説明

3−トリフルオロメチルカルコンの調製方法

式2の化合物;式3の化合物;式4のアルカリ土類金属水酸化物(MがCa、SrまたはBaである)、式4aのアルカリ金属炭酸塩(MがLi、NaまたはKである)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む塩基;ならびに、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤を含む混合物から水を留去する工程を含む、式1の化合物(QおよびZが本開示中で定義されているとおりである)の調製方法が開示されている。
【化1】


また、(1)式5の化合物(XがCl、BrまたはIである)と金属マグネシウムまたはハロゲン化アルキルマグネシウムとをエーテル溶剤の存在下に接触させる工程により誘導されるグリニャール試薬を含む反応混合物を形成する工程、次いで、(2)反応混合物を式6の化合物(YはOR11またはNR1213であると共に、R11、R12およびR13は本開示中で定義されているとおりである)と接触させる工程を含む、式2の化合物の調製方法も開示されている。
【化2】


さらに、式1の化合物を上記に開示の方法により調製すること、または、上記に開示の方法により調製された式1の化合物を用いることを特徴とする、式1の化合物を用いる式7の化合物(QおよびZが本開示中で定義されているとおりである)の調製方法が開示されている。
【化3】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−トリフルオロメチルカルコンおよびトリフルオロアセチル中間体の調製方法に関する。本発明はまた、上述の方法のための出発材料および中間体として有用である新規なトリフルオロアセチルおよびハロ化合物に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、式1
【化1】

(式中、
Zは場合により置換されているフェニルであり、および
Qは、各々が場合により置換されているフェニルまたは1−ナフタレニルである)
の化合物を調製する方法であって、
式2
【化2】

の化合物と;
式3
【化3】

の化合物と;
式4
【化4】

(式中、Mは、Ca、SrまたはBaである)
のアルカリ土類金属水酸化物、
式4a
【化5】

(式中、Mは、Li、NaまたはKである)
のアルカリ金属炭酸塩、
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む塩基と;
水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤と
を含む混合物から水を留去する工程を含む方法を提供する。
【0003】
本発明はまた、
(1)式5の化合物
【化6】

(式中、Xは、Cl、BrまたはIである)
に由来するグリニャール試薬を含む反応混合物を、
式5の化合物を、
(a)金属マグネシウム、または
(b)ハロゲン化アルキルマグネシウム
とエーテル溶剤の存在下に接触させることにより形成する工程;次いで、
(2)反応混合物を、式6の化合物
【化7】

(式中、
Yは、OR11またはNR1213であり;
11はC〜Cアルキルであり;ならびに
12およびR13は、独立してC〜Cアルキルであるか;または、R12およびR13は、一緒になって、−CHCHOCHCH−とされる)
と接触させる工程
を含む、Zが場合により置換されているフェニルである式2の化合物の調製方法を提供する。
【0004】
本発明はまた、Zが、Rから独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニルであると共に;各Rが、独立して、F、Cl、Br、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオである式2の化合物の調製方法であって、
(1)式5の化合物
【化8】

(式中、XはIである)
に由来するグリニャール試薬を含む反応混合物を、
式5の化合物を、
(a)金属マグネシウム、または
(b)ハロゲン化アルキルマグネシウム
とエーテル溶剤の存在下に接触させることにより形成する工程;次いで、
(2)反応混合物を、式6の化合物
【化9】

(式中、
Yは、OR11またはNR1213であり;
11はC〜Cアルキルであり;ならびに
12およびR13は、独立してC〜Cアルキルであるか;または、R12およびR13は、一緒になって、−CHCHOCHCH−とされる)
と接触させる工程
を含む方法を提供する。
【0005】
本発明はまた、式2の化合物および式3の化合物から式1の化合物を調製するための上記に開示の方法に関し、ここで、本方法は、式2の化合物を式5および式6の化合物から上記に開示の方法により調製することをさらに特徴とする。
【0006】
本発明はまた、式1の化合物を用いて、式7の化合物
【化10】

(式中、
Zは場合により置換されていえるフェニルであり;および
Qは、各々が場合により置換されているフェニルまたは1−ナフタレニルである);
を調製する方法に関する。本方法は、(a)式1の化合物を上記に開示の方法により調製すること、または(b)前記式1の化合物として、上記に開示の方法により調製された式1の化合物を用いることを特徴とする。
【0007】
本発明はまた、上述の方法の出発材料として有用である、式2および式5の新規な化合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用される場合、用語「含む」、「含んでいる」、「包含する」、「包含している」、「有する」、「有している」、「含有する」、「含有している」、もしくはこれらの他の任意の変化形は、非排他的な包含を網羅することが意図される。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素だけに限定されるのではなく、明確に記載されていない、あるいはこのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素も含み得る。さらに、反対に明確に記載されない限り、「または」は包括的なまたはを指し、排他的なまたはを指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在し)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)Bが真である(または存在する)、そしてAおよびBが両方とも真である(または存在する)。
【0009】
また、本発明の要素または成分に先立つ不定冠詞「a」および「an」は、要素または成分の例(すなわち、発生)の数に関して非限定的であることが意図される。そのため、「a」または「an」は1つまたは少なくとも1つを含むように読み取られるべきであり、要素または成分の単数の語形は、数が明らかに単数を意味しない限りは複数も含む。
【0010】
上記の詳説において、単独もしくは「アルキルチオ」または「ハロアルキル」などの複合語において使用される「アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、もしくは種々のブチル、ペンチルまたはヘキシル異性体などの直鎖または分枝状アルキルを含む。
【0011】
「アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシならびに種々のブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体を含む。「アルキルチオ」は、メチルチオ、エチルチオ、ならびに種々のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体などの分枝状または直鎖アルキルチオ部分を含む。「アルキルスルフィニル」は、アルキルスルフィニル基の両方のエナンチオマーを含む。「アルキルスルフィニル」の例としては、CHS(O)−、CHCHS(O)−、CHCHCHS(O)−、(CHCHS(O)−および種々のブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CHS(O)−、CHCHS(O)−、CHCHCHS(O)−、(CHCHS(O)−、ならびに、異なるブチルスルホニル、ペンチルスルホニルおよびヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」等が、上記例と同様に定義される。
【0012】
「シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。「アルキルシクロアルキル」という用語は、シクロアルキル部分におけるアルキル置換を示し、例えば、エチルシクロプロピル、i−プロピルシクロブチル、3−メチルシクロペンチルおよび4−メチルシクロヘキシルを含む。「シクロアルキルアルキル」という用語は、アルキル部分におけるシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルキル」の例としては、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル、直鎖または分枝状アルキル基に結合した他のシクロアルキル部分が挙げられる。
【0013】
単独でまたは「ハロアルキル」などの複合語における、もしくは「ハロゲンによって置換されたアルキル」などの記載において使用される場合の「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を含む。さらに、「ハロアルキル」などの複合語中に用いられる場合、または、「ハロゲンで置換されたアルキル」などの記載において用いられ得る場合、前記アルキルは、部分的にまたは完全に、同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子で置換され得る。同様に、「フルオロアルキル」は、前記アルキルが、フッ素原子で部分的にまたは完全に置換されていてもよいことを意味する。「ハロアルキル」または「ハロゲンで置換されたアルキル」の例としては、FC−、ClCH−、CFCH−およびCFCCl−が挙げられる。「ハロシクロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルチオ」、「ハロアルキルスルフィニル」、「ハロアルキルスルホニル」等という用語は、用語「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルコキシ」の例としては、CFO−、CClCHO−、HCFCHCHO−およびCFCHO−が挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CClS−、CFS−、CClCHS−およびClCHCHCHS−が挙げられる。「ハロアルキルスルフィニル」の例としては、CFS(O)−、CClS(O)−、CFCHS(O)−およびCFCFS(O)−が挙げられる。「ハロアルキルスルホニル」の例としては、CFS(O)−、CClS(O)−、CFCHS(O)−およびCFCFS(O)−が挙げられる。「ハロジアルキルアミノ」という用語は、アミノ構成成分の少なくとも1つが、少なくとも1個のハロゲンで置換されているジアルキルアミノを示す。「ハロジアルキルアミノ」の例としては、CHClCHN(CH)−および(CFCHN−が挙げられる。
【0014】
「アルキルカルボニル」は、C(=O)部分に結合している直鎖または分枝状アルキル部分を示す。「アルキルカルボニル」の例としては、CHC(=O)−、CHCHCHC(=O)−および(CHCHC(=O)−が挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CHOC(=O)−、CHCHOC(=O)−、CHCHCHOC(=O)−、(CHCHOC(=O)−および異なるブトキシ−またはペンタオキシカルボニル異性体が挙げられる。
【0015】
本開示および特許請求の範囲において、ラジカル「SO」およびS(O)」とはスルホニルを意味し、「−CN」とはシアノを意味し、「−NO」とはニトロを意味し、および「−OH」とはヒドロキシを意味する。
【0016】
置換基中の炭素原子の総数は、接頭辞「C〜C」により示され、ここで、iおよびjは1〜9の数字である。例えば、C〜Cアルキルスルホニルは、可能な異性体を含むメチルスルホニル〜ブチルスルホニルを示す。CアルコキシカルボニルはCHOC(O)−を示し;CアルコキシカルボニルはCHCHC(O)−を示し;ならびに、Cアルコキシカルボニルは(CHCHC(O)−およびCHCHCHC(O)−を示す。
【0017】
化合物が、前記置換基の数が1を超えることが可能であることを示す下付文字を有する置換基で置換される場合、前記置換基(これらが1を超える場合)は定義された置換基の群から独立して選択され、例えば、提示1のU−1における(Rについて、rは0、1、2、3、4または5である。基が水素であることが可能である置換基(例えば、実施形態2においてRまたはRが水素であり得る、Rの定義における−NR)を含有する場合に、この置換基が水素とされる場合、前記基は非置換であることと等しいと認識される。例えば、rが0であり得る提示1のU−41における(Rのように可変基が場合によりある位置で結合されていると示されている場合、可変基の定義において言及されていなくても、水素はその位置に存在し得る。基の1つ以上の位置が「置換されていない」または「未置換である」と言われる場合、水素原子は結合してすべての有効原子価を埋めている。
【0018】
「複素環(heterocyclic ring)」または「複素環(heterocycle)」という用語は、環主鎖を形成している少なくとも1個の原子が炭素ではなく、例えば、窒素、酸素または硫黄である環を示す。典型的には、複素環は、4個以下の窒素、2個以下の酸素および2個以下の硫黄を含有する。「環員」という用語は、環の主鎖を形成する原子または他の部分(例えば、C(=O)、C(=S)、S(O)またはS(O))を指す。他に示されていない限りにおいて、複素環は、飽和環、部分飽和環または完全不飽和環であることが可能であり、しかも、不飽和複素環は、部分飽和または完全不飽和であることが可能である。従って、飽和または不飽和であるかが示されていない「複素環」の言及は、「飽和または不飽和複素環」の言及と同義である。完全不飽和複素環がヒュッケルの法則を満たす場合、前記環はまた、「芳香族複素環」または「芳香族複素環」とも呼ばれる。「芳香族」は、環原子の各々が基本的に同一の面内にあると共に環面に垂直なp−軌道を有し、かつ、(4n+2)個のπ電子(nは正の整数である)が環に付随してヒュッケルの法則に従っていることを示す。他に示されていない限りにおいて、複素環および複素環系は、前記炭素または窒素上の水素の置換によりいずれかの利用可能な炭素または窒素を介して結合していることが可能である。
【0019】
「場合により置換されている」という用語は、ZおよびQの定義におけるフェニルまたは1−ナフタレニルに関して、非置換であるか、または、少なくとも1個の非水素置換基を有する基を指す。ZおよびQは、本方法における反応に係る分子の部分の末端部であるため、きわめて幅広い範囲の数およびタイプの両方の置換基が本方法に適合する。本明細書において用いられるところ、以下の定義が、他に示されていない限りにおいて、適用されるであろう。「場合により置換されている」という用語は、句「置換または非置換の」または用語「(非)置換である」と同義的に用いられる。他に示されていない限りにおいて、場合により置換されている基は、基の置換可能な位置の各々で置換基を有していてもよく、各置換は互いに独立している。
【0020】
またはQが5員または6員窒素含有複素環である場合、これは、他に記載のない限り、いずれかの利用可能な炭素または窒素環原子を介して式1の残りに結合していてもよい。実施形態1Bに記されているとおり、RまたはQは(とりわけ)、実施形態1Bにおいて定義されている置換基の群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されているフェニルであることが可能である。1〜5個の置換基で場合により置換されているフェニルの例は、提示1においてU−1として示されている環であり、式中、Rは、実施形態1Bにおいて、RまたはQについて定義されているとおりであり、rは0〜5の整数である。
【0021】
上記のとおり、RまたはQは(とりわけ)、実施形態2において定義されている置換基の群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されている、飽和または不飽和であり得る5員または6員複素環であることが可能である。1個以上の置換基で場合により置換されている5員または6員不飽和芳香族複素環の例としては、提示1に示されている環U−2〜U−61が挙げられ、ここで、Rは、実施形態2においてRまたはQについて定義されているいずれかの置換基であると共に、rは、各U基上で利用可能な位置の数によって限定される0〜4の整数である。U−29、U−30、U−36、U−37、U−38、U−39、U−40、U−41、U−42およびU−43は、1つしか利用可能な位置を有していないため、これらのU基については、rは整数0または1に限定されていると共に、rが0であることは、U基が未置換であって、かつ、(Rにより示されている位置に水素が存在することを意味する。
【0022】
【化11】

【0023】
【化12】

【0024】
【化13】

【0025】
注意すべきことに、RまたはQが、実施形態2においてRまたはQについて定義されている置換基の群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されている5員または6員飽和または不飽和非芳香族複素環である場合、複素環の1個または2個の炭素環員は、場合によりカルボニル部分の酸化型であることが可能である。
【0026】
5員または6員の飽和または非芳香族不飽和複素環の例としては、提示2に例示されている環G−1〜G−35が挙げられる。G基上の結合点が浮いて例示されている場合、G基は、水素原子を置き換えることにより、G基のいずれかの利用可能な炭素または窒素を介して式1の残りに結合することが可能であることに注意されたい。Rに対応する任意の置換基は、水素原子を置き換えることにより、いずれかの利用可能な炭素または窒素に結合することが可能である。これらのG環に関して、rは、典型的には、各G基上の利用可能な位置の数によって限定される0〜4の整数である。
【0027】
注意すべきことに、RまたはQがG−28〜G−35から選択される環を含む場合、Gは、O、SまたはNから選択される。注意すべきことに、GがNである場合、窒素原子は、Hまたは実施形態1Bに定義されているRに対応する置換基のいずれかでの置換によって、その原子価を完全とすることが可能である。
【0028】
【化14】

