説明

1,3,4−オキサジアゾール−2−オン誘導体

【課題】優れたDPP-IV阻害活性を有し、糖尿病治療薬として有用な化合物を提供する。
【解決手段】


[式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基などを表す。
5は、存在しないか、1つまたは2つ存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子などを表す。
Zは、式:OR7などを表す。
7は、水素原子、置換されてもよいアルキル基などを表す。
Wは、置換されてもよいアルキル基、などを表す。]で表される化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬として有用な1,3,4-オキサジアゾール-2-オン誘導体に関する。より詳しくは、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤として有効な新規1,3,4-オキサジアゾール-2-オン誘導体に関する。更にジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤として有効な1,3,4-オキサジアゾール-2-オン誘導体を有効成分とする糖尿病治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
DPP-IVは、体内に広範に存在するセリンプロテアーゼであり、N末端のジペプチドを水解遊離するジペプチジルアミノペプチダーゼの一種であり、N末端から2番目のアミノ酸がプロリンであるペプチドに特に強く作用することから、プロリルエンドペプチダーゼとも呼ばれている。DPP-IVは内分泌系や神経内分泌系、免疫機能などに関与する様々な生体由来ペプチドを基質とすることが知られている。パンクレアティックポリペプチド(PP)およびニューロペプチドY(NPY)等に代表されるパンクレアティックポリペプチドファミリー、バソアクティブインテスティナルポリペプチド(VIP)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP-1)、グルコース依存性インスリノトロピックポリペプチド(GIP)および成長ホルモン分泌促進因子(GRF)等に代表されるグルカゴン/VIPファミリー、そしてケモカインファミリーなど多くの生理活性ペプチドがDPP-IVの基質となり、活性化/不活性化や代謝促進などの影響をうけることが知られている。
【0003】
DPP-IVは、GLP-1のN末端から2アミノ酸(His-Ala)を切断する。切断されたペプチドはGLP-1受容体に弱く結合するものの、受容体の活性化作用を有さず、アンタゴニストとして作用することが知られている。このDPP-IVによるGLP-1の血中における代謝は非常に迅速であることが知られており、DPP-IVの阻害により血中の活性型GLP-1濃度が上昇する。GLP-1は糖分の摂取によって腸管から分泌されるペプチドであり、グルコース応答性の膵臓インスリン分泌に対する主要な促進因子である。また、GLP-1は膵臓β細胞におけるインスリン合成の促進作用や、β細胞増殖の促進作用を有していることが知られている。さらに、消化管や肝臓、筋肉、脂肪組織などにおいてもGLP-1受容体が発現していることが知られており、GLP-1はこれらの組織において、消化管活動や胃酸分泌、グリコーゲンの合成や分解、インスリン依存性のグルコース取り込みなどに作用することが知られている。したがって、血中GLP-1濃度の上昇により、血糖値に依存したインスリン分泌の促進、膵臓機能の改善、食後高血糖の改善、耐糖能異常の改善、インスリン抵抗性の改善などの効果がもたらされる2型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病)に有効なDPP-IV阻害剤の開発が期待されている。
【0004】
種々のDPP-IV阻害剤が報告されており、例えば特許文献1では、オキサジアゾール環を有する誘導体が、特許文献2ではヘテロ芳香族環を有する誘導体がDPP-IV阻害剤として有効であることが報告されている。
【特許文献1】国際公開第04/041795号パンフレット
【特許文献2】国際公開第05/037828号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、優れたDPP-IV阻害活性を有する新規な化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、下記化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩(以下必要に応じ本発明化合物と略称することがある)が優れたDPP-IV阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
すなわち本発明は:
〔1〕 式(I):
【0008】
【化1】

[式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
1とR2は、一緒になって、式:−(CH2n1−(式中、n1は2、3、4または5を表す)を表すこともできる。
3とR4は、一緒になって、式:−(CH2n2−(式中、n2は2、3、4または5を表す)を表すこともできる。
1とR3は、一緒になって、式:−(CH2n3−(式中、n3は1、2、3または4を表す)を表すこともできる。
5は、存在しないか、1つまたは2つ存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
2つのR5が隣接する炭素原子上に存在する場合、2つのR5が一緒になってメチレンを表すこともできる。
Zは、式:OR7、COR7、COOR7、NR8COR7、NR910、またはCONR910を表す。
6およびR8は、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基または置換されてもよいアラルキル基を表す。
7、R9およびR10は、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
9およびR10は、隣接する窒素原子と一緒となって、置換されてもよい含窒素飽和へテロ環基を表すこともできる。該置換されてもよい含窒素飽和ヘテロ環基は、さらにアリールまたはヘテロアリールと縮合しても良い。
Wは、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基または置換されてもよい飽和へテロ環基を表す。]で表される化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔2〕 R3およびR4がともに水素原子である、〔1〕記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔3〕 R1およびR2がともにメチル基を表すか、またはR1およびR2が一緒になって、式:−(CH2n1−(n1は2、3、4または5を表す)を表す、〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔4〕 Wが置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基または置換されてもよい飽和へテロ環基である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔5〕 Zが式:CONR910(R9およびR10は、〔1〕と同義である。)である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔6〕 Zが式:CONR910であり、R9およびR10が隣接する窒素原子と一緒になって下記式(Y):
【0009】
【化2】

(式中、m1およびm2は、それぞれ独立して、0、1または2を表し、m1+m2は2〜4である。
11は、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、ハロゲン原子、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
また、2つのR11が一緒になって、メチレン、エチレンまたはトリメチレンを表してもよい。
12は、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ、シアノ、C1〜C4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい。)、C1〜C4アルコキシ基(該アルコキシ基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)、−COR20、−OCOR20、−COOR20、カルボキシ基、アミノ基、−NHR20、−NR2021、−NHCOR20、カルバモイル基、C6〜C10アリール基、C6〜C10アリールオキシ基、C7〜C12アラルキルオキシ基、−OSO220または−SO220を表す。
また、隣接する炭素原子上に存在する2つのR12が一緒になって、C1〜C3アルキレンジオキシ基を表すこともできる。
20およびR21は、各々独立して、C1〜C4アルキル基、C6〜C10アリール基またはC7〜C12アラルキル基等を表し、これらの基は、さらに、例えば水酸基、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基またはC1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されても良い。またはR20とR21は、一緒になって、それらが結合する窒素原子と共に、置換されてもよい飽和へテロ環基を表してもよい。)
を表す、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔7〕 式(II):
【0010】
【化3】

[式中、R11は、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、ハロゲン原子、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
また、2つのR11が一緒になって、メチレン、エチレンまたはトリメチレンを表してもよい。
12は、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ、シアノ、C1〜C4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい。)、C1〜C4アルコキシ基(該アルコキシ基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)、−COR20、−OCOR20、−COOR20、カルボキシ基、アミノ基、−NHR20、−NR2021、−NHCOR20、カルバモイル基、C6〜C10アリール基、C6〜C10アリールオキシ基、C7〜C12アラルキルオキシ基、−OSO220または−SO220を表す。
また、隣接する炭素原子上に存在する2つのR12が一緒になって、C1〜C3アルキレンジオキシ基を表すこともできる。
20およびR21は、各々独立して、C1〜C4アルキル基、C6〜C10アリール基またはC7〜C12アラルキル基等を表し、これらの基は、さらに、例えば水酸基、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基またはC1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されても良い。またはR20とR21は、一緒になって、それらが結合する窒素原子と共に、置換されてもよい飽和へテロ環基を表してもよい。
m1およびm2は、それぞれ独立して、0、1または2を表し、m1+m2は2〜4である。
13およびR14は、ともにメチル基を表すか、またはR13およびR14が一緒になって、式:−(CH2n4−を表す。
n4は、2、3、4または5を表す。
15は、置換されてもよいアルキル基を表す。
16は、存在しないか、1つ存在してフッ素原子を表すか、あるいは隣接する炭素原子上に2つ存在し、一緒になってメチレンを表す。]である、〔1〕記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔8〕 R13、R14がともにメチル基である、〔7〕記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔9〕 R11が、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよいヘテロアリール基である、〔7〕〜〔8〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔10〕 化合物が下記式、
【0011】
【化4】

からなる群から選ばれるいずれか一つである、〔1〕記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩、
〔11〕 〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬、
〔12〕 〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を有効成分として含有するジペプチジルペプチダーゼ-IV阻害剤、または
〔13〕 〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を有効成分として含有する糖尿病治療剤に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明化合物は、優れたDPP-IV阻害活性を有し、糖尿病治療薬として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「置換されてもよい」もしくは「置換された」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。
【0014】
「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が挙げられる。
「アルキル基」としては、例えば、直鎖または分枝状の炭素数1から6のアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。好ましくは、直鎖または分枝状の炭素数1から4のアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはtert-ブチル等が挙げられる。
「アルケニル基」としては、例えば炭素数2から6のアルケニル基等が挙げられ、具体的には、例えば、ビニル、プロペニル、メチルプロペニル、ブテニルまたはメチルブテニル等が挙げられる。
「アルキニル基」としては、例えば炭素数2から6のアルキニル基等が挙げられ、具体的には、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル、ペンチニルまたはヘキシニル等が挙げられる。
「シクロアルキル基」としては、例えば炭素数3から10のシクロアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチルまたはノルボルニル等が挙げられる。好ましくは、炭素数3から6のシクロアルキル基等が挙げられ、具体的には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル等が挙げられる。
【0015】
「アリール基」としては、例えば、炭素数6から10のアリール基等が挙げられ、具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル等が挙げられる。
「アラルキル基」としては、例えばアルキル基にアリール基が置換したもの等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンジル、2−フェニルエチルまたは1−ナフチルメチル等が挙げられる。
「ヘテロアリール基」としては、例えば窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1ないし4個)を含む5ないし10員、単環または多環式の基等が挙げられる。具体的には、ピロリル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、フリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、キノリル、イソキノリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、ジベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリル、シンノリル、キナゾリル、インダゾリル、ナフチリジル、キノリノリルまたはイソキノリノリル等が挙げられる。好ましくは、例えば窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個含む5ないし6員の基等が挙げられ、具体的には、例えばピリジル、チエニルまたはフリルなどが挙げられる。
「ヘテロアリールアルキル基」としては、例えばアルキル基にヘテロアリール基が置換したもの等が挙げられる。具体的には、例えば、ピリジルメチル等が挙げられる。
【0016】
「アルコキシ基」としては、例えば、炭素数1から4のアルコキシ基等が挙げられ、具体的には例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
【0017】
「含窒素飽和ヘテロ環基」としては、例えば、窒素原子を1から2個有し、更に酸素原子または硫黄原子を有してもよい、5から6員環の含窒素飽和ヘテロ環基等が挙げられ、具体的には、例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、オキソイミダゾリジニル、ジオキソイミダゾリジニル、オキソオキサゾリジニル、ジオキソオキサゾリジニル、ジオキソチアゾリジニル、またはテトラヒドロピリジニル等が挙げられる。
「飽和ヘテロ環基」としては、上記の含窒素飽和ヘテロ環基に加え、例えば、酸素原子または硫黄原子を有する、5から6員環の飽和ヘテロ環基も挙げられ、具体的には例えば、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニル等が挙げられる。
【0018】
さらにアリールまたはヘテロアリールと縮合する含窒素飽和ヘテロ環基としては、例えば、窒素原子を1から2個有し、更に酸素原子または硫黄原子を有してもよい、5から6員の含窒素飽和ヘテロ環基と、ベンゼンまたはピリジン、ピリミジンまたはピリダジン等の6員芳香族ヘテロ環が縮合した11から12員の二環式複素環基が挙げられ、具体的には、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロプリニル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾジオキサニル、イソインドリニル、インダゾリル、ピロロリジニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、テトラヒドロナフチリジニルまたはテトラヒドロピリドアゼピニル等が挙げられる。
さらにアリールまたはヘテロアリールと縮合する含窒素飽和ヘテロ環基として好ましくは、例えば式(Y):
【0019】
【化5】

