニレンジアミン類、ビスフェニルアルキレンジアミン類、パラ−アミノフェノール類、オルト−アミノフェノール類及び複素環ベース、並びにそれらの付加塩類から特に選択され得る。
【0034】
パラ−フェニレンジアミン類のうち、例として特に以下を挙げることができる:パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルエンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルアニリン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−クロロアニリン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−(エチル−β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β,γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−チエニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−アミノトルエン、3−ヒドロキシ−1(4’−アミノフェニル)ピロリジン、及び6−(4−アミノフェニルアミノ)ヘキサン−1−オール、並びにそれらの酸付加塩類。
【0035】
上述のパラ−フェニレンジアミン類のうち、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルエンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、及び6−(4−アミノフェニルアミノ)ヘキサン−1−オール、並びにそれらの酸付加塩類が特に好ましい。
【0036】
ビスフェニルアルキレンジアミン類のうち、例として以下を挙げることができる:N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミン、及び1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,6−ジオキサオクタン、並びにそれらの酸付加塩類。
【0037】
パラ−アミノフェノール類のうち、例として以下を挙げることができる:パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−2−クロロフェノール、4−アミノ−3−クロロフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メトキシメチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(β−ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール、4−アミノ−6−[((5’−アミノ−2’−ヒドロキシ−3’−メチル)フェニル)メチル]−2−メチルフェノール、及びビス(5’−アミノ−2’−ヒドロキシ)フェニルメタン、並びにそれらの酸付加塩類。
【0038】
オルト−アミノフェノール類のうち、例として以下を挙げることができる:2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、5−アセトアミド−2−アミノフェノール、及び5−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]2−メチルフェノール、並びにそれらの酸付加塩類。
【0039】
複素環ベースのうち、例として以下を挙げることができる:ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、及びピラゾール誘導体。
【0040】
ピリジン誘導体のうち、例えば、英国特許第1026978号及び同第1153196号などに記載されている化合物を挙げることができ、例えば、2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジン、及び3,4−ジアミノピリジン、並びにそれらの酸付加塩類などがある。
【0041】
本発明で有用な他のピリジン酸化ベースは、例えば、仏国特許出願公開第2801308号に記載されている、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン酸化ベース、又はその付加塩類である。例として以下を挙げることができる:ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−アセチルアミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−モルホリン−4−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸;2−メトキシ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;(3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)メタノール;2−(3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)エタノール;2−(3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)エタノール;(3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)メタノール;3,6−ジアミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン;3,4−ジアミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン;ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,7−ジアミン;7−モルホリン−4−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,5−ジアミン;5−モルホリン−4−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;2−[(3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;2−[(3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−オール;3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オール;3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール;及び3−アミノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−オール;並びにそれらの酸付加塩類。
【0042】
ピリミジン誘導体のうち、例えば、独国特許第2359399号;日本国特許出願第88−169571号明細書;日本国特許出願第05−63124号明細書;欧州特許第0770375号、又は国際公開第96/15765号に記載されている化合物を挙げることができ、例えば、2,4,5,6−テトラ−アミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、及び2,5,6−トリアミノピリミジン、並びにそれらの付加塩類、及び互変異性平衡が存在する場合にはその互変異性体などがある。
【0043】
ピラゾール誘導体のうち、独国特許第3843892号、同第4133957号、国際公開第94/08969号、同第94/08970号、仏国特許出願公開第2733749号、及び独国特許出願公開第19543988号に記載されている化合物を挙げることができ、例えば、4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−tert−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−tert−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−メチルアミノピラゾール、及び3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール、並びにそれらの付加塩類などがある。
【0044】
一般的に、追加の酸化ベース(1以上)の濃度は、前記組成物の総重量に対して、0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%である。
【0045】
本発明の染色用組成物はまた、1以上の直接染料を含むこともでき、直接染料は特に以下から選択され得る:ベンゼン系の中性、酸性又はカチオン性の窒素含有染料、中性、酸性又はカチオン性のアゾ直接染料、中性、酸性又はカチオン性のキノン、特にアントラキノン直接染料、アジン直接染料、メチン直接染料、アゾメチン直接染料、トリアリールメタン直接染料、及びインドアミン直接染料、並びに天然の直接染料。好ましくは、本発明の組成物は、カチオン性直接染料及び天然の直接染料から選択される少なくとも1の染料を含む。
【0046】
本発明で使用され得るカチオン性の直接染料のうち、国際公開第95/15144号、同第95/01772号及び欧州特許第714954号に記載されている、カチオン性のアゾ直接染料を挙げることができる。
【0047】
これらの化合物のうち、特に以下の染料を挙げることができる:1,3−ジメチル−2−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、1,3−ジメチル−2−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、及び1−メチル−4−[(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル]−ピリジニウムメチルサルフェート。
【0048】
本発明で使用され得る天然の直接染料のうち、以下の染料を挙げることができる:ローソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、及びアピゲニジン。また、これらの天然染料を含む抽出物又は煎出物、特にヘンナ系の湿布又は抽出物を使用することもできる。
【0049】
直接染料(1以上)は、即時使用可能な組成物の総重量に対して、好ましくは約0.001重量%〜20重量%、より好ましくは約0.005重量%〜10重量%である。
【0050】
染色に適している媒体は、有利には、水、又は水と少なくとも1の有機溶媒との混合物から成り、前記有機溶媒の例としては、直鎖状又は分枝状のC〜C低級アルコール、例えば、エタノール及びイソプロパノール;ポリオール及びポリオールエーテル、例えば、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセロール、並びに芳香族アルコール、例えば、ベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0051】
好ましくは、溶媒は、染色用組成物の総重量に対して、好ましくは約1〜40重量%、より好ましくは約5〜30重量%の割合で存在する。
【0052】
有利には、染色用組成物は、以下から選択される少なくとも1の化粧品アジュバントを含む:酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、バッファー、分散剤、界面活性剤、コンディショニング剤、皮膜形成剤、ポリマー、セラミド、保存料、艶出し剤(lustre agent)又は乳白剤、及びビタミン又はプロビタミン。
【0053】
上記のアジュバントは一般的に、前記組成物の総重量に対して、それぞれ0.01重量%〜20重量%の量で存在する。
【0054】
本発明の組成物のpHは、一般的には約3〜12、好ましくは約5〜11である。ケラチン繊維の染色で通常使用される酸性化剤若しくはアルカリ化剤を使用して、あるいはまた一般的なバッファーシステムを使用して、pHを所望の値に調整することができる。
【0055】
酸性化剤のうち、例として以下を挙げることができる:ジカルボン酸以外の無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸又は硫酸、カルボン酸、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸、又は乳酸、並びにスルホン酸。
【0056】
アルカリ化剤のうち、例として以下を挙げることができる:アンモニア水、アルカリ金属カーボネート、アルカノールアミン、例えば、モノ−、ジ−及びトリエタノールアミン並びにそれらの誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、並びに下記式:
【0057】
【化6】

