説明

2−フェニル−6−アミノカルボニル−ピリミジン誘導体及びP2Y12受容体拮抗剤としてのそれらの使用

本発明は、2−フェニル−6−アミノカルボニル−ピリミジン誘導体、及びヒト又は他の哺乳動物の末梢血管、内臓血管、肝血管、腎血管、心臓血管、脳血管の疾患及び血栓症を含む血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防における、P2Y12受容体拮抗剤としての、これらの化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、2−フェニル−6−アミノカルボニル−ピリミジン誘導体、及びヒト又は他の哺乳動物の末梢血管、内臓血管、肝血管、腎血管、心臓血管、脳血管の疾患及び血栓症を含む血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防における、P2Y12受容体拮抗剤としての、それらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
止血は血管系における血液の流動性を維持するための自然平衡であると考えられ、血管の傷害による過剰な血液損失を、固形の血餅を急速に形成することにより防ぐ。血管損傷後、血管の収縮と血小板粘着が急速に起こり、続いて血小板の凝集、凝固カスケードの活性化が起こり、最後に線溶系の活性化も起こる。止血異常は過剰の出血及び血栓症を招き、いずれも生命に関わる状態である。
【0003】
一連の抗血小板剤が過去数年以上前から、異なる作用メカニズムに基づいて開発されてきた。抗血小板療法において最も広く使用される薬剤はアスピリンであるが、これはシクロオキシゲナーゼ−1を不可逆的に阻害し、それによってトロンボキサン経路に影響を及ぼす。必ずしも最適の効果を示すわけではないが、アスピリンによる治療は標準的療法であり、これに対し新しい治療剤が比較され、評価される。
【0004】
ホスホジエステラーゼ阻害剤であるジピリダモール及びシロスタゾール並びにビタミンK拮抗剤(ワルファリン)のような他の薬剤が市販されているが、そのような薬剤として要求される全ての好ましい特徴を示していない。静脈投与でき、血小板凝集を阻止する3種の有力なGPIIb/IIIa受容体拮抗剤(アブシキシマブ(abciximab)、エプティフィバタイド(eptifibatide)、及びチロフィバン(tirofiban))が市場で利用可能である。そのほか、いくつかの経口活性なGPIIb/IIIa拮抗剤(例えば、シブラフィバン(sibrafiban)、ゼミロフィバン(xemilofiban)又はオルボフィバン(orbofiban))はこれまでのところ臨床的開発に成功していない。
【0005】
アデノシン 5′−ジホスフェート(ADP)が血小板活性化と凝集における主要なメディエーターであり、2つの血小板ADP受容体P2Y及びP2Y12と干渉する。
【0006】
血小板ADP受容体の拮抗剤が知られており、血小板凝集を阻害し、抗血栓作用を示す。これまでに知られている最も効果的な拮抗剤は、チクロピジン(ticlopidine)、クロピドグレル(clopidogrel)及びCS−747のようなチエノピリジン類であり、臨床的に抗血栓剤として使用されてきた。これらの薬剤は、それらの活性な代謝物によって、不可逆的にADP受容体のサブタイプP2Y12を阻害する。
【0007】
AR−C69931MX(カングレロール(cangrelor))又はAZD6140のようないくつかのP2Y12拮抗剤はフェーズII臨床研究の段階に達している。これらの阻害剤は、選択的血小板ADP受容体拮抗剤であり、ADP−依存性血小板凝集を阻害し、インビボで有効である。
【0008】
ピペラジノ−カルボニルメチルアミノカルボニル−ナフチル又は−キノリル誘導体が、ADP受容体拮抗剤として、国際公開第02/098856号及び国際公開第2004/052366号に記載されている(特許文献1及び2)。
【0009】
しかしながら、2−フェニル−4−(カルボニルメチルアミノカルボニル)−ピリミジン誘導体についてはほんの少しのものが知られているのみである。実際、日本特許53073586号のみが、(抗生物質として)そのようなモチーフを有するペニシリン誘導体を記載している(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第02/098856号
【特許文献2】国際公開第2004/052366号
【特許文献3】日本特許第53073586号
【発明の開示】
【0011】
本発明は、第一に式Iの化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0012】
【化1】


式中
は、1〜3個の置換基によって置換されていてもよい(好ましくは1又は2個の置換基によって置換されていてもよい、より好ましくは1個の置換基によって置換されていてもよい)フェニル基を表し、当該置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群より選択され;
は、アルコキシアルコキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、ジメトキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル基を表し;又はRは、下式の基を表し、
【化2】

(式中、mが1かつnが2若しくは3であるか、又はmが2かつnが2であり、XはO、S、NH、NR、SO又はSOを表し、Rは、アルキル又はアリールアルキルを表す。);又は
は、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン-4−イルを表し;
とRのそれぞれは、独立に水素又はメチルを表し;
はアルコキシを表し; そして
Yは、アルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zは−OH、−COOH、シアノ、テトラゾリル又は−COORを表し、Rはアルキルを表す。
【0013】
式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0014】
式Iの化合物は、P2Y12受容体拮抗剤である。したがって、それらは治療法(併用療法を含む)に有用であり、血小板活性化、凝集、及び脱顆粒の阻害剤として、血小板乖離の促進剤として、又は抗血栓剤として広く使用される。
【0015】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしている。他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用される。
【0016】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を、より好ましくはフッ素を表す。
【0017】
特に言及しない限り、「アルキル」という用語は(単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も)、1から7個の炭素原子、より好ましくは、1から4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル基、(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソ−ペンチル、n−ヘキシル、イソ−ヘキシル、n−ヘプチル又はイソ−ヘプチル)を表す。
【0018】
特に言及しない限り、「アルコキシ」という用語は、(単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も)1から6個の炭素原子、好ましくは、1から4個の炭素原子を含む飽和直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペンチルオキシ、イソ−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ又はイソ−ヘキシルオキシ)を表す。
【0019】
「アルコキシアルコキシアルキル」という用語は、1個の水素原子が1〜3個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基で置換された、1から4個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であって、当該アルコキシ基自体が、1〜3個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基で置換されたものを意味する。アルコキシアルコキシアルキル基のうち、メトキシアルコキシアルキル基(例えば、2-(2-メトキシ-エトキシ)-エチル)が好ましい。
【0020】
「ジヒドロキシアルキル」という用語は、ここでは、本明細書で定義したアルキル基の異なる原子に結合した2個の水素原子が、ヒドロキシ基(すなわち−OH)で置換されたものを表す。ジヒドロキシアルキルの例には、2,3−ジヒドロキシ-プロピルが含まれるが、これに制限されることはない。
【0021】
「ジメトキシアルキル」という用語は、ここでは、本明細書で定義したアルキル基の異なる原子に結合した2個の水素原子がメトキシ基(すなわち-OCH)で置換されたものを表す。ジメトキシアルキルの例としては、2,3−ジメトキシ-プロピルが含まれるが、これに制限されることはない。
【0022】
「(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル」という用語は、ここでは、1個の水素原子が2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル基で置換された、1から4個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。本明細書で定義したアルキル基を表す。(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキルの例には、(R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル及び(S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル(特に、(R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)が含まれるが、これに制限されることはない。
【0023】
「アリール」という用語は、6から14個の炭素環原子、好ましくは6から10個の炭素環原子を持つ、1、2又は3環の芳香族環状基、例えば、フェニル又はナフチル基(特に、フェニル基)を表す。加えて、「アリール」という用語は、インダニル(例えば、インダン−1−イル又はインダン−2−イル)、テトラヒドロナフタレン、ビフェニル−4−イル及びベンゾ[1,3]ジオキソリル基をも表す。ここで定義されるいずれのアリール基(特に、いずれのフェニル基)も、1、2又はそれ以上の置換基(好ましくは、1から3個の置換基、より好ましくは1又は2個の置換基、特に1個の置換基)で置換されていても良い。当該置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシメチル、アセチル、メタンスルホニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、シアノ及びニトロから成る群より選ばれる。アリール基の具体的な例としては、フェニル、ビフェニル−4−イル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3−カルボキシフェニル、4−カルボキシフェニル、4−ヒドロキシメチル−フェニル、5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル及び2,4−ジメチルフェニルが挙げられる。
【0024】
「アリールアルキル」という用語は、ここでは、単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も)、親分子部分に、アルキル基を介して結合するアリール基を表す。ここで、当該アリール基は未置換であるか、又は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。アラルキルの代表的な例としては、ベンジル、2−フェニルエチル及び2−ナフト−2−イルエチルが含まれるが、これらに制限されることはない。
【0025】
「アルキレン」という用語は、単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も、1から6個の炭素原子、好ましくは、1から4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の2価の飽和炭化水素鎖基を表す。アルキレンの代表的な例としては、メチレン(−CH−)、エチレン(−CH−CH−)、n−プロピレン(−CH−CH−CH−)及びイソ−プロピレン(−CH−CH(CH)−)が含まれるが、これに制限されることはない。
【0026】
「フェニルアルキレン」という用語は、ここでは、未置換の2価のフェニルアルキル基を表す。ここでアルキルは本明細書で定義した意味を有し、当該2価の基は、その一端において、当該フェニル基の炭素原子の一つにより、他端において、当該アルキル基の炭素原子の一つにより、分子の残りの部分に結合する。
【0027】
「フェニルアルキル」という用語は、ここでは、1個の水素原子が未置換のフェニル基で置換された、本明細書で定義したアルキル基を表す。フェニルアルキルの代表的な例としては、ベンジル、2−フェニルエチル及び3−フェニルプロピルが含まれるが、これらに制限されることはない。
【0028】
さらに、原子の近傍の「」の記号は、分子の残りの部分に対する、ある基の結合点を示すために用いられる。例えば:
【化3】