(式中、m1、m2、R11およびR12は前記と同義である。)
で表される基などが挙げられる。
【0020】
「置換アルキル基」、「置換アルケニル基」、「置換アルキニル基」、「置換アルコキシ基」および「置換シクロアルキル基」における置換基としては、例えばハロゲン原子、水酸基、ニトロ、シアノ、−OR20、−OCOR20、−COR20、−COOR20、C3〜C6シクロアルキル基、アミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、−NHR20、−NR2021、−NHCOR20、−OSO220または−SO220などが挙げられる(式中、R20およびR21は、各々独立して、例えばC1〜C4アルキル基、C6〜C10アリール基またはC7〜C12アラルキル基等を表し、これらの基は、さらに、例えば水酸基、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基またはC1〜C4ジアルキルアミノ基等で置換されても良い。またはR20とR21は、一緒になって、それらが結合する窒素原子と共に、置換されてもよい飽和へテロ環基を表してもよい。)。好ましい置換基としては、例えばハロゲン原子、水酸基、アミノ基、−NHR20、または−NR2021等が挙げられる。
置換シクロアルキル基における置換基には、上記の他、C1〜C4アルキル基も挙げられる。
【0021】
「置換アリール基」および「置換へテロアリール基」における置換基としては、例えばハロゲン原子、水酸基、ニトロ、シアノ、C1〜C4アルキル基(該アルキル基は、例えばハロゲン原子、水酸基またはアミノ基などで置換されていてもよい。)、C1〜C4アルコキシ基(該アルコキシ基は、例えばハロゲン原子などで置換されていてもよい。)、−COR20、−OCOR20、−COOR20、カルボキシ基、アミノ基、−NHR20、−NR2021、−NHCOR20、カルバモイル基、C6〜C10アリール基、C6〜C10アリールオキシ基、C7〜C12アラルキルオキシ基、−OSO220または−SO220などが挙げられる(R20およびR21は上記と同様の基を表す。)。
好ましい置換基としては、例えばハロゲン原子、水酸基、ニトロ、シアノ、C1〜C4アルキル基(該アルキル基は、例えばハロゲン原子、水酸基またはアミノ基などで置換されていてもよい。)、C1〜C4アルコキシ基(該アルコキシ基は、例えばハロゲン原子などで置換されていてもよい。)、−COOR20、カルボキシ基、アミノ基、−NHR20、−NR2021またはカルバモイル基などが挙げられる。
また、置換アリール基における置換基には、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシなどのC1〜C3アルキレンジオキシ基も挙げられる。
【0022】
「置換アラルキル基」および「置換ヘテロアリールアルキル基」のアリール部分およびヘテロアリール部分の置換基としては、「置換アリール基」および「置換へテロアリール基」における置換基として例示したものが挙げられる。
「置換アラルキル基」および「置換ヘテロアリールアルキル基」のアルキル部分の置換基としては、「置換アルキル基」における置換基として例示したものが挙げられる。
【0023】
「置換含窒素飽和ヘテロ環基」における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ、シアノ、C1〜C4アルキル基(該アルキル基は、例えばハロゲン原子などで置換されていてもよい。)、C1〜C4アルコキシ基(該アルコキシ基は、例えばハロゲン原子などで置換されていてもよい。)、−COOR20、カルボキシ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基、C1〜C4ジアルキルアミノ基、カルバモイル基、オキソ基またはチオキソ基などが挙げられる。
【0024】
「薬学上許容される塩」としては、例えば塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩または硝酸塩等の無機酸塩、または酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩またはアスコルビン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
【0025】
また、本発明には、式(I)で表される化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩が含まれる。また、これらの水和物またはエタノール溶媒和物等の溶媒和物も含まれる。さらに、本発明は、本発明化合物(I)のあらゆる互変異性体、存在するあらゆる立体異性体、およびあらゆる態様の結晶形のものも包含している。
【0026】
本発明化合物の好ましい例として、下記の化合物が例示出来る。なお、下記表中の例示化合物において、記載の簡略化のために次の略語を使用することもある。
Et:エチル、Me:メチル、i-Pr:イソプロピル、n-Bu:n-ブチル。
また、部分構造として以下の略号を用いることもある。
【0027】
【化6】

【0028】
【化7】

【0029】
【化8】

【0030】
以下に、本発明における式(I)で表される化合物の製造法について、例を挙げて説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。なお、本明細書において、記載の簡略化のために次の略号を使用することもある。
Boc:tert-ブトキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
TBDMS:tert-ブチルジメチルシリル
TBDPS:tert-ブチルジフェニルシリル
Me:メチル
Et:エチル
i−Pr:イソプロピル
Bu:ブチル
Ph:フェニル
Bn:ベンジル
Alloc:アリルオキシカルボニル
MOM:メトキシメチル
THP:テトラヒドロピラニル
【0031】
式(I)で表される化合物は公知化合物から公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができる。例えば、次の方法により合成できる。
【0032】
製造法1
式(1−9)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0033】
【化9】

[式中、R5は、前記記載と同義であり、Rはアルキル基を表し、RN2は、Alloc、Boc、Cbz等を表し、ROは、MOM、THP、TBDMS、TBDPS等を表す。]
1)工程1
化合物(1−2)は、不活性溶媒中、化合物(1−1)と還元剤を反応させることにより製造することができる。還元剤としては、例えば、ボラン-テトラヒドロフラン錯体、ボラン-ジメチルスルフィド錯体または水素化ホウ素リチウム等が挙げられ、好適にはボラン-テトラヒドロフラン錯体等が挙げられる。還元剤の使用量としては、化合物(1−1)に対して通常1〜3当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、または1,4−ジオキサン等)、またはその混合溶媒等が挙げられ、好適にはテトラヒドロフラン等が挙げられる。反応温度としては、約0℃〜約80℃の範囲から選択することができる。
2)工程2
化合物(1−3)は、不活性溶媒中、化合物(1−2)を、酸化剤と反応させることにより製造される。酸化剤としては、例えば、ジメチルスルホキシドと塩化オキサリルから調製される酸化剤またはデス-マーチンペルヨージナン等が挙げられ、好適にはジメチルスルホキシドと塩化オキサリルから調製される酸化剤等が挙げられる。酸化剤の使用量としては、化合物(1−2)に対し通常1〜2当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素系溶媒(ジクロロメタンまたはクロロホルム等)、またはその混合溶媒等が挙げられ、好適には、ジクロロメタン等が挙げられる。反応温度としては、約−60℃〜約30℃の範囲から選択することができる。
3)工程3
化合物(1−4)は、不活性溶媒中、塩基の存在下または非存在下、化合物(1−3)とシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムを反応させることにより製造することができる(例えば、Org. Synth., 63, 79 (1985)、 J. Am. Chem. Soc., 70, 1450 (1948)等参照)。シアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムの使用量としては、化合物(1−3)に対して通常1〜2当量の範囲から選択される。塩基としては、例えば、亜硫酸アルカリ(亜硫酸水素ナトリウムまたは亜硫酸水素カリウム等)等が挙げられ、好適には、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−3)に対して通常1〜3当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、水、非プロトン性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好適には、水とアセトニトリルの混合溶媒が挙げられる。反応温度としては、約0℃〜約30℃の範囲から選択することができる。
4)工程4
化合物(1−6)は、化合物(1−4)から下記に示す(1)〜(3)の反応を行うことによって製造することができる。
(1)化合物(1−4)を、酸の存在下、不活性溶媒中、水と反応させる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸または硝酸等が挙げられ、好適には、塩酸が挙げられる。水の使用量としては、通常溶媒量を用いる。不活性溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン等)、またはその混合溶媒等が挙げられ、好適には、1,4-ジオキサン等が挙げられる。反応温度としては、約20℃〜約100℃の範囲から選択することができる。
(2)上記(1)における反応混合物から水と溶媒を減圧留去し、濃縮残渣に対し、化合物(1−5)と酸を加え、反応させる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸または硝酸等が挙げられ、好適には塩酸等が挙げられる。酸の使用量としては、化合物(1−4)に対し通常5〜50当量の範囲から選択される。化合物(1−5)の使用量としては、通常溶媒量を用いる。反応温度としては、約0℃〜約30℃の範囲から選択される。
(3)上記(2)における反応生成物のアミノ基を保護する。例えばBoc基で保護する場合、上記(2)における反応混合物から酸と溶媒を減圧留去した濃縮残渣に対し、不活性溶媒、ジ-tert-ブチルジカルボネート等のBoc化試薬および塩基を加え、反応させる。不活性溶媒としては、例えば、水、非プロトン性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン等)またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。Boc化試薬の使用量としては、化合物(1−4)に対して通常1〜2当量の範囲から選択される。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム等の無機塩基、N-メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン,1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンまたはピリジン等の有機塩基が挙げられ、好適には、トリエチルアミン等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−4)に対して、通常1〜5当量の範囲から選択される。反応温度としては、約20℃〜約110℃の範囲から選択される。
5)工程5
化合物(1−7)は、化合物(1−6)の水酸基を保護することによって製造することができる。例えばMOM基で保護する場合、不活性溶媒中、化合物(1−6)、クロロメチルメチルエーテル等のMOM化試薬と塩基を反応させることにより製造することができる。MOM化試薬の使用量としては、化合物(1−6)に対して通常1〜5当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、非プロトン性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(ジクロロメタンまたはクロロホルム等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、上記の工程4(3)に示した無機塩基および有機塩基が上げられ、好適には、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−6)に対して、通常1〜5当量の範囲から選択される。反応温度としては、約20℃〜約80℃の範囲から選択することができる。
6)工程6
化合物(1−8)は、不活性溶媒中、化合物(1−7)とヒドラジンを反応させることにより製造することができる(例えば、Org. Lett., 1, 1189 (1999)等参照)。ヒドラジンの使用量としては、化合物(1−7)に対して通常10〜50当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒(メタノールまたはエタノール等)、またはその混合溶媒等が挙げられ、好適には、メタノールが挙げられる。反応温度としては、約0℃〜約30℃の範囲から選択することができる。
7)工程7
化合物(1−9)は、不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(1−8)とN,N'-カルボニルジイミダゾールまたはトリホスゲンを反応させることにより製造することができる(例えば、J. Het. Chem., 32, 123 (1995)等参照)。N,N'-カルボニルジイミダゾールの使用量としては、化合物(1−8)に対して通常1〜1.5当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン等)またはその混合溶媒等が挙げられ、好適には、テトラヒドロフラン等が挙げられる。塩基としては、上記の工程4(3)に示した無機塩基および有機塩基が上げられ、好適には、トリエチルアミン等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−8)に対して、通常1〜5当量の範囲から選択される。反応温度としては、約0℃〜約30℃の範囲から選択することができる。
【0034】
製造法2
式(2−2)および式(2−4)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0035】
【化10】

