説明

2−アルコキシ−4−アルキルケトンフェノール化合物に基づく光保護組成物;太陽光線保護指数を増加させるための前記化合物の使用

本発明は、化粧品として許容される水性担体中に、少なくとも、
(a)UV放射線を遮断することができる1つの光保護系、及び
(b)1つの2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物
を含むことを特徴とする、皮膚及び/又は毛髪を紫外線から保護するための流体組成物に関する。本発明はまた、化粧品として許容される媒体中に、UV放射線を遮断することができる少なくとも1つの光保護系を含む組成物における、2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品として許容される水性担体中に、少なくとも:
(a)UV放射線を遮断することができる1つの光保護系、及び
(b)1つの2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物
を含むことを特徴とする、皮膚及び/又は毛髪を紫外線から保護するための流体組成物に関する。
【0002】
本発明はまた、化粧品として許容される媒体中に、UV放射線を遮断することができる少なくとも1つの光保護系を含む組成物における、2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
波長280nm〜400nmの光線はヒト表皮を日焼けさせること、及びUV-B線として知られている280〜320nmの波長を有する光線は、自然な日焼けの発生には有害となる可能性がある皮膚火傷及び紅斑を引き起こし、したがってこのUV-B照射は遮断するべきであることが知られている。
【0004】
また、皮膚の日焼けを引き起こす波長320〜400nmのUV-A線は、特に敏感肌の場合又は皮膚が太陽光線に曝露され続ける場合には、その損傷を誘発し易いことが知られている。UV-A線は特に、皮膚弾性を低下させ、また皺を出現させ、皮膚の早期老化をもたらす。UV-A線は、ある特定の個体の場合において紅斑反応の発症を促進するか、又はこの反応を増幅し、さらには光毒性反応又は光アレルギー反応の原因となり得る。したがって、UV-A放射線を遮断することもまた望ましい。
【0005】
皮膚用の多くの光保護(UV-A及び/又はUV-B)化粧用組成物が、これまでに提案されてきた。使用者が皮膚に容易に適用することができる液体製剤が、最も際立って求められている。
【0006】
これらの日焼け止め流体組成物は、様々な濃度で、有害なUV放射線を選択的に吸収することができる1種若しくは複数の標準的な親油性及び/又は親水性の有機遮断剤を含有する水中油型(即ち、水性分散連続相及び油性分散不連続相で構成される、化粧品として許容される担体)のエマルジョンの形態であることが非常に多く、これらの遮断剤(及びその量)は、所望の太陽光線保護指数に応じて選択され、太陽光線保護指数(SPF)は、UV遮断剤を用いないこときに紅斑を形成する閾値に達するために必要とされるUV放射線の線量に対するUV遮断剤を用いたときに紅斑を形成する閾値に達するために必要とされるUV放射線の線量の比として数学的に表される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US5624663
【特許文献2】US5237071
【特許文献3】US5166355
【特許文献4】GB2303549
【特許文献5】DE19726184
【特許文献6】EP893119
【特許文献7】EP0832642
【特許文献8】EP1027883
【特許文献9】EP1300137
【特許文献10】DE10162844
【特許文献11】WO93/04665
【特許文献12】DE19855649
【特許文献13】EP0967200
【特許文献14】DE19746654
【特許文献15】DE19755649
【特許文献16】EP-A-1008586
【特許文献17】EP1133980
【特許文献18】EP133981
【特許文献19】WO04/006878
【特許文献20】WO05/058269
【特許文献21】WO06/032741
【特許文献22】EP-A-0823418
【特許文献23】EP-A-1341752
【特許文献24】US6,225,467
【特許文献25】WO2004/085412
【特許文献26】WO06/035000
【特許文献27】WO06/034982
【特許文献28】WO06/034991
【特許文献29】WO06/035007
【特許文献30】WO2006/034992
【特許文献31】WO2006/034985
【特許文献32】WO-A92/06778
【特許文献33】FR2315991
【特許文献34】FR2416008
【特許文献35】US4077441
【特許文献36】US4850517
【特許文献37】EP1151742
【特許文献38】FR2869796
【特許文献39】US5538793
【特許文献40】EP-A-1579849
【特許文献41】FR2466492
【特許文献42】WO97/35842
【特許文献43】EP903342
【特許文献44】WO97/25970
【特許文献45】FR2840806
【特許文献46】FR2651126
【特許文献47】EP-B-0425324
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J. Asian Natural Products Research,2006、8(8)、683〜688
【非特許文献2】Helv. Chimica Acta、2006、89(3)、483〜495
【非特許文献3】Chem. Pharm. Bull.、2006、54(3)、377〜379
【非特許文献4】Bioorg. Med. Chem. Lett.、2004、14(5)、1287〜1289
【非特許文献5】「Symmetrical Triazine Derivatives」、IP.COM Journal、IP.COM Inc、West Henrietta、NY、US(2004年9月20日)
【非特許文献6】Cosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53〜64頁
【非特許文献7】Bangham、Standish及びWatkins、J. Mol. Biol.、13巻、238頁(1965年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、十分に高い保護指数を有する日焼け止め製品を見出すことが依然として顕著に必要とされている。高い保護指数は、より多くの遮断剤を高濃度で組み込むことによって到達され得る。これは、大量の遮断剤を添加しても、必ずしも達成可能とは限らない。さらに、そのような量は、心地よさを損なわせる可能性がある(粘着性の、きめの粗さ及び/又は油っぽさ)。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述された光保護の分野において実施された多くの研究の後、出願人はこれまでに、驚くべきことに、UV放射線を遮断するための少なくとも1つの系を含有する組成物における、2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物の添加が、その光保護効力及び特にその太陽光線保護指数を増加させることを可能にしたことを発見している。
【0011】
この発見が、本発明の根幹を成している。
【0012】
したがって、本発明の第1の主題によると、化粧品として許容される水性担体中に、少なくとも:
(a)1種若しくは複数の親水性、親油性又は不溶性の有機遮断剤及び/又は被覆されていてもよく又は被覆されていなくてもよい1種若しくは複数の金属酸化物顔料により構成されるUV放射線を遮断することができる1つの光保護系、
(b)少なくとも1つの2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物
を含むことを特徴とする、皮膚及び/又は毛髪を紫外線から保護するための新規な流体組成物が提案される。
【0013】
本発明によれば、「UV放射線を遮断することができる光保護系」という用語は、UV-A及び/又はUV-B放射線の吸収及び/又は反射及び/又は散乱の、それ自体が知られている機構を介して、この又はこれらの化合物が適用された表面(皮膚又は毛髪)との前記放射線の接触を防止する、又は少なくとも制限することを可能にする任意の化合物又は化合物の任意の組合せを意味することが一般に意図される。言い換えると、これらの化合物は、UVを吸収する光保護有機遮断剤又はUVを散乱させる及び/若しくはUVを反射する無機物顔料、また並びにそれらの混合物であり得る。
【0014】
「化粧品として許容される」という用語は、皮膚及び/又はその外皮と適合すること、即ち、好ましい色、香り及び感触を有し、消費者がこの組成物の使用をやめやすくなる許容できない不快感(刺痛、つっぱり感又は発赤)を引き起こさないことを意味する。
【0015】
本発明のさらに別の主題は、太陽光線保護指数(SPF)を増加させるための、化粧品として許容される担体中に、1種若しくは複数の親水性、親油性又は不溶性の有機遮断剤及び/又は被覆されていてもよく又は被覆されていなくてもよい1種若しくは複数の金属酸化物顔料により構成される、UV放射線を遮断することができる少なくとも1つの光保護系を含む流体組成物における、少なくとも1つの2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物の使用に見出される。
【0016】
本発明の他の特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
好ましくは、本発明による2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物は、下記の式(I)に対応するものから選択される:
【0018】
【化1】

