説明

2つまたはそれ以上の流体のためのパッケージング

本発明は、流体のためのパッケージングに関し、前記パッケージングは、a)好ましくは水および/または溶媒不浸透性材料から作製され、総容量を有する可撓性ポーチ(10)であって、前記ポーチには、流体をそこを通して導入し、分注することができる少なくとも1つのポート(14、15)が設けられ、各々の前記ポートには閉鎖弁が設けられている、可撓性ポーチ(10)と、b)前記ポーチを保持するためのフレーム(20)であって、フレームの軸方向部材(21)の各端部に設けられたピボット(26)の周りで2対の構成アーム(23〜25)が移動することから生じる、開位置および閉位置を画定することができ、線形空洞(28)が軸方向部材内に設けられ、ヒンジ部材(27)が、軸方向部材に平行に設けられ上部アーム(22、23)に装着され、閉位置では、フレームは、ポーチの総容量を、導入された流体の連通がその間で可能でない第1および第2の部分に分割するように適合され、さらに開位置では、フレームは、ポーチをそのように分割せずに、各部分内の流体間の連通を可能にする、フレームとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つまたはそれ以上の流体のためのパッケージングに関する。より詳細には、本発明は、2つまたはそれ以上の反応性流体が互いから別個に保存され得る一方で、ポーチ内でこれらの流体を組み合わせ、その後その組み合わされた流体を分注することも実現する区画化されたポーチパッケージシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
長期にわたり、手持ち用のスプレーガンを使用して、塗料および液体コーティングを基板上に分注してきた。塗料または液体コーティングのリザーバは、スプレーガン上に装着され、供給管によってガンのノズルに動作可能に連結されている。ガン内の適切なアクチュエータは、リザーバからの液体の放出およびノズルから放出された液体を駆動するガスの流れまたはパルスの発生を制御する。
【0003】
1成分(1K)タイプのコーティングおよび塗料に関しては、リザーバは、成分を直接保持するまたは液体を中に保管する可撓性バッグまたはポーチを封入する剛性カップ、壁付きチャンバ、または円筒体の形態で設けられることが一般的である。そのようなリザーバの例は、米国特許第6796514号、同第6945429号、同第5582350号、および同第6942126号で与えられている。
【0004】
フランス特許第2 645 437 A号は、取り外し可能なクランプを用いて2つまたはそれ以上の区画に分離することができる医薬品用の可撓性バッグを開示している。
【0005】
米国特許第4731053号は、2つの原料を別個に保存し、その後2つの原料を容器装置内で混合するのに有用である容器装置に関する。薬剤および乾燥食品の保存が、適切な用途として言及される。容器装置は、可撓性バッグと、構成アームを備えたフレームの形態である脱着式の分割手段とを備え、この分割手段は、可撓性バッグを、構成アームをその周りで移動させることができるピボットの反対側の両端で分割する。
【0006】
複合成分タイプのものであるコーティングおよび塗料に関しては、第1、第2、および任意のそれ以上の反応性成分が、そのような剛性カップまたは円筒体内に個々に分与され、任意選択で、リザーバをスプレーガンに取り付ける前またはその後にその中で混合される。成分を分与する動作により、ユーザは、これらの成分内で使用されるあらゆる溶媒にさらされる。ユーザにはまた、リザーバ内に分与されたコーティングの各成分の体積比を制御するという困難で時間がかかる作業が与えられる。成分比における誤りは、一般的なものである。また、リザーバ内での成分の混合は、カップまたは本体の扱いにくい性質によってより困難になることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、当技術分野において、カップ、円筒体および壁付きチャンバに代えて分注直前まで2つの成分のコーティングを保持する手段の必要性を認識した。より具体的には、本発明者は、2つまたはそれ以上の液体を正確な分与比で別個に安定的に保存することに適しており、使用および操作が容易であり、ユーザが液体のいずれにも、より具体的にはその中で使用されるどのような溶媒にもさらされることなく2つまたはそれ以上の液体を容易に混合しかつ従来のスプレーガンによって分注することを可能にするパッケージングを提供する必要性を認識した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、流体のためのパッケージングが提供され、前記パッケージングは、a)好ましくは水および/または溶媒不浸透性材料から作製され、総容量を有する可撓性ポーチであって、前記ポーチには、流体をそこを通して導入し、分注することができる少なくとも1つのポートが設けられ、各々の前記ポートには閉鎖弁が設けられている、可撓性ポーチと、b)前記ポーチを保持するためのフレームであって、フレームの軸方向部材の各端部に設けられたピボットの周りで2対の構成アームが移動することから生じる、開位置および閉位置を画定することができ、線形空洞が軸方向部材内に設けられ、ヒンジ部材が、軸方向部材に平行に設けられて上部アームに装着され、閉位置では、フレームは、ポーチの総容量を、導入された流体の連通がその間で可能でない第1および第2の部分に分割するように適合され、さらに、開位置では、フレームは、ポーチをそのように分割せずに、各部分内の流体間の連通を可能にする、フレームとを備える。