[式中、R5、R15、RO、およびRN2は、前記記載と同義である。RWは置換されてもよいアリール基、または置換されてもよいヘテロアリール基を表し、Xは脱離基(例えばヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシまたはp−トルエンスルホニルオキシ等)を表す。]
1)工程1
化合物(2−2)は、化合物(1−9)を不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(2−1)と反応させることにより製造することができる。化合物(2−1)の使用量としては、化合物(1−9)に対して通常1〜5当量の範囲から選択される。塩基としては、製造法1の工程4(3)に示した無機塩基および有機塩基が上げられ、好適には、炭酸カリウム等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−9)に対して、通常1〜5当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、非プロトン性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等)またはその混合溶媒等が挙げられ、好適には、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。反応温度としては、約20℃〜約100℃の範囲から選択される。
2)工程2
化合物(2−4)は、化合物(1−9)を不活性溶媒中、空気気流下、モレキュラーシーブス存在下、化合物(2−3)と酢酸銅(II)、塩基を反応させることで製造することができる(例えば、Tetrahedron, 55, 12757 (1999) 等参照)。化合物(2−3)の使用量としては、化合物(1−9)に対して通常1〜5当量の範囲から選択される。塩基としては、製造法1の工程4(3)に示した有機塩基が挙げられ、好適には、ピリジン等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−9)に対して通常1〜5当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素系溶媒(ジクロロメタンまたはクロロホルム等)またはその混合溶媒等が挙げられ、好適には、ジクロロメタンが挙げられる。反応温度としては、約20℃〜約40℃の範囲から選択される。
【0036】
製造法3
式(I)で表される化合物のうち、式(3−6)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0037】
【化11】

[式中、R1〜R5、RO、RN2、W、およびZは、前記記載と同義である。]
1)工程1
化合物(3−2)は、化合物(3−1)を脱保護することによって製造することができる。例えばROがMOM基、RN2がBoc基の場合、不活性溶媒中、酸存在下、化合物(3−1)と水またはアルコールを反応させることによって製造することができる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸またはメタンスルホン酸等が挙げられ、好適にはp−トルエンスルホン酸等が挙げられる。酸の使用量としては、化合物(3−1)に対し通常2〜5当量の範囲から選択される。アルコールとしては、例えば、メタノールまたはエタノール等が挙げられ、好適にはメタノール等が挙げられる。アルコールの使用量としては、通常溶媒量が用いられる。反応温度としては、約20℃〜約80℃の範囲から選択することができる。
2)工程2
化合物(3−4)は、不活性溶媒中、化合物(3−2)と化合物(3−3)、縮合剤、塩基を反応させることで製造することができる(例えば、Org. Lett., 3, 781 (2001) 等参照)。化合物(3−3)の使用量としては、化合物(3−2)に対して通常1〜5当量の範囲から選択される。縮合剤としては、例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、(ベンゾトリアゾール-1-イロキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート等、またはそれらと1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ等が挙げられ、好適には1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩と1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ等が挙げられる。縮合剤の使用量としては、化合物(3−2)に対し通常1〜5当量の範囲から選択される。塩基としては、製造法1の工程4(3)に示した有機塩基が挙げられ、好適には、トリエチルアミンまたはN−メチルモルホリン等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(3−2)に対し通常1〜5当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、非プロトン性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等)、またはその混合溶媒等が挙げられ、好適には、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。反応温度としては、約20℃〜約40℃の範囲から選択される。
3)工程3
化合物(3−5)は、不活性溶媒中、化合物(3−4)を、酸化させることにより製造することができる。酸化剤としては、例えば、酸化マンガン(IV)、酸化クロム(VI)、二クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウム、ジメチルスルホキシドと塩化オキサリルから調製される酸化剤またはデス-マーチンペルヨージナン等が挙げられ、好適には酸化マンガン(IV)等が挙げられる。酸化剤の使用量としては、化合物(3−4)に対し通常1〜20当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、水、非プロトン性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(ジクロロメタンまたはクロロホルム等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好適には、テトラヒドロフラン等が挙げられる。反応温度としては、約0℃〜約60℃の範囲から選択することができる。
4)工程4
化合物(3−6)は、化合物(3−5)を、脱保護することにより製造される。例えば保護基がBoc基の場合、不活性溶媒中、化合物(3−5)を酸と反応させることによって製造することができる。酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸または硝酸等が挙げられ、好適にはp−トルエンスルホン酸または塩酸等が挙げられる。酸の使用量としては、化合物(3−5)に対して通常5〜50当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、水、非プロトン性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(ジクロロメタンまたはクロロホルム等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン等)、アルコール系溶媒(メタノールまたはエタノール等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好適には、1,4-ジオキサン等が挙げられる。反応温度としては、約0℃〜約80℃の範囲から選択される。
【0038】
製造法4
式(3−3)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0039】
【化12】

[式中、R1〜R4、R、RN2、ZおよびXは、前記記載と同義である。]
1)工程1
化合物(4−3)は、塩基存在下、不活性溶媒中、化合物(4−1)と化合物(4−2)を反応させることにより製造することができる(例えば、Tetrahedron Lett., 41, 3309 (2000)等参照)。化合物(4−2)の使用量としては、化合物(4−1)に対して通常1〜1.5当量の範囲から選択される。塩基としては、製造法1の工程4(3)に示した無機塩基および有機塩基が上げられ、好適には、炭酸ナトリウム等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(4−1)に対して、通常1〜5当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、非プロトン性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等)またはその混合溶媒等が挙げられ、好適には、アセトニトリル等が挙げられる。反応温度としては、約20℃〜約80℃の範囲から選択される。
2)工程2
製造法1記載の工程4(3)と同様な方法によって、化合物(4−3)から化合物(4−4)を製造することができる。
3)工程3
化合物(3−3)は、不活性溶媒中、化合物(4−4)と塩基を反応させることにより製造することができる。塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等が挙げられ、好適には水酸化ナトリウム等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(4−4)に対して通常2〜20当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、水、アルコール系溶媒(メタノールまたはエタノール等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好適には、メタノール等が挙げられる。反応温度としては、約0℃〜約30℃の範囲から選択することができる。
【0040】
製造法5
式(3−3)で表される化合物のうち、式(5−10)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0041】
【化13】

[式中、m1、m2、R11、R12、RN2、R、Xは、前記記載と同義であり、RN1はNHAlloc、N=C(Ph)2、NHBoc、NHCbzまたは下記式(G1):
【0042】
【化14】

を表す。]
1)工程1
化合物(5−2)は、不活性溶媒中、塩基存在下、化合物(5−1)とベンジルブロミドまたはベンジルクロリドを反応させることにより製造することができる。塩基としては、製造法1の工程4(3)に示した無機塩基および有機塩基が上げられ、好適には、炭酸カリウム等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(5−1)に対して、通常1〜5当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、非プロトン性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等)またはその混合溶媒等が挙げられ、好適には、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。反応温度としては、約0℃〜約30℃の範囲から選択することができる。
2)工程2
化合物(5−3)は、製造法3記載の工程4と同様な方法によって、化合物(5−2)から製造することができる。
3)工程3
化合物(5−5)は、製造法4記載の工程1と同様な方法によって、化合物(5−3)と化合物(5−4)から製造することができる。
4)工程4
化合物(5−6)は、製造法1記載の工程4(3)と同様な方法によって、化合物(5−5)から製造することができる。
5)工程5
化合物(5−7)は、不活性溶媒中、パラジウム-カーボン触媒存在下、化合物(5−6)を水素と反応させることにより製造することができる。パラジウム-カーボン触媒の使用量としては、化合物(5−6)に対して、通常0.01〜1倍量(重量比)の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒(メタノールまたはエタノール等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好適には、テトラヒドロフラン等が挙げられる。反応温度としては、約0℃〜約30℃の範囲から選択することができる。
6)工程6
化合物(5−9)は、製造法3記載の工程2と同様な方法によって、化合物(5−7)と化合物(5−8)から製造することができる。
7)工程7
化合物(5−10)は、製造法4記載の工程3と同様な方法によって、化合物(5−9)から製造することができる。
【0043】
化合物(5−8)は公知の方法によって製造することができる。化合物(5−8)の具体的な例として、化合物(5−8a)から化合物(5−8s)の合成例を以下に示す。化合物(5−8a)から化合物(5−8s)は、薬学上許容される塩を含む。
【0044】
【化15】

