説明

3−キヌクリジニルヘテロ原子架橋ビアリール誘導体

本明細書で定義するAおよびGがそれぞれ独立してNまたはN−Oであり、mおよびnはそれぞれ独立して0、1または2、XおよびXはそれぞれ独立して、O、Sおよび−N(R)−であり、XはO、S、−N(R)−、−N(Ar)−および−N(R)C(O)−であり、Arは、六員芳香族環であり、Arはシクロヘキシルまたは一−または二−環式芳香族環であり、R13は水素、アルキルまたはハロゲンである、式(I)または(II)の化合物、またはこの医薬として許容されるの塩類、エステル類、アミド類またはプロドラッグ類。本化合物は、nAChRリガンドによって予防される、または緩和される状態または疾患を治療することにおいて有用である。また、式(I)および(II)の化合物を有する医薬組成物、およびそれらの化合物および組成物を用いるための方法も開示されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−キヌクリジニル アミノ−置換ビアリール誘導体、それらの化合物を含む組成物、およびこれらの化合物および組成物を用いた、状態及び疾患を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン性アセチルコリンレセプター(nAChRs)は、中枢神経系(CNS)および末梢神経系(PNS)にわたって、広く分布している。これらレセプターは、特に、必ずしもこれに限定されるものではないが、アセチルコリン、ノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニンおよびGABAを含む、広範囲の神経伝達物質の放出を調節することによって、中枢神経系機能の調節において重要な役割を果たしている。結果として、ニコチン性レセプターは、非常に広範囲の生理学的作用を仲介し、認知機能、学習および記憶、神経変性、疼痛および炎症、精神疾患および知覚ゲーティング、心的状態および感情などに関する疾患の治療的処置に対する標的となってきた。
【0003】
nAChRsの多くのサブタイプが、中枢神経系および末梢神経系で存在する。各サブタイプは、全般的な生理学的機能を調節することに関して、異なる効果を有する。典型的には、nAChRsは、サブユニットタンパク質の五量体アセンブリから構成されるイオンチャネルである。少なくとも12のサブユニットタンパク質、α2からα10およびβ2からβ4が、神経組織内で同定されてきている。これらのサブユニットは、異なるレセプターサブタイプとなる、非常に多種類の同形および異形の組み合わせを可能にする。たとえば、脳組織内で、ニコチンの高い親和性結合を担う、優性レセプターは、組成(α4)(β2)(α4β2サブタイプ)を有し、一方で、レセプターの他の主要な集団は、ホモメリックな(α7)(α7サブユニット)から成る。
【0004】
植物アルカロイドニコチン等の、特定の化合物は、nAChRsのすべてのサブタイプと相互作用し、本化合物の強い生理作用を説明する。ニコチンが、多くの有益な特性を有していることが示されてきた一方で、ニコチンによって仲介された効果の全てが望ましいわけではない。たとえば、ニコチンは、治療用量において胃腸管および心臓血管副作用効果を有し、この中毒性および急性毒性が周知である。nAChRsの特定のサブタイプのみと選択的に相互作用するリガンドは、安全性のマージンが改善され、有益な治療効果を達成するための効能を有する。
【0005】
α7 nAChRsは、学習、記憶および注意の側面を含む、認知機能を増強することにおいて、有意な役割を果たすことが示されてきた(Levin,E.D.,J.Neurobiol.53:633−640,2002)。たとえば、α7 nAChRsは、他の全身性活性の中でも注意力欠陥障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年性認知症、AIDS認知症、ピック病、ならびに統合失調症に関連した認知障害に関する状態および疾患に関連してきた。α7 nAChRsにおける活性は、α7 nAChRsリガンドの投与によって、改変または調節されうる。リガンドは、アンタゴニスト、アゴニスト、部分的アゴニスト、またはインバースアゴニスト特性を示しうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
α7 nAChRs−調整活性を示す、種々の種類の化合物が存在するが、治療的方法のために有用である医薬組成物内に組み込むことが可能な、α7 nAChRsにおいて活性を示すさらなる化合物を提供することが有益である。特に、他のサブタイプと比較して、α7−を含むニューロンnAChRsと選択的に相互作用する化合物を提供することが有益である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、3−キヌクリジニル アミノ−置換ビアリール誘導体、これら化合物を含む組成物、およびこれら化合物および組成物を用いた、状態及び疾患を治療する方法を指向している。本発明の化合物は、式
【0008】
【化8】

またはこの医薬として許容されるの塩、エステル、アミド、またはプロドラッグであり、式中、
AはNまたはN−Oであり、
nは0、1または2であり、
は、O、Sおよび−N(R)−から成る群より選択され、
は、O、S、−N(R)−、−N(Ar)−および−N(R)C(O)−から成る群より選択され、
Arは式:
【0009】
【化9】

の一基であり、
Arはシクロアルキルであり、またはArは式:
【0010】
【化10】

の一基であり、
、Y、YおよびYはそれぞれ独立して、Nおよび−C(R)から成る群より選択され、
、Y、Y、YおよびYはそれぞれ独立して、Nおよび−C(R)から成る群より選択され、
10は、−N(R)、OおよびSから成る群より選択され、
11、Y12、Y13およびY14は、Y11、Y12、Y13およびY14の1つがCであり、式(c)が、Cによって表されるY11、Y12、Y13およびY14の1つを通じて、X、または−N(Ar)−の窒素原子に結合するという条件で、それぞれ独立して、N、Cおよび−C(R)から成る群より選択され、
は独立して、O、S、−N(R)、−C(R10)および−C(R10)(R10a)から選択され、
およびZは、ZおよびZのゼロまたは1つがCであるという条件、およびZが−C(R10)である場合に、ZおよびZがC以外であるという条件、およびさらに、ZまたはZの1つがCである場合、Zが−C(R10)以外であるという条件で、それぞれ独立して、N、Cおよび−C(R12)から成る群より選択され、
、Z、ZおよびZのゼロまたは1つがCであるという条件で、Z、Z、ZおよびZは独立して、Cおよび−C(R11)から成る群より選択され、そこで、
、Z、ZおよびZの1つがCである場合、式(d)は、Cによって表されるZ、Z、ZおよびZの1つを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、Zが−C(R10)以外であり、ZおよびZがC以外である、または
が−C(R10)である場合、式(d)は、−C(R10)のC原子を介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、Z、Z、ZおよびZのが−C(R11)であり、ZおよびZはC以外である、または
またはZの1つがCである場合、式(d)は、Cによって表されるZおよびZを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、Zは−C(R10)以外であり、Z、Z、ZおよびZは、−C(R11)であり、
それぞれ存在する場合に、RおよびRはそれぞれ独立して、水素およびアルキルから成る群より選択され、
それぞれ存在する場合、Rは独立して、水素、ハロ、アルキル、アリール、−ORおよび−NHRから成る群より選択され、
およびRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルから成る群より選択され、
それぞれ存在する場合、Rは独立して、水素、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アリール、アルキルカルボニル、−ORおよび−NHRから成る群より選択され、
およびRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル、アミノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルから成る群より選択され、および
それぞれ存在する場合、R、R10、R10a、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボニルおよびアリールカルボニルから成る群より選択される。
【0011】
本発明はまた、式:
【0012】
【化11】

の化合物、またはこの医薬として許容されるの塩類、エステル類、アミド類およびプロドラッグ類であり、式中GはNまたはN−Oであり、Xは−N(R14)−、OまたはSであり、mは、0、1または2であり、R14は水素またはアルキルであり、およびR13は水素、アルキルまたはハロゲンである。
【0013】
本発明の他の側面は、本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。それらの組成物は、典型的には、nAChR活性、より詳細には、α7 nAChR活性に関する状態および疾患の治療または予防のための治療的レジメンにて、本発明に方法にしたがって投与可能である。
【0014】
本発明のまた他の側面は、nAChR活性、たとえばα7 nAChR活性に対して、選択的に調節する方法に関する。本方法は、哺乳動物における、α7 nAChR活性調節に関する状態および疾患を治療するため、および/または予防するために有用である。より詳細には、本方法は、他の全身性活性のうち、注意力欠陥障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年性認知症、AIDS認知症、ピック病、レヴィー小体関連認知症、ダウン症候群関連認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、外傷性脳傷害に関連した中枢神経系機能の低下、急性疼痛、手術後疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、不妊症、傷治癒に関連した、新規血管増殖の必要性、皮膚移植の脈管形成に関連した、新規血管増殖の必要性、および循環の欠乏、より特に、血管閉鎖周辺に循環の欠如に関連した状態および疾患のために有用である。
【0015】
本化合物、化合物を含む組成物、および本化合物を投与することによって、状態および疾患を治療するため、または予防するための方法が、本明細書でさらに記載されている。
【0016】
(発明の詳細な記述)
用語の定義
本明細書で使用する特定の用語は、以下で詳述するように、以下の定義を意味するものとする。
【0017】
本明細書で使用するところの用語「アシル(acyl)」は、本明細書で定義するカルボニル基を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルキル基を意味する。アシルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチルおよび1−オキソペンチルが含まれる。
【0018】
本明細書で使用するところの用語「アシルオキシ(acyloxy)」は、酸素原子を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義するアシル基を意味する。アシルオキシの代表的な例には、これに限定されるものではないが、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、およびイソブチリルオキシが含まれる。
【0019】
本明細書で使用するところの用語「アルケニル(alkenyl)」は、2から10個の炭素を含み、2つの水素を除去することによって形成された、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む、直鎖または分岐鎖炭化水素を意味する。アルケニルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニル、および3−デセニルが含まれる。
【0020】
本明細書で使用するところの用語「アルコキシ(alkoxy)」は、酸素原子を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルキル基を意味する。アルコキシの代表的例には、これに限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシが含まれる。
【0021】
本明細書で使用するところの用語「アルコキシアルコキシ(alkoxyalkoxy)」は、本明細書で定義する他のアルコキシ基を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルコキシ基を意味する。アルコキシアルコキシの代表的な例には、これに限定されるものではないが、tert−ブトキシメトキシ、2−エトキシエトキシ、2−メトキシエトキシおよびメトキシメトキシが含まれる。
【0022】
本明細書で使用するところの用語「アルコキシアルキル(alkoxyalkyl)」は、本明細書で定義するアルキル基を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルコキシ基を意味する。アルコキシアルキルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、tert−ブトキシメチル、2−エトキシエチル、2−メトキシエチルおよびメトキシメチルが含まれる。
【0023】
本明細書で使用するところの用語「アルコキシカルボニル(alkoxycarbonyl)」は、本明細書で定義する−C(O)−によって表される、カルボニル基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルコキシ基を意味する。アルコキシカルボニルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、およびtert−ブトキシカルボニルが含まれる。
【0024】
本明細書で使用するところの用語「アルコキシイミノ(alkoxyimino)」は、本明細書で定義するイミノ基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルコキシ基を意味する。アルコキシイミノの代表的な例には、これに限定されるものではないが、エトキシ(イミノ)メチルおよびメトキシ(イミノ)メチルが含まれる。
【0025】
本明細書で使用するところの用語「アルコキシスルホニル(alkoxysulfonyl)」は、本明細書で定義するスルホニル基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルコキシ基を意味する。アルコキシスルホニルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、メトキシスルホニル、エトキシスルホニルおよびプロポキシスルホニルが含まれる。
【0026】
用語「アルキル(alkyl)」は、1から6個の炭素原子を含む、直鎖または分岐鎖炭化水素を意味する。アルキルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−フェニル、イソペンチル、ネオペンチルおよびn−ヘキシルが含まれる。
【0027】
本明細書で使用するところの用語「アルキルカルボニル(alkylcarbonyl)」は、本明細書で定義するカルボニル基を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルキル基を意味する。アルコキシカルボニルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキシブチルおよび1−オキソペンチルが含まれる。
【0028】
本明細書で使用するところの用語「アルキルカルボニルオキシ(alkylcarbonyloxy)」は、酸素原子を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルキルカルボニル基を意味する。アルキルカルボニルオキシの代表的な例には、これに限定されるものではないが、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、およびtert−ブチルカルボニルオキシが含まれる。
【0029】
本明細書で使用するところの用語「アルキルスルホニル(alkylsulfonyl)」は、本明細書で定義するスルホニル基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルキル基を意味する。アルキルスルホニルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルが含まれる。
【0030】
本明細書で使用するところの用語「アルキルチオ(alkylthio)」は、硫黄原子を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルキル基を意味する。アルキルチオの代表的な例には、これに限定されるものではないが、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオおよびヘキシルチオが含まれる。
【0031】
本明細書で使用するところの用語「アルキニル(alkynyl)」は、2から10個の炭素原子を含み、好なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む、直鎖および分岐鎖炭化水素基を意味する。アルキニルの代表的例には、これに限定されるものではないがアセチルエニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニルおよび1−ブチニルが含まれる。 本明細書で使用するところの用語「アミド(amido)」は、本明細書で定義するカルボニル基を介して、親分子部位に付加された、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノを意味する。アミドの代表的な例には、これに限定されるものではないが、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニルおよびエチルメチルアミノカルボニルが含まれる。
【0032】
本明細書で使用するところの用語「アリール(aryl)」は、一環式または二環式芳香族環系を意味する。アリールの代表的な例には、これに限定されるものではないが、フェニルおよびナフチルが含まれる。
【0033】
本発明のアリール基は、アシル、アヒルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノ、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルスルホニル、アルキニル、アミド、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、チオアルコキシ、−NR、(NR)アルキル、(NR)アルコキシ、(NR)カルボニル、および(NR)スルホニルから独立して選択された、0、1、2、3、4または5置換基によって置換される。
【0034】
本明細書で使用するところの用語「アリールカルボニル(arylcarbonyl)」は、本明細書で定義するカルボニル基を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義するアリール基を意味する。アリールカルボニルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、(フェニル)カルボニル、、および(ナフチル)カルボニルが含まれる。
【0035】
本明細書で使用するところの用語「アリールスルホニル(arylsulfonyl)」は、本明細書で定義するスルホニル基を介して、親分子部位に添加された、本明細書で定義するアリール基を意味する。アリールスルホニルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、フェニルスルホニル、(メチルアミノフェニル)スルホニル、(ジメチルアミノフェニル)スルホニル、および(ナフチル)スルホニルが含まれる。
【0036】
本明細書で使用するところの用語「カルボニル(carbonyl)」は、−C(O)−基を意味する。
【0037】
本明細書で使用するところの用語「カルボキシ(carboxy)」は、−COH基を意味する。
【0038】
本明細書で使用するところの用語「シアノ(cyano)」は、−CN基を意味する。
【0039】
本明細書で使用するところの用語「ホルミル(formyl)」は、−C(O)H基を意味する。
【0040】
用語「ハロ(halo)」または「ハロゲン(halogen)」は、−Cl、−Br
−Iまたは−Fを意味する。
【0041】
本明細書で使用するところの用語「ハロアルコキシ(haloalkoxy)」は、本明細書で定義するアルコキシ基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義する少なくとも1つのハロゲンを意味する。ハロアルコキシの代表的な例には、これに限定されるものではないが、クロロメトキシ、2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシが含まれる。
【0042】
本明細書で使用するところの用語「ハロアルキル(haloalkyl)」は、本明細書で定義するアルキル基を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義する少なくとも1つのハロゲンを意味する。ハロアルキルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルおよび2−クロロ−3−フルオロペンチルが含まれる。
【0043】
本明細書で使用するところの用語「ヘテロアリール(heteroaryl)」は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択された、1、2、3または4個のヘテロ原子を含む、芳香族5−または6−員環を意味する。ヘテロアリール基は、炭素または窒素原子を介して、親分子部位に連結する。ヘテロアリールの代表的な例には、これに限定されるものではないが、フリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアジニルおよびチアゾリルが含まれる。
【0044】
本発明のヘテロアリール基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NR、(NR)アルキル、(NR)アルコキシ、(NR)カルボニルおよび(NR)スルホニルから独立して選択される、0、1、2または3個の置換基で置換される。
【0045】
本明細書で使用するところの用語「二環式ヘテロアリール(bicyclic heteroaryl)」は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択された1、2、3または4個のヘテロ原子を含む融合芳香族9−および10−員の二環式環またはこの互変異体を含むを意味する。二環式ヘテロアリール基は、酸素または窒素原子を介して、親分子部位に連結する。二環式ヘテロアリール環の代表的な例には、これに限定されるものではないが、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、イソキノリニルおよびキノリニルが含まれる。本発明の二環式ヘテロアリール基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NR、(NR)アルキル、(NR)アルコキシ、(NR)カルボニルおよび(NR)スルホニルから独立して選択される、0、1、2または3個の置換基で置換される。
【0046】
本明細書で使用するところの用語「ヒドロキシ(hydroxy)」は、−OH基を意味する。
【0047】
本明細書で使用するところの用語「ヒドロキシアルキル(hydroxyalkyl)」は、本明細書で定義するアルキル基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義する少なくとも1つのヒドロキシ基を意味する。ヒドロキシアルキルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシペンチルおよび2−エチル−4−ヒドロキシヘプチルが含まれる。
【0048】
本明細書で使用するところの用語「ヒドラジン(hydrazine)」は、−NH−NH基を意味する。
【0049】
本明細書で使用するところの用語「メルカプト(mercapto)」は、−SH基を意味する。
【0050】
本明細書で使用するところの用語「ニトロ(nitro)」は、−NO基を意味する。
【0051】
本明細書で使用するところの用語「−NR」は、窒素原子を介して、親分子部位に付加された、2つの基、RおよびRを意味する。RおよびRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルキルカルボニル、またはホルミルである。−NRの代表的な例には、これに限定されるものではないが、アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノ、およびアセチルメチルアミノが含まれる。
【0052】
本明細書で使用するところの用語「(NR)アルキル((NR)alkyl)」は、本明細書で定義するアルキル基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義する−NR基を意味する。(NR)アルキルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、(アミノ)メチル、(ジメチルアミノ)メチル、および(エチルアミノ)メチルが含まれる。
【0053】
本明細書で使用するところの用語「(NR)アルコキシ((NR)alkoxy)」は、本明細書で定義するアルコキシ基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義する−NR基を意味する。(NR)アルコキシの代表的な例には、これに限定されるものではないが、(アミノ)メトキシ、(ジメチルアミノ)メトキシ、および(ジエチルアミノ)エトキシが含まれる。
【0054】
本明細書で使用するところの用語「(NR)カルボニル((NR)carbonyl)」は、本明細書で定義するカルボニル基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義する−NR基を意味する。(NR)カルボニルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、アミノカルボニル、(メチルアミノ)カルボニル、(ジメチルアミノ)カルボニル、および(エチルメチルアミノ)カルボニルが含まれる。
【0055】
本明細書で使用するところの用語「(NR)スルホニル((NR)sulfonyl)」は、本明細書で定義するスルホニル基を介して親分子部位に付加された、本明細書で定義する−NR基を意味する。(NR)スルホニルの代表的な例には、これに限定されるものではないが、アミノスルホニル、(メチルアミノ)スルホニル、(ジメチルアミノ)スルホニル、および(エチルメチルアミノ)スルホニルが含まれる。
【0056】
本明細書で使用するところの用語「スルホニル(sulfonyl)」は、−S(O)−基を意味する。
【0057】
本明細書で使用するところの用語「チオアルコキシ(thioalkoxy)」は、硫黄原子を介して、親分子部位に付加された、本明細書で定義するアルキル基を意味する。チオアルコキシの代表的な例には、これに限定されるものではないが、メチルチオ、エチルチオおよびプロピルチオが含まれる。
【0058】
典型的に、レセプターの実際のサブユニット組成が未確定であることを示すために、アスタリスクが使用され、たとえば、α3β4*は、他のサブユニットとの組み合わせで、α3とβ4タンパク質が含まれるレセプターを示唆することが認識されうるが、本明細書で使用するところの用語α7は、実際のサブユニット組成物が、確定している場合と、確定していないの両方のレセプターを含むことが意図されている。
【0059】
(発明の化合物)
本発明の化合物は、以上で記載したような式(I)を有しうる。
【0060】
より特に、式(I)の化合物には、
式中Arが式
【0061】
【化12】