は、テトラヒドロピラン−4−イルを表す。
【0029】
さらに、以下の段落では、種々の他の用語を定義をする。当該定義は、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、明細書及び請求の範囲を通して一律に適用される。
【0030】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。"Salt selection for basic drugs", Int. J. Pharm. (1986), 33, 201-217を参照してもよい。
【0031】
「室温」という用語は、25℃の温度を表す。
【0032】
温度に関して、他の記載がされていない場合、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」(又はその代わりの「およそ」)の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。
【0033】
式Iの化合物は、特に式ICEの化合物である。
【化4】

式中、
は、1個のハロゲン又はメチルにより置換されていてもよいフェニルを表し;
は、メトキシアルコキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、ジメトキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル基を表し;又は
は、下式の基を表し、
【化5】


(式中、mが1かつnが2若しくは3であるか、又はmが2かつnが2であり、XはO、S、NH又はNR(好ましくはO、NH又はNR)を表し、Rは、アルキル又はフェニルアルキルを表す。);又は
は、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルを表し;
とRの一方は水素又はメチルを、他方は水素を表し;
はアルコキシを表し; そして
Yは、アルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zは−OH、−COOH、シアノ、テトラゾリル又は−COORを表し、Rはアルキルを表す。
【0034】
式Iの好ましい化合物は、下記の特徴の少なくとも1つを有する化合物である:
−Rは、1又は2個の置換基によって置換されていてもよいフェニル基を表し、当該置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群より選択される;
−Rは、アルコキシアルコキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル基を表し;又は
は、下式の基を表し、
【化6】


(式中、mが1かつnが2若しくは3であるか、又はmが2かつnが2であり;
XはO、S、NH又はNRを表し;
は、アルキル又はアリールアルキルを表す。);又は
は、2,2,6,6−テトラメチル-ピペリジン-4−イルを表す;
−Yが、アルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zが−OH、−COOH、シアノ又はテトラゾリルを表す;
−Rが1〜4個の炭素原子を持つアルコキシを表す(例えばエトキシ又はn−ブトキシ)。
【0035】
式Iのより好ましい化合物は、下記の特徴の少なくとも1つを有する化合物である:
−Rが、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群より選択される1個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表す;
−Rは、アルコキシアルコキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)-アルキル基を表し;又は
は、下式の基を表し、
【化7】


(式中、mが1かつnが2若しくは3であるか、又はmが2かつnが2であり;
XはO、NH又はNRを表し;
は、アルキル又はフェニルアルキルを表す。);又は
は、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルを表す;
−Yが、アルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zが−OH、−COOH又はテトラゾリル(特に−OH又は−COOH)を表す;
−RとRの一方は水素又はメチルを、他方は水素を表す;
−Rが1〜3個の炭素原子を持つアルコキシを表す。
【0036】
式Iのさらにより好ましい化合物は、下記の特徴の少なくとも1つを有する化合物である:
−Rが、1個のハロゲン又はメチルよって置換されていてもよいフェニル基を表す;
−Rは、下式の基を表し、
【化8】


(式中、mが1かつnが2若しくは3であるか、又はmが2かつnが2であり;
XはO、NH又はNRを表し;
は、アルキル又はフェニルアルキルを表す。);又は
は、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルを表す;
−Yが、アルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zが−COOHを表す;
−RとRの一方は水素又はメチルを、他方は水素を表す;
−Rが1〜3個の炭素原子を持つアルコキシを表す。
【0037】
式Iの特に好ましい化合物は、下記の特徴の少なくとも1つを有する化合物である:
−Rがフェニルを表す;
−Rは、下式の基を表す
【化9】


(式中、mが1かつnが2若しくは3であるか、又はmが2かつnが2であり;
XはO、NH又はNRを表し;
は、アルキル又はフェニルアルキルを表す。);
−Yが、アルキレンを表し、Zが−COOHを表す;
−RとRのそれぞれが水素を表す;
−Rがエトキシを表す。
【0038】
さらに、Rが、式Iで定義した下式の基
【化10】


を表す場合には、好ましくは、Rは、テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−4−イル、1−メチル−ピペリジン−3−イル、1−ベンジル−ピペリジン−4−イル及びテトラヒドロフラン−3−イル(Rは、とりわけテトラヒドロピラン−4−イル、1−メチル−ピペリジン−3−イル、1−ベンジル−ピペリジン−4−イル又はテトラヒドロフラン−3−イルであり、特にテトラヒドロフラン−3−イルである。)から成る群より選択される。
【0039】
さらに、一般に、Rは、1から5個の炭素原子を有するアルコキシ、特に2から4個の炭素原子を有するアルコキシを表すことが好ましい。Rが、炭素数が3個より多いアルコキシを表す場合には、アルコキシ鎖が直鎖であることがより好ましく、例えば、Rが4個の炭素数のアルコキシである場合には、Rはn-ブトキシであることが好ましい。
【0040】
式Iの化合物(又はそれらの塩、特に薬学的に許容されるそれらの塩)の次の主態様が特に好まれる。
【0041】
本発明の一つの主態様によると、式Iの化合物は、Rが、アルコキシアルコキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、ジメトキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル基を表すようなものである。そのような化合物は、明細書及び請求の範囲を通して「式Iの化合物」として集合的に定義されている。そのような場合において、式Iの化合物は好ましくは次のようなものである。
【0042】
−Rは、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシからなる群よりそれぞれ独立に選択される、1又は2個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表し;
−Rは、アルコキシアルコキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、ジメトキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル基を表し;
−R及びRのそれぞれは水素又はメチルを表し;
−Rはアルコキシを表し;そして
−Yはアルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zは−OH、−COOH、シアノ、テトラゾリル又は−COORを表し、Rはアルキルを表す。
【0043】
好ましくは、式Iの化合物は、下記の特徴の少なくとも一つを有する:
−Rが、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群より選択される1個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表す;
−Rがアルコキシアルコキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル基を表す;
−RとRの一方が水素を表し、他方が水素又はメチルを表す;
−Rが1〜4個の炭素原子を持つアルコキシを表す;
−Yが、アルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zが−OH、−COOH、シアノ又はテトラゾリル(好ましくはYがアルキレンを表し、Zが−OH、−COOH又はテトラゾリルを表す。)を表す。
【0044】
より好ましくは、式Iの化合物は、下記の特徴の少なくとも一つを有する:
−Rが、ハロゲン、メチル及びメトキシから成る群より選択される1個の置換基によって置換されていてもよい(特に未置換の)フェニルを表す;
−Rがアルコキシアルコキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル基を表す;
−RとRのそれぞれが水素を表す;
−Rが1〜3個の炭素原子を持つアルコキシ(特にエトキシ)を表す;
−Yが、アルキレン(好ましくは-CH−、-CH-CH−又は-CH-CH-CH−、より好ましくは-CH-CH−)を表し、Zが−COOHを表す。
【0045】
本発明の別の主態様によると、式Iの化合物は、Rが、下式の基、
【化11】