【0009】
ポーチには、好ましくは2つのポートが設けられ、これらのポートは、フレームの閉鎖によって形成されたポーチの第1および第2の部分が、流体で独立的に充填されることを可能にするように適合される。そのまたは各々のポート上で閉鎖弁を使用することは、ポーチの部分を充填する動作を閉システム内で実施できることを意味する。そのように導入された流体は、混合され、パッケージングから分注される必要があるまで、各部分内に別個に保持され得る。このため、パッケージングが、そうでなければ互いに反応するであろう2つの流体を保存することを可能にすることが明確である。
【0010】
混合時、フレームのアームは、その閉位置からその開位置まで回転されて、2つの部分間の境界上の圧力を軽減する。アームの回転のどこかの地点で、2つの部分間の流体連通が可能になる。各部分内の2つの流体の混合は、パッケージングを振ることによって、または1つの部分内に保持された流体を第2の部分内に保持された流体に重力下で流入させることを可能にすることによって容易にされ得る。
【0011】
本発明のパッケージングは、さまざまな流体を保存し、次いでそれらの流体を、第1および第2の部分の各々の容量または各々の前記部分内に導入された流体の体積に基づいて、精密に制御された体積比で混合することを実現する。適切には、フレームの閉鎖によって形成されたポーチの第1および第2の部分内に保持された体積の比は、1:1から10:1である。好ましくは、体積比は、1:1から3:1の範囲内であり、より好ましくはポーチの第1および第2の部分は、流体の等しい体積を保持し、最も好ましくは、第1および第2の部分は、等しい容積を有する。
【0012】
第1および第2の部分の1つのポートは、その中で混合された液体をパッケージングから分注することを可能にするように開かれ得る。実際に、その中で各部分または区画を充填する動作は、所与のポートを汚染する恐れがある。したがって、その部分の1つ内に、混合された液体の分注のみに使用される別のポートを設けることが有利になり得る。そのような別のポートは、分注が起こるまで閉鎖手段で封止されてよく、通常は、第1および第2の部分を充填するために使用されるポートより大きいものになる。
【0013】
パッケージングは、従来のスプレーガンなどの噴霧装置内に含むのに特に適している。混合された流体を分注するのに使用されるポートは、噴霧装置に直接的に、好ましくは閉システムを提供する方法で取り付けられる。
【0014】
したがって、本発明の第2の態様によれば、噴霧装置が提供され、噴霧装置は、i)スプレーノズルと、ii)圧縮性の流体パッケージングであって、a)総容量を有する可撓性ポーチであって、前記ポーチには、流体をそこを通して導入し、分注することができる少なくとも1つのポートが設けられ、各々の前記ポートには閉鎖弁が設けられている、可撓性ポーチと、b)前記ポーチを保持するためのフレームであって、ピボットの周りでその構成アームが移動することから生じる、開位置および閉位置を画定することができ、閉位置では、フレームは、ポーチの総容量を、導入された流体の連通がその間で可能でない第1および第2の部分に分割するように適合され、さらに、開位置では、フレームは、ポーチをそのように分割せずに、各部分内の流体間の連通を可能にする、フレームとを備える圧縮性の流体パッケージングと、iii)スプレーノズルと第1の連結部材によって取り囲まれた開放端部の間を延びる供給管であって、第1の連結部材は、供給管の開放端部を、圧縮性の流体パッケージングの少なくとも1つのポートを取り囲む対応する第2の連結部材に連結し、前記第1の連結部材には、パッケージングの閉鎖弁上で動作して、第1および第2の連結部材が相互に連結されたときに閉鎖弁を開かせる部材が設けられる、供給管とを備える。
【0015】
パッケージングは、互いに向かって反応する2つまたはそれ以上の流体を別個に保存することができるので、パッケージングおよび噴霧装置は、2成分(2K)および複合成分のコーティング組成物の文脈で特に有用性がある。本発明の第3の態様によれば、自動車または大型の輸送車両を仕上げるまたは再仕上げするプロセスが提供され、このプロセスは、本明細書の上記で定義されたパッケージング内に複合成分のコーティング組成物を提供するステップであって、前記フレームが、可撓性ポーチの第1および第2の部分の各々が、コーティングの1つの反応性成分を含有するように閉位置にある、ステップと、前記フレームを開位置に移動させ、前記コーティング組成物の反応性成分同士を混合するステップと、前記コーティング組成物をパッケージングのポートを通して噴霧装置内へ、それによって自動車または大型輸送車両の表面上に分注するステップとを含む。大型輸送車両は、列車、バス、トラック、および航空機ならびにそれらの一部を含む。
【0016】
本発明を、付属の図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるパッケージング内に含まれるポーチの1つの実施形態を示す図である。
【図2−1】図2は部分的に開位置にある、本発明のパッケージング内に含まれるフレームの1つの実施形態を示す図である。 図2aは図2に提供された囲まれた領域の拡大図である。
【図2−2】図2bはフレームがその全開位置にあるときの図2の同じ領域の拡大図である。
【図3】図2に表されたフレームであるが、フレームが閉位置にある実施形態を示す図である。 図3aは図3に提供された囲まれた領域の拡大図である。