の一群である化合物が、これに限定されるものではないが含まれる。式(a)の群中、Y、Y、YおよびYはそれぞれ独立して、Nおよび−C(R)から成る群より選択され、式中、それぞれ存在する場合、Rは独立して、水素、ハロ、アルキル、アリール、−ORおよび−NHRから成る群より選択される。好ましくは、Y、Y、YおよびYの少なくとも1つは、−C(R)であり、式(a)の群は、0、1、2または3個の窒素原子を含む。
【0062】
Arのための群の具体的な例は、たとえば、
【0063】
【化13】

であり、式中Rは、式(I)の化合物に関して先に定義している通りである。
【0064】
本発明の化合物には、式中Arが、シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシルであるか、またはArが、式
【0065】
【化14】

の一基であり、式中Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Y13、Y14、Z、Z、Z、Z、Z、ZおよびZが、式(I)の化合物に関して先に記載しているような、ものを含みうる。
【0066】
式(I)の化合物中のArに関する、基の具体的な例は、たとえば、
シクロアルキル、
【0067】
【化15】

であり、式中
rは、0、1、3、4または5であり、
sは、0、1、2または3であり、
tは、0、1、2、3または4であり、
10は、−N(R)、OおよびSから成る群より選択され、
12およびY13の1つがN、Cまたは−C(R)であり、他がCまたは−C(R)であり、
11およびY14は、Y11およびY14の1つ、またはY12およびY13の1つがCであり、式(c)が、Cによって表されるY11、Y12、Y13およびY14の1つを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合するという条件で、それぞれ独立してCおよび−CRから成る群より選択され、
、Z、Z、Z、Z、Z、Z、RおよびRが、式(I)の化合物に関して記載している通りである。
【0068】
式(I)の化合物中のAr2に関する基のより具体的な例としては、例えば、シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル、
【0069】
【化16】

であり、
式中、
およびZは、ZおよびZのゼロまたは1つがCであるという条件で、独立してN、Cまたは−C(R12)であり、
、Z、ZおよびZは、Z、Z、ZおよびZのゼロまたは1つがCであるという条件で、独立してCおよび−C(R11)から成る群より選択され、そこで、
、Z、ZおよびZの1つがCである場合、式(4−vi)および(4−vii)が、Cによって表されるZ、Z、ZおよびZの1つを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、ZおよびZがそれぞれ−C(R12)であり、
またはZの1つがCである場合、式(4−vi)および(4−vii)が、Cによって表されるZまたはZを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、Z、Z、ZおよびZが−C(R11)であり、
が、水素、フルオロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルアミノ、イソプロポキシ、ブロモ、クロロ、ヨード、メチル、ヒドラジノおよびアミノから成る群より選択され、
12は、水素、メチルおよびフェニルから成る群より選択され、および
およびR11は、請求項1にて定義している通りである。
【0070】
本発明の一部として意図される、式(I)の化合物の特定の実施態様には、これに限定されるものではないが、
3−(3−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン、
3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン、
(3R)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン、
(3S)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン、
3−{4−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェノキシ}キヌクリジン、
3−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ]キヌクリジン、
4−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェノキシ]フェノール、
4−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェノキシ}フェノール、
4−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]チオ}フェノール、
4−({4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェニル}チオ)フェノール、
3−{4−[(4−イソプロポキシフェニル)チオ]フェノキシ}キヌクリジン、
3−[4−(ピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン、
3−[4−(チエン−3−イルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン、
3−{4−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]フェノキシ}キヌクリジン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−フェニルアミン、
N−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェニル}−N−フェニルアミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ピリジン−3−アミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ベンズアミド、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−シクロヘキシルアミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ジチエン−3−イルアミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−1,3−チアゾール−2−イル−1,3−チアゾール−2−アミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ビス(1−ベンゾチエン−3−イル)アミン、
1−(5−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]アミノ}チエン−2−イル)エタノン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−(4−メチルチエン−3−イル)アミン、
3−[(6−フェノキシピリダジン−3−イル)オキシ]キヌクリジン、
3−[(5−フェノキシピリジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン、
3−[(5−フェノキシピリミジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン、
N−(4−フェノキシフェニル)キヌクリジン−3−アミン、
N−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン、
N−[4−(4−メチルフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン、
N−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン、
N−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−N’−フェニルベンゼン−1,4−ジアミン、
3−[(4−フェノキシフェニル)チオ]キヌクリジン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルチオ)フェニル]−N−フェニルアミン、
4,4’−ジ(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−ジフェニルエーテル、
4,4’−ジ[(3R)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]−ジフェニルチオエーテル、
4,4’−ジ(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−アミノ)−ジフェニルチオエーテル、
3−[4−(4−ヨード−フェノキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、
{4−[4−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−フェノキシ]−フェニル}−ヒドラジン、
3−[4−(2−メチル−3−フェニル−1H−インドール−5−イルオキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、および
3−[6−(4−ヨード−フェノキシ)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、
またはこの医薬として許容されるの塩類、エステル類、アミド類およびプロドラッグ類が含まれる。
【0071】
本発明はまた、式
【0072】
【化17】

の化合物、または医薬として許容されるの塩類、エステル類、アミド類およびプロドラッグ類が含まれ、式中GはNまたはN−Oであり、Xは−N(R14)−、OまたはSであり、mは、0、1または2であり、R14は水素またはアルキルであり、およびR13は水素、アルキルまたはハロゲンである。好ましくは、R13はヨウ素または水素である。
【0073】
本明細書の一部として意図される、式(II)の化合物の特定の実施態様には、これに限定されるものではないが、
2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−8−ヨード−6H、12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b、f][1,5]ジアゾシン、および
2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−6H、12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b、f][1,5]ジアゾシン、
または医薬として許容されるの塩類、エステル類、アミド類およびプロドラッグ類が含まれる。
【0074】
化合物の名前は、Frankfurt GermanyのMDL Information Systems GmbH(以前は、Beilstein Informationssystemeとして知られていた)によって提供され、CHEMDRAW(登録商標)ULTRA v。6.0.2ソフトウェアパッケージの一部である、AUTONOM命名ソフトウェアを用いることによって割り当てられる。
【0075】
本発明の化合物は、立体異性体として存在しえ、そこで非対称またはキラル中心が存在する。これらの立体異性体は、キラル要素の周辺の置換基の配座に依存して、「R」または「S」である。本明細書で使用するところの用語「R」および「S」は、IUPAC 1974 Recommendations for Section E,Fundamental Stereochemistry,Pure Appl.Chem.,1976,45:13−30で定義されたような配座である。本発明は、種々の立体異性体、およびこの混合物を意図し、特に、本発明の目的内に含まれる。立体異性体には、エナンチオマーおよびジアステレオマー、およびエナンチオマーとジアステレオマーの混合物が含まれる。本発明の化合物の個々の立体異性体は、非対称またはキラル中心を含む、市販されている開始物質から合成して調製しえ、またはラセミ混合物の調製と、これに続く当業者によく公知の分割によって調製しうる。これらの分割の方法は、(1)Furniss,Hannaford,Smith and Tatchell,「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」、第5版(1989)、Longman Scientific & Technical,Essex CM20 2JE,Englandにて記載されたような、エナンチオマーの混合物の、キラル補助剤への付加、補助剤からの、光学的に純粋な生成物の、再結晶またはクロマトグラフィー、および光学的分離による、得られたジアステレオマーの混合物の分離、または(2)キラルクロマトグラフィーカラム上での、光学エナンチオマーの混合物の直接分離、または(3)画分再結晶方法によって例示される。
【0076】
(本発明の化合物を調製するための方法)
スキームの記載および実施例にて使用する特定の略語は、以下の意味を有するように意図される。Ac:アセチル、Bu:ブチル、dba:ジベンジリジン アセテート、DEAD:ジエチル アゾジカルオキシレート、DMSO:ジメチルスルホキシド、EtOAc:酢酸エチル、EtOH:エタノール、Et3N:トリエチルアミン、Et2O:ジエチルエーテル、HPLC:高圧液体クロマトグラフィー、iPr:イソプロピル、Me:メチル、MeOH:メタノール、NBS:N−ブロモスクシンイミド、OAc:アセトキシ,o−tol.:o−トルエン、Ph:フェニル、t−Bu:tert−ブチル、およびTHF:テトラヒドロフラン、NMD:l−メシル−ピロリジン−2−1、およびTMHD:2,2,6,6−テトラメシルヘプタン−s,sdione。
【0077】
スキームにて例示された反応は、使用する試薬及び物質に適切で、影響を受ける変換に好適である、溶媒中で実施される。記載した変換には、分子上に存在する官能性に依存して、本発明の望ましい化合物を得るために、合成段階の順番を改変すること、または、他よりも1つの特定の工程スキームを選別すること、を必要としうる。
【0078】
窒素保護基を、記載した化合物中に存在するアミン基を保護するために使用可能である。それらの方法、および好適な窒素保護基は、Greene and Wuts(Protective Groups In Organic Synthesis,Wiley and Sons,1999)にて記載されている。たとえば、好適な窒素保護基には、これに限定されるものではないが、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ベンジル(Bn)、アセチルおよびトリフルオロアセチルが含まれる。より詳細には、Boc保護基は、トリフルオロ酢酸または塩酸等の酸での処理によって除去しうる。CbzおよびBn保護基は、触媒的加水分解によって除去しうる。アセチルおよびトリフルオロアセチル保護基は、水酸化物イオンによって除去しうる。
【0079】
以下で記載した方法は、種々のエナンチオマーの利用を必要とする。立体化学がスキーム中に示されている場合、例示的な目的のみで意図されている。
【0080】
【化18】

【0081】
式中Ar、XおよびArが、式(I)に関して定義されているとおりである、式(3)のキヌクリジンエーテル類を、スキーム1にて記載された方法によって得ることができる。式(1)の化合物を、ホスフィン、たとえば、トリフェニルホスフィンと、ジエチルアゾジカルボキシレートの存在下で、3−キヌクリジノールで処理して、式(3)の化合物を得ることができる。また、式中XおよびArが式(I)の化合物に関して定義したとおりである、式(2)の化合物を、Org.Lett.2002,4,973にて記載されたように、CuI、CsCOおよび1,10−フェナントロリンと反応させて、式(3)の化合物を得ることも可能である。
【0082】
【化19】

【0083】
式中ArおよびArが、式(I)中で定義されている一般式(11)、(12)、および(13)のキヌクリジンエーテル類を、スキーム2で記載したように調製可能である。3−キヌクリジノールを、式中X’が臭素またはヨウ素である、式(5)のヨウ化ハロフェニルと、Org.Lett.2002,4,973にて記載されたように、CuI、CsCOおよび1,10−フェナントロリンと反応させて、式(7)のハロフェノキシキヌクリジンを得る。また、式(7)の化合物を、トリフェニルホスフィン等のホスフィンの存在下、式中X’が臭素またはヨウ素である、式(6)のハロ フェニル アルコール、およびジエチルアゾジカルボキシレートで、3−キヌクリジノールを処理することによって得ることも可能である。
【0084】
式中X’が臭素またはヨウ素である、式(7)の化合物を、NMP中、式(8)の化合物で、CuCl、CsCOおよびTMHDで処理し、Org.Lett.2002,4,1623にて記載されたように、式(11)の化合物を得ることが可能である。式中X’が臭素またはヨウ素である、式(7)の化合物を、式(9)の所望のAr基のアミンと、トルエン等の有機溶媒中、tert−ブトキシドナトリウムで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびXantphosで処理して、Org.Lett.2002,4,3481にて記載されたように、式(12)の化合物を得ることが出来る。式中X’がヨウ素である、式(7)の化合物を、式(10)の所望のAr基のチオールと、CuI、KCOおよび1,2−エタンジオールと反応させて、Org.Lett.2002,4,3517にて記載されたように、式(13)の化合物を得ることが出来る。
【0085】
【化20】

【0086】
式中Arが、窒素−含有ヘテロアリール、たとえばピリダジンであり、Arが式(I)に関して定義されている式(23)、(24)および(25)のキヌクリジンエーテル類を、スキーム3にて示したように調製可能である。式中Mがカリウムまたはナトリウムである、式(20)の金属キヌクリジンオキシドを、式中YおよびYが臭素、塩素またはヨウ素であり、X、XおよびXが窒素またはCHである、式(21a)の、ジハロ芳香族環、たとえばジクロロピリダジンと反応させて、式(22)のキヌクリジンエーテルを得ることが可能である。また、式(22)の化合物を、3−キヌクリジノールを、式中Yが臭素、塩素またはヨウ素である、式(21b)の化合物、トリフェニルホスフィン等のホスフィンの存在下、ジエチルアゾジカルボキシレートと、反応させることによって得ることが可能である。
【0087】
式中Yが臭素またはヨウ素である、式(22)の化合物を、式(8)の化合物、NMP中CsCO、CuClおよびTMHDで処理して、Org.Lett.2002,4,1623にて記載されたように、式(23)の化合物を提供可能である。式中Yが臭素またはヨウ素である、式(22)の化合物を、式(9)の所望のAr基のアミンを、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびXantphos、トルエン等の有機溶媒中のナトリウムtert−ブトキシドで処理して、Org.Lett.2002,4,3481にて記載されたように式(24)の化合物を得ることができる。式中Yがヨウ素である、式(22)の化合物を、式(22)の所望のAr基のチオール、CuI、KCOおよび1,2−エタンジオールで処理して、Org.Lett.2002,4,3517にて記載されたように、式(25)の化合物を得ることが可能である。
【0088】
【化21】

【0089】
式中Ar、XおよびArが、式(I)の化合物で定義されている式(31)の化合物を、スキーム4にて示したように調製可能である。3−キヌクリジンおよび式(30)のアミンを、酢酸中の、トリアセトキシボロヒドリドナトリウムおよびNaSOと反応させて、Tetrahedron Lett.1996,37,6045にて記載されたように、式(31)のラセミ化合物を得ることが可能である。式(31)のラセミ体を、D−酒石酸での分離によって、または当業者に周知の方法を用いて、Chiracel(登録商標)−ODクロマトグラフィーカラム上のキラルHPLCクロマトグラフィーを介して、この各々の異性体に分離し、それぞれ、式(31)の(R)−および(S)−異性体を提供可能である。
【0090】
【化22】

【0091】
式中Ar、ArおよびRが、式(I)に関して定義されている式(40)、(41)および(42)のキヌクリジンアミン誘導体を、スキーム5にて示したように調製可能である。式中Yが臭素、塩素またはヨウ素である、3−キヌクリジン(35)、および式(36)のハロアリールアミンを、酢酸中の、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドおよびNaSOと反応させて、Tetrahedron Lett.1996,37,6045にて記載されたように、式(39)のラセミ化合物を得ることが可能である。式(39)のラセミ体を、D−酒石酸での分離によって、または当業者に周知の方法を用いて、Chiracel(登録商標)−ODクロマトグラフィーカラム上のキラルHPLCクロマトグラフィーを介して、この各々の異性体に分離し、それぞれ、式(39)の(R)−および(S)−異性体を提供可能である。また、式(39)の化合物を、パラジウム触媒の存在下、好ましくはトルエン中、CsCO中の式(38)にて記載されたような、ハロ芳香族基で、3−アミノキヌクリジン(37)を処理することによって得ることが可能である。
【0092】
式中Yが臭素またはヨウ素である、式(39)の化合物を、式(8)の化合物、NMP中CuCl、TMHDおよびCsCOで処理して、Org.Lett.2002,4,1623にて記載されたような式(40)の化合物を得ることができる。式中Yが臭素またはヨウ素である、式(39)の化合物を、式(9)の所望のAr基のアミン、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、およびトルエン等の有機溶媒中、ナトリウムtert−ブトキシドで、Xantphosで処理して、Org.Lett.2002,4,3481にて記載されたように、式(41)の化合物を得ることが可能である。式中X’がヨウ素である、式(39)の化合物を、式(10)の所望のAr基のチオール、CuI、KCOおよび1,2−エタンジオールで処理して、Org.Lett.2002,4,3517にて記載されたように、式(42)の化合物を得ることが可能である。
【0093】
【化23】