【0045】
以上において使用した原料や試薬などは、特にことわらない限り、市販の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法を用いて製造することができる。
【0046】
以上の各製造工程において、各反応の原料化合物が水酸基、アミノ基またはカルボキシ基のような、反応に活性な基を有する場合には、必要に応じて反応させたい部位以外のこれらの基を予め適当な保護基で保護しておき、それぞれの反応を実施した後またはいくつかの反応を実施した後に保護基を除去することにより、目的とする化合物を得ることができる。水酸基、アミノ基、カルボキシ基などを保護する保護基としては、有機合成化学の分野で使われる通常の保護基を用いればよく、このような保護基の導入および除去は通常の方法に従って行うことができる(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene, P. G. M. Wuts共著、第2版、John Wiley & Sons, Inc. (1991)に記載の方法)。
例えば、水酸基の保護基としては、tert-ブチルジメチルシリル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基などが挙げられ、アミノ基の保護基としてはtert−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。このような水酸基の保護基は、塩酸、硫酸、酢酸などの酸の存在下、含水メタノール、含水エタノール、含水テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させることにより除去することができる。また、tert-ブチルジメチルシリル基の場合は、例えばフッ化テトラブチルアンモニウムの存在下、テトラヒドロフランなどの溶媒中で行うこともできる。アミノ基の保護基の除去は、tert−ブチルオキシカルボニル基の場合は、例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸などの酸の存在下、含水テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、含水メタノールなどの溶媒中で反応させることにより行なわれ、ベンジルオキシカルボニル基の場合は、例えば、臭化水素酸などの酸存在下、酢酸などの溶媒中で反応させることにより行うことができる。
カルボキシ基を保護する場合の保護の形態としては、例えばtert−ブチルエステル、オルトエステル、酸アミドなどが挙げられる。このような保護基の除去は、tert−ブチルエステルの場合は、例えば塩酸の存在下、含水溶媒中で反応させることにより行われ、オルトエステルの場合は、例えば、含水メタノール、含水テトラヒドロフラン、含水1,2−ジメトキシエタンなどの溶媒中、酸で処理し、引き続いて水酸化ナトリウムなどのアルカリで処理することにより行われ、酸アミドの場合は、例えば、塩酸、硫酸などの酸の存在下、水、含水メタノール、含水テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させることにより行うことができる。
【0047】
式(I)で表される化合物は、光学活性中心を有するものも含まれ、したがって、これらはラセミ体として、または、光学活性の出発材料が用いられた場合には光学活性型で得ることができる。必要であれば、得られたラセミ体を、物理的にまたは化学的にそれらの光学対掌体に公知の方法によって分割することができる。好ましくは、光学活性分割剤を用いる反応によってラセミ体からジアステレオマーを形成する。異なるかたちのジアステレオマーは、例えば分別結晶などの公知の方法によって分割することができる。
【0048】
本発明の化合物およびそのプロドラッグは、例えば水、メタノール、エタノール、アセトン等の溶媒中で、薬学上許容される酸と混合することで、塩にすることができる。薬学上許容される酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスコルビン酸等の有機酸が挙げられる。
【0049】
本発明化合物は、そのDPP-IVに対する阻害作用より様々な疾病の治療への応用が考えられる。本明細書に記載の化合物は、前糖尿病状態における食後高血糖の抑制、非インスリン依存性糖尿病の治療、関節炎や関節リュウマチなど自己免疫性疾患の治療、腸管粘膜疾患の治療、成長促進、移植臓器片の拒絶反応抑制、肥満治療、摂食障害の治療、HIV感染の治療、癌転移の抑制、前立腺肥大症の治療、歯根膜炎の治療、および骨粗鬆症の治療に有用である。
【0050】
本発明化合物は、治療に使用する場合に、医薬組成物として、経口的または非経口的(例えば、静脈内、皮下、もしくは筋肉内注射、局所的、経直腸的、経皮的、または経鼻的)に投与することができる。経口投与のための組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤などが挙げられ、非経口投与のための組成物としては、例えば、注射用水性剤、もしくは油性剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤、坐剤、貼付剤などが挙げられる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、製剤分野において通常使用される無毒性かつ不活性な担体もしくは賦形剤を含有することができる。
【0051】
用量は、個々の化合物により、また患者の疾患、年齢、体重、性別、症状、投与経路等により変化するが、通常は成人(体重50 kg)に対して、本発明の化合物、そのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を、0.1〜1000 mg/日、好ましくは1〜300 mg/日を1日1回または2ないし3回に分けて投与する。また、数日〜数週に1回投与することもできる。
【0052】
本発明化合物は、その効果の増強を目的として、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。本発明化合物および併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としても良い。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
【0053】
なお、糖尿病治療剤としては、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤など)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩酸塩、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはそのマレイン酸塩、GI−262570、JTT−501、MCC−555、YM−440、KRP−297、CS−011等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド剤(例、メトホルミン等)、インスリン分泌促進剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等のスルホニルウレア剤;レパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド等)、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤(例、シタグリプチンまたはそのリン酸塩、ビルダグリプチン、アログリプチンまたはその安息香酸塩、デナグリプチンまたはそのトシル酸塩等)、GLP−1、GLP−1アナログ(エキセナタイド、リラグルタイド、SUN−E7001、AVE010、BIM−51077、CJC1131等)、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸等)、β3アゴニスト(例、GW−427353B、N−5984等)が挙げられる。
【0054】
糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポレスタット、ミナレスタット、フィダレスタット、ラニレスタット、SK−860、CT−112等)、神経栄養因子(例、NGF、NT−3、BDNF等)、PKC阻害剤(例、LY−333531等)、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)等)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン等)が挙げられる。抗高脂血症剤としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチンまたはそれらのナトリウム塩等)、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT阻害剤等が挙げられる。降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、リジノプリル、イミダプリル、ベナゼプリル、シラザプリル、テモカプリル、トランドラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタン、シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサンタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン等)、カルシウム拮抗剤(例、塩酸ニカルジピン、塩酸マニジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニルバジピン、アムロジピン等)等が挙げられる。
【0055】
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、SR−141716A等)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット等)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849等)等が挙げられる。利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
【0056】
併用薬剤は、好ましくはGLP−1、GLP−1アナログ、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤などである。上記併用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組み合せて用いてもよい。
【0057】
本発明化合物が、併用薬剤と組み合せて使用される場合には、これらの薬剤の使用量は、薬剤の副作用を考えて安全な範囲内で低減できる。特に、ビグアナイド剤は通常の投与量よりも低減できる。したがって、これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は安全に防止できる。それに加えて、糖尿病合併症剤、抗高脂血症剤、降圧剤などの投与量は低減でき、その結果これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は効果的に防止できる。
【0058】
以下に本発明を、参考例、実施例および試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。尚、以下の参考例および実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。なお、記載の簡略化のために略号を使用することもあるが、これらの略号は前記記載と同義である。
【実施例1】
【0059】
実施例1
5-{N-[3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシル-L-プロリル}-3-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン 塩酸塩
【0060】
【化16】

tert-ブチル [3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート(108 mg)の1,4-ジオキサン(0.2 ml)溶液に4N塩酸/1,4-ジオキサン溶液(0.5 ml)を加えて25℃で4時間撹拌した後、減圧濃縮し、残渣をtert-ブチルメチルエーテル(2.0 ml)に懸濁し、固体を濾取、乾燥することで、表題の化合物(54.4 mg)を白色アモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.25-9.22 (m, 2H), 7.26-7.13 (m, 4H), 5.14-5.10 (m, 1H), 4.70-4.63 (m, 2H), 4.08-4.04 (m, 2H), 3.73-3.64 (m, 4H), 3.47 (s, 3H), 2.98-2.80 (m, 4H), 2.31-2.28 (m, 1H), 2.03-1.93 (m, 3H), 1.35-1.30 (m, 6H).
MS (ESI+) 470([M+H]+, 100%).
【0061】
実施例1と同様の方法で、実施例2〜6の化合物を合成した。
【0062】
【化17】

【0063】
実施例2
5-{N-[3-(4-フルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシル-L-プロリル}-3-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン 塩酸塩
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.25-9.20 (m, 2H), 7.41-7.38 (m, 1H), 7.27-7.14 (m, 2H), 5.15-5.12 (m, 1H), 4.97-4.94 (m, 2H), 4.74-4.72 (m, 2H), 4.10-4.09 (m, 2H), 3.71-3.66 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 2.93-2.91 (m, 2H), 2.30-2.28 (m, 1H), 2.07-1.94 (m, 3H), 1.39 (s, 6H).
MS (ESI+) 474([M+H]+, 100%).
実施例3
5-{N-[3-(5-フルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシル-L-プロリル}-3-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン 塩酸塩
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.25-9.23 (m, 2H), 7.43-7.37 (m, 1H), 7.27-7.13 (m, 2H), 5.15-5.12 (m, 1H), 4.88-4.84 (m, 2H), 4.67-4.64 (m, 2H), 4.08-4.07 (m, 2H), 3.71-3.63 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 2.90-2.88 (m, 2H), 2.30-2.28 (m, 1H), 2.07-1.91 (m, 3H), 1.59 (s, 6H).
MS (ESI+) 474([M+H]+, 65%).
実施例4
5-{N-[1,1-ジメチル-3-(5-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-3-オキソプロピル]グリシル-L-プロリル}-3-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン 塩酸塩
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.26-9.24 (m, 2H), 7.27-7.22 (m, 1H), 7.18-7.12 (m, 2H), 5.15-5.12 (m, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.63-4.62 (m, 2H), 4.08-4.07 (m, 2H), 3.71-3.65 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 2.90-2.88 (m, 2H), 2.32-2.28 (m, 4H), 2.07-1.93 (m, 3H), 1.38-1.36 (m, 6H).
MS (ESI+) 470([M+H]+, 100%).
実施例5
5-{N-[3-(1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシル-L-プロリル}-3-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン 塩酸塩
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.30-9.27 (m, 2H), 7.33-7.12 (m, 4H), 5.17-5.13 (m, 1H), 4.89 (s, 2H), 3.73-3.71 (m, 2H), 3.71-3.64 (m, 2H), 3.45 (s, 3H), 2.92-2.87 (m, 2H), 2.30-2.27 (m, 1H), 2.07-1.91 (m, 3H), 1.71-1.66 (m, 6H), 1.38-1.33 (m, 6H).
MS (ESI+) 484([M+H]+, 100%).
実施例6
5-{N-[3-(2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシル-L-プロリル}-3-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン 塩酸塩
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.23-9.13 (m, 2H), 8.06-8.04 (m, 1H), 7.29-7.23 (m, 1H), 7.20-7.12 (m, 1H), 7.08-7.04 (m, 1H), 5.16-5.13 (m, 1H), 4.14-4.10 (m, 4H), 3.72-3.66 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 3.18 (t, J=8.3 Hz, 2H), 3.02-3.00 (m, 2H), 2.30-2.28 (m, 1H), 2.07-1.94 (m, 3H), 1.42-1.41 (m, 6H).
MS (ESI+) 456([M+H]+, 100%).
【0064】
実施例7
5-{N-[3-(1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシル-L-プロリル}-3-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン
【0065】
【化18】

tert-ブチル [3-(1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート(100 mg)のエタノール(2.0 ml)溶液にp-トルエンスルホン酸1水和物(68.5 mg)を加えて80℃で0.5時間撹拌した。放冷後、反応液に飽和重曹水(10 ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/1〜10/1)により精製することで表題の化合物(52 mg)を白色アモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.32-7.26 (m, 4H), 5.25-5.20 (m, 2H), 4.83-4.77 (m, 4H), 3.70-3.66 (m, 2H), 3.53 (s, 3H), 3.52-3.45 (m, 2H), 2.48-2.46 (m, 2H), 2.26-2.23 (m, 1H), 2.14-1.93 (m, 3H), 1.26-1.24 (m, 6H).
MS (ESI+) 456 ([M+H]+, 100%).
【0066】
実施例7と同様の方法で、実施例8〜14の化合物を合成した。
【0067】
【化19】

