説明

2−オキソ−アルキル−1−ピペラジン−2−オンの誘導体、これらの調製方法およびこれらの治療的使用

本発明は、一般式(I)を有する4−{2−[フェニル−3,6−ジヒドロ−ピリジン−1−イル]−2−オキソ−アルキル}−1−ピペラジン−2−オンおよび4−{2−[フェニル−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル]−2−オキソ−アルキル}−1−ピペラジン−2−オンの誘導体に関し、A、B、m、R3およびnは請求項1にて定義された通りである。本発明はまた、これらの調製およびこれらの治療的使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−{2−[フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1−イル]−2−オキソアルキル}−1−ピペラジン−2−オンおよび4−{2−[フェニル−2,5−ジヒドロピロール−1−イル]−2−オキソアルキル}−1−ピペラジン−2−オン誘導体、これらの調製およびこれらの治療的使用に関する。
【0002】
本発明に従う化合物は、p75NTRニューロトロフィン受容体に対する親和性を有する。
【背景技術】
【0003】
ニューロトロフィンは、特定の細胞生存および分化においてこの生物学的効果を有するタンパク質ファミリーに属する。
【0004】
すべてのニューロトロフィンに対する受容体であるp75NTR受容体は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体ファミリーの膜貫通糖タンパク質である(W.J.Friedman and L.A.Greene,Exp.Cell.Res.,1999,253,131−142)。p75NTR受容体は、幾つかの細胞タイプにおいて発現し、幾つかの生物学的機能は前記受容体に起因している:一方ではチロシンキナーゼ(trk)受容体に対するニューロトロフィンの親和性の調節;他方ではtrkの不存在下での、アポトーシスによる細胞死に関するシグナルの誘導。さらに、ニューロトロフィン前駆体であるプロニューロトロフィンは、高い親和性をもってp75NTRに結合でき、ニューロンおよび特定の細胞系におけるアポトーシスの強力なp75NTR依存性の誘導因子であると考えられる。
【0005】
中枢神経系のレベルにおいて、多くの研究により、アポトーシスは、幾つかの病理学的状態、例えば筋委縮性側索硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病ならびにプリオン病において生じることがわかっている。またp75NTRは、種々のタイプの神経変性疾患、例えばアルツハイマー病および筋委縮性側索硬化症(ALS)において過剰発現することが知られている(Longo F.M.et al.,Curr.Alzheimer Res.2007;4:503−506;Lowry K.S.et al.,Amyotroph.Lateral.Scler.Other.Motor.Neuron.Disord.2001;2:127−34)。
【0006】
結果からは、p75NTRが、虚血後のアポトーシス性ニューロン死をもたらす機構において支配的な役割を果たし得ることが示唆されている(P.P.Roux et al.,J.Neurosci.,1999,19,6887−6896)。
【0007】
結果(V.Della−Bianca et al.,J.Biol.Chem.,2001,276:38929−33)(S.Rabizadeh et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1994,91,10703−10706)は、p75NTRが、プリオンタンパク質感染(伝達性海綿状脳症)によってまたはβアミロイドタンパク質(アルツハイマー病)によって誘導されるニューロン死において重要な役割を果たすという仮説を支持している。
【0008】
p75NTR受容体はまた、Nogo受容体と関連し、軸索成長におけるこれらのミエリンタンパク質の抑制効果の情報伝達に関与する。結果としてp75NTR受容体は、神経可塑性の調節において、およびニューロン−グリア相互作用において主要な役割を果たし、従って神経再生を促進するための優れた治療標的になる。
【0009】
神経系および神経変性疾患の他、p75NTRは、心血管疾患、例えばアテローム性動脈硬化および心筋虚血において役割を果たし得ることが示唆されている(M.L.Bochaton−Pialat et al.,Am.J.Pathol.,1995,146,1−6;H.Perlman,Circulation,1997,95,981−987)。最近の研究から、p75NTRの発現およびニューロトロフィンの発現の増大と、アテローム性動脈硬化病変における多量のアポトーシスとが示されている。
【0010】
幾つかの研究ではまた、p75NTRが炎症メディエーターであることが示唆されている(Rihl M.et al.,Ann.Rheum.Dis.2005;64(11):1542−9;Raychaudhuri S.P.et al.,Prog.Brain.Res.2004;146:433−7、Tokuoka S.et al.,Br.J.Pharmacol.2001,134:1580−1586)。
【0011】
p75NTRはまた、腫瘍生物学において重要な役割を果たす。
【0012】
多くの化合物は、trkA/NGF/p75NTR系と相互作用し、またはNGF−タイプ(神経成長因子)活性を有することが知られている。従って特許出願WO00/59893には、NGF−タイプの活性を有し、および/またはPC12細胞におけるNGFの活性を増大させる置換されたピリミジン誘導体が記載されている。
【0013】
特許出願WO03/104225には、P75NTR受容体に対する親和性を示す化合物が記載されている。これらの化合物は、高度に代謝され、hERG遺伝子(ヒトEther−a−go−go関連遺伝子)の阻害パーセンテージが高い。
【0014】
hERG遺伝子は、カリウムイオンチャンネルのK11.1タンパク質をエンコードする。このタンパク質は、心臓の電気的活動に寄与することが知られている。細胞膜を通して電流を伝導するチャンネルの能力が薬剤の作用によって阻害される場合、QT症候群と呼ばれる可能性として死に至る障害をもたらし得る。特定数の薬剤は、このタンパク質を阻害することで、負の副作用として突然死の随伴性リスクを生み出してしまう。このことにより、hERG阻害は、薬剤の調節およびこれらの開発の両方において中心的問題になっている(Sanguinetti MC,Tristani−Firouzi M(March 2006).「hERG potassium channels and cardiac arrhythmia」.Nature 440(7083):463−9)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第00/59893号
【特許文献2】国際公開第03/104225号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】W.J.Friedman and L.A.Greene,Exp.Cell.Res.,1999,253,131−142
【非特許文献2】Longo F.M.et al.,Curr.Alzheimer Res.2007;4:503−506
【非特許文献3】Lowry K.S.et al.,Amyotroph.Lateral.Scler.Other.Motor.Neuron.Disord.2001;2:127−34
【非特許文献4】P.P.Roux et al.,J.Neurosci.,1999,19,6887−6896
【非特許文献5】V.Della−Bianca et al.,J.Biol.Chem.,2001,276:38929−33)
【非特許文献6】S.Rabizadeh et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1994,91,10703−10706
【非特許文献7】M.L.Bochaton−Pialat et al.,Am.J.Pathol.,1995,146,1−6
【非特許文献8】H.Perlman,Circulation,1997,95,981−987
【非特許文献9】Rihl M.et al.,Ann.Rheum.Dis.2005;64(11):1542−9
【非特許文献10】Raychaudhuri S.P.et al.,Prog.Brain.Res.2004;146:433−7
【非特許文献11】Tokuoka S.et al.,Br.J.Pharmacol.2001,134:1580−1586
【非特許文献12】Sanguinetti MC,Tristani−Firouzi M(March 2006).「hERG potassium channels and cardiac arrhythmia」.Nature 440(7083):463−9
【発明の概要】
【0017】
本発明の主題は、p75NTR受容体に対する親和性を示し、先行技術の化合物が有する高い代謝および強いhERG阻害という欠点を有さない新規な化合物である。従って、新規な薬剤の開発に有利である。
【0018】
本発明の主題は、式(I)に対応する化合物である:
【0019】
【化1】