【0094】
式中Ar、ArおよびRが、式(I)に関して定義されている、式(48)、(49)および(50)のキヌクリジンアミン誘導体を、スキーム6にて示したように調製可能である。式中Yが臭素、塩素またはヨウ素である、3−クロロキヌクリジンを、式中Yが臭素、塩素またはヨウ素である、式(46)のハロアリールチオと反応させて、J.Med.Chem.1999,42,1306にて記載されたように、式(47)のラセミ体化合物を提供可能である。式(47)のラセミ体を、D−酒石酸での分離によって、または当業者に周知の方法を用いて、Chiracel(登録商標)−ODクロマトグラフィーカラム上のキラルHPLCクロマトグラフィーを介して、この各々の異性体に分離し、それぞれ、式(47)の(R)−および(S)−異性体を提供可能である。
【0095】
式中Yが臭素またはヨウ素である、式(47)の化合物を、式(8)の化合物、NMP中CuCl、TMHDおよびCsCOで処理して、Org.Lett.2002,4,1623にて記載されたように式(48)の化合物を得ることができる。式中Yが臭素またはヨウ素である、式(47)の化合物を、式(9)の所望のAr基のアミン、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、およびトルエン等の有機溶媒中、ナトリウムtert−ブトキシドで、Xantphosで処理して、Org.Lett.2002,4,3481にて記載されたような、式(49)の化合物を得ることが可能である。式中Yがヨウ素である、式(47)の化合物を、式(10)の所望のAr基のチオール、CuI、KCOおよび1,2−エタンジオールで処理して、Org.Lett.2002,4,3517にて記載されたように、式(50)の化合物を得ることが可能である。
【0096】
【化24】

【0097】
式中XおよびArが、式(I)の化合物のために定義したようである、式(53)の化合物を、スキーム7で示したように調製可能である。3,6−ジクロロピリダジンを、式(51)の化合物および水酸化ナトリウムで処理し、式(52)の化合物を得ることが可能である。式(52)の化合物を、カリウムキヌクリジンオキシドと反応させて、式(53)の化合物をえる。
【0098】
【化25】

【0099】
式中ArおよびXが、式(I)にて定義したようである、一般式(56)のキヌクリジンエーテル類を、スキーム8で記載したように調製可能である。式(55)の市販されている化合物を、スキーム3で記載したような、式(21b)の化合物の、化合物(22)の化合物への変換にて使用された、条件を用いて、式(56)の化合物に変換可能である。
【0100】
【化26】

【0101】
式中Arが式(I)で定義したようである、一般式(61)の化合物を、スキーム中で記載したように調製可能である。式(60)の市販されたアミン類を、スキーム4で概説したような、式(30)の化合物の式(31)の化合物への変換に関する条件を用いて、キヌクリジンで処理して、式(60)の化合物を得ることができる。
【0102】
【化27】

【0103】
式中Ar、X、Arが式(I)にて定義されている、一般式(65)および(67)の化合物を、スキーム10にて記載したように、式(64)または(62)の化合物から得ることができる。式(62)の化合物を、スキーム1にて記載したような、式(2)の化合物の式(3)の化合物への変換のための条件を使用して、3−キヌクリジノールと反応させて、式(63)の化合物を得ることができる。また、式(63)の化合物を、スキーム1にて記載したような、式(1)の化合物の式(3)の化合物への変換のための条件を使用して、式(64a)の化合物から得ることができる。式(63)の化合物の、炭酸セシウムおよびヨウ化銅(I)等の塩基の存在下、ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルエステル等のN−保護ヒドラジンとの反応によって、式(64)の化合物が供給される。塩酸溶液またはトリフルオロ酢酸等の酸性溶液中での、式(64)の化合物の脱保護によって、式(65)の化合物が提供される。式(64)の化合物を、スルホン酸トルエンまたは塩酸等の酸の存在下で、式(66)のケトン類と反応させ、つづいてin situ環式化によって、式(67)の化合物を得ることが可能である。
【0104】
【化28】