【0019】
(式中、
-R1は、(飽和)直鎖C1〜C4アルキル基、好ましくはメチル又はエチルを表し、
-R2は、水素原子又は(飽和)直鎖C1〜C4アルキル基、好ましくはメチル又はエチルを表し、
-R3は、ヒドロキシル基によって場合により置換されている(飽和)直鎖C1〜C12アルキル基;そうでなければヒドロキシル基によって場合により置換されている(不飽和C=C)直鎖C2〜C12アルケニル基を表す)。
【0020】
好ましくは、化合物は、
-R2が、H及びCH3から選択され、さらに良いのは、R2は水素を示し、及び/又は
-R3が、(i)C1〜C10アルキル基、(ii)C2〜C10アルケニル基、特に-CH=CH-R4基(R4は、直鎖C1〜Cアルキル基を表す);そうでなければ(iii)構造-CH2-CH(OH)-R5のヒドロキシアルキル基(R5は、直鎖C1〜C10、好ましくはC4〜C10、アルキル基を表す)を表す、式(I)に対応する。
【0021】
特に好ましい式(I)の化合物は、以下である。
【0022】
【化2A】

【化2B】

【化2C】

【化2D】

【0023】
本発明の1つの特に好ましい形態によると、ジンゲロン(INCI名:ZINGERONE)又はバニリルアセトンとしても知られている化合物4-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オンが使用される。
【0024】
当業者なら、一般知識に基づいて式(I)の化合物を容易に調製することができる。特に以下の書誌参照に言及することができる:J. Asian Natural Products Research、2006、8(8)、683〜688;Helv. Chimica Acta、2006、89(3)、483〜495;Chem. Pharm. Bull.、2006、54(3)、377〜379;及びBioorg. Med. Chem. Lett.、2004、14(5)、1287〜1289。
【0025】
したがって、本化合物は、以下の方法でバニリン又はエチルバニリン(市販製品)から調製することができる。
【0026】
【化3】

