3次元プリンターで材料を処理する装置と方法
本発明は3次元プリンターの粉体処理用の方法と装置に向けられている。本発明は多数のソースから粉体ディスペンス用装置へ最小のユーザー介入で粉体を輸送する手段を含んでおり、かくして該3次元プリンター及び周囲範囲への野放し状の粉体での汚染を減じる、一方粉体を再使用するリサイクリングを改善する手段を提供する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本出願は、その全開示が本引用によりここに組み入れられる2006年5月26日出願の米国特許仮出願第60/808,721号の特典と優先権を請求するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般的に3次元プリンターの分野に関し、特にそのための粉体及びウエーストの処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、3次元プリント動作は、粉体化されたビルド材料の層へ液体又はコロイド状バインダー材料を送るために、インクジェット型プリントヘッドの使用を含む。該プリント技術は典型的にローラーを使い、粉体化されたビルド材料の層を面に塗布する過程を有する。該ビルド材料が該面に塗布された後、該プリントヘッドは該材料層の予め決められた範囲に液体バインダーを送る。該バインダーは該材料に浸透し、該粉体と反応し、例えば、該粉体内の接着剤を賦活することにより、該プリント範囲内で該層を固体化させる。該バインダーは又下にある層内に貫入し、層間接合をもたらす。該第1断面部分が形成された後、前の過程が繰り返され、最終対象が形成されるまで次々と断面部分をビルドする。例えば、その開示が本引用により全体でここに組み入れられる特許文献2及び3を参照されたい。
【0004】
3次元プリント動作を行う装置は典型的にダストを発生し、該ダストは該プリントヘッドの動作に有害な影響を及ぼす。例えば、該ダストは、該バインダー材料をディスペンスするジェットノズルを詰まらせ、そしてそれは該バインダー材料がディスペンスされない、又は該バインダー材料が不正確にディスペンスされる、ことに帰着する。
【0005】
粉体処理と、粉体及びダストの管理と、は3次元プリント動作では主要問題点である。フィードピストン内へ粉体を積む過程は一般に、粉体の重いバケットの持ち上げ過程と、それの注入過程とを含む。これは常に大きなダストの雲を引き起こし、沢山の粉体が零れることに帰着する。該プリント過程は又、粉体をスプレッドしそれをオーバーフローコンテナー内にダンプすることにより沢山のダストをかき混ぜる。一旦、部品がプリントされると、プリントされない粉体は、退屈で非常に汚れることが多い過程で、該ビルド箱から除去されねばならない。該オーバーフローコンテナーは該フィードピストン内に戻るよう空にされねばならず、これは又重いコンテナーを持ち上げ、該コンテナーから粉体を注ぐ過程と、ダスト雲及び、往々にして、零れた粉体の発生と、を含む。部品がプリントされた後、該部品から排粉する過程は追加の問題を創り出す。コストのために、大抵のユーザーは該部品から除去された該粉体をリサイクルしたい。現在、これは真空掃除機からの真空バッグの除去と、それを開いて裂き、該粉体を該フィードピストン内へ注ぐ過程を有する。プリントされた部品の破片が真空で吸い上げられるので、ふるう過程が通常必要である。これらの過程は双方とも極度に汚れやすく、ユーザー、床そして該機械から粉体を得て、ダスト雲を創る。
【0006】
従って、本発明の目的は、ウエーストを減じ、野放し状の粉体による該システム及び周囲範囲の汚染を最小化するため、3次元プリンターシステム全体の粉体を自動的に処理する装置と方法を提供することである。
【特許文献1】米国特許仮出願公開第60/808,721号明細書、2006年5月26日出願
【特許文献2】米国特許第6、375、874号明細書
【特許文献3】米国特許第6、416、850号明細書
【特許文献4】米国特許第5、902、441号明細書
【特許文献5】米国特許第6、007、318号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0079601号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2002/0012112号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0265413号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0280185号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/0061613号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0061318号明細書
【発明の開示】
【0007】
本発明は3次元プリンター内の粉体及び他の材料を処理する装置を提供し、3次元プリント動作で使われる粉体を自動的に、装填し、塗布し、再生し、そして濾過する、手段を提供する。結果として、該3次元プリントシステムの効率は改善され、該過程で発生するウエーストは最小化され、外れた又は零れた粉体での該プリンター及び周囲範囲の汚染は実質的に減じられる。
【0008】
1側面では、本発明は3次元プリンター用の粉体処理システムに関する。該システムは複数の粉体保持リセプタクルと、該複数の粉体保持リセプタクルに接続された真空ソースと、を有する。該真空ソースは該粉体保持リセプタクル間で粉体を輸送する。1実施例では、該システムは該複数の粉体保持リセプタクル及び該真空ソースと流体的に連通した多数ポート弁を有する。該真空ソースは該弁を通して粉体を該粉体保持リセプタクル間で移送する。該弁は、該真空ソースを特定の粉体保持リセプタクルへ選択的に接続するため、或いは、1つ以上の粉体保持リセプタクルを該真空ソースから分離するため、使われる。該弁は手動で又は自動的に駆動される。
【0009】
種々の実施例では、該粉体保持リセプタクルは、少なくとも部分的に該3次元プリンター上に配置されるか、又は該プリンターと一体に組み立てられてもよい。加えて、該システムは外部粉体ソースを有してもよい。該外部粉体ソースは、例えば、該多数ポート弁を通して、該真空ソースに接続される。該粉体保持リセプタクルは、ビルド室、ワーク空間容積部、ディスペンス用ホッパー、排粉室、そして前方及び後方オーバーフローキャビテイ、を含む。1実施例では、該ワーク空間容積部は、カバーで囲まれるのが典型的な、該プリンターのワーク面上に配置された範囲である。この容積部は、例えば、オーバーフローキャビテイ又はワーク面に配置されたベントを通して、該真空ソースと流体的に連通する。1実施例では、該システムは、該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルとの間に配置された濾過システムを有する。加えて、該システムは、該粉体保持リセプタクル間の粉体の移送を更に助けるために、圧力ソースを有してもよい。更に、該真空システムは多数速度(すなわち、高及び低の)で運転されてもよく、そして粉体輸送の間に該システムから粉体ダストを除去するために、例えば、低速度で連続運転されてもよい。
【0010】
もう1つの側面では、本発明は、粉体ディスペンス用ホッパーと、粉体を受けるビルド室と、該ビルド室内で粉体の層にバインダーを選択的に塗布する少なくとも1つのプリントヘッドと、そして該ディスペンス用ホッパー及び該ビルド室に接続された真空ソースと、を有する3次元プリンターに関する。該真空ソースは該ディスペンス用ホッパーと該ビルド室との間で粉体を移送する。1実施例では、該プリンターは該ディスペンスホッパー、該ビルド室、そして該真空ソース、と流体的に連通する多数ポート弁を有する。該真空ソースは、該弁を通して、該ディスペンス用ホッパーと該ビルド室との間で粉体を移送する。該プリンターは該真空ソースに接続された少なくとも1つのオーバーフローキャビテイを有する。該真空ソースは該少なくとも1つのオーバーフローキャビテイから、該弁を通して、例えば、該ディスペンス用ホッパーまで、粉体を移送する。1実施例では、該真空ソースは、該ホッパーを再充填するために、何等かの数の保持リセプタクル(例えば、ビルド室、オーバーフローキャビテイ、他)から該ディスペンス用ホッパーまで粉体を引くよう使われてもよい。
【0011】
もう1つの側面では、本発明は多数ソースから3次元プリンターへ粉体を提供する方法に関する。該方法は、複数の粉体保持リセプタクルであるが、該複数の粉体保持リセプタクルが該3次元プリンターに接続されるよう適合された少なくとも1つの粉体ディスペンス用ホッパーを有する、該複数の粉体保持リセプタクルを提供する過程と、該複数の粉体保持リセプタクルを真空ソースに接続する過程と、そして該真空ソースで該粉体保持リセプタクル間を粉体を移送する過程と、を有する。
【0012】
1実施例では、該方法は、該真空ソースを該粉体保持リセプタクルに選択的に接続するために、該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルとの間に多数ポート弁を提供する過程を有する。該方法は更に、該複数の粉体保持リセプタクルの1つから該粉体ディスペンス用ホッパーへ、選択的に粉体を移送するために該弁を駆動する過程を有する。該方法は更に、該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルとの間に濾過システムを提供する過程を有する。
【0013】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンター用に粉体を保持するコンテナーに関する。該コンテナーは、3次元対象を作るために粉体を保持するよう適合された内部容積を規定するリセプタクルと、該リセプタクルに結合され、該リセプタクルの該内部容積を少なくとも部分的に囲むカバーと、を有する。該カバーは、該内部容積と流体的に連通する出口であるが、該出口が該3次元プリンターの真空ソースに接続されるよう適合されている、該出口と、該内部容積と連通し、空気を該内部容積内へ送るよう適合された、少なくとも1つの入り口と、を有する。該入り口は該リセプタクル及び/又は該カバーにより少なくとも部分的に規定されてもよい。
【0014】
種々の実施例では、該入り口を通過する空気は、例えば、該リセプタクルの側部を下方へそして該出口の方へ該粉体を”スイープする”ことにより、該出口を通る該粉体の運動を助ける。1実施例では、該内部容積は一般的に円錐形の形状を有するが、しかしながら、他の形状、例えば、円錐台状、楕円柱状そして多角形及び円弧形の形状の何等かの他の組み合わせ、も考えられ、それらは本請求項の範囲内にある。1実施例では、該リセプタクルの内部容積は楕円形の断面形状を有する。更に、該出口は、該カバーから、該内部容積の底部領域の近くへ、下方に延びるチューブ状部材を有する。加えて、該入り口は環状スロットであり、該出口は配管部品、例えばホースと嵌合するよう構成された急速着脱型配管部品、を有してもよい。1実施例では、該コンテナーは該リセプタクル付近に配置されたハウジングを有してもよい。該ハウジングは他の類似コンテナーとスタックするよう構成される。
【0015】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンターで使用するための、そして3次元対象を作るため粉体を受けるよう適合された、ビルド室に関する。該室は該粉体を受けるビルド面を有する。該ビルド面はピッチを有する複数の離れ隔てられた開口部を規定する第1プレートと、離れ隔てられ、そして該第1プレートの該複数の孔のピッチの約50%だけ該第1プレートの該複数の孔からオフセットされた、複数の開口部を規定する第2プレートと、を有する。該ピッチは隣接する開口部の最も近いエッジ間の空間に対応し、2(該プレート間の空間)(該粉体の安息角の余接)+(孔の直径)に概略等しい。該第2プレートは該第1プレートの下に、かつ、それから隔てられて配置される。
【0016】
種々の実施例では、該室は、該ビルド面を少なくとも部分的に区切り、該室を少なくとも部分的に規定する少なくとも1枚の壁と、該ビルド面の下に配置され、該ビルド面を該少なくとも1枚の壁に対し垂直に動かすよう該ビルド室へ適合されたピストンと、そして真空が印加された時、解放された粉体を該ビルド室から除去するために該ビルド室に接続され、該ビルド室の下に配置された出口と、を有する。該ビルド室は又該室をその環境から少なくとも部分的に分離するために、該少なくとも1枚の壁の上に配置可能なカバーを有する。該カバーは該真空が印加された時空気の侵入を減じるか又は防止するためにシールを有する。1実施例では、該出口は該ビルド面の下に配置されたプレナム内に配置される。該出口は、解放された粉体を、該ビルド面を通して該ビルド室から引くために、真空ソースに接続される。加えて、該ビルド面の第1及び第2プレートは、異なる安息角、例えば、異なるサイズの開口部及び開口部間の異なるピッチ、に適合したプレートと相互交換可能である。代わりの実施例では、該ビルド面は2枚より多いプレートを有してもよい。該ビルド面は、該プレート間の固定間隔を保持するために該第1プレートと該第2プレートの間に配置された1つ以上のスペーサーを有してもよく、そして該ビルド面の該第1プレート及び該第2プレートは相互に対し移動可能である。例えば、1枚の又両方のプレートは、その間の間隔を変えるために垂直に、及び/又は、該孔のオフセットを水平に変えるために水平に、動かされてもよい。該プレート間の間隔を変えるために種々のサイズのスペーサーが使われてもよい。1実施例では、該ビルド室は該粉体を流動化するために該出口に接続された真空ソースを有する。加えて、該ビルド室は該ビルド室の少なくとも1部分、例えば、該ビルド面、に振動を伝える機構を有してもよい。
【0017】
もう1つの側面では、本発明は該ビルド室内の解放された粉体の流れを制御する方法に関する。該方法は該粉体を受けるためのビルド面を提供する過程と、該ビルド面の下に真空ソースを提供する過程と、を有する。該ビルド面は、ピッチを有する複数の離れ隔てられた開口部を規定する第1プレートと、離れ隔てられ、該第1プレートの該複数の孔のピッチの約50%だけ該第1プレート内の該複数の孔からオフセットされた、複数の開口部を規定する第2プレートと、を有する。該ピッチは、隣接する開口部の最も近いエッジ間の空間に対応し、2(該プレート間の空間)(該粉体の安息角の余接)+(孔の直径)に概略等しい。該第2プレートは該第1プレートの下に、かつ、それから隔てられて配置される。
【0018】
種々の実施例では、該方法は、該ビルド面を通しての粉体の流れを防止するために、該ビルド室内に周囲圧力を保持する過程を有する。該方法は又、該粉体を該第1及び第2プレートを通して流れさせるために、該ビルド面の下に真空を創るよう、該真空ソースを賦活する過程と、解放された粉体の流れを促進するために該ビルド面を振動させる過程と、そして種々の安息角を有する粉体に適合するために該第1プレートと第2プレートの間の空間を変える過程と、を具備する。更に、該ビルド室は、該真空ソースを該ビルド室へ接続するために、該ビルド面の下に配置されたプレナムを有する。該プレナムは、該真空ソースが賦活された時、解放された粉体を該ビルド室から除去する出口を有する。1実施例では、該ビルド室は、該ビルド面を少なくとも部分的に区切り、該室を少なくとも部分的に規定する少なくとも1枚の壁と、該ビルド面の下に配置され、該少なくとも1つの壁に対し該ビルド面を垂直に動かすよう該ビルド室に適合されたピストンと、を有する。該第1プレート及び該第2プレートの少なくとも1枚は異なる安息角用に適合されたプレートと相互交換可能である。
【0019】
もう1つの側面では、本発明は粉体を3次元プリンターに提供する粉体ディスペンス用ホッパーに関する。該ホッパーは粉体を受けるために該ホッパーにより規定された室と、該室内に少なくとも部分的に配置されたディスペンス用機構と、を有する。該ホッパーは該3次元プリンター上でビルド面に対して配置される。該室はそれを通って予め決められた量の粉体を通過させるよう寸法取りされ、配置された少なくとも1つの出口を規定し、該ディスペンス用機構は該少なくとも1つの出口を通して粉体を押すよう適合されている。該出口は、該出口に近い粉体上に正の力を提供するディスペンス機構無しには、実質的に粉体が該出口を通過しないよう、ディスペンスされるべき粉体に対しサイズ決めされる。
【0020】
種々の実施例では、該少なくとも1つの出口は該室の最下面に沿い縦に配向された複数のスロットを有する。該スロットの幅は、例えば、該出口に沿う特定位置で、より多い又はより少ない粉体を堆積させるよう、該出口の長さに沿って変わってもよい。加えて、或いは、代わって、該出口の長さは、種々のサイズのビルド面に対応するよう調整されてもよい。該ホッパーは該少なくとも1つの出口を開き、そして閉じるカバーを有する。1実施例では、該ディスペンス用機構は、予め決められたインターバルで該少なくとも1つの出口を通して自動的に粉体を押すよう適合される。加えて、該ディスペンス用機構は、該少なくとも1つの開口部に平行に配向された半径方向軸線の周りに隔てられた複数のブレードを有し、該ブレードは、該少なくとも1つの出口から該粉体を押すために、該少なくとも1つの出口に最も近い該ブレードを回転させる回転機構に結合されている。1実施例では、該ディスペンス用機構の位置は、例えば、種々の粒子サイズを有する粉体に適合するために、該出口に対し変えられてもよい。
【0021】
更に、該室は、粉体を受けるために、該室の頂部部分に最も近く配置された入り口を規定する。該室は遠隔のソースから該入り口を通して該室内に粉体を引き込むために、真空ソースに接続される。該入り口は、該室に入る粉体を分散させるデフューザーを有してもよい。該デフューザーの形状と寸法は特定の適用に適合するために変えられる。該ホッパーは又、該入り口と該真空ソースの間に配置された濾過システムを有する。
【0022】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンターの粉体移送システム内で使用するためのフィルターシステムに関する。該システムは、2方向の空気流れ用に適合され、少なくとも2つの側部を有するフィルターと、該フィルターの1つの側部に配置されたプレナムと、を有する。該プレナムは、該フィルターの複数部分を相互から分離するために、セグメント化され、そして該フィルターの側部に対しシールされている。該プレナムは、該個別フィルター部分を、真空及び正圧の少なくとも1つに曝すよう適合されている。1実施例では、該正圧は大気である。該プレナムは本質的にどんな数のセグメント、例えば、2つ、4つ、又は8つのセグメント、にセグメント化されてもよい。
【0023】
種々の実施例では、各プレナムセグメントは付随フィルター部分を、該フィルターを通して粉体を担う空気を引くための真空ソースに、接続する弁を有し、該フィルターは粉体がそれを通過するのを防止する。加えて、該弁は、該付随フィルター部分を正圧に接続するよう適合されてもよい。1実施例では、該弁は、1つの弁組立体が、該フィルター部分と連通する真空と正圧の間をシフトするため使われるように、2方向、3位置弁であってもよい。1実施例では、該フィルター部分は該真空ソースと該正圧に交互に曝される。加えて、該フィルター部分は該真空ソースと該正圧にシーケンシャルに交互に曝されてもよい。更に、該システムは粉体ディスペンス用ホッパーの入り口への設置用に適合されている。該フィルターは、該粉体への曝露でのフィルター損傷を減じるために耐摩耗材料でコートされる。
【0024】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンターの粉体移送システムで使用するための多数ポート弁に関する。該弁は中心点から固定距離で半径方向に配置されたポートを規定する第1部分と、該中心点で該第1部分に結合された第2部分と、を有する。該第2部分は第1部分に対し回転可能であり、複数のポートを規定する。該複数のポートは該第1部分上のポートと同じ固定距離で該中心点の周りに半径方向に配置されるので、各ポートは、該第2部分がセット位置へ回転された時、第1部分内のポートと整合可能であり、それによりその間を流れることを可能にする。
【0025】