を表し、又はRが、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルを表すようなものである;そのような化合物は、明細書及び請求の範囲を通して「式Iの化合物」として集合的に定義されている。そのような場合において、式Iの化合物は、好ましくはRが、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシからなる群よりそれぞれ独立に選択される、1又は2個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表すようなものである。
【0046】
好ましくは、式Iの化合物は、下記の特徴の少なくとも一つを有する:
−Rが、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシからなる群より選択される、1個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表す;
−Rが下式の基を表し、
【化12】


(式中、mが1かつnが2若しくは3であるか、又はmが2かつnが2であり;
XはO、S、NH又はNRを表し;
は、アルキル又はアリールアルキルを表す。);又は
は、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルを表す;
−RとRの一方が水素を表し、他方が水素又はメチルを表す;
−Rが1〜4個の炭素原子を持つアルコキシを表す;
−Yが、アルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zが−OH、−COOH、シアノ又はテトラゾリル(好ましくはYがアルキレンを表し、Zが−OH又は−COOHを表す。)を表す。
【0047】
より好ましくは、式Iの化合物は、下記の特徴の少なくとも一つを有する:
−Rが、ハロゲン、メチル及びメトキシから成る群より選択される1個の置換基によって置換されていてもよい(特に未置換の)フェニルを表す;
−Rが下式の基を表し、
【化13】


(式中、mが1かつnが2若しくは3であるか、又はmが2かつnが2であり;
XはO、NH又はNRを表し;
は、アルキル又はフェニルアルキルを表す。);
−RとRのそれぞれが水素を表す;
−Rが1〜3個の炭素原子を持つアルコキシ(特にエトキシ)を表す;
−Yが、アルキレン(好ましくは-CH−、-CH-CH−又は-CH-CH-CH−、より好ましくは-CH-CH−)を表し、Zが−COOHを表す。
【0048】
一般式Iの以下の化合物、及びそれらの塩(特にそれらの薬学的に許容される塩)が特に好ましい:
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({6−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,3−ジメトキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−カルボキシ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−(4−カルボキシ−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−シアノ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−ヒドロキシ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−(4−tert−ブトキシカルボニル−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
【0049】
一般式Iの以下の化合物、及びそれらの塩(特にそれらの薬学的に許容される塩)がさらに特に好ましい:
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({6−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,3−ジメトキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−カルボキシ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−(4−カルボキシ−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−シアノ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−ヒドロキシ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−(4−tert−ブトキシカルボニル−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル。
【0050】
本発明のさらなる目的は、医薬としての式Iの(又は式ICEの)化合物又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩である。
【0051】
式Iの化合物又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0052】
従って、本発明は、本発明による化合物(特に、式I又はICE)又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩の少なくとも一つ、及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物にも関する。特に、本発明は、式Iの(又は式ICEの)化合物の少なくとも一つ及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0053】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(例えばRemington, The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition (2005), Part 5, “Pharmaceutical Manufacturing” [published by Lippincott Williams & Wilkinsにより出版]を参照されたい)、記述された式Iの化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意に、ガレノスの投与形態中に、適切な無毒の不活性な薬学的に許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、その他の治療的に有益な物質と組み合わせることによって遂行することができる。
【0054】
本発明の式Iの化合物又はこれらの薬学的に許容される塩は、以下に列挙するような疾病の治療又は予防に適し、そのための医薬の製造のために使用することができる。
【0055】
−安定狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞、塞栓症(動脈硬化合併症、特に塞栓性脳卒中を含む)、動脈血栓症(動脈硬化の一次動脈血栓性合併症、特に血栓性脳卒中を含む)、静脈血栓症(特に、深部静脈血栓症)、血管損傷又は炎症(脈管炎、動脈炎及び糸球体腎炎を含む)による2次的血栓症、肝内性肝静脈閉塞症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、血栓の有無を問わない心筋梗塞、骨髄増殖性疾患、血小板血症、鎌状赤血球病、炎症性大腸炎、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群を含む疾患の治療又は予防;
【0056】
−敗血症の血栓性合併症、成人呼吸窮迫症候群、抗リン脂質症候群、ヘパリン起因性血小板減少症、及び前子癇/子癇の予防;
【0057】
−ある種の手術方法(特に血管形成のような冠血行再建術(PTCA)、他の血管移植手術、動脈内膜切除又はステント留置)又は突発性外傷傷害の後の心血管系合併症の予防;
【0058】
−移植器官拒絶の予防。
【0059】
従って、本発明の特定の目的は、式Iの(又は式ICEの)化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、上記の使用のための医薬を製造するために、及び一般に血管閉塞性疾患の治療のための医薬を製造するために使用することである。
【0060】
より一般的には、本発明は、式Iの(又は式ICEの)化合物又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩の、血管閉塞性疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための使用、並びに、式Iの(又は式ICEの)化合物の、ヒト又は他の哺乳類の血栓症を含む、末梢血管疾患、内臓血管疾患、肝血管疾患、腎血管疾患、心臓血管疾患、脳血管疾患又は血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための使用に関する。
【0061】
式Iの(又は式ICEの)化合物又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩の、医薬の製造のための上記の使用の中で、心筋梗塞、動脈血栓症(特に血栓性脳卒中)、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患及び安定狭心症、不安定狭心症の治療及び/又は予防のための医薬の製造のために使用することが好まれる。
【0062】
本発明は、さらに、式Iの(又は式ICEの)化合物又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩の、血液製剤のインビトロでの保存(例えば、血小板濃縮物の保存)、体外血液の閉塞の予防、血液製剤処理機械(例えば、腎臓透析機又は血漿交換機)での閉塞の予防のための使用にも関する。
【0063】
本発明は、また、式Iの(又は式ICEの)化合物又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩の有効量を、必要とする患者に投与することを含む、当該疾患の治療方法にも関する。
【0064】
式Iの化合物について示した好適性は、当然のことながら、式ICEの化合物、並びに式I及び式ICEの化合物の塩及び薬学的に許容される塩に準用される。本発明に従う、医薬としてのこれらの化合物、これらの化合物を有効成分として含む医薬組成物、これらの化合物の疾病の治療のための医薬の製造のための使用においても同様に扱われる。
【0065】
本発明によれば、式Iの(又は式ICEの)化合物は、下記の方法によって製造することができる。
【0066】
[式Iの化合物の製造]
略語
明細書及び実施例を通して、以下の略語が使われる:
【0067】
abs. 無水
Ac アセチル
aq. 水性
CC カラムクロマトグラフィー
conc. 濃縮された
DCC 1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
EA 酢酸エチル
EDCI N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド
Et エチル
Hept ヘプタン
Hex ヘキサン
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HV 高度真空
MCPBA メタ−クロロ過安息香酸
Me メチル
n−BuLi n−ブチルリチウム
org. 有機
Pd/C 炭素上パラジウム
Ph フェニル
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−
ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
RT 室温
保持時間
【0068】
一般的製造ルート
式Iの種々の化合物が、この後のスキーム1に要約されている一般的ルートを用いて製造される。
【化14】