【0029】
注意すべきことに、原子に結合しているときにRがHである場合、これは、前記原子が非置換であることと同一である。原子価を埋めるために置換を必要とする窒素原子は、HまたはRで置換されている。注意すべきことに、(RとU基との間の結合点が浮いて示されている場合、(Rは、U基のいずれかの利用可能な炭素原子または窒素原子に結合されていることが可能である。注意すべきことに、U基上の結合点が浮いて示されている場合、U基は、U基のいずれかの利用可能な炭素または窒素を介して、水素原子の置換によって式1の残りに結合していることが可能である。注意すべきことに、いくつかのU基は、4個未満のR基(例えば、U−2〜U−5、U−7〜U−48、およびU−52〜U−61)でのみ置換されていることが可能である。
【0030】
広く多様な合成方法が技術分野において公知であって、芳香族および非芳香族複素環の調製を可能としている;詳細な概説については、8巻セットのComprehensive Heterocyclic Chemistry、A.R.KatritzkyおよびC.W.Rees編集長、Pergamon Press、Oxford、1984年、ならびに、12巻セットのComprehensive Heterocyclic Chemistry II、A.R.Katritzky、C.W.ReesおよびE.F.V.Scriven編集長、Pergamon Press、Oxford、1996年を参照のこと。
【0031】
いくつかの事例においては、本明細書において、比は、数1に対する単一の数字として言及されており:例えば、4の比は4:1を意味する。
【0032】
本発明の文脈において、「デカンタ」は、2つの液体相から構成される液体(例えば、共沸物縮合物)から、上方の(すなわち、密度の低い)液体相および/または下方の(すなわち、密度の高い)液体相を個別に除去することが可能であるデバイスを指す。ディーンスタークトラップ(Dean−Stark trap)は、一タイプのデカンタの例である。
【0033】
本発明の実施形態は以下を含む:
実施形態1 式1の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、式2の化合物、式3の化合物、塩基および水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤を含む混合物から水を留去する工程を含む方法。
【0034】
実施形態1A 実施形態1の方法であって、塩基が式4のアルカリ土類金属水酸化物であると共に、混合物が極性非プロトン性溶剤をさらに含む方法。
【0035】
実施形態1B 実施形態1の方法であって、塩基が式4aのアルカリ金属炭酸塩を含む方法。
【0036】
実施形態1C 実施形態1の方法であって、塩基が、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはこれらの混合物を含む方法。
【0037】
実施形態1D 式1の化合物を用いる、式7の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、この方法は、実施形態1の方法により式1の化合物を調製することを特徴とする。
【0038】
実施形態1E 式1の化合物を用いる、式7の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、この方法は、実施形態1Aの方法により式1の化合物を調製することを特徴とする。
【0039】
実施形態1F 式1の化合物を用いる、式7の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、この方法は、実施形態1Bの方法により式1の化合物を調製することを特徴とする。
【0040】
実施形態1G 式1の化合物を用いる、式7の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、この方法は、実施形態1Cの方法により式1の化合物を調製することを特徴とする。
【0041】
実施形態2 実施形態1〜1Gのいずれか1つの方法であって、
Qが、各々がRから独立して選択される4個以下の置換基で場合により置換されているフェニルまたは1−ナフタレニルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、−N(R)R、−C(=W)N(R)R、−C(=W)OR、−CN、−OR11あるいは−NOであるか;または、フェニル環または5員もしくは6員の飽和複素環もしくは不飽和複素環であって、各環は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、−CN、−NO、−N(R)R、−C(=W)N(R)R、−C(=O)ORおよびRから独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換されており;
各Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;
各Rは、独立して、Hであるか;または、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルシクロアルキルあるいはC〜Cシクロアルキルアルキルであって、各々は、Rから独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換されており;
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cハロアルコキシカルボニル、C〜Cハロアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロジアルキルアミノカルボニル、−OH、−NH、−CNあるいは−NOであるか;または、Qであり;
各Rは、独立して、フェニル環またはピリジニル環であって、各環は、Rから独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換されており;
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、−OH、−NH、−C(=O)OH、−CNまたは−NOであり;
各Qは、独立して、フェニル環または5員もしくは6員の飽和複素環もしくは不飽和複素環であって、各環は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、−CN、−NO、−C(=W)N(R)R10および−C(=O)OR10から独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換されており;
各Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;
各R10は、独立してHであるか;または、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルシクロアルキルあるいはC〜Cシクロアルキルアルキルであり;
各R11は、独立してHであるか;または、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜CアルキルスルホニルあるいはC〜Cハロアルキルスルホニルであり;
各Wは、独立してOまたはSである。
【0042】
実施形態2A 実施形態2の方法であって、Qが、Rから独立して選択される4個以下の置換基で場合により置換されているフェニルである方法。
【0043】
実施形態2B 実施形態2の方法であって、Qが、Rから独立して選択される4個以下の置換基で場合により置換されている1−ナフタレニルである方法。
【0044】
実施形態2C 実施形態2の方法であって、各Rが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C(W)N(R)R、−C(W)ORあるいは−CNであるか;または、フェニル環あるいは5員あるいは6員飽和あるいは不飽和複素環であって、各々が、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−CN、−C(W)N(R)Rおよび−C(O)ORから独立して選択される置換基で場合により置換されている環である方法。
【0045】
実施形態2D 実施形態2の方法であって、各Rが、独立して、HまたはC〜Cアルキルである方法。
【0046】
実施形態2E 実施形態2の方法であって、各Rが、独立して、Hであるか;または、Rから独立して選択される置換基で場合により置換されているC〜Cアルキルである方法。
【0047】
実施形態2F 実施形態2の方法であって、各Rが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロジアルキルアミノカルボニルあるいは−CNであるか;またはQである方法。
【0048】
実施形態2G 実施形態2の方法であって、各Qが、独立して、4個以下のハロゲンで場合により置換されているピリジニル環である方法。
【0049】
実施形態2H 実施形態2Bの方法であって、
Qが
【化15】

であり;および
が、C(O)N(R)RまたはC(O)ORである方法。
【0050】
実施形態2I 実施形態2Hの方法であって、
が、H、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルである方法。
【0051】
実施形態2J 実施形態2Iの方法であって、RがHである方法。
【0052】
実施形態2K 実施形態2H〜2Jのいずれか1つの方法であって、
が、C(O)N(R)RまたはC(O)OR5aであり;
が、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであって、各々が、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜CハロアルキルアミノカルボニルおよびC〜Cハロジアルキルアミノカルボニルから独立して選択される1個の置換基で置換されており;および
5aが、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであって、各々は、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、ならびに、ハロゲンおよびC〜Cアルキルから選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニルから独立して選択される1個以上の置換基で場合により置換されている方法。
【0053】
実施形態2L 実施形態2H〜2Kのいずれか1つの方法であって、
5aが、フェニルで場合により置換されているC〜Cアルキルである方法。
【0054】
実施形態2M 実施形態2H〜2Lのいずれか1つの方法であって、
がC(O)N(R)Rである方法。
【0055】
実施形態2N 実施形態2H〜2Jのいずれか1つの方法であって、
がC(O)ORである方法。
【0056】
実施形態2O 実施形態2K〜2Lのいずれか1つの方法であって、
がC(O)OR5aである方法。
【0057】
実施形態3 実施形態1〜2Oのいずれか1つの方法であって、
Zが、R(すなわち、
【化16】

式中nが、0、1、2、3、4または5である)
から独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニルであり;および
各Rが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、−CNまたは−NOである方法。
【0058】
実施形態3A 実施形態3の方法であって、Zが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で置換されているフェニル環であり、前記置換基はフェニル環の3位、4位または5位で結合している方法。
【0059】
実施形態3B 実施形態3または3Aの方法であって、各Rが、独立して、F、Cl、Br、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオである方法。
【0060】
実施形態3C 実施形態3または3Aの方法であって、各Rが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルまたは−CNである方法。
【0061】
実施形態3D 実施形態3Cの方法であって、各Rが、独立して、ハロゲンまたはC〜Cハロアルキルである方法。
【0062】
実施形態3E 実施形態3Dの方法であって、各Rが、独立して、ハロゲンまたはCFである方法。
【0063】
実施形態3F 実施形態3Eの方法であって、各Rが、独立して、F、ClまたはCFである方法。
【0064】
実施形態3G 実施形態3Aの方法であって、Zが
【化17】

であり;
2aが、ハロゲン、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシであり;R2bが、H、ハロゲンまたはシアノであり;および、R2cが、H、ハロゲンまたはCFである方法。
【0065】
実施形態3H 実施形態3Gの方法であって、R2aがCFまたはハロゲンであり;および、R2cがH、CFまたはハロゲンである方法。
【0066】
実施形態3I 実施形態3Hの方法であって、R2aがCFである方法。
【0067】
実施形態3J 実施形態3G〜3Iのいずれか1つの方法であって、R2bがHである方法。
【0068】
実施形態3K 実施形態3G〜3Jのいずれか1つの方法であって、R2cがCFまたはハロゲンである方法。
【0069】
実施形態3L 実施形態3Kの方法であって、R2cが、CF、F、ClまたはBrである方法。
【0070】
実施形態3M 実施形態3Lの方法であって、R2cが、F、ClまたはBrである方法。
【0071】
実施形態3N 実施形態3Lの方法であって、R2cが、CF、ClまたはBrである方法。
【0072】
実施形態3O 実施形態3Nの方法であって、R2cが、ClまたはBrである方法。
【0073】
実施形態3P 実施形態3Oの方法であって、R2bがHであると共に、R2cがClである方法。
【0074】
実施形態3Q 実施形態3Oの方法であって、R2bがHであると共に、R2cがBrである方法。
【0075】
実施形態4 式2の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、(1)式5の化合物を(a)金属マグネシウム、または(b)ハロゲン化アルキルマグネシウムとエーテル溶剤の存在下に接触させることにより、式5の化合物に由来するグリニャール試薬を含む反応混合物を形成する工程;次いで、(2)反応混合物を式6の化合物と接触させる工程を含む方法。
【0076】
実施形態4A 実施形態1〜2Oおよび3〜3Qのいずれか1つの方法であって、実施形態4の方法により式2の化合物を調製することをさらに特徴とする。
【0077】
実施形態4B 実施形態4または4Aの方法であって、XがClまたはIである方法。
【0078】
実施形態4C 実施形態4または4Aの方法であって、XがBrまたはIである方法。
【0079】
実施形態4D 実施形態4または4Aの方法であって、XがClまたはBrである方法。
【0080】
実施形態4E 実施形態4または4Aの方法であって、XがClである方法。
【0081】
実施形態4F 実施形態4または4Aの方法であって、XがBrである方法。
【0082】
実施形態4G 実施形態4または4Aの方法であって、XがIである方法。
【0083】
実施形態4H 実施形態4〜4Gのいずれか1つの方法であって、
Zが、R(すなわち、
【化18】

式中nは、0、1、2、3、4または5である)から独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニルであり;および
各Rが、独立して、F、Cl、Br、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオであり;
ただし、XがClである場合、各Rは、独立して、F、Cl、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオである方法。
【0084】
実施形態4I 実施形態4Hの方法であって、XがBrである場合、各Rが、独立して、F、Cl、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオであり;および、XがClである場合、各Rが、独立して、F、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオである方法。
【0085】
実施形態4J 実施形態3、4Hおよび4Iのいずれか1つの方法であって、Zが、Rから独立して選択される3個以下の置換基フェニル環であり、前記置換基が、フェニル環の3位、4位または5位で結合している方法。
【0086】
実施形態4K 実施形態4H、4Iおよび4Jのいずれか1つの方法であって、各Rが、独立して、F、Cl、Br、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである方法。
【0087】
実施形態4L 実施形態4Kの方法であって、各Rが、独立して、F、Cl、BrまたはC〜Cフルオロアルキルである方法。
【0088】
実施形態4M 実施形態4Lの方法であって、各Rが、独立して、F、Cl、BrまたはCFである方法。
【0089】
実施形態4N 実施形態4H〜4Mのいずれか1つの方法であって、Zが、Rから独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニル環であり、前記置換基が、フェニル環の3位および5位で結合している方法。
【0090】
実施形態4O 実施形態4Nの方法であって、各Rが、独立して、F、Cl、BrまたはCFである方法。
【0091】
実施形態4P 実施形態4Oの方法であって、少なくとも1つのRがCFである方法。
【0092】
実施形態4Q 実施形態4Pの方法であって、1つのRがCFであると共に、他のRがClまたはBrである方法。
【0093】
実施形態4R 実施形態4Qの方法であって、1つのRがCFであると共に、他のRがClである方法。
【0094】
実施形態4S 実施形態3Aまたは3Hの方法であって、Zが
【化19】

であり;
2aが、F、Cl、Br、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cフルオロアルコキシであり;R2bが、H、F、ClまたはBrであり;および、R2cが、H、F、Cl、BrまたはCFである方法。
【0095】
実施形態4T 実施形態4Sの方法であって、R2aが、CF、F、ClまたはBrであり;および、R2cが、H、CF、F、ClまたはBrである方法。
【0096】
実施形態4U 実施形態4Tの方法であって、R2aがCFである方法。
【0097】
実施形態4V 実施形態4S〜4Uのいずれか1つの方法であって、R2bがHである方法。
【0098】
実施形態4W 実施形態4S〜4Vのいずれか1つの方法であって、R2cが、CF、F、ClまたはBrである方法。
【0099】
実施形態4X 実施形態4Wの方法であって、R2cが、F、ClまたはBrである方法。
【0100】
実施形態4Y 実施形態4Wの方法であって、R2cが、CF、ClまたはBrである方法。
【0101】
実施形態4Z 実施形態4Yの方法であって、R2cが、ClまたはBrである方法。
【0102】
実施形態4ZA 実施形態4Zの方法であって、R2bがHであると共に、R2cがClである方法。
【0103】
実施形態4ZB 実施形態4Zの方法であって、R2bがHであると共に、R2cがBrである方法。
【0104】
実施形態4ZC 実施形態4S〜4ZBのいずれか1つの方法であって、XがIである方法。
【0105】
実施形態5 「発明の概要」に記載の式2の化合物であって、
Zが
【化20】