【0027】
本発明による2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物(複数化)は、組成物中に、組成物の総重量に対して、好ましくは0.01〜10重量%及びより好ましくはさらに0.5〜5 %及びより詳細にはさらに1〜3 %存在する。
【0028】
本発明によれば、光保護系は、1種若しくは複数の親水性、親油性又は不溶性の有機遮断剤及び/又は1種若しくは複数の無機物顔料で構成され得る。優先的には、これは、少なくとも1つの親水性、親油性又は不溶性の有機UV遮断剤で構成される。
【0029】
有機遮断剤は、ジベンゾイルメタン誘導体;アントラニラート;ケイ皮酸誘導体;サリチル酸誘導体;カンファー誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;式(I)のもの以外のトリアジン誘導体;ベンザルマロネート誘導体、特に特許US5624663において引用されているもの;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;出願US5237071、US5166355、GB2303549、DE19726184及びEP893119に記載されているメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;特許出願EP0832642、EP1027883、EP1300137及びDE10162844に記載されているベンゾオキサゾール誘導体;特に特許出願WO93/04665に記載されているものなどの遮断ポリマー及び遮断シリコーン;特許出願DE19855649に記載されているものなどのα-アルキル-スチレンから誘導される二量体;特許出願EP0967200、DE19746654、DE19755649、EP-A-1008586、EP1133980及びEP133981に記載されているものなどの4,4-ジアリールブタジエン、特許出願WO04/006878、WO05/058269及びWO06/032741に記載されているものなどのメロシアニン誘導体;特許EP-A-0823418及びEP-A-1341752のインダニリデン遮断剤から特に選択される。
【0030】
有機UV遮断剤の例としては、INCI名で以下に示すものを挙げることができる。
ジベンゾイルメタン誘導体:
DSM Nitritional Products社から「Parsol1789」の商標名で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタン。
パラ-アミノ安息香酸誘導体:
PABA、
エチルPABA、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、
特にISPによって「Escalol507」の名称で販売されているエチルヘキシルジメチルPABA、
グリセリルPABA、
BASFによって「Uvinul P25」の名称で販売されているPEG-25PABA。
サリチル酸誘導体:
Rona/EM Industriesによって「Eusolex HMS」の名称で販売されているホモサレート、
Symriseによって「Neo Heliopan OS」の名称で販売されているエチルヘキシルサリチレート、
Scherによって「Dipsal」の名称で販売されているジプロピレングリコールサリチレート、
Symriseによって「Neo Heliopan TS」の名称で販売されているTEAサリチレート。
ケイ皮酸誘導体:
特にDSM Nutritional Productsによって商標名「Parsol MCX」で販売されているエチルヘキシルメトキシシンナメート、
イソプロピルメトキシシンナメート、
Symriseによって商標名「Neo Heliopan E1000」で販売されているイソアミルメトキシシンナメート、
シノキセート、
DEAメトキシシンナメート、
ジイソプロピルメチルシンナメート、
グリセリルエチルヘキサノエートジメトキシシンナメート。
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体:
特にBASFによって商標名「Uvinul N539」で販売されているオクトクリレン、
特にBASFによって商標名「Uvinul N35」で販売されているエトクリレン。
ベンゾフェノン誘導体:
BASFによって商標名「Uvinul400」で販売されているベンゾフェノン-1、
BASFによって商標名「Uvinul D50」で販売されているベンゾフェノン-2、
BASFによって商標名「Uvinul M40」で販売されているベンゾフェノン-3又はオキシベンゾン、
BASFによって商標名「Uvinul MS40」で販売されているベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
Norquayによって商標名「Helisorb11」で販売されているベンゾフェノン-6、
American Cyanamidによって商標名「Spectra-Sorb UV-24」で販売されているベンゾフェノン-8、
BASFによって商標名「Uvinul DS-49」で販売されているベンゾフェノン-9、
ベンゾフェノン-12、
BASFによって商標名「Uvinul A+」で又はメトキシケイ皮酸オクチルとの混合物の形態で商標名「Uvinul A+B」で販売されているn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)ベンゾエート。
ベンジリデンカンファー誘導体:
Chimexによって「Mexoryl SD」の名称で製造されている3-ベンジリデンカンファー、
Merckによって「Eusolex6300」の名称で販売されている4-メチルベンジリデンカンファー、
Chimexによって「Mexoryl SL」の名称で製造されているベンジリデンカンファースルホン酸、
Chimexによって「Mexoryl SO」の名称で製造されているカンファーベンザルコニウムメトサルフェート、
Chimexによって「Mexoryl SX」の名称で製造されているテレフタリリデンジカンファースルホン酸、
Chimexによって「Mexoryl SW」の名称で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
フェニルベンズイミダゾール誘導体:
特にMerckによって商標名「Eusolex232」で販売されているフェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
Symriseによって商標名「Neo Heliopan AP」で販売されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
ベンゾトリアゾール誘導体:
Rhodia Chimieによって「Silatrizole」の名称で販売されているドロメトリゾールトリシロキサン、
Fairmount Chemicalによって商標名「MIXXIM BB/100」で固体形態で販売されている、又はCiba Specialty Chemicalsによって商標名「Tinosorb M」で微粉化にされた形態で水性分散液として販売されている、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール。
トリアジン誘導体:
Ciba Geigyによって商標名「Tinosorb S」で販売されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
特にBASFによって商標名「Uvinul T150」で販売されているエチルヘキシルトリアゾン、
Sigma3Vによって商標名「Uvasorb HEB」で販売されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4-ビス(n-ブチル4'-ベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
特許US6,225,467、特許出願WO2004/085412(化合物6及び9を参照)又は文書「Symmetrical Triazine Derivatives」、IP.COM Journal、IP.COM Inc、West Henrietta、NY、US(2004年9月20日)に記載されている対称トリアジン遮断剤、特に2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン(特に、Beiersdorfの出願WO06/035000、WO06/034982、WO06/034991、WO06/035007、WO2006/034992及びWO2006/034985に含まれている2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン)及び2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン)。
アントラニル酸誘導体:
Symriseによって商標名「Neo Heliopan MA」で販売されているアントラニル酸メンチル。
イミダゾリン誘導体:
エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
ベンザルマロネート誘導体:
ジネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、
ベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、DSM Nutritional Productsによって商標名「Parsol SLX」で販売されているポリシリコーン-15。
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
ベンゾオキサゾール誘導体:
Sigma3VによりUvasorb K2Aの名称で販売されている2,4-ビス[5-(1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、及びそれらの混合物。
【0031】
優先的な有機遮断剤は、以下から選択される:
エチルヘキシルメトキシシンナメート、
ホモサレート、
エチルヘキシルサリチレート、
オクトクリレン、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
4-メチルベンジリデンカンファー、
エチルヘキシルトリアゾン、
ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)-アミノ]-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
ジ-ネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-1(-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
及びそれらの混合物。
【0032】
補完的な無機遮断剤は、一次粒子の平均粒径が優先的には5nm〜100nm(好ましくは10nm〜50nm)の被覆又は非被覆金属酸化物顔料、例えば、酸化チタン(非晶質酸化チタン又はルチル型及び/若しくはアナターゼ型の結晶質酸化チタン)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムから形成される顔料から選択され、これらの顔料は全て、それ自体公知のUV光保護剤である。
【0033】
顔料は被覆されていてもよく又は被覆されていなくてもよい。
【0034】
被覆顔料は、例えば、Cosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53〜64頁に記載されている化合物、例えば、アミノ酸、蜜ろう、脂肪酸、脂肪アルコール、アニオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄若しくはアルミニウム塩、金属アルコキシド(チタン又はアルミニウムの)、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物又はヘキサメタリン酸ナトリウムによる、化学的、電子的、メカノケミカル及び/又は機械的性質の1種又は複数の表面処理を受けた顔料である。
【0035】
知られているように、シリコーンは、直鎖又は環状の、分枝又は架橋構造を有する、様々な分子量の有機ケイ素ポリマー又はオリゴマーであり、適切に官能化されたシランを重合及び/又は重縮合することにより得られ、本質的に、ケイ素原子が酸素原子を介して相互に結合(シロキサン結合)しており、場合により、置換炭化水素基が炭素原子を介して前記ケイ素原子に直接結合している主単位の繰返しから構成される。
【0036】
用語「シリコーン」は、その調製に必要なシラン、特にアルキルシランも包含する。
【0037】
本発明に好適な顔料の被覆に使用されるシリコーンは好ましくは、アルキルシラン、ポリジアルキルシロキサン及びポリアルキルヒドロシロキサンを含有する群から選択される。より好ましくはさらに、シリコーンは、オクチルトリメチルシラン、ポリジメチルシロキサン及びポリメチルヒドロシロキサンを含む群から選択される。
【0038】
当然ながら、形成される金属酸化物顔料は、シリコーンで処理される前に、他の表面剤(surface agent)で、特に、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、又は、それらの混合物で処理されてもよい。
【0039】
被覆顔料は、より詳細には、以下の被覆された酸化チタンである:
-シリカで被覆された酸化チタン、例えば、池田物産株式会社の製品「Sunveil」及びMerck社の製品「Eusolex T-AVO」、
-シリカ及び酸化鉄で被覆された酸化チタン、例えば、池田物産株式会社の製品「Sunveil F」、
-シリカ及びアルミナで被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT500SA」及び「Microtitanium Dioxide MT100SA」、Tioxide社の「Tioveil」並びにRhodia社の「Mirasun TiW60、
-アルミナで被覆された酸化チタン、例えば、石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55(B)」及び「Tipaque TTO-55(A)」並びにKemira社の「UVT14/4」、
-アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT100T、MT100TX、MT100Z及びMT-01」、並びにUniqema社の製品「Solaveil CT-10W」、「Solaveil CT100」及び「Solaveil CT200」、
-シリカ、アルミナ及びアルギン酸で被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品「MT-100AQ」、
-アルミナ及びラウリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT100S」、
-酸化鉄及びステアリン酸鉄で被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT100F」、
-酸化亜鉛及びステアリン酸亜鉛で被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品「BR351」、
-シリカ及びアルミナで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT600SAS」、「Microtitanium Dioxide MT500SAS」又は「Microtitanium Dioxide MT100SAS」、
-シリカ、アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、チタン工業株式会社の製品「STT-30-DS」、
-シリカで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、Kemira社の製品「UV-Titan X195」、又はテイカ株式会社の製品「SMT-100WRS」、
-アルミナで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55(S)」又はKemira社の製品「UV Titan M262」、
-トリエタノールアミンで被覆された酸化チタン、例えば、チタン工業株式会社の製品「STT-65-S」、
-ステアリン酸で被覆された酸化チタン、例えば、石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55(C)」、
-ヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT150W」。
【0040】
シリコーンで処理された他の酸化チタン顔料は、好ましくは、基本粒子(elementary particle)の平均粒径が25〜40nmのオクチルトリメチルシランで処理されたTiO2、例えば、Degussa Silices社によって商標名「T805」で販売されているもの、基本粒子の平均粒径が21nmのポリジメチルシロキサンで処理されたTiO2、例えば、Cardre社によって商標名「70250Cardre UF TiO2Si3」で販売されているもの、基本粒子の平均粒径が25nmのポリジメチルヒドロシロキサンで処理されたアナターゼ/ルチルTiO2、例えば、Color Techniques社によって商標名「Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic」で販売されている製品である。
【0041】
非被覆酸化チタン顔料は、例えば、テイカ株式会社によって商標名「Microtitanium Dioxide MT500B」又は「Microtitanium Dioxide MT600B」で、Degussa社によって「P25」の名称で、Wacker社によって「Transparent titanium oxide PW」の名称で、三好化成株式会社によって「UFTR」の名称で、Tomen社によって「ITS」の名称で、及びTioxide社によって「Tioveil AQ」の名称で販売されている。
【0042】
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、以下のものである:
-Sunsmart社によって「Z-Cote」の名称で販売されているもの;
-Elementis社によって「Nanox」の名称で販売されているもの;
-Nanophase Technologies社によって「Nanogard WCD2025」の名称で販売されているもの。
【0043】
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、以下のものである:
-Sunsmart社によって「Z-Cote HP1」の名称で販売されているもの(ジメチコーン被覆ZnO);
-Toshibi社によって「Zinc Oxide CS-5」の名称で販売されているもの(ポリメチル水素シロキサンで被覆されたZnO);
-Nanophase Technologies社によって「Nanogard Zinc Oxide FN」の名称で販売されているもの(Finsolv TN、C12〜C15アルキルベンゾエート中40%分散液として);
-大東化成株式会社によって「Daitopersion ZN-30」及び「Daitopersion ZN-50」の名称で販売されているもの(シリカ及びポリメチル水素シロキサンで被覆されたナノ亜鉛酸化物30%又は50%を含む、シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン中分散液);