【0105】
式(71)の化合物を、スキーム11にて記載したように、式(68)の化合物より得ることが可能である。トリフルオロ酢酸の存在下での、式(68)の化合物の、ホルムアルデヒドとの反応によって、式(69)の化合物が得られる。式(69)のジ−ヨード化合物を、スキーム1にて記載したような、式(2)の化合物の式(3)の化合物への変換のための条件を使用して、3−キヌクリジノールと反応させて、式(70)の化合物を得ることができる。パラジウム/炭素の存在下での、式(70)の化合物の水素での脱ヨウ素化によって、式(71)の化合物が得られる。
【0106】
式中AがNである、式(I)の化合物を、酸化剤での処理によって、式中AがN−Oである式(I)の化合物に変換可能である。式中GがNである式(II)の化合物を、同様の条件を用いて、式中GがN−Oである、式(II)の化合物に変換可能である。酸化剤の例には、これに限定されるものではないが、性過酸化水素溶液、m−クロロペル安息香酸が含まれる。反応は、一般的に、これに限定されるものではないが、アセトニトリル、水、ジクロロメタン、アセトンまたはこの混合液、好ましくは、アセトニトリルと水の混合液等の溶媒中、約室温から約80℃の温度にて、約1時間から約4日間で実施される。
【0107】
本発明の化合物および中間体を、有機合成の当業者に周知の方法によって単離および精製しうる。化合物を単離するおよび精製するための従来の方法には、これに限定されるものではないが、例えば、「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」、第五版(1989)、Furniss,Hannaford,Smith and Tatchell,pub.Longman Scientific & Technkical,Essex CM20 2JE,England」にて記載されたような、シリカゲル、アルミナ、またはアルキルシラン基で誘導されたシリカ等の固体支持体上のクロマトグラフィー、高温または低温での、活性化炭素で最適に前処理することによる再結晶、薄層クロマトグラフィー、種々の圧力での蒸留、真空下での昇華、粉砕が含まれる。
【0108】
本発明の化合物は、少なくとも1つの塩基性窒素を有し、これによって、本化合物は、酸と反応することで、所望の塩を形成可能である。たとえば、化合物は、室温で、または室温周辺で、酸と処理して、所望の塩を提供し、沈殿させ、冷却の後濾過によって回収可能である。反応のために好適な酸の例には、これに限定されるものではないが、酒石酸、乳酸、コハク酸ならびにマンデル酸、アトロ乳酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、炭酸、フマル酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸またはヒドロキシブチル酸、カムホルスフホン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などが含まれる。
【0109】
(本発明の組成物)
本発明はまた、医薬として許容されるの担体との組み合わせで、治療有効量の式(I)の化合物を含む、医薬組成物を提供する。組成物には、1つまたはそれ以上の非毒性の医薬として許容されるの担体と一緒に処方された、本発明の化合物が含まれる。医薬組成物は、固体または液体形態で、経口投与のために、または非経口注射のため、または直腸投与のために、処方可能である。
【0110】
本明細書で使用するところの用語「医薬として許容されるの担体(pharmaceuctially acceptable carrier)」は、任意の形態の、非毒性、不活性固形物、半固形物、または液体充填剤、希釈剤、カプセル化物質または処方を意味する。医薬として許容されるの担体として利用可能な物質の例は、ラクトース、グルコースおよびスクロース等の糖、コーンウスターチおよび馬鈴薯デンプン等のデンプン、ナトリウム カルボキシメチル セルロース、エチル セルロースおよび酢酸セルロース等のセルロースおよびこの誘導体、粉末化トラガカント、モルト、ゼラチン、タルク、ココアバターおよび座薬用ロウ、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油等の油、プロピレングリコール等のグリコール、オレイン酸エチルおよびラウリン酸油等のエステル、アガー、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝剤、アルギニン酸、発熱物質を含まない水、等張生理食塩水、リンガー溶液、エチルアルコールおよびリン酸緩衝溶液、ならびに硫酸ラウリルナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等の他の非毒性の相溶性潤滑油であり、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、香味料および香料、保存剤および抗酸化剤が、処方の当業者の判断にしたがって、組成物内に存在可能である。本発明の医薬組成物は、ヒトおよび他の哺乳動物に、経口、直腸内、非経口、嚢内、膣内、腹腔内、(粉末、軟膏または滴下によって等の)局所、バッカルまたは経口または経鼻スプレーとして投与可能である。本明細書で使用するところの用語「非経口(parenterally)」は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下、関節内注射および注入を含む、投与形態を意味する。
【0111】
非経口注射のための医薬組成物は、医薬として許容されるの無菌の水溶性または非水溶性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、および無菌注射可能な溶液または分散液に再構成するための、無菌粉末が含まれる。好適な水溶性および非水溶性の担体、希釈液、溶媒または賦形剤には、水、エタノール、ポリオール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど、およびこの好適な混合物)、(オリーブ油等の)植物油およびオレイン酸エチル等の、注射可能な有機エステル類、またはこれらの好適な混合物が含まれる。組成物の好適な流動性は、たとえば、レシチン等のコーティングの利用によって、分散液の場合、必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の利用によって、維持しうる。
【0112】
これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤等の、アジュバントを含みうる。微生物の活性の防止を、種々の抗細菌および抗真菌剤、たとえばパラベン類、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確実にすることができる。また、等張剤、たとえば、糖類、塩化ナトリウムなどを含めることも望ましい場合がある。注射可能な薬理学的形態での吸収の延長を、吸収を遅延させる試薬、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの利用によって達成可能である。
【0113】
いくつかの場合、薬物の効果を延長させるために、しばしば、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅延させることが望ましい。これは、水溶性が低い、結晶性または非結晶質物質の液状懸濁剤を利用することによって達成可能である。薬物の吸収の速度は、この分解の速度に依存し、言い換えれば、結晶の大きさおよび結晶の形態に依存しうる。また、非経口投与薬物形態を、油賦形剤中に、薬物を溶解すること、または懸濁することによって投与可能である。
【0114】
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤、たとえば、エトキシル化イソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンンソルビトールおよびソルビタンエステル類、微小結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、アガー−アガー、トラガカント、およびこれらの混合物を含む。
【0115】
所望により、より効果的な分布のために、本発明の化合物を、ポリマーマトリックス、リポソームおよびミクロスフィア等の、遅延放出、または標的化伝達系に組み込むことが出来る。これらを、たとえば、細菌−捕獲フィルターを介した濾過、または無菌の固形組成物の形態中に、使用の直前に、無菌水、または他の無菌注射用溶媒中に溶解しうる、滅菌剤を組み込むことによって、無菌化しうる。
【0116】
注射可能なデポ形態を、ポリラクチド−ポリグリコリド等の、生物分解性ポリマー類中に、薬物の微小カプセル化マトリックスを形成することによって調製する。薬物のポリマーに対する割合、および使用する特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出の速度を制御可能である。他の生物分解性ポリマー類の例には、ポリ(オルソエステル類)およびポリ(アンヒドリド類)が含まれる。デポ注射可能な処方はまた、体組織と適合可能である、リポソームまたはミクロエマルジョン中に、薬物を封入することによって調製可能でもある。
【0117】
注射可能な処方は、たとえば、細菌−捕獲フィルターを介した濾過、または無菌固形組成物の形態中に、使用の直前に、無菌水、または他の無菌で注射可能な溶媒中に溶解しうる、滅菌剤を組み込むことによって、無菌化しうる。
【0118】
注射可能な調製物、たとえば、無菌注射用水溶液、または油性懸濁液を、好適な分散または湿潤剤、および懸濁剤を用いて、公知の技術にしたがって、処方可能である。無菌で注射可能な調製物はまた、1,3−ブタネジオール中の溶液等の、非毒性の、非経口許容可能希釈液または溶媒中の、無菌注射用溶液、懸濁液またはエマルジョンの場合もありうる。使用可能な許容可能賦形剤および溶媒は、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌、固定油が、溶媒または懸濁溶液として、従来通り使用される。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリド類を含む、任意のブランド固定油を利用可能である。さらに、オレイン酸等の脂肪酸を、注射可能な調製物中で使用する。
【0119】
経口投与の場合の固形物としての投与形態には、カプセル、錠剤、ピル、粉末、顆粒が含まれる。これら固形物としての投与形態において、1つまたはそれ以上の本発明の化合物を、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の、少なくとも1つの不活性の、医薬として許容されるの担体、および/またはa)デンプン類、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびサリチル酸等の充填剤または増量剤、b)カルボキシメチルセルロース、アルギナート類、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシア等の結合剤、c)グリセロール等の保湿剤、d)アガー−アガー、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶液遅延剤、f)四級アンモニウム化合物等の、吸収促進剤、g)セチルアルコールおよびグリセロールモノステアリンサン等の湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレー等の吸収剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングルコール、硫酸ラウリルナトリウム、およびこれらの混合物等の潤滑剤と混合する。カプセル、錠剤およびピルの場合、投与形態にはまた、緩衝剤が含まれうる。
【0120】
同様の型の固形組成物をまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール類を用いて、軟および硬−充填ゼラチンカプセルとして利用しうる。
【0121】
錠剤、糖衣錠、カプセル、ピルおよび顆粒の固形物としての投与形態を、腸溶性コーティング、または医薬的処方技術分野で周知の他のコーティング等の、コーティングおよびシェルで調製可能である。これらは、任意に、乳白剤を含みえ、また活性成分(類)のみを放出する、または好ましくは、遅延様式で、腸管の特定の部分でのみ放出する、組成物でもあり得る。活性剤の遅延放出のために有用な物質の例には、重合化物質およびロウが含まれる。
【0122】
直腸または膣投与の場合の組成物は、好ましくは、ココアバター、ポリエチレングルコール、または室温では固形物であるが、体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔内で溶解し、活性化合物を放出する、座薬用ロウ等の、好適な、非刺激性担体と、本発明の化合物を混合することによって調製可能である、座薬である。
【0123】
経口投与の場合の液体での投与形態には、医薬として許容されるのエマルション、ミクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが含まれる。活性化合物に加えて、液体での投与形態は、たとえば、水または他の溶媒等の、本技術分野で一般的に利用されている不活性希釈液、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチルホルムアミド、油(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、カストリウムおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリル アルコール、ポリエチレングリコール類およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびこれらの混合物等の、可溶化剤および乳化剤を含みうる。
【0124】
不活性希釈液以外で、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味料、香味料および香料等のアジュバントを含みうる。
【0125】
本発明の化合物の局所または経皮投与の場合の形態には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが含まれる。本発明の所望の化合物は、必要に応じて、医薬として許容されるの担体、および任意の保存剤または緩衝液と、無菌条件下で混合する。眼科処方、点耳剤、眼軟膏、粉末および溶液もまた、本発明の目的の範囲内で意図される。
【0126】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物および植物脂肪、油、ロウ、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの混合物を含みうる。
【0127】
粉末およびスプレーは、本発明の活性化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミドポリマー、またはこれらの基質の混合物を含みうる、スプレーは、さらに、クロロフルオロ炭素水素等の、通例の噴霧体が含まれうる。
【0128】
本発明の化合物はまた、リポソームの形態で投与可能である。本技術分野で公知のように、リポソームは、一般的に、リン脂質または他の脂質基質から誘導される。リポソームは、水溶性培地中に分散する、単一−または多重−層状水和液体結晶によって形成される。リポソームを形成可能な、非毒性、生理学的に許容可能な、および代謝可能な液体を使用しうる。リポソーム形態中での本組成物には、本発明の化合物に加えて、安定剤、保存剤などが含まれうる。好ましい脂質は、別に、または一緒に使用する、天然および合成のリン脂質およびホスファチジルコリン類(レシチン類)である。
【0129】
リポソームを形成するための方法は、本技術分野で公知である。たとえばPrescott,Ed.,Methods in Cell Biology,Volume XIV,Academic Press,New York,N.Y.(1976),p33et seq.を参照のこと。
【0130】
本発明の化合物の局所投与の場合の形態には、粉末、スプレー、軟膏および吸入が含まれる。活性化合物は、医薬として許容されるの担体および任意の必要な保存剤、緩衝液または高圧ガスと、無菌下で混合する。眼科処方、眼軟膏、粉末および溶液もまた、本発明の目的内であると意図される。本発明の水溶性溶液組成物もまた、特に有用である。
【0131】
本発明の化合物は、無機または有機酸から由来した、医薬として許容されるの塩、エステル、またはアミドの形態で利用可能である。本明細書で使用するところの用語「医薬として許容されるの塩、エステルまたはアミド(pharmaceutically acceptable salts,esters and amides)」には、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等もなく、ヒトまたはより下級の動物の組織との接触で好適であり、相応な利益/リスク比と比例し、これらの意図する使用のために効果的である、式(I)の化合物の塩、両性イオン、エステルおよびアミドが含まれる。
【0132】
用語「医薬として許容されるの塩(pharmaceuctially acceptable salt)」には、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等もなく、ヒトまたはより下級の動物の組織との接触で好適であり、相応な利益/リスク比と相応する、式(I)の化合物の塩が含まれる。医薬として許容されるの塩は、本技術分野で周知の。塩は、本発明の化合物の最終的単離および精製の間、in situで調製可能であり、または別に、好適な有機酸との遊離塩基官能基の反応によって調製可能である。
【0133】
代表的な酸付加塩類には、これに限定されるものではないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギニン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸炎、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳塩、カンホルスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスルホン酸塩、ヘプタノン酸塩、ヘキサノン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオネート)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、オキサロ酸塩、パモ酸塩、ペルシネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアネート、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカノエートが含まれる。
【0134】
また、塩基性窒素含有基は、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチル等のハロゲン化低級アルキル、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル等の硫酸ジアルキル、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル等の長鎖ハロゲン化物、臭化ベンジルおよびフェネチル等のアリールアルキルハロゲン化物等の試薬で、四級化可能である。水または油溶性または分散性生成物がこれによって得られる。
【0135】
医薬として許容されるの酸付加塩を形成するために利用可能である酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸等の無機酸、およびオキサロ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸等の有機酸が含まれる。
【0136】
塩基性付加塩は、カルボン酸−含有部位を、医薬として許容されるの金属カチオンの水酸化物、炭酸または重炭酸等の好適な塩基と、またはアンモニアまたは有機第一級、第二級または第三級アミンと反応させることによって、本発明の化合物の最終的単離および精製の間に、in situにて調製可能である。医薬として許容されるの塩には、これに限定されるものではないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム塩等の、アルカリ金属またはアルカリ土類金属系のカチオンなど、およびアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン等のものを含む、非毒性四級アンモニアおよびアミンが含まれる。塩基付加塩の形成のために有用な他の代表的な有機アミン類には、エチレンンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジンおよびピペラジンが含まれる。
【0137】
本明細書で使用するところの用語「医薬として許容されるのエステル(pharmaceutically acceptable ester)」は、in vivoにて加水分解し、ヒト体内で簡単に分解し、親化合物またはこの塩を放出するものを含む、本発明の化合物のエステル類を意味する。本発明の医薬として許容されるの、非毒性エステル類には、C−Cアルキルエステル類、およびC−Cシクロアルキルエステル類が含まれるが、C−Cアルキルエステル類が好ましい。式(I)の化合物のエステル類は、従来の方法にしたがって調製可能である。医薬として許容されるのエステル類は、ヒドロキシ基を含む化合物の、酢酸等の酸とアルキルカルボキシル酸との、または安息香酸等の酸とアリールカルボキシル酸との反応によって、ヒドロキシ基上に添加可能である。カルボン酸基を含む化合物の場合、医薬として許容されるのエステル類は、化合物の、トリエチルアミンおよびハロゲン化アルキル、トリフィレートアルキル等の塩基との、たとえばヨウ化メチル、ヨウ化ベンジル、ヨウ化シクロペンチルとの反応によって、カルボン酸基を含む化合物から調製される。これらはまた、化合物の、塩酸等の酸、および酢酸等のアルキルカルボン酸との、または安息香酸等の酸とアリールカルボン酸との反応によって調製可能である。
【0138】
本明細書で使用するところの用語「医薬として許容されるのアミド(pharmaceuctially acceptable amide)」は、アンモニア、一級C−Cアルキルアミン類および二級C−Cジアルキルアミン類から由来した、本発明の非毒性アミド類を意味する。二級アミンの場合、アミンはまた、1つの窒素原子を含む、5−または6−員ヘテロ環の形態の場合もありうる。アンモニア由来のアミド、C−Cアルキル一級アミド、およびC−Cジアルキル二級アミドが好ましい。式(I)の化合物のアミドは、従来の方法にしたがって調製可能である。医薬として許容されるのアミド類は、アミノ基を含む化合物の、無水アルキル、無水アリール、ハロゲン化アシル、またはハロゲン化アロイルとの反応によって、一級または二級アミン基を含む化合物から調製可能である。カルボン酸基を含む化合物の場合、医薬として許容されるのエステル類は、化合物の、トリエチルアミン等の塩基、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはカルボニルジイミダゾール等の脱水剤、およびアルキルアミン、ジアルキルアミン、たとえば、メチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジンとの反応によって、カルボン酸基を含む化合物から調製される。これらはまた、化合物の、スルホン酸等の酸、および酢酸等のアルキルカルボン酸との、または分子シーブスを加えて等の、脱水条件下で、安息香酸等の酸およびアリールカルボン酸との反応によって調製可能である。組成物は、医薬として許容されるのプロドラッグの形態で、本発明の化合物を含みうる。
【0139】
本明細書で使用するところの用語「医薬として許容されるのプロドラッグ(pharmaceutically acceptable prodrug)」または「プロドラッグ(prodrug)」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等もなく、ヒトまたはより下級の動物の組織との接触に好適であり、相応な利益/リスク比と比較して、これらの意図する使用のために効果的である、本発明の化合物のプロドラッグを表している。本発明のプロドラッグは、in vivoで、たとえば血中での加水分解によって、式(I)の親化合物に簡単に変換可能である。完全な説明は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,V.14 of the A.C.S.Symposium Sries、およびEdward B.Roche,ed.,Bioreversile Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(1987)にて提供されている。
【0140】
本発明は、化学的に合成されたか、または式(I)の化合物へのin vivo生体内変換によって形成されたか、いずれかの薬理学的に活性な化合物を意図している。
【0141】
(本発明の方法)
本発明の化合物および組成物は、nAChRs、特にα7 nAChRsの効果を調節するために有用である。特に、本発明の化合物および組成物は、α7 nAChRsによって調節される疾患を治療および予防するために有用であり得る。典型的に、それらの疾患は、哺乳動物におけるα7 nAChRsを選択的に調節することによって、好ましくは、たとえば、治療レジメンの一部分として、単独で、または他の活性薬剤との組み合わせで、本発明の化合物または組成物を投与することによって緩和可能である。
【0142】
これに限定されるものではないが、実施例にて特化したもの等を含む、本発明の化合物は、nAChRsに対して、より特にα7 nAChRsに対して親和性を有する。α7 nAChRsリガンドとして、本発明の化合物は、多数のα7 nAChR−介在性疾患または状態の治療および予防のために有用であり得る。
【0143】
たとえば、α7 nAChRsは、学習、記憶および注意の側面を含む、認知機能を増強することにおいて、有意な役割を果たすことが示されてきた(Levin,E.D.,J.Neurobiol.53:633−3640,2002)。このように、α7リガンドは、たとえば、注意力欠陥障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年性認知症、AIDS認知症、ピック病、レヴィー小体関連認知症、ダウン症候群関連認知症、ならびに統合失調症関連認知障害を含む、認知疾患の治療のために好適である。
【0144】
さらに、α7−含有nAChRsは、in vitro(Jonnala,R.B.and Buccafusco,J.J.,J.Neurosci.Res.66:565−572,2001)およびin vivo(Shimohama,S.et al.,Brain Res.779:359−363,1998)両方で、ニコチンの神経保護作用に関連することが示されてきた。より特に、神経変性は、これに限定されるものではないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、Lewy体認知症、ならびに外傷性脳傷害の結果の中枢神経系機能の低下を含む、様々な進行性中枢神経系疾患を引き起こす。たとえば、アルツハイマー病に関連したβ−アミロイドペプチドによる、α7 nAChRsの機能障害が、この疾患に関連する認知障害の発達における、主要因子として明らかになってきた(Liu,Q.−S.,Kawai,H.,Berg,D.K.,PNAS 98:4734−4739,2001)。α7 nAChRsの活性化は、この神経毒性を阻害することが示されてきた(Kihara,T.et al.,J.Biol.Chem.276:13541−13546,2001)。このように、α7活性を増強する選択的リガンドが、アルツハイマー病および他の神経変性性疾患の障害を相殺する。
【0145】
統合失調症は、知覚、認知および感情の異常によって特徴づけられる複合的な疾患である。死後患者において、測定されるこれらのレセプターの減少など、明確なエビデンスによって、本疾患におけるα7 nAChRsの関与が示唆されている(Leonard,S.Eur.J.Pharmacol.393:237−242,2000)。感覚処理(ゲーティング)の障害が、統合失調症の特徴の1つである。これらの欠損は、α7 nAChRsにおいて動作する、ニコチン性リガンドによって正常化が可能である(Adler L.E.et al.,Schizophrenia Bull.24:189−202,1998、Stevens,K.E.et al.,Psychopharmacology 136:320−327,1998)。したがって、α7リガンドは、統合失調症の治療における可能性を示唆している。
【0146】
新規の血管の増殖に関連する工程である、血管新生が、傷治癒、皮膚移植の脈管新生、および循環の増強、たとえば、血管閉鎖の周辺の循環の増加等の、有益な全身性の機能において、重要である。ニコチン等の非選択的nAChRアゴニストが、血管新生を刺激することが示されてきた(Heeschen,C.et al.,Nature Medicine 7:833−839,2001)。血管新生の改善が、α7 nAChRの活性化に関与することが示されてきた(Heeschen,C.et al.,J.Clin.Invest.110:527−536,2002)。したがって、α7サブタイプに対して選択的であるnAChRリガンドが、副作用プロファイルが改善された、血管新生の刺激のための改善された効能を提供する。
【0147】
骨髄中のα7 nAChRsの集団は、ニコチン性化合物の疼痛緩和効果に関連した、セロトニン伝達を調節する(Cordero−Erausquin,M.and Changeux,J.−P.PNAS 98:2803−2807,2001)。α7 nAChRリガンドは、急性疼痛、手術後疼痛を含む疼痛状態、ならびに炎症性疼痛および神経因性疼痛を含む慢性疼痛状態の治療のための治療的効能を示す。さらに、α7 nAChRsは、炎症反応に関与する、α7リガンドの活性化が、炎症反応を引き起こすTNFおよび他のサイトカイン類の放出を阻害する、一次マクロファージの表面上に発現している(Wang,H.et al Nature 421:384−388,2003)。したがって、選択的α7リガンドは、炎症および疼痛に関与する状態を治療するための効能を示す。
【0148】
哺乳動物精子先体反応は、精子による卵子の受精において重要な、エキソサイトーシス工程である。精子細胞上のα7 nAChRの活性化は、先体反応にとって必須であることが示されてきた(Son,J.−H.and Meizel,S.Biol.Reproduct.68:1348−1353 2003)。結果として、選択的α7薬剤は、不妊症を治療するための有用性を示す。
【0149】
本発明の化合物は、特に、認知、神経変性および統合失調症に影響を与える状態または疾患を治療するため、および予防するために有用である。
【0150】
統合失調症に関連した認知障害はしばしば、患者の正常に機能することの能力を制限するが、これは一般的に利用可能な治療、たとえば、非定型抗精神病薬での治療では十分に治療されることがない(Rowley,M.et al.,J.Med.Chem.44:477−501,2001)。それらの認知障害は、ニコチン性コリン性系の不全、特に、α7レセプターの活性の減少に関連付けられた(Friedman,J.I.et al.,Biol Psychiatry,51:349−357,2002)。したがって、α7レセプターの活性物が、非定型抗精神病薬で治療されている、統合失調症患者における認知機能を増強するための、有用な治療を提供可能である。したがって、α7 nAChRリガンドおよび非定型抗精神病薬の組み合わせが、治療的有用性の改善を提供しうる。好適な非定型抗精神病約の具体的な例には、これに限定されるものではないが、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クイエタピン、ジプラシドン、ゾテピン、イロペリドンなどが含まれる。
【0151】
本発明の医薬組成物中の活性成分の、実際の投与レベルは、特定の患者に対する望まれる治療応答を達成するために、効果的である量の活性化合物(類)、組成物および投与の形態を得るために、変更可能である。選択された投与レベルは、特定の化合物の活性、投与経路、治療されている状態の重症度、治療されている患者の状態および既往歴に依存する。しかしながら、所望の治療効果を達成するために必要な量よりも、低いレベルで化合物の投与を開始すること、所望の効果が達成されるまで、用量を徐々に増加すること、が当業者の技術である。
【0152】
以上の、または他の治療にて使用する場合、治療有効量の、本発明の化合物の1つを、純粋な形態で使用可能であり、またはそれらの形態が存在する場合に、医薬として許容されるの塩、エステル、アミドまたはプロドラッグ形態で使用可能である。本発明の化合物の、用語「治療的有効量(therapeutically effective amount)」は、任意の医療処置に適用可能な妥当な利益/リスク比で、疾患を治療するために十分な量の化合物を意味する。しかしながら、本発明の化合物および組成物の1日の総投与量は、健全な医学的判断の範囲内で、当該医療従事者によって決定されるであろうことが理解されている。任意の特定の患者に対する特定の治療的に効果的な投与レベルは、治療されている疾患、疾患の重症度、使用された特定の化合物の活性、使用された特定の組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康、年齢および食事、投与時間、投与経路、および使用した特定の化合物の排出速度、治療の期間、使用した特定の化合物と組み合わせで、または一緒に使用した薬物、および医療技術分野で周知の同様の因子を含む、種々の因子に依存しうる。たとえば、所望の治療効果を達成するために必要な量よりも、低いレベルで化合物の投与を開始すること、所望の効果が達成されるまで、用量を徐々に増加すること、が当業者の技術である。
【0153】
ヒトまたは下級動物に投与される、本発明の化合物の1日の総投与量は、約0.10mg/kg体重から約1g/kg体重の範囲である。より好ましい用量は、約0.10mg/kg体重から100mg/kg体重の範囲である。所望により、効果的な一日投与量は、投与の目的のために、複数回の投与に分割可能である。結果として、単一用量組成物は、一日投与量を達成するための、量またはこの約数を含みうる。
【実施例】
【0154】
本発明の化合物および工程は、本発明の目的の例示のために意図され、この制限ではない、以下の実施例および参照実施例を参照することによって、より理解されるであろう。
【0155】
(参照実施例1)
(R)−3−キヌクリジノール
塩酸(R)−3−キヌクリジノール(アルドリッチ(Aldrich)、20g、12.2mmol)を、室温にて10分間、NaOH水溶液(20%、50mL)で処理した。ついで、CHCl/PrOH(v.10:1、3×200mL)で抽出した。抽出液をあわせ、食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。乾燥剤を濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物を白色固形物(15.5g、収率99%)として得た。
【0156】
【化29】

MS(DCI/NH):m/z128(M+H)
【0157】
(参照実施例2)
(S)−3−キヌクリジノール
(参照実施例2A)
(R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル安息香酸(L)酒石酸
1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル安息香酸(シグマ(Sigma)、17.9g、77.5mmol)を、周囲温度にて1週間、エタノール(80%、222mL)中の(L)−酒石酸(アルドリッチ(Aldrich)、99%ee,11.63g、77.5mmol)で処理した。白色固形物を濾過し、減圧下で乾燥させ、約80%のエナンチオマー過剰で、表題化合物6.5gを得た。エタノールからの再結晶によって、>98%エナンチオマー過剰が提供された。HPLC:キラルパックADカラム 25cm×4mm ID;エタノール:ヘキサン 15:85、流速 1mL/分、uv 220nm、保持時間 13.3分。MS(DCI/NH) m/z 232(M+H)
【0158】
(参照実施例2B)
(R)−キヌクリジン−3−オール
MeOH(40mL)中の参照実施例2A(4.5g、11.8mmol)の生成物を、15%水溶性NaOH(40mL)で処理し、50℃にて10時間熱した。この混合液を室温まで冷却させ、MeOHを減圧下で除去し、残留物を、クロロホルム(4×80mL)で抽出した。抽出液をあわせ、MgSO(無水)上で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮して、表題生成物を白色固形物(1.35g、収率、90%)を得た。MS(DCI/NH) m/z 128(M+H)
【0159】
(参照実施例2C)
(S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル 安息香酸(D)−酒石酸
参照実施例2Aの親液体を減圧下で濃縮し、室温にて水溶性NaOH(1N、50mL)で処理し、30分間撹拌し、クロロホルム(3×100mL)で抽出した。抽出液をあわせ、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物(15.25g、66mmol)を、室温にて、エタノール(80%、190ml)中の(D)−酒石酸(アルドリッチ(Aldrich)、97%ee、9.9g、66mmol)で処理し、3日間撹拌した。この混合液を濾過して、表題生成物を、92.3%エナンチオマー過剰で得た(7.0g、28%収率)。(HPLC:キラルパックADカラム 25cm×4mm ID;エタノール:ヘキサン 15:85、流速 1mL/分、uv 220nm、保持時間 7.87分。)
【0160】
(参照実施例2D)
(S)−キヌクリジン−3−オール
参照実施例2C(7.0g、18.4mmol)の生成物を、実施例1Bの手順にしたがって、NaOH(水溶性)で処理した。表題生成物を、白色固形物(2.0g、収率、86%)として得た。MS(DCI/NH) m/z 128(M+H)
【0161】
(実施例1)
塩酸3−(3−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
(実施例1A)
3−(3−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
テトラヒドロフラン(無水、10mL)中の3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、254mg、2mmol)を、周囲温度にて2日間、3−フェノキシフェノール(アルドリッチ(Aldrich)、186mg、1mmol)、DIAD(ジイソプロピル アザジカルボキシレート、アルドリッチ(Aldrich)、404mg、2mmol)、およびトリフェニルホスフィン(アルドリッチ(Aldrich)、522mg、2mmol)で処理した。この反応混合液を減圧下で濃縮した。残留物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.30)によって、油(250mg、収率、85%)として得た。
【0162】
【化30】