であり;
2aがCFであり;R2bがHまたはハロゲンであり;および、R2cがハロゲンである化合物。
【0106】
実施形態5A 実施形態5の化合物であって、R2bがHである化合物。
【0107】
実施形態5B 実施形態5または5Aの化合物であって、R2cが、F、ClまたはBrである化合物。
【0108】
実施形態5C 実施形態5Bの化合物であって、R2cがClまたはBrである化合物。
【0109】
実施形態5D 1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)]−2,2,2−トリフルオロエタノン;および
1−[3−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)]−2,2,2−トリフルオロエタノン
からなる群から選択される実施形態5Cの化合物。
【0110】
実施形態5E 1−クロロ−3−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンである「発明の概要」に記載の式5の化合物。
【0111】
実施形態6 実施形態1Aまたは1Eの方法であって、MがCa(すなわち、アルカリ土類金属水酸化物が水酸化カルシウム)である方法。
【0112】
実施形態6A 実施形態1A、1Eまたは6の方法であって、アルカリ土類金属水酸化物対式2の化合物のモル比が少なくとも約0.1である方法。
【0113】
実施形態6A1 実施形態6Aの方法であって、アルカリ土類金属水酸化物対式2の化合物のモル比が少なくとも約0.5である方法。
【0114】
実施形態6B 実施形態6A1の方法であって、アルカリ土類金属水酸化物対式2の化合物のモル比が少なくとも約0.8である方法。
【0115】
実施形態6C 実施形態1A、1Eまたは6〜6Bのいずれか1つの方法であって、アルカリ土類金属水酸化物対式2の化合物のモル比が約1以下である方法。
【0116】
実施形態6D 実施形態1Bまたは1Fの方法であって、MがK(すなわち、アルカリ金属炭酸塩が炭酸カリウム)である方法。
【0117】
実施形態6E 実施形態1B、1Fまたは6Dの方法であって、アルカリ金属炭酸塩対式2の化合物のモル比が少なくとも約0.01である方法。
【0118】
実施形態6F 実施形態6Eの方法であって、アルカリ金属炭酸塩対式2の化合物のモル比が少なくとも約0.03である方法。
【0119】
実施形態6G 実施形態1B、1Fまたは6D〜6Fのいずれか1つの方法であって、アルカリ金属炭酸塩対式2の化合物のモル比が約0.2以下である方法。
【0120】
実施形態6H 実施形態1Cまたは1Gの方法であって、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはその混合物対式2の化合物のモル比が少なくとも約0.01である方法。
【0121】
実施形態6I 実施形態6Hの方法であって、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはこれらの混合物対式2の化合物のモル比が少なくとも約0.03である方法。
【0122】
実施形態6J 実施形態1C、1G、6Hまたは6Iのいずれか1つの方法であって、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはこれらの混合物対式2の化合物のモル比が約0.2以下である方法。
【0123】
実施形態7 実施形態1Aまたは1Eの方法であって、極性非プロトン性溶剤がアミドまたはスルホキシド(これらの混合物を含む)を含む方法。
【0124】
実施形態7A 実施形態7の方法であって、極性非プロトン性溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンおよびメチルスルホキシドの1種以上を含む方法。
【0125】
実施形態7B 実施形態7の方法であって、極性非プロトン性溶剤がアミドを含む方法。
【0126】
実施形態7C 実施形態7Bの方法であって、極性非プロトン性溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンの1種以上を含む方法。
【0127】
実施形態7D 実施形態7Cの方法であって、極性非プロトン性溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドを含む方法。
【0128】
実施形態8 実施形態1Aまたは1Eの方法であって、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤がエーテルを含む方法。
【0129】
実施形態8A 実施形態8の方法であって、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤がt−ブチルメチルエーテルを含む方法。
【0130】
実施形態8B 実施形態1B、1C、1F、1Gまたは6D〜6Jのいずれか1つの方法であって、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤がアセトニトリルを含む方法。
【0131】
実施形態8C 実施形態8Aの方法であって、極性非プロトン性溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドを含む方法。
【0132】
実施形態8D 実施形態8Cの方法であって、t−ブチルメチルエーテルおよびN,N−ジメチルホルムアミドが約0.5〜約2の範囲内の重量比にある方法。
【0133】
実施形態9 実施形態1Aまたは1Eの方法であって、混合物が、少なくとも約65℃の温度である方法。
【0134】
実施形態9A 実施形態9の方法であって、混合物が少なくとも約70℃の温度である方法。
【0135】
実施形態9B 実施形態9Aの方法であって、混合物が少なくとも約75℃の温度である方法。
【0136】
実施形態9C 実施形態1B、1C、1Fまたは1Gの方法であって、混合物が少なくとも約65℃の温度である方法。
【0137】
実施形態9D 実施形態9Cの方法であって、混合物が少なくとも約80℃の温度である方法。
【0138】
実施形態9E 実施形態9Dの方法であって、混合物が少なくとも約85℃の温度である方法。
【0139】
実施形態9F 実施形態9〜9Eのいずれか1つの方法であって、混合物が約110℃以下の温度である方法。
【0140】
実施形態9G 実施形態9Fの方法であって、混合物が約100℃以下の温度である方法。
【0141】
実施形態9H 実施形態9Gの方法であって、混合物が約90℃以下の温度である方法。
【0142】
実施形態10 実施形態4または4Aの方法であって、式5の化合物が金属マグネシウムと接触される方法。
【0143】
実施形態10A 実施形態10の方法であって、金属マグネシウム対式5の化合物のモル比が少なくとも約1である方法。
【0144】
実施形態10B 実施形態10Aの方法であって、金属マグネシウム対式5の化合物のモル比が少なくとも約1.02である方法。
【0145】
実施形態10C 実施形態10Bの方法であって、金属マグネシウム対式5の化合物のモル比が少なくとも約1.05である方法。
【0146】
実施形態10D 実施形態10〜10Cのいずれか1つの方法であって、金属マグネシウム対式5の化合物のモル比が約1.2以下である方法。
【0147】
実施形態10E 実施形態10Dの方法であって、金属マグネシウム対式5の化合物のモル比が約1.1以下である方法。
【0148】
実施形態10F 実施形態4または4Aの方法であって、式5の化合物がハロゲン化アルキルマグネシウムと接触される方法。
【0149】
実施形態10G 実施形態10Fの方法であって、ハロゲン化アルキルマグネシウムがC〜Cハロゲン化アルキルマグネシウムである方法。
【0150】
実施形態10H 実施形態10Fまたは10Gの方法であって、ハロゲン化アルキルマグネシウムが第2級ハロゲン化アルキルマグネシウムである方法。
【0151】
実施形態10I 実施形態10Hの方法であって、ハロゲン化アルキルマグネシウムがイソプロピルハロゲン化マグネシウムである方法。
【0152】
実施形態10J 実施形態10Iの方法であって、ハロゲン化アルキルマグネシウムが塩化イソプロピルマグネシウムである方法。
【0153】
実施形態10K 実施形態10F〜10Jのいずれか1つの方法であって、ハロゲン化アルキルマグネシウム対式5の化合物のモル比が少なくとも約1である方法。
【0154】
実施形態10L 実施形態10Kの方法であって、ハロゲン化アルキルマグネシウム対式5の化合物のモル比が少なくとも約1.05である方法。
【0155】
実施形態10M 実施形態10F〜10Lのいずれか1つの方法であって、ハロゲン化アルキルマグネシウム対式5の化合物のモル比が約1.2以下である方法。
【0156】
実施形態10N 実施形態10Mの方法であって、ハロゲン化アルキルマグネシウム対式5の化合物のモル比が約1.15以下である方法。
【0157】
実施形態10O 実施形態4または4Aの方法であって、式6の化合物がメチルトリフルオロ酢酸塩またはエチルトリフルオロ酢酸塩である方法。
【0158】
実施形態11 実施形態4または4Aの方法であって、エーテル溶剤が、エチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランおよび1,2−ジメトキシエタンの1種以上を含む方法。
【0159】
実施形態11A 実施形態11の方法であって、エーテル溶剤が、エチルエーテルまたはテトラヒドロフランを含む方法。
【0160】
実施形態11B 実施形態11Aの方法であって、エーテル溶剤がテトラヒドロフランを含む方法。
【0161】
実施形態11C 実施形態4、4Aまたは11〜11Bのいずれか1つの方法であって、式5の化合物が、(a)金属マグネシウム、または(b)ハロゲン化アルキルマグネシウムと、エーテル溶剤に追加して芳香族炭化水素溶剤の存在下に接触される方法。
【0162】
実施形態11D 実施形態11Cの方法であって、芳香族炭化水素溶剤が、ベンゼン、トルエンおよびキシレンの1種以上を含む方法。
【0163】
実施形態11E 実施形態11Dの方法であって、芳香族炭化水素溶剤がトルエンを含む方法。
【0164】
上記実施形態1〜11E、ならびに、本明細書に記載のいずれかの他の実施形態を含む本発明の実施形態はいずれかの様式で組み合わされることが可能であり、および、実施形態における可変要素の説明は、式1、2および7の化合物を調製するための上述の方法に関連するのみならず、式1、2および7の化合物をこれらの方法によって調製するために有用な出発化合物および中間体化合物にも関連する。
【0165】
実施形態1〜11Eの組み合わせが以下に例示されている。
実施形態A 式1の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、式2の化合物、式3の化合物、塩基および水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤を含む混合物から水を留去する工程を含み、ここで、
Zは、Rから独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニルであり;
Qは、各々が、Rから独立して選択される4個以下の置換基で場合により置換されているフェニルまたは1−ナフタレニルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、−CNまたは−NOであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、−N(R)R、−C(=W)N(R)R、−C(=W)OR、−CN、−OR11あるいは−NOであるか;または、フェニル環または5員もしくは6員の飽和複素環もしくは不飽和複素環であって、各環は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、−CN、−NO、−N(R)R、−C(=W)N(R)R、−C(=O)ORおよびRから独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換されており;
各Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;
各Rは、独立して、Hであるか;または、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルシクロアルキルあるいはC〜Cシクロアルキルアルキルであって、各々は、Rから独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換されている。
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cハロアルコキシカルボニル、C〜Cハロアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロジアルキルアミノカルボニル、−OH、−NH、−CNあるいは−NOであるか;または、Qであり;
各Rは、独立して、フェニル環またはピリジニル環であって、各環は、Rから独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換されており;
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、−OH、−NH、−C(=O)OH、−CNまたは−NOであり;
各Qは、独立して、フェニル環または5員もしくは6員の飽和複素環もしくは不飽和複素環であって、各環は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、−CN、−NO、−C(=W)N(R)R10および−C(=O)OR10から独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換されており;
各Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;
各R10は、独立してHであるか;または、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルシクロアルキルあるいはC〜Cシクロアルキルアルキルであり;
各R11は、独立してHであるか;または、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜CアルキルスルホニルあるいはC〜Cハロアルキルスルホニルであり;
各Wは、独立してOまたはSである。
【0166】
実施形態A1 実施形態Aの方法であって、塩基が式4のアルカリ土類金属水酸化物であると共に、混合物が、極性非プロトン性溶剤をさらに含む方法。
【0167】
実施形態A2 実施形態AまたはA1の方法であって、Qが、Rから独立して選択される4個以下の置換基で場合により置換されているフェニルである方法。
【0168】
実施形態A3 実施形態AまたはA1の方法であって、Qが、Rから独立して選択される4個以下の置換基で場合により置換されている1−ナフタレニルである方法。
【0169】
実施形態A4 実施形態A、A1またはA2の方法であって、
各Rが、独立して、ハロゲンまたはC〜Cハロアルキルであり;
各Rが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C(W)N(R)R、−C(W)ORあるいは−CNであるか;または、フェニル環あるいは5員あるいは6員複素環であって、各々が、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−CN、−C(W)N(R)Rおよび−C(O)ORから独立して選択される1個以上の置換基で場合により置換されている環であり;
各Rが、独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
各Rが、独立して、Hであるか;または、Rから独立して選択される1個以上の置換基で場合により置換されているC〜Cアルキルであり;
各Rが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロジアルキルアミノカルボニルあるいは−CNであるか;または、Qであり;ならびに
各Qが、独立して、4個以下のハロゲンで場合により置換されているピリジニル環である方法。
【0170】
実施形態A5 実施形態A3の方法であって、
【化21】

2aは、ハロゲン、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシであり;
2bは、H、ハロゲンまたはシアノであり;
2cは、H、ハロゲンまたはCFであり;
は、C(O)N(R)RまたはC(O)OR5aであり;
は、H、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;および
は、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであって、各々は、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜CハロアルキルアミノカルボニルおよびC〜Cハロジアルキルアミノカルボニルから独立して選択される1個の置換基で置換されており;
5aは、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであって、各々は、ハロゲン;C〜Cアルコキシ;ならびに、ハロゲンおよびC〜Cアルキルから選択される5個以下の置換基で場合により置換されたフェニルから独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換されている。
【0171】
実施形態A6 実施形態A5の方法であって、ここで、Rは、C(O)N(R)Rである。
【0172】
実施形態A7 実施形態A5の方法であって、ここで、RはC(O)OR5aである。
【0173】
実施形態B 式1の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、式2の化合物、式3の化合物、塩基および水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤を含む混合物から水を留去する工程を含み、ここで
Zが、R(すなわち、
【化22】

式中、nが、0、1、2、3、4または5である)
から独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニルであり;および
各Rが、独立して、F、Cl、Br、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオであり;
式2の化合物を、
(1)式5の化合物
【化23】

(式中、Xは、Cl、BrまたはIである)
に由来するグリニャール試薬を含む反応混合物を、
式5の化合物を、
(a)金属マグネシウム、または
(b)ハロゲン化アルキルマグネシウム
とエーテル溶剤の存在下に接触させることにより形成する工程;次いで、
(2)反応混合物を式6の化合物
【化24】

(式中、
Yは、OR11またはNR1213であり;
11はC〜Cアルキルであり;ならびに
12およびR13は、独立してC〜Cアルキルであるか;または、R12およびR13は、一緒になって、−CHCHOCHCH−とされる)
と接触させる工程
により調製する工程をさらに含む方法。
【0174】
実施形態B1 実施形態Bの方法であって、塩基が、式4のアルカリ土類金属水酸化物であると共に、混合物が極性非プロトン性溶剤をさらに含む方法。
【0175】
実施形態B2 実施形態BまたはB1の方法であって、Zが
【化25】

であり;
2aが、F、Cl、Br、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cフルオロアルコキシであり;
2bが、H、F、ClまたはBrであり;および
2cが、H、F、Cl、BrまたはCFである方法。
【0176】
実施形態C (1)式5の化合物に由来するグリニャール試薬を含む反応混合物を、式5の化合物を、(a)金属マグネシウム、または(b)ハロゲン化アルキルマグネシウムと、エーテル溶剤の存在下に接触させることにより形成する工程;次いで、(2)反応混合物を式6の化合物と接触させる工程を含む、式2の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、
XがIであり;
Zが、R(すなわち
【化26】

(式中、nは0、1、2、3、4または5である))から独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニルであり;および
各Rが、独立して、F、Cl、Br、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオである方法。
【0177】
実施形態C1 実施形態Cの方法であって、Zが
【化27】

であり;
2aが、F、Cl、Br、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cフルオロアルコキシであり;
2bが、H、F、ClまたはBrであり;および
2cが、H、F、Cl、BrまたはCFである方法。
【0178】
実施形態D 式7の化合物
【化28】

を調製するための方法であって、
Zが場合により置換されているフェニルであり;および
Qが、各々が場合により置換されているフェニルまたは1−ナフタレニルであり;
式1の化合物が用いられ、
【化29】

前記式1の化合物が、式1の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、式2の化合物、式3の化合物、塩基および水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤を含む混合物から水を留去する工程を含む方法により調製されることを特徴とする方法。
【0179】
実施形態D1 実施形態Dの方法であって、塩基が、式4のアルカリ土類金属水酸化物であると共に、混合物が極性非プロトン性溶剤をさらに含む方法。
【0180】
実施形態D2 実施形態DまたはD1の方法であって、
【化30】

2aが、ハロゲン、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシであり;
2bが、H、ハロゲンまたはシアノであり;
2cが、H、ハロゲンまたはCFであり;
が、H、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;および
が、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであって、各々が、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜CハロアルキルアミノカルボニルおよびC〜Cハロジアルキルアミノカルボニルから独立して選択される1個の置換基で置換されている方法。
【0181】
実施形態E 式7の化合物
【化31】

を調製するための方法であって、
Zが、場合により置換されているフェニルであり;および
Qが、各々が場合により置換されているフェニルまたは1−ナフタレニルであり;
式1の化合物が用いられ
【化32】

前記式1の化合物として、式1の化合物を調製するための「発明の概要」に記載の方法であって、式2の化合物、式3の化合物、塩基および水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤を含む混合物から水を留去する工程を含む方法により調製された式1の化合物が用いられることを特徴とする方法。
【0182】
実施形態E1 実施形態Eの方法であって、塩基が、式4のアルカリ土類金属水酸化物であると共に、混合物が極性非プロトン性溶剤をさらに含む方法。
【0183】
実施形態E2 実施形態EまたはE1の方法であって、
【化33】

2aが、ハロゲン、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシであり;
2bが、H、ハロゲンまたはシアノであり;
2cが、H、ハロゲンまたはCFであり;
が、H、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;および
が、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであって、各々が、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜CハロアルキルアミノカルボニルおよびC〜Cハロジアルキルアミノカルボニルから独立して選択される1個の置換基で置換されている方法。
【0184】
以下のスキーム1〜10において、式1〜7および式11〜15の化合物におけるZ、Q、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13およびWの定義は、他に示されていない限りにおいて、「発明の概要」および実施形態の記載において上記に定義されているとおりである。式1aは、式1のサブセットである。式5aは、式5のサブセットである。式7a、7b、7c、7d、7eおよび7fは、式7のサブセットである。式13aは式13のサブセットである。
【0185】
スキーム1に例示されている本発明の方法において、式1の化合物は、式2の化合物、式3の化合物、式4のアルカリ土類金属水酸化物塩基、極性非プロトン性溶剤、および水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤を含む混合物から水を留去することにより調製される。
【化34】