[式中:
Wは、ヒドロキシル基又はC〜Cアルキル基によって任意選択で置換されていてもよいプロピレン基であって;R、R、R及びRは、同一又は異なってもよく、水素原子、C〜Cアルキル基、又はC〜Cヒドロキシアルキル基を意味する]
の化合物。
【0058】
言うまでもなく、アジュバント(1以上)、追加の酸化染料前駆体(1以上)、酸化カプラー(1以上)、及び直接染料(1以上)は、本発明の酸化染色用組成物に本来備わっている有利な特性が、想定される添加剤(1以上)によって損なわれないように、又は実質的に損なわれないように、当業者によって確実に選択されるだろう。
【0059】
本発明の染色用組成物は、様々な形態であってよく、例えば、液体の形態、クリームの形態、若しくはゲルの形態など、又はケラチン繊維、特にヒト毛髪を染色するのに適した任意の他の形態であってよい。
【0060】
本出願の別の主題は、ケラチン繊維の染色方法であって、先に定義したとおりの本発明の組成物を繊維に適用し、酸化剤を用いて発色させる染色方法に関するものである。発色は、酸性、中性、又はアルカリ性のpHで行われ得る。酸化剤は、使用時に本発明の組成物へ添加され得る。酸化剤は、酸化剤を含む酸化組成物を用いて適用され得、本発明の組成物と同時に又は順次に適用され得る。
【0061】
酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属ブロメート、ペルボラート及びペルサルフェートなどの過酸塩類、過酸、及びオキシダーゼ酵素を挙げることができ、オキシダーゼ酵素としては、ペルオキシダーゼ、2電子オキシドレダクターゼ、例えば、ウリカーゼ、及び4電子オキシゲナーゼ、例えば、ラッカーゼなどを挙げることができ、過酸化水素が特に好ましい。
【0062】
特定の実施態様では、本発明の組成物は、好ましくは使用時に、染色に適した媒体中に少なくとも1の酸化剤を含む組成物と混合され、この酸化剤は染色が顕色するのに十分な量で存在する。ついで、得られた混合物をケラチン繊維に適用する。約3〜50分間、好ましくは約5〜30分間保持した後に、ケラチン繊維をすすぎ、シャンプーで洗浄し、再びすすぎ、ついで乾燥させる。
【0063】
酸化組成物は、毛髪染色用の組成物で通常使用され、かつ先に定義したとおりの様々なアジュバントを含むことができる。
【0064】
酸化剤を含有する酸化組成物のpHは、染色用組成物との混合後に、ケラチン繊維に適用される生成組成物のpHが、好ましくは約3〜12、より好ましくは5〜11となるようなものである。pHは、ケラチン繊維の染色において通常使用され、かつ先に定義したとおりの酸性化剤又はアルカリ化剤によって、所望の値に調節され得る。
【0065】
最終的にケラチン繊維に適用される、即時使用可能な組成物は、様々な形態であってよく、例えば、液体の形態、クリームの形態、若しくはゲルの形態など、又はケラチン繊維、特にヒトケラチン繊維、とりわけヒト毛髪の染色に適した任意の他の形態であってよい。
【0066】
本出願はまた、ケラチン繊維、好ましくは毛髪等のヒトケラチン繊維を染色するために、染色に適した媒体中に少なくとも1の式(I)のパラ−フェニレンジアミンを含む、本発明の化粧品組成物の使用に関するものでもある。
【0067】
本発明の主題はまた、複数区画装置又は染色用「キット」に関するものでもあって、そこでは第一の区画が式(I)のパラ−フェニレンジアミンを含む染色用組成物を含有し、第二の区画が酸化組成物を含有する。この装置は、本出願人の仏国特許第2586913号に記載されている装置のような、毛髪上に所望の混合物を適用するための手段を備えることができる。
【0068】
[合成の実施例]
実施例1:1,4−ビス[(4−アミノフェニル)アミノ]ブタン−2,3−ジオールテトラヒドロクロリド(2)の合成
【0069】
【化7】