【0069】
ZがCOORを表す式Iの化合物(すなわち、Y、R、R、R、R及びRが式Iで定義された意味を有し、Z’がCOORを表す一般式I.1の化合物)、ZがCNを表す式Iの化合物(すなわち、Y、R、R、R、R及びRが式Iで定義された意味を有し、Z’がCNを表す一般式I.2の化合物)又はZがO−PGを表し、PGがアルコール官能基に適した保護基である式Iの化合物(すなわち、Y、R、R、R、R及びRが式Iで定義された意味を有し、Z’がO−PGである一般式I.3の化合物)は、R、R、R、R、Y及びZ’が、式I.1、I.2又はI.3における場合と同じ意味を有する式IIの化合物を、NaH等の適宜な塩基の存在下、式HORのアルコールを用いた芳香族置換反応により変換することにより製造することができる(スキーム1)。反応は、THF、MeCN又はDMF等の適宜な溶媒中、好ましくはRTと80℃の間の温度で行われる。
【0070】
続いて、式I.4の化合物は、Z’が-COOR(Rはアルキル)である対応する式I.1の化合物の、当業者に知られた通常の条件下での加水分解により得られる(スキーム1)。
【0071】
式I.5のテトラゾール誘導体は、Z’が-CNである対応する式I.2のシアノ誘導体の、アジ化ナトリウムでの、よく知られた方法を用いた変換により製造することができる(スキーム1)。上記の変換は、二臭化亜鉛の存在下で行ってもよい。
【0072】
式I.6の化合物は、Z’が-O−PGで、PGがアルコール官能基の適宜な保護基である、対応する式I.3の化合物の脱保護により製造することができる(スキーム1)。適宜なアルコール官能基の保護基並びに保護及び脱保護の方法は、当業者によく知られている(特に“Protective groups in organic synthesis”, Greene T. W. and Wuts P. G. M., Wiley-Interscience, 1999を参照されたい。)。
【0073】
種々の合成中間体の製造
式IIの化合物の製造
式IIの化合物は、Y、Z’、R、R及びRが式IIにおける場合と同じ意味を有する式IIIのピペラジン誘導体の、Rが式IIにおける場合と同じ意味を有する式IVの化合物とのカップリングにより製造することができる(スキーム2)。上記のカップリングは、PyBOP、NEt、DIPEA又はN−メチルモルホリン等の適宜な塩基の存在下、DCM、THF又はDMF等の適宜な溶媒中で、好ましくはRT付近の温度で、PyBOP等の通常のペプチドカップリング法を用いて行われる。
【化15】

【0074】
式IIIの化合物の製造
式IIIの化合物は、R、R及びRが式IIIにおける場合と同じ意味を有する式Vのピペラジン誘導体を、Y及びZ’が式IIIにおける場合と同じ意味を有する式VIの化合物とカップリングすることにより製造できる。上記のカップリング反応は、DCM、THF又はDMF等の適宜な溶媒中で、好ましくはRT付近の温度で、HOBT、EDCI、DCC、PyBOP、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等の通常のペプチドカップリング法を用いて行われる。NEt、DIPEA又はN−メチルモルホリン等の適宜な塩基の存在下で行ってもよい。続いて、得られた式VIIの中間体は、通常の方法(例えば“Protective groups in organic synthesis”, Greene T. W. and Wuts P. G. M., Wiley−Interscience, 1999を参照されたい。)を用いて脱保護することができ、式IIIの化合物を与える。
【化16】

【0075】
式IVの化合物の製造
式IVのカルボキシピリミジン誘導体は、以下のスキーム4に要約される方法で製造することができる。
【化17】

【0076】
式VIII(式中、Rはアルキル)のアセトアセテート誘導体は、式IXのアミジンと、MeONa等の適宜な塩基の存在下、EtOH等の適当な溶媒中、好ましくは混合物を60から90℃の間の温度に加熱して、反応させる。式Xの化合物は、通常の条件(例えば、塩化ホスホリルとの還流)を用いて塩素化される。続いて、式XIの化合物は、BBr等の通常の試薬を用いて、DCM等の適宜な溶媒中、好ましくは−10から10℃の間の温度で、脱メチル化される;このようにして得られた式XIIのアルコール中間体は、KMnO等の通常の酸化剤を用いて、水、ジオキサン等の適宜な溶媒中、好ましくはRT付近の温度で酸化することができる。
【0077】
式Vの化合物の製造
式Vの化合物の製造に関し、3種の状況が区別されなければならない。すなわち、R及びRが共に水素である場合(スキーム5)、R及びRの一方が水素であり、他方がメチルである場合(スキーム5a)、最後にR及びRが共にメチルである場合である。
【化18】

【0078】
及びRが共に水素である式Vの化合物は、式XIIIのピペラジン誘導体(式中、PGは、アミン官能基の適宜な保護基である。)を、NEt、DIPEA、N−メチルモルホリン等の適宜な塩基の存在下、DCM、THF又はDMF等の適宜な溶媒中で、好ましくはRT付近の温度にて、式R−CO−Cl(式中、Rは、式Vにおける場合と同じ意味を有する。)のクロロ誘導体と反応させることにより製造することができる(スキーム5)。式XIVの中間体は、アミンの脱保護のための通常の条件を用いて、好ましくはMeOH、EtOH、THF若しくはEA等の適宜な溶媒中のPd/C、又はDCM、EtO、ジオキサン若しくはEA等の適宜な溶媒中のTFA若しくは塩酸を用いて、脱離基PGを除去することにより、式Vの化合物に変換される。
【0079】
【化19】

【0080】
とRの一方が水素で他方がメチルである、2つの場合が上記のスキーム5aで扱われている。
−式V.1の化合物は、式R−CO−Clのクロロ誘導体との直接結合によって製造することができる(スキーム5aの上部)。
−式V.2の化合物を得るためには(スキーム5aの下部)、最初にアミン保護基PGによる保護がされる。こうして得られる式XVの中間体が、続いて、式R−CO−Clのクロロ誘導体とカップリングされ、式XVIのカップリング生成物が、続いて、式XIVの化合物について上記したように脱保護される。
【0081】
及びRが共にメチルである特定の場合においては、二置換ピペラジンが式R−CO−Clのクロロ誘導体に、Bishop M. J., et al. in J. Med. Chem. (2003), 623-633に記載された方法に従ってカップリングされ、対応する式Vのピペラジン誘導体を生成する。
【0082】
式VIの化合物の製造
商業的に入手可能でない場合には、これらの化合物は、商業的に入手可能な化合物から、当業者によって、通常の方法に従って製造される。
【0083】
本発明の特定の態様が、以下の実施例として記載されている。これらは本発明をさらに詳しく例示するものであり、いかなる意味においても、発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0084】
使用された定性分析法:
LC−MS保持時間は、次の溶出条件を用いて得られた。

Zorbax(登録商標)カラム(Agilent SB.Aq 5μm、4.6×50mm)が用いられた。2種類の展開溶媒は次の通りである;溶媒A=水+0.05%TFA;溶媒B=アセトニトリル。展開速度は4.5ml/分であり、展開混合液の割合における特徴は、展開の最初からの時間tの関数として、下の表に要約されている。(2つの連続した時点の間では直線的傾きが採用された)。
【0085】
【表1】

【0086】
使用された調製用LC−MS法
調製用LC−MSによる精製が、以下に記載される条件を用いて実行された。
【0087】
Zorbax(登録商標)カラム(PrepHT SB.Aq 5mm、21.2×50mm)が使用された。2種類の展開溶媒は次の通りである;溶媒A=水+0.2%ギ酸;溶媒B=アセトニトリル+0.2%ギ酸。展開速度は95ml/分であり、展開混合液の割合における特徴は、展開の最初からの時間tの関数として、下の表に要約されている。(2つの連続した時点の間では直線的傾きが採用された)。
【0088】
I)調製用LC−MS(I):
【表2】