(式中、MはCa、SrまたはBaである)
【0186】
この反応の第1のステップには、式11の化合物を形成するためのアルドール縮合が関与している。式11の化合物は単離されないが、代わりに、反応条件下では、式1の化合物に転化される。
【0187】
この反応の化学量論は等モル量の式2および式3の化合物を含み、等モル量の使用が、典型的には、もっとも経済的である。しかしながら、反応体の1つがわずかにモル過剰であっても反応に悪影響はなく、および、反応体の1つがかなり安価である、すなわち準備用により入手しやすい場合、わずかな過剰量(例えば、1.05モル当量)でこれを用いることが、より高価である、すなわち準備用に入手しにくい反応体を完全に転換させるために所望されるかもしれない。
【0188】
式4のアルカリ土類金属水酸化物、および、水との接触で前記アルカリ土類金属水酸化物を形成することが可能である化合物が、式1の化合物の高収率をもたらすために特に有効であることが発見された。これらのアルカリ土類金属水酸化物塩基としては、カルシウム、ストロンチウムまたは水酸化バリウムが挙げられ、水酸化カルシウムが、その低価格のために好ましい。式4のアルカリ土類金属水酸化物は、アルカリ土類金属水素化物などの水との接触でアルカリ土類金属水酸化物を形成することが可能である化合物(本明細書においては、「アルカリ土類金属水酸化物前駆体」として区別する)からインサイチュで形成されることが可能である。アルカリ土類金属水酸化物前駆体は、反応により形成される水を含む、反応混合物中に存在する水と反応して、対応するアルカリ土類金属水酸化物を形成することが可能である。アルカリ土類金属水素化物は、アルカリ土類金属水酸化物を形成するその反応が、蒸留を伴わずに、反応により形成された水を除去するために前駆体として好ましい。水酸化カルシウムが、商業的な入手性および比較的安価な価格のために、アルカリ土類金属水酸化物前駆体として特に好ましい。直接的な水の除去のために水酸化カルシウムが有利であるが、反応混合物を形成するための水酸化カルシウムの添加は、水が共沸蒸留によって除去されるスキーム1の方法については好ましく、これは、水酸化カルシウムは水素ガスを発生させず、および、大規模化が容易であり、および、大規模での使用が金属水素化物よりも本質的に安全であるためである。
【0189】
アルカリ土類金属水酸化物は、アルカリ土類金属水酸化物対式3の化合物のモル比が、典型的には約0.1〜約1の範囲内であるよう、反応混合物に添加される。典型的には、約0.5〜約1の範囲内の比が、急速な反応速度および高い生成物収率をもたらす。
【0190】
本方法において、反応混合物は、水と低沸点共沸物を形成することができる極性非プロトン性溶剤および非プロトン性溶剤の両方を含む。極性非プロトン性溶剤は、極性非プロトン性溶剤化合物の混合物を含むことが可能であるが、典型的には、単一種の極性非プロトン性溶剤化合物である。技術分野において一般に理解されているとおり、非プロトン性溶剤は、−OH部分も−NH部分もその分子構造中に有さない液体化合物を意味する。さらに、技術分野において一般に理解されているとおり、極性溶剤は、15を超える誘電率を有する液体化合物を意味する。本方法に関して、特に注目すべき極性非プロトン性溶剤は、室温(例えば、約20〜25℃)で、すべての割合で水和性であるよう十分に極性である。極性非プロトン性溶剤は、最も好ましくは、極性非プロトン性溶剤が反応混合物から除去されないよう、低沸点共沸物の沸点よりも高い沸点を有する。これらの特性は、比較的安い価格で市販されているアミドおよびスルホキシド溶剤によって最も良好にもたらされる。アミド溶剤とは、カルボキサミド分子部分を含有する溶剤化合物を意味する。アミド溶剤の通常の例は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジノンである。スルホキシド溶剤はスルホキシド分子部分を含み;通常の例としては、ジメチルスルホキシド(メチルスルホキシドとしても知られている)およびスルホランが挙げられる。N,N−ジメチルホルムアミドが優れた結果をもたらし、水よりも実質的に高い沸点を有するがそれでもなお蒸留によって容易に除去可能であり、および、比較的安い価格で市販されているために最も好ましい。
【0191】
本方法においては、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤が含まれていることで、副生物として形成された水の蒸留による除去が促進される。非プロトン性溶剤は、普通、単一種の溶剤化合物であるが、溶剤化合物(例えば、キシレン異性体)の混合物であることも可能である。低沸点共沸物とは、水の沸点および非プロトン性溶剤の沸点よりも低い沸点を有する共沸物を意味する。定義によれば、水を含有する低沸点共沸物は、100℃(すなわち、水の標準沸点)未満の標準沸点を有する。それ故、低沸点共沸物の沸点は、式1、2および3の化合物の沸点よりも実質的に低くなり、これらの化合物は、蒸留の際に反応混合物に残留することとなる。既述のとおり、好ましくは、低沸点共沸物を形成することが可能である極性非プロトン性溶剤および非プロトン性溶剤は、極性非プロトン性溶剤が蒸留の最中に除去されないように極性非プロトン性溶剤が共沸物よりも高い沸点を有するよう選択される。水と共沸物を形成する非プロトン性溶剤は技術分野において周知であり、これらの沸点を列挙している概論が発行されている(例えば、Azeotropic Data、Advances in Chemistry Seriesの第6号、American Chemical Society、Washington,D.C.、1952年、特に6〜12頁を参照のこと)。水と低沸点共沸物を形成する好適な非プロトン性溶剤の例としては、酢酸エチルなどのエステル、ベンゼンおよびトルエンなどの芳香族炭化水素、ならびに、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランおよび1,4−ジオキサンなどのエーテルが挙げられる。好ましくは、非プロトン性溶剤および水により形成される共沸物は、室温(例えば、15〜35℃)で非プロトン性溶剤中に可溶であるよりも多い割合で水を含有し、それ故、デカンタトラップにおける縮合共沸物からの水の大規模での分離、および水が枯渇した非プロトン性溶剤の蒸留カラムの中段への再利用を促進する。従って、酢酸エチル、ベンゼン、トルエンおよびt−ブチルメチルエーテルなどの不水和性の非プロトン性溶剤が、水和性であるテトラヒドロフランおよび1,4ジオキサンよりも好ましい。
【0192】
t−ブチルメチルエーテルが、本方法における非プロトン性溶剤として特に有用であることが発見された。t−ブチルメチルエーテルは、52.6℃で沸騰すると共に4%水および96%t−ブチルメチルエーテルを含有する水共沸物を形成し、従って、蒸留により反応混合物から水を急速に移行させることができる。しかも、水は、わずかに約1%程度しかt−ブチルメチルエーテル中に可溶ではない。従って、デカンタトラップ中のt−ブチルメチルエーテルの量が反応によって形成されたすべての水を溶解するには十分ではない大規模調製においては、トラップ中の縮合物は、わずかに約1%水を含有するt−ブチルメチルエーテルを含むと共に蒸留カラムの中段に戻されることが可能である上層と、主に水を含む、除去可能である下層とに分離することとなる。加えて、t−ブチルメチルエーテルおよびその水との共沸物の比較的低い沸点は、100℃を超える沸点、特に120℃を超える沸点を有する極性非プロトン性溶剤(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)と組み合わされるt−ブチルメチルエーテルの割合が調整されることにより、広い範囲の反応温度の選択に適応する。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)よりもt−ブチルメチルエーテルをかなり多く含む反応混合物は55℃をあまり超えないポット温度で沸騰可能であるが、一方で、DMFに比してt−ブチルメチルエーテルをほとんど含まない反応混合物は、100℃を超えるポット温度で沸騰可能である。典型的には、t−ブチルメチルエーテルおよびN,N−ジメチルホルムアミドは、約0.5〜約2の範囲内の重量比である。
【0193】
スキーム1の方法の反応は、広い範囲の温度にわたって実施されることが可能である。典型的には、反応温度は少なくとも約65℃である。この反応はより低い温度でも進行するが、反応速度はより遅く、および50℃未満で沸騰する非プロトン性溶剤−水共沸物は、典型的には、比較的わずかな水を含み(例えば、ジクロロメタンは1.5%水を含有する共沸物を形成する)、これが水の除去を遅くする。より典型的には、反応温度は、少なくとも約70℃であり、および最も典型的には少なくとも約75℃である。高い温度は反応速度を高めるが、これはまた、生成物純度および収率を低下させる副反応を引き起こす可能性がある。従って、典型的には、反応温度は約110℃以下であり、より典型的には約100℃以下であり、および、最も典型的には約90℃以下である。
【0194】
式2および式3の化合物、式4のアルカリ土類金属水酸化物(またはアルカリ土類金属水素化物などの前駆体)、低沸点共沸物を形成することができる極性非プロトン性溶剤および非プロトン性溶剤は、任意の簡便な順番で組み合わされて反応混合物を形成することが可能である。
【0195】
反応の進行は、アリコートの薄層クロマトグラフィ、HPLCおよびH NMR分析などの従来の方法によって監視することが可能である。反応が完了した後、混合物は典型的には、室温に冷却されると共に、生成物は、ろ過、抽出、蒸留および結晶化などの従来の方法によって単離される。例えば、アルカリ金属水酸化物および他の固形分は、ほとんどがろ過によって除去されることが可能である。水を濾液に添加し、続いて強酸(塩酸など)を添加して残留している塩基のすべてを中和して、DMFなどの極性溶剤の除去を補助することが可能である。有機相の分離、DMFなどの極性溶剤を除去するための水でのさらなる洗浄、硫酸マグネシウムまたは分子ふるいなどの乾燥剤での乾燥、次いで、溶剤の蒸発の後に生成物が度々結晶性固体として残留し、これは、ヘキサンなどの溶剤から再結晶化させることが可能である。
【0196】
乾燥剤での乾燥が非現実的である大規模調製に関しては、分離された有機相は、蒸留による、水、および、水と共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤(以下、本明細書においては「反応共沸物溶剤」と称される)の両方の除去によって乾燥および濃縮されることが可能である。次いで、残渣が、反応共沸物溶剤よりも高い沸点を有する非極性溶剤(例えば、反応共沸物溶剤がt−ブチルメチルエーテルである場合、65〜70℃標準沸点を有するヘキサン画分)で希釈されることが可能であると共に、蒸留が継続されて、残存する反応共沸物溶剤および場合によりいくらかの非極性溶剤が除去される。度々、生成物および非極性溶剤を含む混合物の冷却は生成物の結晶化を生じさせる。あるいは、非極性溶剤は、さらなる留去または蒸発により除去させて生成物を残留させることが可能である。
【0197】
生成物を単離する代わりに、その後の反応(例えば、スキーム6の方法)に有用な溶剤に生成物を移すことがより簡便であり得る。蒸留によって水および反応共沸物溶剤の両方が除去された後、残渣は、その後の反応に有用な溶剤(本明細書において「置換反応溶剤」と称される)で希釈されることが可能である。微量の残存反応共沸物溶剤は、その後の反応において許容され得る。あるいは、置換反応溶剤が反応共沸物溶剤よりも高い沸点を有する場合(例えば、反応共沸物溶剤がt−ブチルメチルエーテルである場合に置換反応溶剤としてテトラヒドロフラン)、残存反応共沸物溶剤は蒸留によって容易に除去されることが可能である。
【0198】
スキーム1の方法は、典型的には、一方の異性体が優勢であり得るEおよびZ幾何異性体(式1において波線で示されている)の混合物として式1の化合物をもたらす。再結晶などの精製方法は、度々、単一の幾何異性体を主に含有するかまたは単一の幾何異性体のみを含有する精製された生成物をもたらす。
【0199】
式1の化合物を調製するための代替的な方法においては、式2および式3の化合物が、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤または混合物から水を留去する工程を含む必要性なしに、DMFなどの極性非プロトン性溶剤の存在下に水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水素化物と接触させられる。この方法において、アルカリ土類金属水素化物は、縮合を触媒する塩基の供給源および副生物として形成された水を除去するための乾燥剤の供給源の両方として機能する。アルカリ金属水素化物が主な乾燥剤として機能するため、化学量論は、式2および式3の化合物に対して少なくとも0.5のモル比を要求する。典型的には、約1.3の比が、急速な反応速度および高い生成物収率を提供する。アルカリ土類金属水素化物は、一般に、これらに不活性な溶剤にほとんど溶解度を有さず、きわめて小さい粒径が、質量転移および反応(例えば、水との反応)に対するこれらの試薬の利用可能性を向上させる。典型的には、約2以下のアルカリ金属水素化物対式3の化合物のモル比が最良の結果(すなわち、高い転換および生成物収率)のために必要とされるが、大粒径のアルカリ土類金属水素化物は2を超える水素化物対式3の化合物のモル比を最良の結果のために必要とし得る。この方法は、典型的には、少なくとも約45℃、より典型的には、少なくとも約55℃、および典型的には、約100℃以下、より典型的には、約80℃以下の温度で実施される。
【0200】
スキーム1aに例示されている本発明の方法において、式1の化合物は、式2の化合物、式3の化合物、式4aのアルカリ金属炭酸塩塩基、および、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤を含む混合物から水を留去することにより調製される。
【化35】

(式中、MはLi、NaまたはKである)
【0201】
この反応の第1のステップには、式11の化合物を形成するためのアルドール縮合が関与している。式11の化合物は単離されないが、代わりに、反応条件下では、式1の化合物に転化される。
【0202】
この反応の化学量論は、スキーム1に記載されているとおり等モル量の式2および式3の化合物を含む。
【0203】
式4aのアルカリ金属炭酸塩は、式1の化合物の高収率をもたらすために特に効果的であることが発見された。これらのアルカリ金属炭酸塩塩基としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムが挙げられ、炭酸カリウムがその安い価格のために好ましい。
【0204】
アルカリ金属炭酸塩は、アルカリ金属炭酸塩対式3の化合物のモル比が、典型的には、約0.01〜約0.2の範囲内であるよう、添加されて反応混合物が形成される。典型的には、約0.03〜約0.05の範囲内の比が、式3の化合物から式1の化合物への完全な転換をもたらす。アルカリ金属炭酸塩は、反応速度が制御可能であると共に、反応容器中での水の生成量を溶剤/水共沸物の蒸留による水の除去量と合致させることが可能であるよう反応混合物に少量で添加されることが可能である。
【0205】
スキーム1aの方法において、アセトニトリルは、本方法における非プロトン性溶剤として特に有用であることが発見された。アセトニトリルは、76.5℃で沸騰すると共に、重量基準で約16.3%水および約83.7%アセトニトリルを含有する水共沸物を形成し、従って、蒸留により反応混合物から水を急速に移行させることができる。
【0206】
スキーム1aの方法の反応は、広い範囲の温度にわたって実施されることが可能である。典型的には、反応温度は少なくとも約65℃である。この反応はより低い温度でも進行するが、反応速度はより遅く、および50℃未満で沸騰する非プロトン性溶剤−水共沸物は、典型的には、比較的わずかな水を含み(例えば、ジクロロメタンは1.5%水を含有する共沸物を形成する)、これが水の除去を遅くする。より典型的には、反応温度は、少なくとも約80℃であり、および最も典型的には少なくとも約85℃である。高い温度は反応速度を高めるが、これはまた、生成物純度および収率を低下させる副反応を引き起こす可能性がある。従って、典型的には、反応温度は約110℃以下であり、より典型的には約100℃以下であり、および、最も典型的には約90℃以下である。
【0207】
スキーム1bに例示されている本発明の方法において、式1の化合物は、式2の化合物、式3の化合物、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンおよびこれらの混合物から選択される塩基、および、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤を含む混合物から水を留去することにより調製される。
【化36】

(式中、塩基は、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはこれらの混合物である)
【0208】
この反応の第1のステップには、式11の化合物を形成するためのアルドール縮合が関与している。式11の化合物は単離されないが、代わりに、反応条件下では、式1の化合物に転化される。
【0209】
この反応の化学量論は、スキーム1に記載されているとおり等モル量の式2および式3の化合物を含む。
【0210】
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはこれらの混合物は、式1の化合物の高収率をもたらすために特に効果的であることが発見された。1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンおよび1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデカ−7−エンは共に25℃で液体である。大規模(すなわち、商業規模)では、液体は反応混合物により正確に添加されることが可能であると共に、材料の損失が固形分よりも少ない。
【0211】
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはこれらの混合物は、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはこれらの混合物対式3の化合物のモル比が、典型的には、約0.01〜約0.2の範囲内であるよう、反応混合物に添加される。典型的には、約0.03〜約0.05の範囲内の比が急速な反応速度および高い生成物収率をもたらす。1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはこれらの混合物は、反応速度が制御可能であると共に、反応容器中での水の生成量を溶剤/水共沸物の蒸留による水の除去量と合致させることが可能であるよう、反応混合物に少量で添加されることが可能である。
【0212】
スキーム1bの方法において、アセトニトリルは、本方法における非プロトン性溶剤として特に有用であることが発見された。アセトニトリルは、76.5℃で沸騰すると共に、重量基準で16.3%水および83.7%アセトニトリルを含有する水共沸物を形成し、従って、蒸留により反応混合物から水を急速に移行させることができる。
【0213】
スキーム1bの方法の反応は、広い範囲の温度にわたって実施されることが可能である。典型的には、反応温度は少なくとも約65℃である。この反応はより低い温度でも進行するが、反応速度はより遅く、および50℃未満で沸騰する非プロトン性溶剤−水共沸物は、典型的には、比較的わずかな水を含み(例えば、ジクロロメタンは1.5%水を含有する共沸物を形成する)、これが水の除去を遅くする。より典型的には、反応温度は、少なくとも約80℃であり、および最も典型的には少なくとも約85℃である。高い温度は反応速度を高めるが、これはまた、生成物純度および収率を低下させる副反応を引き起こす可能性がある。従って、典型的には、反応温度は約110℃以下であり、より典型的には約100℃以下であり、および、最も典型的には約90℃以下である。
【0214】
式1の化合物を調製するための、スキーム1、1aおよび1bの方法、ならびに、上記の代替的な方法に関して、最も広い定義において、式1および式2中のZは場合により置換されているフェニルであると共に式1および式3中のQはフェニルまたは1−ナフタレニルであり、各々は、場合により置換されている。QおよびZは、式1の化合物をもたらすアルドール縮合および脱水に直接的に関与していない付属的な基である。本方法についての反応条件は比較的温和であり、それ故、フェニルおよび1−ナフタレニル上の広い範囲の任意の置換基に適応する。水酸化物塩基に最も反応性である官能基のみが影響に対して感受性である。従って、実施形態(例えば、1〜1G、2〜2O、A〜A7)および本開示における他の箇所に記載のQおよびZのフェニル部分および1−ナフタレニル部分上の特定の置換基は、本方法の実用性の範囲はより普遍的であるため、単なる例示とみなされるべきである。
【0215】
スキーム2に例示されている本発明の方法において、式2の化合物は、グリニャール試薬中間体(式12として示されている)を形成する工程、次いで、グリニャール試薬を式6の化合物と反応させる工程によって、対応する式5の化合物から調製される。
【化37】