種々の実施例では、該第2部分はモーター及びギヤ組立体により該第1部分に対し回転される。該第2部分は、信号に応答して該第1部分に対し自動的に回転される。1実施例では、該弁は、該第1部分に対する第2部分の回転進みを制限するために、少なくとも1つの停止部を有する。該弁は又、該第1部分及び第2部分の間に配置されたシールを有し、そこでは該第1部分及び第2部分はその間に配置された該シールと接触するよう偏倚される。
【0026】
もう1つの側面では、本発明は、3次元プリンターで使用するためのプリントヘッドキャップ付けステーションに関する。該キャップ付けステーションはプリントヘッドキャップキャリヤと、プリントヘッドのプリントヘッド面をシールするために該キャリヤ上に配置された少なくとも1つのプリントヘッドキャップと、を有する。該キャリヤは、該キャップを、中立位置の該プリントヘッド面に対し垂直位置に、すなわち該プリントヘッド又はプリントヘッドキャリッジと接触しないよう、保持する。該キャップは、該キャリヤに接触する該プリントヘッド及びプリントヘッドキャリッジの少なくとも1つにより、オフ又は中立位置と、キャップ付けされる位置と、の間を動かされる。
【0027】
種々の実施例では、該キャップ付けステーションは該キャリヤ上に配置された複数のキャップを有する。該複数のキャップはキャリッジ内の複数のプリントヘッドと整合するよう隔てられる。1実施例では、該キャリヤは固定サポート、可動サポート、そして該プリントヘッド及びプリントヘッドキャリッジの少なくとも1つと接触する駆動器タブ、を有する。該プリントヘッド及びプリントヘッドキャリッジの少なくとも1つが該駆動器タブと接触する前進運動は、該可動サポートを該固定サポートに対し旋回させ、それにより該キャップを該プリントヘッド面に対し水平位置に配向する。該プリントヘッド及びプリントヘッドキャリッジの少なくとも1つの連続移動は、該キヤップを該プリントヘッド面に対しシールさせる。更に、該キャップ付けステーションは、一旦キャップ付けされたプリントヘッドの継続前進運動を防止するよう適合された停止部を有する。1実施例では、該プリントヘッドキャップは、該プリントヘッド面をキャップ付け時、圧力の変化に応答して膨張、収縮するコンプライアンスのある材料で作られ(例えば、該キャップが該プリントヘッド面とインターフエースする時圧力の増加が起こる)、それにより該キャップ内のベントの必要性を解消する。1実施例では、該キャップ付けステーションは、垂直位置と水平位置の間で該キャップを動かすための4本バーリンケージを使う。
【0028】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンター用ウエースト処理システムに関する。該システムは、プリントヘッド放出材料の受け入れるリセプタクルと、該受け入れリセプタクルと連通する保持リセプタクルと、そして該プリントヘッド放出材料を該保持リセプタクルへ導くドレインと、を有する。該保持リセプタクルは、該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分を吸収するよう適合された吸収媒体を有し、そこでは該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分は、該保持リセプタクル内で固形化する。
【0029】
種々の実施例では、該保持リセプタクルは、該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分の蒸発を促進するよう適合されている。該システム、例えば、該保持リセプタクル、は該プリントヘッド放出材料の該少なくとも1部分の蒸発速度を加速する空気移送システムを有する。該空気移送システムは、蒸発速度を加速するために該3次元プリンターからのウエースト熱を使用する。1実施例では、該吸収媒体は、容易な廃棄と新鮮吸収媒体との置き換えと、のために該保持リセプタクル内に除去可能に配置される。代わりに、又は、加えて、該保持リセプタクルは使い捨て部品であってもよい。
【0030】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンター内のプリントヘッド用の電気接続システムに関する。該接続システムは、該システムを信号ソースに接続するベースプレートであるが、該ベースプレートがセットパターンで配置された複数の半田パッドを有する該ベースプレートと、該ベースプレートに設置され、プリントヘッドに信号を提供するよう適合されたコネクターであるが、該コネクターが該半田パッドに対応するよう該コネクター内に配向された複数の段付きスルーホールを規定する該コネクターと、そして該コネクターの該段付きスルーホール内に選択的に配置された複数のポーゴーピン(pogo pin)であるが、該ポーゴーピンが該信号ソースから該プリントヘッドへ信号を供給する該ポーゴーピンと、を備える。該信号は電力及びインストラクションの少なくとも1つを該プリントヘッドに提供する。1実施例では、該システムは汚染物の侵入を防止するために該コネクターと該ベースプレートの間に配置されたシールを有する。
【0031】
これら及び他の目的は、ここに開示された本発明の利点と特徴と共に、下記説明及び付随図面を参照して明らかになるであろう。更に、ここに説明される種々の実施例の特徴は、相互に排他的でなく、種々の組み合わせ及び順列で存在し得ることは理解されるべきである。
【0032】
図面では、一般に類似参照文字は種々の図を通して同じ部品を参照する。又、図面は必ずしも尺度合わせされておらず、代わりに一般的に、本発明の原理の図解に力点が置かれている。下記説明では、本発明の種々の実施例が付随図面を参照して説明される。
【実施例1】
【0033】
ここで説明されるシステムと部品は、その開示全体が本引用によりここに組み入れられる、特許文献4,5,6,7、8、9、10及び11で開示されたそれらの様な、種々の3次元プリンター及び関連装置で使われてもよい。
【0034】
本発明の1実施例では、粉体処理の空圧的手段が提供されるが、該手段は、粉体の損失、又は該プリンター及び/又は周囲環境の汚染を最小にしながら、又は実質的にそれら無しで、該粉体が該3次元プリンターシステム内を1つの位置からもう1つへ自動的に、速く、移送されることを可能にする。この構成の要素を示す略図は図1で見られる。
【0035】
図1は3次元プリンター用の粉体処理システム100を示す。該3次元プリンターは該3次元対象が創られるビルド室110と、プリント動作中使われた過剰粉体を集める少なくとも1つのオーバーフロー室120と、を有する。或る実施例では、該オーバーフロー室120は該ビルド室に隣接して配置される。或る実施例では、該システム100は2つのオーバーフロー室120,120’、前部オーバーフロー室120と後部オーバーフロー室120’、を有する。該3次元プリンターで使用するための粉体はディスペンス用ホッパー400内に含まれる。該粉体は該ディスペンス用ホッパー400からガントリー130又は該プリンターのワーク面上へ、該ホッパー400の底部のスロットを通してディスペンスされる125。該ガントリー130は次いで、ここで開示される該3次元プリンターに於けると同じ仕方で該ビルドプラットフォームを横切るよう該粉体をスプレッドする。該ディスペンス用ホッパー400は、ユーザー又は環境を粉体又はダストに曝すこと無しに、該粉体処理システム100から自動的に積載される。ウエーストコレクターユニット800は該プリンター動作過程中作られる何等かの液体ウエーストを集めるために使われる。該ウエーストコレクターユニット800により集められた何等かの液体ウエーストは、除去用の処理及び/又は濾過を実施後、又は実施無し、にコンテナー140内へ導かれる。
【0036】
1実施例では、バインダー液体は、ビルド室110とオーバーフロー室120,120’を有する該ビルドテーブル上に吊られた可動ガントリー130により塗布される。又、該ガントリー130は、増分の層を創るために、該ディスペンス用ホッパー400から該ビルドテーブルへビルド材料を輸送するスプレッダーを有してもよい。又、該ガントリー130は少なくとも1つのバインダーカートリッジ内にバインダージェットを有し、各バインダージェットは、ビルド材料の層上にバインダーを選択的に堆積するために、バインダー源に接続される。代わりの実施例では、該ディスペンス用ホッパー400はスプレッド用に直接該ビルドテーブル上へ粉体をディスペンスしてもよい。
【0037】
本発明の1実施例では、該粉体処理システム100は該システム100内で1つの位置からもう1つへ粉体を動かす空圧システムを有する。この実施例では、ブロワーモーターの様な真空ソース150が、該システム内部に負圧を創るために該ディスペンス用ホッパー400に接続される。
【0038】
結果として空気と、該空気内に懸濁された何等かの粉体又はダストは、その入り口部分510を通して該ディスペンス用ホッパー400内へ吸われる。該粉体は、ホース700を通して該ディスペンス用ホッパー400に入る。該ホース170はオプションの弁組立体600に接続され、該組立体は粉体が多数ソースからホース170内へ引かれることを可能にする。該粉体内で運ばれた何等かの瓦礫片は、スクリーン又は”チャンク分離器(chunk separator)”180によって該ディスペンス用ホッパー400に入ることを防止される。
【0039】
粉体フィルター組立体500がホース170を通って該ディスペンス用ホッパー400に入る粉体を空気から分離するため使われる。結果として、該ディスペンス用ホッパー400に入る全ての粉体は、該3次元プリンターで使用するために該ホッパー400内に保持される。粉体の無い、濾過された空気は真空ソース150へ進み続け、次いで大気内へ通気されるか、又は或る実施例では、該3次元プリンターシステム内の他の目的用に利用される。
【0040】
ディスペンス用ホッパー400用の粉体は、空気流れ通路を1つの粉体ソースからもう1つへスイッチするため使われる弁600で、多数位置から提供される。図1の粉体処理システム100で、粉体は、ビルド室110,オーバーフロー室120,120’、排粉室190,又は粉体コンテナー200から、該弁に入る。ワーク空間からダストと粉体を集めるオーバーフロー室120の側部のベント195は、又該3次元プリンターの動作中粉体の更に進んだソースを提供する。
【0041】
該3次元プリンターの動作中、該ビルド室110からの過剰粉体は、該オーバーフロー室120,120’の1つ又は両方内に落下する。該ビルド中、該真空ソース150は低速でランし、ベント195から、弁600を通り、かくして該ディスペンス用ホッパー400内へ、と空気流れを創る。これは動作中ダストの創生を充分には除けないが、該機械及び周囲範囲内の粉体ダストのスプレッドと堆積を顕著に減じる。該オーバーフロー室120の内部、例えばその頂部近く、に置かれたベント195の入り口を用いることにより、ダスト堆積は大いに減じられる。これは、該オーバーフロー室120の底部に打ち当たる粉体又は該オーバーフロー室120内に以前に堆積した粉体が、それが該オーバーフロー室120から逃げ出す前に、該空気流れ内へ、又は該ディスペンス用ホッパー400内へ吸われる時、発生するダストの雲に原因がある。
【0042】
プリント作業の完了後、該粉体弁600は該空気流れが、該ディスペンス用ホッパー400を再充填するため他のソースから進行することを可能にしたり、前のランで使われた何等かの過剰粉をリサイクルすることを可能にする。例えば、該弁600は該ビルド室110からの空気流れを開放し、ユーザーの介入無しに、該ビルド室110のプリントされない粉体が除去され、ディスペンス用ホッパー400へ戻されることを可能にする。本発明の1実施例では、チョークプレートを有するビルド面300は該ビルド室110の底部に置かれる。これらのチョークプレートはビルドラン中は該ビルド室110の底部を通って落下するどんな粉体も止めるが、次いで、該弁600がブロワーからの空気流れ通路を開放し、該ビルド面300の底部に負圧を印加する時は、過剰な、プリントされない粉体が、該ビルド室110の底部を通りディスペンス用ホッパー400内へ吸い出されることを可能にする。
【0043】
又、弁600はオーバーフロー室120,120’から該オーバーフロー室出口121,121’経由で該ディスペンス用ホッパー400へと空気流れ通路を開く。図1で示される様に、該オーバーフロー室出口121,121’は該弁の単一ポートに接続されるが、しかしながら、各出口121,121’は該弁600上の別々のポートに接続されてもよい。プリント作業の後、動作中該オーバーフロー室120,120’内に集められた過剰粉体は、自動的に該オーバーフロー室120,120’から除去され、再使用されるため該ディスペンス用ホッパー400へ戻される。加えて、又は、代わりに(例えば、ベント195が供給されない場合)、該真空ソース150は、該システムから粉体ダストを除去するために、該オーバーフロー室出口121,121’から弁60を通る空気流れを創るよう低速でランさせられる。
【0044】
代わりの実施例では、該弁600は同時に多数位置から該ディスペンス用ホッパー400へ向かう空気流れを可能にしてもよい。更に代わりの実施例では、該弁600は、各ソースから該ディスペンス用ホッパー400への空気流れを別々に制御する多数の別々の弁により置き換えられてもよい。
【0045】
3次元プリンターの或る実施例では、一旦完成部品が該ビルド室から除去されると、それは該部品から何等かの残った野放し状の粉体を除去するために、排粉室190内に置かれる。該排粉室190は、該部品から清掃された何等かの過剰粉体がリサイクル用に該ディスペンス用ホッパー400内へ吸い戻されるよう、該弁600に垂直にされた漏斗型コンテナー上にスクリーンを有する。代わりの実施例では、最終排粉は該ビルド室自体内で行われ、野放し状の粉体は該ビルド面300のチョークプレートを通して、ディスペンス用ホッパー400へ吸い戻される。
【0046】
一旦、全ての利用可能な過剰粉体が該3次元プリンターの種々の部分からリサイクルされると、粉体コンテナー200を弁600へ接続することにより追加の粉体が該ディスペンス用ホッパー400へ付加される。該粉体コンテナー200は次いで、新しいプリントランをスタートするのに充分な粉体が該ディスペンス用ホッパー400内にあるよう、該ディスペンス用ホッパー400を仕上げるため使われる。弁600は、上記で列挙したそれらの全て又は幾つかを含め、どんな数の粉体ソースに接続されてもよく、与えられたソースから該ディスペンス用ホッパー400への空気流れを提供するために手動で駆動されるか、又は何等かの与えられた順序で、多数の個別ソースへの空気流れを提供するよう自動制御されるか、何れかが行われることは注意されるべきである。
【0047】
本発明の代わりの実施例では、該粉体コンテナー200は、弁600の必要無しに、ホース700を通して該ディスペンス用ホッパー400に直接接続されてもよい。更に進んだ代わりの実施例では、何等かの1つ以上の粉体ソースが、弁600の必要無しに、該ホース170を通して該ディスペンス用ホッパー400に直接接続されてもよい。この様な実施例では、粉体は、該ホース170に直接接続されたソースからと、弁600に接続されたソースからと、両方で引かれるよう、多数の位置から同時に移送されてもよい。代わって、該ホース170に直接接続されたソースのみが粉体を該ディスペンス用ホッパー400に供給するため使われるよう、該弁600は閉止されるか又は完全に除去されてもよい。
【0048】
このシステムは従って、少しのユーザー入力を要するのみで、又は該入力無しで、自動的に該3次元プリンター内の多数の場所から未使用粉体をリサイクルする手段を提供する。弁600及びブロワー150は、ピーシー又は他のインターフエースにより制御され、粉体処理システム100が、予めセットされたプログラムにより自動的にランされるか、又はユーザーにより提供される入力を通して遠隔から駆動されるか、何れかを可能にする。使用中、該粉体処理システム100は該オーバーフロー室120に接続されたベント195を通して過剰粉体を吸い上げることにより、ダストの創生を減じるため使われる。代わりの実施例では、更に進んだベント、又は異なって配置されたベント、が利用され、何等かの過剰粉体ダストを更に集め、かくして動作中該3次元プリンター及び周囲環境の汚染を減じる。
【0049】
与えられたビルドが完了すると、過剰粉体は該粉体処理システム100を通して該3次元プリンターの種々の部分から除去され、かくして、操作者による直接介入の必要無しに、該3次元プリンターを清掃しながら、最大量の粉体がリサイクルされることを可能にする。これは逃げ出し、ことによると該3次元プリンター部品と周囲環境を汚染する粉体及びダストの量を大いに減じる一方、ランの間に該3次元プリンターを保守し、清掃するために要する時間をも減じる。過剰な粉体をより有効に再生し、リサイクルし、そして操作者の清掃及び保守の必要性を減じることにより、該粉体処理システム100は、ひいては、3次元プリンターの効率を顕著に改善する一方、又この様なプリンターのランに包含されるコストを減じる。
【0050】
本発明の1実施例では、該3次元プリンター用の粉体は、その例が図2Aから2Cで示される粉体コンテナー200により提供される。この実施例では、該粉体コンテナー200は、空気ホース210により、該粉体処理システム100の弁600に接続され(又は、上記説明の様にホース170に直接接続され)、該粉体が、ユーザーの最小の努力で、該ディスペンス用ホッパー400内へ自動的に輸送されることを可能にする。
【0051】
該粉体コンテナー200は真空ホース接続部220とベント230をカバーする安全キャップ205付きで出荷され、貯蔵される。一旦、該安全キャップが除去されると、真空空気ホース210は、該真空ソース150がオンに切り替えられ、弁600が正しく位置付けられた時、該粉体処理システム100が粉体を集めることを可能にするよう、真空ホース接続部220に接続される。代わりに、該真空ホース接続部220は上記説明の様に、該ホース170に直接接続されてもよい。
【0052】
該粉体コンテナー200は蓋240と、それに取り付けられる円錐状側壁250を有する。該側壁250は、どんな適当な断面形状が利用されてもよいが、1実施例では、円形又は楕円形断面を有する円錐形を形成する。楕円形の断面形状は、該形状がブリッジする粉体の傾向を低減又は除去するので、望ましい。該安全キャップが該粉体コンテナー200上に置かれると、空気が該コンテナー200に入る又はそれを出ることは出来ない。該安全キャップを除去すると、空気は該蓋240内に収容されたベント230を通って該コンテナー200の内部に入り、該コンテナー200の中央部内に置かれ、真空ホース接続部220に取り付けられた内部ノズル260を通って出る。該粉体コンテナー200が容易にスタックされることを可能にするため、外壁又はハウジング290が含まれてもよい。1実施例では、該粉体コンテナー200とその関連部品は、例えば、インジェクションモールディングにより、高密度ポリエチレンで製造されてもよい。
【0053】
使用時、空気はベント230を通って流入し、蓋240の外側エッジで、環状スロット280を通ってコンテナー200の粉体保持範囲270に入る。空気は次いで該粉体保持範囲270の側壁250を下り、該粉体が該粉体保持範囲270の底部へ下りそして内部ノズル260内へ流れるのを促進する。該粉体は次いで空気内へ引きずり込まれ、内部ノズル260を通り該粉体処理システム100内へ下る。図2Cは、空気ホース210が真空ホース接続部220に接続され、真空ソースがオンに切り替えられた時の、該粉体コンテナー200を通る空気流れの通路を示す。見られる様に、周囲大気からの空気はベント230を通りコンテナー200に入り、空気ホース210を通って出る(又は上記説明の様に、直接ホース170内へ出る)。該粉体保持範囲270の円錐形形状は、内部ノズル260の底部へ向かって下方への粉体流れを助け、全ての利用可能な粉体が該粉体処理システム100により引かれることを確実にする。
【0054】
代わりの実施例では、ベント、又は多数ベントが、該粉体コンテナー200上の種々の位置に置かれ、別々の安全キャップによりカバーされる。更に代わりの実施例では、真空ホース接続部220は、該ホースが切り離される時自動的にシールし、該ホースが接続される時開く(該ベント又は複数ベントをも開く)急速着脱型ホース配管部品を有してもよい。この実施例では、該安全キャップは必要ないであろう。
【0055】