-Daikin社によって「NFD Ultrafine ZnO」の名称で販売されているもの(シクロペンタシロキサン中分散液としての、ペルフルオロアルキルホスフェート及びペルフルオロアルキルエチルをベースとするコポリマーで被覆されたZnO);
-信越化学工業株式会社によって「SPD-Z1」の名称で販売されているもの(シクロジメチルシロキサン中に分散された、シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆されたZnO);
-ISP社によって「Escalol Z100」の名称で販売されているもの(エチルヘキシルメトキシシンナメート/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコーン混合物中に分散された、アルミナ処理ZnO);
-富士色素株式会社によって「Fuji ZnO-SMS-10」の名称で販売されているもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンで被覆されたZnO);
-Elementis社によって「Nanox Gel TN」の名称で販売されているもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合物を含むC12〜C15アルキルベンゾエート中に55%の濃度で分散されたZnO)。
【0044】
非被覆酸化セリウム顔料は、Rhone-Poulenc社によって「Colloidal Cerium Oxide」の名称で販売されている。
【0045】
非被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社によって「Nanogard WCD2002(FE45B)」、「Nanogard Iron FE45BL AQ」、「Nanogard FE45R AQ」及び「Nanogard WCD2006(FE45R)」の名称で、又はMitsubishi社によって「TY-220」の名称で販売されている。
【0046】
被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社によって「Nanogard WCD2008(FE45B FN)」、「Nanogard WCD2009(FE45B556)」、「Nanogard FE45BL345」及び「Nanogard FE45BL」の名称で、又はBASF社によって「Transparent Iron Oxide」の名称で販売されている。
【0047】
さらに、金属酸化物の混合物、特に二酸化チタンと二酸化セリウムとの混合物、例えば、池田物産株式会社によって「Sunveil A」の名称で販売されているシリカ被覆二酸化チタンとシリカ被覆二酸化セリウムとのシリカ被覆等重量混合物、並びに二酸化チタンと二酸化亜鉛とのアルミナ、シリカ及びシリコーン被覆混合物、例えば、Kemira社によって販売されている製品「M261」、又は二酸化チタンと二酸化亜鉛とのアルミナ、シリカ及びグリセロール被覆混合物、例えば、Kemira社によって販売されている製品「M211」を挙げることが可能である。
【0048】
追加のUV遮断剤は一般に、本発明による組成物中に、組成物の総重量に対して、0.01〜20重量%、好ましくは、組成物の総重量に対して、0.1〜10重量%の範囲の比率で存在する。
【0049】
本発明による光保護系は、好ましくは、本発明による組成物中に、組成物の総重量に対して、0.1〜40重量%、特に5重量%〜25重量%の範囲の含量で存在する。
【0050】
本発明による水性組成物はまた、特に脂肪性物質、有機溶媒、イオン性若しくは非イオン性の、親水性若しくは親油性の増粘剤、粘滑剤、湿潤剤、不透明剤、安定剤、化粧用若しくは皮膚科学的活性剤、皮膚軟化剤、シリコーン、消泡剤、保存剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性イオン性若しくは両性界面活性剤、充填剤、ポリマー、噴射剤、酸性化剤若しくは塩基性化剤又は化粧品中に及び/又は皮膚科学において通常使用される任意の他の成分から選択される標準的な化粧品補助剤を含むことができる。
【0051】
脂肪性物質は、油若しくは上記で定義した無極性ワックス以外のワックス又はそれらの混合物から構成されてもよい。「油」という用語は、室温で液体の化合物を意味する。「ワックス」という用語は、室温で固体又は実質的に固体であり、融点が一般に35℃より高い化合物を意味する。
【0052】
挙げることができる油は、鉱油(パラフィン);植物油(甘扁桃油、マカダミア油、ブラックカラント種油又はホホバ油);合成油、例えば、ペルヒドロスクアレン、アルコール、脂肪酸又は脂肪エステル、例えば、商標名「Finsolv TN」又は「Witconol TN」でWitco社によって販売されているC12〜C15アルキルベンゾエートなど、2-エチルフェニルベンゾエート、例えば、X-Tend226(登録商標)の名称でISP社によって販売されている市販の製品など、パルミチン酸オクチル、イソプロピルラノレート及びトリグリセリド(カプリン酸/カプリル酸トリグリセリドを含む)、及び「Cetiol CC」の名称でCognis社によって販売されている炭酸ジカプリリル、オキシエチレン化若しくはオキシプロピレン化脂肪エステル及びエーテルなど;シリコーン油(シクロメチコーン及びポリジメチルシロキサン、又はPDMS)又はフッ素油、ポリアルキレン及びトリアルキルトリメリテート、例えば、トリデシルトリメリテートなどを含む。
【0053】
挙げることができるワックス化合物は、カルナバワックス、蜜ろう、水素化ヒマシ油、ポリエチレンワックス及びポリメチレンワックス、例えば、Sasol社によってCirebelle303の名称で販売されている製品を含む。
【0054】
有機溶媒としては、低級アルコール及びポリオールを挙げることができる。ポリオールは、グリコール及びグリコールエーテル、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコールから選択することができる。
【0055】
挙げることができる親水性増粘剤は、カルボキシビニルポリマー、例えば、Carbopol製品(カルボマー)及びPemulen製品(アクリレート/C10〜C30-アルキルアクリレートコポリマー)など;ポリアクリルアミド、例えば、Sepigel305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13-14イソパラフィン/Laureth7)又はSimulgel600(CTFA名:アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー/イソヘキサ-デカン/ポリソルベート80)という名称でSEPPIC社によって販売されている架橋コポリマーなど;任意選択により架橋及び/又は中和されている2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー、例えば、Clariant社によって商標名「Hostacerin AMPS」(CTFA名:アンモニウムポリアクリロイルジメチルタウレート)で販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)又はSEPPIC社によって販売されているSimulgel800(CTFA名:ナトリウムポリアクリロイルジメチルタウレート/ポリソルベート80/オレイン酸ソルビタン)など;2-アクリルアミド-2-メチルプロパン-スルホン酸のコポリマー及びヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー、例えば、SEPPIC社によって販売されているSimulgel NS及びSepinov EMT10;セルロースベースの誘導体、例えば、ヒドロキシエチルセルロースなど;多糖及び特にキサンタンガムなどのガム;水溶性又は水分散性のシリコーンベースの誘導体、例えば、アクリルシリコーン、シリコーンポリエーテル及びカチオン性シリコーンなど、並びにそれらの混合物を含む。
【0056】
挙げることができる親油性増粘剤は、合成ポリマー、例えば、「Intelimer IPA13-1」及び「Intelimer IPA13-6」という名称でLandec社によって販売されているポリ(C10〜C30アルキルアクリレート)など、又は変性クレイ、例えば、ヘクトライト及びその誘導体など、例えば、Bentoneという名称で販売されている製品を含む。
【0057】
理解されるように、当業者は、想定される添加が本発明による組成物に本来付随する有利な特性に全く又は実質的に悪影響を及ぼさないように、前述の任意選択の追加の化合物及び/又はその量を注意深く選択するであろう。
【0058】
本発明による組成物は、当業者によく知られている技術に従って調製することができる。これらは、特に、クリーム又はミルクなどの単純又は複合エマルジョン(O/W、W/O、O/W/O又はW/O/W)の形態;又はローションの形態とすることができる。これらは、任意選択でエアゾールとしてパッケージ化されてもよく、ムース又はスプレーの形態であってもよい。
【0059】
本発明による組成物は、好ましくは、水中油型又は油中水型エマルジョンの形態である。
【0060】
エマルジョンは一般に、単独で又は混合物として使用される、両性、アニオン性、カチオン性又は非イオン性乳化剤から選択される少なくとも1種の乳化剤を含む。乳化剤は、得ようとするエマルジョン(W/O又はO/W)に応じて適切に選択される。エマルジョンはまた、別の種類の安定剤、例えば、充填剤、ゲル化ポリマー又は増粘剤を含有してもよい。
【0061】
W/Oエマルジョンの調製に使用することができる乳化性界面活性剤として、挙げることができる例は、ソルビタン、グリセロール又は糖のアルキルエステル又はエーテル;シリコーン界面活性剤、例えば、ジメチコーンコポリオール、例えば、Dow Corning社によって「DC5225C」の名称で販売されているシクロメチコーンとジメチコーンコポリオールとの混合物、及びアルキルジメチコーンコポリオール、例えば、Dow Corning社によって「Dow Corning 5200 Formulation Aid」の名称で販売されているラウリルメチコーンコポリオール;セチルジメチコーンコポリオール、例えば、Goldschmidt社によってAbil EM90Rの名称で販売されている製品、及びGoldschmidt社によってAbil WE O9の名称で販売されているセチルジメチコーンコポリオールとイソステアリン酸ポリグリセリル(4mol)とラウリン酸ヘキシルとの混合物を含む。また、ポリオールアルキルエステルを含む群から有利に選択することができる1種又は複数の補助乳化剤(co-emulsifier)をこれに添加することもできる。オクチルドデカノール(及び)オクチルドデシルキシロシド(Fluidanov20X)、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(Dehymuls PGPH)、リシノレイン酸ポリグリセリル-3(Akoline PGPR)及びジイソステアリン酸ポリグリセリル-3(Lameform TG1)もまた挙げることができる。
【0062】
ポリオールアルキルエステルとしては、ポリエチレングリコールエステル、例えば、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、例えば、ICI社によってArlacel P135の名称で販売されている製品を特に挙げることができる。
【0063】
挙げることができるグリセロール及び/又はソルビタンエステルは、例えば、イソステアリン酸ポリグリセリル、例えば、Goldschmidt社によってIsolan GI34の名称で販売されている製品、イソステアリン酸ソルビタン、例えば、ICI社によってArlacel987の名称で販売されている製品、イソステアリン酸ソルビタングリセリル、例えば、ICI社によってArlacel986の名称で販売されている製品、及びそれらの混合物を含む。
【0064】
O/Wエマルジョンについては、挙げることができる乳化剤の例は、非イオン性乳化剤、例えば、グリセロールのオキシアルキレン化(より詳細にはポリオキシエチレン化)脂肪酸エステルなど;ソルビタンのオキシアルキレン化脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)脂肪酸エステル、例えば、例えば、ICI社によってArlacel165という名称で販売されている混合物PEG-100Stearate/Glyceryl Stearate;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)脂肪アルコールエーテル;糖エステル、例えば、ステアリン酸スクロース;糖の脂肪アルコールエーテル、特にアルキルポリグルコシド(APG)、例えば、例えば、Henkel社によってそれぞれPlantaren2000及びPlantaren1200という名称で販売されているデシルグルコシド及びラウリルグルコシドなど、例えば、Montanov68という名称でSEPPIC社によって、Tegocare CG90という名称でGoldschmidt社によって及びEmulgade KE3302という名称でHenkel社によって販売されている、任意選択によりセトステアリルアルコールとの混合物としてのセトステアリルグルコシド、及びまた、例えば、Montanov202という名称でSEPPIC社によって販売されている、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール及びアラキジルグルコシドの混合物の形態のアラキジルグルコシドを含む。本発明の1つの特定の実施形態によれば、上記で定義したアルキルポリグルコシドと対応する脂肪アルコールとの混合物は、例えば文献WO-A-92/06778に記載されている自己乳化性組成物の形態であってもよい。レシチン及び誘導体(例えばBiophilic)、糖エステル及びステアロイル乳酸ナトリウムもまた言及することができる。
【0065】
別のエマルジョン安定剤のうち、より詳細には、イソフタル酸又はスルホイソフタル酸ポリマー、及び特にフタレート/スルホイソフタレート/グリコールコポリマー、例えば、「Eastman AQ Polymer」(AQ35S、AQ38S、AQ55S及びAQ48Ultra)という名称でEastman Chemical社によって販売されているジエチレングリコール/フタレート/イソフタレート/1,4-シクロヘキサンジメタノールコポリマー(INCI名: Polyester-5)が使用される。
【0066】
本発明の組成物がエマルジョンである場合、このエマルジョンの水性相は、既知の方法(Bangham、Standish及びWatkins、J. Mol. Biol.、13巻、238頁(1965年)、FR2315991及びFR2416008)によって調製された非イオン性小胞分散液(vesicular dispersion)を含むことができる。
【0067】
本発明による組成物は、多くのトリートメント、特に皮膚、唇及び頭皮を含む毛髪の美容トリートメントに、特に皮膚、唇及び/若しくは毛髪の保護及び/若しくはケアのために並びに/又は皮膚及び/若しくは唇のメークアップのための適用を見出す。
【0068】
本発明の別の主題は、上記で定義した本発明による組成物を、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉及び/又は頭皮のトリートメントのための化粧用製品、特にケア製品、日焼け防止製品及びメークアップ製品の製造に使用することから構成される。
【0069】
本発明による化粧品組成物は、例えば、メークアップ製品として使用することができる。
【0070】
本発明による化粧品組成物は、例えば、液体から半液体の稠度を有する顔及び/又は身体用のケア製品及び/又は日焼け防止製品として、例えば、乳液、程度の差はあるが濃厚なクリーム、クリームゲル又はペーストとして使用することができる。これらは、任意選択でエアゾールとしてパッケージ化されてもよく、ムース又はスプレーの形態であってもよい。
【0071】
本発明による蒸発性流体ローションの形態の本発明による組成物は、加圧装置によって微粒子の形態で皮膚又は毛髪に適用される。本発明による装置は当業者には周知であり、非エアゾールポンプ又は「アトマイザー」、噴射剤を含むエアゾール容器、さらに噴射剤として圧縮空気を用いるエアゾールポンプを含む。これらのポンプは、特許US4077441及びUS4850517に記載されている(これらの特許は、本明細書の内容の構成部分を形成する)。
【0072】
本発明に従ってエアゾールの形態でパッケージ化される組成物は一般に、従来の噴射剤、例えば、ヒドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン又はトリクロロフルオロメタンを含む。噴射剤は好ましくは、組成物の総重量に対して、15重量%〜50重量%の範囲の量で存在する。
【0073】
当業者は前記活性剤を、皮膚、毛髪、睫毛、眉又は爪に対する望ましい効果に応じて選択する。
【0074】
組成物は、これらの活性剤の生物学的効果の補完又は即効性の視覚的アンチエイジング効果の提供を目的とする、ソフトフォーカス効果充填剤又は皮膚の自然な着色を促す作用剤などの少なくとも1種の成分をさらに含むことが可能である。
【0075】
他の追加成分
組成物は、これらの活性剤の生物学的効果の補完又は即効性の視覚効果の提供を目的とする少なくとも1種の追加成分をさらに含むことが可能であり、特に、艶消剤、ソフトフォーカス効果充填剤、蛍光剤、皮膚の自然なピンクがかった着色を促すための作用剤、及び研磨(abrasive)又は剥離(exfoliating)充填剤に言及することができる。
【0076】
前述の化粧品及び/又は皮膚科学的活性剤がケラチン物質に与える効果を補完及び/又は最適化するために、本発明の組成物に他の追加成分を組み込むことが有利な場合がある。
【0077】
特に、これらの追加成分は、上記活性剤の生物学的効果により受けられる即効性の視覚効果を与えることができる。これらはまた、機械的作用(例えば、研磨充填剤)により、上記生物活性剤の効果を増幅し得る。
【0078】
したがって、本発明による組成物は、艶消剤、ソフトフォーカス効果を有する充填剤、皮膚の自然なピンクがかった着色を促す作用剤、研磨充填剤又は剥離剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種の作用剤をさらに含むことができる。
【0079】
艶消剤
「艶消剤」という用語は、皮膚を視覚的により艶消し、より光沢を少なくすることを目的とする作用剤を意味する。
【0080】
艶消剤及び/又はそれを含む組成物の艶消効果は、特に、ゴニオリフレクトメーターを用いて、鏡面反射と乱反射との比Rを測定することによって評価することができる。2以下のR値は一般に、艶消効果を反映する。
【0081】
艶消剤は特に、米澱粉又はトウモロコシ澱粉(INCI名:Zea Mays(corn)Starch、例えば、特にNational Starchによって商標名「Farmal CS3650PlUS036500」で販売されている製品)、カオリナイト、タルク、カボチャ種子エキス、セルロースマイクロビーズ、植物繊維、合成繊維、特に、ポリアミド繊維、発泡アクリルコポリマー微小球、ポリアミド粉末、シリカ粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、シリコーン樹脂粉末、アクリルポリマー粉末、ワックス粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆されたエラストマー性架橋オルガノポリシロキサンの粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、非晶質混合シリケート粉末、シリケート粒子、特に混合シリケート粒子、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0082】