【0216】
この方法の一実施形態において、式5の化合物は、エーテル溶剤の存在下に金属マグネシウムと接触させられてグリニャール試薬を形成する。本開示および特許請求の範囲の文脈において、エーテル溶剤は、水素、炭素および酸素から選択される原子から構成されると共に、少なくとも1つのエーテル結合(すなわち、C−O−C)を有するが他の官能基を有さない1種以上の有機化合物を含有する。エーテルの通常の例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよび1,2−ジメトキシエタンが挙げられるが、ブチルジグリム(1,1’−[オキシビス(2,1−エタンジイルオキシ)]ビスブタン)などの他のエーテルもまた、グリニャール試薬の調製および使用のために採用される。この実施形態において典型的には、エーテル溶剤はジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランを含む。より典型的には、エーテル溶剤はテトラヒドロフランを含む。グリニャール試薬が金属マグネシウムを用いて調製される場合、スキーム2中のXは、他のアニオン性種が反応混合物に添加されていないXと同じである。グリニャール試薬を金属マグネシウムから調製するために、金属は、典型的には、削り屑(turnings)、削り屑(shavings)または粉末の形態であり、反応のために広い表面積をもたらす。典型的には、金属マグネシウムは、式5の化合物と少なくとも約0℃、より典型的には少なくとも約20℃、および最も典型的には、少なくとも約25℃の温度で接触させられる。典型的には、この温度は、約65℃以下、より典型的には、約40℃以下、および最も典型的には、約35℃以下である。化学量論が、式5の化合物に対して少なくとも等モル量の金属マグネシウムを完全な転換のために要求するため、金属マグネシウム対式5の化合物のモル比は、典型的には、少なくとも約1、より典型的には少なくとも約1.02および最も典型的には少なくとも約1.05である。より過剰量の金属マグネシウムを用いることが可能であるが、これらは利点をもたらすことなく、固体残渣を増加させる。典型的には、金属マグネシウム対式5の化合物のモル比は約1.2以下、およびより典型的には、約1.1以下である。
【0217】
あるいは、この方法の他の実施形態において、グリニャール試薬は、式5の化合物を、ハロゲン化アルキルマグネシウムと接触させることにより調製される。グリニャール試薬を形成するこの一般的な方法の例については、J.L.LeazerおよびR.Cvetovich、Org.Syn.、2005年、82、115〜119頁を参照のこと。ハロゲン化アルキルマグネシウムは、典型的には、第1級ハロゲン化アルキルマグネシウムよりも反応性である第2級ハロゲン化アルキルマグネシウムである。典型的には、ハロゲン化アルキルマグネシウムは、C〜Cハロゲン化アルキルマグネシウムである。注目すべきことに、ハロゲン化アルキルマグネシウムは、イソプロピルハロゲン化マグネシウム、特に塩化イソプロピルマグネシウムである。本方法のこの実施形態において、スキーム2中のXは、式5の化合物中のXおよびハロゲン化アルキルマグネシウムのハロゲン化物の両方によってもたらされるアニオンの混合物を表す。例えば、XがIであると共にハロゲン化アルキルマグネシウムが塩化イソプロピルマグネシウムである場合、Xは、ClおよびIの混合物を表す(アニオンとして表されている)。この実施形態において、式5の化合物は、エーテル溶剤の存在下にハロゲン化アルキルマグネシウムと接触させられる。典型的には、式5の化合物は、少なくとも−30℃、より典型的には、少なくとも−20℃および最も典型的には、少なくとも約−10℃の温度でハロゲン化アルキルマグネシウムと接触させられる。典型的には、この温度は、約40℃以下、より典型的には、約20℃以下、および最も典型的には、約10℃以下である。この実施形態において典型的には、エーテル溶剤は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはこれらの混合物を含み、より典型的には、エーテル溶剤は、テトラヒドロフランを含む。化学量論が、式5の化合物に対して少なくとも等モル量のハロゲン化アルキルマグネシウムを完全な転換のために要求するため、ハロゲン化アルキルマグネシウム対式5の化合物のモル比は、典型的には、少なくとも約1、およびより典型的には、少なくとも約1.05である。より過剰量のハロゲン化アルキルマグネシウムを用いることが可能であるが、これらは、その後式6の化合物と反応することが可能であり、従って、さらなる式6の化合物が必要とされ、さらなる副生物が生成される。典型的には、ハロゲン化アルキルマグネシウム対式5の化合物のモル比は約1.2以下、およびより典型的には、約1.15以下である。しかしながら、より多量のハロゲン化アルキルマグネシウムが、反応溶剤における水不純物を補償するために所望される可能性がある。
【0218】
技術分野において周知であるとおり、グリニャール試薬は水を含むヒドロキシ基を含有する溶剤ときわめて急速に反応し、それ故、グリニャール試薬を調製するための溶剤および使用するための溶剤は、可能な限り不純物水を含有すべきではなく、すなわち、無水であるべきである。また、グリニャール試薬は酸素と反応するため、反応混合物は、例えば、窒素ガスまたはアルゴンガスによってガスシールされることにより、酸素から保護されていることが好ましい。
【0219】
この方法の両方の実施形態について、および、特に、ハロゲン化アルキルマグネシウムを用いてグリニャール試薬を形成する実施形態について、この方法は、エーテル溶剤に追加して芳香族炭化水素溶剤の存在下に実施されることが可能である。「芳香族炭化水素溶剤」という用語は、この方法において、1種以上の芳香族炭化水素化合物を含む溶剤を示す。芳香族炭化水素化合物は炭素原子および水素原子のみを含有し、芳香族性のために、アルキル基などの炭化水素部分で置換されていることが可能である少なくとも1つのベンゼン環を含む。芳香族炭化水素溶剤は、通例、1個以上のベンゼン、トルエンおよびキシレン(典型的には、異性体の混合物として表されている)を含む。芳香族炭化水素溶剤はジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランなどの通常のエーテル溶剤よりも沸点が高いため、グリニャール試薬を形成するための反応混合物に芳香族炭化水素溶剤を含ませることにより、大規模生産における安全域が向上される。グリニャール試薬の形成は一般に発熱性であり、冷却が停止してその後低沸点エーテル溶剤が失われた場合、高沸点芳香族炭化水素溶剤の存在が反応を低減させることとなる。本方法に関して、安い価格、比較的低い毒性、低い凝固点および適度に高い沸点のために、トルエンが芳香族炭化水素溶剤として特に好ましい。
【0220】
この方法によれば、次いで、式5の化合物から形成されるグリニャール試薬を含有する反応混合物は、式6の化合物と接触させられて式2の化合物をもたらす。式6の化合物は、典型的には、少なくとも約−80℃、より典型的には、少なくとも約−25℃、および最も典型的には、少なくとも約−5℃の温度で、グリニャール試薬を含有する反応混合物と接触させられる。この温度は典型的には、約0℃以下である。典型的には、式6の化合物は、溶液中にグリニャール試薬を含有する反応混合物に添加され、式5の化合物から形成されたグリニャール試薬に対して過剰量の式6の化合物が用いられる。あるいは、式5の化合物から形成されたグリニャール試薬を含有する反応混合物は、過剰量の式6の化合物に添加されることが可能である。グリニャール試薬が金属マグネシウムから調製されるとき、式5の化合物に対する式6の化合物のモル比は、典型的には、少なくとも約1.05およびより典型的には、少なくとも約1.1であり、ならびに、典型的には、約1.3以下およびより典型的には、約1.2以下である。グリニャール試薬がハロゲン化アルキルマグネシウムから調製されるとき、過剰量のハロゲン化アルキルマグネシウムもまた式6の化合物と反応することが可能であるために、用いられるハロゲン化アルキルマグネシウムの量は、式6の化合物に関して、式5の化合物の量よりも重要である。この実施形態において、式6の化合物対用いられるハロゲン化アルキルマグネシウムの比は、典型的には、少なくとも約1.05およびより典型的には、少なくとも約1.1であり、ならびに、典型的には、約1.3以下およびより典型的には、約1.2以下である。
【0221】
反応混合物は、典型的には、塩酸などの水性鉱酸の添加、および、ジエチルエーテル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの適度に極性の不水和性の有機溶剤への生成物の抽出によって形成される。通常は、式2の化合物は、その水和物誘導体およびそのアルキルヘミ−ケタール誘導体(YがOR11である場合に式6の化合物から形成されたアルカノール副生物に由来)との混合物中に得られる。式2の化合物のこれらの誘導体の一方または両方は、非プロトン性有機溶剤の存在下での、例えば、p−トルエンスルホン酸といった有機スルホン酸などの強酸との処理(すなわち、接触)、ならびに、蒸留によって形成された水および/またはアルカノールの除去によって式2の化合物に簡便に転化されることが可能である。好ましくは、非プロトン性有機溶剤は不水和性である。典型的には、非プロトン性有機溶剤は、ヘプタンまたはトルエン、および、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素などの炭化水素から選択される1種以上の溶剤を含む。蒸留の最中、ポット中の反応混合物は、典型的には、少なくとも約45℃、より典型的には、少なくとも約80℃、典型的には、約120℃以下、より典型的には、約110℃以下、および最も典型的には、約100℃以下に加熱される。ヘプタン、トルエンおよび1,2−ジクロロエタンなどの溶剤、ならびに、水およびアルカノールとのこれらの共沸物は、これらの反応温度に適応する標準沸点を有する。水およびアルカノールと低沸点共沸物を形成するトルエンなどの溶剤が好ましい。水およびアルカノールを除去した後、蒸留は、溶剤を除去するために継続され、および、式2の生成化合物を単離するために低圧で継続されることが可能である。
【0222】
スキーム2の方法はXがIである(すなわち、ヨード)場合に特に有用であるが、これは、Zが、F、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、アルキルチオおよびフルオロアルキルチオからのみならず、ClおよびBrからも選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニル環である式2の化合物の調製を促進し、これは、XがClまたはBrである場合に、金属マグネシウムまたはハロゲン化アルキルマグネシウムと反応する可能性がより高くなるためである。グリニャール試薬は、より頻繁に、クロロ−またはブロモフェニル化合物から調製されるが、ヨードフェニル化合物(すなわち、XがIである)はグリニャール試薬の形成において良好に作用することが発見され、しかも、XがIである場合、フェニル環は、殺虫性4,5−ジヒドロイソキサゾール化合物の形成に特に有用である、特に3位および5位(Xに対して)といった他の位置でハロゲンで置換されることが可能である。
【0223】
XがIであり;かつ、Zが、Xに対して3位および5位で、F、Cl、BrおよびCFから独立して選択される置換基であって、特に1個の置換基がCFであると共に他の置換基がCF、ClまたはBrであり、より特定的には1個の置換基がCFであると共に他の置換基がClまたはBrであり、ならびに、最も特定的には1個の置換基がCFであると共に他の置換基がClである置換基で置換されているフェニルであるスキーム2の方法に注目すべきである。
【0224】
式5および式6の化合物は、技術分野において公知である広く多様な方法によって調製されることが可能である。これらの化合物の多くは公知であり、相当の数が市販されている。上記のスキーム2の方法の実施形態は、XがIである式5の化合物(例えば、1−クロロ−3−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン)を含む。これらの化合物は、スキーム3に例示されている方法によって調製されることが可能である。この方法において、式13の化合物はジアゾ化されてジアゾニウム塩中間体が形成され、次いで、これが還元されて式5aの化合物(すなわち、XがIである式5)が形成される。
【化38】

(式中、Rは、実施形態3Hに定義されているとおりRなどの置換基である)
【0225】
この方法において、式13の化合物は、塩酸または硫酸などの鉱酸の存在下に亜硝酸ナトリウムと接触させられる。通常は、最良の結果のためには、反応において用いられる式5aの化合物のモル数に対して2モル当量以上の鉱酸が必要とされる。この反応は、典型的には、水性塩酸または酢酸などの好適な溶剤中に実施される。約−5〜約5℃の範囲内の温度がジアゾニウム塩の調製に通常採用される。次いで、式13の化合物のジアゾニウム塩が、次亜リン酸またはエタノールなどの還元剤と接触させられて、式5aの化合物がもたらされる。この還元反応は、通常は、ジアゾニウム塩の形成に用いられたものと同一の溶剤中に、約5〜約20℃の温度で実施される。式5aの生成物は、結晶化、抽出、および蒸留などの標準的な技術によって単離されることが可能である。この一般的な方法によるアニリンのジアゾ化および還元は周知であり、概説されている;例えば、N.Kornblum、Org. Reactions、1944年、2、262〜340頁を参照のこと。
【0226】
2−クロロ−6−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン、4−クロロ−2−ヨード−6−(トリフルオロ−メチル)−ベンゼンアミンおよび2−クロロ−4−ヨード−6−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミンは、この方法による式5aの化合物として1−クロロ−3−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンを調製するための式13の化合物として特に注目すべきである。
【0227】
式13の化合物は、スキーム4に示されているとおり、ヨウ素化によって式14の化合物から調製されることが可能である。
【化39】

(式中、Rは、実施形態3Hに定義されているとおりRなどの置換基である)
【0228】
この方法において、式14の化合物は、水または酢酸などの好適な溶剤中に一塩化ヨウ素などのヨウ素化試薬と接触させられる。場合により、反応媒体中における式14の化合物および一塩化ヨウ素の溶解度を高めるために、塩酸を反応混合物中に含めることが可能である。通常は、わずかに約1モル当量の一塩化ヨウ素しか式14の化合物を式13の化合物に完全に転化するために必要とされない。よりモル過剰量の一塩化ヨウ素が反応時間を短縮するために用いられることが可能であるが、プロセスコストが増加してしまう。この反応は、約0〜約100℃の温度範囲内、典型的には、約50℃の温度で実施されることが可能である。式13の生成物は、ろ過、抽出および蒸留などの従来の手段によって単離されることが可能である。
【0229】
スキーム5に例示されているとおり、少なくとも1つの塩素部分または臭素部分を含有する式13aの化合物はまた、対応する式13の化合物を、塩素、塩酸/過酸化水素、または臭化水素酸/過酸化水素などの好適な塩素化剤または臭素化剤と接触させることにより調製されることが可能である。
【化40】

(式中、Rは、実施形態3Hに定義されているとおりRなどの置換基であり;少なくとも1つのRがCl(クロロ化に由来)であるか、または、Br(臭素化に由来)であり、Rの他の事例は、式13のR置換基であり;および、p = n +それぞれ、クロロ化または臭素化に由来する塩素元素または臭素原子の数である)
【0230】
この反応は、水または酢酸などの溶剤中に実施される。温度範囲は、0〜100℃であることが可能であり、25〜50℃の温度範囲が好ましい。
【0231】
本発明の他の態様において、スキーム1の方法によって調製された式1の化合物は、式7の化合物を調製するために有用である。
【化41】

【0232】
多様な経路が、式1の化合物からの式7の化合物の調製のために可能である。スキーム6に示されている1つの方法において、式1の化合物は、ヒドロキシルアミンおよび塩基と接触させられて、式7の5−(トリフルオロメチル)−4,5−ジヒドロイソキサゾール化合物が形成される。
【化42】