3次元プリントされた部品を自動的、総合的に排粉する装置が該ビルド室110内に含まれてもよい。一般に、この装置は、真空ソースへ垂直に向けられた、そしてチョークプレートとして知られその中に疎らな小孔のパターンを有するプレートでカバーされた、プレナムで構成されたビルドピストンから成る。多くの粉体は、それらが、部品が固体ビルドピストンを用いると同じ仕方で3次元プリントされるよう、周囲圧力で孔の上でブリッジすることを可能にする流れ特性を有する。プリント後、該真空ソースは賦活され、該ビルドプレートの下の圧力を大気圧より下に下げ、該粉体を該チョークプレート内の孔を通るよう流れさせ、かくして該3次元プリントされた部品を部分的に排粉する。
【0056】
しかしながら、微細ドライサンド、ガラスビーヅ、全ての細粒を除去するのに充分な程に真空リサイクルされたゼットピーアール130(zp(R)130)粉体{ゼット社(Z Corporation)から入手可能な}、の様な或る粉体は、余りに容易に流れるので、それらは該3次元プリント過程中該チョークプレート内の孔を通って落下する。或るものは余りに容易に流れるので、該3次元プリント過程がスタート出来ないが、それはベッド準備過程が該チョークプレートを通る流れのために失敗してしまうからである。チョークプレートの例は図3Aで見られる。
【0057】
本発明の1実施例では、ビルド室110の底面300は、ビルドランの完了時、過剰粉体をビルド室110から除去する手段を提供するよう、多数チョークプレートを有するチョークプレート配備を利用してもよい。チョークプレート320,330と漏斗310(又はプレナム)を有するビルド面300の例が図3A及び3Bで見られる。この総合的排粉は過剰粉体の大部分が、該3次元プリントされた部品が除去される前に、該ビルド室から除去されることを可能にして、該部品が最終排粉用に該ビルド室から容易に取り除かれることを可能にする。
【0058】
動作時、ピストンは、前述の特許及び特許出願で開示した様に、3次元部品が該室内で形成されることを可能にするよう該ビルド室内に該ビルド面300を下げる。該ピストンはマウント315によりプレナム/漏斗310の下側に結合される。1実施例では、該プレナム310はジーイー社(GE Company)から入手可能なノリルアールピーエックス1391(Noryl(R) PX 1391)、ポリフエニレンエーテルポリスチレンブレンド、の様なポリマー材料で製造される。
【0059】
相互から水平及び垂直にオフセットされた2枚以上の別々のチョークプレートを有するビルド面300を使用することにより、本発明は従来技術の失敗を克服し、そして、該チョークプレートの下に負圧が導入された時、排粉過程中、該粉体が流れることをなお可能にしながら、プリント過程中の該プレナム内への何等かのそして全ての粉体流れを防止する受動的システムを提供する。ビルド面300及びプレナム310の例は図3B及び3Cで見られる。
【0060】
この実施例で、ビルド面300は垂直ギャップ340により分離された上部チョークプレート320と下部チョークプレート330を有する。1実施例では、該垂直ギャップ340はスペーサー345の使用により保持される。加えて、該チョークプレート320,330は機械的フアスナー347により相互に固定される。上部チョークプレート320の孔パターンは、どちらのプレートの孔350も垂直に一線にはならないよう、下部チョークプレート330の孔パターンから水平にオフセットされている。例えば、均一に隔てられた孔については、好ましいオフセットは連続する孔間のピッチの約半分であるのがよい。或る実施例では、該孔は均一に隔てられる必要はないが、該システムの使用のため必要な間隔を提供するよう何等かの適当なパターンで隔てられてもよい。1実施例では、該チョークプレートはステンレス鋼で作られる。
【0061】
垂直ギャップ340は、該上部チョークプレート320内の孔のエッジと下部チョークプレート330の対応する孔のエッジの間の角度が、使われる粉体の安息角370より大きいように、充分小さくすべきである。”安息角”は粒状固体について関心のある技術的特性である。バルクの粒子が水平面上に注がれると、円錐状堆積が形成される。該堆積のエッジと該水平面の間の角は、安息角として公知であり、そして該材料の密度、表面積及び摩擦係数に関係付けられる。小さい安息角を有する材料は大きい安息角を有する材料より平坦な堆積を形成する。
【0062】
本発明の1実施例では、垂直ギャップ340の高さは、粉体の除去を楽にするか、又は該ビルド面300を種々の粉体での使用に適合させるよう調整されてもよい。この調整は手動により(例えば、種々の高さのスペーサーを使って)、又は該ビルド面に結合されたモーター及び/又はピストンの設備により自動的に行われてもよい。
【0063】
該垂直ギャップ340は、動作時、粉体が該上部チョークプレート320と下部チョークプレート330の間で容易に流れることを可能にするために、該粉体の望まれる最大の粒子サイズより充分に大きくすべきである。該プレナム310は該ビルド面300の下に置かれ、真空ホース接続部380に取り付けられる。次いで、空気ホースは該真空ホース接続部380に接続され、弁600へ導く。従って、該弁600を開き、真空ソース150をオンに替えることにより、該プレナム310内に負圧が創られる。
【0064】
動作時、ビルド面300はビルド室110の底部を形成する。該3次元プリンターの動作時、弁600は、閉じられ、粉体360が 該上部チョークプレート320上で静止することを可能にする。図3Cで見られる様に、粉体360は上部チョークプレート320内の孔350を通るよう流れ、垂直ギャップ340内にセット安息角370を有する円錐形堆積として静止する。該下部チョークプレート330は該上部チョークプレート320から充分オフセットされているので、該粉体360は該下部チョークプレート330上に静止し、該下部チョークプレート330内の孔350を通って落下することはない。結果として、該組み合わされたチョークプレートは該粉体360用のサポートを提供し、該粉体360が3次元プリント動作に必要な様に該ビルド面300上に均一にスプレッドされることを可能にする。
【0065】
一旦、3次元対象がプリントされると、弁600は開かれ、真空ソース150はオンに替わる。これは該下部チョークプレート330の下に負圧を創る。この負圧は、該粉体360を流動化させ、それを該上部チョークプレート320内の孔350を通り、垂直ギャップ340を通り、そして該下部チョークプレート330内の孔350を通って外へ流れさせる。結果として、該粉体は該ビルド室110から速く除去され、再使用されるよう該ディスペンス用ホッパー400へ戻される。粉体除去機能を高めるため、オプションのカバー312が使われてもよい。該カバー312は、プリント動作が完了後、該ビルド室110上又はその上方に置かれてもよい。該カバー312は該ビルド室110の内部容積316を周囲環境から分離する。空気漏れを減じる又は除去するために、該カバー312と室110の間にシール314が配置されてもよい。
【0066】
本発明の代わりの実施例では、該下部チョークプレート330は、該孔がオフセットから整合された構成へ動かされることを可能にして、かくして排粉時、該複数チョークプレートを通る粉体の流れを増加するために、上部チョークプレート320に対し水平に移動可能であってもよい。この実施例では、該上部チョークプレートと下部チョークプレートの間の垂直ギャップは必要でなく、何故ならば垂直ギャップの在り無しに関係なく、それらが整合された時は、粉体は該2枚のプレートの孔を通って自由に流れるからである。モーター又は他の適当な駆動方法が、該オフセット(すなわち、整合されない)構成から該整合された構成へ、該プレートの1つ、又は両プレートを動かすために使われてもよい。
【0067】
本発明の或る実施例では、使われる特定の粉体に依り、種々のサイズの孔を有する、又は種々の孔構成を有する、チョークプレートが提供されてもよい。代わりに、該ビルド面300は、使われる特定の粉体に無関係に、1對のチョークプレートが該粉体を支持することが出来るよう設計されてもよい。更に進んだ実施例では、該ビルド面300は、1枚以上のチョークプレートが該ビルド室からの粉体の除去で役立つために振動するよう振動機構335を有する。加えて、又は、代わりに、組立体全体(すなわち、プレナム310,チョークプレート320,330,他)が粉体除去に役立つよう振動してもよい。1実施例では、該振動機構335はそのシャフト上に配置された偏心負荷を有する小型直流モーターであり、該アンバランス負荷が該室110に振動を与える。
【0068】
本発明の1実施例は粉体を、一旦該粉体が空圧によりそこに運ばれると、該ディスペンス用ホッパー400からディスペンスする手段を有する。3次元プリント動作で使用するために粉体を塗布する時、該粉体がビルドピストンの幅と概略等しい長さのラインでディスペンスされるのが一般的に有利である。粉体を点でディスペンスする多数の手段があるが、これらは垂直空間で非効率的であり(貯蔵ホッパーは、円錐の様に、或る点の方へテーパーを有するので)、そしてそれらはスプレッドローラーがビルドピストンを横切って粉体をスプレッドする前に、該スプレッドローラーの長さに沿って該粉体をスプレッドする追加機構を要するであろう。該ディスペンサーは又、該ビルドピストンの全面積がオーバーフロー内へダンプされる過剰量の粉体無しに充分にカバーされるよう、スプレッドローラーの長さに沿って均一に粉体をディスペンスする必要がある。ディスペンスされる粉体の量は又、実質的に同じ量が各層にディスペンスされるよう、繰り返し可能である必要がある。一般に、ディスペンス手段は、該粉体を剪断しないことが望ましく、それは該剪断が該成分を更に混合することにより該粉体の特性を変えるかも知れないからである。多くの3次元プリント用粉体が多い剪断により損傷されるか、又は効果を減じられる。
【0069】
粉体のディスペンス手段は、幅広い種類の流れ特性とパッキング密度を有する粉体で作動することも望ましい。該ディスペンスシステムは更に、環境条件、粉体種類、粉体条件又は使用持続時間、と関係無く、広い範囲の粉体湿気含有量に亘り作動せねばならず、粉体で詰まりを起こしたり、ディスペンスされる粉体容積を変えてはならない。
【0070】
上記で要求される仕方でディスペンス用ホッパーから粉体をディスペンスする1手段が図4Aから4Dで示される。図4Aは3次元プリント動作で使うためのディスペンス用ホッパー400を示す。この実施例では、該ディスペンス用ホッパー400の底部402は実質的に半円柱の形であり、該半円柱の底部はスロット410を有し、該スロットを通して粉体がディスペンスされる。該円柱部分の上の該ディスペンス用ホッパー400の形状は、該3次元プリンター及び該粉体処理システム100の容積及び形状の要求を充たすどんな仕方で形作られてもよい。該スロット410の幅は、関心のある粉体又は複数粉体が、該スロットからは自由に流れず、むしろ該スロット410を”ブリッジする”ので、それを押し通すため該粉体に力が印加されねばならないように製造される。
【0071】
本発明の1実施例では、1枚以上のブレード420が、該ディスペンス用ホッパー400の半円柱型の底部部分の中心線と、同一直線上にあるシャフト430に設置されてもよい。この実施例では、粉体はシャフト430及び付随ブレード(複数を含む)420の回転により該スロット410を通してディスペンスされる。該ブレード420が回転すると、それは上から該ディスペンス用ホッパー400の半円柱形底部部分に入り、粉体を該スロット410外へ押し始める。粉体は、該ブレード420が該スロット410を過ぎ、そしてもう1つの側で該半円柱形壁の上へ動き始めるまで、該スロット410を出続けるが、その上へ動き始めた時、それ以上の粉体は次のブレード420が該スロット410に近付くまでリリースされない。又粉体流れは、該シャフト430が回転し続けず、該ブレード420又は複数ブレードが運動しない時、停止する。図4Aで、ブレード組立体470は該シャフト430の周りに180度離れ隔てられた2枚のブレード420を組み込んでいる。描かれたブレード420及びスロット410の形は一般的に細長い、長方形の形状であるが、しかしながら、ブレード420,スロット410のサイズと形状は特定の応用に適合するよう変化してもよい。シャフト430及びブレードは、例えば、約37.3W(1/20馬力)モーター及びギヤボックスにより駆動されてもよい。
【0072】
スロット410の幅は該ディスペンス用ホッパー400から流れる粉体の量に影響し、粉体が該ディスペンサー装置が静止している時自由に流れるかどうかを決定する。該スロット410は、該3次元プリンターシステムの要求に依り、連続的であったり、或いは、中断されていてもよい。本発明の或る実施例では、中断されたスロットを使うことにより幅許容差を制御することがより容易になる。1実施例では、該ディスペンス用ホッパーの底部の該スロット410は事実、図4Bで示す様な短いスロット440の1直線パターンを有してもよい。この実施例では、該スロット付き部分は、リリース可能な設置用ハードウエア460を使って、該ディスペンス用ホッパー400に取り付けられた、別のスロットプレート450を有してもよい。結果として、該システムの特定の要求に依り、種々の幅と形状のスロットが、種々の粉体又はプリントラン用に利用されてもよい。多数短スロット形状を有する実施例では、該ディスペンスシステムの短スロットの各々の下で粉体の個別堆積体が形成されるであろう。これらの個別堆積体は、スプレッドローラーが該粉体をビルド室110の方へ動かす時、流れて1つの連続ビードの粉体となる。
【0073】
或る実施例では、不均一スロット幅を有することにより、該粉体の分布を変えることが可能である。例えば、該スロットを端部で広幅にすることにより該スロットプレート450の端部でより多くの粉体がディスペンスされてもよい。これはスプレッド時、該粉体スプレッダーのエッジ付近に流れ、該ビルド室110外へ落下する粉体を補償するため使われてもよい。又、それはディスペンス用ホッパー400の端部壁と相互作用する粉体及びディスペンス機構による境界効果を補償するため使われてもよい。該スロットパターンの変化は又、逸れを防止するため該ブレード組立体470に補強材が付加された領域でのディスペンス粉体量を調整するため使われてもよい。
【0074】
ブレード組立体470はシャフト430に1枚以上のブレード420を設置することにより創られる。補強材480を組み入れたブレード組立体470が図4Cで示される。この実施例では、ブレード420のシステムと、該ブレード420及び該ディスペンス用ホッパー400の半円柱形部分の壁の間の距離と、がディスペンスされる粉体の量と、動作時粉体に印加される剪断力と、に大きな影響を有する。該壁と該ブレード420の間の非常に小さな隙間については該剪断力は比較的高く、ディスペンスされる粉体の比較的多い量に帰着する。より大きい隙間については、該剪断力はより低く、ディスペンスされる粉体の量も同じく少ない。
【0075】
この関係が意味するところは、該ブレード組立体470の半径方向許容差はディスペンスされる粉体の量に強い影響を有する。もしブレード420が長く、薄いなら、それらはそれらの中間部分で内方へ逸り、従ってその中間部分の近くでディスペンスされる粉体量は、ブレード420の端部でディスペンスされる量より少ないであろう。例え逸りが無くても、製造許容差はブレード毎の出力の繰り返し精度に影響する。該ブレードの逸りを打ち消すために、1つ以上の補強材480が該ブレード組立体470に組み込まれてもよい。しかしながら、補強部材480は該ブレード420の逸りを減じるが、該補強部材の存在は粉体を乱し、該補強部材480の近くのスロット領域内でディスペンスされる粉体量を変える。再び、この影響はその領域のスロットの幅を変えることにより補償されてもよい。
【0076】
この変動を処理する1つの方法は、該ブレード組立体470が、層分量の粉体をディスペンスするために整数(”n”)のフル回転を回転するように、該システムを設計することである。該ブレード組立体470を整数回回転することは又、各個別ブレードによりディスペンスされる粉体の僅かに異なる量に帰着する、各ブレードの形状、角度そして堅さの少い差を補償する。角回転でディスペンスされる粉体のこの変動{”シータ(theta)変動”、ここでシータは該ブレード組立体470が回転する角度を表す}は、層分量の粉体を補償するために同じ回数量だけ各ブレードに該スロット410を過ぎさせることにより、取り除かれる。図4Aで示され、シャフト430の周りに180度離れ隔てられた2枚のブレード420を組み入れた、ブレード組立体470は、フル回転の4つの90度セグメントの2つの間だけ粉体をディスペンスする。もう2つの90度セグメント中は、粉体はディスペンスされない。このシステム用には、該ブレード420の位置が既知でなければならぬか、又は該システムが整数のフル回転だけ回されねばならぬか、何れかである。
【0077】
固定回転数だけ該ブレード組立体470を回転する代わりの実施例では、該ブレード組立体470は固定角度間隔(X度)回転され、次いで同じ間隔だけ戻される。この配置は同じブレード及びスロット配備が各回で使用されることをもたらし、それにより異なるブレードの変動を除去する。
【0078】
4枚のブレード420を有するシステムは、1枚のブレード420が、粉体が該ディスペンス用ホッパー400のスロットからディスペンスされるようにする”活動領域”に(すなわち、スロットの”上流”にあるディスペンス用ホッパー400の半円柱形状領域の部分内に)常にある点で、回転面ではより高い独立性を有する。シャフトの周りに90度離れ隔てられた4枚のブレード420を有するブレード組立体例470が図4Cで示される。この実施例では、ディスペンスされる粉体の量は、該ディスペンス用ホッパー400の”活動領域”内のブレードの位置により幾分変わる。この残存する位置依存性を取り除くためには、ブレードの数又はスロットのサイズを更に増加することが必要である。
【0079】
代わりの実施例では、3次元プリンターの特定の要求により、より多くの又はより少ない数のブレード420が該ブレード組立体内に組み入れられてもよい。ブレード420の数を増加することにより、該ディスペンス用ホッパー400からの粉体のディスペンスの頻度は増加する。粉体がディスペンスされる頻度は又該シャフト430及びブレード組立体470の回転速度を変えることにより制御されてもよい。更に代わりの実施例では、1枚以上のブレードの形状及びピッチが、ブレードの各通過によりディスペンスされる粉体量を変えるために変えられてもよい。
【0080】
該シャフト430及びブレード組立体470の回転は、該ディスペンス用ホッパー400に設置されたモーター及びギヤ組立体、又は他の適当な手段により制御されてもよい。1実施例では、このモーター及びギヤ組立体は操作者により制御されるか、又は自動賦活用の該3次元プリンターの操作システムに接続されてもよい。結果として、ユーザー及び/又はプリンター制御システムコマンドに応答して、該モーターはオン、オフに切り替えられ、回転速度は制御される。
【0081】
本発明の1実施例では、スロット又は複数スロットの幅は、1度にディスペンスされる粉体量を増加又は減少させるために変えられることが出来る。該スロットは更にディスペンスされる何等かの粉体を停止させるために完全に閉じられてもよい。1例では、該スロットは、何等かの粉体が偶然的に落下するのを止め、そして該ディスペンス用ホッパー400に入る何等かの湿気又は他の汚染物を止めるために、プリントラン間は自動的に閉じる。スロットの制御は手動で、又はモーター又は他の適当な機構により、成就される。該スロットの位置付けは、1実施例では、該3次元プリンター制御システムにより制御される。加えて、又は、代わりに、プリント中又はプリント作業の間、該スロットを閉じるためにカバー412が使われてもよい。該カバー412は、手動で位置付けられ、例えば、除去可能なファスナーにより位置的に固定される。代わりに、該カバー412がトラック上に設置され、該スロット410に対し摺動可能に位置付けられてもよい。
【0082】
