説明

2,4−ピリミジンジアミン化合物を用いた炎症性障害の治療法

式(I)で表される2,4−ピリミジンジアミン化合物を用いて、炎症性障害を治療するためおよびIL−23産生を阻害するための方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2009年1月14日に出願された米国特許仮出願第61/144,609号に対する優先権の利益を主張するものであり、前述明細書は、その内容全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
序論
インターロイキン23(IL−23)は、2つのサブユニットであるp40およびp19からなる、ヘテロ二量体サイトカインである。IL−23は、感染に対する炎症性応答において役割を果たし、多発性硬化症、炎症性腸疾患および癌の発症に関与するとされてきた。インターロイキン10(IL−10)は、様々な炎症誘発性サイトカインの合成を阻害することができる抗炎症性サイトカインである。
【0003】
炎症は、病原体、損傷細胞または刺激物質のような有害刺激に対する血管組織の複雑な生物学的応答である。しかし、無制限に進行する炎症は、多くの障害、例えば炎症性関節炎、関節リウマチ、花粉症およびアテローム性動脈硬化症などへと導き得る。
【0004】
炎症は、急性または慢性のいずれかに分類することができる。急性炎症は、有害刺激に対する身体の最初の応答であり、血液から損傷組織内への血漿および白血球の移動が増加することにより生じる。生化学的事象のカスケードが伝播し、損傷組織内の局所血管系、免疫系および種々の細胞が関与した炎症性応答が成熟する。急性炎症は、組織への血漿および白血球の浸潤による炎症の典型的な徴候、すなわち膨潤、発赤、疼痛、発熱および機能喪失を特徴とする短期的プロセスである。それは、有害刺激が存在する限り発生し、一度刺激が除去されるか、破壊されるか、または瘢痕化により取り囲まれる(線維化)と停止する。
【0005】
慢性炎症として知られる長期的な炎症は、炎症部位に存在する細胞タイプにおける進行性への転換を導き、炎症プロセスからの、同時に起こる組織の破壊および治癒を特徴とする。慢性炎症は、同時に起こる活発な炎症、組織破壊および修復の企てを特徴とする病的状態である。慢性炎症は、上記急性炎症の典型的徴候を特徴としない。代わりに、慢性炎症組織は、単核免疫細胞(単球、マクロファージ、リンパ球および形質細胞)の浸潤、組織破壊、ならびに血管新生および線維化を含めた治癒の企てを特徴とする。内因性の原因としては、持続性の急性炎症が挙げられる。内因性の原因は様々であり、細菌感染、シリカのような化学物質への長時間曝露または関節リウマチのような自己免疫反応が挙げられる。
【0006】
免疫系の細胞は、シグナルカスケードを用いて、実際のまたは認知された傷害に対する応答の段階的増大を開始する。シグナルカスケードが不適切に惹起された場合、炎症性応答は病原性となる。例えば、自己免疫疾患は、免疫系が内因性の抗原に対する応答を開始した結果である。多くの抗炎症剤が、シグナルカスケードを阻害することにより、例えば細胞内または細胞間エフェクターのブロッキングなどにより機能する。例えば、糖質コルチコイドは、天然の免疫抑制剤であるコルチゾールを模倣して転写レベルで遺伝子をブロックし、またシクロオキシゲナーゼ阻害剤は、細胞内で内部シグナル分子をプロセシングする酵素に結合して阻害する小分子である。
【発明の概要】
【0007】
2,4−ピリミジンジアミン化合物を用いた炎症性障害の治療法が本明細書に記載されている。さらに、IL−23産生を阻害する方法が記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、複数形の指示対象を包含するものとする。特許請求の範囲は、いかなる任意の要素も除外するように作成され得ることがさらに留意される。したがって、この記述は、請求項要素の列挙と関連した「唯一」、「のみ」(「solely」、「only」)などの排他的用語の使用または「消極的」限定の使用のための先行詞として機能することが意図される。
【0009】
数値範囲が与えられている場合、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、その範囲の上下限の間にある、下限単位の10分の1までの介在する各数値、およびその記載範囲における任意の他の記載数値または介在数値は本発明の範囲に包含されることが理解される。これらのより狭い範囲の上下限は、独立してより狭い範囲に含まれてもよく、またその記載範囲において特に除外された任意の限界値の制約の下で、本発明の範囲に包含される。記載範囲が限界値の一方または両方を含む場合、これら含まれる限界値のいずれかまたは両方を除外する範囲も本発明の範囲に含まれる。
【0010】
下式(I):
【0011】
【化1】

【0012】
で表される2,4−ピリミジンジアミン化合物が本明細書に記載されている。
【0013】
式(I)において、Xは(CHを表し、mは1〜5までの整数であり、かつ1つまたは複数のCHが任意にO、SまたはN(R)で置換され、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。ある実施形態では、Xは(CHまたは(CHを表す。本明細書で使用される「アルキル」という用語は、直鎖および分岐鎖アルキルの両方を意味する。C〜Cアルキルの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルならびにそれらの分岐鎖異性体、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、単環式および二環式アルキルの両方を意味する。C〜Cシクロアルキルの具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル、それらの置換異性体、例えば、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ならびにそれらの二環式の異性体、例えば、スピロ[3,4]オクチルおよびスピロ[3,3]ヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
YはN(R)、OまたはSを表し、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。
【0015】
ある実施形態では、Rは、CHのようなC〜Cアルキルを表す。さらなる実施形態では、Yは、N(CH)のようなN(C〜Cアルキル)を表す。
【0016】
式(I)において、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表す。
【0017】
式(I)において、結合―は、Xに含まれる任意の環原子と連結していてよい。ある実施形態では、結合―は炭素環原子と連結している。
【0018】
本明細書に具体的に記載および/または例示されている様々な化合物種だけでなく、多くの化合物が互変異性、構造異性、幾何異性および/または光学異性を示し得ることを当業者は理解するであろう。「互変異性体」という用語は、原子の電子結合および/またはプロトンの位置のみが異なる、エノール−ケトおよびイミン−エナミン互変異性体のような別の形態の分子、または−N=C(H)−NH−環原子配置を含むヘテロアリール基の互変異性型、例えばピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾールなどを指す。当業者であれば、その他の互変異性の環原子配置が可能であることを理解するであろう。例えば、本開示の化合物は、1つまたは複数のキラル中心および/または二重結合のような不斉要素を含み得、その結果、立体異性体、例えばシス−トランス異性体、EおよびZ異性体、鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびにラセミおよび光学活性混合物を含めたそれらの混合物などとして存在し得る。「立体異性体」という用語は、原子の結合性は同じであるが原子の空間配置が異なる異性体分子を指す。「鏡像異性体」という用語は、互いに重ね合わせることができない鏡像となっている立体異性体である化合物を指す。「ジアステレオ異性体」という用語は、鏡像として関係しない立体異性体を指す。「ラセミ」または「ラセミ化合物」という用語は、等モル量の2つの鏡像異性種の混合物を指す。
【0019】
特定の実施形態では、本開示の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、薬学的に許容される塩の形態である。一般に、薬学的に許容される塩とは、実質的に親化合物の1つまたは複数の所望の薬理活性を保持する塩のことであり、これらは被検体への投与に適している。本開示の化合物の例は、少なくとも1つの塩基性アミノ酸基を含む。したがって、このような化合物の薬学的に許容される塩としては、無機酸または有機酸で形成される酸付加塩が挙げられる。本化合物と薬学的に許容される酸付加塩を形成するのに適した無機酸の例としては、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸)、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。薬学的に許容される酸付加塩の形成に適した有機酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、パルミチン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、アルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸など)、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、4クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などが非限定的に挙げられる。
【0020】
式(I)において、―は、キラル中心または二重結合のような不斉要素と結合している場合、その結合がいずれかの立体配置で結合し得ることを示す。さらに、―は、可能性のある相対または絶対立体化学のいずれかの結合を表す。キラル中心を有する化合物では、記号―は、キラル中心がRもしくはSまたは両方の立体配置を有し得ることを示すために使用される。
【0021】
ある実施形態では、XおよびYを有する環は下式:
【0022】
【化2】

【0023】
を有する。
【0024】
さらなる実施形態では、上式中のYは、N(CH)のようなN(R)である。
【0025】
式(I)において、pは0または1である。
【0026】
式(I)において、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表す。RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表す。ある実施形態では、RおよびRはHである。
【0027】
式(I)において、RはH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表す。本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、直鎖または分岐鎖アルキルを有する基を意味する。C〜Cアルコキシの具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシおよびヘプチルオキシならびにそれらの分岐鎖異性体、例えば、イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシなどが挙げられる。本明細書で使用される「ハロ−」という用語は、フルオロ−、クロロ−、ブロモ−およびヨード−ならびに例えば、フルオロ−およびクロロ−を意味する。ハロアルキルおよびハロアルコキシは、アルキル鎖上の任意の適切な位置(単数または複数)に1つまたは複数のハロゲン置換基(単数または複数)を有し得る。
【0028】
適切なハロアルキルの具体例としては、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジクロロエチル、1−クロロプロピル、3−クロロプロピル、1−クロロブチル、1−クロロペンチル、1−クロロヘキシル、4−クロロヘキシル、4−クロロブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
適切なハロアルコキシの具体例としては、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、ブロモメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1−フルオロエトキシ、1−クロロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,2−ジクロロエトキシ、1−クロロプロポキシ、3−クロロプロポキシ、1−クロロブトキシ、1−クロロペンチルオキシ、1−クロロヘキシルオキシ、4−クロロヘキシルオキシ、4−クロロブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
ある実施形態では、C〜CハロアルキルはCHFまたはCFである。さらなる実施形態では、RはF、CF、CN、NOまたはCOOCHCHを表す。別の実施形態では、RはFを表す。
【0031】
式(I)において、Rは置換アリールまたはヘテロアリールを表す。本明細書で使用される「置換(された)」または「置換基」という用語は、親分子中の水素原子と置き換わった原子または結合原子団を意味する。ある実施形態では、Rに包含されるアリールまたはヘテロアリールは、6〜14個の環原子を有する。本明細書で使用される「アリール」という用語は、単環および多環芳香族系を意味する。ある実施形態では、Rに包含されるアリールは、置換フェニルまたはナフチルを表す。本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、O、SおよびNからなる群より選択される1つまたは複数、例えば5個以下のヘテロ原子を有する、単環および多環芳香族系を意味する。ある実施形態では、ヘテロアリールは、1個または2個のO、SまたはN(R01)を含み、ここでは、R01はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。適切なヘテロアリールの具体例としては、チエニル、フリル、フラザニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
が置換ヘテロアリールを表す場合、ヘテロアリールは、その環の中の任意の原子を介して、例えば炭素原子を介してN2と連結していてもよい。
【0033】
ある実施形態では、Rに包含される置換アリールまたはヘテロアリールは、二置換である。さらなる実施形態では、二置換は、アリールまたはヘテロアリールがN原子と連結している位置に対してメタまたはパラの位置で生じる。別の実施形態では、Rは、6個の環原子を有する置換アリールまたはヘテロアリールを表す。
【0034】
さらなる実施形態では、Rは下式を表し:
【0035】
【化3】

【0036】
式中、RおよびRは、それぞれ独立してH、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10を表すか;あるいはRおよびRは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成する。RおよびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、R10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。
【0037】
さらなる実施形態では、Rは下式を表し:
【0038】
【化4】