【0070】
工程1:1,4−ビス[(4−ニトロフェニル)アミノ]ブタン−2,3−ジオール(1)の合成
3.65gの4−フルオロニトロベンゼン(2当量)を100mlのDMSOに溶解する。1.2当量のメソ−1,4−ジアミノ−2,3−ブタンジオールと6当量のトリエチルアミンとをこの溶液に添加する。反応媒体を20時間、80℃で加熱する。ついで、この混合物をクラッシュアイス上に注ぐ;沈殿が形成される。得られた沈殿を濾過し、水で洗浄し、ついで乾燥する。
【0071】
工程2:1,4−ビス[(4−アミノフェニル)アミノ]ブタン−2,3−ジオールテトラヒドロクロリド(2)の合成
ニトロ化化合物を、1Lの水素添加装置(hydrogenator)内で500mlのエタノールに溶解する。10%の活性炭担持パラジウム(50%の水分含量)を添加し、水素添加装置に水素を充填する。1時間45分間反応させた後、パラジウムを濾過し、20mlのエタノール−塩酸(3M)、ついで300mlのイソプロピルエーテルを濾液に添加する。得られた沈殿を濾過し、エタノール−塩酸から再結晶化する。
【0072】
プロトンNMR及びマススペクトルは、生成物の予期される構造と一致していた。
【0073】
実施例2:2,6−ビス[(4−アミノフェニル)アミノ]ヘキサン−1−オールテトラヒドロクロリド(5)の合成
【0074】
【化8】