式中:
mは0または1であり;
Aは:
【0020】
【化2】

であり、Bは水素原子であり;
または
Aは水素原子であり、Bは:
【0021】
【化3】

であり;
R1およびR2は、同一または異なっていてもよく、独立に、水素もしくはハロゲン原子、C1−アルキル、C1−フルオロアルキル、C1−ペルフルオロアルキルまたはC1−アルコキシ基またはトリフルオロメトキシ基であり;
nは1または2であり;
R3は、次式の基であり:
【0022】
【化4】

式中、R4およびR5は、同一または異なっていてもよく、いずれかの利用可能な位置にあり、独立に、水素もしくはハロゲン原子、ヒドロキシル、C1−アルキル、C1−フルオロアルキル、C1−ペルフルオロアルキルもしくはC1−アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、またはCOOH、COOアルキル、CONH、CONR6R7もしくはNHCOR基であり;
R、R6およびR7はC1−アルキルである。
【0023】
式(I)の化合物は、1つ以上の非対称炭素原子を含み得る。そのため、これらはエナンチオマーまたはジアステレオマーの形態で存在し得る。これらのエナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびにさらにラセミ混合物を含むこれらの混合物は、本発明の一部を形成する。
【0024】
式(I)の化合物は、塩基の形態または酸との付加塩の形態で存在してもよい。こうした付加塩の形態は本発明の一部を形成する。
【0025】
これらの塩は、医薬的に許容される酸で調製されてもよいが、例えば式(I)の化合物を精製または単離するために有用な他の酸の塩も本発明の一部を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の内容において:
「ハロゲン原子」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味することを目的とする;
「アルキル基」という用語は、直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族基を意味することを目的とする。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルを表すことができるC1−アルキル基を挙げることができる;
「フルオロアルキル基」という用語は、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されているアルキル基を意味することを目的とする;
「ペルフルオロアルキル基」という用語は、すべての水素原子がフッ素原子で置換されているアルキル基を意味することを目的とする。
【0027】
「アルコキシ基」という用語は、アルキル基が上記で定義された通りである−O−アルキル基を意味することを目的とする。
【0028】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、別の群の化合物は、塩基の形態または酸との付加塩の形態において、R4およびR5が、同一または異なっていてもよく、いずれかの利用可能な位置にあり、独立に、CONH、CONR6R7またはNHCORであり、R、R6およびR7は上記で定義された通りである化合物で構成されている。
【0029】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、別の群の化合物は、塩基の形態または酸との付加塩の形態において:
mは1であり;
Aは:
【0030】
【化5】

であり、Bは水素原子であり;
R1およびR2は、同一または異なっていてもよく、独立に、水素もしくはハロゲン原子、C1−アルキル、C1−フルオロアルキル、C1−ペルフルオロアルキルまたはC1−アルコキシ基またはトリフルオロメトキシ基であり;
nは1または2であり;
R3は次式の基であり:
【0031】
【化6】