【0039】
式中、Rはハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;かつRはH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基、または−SO−NR10を表す。RおよびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、R10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。
【0040】
ある実施形態では、RはCl、CN、CFまたはOCHFを表す。
【0041】
本明細書で使用される「シクロアルケニル」という用語は、単環および二環アルケニルを意味する。C〜Cシクロアルケニルの具体例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニルおよびそれらの置換誘導体、例えば、メチルシクロブテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニルなど、ならびにそれらの二環異性体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書で使用される「複素環基」という用語は、1つまたは複数のヘテロ原子を有する、芳香族、脂肪族および不飽和の単環基および多環基を意味する。多環基は、2つ以上のスピロ、融合または架橋環を含み得る。
【0043】
ある実施形態では、複素環基は1〜3個の環を有する。別の実施形態では、複素環基は3〜14個の炭素環原子を有し、そのうちの少なくとも1つはO、SまたはN(R01)のようなヘテロ原子で置換されており、ここでは、R01はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。
【0044】
複素環基は、その中の任意の環原子を介して連結していてもよい。ある実施形態では、Rは、N環原子を介して連結している複素環基を表す。
【0045】
適切な複素環基の具体例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、2H−ピロリル、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、ジヒドロフリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、インドリニル、イソインドリニル、フリル、フラザニル、ピラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの基では、連結は、その中のヘテロ環原子または炭素環原子で生じ得る。
【0046】
ある実施形態では、Rは下式を有し:
【0047】
【化5】

【0048】
式中、qは0または1を表し、R11はHまたはC〜Cアルキルを表す。さらなる実施形態では、Rはメチルを表す。
【0049】
別の実施形態では、Rは下式:
【0050】
【化6】

【0051】
のうちの1つを表す。
【0052】
あるいは、RおよびRは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に複素環を形成し得る。例えば、RおよびRは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に以下の環のうちの1つを形成してもよく:
【0053】
【化7】

【0054】
110はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルである。R111はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルである。特定の実施形態では、R110はHまたはC〜Cアルキルである。特定の実施形態では、R111はHまたはC〜Cアルキルである。
【0055】
あるいは、RおよびRは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に複素環を形成し得る。例えば、RおよびRは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に以下の環:
【0056】
【化8】

【0057】
を形成し得る。
【0058】
一実施形態では、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、下式(II)〜(V):
【0059】
【化9】

【0060】
のうちの1つを有する
【0061】
上式(II)〜(V)のR、R、R、R、Rおよびpは、式(I)に関して定義されるものと同義である。一実施形態では、RはハロゲンまたはC〜Cハロアルキル、例えば、ClまたはCFを表す。
【0062】
別の実施形態では、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、下式(VI)または(VII)を有し:
【0063】
【化10】

【0064】
式中:
は、式(I)で定義されるものと同義であり;
はF、CF、CN、NOまたはCOOCHCHを表し;
はCF、Cl、CNまたはOCHFを表し;ならびに/あるいは
は下式:
【0065】
【化11】

【0066】
を表し、式中、R11はHまたはC〜Cアルキルを表し;かつqは0または1であり、
【0067】
【化12】

【0068】
式中:
は式(I)で定義されるものと同義であり;
はF、CF、CN、NOまたはCOOCHCHを表し;
はCF、Cl、CNまたはOCHFを表し;ならびに/あるいは
は下式:
【0069】
【化13】

【0070】
を表し、式中、R11はHまたはC〜Cアルキルを表し;かつqは0または1である。
【0071】
一実施形態では、化合物は式(I)を有し、式中、Xは(CHまたは(CHを表し、YはN(R)を表し、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し、pは0または1であり、RおよびRはHであり、Rはハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニルまたはC〜Cハロアルキルを表し、Rは下式:
【0072】
【化14】

【0073】
を表し、Rはハロゲン、シアノ、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシを表し、RはH、C〜Cアルコキシ、複素環基、−SO−複素環基または複素環−SO−R基を表し、RはC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。さらなる実施形態では、RはFを表す。さらに別の実施形態では、RはCl、CN、CFまたはOCHFを表す。さらに別の実施形態では、RはH、C〜Cアルコキシ、
【0074】
【化15】

【0075】
を表し、式中、qは0または1を表し、R11はHまたはC〜Cアルキルを表す。
【0076】
別の実施形態では、化合物は式(I)を有し、式中、Xは(CHまたは(CHを表し、YはN(R)を表し、式中、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し、pは0または1であり、RおよびRはHであり、Rはハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニルまたはC〜Cハロアルキルを表し、Rは下式:
【0077】
【化16】

【0078】
を表し、RおよびRは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に以下の環:
【0079】
【化17】

【0080】
のうちの1つを形成する。さらなる実施形態では、RはFを表す。
【0081】
別の実施形態では、化合物はエンド配置を有する式(I)を有し、式中、Xは(CHまたは(CHを表し、YはN(R)を表し、式中、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し、pは0であり、RおよびRはHであり、RはF、CF、CN、NOまたはCOOCHCHを表し、Rは式
【0082】
【化18】

【0083】
を表し、RはCl、CN、CFまたはOCHFを表し、RはH、OCH
【0084】
【化19】

【0085】
を表し、式中、qは0または1を表し、R11はHまたはC〜Cアルキルを表す。さらなる実施形態では、RはFを表す。
【0086】
別の実施形態では、化合物はエンド配置を有する式(I)を有し、式中、Xは(CHまたは(CHを表し、式中、YはN(R)を表し、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し、pは0であり、RおよびRはHであり、RはF、CF、CN、NOまたはCOOCHCHを表し、Rは式
【0087】
【化20】

【0088】
を表し、RおよびRは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に以下の環:
【0089】
【化21】

【0090】
のうちの1つを形成する。さらなる実施形態では、RはFを表す。さらに別の実施形態では、RおよびRは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に
【0091】
【化22】

【0092】
を形成する。
【0093】
本開示の化合物を、以下の非限定的な実施形態でさらに説明する。
【0094】
実施形態1:下式(I)による化合物であり:
【0095】
【化23】

【0096】
式中、
Xは(CHを表し、mは1〜4までの整数であり、かつ1つまたは複数のCHが任意にO、SまたはN(R)で置換されており、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
YはN(R)、OまたはSを表し、式中、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
pは0または1であり;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;かつ
は置換アリールまたはヘテロアリールを表す。
【0097】
実施形態2:Xが(CHまたは(CHを表す、実施形態1による化合物。
【0098】
実施形態3:YがN(R)を表し、かつRがH、C〜Cアルキルを表す、実施形態1または2による化合物。
【0099】
実施形態4:Rがメチルを表す、実施形態3による化合物。
【0100】
実施形態5:R11、R12、R13およびR14が、それぞれ独立してメチルを表す、上記実施形態のいずれか1つによる化合物。
【0101】
実施形態6:pが0または1である、上記実施形態のいずれか1つによる化合物。
【0102】
実施形態7:pは0である、上記実施形態のいずれか1つによる化合物。
【0103】
実施形態8:RおよびRがそれぞれHを表す、上記実施形態のいずれか1つによる化合物。
【0104】
実施形態9:RがH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表す、上記実施形態のいずれか1つによる化合物。
【0105】
実施形態10:RがF、CF、CN、NOまたはCOOCHCHを表す、上記実施形態のいずれか1つによる化合物。
【0106】
実施形態11:RがFを表す、上記実施形態のいずれか1つによる化合物。
【0107】
実施形態12:Rが、6個の環原子を有する置換アリールまたはヘテロアリールを表す、上記実施形態のいずれか1つによる化合物。
【0108】
実施形態13:Rが下式のうちの1つを表す、上記実施形態のいずれか1つによる化合物であり:
【0109】
【化24】

【0110】
式中、Rはハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;かつ
はH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10を表し、RおよびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、R10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す;あるいは
およびRは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成する。
【0111】
実施形態14:Rに包含される複素環基が芳香族、脂肪族または不飽和である、実施形態13による化合物。
【0112】
実施形態15:Rに包含される複素環基がスピロ、融合または架橋である、実施形態13による化合物。
【0113】
実施形態16:実施形態13による化合物であり、Rに包含される複素環基が3〜14個の炭素環原子を有し、そのうちの少なくとも1つがO、SまたはN(R01)で置換されており、R01がH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す化合物。
【0114】
実施形態17:実施形態13による化合物であり、Rに包含される複素環基が1〜3個の環を有する化合物。
【0115】
実施形態18:実施形態13による化合物であり、Rに包含される複素環基がアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、2H−ピロリル、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、ジヒドロフリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、インドリニル、イソインドリニル、フリル、フラザニル、ピラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、インドリルおよびキノリニルからなる群より選択される化合物。
【0116】
実施形態19:上記実施形態13〜18のいずれか1つによる化合物であり、RがCl、CN、CFまたはOCHFを表す化合物。
【0117】
実施形態20:実施形態19による化合物であり、RがClまたはCFを表す化合物。
【0118】
実施形態21:実施形態20による化合物であり、RがCFを表す化合物。
【0119】
実施形態22:上記実施形態13〜21のいずれか1つによる化合物であり、Rが下式:H、C〜Cアルコキシ、
【0120】
【化25】

【0121】
を表し、式中、qは0または1を表し、R11はHまたはC〜Cアルキルを表す化合物。
【0122】
実施形態23:実施形態22による化合物であり、Rが下式:
【0123】
【化26】

【0124】
を表す化合物。
【0125】
実施形態24:実施形態23による化合物であり、Rがメチルまたはシクロプロピルを表す化合物。
【0126】
実施形態25:実施形態13による化合物であり、RおよびRが組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に以下の環:
【0127】
【化27】

【0128】
を形成する化合物。
【0129】
実施形態26:実施形態25による化合物であり、RおよびRが組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に、
【0130】
【化28】

【0131】
を形成する化合物。
【0132】
本明細書に記載の化合物の非限定的な具体例は以下の通りである:
【0133】
【化29】


















































および


【0134】
本実施形態は、式(VIII)の化合物も提供し:
【0135】
【化30】

(VIII)
【0136】
式中、
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
zは0または1であり;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
pは0または1であり;
、Q、Q、QおよびQは、CおよびNから独立して選択され;
、R、R100、R101およびR102はH、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10から独立して選択される;あるいは
、R、R100、R101およびR102のうち隣接する任意の2つは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成し;かつ
原子価の必要条件を満たすため、R、R、R100、R101およびR102のいずれかが存在せず;
およびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、かつ
10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。
【0137】
本実施形態は、式(IX)の化合物も提供し:
【0138】
【化31】

(IX)
【0139】
式中、
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
zは0または1であり;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
、Q、Q、QおよびQは、CおよびNから独立して選択され;
、R、R100、R101およびR102はH、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10から独立して選択される;あるいは
、R、R100、R101およびR102のうち隣接する任意の2つは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成し;かつ
原子価の必要条件を満たすため、R、R、R100、R101およびR102のいずれかが存在せず;
およびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、かつ
10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。
【0140】
本実施形態は、式(X)の化合物も提供し:
【0141】
【化32】

(X)
【0142】
式中、
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
、Q、Q、QおよびQは、CおよびNから独立して選択され;
、R、R100、R101およびR102はH、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10から独立して選択される;あるいは
、R、R100、R101およびR102のうち隣接する任意の2つは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成し;かつ
原子価の必要条件を満たすため、R、R、R100、R101およびR102のいずれかが存在せず;
およびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、かつ
10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。
【0143】
本実施形態は、式(XI)の化合物も提供し:
【0144】
【化33】

(XI)
【0145】
式中、
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
、Q、Q、QおよびQは、CおよびNから独立して選択され;
、R、R100、R101およびR102はH、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10から独立して選択されるか;あるいは
、R、R100、R101およびR102のうち隣接する任意の2つは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成し;かつ
原子価の必要条件を満たすため、R、R、R100、R101およびR102のいずれかが存在せず;
およびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、かつ
10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す。
【0146】
特定の実施形態では、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、下のスキームIで図示されるように、置換または非置換ウラシルから合成することができる。
【0147】
スキームI
【化34】