【0075】
工程1:2,6−ビス[(4−ニトロフェニル)アミノ]ヘキサン酸(3)の合成
コンデンサーと温度計を備えた250mlの3つ口フラスコ中で、5g(34.2mmol)のL−リシンを100mlの水に、1.4g(1当量)の水酸化ナトリウム及び8.6g(3当量)の重炭酸ナトリウムの存在下で溶解する。60mlのエタノールに10.8ml(3当量)の4−フルオロニトロベンゼンを添加し、この溶液を前記混合物に注ぎ入れ、5日間加熱還流(85〜90℃)に供する。冷却した混合物をエチルエーテルで抽出する。水相を、5Nの塩酸を用いてpH〜3まで酸性化する。ガム様の沈殿が形成され、これを少量のメタノールの存在下でジクロロメタンを用いて抽出する。有機相を、中性に達するまで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ついで溶媒留去して橙色油状物を得、これをエチルエーテルの存在下で結晶化する。11.7g(すなわち、収量=88%)の黄色結晶生成物が得られる。
【0076】
工程2:2,6−ビス−[(4−ニトロフェニル)アミノ]ヘキサン−1−オール(4)の合成
窒素でフラッシングしながら、29gの2,6−ビス[(4−ニトロフェニル)アミノ]ヘキサン酸(3)と290mlのTHFとを、1Lのリアクター中に導入する。3当量のボランを滴下漏斗で添加する。この混合物を20℃で12時間攪拌した状態にし、ついで15℃まで冷却し、メタノール(100ml)を滴下する。1時間後、この混合物が乾燥するまで蒸発させる。100mlの水を攪拌しながら添加し、ついで生じた固形物を濾過する。この固形物を100mlのイソプロパノールで再結晶化する。
【0077】
工程3:2,6−ビス[(4−アミノフェニル)アミノ]へキサン−1−オールテトラヒドロクロリド(5)の合成
ニトロ化化合物(4)を、1Lの水素添加装置内で250mlのメタノールに溶解する。10%の活性炭担持パラジウム(50%の水分含量)を添加し、水素添加装置に水素を充填する。1時間30分間反応させた後、パラジウムを濾過する。反応媒体を、30mlの塩酸と200mlのイソプロパノールとの混合物に注ぎ入れる。得られた沈殿を濾過し、エタノール−塩酸から再結晶化する。
【0078】
プロトンNMR及びマススペクトルは、生成物の予期される構造と一致していた。
【0079】
実施例3:1,5−ビス(4−アミノフェニルアミノ)ペンタン−3−オール(8)の合成
【0080】
【化9】