式中、R4およびR5は、同一または異なっていてもよく、いずれかの利用可能な位置にあり、独立に、水素もしくはハロゲン原子、ヒドロキシル、C1−アルキル、C1−フルオロアルキル、C1−ペルフルオロアルキルもしくはC1−アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、またはCOOHもしくはCOOアルキル基である;
式(I)の化合物で構成される。
【0032】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、化合物の別の群は、塩基の形態または酸との付加塩の形態において、R1がH以外でありR2は上記で定義された通りである化合物で構成される。
【0033】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、別の群の化合物は、塩基の形態または酸との付加塩の形態において:
R1は、フェニルの−2−、−3−または−4−の位置にあり、ハロゲン原子またはより詳細には塩素原子、またはCFラジカルであり、R2は水素または3−もしくは4−ハロゲンであり、より詳細には3−もしくは4−Clであり;または他にはR1は、2−、3−または4−の位置にあり、塩素原子またはCFラジカルであり、R2は水素原子であり;またはその他にはR1はフェニルの3−の位置にあり、CFラジカルであり;Rはフェニルの4−の位置にあり、塩素原子であり;またはその他にR1はフェニル原子の2−の位置にあり、塩素原子であり、R2はフェニルの3−の位置にあり、塩素原子であり;および/または
R3は、2−ピリジニルまたは2−ピリミジニルであり、それぞれ上記で定義された通りのR4およびR5で置換されており;および/または
n=1
である化合物で構成される。
【0034】
この後者の群の化合物のうち、塩基の形態または酸との付加塩の形態において:
R1が3−CFであり;
R2が4−クロロであり;
R3がCFで5−置換された2−ピリジル残基であり;
n=1
である式(I)の化合物を挙げることができる。
【0035】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、塩基の形態または酸との付加塩の形態において、特に次の化合物を挙げることができる:
化合物番号1:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号2:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号3:4−{2−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号4:4−{2−オキソ−2−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−ピリジン−2−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号5:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−ピリジン−2−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号6:4−{2−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−ピリジン−2−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号7:4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号8:4−{2−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号9:4−{2−[4−(3−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号10:4−{2−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号11:4−{2−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号12:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−ピリジン−3−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号13:1−(6−クロロピリジン−3−イル)−4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−ピペラジン−2−オン;
化合物番号14:4−{2−オキソ−2−[5−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号15:4−{2−オキソ−2−[4−(3−トリフルオロメトキシルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−ピリジン−2−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号16:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号17:4−{2−[4−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号18:4−{2−[4−(3−メチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号19:4−{2−[4−フェニル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号20:4−{2−オキソ−2−[5−(2,3−ジクロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号21:4−{2−オキソ−2−[5−(3−メトキシ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン。
【0036】
後続の本文において、「保護基Pg」という用語は、一方で合成中にヒドロキシルまたはアミンのような反応性機能を保護することを可能にする基を意味し、他方では、合成の終わりに無傷の反応性機能を再生することを可能にする基を意味することを目的とする。保護基の例、さらに保護の方法および脱保護の方法の例は、「Protective Groups in Organic Synthesis」,Green et al.,2nd Edition(John Wiley&Sons,Inc.,New York)に与えられる。
【0037】
本発明に従えば、一般式(I)の化合物は、次のような方法に従って調製される。
【0038】
【化7】

A、B、m、nおよびR3が上記で定義された通りである式(I)の化合物は、上記で定義された式(IV)の化合物と、上記で定義された式(V)の化合物とを、WO03/104225に記載される当業者に既知の方法に従って反応させることによって調製できる。より詳細には、一般式(I)の化合物を調製するための方法は、WO03/104225に記載されるような溶媒中、塩基の存在下にて、式(IV)の化合物と:
【0039】
【化8】

式中、A、B、mおよびnが一般式(I)にて定義された通りであり、Halがハロゲン原子、例えば塩素を表す、
一般式(V)の化合物との反応を含む:
【0040】
【化9】

式中、R3は一般式(I)で定義された通りである。従って、塩基としては、有機塩基、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DPEA)、またはN−メチルモルホリンまたはアルカリ金属炭酸塩または重炭酸塩、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、ならびにヨウ化カリウムもしくはヨウ化ナトリウムのようなアルカリ金属ヨウ化物の不存在下または存在下におけるものを挙げることができる。反応は、溶媒、例えばアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、トルエンまたはプロパン−2−オールにおいて、周囲温度から溶媒の還流温度の間の温度で有利に行われる。「周囲温度」という用語は、5から25℃の温度を意味することを目的とする。例として、反応は、重炭酸ナトリウム、およびヨウ化ナトリウムの存在下、DMFのような溶媒中で行うことができる。反応は、好ましくはマイクロ波反応器にて行われる。
【0041】
こうして得られた一般式(I)の生成物において、R、R1、R2、R4、R5、R6およびR7は、当業者によって一般に使用される処置により変更できる、例えばエステル基の加水分解によりカルボン酸基を与える。
【0042】
一般式(I)の化合物の酸との付加塩は、遊離の塩基形態における式(I)の化合物に適切な酸を添加することによって得ることができる。
【0043】
R1およびR2が式(I)の化合物について定義された通りである式(IV)の化合物は、式(II)の化合物と、式(III)の化合物とを、例えばWO03/104225に記載される溶媒中、塩基の存在下で、当業者に既知の方法に従って反応させることによって調製できる。
【0044】
より詳細には、式(IV)の化合物は、場合により酸との付加塩の形態である式(II)の対応する化合物と:
【0045】
【化10】