MS(DCI/NH):m/z296(M+H)
【0163】
(実施例1B)
塩酸3−(3−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
酢酸エチル(5mL)中の1Aの生成物(250mg、0.85mmol)を、1,4−ジオキサン(0.5mL、2mmol)中の4M HClで処理して、固形物(165mg、59%収率)として表題化合物を得た。
【0164】
【化31】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)。C1921NO・1.0HCl・0.3HOについての分析計算値:C,67.67;H,6.75;N,4.15。実測値:C,67.56;H,6.45;N,4.26。
【0165】
(実施例2)
塩酸3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
(実施例2A)
3−(3−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、254mg、2mmol)を、トルエン(無水、アルドリッチ(Aldrich)、10mL)中の、1−ヨード−4−フェノキシ−ベンゼン(アルドリッチ(Aldrich)、296mg、1mmol)、CuI(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、19mg、0.1mmol)、1,10−フェナントロリン(アルドリッチ(Aldrich)、36mg、0.2mmol)およびCsCO(660mg、2.0mmol)で処理し、110℃にて2日間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(2×10mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.20)によって、油(220mg、収率、75%)として得た。
【0166】
【化32】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)
【0167】
(実施例2B)
塩酸3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
酢酸エチル(5mL)中の2Aの生成物(220mg、0.75mmol)を、1,4−ジオキサン(0.5mL、2mmol)中の4M HClで処理して、固形物(171mg、69%収率)として表題化合物を得た。
【0168】
【化33】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)。C1921NO・1.0HClについての分析計算値:C,68.77;H,6.68;N,4.22。実測値:C,68.56;H,6.45;N,4.26。
【0169】
(実施例3)
塩酸(R)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
(実施例3A)
(R)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
3−(R)−ヒドロキシ−キヌクリジン(参照実施例1の生成物、152mg、1.2mmol)を、実施例3Aの手順にしたがって、1−ヨード−4−フェノキシ−ベンゼン(178mg、0.6mmol)と合わせた。表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.20)によって、油(25mg、収率、14%)として得た。
【0170】
【化34】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)
【0171】
(実施例3B)
塩酸(R)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
酢酸エチル(4mL)中の実施例3Aの生成物(20mg、0.07mmol)を、1,4−ジオキサン(0.5mL)中の4M HClで処理し、表題化合物を固形物(20mg、収率、90%)として得た。
【0172】
【化35】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)。C1921NO・1.0HCl・0.4HOについての分析計算値:C,67.31;H,6.78;N,4.13。実測値:C,67.03;H,6.41;N,3.93。
【0173】
(実施例4)
塩酸(S)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
(実施例4A)
(S)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
3−(R)−ヒドロキシ−キヌクリジン(参照実施例1の生成物、152mg、1.2mmol)を、実施例3Aの手順にしたがって、1−ヨード−4−フェノキシ−ベンゼン(178mg、0.6mmol)と合わせた。表題化合物を得た。(80mg、収率、45.2%)。
【0174】
【化36】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)
【0175】
(実施例4B)
塩酸(S)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン
酢酸エチル(4mL)中の実施例4Aの生成物(80mg、0.27mmol)を、1,4−ジオキサン(0.5mL)中の4M HClで処理し、表題化合物を固形物(57mg、収率、63%)として得た。
【0176】
【化37】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)。C1921NO・1.0HClについての分析計算値:C,68.77;H,6.68;N,4.22。実測値:C,68.50;H,6.69;N,4.12。
【0177】
(実施例5)
塩酸3−{4−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェノキシ}キヌクリジン
(実施例5A)
3−{4−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェノキシ}キヌクリジン
3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、254mg、2mmol)を、実施例1Aの手順にしたがって、4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−フェノール(アルドリッチ(Aldrich)、255mg、1mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.50)によって、油(180mg、収率、49%)として得た。
【0178】
【化38】

MS(DCI/NH)m/z364(M+H)
【0179】
(実施例5B)
塩酸3−{4−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェノキシ}キヌクリジン
酢酸エチル(5mL)中の5Aの生成物(180mg、0.49mmol)を、1,4−ジオキサン(0.5mL、2mmol)中の4M HClで処理し、表題化合物を固形物(110mg、収率、56%)として得た。
【0180】
【化39】

MS(DCI/NH)m/z364(M+H)。C2020NO・1.0HCl・0.5HOについての分析計算値:C,58.76;H,5.42;N,3.43。実測値:C,58.54;H,5.32;N,3.35。
【0181】
(実施例6)
塩酸3−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ]キヌクリジン
(実施例6A)
3−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ]キヌクリジン
3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、254mg、2mmol)を、実施例1Aの手順にしたがって、4−(4−フルオロ−フェノキシ)−フェノキシ(アルドリッチ(Aldrich)、205mg、1mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.45)によって、油(230mg、収率、73%)として精製した。
【0182】
【化40】

MS(DCI/NH)m/z314(M+H)
【0183】
(実施例6B)
塩酸3−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ]キヌクリジン
酢酸エチル(5mL)中の6Aの生成物(230mg、0.73mmol)を、1,4−ジオキサン(0.5mL、2mmol)中の4M HClで処理し、表題化合物を固形物(106mg、収率、42%)として得た。
【0184】
【化41】

MS(DCI/NH)m/z314(M+H)。C1920FNO・1.0HClについての分析計算値:C,65.23;H,6.05;N,4.00。実測値:C,64.96;H,6.17;N,3.96。
【0185】
(実施例7)
塩酸4−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェノキシ]フェノール
(実施例7A)
4−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェノキシ]フェノール
3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、254mg、2mmol)を、実施例1Aの手順にしたがって、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(TCI、202mg、1mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.2)によって、油(210mg、収率、68%)として精製した。
【0186】
【化42】

MS(DCI/NH)m/z312(M+H)
【0187】
(実施例7B)
塩酸4−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェノキシ]フェノール
酢酸エチル(5mL)中の7Aの生成物(210mg、0.68mmol)を、1,4−ジオキサン(0.5mL、2mmol)中の4M HClで処理し、表題化合物を固形物(140mg、収率、59%)として得た。
【0188】
【化43】

MS(DCI/NH)m/z312(M+H)。C1921NO・1.0HClについての分析計算値:C,65.61;H,6.37;N,4.03。実測値:C,65.31;H,6.32;N,3.86。
【0189】
(実施例8)
4,4’−ジ(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−ジフェニルエーテルビス(塩酸)
3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、254mg、2mmol)を、実施例7Aの手順にしたがって、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(TCI、202mg、1mmol)で処理した。表題化合物の遊離塩基を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.4)によって、油(60mg、収率、7%)として精製した。ついでこれを、室温にて1時間、EtOAc(5mL)中のHCl(アルドリッチ(Aldrich)、ジオキサン中4M、0.25mL、1mmol)で処理して、表題化合物を固形物(40mg、収率、59%)として得た。
【0190】
【化44】

MS(DCI/NH)m/z421(M+H)
【0191】
(実施例9)
フマル酸4−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェノキシ}フェノール
(実施例9A)
4−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェノキシ}フェノール
3−(S)−ヒドロキシ−キヌクリジン(参照実施例2Dの生成物、127mg、1mmol)を、実施例1Aの手順にしたがって、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(TCI、202mg、1mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.2)によって、油(48g、収率、15%)として精製した。
【0192】
【化45】

MS(DCI/NH)m/z312(M+H)
【0193】
(実施例9B)
フマル酸4−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェノキシ}フェノール
酢酸エチル:MeOH(3mL、10:1)中の実施例9Aの生成物(48mg、0.15mmol)を、室温にてフマル酸(アルドリッチ(Aldrich)、17.4mg、0.15mmol)で処理し、一晩撹拌し、表題化合物を固形物として得た(34mg、収率、62%)。
【0194】
【化46】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)。C1921NO・0.5C・0.35HOについての分析計算値:C,67.13;H,6.36;N,3.73。実測値:C,67.04;H,6.46;N,3.75。
【0195】
(実施例10)
塩酸4−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]チオ}フェノール
(実施例10A)
4−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]チオ}フェノール
3−ヒドロキシ−キヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、254mg、2mmol)を、実施例1Aの手順にしたがって、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(TCI、218mg、1mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.2)によって、油(280mg、収率、86%)として精製した。
【0196】
【化47】

MS(DCI/NH)m/z328(M+H)
【0197】
(実施例10B)
塩酸4−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]チオ}フェノール
酢酸エチル(5mL)中の10Aの生成物(200mg、0.61mmol)を、1,4−ジオキサン(0.5mL、2mmol)中の4M HClで処理し、表題化合物を固形物(140mg、収率、63%)として得た。
【0198】
【化48】

MS(DCI/NH)m/z328(M+H)。C1921NO・1.0HCl・0.8HOについての分析計算値:C,60.32;H,6.29;N,3.70。実測値:C,60.34;H,6.06;N,3.32。
【0199】
(実施例11)
フマル酸4−({4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェノキシ}チオ)フェノール
(実施例11A)
4−({4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェノキシ}チオ)フェノール
3−(S)−ヒドロキシ−キヌクリジン(参照実施例2Dの生成物、127mg、1mmol)を、実施例1Aの手順にしたがって、4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル(TCI、202mg、1mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.2)によって、油(38mg、収率、12%)として精製した。
【0200】
【化49】

MS(DCI/NH)m/z328(M+H)
【0201】
(実施例11B)
フマル酸4−({4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェノキシ}チオ)フェノール
酢酸エチル:MeOH(5mL、10:1)中の実施例11Aの生成物(38mg、0.12mmol)を、室温にて一晩、フマル酸17.4mg(0.15mmol)で処理した。表題化合物を固形物として得た(30mg、収率、66%)。
【0202】
【化50】

MS(DCI/NH)m/z328(M+H)。C1921NOS・0.5C・0.4HOについての分析計算値:C,64.23;H,6.11;N,3.57。実測値:C,64.14;H,5.83;N,3.49。
【0203】
(実施例12)
4,4’−ジ[(3R)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]−ジフェニル チオエーテル トリ(塩酸)
(実施例12A)
4,4’−ジ[(3R)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]−ジフェニル チオエーテル
3−(S)−ヒドロキシ−キヌクリジン(参照実施例2Dの生成物、508mg、4.0mmol)を、実施例11Aの手順にしたがって、4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル(TCI、872mg、4.0mmol)で処理した。表題化合物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH(v.2% NH:HO)、90/10、10%、Rf=0.08)を介して精製した(110mg、収率、6%)。
【0204】
【化51】

MS(DCI/NH)m/z437(M+H)
【0205】
(実施例12B)
4,4’−ジ[(3R)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]−ジフェニル チオエーテル トリ(塩酸)
実施例12Aの生成物(110mg、0.25mmol)を、周囲温度にて16時間、EtOAc(5mL)中のHCl(アルドリッチ(Aldrich)、ジオキサン中4M、0.5mL、2mmol)で処理して、表題化合物(53.3mg、39%)を得た。
【0206】
【化52】

MS(DCI/NH)m/z437(M+H)。C2632S・3.0HClについての分析計算値:C,57.20;H,6.46;N,5.13。実測値:C,57.35;H,6.42;N,4.97。
【0207】
(実施例13)
フマル酸3−{4−[(4−イソプロポキシフェニル)チオ]フェノキシ}キヌクリジン
(実施例13A)
3−{4−[(4−イソプロポキシフェニル)チオ]フェノキシ}キヌクリジン
実施例10Aの生成物(80mg、0.24mmol)を、実施例1Aの手順にしたがって、イソプロピルアルコール(60mg、1mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.5)によって、油(80mg、収率、90%)として精製した。
【0208】
【化53】

MS(DCI/NH)m/z370(M+H)
【0209】
(実施例13B)
フマル酸3−{4−[(4−イソプロポキシフェニル)チオ]フェノキシ}キヌクリジン
酢酸エチル:MeOH(5mL、10:1)中の実施例13Aの生成物(74mg、0.2mmol)を、フマル酸(アルドリッチ(Aldrich)、21mg、0.2mmol)で処理した。表題化合物を固形物として得た(90mg、収率、95%)。
【0210】
【化54】

MS(DCI/NH)m/z70(M+H)。C2227NOS・1.05C・0.4HOについての分析計算値:C,63.37;H,6.50;N,2.84。実測値:C,63.57;H,6.20;N,2.80。
【0211】
(実施例14)
塩酸3−[4−(ピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン
(実施例14A)
3−(4−ヨードフェノキシ)キヌクリジン
トルエン(無水、アルドリッチ(Aldrich)、50mL)中の3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、2.54g、20mmol)を、1,4−ジヨードベンゼン(アルドリッチ(Aldrich)、7.9g、24mmol)、CuI(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、0.38g、2mmol)、1,10−フェナントロリン(アルドリッチ(Aldrich)、0.72g、4mmol)、およびCsCO(アルドリッチ(Aldrich)、8.15g、25mmol)で処理し、110℃にて40時間熱した。ついでこの反応混合液を室温まで冷却し、クロロホルム(100mL)で希釈し、水(2×10mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.20)によって、油(3.7g、収率、56%)として精製した。
【0212】
【化55】

MS(DCI/NH)m/z330(M+H)
【0213】
(実施例14B)
塩酸3−(4−ヨードフェノキシ)キヌクリジン
酢酸エチル(50mL)中の実施例14Aの生成物(3.7g、11.2mmol)を、1,4−ジオキサンン(5mL、20mmol)中の4M HClで処理した。表題化合物を固形物(4.0g、収率、98%)として得た。
【0214】
【化56】

MS(DCI/NH)m/z330(M+H)。C1316INO・1.0HClについての分析計算値:C,42.70;H,4.69;N,3.83。実測値:C,42.72;H,4.61;N,3.65。
【0215】
(実施例14C)
塩酸3−[4−(ピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン
N−メチルピロリジン−2−オン(2mL)中の実施例14Bの生成物(364mg、1.0mmol)を、3−ヒドロキシピリジン(アルドリッチ(Aldrich)、190mg、2.0mmol)、CuCl(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、45g、0.5mmol)、2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタン−3,5−ジオン(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、37mg、0.2mmol)、CsCO(アルドリッチ(Aldrich)、650mg、2mmol)で処理し、160℃にて6時間熱した。この混合液を、室温まで冷却し、CHCl(5mL)で希釈し、濾過し、濾液をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.20)によって精製して、表題化合物を油(230mg、収率、78%)として得た。酢酸エチル(5mL)中の表題化合物を、1,4−ジオキサンン(0.5mL、2mmol)中の4M HClで処理し、二塩素酸を固形物(210mg、収率、74%)として得た。
【0216】
【化57】

MS(DCI/NH)m/z297(M+H)。C1820・2.0HClについての分析計算値:C,58.54;H,6.00;N,7.59。実測値:C,58.18;H,6.13;N,7.31。
【0217】
(実施例15)
塩酸3−[4−(チエン−3−イルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン
(実施例15A)
3−[4−(ベンジルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン
3−ヒドロキシ キヌクリジン(アルドリッチ、2.54g、20mmol)を、実施例14Aの手順にしたがって、1−ベンジルオキシ−4−ヨード−ベンゼン(アルドリッチ(Aldrich)、3.10g、10mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.40)によって、油(1.30g、収率、42%)として精製した。
【0218】
【化58】

MS(DCI/NH)m/z310(M+H)
【0219】
(実施例15B)
塩酸3−[4−(ベンジルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン
酢酸エチル(5mL)中の実施例15Aの生成物(100mg、0.32mmol)を、1,4−ジオキサンン(0.5mL、2.0mmol)中の4M HClで処理した。表題化合物を、固形物(80mg、収率、72%)として得た。
【0220】
【化59】

MS(DCI/NH)m/z310(M+H)。C2023NO・1.4HCl・0.8HOについての分析計算値:C,64.08;H,6.99;N,3.74。実測値:C,64.14;H,6.52;N,3.86。
【0221】
(実施例15C)
4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェノール
エタノール(20mL)中の実施例15Aの生成物(1.20g、3.9mmol)を、室温にて10時間、H下で、Pd/C(アルドリッチ(Aldrich)、10% wt.、0.2g)で処理した。混合液を、珪藻土の短いカラムを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物を、無色油(0.72、収率、84%)として得た。
【0222】
【化60】

MS(DCI/NH)m/z220(M+H)
【0223】
(実施例15D)
塩酸4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェノール
酢酸エチル(4mL)中の実施例15Cの生成物(66mg、0.3mmol)を、1,4−ジオキサンン中、4M HCl(0.2mL、0.8mmol)で処理した。表題化合物を固形物(80mg、収率、92%)として得た。
【0224】
【化61】

MS(DCI/NH)m/z220(M+H)。C1317NO・1.0HCl・0.1HOについての分析計算値:C,60.63;H,7.12;N,5.44。実測値:C,60.66;H,7.10;N,5.28。
【0225】
(実施例15E)
3−[4−(チエン−3−イルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン
N−メチルピロリジン−2−オン(2mL)中の実施例15Cの生成物(110mg、0.5mmol)を、実施例14Cの手順にしたがって、3−ヨードチオフェン(アルドリッチ(Aldrich)、209mg、1mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.30)によって、油(40mg、収率、26%)として得た。
【0226】
【化62】

MS(DCI/NH)m/z302(M+H)
【0227】
(実施例15F)
塩酸3−[4−(チエン−3−イルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン
酢酸エチル(4mL)中の実施例15Eの生成物(40mg、0.13mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.2mL、0.8mmol)で処理した。表題化合物を、固形物(26mg、収率、59%)として得た。
【0228】
【化63】

MS(DCI/NH)m/z302(M+H)。C1719NOS・1.0HCl・0.5HOについての分析計算値:C,58.86;H,6.10;N,4.04。実測値:C,59.08;H,5.88;N,4.06。
【0229】
(実施例16)
3−{4−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]フェノキシ}キヌクリジン トリフルオロ酢酸
(実施例16A)
3−{4−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]フェノキシ}キヌクリジン
テトラヒドロフラン(5mL)中の実施例15Cの生成物(110m、0.5mmol)を、室温にて5分間、カリウムtert−ブトキシド(アルドリッチ(Aldrich)、THF中1M、0.6mL、0.6mmol)で処理し、つづいて、5−ブロモ−2−ヨード−ピリミジン(アルドリッチ(Aldrich)、142mg、0.5mmol)を添加し、60℃にて10時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、食塩水(2×5mL)で洗浄した。有機相を減圧下で濃縮し、表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.40)によって、油(100mg、収率、53%)として得た。
【0230】
【化64】