図4Dに示す組立体は、多数の個別ブレードの様に振る舞い、シータ位置による変動を減じる。この実施例では、該ブレード組立体490はその円周面上に多数のブレード420とギャップ425を有する円柱から成る。この実施例では、該円柱はより大きなフープ強さとたわみ抵抗を提供する、一方該多数のブレードはより大きな粉体移動能力を提供する。動作時、該円柱ブレード組立体490は、それが回転する間一貫して粉体をディスペンスし、従って、該粉体が必要な様に個別にディスペンスされることを可能にするよう規則的インターバルでオン、オフと切り替えられる必要がある。該円柱ブレード組立体490は該円柱の側壁内の孔495を通してシャフト430に設置される。該シャフトは、今度は、該円柱ブレード組立体490の回転を必要なように制御するために、モーター又は他の適当な手段に設置される。
【0083】
一般に、該ホッパー400及び付随部品は金属及び/又はポリマー材料で製造される。例えば、該スロットプレート450及び該ブレードはステンレス鋼であってもよく、該ホッパーボデイは例えば、ポリフェニレンオキシドの様な構造用発泡材料(structural foamed material)であってもよい。種々の部品は、例えば、インジェクションモールディング、押し出し、打ち抜き、切削、成型、そして溶接の様な、従来の製造技術で製造されてもよい。
【0084】
本発明の1実施例では、ディスペンスされる粉体量は該粉体のかさ密度に依る。該ディスペンス用ホッパー400が該粉体処理システム100を通した粉体の空圧による搬送により充たされた後は、該かさ密度は該粉体の空気混入のためより低くなる。これは該粉体がコンテナーから注がれた丁度後の該粉体のかさ密度の低下と同様である。これらの条件下で、より多量の粉体が該ブレード組立体470の2,3回の回転についてディスペンスされる。該粉体を通る該ブレード組立体470の運動は該粉体を一貫した密度に局部的にパックする効果を有する。該ブレード組立体470の多数の回転の後、該粉体は速やかに定常かさ密度に達し、その後ディスペンスされる量は非常に一貫している。
【0085】
動作中この問題を避けるために、プリントランの前、又は該ディスペンス用ホッパー400へ追加の粉体が付加された後、該スロットは閉止され、そして該ブレード組立体は、動作前に定常かさ密度を成就するために、プリントランの前に数回回転する。この実施例では、該粉体の該かさ密度がその定常状態に達するまで、粉体はディスペンスされず、その後該スロットは開かれ、普通の運転が再開される。
【0086】
本発明の1実施例では、1つ以上の遠隔の位置から該ディスペンス用ホッパー400に粉体を引き入れる空圧的手段を該粉体処理システム100に提供するために、デフューザー及びフイルターシステム500が該ディスペンス用ホッパー400に設置される。この実施例では、粉体は該ディスペンス用ホッパー400の側部上の入り口ポート500を通して該ディスペンス用ホッパー400内に引き込まれる。該ポート510を通して入る空気及び粉体は、該フイルターシステムとホッパー400への損傷を最小化し、該ホッパー400内のパックされた粉体への乱れを最小化するために、該ディスペンス用ホッパー400に入る空気及び粉体の速度を減じるようデフューザー520を通過する。
【0087】
該フイルター組立体500は枠505を介して該ディスペンス用ホッパー400の頂部に設置されるが、該枠は、該粉体処理システム100内の負圧を提供する真空ソース150へ導くフイルター530を通る空気路を有する。該フイルター530は如何なる粉体も該ディスペンス用ホッパーを去って、真空ソース150を通過し、大気内へ出るのを防止する。
【0088】
該ディスペンス用ホッパー400に入る空気は高速で進みつつある。3次元プリント動作に使われる多くの粉体は非常に研磨性である。もし引き込まれた研磨性粉体を有する高速度空気が該フイルター530に衝突するなら、それは該フイルター媒体を浸食する。本発明の1実施例では、エイチイーピーエイ(HEPA)フイルター(’高効率微粒子空気’フイルター)が利用されてもよい。多くのエイチイーピーエイフイルターは外側層として、膨張ピーテーエフイー(ポリテトラフルオルエチレン)膜、例えば、ドナルドソン社(Donaldson Company, Inc.)から入手可能なテトラテックスアール6277(Tetratex(R) 6277)を有する。これは、特にミクロン及びサブミクロン範囲で、フイルターの効率を高め、清浄にすることをより容易くするが、該ピーテーエフイー層は柔らかく、破損する傾向がある。3次元プリント動作で使う或る粉体は非常に高密度にパックするのでパック化した塊は非常に空気浸透性ではない。これらの種類の粉体が該ディスペンス用ホッパー400内に真空吸引されると、それらは該フイルター上でケーキを形成し、該フイルターを跨ぐ圧力降下を増し、粉体を運ぶために利用出来る圧力差を減じる。実際、追加の粉体が該フィーダー内に運ばれるのを妨げるケーキを該フイルター上に作るのに1,2分で充分であることが見出された。
【0089】
衝突する空気に引き込まれた粉体によるフイルター摩耗の問題が解決されたのは、該ディスペンス用ホッパー400に入る空気に、該空気を遅くする効果と、上に乗って該粉体及び空気が該ディスペンス用ホッパー400の残り部分に入る、容積を増やす効果と、を有するバッフル又はデフューザー520(図5F及び5Gを参照)を通過させることに依る。ディスペンス用ホッパー400内に置かれたデフューザー520の1実施例が図5Aに示される。この実施例では、該デフューザー520はチューブ状ボデイであるが、該チューブの壁内に多数の小孔524を有する該チューブ状ボデイから成る。本発明の1実施例では、該チューブ材料は、使用時該デフューザー520への損傷を最小化するため、硬い金属の様な、耐磨性材料であるのがよい。
【0090】
一般に、該チューブの形状と配向は、該フイルター530を脱落する粉体が該デフューザー520の頂面上に蓄積しないようにされている。この実施例で、該デフューザー520の頂側部526は、楔形であり、該フイルター530から脱落する如何なる粉体も該デフューザーを滑り離れ、該ディスペンス用ホッパー400の下部部分内に降下することを可能にする。該デフューザー520はパーフォレートされた鋼板で製造されるか(例えば、折り畳みにより)又は何等かの他の適当な材料で製造されてもよい。この実施例では、パーフォレーションは該デフューザー520の下部部分522上のみに置かれ、入って来る空気及び粉体を該ディスペンス用ホッパー400の下部部分の方へ導く。代わりの実施例では、該パーフォレーションは該デフューザー520の全ての側部に置かれるか又は該デフューザー520の頂側部526のみに置かれてもよい。該デフューザーはダイヤモンド形、円柱形、楔形、これらの形の組み合わせ(例えば、頂部では楔形で、底部では円柱形)、又は何等かの他の適当な形状であってもよい。更に代わりの実施例では、該デフューザーは、反転したV形であり、粉体が該ディスペンス用ホッパー400の下部部分の方へ自由に落下することを可能にする、一方それが該フイルター530上に直接衝突することを防止する。
【0091】
本発明の1実施例では、該フイルター530上でケーキ化し、それをブロックする粉体の問題は該フイルター530を規則的に清浄にすることにより解決される。当業者は、該真空ソース150がオフに切り替えられた時の様な、それを跨ぐ圧力降下が無い時、該フイルターを清浄にする幾つかの方法があることは認識するであろう。しかしながら、該粉体ケーキが速く形成されるので、該粉体処理システム100の粉体運搬機能に顕著に影響することなく、該真空ソース150をオンにしながら、該フイルター530を清掃出来ることが望ましい。
【0092】
本発明の1実施例では、該フイルター530は2つ以上の独立セグメント531にセグメント化されている。この場合6つの別々のセグメント531を有するセグメント化フイルター530の例が図5Bで見られる。ここで、該フイルター530のセグメント化は、該フイルター媒体上のエラストマー枠535をモールドすることにより達成される。該エラストマー(例えば、シリコーン)は該フイルター媒体に接合されてもよく、かくして各セグメントを空圧的に分離する。又、該エラストマーは対応するプレナムセグメントへの各フイルターセグメントをシールするガスケットとして役立ち、各セグメントへの空気流れが個別で制御されることを可能にする。本発明の他の実施例では、セグメント531のどんな配置も考えられるが、本実施例では、該セグメント531は半径方向パターンで配置される。ひだ無し媒体も使われてもよいが、図5Bに示すフイルター530はひだ付きフイルター媒体である。1実施例では、これは必要なことではないが、該フイルター530の”汚れ”側は該フイルター媒体上に膨張ピーテーエフイー媒体を有する。もし必要なら、2つ以上のフイルターが、該ディスペンス用ホッパー400を離れる空気を濾過するために使われてもよいことは注意されるべきである。1実施例では、該フイルター530は、インターロック用構造体532,534を介して枠505に繋がってもよい。加えて、空気が該フイルター組立体500の周りから該ホッパーに入るのを防止するために、該フイルター530と枠505の間にシールが含まれてもよい。
【0093】
フイルター530を多数の別々のセグメント531に分割することにより、該空気流れは各セグメントを通るよう制御される。結果として、大多数の該セグメントは該真空ソースへ流れる空気を濾過するようセットされる、一方1つ以上の他のセグメント531は、そのフイルターセグメントからの粉体を除去し、従ってそれを清掃するよう、逆の空気流れに曝される。この実施例で、該セグメント化フイルター530の”クリーンな”側上に置かれたプレナムも又、別々のセグメント533に分けられ、該プレナムの各セグメントを通る空気流れを別々に制御する弁を有する。本発明の1実施例では、セグメントの数は、1つのセグメントが清掃される時、利用可能なフイルター面積の減少が、該粉体処理システム100の性能に著しくは影響しない程充分小さいよう、選ばれる。非常に多数のセグメントへのトレードオフはコストと、セグメント境界を創るため使われる材料に失われるフイルター面積と、である。
【0094】
この実施例では、空気は、該ディスペンス用ホッパー400から、多数のフイルター530のセグメントを通り、そして進んで該プレナムを通り、該真空ソース150へ流れ続ける。該プレナム内の弁は、1つ以上のフイルターセグメントを空気流れから分離し、代わりに該フイルターの”クリーンな”側を、大気又は他の圧力源からの様な、より高い圧力の空気へ曝す。このより高い圧力の空気は周りの大気の周囲圧力か、又は何等かの正圧力であってもよい(すなわち、該粉体処理システム100内のそれより高い何等かの圧力)。この正の/高い圧力は、弁を単に大気へ開くことにより、又は弁を別の空気流れソースへ開くことにより創られる。該高圧力空気は該ディスペンス用ホッパー400内の空気より高い圧力にあるので、その空気流れは逆になり、該フイルターのクリーンな側から汚れ側へ流れる。周囲空気から該フイルター530の1つ以上の分離されたセグメント531を通る、該クリーンな側から該汚れ側へ、流れる空気は、粉体をこのセグメントを離れ落下させ、かくして、該フイルターのセグメントを清掃する。
【0095】
セグメント化されたフイルター530の該”クリーンな”側上に置かれたプレナムの1例が図5Cで見られる。この実施例では、プレナム540は、図5Bで示すフイルター530の6つのフイルターセグメント531に対応する、6つの部分又はセグメント533に分けられる。リブ550は該プレナム540をセグメントに分け、該フイルター530の各部分間のエラストマーのセグメント境界をシールする。各プレナムセグメント533は弁組立体560を有するが、該弁組立体は該プレナムセグメントが、真空ソース150からの空気通路か、又は周りの環境内の高圧力空気か、の何れかに開かれることを可能にする。該プレナムセグメントは別の中央プレナム570を通る真空ソース150からの空気通路に開かれているが、該中央プレナムは該真空ソース150へ導く、空気ホースの様な、空気通路へ導く出口ポート580に取り付けられている。1実施例では、該プレナムは、ジーイー社(GE Company)から入手可能な、ノリルアールエフエヌ215エックス(Noryl(R) FN215X)、ポリフエニレンエーテル及びポリスチレンのブレンド、の様な構造用発泡体で製造される。該リブ550はこれ又ジーイーから入手可能な、ノリルアールジーエフエヌ1(Noryl(R) GFN1)の様な、ポリフエニレンエーテル及びポリスチレンのブレンドで製造されてもよい。該弁とその付随部品は10%アラミドフアイバー及び15%ピーテーエフイーの様な、強化付きアセタールで製造されてもよい。
【0096】
本発明の1実施例では、該セグメントは半径方向型であるので、弁組立体560は回転運動で駆動され、それは他の可能なシステムより実現するのに廉価である。この実施例では、該弁組立体560は同じ弁ステムに取り付けられ、1つの機構で同時に駆動される2つの弁を、各プレナムセグメント内に有する。該弁が環境へ開かれ、従って中央プレナム570及び出口ポート580に対し閉じられると、該環境と該ディスペンス用ホッパー400の間の圧力差は空気を、クリーンな側から汚れ側へ該フイルターセグメントを通り該プレナム内へ、そして次いで該真空ソース150へ接続されたもう1つのフイルターセグメントを通って戻るよう、流れさせる。
【0097】
両方の弁が開いている時、空気は該フイルター530を通過することなく、環境から真空ソース150へ直接流れ得る。この空気通路は該真空ソース150への最低インピーダンス通路となる。もしこれが起こると、粉体を動かすため利用可能な圧力と流れは、殆どゼロに低下する。この可能性を取り除く1つの方法は1つの弁を、もう1つを開く前に閉じることである。該2つの弁が1つの部品である、及び/又は、それらが同時駆動される実施例では、各セグメントの2つの弁はどんな有意の時間長さの間も、同時には開かないことが重要である。従って、該粉体処理システム100内の差圧の低下を避けるために、該弁を非常に急激に状態替えさせることが必要である。
【0098】
該弁を開く及び閉じる1手段が図5D及び5Eで示される。この実施例では、スプリングカム585が、モーター575に結合されたギヤ組立体590に設置される。1実施例では、該モーターはダナハーモーション(Danaher Motion)から入手可能な、ポートスキャップテーエム#42エム048シー−エヌ(PortescapTM #42M048C−N)ステッパーモーターである。該モーター575が該ギヤ組立体590を回転させると、該カム585は、今度はカムフオロワー595を介して、該弁組立体560の各々と接触する。次いで該カム585は今度はそれらを1つの状態からもう1つへスイッチすることにより、該弁組立体560を駆動する(すなわち、該中央プレナム570への開き及び該環境への閉じから、該中央プレナム570への閉じ及び該環境への開きへ、そしてその逆)。一旦該カム585が該弁組立体を過ぎると、該弁は、弁スプリングにより印加された力を通してか、又は該弁を跨いで作用する圧力差か、何れかにより、その元の状態へ戻る。1実施例では、各プレナムセグメントへのリブ597はそれが回る時スプリングカム585を押す。代わりの実施例では、該プレナムを分離するリブ550は該スプリングカム585の駆動を提供するため使われる。該カム585がリブ597を過ぎて回転すると、それは該リブを離れて落ち、その撓まない位置へ急激に戻る。そうすると、それは該弁上のカムフオロワー595に接触し、該弁に状態を替えさせる。結果として、該カム585とカムフオロワー595は、該モーター575とギヤ組立体590が該カム585を該プレナム540の周りの円形運動に駆動するよう、各弁を開き、閉じる。代わりの実施例では、多数のカム585が、1つより多いフイルターセグメントが1度に清掃されることを可能にするよう該ギヤ組立体590に設置されてもよい。
【0099】
更に代わりの実施例では、各弁組立体560は、何れかの個別弁が、制御器からの信号に応答して何時でも開かれたり、閉じられるよう、それ自身の駆動手段を有する。この実施例で、該フイルターセグメントは、特定のシーケンスで閉じられ、開かれる必要はなく、寧ろ、どんな順序でも、或いは何時でも、清掃用に開かれ、閉じられ得る。例えば、何時該フイルター530の特定の部分が詰まったか、を検出する、圧力センサー562、又は他の適当な検出手段が各セグメント内に含まれてもよい。その時、フイルター制御器は該フイルター530のその領域を直ちに清掃するために、その部分の弁を駆動する。
【0100】
更に代わりの実施例では、該弁及びギヤ組立体はセット位置に孔又はスロットを有する回転ディスクと置き換えられてもよい。該ディスクが回転すると、これらの孔は、該プレナムのセグメントを与えられた時間、大気か、又は中央プレナム570か、何れかに開く、該プレナム内の孔又はスロットとマッチする。該孔をオフセットすることにより、該ディスクは1つの孔を、もう1つが露出される前に、カバー及びシールするよう配置され、それは与えられたセグメントが何れの1度も、大気と真空ソース150の両者に開かれることが決してないことを意味する。
【0101】
本発明の1実施例は、該粉体処理システム100内の空気流れのソースが替えられることを可能にする弁を有する。結果として、粉体は必要なように、多数の異なるソースから該ディスペンス用ホッパー400に向かって流れることが出来る。
【0102】
1実施例では、該弁は相互に対し回転される2枚のプレートから成る。多数ポート弁600の例が図6Aと6Bで見られる。この実施例で、第1プレート610は、空気ホースを通して、該ディスペンス用ホッパー400及び真空ソース150に接続される1つのポート620を有する。第2プレート630は多数ポート640を有し、このプレートが、ビルド室、オーバーフロー室、ベント、排粉器、そして粉体コンテナーを含むが、それらに限定されない、多数で、種々の、粉体ソースに接続されることを可能にする。代わりの実施例では、該第1プレート610及び第2プレート630の両者は多数ポートを有し、該粉体処理システム100内の種々の位置間の多数の空気流れ通路を可能にする。1実施例では、該弁部品は10%ピーテーエフイー充填の静的散逸性アセタール(static dissipative acetal with 10% PTFE)で製造される。
【0103】
1実施例では、該第1プレート610はギヤトレーン650とモーター660に結合され、該第1プレートが静止第2プレート630に対し回転されることを可能にする。該第1プレート610は該ギヤトレーン650と契合するために、その外部円周に沿い形成されたギヤ歯を有する。該モーター660は又前記ポートスキャップテーエム(PortescapTM)のモーターであってもよい。該第2プレート630に対し該第1プレート610を回転することにより、該ポート620は、該第2プレート630上のポート640の何れかと一線に並ぶ。結果として、空気流れは何れかの粉体ソースから真空ソース150へとなり、粉体が該3次元プリンターで要求されるように、何れかの位置から該ディスペンス用ホッパー400内へ引かれることを可能にする。
【0104】
該システムの1つの利点は、該真空ソース150の使用が、該2枚のプレート間のシールが完全である必要がないことを意味することである。該粉体流れが該弁600付近の大気に対し負圧に成っているので、粉体は該2枚のプレート間の完全さのより低いシールからも漏れないであろう。これはより低いスプリング力とより小さいモーターが該シールの摩擦に打ち勝つことを可能にする。
【0105】
代わりの実施例では、該第2プレート630は回転可能で、該第1プレート610は静止しているか、或いは両プレートが回転可能でもよい。該プレートの相互に対する回転は何等か適当な手段により達成される。図6A及び6Bで示す実施例では、該移動プレートの周辺にステッパーモーター660とギヤトレーン650が位置付けられる。この実施例では、タブ670が静止第2プレート630に対する移動第1プレート610の回転を制限し、制御する。これは、停止部に達するまで該第1プレート610を回転することにより、該システムが何時でもゼロにし直されることを可能にする。該タブは又、多数回転のためにホース又は複数ホースの何等かの起こり得るツイストを避けるために、該プレートの運動を1回転以下に限定するため使われてもよい。加えて、モーター制御器内にプログラムされた仮想の停止部又はモーター660自身内の停止部が、相互に対する該プレートの回転を限定するため使われてもよい。
【0106】