【0068】
実施例8
5-{N-[3-(1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシル-L-プロリル}-3-イソプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.29-7.23 (m, 4H), 5.27-5.24 (m, 2H), 4.83 (s, 2H), 4.78 (s, 2H), 4.45-4.38 (m, 1H), 3.69-3.59 (m, 2H), 3.47-3.38 (m, 2H), 2.48 (s, 2H), 2.28-2.25 (m, 1H), 2.10-2.04 (m, 2H), 1.97-1.94 (m, 1H), 1.46-1.40 (m, 6H), 1.34-1.26 (m, 6H).
MS (ESI+) 484 ([M+H]+, 100%).
実施例9
3-ブチル-5-{N-[3-(1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシル-L-プロリル}-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.29-7.27 (m, 4H), 5.26-5.23 (m, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.78 (s, 2H), 3.83-3.79 (m, 2H), 3.69-3.61 (m, 2H), 3.47-3.39 (m, 2H), 2.47 (s, 2H), 2.27-2.25 (m, 1H), 2.06-1.93 (m, 3H), 1.77-1.73 (m, 2H), 1.65-1.60 (m, 1H), 1.42-1.36 (m, 2H), 1.27-1.24 (m, 6H), 0.96 (t, J=7.4 Hz, 3H).
MS (ESI+) 498 ([M+H]+, 100%).
実施例10
5-[N-(2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)グリシル-L-プロリル]-3-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.26-5.23 (m, 1H), 3.67-3.56 (m, 2H), 3.53 (s, 3H), 3.42-3.41 (m, 2H), 3.33 (s, 3H), 3.17 (s, 2H), 2.26-2.24 (m, 1H), 2.14-2.04 (m, 2H), 1.97-1.93 (m, 2H), 1.06 (s, 6H).
MS (ESI+) 341([M+H]+, 100%).
実施例11
5-[N-(2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)グリシル-L-プロリル]-3-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.88-7.85 (m, 2H), 7.50-7.46 (m, 2H), 7.36-7.34 (m, 1H), 5.38-5.34 (m, 2H), 3.69-3.61 (m, 2H), 3.45-3.43 (m, 2H), 3.32 (s, 3H), 3.17 (s, 2H), 2.18-2.04 (m, 4H), 1.06 (s, 6H).
MS (ESI+) 403([M+H]+, 100%).
実施例12
5-[N-(2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)グリシル-(4S)-4-フルオロ-L-プロリル]-3-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.47-5.39 (m, 2H), 3.94-3.81 (m, 2H), 3.54 (s, 3H), 3.51-3.45 (m, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.19-3.16 (m, 2H), 2.61-2.59 (m, 1H), 2.15-2.05 (m, 1H), 1.95-1.85 (m, 1H), 1.08-1.05 (m, 6H).
MS (ESI+) 359([M+H]+, 100%).
実施例13
5-[N-(2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)グリシル-(4S)-4-フルオロ-L-プロリル]-3-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.88-7.86 (m, 2H), 7.50-7.45 (m, 2H), 7.36-7.34 (m, 1H), 5.54-5.23 (m, 2H), 3.97-3.92 (m, 2H), 3.46-3.39 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.22-3.16 (m, 2H), 2.68-2.62 (m, 1H), 2.21-2.11 (m, 1H), 1.92-1.89 (m, 1H), 1.05-1.04 (m, 6H).
MS (ESI+) 421([M+H]+, 100%).
実施例14
5-({(1S,3S,5S)-2-[N-(2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)グリシル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル}カルボニル)-3-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.88-7.84 (m, 2H), 7.49-7.44 (m, 2H), 7.35-7.32 (m, 1H), 5.77 (dd, J=4.7, 11.5 Hz, 1H), 3.79-3.77 (m, 2H), 3.63-3.58 (m, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.23-3.16 (m, 2H), 2.75-2.70 (m, 1H), 2.11-2.08 (m, 1H), 1.95-1.90 (m, 1H), 1.68-1.61 (m, 1H), 1.08 (s, 6H), 1.06-1.01 (m, 1H), 0.70-0.68 (m, 1H).
MS (ESI+) 415([M+H]+, 100%).
【0069】
参考例1
tert-ブチル [3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート
【0070】
【化20】

tert-ブチル (2S)-2-[(メトキシメトキシ)(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(151 mg)、p-トルエンスルホン酸(168 mg)のエタノール(6 ml)溶液を80℃で4時間撹拌した。放冷後、反応溶液を減圧濃縮した。
エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシネート(184 mg)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)溶液にメタノール(5 ml)、1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.8 ml)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮し、N, N-ジメチルホルムアミド(1.5 ml)に溶解させて上記の濃縮残渣に加え、1つの反応液とした。
反応液に0℃で1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(60 mg)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(92 mg)、N-メチルモルホリン(0.15 ml)を加え、室温で18時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮した。得られた残渣のテトラヒドロフラン(7 ml)溶液に二酸化マンガン(696 mg)を加え、50℃で3時間加熱撹拌した。反応液をセライトで濾過、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/10)により精製することで表題の化合物(122 mg)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.26-7.12 (m, 4H), 5.28-5.23 (m, 1H), 4.69 (s, 2H), 4.21-4.19 (m, 4H), 3.77-3.66 (m, 2H), 3.52 (s, 3H), 3.25-3.21 (m, 2H), 2.89-2.81 (m, 2H), 2.27-2.24 (m, 1H), 2.10-2.04 (m, 2H), 1.93-1.90 (m, 1H), 1.53-1.52 (m, 6H), 1.38-1.36 (m, 9H).
MS (ESI+) 570 ([M+H]+, 26%).
【0071】
参考例1と同様の方法で、参考例2〜9の化合物を合成した。
【0072】
【化21】

【0073】
参考例2
tert-ブチル [3-(4-フルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.26-7.24 (m, 1H), 7.07-7.01 (m, 1H), 6.98-6.93 (m, 1H), 5.30-5.26 (m, 1H), 4.91-4.87 (m, 2H), 4.79-4.77 (m, 2H), 4.24-4.20 (m, 2H), 3.71-3.67 (m, 1H), 3.66-3.56 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.08-2.99 (m, 2H), 2.28-2.25 (m, 1H), 2.12-2.04 (m, 2H), 1.95-1.92 (m, 1H), 1.63-1.57 (m, 6H), 1.46-1.36 (m, 9H).
MS (ESI+) 574 ([M+H]+, 31%).
参考例3
tert-ブチル [3-(5-フルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.24-7.18 (m, 1H), 7.00-6.93 (m, 2H), 5.29-5.26 (m, 1H), 4.85-4.82 (m, 2H), 4.73-4.70 (m, 2H), 4.23-4.20 (m, 2H), 3.68-3.65 (m, 1H), 3.61-3.55 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.08-3.06 (m, 2H), 2.28-2.25 (m, 1H), 2.12-2.04 (m, 2H), 1.95-1.90 (m, 1H), 1.58-1.56 (m, 6H), 1.37-1.33 (m, 9H).
MS (ESI+) 574 ([M+H]+, 100%).
参考例4
tert-ブチル [1,1-ジメチル-3-(5-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.17-7.04 (m, 3H), 5.29-5.26 (m, 1H), 4.81 (s, 2H), 4.71 (s, 2H), 4.24-4.22 (m, 2H), 3.69-3.67 (m, 1H), 3.61-3.55 (m, 1H), 3.52 (s, 3H), 3.08-3.06 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.26-2.24 (m, 1H), 2.12-2.04 (m, 2H), 1.94-1.91 (m, 1H), 1.58-1.56 (m, 6H), 1.42-1.32 (m, 9H).
MS (ESI+) 570 ([M+H]+, 31%).
参考例5
tert-ブチル [3-(1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.31-7.13 (m, 4H), 5.29-5.26 (m, 1H), 4.89-4.82 (m, 2H), 4.22-4.20 (m, 2H), 3.69-3.65 (m, 1H), 3.60-3.55 (m, 1H), 3.52 (s, 3H), 3.02-2.96 (m, 2H), 2.26-2.24 (m, 1H), 2.10-2.04 (m, 2H), 1.94-1.92 (m, 1H), 1.73-1.71 (m, 6H), 1.58-1.57 (m, 6H), 1.36-1.34 (m, 9H).
MS (ESI+) 584 ([M+H]+, 40%).
参考例6
tert-ブチル [3-(2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.22-8.19 (m, 1H), 7.19-7.15 (m, 2H), 7.01-6.97 (m, 1H), 5.29-5.26 (m, 1H), 4.25-4.10 (m, 4H), 3.70-3.68 (m, 1H), 3.59-3.57 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.17-3.12 (m, 4H), 2.26-2.24 (m, 1H), 2.13-2.05 (m, 2H), 1.95-1.92 (m, 1H), 1.60-1.57 (m, 6H), 1.47 (s, 9H).
MS (ESI+) 556 ([M+H]+, 60%).
参考例7
tert-ブチル [3-(1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.31-7.28 (m, 4H), 5.29-5.26 (m, 1H), 4.86 (s, 2H), 4.76 (s, 2H), 4.24-4.21 (m, 2H), 3.71-3.68 (m, 1H), 3.65-3.56 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.08-3.06 (m, 2H), 2.30-2.23 (m, 1H), 2.17-2.04 (m, 2H), 1.96-1.88 (m, 1H), 1.65-1.58 (m, 6H), 1.57-1.48 (m, 9H).
MS (ESI+) 556 ([M+H]+, 85%).
参考例8
tert-ブチル [3-(1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル](2-{(2S)-2-[(4-イソプロピル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.28-7.26 (m, 4H), 5.33-5.29 (m, 1H), 4.87 (s, 2H), 4.76 (s, 2H), 4.44-4.39 (m, 1H), 4.28-4.24 (m, 2H), 3.71-3.67 (m, 1H), 3.58-3.56 (m, 1H), 3.10-3.02 (m, 2H), 2.31-2.30 (m, 1H), 2.09-2.04 (m, 2H), 1.95-1.89 (m, 1H), 1.63-1.58 (m, 6H), 1.46-1.37 (m, 15H).
MS (ESI+) 584 ([M+H]+, 100%).
参考例9
tert-ブチル (2-{(2S)-2-[(4-ブチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)[3-(1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.28-7.26 (m, 4H), 5.31-5.27 (m, 1H), 4.87 (s, 2H), 4.76 (s, 2H), 4.25-4.22 (m, 2H), 3.81 (t, J=7.2 Hz, 2H), 3.70-3.65 (m, 1H), 3.60-3.56 (m, 1H), 3.09-3.07 (m, 2H), 2.28-2.26 (m, 1H), 2.10-2.04 (m, 2H), 1.79-1.75 (m, 3H), 1.60-1.57 (m, 6H), 1.46-1.36 (m, 11H), 0.96 (t, J=7.2 Hz, 3H).
MS (ESI+) 598 ([M+H]+, 100%).
【0074】
参考例1と同様の方法で、参考例10〜14の化合物を合成した。
【0075】
【化22】