【0081】
工程1:1,5−ジアミノペンタン−3−オールジヒドロクロリド(6)の合成
1,5−ジアミン−3−オール(6)を、下記参考文献に記載された反応スキームに従って、エチレン及び3−クロロプロピオニルクロリドから4つの工程で合成(全体の収量=54%)する:Bull. Chem. Soc. Jpn., 55, 2404-2408, 1982;Bull. Chem. Soc. Jpn., 65, 334-339, 1992;Bull. Chem. Soc. Jpn., 75, 2595-2607, 2002;Recl. Trav. Chim. Pays-Bas, 112, 535-548, 1993;J. Chem. Soc. (c) organic (17), 2401-2403, 1976;EP 0872466 A1。
【0082】
工程2:1,5−ビス(4−ニトロフェニルアミノ)ペンタン−3−オール(7)の合成
30.33gの炭酸ナトリウム(4当量)と6.77gの1,5−ジアミノペンタン−3−オール(0.5当量)とを、100mlのNMPに溶解した10gの4−フルオロニトロベンゼン(1当量)溶液に添加する。生成した反応媒体を5日間、100℃で加熱する。常温まで戻した後、この媒体をクラッシュアイス上に注ぎ入れる。得られた沈殿を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、ついでシリカカラム(溶離液:25/75 EtOAc/DCM)を用いたクロマトグラフィーにより精製する。14.8gの期待される生成物が58%の収量で得られる。
【0083】
工程3:1,5−ビス(4−アミノフェニルアミノ)ペンタン−3−オール(8)の合成
2.5gの1,5−ビス(4−ニトロフェニルアミノ)ペンタン−3−オール(7)と0.5gの活性炭担持パラジウム(5%(50%の水分含量))とを、300mlの水素添加装置内で、250mlの無水エタノールに添加する。このリアクターを、20バールの水素圧下に、50℃で、2時間10分間置く。ついで反応媒体を濾過し、塩酸−イソプロパノール溶液へ注ぎ入れる。得られた沈殿を濾過し、イソプロピルエーテルですすぎ、ついで乾燥させる。これにより、1.98g(収量=76%)の1,5−ビス(4−アミノフェニルアミノ)ペンタン−3−オール(8)を、白色粉末状として得る。
【0084】
プロトンNMR及びマススペクトルは、生成物の予期される構造と一致していた。
【0085】
[染色の実施例]
実施例1〜13:1,4−ビス[(4−アミノフェニル)アミノ]ブタン−2,3−ジオールテトラヒドロクロリド(2)を用いた染色用組成物
【0086】
実施例1〜7:酸性媒体での染色
以下の染色用組成物を調製した:
【0087】
【表2】

【0088】
使用時に、各組成物を同量の6重量%過酸化水素水(「20 volume」)と混合する。最終pH値が7となる。
【0089】
得られた各混合物を、90%の白髪を含むグレーの毛髪の房に適用する。30分間保持した後、房をすすぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、再びすすぎ、ついで乾燥させる。
【0090】
得られた色調を以下の表に示す:
【0091】
【表3】

【0092】
実施例8〜13:塩基性媒体での染色
以下の染色用組成物を調製した:
【0093】
【表4】

【0094】
使用時に、各組成物を同量の6重量%過酸化水素水(「20 volume」)と混合する。最終pH値が9.5となる。
【0095】
得られた各混合物を、90%の白髪を含むグレーの毛髪の房に適用する。30分間保持した後、房をすすぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、再びすすぎ、ついで乾燥させる。
【0096】
得られた色調を以下の表に示す:
【0097】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

[式中:
− Rは、ヒドロキシル基、C〜Cアルコキシ基、アミノ基、(C〜C)モノアルキルアミノ基、又は(C〜C)ジアルキルアミノ基から選択される1以上の基で置換されている、直鎖状又は分枝状のC〜C10アルキレン基を意味し、
− R及びRは、互いに独立に、水素原子;直鎖状若しくは分枝状のC〜Cアルキル基;又は1以上の、ヒドロキシル基、C〜Cアルコキシ基、アミノ基、(C〜C)モノアルキルアミノ基、若しくは(C〜C)ジアルキルアミノ基で置換されている、直鎖状若しくは分枝状のC〜Cアルキル基を意味し、
− R’及びR”は、互いに独立に、C〜Cアルキル基;C〜Cアルコキシ基;ヒドロキシ(C〜C)アルコキシ基;(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル基;又はモノ−若しくはポリヒドロキシ(C〜C)アルキル基を意味し、
− n及びmは、互いに独立に、0〜4の整数を意味し、
− 下記の化合物:
【化2】