【0148】
スキームIにおいて、X、Y、p、R11、R12、R13、R14、R、R、RおよびRは、式(I)に関して定義されるものと同じである。スキームIによれば、ウラシルA−1を、標準条件下でPOClのような標準的な脱水−ハロゲン化剤を用いて、2および4位でジハロゲン化し、2,4−ジクロロピリミジンA−2を得る。ピリミジンジアミンA−2中のR置換基の性質によっては、C4位の塩化物はC2位の塩化物よりも求核剤に対してより反応性が高い。この異なる反応性を用いて、最初に2,4−ジクロロピリミジンA−2を1当量のアミンA−3と反応させて、4N−置換−2−クロロ−4−ピリミジンアミンA−4を得、次いでアミンA−5と反応させて、2,4−ピリミジンジアミン誘導体A−6を得ることができる。
【0149】
通常、C4ハロゲン化物は、スキームIに図示されるように、求核剤に対してより反応性が高い。しかし、当業者に理解されるように、R置換基の特性がこの反応性を変化させ得る。例えば、Rがトリフルオロメチルである場合、4N−置換−4−ピリミジンアミンA−4とそれに対応する2N−置換−2−ピリミジンアミンの50:50混合物が、通常得られる。反応の位置選択性は、当該技術分野で公知のように、溶媒および他の合成条件(温度など)を調節することにより制御することもできる。
【0150】
スキームIに図示される反応は、反応混合物をマイクロ波で加熱した場合、より早く進行し得る。この方法で加熱する場合、以下の条件を用いることができる:密閉チューブ中(20barの気圧)、Smith Reactor(Personal Chemistry,Uppsala,Sweden)内で、エタノール中、5〜20分間、175℃まで加熱する。
【0151】
ウラシルA−1出発物質は、商業的供給源から購入するか、または有機化学の標準的技術を用いて調製することができる。スキームIでの出発物質として使用可能な市販のウラシルの非限定的な例としては、ウラシル(Aldrich #13,078−8;CAS Registry 66−22−8);5ブロモウラシル(Aldrich #85,247−3;CAS Registry 51−20−7);5フルオロウラシル(Aldrich #85,847−1;CAS Registry 51−21−8);5ヨードウラシル(Aldrich #85,785−8;CAS Registry 696−07−1);5ニトロウラシル(Aldrich #85,276−7;CAS Registry 611−08−5);5(トリフルオロメチル)−ウラシル(Aldrich #22,327−1;CAS Registry 54−20−6)が挙げられる。さらに5−置換ウラシルは、General Intermediates of Canada,Inc.,Edmonton,CAおよび/またはInterchim,Cedex,Franceから入手可能であり、あるいは標準的技術を用いて調製することができる。5−置換ウラシルの適切な合成法を教示している数多くの参考テキストが本明細書に開示されている。
【0152】
アミンA−3およびA−5は、商業的供給源から購入することが可能であり、あるいは標準的技術を用いて合成することができる。例えば、標準的化学を用いて適切なアミンをニトロ前駆体から合成することができる。また、Vogel,1989,Practical Organic Chemistry,Addison Wesley Longman,Ltd.and John Wiley & Sons,Inc.も参照されたい。
【0153】
いくつかの場合において、アミンA−3およびA−5ならびに/またはウラシルA−1上の置換基Rは、合成の間に保護を必要とする官能基を含むことを当業者は理解するであろう。使用される任意の保護基(単数または複数)の正確な特性は、保護される官能基の特性によって決まり、かつ当業者には明らかであろう。適切な保護基選択のための手引き、ならびにそれらの結合および除去のための合成ストラテジーは、例えば、Greene & Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley & Sons,Inc.,New York(1999)およびそこに引用されている参考文献(以下、「Greene & Wuts」)に見ることができる。
【0154】
出発物質として5‐フルオロウラシル(Aldrich #32,937−1)を用いるスキームIの具体的な実施形態を、下のスキームIaに図示する。
【0155】
スキームIa
【化35】

【0156】
スキームIaにおいて、X、Y、p、R11、R12、R13、R14、RおよびRは、スキームIに関して定義されるものと同じである。不斉2N,4N−二置換−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミンA−10は、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジンA−8を1当量のアミンA−3と反応させて(2−クロロ−N4−置換−5−フルオロ−4−ピリミジンアミンA−9を得)、次いで1当量以上のアミンA−5と反応させることにより得ることができる。
【0157】
特定の実施形態では、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、下のスキームIIaおよびIIbに図示されるように、置換または非置換シトシンから合成することができる。
【0158】
スキームIIa
【化36】

【0159】
スキームIIaにおいて、X、Y、p、R11、R12、R13、R14、RおよびRは、スキームIに関して定義されるものと同じであり、PGは保護基を表す。スキームIIaに関して、最初に、シトシンA−11のC4環外アミンを適切な保護基PGで保護し、N4−保護シトシンA−12を得る。この状況で有用な保護基に関する特定の具体的な手引きに関しては、VorbruggenおよびRuh−Pohlenz,2001,Handbook of Nucleoside Synthesis,John Wiley & Sons,NY,pp.1−631(「Vorbruggen」)を参照されたい。保護シトシンA−12を標準条件下で、標準的な脱水ハロゲン化試薬を用いてC2位でハロゲン化し、2−クロロ−4N−保護−4−ピリミジンアミンA−13を得る。アミンA−5との反応によりA−14が得られ、そのC4環外アミンの脱保護によりA−15が得られる。A−15とアミンA−3との反応により、2,4−ピリミジンジアミン誘導体A−6が得られる。
【0160】
スキームIIb
【化37】

【0161】
スキームIIbにおいて、X、Y、p、R11、R12、R13、R14、RおよびRは、スキームIに関して既に定義されているものと同じであり、PGは保護基を表す。スキームIIbに関して、シトシンA−11をアミンA−3または保護アミンA−18と反応させて、それぞれN4−置換シトシンA−16またはA−19を得ることができる。次いで、これらの置換シトシンを上記のようにハロゲン化し、脱保護し(N4−置換シトシンA−19の場合)、アミンA−5と反応させて、2,4−ピリミジンジアミンA−6を得ることができる。
【0162】
スキームIIaおよびIIbで出発物質として使用可能な市販のシトシンとしては、シトシン(Aldrich #14,201−8;CAS Registry 71−30−7);N4−アセチルシトシン(Aldrich #37,791−0;CAS Registry 14631−20−0);5フルオロシトシン(Aldrich #27,159−4;CAS Registry 2022−85−7);および5−(トリフルオロメチル)−シトシンが挙げられるが、これらに限定されない。スキームIIaで出発物質として有用なその他の適切なシトシンは、General Intermediates of Canada,Inc.,Edmonton,CAおよび/またはInterchim,Cedex,Franceから入手可能であり、あるいは標準的技術を用いて調製することができる。適切な合成法を教示している数多くの参考テキストが本明細書に開示されている。
【0163】
特定の実施形態では、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物を、下のスキームIIIに図示されるように、置換または非置換2−アミノ−4−ピリミジノールから合成することができる。
【0164】
スキームIII
【化38】

