説明

3−プロペニルセフェム誘導体

【課題】種々の病原細菌に対して幅広い抗菌スペクトルを示す広域セフェム化合物の新規な抗菌剤の提供。
【解決手段】式:


(式中、Acylは、β−ラクタムの分野で使用可能なアシル基;Tは、S、SOまたはO;環状アミン基は、“―Y―Ar―Y―R”以外の置換基で置換されていてもよい、カチオン性N原子を環内に有する複素環式基;YおよびYはそれぞれ独立して、1)単結合、2)−NR、−CO−、−O−、−S−、−SO−等からなる群から選択されるヘテロ原子含有基、または3)2)のヘテロ原子含有基が介在していてもよい、低級アルキレンまたは低級アルケニレン;Arは、炭素環式基又は複素環式基;Rは、−COOHまたはその生物学的に等価な酸性基;波線は、シス、トランスまたはその混合を意味する)で示される化合物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】


(式中、
Acylは、β−ラクタムの分野で使用可能なアシル基;
Tは、S、SOまたはO;
式:
【化2】


で示される基は、“―Y―Ar―Y―R”以外の置換基で置換されていてもよい、カチオン性N原子を環内に有する、ピリジニウム基または2環性の複素環式基;

およびYはそれぞれ独立して、1)単結合、2)−NR、−CO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCONR−、−NRSO−、−SONR−、−NRSONR−、(RおよびRはそれぞれ独立して水素または低級アルキル)、=N−、−N=、−O−、−S−、−SO−、および−SO−からなる群から選択されるヘテロ原子含有基、または3)2)のヘテロ原子含有基が介在していてもよい、低級アルキレンまたは低級アルケニレン;
Arは、単結合、置換されていてもよい炭素環式基、または置換されていてもよい複素環式基;
は、−COOHまたはその生物学的に等価な酸性基;
波線は、シス、トランスまたはその混合を意味する;

但し、
1)カチオン性N原子を環内に有する複素環式基がピリジニウム基であり、かつArが単結合である場合を除く;
2)カチオン性N原子を環内に有する複素環式基が2環性の複素環式基であり、Arが単結合である場合、 “―Y―Ar―Y―R”で示される基は、該2環性の複素環式基においてセフェム3位側鎖部分との結合手を有していない方の環上に存在するものとする)

で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項2】
Tは、Sである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項3】
Acylが式:
【化3】


(式中、
Xは、NまたはCY(Yは水素またはハロゲン);
Rは、=CHZ(Zは、水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいシクロアルキルまたは置換されていてもよい複素環式基)または=NOR(Rは、水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい複素環式基)
で示される基である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項4】
XがCH、及び/又はRが=NOR(Rは水素もしくは置換されていてもよい低級アルキル)である、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
式:
【化4】


で示される基は、“―Y―Ar―Y―R”以外の置換基で置換されていてもよい、ピリジニウム基である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項6】
及び/又はYは、単結合である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項7】
Arは、単結合、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項8】
は、−COOHである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項9】
は、−COOHの生物学的に等価な酸性基であり、該酸性基は、−CONHR、−SOH、−SONHR、(RおよびRはそれぞれ独立してアミノ残基)、−PO、−OH、−COCH=C(OH)CF、−NHSOCF、−CONHSOCF3、−NHSOMe、−CONHSOMe、−NHCOMe、−CONHCOMe、−COCHCOMe、または置換されていてもよく環構成原子として−NH−およびその他のヘテロ原子を有する5〜6員の複素環式基である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項10】
は、−COOHの生物学的に等価な酸性基であり、該酸性基は、置換されていてもよく環構成原子として−NH−およびその他のヘテロ原子を有する5〜6員の複素環式基である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項11】
式:
【化5】


で示される基は、“―Y―Ar―Y―R”以外の置換基で置換されていてもよい、ピリジニウム基;Y及びYは、単結合;Arは、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリール;Rは、−COOHまたはその生物学的に等価な酸性基である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項12】
式:
【化6】