艶消剤の例としては特に、以下のものを挙げることができる:
-米又はトウモロコシ澱粉、特に、National Starch社によってDry Flo(登録商標)の名称で販売されているアルミニウム澱粉オクテニルスクシネート;
-カオリナイト;
-シリカ;
-タルク;
-Indena社によってCurbilene(登録商標)の名称で販売されているカボチャ種子エキス;
-特許出願EP1562562に記載されているセルロースマイクロビーズ;
-繊維、例えば、絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、特に木材、植物又は藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維、変性セルロース繊維、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維、Teflon(登録商標)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、ポリマーの混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維(resorbable synthetic fibre)、及びそれらの混合物(特許出願EP1151742に記載);
-発泡アクリルコポリマー微小球、例えば、Expancel551(登録商標)の名称でEXPANCEL社によって販売されているもの;
-光学効果を有する充填剤(特に特許出願FR2869796に記載されているもの)
-ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、例えば、平均粒径が10ミクロン及び屈折率が1.54の、Arkema製のOrgasol型のNylon-12粒子、
-シリカ粉末、例えば、平均粒径が5ミクロン及び屈折率が1.45の、三好化成株式会社製のSilica beads SB150、
-ポリテトラフルオロエチレン粉末、例えば、平均粒径が8ミクロン及び屈折率が1.36の、Clariant製のPTFE Ceridust9205F、
-シリコーン樹脂粉末、例えば、平均粒径が4.5ミクロン及び屈折率が1.41の、GE Silicone製のシリコーン樹脂Tospearl145A、
-アクリルコポリマー粉末、特にポリメチル(メタ)アクリレートのアクリルコポリマー粉末、例えば、平均粒径が8ミクロン及び屈折率が1.49の、Nihon Junyoki製のPMMA粒子Jurymer MBI、又は松本油脂製薬株式会社製のMicropearl M100(登録商標)及びF80ED(登録商標)粒子、
-ワックス粉末、例えば、平均粒径が7ミクロン及び屈折率が1.54の、Micropowders製のパラフィンワックス粒子Microease114S;
-ポリエチレン粉末、特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸コポリマーを含むもの、具体的にはエチレン/アクリル酸コポリマーから構成されるもの、例えば、Sumitomo製の粒子Flobeads EA209(平均粒径10ミクロン及び屈折率1.48)、
-シリコーン樹脂、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆されたエラストマー性架橋オルガノポリシロキサン粉末(例えば、特許US5538793に記載)(このようなエラストマー粉末は、信越化学工業株式会社によってKSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104及びKSP-105の名称で販売されている)、並びに
-タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、例えば、Catalyst & Chemicals社によってCoverleaf(登録商標)AR-80の名称で販売されているもの、
-それらの混合物、
-特許出願FR2869796に記載されている、皮脂を吸収及び/又は吸着する化合物。特に、以下のものを挙げることができる:
-シリカ粉末、例えば、三好化成株式会社によってSilica Beads SB-700の名称で販売されている多孔質シリカ微小球、旭硝子株式会社によってSunsphere(登録商標)H51、Sunsphere(登録商標)H33及びSunsphere(登録商標)H53で販売されている製品、旭硝子株式会社によって販売されているSA Sunsphere(登録商標)H-33及びSA Sunsphere(登録商標)H-53の名称で販売されているポリジメチルシロキサン被覆非晶質シリカ微小球;
-非晶質混合シリケート粉末、特に、アルミニウム及びマグネシウムの非晶質混合シリケート粉末、例えば、Sumitomo社によってNeusilin UFL2の名称で販売されている製品;
-ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、例えば、Arkema社によって販売されているOrgasol(登録商標)4000、及び
-アクリルポリマー粉末、特にポリメチルメタクリレート粉末(例えば、Wackherr社によって販売されているCovabead(登録商標)LH85)、ポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート粉末(例えば、Dow Corning社によって販売されているDow Corning5640Microsponge(登録商標)Skin Oil Adsorber又はGanz Chemical社によって販売されているGanzpearl(登録商標)GMP-0820)、ポリアリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート粉末(例えば、Amcol社によって販売されているPoly-Pore(登録商標)L200又はPoly-Pore(登録商標)E200)、エチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー粉末(例えば、Dow Corning社によって販売されているPolytrap(登録商標)6603);
-シリケート粒子、例えば、アルミナシリケート;
-混合シリケート粒子、例えば:
-マグネシウムアルミニウムシリケート粒子、例えば、サポナイト又はクニミネ工業株式会社によって商標名Sumecton(登録商標)で販売されている、硫酸ナトリウムを含む水和マグネシウムアルミニウムシリケート;
-ケイ酸マグネシウム、ヒドロキシエチルセルロース、ブラッククミンオイル、マローオイル及びリン脂質の複合体又はLucas Meyer製のMatipure(登録商標)、並びに
-それらの混合物。
【0083】
本発明に従って使用することができる好ましい艶消剤としては、カボチャ種子エキス、米又はトウモロコシ澱粉、カオリナイト、シリカ、タルク、ポリアミド粉末、ポリエチレン粉末、アクリルコポリマー粉末、発泡アクリルコポリマー微小球、シリコーン樹脂マイクロビーズ及び混合シリケート粒子並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0084】
ソフトフォーカス効果を有する充填剤
これらの充填剤は、固有の物理的性質によって皺を修正する及び隠すことができる任意の物質とすることができる。これらの充填剤は特に、テンショニング効果、被覆効果又はソフトフォーカス効果によって皺を修正することができる。
【0085】
示すことができる充填剤の例は、以下の化合物を含む:
-多孔質シリカ微小粒子、例えば、三好化成株式会社製のSilica Beads(登録商標)SB150及びSB700(平均粒径5μm)及び旭硝子株式会社製のSunspheres(登録商標)Hシリーズ、例えば、Sunspheres H33、H51(粒径はそれぞれ、3.5及び5μm);
-中空半球形シリコーン樹脂粒子、例えば、特にEP-A-1579849に記載されている、竹本油脂株式会社製のNLK500(登録商標)、NLK506(登録商標)及びNLK510(登録商標);
-シリコーン樹脂粉末、例えば、GE Silicone製のシリコーン樹脂Tospearl(登録商標)145A(平均粒径4.5μm);
-アクリルコポリマー粉末、特にポリメチル(メタ)アクリレート粉末、例えば、Nihon Junyoki製のPMMA粒子Jurimer MBI(登録商標)(平均粒径8μm)、Wackherr社によってCovabead(登録商標)LH85の名称で販売されているPMMA中空球、及びExpancel(登録商標)の名称で販売されているビニリデン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチレン発泡微小球;
-ワックス粉末、例えば、Micropowders製のパラフィンワックス粒子MicroEase(登録商標)114S(平均粒径7μm);
-ポリエチレン粉末、特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸コポリマーを含むもの、例えば、Sumitomo製のFlobeads(登録商標)EA209E(平均粒径10μm);
-シリコーン樹脂、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン粉末(信越化学工業株式会社によってKSP-100(登録商標)、KSP-101(登録商標)、KSP-102(登録商標)、KSP-103(登録商標)、KSP-104(登録商標)及びKSP-105(登録商標)の名称で販売されている);
-タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、例えば、Catalyst & Chemical社製のCoverleaf AR-80(登録商標);
-タルク、マイカ、カオリン、ラウリルグリシン、無水コハク酸オクテニルで架橋された澱粉粉末、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン粉末、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム、二酸化セリウム及びガラス又はセラミックマイクロカプセル;
-親水性又は疎水性の、合成又は天然の、無機又は有機の繊維、例えば、絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、特に木材、植物又は藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維、変性セルロース繊維、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、ポリマーの混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維、及びそれらの混合物(特許出願EP1151742に記載);
-球形エラストマー性架橋シリコーン、例えば、Dow Corning製のTrefil E-505C(登録商標)又はE-506C(登録商標);
-機械的作用によって皮膚のマクロレリーフを平坦化する研磨充填剤、例えば、研磨シリカ、例えば、Semanez製のAbrasif SP(登録商標)又はナッツ若しくはシェル粉末(例えば、Cosmetochem製のアプリコット又はクルミ粉末)。
【0086】
エイジングサインに効果を有する充填剤は特に、多孔質シリカ微小粒子、中空半球形シリコーン粒子、シリコーン樹脂粉末、アクリルコポリマー粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆された架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム、二酸化セリウム、ガラス又はセラミックマイクロカプセル、絹繊維又は綿繊維、及びそれらの混合物から選択される。
【0087】
充填剤は、ソフトフォーカス充填剤であってもよい。
【0088】
「ソフトフォーカス」充填剤という用語は、肌色の透明感及びぼんやりした効果をさらに与える充填剤を意味する。好ましくは、ソフトフォーカス充填剤は、15ミクロン以下の平均粒径を有する。これらの粒子は任意の形態であってよく、特に球形又は非球形であってもよい。これらの充填剤はより好ましくは非球形である。
【0089】
ソフトフォーカス充填剤は、シリカ及びケイ酸粉末、特にアルミナ粉末、ポリメチルメタクリレート(PMMA)タイプの粉末、タルク、シリカ/TiO2又はシリカ/酸化亜鉛複合物、ポリエチレン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、スチレン/アクリルコポリマー粉末及びシリコーンエラストマー、並びにそれらの混合物から選択することができる。
【0090】
特に、数平均粒径3ミクロン以下のタルク、例えば、数平均粒径1.8ミクロンのタルク、特に日本タルク株式会社によって商標名Talc P3(登録商標)で販売されている製品、Nylon(登録商標)12粉末、特にAtochem社によってOrgasol2002Extra D Nat Cos(登録商標)の名称で販売されている製品、ミネラルワックスで1%〜2%表面処理されたシリカ粒子(INCI名:水和シリカ(及び)パラフィン)、例えば、Degussa社によって販売されている製品、非晶質シリカ微小球、例えば、旭硝子株式会社によってSunsphereの名称で販売されている製品(例えば、参照記号H-53(登録商標))、及びシリカマイクロビーズ、例えば、三好化成株式会社によってSB-700(登録商標)又はSB-150(登録商標)の名称で販売されているものを挙げることができ、これらの列挙は限定的なものではない。
【0091】
エイジングサインに効果があるこれらの充填剤の、本発明による組成物中の濃度は、組成物の総重量に対して、0.1重量%〜40重量%、又はさらには0.1重量%〜20重量%とすることができる。
【0092】
皮膚の自然なピンクがかった着色を促す作用剤
特に、以下のものを挙げることができる:
-セルフタンニング剤、即ち、皮膚、特に顔への適用時に、日光への長期間曝露(自然の日焼け)又はUVランプ下で生じ得るのと程度の差はあるが同様な外観の日焼け効果を生じることができる作用剤;
-追加の着色剤、即ち、持続的で非被覆性の(即ち、皮膚を不透明化する傾向がない)着色を皮膚に与えることができ、水を用いても、又は溶媒を使用しても除去されず、摩擦にも界面活性剤を含む水溶液による洗浄にも耐える、皮膚に対して特別な親和性を有する任意の化合物(したがって、このよう持続的な着色は、例えばメークアップ顔料によって提供される表面的で一時的な着色とは区別される);
及びそれらの混合物。
【0093】
特に挙げることができるセルフタンニング剤の例は、以下のものを含む:
ジヒドロキシアセトン(DHA)、
エリトルロース、及び
以下から形成される触媒系の組合せ:
-マンガン及び/又は亜鉛の酸化物及び塩、並びに
-アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属炭酸水素塩。
【0094】
セルフタンニング剤は一般に、モノカルボニル又はポリカルボニル化合物、例えば、イサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリトルロース、ピラゾリン-4,5-ジオン誘導体(特許出願FR2466492及びWO97/35842に記載)、ジヒドロキシアセトン(DHA)及び4,4-ジヒドロキシピラゾリン-5-オン誘導体(特許出願EP903342に記載)から選択される。好ましくは、DHAが使用される。
【0095】
DHAは、遊離形態及び/又は、例えば、特に特許出願WO97/25970に記載されているリポソームなどの脂質小胞中に、カプセル化された形態で使用されてもよい。
【0096】
一般に、セルフタンニング剤は、組成物の総重量の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%の範囲の量で存在する。
【0097】
セルフタンニング剤によって生成される色の修正を可能にする他の染料も使用することができる。
【0098】
これらの染料は、合成又は天然の直接染料から選択することができる。
【0099】
これらの染料は、例えば、フルオラン型の赤色又はオレンジ色染料、例えば、特許出願FR2840806に記載されているものから選択することができる。例えば、以下の染料を挙げることができる:
-CTFA名:CI45380又はRed21として知られるテトラブロモフルオレセイン又はエオシン;
-CTFA名:CI45410又はRed27として知られるフロキシンB;
-CTFA名:CI45425又はOrange10として知られるジヨードフルオレセイン;
-CTFA名: CI45370又はOrange5として知られるジブロモフルオレセイン;
-CTFA名:CI45380(Na塩)又はRed22として知られるテトラブロモフルオレセインのナトリウム塩;
-CTFA名:CI45410(Na塩)又はRed28として知られるフロキシンBのナトリウム塩;
-CTFA名:CI45425(Na塩)又はOrange11として知られるジヨードフルオレセインのナトリウム塩;
-CTFA名:CI45430又はAcid Red51として知られるエリトロシン;
-CTFA名:CI45405又はAcid Red98として知られるフロキシン。
【0100】
これらの染料はまた、アントラキノン、カラメル、カルミン、カーボンブラック、アズレンブルー、メトキサレン、トリオキサレン、グアイアズレン、カマズレン、ベンガルローズ、コシン(cosin)10B、シアノシン及びダフィニンから選択することができる。
【0101】
これらの染料はまた、インドール誘導体、例えば、特許FR2651126に記載されているモノヒドロキシインドール(即ち:4-、5-、6-又は7-ヒドロキシインドール)又は特許EP-B-0425324に記載されているジヒドロキシインドール(即ち:5,6-ジヒドロキシインドール、2-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、3-メチル-5,6-ジヒドロキシ-インドール又は2,3-ジメチル-5,6-ジヒドロキシインドール)から選択することができる。
【0102】
研磨充填剤又は剥離剤
本発明によるリンスアウト(rinse-out)組成物中に使用することができる剥離剤として、言及することができる例は、鉱物、植物又は有機由来の剥離又はスクラブ粒子を含む。したがって、例えば、ポリエチレンビーズ又は粉末、Nylon粉末、ポリ塩化ビニル粉末、軽石粉末、粉砕杏仁又はクルミ殻、おがくず、ガラスビーズ及びアルミナ、並びにそれらの混合物を使用できる。また、Solabia製のExfogreen(登録商標)(竹エキス)、イチゴ痩果エキス(Greentech製のStrawberry Achenes)、桃仁粉末、杏仁粉末を挙げることができ、最後に、研磨効果を有する植物粉末の分野において、クランベリー仁粉末を挙げることができる。
【0103】
本発明による好ましい研磨充填剤又は剥離剤としては、桃仁粉末、杏仁粉末、クランベリー仁粉末、イチゴ痩果エキス及び竹エキスが挙げられる。
【0104】
以下の実施例は、本発明を例示するために役立つが、限定的な特徴を示すものではない。これらの例において、組成物成分の量は、組成物の総重量に対して重量百分率として示す。
【0105】
(実施例)
(実施例1及び2)
以下の成分を含有する日焼け止め製剤を調製した。
【0106】
【表1】