【0165】
スキームIIIにおいて、X、Y、p、R11、R12、R13、R14、RおよびRは、スキームIに関して既に定義されているものと同じであり、LGは離脱基である。適切なLGの具体例としては、塩化物および臭化物のようなハロゲン化物、ならびにスルホン酸エステル、例えばメシラート、トリフラート、トシラートなどが挙げられるが、これらに限定されない。スキームIIIに関して、2−アミノ−4−ピリミジノールA−21をアリール化剤A−22と反応させて、N2−置換−4−ピリミジノールA−23を得、次いで、これを上記のようにハロゲン化して、N2−置換−4−ハロ−2−ピリミジンアミンA−24を得る。さらにアミンA−3と反応させて、2,4−ピリミジンジアミン誘導体A−6を得る。
【0166】
スキームIIIで出発物質として使用可能な市販の2−アミノ−4−ピリミジノールA−21は、General Intermediates of Canada,Inc.,Edmonton,CAおよび/またはInterchim,Cedex,Franceから入手可能であり、あるいは標準的技術を用いて調製することができる。適切な合成法を教示している数多くの参考テキストが本明細書に開示されている。
【0167】
通常はピリミジンの合成であるが、ほかにもスキームI〜IIIに記載の出発物質の合成に有用な方法を教示している参考文献は、一般に当該技術分野で公知である。具体的な手引きに関しては、Brown,D.J.,“The Pyrimidines”,in The Chemistry of Heterocyclic Compounds,Volume 16(Weissberger,A.,編),1962,Interscience Publishers,(A Division of John Wiley & Sons),New York(「BrownI」);Brown,D.J.,「The Pyrimidines」,in The Chemistry of Heterocyclic Compounds,Volume 16,Supplement I(Weissberger,A.およびTaylor,E.C.,編),1970,Wiley−Interscience,(A Division of John Wiley & Sons),New York(「BrownII」);Brown,D.J.,「The Pyrimidines」,in The Chemistry of Heterocyclic Compounds,Volume 16,SupplementII(Weissberger,A.およびTaylor,E.C.,編),1985,An Interscience Publication(John Wiley & Sons),New York(「BrownIII」);Brown,D.J.,「The Pyrimidines」 in The Chemistry of Heterocyclic Compounds,Volume 52(Weissberger,A.およびTaylor,E.C.,編),1994,John Wiley & Sons,Inc.,New York,pp.1−1509(「BrownIV」);Kenner,G.W.およびTodd,A.,in Heterocyclic Compounds,Volume 6,(Elderfield,R.C.,編),1957,John Wiley,New York,Chapter 7(ピリミジン);Paquette,L.A.,Principles of Modern Heterocyclic Chemistry,1968,W.A.Benjamin,Inc.,New York,pp.1−401(ウラシル合成 pp.313,315;ピリミジンジアミン合成 pp.313−316;アミノピリミジンジアミン合成 pp.315);Joule,J.A.,Mills,K.およびSmith,G.F.,Heterocyclic Chemistry,第3版,1995,Chapman and Hall,London,UK,pp.1−516;Vorbruggen,H.およびRuh−Pohlenz,C.,Handbook of Nucleoside Synthesis,John Wiley & Sons,New York,2001,pp.1−631(アシル化によるピリミジン保護 pp.90−91;ピリミジンのシリル化 pp.91−93);Joule,J.A.,Mills,K.およびSmith,G.F.,Heterocyclic Chemistry,第4版,2000,Blackwell Science,Ltd,Oxford,UK,pp.1−589;ならびにComprehensive Organic Synthesis,Volumes 1−9(Trost,B.M.およびFleming,I.,編),1991,Pergamon Press,Oxford,UKが挙げられる。
【0168】
本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物は特定のサイトカインの活性を調節し、被検体における炎症性疾患を治療するために使用できることが見出されている。本明細書に開示される特定の化合物は、抗炎症性サイトカインを増加させる、および/または炎症誘発性サイトカインの産生を減少させる。このような化合物は様々な炎症性疾患の治療に有用であり、その例は以下に述べる。一態様では、特定の化合物は、抗炎症性サイトカインであるIL−10の産生を増加させる。その他の開示されている化合物は、IL−23産生を阻害する。IL−23の炎症誘発作用は十分実証されており、現在、抗IL−23抗体治療が様々な炎症性および自己免疫性障害の治療に使用されている。本開示の化合物の特定の実施形態は、IL−10産生を増大させ、かつIL−23産生を阻害する。一実施形態では、本開示の化合物は、それがIL−23産生を阻害する濃度でIL−10産生を増大させる。特定の実施形態では、本開示の化合物は、炎症性刺激に応答してIL−23産生を阻害する。例えば、上述IL−23阻害化合物は、約0.01μM未満、またはさらに約1nM未満〜約20μM、例えば、約0.1μM〜約10μMまたは約0.05μM〜約1μMの阻害濃度(IC50)値でIL−23産生を阻害し得る。IL−10産生を増大させる開示の化合物は通常、IL−10レベルを2倍未満―例えば、約10%〜約30%または約20%〜約90%など―約10倍まで上昇させる。これらの化合物の特定の例は、IL−23を有意に阻害しないが、主としてIL−10産生を増加させることによりその抗炎症作用を発揮する。特定の実施形態では、IL−10産生を増加させる化合物はIL−23産生も増加させる。このような化合物は、その化合物がIL−23産生を増加させるよりも効率的にIL−10産生を増加させるのであれば、抗炎症性であり得る。IL−10レベルを上昇させる本明細書に開示の化合物は通常、約0.01μMまたはさらに約1nM未満〜約20μM、例えば、約0.1μM〜約10μMまたは約0.05μM〜約1μMなどのEC50でIL−10レベルを上昇させる。
【0169】
特定の実施形態では、IL−23産生を阻害する化合物はまた、L−10産生を増大させる。しかし、特定の開示の化合物は、IL−23産生およびIL−10産生の両方を阻害する。通常、このような化合物はまた、抗炎症性であると考えられている。例えば、特定の実施形態では、開示の抗炎症性化合物は、IL−10産生を阻害するよりも効率的に、例えば、約2倍〜約10倍効率的に、例えば約2倍〜約5倍効率的に、IL−23産生を阻害する。他の実施形態では、抗炎症性化合物は、IL−10阻害するのと同程度効率的にIL−23産生を阻害し、それでも全体として抗炎症作用を発揮する。
【0170】
本明細書に提供される化合物を試験して抗炎症活性を有する化合物を特定するためには、標準的な生理学的、薬理学的および生化学的方法が利用可能である。抗炎症活性を評価するために用い得るインビトロおよびインビボアッセイは、当業者に公知である。化合物のIL−23阻害およびIL−10増大活性を試験するのに適した方法も利用可能であり、このような方法の例が本明細書に記載されている。
【0171】
「炎症性障害」または「炎症性疾患」という用語は、炎症に関連した異常を指すために使用され、大きなグループの障害を含む。炎症性障害は、急性炎症および/または慢性炎症に関連され得る。
【0172】
一般に、炎症性障害としては、呼吸器障害(喘息、COPD、慢性気管支炎および嚢胞性線維症を含む);心血管関連障害(アテローム性動脈硬化症、血管形成術後、再狭窄、冠状動脈疾患および狭心症を含む);関節の炎症性疾患(リウマチ性および変形性関節症を含む);皮膚障害(皮膚炎、湿疹性皮膚炎および乾癬を含む);移植後後期および慢性固形臓器拒絶反応;多発性硬化症;自己免疫状態(全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、リウマチ性多発筋痛症、側頭動脈炎、ベーチェット病、ギラン・バレー症候群、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎を含む);炎症性神経障害(炎症性多発性神経障害を含む);血管炎(チャーグ・ストラウス症候群、高安動脈炎を含む);脂肪組織の炎症性障害;自己免疫状態;増殖性障害(カポジ肉腫およびその他の平滑筋細胞の増殖性障害);炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む);アレルギー反応;炎症性筋障害(皮膚筋炎、多発性筋炎および封入体筋炎);ならびに白血球欠陥(チェディアック・東症候群および慢性肉芽腫性疾患を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
呼吸器障害
治療され得る呼吸器障害としては、気道の任意の部分を冒し得る呼吸器系の疾患または障害が挙げられる。特定の疾患は呼吸器症状を引き起こすが、こうした疾患は、最初は感染、例えば、感冒ウイルス、気管支炎、肺炎および結核などにより引き起こされる。その他の障害は、例えばアレルゲンなどによる肺組織の刺激により引き起こされる。こうした障害としては、花粉症およびその他の呼吸器アレルギーならびに喘息が挙げられる。特定の実施形態では、受容者は下気道障害の危険性があるか、またはそれに罹患している。これらには、気管支炎、単純性および粘液膿性慢性気管支炎、詳細不明の慢性気管支炎(慢性気管支炎NOS、慢性気管炎および慢性気管気管支炎)、肺気腫、その他の慢性閉塞性肺疾患、喘息、喘息発作重積状態ならびに気管支拡張症が含まれる。
【0174】
喘息では、典型的には気管支および細気管支が一時的に狭窄し、炎症を起こす。肺刺激物質が典型的に関与するその他の障害としては、スモッグ、煙草の煙、感染およびその疾患に対する遺伝的素因を含めた複数の因子に起因し得る肺気腫、喉頭炎、肺癌、成人および小児を冒す重度の肺機能障害を示す一群の症状を指す呼吸窮迫症候群(RDS)、特に成人呼吸窮迫症候群(ARDS)が挙げられる。慢性呼吸不全(または慢性閉塞性肺疾患;COPD)は、酸素供給率または二酸化炭素排出能の低下を引き起こす、呼吸または呼吸器機能障害を特徴とする状態が長期間持続することである。
【0175】
本明細書で使用される「喘息」という用語は、気管支の痙攣性収縮(いわゆる「気管支痙攣」)による喘鳴を伴う発作性呼吸困難の再発性発作を特徴とする、任意の喘息状態(すなわち、「可逆的な閉塞性の気道通路疾患」)を包含する。本発明に従って治療または予防さえし得る喘息状態としては、感作された者における、運動、特に激しい運動(「運動誘発性気管支痙攣」)、刺激物質粒子(花粉、粉塵、綿、ネコのふけ)を含めた様々な因子により誘起される発現を特徴とするアレルギー性喘息および気管支アレルギー、ならびに軽度から中程度の喘息、慢性喘息、重度の慢性喘息、重度かつ不安定性の喘息、夜間喘息および心理的ストレスが挙げられる。
【0176】
その他の呼吸器障害としては、アレルギー性および非アレルギー性鼻炎ならびに気道通路および肺の非悪性増殖性および/または炎症性の疾患が挙げられる。アレルギー性鼻炎は一般に、鼻粘膜の任意のアレルギー反応を意味し、季節性または通年性のくしゃみ、鼻漏、鼻閉、掻痒ならびに眼の掻痒、充血および流涙を特徴とする、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)ならびに通年性鼻炎(非季節性アレルギー性鼻炎)を包含する。非アレルギー性鼻炎は、皮膚試験陰性の患者および鼻分泌物中の好酸球数が多い患者に見られる好酸球性の非アレルギー性鼻炎を意味する。
【0177】
気道通路または肺の非悪性増殖性および/または炎症性の疾患は、(1)外因性アレルギー性肺胞炎のような肺胞炎ならびに、例えば細胞毒性物質および/またはアルキル化剤などにより引き起こされるような薬物中毒;(2)ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫症、肺血管腫症および特発性肺繊維症のような血管炎、慢性好酸球性肺炎、好酸球性肉芽腫およびサルコイドーシスの1つまたは複数を意味する。
【0178】
一実施形態では、本発明の化合物の使用により、咳、息切れ、胸痛、喘鳴、チアノーゼ、ばち状指、喘音(呼吸時のヒューヒューという音)、喀血(血液の喀出)および呼吸不全を含めた上記障害の症状が低減する。これらの化合物の使用により、肺による二酸化炭素除去の不全による呼吸性アシドーシスが低下し得る。
【0179】
別の実施形態では、化合物に使用により肺機能が改善される。
【0180】
心血管関連障害
一実施形態では、本発明の化合物を、炎症に関連した心血管障害に罹患している患者に投与する。これらには、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後再狭窄、冠状動脈疾患および狭心症が含まれるが、これらに限定されない。
【0181】
一般に心血管障害は、心臓および/または血管(動脈および静脈)に関わる疾患のクラスである。この用語は、専門的には心血管系を冒す任意の疾患を指すが、通常、アテローム性動脈硬化症(動脈疾患)に関連した疾患を指すために使用される。
【0182】
心血管炎症性障害としては、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後、再狭窄、冠状動脈疾患、狭心症およびその他の心血管疾患が挙げられる。特定の実施形態では、障害は、非心血管炎症性障害、例えばリウマチ性および変形性関節症、皮膚炎、乾癬、嚢胞性線維症、移植後後期および慢性固形臓器拒絶反応、湿疹性皮膚炎、カポジ肉腫または多発性硬化症などである。さらに別の実施形態では、本明細書に開示される化合物を、単核白血球により仲介される抗炎症状態を治療するために選択することができる。別の実施形態では、化合物を、外科手術もしくは血管形成術により治療可能でない小さな血管疾患、または外科手術が選択肢でないその他の血管疾患を治療するために投与することができる。化合物は、血管再生療法の前に患者を安定化するために使用することもできる。
【0183】
一般に、アテローム性動脈硬化の不安定プラークは複数の因子の結果であるが、通常、炎症性細胞の浸潤を特徴とする。アテローム性動脈硬化プラークの病因、進行および破綻における炎症の役割が、医学的研究により強く支持されている。炎症の全身マーカーが臨床事象の強力な予測因子であることが臨床研究により示されており、アテローム性動脈硬化症の特定の治療およびその危険因子が、炎症マーカーの減少と関連付けられている。心血管事象の大部分は「重要でない」部位で生じるが、これは、「重要な」血流を制限するプラークよりも多いこれら小型のアテローム性動脈硬化プラークの不安定性および破綻が炎症により生じ得るためである。実際、プラーク内の炎症性細胞の直接的な視覚化は、不安定冠動脈疾患の予測因子である。炎症の原因は不明であり;この炎症プロセスの刺激因子として様々な感染病原体が提唱されている。また平滑筋細胞増殖も、アテローム性動脈硬化症のような慢性心血管病態およびより直接的には血管形成術後再狭窄の両方に関与している。
【0184】
動脈、細動脈および毛細血管の疾患としては、一般に、アテローム性動脈硬化症、レイノー症候群、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)を含めた末梢血管疾患および間欠性跛行のようなその他の特定の末梢血管疾患が挙げられる。
【0185】
増殖性障害
慢性炎症は多くの増殖性障害の危険因子である。例えば、様々な疾患において、気道平滑筋量が、気道平滑筋細胞の大きさ(肥厚)および数(過形成)の連動した増加により増加する。筋細胞移動も気道平滑筋量調節の役割を果たす。例えば、上皮下線維症および気道平滑筋(ASM)細胞過形成を伴った慢性細胞性炎症および気管壁レモデリングが慢性喘息の特徴である。さらに、心血管障害では血管平滑筋および免疫細胞が刺激される。
【0186】
特に、炎症は大腸癌を含めた癌の発達における危険因子であり、実験的および観察的研究のデータにより、炎症が結腸直腸癌の発癌経路の初期において作用し、結腸直腸腺腫から腺癌への進行を促進する可能性があるということが示唆されている。
【0187】
その他の炎症性障害
別の実施形態では、本発明の化合物を、炎症性障害または関節もしくは結合組織の治療または予防のために投与し得る。このような疾患としては、関節リウマチ、エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強皮症(全身性硬化症)、皮膚筋炎、多発性軟骨炎、多発性筋炎、リウマチ性多発筋痛症、変形性関節症、敗血症性関節炎、線維筋痛症、痛風、偽痛風、強直性脊椎炎、反応性関節炎(ライター症候群)、乾癬性関節症、腸疾患性脊椎および反応性関節障害のような脊椎関節症、血管炎、例えば結節性多発動脈炎、ヘノッホ‐シェーンライン紫斑病、血清病、ウェゲナー肉芽腫症、巨細胞性動脈炎、側頭動脈炎、高安動脈炎、ベーチェット症候群、川崎病(皮膚粘膜リンパ節症候群)およびバージャー病(閉塞性血栓血管炎)などが挙げられる。さらに、自己免疫状態、例えば急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性肝炎、セリアック病、クローン病、糖尿病、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、川崎病、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、オード甲状腺炎、天疱瘡、悪性貧血、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、シェーグレン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血およびウェゲナー肉芽腫症など。
【0188】
他の実施形態では、特定の炎症性皮膚障害、例えば皮膚炎、湿疹性皮膚炎および乾癬などを治療する。一般に炎症性皮膚疾患は、軽度の掻痒から重篤な医学健康上の合併症までの重症度にわたる数多くの状態を包含する大きなカテゴリーである。炎症性皮膚障害であるその他の状態としては、湿疹、一般的には挫瘡および酒さが挙げられる。
【0189】
また、その他の障害も本発明の化合物の投与により治療され得る。特定の実施形態では、治療される障害は、移植後後期および慢性固形臓器拒絶反応;多発性硬化症;自己免疫状態(全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、多発性筋炎、炎症性神経障害(ギラン・バレー、炎症性多発性神経障害)、血管炎(ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎)および稀な障害、例えばリウマチ性多発筋痛症、側頭動脈炎、シェーグレン症候群、ベーチェット病、チャーグ・ストラウス症候群および高安動脈炎などを含む)から選択される。
【0190】
糖尿病
別の実施形態では、本発明の化合物を、糖尿病、糖尿病前症および関連障害の治療予防または開始遅延のために投与し得る。糖尿病の関連障害としては、高血糖症、グルコース恒常性異常、インスリン抵抗性、症候群X、代謝障害、糖尿病性脂質代謝異常が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、治療または予防される疾患は2型糖尿病である。一実施形態では、糖尿病進展の危険性がある患者に、開始を防ぐために予防的治療を施す。糖尿病の患者または糖尿病進展の危険性のある患者は、いくつかの危険因子により特定することができる。重要な危険因子の1つが年齢および肥満である。一般に、45歳以上で体重過多(肥満度指数が25以上)の患者は糖尿病進展の危険性がある。
【0191】
炎症性関節炎は、局所的な関節の炎症ゆえに関節炎が存在する状態を含む。一般に炎症性関節炎の一種と考えられている関節リウマチは、多くの関節が関わり、そのすべてが炎症およびその続発症によりある程度まで損傷している。「変形性関節炎」または「変形性関節疾患」としても知られる変形性関節症は、軽度の炎症により関節の疼痛が生じる臨床症候群であり、関節内部を覆い、そのクッションとして働く軟骨の異常な磨耗およびそれらの関節を潤滑する滑液の消滅または減少により引き起こされる。特定の実施形態では、本明細書に記載の炎症性障害は、関節リウマチまたは変形性関節症を含むがこれらに限定されない炎症性関節炎である。乾癬は、皮膚および関節を冒す非伝染性の障害である。乾癬により引き起こされる鱗状の皮膚斑は、乾癬プラークと呼ばれ、炎症および過剰な皮膚産生部分である。特定の実施形態では、本発明に記載の炎症性障害は乾癬である。
【0192】
用語「治療すること」、「治療」などは、本明細書では一般に、所望の薬理学的および生理学的効果を得ることを意味するために使用され、治療される被検体の炎症性状態の完全な除去のみならず、その任意の臨床的または定量的に測定可能な減少も指す。「治療」は、障害の進展を抑える、あるいは障害の病態または症状を変化させるために行われる介入である。したがって、「治療」は、治療処置ならびに予防または阻止手段である。「治療」はまた、緩和治療としても定義され得る。
【0193】
より具体的には、炎症性障害を有する被検体の治療に使用される本発明に記載の2,4−ピリジンジアミン化合物は、障害を予防する(すなわち、障害に曝され得るまたは障害の素因があり得ると考えられるが、まだその障害の症状を経験していないまたは示していない哺乳動物において、障害の開始もしくは発生を抑制する、および/または障害の臨床症状が進展しないようにする);障害を抑制する(すなわち、障害またはその臨床症状の進展を停止または低減させる);あるいは障害を軽減する(すなわち、障害またはその臨床症状の後退を引き起こす)治療有効量で提供される。治療を必要とする被検体は、すでに1つまたは複数の炎症性障害を有する被検体、あるいは1つまたは複数の炎症性障害が阻止されるべきである被検体を包含する。
【0194】
「それを必要とする被検体」は、本明細書に記載の治療方法から利益を受ける可能性のある任意の被検体または個人を指す。特定の実施形態では、それを必要とする被検体は、1つまたは複数の炎症性障害が発症する素因がある被検体;1つまたは複数の炎症性障害を有するが、いかなる臨床症状も示していない被検体;あるいは1つまたは複数の炎症性障害を有し、その1つまたは複数の炎症性障害の症状を示している被検体である。「それを必要とする被検体」は、哺乳動物のような脊椎動物を指す。哺乳動物としては、ヒト、その他の霊長類、げっ歯類(すなわち、マウス、ラットおよびハムスター)、家畜、競技用動物およびペットが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、被検体はヒトのような哺乳動物である。特定の実施形態では、この方法は、実験動物、獣医学適用および/または疾患の動物モデルの開発において使用される。
【0195】
本明細書で使用される、化合物を被検体に「投与すること」または「導入すること」という用語は、化合物を被検体に提供することを意味する。被検体への投与方法は、数多くの都合の良い手段のいずれも包含し、全身投与(例えば、静脈内注射、内部非経口(intraparenteral)注射、吸入、経皮送達、経口送達、経鼻送達、直腸内送達など)および/または局所投与(例えば、標的組織内への直接注射、カニューレを介した組織内への送達、またはクリーム、ローションなどの局所用組成物による皮膚を介した送達)、ポンプなどによる組織内への送達、骨内、脳脊髄液内送達などを含むが、これに限定されない。「経口送達」は、経口形態、例えば、薬学的に許容される担体および/または希釈剤中などでの投与を指す。経口送達は、化合物の経口摂取および薬物の経口強制投与を含む。
【0196】
さらなる投与様式としては、バッカル、舌下、膣内、皮下、筋肉内、真皮内および噴霧投与が挙げられる。
【0197】
投与の様式は、徐放および/または制御放出薬物送達製剤および/または装置による送達を含み得る。「徐放」は、薬物またはその活性代謝物が、通常の薬物製剤の経口投与により達成される時間に比べて、長時間にわたり体循環中に放出されることを指す。「制御放出」はゼロ次放出である;すなわち、薬物が濃度に関係なく徐々に放出される。単回の、複数回の、持続的なまたは断続的な投与が達成され得る。
【0198】
一実施形態では、1つまたは複数の本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物を含む組成物を、変形性関節症のような炎症性関節炎を有する被検体に経口的に投与する。別の実施形態では、1つまたは複数の本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物を含む組成物を、変形性関節症のような炎症性関節炎を有する被検体の罹患関節内に直接注射する。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物を含む組成物を、変形性関節症関節炎のような炎症性関節炎を有する被検体の罹患関節に近接する皮膚に適用される、局所用製剤により投与する。
【0199】
「治療有効量」または「薬学的有効量」は、炎症性障害の治療のために被検体に投与する場合、こうした障害治療を達成するのに十分な、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物の量を意味する。したがって、「治療有効量」は、適切な医学的判断の範囲内で、治療には望ましい量であるが、有意な副作用を引き起こし得る量を超えない量(妥当な利益/リスク比)である。「治療有効量」は、化合物に応じて異なり、身体的および生理的因子、例えば障害およびその重症度、ならびに治療される被検体の年齢、体重および/または病歴などによっても決定される。治療的処置の有効性を評価するための方法は当業者に公知である。
【0200】
投与される用量は、治療期間、投与頻度、受容者ならびに障害の性質および重症度により変化する。用量は、必要以上の実験を行うことなく当業者により決定され得る。本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、患者内への十分な投与単位の放出を確実に行い、炎症性障害の所望の治療をもたらすのに十分な投与濃度で投与し得る。活性成分は、治療的または予防的血中濃度、例えば約0.01〜約10,000ng/cc、例えば約0.01〜約1,000ng/ccなどの、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物のインビボ血漿濃度を達成するように投与し得る。「治療的または予防的血中濃度」は、被治療動物において、疾患治療を達成する、または疾患開始を阻止もしくは疾患重症度を低減するのに十分な時間にわたる、十分な濃度の化合物またはその活性代謝物への全身曝露を指す。
【0201】
例えば、本明細書に記載の方法では、約0.01〜約100mg/kg体重/日の本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物、約0.01〜約10mg/kg体重/日の化合物、または約30mg/kg体重/日の化合物を提供する組成物を使用し得る。しかし、記載の範囲から外れる投与量レベルも所与の障害の治療において適切であり得ることが理解されるであろう。
【0202】
本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、投与に適した任意の形態で投与し得る。このような投与可能な形態としては、錠剤、緩衝錠剤、丸剤、カプセル剤、腸溶性コーティングカプセル剤、糖衣錠剤、カシェ剤、粉末剤、顆粒剤、噴霧剤、リポソーム、坐剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、皮膚用パッチ剤、非経口剤、トローチ剤、経口液剤、例えば懸濁剤、液剤および乳剤(水中油型もしくは油中水型)など、眼液剤ならびに注射用液剤、あるいはそれらの徐放および/または制御放出形態が挙げられる。所望の用量を、持続注入によりまたは徐放および/もしくは徐放製剤により、終日にわたり一定の間隔で徐々に投与してもよく、あるいは巨丸剤、舐剤またはペースト剤として提供してもよい。
【0203】
「実用的な投与レジメン」は、患者が従うのに実用的な薬物投与計画を指す。ヒト患者に対して、経口投与薬物の実用的な投与レジメンは、10g/日未満の総用量となる場合が多い。
【0204】
一実施形態では、1つまたは複数の本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物を含む医薬組成物または製剤を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体との混合により調製する。必要に応じて、その他の製品を添加して、化合物の保存性を最大にするか、または特定の送達方法を最適化し得る。さらに、この方法は、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物を含む組合せ組成物を、本明細書に記載のように、炎症性障害の治療に適した他の薬剤と共に(併用でまたは交互に)使用することを含む。特定の実施形態では、併用または交互は相乗的であり得る。
【0205】
「薬学的に許容される担体」または「希釈剤」は、一般に安全で、生物学的にもそれ以外でも不適切でなく、有害または許容不可能ではなく、妥当な利益/リスク比に相応し、製剤のその他の成分と適合する、医薬組成物の調製に有用な担体を意味し、獣医学的用途およびヒトでの医薬的用途に関して許容される担体を含む。本明細書および特許請求の範囲で使用される「薬学的に許容される担体」は、1つおよび2つ以上の上述担体を包含する。
【0206】
「薬学的に許容される担体」としては、1つまたは複数の本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物を含む組成物の医薬的投与に適合する、任意のすべての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などが挙げられる。このような担体または希釈剤の例としては、水、生理食塩水、リンガー溶液およびブドウ糖溶液が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物の量は、目的の投与様式および医療専門家により決定される各患者に安全な量に基づく。
【0207】
本発明は、薬物製造のための、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物の使用に関する。
【0208】
上述開示は、以下の非限定的な実施例でさらに説明される。以下の実施例および本明細書全体において、次に挙げる略号は以下の意味を有する。定義されていない場合は、その用語はその一般的に認められている意味を有する。
mL=ミリリットル
s=一重項
d=二重項
t=三重項
q=四重項
m=多重項
dd=二重項の二重項
br=広幅
nM=ナノモル
μg=マイクログラム
ng=ナノグラム
MS=質量スペクトルまたは質量分析法
LC=液体クロマトグラフィー
DMSO=ジメチルスルホキシド
μL=マイクロリットル
mM=ミリモル
rpm=毎分回転数
【実施例】
【0209】
実施例1
5−フルオロ−N2−[4−(4−メチルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]フェニル−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミンの合成
【0210】
【化39】