【0089】
II)調製用LC−MS(II):
【表3】

【0090】
III)調製用LC−MS(III):
【表4】

【0091】
IV)調製用LC−MS(IV):
【表5】

【0092】
V)調製用LC−MS(V)
【表6】

【0093】
VI)調製用LC−MS(VI)
【表7】

【0094】
実施例1
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({6−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
・ 4−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−tert−ブトキシカルボ
ニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
Z−(L)Glu(OtBu)−OH(5g)、HOBT水和物(2.5g)及びEDCI塩酸塩(3.1g)を、DCM/THF(1/1、42ml)中に溶解した。15分間の撹拌の後、1−エトキシカルボニルピペラジン(2.6g)を添加し、撹拌をRTで一晩継続した。150mlのEA及び60mlのNaHCO溶液を混合物に添加し、相を分離した。有機相を60mlの1M NaHSO溶液及び60mlのNaCl溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。HV乾燥の後、所望の化合物7gを得た。LC-MS: tR = 0.97 分間; [M+H]+: 478.28。
【0095】
・ 4−((S)−2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)
−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル:
中間体1.1(7g)を、EtOH(17ml)中、Pd/C(10%、350mg)で24時間、水素添加した。混合物をセライトを通してろ過し、溶媒を蒸発させた。HV乾燥により、5.3gの無色の油状物を得た。LC-MS: tR = 0.67 min; [M+H]+: 344.26。
【0096】
1.3. 6-メトキシメチル-2-フェニル-ピリミジン-4−オール:
ベンズアミジン(15g)、メチル−4−メトキシアセテート(18.2g)及びMeONa(MeOH中30%、23.1ml)をEtOH(13ml)中に溶解し、得られた混合物を一晩還流し、冷却し、ろ過した。固形物をEtOHで洗浄した。得られたエタノール性溶液を蒸発させ、残渣を高真空乾燥した。27gの茶黄色の固体を得た。LC-MS: tR = 0.69 min; [M+H]+: 217.20。
【0097】
1.4. 4−クロロ−6−メトキシメチル−2−フェニル−ピリミジン:
塩化ホスホリル(20ml)を、中間体1.3(4.3g)の粉末に、撹拌下、ゆっくりと添加した。溶液を1時間30分、還流し、冷却し、粉砕した氷の上に注意深く添加した。30分間の撹拌の後、得られた懸濁液をEAで2回抽出した。有機相をNaHCO溶液で2回洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。HV乾燥の後、4.17gの所望の化合物を得た。LC-MS: tR = 1.01 min; [M+H]+: 235.17。
【0098】
・ (6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−イル)−メタノール:
BBr(1.83ml)のDCM(25ml)溶液を、中間体1.4(4.17g)のDCM(90ml)溶液中に、アルゴン下、0℃にて、シリンジで添加した。0℃で30分間置いた後、反応が完了した。EtO(100ml)、水(100ml)及び1M NaOH溶液(100ml)の添加により、反応をクェンチした。RTで1時間撹拌した後、混合物をDCMで抽出し、有機相を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。得られた油状物は固体化し、得られた固体をHeptで洗浄した。HV乾燥の後、3.29gのベージュ色の粉末を得た。LC-MS: tR = 0.88 min; [M+H]+: 221.26。
【0099】
1.6. 6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボン酸:
中間体1.5(2.2g)をジオキサン(50ml)中に溶解し、NaOH(398mg)水溶液(350ml)、続いてKMnO(4.7g)を添加した。混合物をRTで2時間30分、撹拌した。2M HCl水溶液(50ml)を溶液に添加した。1時間撹拌し、ろ過した。溶液をEAで2回抽出した。有機相を乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。HV乾燥の後、2.24gの薄黄色の粉末を得た。LC-MS: tR = 0.88 min; [M+H]+: 235.24。
【0100】
1.7. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.6(28.6g)及びPyBOP(70.2g)のDCM(600ml)溶液を、RTで10分間撹拌した。中間体1.2(41.9g)のDCM(200ml)溶液、続いてDIPEA(23ml)を混合物に添加した。混合物をRTで1時間撹拌した。混合物を1M NaHSO水溶液及びNaHCO溶液で洗浄した。水相をDCMで抽出し、有機相を合わせ、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。得られた油状物をEAに溶解し、Heptの添加により、不純物を沈殿させた。懸濁液をろ過し、ろ液を蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(EA/Hept 1/1)により、44.5gの所望の化合物を得た。LC-MS: tR = 1.07 min; [M+H]+: 560.01。
【0101】
1.8. 4−[(S)−4−カルボキシ−2−({6−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(0.215ml)のDMF(3ml)溶液にNaH(312mg)を添加し、混合物をRTで15分間撹拌した。中間体1.7(200mg)を添加し、混合物を、反応が完結するまでRTで撹拌した。NHCl溶液を添加し、混合物をEtOで抽出した。水相を酸性化し(1M HCl溶液)、EtOで抽出した。有機相を乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させた。調製用TLC(DCM/MeOH/AcOH 9/1/0.1)により、38mgの所望の化合物を得た。LC-MS: tR = 0.90 min; [M+H]+: 588.66。
【0102】
実施例2
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
2−(2−メトキシエトキシ)エタノールの代わりにL−α,β−イソプロピリデン−グリセロールを用い、実施例1、工程1.8と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、表題化合物は、調製用TLC(DCM/MeOH/AcOH 96/4/0.1)、続いて調製用LC−MS(方法(IV)、続いて方法(I))により精製された。LC-MS: tR = 0.94 min; [M+H]+: 600.63。
【0103】
実施例3
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
TFA(3μl)を、実施例2(7mg)のTHF(56μl)及び水(14μl)中の溶液に添加した。混合物をRTで一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を調製用LC−MS(II)で精製した。LC-MS: tR = 0.78 min; [M+H]+: 560.58。
【0104】
実施例4
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,3−ジメトキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
4.1. (2,3−ジメトキシ−プロポキシメチル)−ベンゼン:
NaH(384mg)を(±)−3−ベンジルオキシ−1,2−プロパンジオール(0.659ml)のTHF(15ml)溶液に添加した。混合物を30分間、RTで撹拌し、ヨウ化メタン(0.606ml)を添加した。反応混合物をRTで撹拌した。MeOH、続いて水を添加し、混合物をDCMで抽出した。有機相を乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させ、841mgの所望の化合物を得た。LC-MS: tR = 0.84 min; [M+H]+: 211.29。
【0105】
4.2. 2,3−ジメトキシ−プロパン−1−オール:
中間体1.1の代わりに中間体4.1を用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。1H-NMR (CDCl3): 3.70 (m, 1H); 3.60 (m, 1H); 3.46 (m, 2H); 3.43 (s, 3H); 3.38 (m, 1H); 3.33 (s, 3H)。
【0106】
4.3. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,3−ジメトキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
2−(2−メトキシエトキシ)エタノールの代わりに中間体4.2を用い、実施例1、工程1.8と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、表題化合物は、調製用TLC(DCM/MeOH/AcOH 96/4/0.1)、続いて調製用LC−MS(方法(V)、続いて方法(VI))により精製された。LC-MS: tR = 0.91 min; [M+H]+: 588.57。
【0107】
実施例5
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
5.1. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール(0.255ml)のTHF(10ml)溶液にNaH(64mg)を添加し、混合物をRTで15分間、撹拌した。中間体1.7(300mg)を添加し、混合物をRTで3時間、撹拌した。NHCl溶液を添加し、混合物をEAで抽出した。有機相を乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させて、600mgの粗製物を得、これをさらに精製することなく使用した。LC-MS: tR = 1.08 min; [M+H]+: 626.54。
【0108】
5.2. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体5.1(600mg)のTFA/DCM(1/2、15ml)溶液を、RTで4時間撹拌した。溶媒を除き、粗生成物をCC(DCMからDCM/MeOH 85/15)で精製し、70mgの所望の化合物を得た。LC-MS: tR = 0.93 min; [M+H]+: 570.43。
【0109】
実施例6
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル トリフルオロアセテート塩:
6.1. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールの代わりに3−ヒドロキシ−1−メチルピペリジンを用い、実施例5、工程5.1と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.86 min; [M+H]+: 639.59。
【0110】
6.2. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体5.1の代わりに中間体6.1を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.76 min; [M+H]+: 583.45。
【0111】
実施例7
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−カルボキシ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル トリフルオロアセテート塩:
7.1. 4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールの代わりにN−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジンを用い、実施例5、工程5.1と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.90 min; [M+H]+: 715.54。
【0112】
7.2. 4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−カルボキシ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル トリフルオロアセテート塩:
中間体5.1の代わりに中間体7.1を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.83 min; [M+H]+: 659.51。
【0113】
実施例8
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
8.1. 4−フルオロ−ベンズアミジン:
ヘキサメチルジシラザン(7ml)の氷冷EtO(40ml)溶液に、n−BuLi(ヘキサン中1.6M、20.6ml)、続いて4−フルオロベンゾニトリル(2g)のEtO(10ml)溶液を添加した。0℃で10分間、撹拌した後、混合物をRTに温め、RTで20時間撹拌した。1M HCl溶液の添加により混合物をpH1に酸性化し、CHClで洗浄した。続いて、NaCO及びNaOHの添加により、水相をpH14に塩基性化し、CHClで2回抽出した。有機相を乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させて、1.59gの所望の化合物を得た。LC-MS: tR = 0.33 min; [M+H]+: 139.21。
【0114】
8.2. 2−(4−フルオロ−フェニル)−6−メトキシメチル−ピリミジン−4−オール:
ベンズアミジンの代わりに中間体8.1を用い、実施例1、工程1.3と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.72 min; [M+H]+: 235.31。
【0115】
8.3. 4−クロロ−6−メトキシメチル−2−(4−フルオロ−フェニル)−ピリミジン:
中間体1.3の代わりに中間体8.2を用い、実施例1、工程1.4と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 1.04 min; [M+H]+: 253.27。
【0116】
8.4. [6−クロロ−2−(4−フルオロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−メタノール:
中間体1.4の代わりに中間体8.3を用い、実施例1、工程1.5と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.92 min; [M+H]+: 239.25。
【0117】
8.5. 6−クロロ−2−(4−フルオロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸:
中間体1.5の代わりに中間体8.4を用い、実施例1、工程1.6と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.90 min; [M+H]+: 253.24。
【0118】
8.6. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−クロロ−2−(4−フルオロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.6の代わりに中間体8.5を用い、実施例1、工程1.7と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR= 1.09 min; [M+H]+: 578.41。
【0119】
8.7. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.7の代わりに中間体8.6を、2−(2−メトキシエトキシ)エタノールの代わりに3−ヒドロキシテトラヒドロフランを用い、実施例1、工程1.8と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、反応混合物について処理は行わず、直接、調製用LC−MS(III)、次いで調製用TLC(DCM/MeOH/AcOH 9/1/0.1)で精製した。LC-MS: tR = 0.93 min; [M+H]+: 574.41。
【0120】
実施例9
((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
9.1. 6−メトキシメチル−2−p−トリル−ピリミジン−4−オール:
ベンズアミジンの代わりに4−メチルベンズアミジンを用い、実施例1、工程1.3と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.76 min; [M+H]+: 231.34。
【0121】
9.2. 4−クロロ−6−メトキシメチル−2−p−トリル−ピリミジン:
中間体1.3の代わりに中間体9.1を用い、実施例1、工程1.4と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 1.05 min; [M+H]+: 249.29。
【0122】