(式中、
Xは、NまたはCY(Yは水素またはハロゲン);
Rは、=CHZ(Zは、水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいシクロアルキルまたは置換されていてもよい複素環式基)、または=NOR(Rは、水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい複素環式基)
で示される基;
およびYはそれぞれ独立して、1)単結合、2)−NR、−CO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCONR−、−NRSO−、−SONR−、−NRSONR−、(RおよびRはそれぞれ独立して水素または低級アルキル)、=N−、−N=、−O−、−S−、−SO−、および−SO−からなる群から選択されるヘテロ原子含有基、または3)2)のヘテロ原子含有基が介在していてもよい、低級アルキレンまたは低級アルケニレン;
Arは、置換されていてもよい炭素環式基または置換されていてもよい複素環式基;
は、−COOHまたはその生物学的に等価な酸性基;
波線は、シス、トランスまたはその混合を意味する)
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項13】
は単結合;Arは、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール;Rは、−COOHである、請求項12記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項14】
は単結合;Arは、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール;Rは、−COOHの生物学的に等価な酸性基である、請求項12記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項15】
は単結合;Arは、置換されていてもよいヘテロアリール;Yは単結合;Rは、−COOHの生物学的に等価な酸性基である、請求項12記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項16】
は単結合;Arは、置換されていてもよいヘテロアリール;Yは単結合;Rは、置換されていてもよく、環構成原子として−NH−およびその他のヘテロ原子を有する5〜6員の複素環式基である、請求項12記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項17】
式:
【化14】


で示される部分が以下のいずれかの構造である、請求項12記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。

【化15】

【請求項18】
式:
【化7】


(式中、
式:
【化8】


で示される基は、カチオン性N原子を有する2環性の複素環式基;
Xは、NまたはCY(Yは水素またはハロゲン);
Rは、=CHZ(Zは、水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいシクロアルキルまたは置換されていてもよい複素環式基)または=NOR(Rは、水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは複素環式基)で示される基;
およびYはそれぞれ独立して、1)単結合、2)−NR、−CO−、−NRCO−、−CONR−、−NRCONR−、−NRSO−、−SONR−、−NRSONR−、(RおよびRはそれぞれ独立して水素または低級アルキル)、−O−、−S−、−SO−、および−SO−からなる群から選択されるヘテロ原子含有基、または3)2)のヘテロ原子含有基が介在していてもよい、低級アルキレンまたは低級アルケニレン;
Arは、単結合、置換されていてもよい炭素環式基または置換されていてもよい複素環式基;
は、−COOHまたはその生物学的に等価な酸性基;
波線は、シス、トランスまたはその混合を意味する;

但し、Arが単結合である場合、“―Y―Ar―Y―R”で示される基は、該2環性の複素環式基においてセフェム3位側鎖部分との結合手を有していない方の環上に存在するものとする)
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項19】
は単結合;Arは単結合;Yは単結合である、請求項18記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項20】
2環性の複素環式基が以下に示すいずれかである、請求項18〜19のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【化9】

【請求項21】
請求項1〜20のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物。
【請求項22】
請求項1〜20のいずれかに記載の化合物の7位側鎖末端のアミノ及び/又はカルボキシ部分が保護された化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項23】
以下のいずれかの化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【化16】

【請求項24】
式:
【化17】


で示される化合物のトリエチルアミン塩の結晶。
【請求項25】
式:
【化18】


で示される化合物の塩酸塩の結晶。
【請求項26】
式:
【化19】


(式中、BHはベンズヒドリル)
で示される化合物の塩酸塩の結晶。
【請求項27】
式:
【化20】


(式中、BHはベンズヒドリル)
で示される化合物の塩酸塩の結晶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−119484(P2007−119484A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334023(P2006−334023)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【分割の表示】特願2006−523884(P2006−523884)の分割
【原出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】