【0076】
参考例10
tert-ブチル (2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)(2-{(2S)-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.30-5.26 (m, 1H), 4.27-4.25 (m, 1H), 4.13-4.09 (m, 1H), 3.67-3.65 (m, 1H), 3.58-3.52 (m, 5H), 3.34 (s, 3H), 2.27-2.24 (m, 1H), 2.12-2.04 (m, 3H), 1.94-1.90 (m, 1H), 1.46-1.25 (m, 15H).
MS (ESI+) 441 ([M+H]+, 86%).
参考例11
tert-ブチル (2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)(2-オキソ-2-{(2S)-2-[(5-オキソ-4-フェニル-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}エチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.87-7.84 (m, 2H), 7.50-7.46 (m, 2H), 7.36-7.32 (m, 1H), 5.43-5.40 (m, 1H), 4.37-4.34 (m, 1H), 4.15-4.11 (m, 1H), 3.68-3.48 (m, 4H), 3.35 (s, 3H), 2.43-2.25 (m, 2H), 2.13-2.10 (m, 1H), 2.04-1.99 (m, 1H) 1.45 (s, 9H), 1.41-1.37 (m, 6H).
MS (ESI+) 505 ([M+H]+, 71%).
参考例12
tert-ブチル (2-{(2S,4S)-4-フルオロ-2-[(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)(2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.44-5.41 (m, 1H), 5.29-5.27 (m, 1H), 4.19-4.11 (m, 2H), 3.94-3.88 (m, 2H), 3.53 (s, 3H), 3.51-3.41 (m, 2H), 3.36 (s, 3H), 2.54-2.45 (m, 2H), 1.46-1.34 (m, 15H).
MS (ESI+) 459 ([M+H]+, 13%).
参考例13
tert-ブチル (2-{(2S,4S)-4-フルオロ-2-[(5-オキソ-4-フェニル-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]ピロリジン-1-イル}-2-オキソエチル)(2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.85-7.83 (m, 2H), 7.50-7.47 (m, 2H), 7.37-7.35 (m, 1H), 5.57-5.54 (m, 1H), 5.43-5.30 (m, 1H), 4.21-4.17 (m, 2H), 3.98-3.92 (m, 2H), 3.53-3.45 (m, 2H), 3.36 (s, 3H), 2.97 (d, J=10.7 Hz, 1H), 2.61-2.54 (m, 1H), 1.48-1.42 (m, 15H).
MS (ESI+) 521 ([M+H]+, 19%).
参考例14
tert-ブチル (2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル)(2-オキソ-2-{(1S,3S,5S)-3-[(5-オキソ-4-フェニル-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)カルボニル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル}エチル)カルバメート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.86-7.83 (m, 2H), 7.49-7.44 (m, 2H), 7.36-7.32 (m, 1H), 5.80 (dd, J = 4.4, 11.6 Hz, 1H), 4.32-4.29 (m, 2H), 3.54-3.42 (m, 3H), 3.37 (s, 3H), 2.80-2.68 (m, 1H), 1.99 (dd, J=4.4, 13.8 Hz, 1H), 1.81-1.79 (m, 1H), 1.46-1.41 (m, 15H), 1.48-1.14 (m, 1H), 0.93-0.90 (m, 1H).
MS (ESI+) 515 ([M+H]+, 17%).
【0077】
参考例15
tert-ブチル (2S)-2-[(メトキシメトキシ)(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0078】
【化23】

tert-ブチル (2S)-2-[(メトキシメトキシ)(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(4.73 g)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(30 ml)にヨウ化メチル(4.08 g)、炭酸カリウム(7.89 g)を加えて、室温で3時間撹拌した。反応溶液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮することで、表題の化合物の粗生成物(4.84 g)を得た。この化合物は精製せず、次の反応に用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.91-4.90 (m, 1H), 4.70-4.61 (m, 2H), 4.11-4.09 (m, 2H), 3.51-3.49 (m, 1H), 3.41-3.36 (m, 6H), 2.17-2.15 (m, 1H), 1.97-1.92 (m, 2H), 1.83-1.81 (m, 1H), 1.44-1.27 (m, 9H).
MS (ESI+) 344 ([M+H]+, 11%).
【0079】
参考例16
tert-ブチル (2S)-2-[(4-イソプロピル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)(メトキシメトキシ)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0080】
【化24】

参考例15と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例16の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.01-4.93 (m, 1H), 4.70-4.61 (m, 2H), 4.38-4.25 (m, 2H), 3.38-3.32 (m, 4H), 3.17-3.15 (m, 1H), 2.18-2.04 (m, 2H), 1.81-1.76 (m, 1H), 1.72-1.65 (m, 1H), 1.48-1.45 (m, 9H), 1.36-1.34 (m, 6H).
MS (ESI+) 372 ([M+H]+, 55%).
【0081】
参考例17
tert-ブチル (2S)-2-[(4-ブチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)(メトキシメトキシ)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0082】
【化25】

参考例15と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例17の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.99-4.91 (m, 1H), 4.70-4.61 (m, 2H), 4.25-4.15 (m, 1H), 3.72-3.66 (m, 2H), 3.52-3.49 (m, 1H), 3.38-3.32 (m, 3H), 3.21-3.15 (m, 1H), 2.17-2.05 (m, 3H), 1.79-1.74 (m, 1H), 1.74-1.69 (m, 2H) 1.48-1.45 (m, 9H), 1.37-1.33 (m, 2H), 0.94 (t, J=7.3 Hz, 3H).
MS (ESI+) 386 ([M+H]+, 14%).
【0083】
参考例18
tert-ブチル (2S,4S)-4-フルオロ-2-[(メトキシメトキシ)(4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0084】
【化26】

参考例15と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例18の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.33-4.92 (m, 1H), 4.70-4.65 (m, 2H), 4.33-4.29 (m, 2H), 3.70-3.56 (m, 2H), 3.39-3.35 (m, 6H), 2.63-2.31 (m, 2H), 1.49-1.36 (m, 9H).
MS (ESI+) 362 ([M+H]+, 10%).
【0085】
参考例19
tert-ブチル (2S)-2-[(メトキシメトキシ)(5-オキソ-4-フェニル-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0086】
【化27】

tert-ブチル (2S)-2-[(メトキシメトキシ)(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(50.0 mg)のジクロロメタン溶液(1.2 ml)にフェニルボロン酸(55.5 mg)、酢酸銅(II)(55.2 mg)、モレキュラーシーブス4A(25 mg)、ピリジン(49.2 μl)を加えて、空気気流下、室温で5時間撹拌した。反応溶液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜3/1)により精製することで表題の化合物(40.8 mg)を白色アモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.86-7.83 (m, 2H), 7.45-7.41 (m, 2H), 7.26-7.25 (m, 1H), 5.05-4.99 (m, 1H), 4.77-4.66 (m, 2H), 4.31-4.13 (m, 1H), 3.55-3.52 (m, 1H), 3.42-3.32 (m, 3H), 3.27-3.25 (m, 1H), 2.22-2.01 (m, 3H), 1.86-1.81 (m, 1H), 1.50-1.39 (m, 9H).
MS (ESI+) 406 ([M+H]+, 38%).
【0087】
参考例20
tert-ブチル (2S,4S)-4-フルオロ-2-[(メトキシメトキシ)(5-オキソ-4-フェニル-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0088】
【化28】

参考例19と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例20の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.26-8.24 (m, 2H), 7.86-7.83 (m, 2H), 7.39-7.25 (m, 1H), 5.35-4.83 (m, 1H), 4.75-4.72 (m, 2H), 4.17-4.06 (m, 2H), 3.72-3.58 (m, 2H), 3.41 (s, 3H), 2.26-2.04 (m, 2H), 1.34-1.22 (m, 9H).
MS (ESI+) 424 ([M+H]+, 13%).
【0089】
参考例21
tert-ブチル (1S,3S,5S)-3-[(メトキシメトキシ)(5-オキソ-4-フェニル-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート
【0090】
【化29】

参考例19と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例21の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.84-7.82 (m, 2H), 7.43-7.42 (m, 2H), 7.24-7.21 (m, 1H), 5.07-5.05 (m, 1H), 4.78-4.77 (m, 1H), 4.67-4.65 (m, 1H), 4.54-4.46 (m, 1H), 3.61-3.47 (m, 2H), 3.41 (s, 3H), 2.40-2.23 (m, 2H), 1.51-1.45 (m, 9H), 1.07-0.95 (m, 1H), 0.75-0.72 (m, 1H).
MS (ESI+) 418 ([M+H]+, 17%).
【0091】
参考例22
tert-ブチル (2S)-2-[(メトキシメトキシ)(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0092】
【化30】

ヒドラジン一水和物(24.9 g)に、0℃でtert-ブチル (2S)-2-[2-メトキシ-1-(メトキシメトキシ)-2-オキソエチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(7.55 g)のメタノール溶液(32 ml)を滴下した。反応液を室温で4時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮することで、tert-ブチル (2S)-2-[2-ヒドラジノ-1-(メトキシメトキシ)-2-オキソエチル]ピロリジン-1-カルボキシレートの粗生成物(7.44 g)を得た。
tert-ブチル (2S)-2-[2-ヒドラジノ-1-(メトキシメトキシ)-2-オキソエチル]ピロリジン-1-カルボキシレートの粗生成物(7.44 g)のテトラヒドロフラン(120 ml)溶液に、0℃でN,N'-カルボニルジイミダゾール(4.37 g)を加え、反応液を室温で5時間撹拌した。反応液に5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/1〜25/1)により精製することで表題の化合物(8.01 g)を無色油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.29-9.24 (m, 1H), 4.92-4.62 (m, 3H), 4.25-4.10 (m, 1H), 3.51-3.31 (m, 5H), 2.19-2.17 (m, 1H), 1.99-1.93 (m, 2H), 1.86-1.81 (m, 1H), 1.48-1.45 (m, 9H).
MS (ESI+) 330 ([M+H]+, 40%).
【0093】
参考例23
tert-ブチル (2S,4S)-4-フルオロ-2-[(メトキシメトキシ)(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0094】
【化31】

参考例22と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例23の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.60-9.35 (m, 1H), 5.33-5.20 (m, 1H), 4.72-4.67 (m, 2H), 4.35-4.31 (m, 2H), 3.72-3.57 (m, 2H), 3.39 (s, 3H), 2.63-2.23 (m, 2H), 1.56-1.40 (m, 9H).
MS (ESI+) 348 ([M+H]+, 14%).
【0095】
参考例24
tert-ブチル (1S,3S,5S)-3-[(メトキシメトキシ)(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート
【0096】
【化32】

参考例22と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例24の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.92-8.90 (m, 1H), 4.96-4.94 (m, 1H), 4.74-4.40 (m, 3H), 3.59-3.45 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 2.37-2.21 (m, 2H), 1.49 (s, 9H), 1.03-0.93 (m, 1H), 0.73-0.70 (m, 1H).
MS (ESI+) 342 ([M+H]+, 29%).
【0097】
参考例25
tert-ブチル (2S)-2-[2-メトキシ-1-(メトキシメトキシ)-2-オキソエチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0098】
【化33】

tert-ブチル (2S)-2-(1-ヒドロキシ-2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.00 g)、ジイソプロピルエチルアミン(3.36 ml)のジクロロメタン(3.9 ml)溶液に、0℃でクロロメチルメチルエーテル(0.880 ml)を加え、3時間加熱還流した。反応溶液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を5%硫酸水素カリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 10/1〜4/1)で精製することにより表題の化合物(1.03 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.70-4.56 (m, 4H), 4.30-4.05 (m, 1H), 3.76-3.73 (m, 3H), 3.39-3.33 (m, 4H), 2.05-1.76 (m, 4H), 1.50-1.46 (m, 9H).
MS (ESI+) 304 ([M+H]+, 76%).
【0099】
参考例26
tert-ブチル (2S,4S)-4-フルオロ-2-[2-メトキシ-1-(メトキシメトキシ)-2-オキソエチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0100】
【化34】

参考例25と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例26の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.28-5.12 (m, 1H), 4.71-4.64 (m, 2H), 4.36-4.27 (m, 2H), 3.73-3.72 (m, 3H), 3.71-3.57 (m, 2H), 3.39-3.38 (m, 3H), 2.46-2.17 (m, 2H), 1.49-1.45 (m, 9H).
【0101】
参考例27
tert-ブチル (1S,3S,5S)-3-[2-メトキシ-1-(メトキシメトキシ)-2-オキソエチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート
【0102】
【化35】