式中、A、Bおよびmは、一般式(I)にて定義された通りである;
式(III)の化合物とを反応させることによって得ることができる:
【0046】
【化11】

式中、nおよびHalは式(IV)にて定義された通りであり、Hal’はハロゲン原子であり、これらは同一または異なっていてもよい。好ましくはHal’は塩素原子である。
【0047】
この反応は一般に、塩基、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたはN−メチルモルホリンの存在下、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフランもしくはジオキサンまたはこれらの溶媒の混合物中、0℃から周囲温度までの温度にて行われる。式(II)および(III)の化合物は、一般に市販されており、または当業者に既知の方法に従って調製できる。
【0048】
R3が式(I)にて定義された通りである式(V)の化合物は、当業者に既知の方法に従って調製される。これらは、例えば次の通りである方法に従って調製できる:
【0049】
【化12】

より詳細には、式(V)の化合物は、R3が式(I)にて定義された通りである式(XI)の対応する化合物から調製でき、Pgは窒素原子のための保護基、例えばベンジルである。この反応は、当業者に既知のいずれかの方法を適用または適合させることによって行うことができ;一般にこの反応は、酸性媒体中で、触媒、例えばPd/Cの存在下で行われる。
【0050】
式(XI)の化合物は、R3が式(I)にて定義された通りであり、Pgが保護基である式(VIII)の化合物から、式(VI)の化合物の存在下で得ることができる。一般に、この反応は、周囲温度から水を含んでいてもよい反応混合物の沸点までの温度にて行われる。
【0051】
または、式(XI)の化合物は、不活性溶媒、例えばトルエン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド中、周囲温度から反応混合物の沸点までの温度にて、アルカリ水素化物との反応によって式(IX)の化合物から得ることができる。
【0052】
式(IX)の化合物は、ブタノールまたはアセトンのような溶媒中、炭酸カリウムのような塩基の存在下、周囲温度から反応混合物の沸点までの温度にて、エチルブロモアセタートまたはエチルクロロアセタートとの反応によって、式(VIII)の化合物から得ることができる。
【0053】
式(VIII)の化合物は、R3が式(I)にて定義された通りであり、Xがハロゲン原子、例えば塩素である式(VII)の化合物から、Pgが式(VIII)にて定義された通りである保護基である式(X)の化合物の存在下で得ることができる。一般にこの反応は、周囲温度から反応混合物の沸点までの温度にて行われる。
【0054】
場合により、本発明に従う方法は、得られた所望の生成物を単離することで構成されている後続工程を含む。
【0055】
本発明の別の態様によれば、本発明の主題は、塩基の形態または酸との付加塩の形態である式(IV)の化合物でもある。
【0056】
【化13】