MS(DCI/NH)m/z376(M+H),378(M+H)
【0231】
(実施例16B)
3−{4−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]フェノキシ}キヌクリジン トリフルオロ酢酸
酢酸エチル(4mL)中の実施例16Aの生成物(100mg、0.26mmol)を、トリフルオロ酢酸(113mg、1mmol)で処理した。表題化合物を固形物(100mg、収率、64%)として得た。
【0232】
【化65】

MS(DCI/NH)m/z376(M+H),378(M+H)。C1718BrN・2.0CFCOH・2.0HOについての分析計算値:C,39.39;H,3.78;N,6.56。実測値:C,39.19;H,3.78;N,6.83。
【0233】
(実施例17)
塩化N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−フェニルアミン
(実施例17A)
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−フェニルアミン
トルエン(10mL)中の実施例14Bの生成物(370mg、1.0mmol)を、アニリン(アルドリッチ(Aldrich)、140mg、1.5mmol)、Pd(dba)(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、18.3mg、0.02mmol)、塩化1,3−ビス(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)イミダゾリウム、95%、26.9mg、0.06mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(アルドリッチ(Aldrich)、144mg、1.5mmol)で処理し、110℃にて15時間熱した。反応混合液を、酢酸エチル(20mL)で希釈し、食塩水(2×5mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.20)によって、油(160mg、収率、53%)として精製した。
【0234】
【化66】

MS(DCI/NH)m/z295(M+H)
【0235】
(実施例17B)
塩化N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−フェニルアミン
酢酸エチル(5mL)中の実施例17Aの生成物(160mg、0.53mmol)を、1,4−ジオキサン中4M HCl(0.5mL、2mmol)で処理した。表題化合物を、固形物として得た(150mg、収率、64%)。
【0236】
【化67】

MS(DCI/NH)m/z295(M+H)。C1922O・2.0HCl・0.4HOについての分析計算値:C,67.50;H,7.10;N,8.29。実測値:C,67.34;H,6.82;N,8.03。
【0237】
(実施例18)
塩酸N−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェニル}−N−フェニルアミン
(実施例18A)
(3R)−3−(4−ヨードフェノキシ)キヌクリジン
3−(R)−ヒドロキシキヌクリジン(参照実施例1の生成物、0.64g、5.0mmol)を、実施例14Aの手順にしたがって、1,4−ジヨードベンゼン(1.98g、6.0mmol)で処理した。表題化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.30)によって、固形物(0.50g、収率、15%)として精製した。
【0238】
【化68】

MS(DCI/NH)m/z330(M+H)
【0239】
(実施例18B)
N−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェニル}−N−フェニルアミン
実施例18Aの生成物(270mg、0.82mmol)を、実施例17Aの手順にしたがって、アニリン(アルドリッチ(Aldrich)、114mg、1.23mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.20)によって、油(130mg、収率、54%)として精製した。
【0240】
【化69】

MS(DCI/NH)m/z295(M+H)
【0241】
(実施例18C)
塩酸N−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェニル}−N−フェニルアミン
酢酸エチル(5mL)中の実施例18Bの生成物(130mg、0.44mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL、2mmol)で処理した。表題化合物を、固形物(70mg、収率、48%)として得た。
【0242】
【化70】

MS(DCI/NH)m/z295(M+H)。C1922O・2.0HCl・0.8HOについての分析計算値:C,59.78;H,6.76;N,7.34。実測値:C,59.93;H,6.44;N,6.85。
【0243】
(実施例19)
二塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ピリジン−3−アミン
(実施例19A)
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ピリジン−3−アミン
実施例14Bの生成物(200mg、0.55mmol)を、実施例17Aの手順にしたがって、3−アミノピリジン(アルドリッチ(Aldrich)、78mg、0.83mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.10)によって、油(110mg、収率、68%)として精製した。
【0244】
【化71】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)
【0245】
(実施例19B)
二塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ピリジン−3−アミン
酢酸エチル(5mL)中の実施例19Bの生成物(110mg、0.37mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL、2mmol)で処理した。表題化合物を、固形物(130mg、収率、96%)として得た。
【0246】
【化72】

MS(DCI/NH)m/z296(M+H)。C1821O・2.0HCl・1.1HOについての分析計算値:C,55.70;H,6.54;N,10.83。実測値:C,55.55;H,6.28;N,11.09。
【0247】
(実施例20)
塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ベンズアミド
(実施例20A)
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ベンズアミド
1,4−ジオキサン(アルドリッチ(Aldrich)、無水、10mL)中の実施例14Bの生成物(260mg、0.70mmoL)を、ベンズアミド(アルドリッチ(Aldrich)、78mg、0.83mmol)、Pd(dba)(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、12.8mg、0.014mmol)、Xantphos(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、24.3mg、0.042mmol)、CsCO(アルドリッチ(Aldrich)、456mg、1.4mmol)で処理し、80℃にて20時間熱した。この混合液を室温まで冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、食塩水(2×5mL)で洗浄した。有機相を減圧下で濃縮し、表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.30)によって、油(170mg、収率、76%)として精製した。
【0248】
【化73】

MS(DCI/NH)m/z323(M+H)
【0249】
(実施例20B)
塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ベンズアミド
酢酸エチル(5mL)中の実施例20Bの生成物(170mg、0.53mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL、2mmol)で処理した。表題化合物を、固形物(110mg、収率、58%)として得た。
【0250】
【化74】

MS(DCI/NH)m/z323(M+H)。C2022・1.0HClについての分析計算値:C,66.94;H,6.46;N,7.81。実測値:C,66.73;H,6.59;N,7.64。
【0251】
(実施例21)
フマル酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−シクロヘキシルアミン
(実施例21A)
3−(4−ブロモフェノキシ)キヌクリジン
3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、1.27g、10mmol)を、実施例14Aの手順にしたがって、4−ブロモ−ヨードベンゼン(アルドリッチ(Aldrich)、2.82g、10mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.20)によって、油(0.85g、収率、30%)として精製した。
【0252】
【化75】

MS(DCI/NH)m/z282(M+H),284(M+H)
【0253】
(実施例21B)
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−シクロヘキシルアミン
実施例21Aの生成物(281mg、1.0mmol)を、実施例17Aの手順にしたがって、シクロヘキシルアミン(アルドリッチ(Aldrich)、150mg、1.5mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.10)によって、油(130mg、収率、43%)として精製した。
【0254】
【化76】

MS(DCI/NH)m/z301(M+H)
【0255】
(実施例21C)
フマル酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−シクロヘキシルアミン
EtOAc/MeOH(v.10/1 1,5mL)中の実施例21Bの生成物(130mg、0.43mmol)を、室温にて一晩、フマル酸(50mg、0.43mmol)で処理した。表題化合物を、固形物として得た(121mg、収率、75%)。
【0256】
【化77】

MS(DCI/NH)m/z301(M+H)。C1928O・0.6Cについての分析計算値:C,69.45;H,8.28;N,7.57。実測値:C,69.53;H,8.48;N,7.47。
【0257】
(実施例22)
フマル酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ジチエン−3−イルアミン
(実施例22A)
3−(4−ニトロフェノキシ)キヌクリジン
3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、2.54g、10mmol)を、実施例14Aの手順にしたがって、1−ヨード−4−ニトロ−ベンゼン(5g、20mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.20)によって精製した(1.02g、収率、21%)。
【0258】
【化78】

MS(DCI/NH)m/z249(M+H)
【0259】
(実施例22B)
4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)アニリン
MeOH(25mL)中の実施例22Aの生成物(1.02g、4.1mmol)を、室温にて1.5時間、H下で、Pd/C(アルドリッチ(Aldrich)、10%、150mg)で処理した。この混合液を、珪藻土の短いカラムを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物を得た(0.92g、収率、100%)。
【0260】
【化79】

MS(DCI/NH)m/z219(M+H)
【0261】
(実施例22C)
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ジチエン−3−イルアミン
トルエン(5mL)中の実施例22Bの生成物(219mg、1.0mmol)を、3−ブロモチオフェン(アルドリッチ(Aldrich)、178mg、1.1mmol)、Pd(dba)(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、24mg、0.025mmol)、(BuP)Pd(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、26mg、0.05mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(アルドリッチ(Aldrich)、105mg、1.1mmol)で処理し、N下、110℃にて15時間熱した。この反応混合液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(2×5mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、表題化合物をプレパラティブHPLC(ギブソン(Gibson)、カラム、Symmetry(登録商標)C−8 7μm、40×100mm、溶媒、アセトニトリル/HO(0.2%v.TFA)(v.90/10から10/90 20分にわたり)、流速、75mL/分、uv、250nM)によって、油(102mg、収率、27%)として精製した。
【0262】
【化80】

MS(DCI/NH)m/z383(M+H)
【0263】
(実施例22D)
フマル酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ジチエン−3−イルアミン
酢酸エチル:MeOH(5mL、10:1)中、実施例22Cの生成物(102mg、0.27mmol)を、室温にて一晩、フマル酸(35mg、0.30mmol)によって処理した。表題化合物を、固形物(125mg、収率、89%)として得た。
【0264】
【化81】

MS(DCI/NH)m/z383(M+H)。C2122SO・1.25Cについての分析計算値:C,59.19;H,5.16;N,5.31。実測値:C,59.14;H,4.91;N,5.25。
【0265】
(実施例23)
二塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−1,3−チアゾール−2−イル−1,3−チアゾール−2−アミン
(実施例23A)
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−1,3−チアゾール−2−イル−1,3−チアゾール−2−アミン
実施例22Bの生成物(219mg、1.0mmol)を、実施例22Cの手順にしたがって、2−ブロモチアゾール(アルドリッチ(Aldrich)、179mg、1.1mmol)で処理した。表題化合物を、プレパラティブHPLCによって、油として精製した(42mg、収率、11%)。
【0266】
【化82】

MS(DCI/NH)m/z385(M+H)
【0267】
(実施例23B)
二塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−1,3−チアゾール−2−イル−1,3−チアゾール−2−アミン
酢酸エチル(3mL)中の実施例23Aの生成物(42mg、0.11mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.2mL、0.8mmol)で周囲温度で10時間処理した。表題化合物を、固形物(22mg、収率、40%)として得た。
【0268】
【化83】

MS(DCI/NH)m/z385(M+H)。C1920OS・2HCl・2HOについての分析計算値:C,46.25;H,5.31;N,11.35。実測値:C,46.41;H,5.06;N,11.09。
【0269】
(実施例24)
塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ビス(1−ベンゾチエン−3−イル)アミン
(実施例24A)
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ビス(1−ベンゾチエン−3−イル)アミン
実施例22Bの生成物(219mg、1.0mmol)を、実施例21Cの手順にしたがって、3−ブロモ−1−ベンゾチオフェン(アルドリッチ(Aldrich)、233mg、1.1mmol)で処理した。表題化合物を、プレパラティブHPLCによって、油(70mg、収率、14%)として精製した。
【0270】
【化84】

MS(DCI/NH)m/z483(M+H)
【0271】
(実施例24B)
塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ビス(1−ベンゾチエン−3−イル)アミン
酢酸エチル(3mL)中の実施例24Aの生成物(70mg、0.14mmol)を、室温にて10時間、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.2mL、0.8mmol)で処理した。表題化合物を固形物(42mg、収率、53%)として得た。
【0272】
【化85】

MS(DCI/NH)m/z483(M+H)。C2926OS・HCl・1.5HOについての分析計算値:C,63.78;H,5.54;N,5.13。実測値:C,63.76;H,5.65;N,4.84。
【0273】
(実施例25)
塩酸1−(5−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]アミノ}チエン−2−イル)エタノン
(実施例25A)
1−(5−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]アミノ}チエン−2−イル)エタノン
実施例22Bの生成物(219mg、1.0mmol)を、実施例22Cの手順にしたがって、1−(5−ブロモチエン−2−イル)エタノン(アルドリッチ(Aldrich)、227mg、1.1mmol)で処理した。表題化合物を、プレパラティブHPLCによって、油(40mg、収率、12%)として得た。
【0274】
【化86】

MS(DCI/NH)m/z343(M+H)
【0275】
(実施例25B)
塩酸1−(5−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]アミノ}チエン−2−イル)エタノン
実施例25Aの生成物(40mg、0.12mmol)を、室温にて10時間、酢酸エチル(3mL)中のHCl(アルドリッチ(Aldrich)、ジオキサン中、4M、0.2mL、0.8mmol)で処理した。表題化合物を、固形物(37mg、収率、64%)として得た。
【0276】
【化87】

MS(DCI/NH)m/z343(M+H)
【0277】
(実施例26)
塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−(4−メチルチエン−3−イル)アミン
(実施例26A)
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−(4−メチルチエン−3−イル)アミン
実施例22Bの生成物(219mg、1.0mmol)を、実施例22Cの手順にしたがって、3−ブロモ−4−メチルチオフェン(アルドリッチ(Aldrich)、196mg、1.1mmol)で処理した。表題化合物を、プレパラティブHPLCによって、油として得た(180mg、収率、57%)。
【0278】
【化88】

MS(DCI/NH)m/z315(M+H)
【0279】
(実施例26B)
塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−(4−メチルチエン−3−イル)アミン
酢酸エチル(5mL)中の実施例26Aの生成物(198mg、0.57mmol)を、室温にて10時間、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL、2mmol)で処理した。表題化合物を、固形物(155mg、収率、77%)として得た。
【0280】
【化89】

MS(DCI/NH)m/z315(M+H)。C1822OS・1.05HClについての分析計算値:C,61.29;H,6.59;N,7.94。実測値:C,61.25;H,6.50;N,7.82。
【0281】
(実施例27)
塩酸3−[(6−フェノキシピリダジン−3−イル)オキシ]キヌクリジン
(実施例27A)
3−クロロ−6−フェノキシピリダジン
NaOH(10%、20mL)中の3,6−ジクロロピリダジン(アルドリッチ(Aldrich)、4.47g、30mmol)を、100℃にて15時間、フェノール(アルドリッチ(Aldrich)、1.88g、20mmol)で処理し、この混合液を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。抽出液をあわせ、減圧下で濃縮した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:酢酸エチル=80:20、R.0.5)によって、固形物(3.8g、収率、92%)として精製した。
【0282】
【化90】

MS(DCI/NH)m/z207(M+H),209(M+H)
【0283】
(実施例27B)
3,6−ジフェノキシピリダジン
テトラヒドロフラン(50mL)中のフェノール(アルドリッチ(Aldrich)、1.88g、20mmol)を、室温にて10分間、カリウムtert−ブトキシド(アルドリッチ(Aldrich)、2.24g、20mmol)で処理した。ついで、実施例27Aの生成物(3.0g、14.5mmol)を加え、反応混合液を、60℃にて10時間撹拌した。この混合液を室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、食塩水(2×10mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、表題化合物を固形物として得た(3.2g、収率、84%)。
【0284】
【化91】

MS(DCI/NH)m/z265(M+H)
【0285】
(実施例27C)
3−[(6−フェノキシピリダジン−3−イル)オキシ]キヌクリジン
テトラヒドロフラン中の3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、160mg、1.25mmol)を、室温にて10時間、カリウムtert−ブトキシ(112mg、1.0mmol)で処理した。実施例27Bの生成物(528mg、2mmol)を加えた。この混合液を、室温にて6時間、撹拌した。混合液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、食塩水(2×5mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.20)によって、油(120mg、収率、45%)として精製した。
【0286】
【化92】

MS(DCI/NH)m/z265(M+H)
【0287】
(実施例27D)
塩酸3−[(6−フェノキシピリダジン−3−イル)オキシ]キヌクリジン
酢酸エチル(5mL)中の実施例27Cの生成物(120mg、0.45mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL、2mmol)で処理した。表題化合物を、固形物(120mg、収率、80%)として得た。
【0288】
【化93】

MS(DCI/NH)m/z265(M+H)。C2022S・2.0HClについての分析計算値:C,55.14;H,5.72;N,11.35。実測値:C,55.03;H,5.59;N,11.64。
【0289】
(実施例28)
塩酸3−[(5−フェノキシピリジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン
(実施例28A)
3−[(5−フェノキシピリジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン
DMF(無水、30mL)中の3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、3.2g、25mmol)を、室温にて1時間、NaH(アルドリッチ(Aldrich)、99%、1.2g、50mmol)で処理した。2−クロロ−5−ブロモピリジン(7.1g、30mmol)を加え、この混合液を100℃にて6時間、撹拌した。混合液を室温まで冷却し、NaCO(2M、1mL)にて、10℃で処理し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。抽出液をあわせ、減圧下で濃縮した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.20)によって、油(5.3g、収率、75%)として精製した。
【0290】
【化94】

MS(DCI/NH)m/z283(M+H),285(M+H)
【0291】
(実施例28A)
3−[(5−フェノキシピリジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン
実施例28Aの生成物(283mg、1mmol)を、実施例14Cの手順にしたがって、フェノール(アルドリッチ(Aldrich)、188mg、2mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.10)によって、油(210mg、収率、71%)として精製した。
【0292】
【化95】

MS(DCI/NH)m/z297(M+H)
【0293】
(実施例28C)
塩酸3−[(5−フェノキシピリジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン
酢酸エチル(5mL)中の実施例28Bの生成物(210mg、0.71mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL、2mmol)で処理した。表題化合物を、固形物(120mg、収率、80%)として得た。
【0294】
【化96】