参考例25と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例27の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.83-4.54 (m, 4H), 3.73-3.71 (m, 3H), 3.54-3.31 (m, 4H), 2.24-2.20 (m, 1H), 2.05-1.98 (m, 1H), 1.50-1.40 (m, 10H), 1.13-1.07 (m, 1H), 0.69-0.64 (m, 1H).
MS (ESI+) 316 ([M+H]+, 14%).
【0103】
参考例28
tert-ブチル (2S)-2-(1-ヒドロキシ-2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0104】
【化36】

tert-ブチル (2S)-2-[シアノ(ヒドロキシ)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(21.1 g)の1,4-ジオキサン(150 ml)溶液に、濃塩酸(155 ml)を加えて加熱還流した。4時間後、室温まで冷却し減圧濃縮した。濃縮残渣にメタノール(100 ml)と80%塩酸メタノール溶液(100 ml)を加え、室温で20時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、濃縮残渣にテトラヒドロフラン(150 ml)、水(150 ml)、トリエチルアミン(38.8 ml)、ジ-tert-ブチルジカルボネート(30.4 g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5/1〜1/1)により精製することで、表題の化合物(20.3 g)を白色結晶として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.30-4.09 (m, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.41-3.28 (m, 2H), 1.91-1.77 (m, 5H), 1.46 (s, 9H).
MS (ESI+) 260 ([M+H]+, 19%).
【0105】
参考例29
tert-ブチル (2S,4S)-4-フルオロ-2-(1-ヒドロキシ-2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0106】
【化37】

参考例28と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例29の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.28-5.12 (m, 1H), 4.50-4.11 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.70-3.63 (m, 2H), 3.36-3.34 (m, 1H), 2.35-2.05 (m, 2H), 1.48-1.36 (m, 9H).
MS (ESI+) 278 ([M+H]+, 13%).
【0107】
参考例30
tert-ブチル (1S,3S,5S)-3-(1-ヒドロキシ-2-メトキシ-2-オキソエチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート
【0108】
【化38】

参考例28と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例30の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.55-4.11 (m, 2H), 3.79-3.72 (m, 3H), 3.42-3.40 (m, 1H), 2.28-2.24 (m, 1H), 1.90-1.86 (m, 1H), 1.49-1.48 (m, 9H), 1.47-1.44 (m, 2H), 0.92-0.90 (m, 1H), 0.70-0.66 (m, 1H).
MS (ESI+) 272 ([M+H]+, 18%).
【0109】
参考例31
tert-ブチル (2S)-2-[シアノ(ヒドロキシ)メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
【0110】
【化39】

亜硫酸水素ナトリウム(2.09 g)の水溶液(100 ml)に、N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-プロリナール(4.00 g)のアセトニトリル−水混合懸濁液(1:2, 15 ml)を0℃で滴下し、30分間撹拌した。反応液にシアン化ナトリウム (0.98 g)の水(10 ml)溶液を0℃で滴下し、30分間撹拌した。反応液にジエチルエーテル(40 ml)を加え、室温まで昇温し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮し、表題の化合物の粗生成物(4.59 g)を無色油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.13-5.81 (m, 1H), 4.52-4.43 (m, 1H), 4.25-4.10 (m, 1H), 3.60-3.39 (m, 2H), 2.24-2.19 (m, 1H), 2.02-1.89 (m, 3H), 1.43-1.42 (m, 9H).
MS (ESI+) 227 ([M+H]+, 28%).
【0111】
参考例32
tert-ブチル (2S,4S)-2-[シアノ(ヒドロキシ)メチル]-4-フルオロピロリジン-1-カルボキシレート
【0112】
【化40】

参考例31と同様の方法で、tert-ブチル (2S,4S)-4-フルオロ-2-ホルミルピロリジン-1-カルボキシレート(文献WO02/053534等参照)から参考例32の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.01-5.83 (m, 1H), 5.27-5.12 (m, 1H), 4.63-4.58 (m, 1H), 4.40-4.21 (m, 1H), 3.80-3.66 (m, 2H), 2.49-2.37 (m, 2H), 1.50-1.45 (m, 9H).
【0113】
参考例33
tert-ブチル (1S,3S,5S)-3-[シアノ(ヒドロキシ)メチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート
【0114】
【化41】

参考例31と同様の方法で、対応する参考例の化合物から参考例33の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.20-7.17 (m, 1H), 4.51-4.46 (m, 1H), 4.38-4.36 (m, 1H), 3.48-3.44 (m, 1H), 2.66-2.59 (m, 1H), 1.72-1.55 (m, 2H), 1.53-1.48 (m, 9H), 1.03-1.01 (m, 1H), 0.89-0.87 (m, 1H).
MS (ESI+) 239 ([M+H]+, 70%).
【0115】
参考例34
tert-ブチル (1S,3S,5S)-3-ホルミル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート
【0116】
【化42】

水素化ホウ素リチウム(2.56 g)のジエチルエーテル懸濁液(150 ml)に、室温で2-tert-ブチル 3-エチル(1S,3S,5S)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2,3-ジカルボキシレート(文献WO04/052850、Bioorg. Med. Chem. Lett., 8, 2123 (1998)等参照)(25.0 g) のジエチルエーテル溶液(150 ml)を滴下し、2時間撹拌した。反応液に5%炭酸カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮し、tert-ブチル (1S,3S,5S)-3-(ヒドロキシメチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレートの粗生成物(22.3 g)を無色油状物質として得た。
二塩化オキサリル(14.9 g)のジクロロメタン溶液(250 ml)に、-60℃でジメチルスルホキシド(16.8 g)のジクロロメタン溶液(50 ml)を10分間かけて滴下した。10分後、-60℃でtert-ブチル (1S,3S,5S)-3-(ヒドロキシメチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレートの粗生成物(22.3 g)のジクロロメタン溶液(100 ml)を20分間かけて滴下した。70分後、ジイソプロピルアミン(68.2 ml)を10分間かけて滴下した。5分後から2時間かけて、反応液を室温まで昇温した。反応液を5%硫酸水素カリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮し、表題の化合物の粗生成物(24.0 g)を無色油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.47-9.39 (m, 1H), 4.59-4.44 (m, 1H), 3.63-3.50 (m, 1H), 2.54-2.49 (m, 1H), 2.21-2.14 (m, 1H), 1.54-1.44 (m, 10H), 0.84-0.76 (m, 2H).
MS (ESI+) 212 ([M+H]+, 51%).
【0117】
参考例35
エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシネート
【0118】
【化43】

3-[(tert-ブトキシカルボニル)(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ]-3-メチルブタン酸(303 mg)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(138 μl)の N, N-ジメチルホルムアミド溶液(6.0 ml)に、0℃で1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(168 mg)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(230 mg)、N-メチルモルホリン(276 μl)を加え、室温で18時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮することで表題の化合物の粗生成物(413 mg)を油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.19-7.12 (m, 4H), 4.71-4.69 (m, 2H), 4.19-4.10 (m, 4H), 3.79-3.75 (m, 2H), 3.08-3.06 (m, 2H), 2.89-2.80 (m, 2H), 1.57-1.55 (m, 6H), 1.37 (s, 9H), 1.26 (t, J=7.1 Hz, 3H).
MS (ESI+) 419 ([M+H]+, 46%).
【0119】
参考例35と同様の方法で、参考例36〜41の化合物を合成した。
【0120】
【化44】

【0121】
参考例36
エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[3-(4-フルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシネート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.28-7.26 (m, 1H), 7.07-6.95 (m, 2H), 4.91 (s, 2H), 4.78 (d, J=6.8 Hz, 2H), 4.19-4.11 (m, 4H), 3.05-3.04 (m, 2H), 1.57 (s, 6H), 1.36-1.35 (m, 9H), 1.27 (t, J=5.3 Hz, 3H).
MS (ESI+) 423 ([M+H]+, 47%).
参考例37
エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[3-(5-フルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシネート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.24-7.17 (m, 1H), 6.99-6.92 (m, 2H), 4.87-4.84 (m, 2H), 4.73-4.70 (m, 2H), 4.20-4.11 (m, 4H), 3.03 (s, 2H), 1.60-1.59 (m, 6H), 1.36-1.34 (m, 9H), 1.25 (t, J=7.1 Hz, 3H).
MS (ESI+) 423 ([M+H]+, 40%).
参考例38
エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[1,1-ジメチル-3-(5-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-3-オキソプロピル]グリシネート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.17-7.03 (m, 3H), 4.82 (s, 2H), 4.71 (s, 2H), 4.19-4.11 (m, 4H), 3.04 (s, 2H), 2.35 (s, 3H), 1.60 (s, 6H), 1.37-1.35 (m, 9H), 1.25 (t, J=7.1 Hz, 3H).
MS (ESI+) 419 ([M+H]+, 24%).
参考例39
エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[3-(1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシネート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.29-7.13 (m, 4H), 4.90 (s, 2H), 4.17 (q, J=7.0 Hz, 2H), 4.11-4.09 (m, 2H), 2.97 (s, 2H), 1.71 (s, 6H), 1.62 (s, 6H), 1.41-1.33 (m, 9H), 1.27 (t, J=7.0 Hz, 3H).
MS (ESI+) 433 ([M+H]+, 27%).
参考例40
エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[3-(2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシネート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.20 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.19-7.15 (m, 2H), 6.99-6.95 (m, 1H), 4.20-4.10 (m, 6H), 3.17-3.10 (m, 4H), 1.61 (s, 3H), 1.58 (s, 3H), 1.38 (s, 9H), 1.26 (t, J=5.8 Hz, 3H).
MS (ESI+) 405 ([M+H]+, 34%).
参考例41
エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-[3-(1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-1,1-ジメチル-3-オキソプロピル]グリシネート
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.28-7.22 (m, 4H), 4.88 (s, 2H), 4.75 (s, 2H), 4.17 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.13-4.11 (m, 2H), 3.04 (s, 2H), 1.61 (s, 6H), 1.36 (s, 9H), 1.27 (t, J=7.1 Hz, 3H).
MS (ESI+) 405 ([M+H]+, 88%).
【0122】
参考例42
3-[(tert-ブトキシカルボニル)(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ]-3-メチルブタン酸
【0123】
【化45】

ベンジル 3-[(tert-ブトキシカルボニル)(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ]-3-メチルブタノエート(787 mg)、10%パラジウム-炭素(50%wet, 200 mg)のテトラヒドロフラン(10 ml)溶液を水素気流下、室温で2時間撹拌した。反応溶液をセライト濾過することで、表題の化合物の粗生成物(628 mg)を油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.18 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.06 (s, 2H), 3.02 (s, 2H), 1.51 (s, 6H), 1.44 (s, 9H), 1.28 (t, J=7.1 Hz, 3H).
MS (ESI+) 304([M+H]+, 54%).
【0124】
参考例43
ベンジル 3-[(tert-ブトキシカルボニル)(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ]-3-メチルブタノエート
【0125】
【化46】