【0211】
2−フルオロ−5−ニトロベンゾトリフルオリド(2g)および1−メチルピペラジン(2mL)をメタノール(5mL)中に溶解した。黄色の溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機溶液を留去し、2−(4−メチルピペラジノ)−5−ニトロベンゾトリフルオリドを得た。
【0212】
2−(4−メチルピペラジノ)−5−ニトロベンゾトリフルオリドをメタノール(100mL)中に溶解し、この溶液に10%Pd−Cを加えた。反応混合物を水素雰囲気下(約40psi(約276kPa))で1時間反応させた。触媒をセライトでろ過除去し、メタノールで洗浄した。ろ液を留去し、[4−(4−メチルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]アニリン(2段階で2.25g、91%)を得た。H NMR(DMSO−d6):δ2.19(s、3H)、2.38(br、4H)、2.70(t、J=4.5Hz、4H)、5.31(br、2H)、6.73(dd、J=2.4、8.7Hz、1H)、6.78(d、J=2.7Hz、1H)、7.20(d、J=8.1Hz、1H)。
【0213】
4−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン(1g)および2,6−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(1.5g)をメタノール(10mL)中に溶解した。反応溶液を室温で一晩撹拌した。反応溶液を留去し、酢酸エチルおよびヘキサンから結晶化して、2−クロロ−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−4−ピリミジンアミンHCl塩(1.65g、93%)を得た。H NMR(DMSO−d6):δ1.38(s、6H)、1.48(s、6H)、2.02(m、4H)、2.68(d、J=4.8Hz、3H)、4.33(br、1H)、8.10(d、J=3.3Hz、1H)、8.32(d、J=6.9Hz、1H)、9.66(br、1H)。
【0214】
2−クロロ−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−4−ピリミジンアミン(300mg)および[4−(4−メチルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]アニリン(300mg)をイソプロパノール(1mL)およびTFA(5滴)中に懸濁した。溶液を100℃で一晩加熱し、次いで室温まで冷却した。溶液を留去し、フラッシュカラムクロマトグラフィ−(2、4、6、10%のジクロロメタン中、2.0M NH/MeOH)により精製して、5−フルオロ−N2−[4−(4−メチルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]フェニル−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン(440mg、84%)を得た。H NMR(DMSO−d6):δ1.04(s、6H)、1.07(s、6H)、1.44(t、J=11.7Hz、2H)、1.68(d、J=9.9Hz、2H)、2.18(s、3H)、2.20(s、3H)、2.41(br、4H)、2.76(t、J=4.2Hz、4H)、4.29(br、1H)、7.16(d、J=8.4Hz、1H)、7.32(d、J=8.4Hz、1H)、7.75(d、J=2.1Hz、1H)、7.84(d、J=3.6Hz、1H)、8.07(d、J=8.7Hz、1H)、9.13(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d6):δ−165.87、−59.89;LCMS:純度:100%;MS(m/e):524.43(MH+)。
【0215】
以下の化合物は、同様の方法で、または本明細書に記載のもしくは有機合成の当業者に公知の方法により作製した。
【0216】
実施例2
5−フルオロ−N2−[4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]フェニル−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0217】
【化40】