【図4】図1のポーチが図2および3のフレーム内に支持されている本発明のパッケージングの1つの実施形態を示す図である。
【図5】本発明によるパッケージング内に含まれるポーチの第2の実施形態を示す図である。
【図6】本発明によるパッケージング内に含まれるポーチの第3の実施形態を示す図である。
【図7】本発明によるパッケージング内に含まれるポーチの第4の実施形態を示す図である。
【図8】本発明によるパッケージング内に含まれるポーチの第5の実施形態を示す図である。
【図9】本発明による噴霧装置の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書では、「複合成分のコーティング組成物」は、別個に保存された少なくとも2つの成分を有するコーティング組成物を意味する。通常、1つの容器は、架橋性成分を含有し、任意選択で溶媒および/または他の補助薬を含有し、別の容器は、通常架橋する成分、および任意選択で溶媒および/または他の補助薬を含有する。2つの反応性成分を含有する容器は、通常、コーティング組成物の成分の保存可能期間を増大させるために封止される。2つまたはそれ以上の成分は、使用直前に混合されてポットミックスを形成し、このポットミックスは、通常、数分間(15分間から45分間)から数時間(4時間から8時間)の範囲の限定されたポット寿命を有する。ポットミックスは、車体などの基板表面上の所望の厚さの層として塗布される。塗布後、層は乾燥され、周囲温度または高温で硬化されて、基板表面上に、高光沢、擦り傷抵抗性、および環境腐食に対する抵抗性などの所望のコーティング特性を有するコーティングを形成する。
【0019】
図1は、ポーチ(10)を、明確にするためにパッケージングの支持フレーム無しの平面図で示している。ポーチ(10)は、封止された周囲(13)によって画定され、ポーチ(10)の異なる端部に配設された2つのポート(14、15)が設けられている。別のより大きい直径のポート(16)が、1つの端部のみに設けられている。ポート(14、15、16)には各々、本明細書において以下で詳細に説明する閉鎖弁が設けられている。
【0020】
可撓性ポーチ(10)は、水および/または溶媒耐性および不浸透性材料(好ましくはポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)またはポロプロピレンの少なくとも1つの層を含む積層)から作製されるべきである。薄い金属ホイル、特にアルミニウムホイルもまた、ポーチ材料としてまたは積層ポーチ材料内の障壁層として使用されてよい。ポーチに使用される正確な材料およびその層の数は、ポーチの具体的な内容物および印刷可能な外側層が必要とされるかどうかによって決まることになる。
【0021】
フレーム(20)を、図2、2a、2b、3および3aにおいてより詳細に、パッケージングのポーチ無しで示している。図2および2aの部分的な開位置では、アーム(22、23、24、25)は、フレームの軸方向部材(21)の各端部に設けられたピボット(26)の周りで回転可能である。軸方向部材(21)に平行であり、前記軸方向部材と同じ長さのヒンジ部材(27)が、上部アーム(22、23)に装着されるが、軸方向部材(21)内に設けられた線形空洞(28)からはその全長さに沿って係合解除されている。フレーム(20)が、この部分的な開形状を有するとき、隙間(32)が、ヒンジ部材(27)の全幅に沿ってもたらされる。
【0022】
アーム(22、23)の基部は、これもまたフレーム(20)の幅にわたって延びる横材(29)によって結合される。各アーム(22、23)にはまた、小さい力をかけることによってその標準位置から可逆式に偏位され得る弾性ラッチ(22b、23b)が設けられる。
【0023】
アーム(24、25)の基部は、これもまたフレーム(20)の幅にわたって延びる横材(30)によって結合される。この横材の中心には、本明細書において以下でより詳細に説明する連結部材(31)が配設される。各々のアーム(24、25)にはまた、ラッチ(22b、23b)を受け入れるようにサイズ設定された開口(24a、25a)も設けられる。
【0024】
アーム(22、23)が、図3および3aに示す閉位置に下向きに回転されるとき、ヒンジ部材(27)は、空洞(28)と係合する。ヒンジ部材(27)と空洞(28)の係合は、ヒンジ部材(27)の全幅に沿っていかなる地点にも隙間(32)が存在しないことを意味する。ラッチ(22b、23b)は、開口(24a、25a)と係合してフレーム(20)を閉位置に固定する手段を提供することができる。
【0025】
本発明のパッケージングを形成する第1の非限定的な方法では、フレーム(20)は、図2bに示されているような開位置に配設され、空のポーチ(10)の大径のポート(16)を、連結部材(31)と接触させる。ポーチ(10)の反対側端部は、次いで、フレームを完全に開くことによって形成された拡大された隙間(32)を通過し、次いでポーチは、フレームのアーム(22、23、24、25)上に平坦に置かれる。アームが、フレーム(20)を閉じるようにピボット(26)の周りで回転されるとき、ポーチは、ヒンジ部材(27)の周りで対称に折り畳まれるようになり、ヒンジ部材(27)は、ポーチ(10)の全幅にわたって延びる。
【0026】
パッケージングを形成する第2の非限定的な方法では、フレーム(20)は、最初2つまたはそれ以上の部分に分解され得る。空のポーチ(10)の大径のポート(16)を先ず、連結部材(31)およびフレームの第1の部分の関連する関連するアーム(24、25)および横材(30)と接触させる。フレームの第2の残りの部分は、次いで、たとえば図2aに示すフレーム位置になるようにポーチの周りに組み付けられる。ポーチの自由端部、詳細にはポート(14)を、次いで、横材(29)と接触させる。