【0107】
水相Aを調製し、これを80/85℃で加熱する(濁った溶液)-次いで、温度をおよそ70℃(68℃)まで低下させる。
【0108】
脂肪相B1を調製し、次いで、これを68/72℃で加熱する(72℃-透明)。相B2を68℃で添加する。
【0109】
エマルジョンを、10分かけて2500rpmで相Bを相Aに組み込むことによって形成する-(顕微鏡:多少の大きい球を含む細かい高密度のエマルジョン)。
【0110】
50℃の温度で、相Cを、最大3300rpmで混合物ABに組み込む(乳化剤の妨害)。次いで、これをおよそ10分間ミキサーに入れて、大きい球を精製する。バタフライシャフトを使用してこれをおよそ40℃まで冷却する。相D、E及びFをその後、10分かけて添加する。
【0111】
次いで、組成物1及び2のそれぞれについて、関連する太陽光線保護指数(SPF)を決定した。これは、V. Wandelら、SOFW Journal127(2001)によって記載されているインビトロ方法を使用することによって決定した;この方法の本質は、290〜400nmの波長範囲にわたって単色保護指数を決定すること、及びそこから所与の数式に従って太陽光線保護指数を計算することにある。測定は、Labsphere社製のUV-1000S装置において1nm間隔で実施し、0.6mg/cm2の製品をフロストPMMAプレート上に塗布した。結果(平均値は、製品1つ当たり5つのプレート、プレート1つ当たり10個の点に対応する)を、下記の表(I)にまとめる。
【0112】
【表2】