【0233】
ヒドロキシルアミンは、硫酸ヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンなどの鉱酸塩から、好適な溶剤における塩基での処理により生成されることが可能であり、または、50%水溶液として商業的に入手することが可能である。この方法においては、式1のエノンとの接触の前に、ヒドロキシルアミンまたはその鉱酸塩が、典型的には塩基と接触させられる。ヒドロキシルアミンの鉱酸塩が用いられる場合、塩基は、ヒドロキシルアミン鉱酸塩をヒドロキシルアミンに転化するために必要な量より過剰な量で接触させられる。塩基はスキーム6の反応においては消費されず、所望の環化のための触媒として作用するように見受けられる。塩基の不存在下では、ヒドロキシルアミンとエノンとの反応は式1の化合物以外の生成物をもたらす可能性があるために、式1のエノンとの接触の前のヒドロキシルアミンの塩基での脱プロトン化が良好な収率を達成するために必要である。従って、度々、ヒドロキシルアミンに対して(ヒドロキシルアミン鉱酸塩をヒドロキシルアミンに転化するために用いられるいずれかの塩基に追加して)約1モル当量の塩基が用いられるが、1未満のモル当量の塩基が優れた結果をもたらすことが可能である。ヒドロキシルアミンに対して1超のモル当量(例えば、約5以下モル当量)の塩基が用いられることが可能であるが、ただし、過剰量の塩基が式1のエノンまたは式7のイソオキサゾールと反応しない場合に限られる。
【0234】
式1のエノンに対して1〜3当量のモル過剰量のヒドロキシルアミンが用いられることが可能である。大規模生産のための好適な様式における、式1のエノンの式7のイソオキサゾールへの経済的で、完全で、かつ、迅速な転化を確保するために、式1のエノンに対して約1〜約2モル当量のヒドロキシルアミンが、典型的には、最も好適であるとして見出されている。
【0235】
好適な塩基としては、これらに限定されないが、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、および有機塩基を挙げることが可能である。好ましい有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどのプロトン化のために利用可能である少なくとも一対の自由電子を有するアミン塩基である。ピリジンなどのより弱い塩基が用いられることが可能であるが、アルカリ金属アルコキシドまたはアルカリ金属水酸化物などのヒドロキシルアミンを効率的に脱プロトン化するより強い塩基が、典型的には、より良好な結果をもたらす。水は、ヒドロキシルアミンをその塩から形成するためのみならず、ヒドロキシルアミンの脱プロトン化ために特に有用な溶剤であるために、水に相溶性である塩基に特に注目すべきである。水に可溶性であると共に相溶性である強塩基の例は、アルカリ金属水酸化物である。安価であると共に、ヒドロキシルアミンを脱プロトン化し、これにより、水溶液中にヒドロキシルアミンのナトリウム塩を形成するために良好に作用するために、水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ金属アルコキシドが、低級アルカノール、度々、アルコキシドに対応するアルカノール中の溶液で頻繁に用いられる。
【0236】
スキーム6の方法は、好適な溶剤の存在下に実施される。最良の結果のために、溶剤は、塩基およびヒドロキシルアミンに対して不活性であるべきであると共に、式1のエノンを溶解することが可能であるべきである。好適な有機溶剤としては、アルコール、エーテル、ニトリルまたは芳香族炭化水素が挙げられる。アルコール(例えば、メタノール、イソプロパノール)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン)またはニトリル(例えば、アセトニトリル)などの水和性の溶剤が、アルカリ金属水酸化物塩基と良好に作用する。非求核性である溶剤(例えば、エーテルおよびニトリル)が、度々、最良の結果をもたらす。特に、単一の溶剤が用いられる場合、最も好ましい溶剤はテトラヒドロフランおよびアセトニトリルである。
【0237】
あるいは、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルなどの溶剤中の式1のエノンの溶液を、溶媒混合物において共溶剤として作用する二次溶剤中のヒドロキシルアミンと水酸化ナトリウムなどの塩基との溶液と接触させることにより形成される2種の溶剤の混合物を用いて反応を実施することがより所望され得る。ヒドロキシルアミンの鉱酸塩および水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物塩基は特に水溶性であるために、水が共溶剤として特に有用である。その鉱酸塩からのヒドロキシルアミンの急速な生成と、水、ならびに、水中における脱プロトン化種の溶解度および安定性により促進されるその後のヒドロキシルアミンの脱プロトン化とが特に望ましい。大規模製造においては、処理設備における取り扱いおよび移送がより容易であるために、スラリーではなく溶液が好ましい。水が共溶剤である場合、他の溶剤は、典型的には、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルなどの水和性の溶剤である。
【0238】
低級アルカノール(例えば、メタノール、エタノール)などの他の高度に極性のヒドロキシル溶剤もまた、これらは、水と同様に、ヒドロキシルアミンおよびアルカリ金属水酸化物の鉱酸塩を容易に溶解させるために、共溶剤として特に有用である。低級アルカノールは、他の溶剤が、例えば、t−ブチルメチルエーテルのように水和性でない場合に、共溶剤として水より良好な結果をもたらすことが可能である。低級アルカノールが共溶剤として用いられる場合であって、特に水和性ではない他の溶剤と用いられる場合、添加される塩基は、度々、アルカリ金属水酸化物の代わりにアルカリ金属アルコキシドである。
【0239】
ヒドロキシルアミンを脱プロトン化するために塩基が存在する限り、ヒドロキシルアミン、塩基および式1のエノンを、スキーム6の方法において多様な方法で接触させることが可能である。例えば、ヒドロキシルアミンおよび塩基から(典型的には、水などの溶剤中に)形成される混合物を、(典型的にはテトラヒドロフランまたはアセトニトリルなどの溶剤中の)式1のエノンに添加することが可能である。あるいは、ヒドロキシルアミンおよび塩基を、式1のエノンに同時に個別に添加することが可能である。他の実施形態においては、(典型的には、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルなどの溶剤中の)式1のエノンを、(典型的には、水などの溶剤中に)ヒドロキシルアミンおよび塩基から形成された混合物に添加することが可能である。これらの実施形態例においては、例えば、水とテトラヒドロフランまたはアセトニトリルとの代わりに、メタノールとt−ブチルメチルエーテルといった溶剤の他の組み合わせを用いることが可能である。
【0240】
スキーム6の方法は、約0〜150℃、または最も簡便には、20〜40℃の反応温度で実施されることが可能である。式7の生成物は、抽出および結晶化を含む当業者に公知である通常の方法により単離される。
【0241】
式7a、7bおよび7cの化合物は、殺虫剤として特に注目されるべき式7の化合物のサブセットである。
【化43】

(式中、R、R、R、RおよびRは「発明の概要」、提示1および実施形態中に定義されているとおりであり、ならびに、nは、0〜5の整数である)
【0242】
従って、式7a、7bおよび7cの化合物の調製について特に注目すべきは、式1の化合物がスキーム1の方法によって調製されるスキーム7に示されているスキーム6の方法の実施形態である。
【化44】

式中、
【化45】

【0243】
式7の化合物は、度々、他の式7の化合物から、置換基の変更によって調製されることが可能である。例えば、式7aの化合物は、スキーム8に示されているとおり、適切に置換された式15のアミン化合物での式7dの化合物のアミノカルボニル化により調製されることが可能である。
【化46】

【0244】
この反応は、典型的には、CO雰囲気下で、パラジウム触媒の存在下に式7dの臭化アリールと共に実施される。この方法について用いられるパラジウム触媒は、典型的には、パラジウムを、0(すなわちPd(0))または2(すなわちPd(II))のいずれかの形式酸化状態で含む。広く多様なこのようなパラジウム含有化合物および錯体が、この方法のための触媒として有用である。スキーム8の方法における触媒として有用であるパラジウム含有化合物および錯体の例としては、PdCl(PPh(二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))、Pd(PPh(テトラキス(トリフェニル−ホスフィン)−パラジウム(0))、Pd(C(パラジウム(II)アセチル−アセトネート)、Pd(dba)(トリス−(ジベンジリ−デン−アセトン)ジパラジウム(0))、および[1,1’−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)が挙げられる。スキーム8の方法は、一般に液相中で実施され、従って、最も効果的であるために、パラジウム触媒は、液相中に良好な溶解度を有することが好ましい。有用な溶剤としては、例えば、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル、N,N−ジメチル−アセトアミドなどのアミド、およびトルエンなどの非ハロゲン化芳香族炭化水素が挙げられる。
【0245】
スキーム8の方法は、約25〜約150℃の範囲の広い範囲にわたる温度で実施されることが可能である。速い反応速度および高い生成物収率を典型的にもたらす約60〜約110℃の温度に注目すべきである。臭化アリールおよびアミンでのアミノカルボニル化のための一般的な方法および手法は文献において周知である;例えば、H.Horinoら、Synthesis、1989年、715;およびJ.J.Li、G.W.Gribble、編集、Palladium in Heterocyclic Chemistry:A Guide for the Synthetic Chemist、2000年を参照のこと。
【0246】
式7dの化合物は、本発明によるスキーム1の方法によって調製された式1の化合物から、スキーム6の方法によって調製されることが可能である。
【0247】
式7aの化合物はまた、スキーム9に示されているとおり、式7eのカルボン酸化合物を式15の適切に置換されたアミノ化合物でカップリングすることにより調製されることが可能である。
【化47】

【0248】
この反応は、一般に、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド、1−プロパン−ホスホン酸環状無水物またはカルボニルジイミダゾールなどの脱水カップリング剤の存在下に、トリエチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下に、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの無水非プロトン性溶剤中で、典型的には約20〜約70℃の温度で実施される。
【0249】
式7eの化合物は、本発明によるスキーム1の方法により調製された式1の化合物からスキーム6の方法により調製されることが可能である。あるいは、式7eの化合物は、スキーム10に示されているとおり、式7fのエステル化合物を加水分解することにより調製されることが可能である。
【化48】