【0027】
いずれの例示的な方法でも、ヒンジ部材(27)が、線形空隙(28)と完全に係合されるようになるとき、折り畳まれたポーチは、第1の部分(11)および第2の部分(12)に分割される。この形では、ポート(15)は、第1の部分(11)内に配設され、ポート(14)は、ポーチ(10)の第2の部分(12)内に配設される。図4は、こうして形成された組み合わせられたパッケージング(P)を表しており、この場合、ポーチ(10)の第1の部分(11)および第2の部分(12)を、ポート(15)およびポート(14)それぞれを通して流体によって別個に充填することができる。各部分内に導入された体積は、正確に制御され得る。所要の体積が導入され、かつ/または1つもしくは両方の容量に到達したとき、ポートの弁は閉じられる。各部分(11、12)内の流体間の流体連通は、可能でない。
【0028】
独立して立っているクリップまたはクランプとは対照的なフレーム(20)を使用する特定の利点は、ポーチは、この方法が使用されるとき、自動的に正しい位置に折り畳まれることである。さらに、アーム(22、23、24、25)のレバー効果は、ポーチ上に大きい閉鎖力を発生させるように働き、この閉鎖力は、パッケージングの長期の保存、輸送、および取り扱いの間でも成分が分離されたままであることを確実にする。
【0029】
図1および図4の実施形態では、ポーチは、各部分(11、12)の最大容積が同一になるように対称的である。これらの部分がその容量まで充填されたとき、第1の部分(11)および第2の部分(12)内の流体は、1:1の体積比にある。導入された各流体の相対量を制御することによって、この対称のポーチの各部分内の流体のさまざまな比を達成することができる。ポート(14、15)を通る流体を正確に計測するのに適した手段が、当技術分野でよく知られている。プランジャポンプおよびギヤポンプおよび圧力−時間分注器などの容積および時間ベースの計量供給手段が、具体的に言及され得る。
【0030】
フレーム(20)は、通常、鋼、アルミニウム、またはプラスチックから製作される。いずれの事象においても、これが製作される材料は、閉位置にあるときに第1の部分(11)と第2の部分(12)の間で流体不浸透性境界を維持するのに十分な抑圧力を及ぼすように適切に頑強でなければならない。フレーム(20)によってポーチ(10)に提供される支持は、パッケージングが、その取り扱いを極めて容易にする小型の形態で常に維持されることを確実にする。
【0031】
使用時、図4のパッケージングは、弾性ラッチ(22b、23b)上に小さい押し下げ力を及ぼしてこれらを開口(24a、25a)から変位させることによって、ポート(14、15、16)がきちんと閉じられた状態で開かれる。次いでアーム(22、23)を回転させることができ、これはヒンジ部材(27)を線形空隙(28)から除々に係合解除させる。回転の特定の地点において、こうして形成された隙間(32)が、2つの部分間の流体連通を可能にする。各部分内の流体同士を混合することは、たとえばパッケージングを振ることによっておよび/または第2の部分(12)を第1の部分(11)の上方に垂直に配設することによって容易にされ得る。一方の部分を他方の上方に垂直に配設することは、2つの流体を混合する極めて単純な、したがってユーザが使いやすい方法となることは明確である。同様に、パッケージングを5秒から30秒間、さらには5秒間から10秒間振ることもまた、極めて効果的であることが見出されている。
【0032】
混合された流体は、次いで、ポート(16)の弁を開くことによってポート(16)を通って分注され得る。
【0033】
作動の好ましい形態では、第1のポーチ(11)および第2のポーチ(12)の各々は、それらの総容量の半分未満または半分に等しい体積まで充填される。第2の部分は、第1の部分の上方に垂直に配設されて、その中に保持された流体同士を混合する。流体が結合されると、組み合わせられた体積により、フレーム(20)を再度閉鎖することが可能になり、それにより、ポーチ(10)は、充填された部分および空の部分それぞれになるように再度対称的に折り畳まれる。これは、空になった区画内は混合物が存在しないという利点を有する。混合物のすべては、ポート(16)を介した流出を有する部分(11)内に存在している。
【0034】
図2および3を説明の目的で参照すると、ポーチの線形寸法は、フレームの横材(29)−ヒンジ部材(27)−横材(30)の総距離に実質的に相当するはずである。空のポーチの長さは、流体を含有するポーチの長さよりわずかに大きくなることが認識されるにちがいない。フレームの閉位置における横材(29)−ヒンジ部材(27)−横材(30)の総距離は、好ましくは、ポーチが充填されるときにフレームおよびポーチの両方内で圧力が上昇することを防止するためにポーチ長さのこうした低減を可能にすべきである。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、フレーム(20)のアームが閉位置から開位置までピボットの周りで移動することは、前記ピボットの領域内でポーチの可撓性材料を伸張させるように作用する。これは、フレームの開位置におけるフレームの横材(29)−ヒンジ部材(27)−横材(30)の総距離が、フレームが閉位置にあるときのその距離より大きいようにフレーム(20)を適合させることによって達成され得る。また、開位置における距離を、充填された状態のポーチの長さよりわずかに小さくすることにより、ポーチをその中央で開く力が、ポーチの内側の材料上に及ぼされることになる。この引っ張りまたは伸張動作は、各部分間の流体の移動を容易にする。