【0218】
LCMS:純度:100%;MS(m/e):588.49(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.04(s、6H)、1.07(s、6H)、1.44(t、J=12.0Hz、2H)、1.68(d、J=10.2Hz、2H)、2.18(s、3H)、2.86(t、4H)、2.93(s、3H)、3.19(t、4H)、4.32(br、1H)、7.19(d、J=7.2Hz、1H)、7.40(d、J=8.1Hz、1H)、7.80(s、1H)、7.85(d、1H)、8.08(d、J=9.3Hz、1H)、9.18(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−59.87、−165.68。
【0219】
実施例3
5−フルオロ−N2−[4−(4−メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)]フェニル−N4−(1,2,2,5,5−ペンタメチルピロリジン−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0220】
【化41】

【0221】
LCMS:純度:97.82%;MS(m/e):574.34(MH+);H NMR(DMSO−d6):δ0.93(s、3H)、1.10〜1.12(m、9H)、1.75〜1.85(m、2H)、2.15(s、3H)、2.55(d、J=12.0Hz、4H)、2.90(s、3H)、3.75(d、J=11.8Hz、4H)、4.44(br、1H)、6.60(m、2H)、6.75(m、1H)、7.32(s、1H)、8.01(d、J=4.3Hz、1H)、9.12(s、1H)。
【0222】
実施例4
5−フルオロ−N2−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)]フェニル−N4−(1,2,2,5,5−ペンタメチルピロリジン−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0223】
【化42】

【0224】
LCMS:純度:95.20%;MS(m/e):510.59(MH+);H NMR(DMSO−d6):δ0.92(s、3H)、1.10〜1.15(m、9H)、1.75〜1.85(m、2H)、2.10(s、3H)、2.25(s、3H)、2.50(d、J=10.8Hz、4H)、3.73(d、J=11.2Hz、4H)、4.54(m、1H)、6.56(m、2H)、6.72(m、1H)、7.28(s、1H)、8.11(d、J=4.5Hz、1H)、9.27(s、1H)。
【0225】
実施例5
N2−[3−クロロ−4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)]フェニル−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0226】
【化43】

【0227】
LCMS:純度:99.56%;MS(m/e):554.20(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.08(s、12H)、1.46(t、J=12.0Hz、2H)、1.68(d、J=10.5Hz、2H)、2.18(s、3H)、2.93(s、3H)、2.96(t、4H)、3.25(t、4H)、4.33(br、1H)、7.01(d、J=8.7Hz、1H)、7.18(d、J=8.4Hz、1H)、7.60(d、J=9.3Hz、1H)、7.79(s、1H)、7.83(d、J=3.9Hz、1H)、9.04(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−166.22。
【0228】
実施例6
N2−[3−クロロ−4−(4−メチルピペラジノ)]フェニル−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0229】
【化44】

【0230】
LCMS:純度:97.41%;MS(m/e):490.10(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.07(s、12H)、1.45(t、J=12.0Hz、2H)、1.67(d、J=11.4Hz、2H)、2.18(s、3H)、2.21(s、3H)、2.45(br、4H)、2.85(br、4H)、4.32(br、1H)、6.95(d、J=9.0Hz、1H)、7.16(d、J=8.1Hz、1H)、7.57(d、J=8.4Hz、1H)、7.72(d、J=1.8Hz、1H)、7.82(d、J=3.6Hz、1H)、8.98(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−166.42。
【0231】
実施例7
N2−[3−クロロ−4−(4−メチルピペラジノ)スルホニル]フェニル−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0232】
【化45】

【0233】
LCMS:純度:98.98%;MS(m/e):554.13(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.40(s、6H)、1.44(s、6H)、1.82(t、2H)、2.10(d、J=14.1Hz、2H)、2.74(br、4H)、3.09(br、4H)、4.48(br、1H)、7.75(m、3H)、7.96(s、1H)、8.02(d、J=3.3Hz、1H)、8.59(br、1H)、9.76(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−163.36。
【0234】
実施例8
N2−[3−クロロ−4−ピペラジノスルホニル]フェニル−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0235】
【化46】

【0236】
LCMS:純度:99.38%;MS(m/e):540.03(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.34(br、12H)、3.04(br、4H)、3.65(br、4H)、4.28(br、1H)、6.31(s、1H)、6.53(d、J=10.5Hz、1H)、6.66(s、1H)、7.54(d、J=8.7Hz、1H)、7.78(s、1H)。
【0237】
実施例9
5−フルオロ−N2−[4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]フェニル−N4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0238】
【化47】

【0239】
LCMS:純度:98.98%;MS(m/e):574.50(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.33(s、6H)、1.40(s、6H)、1.52(t、J=12.6Hz、2H)、1.94(d、J=10.2Hz、2H)、2.87(t、4H)、2.93(s、3H)、3.20(br、4H)、4.42(br、1H)、7.46(d、J=8.1Hz、1H)、7.51(d、J=8.1Hz、1H)、7.80(s、1H)、7.92(d、J=3.6Hz、1H)、8.02(d、J=8.7Hz、1H)、9.24(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−165.53、−59.87。
【0240】
実施例10
N2−[4−(4−シクロプロピルスルホニルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]フェニル−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0241】
【化48】

【0242】
LCMS:純度:96.79%;MS(m/e):614.26(MH+);H NMR(DMSO−d):δ0.94(m、2H)、1.02(d、J=8.4Hz、2H)、1.19(s、12H)、1.58(t、J=12.3Hz、2H)、1.84(d、J=12.6Hz、2H)、2.41(s、3H)、2.68(m、1H)、2.86(t、4H)、4.36(br、1H)、7.38(d、1H)、7.41(d、J=8.1Hz、1H)、7.79(s、1H)、7.88(d、J=3.6Hz、1H)、8.07(d、J=8.7Hz、1H)、9.22(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−59.87、−165.61。
【0243】
実施例11
N2−[3−シアノ−4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)]フェニル−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0244】
【化49】

【0245】
LCMS:純度:97.55%;MS(m/e):545.27(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.28(s、12H)、1.66(t、J=12.0Hz、2H)、1.91(d、2H)、2.54(s、3H)、2.95(s、3H)、3.09(t、4H)、4.38(br、1H)、7.10(d、J=8.7Hz、1H)、7.45(d、1H)、7.81(d、J=9.0Hz、1H)、7.90(d、J=3.6Hz、1H)、7.97(s、1H)、9.17(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−165.75;。
【0246】
実施例12
N2−[3−ジフルオロメトキシ−4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)]フェニル−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0247】
【化50】

【0248】
MS(m/e)586.14(MH);H NMR(DMSO−d):δ9.03(s、1H)、7.87〜7.86(d、J=2.4Hz、1H)、7.56〜7.53(d、J=9.0Hz、1H)、7.46(s、1H)、7.39(bs、1H)、7.28〜6.78(t、J=76.5Hz 1H)、6.98〜6.95(d、J=8.4Hz、1H)、4.43(bm、1H)、3.23(s、4H)、2.95(s、4H)、2.92(s、3H)、1.88(bs、2H)、1.64(bs、J=11.7Hz、2H)、1.26(s、12H)。
【0249】
実施例13
N2−(3−ジフルオロメトキシ−4−メトキシ)フェニル−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0250】
【化51】

【0251】
MS(m/e)454.11(MH);H NMR(DMSO−d):δ8.91(s、1H)、8.15(s、1H)、7.82〜7.81(d、J=3.9Hz、1H)、7.57〜7.54(d、J=8.7Hz、1H)、7.49(s、1H)、7.18−6.69(t、J=74.7Hz、1H)、7.16(s、1H)、6.95〜6.92(d、J=9.0Hz、1H)、4.38(bm、1H)、3.73(s、3H)、2.25(s、3H)、1.73〜1.69(d、J=12.0Hz、2H)、1.53〜1.45(t、J=12.3Hz、2H)、1.11(s、12H)。
【0252】
実施例14
N2−[3−クロロ−4−(4−シクロプロピルスルホニルピペラジノ)]フェニル−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0253】
【化52】

【0254】
LCMS:純度:96.45%;MS(m/e):580.13(MH+);H NMR(DMSO−d):δ0.95(m、2H)、1.02(d、J=7.8Hz、2H)、1.14(s、12H)、1.52(t、J=12.0Hz、2H)、1.76(d、J=10.8Hz、2H)、2.30(s、3H)、2.66(m、1H)、2.95(t、4H)、3.32(t、4H)、4.35(br、1H)、7.01(d、J=9.0Hz、1H)、7.24(d、J=6.9Hz、1H)、7.58(dd、J=8.7Hz、1H)、7.77(s、1H)、7.84(d、J=3.9Hz、1H)、9.03(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−166.19。
【0255】
実施例15
N2−(2,2−ジフルオロ−4−エチル−ベンゾオキサジン−3−オン−7−イル)−5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0256】
【化53】

【0257】
MS(m/e)493.20(MH+);H NMR(DMSO−d6):δ9.33(s、1H)、8.01(s、1H)、7.88(s、1H)、7.37〜7.25(m、3H)、4.41(s、1H)、3.99(bs、2H)、2.25(s、3H)、1.74〜1.70(d、J=12.3Hz、2H)、1.57〜1.49(t、J=12.3Hz、2H)、1.14(bs、15H)。
【0258】
実施例16
5−エトキシカルボニル−N2−[4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]フェニル−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0259】
【化54】

【0260】
LCMS:純度:98.99%;MS(m/e):642.23(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.11(s、6H)、1.14(s、6H)、1.29(t、J=6.9Hz、3H)、1.38(t、J=12.6Hz、2H)、1.91(d、J=10.8Hz、2H)、2.31(s、3H)、2.88(t、4H)、2.94(s、3H)、3.21(t、4H)、4.23(q、J=6.9Hz、2H)、4.34(br、1H)、7.46(d、J=9.0Hz、1H)、7.76(br、1H)、8.08(d、J=7.2Hz、1H)、8.16(d、J=7.8Hz、1H)、8.57(s、1H)、9.96(br、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−59.94。
【0261】
実施例17
N2−[3−クロロ−4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)]フェニル−5−エトキシカルボニル−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0262】
【化55】