(式中、R5aは、例えば、メチルまたはエチルである)
【0250】
この方法において、式7fのエステルは、技術分野において周知である基本手順によって、対応する式7eのカルボン酸に転化される。例えば、テトラヒドロフラン中での、式7fのメチルまたはエチルエステルの水性水酸化リチウムの処理、これに続く酸性化が対応する式7eのカルボン酸をもたらす。
【0251】
式7fの化合物は、本発明によるスキーム1の方法により調製された式1の化合物からスキーム6の方法により調製されることが可能である。
【0252】
さらなる詳細がなくても、前述の説明を用いる当業者は本発明をその最大限まで利用できると確信される。従って、以下の実施例は単なる実例に過ぎず、何にせよ決して開示を限定しないと解釈されるべきである。以下の実施例におけるステップは、合成変換全体における各ステップのための手順を示し、各ステップのための出発材料は、必ずしも、その手順が他の実施例またはステップにおいて記載される特定の調製作業によって調製されていなくてもよい。クロマトグラフィ溶媒混合物を除いて、あるいは他で示されない限り百分率は重量による。クロマトグラフィ溶媒混合物についての割合および百分率は、他で記載されない限り体積による。H NMRスペクトルは、テトラメチルシランの下流にppmで報告されている;「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「q」は四重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「dd」は二重項の二重項を意味し、「dt」は三重項の二重項を意味し、および「br」は広幅を意味する。
【実施例】
【0253】
実施例1
メチル4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−1−ナフタレンカルボキシレートの調製
ステップA:メチル4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−1−ナフタレンカルボキシレートの調製
メチル4−アセチル−1−ナフタレンカルボキシレート(5.36g、23.4mmol)、1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(5.68g、23.4mmol)、水酸化カルシウム(0.172g、2.3mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(16mL)、およびt−ブチルメチルエーテル(32mL)の混合物を温度計を備えた反応容器中に入れた。この反応容器を10枚のプレートを備えるOldershawカラムに接続し、その排出物を凝縮すると共に、最初にデカンタを充填しておいたt−ブチルメチルエーテルに供給した。装置中を窒素雰囲気に維持した。デカンタの上部をOldershawカラムの5番目のプレートに接続して縮合物を戻した。この配置は、デカンタからの濡れた(溶解した水を含有する)t−ブチルメチルエーテルが確実に反応容器に戻らない様にする。デカンタの底部のドレーンバルブが、水に追加してt−ブチルメチルエーテルのデカンタからの除去を可能とする。反応混合物を加熱してt−ブチルメチルエーテル/水共沸物を留去した。デカンタトラップは、反応によって形成される水をすべて溶解させるために十分な量のt−ブチルメチルエーテルを含有するため、トラップ中の縮合物は、主に水を含有する層および主にt−ブチルメチルエーテルを含有する層には分離しなかった。反応混合物は初期において主にt−ブチルメチルエーテルを含有していたため、この混合物を、t−ブチルメチルエーテルの標準沸点をあまり超えない温度(例えば、約65〜70℃)で沸騰させた。反応は、この温度では比較的ゆっくりと進行するよう見受けられ、従って、縮合物がデカンタトラップから徐々に排出されてt−ブチルメチルエーテルが除去された。反応混合物中においてt−ブチルメチルの濃度が低下するに伴って、沸騰している混合物の温度が上昇した。沸騰している反応混合物の温度が約75〜80℃に達するまでデカンタをドレーンしてt−ブチルメチルエーテルを除去した。この温度範囲を維持するために、t−ブチルメチルエーテルを、装置からの溶剤の損失を補償するために必要に応じて追加した。一晩の停止期間を含まない、反応混合物の加熱を開始してから蒸留を停止するまでの合計時間は約15時間であった。この期間の間、さらになる分量の水酸化カルシウム(1.34g、18.1mmol)を添加して反応速度を高めた。
【0254】
生成物を単離するために、混合物を室温に冷却すると共にろ過した。回収した固体をt−ブチルメチルエーテル(10mL)で洗浄した。水(100mL)を添加し、水性層を塩酸で酸性化した。有機相を水(100mL)で洗浄し、乾燥させ、および、蒸発させて、91〜91.5℃(ヘキサンからの再結晶の後)で溶融する黄色の固体(10.1g、95%収率)として生成物を得た。以下のスペクトルは、ヘキサンから再結晶させた生成物のものである。
IR(ヌジョール)1723、1670、1560、1280、1257、1230、1186、1171、1132、1098、1022、804cm−1
H NMR(CDCl)8.78〜8.76(m,1H)、8.32〜8.30(m,1H)8.02(d,J=7.6Hz,1H)7.65〜7.62(m,3H)、7.34(s,1H)、7.07〜7.06(m,1H)、6.94(d,J=1.7Hz,2H)、4.03(s,3H)。
【0255】
ステップB:メチル4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−1−ナフタレンカルボキシレートの調製
水酸化ナトリウム(50%、3.50g、43.7mmol)を、ヒドロキシルアミン硫酸塩(1.8g、11.0mmol)の水(22mL)中の溶液に添加した。混合物が室温に冷却したら、混合物の一部(約50%)を、テトラヒドロフラン(55mL)中のメチル4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−1−ナフタレン−カルボキシレート(すなわち、ステップAの生成物)(5.00g、11.0mmol)に、室温で4分間かけて滴下した。30分後、さらなる分量(約10%)の水性混合物を添加した。この混合物をさらに15分間攪拌した。混合物を、塩酸(1N、50mL)と、t−ブチルメチルエーテル(50mL)との間で分離した。有機相を蒸発させると共に、得られた固体を熱いメタノール中で攪拌した。この混合物を冷却すると共にろ過して、137.3〜138℃(メタノールからの再結晶の後)で溶融する白色の固体(4.50g、87%)として生成物を得た。以下のスペクトルは、メタノールから再結晶させた生成物のものである。
IR(ヌジョール)1716、1569、1518、1433、1332、1309、1288、1251、1192、1167、1139、1114、1102、1027、1006、910、867、855cm−1
H NMR(CDCl)8.89〜8.87(m,1H)、8.80〜8.78(m,1H)、8.10(d,J=7.6Hz,1H)、7.69〜7.66(m,2H)、7.56〜7.53(m,3H)、7.46(t,J=2Hz,1H)、4.27(1/2ABq、J=17Hz,1H)、4.03(s,3H)、3.91(1/2ABq、J=17Hz,1H)。
【0256】
実施例2
メチル4−[5−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−1−ナフタレンカルボキシレートの調製
ステップA:メチル4−[3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−1−ナフタレンカルボキシレートの調製
メチル4−アセチル−1−ナフタレンカルボキシレート(5.36g、23.5mmol)、1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエタノン(7.28g、23.5mmol)、水酸化カルシウム(1.40g、18.9mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(16mL)およびt−ブチルメチルエーテル(32mL)の混合物を、t−ブチルメチルエーテル/水共沸物の除去のための、実施例1、ステップAに記載の10枚のプレートを備えるOldershawカラムおよびデカンタを備える装置を準備して沸騰させた。デカンタトラップは、反応によって形成される水をすべて溶解させるために十分な量のt−ブチルメチルエーテルを含有するため、トラップ中の縮合物は、主に水を含有する層および主にt−ブチルメチルエーテルを含有する層には分離しなかった。t−ブチルメチルエーテルを、ポット温度が85℃になるまでデカンタトラップを徐々にドレーンすることにより除去した。この温度を維持するために、t−ブチルメチルエーテルを、装置からの溶剤の損失を補償するために必要に応じて追加した。一晩の停止期間を含まない、反応混合物の加熱を開始してから蒸留を停止するまでの合計時間は約10時間であった。この期間の間、追加の水酸化カルシウムは反応混合物に添加しなかった。
【0257】
生成物を単離するために、混合物を室温に冷却すると共にろ過した。固体をt−ブチルメチルエーテルで洗浄すると共に、濾液を水(30mL)で洗浄し、および、t−ブチルエーテルで希釈した。混合物を蒸発させて、91.5〜92℃(ヘキサンからの再結晶の後)で溶融する黄色の固体(12.1g、99%)として生成物を得た。以下のスペクトルは、ヘキサンから再結晶させた生成物のものである。
IR(ヌジョール)1720、1685、1515、1441、1405、1345、1280、1261、1187、1171、1147、1129、1097、1024、899、856cm−1
H NMR(CDCl)8.74〜8.72(m,1H)、8.23〜8.21(m,1H)7.99(d,J=7.3Hz,1H)、7.67(d,J=7.6Hz,1H)、7.64〜7.57(m,3H)、7.51(s,2H)、7.47(d,J=1.4Hz,1H)、4.04(s,3H)。
【0258】
ステップB:メチル4−[5−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−1−ナフタレンカルボキシレートの調製
水酸化ナトリウム(50%、1.53g、38.2mmol)を、水(18mL)中のヒドロキシルアミン硫酸塩(1.57g、9.57mmol)に添加した。溶液の一部(約51%、約9.8mmolのヒドロキシルアミン)を、テトラヒドロフラン(45mL)中のメチル4−[3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−1−ナフタレンカルボキシレート(すなわち、ステップAの生成物)(5.00g、9.61mmol)に滴下した。約45分後、この混合物を塩酸(1N、100mL)中に注ぎ入れると共に、エーテルで抽出した(3×80mL)。
【0259】
組み合わせた有機抽出物を水(80mL)で洗浄し、乾燥させると共に蒸発させた。材料を熱いメタノール中で攪拌し、次いで、室温に冷却し、ろ過で回収すると共に、減圧下に乾燥させて、130〜131℃(メタノールからの再結晶の後)で溶融する白色の固体(4.14g、80%収率)として生成物を得た。以下のスペクトルは、メタノールから再結晶させた生成物のものである。
IR(ヌジョール)1722、1515、1437、1330、1284、1208、1193、1174、1128、1106、1025、1009、916、903、859、842cm−1
H NMR(CDCl)8.89〜8.87(m,1H)、8.82〜8.79(m,1H)、8.14〜8.09(m,3H)、8.0(s,1H)、7.70〜7.67(m,2H)、7.56(d,J=7.6Hz,1H)、4.39(1/2ABq、J=17.3Hz,1H)、4.03(s,3H)、3.96(1/2ABq、J=17.6Hz,1H)。
【0260】
実施例3
メチル4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−1−ナフタレンカルボキシレートの代替的な調製
1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(1.42g、5.84mmol)のN,N−ジメチル−ホルムアミド(5.5mL)中の溶液を水酸化カルシウム(0.280g、6.66mmol)に添加した。メチル4−アセチル−1−ナフタレンカルボキシレート(1.34g、5.88mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5.5mL)中の溶液をこの混合物に添加した。この混合物を8時間45〜50℃に温めた。この混合物を一晩で室温に冷却した。60℃でのさらなる4時間後、混合物を室温に冷却し、および、塩酸(1N、100mL)に滴下した。混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、および、組み合わせた抽出物を乾燥させると共に蒸発させて、N,N−ジメチルホルムアミドをわずかに含有する生成物(2.7g、102%収率)を得た。主な異性体のH NMRスペクトルを以下のとおり記録した。
H NMR(CDCl)8.78〜8.75(m,1H)、8.33〜8.30(m,1H)、8.02(d,J=7.7Hz,1H)、7.66〜7.61(m,3H)、7.34(s,1H)、7.07〜7.04(m,1H)、6.94(d,J=2Hz,2H)4.03(s,3H)。
【0261】
実施例4
2−クロロ−6−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの調製
塩酸(36%、21.4g)および水(35mL)中の一塩化ヨウ素(17.2g、108mmol)を、塩酸(36%、20.7g)および水(140mL)中の2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン(20.0g、102mmol)に滴下した。この混合物を合計で8時間50℃に温めた。水酸化ナトリウム(50%、33.5g、419mmol)を混合物に室温で添加した。この混合物をジクロロメタン(2×250mL)で抽出し、および抽出物を乾燥させ、および、蒸発させて、油(31.83g、97%収率)として生成物を得た。
H NMR(CDCl)7.78(s,1H)、7.5(s,1H)、4.87(br s,2H)。
【0262】
実施例5
1−クロロ−3−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンの調製
2−クロロ−6−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン(すなわち、実施例4の生成物)(31.8g、98.9mmol)を塩酸(36%、190mL)に添加し、この混合物を55〜60℃に20分間温めた。この混合物を0℃に冷却した。水(36mL)中の亜硝酸ナトリウム(13.6g、197mmol)を30分間かけて添加した。添加が完了したら、混合物を0〜5℃で70分間攪拌した。次亜リン酸(50%、36.5mL、351mmol)を5〜10℃で40分間かけて滴下した。添加が完了したら、混合物は短時間の内に35℃に自然に温まり、次いで、10〜20℃に冷却した。10〜20℃での2時間の攪拌の後、混合物を、冷蔵庫に一晩保管した。次いで、この混合物を室温に温めると共に、1時間攪拌した。この混合物を水(400mL)で希釈すると共に、エーテル(2×250mL)で抽出した。組み合わせた抽出物を乾燥させると共に蒸発させた。蒸留は、2.0kPaでb.p.98〜112℃の油(19.93g、66%収率)として生成物をもたらした。
H NMR(CDCl)7.89(s,1H)、7.84(s,1H)、7.58(s,1H)。
【0263】
実施例6
1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエタノンの調製
塩化イソプロピルマグネシウム(2M、36.0mL、71.8mmol)のテトラヒドロフラン溶液を、1−クロロ−3−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン(すなわち、実施例5の生成物)(20.0g、65.3mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)中の溶液に、−5℃で滴下した。この混合物を1時間、0〜5℃で攪拌した。メチルトリフルオロ酢酸塩(10.0g、78.1mmol)を、温度を0〜5℃に維持しながら混合物に滴下した。添加が完了したら、混合物を90分間攪拌した。
【0264】
塩酸(1N、100mL)を0〜5℃で混合物に滴下した。添加が完了したら、混合物をエーテル(2×100mL)で抽出した。
【0265】
組み合わせた抽出物を乾燥させると共に蒸発させた。油をトルエン(55mL)中に溶解させると共に、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.100g、0.525mmol)を混合物に添加した。この混合物を30分間沸騰させ、および水/トルエンメタノール/トルエン共沸物を大気圧での蒸留により除去した。蒸留を減圧下で継続して、6.7kPaでb.p.93〜103℃の油(12.4g、69%収率)として生成物を得た。
H NMR(CDCl)8.21〜8.19(m,2H)、7.95(s,1H)。
【0266】
実施例7
4−[5−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミドの調製
ステップA:塩化4−アセチル−1−ナフタレンカルボニルの調製
塩化チオニル(35.00g、0.29mol)を、トルエン(350mL)中の4−アセチル−1−ナフタレンカルボン酸(51.70g、0.24mol)溶液に添加した。混合物を8.5時間、90℃に温めた。25℃に冷却した後、溶剤を減圧下に除去して、オフホワイトの固体として表題の生成物を得た(55.1g、98.7%収率)。
IR(ヌジョール)1758、1681、1515、1352、1282、1245、1218、1190、1117、1053、923、762cm−1
H NMR(CDCl):8.72〜8.69(m,1H)、8.50(d,J=7.6Hz,1H)、8.44〜8.41(m,1H)、7.82(d,J=7.9Hz,1H)、7.76〜7.65(m,2H)、2.77(s,3H)。
【0267】
ステップB:4−アセチル−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミドの調製
2−アミノ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド(21.90g、0.14mol)の1,2−ジクロロエタン(80mL)中の溶液を、15分かけて、1,2−ジクロロエタン(160mL)中の実施例7、ステップAの生成物(32.50g、0.14mol)溶液に、25〜30℃の温度で滴下した。得られた混合物を25℃でさらに10分攪拌した。1,2−ジクロロエタン(80mL)中のトリエチルアミン(14.20g、0.14mol)溶液を、次いで、44分かけて25℃で滴下し、および、混合物をさらに20分かけて25℃で攪拌した。溶剤を減圧下に除去し、および残渣を熱いアセトニトリル(50mL)中に溶解させた。次いで、混合物を25℃に冷却し、および水(40mL)を滴下した。混合物を0℃にさらに冷却し、およびろ過した。単離した固体を水(100mL)で洗浄し、および、真空オーブン(50℃で、およそ16〜33kPa)中で一晩乾燥させて、169〜169℃で溶融するオフホワイトの固体として表題の生成物を得た(37g、75%収率)。
IR(ヌジョール)3303、3233、3072、1698、1683、1636、1572、1548、1447、1279、1241、1186、1159cm−1
H NMR(CDS(=O)CD):8.95(t,J=5.8Hz,1H)、8.72(t,J=6.5Hz,1H)、8.55(dd,J=6.5、2Hz,1H)、8.37〜8.33(m,1H)、8.13(d,J=7.3Hz,1H)、7.70〜7.60(m,3H)、4.07〜3.95(m,4H)、2.75(s,3H)。
【0268】
ステップC:4−[3−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミドの調製
実施例7、ステップBの生成物(10.00g、28.38mmol)、1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエタノン(9.00g、32.5mmol)、水酸化カルシウム(1.05g、14.2mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)およびt−ブチルメチルエーテル(32mL)の混合物を、温度計を備えた反応容器中に入れた。この反応容器を10枚のプレートのOldershawカラムに接続し、その排出物を凝縮させると共に、初めにt−ブチルメチルエーテルを充填させたデカンタに供給した。窒素雰囲気を装置中に保持した。デカンタの上部を、凝縮物がOldershawカラムの5番目のプレートに戻るよう接続した。この構成は、湿潤状態の(溶解した水を含有する)t−ブチルメチルエーテルが確実にデカンタから反応容器に戻らないようにする。デカンタの底のドレインバルブが、デカンタからの水に追加してt−ブチルメチルエーテルの除去を可能とする。反応混合物を加熱して、t−ブチルメチルエーテル/水共沸物を蒸留した。デカンタトラップが、この反応によって形成された水のすべてを溶解するために十分な量のt−ブチルメチルエーテルを含有していたため、トラップ中の凝縮物は、主に水を含有する層および主にt−ブチルメチルエーテルを含有する層に分離しなかった。反応混合物は初期においては主としてt−ブチルメチルエーテルを含有していたため、混合物は、t−ブチルメチルエーテルの標準沸点(例えば、約65〜70℃)をほとんど超えない温度で沸騰した。この反応は、この温度では比較的ゆっくり進行し、従って、凝縮物は、デカンタトラップから徐々に排出されてt−ブチルメチルエーテルを除去した。反応混合物においてt−ブチルメチルエーテルの濃度が低下するに伴って、反応混合物の沸点が上昇した。t−ブチルメチルエーテルを、反応混合物の沸点が約85℃に達するまでデカンタを排出することにより除去した。この温度を維持するために、t−ブチルメチルエーテルを、装置からの溶剤の損失を補うために必要なだけ添加した。一晩の停止時間を除く、反応混合物の加熱開始から蒸留を停止するまでの合計時間は約6時間であった。
【0269】
生成物を単離するために、混合物を室温に冷却すると共に、次にt−ブチルメチルエーテル(50mL)および1N塩酸(100mL)の混合物に添加した。有機相を分離し、およびヘプタン(60mL)を滴下した。この混合物をろ過して、174.5〜177℃で溶融するオフホワイトの異性体の固体混合物として表題の生成物を得た(14g、81%収率)。
IR(ヌジョール)3294、1697、1674、1641、1541、1441、1364、1313、1275、1246、1163、1104cm−1
H NMR(CDS(=O)CD):(主異性体)8.91(t,J=6.2Hz,1H)、8.73(t,J=6.4Hz,1H)、8.44〜8.30(m,2H)、8.18(d,J=7.7Hz,1H)、7.97〜7.61(m,7H)、4.06〜3.95(m,4H)。
【0270】
ステップD:4−[5−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミドの調製
水酸化ナトリウム水溶液(50%、3.04g、38.0mmol)を、硫酸ヒドロキシルアミン(1.48g、9.02mmol)の水(28mL)中の攪拌溶液に、25℃で滴下した。この添加が完了した後、テトラヒドロフラン(60mL)中の実施例7、ステップCの生成物(10.00g、16.33mmol)を40分かけて滴下した。添加が完了した後、混合物をさらに30分攪拌した。溶剤を減圧下に除去すると共に、1N塩酸(100mL)を添加した。混合物をエーテル(2×100mL)で抽出すると共に、組み合わせた抽出物を乾燥させると共に蒸発させた。残渣をアセトニトリル(30mL)中に溶解させ、0℃に冷却し、およびろ過して、107〜108.5℃で溶融する(アセトニトリルからの再結晶化の後)白色の固体として表題の生成物を得た(7.84g、77%収率)。
IR(ヌジョール)3312、1681、1642、1536、1328、1304、1271、1237、1173、1116cm−1
H NMR(CDS(=O)CD):8.98(t,J=5.8Hz,1H)、8.82(d,J=7.4Hz,1H)、8.74(t,J=6.5Hz,1H)、8.40(d,J=9.7Hz,1H)、8.09(d,J=15.3Hz,2H)、7.93(d,J=7.6Hz,2H)、7.75〜7.04(m,3H)、4.63(s,2H)、4.07〜3.96(4H,m)。
【0271】
実施例7A
4−[5−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミドの代替的な調製
ステップA:4−[3−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミドの調製
4−アセチル−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミド(100.00g、267.23mmol)、1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエタノン(86.92g、288.6mmol)およびアセトニトリル(500mL)の混合物を温度計を備えた反応容器中に入れた。この反応容器を10枚のプレートを備えるOldershawカラムに接続した。装置中を窒素雰囲気に維持した。この混合物を沸騰するまで加熱し、この時点で、カラムの頂部の温度は82℃であった。炭酸カリウムを少しずつ反応混合物に添加して反応速度を制御した。最初に、0.40gの炭酸カリウムを添加し、続いて、0.1gの添加を炭酸カリウムの最初の添加から30、60、120および180分後に、ならびに、0.40gの添加を炭酸カリウムの最初の添加から240および300分後に、順次、個別に行った。反応混合物への添加の前に、炭酸カリウムを少量のアセトニトリル中でスラリー化した(0.40gの炭酸カリウムをスラリーとするためにおよそ3mLのアセトニトリルを用い、および、0.1gの炭酸カリウムをスラリーとするためにおよそ2mLのアセトニトリルを用いた)。アセトニトリル/水共沸物(bp76.5℃)を、形成されるにつれて連続的にカラムの頂部から除去した。最後の炭酸カリウムの添加の後、混合物をさらに60分間沸騰させた。炭酸カリウムの最初の添加から合計で6時間の後に、さらなるアセトニトリルを、265mLのアセトニトリルおよびアセトニトリル/水共沸物が除去されるまで蒸留で除去した。この混合物を25℃に冷却し、水(48mL)を混合物に添加した。混合物を30分間かけて0℃に冷却し、この温度に60分間保持し、次いで、ろ過した。単離した固体を、アセトニトリル:水(96mL、26:5アセトニトリル:水)で洗浄した。
【0272】
生成物を真空オーブン(55℃でおよそ16〜33kPa)中で一晩乾燥させて、オフホワイトの固体(異性体の混合物として150.51g、92.2%収率)として生成物を得た。
【0273】
主な異性体のH NMRスペクトルは、実施例7、ステップCにおいて調製した材料のスペクトルと同等であった。
【0274】
ステップB:4−[5−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミドの調製
水酸化ナトリウム(15.10gの50%水溶液、0.19mmol)の水(総体積67.5mL)中の溶液およびヒドロキシルアミン硫酸塩(7.75g、47.3mmol)の水(総体積67.5mL)中の溶液を、テトラヒドロフラン(300mL)中の実施例7A、ステップAの生成物(51.90g、81.78mmol)に、25℃で75分間かけて同時に添加した。添加が完了した後、混合物をさらに180分間攪拌した。この混合物を塩酸(濃縮、およそ11g)の添加によりおよそpH3に酸性化した。水性層を除去し、残った有機溶液を沸騰するまで加熱した。アセトニトリルを添加すると共に、アセトニトリル/テトラヒドロフラン留出物を、留出物温度がすべてのテトラヒドロフランが除去されたことを示す82℃に達するまで除去した。混合物を25℃に冷却させると共に、アセトニトリルを減圧下で除去した。残渣をアセトニトリル(200mL)中に溶解させ、0℃に冷却し、および、得られた混合物をろ過して、表題の生成物を白色の固体(43.45g、84%収率)として得た。
【0275】
生成物のH NMRスペクトルは実施例7、ステップDにおいて調製した材料のスペクトルと同等であった。
【0276】
実施例7B
4−[3−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミドの代替的調製
4−アセチル−N−[2−オキソ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル]−1−ナフタレンカルボキサミド(50.00g、135.1mmol)、1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエタノン(43.93g、145.8mmol)およびアセトニトリル(250mL)の混合物を温度計を備えた反応容器中に入れた。この反応容器を10枚のプレートを備えるOldershawカラムに接続した。装置中を窒素雰囲気に維持した。この混合物を沸騰するまで加熱し、この時点で、カラムの頂部の温度は82℃であった。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を少しずつ反応混合物に添加して反応速度を制御した。最初に、0.20gのDBUを添加し、続いて、0.052gの添加をDBUの最初の添加から30、90、150および210分後に、ならびに、0.20gの添加をDBUの最初の添加から270および330分後に、順次、個別に行った。各個別のDBU分量を、反応混合物への添加の前にアセトニトリル(2mL)で希釈した。アセトニトリル/水共沸物(bp76.5℃)を、形成されるにつれて連続的にカラムの頂部から除去した。最後のDBUの添加の後、混合物をさらに60分間沸騰させた。DBUの最初の添加から合計で6時間の後に、さらなるアセトニトリルを合計138mLのアセトニトリルおよびアセトニトリル/水共沸物が除去されるまで蒸留により除去した。この混合物を25℃に冷却し、水(24mL)を混合物に添加した。混合物を30分間かけて0℃に冷却し、この温度に60分間保持し、次いで、ろ過した。単離した固体を、アセトニトリル:水(48mL、26:5アセトニトリル:水)で洗浄した。
【0277】
生成物を真空オーブン(55℃でおよそ16〜33kPa)中で一晩乾燥させて、オフホワイトの固体(異性体の混合物として76.0g、92.0%収率)として生成物を得た。
【0278】
主な異性体のH NMRスペクトルは、実施例7、ステップCにおいて調製した材料のスペクトルと同等であった。
【0279】
実施例8
メチル4−[5−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−1−ナフタレンカルボキシレートの調製
ステップA:メチル4−[3−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−1−ナフタレンカルボキシレートの調製
メチル4−アセチル−1−ナフタレンカルボキシレート(7.83g、34.3mmol)、1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロエタノン(10.43g、37.71mmol)、水酸化カルシウム(1.25g、16.9mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(27mL)およびt−ブチルメチルエーテル(44mL)の混合物を加熱して還流した。t−ブチルメチルエーテル/水共沸物を、実施例7、ステップCに記載のとおり除去した。デカンタトラップが、この反応によって形成された水のすべてを溶解するために十分な量のt−ブチルメチルエーテルを含有していたため、トラップ中の凝縮物は、主に水を含有する層および主にt−ブチルメチルエーテルを含有する層に分離しなかった。t−ブチルメチルエーテルを、反応温度が85℃になるまでデカンタトラップをゆっくりと排出することにより除去した。この温度を維持するために、t−ブチルメチルエーテルを、装置からの溶剤の損失を補うために必要なだけ添加した。反応混合物の加熱開始から蒸留を停止するまでの合計時間は約4.5時間であった。
【0280】
混合物を25℃に冷却すると共に、0.5N塩酸(100mL)およびt−ブチルメチルエーテル(50mL)の混合物に注ぎいれた。この混合物を濃塩酸で酸性化すると共に、蒸発させると共に、残渣をヘキサン(40mL)から結晶化させて、90〜90.5℃で溶融する(ヘキサンからの再結晶後)黄色の固体として表題の生成物を得た(13.24g、79%収率)。
IR(ヌジョール)3071、1721、1710、1671、1516、1439、1316、1280、1252、1178、1129、1103、1026、888、861cm−1
H NMR(CDCl):8.77〜8.73(m,1H)、8.28〜8.25(m,1H)、8.0(d,J=7.6Hz,1H)、7.67〜7.60(m,3H)、7.40(d,J=1.4Hz,1H)、7.32(s,1H)、7.23(s,1H)、7.20(s,1H)、4.02(s,3H)。
【0281】
ステップB:メチル4−[5−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−1−ナフタレンカルボキシレートの調製
水酸化ナトリウム水溶液(50%、2.08g、25.5mmol)を、硫酸ヒドロキシルアミン(1.07g、6.52mmol)の水(20mL)中の攪拌溶液に、25℃で滴下した。この添加が完了した後、テトラヒドロフラン(20mL)中の実施例8、ステップAの生成物(5g、10.27mmol)を40分かけて滴下した。添加が完了した後、混合物をさらに30分攪拌した。有機相を分離すると共に、塩酸(100mL)に添加した。混合物を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機溶剤を減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸(16mL)中に再度溶解させ、次いで、100℃に温めた。水(2mL)を滴下すると共に、混合物を50℃に冷却した。混合物に、少量の既に調製したメチル4−[5−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−5−(トリフルオロメチル)−3−イソオキサゾリル]−1−ナフタレンカルボキシレートの種結晶を入れ、次いで、25℃に冷却した。水(2mL)を添加すると共に混合物を0℃に冷却した。混合物をろ過すると共に、固体を酢酸:水(8mL:2mL)で洗浄した。固体を真空オーブン中に乾燥させて、111.5〜112℃(アセトニトリルからの再結晶化の後)で溶融する白色の固体として表題の生成物を得た(3.91g、76%収率)。
IR(ヌジョール)1716、1328、1306、1287、1253、1242、1197、1173、1137、1114、1028、771cm−1
H NMR(CDCl):8.90〜8.87(m,1H)、8.82〜8.79(m,1H)、8.10(d,J=7.7Hz)、7.87(s,1H)、7.81(s,1H)、7.72〜7.67(m,3H)7.55(d,J=7.6Hz,1H)、4.34(1/2ABq,J=17.3Hz,1H)、4.03(s,3H)、3.93(1/2ABq,J=17.3Hz,1H)。
【0282】
以下の表1〜8は、本発明の方法を例示する反応体、中間体および生成物の特定の組み合わせを特定している。これらの表は、特に、特定の変換ならびに化合物を開示する。これらの表において:Etはエチルを意味し、Meはメチルを意味し、CNはシアノを意味し、Phはフェニルを意味し、Pyはピリジニルを意味し、c−Prはシクロプロピルを意味し、i−Prはイソプロピルを意味し、n−Prはノルマルプロピルを意味し、s−Buは第2級ブチルを意味し、t−Buは第3級ブチルを意味し、SMeはメチルチオを意味し、S(O)はスルホニルを意味し、および、Thzはチアゾールを意味する。これらの基の結合が同様に略記されている;例えば、「S(O)Me」はメチルスルホニルを意味する。
【0283】
表1〜6は、式2および式3の化合物を対応する式1の化合物に転化するスキーム1の方法に関連する。この変換は、式11の化合物が介在して生じると考えられている。
【化49】