【0036】
ポーチ(10)の別の実施形態を、図5の平面図で示している。組み合わせられたパッケージング内で第2の部分(12)を形成するポーチ(10)の領域には、その部分を2つの区画(12a、12b)に分割するシーム(53)が設けられる。シーム(53)の長さは、ポーチの長さの半分であり、それにより、これは、端壁と(点線によって示す)フレームの閉鎖によって設けられるシールとの間に形成された第2の部分を完璧に分割するようになる。シーム(53)が形成される方法は、たとえば第1の部分の対向する側壁を接着または熱封止することによってなど特に限定されないが、そこを横切る流体の移動を通さないことを特徴とする。
【0037】
各区画(12a、12b)には、ポート(14a、14b)が設けられ、このポートは、ポーチがフレーム内に装着され、そのフレームがその閉位置にあるときに流体をその中に別個に導入することを可能にする。ポーチの分割されない部分(11)にもまた、この目的で別個のポート(15)が設けられる。
【0038】
このポーチ(10)の使用時、フレーム(図示せず)は、その閉位置からその開位置まで移動され、2つの部分(11、12(a、b))間の境界上の圧力を軽減する。フレームの回転のどこかの地点で、部分内の静水圧が、その境界を強制的に開き、各部分内に保持された流体同士を混合することを可能にする。第2の部分(12a、12b)内に保持された2つの流体および第1の部分(11)内に保持された1つの流体の適切な混合を確実にするために、パッケージングを垂直に配置し、第2の部分内の流体が重力下で下側の第1の部分内に流れることが好ましい。
【0039】
当然ながら、シーム(53)の図示したものに対する異なる位置により、各区画(12a、12b)の容積の正確な制御が可能になることが認識されよう。さらに、2つ以上のそのようなシームが含まれてよく、それによってポーチの部分を3つまたはそれ以上の区画に分割することが可能になる。
【0040】
図6のポーチは、図1に表したポーチの簡易バージョンである。3つのポートを有する代わりに、ポーチ(10)には、大きい方の第2のポート(16)の遠位の反対側に第1のポート(14)が設けられる。両方のポート(14、16)は、弁によるそこを通した流体の導入および分注を可能にするが、大きい方のポート(16)は、好ましくはポーチの混合された成分を分注するために使用されなければならない。
【0041】
ポーチ(10)の別の実施形態を、図7および8に示している。図7では、2つの小さい線形シール(71、72)が、ポーチ(10)の両側に設けられる。図8では、シール(81、82)は、弓形を有する。いずれの場合も、シールは、これらの地点でポーチ材料を接着するまたは熱封止することによって形成される。これらのポーチ(10)をフレーム(20)内で使用する際、これらのシールは、ヒンジ部材の動作によって押し付けられる。そのようなシールは、フレームのアームの上部を有するポーチの境界において材料がポーチの一方の部分から他方に漏れる(染み出す)ことを防止することが見出されている。シールは、加えて、流体遮断障壁を形成するのに必要とされるフレームの閉鎖力を大きく低減する。
【0042】
図示しないポーチの別の実施形態では、ポーチは対称ではない。ポーチの一方の半分は他方より幅広であり、それにより、ポーチがその中間点周りで折り畳まれたとき、こうして形成された2つの部分は、異なる容積を有するようになる。適切な製造技術により、特有の容積比の第1および第2の部分に分割することができるポーチを生産することができる。
【0043】
上記で説明したパッケージングは、噴霧装置内に含むのに特に適している。適した手操作の噴霧装置(90)を図9に示しており、これは、スプレーノズル(91)およびアクチュエータ(93)付きハンドル(92)を備える。アクチュエータ(93)は、圧縮ガス源に動作可能に連結され得る。
【0044】
噴霧装置(90)は、スプレーノズル(91)と第1のコネクタ部材(94)の開放端部の間を延びる内部の供給管(図示せず)を備える。パッケージングの中央のコネクタ部材(190)は、その第1のコネクタ部材(94)に動作可能に取り付けられる。その第1のコネクタ部材には、コネクタ部材の弁(図示せず)を開き、任意選択で閉じるようにコネクタ部材(94)上で作用する手段が設けられることが必要である。
【0045】
本発明の好ましい態様では、部材(94、190)間の連結は、WO2007128739((Akzo Nobel Coatings International B.V.)の教示によって提供される。この文献の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0046】
その開示からの第1の好ましい実施形態では、コネクタ部材(94)は、ポーチコネクタ部材(190)の内径に沿って内側レッジにしっかりと押し付けられるように寸法設定された閉鎖部材を備える閉鎖弁を有する。第1の連結部材(94)には、前記ポーチのポートを取り囲むレッジまたはショルダから離れるように閉鎖部材を押すための突起部または指部が設けられる。
【0047】