は除かれる]
のパラ−フェニレンジアミン及びこれの対応する付加塩類。
【請求項2】
前記Rが、1以上の、ヒドロキシル基、メトキシ基、アミノ基、(C〜C)モノアルキルアミノ基、及び(C〜C)ジアルキルアミノ基で置換されている、C〜Cアルキレン基を意味する、請求項1記載のパラ−フェニレンジアミン。
【請求項3】
前記Rが、1以上のヒドロキシル基で置換されている、直鎖状又は分枝状のC〜Cアルキレン基を意味する、請求項1又は2記載のパラ−フェニレンジアミン。
【請求項4】
前記R及びRが、独立に、水素原子、又は置換されていてもよいC〜Cアルキル基を意味する、請求項1乃至3のいずれか一項記載のパラ−フェニレンジアミン。
【請求項5】
前記n及びmが、独立に、0又は1を意味する、請求項1乃至4のいずれか一項記載のパラ−フェニレンジアミン。
【請求項6】
前記一般式(I)のパラ−フェニレンジアミンと酸との付加塩類の酸が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、パラ−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リン酸及び酢酸から選択され、これらの化合物が任意選択で溶媒和物の形態であってもよい、請求項1乃至5のいずれか一項記載のパラ−フェニレンジアミン。
【請求項7】
下記:
【表1】

から選択される、請求項1乃至6のいずれか一項記載のパラ−フェニレンジアミン。
【請求項8】
下記:
【表2】

から選択される、請求項7記載のパラ−フェニレンジアミン。
【請求項9】
染色に適した媒体中に、上述の請求項1乃至8で定義したとおりの、少なくとも1の式(I)のパラ−フェニレンジアミン酸化ベースを含む染色用組成物。
【請求項10】
前記式(I)のパラ−フェニレンジアミンの量が、前記組成物の総重量に対して、0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.01重量%〜10重量%である、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1の酸化カプラーをさらに含む、請求項9又は10記載の組成物。
【請求項12】
前記酸化カプラーが、メタ−フェニレンジアミン類、メタ−アミノフェノール類、メタ−ジフェノール類、ナフタレン系カプラー及び複素環カプラー、並びにそれらの付加塩類から選択される、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
前記式(I)の酸化ベースとは異なる、少なくとも1の追加の酸化ベースをさらに含む、請求項9乃至12のいずれか一項記載の組成物。
【請求項14】
前記酸化ベースが、パラ−フェニレンジアミン類、ビスフェニルアルキレンジアミン類、パラ−アミノフェノール類、オルト−アミノフェノール類及び複素環ベース、並びにそれらの付加塩類から選択され得る、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1の直接染料を含む、請求項9乃至14のいずれか一項記載の組成物。
【請求項16】
前記の染色に適した媒体が、任意選択で少なくとも1の有機溶媒を含んでいてもよい水から成る、請求項9乃至15のいずれか一項記載の組成物。
【請求項17】
前記有機溶媒が、直鎖状又は分枝状のC〜C低級アルコール、及び芳香族アルコール、並びにそれらの混合物から選択される、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、バッファー、分散剤、界面活性剤、コンディショニング剤、皮膜形成剤、ポリマー、セラミド、保存料、艶出し剤又は乳白剤、及びビタミン又はプロビタミンから選択される少なくとも1の化粧品アジュバントを含む、請求項9乃至17のいずれか一項記載の組成物。
【請求項19】
前記化粧品アジュバントの量が、前記組成物の総重量に対して、それぞれ0.01重量%〜20重量%である、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
酸化剤を含む、請求項1乃至19のいずれか一項記載の組成物。
【請求項21】
請求項9乃至19のいずれか一項記載の少なくとも1の組成物を、所望の発色を得るのに十分な時間、酸化剤の存在下でケラチン繊維に適用することを特徴とする、ケラチン繊維の染色方法。
【請求項22】
第一の区画が、請求項9乃至19のいずれか一項で定義したとおりのケラチン繊維を染色するための染色用組成物を含有し、第二の区画が酸化剤を含有する、複数区画装置。
【請求項23】
下記式(II):
【化3】

[式中:
、R、R、R’、R”、n及びmは、請求項1乃至8で定義したとおりのものであり、下記の化合物:
【化4】

は除かれる]
の前記窒素含有化合物を還元することによる、前記式(I)のパラ−フェニレンジアミン類の製造方法。
【請求項24】
下記式(II):
【化5】

[式中:
、R、R、R’、R”、n及びmは、請求項1乃至8で定義したとおりのものであり、下記の化合物:
【化6】

は除かれる]
の窒素含有化合物。

【公開番号】特開2007−8946(P2007−8946A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−178626(P2006−178626)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】