MS(DCI/NH)m/z297(M+H)。C2020・1.0HCl・0.3HOについての分析計算値:C,63.92;H,6.44;N,8.28。実測値:C,63.97;H,6.49;N,8.17。
【0295】
(実施例29)
フマル酸3−[(5−フェノキシピリミジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン
(実施例29A)
3−[(5−フェノキシピリミジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン
テトラヒドロフラン中の3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、254mg、2mmol)を、室温にて1時間、カリウムtert−ブトキシ(アルドリッチ(Aldrich)、224mg、2mmol)で処理した。この混合液を、2−ヨード−5−ブロモ−ピリミジン(TCI、568mg、2mmol)で処理し、室温にて1時間撹拌し、水(5mL)で処理し、クロロホルム:イソプロピルアルコール(10:1)(3×20mL)で抽出した。抽出液をあわせ、濃縮した。表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.20)によって、油(210mg、収率、71%)として精製した。
【0296】
【化97】

MS(DCI/NH)m/z284(M+H),286(M+H)
【0297】
(実施例29B)
フマル酸3−[(5−フェノキシピリミジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン
実施例29Aの生成物(284mg、1.0mmol)を、実施例14Cの手順にしたがって、フェノール(アルドリッチ(Aldrich)、188mg、2mmol)で処理した。表題化合物の遊離塩基を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.15)によって、油(42mg、収率、14%)として精製した。酢酸エチル:MeOH(3mL、10:1)中の表題化合物の遊離塩基(42mg、0.14mmol)を、室温にて10時間、フマル酸(18mg、0.15mmol)によって処理した。表題化合物を、固形物として得た(22mg、36%)。
【0298】
【化98】

MS(DCI/NH)m/z298(M+H)。C1719・1.26Cについての分析計算値:C,59.67;H,5.46;N,9.47。実測値:C,59.43;H,5.38;N,9.51。
【0299】
(実施例30)
二塩酸N−(4−フェノキシフェニル)キヌクリジン−3−アミン
(実施例30A)
N−(4−フェノキシフェニル)キヌクリジン−3−アミン
酢酸(25mL)中の塩酸3−キヌクリジノン(アルドリッチ(Aldrich)、1.61g、10mmol)を、周囲温度にて15時間、4−フェノキシアニリン(アルドリッチ(Aldrich)、0.93g、5.0mmol)、NaSO(無水、アルドリッチ(Aldrich)、7.40g、50mmol)およびNaBH(OAc)(アルドリッチ(Aldrich)、3.16g、15mmol)で処理した。反応混合液を、75mLの飽和NaHCOを含むフラスコ内にゆっくりと注ぎ、20分間撹拌し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。抽出液をあわせ、食塩水(2×20mL)で洗浄した。有機相を減圧下で濃縮し、表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.10)によって、固形物(1.46g、収率、99%)として精製した。
【0300】
【化99】

MS(DCI/NH)m/z295(M+H)
【0301】
(実施例30B)
二塩酸N−(4−フェノキシフェニル)キヌクリジン−3−アミン
酢酸エチル(20mL)中の実施例30Aの生成物(1.46g、4.9mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(5mL、20mmol)で処理した。表題化合物を、固形物として得た(1.40g、収率、77%)。
【0302】
【化100】

MS(DCI/NH)m/z295(M+H)。C1922O・2.0HClについての分析計算値:C,62.13;H,6.59;N,7.63。実測値:C,62.01;H,6.53;N,7.49。
【0303】
(実施例31)
塩酸N−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン
塩酸3−キヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、1.61g、10mmol)を、実施例30Aの生成物の手順にしたがって、4−(4−クロロフェニルオキシ)アニリン(アルドリッチ(Aldrich)、1.10g、5.0mmol)で処理した。表題化合物の遊離塩基を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.10)によって、固形物(1.52g、収率、93%)として精製した。MS(DCI/NH)m/z329(M+H)、331(M+H)。遊離塩基(200mg、0.61mmol)を、酢酸エチル(5mL)中の4M HCl 1,4−ジオキサン(0.5mL、2.0mmol)で処理した。表題化合物の塩酸塩を固形物として得た(195mg、収率、80%)。
【0304】
【化101】

MS(DCI/NH)m/z329(M+H),331(M+H)。C1921ClNO・2.0HCl・0.5HOについての分析計算値:C,55.56;H,5.89;N,6.82。実測値:C,55.78;H,5.28;N,6.62。
【0305】
(実施例32)
塩酸N−[4−(4−メチルフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン
(実施例32A)
N−[4−(4−メチルフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン
塩酸3−キヌクリジノン(アルドリッチ(Aldrich)、1.61g、10mmol)を、実施例30Aの手順にしたがって、4−(4−メチルフェノキシ)アニリン(0.99g、5.0mmol)で処理した。表題生成物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.10)によって、油(1.48g、収率、95%)として精製した。
【0306】
【化102】

MS(DCI/NH)m/z309(M+H)
【0307】
(実施例32B)
塩酸N−[4−(4−メチルフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン
酢酸エチル(5mL)中の実施例32Aの生成物(200mg、0.65mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL)で処理した。表題化合物を、固形物として得た(180mg、収率、73%)。
【0308】
【化103】

MS(DCI/NH)m/z309(M+H)。C2024O・2.0HCl・1.0HOについての分析計算値:C,60.15;H,7.07;N,7.01。実測値:C,60.34;H,7.14;N,6.98。
【0309】
(実施例33)
N−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン
(実施例33A)
N−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン
塩酸3−キヌクリジノン(アルドリッチ(Aldrich)、1.61g、10mmol)を、実施例30Aの手順にしたがって、4−(4−アミノフェノキシ)フェニルアミン(1.00g、5.0mmol)で処理した。表題生成物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、80:20:4、R.0.20)によって、油(0.98g、収率、63%)として精製した。
【0310】
【化104】

MS(DCI/NH)m/z310(M+H)
【0311】
(実施例33B)
塩酸N−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン
酢酸エチル(5mL)中の実施例33Aの生成物(150mg、0.48mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL)で処理した。表題化合物を、固形物として得た(150mg、収率、82%)。
【0312】
【化105】

MS(DCI/NH)m/z310(M+H)。C1923O・3.0HCl・0.9HOについての分析計算値:C,52.46;H,6.44;N,9.66。実測値:C,52.77;H,6.91;N,9.76。
【0313】
(実施例34)
4,4’−ジ(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−アミノ)−ジフェニル チオエーテル テトラ(塩酸)
塩酸3−キヌクリジノン(アルドリッチ(Aldrich)、1.61g、10mmol)を、実施例33Aの手順にしたがって、4−(4−アミノフェノキシ)フェニルアミン(1.00g、5.0mmol)で処理した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、80:20:4、R.0.10)によって、油(0.26g、収率、12%)として精製した。
【0314】
【化106】

MS(DCI/NH)m/z419(M+H)
【0315】
(実施例34B)
4,4’−ジ(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−アミノ)−ジフェニル チオエーテル テトラ(塩酸)
実施例34Aの生成物(270mg、0.63mmol)を、室温にて10時間、EtOAc(10mL)中のHCl(アルドリッチ(Aldrich)、ジオキサン中4M、1mL、4mmol)で処理し、表題化合物を、固形物(260mg、収率、75%)として得た。
【0316】
【化107】

MS(DCI/NH)m/z419(M+H)。C2634O・4.0HCl・4.0HOについての分析計算値:C,49.06;H,7.28;N,13.38。実測値:C,48.80;H,6.95;N,8.59。
【0317】
(実施例35)
塩酸N−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−N’−フェニルベンゼン−1,4−ジアミン
(実施例35A)
N−(4−ヨードフェニル)キヌクリジン−3−アミン
塩酸3−キヌクリジノン(アルドリッチ(Aldrich)、3.22g、20mmol)を、実施例30Aの生成物の手順にしたがって、4−ヨード−アニリン(2.19g、10mmol)で処理した。表題生成物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.10)によって、油(3.24g、収率、98%)として精製した。
【0318】
【化108】

MS(DCI/NH)m/z329(M+H)
【0319】
(実施例35B)
塩酸N−(4−ヨードフェニル)キヌクリジン−3−アミン
酢酸エチル(5mL)中の実施例35Aの生成物(100mg、0.30mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL)で処理した。表題化合物を、固形物として得た(90mg、収率、75%)。
【0320】
【化109】

MS(DCI/NH)m/z329(M+H)。C1317IN・2.0HClについての分析計算値:C,38.93;H,4.77;N,6.98。実測値:C,39.07;H,4.53;N,6.80。
【0321】
(実施例35C)
N−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−N’−フェニルベンゼン−1,4−ジアミン
実施例35Aの生成物(200mg、0.61mmol)を、実施例17Aの手順にしたがって、アニリン(アルドリッチ(Aldrich)、93mg、1mmol)で処理した。表題生成物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.20)によって、油(120mg、収率、68%)として精製した。
【0322】
【化110】

MS(DCI/NH)m/z294(M+H)
【0323】
(実施例35D)
塩酸N−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−N’−フェニルベンゼン−1,4−ジアミン
酢酸エチル(5mL)中の実施例35Cの生成物(120mg、0.40mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL)で処理した。表題化合物を、固形物として得た(100mg、収率、69%)。
【0324】
【化111】

MS(DCI/NH)m/z294(M+H)。C1923・2.4HCl・1.0HOについての分析計算値:C,57.20;H,6.92;N,10.53。実測値:C,57.25;H,7.00;N,10.53。
【0325】
(実施例36)
塩酸3−[(4−フェノキシフェニル)チオ]キヌクリジン
(実施例36A)
3−[(4−ブロモフェニル)チオ]キヌクリジン
DMF(無水、アルドリッチ(Aldrich)、40mL)中の4−ブロモベンゼンチオール(アルドリッチ(Aldrich)、2.54g、24mmol)を、室温にて、NaH(アルドリッチ(Aldrich)、95%、1.27g、48mmol)で処理した。20分間の撹拌後、混合液を塩酸3−クロロキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、2.64g、20mmol)で処理し、100℃にて18時間、N下で撹拌した。この混合液を、室温にて冷却し、水(300mL)で洗浄し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。抽出液をあわせ、食塩水(2×30mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、表題化合物を褐色油(3.40g、収率、57%)として得た。
【0326】
【化112】

MS(DCI/NH)m/z298(M+H),300(M+H)
【0327】
(実施例36B)
3−[(4−フェノキシフェニル)チオ]キヌクリジン
実施例36Aの生成物(300mg、1.0mmol)を、実施例2Aの手順にしたがって、フェノール(アルドリッチ(Aldrich)、188mg、2mmol)で処理した。表題生成物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.20)によって、油(220mg、収率、71%)として精製した。
【0328】
【化113】

MS(DCI/NH)m/z312(M+H)
【0329】
(実施例36C)
塩酸3−[(4−フェノキシフェニル)チオ]キヌクリジン
酢酸エチル(5mL)中の実施例36Aの生成物(220mg、0.71mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL)で処理した。表題化合物を、固形物として得た(180mg、収率、73%)。
【0330】
【化114】

MS(DCI/NH)m/z312(M+H)。C1921NOS・1.0HCl・0.9HOについての分析計算値:C,62.67;H,6.59;N,3.85。実測値:C,62.31;H,6.31;N,4.23。
【0331】
(実施例37)
二塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルチオ)フェニル]−N−フェニルアミン
(実施例37A)
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルチオ)フェニル]−N−フェニルアミン
本明細書で記載したような、実施例36Aの生成物(300mg、1.0mmol)を、本明細書で記載したような、実施例17Aの手順にしたがって、アニリン(アルドリッチ(Aldrich)、186mg、2mmol)で処理した。表題生成物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.10)によって、油(210mg、収率、68%)として精製した。
【0332】
【化115】

MS(DCI/NH)m/z311(M+H)
【0333】
(実施例37B)
二塩酸N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルチオ)フェニル]−N−フェニルアミン
酢酸エチル(5mL)中の実施例37Aの生成物(210mg、0.68mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.5mL)で処理した。表題化合物を、固形物として得た(150mg、収率、58%)。
【0334】
【化116】

MS(DCI/NH)m/z311(M+H)。C1922S・2.0HCl・1.5HOについての分析計算値:C,55.47;H,6.86;N,6.81。実測値:C,55.72;H,6.67;N,6.26。
【0335】
(実施例38)
塩酸3−[4−(4−ヨード−フェノキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
(実施例38A)
3−[4−(4−ヨード−フェノキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
3−ヒドロキシキヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、1.27g、10.0mmol)を、実施例2Aの手順にしたがって、トルエン(無水、アルドリッチ(Aldrich)、20mL)中の、4,4’−ジヨード−ジフェニルエーテル(アルドリッチ(Aldrich)、4.22g、10mmol)、CuI(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、190mg、1.0mmol)、1,10−フェナントロリン(アルドリッチ(Aldrich)、360mg、2.0mmol)およびCsCO(6.60g、20.0mmol) で処理し、110℃にて2時間熱した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.20)によって、固形物(570mg、収率、13%)として精製した。
【0336】
【化117】

MS(DCI/NH)m/z422(M+H)
【0337】
(実施例38B)
塩酸3−[4−(4−ヨード−フェノキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
酢酸エチル(5mL)中の実施例38Aの生成物(50.0g、0.12mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl(0.25mL、1.0mmol)で処理し、表題化合物を、固形物として得た(52.0mg、収率、95%)。
【0338】
【化118】

MS(DCI/NH)m/z422(M+H)。C1920INO・1.00HCl・0.25HOについての分析計算値:C,49.37;H,4.69;N,3.03。実測値:C,49.25;H,4.30;N,2.96。
【0339】
(実施例39)
{4−「4−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−フェノキシ]−フェニル}−ヒドラジン ビス(塩酸)
(実施例39A)
N−{4−[4−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−フェノキシ]−フェニル}−ヒドラジンカルボン酸 tert−ブチルエステル
実施例38Aの生成物(420mg、1.0mmol)を、80℃にて一晩、DMF(無水、アルドリッチ(Aldrich)、5mL)中、CsCO(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、489mg、1.4mmol)で、CuI(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、9.5mg、0.05mmol)の触媒下、炭酸tert−ブチル(アルドリッチ(Aldrich)、158mg、1.2mmol)と合わせた。混合液を、EtOAc(50mL)で希釈し、水(2×10mL)で洗浄した。有機溶液を濃縮し、表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:2、R.0.20)によって、油(190mg、収率、45%)として精製した。
【0340】
【化119】

MS(DCI/NH)m/z426(M+H)
【0341】
(実施例39B)
{4−「4−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−フェノキシ]−フェニル}−ヒドラジン ビス(塩酸)
実施例39Aの生成物(80mg、0.19mmol)を、室温にて10時間、EtOAc(5mL)中のHCl(アルドリッチ(Aldrich)、ジオキサン中4M、0.5mL、2.0mmol)で処理し、表題化合物を、黄色固形物(60mg、収率、79%)として得た。
【0342】
【化120】

MS(DCI/NH)m/z426(M+H)。C1923・2.40HCl・0.20HO・0.50EtOAcについての分析計算値:C,54.76;H,6.52;N,9.12。実測値:C,54.50;H,6.13;N,8.84。
【0343】
(実施例40)
塩酸3−[4−(2−メチル−3−フェニル−1H−インドール−5−イルオキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
(実施例40A)
3−[4−(2−メチル−3−フェニル−1H−インドール−5−イルオキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
実施例39Aの生成物(105mg、0.25mmol)を、80℃にて10時間、EtOH(3.0mL)中の、1−フェニル−プロパン−1−オン(アルドリッチ(Aldrich)、67mg、0.5mmol)およびHCl(アルドリッチ、ジオキサン中4M、0.5mL、2mmol)で処理した。この混合液を濃縮し、表題化合物をプレパラティブHPLC(XterraTM、カラム、Xterra RP−18 5μm、30×100mm、溶出溶媒、MeCN/HO(NHHCO、0.1M、pH=10)(v.40/60から70/30、20分間に渡り)流速、75mL/分、uv.、250nm)によって、固形物(60mg、収率、57%)として得た。
【0344】
【化121】

MS(DCI/NH)m/z425(M+H)
【0345】
(実施例40B)
塩酸3−[4−(2−メチル−3−フェニル−1H−インドール−5−イルオキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
実施例40Aの生成物(60mg、0.14mmol)を、周囲温度にて1時間、EtOAc(5mL)中のHCl(アルドリッチ(Aldrich)、ジオキサン中4M、0.25mL、1.0mmol)で処理し、表題化合物を、固形物(25.0mg、収率、39%)として得た。
【0346】
【化122】

MS(DCI/NH)m/z425(M+H)。C1828・1.40HCl・0.62HOについての分析計算値:C,69.09;H,6.34;N,5.76。実測値:C,69.43;H,5.97;N,5.43。
【0347】
(実施例41)
3−[6−(4−ヨード−フェノキシ)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン トリ(塩酸)
(実施例41A)
3−[6−(4−ヨード−フェノキシ)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
実施例27Cの生成物(870mg、3.00mmol)を、周囲温度にて10分間、MeCN(アルドリッチ(Aldrich)、10.0mL)中トリフルオロ酢酸(0.46mL、6.0mmol)で処理した。ついで、N−ヨードスクシンイミド(アルドリッチ(Aldrich)、0.742g、3.3mmol)を加え、この混合液を80℃にて6時間撹拌した。この混合液を濃縮した。表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH:NH:HO、90:10:1、R.0.35)によって、固形物(270mg、収率、21%)として精製した。
【0348】
【化123】

MS(DCI/NH)m/z424(M+H)
【0349】
(実施例41B)
3−[6−(4−ヨード−フェノキシ)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン トリ(塩酸)
実施例41Aの生成物(20mg、0.05mmol)を、室温にて1時間、EtOAc(2mL)中のHCl(アルドリッチ(Aldrich)、ジオキサン中1M、0.25mL、1.0mmol)で処理し、表題化合物を固形物(20.0mg、収率、80%)として得た。
【0350】
【化124】