式中、A、B、mおよびnは、一般式(I)にて定義された通りであり、Halはハロゲン原子、例えば塩素である。これらの化合物は、式(I)の化合物を合成するための中間体として有用である。
【0057】
スキーム1および2における出発化合物および反応体は、これらの調製方法が記載されていない場合、市販されているか、または文献に記載されており、またはその他にはこれらに記載されている方法または当業者に既知の方法に従って調製できる。
【0058】
次の例は、本発明に従う特定の化合物の調製を記載する。これらの化合物は、限定ではなく、本発明を単に例示するものである。例示された化合物の数字は、以降の表に与えられるものを指し、これは本発明に従う幾つかの化合物の化学的構造および物理的特性を示す。
【0059】
HPLCは、質量分析用イオントラップ検出器およびダイオードアレイ検出器を備えたThermoElectron LCQ Deca XP Maxシステムを用いて行われた。
【0060】
質量分析とカップリングさせた液体クロマトグラフィー(LC/UV/MS)による分析条件は次の通りである:
クロマトグラフィーシステムA
溶出液A=HO+0.01%TFA
溶出液B=CHCN
10分以内は98%Aから95%Bへの勾配、次いで5分間は95%Bでの溶出。
流速0.5ml/分;温度40℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
クロマトグラフィーシステムB
溶出液A=HO+0.05%TFA
溶出液B=CHCN+0.035%TFA
12分以内は98%Aから95%Bへの勾配、次いで3分間は95%Bでの溶出。
流速0.7ml/分;温度40℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
クロマトグラフィーシステムC
溶出液A=酢酸アンモニウム緩衝剤5mM pH6.5
溶出液B=CHCN
10分以内は98%Aから95%Bへの勾配、次いで5分間は95%Bでの溶出。
流速0.5ml/分;温度40℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
生成物を220nmにてUVによって検出する。
使用されるカラムは、粒径が2から4μm、好ましくは3.5μmであるC18カラムである。
【0061】
質量分析の一部として:
イオン化モード:正のエレクトロスプレー(API−ES極性+)
120から1500umaの走査
【0062】
プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、次の条件下で記録した:
a)Avance IIIコンソールを備えたBruker機において500MHz
b)Avance Iコンソールを備えたBruker機において400MHz
化学シフトは、TMS周波数に関してppmの単位で記録する。
【0063】
シグナルの特徴付けに使用される略号は次の通りである:s=一重線、bs=幅の広い一重線、m=多重線、bm=幅の広い多重線、d=二重線、bd=幅の広い二重線、t=三重線、q=四重線。
【0064】
=水による幅の広いピークとの干渉により積分できない。
【0065】
**=NMR溶媒によるピークとの干渉により積分できない。
【0066】
2Xm=2つの部分的に重ね合わされた多重線。
【0067】
調製1
1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン塩酸塩
2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(式(VII)の化合物)10gおよびN−ベンジルエチレンジアミン(式(X)の化合物)40.5mlを、丸底フラスコにて6時間135℃に加熱する。混合物を水に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチルで抽出する。得られた生成物を乾燥し、蒸発させて乾固させる;こうして得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。単離された生成物(式(VIII)の化合物)14gを2NのHCl溶液200mlに溶解させる。二量体のグリオキサール二水和物(化合物VI)30gを添加し、混合物を周囲温度で72時間撹拌し続ける。これを酢酸エチルで抽出する。得られた生成物を乾燥し、蒸発させて乾固させる;こうして得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。単離された生成物(式(IX)の化合物)10gを、エタノール450mlに溶解させ、次いでHClで飽和させたイソプロパノールの溶液15mlおよび10%でのPd/C3gを添加する。混合物を40℃の温度で4時間水素ストリーム下で反応させる。得られた生成物をろ過し、蒸発させて乾固させ、表題化合物3gを得る(式(V)の化合物)、融点205−207℃。
【0068】
調製2
1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン塩酸塩
2−クロロ−5−メチルピリジン(式(VII)の化合物)4.7gおよびN−ベンジルエチレンジアミン(式(X)の化合物)27.5mlを丸底フラスコにて135℃で5時間加熱する。混合物を水に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチルで抽出する。得られた生成物を乾燥し、蒸発させて乾固させる;こうして得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。生成物3.6gを単離する(式(VIII)の化合物)。
【0069】
この生成物1.5gをブタノール3mlに溶解させる。炭酸カリウム0.85gおよびブロモ酢酸エチル1.05gを添加し、この混合物を還流温度にて3時間加熱させる。これを水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。得られた生成物を乾燥させ、蒸発させて乾固する;こうして得られた粗生成物(2g)をフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。単離された生成物(式(IX)の化合物)1gをトルエン中で溶解させ、次いでこの溶液を窒素のストリーム下にて、トルエン25ml中の60%(NaH)での水素化ナトリウム0.25gの懸濁液を徐々に添加する。混合物を還流温度にて2時間加熱する。これを水に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチルで抽出する。得られた生成物を乾燥し、真空下で蒸発させる。
【0070】
粗生成物0.6gをオイルの形態で得て(式(IX)の化合物)、これをエタノール25ml中に溶解させ、次いでHClで飽和させたイソプロパノールの溶液1.5mlおよび10%でのPd/C0.3gを添加する。混合物を40℃の温度で4時間水素ストリーム下で反応させる。得られた生成物をろ過し、減圧下で蒸発させ、表題化合物(式(V)の化合物)0.3gを得る。
【0071】
調製3
2−クロロ−1−[4−[3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル]−1−[3,6−ジビドロ−1(2H)ピリジニル]]−1−エタノン
ジクロロメタン33.5ml中の4−[3−(トリフルオロメチル)−4−クロロフェニル]−3,6−ジヒドロ−1(2H)−ピリジン塩酸塩(式(II)の化合物)(3.94g)およびトリエチルアミン3.8mlを0℃に冷却する。2−クロロアセチルクロリド(式(III)の化合物)を滴加し、混合物を1時間半撹拌し続ける。水を添加し、得られた混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相をNaSOで脱水させ、濾過し、減圧下で蒸発させる。
【0072】
化合物4.2gを非晶質固体の形態で得る(式(IV)の化合物)。
【実施例1】
【0073】
化合物番号1:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オンおよびこれらの塩酸塩
ジメチルホルムアミド7ml中の調製3の化合物(0.49mg)、調製1の化合物(0.4mg)、炭酸カリウム(0.41g)およびヨウ化ナトリウム(0.45g)の混合物を180℃のマイクロ波反応器中で30分間加熱する。反応混合物を水に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOで脱水させ、濾過し、蒸発させて粗生成物700mgをオイルの形態で得る。生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチル混合物=1/1で溶出を行うシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製する。イソプロパノール中の塩酸溶液を添加することによって塩酸塩を調製する。表題化合物200gを得る。
【0074】
M+H=m/z547
δ(ppm,dmso−d6):2.55(bs,**);2.63(m,**);3.43−3.54(m,2H);3.65(m,);3.75(m,1H);3.96(bs,2H);4.18(m,6H);6.40(bs,1H);7.72(d,J=8,4Hz,1H),7.74−7.80(m,1H),7.80−7.85(m,1H),8.21(d,J=9Hz,1H);8.26(dd,J=9Hz,J=2Hz,1H);8.88(s,1H)。
【実施例2】
【0075】
化合物番号2:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オンおよびこれらの塩酸塩
表題化合物を、実施例1に記載の手順を行うが、調製1の化合物の代わりに調製2の化合物を使用することによって得る。
【0076】
M+H=m/z493
(機械a).δ(ppm,dmso−d6):2.32(s,3H),2.56(m,1H),2.65(m,1H),3.10−3.60(m,),3.64(m,1H),3.77(m,1H),3.98(m,2H),4.05−4.51(m,6H),6.41(m,1H),7.69(dd,J=8.4および2.0Hz,1H),7.73(d,8.5Hz,1H),7.75−7.81(m,2H),7.83(bd,J=9.3Hz,1H),8.31(bd,J=2Hz,1H)。
【0077】
以下の表には、本発明に従う幾つかの例の化合物の化学的構造および物理的特性を示す。この表において:
「塩」の欄では、「−」は遊離塩基の形態の化合物を表すが、「HCl」は塩酸塩の形態の化合物を表す。
【0078】
【表1】