9.3. (6−クロロ−2−p−トリル−ピリミジン−4−イル)−メタノール:
中間体1.4の代わりに中間体9.2を用い、実施例1、工程1.5と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.93 min; [M+H]+: 235.28。
【0123】
9.4. 6−クロロ−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸:
中間体1.5の代わりに中間体9.3を用い、実施例1、工程1.6と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.93 min; [M+H]+: 249.28。
【0124】
9.5. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(6−クロロ−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.6の代わりに中間体9.4を用い、実施例1、工程1.7と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 1.11 min; [M+H]+: 574.42。
【0125】
9.6. ((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体8.6の代わりに中間体9.5を用い、実施例8、工程8.7と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.94 min; [M+H]+: 570.44。
【0126】
実施例10
((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
10.1. 3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
2−メチルピペラジン(1g)のMeOH(12ml)溶液にAcOH(1.8ml)を添加した。混合物を0℃に冷却し、クロロギ酸エチル(0.95ml)を、60分以上の時間をかけて添加した。混合物をRTに温め、一晩撹拌した。水を添加し、MeOHを蒸発させた。残渣をトルエンで抽出し、有機相を水で洗浄した。合わせた水相を、2M NaOH水溶液で、pH14に塩基性化し、トルエンで抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥、溶媒を蒸発させて、936mgの所望の化合物を得た。1H-NMR (CDCl3): 4.1 (q, 2H); 3.95 (br s, 2H); 2.9 (d, 1H); 2.75 (m, 3H); 2.4 (t, 1H); 1.6 (br s, 1H); 1.25 (t, 3H); 1.05 (t, 3H)。
【0127】
10.2. 4−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
1−(エトキシカルボニル)ピペラジンの代わりに中間体10.1を用い、実施例1、工程1.1と同様の方法でこの化合物を製造した。化合物は、定性分析することなく、次の工程で用いた。
【0128】
10.3. 4−((S)−2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.1の代わりに中間体10.2を用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。1H-NMR (CDCl3): 4.66 (m, 1H); 4.08 (br s, 2H); 3.80 (br s, 2H); 3.68 (br s, 1H); 3.25 (m, 1H); 2.94 (m, 3H); 2.44 (m, 1H); 2.27 (m, 1H); 1.8 (m, 1H); 1.55 (m, 1H); 1.36 (s, 9H); 1.19 (t, 3H); 1.07 (br s, 3H)。
【0129】
10.4. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.2の代わりに中間体10.3を用い、実施例1、工程1.7と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 1.10 min; [M+H]+: 574.43。
【0130】
10.5. ((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体8.6の代わりに中間体10.4を用い、実施例8、工程8.7と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR= 0.93 min; [M+H]+: 570.45。
【0131】
実施例11
4−[(S)−3−(4−カルボキシ−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
11.1. [(S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(4−tert−ブトキシカルボニル−フェニル)−プロピオニル]ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
Z−p−カルボキシ−(L)Phe(OtBu)−OH(5g)のDCM(100ml)溶液に、RTにて、HOBT(2.11g)、EDCI(2.5g)及びDIPEA(4.4ml)を添加した。RTでの15分間の撹拌の後、1−エトキシカルボニルピペラジン(2g)を添加し、撹拌をRTで一晩継続した。150mlのEA及び60mlのNaHCO溶液を反応混合物に添加し、相を分離した。有機相を1M NaHSO水溶液及び塩水で洗浄し、NaSO上で洗浄し、溶媒を蒸発させた。HV乾燥の後、6gの所望の化合物を得た。LC-MS: tR = 1.03 min; [M+H]+: 540.58。
【0132】
11.2. 4−[(S)−2−アミノ−3−(4−tert−ブトキシカルボニル−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.1の代わりに中間体11.1を用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.75 min; [M+H]+: 406.53。
【0133】
11.3. 4−[(S)−2−[(4−クロロ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(4−エトキシカルボニル−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体1.6の代わりに中間体11.2を用い、実施例1、工程1.7と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物は、CC(EA/Hept. 2/1及びEA/Hept. 1/1)で2回精製された。LC-MS: tR = 1.13 min; [M+H]+: 623.44。
【0134】
11.4. 4−[(S)−3−(4−tert−ブトキシカルボニル−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体8.6の代わりに中間体11.3を用い、実施例8、工程8.7と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物は、調製用TLC(DCM/MeOH/AcOH 9.5/0.5/0.1及びEA/Hept. 1/1)にて精製された。LC-MS: tR = 1.13 min; [M+H]+: 674.70。
【0135】
11.5. 4−[(S)−3−(4−カルボキシ−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体5.1の代わりに中間体11.4を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物の精製は行わなかった。LC-MS: tR = 0.96 min; [M+H]+: 618.65。
【0136】
実施例12
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
12.1. ((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.1の代わりに中間体7.1を用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.85 min; [M+H]+: 625.54。
【0137】
12.2. ((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体5.1の代わりに中間体12.1を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、残渣をEA/水で希釈し、pH7になるまでNaCOを添加する処理を行った。有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を蒸発させた。粗生成物をCC(DCMからDCM/MeOH 9/1)で精製した。LC-MS: tR = 0.74 min; [M+H]+: 569.43。
【0138】
実施例13
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
13.1. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールの代わりに4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを用い、実施例5、工程5.1と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物は、CC(DCM/MeOH 9/1)で精製された。LC-MS: tR = 0.90 min; [M+H]+: 686.60。
【0139】
13.2. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体5.1の代わりに中間体13.1を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.79 min; [M+H]+: 625.52。
【0140】
実施例14
4−[(S)−4−シアノ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
14.1. 4−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−カルバモイル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
Z−(L)−Glu(OtBu)−OHの代わりにZ−(L)−Gln−OHを用い、実施例1、工程1.1と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.74 min; [M+H]+: 421.50。
【0141】
14.2. 4−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−シアノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
ベンゼンスルホニルクロリド(19g)を、中間体14.1(37.4g)の乾燥ピリジン(29.5ml)溶液に添加した。混合物を50℃で1時間加熱し、2M HCl溶液の添加により中和(pH7)した。混合物をEAで3回抽出した。合わせた有機相を1M HCl溶液、NaHCO溶液及び水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を蒸発させて、30gの所望の化合物を得た。LC-MS: tR = 0.85 min; [M+H]+: 403.48。
【0142】
14.3. 4−((S)−2−アミノ−4−シアノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.1の代わりに中間体14.2を用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.74 min; [M+H]+: 421.50。
【0143】
14.4. 4−{(S)−2−[(6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−4−シアノ−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.2の代わりに中間体14.3を用い、実施例1、工程1.7と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.99 min; [M+H]+: 485.33。
【0144】
14.5. 4−[(S)−4−シアノ−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体8.6の代わりに中間体14.4を用い、実施例8、工程8.7と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物は、CC(EA/Hept. 0/1からEA/Hept. 1/0)で精製した。LC-MS: tR = 0.97 min; [M+H]+: 537.38。
【0145】
実施例15
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体8.6の代わりに中間体1.7を用い、実施例8、工程8.7と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物は、CC(DCM/MeOH/AcOH 95/5/0.1)で精製した。LC-MS: tR = 0.92 min; [M+H]+: 556.67。
【0146】
実施例16
4−[(S)−3−ヒドロキシ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
16.1. 4−((S)−3−ベンジルオキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
Z−(L)Glu(OtBu)−OHの代わりにBoc−O−ベンジル−(L)−セリンを用い、実施例1、工程1.1と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.96 min; [M+H]+: 436.55。
【0147】
16.2. 4−((S)−2−アミノ−3−ベンジルオキシ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル 塩酸塩:
中間体16.1(2.5g)を、3M HClのEA(15ml)溶液に溶解し、混合物を3時間、RTで撹拌した。溶媒を除き、粗生成物(2.68g)を精製することなく、次の工程で使用した。LC-MS: tR = 0.68 min; [M+H]+: 336.45。
【0148】
16.3. 4−{(S)−3−ベンジルオキシ−2−[(6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.2の代わりに中間体16.2を用い、実施例1、工程1.7と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物はCC(EA/Hept. 2/1)で精製された。LC-MS: tR = 1.09 min; [M+H]+: 552.35。
【0149】
16.4. 4−((S)−3−ベンジルオキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体8.6の代わりに中間体16.3を用い、実施例8、工程8.7と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物は調製用LC−MS(IV)で精製された。LC-MS: tR = 1.07 min; [M+H]+: 604.63。
【0150】
16.5. 4−[(S)−3−ヒドロキシ−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.1の代わりに中間体16.4を用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物は調製用LC−MS(III)で精製された。
LC-MS: tR= 0.90 min; [M+H]+: 514.58。
【0151】
実施例17
4−[(S)−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体14.5(200mg)、アジ化ナトリウム(27mg)、二臭化亜鉛(84mg)、水(2ml)を、マイクロ波バイアルに添加し、混合物を100℃で一晩加熱した。混合物の溶媒を蒸発させ、残渣をCC(DCM/MeOH 95/5)、次いで調製用LC−MS(V)で精製した。LC-MS: tR = 0.91 min; [M+H]+: 580.63。
【0152】
実施例18から23の化合物を、括弧内に示した実施例と同様に製造した。ただし、対応する実施例の最終工程は行わなかった。
【0153】
実施例18
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
(実施例5). LC-MS: tR = 1.08 min; [M+H]+: 626.54。
【0154】
実施例19
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
(実施例6). LC-MS: tR = 0.86 min; [M+H]+: 639.59。
【0155】
実施例20
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
(実施例7). LC-MS: tR= 0.90 min; [M+H]+: 715.54。
【0156】
実施例21
4−[(S)−3−(4−tert−ブトキシカルボニル−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
(実施例11). LC-MS: tR = 1.13 min; [M+H]+: 674.70。