【0113】
これら2つの平均は、スチューデントのt検定によれば95%及び99%信頼度で有意に異なる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品として許容される水性担体中に、
(a)1種若しくは複数の親水性、親油性又は不溶性の有機遮断剤及び/又は被覆されていてもよく又は被覆されていなくてもよい1種若しくは複数の金属酸化物顔料により構成される、UV放射線を遮断することができる少なくとも1つの光保護系;及び
(b)少なくとも1つの2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物
を含むことを特徴とする、皮膚及び/又は毛髪を紫外線から保護するための流体組成物。
【請求項2】
2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物が、下記の式(I):
【化1】

(式中、
-R1は、直鎖C1〜C4アルキル基を表し、
-R2は、水素原子又は直鎖C1〜C4アルキル基を表し、
-R3は、ヒドロキシル基によって場合により置換されている直鎖C1〜C12アルキル基、そうでなければ、ヒドロキシル基によって場合により置換されている直鎖C2〜C12アルケニル基を表す)
に対応する化合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物が、
-R2が、H及びCH3から選択され、及び/又は
-R3が、(i)C1〜C10アルキル基、(ii)C2〜C10アルケニル基、特に、-CH=CH-R4基(R4は、直鎖C1〜Cアルキル基を表す)、そうでなければ(iii)構造-CH2-CH(OH)-R5のヒドロキシアルキル基(R5は直鎖C1〜C10、好ましくはC4〜C10、アルキル基を表す)を表す、
式(I)の化合物から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物が、以下の化合物:
【化2A】