この開示からの第2の好ましい実施形態では、コネクタ部材(94)は、ニップルおよびキャップを備える閉鎖弁を有し、ニップルは、少なくとも1つの開口部が設けられた上端部およびキャップの上端部内の開口部と位置合わされた突起部を有し、開口部は、突起部の上にしっかりと嵌合するように寸法設定されており、キャップは、ニップルの上を、突起部がキャップの上端部内の開口部を閉じるときの閉位置と、突起部が開口部から引っ張り出される開位置との間で摺動可能である。
【0048】
この開示からの第3の好ましい実施形態では、コネクタ部材(94)は、出口開口部から、狭小になる内径が設けられた外側端部まで通じる中央孔を備えたプラグと、閉鎖端部、およびプラグの外側端部の狭小になる内径と共働するスナップ結合を形成しやすい輪郭をかたどられた縁によって画定された開放端部を備えるキャップとを含む閉鎖弁を有し、キャップは、可撓性スポークによってプラグに取り付けられている。本明細書では、第1の連結部材(94)に、プラグのキャップ内にしっかりと嵌合するように寸法設定されたヘッドおよびヘッドの下方の径方向の開口部を備えた中空の突起部を設けることが有利である。
【0049】
これらの実施形態の各々では、第1の連結部材(94)および第2の連結部材(190)は、ねじ連結またはバイオネットキャッチを形成するように共働する。
【0050】
本発明のパッケージングが、コーティング用のスプレーガンで使用することに対して説明されてきたが、流体を分注または噴霧するのに適した他の装置でも同様に使用されてよい。
【0051】
ポーチ内に保持された流体の所要量が分注された後、フレームおよびポーチは、スプレー装置から連結解除され得る。流体の有用な量を依然として保持するパッケージングは、その後混合物のポット寿命内で使用するために保存されてよい。空にされたポーチは、使用後にパッケージングのフレームから取り外されて破棄されてよく、あるいは代替的にパッケージングすべてを全体として破棄してもよい。
【0052】
フレームおよびポーチは、パッケージングのさまざまな用途に適した数多くの異なるサイズで準備され得ることが明らかである。これらのサイズは、パッケージング構成要素を大量に製造することができるように標準化することができ、それによって製造の経済性が達成される。ポーチの大量製造に関しては、2リットル、1リットル、750ml、500ml、400ml、300ml、200mlおよび100mlの総容積を有するポーチについて特に言及され得る。
【0053】
本発明は、パッケージの各部分および/または各区画内に存在する流体によって限定されることを意図していないが、本発明が、液体を保存するのに非常に適しており、互いに向かって反応する液体を保存するのに特に適していることが認識されよう。したがってそのような流体の混合により、ポーチ内の反応が開始する。反応混合物は、次いで、反応の開始後適切な時間でパッケージングから分注され、この時間は、付随する化学性質および/または反応によって生じる熱力学的状態に対するポーチの耐性によって決まる。
【0054】
大いに好ましい使用では、パッケージングは、2成分(2K)のコーティング組成物を保持し、この場合、可撓性ポーチの第1および第2の部分の各々は、2Kコーティングの1つの反応性成分を含有する。コーティング組成物の2成分は、パッケージング内で混合され、そして分注され、組成物は適切に硬化される。この方法におけるパッケージングは、自動車再仕上げ市場で広く使用されている2Kポリウレタン技術において有利に使用される。少なくとも1つの水酸基官能性重合体を含む第1の液体成分(A)および前記水酸基官能性重合体(A)と架橋してフィルムを形成することができる架橋剤を含む第2の液体成分(B)の各々は、パッケージングの別個の部分内に保持され得る。これら2つの成分は、パッケージング内で混合され、次いで好ましくは前述の形態の噴霧装置を用いてそのパッケージングから分注される。組成物は、次いで、適切な方法で硬化される。
【0055】
当技術分野で知られているように、水酸基官能性重合体(A)は通常、ビニルおよびアクリル単量体などのエチレン性不飽和単量体由来の水酸基含有重合体、エポキシ重合体由来の水酸基官能性重合体、水酸基含有アルキド重合体、ポリウレタンポリオール重合体、ポリエーテルポリオール重合体またはポリエステルポリオール重合体からなる群から選択されることになる。水酸基官能性重合体と架橋してフィルムを形成することができる架橋剤(B)は、たとえばアミノプラストおよびポリイソシアネートを含むことができ、このとき多官能性ポリイソシアネートが最も好ましい。成分(A)および(B)の適切な候補の例は、従来技術を通して、たとえば米国特許第4,913,972号および同第6,316,119号で見出され得る。
【実施例】
【0056】
パッケージングの準備
ポリエチレン、アルミニウムホイルおよびポリエチレンテレフタレート(PET)の積層から構築されたポーチが、図1に示す形態で提供された。ポーチは、750mlの総容積を有していた。
【0057】
空のポーチを、図2に示すように開いたフレーム内に装着し、フレームを図3に示すように閉じてポーチを等しい容積を有する2つの部分に対称で分割した。
【0058】
プランジャポンプを使用して、Sikkens Autoclear PC Standard(Akzo Nobel N.V.から入手可能な水酸基アクリル樹脂)200mlを、設けられたポートから、フレームの閉鎖によって形成されたポーチの第1の部分内に計量供給した。同様に、Sikkens Autoclear PC Hardener(Akzo Nobel N.V.から入手可能なポリイソシアネート樹脂)100mlをフレームの閉鎖によって形成されたポーチの第2の部分内に計量供給した。