MS(DCI/NH)m/z424(M+H)。C1718IN・3.55HCl・1.80HOについての分析計算値:C,34.90;H,4.33;N,7.18。実測値:C,34.53;H,3.95;N,6.83。
【0351】
(実施例42)
フマル酸2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−8−ヨード−6H,12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b,f][1,5]ジアゾシン
(実施例42A)
2,8−ジヨード−6H,12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b,f][1,5]ジアゾシン
トリフルオロ酢酸(アルドリッチ(Aldrich)、60mL)中の、4−ヨード−フェニルアミン(アルドリッチ(Aldrich)、6.57g、30mmol)およびパラホルムアルデヒド(アルドリッチ(Aldrich)、1.80g、60mmol)の混合液を、室温にて15時間撹拌した。ついでこれを濃縮し、水(10mL)中に溶解し、NH・HOによってpH=9で中和した。この混合液をEtOAc(3×50mL)で抽出した。表題化合物を、クロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:EtOAc、50:50、R.0.40)によって、固形物(2.7g、収率、38%)として精製した。
【0352】
【化125】

MS(DCI/NH)m/z475(M+H)
【0353】
(実施例42B)
2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−8−ヨード−6H,12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b,f][1,5]ジアゾシン
実施例42Aの生成物(474mg、1.0mmol)を、実施例14Aの手順にしたがって、110℃にて40時間、トルエン(5mL)中、CsCO(アルドリッチ(Aldrich)、652mg、2.0mmol)で、CuI(ストレム ケミカルズ(Strem Chemicals)、19.0mg、0.1mmol)および1,10−フェナントロリン(アルドリッチ(Aldrich)、36mg、0.2mmol)の触媒下、3−ヒドロキシ キヌクリジン(アルドリッチ(Aldrich)、254mg、2.0mmol)と合わせた。表題化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH(v.2% NH・HO、90:10、R.0.30)によって、固形物(120mg、収率、25%)として精製した。
【0354】
【化126】

MS(DCI/NH)m/z474(M+H)
【0355】
(実施例42C)
フマル酸2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−8−ヨード−6H,12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b,f][1,5]ジアゾシン
実施例42Bの生成物(30mg、0.06mmol)を、室温にて10時間、EtOH/MeOH(v.10/1、2mL)中のフマル酸(11.6mg、0.1mmol)で処理し、表題化合物を得た(28mg、収率、75%)。
【0356】
【化127】

MS(DCI/NH)m/z474(M+H)。C2224INO・1.30C・0.70HOについての分析計算値:C,51.30;H,4.84;N,6.60。実測値:C,51.49;H,4.84;N,6.22。
【0357】
(実施例43)
2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−6H,12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b,f][1,5]ジアゾシン トリ(塩酸)
(実施例43A)
2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−6H,12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b,f][1,5]ジアゾシン
実施例42Bの生成物(90mg、0.19mmol)を、H下、室温にて2時間、EtOH(10mL)中のPd/C(アルドリッチ(Aldrich)、10wt.%、20mg)の触媒下で水素添加した。ついで触媒を濾過した。エタノール溶液を濃縮し、1N NaOH(1mL)で処理し、CHCl/iPrOH(v.10:1、3×10mL)で抽出した。抽出液をあわせ、濃縮して、表題化合物を黄色固形物として得た(60mg、収率、91%)。
【0358】
【化128】

MS(DCI/NH)m/z348(M+H)
【0359】
(実施例43B)
2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−6H,12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b,f][1,5]ジアゾシン トリ(塩酸)
実施例43Aの生成物(60mg、0.17mmol)を、室温にて10時間、EtOAc(5mL)中のHCl(アルドリッチ(Aldrich)、ジオキサン中4M、0.25mL、1.0mmol)で処理し、表題化合物を得た(70.0mg、収率、90%)。
【0360】
【化129】

MS(DCI/NH)m/z348(M+H)。C2225O・3.35C・2.05HOについての分析計算値:C,2.17;H,6.46;N,8.30。実測値:C,51.78;H,6.06;N,8.02。
【0361】
(実施例44)
生物学的活性の決定
α7 nAChRsとしての、本発明の代表的な化合物の効果を決定するために、本発明の化合物を、[3H]−メチルイルカコニチン(MLA)結合アッセイにしたがい、以下で記載したように実施した、[3H]−シチシン結合アッセイを考慮して評価した。
【0362】
[3H]−シチシン結合
結合条件を、Pabreza LA,Dhawan,S,Kellar KJ,「ニコチン性コリン性レセプターに対する[H]−シチシン結合([H]−Cytisine Binding to Nicotinic Cholinergic Receptors in Brain,Mol.Pharm.39:9−12,1991)にて記載された手順より改変した。(ラット脳−小脳)からの膜濃縮画分(ABS Inc.、Wilmington,DE)を、4℃にてゆっくりと解凍し、30容量のBSS−Tris緩衝液(120mM NaCl/5mM KCl/2mM CaCl/2mM MgCl/50mM Tris−Cl、pH7.4、4℃)中に再懸濁した。100から200μgのタンパク質および0.75nM [3H]−シチシン(30C/mmol、パーキン エルマー(Perkin Elmer)/NEN ライフ サイエンス プロダクツ(NEN Life Science Products)、Boston,MA)を含む試料を、最終容量500μL中で、4℃にて75分間インキュベートした。各化合物、7ログ−希釈濃度を、二重に試験した。非特異的結合を、10μM (−)−ニコチンの存在下で決定した。結合放射活性を、96−ウェル濾過器具((Packard Instruments)、Meriden,CT)を用いて、先に湿らせたガラスファイバーフィルタープレート(ミリポア(Millipore)、Bedford,MA)上に、真空濾過によって単離し、ついで、素早く、2mLの氷冷BSS緩衝液(120mM NaCl/5mM KCl/2mM CaCl/2mM MgCl)でリンスした。Packard MicroScint−20(登録商標)シンチレーション カクテル(40μL)を各ウェルに加え、放射活性を、Packard TopCount(登録商標)器具を用いて決定した。IC50値を、Microsoft Excel(登録商標)ソフトウェアにて、非線形回帰によって決定した。K値を、Cheng−Prusoff式を用いてIC50より計算し、そこで、K=IC50/1+[Ligand]/Kd]である。
【0363】
[3H]−メチルリカコニチン(MLA)結合
結合条件は、[3H]−シチシン結合のものと同様であった。ラット脳−小脳からの膜濃縮画分(ABS Inc.、Wilmington,DE)を、4℃にてゆっくりと解凍し、30容量のBSS−Tris緩衝液(120mM NaCl/5mM KCl/2mM CaCl/2mM MgCl/50mM Tris−Cl、pH7.4、22℃)中に再懸濁した。100から200μgのタンパク質および5nM [3H]−MLA(25C/mmol、パーキン エルマー(Perkin Elmer)/NEN ライフ サイエンス プロダクツ(NEN Life Science Products)、Boston,MA)、および0.1%ウシ血清アルブミン(BSA、ミリポア(Millipore)、Bedford,MA)を含む試料を、最終容量500μL中で、22℃にて60分間インキュベートした。各化合物、7ログ−希釈濃度を、二重に試験した。非特異的結合を、10μM MLAの存在下で決定した。結合放射活性を、96−ウェル濾過器具((Packard Instruments)、Meriden,CT)を用いて、2% BSAで先に湿らせたガラスファイバーフィルタープレート上に、真空濾過によって単離し、ついで、素早く、2mLの氷冷BSS緩衝液でリンスした。Packard MicroScint−20(登録商標)シンチレーション カクテル(40μL)を各ウェルに加え、放射活性を、Packard TopCount(登録商標)器具を用いて決定した。IC50値を、Microsoft Excel(登録商標)ソフトウェアにて、非線形回帰によって決定した。K値を、Cheng−Prusoff式を用いてIC50より計算した(K=IC50/1+[Ligand]/Kd])。
【0364】
本発明の化合物は、MLAアッセイによって試験した時に、約1ナノモルから約10マイクロモルのK値を有し、多くが、1マイクロモル以下のKを有している。本発明の化合物の[3H]−シチシン結合値は、約50ナノモルから少なくとも100マイクロモルの範囲であった。好ましい化合物の決定は、典型的には、[3H]−シチシン結合によって測定されたようなK値の側面で、MLAアッセイによって測定したようなK値を考慮し、式D=Ki3H−シチシン/Ki MLA中、Dは約50である。好ましい化合物は典型的に、α4β2レセプターと比較して、α7レセプターにてより高い能力を示した。
【0365】
本発明の化合物は、レセプターの活性を変更することによって、α7 nAChRsの機能を調節するα7 nAChRsリガンドである。化合物は、レセプターの基底活性を阻害するインバースアゴニスト、またはレセプター−活性化アゴニストの活性を完全に遮断するアンタゴニストでありうる。化合物はまた、α7 nAChRレセプターを部分的に遮断するか、または部分的に活性化するアゴニスト、またはレセプターを活性化するアゴニストでありうる。
【0366】
以上の詳細な記載および付随する実施例が、単に例示的なものであり、付随した請求項およびこの等価物によってのみ定義された、本発明の目的の制限と見られるべきではない。開示された実施態様に対する種々の変化および改変が、当業者に明らかである。化学構造、置換、誘導体、中間体、合成物、処方および/または本発明の使用の方法をこれに限定されるものではないが、含まれるこれらの変化および改変は、この意思および目的から離れないで実施しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の化合物、またはこの医薬として許容されるの塩、エステル、アミドまたはプロドラッグ(式中
AはNまたはN−Oであり、
nは0、1または2であり、
は、O、Sおよび−N(R)−から成る群より選択され、
は、O、S、−N(R)−、−N(Ar)−および−N(R)C(O)−から成る群より選択され、
Arは式:
【化2】

の基であり、
Arはシクロアルキルであり、またはArは式:
【化3】

の基であり、
、Y、YおよびYはそれぞれ独立して、Nおよび−C(R)から成る群より選択され、
、Y、Y、YおよびYはそれぞれ独立して、Nおよび−C(R)から成る群より選択され、
10は、−N(R)、OおよびSから成る群より選択され、
11、Y12、Y13およびY14は、Y11、Y12、Y13およびY14の1つがCであり、式(c)が、Cによって表されるY11、Y12、Y13およびY14の1つを通じて、X、または−N(Ar)−の窒素原子に結合するという条件で、それぞれ独立して、N、Cおよび−C(R)から成る群より選択され、
は独立して、O、S、−N(R)、−C(R10)および−C(R10)(R10a)から選択され、
およびZは、ZおよびZのゼロまたは1つがCであるという条件、およびZが−C(R10)である場合に、ZおよびZがC以外であるという条件、およびさらに、ZまたはZの1つがCである場合、Zが−C(R10)以外であるという条件で、それぞれ独立して、N、Cおよび−C(R12)から成る群より選択され、
、Z、ZおよびZは、Z、Z、ZおよびZのゼロまたは1つがCであるという条件で、独立してCおよび−C(R11)から成る群より選択され、ここで、
、Z、ZおよびZの1つがCである場合、式(d)は、Cによって表されるZ、Z、ZおよびZの1つを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、Zが−C(R10)以外であり、ZおよびZがC以外である、または
が−C(R10)である場合、式(d)は、−C(R10)のC原子を介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、Z、Z、ZおよびZが−C(R11)であり、ZおよびZはC以外である、または
またはZの1つがCである場合、式(d)は、Cによって表されるZおよびZを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、Zは−C(R10)以外であり、Z、Z、ZおよびZは、−C(R11)であり、
およびRは存在する場合にはそれぞれ独立して、水素およびアルキルから成る群より選択され、
は存在する場合はそれぞれ独立して、水素、ハロ、アルキル、アリール、−ORおよび−NHRから成る群より選択され、
およびRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルから成る群より選択され、
は存在する場合はそれぞれ独立して、水素、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アリール、アルキルカルボニル、−ORおよび−NHRから成る群より選択され、
およびRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル、アミノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルから成る群より選択され、および
、R10、R10a、R11およびR12は存在する場合はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボニルおよびアリールカルボニルから成る群より選択される。)。
【請求項2】
Arが、
【化4】

から成る群より選択され、ここでRは請求項1で定義されているとおりである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Arが、シクロアルキル、
【化5】

から成る群より選択され、ここで、
rは、0、1、3、4または5であり、
sは、0、1、2または3であり、
tは、0、1、2、3または4であり、
10は、−N(R)、OおよびSから成る群より選択され、
12およびY13の1つがN、Cまたは−C(R)であり、他がCまたは−C(R)であり、
11およびY14は、Y11およびY14の1つ、またはY12およびY13の1つがCであり、式(c)が、Cによって表されるY11、Y12、Y13およびY14の1つを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合するという条件で、それぞれ独立してCおよび−CRから成る群より選択され、および
、Z、Z、Z、Z、Z、Z、RおよびRが、請求項1に定義されているとおりである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Arが、シクロヘキシル、
【化6】

から成る群より選択され、
ここで、
およびZは、ZおよびZのゼロまたは1つがCであるという条件で、独立してN、Cまたは−C(R12)であり、
、Z、ZおよびZは、Z、Z、ZおよびZのゼロまたは1つがCであるという条件で、独立してCおよび−C(R11)から成る群より選択され、ここで、
、Z、ZおよびZの1つがCである場合、式(4−vi)および(4−vii)が、Cによって表されるZ、Z、ZおよびZの1つを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、ZおよびZがそれぞれ−C(R12)であり、または
またはZの1つがCである場合、式(4−vi)および(4−vii)が、Cによって表されるZまたはZを介して、Xまたは−N(Ar)−の窒素原子に結合し、Z、Z、ZおよびZが−C(R11)であり、
は、水素、フルオロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルアミノ、イソプロポキシ、ブロモ、クロロ、ヨード、メチル、ヒドラジノおよびアミノから成る群より選択され、
12は、水素、メチルおよびフェニルから成る群より選択され、および
およびR11は、請求項1にて定義されているとおりである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
3−(3−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン、
3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン、
(3R)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン、
(3S)−3−(4−フェノキシフェノキシ)キヌクリジン、
3−{4−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェノキシ}キヌクリジン、
3−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ]キヌクリジン、
4−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェノキシ]フェノール、
4−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェノキシ}フェノール、
4−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]チオ}フェノール、
4−({4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェニル}チオ)フェノール、
3−{4−[(4−イソプロポキシフェニル)チオ]フェノキシ}キヌクリジン、
3−[4−(ピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン、
3−[4−(チエン−3−イルオキシ)フェノキシ]キヌクリジン、
3−{4−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)オキシ]フェノキシ}キヌクリジン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−フェニルアミン、
N−{4−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]フェニル}−N−フェニルアミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ピリジン−3−アミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]ベンズアミド、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−シクロヘキシルアミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ジチエン−3−イルアミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−1,3−チアゾール−2−イル−1,3−チアゾール−2−アミン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N,N−ビス(1−ベンゾチエン−3−イル)アミン、
1−(5−{[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]アミノ}チエン−2−イル)エタノン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)フェニル]−N−(4−メチルチエン−3−イル)アミン、
3−[(6−フェノキシピリダジン−3−イル)オキシ]キヌクリジン、
3−[(5−フェノキシピリジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン、
3−[(5−フェノキシピリミジン−2−イル)オキシ]キヌクリジン、
N−(4−フェノキシフェニル)キヌクリジン−3−アミン、
N−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン、
N−[4−(4−メチルフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン、
N−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]キヌクリジン−3−アミン、
N−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−N’−フェニルベンゼン−1,4−ジアミン、
3−[(4−フェノキシフェニル)チオ]キヌクリジン、
N−[4−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルチオ)フェニル]−N−フェニルアミン、
4,4’−ジ(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−ジフェニルエーテル、
4,4’−ジ[(3R)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]−ジフェニルチオエーテル、
4,4’−ジ(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−アミノ)−ジフェニルチオエーテル、
3−[4−(4−ヨード−フェノキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、
{4−[4−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−フェノキシ]−フェニル}−ヒドラジン、
3−[4−(2−メチル−3−フェニル−1H−インドール−5−イルオキシ)−フェノキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、および
3−[6−(4−ヨード−フェノキシ)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、
から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物、またはこの医薬として許容されるの塩、エステル、アミドまたはプロドラッグ。
【請求項6】
式(II):
【化7】

(式中、
GがNまたはN−Oであり、
が−N(R14)−、OまたはSであり、
mが0、1または2であり、
14が、水素またはアルキルであり、および
13が水素、アルキルまたはハロゲンである。)
の化合物、またはこの医薬として許容されるの塩、エステル、アミドまたはプロドラッグ。
【請求項7】
2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−8−ヨード−6H、12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b、f][1,5]ジアゾシン、および
2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ)−6H、12H−5,11−メタノ−ジベンゾ[b、f][1,5]ジアゾシン、
から成る群より選択される、請求項6に記載の化合物、またはこの医薬として許容されるの塩、エステル、アミドまたはプロドラッグ。
【請求項8】
医薬として許容されるの担体と組み合わせて、治療有効量の請求項1に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項9】
有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、哺乳動物における、α7ニコチン性アセチルコリンレセプターの効果を選択的に調節する方法。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物を投与する段階を含む、注意力欠陥障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年性認知症、AIDS認知症、ピック病、レヴィー小体関連認知症、ダウン症候群関連認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、外傷性脳傷害に関連した中枢神経系機能の低下、急性疼痛、手術後疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、不妊症、傷治癒に関連した新規血管増殖の必要性、皮膚移植の脈管形成に関連した新規血管増殖の必要性、および循環の欠乏、より特定的には血管閉鎖周辺における循環の欠如から成る群より選択される、状態または疾患を治療するため、または予防するための方法。
【請求項11】
状態または疾患が、認知障害、神経変性および統合失調症から成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
非定型抗精神病薬との組み合わせで、請求項1の化合物を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2007−515486(P2007−515486A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547081(P2006−547081)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041367
【国際公開番号】WO2005/066167
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】