【化2B】

【化2C】

【化2D】

から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物が、式(a)
【化3】

の4-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン化合物である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物が、組成物の総重量に対して0.01〜10重量%及びより好ましくは、さらに0.5〜5 %及びより詳細には、さらに1〜3 %の範囲の濃度で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
有機UV遮断剤が、ケイ皮酸誘導体、アントラニラート、サリチル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、カンファー誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロネート誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾリン、ビス-ベンゾアゾリル誘導体、p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体、メチレンビス-(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、遮断ポリマー及び遮断シリコーン、α-アルキルスチレンから誘導される二量体、4,4-ジアリールブタジエン、メロシアニン誘導体、及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記有機UV遮断剤が、以下:
エチルヘキシルメトキシシンナメート、
ホモサレート、
エチルヘキシルサリチレート、
オクトクリレン、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
n-ヘキシル2-(4-ジエチル-アミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
4-メチルベンジリデンカンファー、
エチルヘキシルトリアゾン、
ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)-アミノ]-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
ジ-ネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
及びそれらの混合物
から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
金属酸化物粒子が、500nm以下の、より好ましくは5nmから500nmの間の、及びより好ましくはさらに10nmから100nmの間の、好ましくは15nmから50nmの間の平均基本粒子径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記金属酸化物粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム又はそれらの混合物から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
太陽光線保護指数(SPF)を増加させるための、化粧品として許容される水性担体中に、請求項1から10のいずれか一項に定義のUV放射線を遮断することができる少なくとも1つの光保護系を含む組成物における、請求項1から10のいずれか一項に定義の2-アルコキシ-4-アルキルケトンフェノール化合物の使用。

【公表番号】特表2013−507333(P2013−507333A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532544(P2012−532544)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064596
【国際公開番号】WO2011/042358
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】