【0059】
パッケージングの使用
5日間の保存期間後、硬化剤成分を含有する第2の部分を、水酸基官能性重合体成分を含有する第1の部分の上方に垂直に配設するようにして、フレームを開いた。2つの成分を重力下で結合させた。2つの成分の結合後、パッケージングを5秒間振って成分を混合した。混合後すぐにパッケージングを標準空気支援スプレーガン(DeVilbiss GTi 重力供給スプレーガン)に取り付け、コーティングを、Sikkens Autobase Plusで事前にコーティングされたパネル上に塗布した。推奨された3分間の表面乾燥後、透明コーティングを30分間60℃で乾燥させた。
【0060】
乾燥時間、透明コーティングの硬度および透明コーティングの外観は、同じタイプの従来式に混合され塗布された透明コーティングとの相違を示さなかった。
【符号の説明】
【0061】
10 可撓性ポーチ
11 第1の部分
12 第2の部分
12a、12b 区画
13 封止された周囲
14、14a、14b、15、16 ポート
20 フレーム
21 フレームの軸方向部材
22、23、24、25 アーム
22b、23b 弾性ラッチ
24a、25a 開口
26 ピボット
27 ヒンジ部材
28 線形空洞
29、30 横材
31 連結部材
32 隙間
53 シーム
71、72 線形シール
81、82 シール
90 手操作の噴霧装置
91 スプレーノズル
92 ハンドル
93 アクチュエータ
94 第1のコネクタ部材
190 ポーチコネクタ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体のためのパッケージングであって、
a)好ましくは水および/または溶媒不浸透性材料から作製され、総容量を有する可撓性ポーチ(10)であって、前記ポーチ(10)には、流体をそこを通して導入し、分注することができる少なくとも1つのポート(14、15)が設けられ、各々の前記ポート(14、15)には閉鎖弁が設けられている、可撓性ポーチ(10)と、
b)前記ポーチ(10)を保持するためのフレーム(20)であって、フレームの軸方向部材(21)の各端部に設けられたピボット(26)の周りで2対の構成アーム(22、23、24、25)が移動することから生じる、開位置および閉位置を画定することができ、線形空洞(28)が前記軸方向部材(21)内に設けられ、ヒンジ部材(27)が、前記軸方向部材(21)に平行に設けられて前記上部アーム(22、23)に装着され、前記閉位置では、前記フレーム(20)は、前記ポーチ(10)の前記総容量を、前記導入された流体の連通がその間で可能でない第1および第2の部分(11、12)に分割するように適合され、さらに、前記開位置では、前記フレーム(20)は、前記ポーチ(10)をそのように分割せずに、各部分(11、12)において流体間の連通を可能にする、フレーム(20)とを備える、パッケージング。
【請求項2】
前記フレーム(20)の閉鎖によって形成された前記ポーチ(10)の前記第1および第2の部分(11、12)の容積が、1:1から10:1、好ましくは1:1から3:1の比にある、請求項1に記載のパッケージング。
【請求項3】
前記フレーム(10)の閉鎖によって形成された前記ポーチ(10)の前記第1および第2の部分(11、12)が、等しい容積を有する、請求項2に記載のパッケージング。
【請求項4】
前記ポーチ(10)には、前記フレーム(20)の閉鎖によって形成された前記ポーチ(10)の前記第1および第2の部分(11、12)を、独立的に充填することを可能にするように適合された2つのポート(14、15)が設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項5】
前記第2の部分(12)が、少なくとも2つの区画(12a、12b)に分割され、各々の前記区画は、流体を受け入れ分注するが、その区画間では受け入れられた流体の連通が可能でないように適合される、請求項1から3のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項6】
前記ポーチ(10)の前記第2の部分(12)には、前記区画(12a、12b)の各々に対するポート(14a、14b)が設けられ、それによって前記区画を独立的に充填することが可能になる、請求項5に記載のパッケージング。
【請求項7】
前記閉鎖弁が、前記可撓性ポーチの各ポートの内径に沿って内側レッジ上にしっかりと押し付けられるように寸法設定された閉鎖部材を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項8】
連結部材が設けられた別のポート(16)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項9】
前記フレーム(20)の前記アーム(22、23、24、25)が前記閉位置から前記開位置まで前記ピボット(26)の周りで移動することは、前記ピボット(26)の領域内で前記ポーチ(10)の可撓性材料を伸張させる、請求項1から8のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項10】
前記ポーチ(10)には、前記フレーム(20)の閉鎖によって形成された前記第1および第2の部分(11、12)の分割境界に存在するように配設された1つまたは2つのシールが設けられる、請求項1から9のいずれか一項に記載のパッケージング。