【0079】
本発明に従う化合物は、生化学試験の対象であった。
【0080】
細胞培養
SH−SY−5Y株(ヒト神経芽細胞腫)を、コラーゲンでコーティングされた培養フラスコ(Becton Dickinson,フランス)において、FCS(5%)(仔ウシ血清セラム)(Boehringer Mannheim、ドイツ)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)およびグルタミン(4mM)を含有するDMEM培養培地(ダルベッコ変法イーグル培地)(Gibco BRL、フランス)中にて従来の通り培養する。
【0081】
SK−N−BE親株(ヒト神経芽細胞腫)およびBep75クローンは、ヒトp75NTR受容体(SK−N−BE Bep75)の全形態を安定に発現し、FCS(5%)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)およびグルタミン(4mM)を含有するRPMI培養培地において、従来通り培養する。SK−N−BE Bep75細胞に関して、ハイグロマイシン(200μ/20ml培地)を選択剤として添加する。
【0082】
125INGFのp75NTR受容体に対する結合試験
NGF結合試験(ヨード−125で放射標識された神経成長因子、Amersham−2000Ci/mmol)を、Weskamp(Neuron,1991,6,649−663)によって記載される方法に従ってSK−N−BE Bep75株の細胞懸濁液にて行われる。非特異的結合を、非放射標識されたNGF(1μM)の存在下、37℃にて、1時間のプレ温置の後、細胞との総結合を測定することによって決定する。特異的結合は、総結合測定と非特異的結合測定との差によって計算される。競合実験を、ヨード化NGF(125INGF)濃度0.3nMを用いて行う。本発明に従う化合物の、125INGFのp75NTR受容体に対する結合の50%阻害濃度(IC50)は低く、10−6から10−11Mで変動する。
【0083】
式(I)の化合物は、この試験における活性を示し、IC50の値は10−6から10−11Mの範囲である。
【0084】
例えば、実施例番号3および1の化合物は、0.1nMおよび5.2nMのIC50を示した。
【0085】
この配位子に対して独立したp75NTR受容体の二量化試験
p75NTR受容体の二量化試験は、SK−N−BE Bep75株の細胞懸濁液にて行われる。細胞(2.5 10細胞/ウェル)をウェル(96−ウェルプレート)中に24時間置き、次いで本発明に従う化合物の存在下または不存在下で、37℃にて1時間プレ温置する。次いで上澄みを添加し、この上澄みは、腎臓由来のHEK293ヒト細胞の培地から誘導されるものであり、移入の48時間後に発現し、10nMの最終濃度においてアルカリ性ホスファターゼにカップリングしたp75NTR受容体の可溶性形態(受容体の細胞外部分)を分泌する。可溶性のp75NTR受容体のSK−N−BE Bep75細胞に存在する受容体に対する特異的結合の定量化は、上澄みの存在下、37℃にて1時間、細胞の温置後、アルカリ性ホスファートの酵素活性を測定することによって決定される。濾過およびフィルターの24ウェルプレートへの移入後、アルカリ性ホスファターゼ活性は、CDP−Star化学発光基材(すぐに使用可能、Roche)を添加することによって決定される。本発明に従う化合物の、p75NTR受容体の二量化の50%阻害濃度(IC50)は、低く、10−6から10−11Mで変動する。
【0086】
例えば、実施例番号1、2および3の化合物は、それぞれ1.34nM、3.88nMおよび0.11nMのIC50値を示した。
【0087】
アポトーシスの測定
細胞(ヒト神経芽細胞腫株SH−SY−5YおよびSK−N−BE Bep75)を、5%のFCSを含有する適切な培養培地中において、35mm直径のペトリ皿(BiocoatコラーゲンI)(10細胞/ウェル)に24時間置く。次いで培養培地を取り出し、細胞をPBS(ダルベッコリン酸緩衝食塩水)ですすぎ、次いで5%FCSを含有する新鮮な培地、またはNGF(10ng/mlの濃度にて)を含有する培地、またはβ−アミロイドペプチド(Aβ1−40)(10μMの濃度にて)のいずれかを添加するが、これは本発明の化合物の存在下または不存在下において行われる。アポトーシスの程度は、SH−SY−5Y株の場合には処理後48時間後、SK−N−BE Bep75株の場合には処理後24時間後において、DNAフラグメント関連細胞質ヒストンを定量化することによって測定する(細胞死検出ELISA、Boehringer Mannheim、ドイツ)。アポトーシスの程度は、オリゴヌクレオソーム/10細胞の量として表現される。各値は、3回の独立した実験にわたって分布した9個の実験ポイントの平均に対応する。
【0088】
式(I)の化合物は、10−6から10−11Mの範囲に及ぶIC50値を有するNGF−誘導アポトーシスにおける阻害活性を示す。例えば、実施例番号1の化合物は、1.61nMのIC50を示し、実施例番号5の化合物は52nMのIC50を示した。
【0089】
従って、本発明に従う化合物のp75NTR受容体に対する結合は、一方では生化学レベルにおいて、ニューロトロフィンによってまたは配位子とは独立して誘導される受容体の二量化の阻害によって、他方では細胞レベルにおいてp75NTR受容体によって媒介されるアポトーシス促進性効果の阻害によって反映される。
【0090】
従って、本発明の主題の1つによれば、式(I)の化合物は、この配位子とは独立してp75NTR受容体の二量化における非常に有利な阻害活性を示す。