該2枚のプレートは中央に配置されたスプリング付きの肩付きねじ680とナット684により一緒に保持される。これは、該2枚のプレートを一緒にシールするために、なお法線力(スプリング682を介して)を提供しながら回転運動を可能にする。該静止プレート上の各ポートの周りの高められたボス686は、限られた範囲内で該肩付きねじからのスプリング力による圧力を集中することにより、該移動プレートとのシールを作る。中央か、又はそれらのエッジか、の何れかで、該プレートを一緒に保持する何等かの他の適当な手段が利用されてもよい。
【0107】
本発明の1実施例では、該移動第1プレート610は静止第2プレート630の固体範囲と一線になるよう回転され、もし必要なら空気流れが終わることを可能にする。流れの方向は該弁に対して重要でなく、該真空ソースは移動プレートか又は静止プレートか何れかに垂直にされればよいことは気付かれるべきである。更に、或る実施例では、加圧されたシステム内で弁の上流にエアームーバー(air mover)が置かれてもよい。
【0108】
3次元プリント動作のもう1つの挑戦は、該3次元プリンターのアイドル時、該プリントヘッドノズル内でバインダー流体が乾燥或いはゲル化しないように保ちながら、プリントラン中及びその合間にプリントヘッドをクリーンに保つことである。乾燥した又はゲル化したバインダーは該ノズルを詰まらせ、プリントヘッドが適当に噴射するのを妨げる。第2の問題は、プリント作業の終わりに、該プリントヘッドをキャップとの接触に持ち込み、該プリンターのアイドルの間、該ヘッドをキャップ付きにしておくことにより取り組まれる。該キャップは該ノズルの周りの空気流れを除き、従って該バインダーの乾燥速度を遅くするよう設計される。
【0109】
不幸にして、現在の3次元プリンターでは、第1の問題は第2の問題への解により悪化されることが多い。プリント動作中、ダストは、粉体をスプレッドし、それでプリントすることによりかき立てられる。このダストの幾らかは該キャップ上に静止する。かくして、該プリントヘッドがキャップを付けられると、該キャップ上に静止したダストは該プリントヘッドの面及びノズルプレートを汚す可能性がある。
【0110】
本発明の1実施例では、該キャップ上にダストをもたらす問題は、それらが使用されない時該キャップを垂直位置に保存することにより緩和される。かくして、垂直に整合されたキャップはダストにカバーされる傾向が少ないので、該キャップの作用面はダストから部分的に保護される。本発明の1実施例は図7Aから7Dで見られる。このキャップ組立体700は、ベース710及びキャップサポート720を備え、該キャップサポートはそれらをピボット点740の周りで結合する1対のリンケージアーム730を有する。プリントヘッドキャップ750、又は複数キャップは、キャップサポート720上に設置され、従って図7A及び7Bに示す、垂直に整合された保存位置から、図7C及び7Dに示す水平に整合されたキャップ付け位置へと動くことが出来る。該1対のリンケージアーム730を接続するスプリング755は、該キャップ組立体700をその垂直に整合された保存位置内に偏倚させる。該キャップ付けステーションの種々の部品は、例えば、15%ピーテーエフイーと10%アラミドフアイバーとを充填されたアセタールで製造されてもよい。
【0111】
動作時、該プリントヘッド760がキャップ付けされるべき時、該プリントヘッドキャリッジは該キャップ組立体700まで動き、該キャップサポート720上の駆動部タブ765と契合する。該タブ765は該プリントヘッド760か又は該キャリッジか何れかにより接触される。該プリントヘッドキャリッジが水平に動くと、それはキャップサポート720を該ピボット点740の周りで旋回させ、その垂直に整合された保存位置からその水平に整合されたキャップ付け位置へ移動させる。該キャップ組立体700がそのキャップ付け位置に近付くと、該キャップ750は該プリントヘッド760又は複数プリントヘッドと隣接し、該プリントヘッド760用にシールを提供して、かくして該ノズル付近の空気流れを除き、従ってバインダーの乾燥速度を遅くする。
【0112】
該プリントヘッド670が使うため用意されると、該キャリッジは該キャップ組立体700から離れるよう水平に移動し、該駆動部タブ765上の圧力をリリースし、該キャップ組立体700がその垂直に整合された保存位置へ戻ることを可能にする。スプリング755は、該プリントヘッドキャリッジにより契合されない時、その垂直に整合された保存位置内へ該キャップ組立体700を偏倚させる復元力を提供する。結果として、該キャップ組立体700は、該プリントヘッド及び/又はキャリッジが該駆動部タブ765に契合し、該プリントヘッドが該キャップ750と接触する時のみ、該水平に整合されたキャップ付け位置に位置付けられる。
【0113】
この実施例では、該プリントヘッドキャップを水平の配向(該プリントヘッドにキャップ付けする時)と垂直の配向(保存用)の間で動かすために4本バーのリンケージが使われる。該4本バーのリンケージは該垂直及び水平配向の間で該キャップを動かす1つの手段に過ぎず、何等かの他の適当な動作手段も考えられることは注意されるべきである。該キャップ組立体700は、プリントヘッド、及び/又は、キャリッジによる契合時に垂直整合から水平整合へ動き、リリース時に垂直整合へ戻る。代わりの実施例では、ギヤ組立体、スプリング、ピボットアーム、可撓部材、及び/又はピストンを含むが、それらに限定されない、何等か適当な機械式、及び/又は油圧式の手段が、該適当なピボット動作運動と回復力を該キャップ組立体700へ提供するため使われてもよい。更に代わりの実施例では、該回復力は、該プリントヘッドキャリッジが該キャップ組立体700を離れるよう動く時該キャリッジにより提供されるので、該キャップ組立体700自身内には何等回復用スプリング力を要しない。
【0114】
インクジェットプリンターでのもう1つの問題は、該プリントヘッドがキャップ付けされる時、該キャップの設計が該ノズルに於ける圧力スパイクを引き起こすことである。この圧力スパイクは該プリントヘッドに空気を摂取させ、該ノズルのデプライム作用(de−priming)を引き起こすか、又は該プリントヘッドの寿命を短くする。ペーパープリンターでのこの問題への標準的解決策は、該圧力スパイクを避けるために該キャップ内にベント孔を創ることである。しかしながら、3次元プリント動作で、このベント孔は粉体による汚染用のもう1つの通路となる。
【0115】
本発明の1実施例はベント孔を要しないプリントヘッドキャップを有する。代わりに、該キャップは多量の垂直コンプライアンスを組み入れ、かくしてキャップ付きの間起こり得る圧力スパイクの問題を避けながら、粉体汚染用通路無しに完全なシールを提供する。この実施例の例は、ベント孔を有する標準キャップの例と一緒に、図7E及び7Fで見られる。
【0116】
この実施例では、該プリントヘッドキャップ750は設置用プレート775上に設置された1つ以上のシール用面770(この場合、2つのシール用面)を有する。コンプライアンスは該キャップ材料と設置用プレート775の形状とで提供され、該シール用面770用のスプリング型設置を提供する。ベント孔785を有する標準キャップ780が比較用にコンプライアンスのあるプリントヘッドキャップ750のそばに示されている。
【0117】
本発明の1実施例では、該コンプライアンスのあるキャップ750のシール用面770、及び/又は設置用プレート775はゴム、発泡体又は他の適当なコンプライアンスのある材料、例えばショアA硬さ30を有するシリコーン、で形成される。代わりの実施例では、コンプライアンスは該キャップをスプリング配備上に設置することにより提供され、プリントヘッドにより隣接された時、該キャップに或る量の”たわみ(give)”を提供する。更に代わりの実施例では、該キャップはコンプライアンスのある材料とスプリング設置とを有してもよい。
【0118】
3次元プリンターは普通の動作中に液体ウエーストを発生する。該3次元プリンターの設計により、3つまで、このウエーストソースがある。或る3次元プリンターは少量のインクを有する在庫の熱的インクジェットプリントヘッドを使う。新プリントヘッドが設置されると、該プリントヘッドはそのインクがバインダーと置き換えられるまで該プリンターのウエースト収集器ユニット800内へ発射される。多くの3次元プリンターは、該プリントヘッドをクリーンに保ち、適当に動作する過程の部分として、プリント動作中、そして時にはアイドル時に、該ウエースト収集器ユニット800内へ該プリントヘッドを発射させる。或る3次元プリンターは又、該プリントヘッドを、又は該プリントヘッドを清掃するワイパーを、清掃するために使われる洗浄流体を有する。これらの流体(例えば、インク、バインダーそして洗浄流体)の全ては該3次元プリンターの液体ウエースト流れを構成する。該ウエーストは大抵水であるが、又揮発性及び不揮発性成分を有し、該成分は界面活性剤、保湿剤、着色剤、防腐剤、そして他の成分を有する。現在の慣習はこの液体を全て、ユーザーが時々空にせねばならぬコンテナー、瓶又は水差し内へ導くことである。
【0119】
本発明の1実施例では、該液体ウエーストがリザーバー内へ導かれ、そこでそれは固体に変えられる。ここで、該液体は吸収性媒体で吸収される、一方揮発性成分(大抵は水)を蒸発させる。結果として、ユーザーが規則的に液体コンテナーを空にする必要はない。代わりに、該水は蒸発し去り、残りのウエーストは固体として蓄積され、非常に稀にのみ除去される必要がある。ウエースト収集器ユニット800の例が図8A及び8Bで示される。
【0120】
図8Aの実施例では、ウエースト液体は入り口ポート820を通してリザーバー810に入る。該ウエースト液体は次いで、該リザーバー810の底部内に置かれた吸収性媒体830により吸収される。1実施例では、該リザーバーはソルベントプロダクト社(Sorbent Products Company)から入手可能なデーピーエイ24ドリップパン(DPA24 drip pan)である。該吸収性媒体は親水性ポリマー及びフアイバー性材料製のヒドロゲル材料であってもよい。親水性ポリマーの例はアクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、又はアクリル酸アルキルを含み、該フイアバー性材料は木材パルプを含む。
【0121】
空気は、その時、フアン840から該リザーバー810内へ吹き、出口ベント850を通って該リザーバーを出る。該空気が該リザーバー810を通過すると、それは該吸収性媒体830の頂部を横切って渡り、該液体ウエーストの気化速度を増すのを助ける。該気化した液体(主として水蒸気)は次いで該出口ベント850を通って該リザーバーを離れ、該吸収性媒体830内に固体ウエースト物質のみを残す。1実施例では、この空気は該蒸発速度を更に高めるために暖かくてもよい。もう1つの可能な実施例では、該空気は該粉体処理システム100の真空ソース150からの排気である。この実施例では、該空気は該真空ソース150によりそれに対して行われる仕事のために暖かい。ここでは、ブロワーの作用のフリーな副産物として該空気流れが自動的に創られる。更に代わりの実施例では、吸収媒体830は必要でなく、該固体ウエーストは該水が蒸発する時、該リザーバー810の底に拘束無く自由に集まる。
【0122】
代わりの実施例では、図8Bに示す様に、空気が、蒸発速度を高めるために該リザーバー810の中央部分を横切るよう置かれた吸収性媒体830のところで吹く。ここで、該空気は該吸収性媒体830を通過し、何等かの液体ウエーストを蒸発させ、出口ベント850を通って出て、該吸収性媒体830内に保持された固体ウエーストだけを残す。
【0123】
上述の実施例は幾つかの利点を有する。ウエースト流れの不揮発性成分のみが該リザーバー内に残るので、該リザーバーを空ける頻度は非常に減じられる。加えて、該リザーバー、吸収体そして不揮発性ウエーストは、環境規制が異なる固体ウエーストとして処分される。固体の処分は液体より遙かによごれ難い。
【0124】
本発明の代わりの実施例では、該液体は吸収性媒体に吸収され、その後ユーザーは該リザーバー、吸収体そして吸収された液体を1つとして処分する。この方法では、或る蒸発が起こるが、第1の方法に於けるより完全さは劣る。この方法の利点は主に、該ウエーストが処分の容易さのために液体から固体へ変換されることである。更に代わりの実施例では、該液体ウエーストは、固体又はゲルを創るよう該ウエースト流れ内の或る成分と反応する反応性成分を含むリザーバーへ導かれる。この方法でも又、主な利点は該ウエーストが固体に変換されることである。
【0125】
その開示がそれら全体でここに組み入れられる前述の特許及び特許出願で開示されるそれらの様な3次元プリンターは、該プリントヘッドへの電力、接地及び信号の接続を行うためにポーゴーピン{スプラング(sprung)電気コネクター}を使うことが多い。これらのポーゴーピンが使われるのは、それらが、ペーパープリンター内で使われるプリントヘッドへの接続を行うため使われることが多い高圧低力{エイチピーエルエフ(HPLF)}フレックス回路より長く続くからである。これらのポーゴーピンはスルーホールピーシー基板に通常半田付けされる。絶縁材料製のスペーサーが、該ピンの曲がり又はバックリングに対するサポートを提供するために、該ピーシー基板と該ピンの先端の間に、置かれる。
【0126】
これらの配置は幾つかの問題を有する。該配置は、該ピンに入り、結合及び付着を引き起こす汚染用の多数の通路を提供する。該ピンは中空であるので、3次元プリント動作時に沢山あり、遍く存在する、汚染物は該ピーシー基板の後ろ側から該ピンの中空コアを通って入り得る。汚染物は又該ピンと該スペーサーの間の空間内に留まり、該ピンに入るか、又は単純に、該ピンと該スペーサーの間の摩擦を、付着を引き起こすのに充分な程高めるか、何れかを起こす。更に進んだ問題はスルーホール設計が、エイチピーエルエフ設計用の限界より実質的に大きい、ピン間のピッチにより低い限界を設けることである。これはエイチピーエルエフコネクターに基づくコネクター間隔を有する在庫プリントヘッドの使用を難しくする。該スルーホールは、該ポーゴーピンとプラスしたメッキ用に滑りばめとなる孔を要する。この面積は、従って、他のポーゴーピン用、又は該ピーシー基板の何れかの層上でルートを描く信号ライン用には、利用可能でない。
【0127】
本発明の1実施例は、該ピンがピーシー基板へ面型設置(surface mounted)されるように、該ピンを該スペーサー内に設置する方法を含む。この実施例では、ピンは該スペーサー内の段付き孔内に置かれ、次いで圧入される。この実施例の例は図9Aから9Cに示される。この実施例では、ポーゴーピン910は、それらが該スペーサーの下部壁940を僅かに越えて延びるまで、スペーサー930内の段付き孔920内へ圧入される。該スペーサー930内のピン950の設置は該ピーシー基板960内の対応する孔955内へ挿入される。該段付き孔920は該スペーサー930の外面(すなわち、ピーシー基板960から離れた面)ではより大きい直径を、そして該ピーシー基板960に最も近いスペーサー930の面ではより小さい直径を、有する。これは該ポーゴーピン910を、半田ペーストが塗布される該ピーシー基板960上の半田パッド970の近くに位置付ける。該半田は従来の面型設置炉内で融かされ、該ポーゴーピン910を該ピーシー基板960へ恒久的に固定する。
【0128】
加えて、該スペーサーを該ピーシー基板に、そして該ピンを該スペーサーに、シールする手段が提供される。ここで、次いでアールテーブイ(室温硬化)シール剤の様な、シール剤がシール剤孔980を通して該スペーサーと該ピーシー基板の間の空間内に噴射されてもよい。このシール剤は該ピンの各々の間を流れ、そして該スペーサー930と該ピーシー基板960の間の該シール剤出口孔又はギャップ990を通って外へ流れる。代わりに、該スペーサー930と該ピーシー基板960の間にガスケットが置かれてもよい。結果として、該シール剤と該ピーシー基板960は、前の設計で存在した2つの汚染物通路をシールする。これは該電気接続のサイズを減じ、エイチピーエルエフコネクターに基づくコネクター間隔を有する在庫プリントヘッドの使用を可能にする。
【0129】
この方法は該ピン直径より大きい該ポーゴーピン910用のスルーホールを除去し、それらを、より小さい半田パッド970に置き換えるので、該ピンの最小ピッチは減じられる。これは該ポーゴーピン910の詰まった間隔を許容する。該半田パッドは該ピーシー基板960の1層のみの上にあるので、他層上のピン中心ラインに、スルーホール設計で可能なよりも近付いて、信号ライン、又は電力ラインをルート付けすることが出来る。
【0130】
スペーサー930とピーシー基板960の特定の構成は、特定の応用に適合するよう変化するであろう。1実施例では、該スペーサー930は例えば、チコナ(Ticona)から入手可能なベクトラアールエイ130(Vectra(R) A130)の様な液晶ポリマーで製造されてもよい。該ピーシー基板960はジェージェーオーリー社(JJ Orly, Inc.)からのエフアール4(FR4)ブランクを用いて特定応用のために誂えられてもよい。該ポーゴーピン910はエベレットチャールステクノロジー(Everett Charles Technologies)から入手可能なバッテリー相互接続プローブ#ビーアイピー−1(#BIP−1)であってもよい。該シール剤はダウコーニング社(Dow Corning Company)から入手可能なアールテーブイコーティング#3140(RTV coating #3140)の様な、シリコーンエラストマーであってもよい。
【0131】
上記で説明した材料に加えて、種々の部品も、強化材を含むか、含まないか、何れかに依って、他の適当なポリマー材料又はポリマー材料の組み合わせで製造されてもよい。適当な材料は、テーピーユー;イーブイエイ(TPU;EVA)の様なポリウレタン、エルフアトケム(Elf Atochem)により販売されるピーバックスアール(Pebax(R))ブランドの様な熱可塑性ポリエーテルブロックアミド、デュポンにより販売されるハイトレルアール(Hytrel(R))ブランドの様な熱可塑性ポリエスエテルエラストマー、10から30パーセント以上のガラスフアイバー強化材を有するナイロン12の様なポリアミド、シリコーン、ポリエチレン、そして等価の材料、を含む。強化法は、もし使うとすれば、デュポン(Dupont)により販売されるケブラーアール(Kevlar(R))ブランドの様なガラス又は炭素グラフアイトフアイバー又はパラアラミドフアイバーの含有又は他の同様な方法に依ってもよい。又、ポリマー材料は他の材料、例えばゴム又は金属合金と組み合わせて使用されてもよい。追加の材料は炭素鋼、ステンレス鋼、及びアルミニウムを含む。他の適当な材料は当業者には明らかであろう。
【0132】
一般に、ここに説明される部品の形状及びサイズはそれらの特定の応用、例えば、プリンターサイズ、出力、そして使用材料に適合するよう変えられるであろう。該種々の組立体は、当業者には明らかな様に、適当なモーター、ドライブトランスミッション部品、センサー、そしてそれらの動作を協調させる制御器、を含んでもよい。システム診断、センサーベースの欠陥検出、フィードバック制御、及びローバストな生産製造システムと一貫する他の故障修理ツールが、高品質プロセス生産と最小停止時間を保証するため有利に使われてもよい。
【0133】
該ポリマー部品は例えば、インジェクションモールディング又は押し出しにより製造されてもよい。押し出し過程は均一な形状を提供するため使われる。インサートモールディングは望ましい形状の空いた空間を提供するため使われるか、又は該開いた空間が次の機械加工作用により望ましい位置に創られてもよい。他の製造技術は熔解過程又は部分を一緒に接合する過程を含む。金属部品は、当業者に公知の様に、従来の機械加工及び成型過程により製造されてもよい。
【0134】
本発明はその精神又は本質的特性から離れることなく他の特定の形で具体化されてもよい。従って、前記実施例は全ての面でここに説明された本発明の限定用としてよりも図解用として考慮されるべきである。本発明の範囲はかくして、前記説明に依るよりも寧ろ、附属する請求項により指定されており、そして該請求項の等価の意味及び範囲内に入る全ての変更はその中に囲まれるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の1実施例の3次元プリンター及び付随粉体処理システムの略図である。
【図2A】本発明の1実施例の3次元プリンターと共に使用する粉体コンテナーの斜視図の略図である。
【図2B】図2Aの粉体コンテナーの側面図の略図である。
【図2C】図2Aの粉体コンテナーを通る空気流れを図解する側面図の略図である。