【0263】
LCMS:純度:97.85%;MS(m/e):608.12(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.13(s、12H)、1.29(t、J=6.9Hz、3H)、1.36(t、J=11.1Hz、2H)、1.88(d、J=12.3Hz、2H)、2.28(s、3H)、2.93(s、3H)、2.98(t、4H)、3.26(t、4H)、4.22(q、J=6.9Hz、2H)、4.41(br、1H)、7.05(d、J=8.4Hz、1H)、7.73(m、2H)、8.09(d、1H)、8.55(s、1H)、9.82(br、1H)。
【0264】
実施例18
【0265】
N2−[4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]フェニル−5−ニトロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0266】
【化56】

【0267】
LCMS:純度:90.54%;MS(m/e):615.19(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.02(s、6H)、1.11(s、6H)、1.54(t、J=11.4Hz、2H)、1.81(d、J=10.2Hz、2H)、2.25(s、3H)、2.89(br、4H)、2.93(s、3H)、3.21(br、4H)、4.44(br、1H)、7.50(d、J=9.0Hz、1H)、7.73(s、1H)、8.11(s、1H)、8.39(br、1H)、8.98(s、1H)、10.49(br、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−59.98。
【0268】
実施例19
N2−[3−クロロ−4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)]フェニル−5−ニトロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0269】
【化57】

【0270】
LCMS:純度:94.77%;MS(m/e):581.10(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.32(s、6H)、1.43(s、6H)、2.05(m、4H)、2.70(d、J=3.9Hz、3H)、2.94(s、3H)、3.00(t、4H)、3.27(t、3H)、4.60(m、1H)、7.11(d、J=8.1Hz、1H)、7.64(m、2H)、8.48(d、J=7.5Hz、1H)、8.99(s、1H)、9.23(br、1H)、10.42(s、1H)。
【0271】
実施例20
5−シアノ−N2−[4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]フェニル−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0272】
【化58】

【0273】
LCMS:純度:89.22%;MS(m/e):595.44(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.00(s、6H)、1.07(s、6H)、1.57(m、4H)、2.19(s、3H)、2.88(t、4H)、2.93(s、3H)、3.20(t、4H)、4.34(br、1H)、7.44(d、J=8.7Hz、2H)、7.70(br、1H)、8.10(d、1H)、8.32(s、1H)、9.91(br、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−59.95。
【0274】
実施例21
N2−[3−クロロ−4−(4−メチルピペラジノ)]フェニル−5−シアノ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
【0275】
【化59】

【0276】
LCMS:純度:86.57%;MS(m/e):497.30(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.01(s、6H)、1.05(s、6H)、1.58(m、4H)、2.16(s、3H)、2.21(s、3H)、2.88(t、4H)、4.40(br、1H)、6.99(d、J=7.8Hz、1H)、7.37(d、1H)、7.61(d、2H)、8.28(s、1H)、9.75(br、1H)。
【0277】
実施例22
5−フルオロ−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−N2−[4−(ピリジン−4−イル)−3−トリフルオロメチル]フェニル−2,4−ピリミジンジアミン
【0278】
【化60】

【0279】
LCMS:純度:93.72%;MS(m/e):503.33(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.05(s、6H)、1.07(s、6H)、1.46(t、J=11.7Hz、2H)、1.70(d、J=11.7Hz、2H)、2.17(s、3H)、4.32(br、1H)、7.18(d、J=8.7Hz、1H)、7.29(d、J=6.0Hz、3H)、7.90(d、J=3.9Hz、1H)、7.99(s、1H)、8.27(d、J=8.4Hz、1H)、8.59(d、J=6.0Hz、2H)、9.46(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−164.93、−56.23。
【0280】
実施例23
N2−[4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)−3−トリフルオロメチル]フェニル−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−5−トリフルオロメチル−2,4−ピリミジンジアミン
【0281】
【化61】

【0282】
LCMS:純度:98.14%;MS(m/e):638.20(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.34(s、12H)、1.91(br、4H)、2.88(t、4H)、2.93(s、3H)、3.21(t、4H)、4.62(br、1H)、7.49(d、1H)、7.67(br、1H)、8.03(d、1H)、8.22(s、1H)、9.74(br、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−59.94、−60.77。
【0283】
実施例24
N2−[3−クロロ−4−(4−メチルスルホニルピペラジノ)]フェニル−N4−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−5−トリフルオロメチル−2,4−ピリミジンジアミン
【0284】
【化62】

【0285】
LCMS:純度:91.02%;MS(m/e):603.91(MH+);H NMR(DMSO−d):δ1.05(s、6H)、1.08(s、6H)、1.61(m、4H)、2.21(s、3H)、2.93(s、3H)、2.97(t、4H)、3.30(t、4H)、4.54(br、1H)、6.40(d、1H)、7.03(d、1H)、7.64(m、2H)、8.16(s、1H);19F NMR(282MHz、DMSO−d):δ−60.76。
【0286】
実施例25
インビトロでのIL−10およびIL−23アッセイ
略語
THP−1:ヒト急性単球白血病細胞系
IFNγ:インターフェロンガンマ
SAC:熱殺菌およびホルマリン固定したスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)細胞
IKK2VI阻害剤:(5−フェニル−2−ウレイド)チオフェン−3−カルボキサミド
【0287】
A.スクリーニングプロトコール
材料
THP−1細胞ならびに1%P/Sおよび10%FBSを含有するRPMI増殖培地
IFNγ(Peprotech、カタログ番号300−02)
白色透明底96ウェルプレート(Fisher、カタログ番号07−200−587、Corning #3903)
SAC(Calbiochem社製12%溶液、カタログ番号507858)
CELL TITER GLO(登録商標)試薬(Promega、カタログ番号G7573)
陽性対照、IKK2VI阻害剤(Calbiochem、カタログ番号401483)
【0288】
対数増殖期のTHP−1細胞を、白色透明底96ウェルプレート上、IFNγ(1000U/mL)50ng/mLを含有する標準RPMI培地(1%P/S+10%FBS)中に播き(100μL中、100K/ウェル)、細胞を37℃のインキュベーター内に24時間放置した。
【0289】
24時間のインキュベーション後に、2倍濃縮試験化合物を含有するRPMI培地を1ウェル当たり100μL、上記細胞培地に添加した(試験化合物の最終濃度は0.01μM〜20μMであった)。プレートを37℃で1時間プレインキュベートした後、SACで刺激した。
【0290】
化合物を1時間プレインキュベートした後、RPMI倍地中20倍濃縮のSAC溶液を1ウェル当たり10μL添加して、最終濃度を0.01%とし、プレートを振盪し、37℃でさらに18時間インキュベートした。
【0291】
各ウェルから上清155μLを回収し、細胞培養プレートの残りの50μL/ウェルに、CELL TITER GLO(登録商標)試薬50μLを添加した。プレートを振盪機上で1〜2分間インキュベートし、発光強度を読み取って、化合物の細胞毒性を測定した。
【0292】
上記収集した細胞培養上清を用いて、以下に記載するようにIL23 ELISA(65μL−上清)およびIL10 ELISA(90μL−上清)を行った。
【0293】
B.ヒトIL−23(p19/p40)ELISAプロトコール(e−Biosciences)
材料
96ウェル高結合不透明白色プレート(Pierce社製、カタログ番号15042)
1×PBS;1×TBST洗浄緩衝液
ブロッキング溶液:PBS中0.5%カゼイン(BDH社製、カタログ番号440203H)
希釈溶液:PBS中1%BSA(Fisher社製10%BSA、カタログ番号37525)
捕捉抗体:ラット抗ヒトIL−23(p19)(e−Biosciences、カタログ番号14−7238−85)
検出抗体:一次マウスビオチン化抗ヒトIL−12(p40/p70)(e−biosciences、カタログ番号13−7129−85);二次HRPコンジュゲートストレプトアビジン(R&D Systems、カタログ番号DY998)
rHuman−IL−23(e−biosciences、カタログ番号34−8239)
(提案される開始濃度=RPMI細胞培地中5ng/mL)
細胞培養上清(IFN□(50ng/mL−1000U/mL)で予備刺激し、0.01%SACで刺激したTHP−1細胞由来、65μL)
SUPERSIGNAL(登録商標)ELISA Pico Chemiluminescent substrate[Pierce、カタログ番号37069]
【0294】
プレートのコーティング:
10.5mLのPBSに抗IL23(p19)捕捉抗体(2.5μg/mL)50μLを加え、十分に混合し、Pierce社製96ウェル白色プレートの各ウェルにコーティング溶液を100μL加え、カバーをして、4℃で一晩インキュベートした。
【0295】
プレートのブロッキング:
抗IL23(p19)抗体コーティングプレートを、TBSTを用いて2回洗浄し(プレート洗浄機を使用)、0.5%カゼイン200μLを用いて、室温で1.5〜2時間振盪し、プレートをブロッキングした。
【0296】
上清の添加および検出:
TBSTを用いてプレートを2回洗浄し、上清(65μL/ウェル)を上記予備ブロッキング/IL23(p19)抗体コーティング96ウェルプレートに移し、室温で1.5時間、振盪によりインキュベートした。
【0297】
TBSTを用いてプレートを4回洗浄し(プレート洗浄機)、検出抗体溶液を100μL/ウェル加えた。検出抗体溶液は、ビオチン標識抗IL−12(p40/p70)抗体2μLから1%BSA/PBS溶液11mLで調製した(1−5000希釈)。プレートを室温で1時間、振盪によりインキュベートした。
【0298】
再びTBSTを用いてプレートを4回洗浄し、HRP標識ストレプトアビジン(R&D Systems)溶液(10μL/10mL1%BSA溶液)100μLを加え、室温でさらに45分間、振盪によりインキュベートした。
【0299】
45分後、プレートをTBSTで4回洗浄し、Pierce社製のSuper Signal ELISA Pico Chemiluminescent Substrate(3.5mLA+3.5mLB+3.5mLMQ水)を100μL/ウェル加え、プレートを1〜2分間振盪し、次いで、プレートリーダーで読み取り、細胞により分泌されたIL−23量を定量化した。
【0300】
C.ヒトIL−10ELISAプロトコール(e−Biosciences)
材料
96ウェル高結合不透明白色プレート(Pierce社製、カタログ番号15042)
1×PBS;1×TBST洗浄緩衝液
ブロッキング溶液:PBS中0.5%カゼイン(BDH社製、カタログ番号440203H)
希釈溶液:PBS中1%BSA(Fisher社製10%BSA、カタログ番号37525)
捕捉抗体:ウサギ抗ヒトIL−10(e−Biosciences、カタログ番号14−7108−85)
検出抗体:一次マウスビオチン化抗ヒトIL−10(e−biosciences、カタログ番号13−7109−85);二次HRPコンジュゲートストレプトアビジン(R&D Systems、カタログ番号DY998)
rHuman−IL−10(e−biosciences、カタログ番号34−8109)
(提案される開始濃度=RPMI細胞培地中1ng/mL)
細胞培養上清(IFN□(50ng/mL−1000U/mL)で予備刺激し、0.01%SACで刺激したTHP−1細胞由来、90μL)
SUPERSIGNAL(登録商標)ELISA Pico Chemiluminescent substrate[Pierce、カタログ番号37069]
【0301】
プレートのコーティング:
10.5mLのPBSに抗IL10捕捉抗体(2.5μg/mL)50μLを加え、十分に混合し、Pierce社製96ウェル白色プレートの各ウェルにコーティング溶液を100μL加えた。プレートにカバーをして、4℃で一晩インキュベートした。
【0302】
プレートのブロッキング:
抗IL10抗体コーティングプレートを、TBSTを用いて2回洗浄し(プレート洗浄機を使用)、0.5%カゼイン200μLを用いて、室温で1.5〜2時間振盪してブロッキングした。
【0303】
上清の添加および検出:
TBSTを用いてプレートを2回洗浄し、上清(100μL/ウェル)を上記予備ブロッキング/IL10抗体コーティング96ウェルプレートに移し、室温で1.5時間、振盪によりインキュベートした。
【0304】
TBSTを用いてプレートを4回洗浄し(プレート洗浄機)、ビオチン標識抗IL−10抗体2μLから1%BSA/PBS溶液11mLで調製した(1−5000希釈)検出抗体溶液を、100μL/ウェル加えた。プレートを室温で1時間、振盪によりインキュベートした。
【0305】
再びプレートをTBSTで4回洗浄し、HRP標識ストレプトアビジン(R&D Systems)溶液(10μL/10mL1%BSA溶液)100μLを加え、室温でさらに45分間、振盪によりインキュベートした。
【0306】
45分後、プレートをTBSTで4回洗浄し、Pierce社製のSuper Signal ELISA Pico Chemiluminescent Substrate(3.5mLA+3.5mLB+3.5mLMQ水)を100μL/ウェル加え、プレートを1〜2分間振盪し、次いで、プレートリーダーで読み取り、細胞により分泌されたIL−10量を定量化した。
【0307】
D.結果
このアッセイによる化合物のデータを下の表1に報告する:
【0308】
【表1】