ベンジル 3-[(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ]-3-メチルブタノエート(23.4 g)のトリエチルアミン(80 ml)溶液に、ジ-tert-ブチルジカルボネート(34.8 g)を加えて加熱還流した。7時間後、室温まで冷却し反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%硫酸水素カリウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20/1〜7/1)により精製することで、表題の化合物(20.2 g)を無色油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.37-7.26 (m, 5H), 5.08 (s, 2H), 4.17 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.94 (s, 2H), 3.04-3.02 (m, 2H), 1.48 (s, 6H), 1.41-1.39 (m, 9H), 1.26 (t, J=7.1 Hz, 3H).
MS (ESI+) 394 ([M+H]+, 18%).
【0126】
参考例44
ベンジル 3-[(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ]-3-メチルブタノエート
【0127】
【化47】

ベンジル 3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-メチルブタノエート(28.5 g)の1,4-ジオキサン(46 ml)溶液に、4N塩酸1,4-ジオキサン溶液(232 ml)を加えて室温で16時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にアセトニトリル(110 ml)、エチルブロモアセテート(15.5 g)、炭酸ナトリウム(49.2 g)を加え、50℃で7時間撹拌した。反応液を濾過した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 1/1〜1/4)により精製することで、表題の化合物(23.5 g)を無色油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.34 (m, 5H), 5.12 (s, 2H), 4.16 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.39 (s, 2H), 2.46 (s, 2H), 1.61-1.60 (m, 1H), 1.26 (t, J=7.1 Hz, 3H) 1.17 (s, 6H).
MS (ESI+) 294 ([M+H]+, 88%).
【0128】
参考例45
ベンジル 3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-メチルブタノエート
【0129】
【化48】

3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-メチルブタン酸(文献J. Med. Chem., 49, 373 (2006)参照)(21.2 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(195 ml)溶液に、臭化ベンジル(18.4 g)、炭酸カリウム(40.4 g)を加えて室温で撹拌した。16時間後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20/1〜5/1)により精製することで、表題の化合物(29.2 g)を無色油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.31 (m, 5H), 5.11 (s, 2H), 4.86-4.84 (m, 1H), 2.75 (s, 2H), 1.40 (s, 9H), 1.36 (s, 6H).
MS (ESI+) 308 ([M+H]+, 11%).
【0130】
参考例46
エチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-(2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル) グリシネート
【0131】
【化49】

参考例43と同様の方法で、参考例46の化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.17 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.07-4.05 (m, 2H), 3.51-3.49 (m, 2H), 3.33 (s, 3H), 1.44 (s, 6H), 1.39 (s, 9H), 1.27 (t, J=7.2 Hz, 3H).
MS (ESI+) 290 ([M+H]+, 19%).
【0132】
参考例47
エチル N- (2-メトキシ-1,1-ジメチルエチル) グリシネート
【0133】
【化50】

1-メトキシ-2-メチルプロパン-2-アミン塩酸塩(文献WO98/13332等参照)(22.3g)のアセトニトリル(110 ml)溶液に、エチルブロモアセテート(15.5 g)、炭酸ナトリウム(49.2 g)を加え、50℃で7時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、濾過した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール= 100/1〜20/1)により精製することで、表題の化合物(21.0 g)を無色油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.18 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.38 (s, 2H), 3.34 (s, 3H), 3.18 (s, 2H), 1.78-1.69 (m, 1H), 1.27 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.06 (s, 6H).
MS (ESI+) 190 ([M+H]+, 100%).
【0134】
試験例1
In vitro DPP-IV 阻害作用測定試験
DPP-IV酵素を含むヒト血漿をアッセイバッファー(100mM HEPES pH7.5、0.1mg/mL BSA)にて希釈し(final 2倍希釈)、マイクロアッセイプレートに添加する。種々の濃度の被験化合物溶液を添加し、更に基質(Glycyl-L-Proline 4-Methyl-Coumaryl-7-Amide、ペプチド研究所)を終濃度50μMになるように添加し室温にて反応させた。酢酸を終濃度2.5%となるように添加して反応を停止させ、蛍光プレートリーダーを用いて、励起波長360nm、測定波長460nmにおける蛍光強度を測定した。複数濃度の被験化合物添加時の酵素阻害活性より、50%阻害する化合物濃度をIC50値として算出した。その結果を表1に示す。
【0135】
【表1】

【0136】
試験例2
ラットにおける血中DPP-IV阻害作用測定試験
SDラットに対し、被験化合物の0.5%MC懸濁液を10mg/kgの用量で経口投与した。対照群には0.5%MC溶液のみを経口投与した。投与前、及び投与1、2、4、6、24時間後に尾静脈より採血し、直ちに遠心分離を行うことにより血漿を分取した。得られた血漿を80mM MgCl2含有アッセイバッファー(25mM HEPES pH7.8、140mM NaCl、1% BSA)にて希釈し(final 4倍希釈)、アッセイバッファーに希釈した基質(Glycyl-L-Proline 4-Methyl-Coumaryl-7-Amide、ペプチド研究所)を終濃度50μMになるように添加し室温にて反応させた。酢酸を終濃度2.5%となるように添加して反応を停止させ、蛍光プレートリーダーを用いて、励起波長360nm、測定波長460nmにおける蛍光強度を測定した。被験化合物投与前の血漿中DPPIV活性に対する被験化合物投与後の血漿中DPPIV活性の割合を計算し、血漿中DPPIV阻害率を算出した。また、DPPIV阻害率をプロットしたグラフ下の面積(AUC0-24h)を算出し、被験化合物のin vivoにおけるDPPIV阻害活性の総合的な指標とした。その結果を表2に示す。
【0137】
【表2】

(n=5)
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明によってDPP−IV阻害活性を有し、安全性、毒性等で改善された化合物を提供することができる。
本発明化合物は、前糖尿病状態における食後高血糖の抑制、非インスリン依存性糖尿病の治療、関節炎や関節リュウマチなど自己免疫性疾患の治療、腸管粘膜疾患の治療、成長促進、移植臓器片の拒絶反応抑制、肥満治療、摂食障害の治療、HIV感染の治療、癌転移の抑制、前立腺肥大症の治療、歯根膜炎の治療、および骨粗鬆症の治療に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
1とR2は、一緒になって、式:−(CH2n1−(式中、n1は2、3、4または5を表す)を表すこともできる。
3とR4は、一緒になって、式:−(CH2n2−(式中、n2は2、3、4または5を表す)を表すこともできる。
1とR3は、一緒になって、式:−(CH2n3−(式中、n3は1、2、3または4を表す)を表すこともできる。
5は、存在しないか、1つまたは2つ存在し、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
2つのR5が隣接する炭素原子上に存在する場合、2つのR5が一緒になってメチレンを表すこともできる。
Zは、式:OR7、COR7、COOR7、NR8COR7、NR910、またはCONR910を表す。
6およびR8は、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基または置換されてもよいアラルキル基を表す。
7、R9およびR10は、それぞれ独立して、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
9およびR10は、隣接する窒素原子と一緒となって、置換されてもよい含窒素飽和へテロ環基を表すこともできる。該置換されてもよい含窒素飽和ヘテロ環基は、さらにアリールまたはヘテロアリールと縮合しても良い。
Wは、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基または置換されてもよい飽和へテロ環基を表す。]で表される化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項2】
3およびR4がともに水素原子である、請求項1記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項3】
1およびR2がともにメチル基を表すか、またはR1およびR2が一緒になって、式:−(CH2n1−(n1は2、3、4または5を表す)を表す、請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項4】
Wが置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基または置換されてもよい飽和へテロ環基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項5】
Zが式:CONR910(R9およびR10は、請求項1と同義である。)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項6】
Zが式:CONR910であり、R9およびR10が隣接する窒素原子と一緒になって下記式(Y):
【化2】

(式中、m1およびm2は、それぞれ独立して、0、1または2を表し、m1+m2は2〜4である。
11は、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、ハロゲン原子、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
また、2つのR11が一緒になって、メチレン、エチレンまたはトリメチレンを表してもよい。
12は、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ、シアノ、C1〜C4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい。)、C1〜C4アルコキシ基(該アルコキシ基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)、−COR20、−OCOR20、−COOR20、カルボキシ基、アミノ基、−NHR20、−NR2021、−NHCOR20、カルバモイル基、C6〜C10アリール基、C6〜C10アリールオキシ基、C7〜C12アラルキルオキシ基、−OSO220または−SO220を表す。
また、隣接する炭素原子上に存在する2つのR12が一緒になって、C1〜C3アルキレンジオキシ基を表すこともできる。
20およびR21は、各々独立して、C1〜C4アルキル基、C6〜C10アリール基またはC7〜C12アラルキル基等を表し、これらの基は、さらに、例えば水酸基、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基またはC1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されても良い。またはR20とR21は、一緒になって、それらが結合する窒素原子と共に、置換されてもよい飽和へテロ環基を表してもよい。)
を表す、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項7】
式(II):
【化3】

[式中、R11は、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、ハロゲン原子、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されてもよいアルケニル基または置換されてもよいアルキニル基を表す。
また、2つのR11が一緒になって、メチレン、エチレンまたはトリメチレンを表してもよい。
12は、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ、シアノ、C1〜C4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい。)、C1〜C4アルコキシ基(該アルコキシ基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)、−COR20、−OCOR20、−COOR20、カルボキシ基、アミノ基、−NHR20、−NR2021、−NHCOR20、カルバモイル基、C6〜C10アリール基、C6〜C10アリールオキシ基、C7〜C12アラルキルオキシ基、−OSO220または−SO220を表す。
また、隣接する炭素原子上に存在する2つのR12が一緒になって、C1〜C3アルキレンジオキシ基を表すこともできる。
20およびR21は、各々独立して、C1〜C4アルキル基、C6〜C10アリール基またはC7〜C12アラルキル基等を表し、これらの基は、さらに、例えば水酸基、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基またはC1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されても良い。またはR20とR21は、一緒になって、それらが結合する窒素原子と共に、置換されてもよい飽和へテロ環基を表してもよい。
m1およびm2は、それぞれ独立して、0、1または2を表し、m1+m2は2〜4である。
13およびR14は、ともにメチル基を表すか、またはR13およびR14が一緒になって、式:−(CH2n4−を表す。
n4は、2、3、4または5を表す。
15は、置換されてもよいアルキル基を表す。
16は、存在しないか、1つ存在してフッ素原子を表すか、あるいは隣接する炭素原子上に2つ存在し、一緒になってメチレンを表す。]である、請求項1記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項8】
13、R14がともにメチル基である、請求項7記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項9】
11が、存在しないか、1つから4つ存在し、各々独立して、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基または置換されてもよいヘテロアリール基である、請求項7〜8のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項10】
化合物が下記式、
【化4】

からなる群から選ばれるいずれか一つである、請求項1記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を有効成分として含有するジペプチジルペプチダーゼ-IV阻害剤。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を有効成分として含有する糖尿病治療剤。

【公開番号】特開2008−156318(P2008−156318A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349902(P2006−349902)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】