【図3A】本発明の1実施例のビルド室内に置かれたチョークプレートを有するビルド面の平面図の略図である。
【図3B】本発明の1実施例の2レベルチョークプレートとプレナムを有するビルド面の側面図の略図である。
【図3C】閉じた空気流れ弁を有する図3Bのビルド面の1断面の側面図の略図である。
【図4A】本発明の1実施例のディスペンス用ホッパーの斜視図の略図である。
【図4B】本発明の1実施例のディスペンス用ホッパーで使用するためのスロットプレートの斜視図の略図である。
【図4C】本発明の1実施例のディスペンス用ホッパーで使用するための回転ブレード配備の斜視図の略図である。
【図4D】本発明の1実施例の代わりの回転ブレード配備の斜視図の略図である。
【図5A】本発明の1実施例の内部デフューザーを有するディスペンス用ホッパーの斜視図の略図である。
【図5B】本発明の1実施例のディスペンス用ホッパー上に置くためのセグメント化粉体フィルターの斜視図の略図である。
【図5C】本発明の1実施例のセグメント化粉体フィルター用のセグメント化プレナムの斜視図の略図である。
【図5D】図5Cのセグメント化プレナム用の駆動方法の斜視図の略図である。
【図5E】プレナムデバイダーと、明確なため示さないギヤと、を有する、図5Dの駆動方法の代わりの図である。
【図5F】図5Aのディスペンス用ホッパー内で使用するための、本発明の1実施例のデフューザーの底面図の略図である。
【図5G】図5Aの線5G−5Gで取られた図5Fのデフューザーの断面図の略図である。
【図6A】本発明の1実施例の粉体処理システム用の弁組立体の斜視図の略図である。
【図6B】図6Aの弁組立体の側面図の略図である。
【図7A】本発明の1実施例に於ける、垂直保存位置のキャップ組立体の側面図の略図である。
【図7B】図7Aのキャップ組立体の斜視図の略図である。
【図7C】本発明の1実施例の水平キャップ付け位置に於ける図7Aのキャップ組立体の側面図の略図である。
【図7D】本発明の1実施例のプリントヘッドと接触する図7Cのキャップ組立体の側面図の略図である。
【図7E】本発明の1実施例で、図7Aのキャップ組立体用プリンターキャップと比較される標準プリンターキャップの斜視図の略図である。
【図7F】図7Eで示される、標準プリンターキャップと図7Aのキャップ組立体用プリンターキャップの側面図の略図である。
【図8A】本発明の1実施例の水平に置かれた吸収媒体を有するウエーストコレクターユニットの側面図の略図である。
【図8B】本発明の1実施例の垂直に置かれた吸収媒体を有するウエーストコレクターユニットの側面図の略図である。
【図9A】本発明の1実施例の3次元プリンター用ポーゴーピーシー基板の組立分解斜視図である。
【図9B】本発明の1実施例に於ける、図9Aのポーゴーベースの側面断面図の略図である。
【図9C】組み立てられた形状の図9Aのポーゴーピーシー基板の斜視図の略図である。
【関連出願との相互参照】
【0001】
本出願は、その全開示が本引用によりここに組み入れられる2006年5月26日出願の米国特許仮出願第60/808,721号の特典と優先権を請求するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般的に3次元プリンターの分野に関し、特にそのための粉体及びウエーストの処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、3次元プリント動作は、粉体化されたビルド材料の層へ液体又はコロイド状バインダー材料を送るために、インクジェット型プリントヘッドの使用を含む。該プリント技術は典型的にローラーを使い、粉体化されたビルド材料の層を面に塗布する過程を有する。該ビルド材料が該面に塗布された後、該プリントヘッドは該材料層の予め決められた範囲に液体バインダーを送る。該バインダーは該材料に浸透し、該粉体と反応し、例えば、該粉体内の接着剤を賦活することにより、該プリント範囲内で該層を固体化させる。該バインダーは又下にある層内に貫入し、層間接合をもたらす。該第1断面部分が形成された後、前の過程が繰り返され、最終対象が形成されるまで次々と断面部分をビルドする。例えば、その開示が本引用により全体でここに組み入れられる特許文献2及び3を参照されたい。
【0004】
3次元プリント動作を行う装置は典型的にダストを発生し、該ダストは該プリントヘッドの動作に有害な影響を及ぼす。例えば、該ダストは、該バインダー材料をディスペンスするジェットノズルを詰まらせ、そしてそれは該バインダー材料がディスペンスされない、又は該バインダー材料が不正確にディスペンスされる、ことに帰着する。
【0005】
粉体処理と、粉体及びダストの管理と、は3次元プリント動作では主要問題点である。フィードピストン内へ粉体を積む過程は一般に、粉体の重いバケットの持ち上げ過程と、それの注入過程とを含む。これは常に大きなダストの雲を引き起こし、沢山の粉体が零れることに帰着する。該プリント過程は又、粉体をスプレッドしそれをオーバーフローコンテナー内にダンプすることにより沢山のダストをかき混ぜる。一旦、部品がプリントされると、プリントされない粉体は、退屈で非常に汚れることが多い過程で、該ビルド箱から除去されねばならない。該オーバーフローコンテナーは該フィードピストン内に戻るよう空にされねばならず、これは又重いコンテナーを持ち上げ、該コンテナーから粉体を注ぐ過程と、ダスト雲及び、往々にして、零れた粉体の発生と、を含む。部品がプリントされた後、該部品から排粉する過程は追加の問題を創り出す。コストのために、大抵のユーザーは該部品から除去された該粉体をリサイクルしたい。現在、これは真空掃除機からの真空バッグの除去と、それを開いて裂き、該粉体を該フィードピストン内へ注ぐ過程を有する。プリントされた部品の破片が真空で吸い上げられるので、ふるう過程が通常必要である。これらの過程は双方とも極度に汚れやすく、ユーザー、床そして該機械から粉体を得て、ダスト雲を創る。
【0006】
従って、本発明の目的は、ウエーストを減じ、野放し状の粉体による該システム及び周囲範囲の汚染を最小化するため、3次元プリンターシステム全体の粉体を自動的に処理する装置と方法を提供することである。
【特許文献1】米国特許仮出願公開第60/808,721号明細書、2006年5月26日出願
【特許文献2】米国特許第6、375、874号明細書
【特許文献3】米国特許第6、416、850号明細書
【特許文献4】米国特許第5、902、441号明細書
【特許文献5】米国特許第6、007、318号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0079601号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2002/0012112号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0265413号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0280185号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/0061613号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0061318号明細書
【発明の開示】
【0007】
本発明は3次元プリンター内の粉体及び他の材料を処理する装置を提供し、3次元プリント動作で使われる粉体を自動的に、装填し、塗布し、再生し、そして濾過する、手段を提供する。結果として、該3次元プリントシステムの効率は改善され、該過程で発生するウエーストは最小化され、外れた又は零れた粉体での該プリンター及び周囲範囲の汚染は実質的に減じられる。
【0008】
1側面では、本発明は3次元プリンター用の粉体処理システムに関する。該システムは複数の粉体保持リセプタクルと、該複数の粉体保持リセプタクルに接続された真空ソースと、を有する。該真空ソースは該粉体保持リセプタクル間で粉体を輸送する。1実施例では、該システムは該複数の粉体保持リセプタクル及び該真空ソースと流体的に連通した多数ポート弁を有する。該真空ソースは該弁を通して粉体を該粉体保持リセプタクル間で移送する。該弁は、該真空ソースを特定の粉体保持リセプタクルへ選択的に接続するため、或いは、1つ以上の粉体保持リセプタクルを該真空ソースから分離するため、使われる。該弁は手動で又は自動的に駆動される。
【0009】
種々の実施例では、該粉体保持リセプタクルは、少なくとも部分的に該3次元プリンター上に配置されるか、又は該プリンターと一体に組み立てられてもよい。加えて、該システムは外部粉体ソースを有してもよい。該外部粉体ソースは、例えば、該多数ポート弁を通して、該真空ソースに接続される。該粉体保持リセプタクルは、ビルド室、ワーク空間容積部、ディスペンス用ホッパー、排粉室、そして前方及び後方オーバーフローキャビテイ、を含む。1実施例では、該ワーク空間容積部は、カバーで囲まれるのが典型的な、該プリンターのワーク面上に配置された範囲である。この容積部は、例えば、オーバーフローキャビテイ又はワーク面に配置されたベントを通して、該真空ソースと流体的に連通する。1実施例では、該システムは、該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルとの間に配置された濾過システムを有する。加えて、該システムは、該粉体保持リセプタクル間の粉体の移送を更に助けるために、圧力ソースを有してもよい。更に、該真空システムは多数速度(すなわち、高及び低の)で運転されてもよく、そして粉体輸送の間に該システムから粉体ダストを除去するために、例えば、低速度で連続運転されてもよい。
【0010】
もう1つの側面では、本発明は、粉体ディスペンス用ホッパーと、粉体を受けるビルド室と、該ビルド室内で粉体の層にバインダーを選択的に塗布する少なくとも1つのプリントヘッドと、そして該ディスペンス用ホッパー及び該ビルド室に接続された真空ソースと、を有する3次元プリンターに関する。該真空ソースは該ディスペンス用ホッパーと該ビルド室との間で粉体を移送する。1実施例では、該プリンターは該ディスペンスホッパー、該ビルド室、そして該真空ソース、と流体的に連通する多数ポート弁を有する。該真空ソースは、該弁を通して、該ディスペンス用ホッパーと該ビルド室との間で粉体を移送する。該プリンターは該真空ソースに接続された少なくとも1つのオーバーフローキャビテイを有する。該真空ソースは該少なくとも1つのオーバーフローキャビテイから、該弁を通して、例えば、該ディスペンス用ホッパーまで、粉体を移送する。1実施例では、該真空ソースは、該ホッパーを再充填するために、何等かの数の保持リセプタクル(例えば、ビルド室、オーバーフローキャビテイ、他)から該ディスペンス用ホッパーまで粉体を引くよう使われてもよい。
【0011】
もう1つの側面では、本発明は多数ソースから3次元プリンターへ粉体を提供する方法に関する。該方法は、複数の粉体保持リセプタクルであるが、該複数の粉体保持リセプタクルが該3次元プリンターに接続されるよう適合された少なくとも1つの粉体ディスペンス用ホッパーを有する、該複数の粉体保持リセプタクルを提供する過程と、該複数の粉体保持リセプタクルを真空ソースに接続する過程と、そして該真空ソースで該粉体保持リセプタクル間を粉体を移送する過程と、を有する。
【0012】
1実施例では、該方法は、該真空ソースを該粉体保持リセプタクルに選択的に接続するために、該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルとの間に多数ポート弁を提供する過程を有する。該方法は更に、該複数の粉体保持リセプタクルの1つから該粉体ディスペンス用ホッパーへ、選択的に粉体を移送するために該弁を駆動する過程を有する。該方法は更に、該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルとの間に濾過システムを提供する過程を有する。
【0013】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンター用に粉体を保持するコンテナーに関する。該コンテナーは、3次元対象を作るために粉体を保持するよう適合された内部容積を規定するリセプタクルと、該リセプタクルに結合され、該リセプタクルの該内部容積を少なくとも部分的に囲むカバーと、を有する。該カバーは、該内部容積と流体的に連通する出口であるが、該出口が該3次元プリンターの真空ソースに接続されるよう適合されている、該出口と、該内部容積と連通し、空気を該内部容積内へ送るよう適合された、少なくとも1つの入り口と、を有する。該入り口は該リセプタクル及び/又は該カバーにより少なくとも部分的に規定されてもよい。
【0014】
種々の実施例では、該入り口を通過する空気は、例えば、該リセプタクルの側部を下方へそして該出口の方へ該粉体を”スイープする”ことにより、該出口を通る該粉体の運動を助ける。1実施例では、該内部容積は一般的に円錐形の形状を有するが、しかしながら、他の形状、例えば、円錐台状、楕円柱状そして多角形及び円弧形の形状の何等かの他の組み合わせ、も考えられ、それらは本請求項の範囲内にある。1実施例では、該リセプタクルの内部容積は楕円形の断面形状を有する。更に、該出口は、該カバーから、該内部容積の底部領域の近くへ、下方に延びるチューブ状部材を有する。加えて、該入り口は環状スロットであり、該出口は配管部品、例えばホースと嵌合するよう構成された急速着脱型配管部品、を有してもよい。1実施例では、該コンテナーは該リセプタクル付近に配置されたハウジングを有してもよい。該ハウジングは他の類似コンテナーとスタックするよう構成される。
【0015】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンターで使用するための、そして3次元対象を作るため粉体を受けるよう適合された、ビルド室に関する。該室は該粉体を受けるビルド面を有する。該ビルド面はピッチを有する複数の離れ隔てられた開口部を規定する第1プレートと、離れ隔てられ、そして該第1プレートの該複数の孔のピッチの約50%だけ該第1プレートの該複数の孔からオフセットされた、複数の開口部を規定する第2プレートと、を有する。該ピッチは隣接する開口部の最も近いエッジ間の空間に対応し、2(該プレート間の空間)(該粉体の安息角の余接)+(孔の直径)に概略等しい。該第2プレートは該第1プレートの下に、かつ、それから隔てられて配置される。
【0016】
種々の実施例では、該室は、該ビルド面を少なくとも部分的に区切り、該室を少なくとも部分的に規定する少なくとも1枚の壁と、該ビルド面の下に配置され、該ビルド面を該少なくとも1枚の壁に対し垂直に動かすよう該ビルド室へ適合されたピストンと、そして真空が印加された時、解放された粉体を該ビルド室から除去するために該ビルド室に接続され、該ビルド室の下に配置された出口と、を有する。該ビルド室は又該室をその環境から少なくとも部分的に分離するために、該少なくとも1枚の壁の上に配置可能なカバーを有する。該カバーは該真空が印加された時空気の侵入を減じるか又は防止するためにシールを有する。1実施例では、該出口は該ビルド面の下に配置されたプレナム内に配置される。該出口は、解放された粉体を、該ビルド面を通して該ビルド室から引くために、真空ソースに接続される。加えて、該ビルド面の第1及び第2プレートは、異なる安息角、例えば、異なるサイズの開口部及び開口部間の異なるピッチ、に適合したプレートと相互交換可能である。代わりの実施例では、該ビルド面は2枚より多いプレートを有してもよい。該ビルド面は、該プレート間の固定間隔を保持するために該第1プレートと該第2プレートの間に配置された1つ以上のスペーサーを有してもよく、そして該ビルド面の該第1プレート及び該第2プレートは相互に対し移動可能である。例えば、1枚の又両方のプレートは、その間の間隔を変えるために垂直に、及び/又は、該孔のオフセットを水平に変えるために水平に、動かされてもよい。該プレート間の間隔を変えるために種々のサイズのスペーサーが使われてもよい。1実施例では、該ビルド室は該粉体を流動化するために該出口に接続された真空ソースを有する。加えて、該ビルド室は該ビルド室の少なくとも1部分、例えば、該ビルド面、に振動を伝える機構を有してもよい。
【0017】
もう1つの側面では、本発明は該ビルド室内の解放された粉体の流れを制御する方法に関する。該方法は該粉体を受けるためのビルド面を提供する過程と、該ビルド面の下に真空ソースを提供する過程と、を有する。該ビルド面は、ピッチを有する複数の離れ隔てられた開口部を規定する第1プレートと、離れ隔てられ、該第1プレートの該複数の孔のピッチの約50%だけ該第1プレート内の該複数の孔からオフセットされた、複数の開口部を規定する第2プレートと、を有する。該ピッチは、隣接する開口部の最も近いエッジ間の空間に対応し、2(該プレート間の空間)(該粉体の安息角の余接)+(孔の直径)に概略等しい。該第2プレートは該第1プレートの下に、かつ、それから隔てられて配置される。
【0018】
種々の実施例では、該方法は、該ビルド面を通しての粉体の流れを防止するために、該ビルド室内に周囲圧力を保持する過程を有する。該方法は又、該粉体を該第1及び第2プレートを通して流れさせるために、該ビルド面の下に真空を創るよう、該真空ソースを賦活する過程と、解放された粉体の流れを促進するために該ビルド面を振動させる過程と、そして種々の安息角を有する粉体に適合するために該第1プレートと第2プレートの間の空間を変える過程と、を具備する。更に、該ビルド室は、該真空ソースを該ビルド室へ接続するために、該ビルド面の下に配置されたプレナムを有する。該プレナムは、該真空ソースが賦活された時、解放された粉体を該ビルド室から除去する出口を有する。1実施例では、該ビルド室は、該ビルド面を少なくとも部分的に区切り、該室を少なくとも部分的に規定する少なくとも1枚の壁と、該ビルド面の下に配置され、該少なくとも1つの壁に対し該ビルド面を垂直に動かすよう該ビルド室に適合されたピストンと、を有する。該第1プレート及び該第2プレートの少なくとも1枚は異なる安息角用に適合されたプレートと相互交換可能である。
【0019】
もう1つの側面では、本発明は粉体を3次元プリンターに提供する粉体ディスペンス用ホッパーに関する。該ホッパーは粉体を受けるために該ホッパーにより規定された室と、該室内に少なくとも部分的に配置されたディスペンス用機構と、を有する。該ホッパーは該3次元プリンター上でビルド面に対して配置される。該室はそれを通って予め決められた量の粉体を通過させるよう寸法取りされ、配置された少なくとも1つの出口を規定し、該ディスペンス用機構は該少なくとも1つの出口を通して粉体を押すよう適合されている。該出口は、該出口に近い粉体上に正の力を提供するディスペンス機構無しには、実質的に粉体が該出口を通過しないよう、ディスペンスされるべき粉体に対しサイズ決めされる。
【0020】
種々の実施例では、該少なくとも1つの出口は該室の最下面に沿い縦に配向された複数のスロットを有する。該スロットの幅は、例えば、該出口に沿う特定位置で、より多い又はより少ない粉体を堆積させるよう、該出口の長さに沿って変わってもよい。加えて、或いは、代わって、該出口の長さは、種々のサイズのビルド面に対応するよう調整されてもよい。該ホッパーは該少なくとも1つの出口を開き、そして閉じるカバーを有する。1実施例では、該ディスペンス用機構は、予め決められたインターバルで該少なくとも1つの出口を通して自動的に粉体を押すよう適合される。加えて、該ディスペンス用機構は、該少なくとも1つの開口部に平行に配向された半径方向軸線の周りに隔てられた複数のブレードを有し、該ブレードは、該少なくとも1つの出口から該粉体を押すために、該少なくとも1つの出口に最も近い該ブレードを回転させる回転機構に結合されている。1実施例では、該ディスペンス用機構の位置は、例えば、種々の粒子サイズを有する粉体に適合するために、該出口に対し変えられてもよい。
【0021】
更に、該室は、粉体を受けるために、該室の頂部部分に最も近く配置された入り口を規定する。該室は遠隔のソースから該入り口を通して該室内に粉体を引き込むために、真空ソースに接続される。該入り口は、該室に入る粉体を分散させるデフューザーを有してもよい。該デフューザーの形状と寸法は特定の適用に適合するために変えられる。該ホッパーは又、該入り口と該真空ソースの間に配置された濾過システムを有する。