【0091】
故に本発明に従う化合物は、薬剤、特にp75NTR受容体が関与するいずれかの病理学的状態を予防または処置する際に使用する薬剤の調製に使用できる。
【0092】
従って、本発明の別の態様によれば、本発明の主題は、式(I)の化合物または医薬的に許容される酸との付加塩を含む薬剤である。
【0093】
本発明の別の態様によれば、本発明の主題は、式(I)の化合物、または以下に示される病理学的状態の予防または処置のために医薬的に許容される酸との付加塩である。
【0094】
従って、本発明に従う化合物は、ヒトまたは動物において、種々のp75NTR依存性状態、例えば中枢および末梢神経変性疾患、例えば老年痴呆症、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ダウン症候群、プリオン病、健忘症、統合失調症、うつ病、双極性障害、筋委縮性側索硬化症、多発性硬化症;心血管状態、例えば、虚血後の心臓障害、心筋症、心筋梗塞、心不全、心虚血、大脳梗塞;末梢神経障害(糖尿病性、外傷性または医原性由来);視神経および網膜の障害(網膜色素変性、緑内障);網膜虚血;黄斑変性症;脊髄損傷および頭蓋損傷;アテローム性動脈硬化;狭窄症;瘢痕形成障害;脱毛症の処置または予防に使用できる。
【0095】
本発明に従う化合物はまた、癌、例えば肺癌、甲状腺癌、膵臓癌、前立腺癌、小腸の癌、および大腸癌または乳癌の処置、または腫瘍の処置、転移の処置および白血病の処置において使用されてもよい。
【0096】
本発明に従う化合物はまた、呼吸器障害、例えば肺炎症、アレルギー、喘息および慢性閉塞性肺疾患の処置に使用されてもよい。
【0097】
本発明に従う化合物はまた、皮膚疼痛(皮膚、皮下組織および関連器官における。)、体性疼痛、内臓痛(循環器、呼吸器、消化器、または泌尿生殖器における。)、および神経痛の処置に使用されてもよい。
【0098】
本発明に従う化合物は、慢性神経因性疼痛および炎症性疼痛の処置において、および自己免疫疾患、例えばリウマチ性関節炎の処置に使用されてもよい。
【0099】
本発明に従う化合物はまた、強直性脊椎関節炎、乾癬性関節炎、または尋常性乾癬のような疾患の処置に使用されてもよい。
【0100】
本発明に従う化合物は、骨折の処置、または骨粗鬆症のような骨の疾患の処置もしくは予防に使用されてもよい。
【0101】
従って、本発明の主題は、p75NTR受容体が関与するいずれかの病理学的状態、またはより詳細には上記で示されるような病理学的状態を予防または処置するための、本発明に従う式(I)の化合物である。
【0102】
本発明の別の態様によれば、本発明は、活性成分として本発明に従う化合物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、本発明に従う少なくとも1つの化合物または前記化合物の医薬的に許容される塩の有効用量、およびさらに少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含有する。
【0103】
前記賦形剤は、医薬形態および所望の投与方法に従って、当業者に既知の習慣的賦形剤から選択される。
【0104】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、外用、局所、気管内、鼻腔内、経皮または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、上記式(I)の活性成分またはこれらの塩は、単位投与形態にて、従来の医薬賦形剤との混合物として、上記障害または疾患の予防または処置のために動物または人間に投与されてもよい。
【0105】
好適な単位投与形態には、錠剤、軟または硬ゲルカプセル、散剤、顆粒剤および経口液剤または懸濁液剤などの経口投与の形態、舌下、口腔内、気管内、眼内および鼻腔内投与形態、吸入による投与形態、外用投与形態、非経口、例えば経皮、投与形態、皮下、筋肉内または静脈内投与形態、直腸投与形態および体内埋め込みが含まれる。外用適用の場合、本発明に従う化合物は、クリーム、ゲル、軟膏またはローションの状態で使用することができる。
【0106】
例として、錠剤の形態である本発明に従う化合物の単位投与形態は、次の成分を含んでいてもよい:
本発明に従う化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカラメロースナトリウム 6.0mg
トウモロコシスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg。
【0107】
1日あたりに投与される活性成分の用量は、1回以上の摂取として0.01から100mg/kg、好ましくは0.02から50mg/kgになってもよい。一般に、本発明の化合物の毎日の用量は、治療効果を生じることができる化合物の最も低い有効用量である。
【0108】
より高いまたは低い投与量が好適な特別な場合もあり得る。こうした投与量は、本発明の内容から逸脱しない。慣用の実施によれば、各患者に好適な投与量は、投与方法ならびに前記患者の体重および応答に従って医師が決定する。
【0109】
本発明の別の態様によれば、本発明はまた、上記で示される病理学的状態を処置するための方法に関し、これは、本発明に従う化合物またはこれらの医薬的に許容される塩の有効用量を患者に投与することを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基の形態または酸との付加塩の形態である、式(I)の化合物:
【化1】