【0157】
実施例22
((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
(実施例12). LC-MS: tR= 0.85 min; [M+H]+: 625.54。
【0158】
実施例23
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
(実施例13). LC-MS: tR = 0.90 min; [M+H]+: 686.60。
【0159】
実施例24
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
24.1. (2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−メタノール:
2−ヒドロキシメチルプロパン−1,3−ジオール(200mg)のTHF(1ml)中の混合物に、2,2−ジメトキシプロパン(0.278ml)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(11mg)を添加した。混合物をRTで4時間、撹拌した。NEt(262μl)を添加し、混合物をさらに15分間、撹拌した。溶媒を除き、残渣をCC(DCMからDCM/MeOH 95/5)で精製して、220mgの所望の化合物を得た。1H-NMR (CDCl3): 4.07 (d, 1H); 4.02 (d, 1H); 3.82 (d, 1H); 3.79 (m, 3H); 1.87 (m, 1H); 1.47 (s, 3H); 1.43 (s, 3H)。
【0160】
24.2. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールの代わりに中間体24.1を用い、実施例5、工程5.1と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(DCMからDCM/MeOH 8/2)で精製した。LC-MS: tR = 1.09; [M+H]+: 670.51。
【0161】
24.3. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体5.1の代わりに中間体24.2を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(DCMからDCM/MeOH 8/2)で精製した。LC-MS: tR = 0.79 min; [M+H]+: 574.43。
【0162】
実施例25
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
25.1. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールの代わりにテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−オールを用い、実施例5、工程5.1と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(EA/Hept 3/7)で精製した。LC-MS: tR = 1.13 min; [M+H]+: 642.41。
【0163】
25.2. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体5.1の代わりに中間体25.1を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物を調製用LC−MS(IV)で精製した。LC-MS: tR = 0.99 min; [M+H]+: 586.26。
【0164】
実施例26
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
2−(2−メトキシエトキシ)エタノールの代わりに(R)−(−)−3−ヒドロキシテトラヒドロフランを用い、実施例1、工程1.8と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物を調製用LC−MS(III)で精製した。LC-MS: tR = 0.90 min; [M+H]+: 556.28。
【0165】
実施例27
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
27.1. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールの代わりに(S)−(+)−3−ヒドロキシテトラヒドロフランを、THFの代わりにDMFを用い、実施例5、工程5.1と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(EA/Hept 3/7)で精製した。LC-MS: tR = 1.06 min; [M+H]+: 612.39。
【0166】
27.2. 4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体5.1の代わりに中間体27.1を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をトルエン中に取り、溶媒を蒸発させて、残留TFAを除去した。LC-MS: tR = 0.91min; [M+H]+: 556.40。
【0167】
実施例28
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
28.1. 4−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシカルボニル−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
Z−(L)−Asp(OtBu)−OHの代わりにZ−(L)−Asp(OtBu)−OHを用い、実施例1、工程1.1と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR= 0.96 min; [M+H]+: 464.36。
【0168】
28.2. 4−((S)−2−アミノ−3−tert−ブトキシカルボニル−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.1の代わりに中間体28.1を、EtOHの代わりにEAを用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。1H-NMR (CDCl3): 4.15 (q, 2H); 4.05 (dd, 1H); 3.6 to 3.4 (m, 8H); 2.6 (dd, 1H); 2.4 (dd, 1H); 1.6 (s, 2H); 1.45 (s, 9H); 1.25 (t, 3H)。
【0169】
28.3. 4−{(S)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−[(6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.2の代わりに中間体28.2を用い、実施例1、工程1.7と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(EA/Hept 3/7)で精製した。LC-MS: tR = 1.06 min; [M+H]+: 546.42。
【0170】
28.4. 4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.7の代わりに中間体28.3を、2−(2−メトキシエトキシ)エタノールの代わりに3−ヒドロキシテトラヒドロフランを用い、実施例1、工程1.8と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物を調製用CC(DCM/MeOH/AcOH 95/4.5/0.5)で精製した。LC-MS: tR = 0.88 min; [M+H]+: 542.40。
【0171】
実施例29
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
29.1. 4−ベンジル−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
1−ベンジル−ピペラジン(1.97ml)及びNEt(1.9ml)のDCM(100ml)溶液に、クロロギ酸n−ブチル(1.47ml)を添加した。混合物をRTで2時間撹拌した。水を添加し、有機相を分離し、乾燥し(NaSO)、溶媒を蒸発させて、3.13gの黄色の油状物を得た。LC-MS: tR = 0.73 min; [M+H]+: 277.42。
【0172】
29.2. ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.1の代わりに中間体29.1を用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.54 min; [M+H+MeCN]+: 226.39。
【0173】
29.3. 4−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
1−エトキシカルボニルピペラジンの代わりに中間体29.2を、DCM/THFの代わりにDCMを用い、実施例1、工程1.1と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 1.04 min; [M+H]+: 506.49。
【0174】
29.4. 4−((S)−2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル 酢酸塩:
中間体1.1の代わりに中間体29.3を、EtOHの代わりにEtOH/AcOH(100/1)を用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS: tR = 0.75 min; [M+H]+: 372.49。
【0175】
29.5. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.2の代わりに中間体29.4を用い、実施例1、工程1.7と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(EA/Hept 3/7)で精製した。LC-MS: tR = 1.13 min; [M+H]+: 588.49。
【0176】
29.6. 4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.7の代わりに中間体29.5を、2−(2−メトキシエトキシ)エタノールの代わりに3−ヒドロキシテトラヒドロフランを用い、実施例1、工程1.8と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をさらに下記のように処理した:水及びDCMを反応混合物に添加し、TFAを有機相に添加し、1時間の撹拌の後、溶媒を除去した。残渣を調製用LC−MS(IV)で精製して、所望の化合物を得た。LC-MS: tR = 0.97 min; [M+H]+: 584.54。
【0177】
実施例30
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
30.1. 4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.7の代わりに中間体29.5を、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールの代わりに(S)−(+)−3−ヒドロキシテトラヒドロフランを、そしてTHFの代わりにDMFを用い、実施例5、工程5.1と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(EA/Hept 2/8からEA)で精製した。LC-MS: tR = 1.16 min; [M+H]+: 639.50。
【0178】
30.2. 4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体5.1の代わりに中間体30.1を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(EAからEA/MeOH 10/1)で精製した。LC-MS: tR = 1.03 min; [M+H]+: 584.13。
【0179】
実施例31
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.7の代わりに中間体29.5を、2−(2−メトキシエトキシ)エタノールの代わりに(R)−(−)−3−ヒドロキシテトラヒドロフランを用い、実施例1、工程1.8と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(EA/Hept 3/1、EA、EA/MeOH 9/1、続いて7/3)で精製した。LC-MS: tR = 0.99 min; [M+H]+: 584.29。
【0180】
実施例32から35の化合物を、括弧内に示した実施例と同様に製造した。ただし、対応する実施例の最終工程は行わなかった。
【0181】
実施例32
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
(実施例24). LC-MS: tR = 1.09; [M+H]+: 670.51。
【0182】
実施例33
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
(実施例25). LC-MS: tR = 1.13 min; [M+H]+: 642.41。
【0183】
実施例34
4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
(実施例27). LC-MS: tR = 1.06 min; [M+H]+: 612.39。
【0184】
実施例35
4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
(実施例30). LC-MS: tR = 1.16 min; [M+H]+: 639.50。
【0185】
実施例36
4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
実施例31の合成のために行われた反応の副生成物として、この化合物を得た。LC-MS (A): tR = 1.12 min; [M+H]+: 640.37。
【0186】
実施例37
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
37.1. 4−(2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールの代わりにN−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジンを、中間体1.7の代わりに中間体29.5を用い、実施例5、工程5.1と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS (A): tR = 1.00 min; [M+H]+: 743.09。
【0187】
37.2. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.1の代わりに中間体37.1を、EtOHの代わりにMeOHを用い、実施例1、工程1.2と同様の方法でこの化合物を製造した。LC-MS (A): tR = 0.94 min; [M+H]+: 653.14。
【0188】
37.3. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4 カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体5.1の代わりに中間体37.2を用い、実施例5、工程5.2と同様の方法でこの化合物を製造した。しかしながら、化合物をさらに下記のように処理した:反応混合物の溶媒を蒸発させ、残渣をEA中に取り、NaCO溶液をpH8になるまで加えた;相を分離し、1M HCl溶液を加えて水相をpH7にした;EAを加えると化合物が沈殿し、それをろ過し、HV下で乾燥した。LC-MS (A): tR = 0.84 min; [M+H]+: 597.18。
【0189】
実施例38
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
実施例37と同様に、この化合物を製造した。ただし、最終工程は行わなかった。LC-MS (A): tR = 0.94 min; [M+H]+: 653.14。
【0190】
生物学的試験
P2Y12受容体結合試験
方法
遺伝子組み換えヒトP2Y12受容体を発現できるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が、24穴細胞培養プレート中で培養された。細胞は、結合性緩衝剤(50mM トリス pH7.4、100mM NaCl、1mM EDTA、0.5%BSA)で3回洗浄した。ついで、細胞は、1穴あたり0.5mlの、トリチウムラベル 2−メチル−チオ−アデノシン 5′−ジホスフェート(2−メチル−S−ADP)(100,000から300,000dpm/穴)含有結合性緩衝剤と種々の濃度の試験化合物とともに培養した。室温で2時間の培養後、細胞は結合性緩衝剤で3回洗浄した。次いで、細胞は溶解緩衝剤(SDS、NaOH、EDTA)0.5mlを加えて溶解された。それぞれのウェルの内容物が、ベータ計数バイアルに移され、Ultima Gold Scintillation液2.0mlが加えられた。細胞関連シグナルの定量後、過剰の非放射性2−メチル−S−ADPを加えることによって示される最大可能阻害と比較して、阻害量が計算された。
【0191】
式Iの化合物に対して得られた結果
P2Y12受容体結合試験のための上記の方法により、実施例1〜17、24〜31及び37の化合物について、平均値約190nM、12nM〜1045nMの範囲にわたるIC50値が測定された。
【0192】
例えば、P2Y12受容体結合試験のための上記の方法を用いて、実施例の化合物について、以下の結果が得られた:
【表8】