【請求項11】
i)スプレーノズル(91)と、
ii)圧縮性の流体パッケージングであって、
a)総容量を有する可撓性ポーチ(10)であって、前記ポーチには、流体をそこを通して導入し、分注することができる少なくとも1つのポート(14)が設けられ、各々の前記ポートには閉鎖弁が設けられている、可撓性ポーチ(10)と、
b)前記ポーチ(10)を保持するためのフレーム(20)であって、ピボット(26)の周りでその構成アーム(22、23、24、25)が移動することから生じる、開位置および閉位置を画定することができ、前記閉位置では、前記フレーム(20)は、前記ポーチ(10)の前記総容量を、前記導入された流体の連通がその間で可能でない第1および第2の部分(11、12)に分割するように適合され、さらに、前記開位置では、前記フレーム(20)は、前記ポーチ(10)をそのように分割せずに、各部分内の流体間の連通を可能にする、フレーム(20)とを備える、圧縮性の流体パッケージングと、
iii)前記スプレーノズル(91)と第1の連結部材(94)によって取り囲まれた開放端部の間を延びる供給管であって、前記第1の連結部材(94)は、前記供給管の前記開放端部を、前記圧縮性の流体パッケージングの前記少なくとも1つのポートを取り囲む対応する第2の連結部材(190)に連結し、前記第1の連結部材(94)には、前記第1および第2の連結部材(94、190)が相互に連結されたときに、前記パッケージングの前記閉鎖弁上で動作して閉鎖弁を開かせる部材が設けられる、供給管とを備える、噴霧装置(90)。
【請求項12】
前記閉鎖弁が、弾性部材によって前記可撓性ポーチの前記ポートの内径に沿って内側レッジ上にしっかりと押し付けられるように寸法設定された閉鎖部材を備え、前記第1の連結部材(94)には、前記閉鎖部材を、前記ポーチの前記ポートを取り囲むショルダから離れるように押すための突起部または指部が設けられることを特徴とする、請求項11に記載の噴霧装置(90)。
【請求項13】
前記閉鎖弁が、ニップルおよびキャップを備え、前記ニップルは、少なくとも1つの開口部が設けられた上端部と、前記キャップの前記上端部内の開口部と位置合わされた突起部とを有し、前記開口部は、前記突起部上にしっかりと嵌合するように寸法設定されており、前記キャップは、前記ニップルの上で、前記突起部が前記キャップの上端部内の前記開口部を閉じるときの閉位置と、前記突起部が前記開口部から引っ張り出されるときの開位置との間で摺動可能であることを特徴とする、請求項11に記載の噴霧装置(90)。
【請求項14】
前記閉鎖弁が、出口開口部から、狭小になる内径が設けられた外側端部まで通じる中央孔を備えたプラグと、閉鎖端部、および前記プラグの外側端部の前記狭小になる内径と共働するスナップ結合を形成しやすい輪郭をかたどられた縁によって画定された開放端部を備えるキャップとを有し、前記キャップは、可撓性スポークによって前記プラグに取り付けられていることを特徴とする、請求項11に記載の噴霧装置(90)。
【請求項15】
前記第1の連結部材(94)には、前記プラグのキャップ内にしっかりと嵌合するように寸法設定されたヘッドおよび前記ヘッドの下方の径方向の開口部を備えた中空の突起部が設けられることを特徴とする、請求項14に記載の噴霧装置。
【請求項16】
前記第1および第2の連結部材(94、190)が、ねじ連結またはバイオネットキャッチを形成するように共働することを特徴とする、請求項11から15のいずれか一項に記載の噴霧装置(90)。
【請求項17】
自動車を再仕上げするプロセスであって、
請求項1から5のいずれか一項において定義されたパッケージング内に複合成分のコーティング組成物を提供するステップであって、前記フレーム(20)が、前記可撓性ポーチ(10)の前記第1および第2の部分(11、12)の各々が、前記複合成分のコーティング組成物の1つの反応性成分を含有するような閉位置にある、ステップと、
前記フレーム(20)を開位置に移動させ、前記複合成分のコーティング組成物の前記反応性成分同士を混合するステップと、
前記混合された成分を、前記パッケージングの前記ポート(16)を通して噴霧装置内へ、それによって前記自動車の表面上に分注するステップとを含む、プロセス。
【請求項18】
前記複合成分コーティングが、ポリウレタンコーティングであり、前記第1の部分(11)が、OH官能性結合剤を含み、前記第2の部分(12)が、前記結合剤と反応するポリイソシアネートを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記コーティング組成物の前記反応性成分が、前記パッケージングを振ることによって混合される、請求項17または請求項18に記載のプロセス。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−515691(P2012−515691A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546783(P2011−546783)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050656
【国際公開番号】WO2010/084140
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(500286643)アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ (67)
【Fターム(参考)】