【0022】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンターの粉体移送システム内で使用するためのフィルターシステムに関する。該システムは、2方向の空気流れ用に適合され、少なくとも2つの側部を有するフィルターと、該フィルターの1つの側部に配置されたプレナムと、を有する。該プレナムは、該フィルターの複数部分を相互から分離するために、セグメント化され、そして該フィルターの側部に対しシールされている。該プレナムは、該個別フィルター部分を、真空及び正圧の少なくとも1つに曝すよう適合されている。1実施例では、該正圧は大気である。該プレナムは本質的にどんな数のセグメント、例えば、2つ、4つ、又は8つのセグメント、にセグメント化されてもよい。
【0023】
種々の実施例では、各プレナムセグメントは付随フィルター部分を、該フィルターを通して粉体を担う空気を引くための真空ソースに、接続する弁を有し、該フィルターは粉体がそれを通過するのを防止する。加えて、該弁は、該付随フィルター部分を正圧に接続するよう適合されてもよい。1実施例では、該弁は、1つの弁組立体が、該フィルター部分と連通する真空と正圧の間をシフトするため使われるように、2方向、3位置弁であってもよい。1実施例では、該フィルター部分は該真空ソースと該正圧に交互に曝される。加えて、該フィルター部分は該真空ソースと該正圧にシーケンシャルに交互に曝されてもよい。更に、該システムは粉体ディスペンス用ホッパーの入り口への設置用に適合されている。該フィルターは、該粉体への曝露でのフィルター損傷を減じるために耐摩耗材料でコートされる。
【0024】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンターの粉体移送システムで使用するための多数ポート弁に関する。該弁は中心点から固定距離で半径方向に配置されたポートを規定する第1部分と、該中心点で該第1部分に結合された第2部分と、を有する。該第2部分は第1部分に対し回転可能であり、複数のポートを規定する。該複数のポートは該第1部分上のポートと同じ固定距離で該中心点の周りに半径方向に配置されるので、各ポートは、該第2部分がセット位置へ回転された時、第1部分内のポートと整合可能であり、それによりその間を流れることを可能にする。
【0025】
種々の実施例では、該第2部分はモーター及びギヤ組立体により該第1部分に対し回転される。該第2部分は、信号に応答して該第1部分に対し自動的に回転される。1実施例では、該弁は、該第1部分に対する第2部分の回転進みを制限するために、少なくとも1つの停止部を有する。該弁は又、該第1部分及び第2部分の間に配置されたシールを有し、そこでは該第1部分及び第2部分はその間に配置された該シールと接触するよう偏倚される。
【0026】
もう1つの側面では、本発明は、3次元プリンターで使用するためのプリントヘッドキャップ付けステーションに関する。該キャップ付けステーションはプリントヘッドキャップキャリヤと、プリントヘッドのプリントヘッド面をシールするために該キャリヤ上に配置された少なくとも1つのプリントヘッドキャップと、を有する。該キャリヤは、該キャップを、中立位置の該プリントヘッド面に対し垂直位置に、すなわち該プリントヘッド又はプリントヘッドキャリッジと接触しないよう、保持する。該キャップは、該キャリヤに接触する該プリントヘッド及びプリントヘッドキャリッジの少なくとも1つにより、オフ又は中立位置と、キャップ付けされる位置と、の間を動かされる。
【0027】
種々の実施例では、該キャップ付けステーションは該キャリヤ上に配置された複数のキャップを有する。該複数のキャップはキャリッジ内の複数のプリントヘッドと整合するよう隔てられる。1実施例では、該キャリヤは固定サポート、可動サポート、そして該プリントヘッド及びプリントヘッドキャリッジの少なくとも1つと接触する駆動器タブ、を有する。該プリントヘッド及びプリントヘッドキャリッジの少なくとも1つが該駆動器タブと接触する前進運動は、該可動サポートを該固定サポートに対し旋回させ、それにより該キャップを該プリントヘッド面に対し水平位置に配向する。該プリントヘッド及びプリントヘッドキャリッジの少なくとも1つの連続移動は、該キヤップを該プリントヘッド面に対しシールさせる。更に、該キャップ付けステーションは、一旦キャップ付けされたプリントヘッドの継続前進運動を防止するよう適合された停止部を有する。1実施例では、該プリントヘッドキャップは、該プリントヘッド面をキャップ付け時、圧力の変化に応答して膨張、収縮するコンプライアンスのある材料で作られ(例えば、該キャップが該プリントヘッド面とインターフエースする時圧力の増加が起こる)、それにより該キャップ内のベントの必要性を解消する。1実施例では、該キャップ付けステーションは、垂直位置と水平位置の間で該キャップを動かすための4本バーリンケージを使う。
【0028】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンター用ウエースト処理システムに関する。該システムは、プリントヘッド放出材料の受け入れるリセプタクルと、該受け入れリセプタクルと連通する保持リセプタクルと、そして該プリントヘッド放出材料を該保持リセプタクルへ導くドレインと、を有する。該保持リセプタクルは、該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分を吸収するよう適合された吸収媒体を有し、そこでは該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分は、該保持リセプタクル内で固形化する。
【0029】
種々の実施例では、該保持リセプタクルは、該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分の蒸発を促進するよう適合されている。該システム、例えば、該保持リセプタクル、は該プリントヘッド放出材料の該少なくとも1部分の蒸発速度を加速する空気移送システムを有する。該空気移送システムは、蒸発速度を加速するために該3次元プリンターからのウエースト熱を使用する。1実施例では、該吸収媒体は、容易な廃棄と新鮮吸収媒体との置き換えと、のために該保持リセプタクル内に除去可能に配置される。代わりに、又は、加えて、該保持リセプタクルは使い捨て部品であってもよい。
【0030】
もう1つの側面では、本発明は3次元プリンター内のプリントヘッド用の電気接続システムに関する。該接続システムは、該システムを信号ソースに接続するベースプレートであるが、該ベースプレートがセットパターンで配置された複数の半田パッドを有する該ベースプレートと、該ベースプレートに設置され、プリントヘッドに信号を提供するよう適合されたコネクターであるが、該コネクターが該半田パッドに対応するよう該コネクター内に配向された複数の段付きスルーホールを規定する該コネクターと、そして該コネクターの該段付きスルーホール内に選択的に配置された複数のポーゴーピン(pogo pin)であるが、該ポーゴーピンが該信号ソースから該プリントヘッドへ信号を供給する該ポーゴーピンと、を備える。該信号は電力及びインストラクションの少なくとも1つを該プリントヘッドに提供する。1実施例では、該システムは汚染物の侵入を防止するために該コネクターと該ベースプレートの間に配置されたシールを有する。
【0031】
これら及び他の目的は、ここに開示された本発明の利点と特徴と共に、下記説明及び付随図面を参照して明らかになるであろう。更に、ここに説明される種々の実施例の特徴は、相互に排他的でなく、種々の組み合わせ及び順列で存在し得ることは理解されるべきである。
【0032】
図面では、一般に類似参照文字は種々の図を通して同じ部品を参照する。又、図面は必ずしも尺度合わせされておらず、代わりに一般的に、本発明の原理の図解に力点が置かれている。下記説明では、本発明の種々の実施例が付随図面を参照して説明される。
【実施例1】
【0033】
ここで説明されるシステムと部品は、その開示全体が本引用によりここに組み入れられる、特許文献4,5,6,7、8、9、10及び11で開示されたそれらの様な、種々の3次元プリンター及び関連装置で使われてもよい。
【0034】
本発明の1実施例では、粉体処理の空圧的手段が提供されるが、該手段は、粉体の損失、又は該プリンター及び/又は周囲環境の汚染を最小にしながら、又は実質的にそれら無しで、該粉体が該3次元プリンターシステム内を1つの位置からもう1つへ自動的に、速く、移送されることを可能にする。この構成の要素を示す略図は図1で見られる。
【0035】
図1は3次元プリンター用の粉体処理システム100を示す。該3次元プリンターは該3次元対象が創られるビルド室110と、プリント動作中使われた過剰粉体を集める少なくとも1つのオーバーフロー室120と、を有する。或る実施例では、該オーバーフロー室120は該ビルド室に隣接して配置される。或る実施例では、該システム100は2つのオーバーフロー室120,120’、前部オーバーフロー室120と後部オーバーフロー室120’、を有する。該3次元プリンターで使用するための粉体はディスペンス用ホッパー400内に含まれる。該粉体は該ディスペンス用ホッパー400からガントリー130又は該プリンターのワーク面上へ、該ホッパー400の底部のスロットを通してディスペンスされる125。該ガントリー130は次いで、ここで開示される該3次元プリンターに於けると同じ仕方で該ビルドプラットフォームを横切るよう該粉体をスプレッドする。該ディスペンス用ホッパー400は、ユーザー又は環境を粉体又はダストに曝すこと無しに、該粉体処理システム100から自動的に積載される。ウエーストコレクターユニット800は該プリンター動作過程中作られる何等かの液体ウエーストを集めるために使われる。該ウエーストコレクターユニット800により集められた何等かの液体ウエーストは、除去用の処理及び/又は濾過を実施後、又は実施無し、にコンテナー140内へ導かれる。
【0036】
1実施例では、バインダー液体は、ビルド室110とオーバーフロー室120,120’を有する該ビルドテーブル上に吊られた可動ガントリー130により塗布される。又、該ガントリー130は、増分の層を創るために、該ディスペンス用ホッパー400から該ビルドテーブルへビルド材料を輸送するスプレッダーを有してもよい。又、該ガントリー130は少なくとも1つのバインダーカートリッジ内にバインダージェットを有し、各バインダージェットは、ビルド材料の層上にバインダーを選択的に堆積するために、バインダー源に接続される。代わりの実施例では、該ディスペンス用ホッパー400はスプレッド用に直接該ビルドテーブル上へ粉体をディスペンスしてもよい。
【0037】
本発明の1実施例では、該粉体処理システム100は該システム100内で1つの位置からもう1つへ粉体を動かす空圧システムを有する。この実施例では、ブロワーモーターの様な真空ソース150が、該システム内部に負圧を創るために該ディスペンス用ホッパー400に接続される。
【0038】
結果として空気と、該空気内に懸濁された何等かの粉体又はダストは、その入り口部分510を通して該ディスペンス用ホッパー400内へ吸われる。該粉体は、ホース700を通して該ディスペンス用ホッパー400に入る。該ホース170はオプションの弁組立体600に接続され、該組立体は粉体が多数ソースからホース170内へ引かれることを可能にする。該粉体内で運ばれた何等かの瓦礫片は、スクリーン又は”チャンク分離器(chunk separator)”180によって該ディスペンス用ホッパー400に入ることを防止される。
【0039】
粉体フィルター組立体500がホース170を通って該ディスペンス用ホッパー400に入る粉体を空気から分離するため使われる。結果として、該ディスペンス用ホッパー400に入る全ての粉体は、該3次元プリンターで使用するために該ホッパー400内に保持される。粉体の無い、濾過された空気は真空ソース150へ進み続け、次いで大気内へ通気されるか、又は或る実施例では、該3次元プリンターシステム内の他の目的用に利用される。
【0040】
ディスペンス用ホッパー400用の粉体は、空気流れ通路を1つの粉体ソースからもう1つへスイッチするため使われる弁600で、多数位置から提供される。図1の粉体処理システム100で、粉体は、ビルド室110,オーバーフロー室120,120’、排粉室190,又は粉体コンテナー200から、該弁に入る。ワーク空間からダストと粉体を集めるオーバーフロー室120の側部のベント195は、又該3次元プリンターの動作中粉体の更に進んだソースを提供する。
【0041】
該3次元プリンターの動作中、該ビルド室110からの過剰粉体は、該オーバーフロー室120,120’の1つ又は両方内に落下する。該ビルド中、該真空ソース150は低速でランし、ベント195から、弁600を通り、かくして該ディスペンス用ホッパー400内へ、と空気流れを創る。これは動作中ダストの創生を充分には除けないが、該機械及び周囲範囲内の粉体ダストのスプレッドと堆積を顕著に減じる。該オーバーフロー室120の内部、例えばその頂部近く、に置かれたベント195の入り口を用いることにより、ダスト堆積は大いに減じられる。これは、該オーバーフロー室120の底部に打ち当たる粉体又は該オーバーフロー室120内に以前に堆積した粉体が、それが該オーバーフロー室120から逃げ出す前に、該空気流れ内へ、又は該ディスペンス用ホッパー400内へ吸われる時、発生するダストの雲に原因がある。
【0042】
プリント作業の完了後、該粉体弁600は該空気流れが、該ディスペンス用ホッパー400を再充填するため他のソースから進行することを可能にしたり、前のランで使われた何等かの過剰粉をリサイクルすることを可能にする。例えば、該弁600は該ビルド室110からの空気流れを開放し、ユーザーの介入無しに、該ビルド室110のプリントされない粉体が除去され、ディスペンス用ホッパー400へ戻されることを可能にする。本発明の1実施例では、チョークプレートを有するビルド面300は該ビルド室110の底部に置かれる。これらのチョークプレートはビルドラン中は該ビルド室110の底部を通って落下するどんな粉体も止めるが、次いで、該弁600がブロワーからの空気流れ通路を開放し、該ビルド面300の底部に負圧を印加する時は、過剰な、プリントされない粉体が、該ビルド室110の底部を通りディスペンス用ホッパー400内へ吸い出されることを可能にする。
【0043】
又、弁600はオーバーフロー室120,120’から該オーバーフロー室出口121,121’経由で該ディスペンス用ホッパー400へと空気流れ通路を開く。図1で示される様に、該オーバーフロー室出口121,121’は該弁の単一ポートに接続されるが、しかしながら、各出口121,121’は該弁600上の別々のポートに接続されてもよい。プリント作業の後、動作中該オーバーフロー室120,120’内に集められた過剰粉体は、自動的に該オーバーフロー室120,120’から除去され、再使用されるため該ディスペンス用ホッパー400へ戻される。加えて、又は、代わりに(例えば、ベント195が供給されない場合)、該真空ソース150は、該システムから粉体ダストを除去するために、該オーバーフロー室出口121,121’から弁60を通る空気流れを創るよう低速でランさせられる。
【0044】
代わりの実施例では、該弁600は同時に多数位置から該ディスペンス用ホッパー400へ向かう空気流れを可能にしてもよい。更に代わりの実施例では、該弁600は、各ソースから該ディスペンス用ホッパー400への空気流れを別々に制御する多数の別々の弁により置き換えられてもよい。
【0045】
3次元プリンターの或る実施例では、一旦完成部品が該ビルド室から除去されると、それは該部品から何等かの残った野放し状の粉体を除去するために、排粉室190内に置かれる。該排粉室190は、該部品から清掃された何等かの過剰粉体がリサイクル用に該ディスペンス用ホッパー400内へ吸い戻されるよう、該弁600に垂直にされた漏斗型コンテナー上にスクリーンを有する。代わりの実施例では、最終排粉は該ビルド室自体内で行われ、野放し状の粉体は該ビルド面300のチョークプレートを通して、ディスペンス用ホッパー400へ吸い戻される。
【0046】
一旦、全ての利用可能な過剰粉体が該3次元プリンターの種々の部分からリサイクルされると、粉体コンテナー200を弁600へ接続することにより追加の粉体が該ディスペンス用ホッパー400へ付加される。該粉体コンテナー200は次いで、新しいプリントランをスタートするのに充分な粉体が該ディスペンス用ホッパー400内にあるよう、該ディスペンス用ホッパー400を仕上げるため使われる。弁600は、上記で列挙したそれらの全て又は幾つかを含め、どんな数の粉体ソースに接続されてもよく、与えられたソースから該ディスペンス用ホッパー400への空気流れを提供するために手動で駆動されるか、又は何等かの与えられた順序で、多数の個別ソースへの空気流れを提供するよう自動制御されるか、何れかが行われることは注意されるべきである。
【0047】
本発明の代わりの実施例では、該粉体コンテナー200は、弁600の必要無しに、ホース700を通して該ディスペンス用ホッパー400に直接接続されてもよい。更に進んだ代わりの実施例では、何等かの1つ以上の粉体ソースが、弁600の必要無しに、該ホース170を通して該ディスペンス用ホッパー400に直接接続されてもよい。この様な実施例では、粉体は、該ホース170に直接接続されたソースからと、弁600に接続されたソースからと、両方で引かれるよう、多数の位置から同時に移送されてもよい。代わって、該ホース170に直接接続されたソースのみが粉体を該ディスペンス用ホッパー400に供給するため使われるよう、該弁600は閉止されるか又は完全に除去されてもよい。
【0048】
このシステムは従って、少しのユーザー入力を要するのみで、又は該入力無しで、自動的に該3次元プリンター内の多数の場所から未使用粉体をリサイクルする手段を提供する。弁600及びブロワー150は、ピーシー又は他のインターフエースにより制御され、粉体処理システム100が、予めセットされたプログラムにより自動的にランされるか、又はユーザーにより提供される入力を通して遠隔から駆動されるか、何れかを可能にする。使用中、該粉体処理システム100は該オーバーフロー室120に接続されたベント195を通して過剰粉体を吸い上げることにより、ダストの創生を減じるため使われる。代わりの実施例では、更に進んだベント、又は異なって配置されたベント、が利用され、何等かの過剰粉体ダストを更に集め、かくして動作中該3次元プリンター及び周囲環境の汚染を減じる。
【0049】
与えられたビルドが完了すると、過剰粉体は該粉体処理システム100を通して該3次元プリンターの種々の部分から除去され、かくして、操作者による直接介入の必要無しに、該3次元プリンターを清掃しながら、最大量の粉体がリサイクルされることを可能にする。これは逃げ出し、ことによると該3次元プリンター部品と周囲環境を汚染する粉体及びダストの量を大いに減じる一方、ランの間に該3次元プリンターを保守し、清掃するために要する時間をも減じる。過剰な粉体をより有効に再生し、リサイクルし、そして操作者の清掃及び保守の必要性を減じることにより、該粉体処理システム100は、ひいては、3次元プリンターの効率を顕著に改善する一方、又この様なプリンターのランに包含されるコストを減じる。
【0050】
本発明の1実施例では、該3次元プリンター用の粉体は、その例が図2Aから2Cで示される粉体コンテナー200により提供される。この実施例では、該粉体コンテナー200は、空気ホース210により、該粉体処理システム100の弁600に接続され(又は、上記説明の様にホース170に直接接続され)、該粉体が、ユーザーの最小の努力で、該ディスペンス用ホッパー400内へ自動的に輸送されることを可能にする。
【0051】
該粉体コンテナー200は真空ホース接続部220とベント230をカバーする安全キャップ205付きで出荷され、貯蔵される。一旦、該安全キャップが除去されると、真空空気ホース210は、該真空ソース150がオンに切り替えられ、弁600が正しく位置付けられた時、該粉体処理システム100が粉体を集めることを可能にするよう、真空ホース接続部220に接続される。代わりに、該真空ホース接続部220は上記説明の様に、該ホース170に直接接続されてもよい。
【0052】