【0284】
表1〜6中に実施されている例示的変換において、MはCaであり、極性非プロトン性溶剤としてN,N−ジメチル−ホルムアミドを含むと共に水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤としてt−ブチルメチルエーテルを含む反応混合物から、水が共沸物として留去されている。
【0285】
【表1】

【0286】
【表2】

【0287】
【表3】

【0288】
【表4】

【0289】
【表5】

【0290】
【表6】

【0291】
【表7】

【0292】
【表8】

【0293】
【表9】

【0294】
【表10】

【0295】
【表11】

【0296】
【表12】

【0297】
【表13】

【0298】
【表14】

【0299】
【表15】

【0300】
表7〜9は、式2および式3の化合物を対応する式1の化合物に転化するスキーム1aの方法に関連している。この変換は、式11の化合物が介在して生じると考えられている。
【化50】

【0301】
表7〜9中に実施されている例示的変換において、MはKであり(すなわち、塩基は炭酸カリウムである)、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤としてアセトニトリルを含む反応混合物から、水が共沸物として留去されている。
【0302】
【表16】

【0303】
【表17】

【0304】
【表18】

【0305】
【表19】

【0306】
【表20】

【0307】
【表21】

【0308】
【表22】

【0309】
【表23】

【0310】
【表24】

【0311】
【表25】

【0312】
【表26】

【0313】
【表27】

【0314】
表10〜12は、式2および式3の化合物を対応する式1の化合物に転化するスキーム1bの方法に関連している。この変換は、式11の化合物が介在して生じると考えられている。
【化51】

【0315】
表10〜12中に実施されている例示的変換において、塩基は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンであり、水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤としてアセトニトリルを含む反応混合物から、水が共沸物として留去されている。
【0316】
【表28】

【0317】
【表29】

【0318】
【表30】

【0319】
【表31】

【0320】
【表32】

【0321】
【表33】

【0322】
【表34】

【0323】
【表35】

【0324】
【表36】

【0325】
【表37】

【0326】
【表38】

【0327】
【表39】

【0328】
表13〜14は、式5の化合物がグリニャール試薬に転化され、これが、式6の化合物と接触させられて式2の化合物が調製されるスキーム2の方法に関連する。Xは、スキーム2の方法の記載において説明されているとおり、Xと同じであることも異なっていることも可能である。
【化52】

【0329】
これらの表中に実施されている例示的変換において、溶剤はテトラヒドロフランを含む。
【0330】
【表40】

【0331】
【表41】

【0332】
【表42】

【0333】
【表43】

【0334】
【表44】

【0335】
【表45】

【0336】
表15中に定義されている以下の式3の化合物は、スキーム1、1aおよび1bに示されているとおり、技術分野において公知である方法を伴って、本明細書に記載の手法により対応する式1の化合物を調製するための中間体として特に注目すべきである。
【0337】
【表46】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】

(式中、
Zは場合により置換されるフェニルであり、および
Qは、各々が場合により置換されるフェニルまたは1−ナフタレニルである)
の化合物を製造する方法であって、
式2
【化2】

の化合物と;
式3
【化3】

の化合物と;
式4
【化4】

(式中、Mは、Ca、SrまたはBaである)
のアルカリ土類金属水酸化物、
式4a
【化5】

(式中、Mは、Li、NaまたはKである)
のアルカリ金属炭酸塩、
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む塩基と;
水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤と
を含む混合物から水を蒸留する工程;を含む、上記方法。
【請求項2】
塩基が、式4のアルカリ土類金属水酸化物を含み、混合物が、極性非プロトン性溶剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
MがCaである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
極性非プロトン性溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤がt−ブチルメチルエーテルを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
塩基が式4aのアルカリ金属炭酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
がKである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
塩基が、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、またはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
水と低沸点共沸物を形成することができる非プロトン性溶剤がアセトニトリルを含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
Zが、Rから独立して選択される最大5個までの置換基で場合により置換されるフェニルであり;
Qが、各々が、Rから独立して選択される最大4個までの置換基で場合により置換されるフェニルまたは1−ナフタレニルであり;
各Rが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、−CNまたは−NOであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、−N(R)R、−C(=W)N(R)R、−C(=W)OR、−CN、−OR11または−NOであるか;またはフェニル環または5員もしくは6員の飽和複素環もしくは不飽和複素環であって、各環は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、−CN、−NO、−N(R)R、−C(=W)N(R)R、−C(=O)ORおよびRから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されており;
各Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;
各Rは、独立して、Hであるか;またはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルシクロアルキルまたはC〜Cシクロアルキルアルキルであって、各々は、Rから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で場合により置換され;
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cハロアルコキシカルボニル、C〜Cハロアルキルアミノカルボニル、C〜Cハロジアルキルアミノカルボニル、−OH、−NH、−CNまたは−NOであるか;またはQであり;
各Rは、独立して、フェニル環またはピリジニル環であって、各環は、Rから独立して選択される1個または複数個の置換基で場合により置換され;
各Rは、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、−OH、−NH、−C(=O)OH、−CNまたは−NOであり;
各Qは、独立して、フェニル環または5員もしくは6員の飽和複素環もしくは不飽和複素環であって、各環は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、−CN、−NO、−C(=W)N(R)R10および−C(=O)OR10から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で場合により置換され;
各Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;
各R10は、独立してHであるか;またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルシクロアルキルまたはC〜Cシクロアルキルアルキルであり;
各R11は、独立してHであるか;またはC〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜CアルキルスルホニルまたはC〜Cハロアルキルスルホニルであり;そして
各Wは、独立してOまたはSである、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
【化6】

2aが、ハロゲン、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシであり;
2bが、H、ハロゲンまたはシアノであり;
2cが、H、ハロゲンまたはCFであり;
が、C(O)N(R)RまたはC(O)OR5aであり;
が、H、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;そして
が、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであって、各々は、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜CハロアルキルアミノカルボニルおよびC〜Cハロジアルキルアミノカルボニルから独立して選択される1個の置換基で置換されており;そして
5aが、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであって、各々は、ハロゲン、C〜Cアルコキシ、およびハロゲンおよびC〜Cアルキルから選択される最大5個までの置換基で場合により置換されるフェニルから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
Zが、Rから独立して選択される最大5個までの置換基で場合により置換されるフェニルであり;そして
各Rが、独立して、F、Cl、Br、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオであり;
さらに、
(1)式5の化合物
【化7】

(式中、Xは、Cl、BrまたはIである)を、
(a)金属マグネシウム、または
(b)ハロゲン化アルキルマグネシウム
とエーテル溶剤の存在下に接触させることにより式5の化合物から誘導されるグリニャール試薬を含む反応混合物を形成させる工程;次いで
(2)反応混合物を、式6の化合物
【化8】

(式中、
Yは、OR11またはNR1213であり;
11はC〜Cアルキルであり;そして
12およびR13は、独立してC〜Cアルキルであるか;またはR12およびR13は、一緒になって、−CHCHOCHCH−である)
と接触させる工程
により、式2の化合物を製造する工程;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
Zが
【化9】

であり;
2aが、F、Cl、Br、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cフルオロアルコキシであり;
2bが、H、F、ClまたはBrであり;そして
2cが、H、F、Cl、BrまたはCFである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
式2の化合物
【化10】

(式中、
Zは、Rから独立して選択される最大5個までの置換基で場合により置換されるフェニルであり;そして
各Rは、独立して、F、Cl、Br、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cフルオロアルキルチオである)
を製造する方法であって;
(1)式5の化合物
【化11】

(式中、XがIである)を、
(a)金属マグネシウム、または
(b)ハロゲン化アルキルマグネシウム
とエーテル溶剤の存在下に接触させることにより式5の化合物から誘導されるグリニャール試薬を含む反応混合物を形成させる工程;次いで
(2)反応混合物を、式6の化合物
【化12】

(式中、
Yは、OR11またはNR1213であり;
11はC〜Cアルキルであり;そして
12およびR13は、独立してC〜Cアルキルであるか;またはR12およびR13は、一緒になって、−CHCHOCHCH−である)
と接触させる工程;
を含む、上記方法。
【請求項15】
Zが
【化13】

であり;
2aが、F、Cl、Br、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cフルオロアルコキシであり;
2bが、H、F、ClまたはBrであり;そして
2cが、H、F、Cl、BrまたはCFである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
式7の化合物
【化14】

(式中、
Zは場合により置換されるフェニルであり;そして
Qは、各々が場合により置換されるフェニルまたは1−ナフタレニルである);
を式1の化合物
【化15】

を用いて製造する方法であって:
上記式1の化合物を請求項1に記載の方法により製造することを特徴とする、上記方法。
【請求項17】
【化16】

2aが、ハロゲン、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシであり;
2bが、H、ハロゲンまたはシアノであり;
2cが、H、ハロゲンまたはCFであり;
が、H、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;そして
が、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであって、各々が、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜CハロアルキルアミノカルボニルおよびC〜Cハロジアルキルアミノカルボニルから独立して選択される1個の置換基で置換されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
式7の化合物
【化17】

(式中
Zは場合により置換されるフェニルであり;そして
Qは、各々が場合により置換されるフェニルまたは1−ナフタレニルである);
を式1の化合物
【化18】

を用いて製造する方法であって:
上記式1の化合物として、請求項1に記載の方法によって製造された式1の化合物を用いることを特徴とする、上記方法。
【請求項19】
【化19】

2aが、ハロゲン、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシであり;
2bが、H、ハロゲンまたはシアノであり;
2cが、H、ハロゲンまたはCFであり;
が、H、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;そして
が、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであって、各々が、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜CハロアルキルアミノカルボニルおよびC〜Cハロジアルキルアミノカルボニルから独立して選択される1個の置換基で置換されている、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
式2の化合物
【化20】

(式中
Zは
【化21】

であり;
2aは、CFであり;R2bはHまたはハロゲンであり;そしてR2cはハロゲンである)。
【請求項21】
1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)]−2,2,2−トリフルオロエタノン;および
1−[3−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)]−2,2,2−トリフルオロエタノン
からなる群から選択される、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
1−クロロ−3−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンである化合物。

【公表番号】特表2011−519827(P2011−519827A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504137(P2011−504137)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/039832
【国際公開番号】WO2009/126668
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】