【0309】
表1は、SACで刺激したTHP−1細胞におけるIL−10およびIL−23の発現レベルに対する、試験化合物の効果を示している。「+」は産生増加を示し、「−」は産生減少を示し、「未試験」は試料を試験しなかったことを示す。
【0310】
実施例26
治療法
A.抗炎症活性を有する本明細書に記載の化合物を適切な方法で特定する。炎症性障害を有する被検体を適切な方法で特定する。選択された投与様式に適した担体中の本明細書に記載の化合物を、炎症性障害の治療に有効な量で投与することにより、被検体をその化合物で治療する。
【0311】
B.抗炎症活性を有する本明細書に記載の化合物を適切な方法で特定する。乾癬を有する被検体を適切な方法で特定する。選択された投与様式に適した担体中の本明細書に記載の化合物を、乾癬の治療に有効な量で投与することにより、被検体をその化合物で治療する。
【0312】
C.抗炎症活性を有する本明細書に記載の化合物を適切な方法で特定する。クローン病を有する被検体を適切な方法で特定する。選択された投与様式に適した担体中の本明細書に記載の化合物を、クローン病の治療に有効な量で投与することにより、被検体をその化合物で治療する。
【0313】
D.抗炎症活性を有する本明細書に記載の化合物を適切な方法で特定する。変形性関節症を有する被検体を適切な方法で特定する。選択された投与様式に適した担体中の本明細書に記載の化合物を、変形性関節症の治療に有効な量で投与することにより、被検体をその化合物で治療する。
【0314】
E.IL−23産生を阻害する本明細書に記載の化合物を、適切な方法で特定する。炎症性障害を有する被検体を適切な方法で特定する。選択された投与様式に適した担体中の本明細書に記載の化合物を、炎症性障害の治療に有効な量で投与することにより、被検体をその化合物で治療する。
【0315】
F.IL−10産生を増加させる本明細書に記載の化合物を、適切な方法で特定する。炎症性障害を有する被検体を適切な方法で特定する。選択された投与様式に適した担体中の本明細書に記載の化合物を、炎症性障害の治療に有効な量で投与することにより、被検体をその化合物で治療する。
【0316】
G.IL−23産生を阻害し、かつIL−10産生を増加させる本明細書に記載の化合物を、適切な方法で特定する。炎症性障害を有する被検体を適切な方法で特定する。選択された投与様式に適した担体中の本明細書に記載の化合物を、炎症性障害の治療に有効な量で投与することにより、被検体をその化合物で治療する。
【0317】
H.IL−23産生を阻害し、かつIL−10産生を阻害する本明細書に記載の化合物を、適切な方法で特定する。炎症性障害を有する被検体を適切な方法で特定する。選択された投与様式に適した担体中の本明細書に記載の化合物を、炎症性障害の治療に有効な量で投与することにより、被検体をその化合物で治療する。
【0318】
I.IL−10産生を増加させ、かつIL−23産生を増加させる本明細書に記載の化合物を、適切な方法で特定する。炎症性障害を有する被検体を適切な方法で特定する。選択された投与様式に適した担体中の本明細書に記載の化合物を、炎症性障害の治療に有効な量で投与することにより、被検体をその化合物で治療する。
【0319】
本発明は、特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく変更および修正を施し得る。このような変更および修正は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の権限および範囲内にあるものと考えられるべきである。
【0320】
上記参考文献はすべて、個々の各参考文献が、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれることが明確かつ個別に示された場合と同様に、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性障害を治療するための方法であって、式:
【化1】

(式中、
Xは(CHを表し、mは1〜5までの整数であり、かつ1つまたは複数のCHが任意にO、SまたはN(R)で置換され、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
YはN(R)、OまたはSを表し、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
pは0または1を表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;かつ
は置換アリールまたはヘテロアリールを表す)
による1つまたは複数の化合物の治療有効量を、治療を必要とする被検体に投与することを含む方法。
【請求項2】
前記化合物が、式:
【化2】

で表される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物が、式:
【化3】

で表される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
が、6個の環原子を有する置換アリールまたはヘテロアリールを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
が、下式:
【化4】

(式中、
はハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;かつ
はH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10を表し、RおよびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、R10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す;あるいは
およびRは結合して、それらが結合している炭素原子と共に環を形成する)
の1つを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
に包含される複素環基が:
(a)芳香族、飽和または不飽和、縮合または架橋である;
(b)3〜14個の炭素環原子を有し、そのうちの少なくとも1つがO、SまたはN(R01)で置換されており、R01はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す;
(c)1〜3個の環を有する;および/または
(4)アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、2H−ピロリル、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、ジヒドロフリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、インドリニル、イソインドリニル、フリル、フラザニル、ピラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、インドリルおよびキノリニルからなる群より選択される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物が、式:
【化5】

で表される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
がハロゲンまたはC〜Cハロアルキルを表す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
がClまたはCFを表す、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物が、式:
【化6】

で表される、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
がハロゲンまたはC〜Cハロアルキルを表す、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
がClまたはCFを表す、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物が、式:
【化7】

(式中:
はF、CF、CN、NOまたはCOOCHCHを表し;
はCF、Cl、CNまたはOCHFを表し;および/または
は下式:H、C〜Cアルコキシ、
【化8】

を表し、R11はHまたはC〜Cアルキルを表し;かつqは0または1である)
で表される、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物が、式:
【化9】

(式中:
はF、CF、CN、NOまたはCOOCHCHを表し;
はCF、Cl、CNまたはOCHFを表し;および/または
は下式:H、C〜Cアルコキシ、
【化10】

を表し、R11はHまたはC〜Cアルキルを表し;かつqは0または1である)
で表される、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
がメチルまたはシクロプロピルを表す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
(a)RがFを表し;
(b)Rおよび/またはRがHを表し;
(c)Xが(CHまたは(CHを表し、かつYが−N(R)−を表し;ならびに/あるいは
(d)RがCHを表す、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記炎症性障害が:(a)乾癬;(b)クローン病;または(c)変形性関節症である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
IL−23産生を阻害するための方法であって、式:
【化11】

(式中、
Xは(CHを表し、mは1〜5までの整数であり、かつ1つまたは複数のCHが任意にO、SまたはN(R)で置換され、RがH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
YはN(R)、OまたはSを表し、RがH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
pは0または1を表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;かつ
は置換アリールまたはヘテロアリールを表す)
による1つまたは複数の化合物の治療有効量を、IL−23産生の阻害を必要とする被検体に投与することを含む方法。
【請求項19】
前記方法が、IL−10産生を刺激することをさらに含み、および/または前記被検体がヒトである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
IL−10産生を刺激するための方法であって、式:
【化12】

(式中、
Xは(CHを表し、mは1〜5までの整数であり、かつ1つまたは複数のCHが任意にO、SまたはN(R)で置換されており、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
YはN(R)、OまたはSを表し、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
pは0または1を表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;かつ
は置換アリールまたはヘテロアリールを表す)
による1つまたは複数の化合物の治療有効量を、IL−10産生の刺激を必要とする被検体に投与することを含む方法。
【請求項21】
炎症性障害を治療するための方法であって、
(a)炎症性障害を有する被検体を特定することと、
(b)式:
【化13】

(式中、
Xは(CHを表し、mは1〜5までの整数であり、かつ1つまたは複数のCHが任意にO、SまたはN(R)で置換されており、RがH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
YはN(R)、OまたはSを表し、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
pは0または1を表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;かつ
は置換アリールまたはヘテロアリールを表す)
による1つまたは複数の化合物の治療有効量を、前記被検体に投与することと
を含む方法。
【請求項22】
炎症性障害を治療するための方法であって、
(a)抗炎症活性を有する、下式:
【化14】

(式中、
Xは(CHを表し、mは1〜5までの整数であり、かつ1つまたは複数のCHが任意にO、SまたはN(R)で置換されており、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
YはN(R)、OまたはSを表し、RはH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
pは0または1を表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;かつ
は置換アリールまたはヘテロアリールを表す)
の化合物を特定することと、
(b)治療有効量の前記化合物を、治療を必要とする被検体に投与することと
を含む方法。
【請求項23】
前記化合物が、IL−23産生を阻害する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記化合物が、IL−10産生を増加させる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記化合物が、IL−23産生を阻害し、かつIL−10産生を増加させる、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物が、IL−23産生を阻害し、かつIL−10産生を阻害する、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
炎症性障害を治療するための方法であって、式(VIII):
【化15】

(VIII)
(式中、
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
zは0または1であり;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
pは0または1であり;
、Q、Q、QおよびQは、CおよびNから独立して選択され;
、R、R100、R101およびR102はH、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10から独立して選択される;あるいは
、R、R100、R101およびR102のうち隣接する任意の2つは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成し;かつ
原子価の必要条件を満たすため、R、R、R100、R101およびR102のいずれかが存在せず;
およびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、かつ
10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す)
による1つまたは複数の化合物の治療有効量を、治療を必要とする被検体に投与することを含む方法。
【請求項28】
炎症性障害を治療するための方法であって、式(IX):
【化16】

(IX)
(式中、
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
zは0または1であり;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
、Q、Q、QおよびQは、CおよびNから独立して選択され;
、R、R100、R101およびR102はH、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10から独立して選択される;あるいは
、R、R100、R101およびR102のうち隣接する任意の2つは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成し;かつ
原子価の必要条件を満たすため、R、R、R100、R101およびR102のいずれかが存在せず;
およびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、かつ
10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す)
による1つまたは複数の化合物の治療有効量を、治療を必要とする被検体に投与することを含む方法。
【請求項29】
炎症性障害を治療するための方法であって、式(X):
【化17】

(X)
(式中、
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
、Q、Q、QおよびQは、CおよびNから独立して選択され;
、R、R100、R101およびR102はH、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10から独立して選択される;あるいは
、R、R100、R101およびR102のうち隣接する任意の2つは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成し;かつ
原子価の必要条件を満たすため、R、R、R100、R101およびR102のいずれかが存在せず;
およびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、かつ
10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す)
による1つまたは複数の化合物の治療有効量を、治療を必要とする被検体に投与することを含む方法。
【請求項30】
炎症性障害を治療するための方法であって、式(XI):
【化18】

(XI)
(式中、
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し;
11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立してC〜Cアルキルを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C〜Cアルコキシ)カルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシを表し;
はH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルカノイルを表し;
、Q、Q、QおよびQは、CおよびNから独立して選択され;
、R、R100、R101およびR102はH、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル−SO−R、C〜Cシクロアルキル、−SO−C〜Cシクロアルケニル、C〜Cシクロアルケニル−SO−R、アリール、−SO−アリール、アリール−SO−R、複素環基、−SO−複素環基、複素環−SO−R基または−SO−NR10から独立して選択される;あるいは
、R、R100、R101およびR102のうち隣接する任意の2つは組み合わさって、それらが結合している炭素原子と共に環を形成し;かつ
原子価の必要条件を満たすため、R、R、R100、R101およびR102のいずれかが存在せず;
およびRは、それぞれ独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表し、かつ
10はH、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルを表す)
による1つまたは複数の化合物の治療有効量を、治療を必要とする被検体に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2012−515207(P2012−515207A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546312(P2011−546312)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/020931
【国際公開番号】WO2010/083240
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(504294145)ライジェル ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (63)
【Fターム(参考)】