【0193】
さらに、P2Y12受容体結合試験のための上記の方法を用いて、実施例の化合物について、以下のさらなる結果が得られた:
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化1】

式中
は、1〜3個の置換基によって置換されていてもよいフェニル基を表し、当該置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群より選択され;
は、アルコキシアルコキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、ジメトキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル基を表し;又は
は、下式の基を表し、
【化2】


(式中、mが1かつnが2若しくは3であるか、又はmが2かつnが2であり、
XはO、S、NH、NR、SO又はSOを表し、
は、アルキル又はアリールアルキルを表す。);又は
は、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン-4−イルを表し;
とRのそれぞれは、独立に水素又はメチルを表し;
はアルコキシを表し; そして
Yは、アルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zは−OH、−COOH、シアノ、テトラゾリル又は−COORを表し、Rはアルキルを表す。
【請求項2】
が、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群より選択される1個の置換基によって置換されていてもよいフェニルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、アルコキシアルコキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、ジメトキシアルキル基又は(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−アルキル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、下式の基
【化3】

を表すか、又は
が、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン-4−イルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
とRの一方が水素を表し、他方が水素又はメチルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Yが、アルキレン又はフェニルアルキレンを表し、Zが−OH又は−COOH又はテトラゾリルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Yが、-CH−、-CH-CH−又は-CH-CH-CH−を表し、Zが−COOHを表す、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
以下からなる群より選択される請求項1に記載の化合物:
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({6−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,3−ジメトキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−カルボキシ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−(4−カルボキシ−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−シアノ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−ヒドロキシ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−(4−tert−ブトキシカルボニル−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−({2−フェニル−6−[(R)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル及び
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
又はこのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項9】
以下からなる群より選択される請求項1に記載の化合物:
4−[(S)−4−カルボキシ−2−({6−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−((R)−2,3−ジメトキシ−プロポキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−カルボキシ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−カルボキシ−2−{[6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−(4−カルボキシ−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−4−シアノ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−ヒドロキシ−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[6−(1−メチル−ピペリジン−3−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−2−{[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−3−(4−tert−ブトキシカルボニル−フェニル)−2−({2−フェニル−6−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリミジン−4−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[2−フェニル−6−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
又はこのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項10】
医薬としての、請求項1に定義された式Iの化合物、又はそれらの化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1に定義された式Iの化合物、又はそれらの化合物の薬学的に許容される塩の少なくとも一つ、及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項12】
血管閉塞性疾患の治療のための医薬を製造するための、請求項1に定義された式Iの化合物、又はそれらの化合物の薬学的に許容される塩の使用。



【公表番号】特表2010−507646(P2010−507646A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534029(P2009−534029)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054325
【国際公開番号】WO2008/050301
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】