式中:
mは0または1であり;
Aは:
【化2】

であり、Bは水素原子であり;
または
Aは水素原子であり、Bは:
【化3】

であり;
R1およびR2は、同一または異なっていてもよく、独立に、水素もしくはハロゲン原子、C1−アルキル、C1−フルオロアルキル、C1−ペルフルオロアルキルもしくはC1−アルコキシ基またはトリフルオロメトキシ基であり;
nは1または2であり;
R3は、次式の基であり:
【化4】

式中、R4およびR5は、同一または異なっていてもよく、いずれかの利用可能な位置にあり、独立に、水素もしくはハロゲン原子、ヒドロキシル、C1−アルキル、C1−フルオロアルキル、C1−ペルフルオロアルキル、C1−アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、COOH、COOアルキル、CONH、CONR6R7もしくはNHCOR基であり;
R、R6およびR7はC1−アルキルである。
【請求項2】
R4およびR5が、同一または異なっていてもよく、いずれかの利用可能な位置にあり、独立に、CONH、CONR6R7またはNHCORであるような;塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
塩基の形態または酸との付加塩の形態において:
mが1であり;
Aが:
【化5】

であり、Bが水素原子であり;
R1およびR2が、同一または異なっていてもよく、独立に、水素もしくはハロゲン原子、C1−アルキル、C1−フルオロアルキル、C1−ペルフルオロアルキルまたはC1−アルコキシ基またはトリフルオロメトキシ基であり;
nが1または2であり;
R3が次式の基であり:
【化6】

式中、R4およびR5は、同一または異なっていてもよく、いずれかの利用可能な位置にあり、独立に、水素もしくはハロゲン原子、ヒドロキシル、C1−アルキル、C1−フルオロアルキル、C1−ペルフルオロアルキルまたはC1−アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、またはCOOHまたはCOOアルキル基であるような、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R1がH以外であるような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R1が、−2−、−3−または−4−の位置にあり、塩素原子またはCF3ラジカルであり、R2が、水素または3−もしくは4−Clであるような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R3が、2−ピリジニルまたは2−ピリミジニルであり、それぞれ請求項1に記載のR4およびR5で置換されているような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
n=1となるような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
塩基の形態または酸との付加塩の形態において:
R1が3−CFであり;
R2が4−クロロであり;
R3がCFで5−置換された2−ピリジル残基であり;
n=1
であるような、請求項1および3から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
塩基の形態または酸との付加塩の形態において:
化合物番号1:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号2:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号3:4−{2−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号4:4−{2−オキソ−2−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−ピリジン−2−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号5:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−ピリジン−2−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号6:4−{2−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−ピリジン−2−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号7:4−{2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号8:4−{2−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号9:4−{2−[4−(3−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号10:4−{2−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号11:4−{2−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号12:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−ピリジン−3−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号13:1−(6−クロロピリジン−3−イル)−4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−ピペラジン−2−オン;
化合物番号14:4−{2−オキソ−2−[5−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号15:4−{2−オキソ−2−[4−(3−トリフルオロメトキシルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−ピリジン−2−イルピペラジン−2−オン;
化合物番号16:4−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2,5−ジヒドロピロール−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号17:4−{2−[4−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号18:4−{2−[4−(3−メチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号19:4−{2−[4−フェニル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号20:4−{2−オキソ−2−[5−(2,3−ジクロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン;
化合物番号21:4−{2−オキソ−2−[5−(3−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エチル}−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−2−オン、
から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
A、B、m、n、R3が上記で定義された通りである、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製するための方法であって、塩基の存在下にて、式(IV)の化合物と:
【化7】

式中、A、B、mおよびnは一般式(I)にて定義された通りであり、Halはハロゲン原子である、
一般式(V)の化合物との反応工程を含む、方法:
【化8】

式中、R3は一般式(I)で定義された通りである。
【請求項11】
塩基の形態または酸との付加塩の形態である、式(IV)の化合物であって
【化9】

式中、A、B、mおよびnは請求項1から9のいずれか一項に記載された通りであり、Halはハロゲン原子である;
2−クロロ−1−[4−(2−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノンおよび2−クロロ−1−[4−(4−ブロモフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノンを除く、化合物。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはこの化合物の医薬的に許容される酸との付加塩を含むことを特徴とする薬剤。
【請求項13】
請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または医薬的に許容される塩、およびさらに少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項14】
中枢および末梢神経変性疾患、老年痴呆症、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ダウン症候群、プリオン病、健忘症、統合失調症、うつ病、双極性障害、筋委縮性側索硬化症、多発性硬化症、心血管状態、虚血後の心臓障害、心筋症、心筋梗塞、心不全、心虚血、大脳梗塞;末梢神経障害、視神経および網膜の障害、網膜色素変性、緑内障、網膜虚血、黄斑変性症、脊髄損傷、頭蓋損傷、アテローム性動脈硬化、狭窄症、瘢痕形成障害、脱毛症、癌、腫瘍、転移、白血病、呼吸器障害、肺炎症、アレルギー、喘息、慢性閉塞性肺疾患、皮膚疼痛、体性疼痛、内臓痛および神経痛、慢性神経因性疼痛および炎症性疼痛、自己免疫疾患、リウマチ性関節炎、強直性脊椎関節炎、乾癬性関節炎、尋常性乾癬、骨折、骨の疾患および骨粗鬆症の予防または処置に使用するための薬剤の調製のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項15】
配位子とは独立にp75NTR受容体の二量化を阻害する能力を有する、請求項14に記載の化合物。

【公表番号】特表2011−522868(P2011−522868A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513037(P2011−513037)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051117
【国際公開番号】WO2009/150387
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】