該粉体コンテナー200は蓋240と、それに取り付けられる円錐状側壁250を有する。該側壁250は、どんな適当な断面形状が利用されてもよいが、1実施例では、円形又は楕円形断面を有する円錐形を形成する。楕円形の断面形状は、該形状がブリッジする粉体の傾向を低減又は除去するので、望ましい。該安全キャップが該粉体コンテナー200上に置かれると、空気が該コンテナー200に入る又はそれを出ることは出来ない。該安全キャップを除去すると、空気は該蓋240内に収容されたベント230を通って該コンテナー200の内部に入り、該コンテナー200の中央部内に置かれ、真空ホース接続部220に取り付けられた内部ノズル260を通って出る。該粉体コンテナー200が容易にスタックされることを可能にするため、外壁又はハウジング290が含まれてもよい。1実施例では、該粉体コンテナー200とその関連部品は、例えば、インジェクションモールディングにより、高密度ポリエチレンで製造されてもよい。
【0053】
使用時、空気はベント230を通って流入し、蓋240の外側エッジで、環状スロット280を通ってコンテナー200の粉体保持範囲270に入る。空気は次いで該粉体保持範囲270の側壁250を下り、該粉体が該粉体保持範囲270の底部へ下りそして内部ノズル260内へ流れるのを促進する。該粉体は次いで空気内へ引きずり込まれ、内部ノズル260を通り該粉体処理システム100内へ下る。図2Cは、空気ホース210が真空ホース接続部220に接続され、真空ソースがオンに切り替えられた時の、該粉体コンテナー200を通る空気流れの通路を示す。見られる様に、周囲大気からの空気はベント230を通りコンテナー200に入り、空気ホース210を通って出る(又は上記説明の様に、直接ホース170内へ出る)。該粉体保持範囲270の円錐形形状は、内部ノズル260の底部へ向かって下方への粉体流れを助け、全ての利用可能な粉体が該粉体処理システム100により引かれることを確実にする。
【0054】
代わりの実施例では、ベント、又は多数ベントが、該粉体コンテナー200上の種々の位置に置かれ、別々の安全キャップによりカバーされる。更に代わりの実施例では、真空ホース接続部220は、該ホースが切り離される時自動的にシールし、該ホースが接続される時開く(該ベント又は複数ベントをも開く)急速着脱型ホース配管部品を有してもよい。この実施例では、該安全キャップは必要ないであろう。
【0055】
3次元プリントされた部品を自動的、総合的に排粉する装置が該ビルド室110内に含まれてもよい。一般に、この装置は、真空ソースへ垂直に向けられた、そしてチョークプレートとして知られその中に疎らな小孔のパターンを有するプレートでカバーされた、プレナムで構成されたビルドピストンから成る。多くの粉体は、それらが、部品が固体ビルドピストンを用いると同じ仕方で3次元プリントされるよう、周囲圧力で孔の上でブリッジすることを可能にする流れ特性を有する。プリント後、該真空ソースは賦活され、該ビルドプレートの下の圧力を大気圧より下に下げ、該粉体を該チョークプレート内の孔を通るよう流れさせ、かくして該3次元プリントされた部品を部分的に排粉する。
【0056】
しかしながら、微細ドライサンド、ガラスビーヅ、全ての細粒を除去するのに充分な程に真空リサイクルされたゼットピーアール130(zp(R)130)粉体{ゼット社(Z Corporation)から入手可能な}、の様な或る粉体は、余りに容易に流れるので、それらは該3次元プリント過程中該チョークプレート内の孔を通って落下する。或るものは余りに容易に流れるので、該3次元プリント過程がスタート出来ないが、それはベッド準備過程が該チョークプレートを通る流れのために失敗してしまうからである。チョークプレートの例は図3Aで見られる。
【0057】
本発明の1実施例では、ビルド室110の底面300は、ビルドランの完了時、過剰粉体をビルド室110から除去する手段を提供するよう、多数チョークプレートを有するチョークプレート配備を利用してもよい。チョークプレート320,330と漏斗310(又はプレナム)を有するビルド面300の例が図3A及び3Bで見られる。この総合的排粉は過剰粉体の大部分が、該3次元プリントされた部品が除去される前に、該ビルド室から除去されることを可能にして、該部品が最終排粉用に該ビルド室から容易に取り除かれることを可能にする。
【0058】
動作時、ピストンは、前述の特許及び特許出願で開示した様に、3次元部品が該室内で形成されることを可能にするよう該ビルド室内に該ビルド面300を下げる。該ピストンはマウント315によりプレナム/漏斗310の下側に結合される。1実施例では、該プレナム310はジーイー社(GE Company)から入手可能なノリルアールピーエックス1391(Noryl(R) PX 1391)、ポリフエニレンエーテルポリスチレンブレンド、の様なポリマー材料で製造される。
【0059】
相互から水平及び垂直にオフセットされた2枚以上の別々のチョークプレートを有するビルド面300を使用することにより、本発明は従来技術の失敗を克服し、そして、該チョークプレートの下に負圧が導入された時、排粉過程中、該粉体が流れることをなお可能にしながら、プリント過程中の該プレナム内への何等かのそして全ての粉体流れを防止する受動的システムを提供する。ビルド面300及びプレナム310の例は図3B及び3Cで見られる。
【0060】
この実施例で、ビルド面300は垂直ギャップ340により分離された上部チョークプレート320と下部チョークプレート330を有する。1実施例では、該垂直ギャップ340はスペーサー345の使用により保持される。加えて、該チョークプレート320,330は機械的フアスナー347により相互に固定される。上部チョークプレート320の孔パターンは、どちらのプレートの孔350も垂直に一線にはならないよう、下部チョークプレート330の孔パターンから水平にオフセットされている。例えば、均一に隔てられた孔については、好ましいオフセットは連続する孔間のピッチの約半分であるのがよい。或る実施例では、該孔は均一に隔てられる必要はないが、該システムの使用のため必要な間隔を提供するよう何等かの適当なパターンで隔てられてもよい。1実施例では、該チョークプレートはステンレス鋼で作られる。
【0061】
垂直ギャップ340は、該上部チョークプレート320内の孔のエッジと下部チョークプレート330の対応する孔のエッジの間の角度が、使われる粉体の安息角370より大きいように、充分小さくすべきである。”安息角”は粒状固体について関心のある技術的特性である。バルクの粒子が水平面上に注がれると、円錐状堆積が形成される。該堆積のエッジと該水平面の間の角は、安息角として公知であり、そして該材料の密度、表面積及び摩擦係数に関係付けられる。小さい安息角を有する材料は大きい安息角を有する材料より平坦な堆積を形成する。
【0062】
本発明の1実施例では、垂直ギャップ340の高さは、粉体の除去を楽にするか、又は該ビルド面300を種々の粉体での使用に適合させるよう調整されてもよい。この調整は手動により(例えば、種々の高さのスペーサーを使って)、又は該ビルド面に結合されたモーター及び/又はピストンの設備により自動的に行われてもよい。
【0063】
該垂直ギャップ340は、動作時、粉体が該上部チョークプレート320と下部チョークプレート330の間で容易に流れることを可能にするために、該粉体の望まれる最大の粒子サイズより充分に大きくすべきである。該プレナム310は該ビルド面300の下に置かれ、真空ホース接続部380に取り付けられる。次いで、空気ホースは該真空ホース接続部380に接続され、弁600へ導く。従って、該弁600を開き、真空ソース150をオンに替えることにより、該プレナム310内に負圧が創られる。
【0064】
動作時、ビルド面300はビルド室110の底部を形成する。該3次元プリンターの動作時、弁600は、閉じられ、粉体360が 該上部チョークプレート320上で静止することを可能にする。図3Cで見られる様に、粉体360は上部チョークプレート320内の孔350を通るよう流れ、垂直ギャップ340内にセット安息角370を有する円錐形堆積として静止する。該下部チョークプレート330は該上部チョークプレート320から充分オフセットされているので、該粉体360は該下部チョークプレート330上に静止し、該下部チョークプレート330内の孔350を通って落下することはない。結果として、該組み合わされたチョークプレートは該粉体360用のサポートを提供し、該粉体360が3次元プリント動作に必要な様に該ビルド面300上に均一にスプレッドされることを可能にする。
【0065】
一旦、3次元対象がプリントされると、弁600は開かれ、真空ソース150はオンに替わる。これは該下部チョークプレート330の下に負圧を創る。この負圧は、該粉体360を流動化させ、それを該上部チョークプレート320内の孔350を通り、垂直ギャップ340を通り、そして該下部チョークプレート330内の孔350を通って外へ流れさせる。結果として、該粉体は該ビルド室110から速く除去され、再使用されるよう該ディスペンス用ホッパー400へ戻される。粉体除去機能を高めるため、オプションのカバー312が使われてもよい。該カバー312は、プリント動作が完了後、該ビルド室110上又はその上方に置かれてもよい。該カバー312は該ビルド室110の内部容積316を周囲環境から分離する。空気漏れを減じる又は除去するために、該カバー312と室110の間にシール314が配置されてもよい。
【0066】
本発明の代わりの実施例では、該下部チョークプレート330は、該孔がオフセットから整合された構成へ動かされることを可能にして、かくして排粉時、該複数チョークプレートを通る粉体の流れを増加するために、上部チョークプレート320に対し水平に移動可能であってもよい。この実施例では、該上部チョークプレートと下部チョークプレートの間の垂直ギャップは必要でなく、何故ならば垂直ギャップの在り無しに関係なく、それらが整合された時は、粉体は該2枚のプレートの孔を通って自由に流れるからである。モーター又は他の適当な駆動方法が、該オフセット(すなわち、整合されない)構成から該整合された構成へ、該プレートの1つ、又は両プレートを動かすために使われてもよい。
【0067】
本発明の或る実施例では、使われる特定の粉体に依り、種々のサイズの孔を有する、又は種々の孔構成を有する、チョークプレートが提供されてもよい。代わりに、該ビルド面300は、使われる特定の粉体に無関係に、1對のチョークプレートが該粉体を支持することが出来るよう設計されてもよい。更に進んだ実施例では、該ビルド面300は、1枚以上のチョークプレートが該ビルド室からの粉体の除去で役立つために振動するよう振動機構335を有する。加えて、又は、代わりに、組立体全体(すなわち、プレナム310,チョークプレート320,330,他)が粉体除去に役立つよう振動してもよい。1実施例では、該振動機構335はそのシャフト上に配置された偏心負荷を有する小型直流モーターであり、該アンバランス負荷が該室110に振動を与える。
【0068】
本発明の1実施例は粉体を、一旦該粉体が空圧によりそこに運ばれると、該ディスペンス用ホッパー400からディスペンスする手段を有する。3次元プリント動作で使用するために粉体を塗布する時、該粉体がビルドピストンの幅と概略等しい長さのラインでディスペンスされるのが一般的に有利である。粉体を点でディスペンスする多数の手段があるが、これらは垂直空間で非効率的であり(貯蔵ホッパーは、円錐の様に、或る点の方へテーパーを有するので)、そしてそれらはスプレッドローラーがビルドピストンを横切って粉体をスプレッドする前に、該スプレッドローラーの長さに沿って該粉体をスプレッドする追加機構を要するであろう。該ディスペンサーは又、該ビルドピストンの全面積がオーバーフロー内へダンプされる過剰量の粉体無しに充分にカバーされるよう、スプレッドローラーの長さに沿って均一に粉体をディスペンスする必要がある。ディスペンスされる粉体の量は又、実質的に同じ量が各層にディスペンスされるよう、繰り返し可能である必要がある。一般に、ディスペンス手段は、該粉体を剪断しないことが望ましく、それは該剪断が該成分を更に混合することにより該粉体の特性を変えるかも知れないからである。多くの3次元プリント用粉体が多い剪断により損傷されるか、又は効果を減じられる。
【0069】
粉体のディスペンス手段は、幅広い種類の流れ特性とパッキング密度を有する粉体で作動することも望ましい。該ディスペンスシステムは更に、環境条件、粉体種類、粉体条件又は使用持続時間、と関係無く、広い範囲の粉体湿気含有量に亘り作動せねばならず、粉体で詰まりを起こしたり、ディスペンスされる粉体容積を変えてはならない。
【0070】
上記で要求される仕方でディスペンス用ホッパーから粉体をディスペンスする1手段が図4Aから4Dで示される。図4Aは3次元プリント動作で使うためのディスペンス用ホッパー400を示す。この実施例では、該ディスペンス用ホッパー400の底部402は実質的に半円柱の形であり、該半円柱の底部はスロット410を有し、該スロットを通して粉体がディスペンスされる。該円柱部分の上の該ディスペンス用ホッパー400の形状は、該3次元プリンター及び該粉体処理システム100の容積及び形状の要求を充たすどんな仕方で形作られてもよい。該スロット410の幅は、関心のある粉体又は複数粉体が、該スロットからは自由に流れず、むしろ該スロット410を”ブリッジする”ので、それを押し通すため該粉体に力が印加されねばならないように製造される。
【0071】
本発明の1実施例では、1枚以上のブレード420が、該ディスペンス用ホッパー400の半円柱型の底部部分の中心線と、同一直線上にあるシャフト430に設置されてもよい。この実施例では、粉体はシャフト430及び付随ブレード(複数を含む)420の回転により該スロット410を通してディスペンスされる。該ブレード420が回転すると、それは上から該ディスペンス用ホッパー400の半円柱形底部部分に入り、粉体を該スロット410外へ押し始める。粉体は、該ブレード420が該スロット410を過ぎ、そしてもう1つの側で該半円柱形壁の上へ動き始めるまで、該スロット410を出続けるが、その上へ動き始めた時、それ以上の粉体は次のブレード420が該スロット410に近付くまでリリースされない。又粉体流れは、該シャフト430が回転し続けず、該ブレード420又は複数ブレードが運動しない時、停止する。図4Aで、ブレード組立体470は該シャフト430の周りに180度離れ隔てられた2枚のブレード420を組み込んでいる。描かれたブレード420及びスロット410の形は一般的に細長い、長方形の形状であるが、しかしながら、ブレード420,スロット410のサイズと形状は特定の応用に適合するよう変化してもよい。シャフト430及びブレードは、例えば、約37.3W(1/20馬力)モーター及びギヤボックスにより駆動されてもよい。
【0072】
スロット410の幅は該ディスペンス用ホッパー400から流れる粉体の量に影響し、粉体が該ディスペンサー装置が静止している時自由に流れるかどうかを決定する。該スロット410は、該3次元プリンターシステムの要求に依り、連続的であったり、或いは、中断されていてもよい。本発明の或る実施例では、中断されたスロットを使うことにより幅許容差を制御することがより容易になる。1実施例では、該ディスペンス用ホッパーの底部の該スロット410は事実、図4Bで示す様な短いスロット440の1直線パターンを有してもよい。この実施例では、該スロット付き部分は、リリース可能な設置用ハードウエア460を使って、該ディスペンス用ホッパー400に取り付けられた、別のスロットプレート450を有してもよい。結果として、該システムの特定の要求に依り、種々の幅と形状のスロットが、種々の粉体又はプリントラン用に利用されてもよい。多数短スロット形状を有する実施例では、該ディスペンスシステムの短スロットの各々の下で粉体の個別堆積体が形成されるであろう。これらの個別堆積体は、スプレッドローラーが該粉体をビルド室110の方へ動かす時、流れて1つの連続ビードの粉体となる。
【0073】
或る実施例では、不均一スロット幅を有することにより、該粉体の分布を変えることが可能である。例えば、該スロットを端部で広幅にすることにより該スロットプレート450の端部でより多くの粉体がディスペンスされてもよい。これはスプレッド時、該粉体スプレッダーのエッジ付近に流れ、該ビルド室110外へ落下する粉体を補償するため使われてもよい。又、それはディスペンス用ホッパー400の端部壁と相互作用する粉体及びディスペンス機構による境界効果を補償するため使われてもよい。該スロットパターンの変化は又、逸れを防止するため該ブレード組立体470に補強材が付加された領域でのディスペンス粉体量を調整するため使われてもよい。
【0074】
ブレード組立体470はシャフト430に1枚以上のブレード420を設置することにより創られる。補強材480を組み入れたブレード組立体470が図4Cで示される。この実施例では、ブレード420のシステムと、該ブレード420及び該ディスペンス用ホッパー400の半円柱形部分の壁の間の距離と、がディスペンスされる粉体の量と、動作時粉体に印加される剪断力と、に大きな影響を有する。該壁と該ブレード420の間の非常に小さな隙間については該剪断力は比較的高く、ディスペンスされる粉体の比較的多い量に帰着する。より大きい隙間については、該剪断力はより低く、ディスペンスされる粉体の量も同じく少ない。
【0075】
この関係が意味するところは、該ブレード組立体470の半径方向許容差はディスペンスされる粉体の量に強い影響を有する。もしブレード420が長く、薄いなら、それらはそれらの中間部分で内方へ逸り、従ってその中間部分の近くでディスペンスされる粉体量は、ブレード420の端部でディスペンスされる量より少ないであろう。例え逸りが無くても、製造許容差はブレード毎の出力の繰り返し精度に影響する。該ブレードの逸りを打ち消すために、1つ以上の補強材480が該ブレード組立体470に組み込まれてもよい。しかしながら、補強部材480は該ブレード420の逸りを減じるが、該補強部材の存在は粉体を乱し、該補強部材480の近くのスロット領域内でディスペンスされる粉体量を変える。再び、この影響はその領域のスロットの幅を変えることにより補償されてもよい。
【0076】
この変動を処理する1つの方法は、該ブレード組立体470が、層分量の粉体をディスペンスするために整数(”n”)のフル回転を回転するように、該システムを設計することである。該ブレード組立体470を整数回回転することは又、各個別ブレードによりディスペンスされる粉体の僅かに異なる量に帰着する、各ブレードの形状、角度そして堅さの少い差を補償する。角回転でディスペンスされる粉体のこの変動{”シータ(theta)変動”、ここでシータは該ブレード組立体470が回転する角度を表す}は、層分量の粉体を補償するために同じ回数量だけ各ブレードに該スロット410を過ぎさせることにより、取り除かれる。図4Aで示され、シャフト430の周りに180度離れ隔てられた2枚のブレード420を組み入れた、ブレード組立体470は、フル回転の4つの90度セグメントの2つの間だけ粉体をディスペンスする。もう2つの90度セグメント中は、粉体はディスペンスされない。このシステム用には、該ブレード420の位置が既知でなければならぬか、又は該システムが整数のフル回転だけ回されねばならぬか、何れかである。
【0077】
固定回転数だけ該ブレード組立体470を回転する代わりの実施例では、該ブレード組立体470は固定角度間隔(X度)回転され、次いで同じ間隔だけ戻される。この配置は同じブレード及びスロット配備が各回で使用されることをもたらし、それにより異なるブレードの変動を除去する。
【0078】
4枚のブレード420を有するシステムは、1枚のブレード420が、粉体が該ディスペンス用ホッパー400のスロットからディスペンスされるようにする”活動領域”に(すなわち、スロットの”上流”にあるディスペンス用ホッパー400の半円柱形状領域の部分内に)常にある点で、回転面ではより高い独立性を有する。シャフトの周りに90度離れ隔てられた4枚のブレード420を有するブレード組立体例470が図4Cで示される。この実施例では、ディスペンスされる粉体の量は、該ディスペンス用ホッパー400の”活動領域”内のブレードの位置により幾分変わる。この残存する位置依存性を取り除くためには、ブレードの数又はスロットのサイズを更に増加することが必要である。
【0079】
代わりの実施例では、3次元プリンターの特定の要求により、より多くの又はより少ない数のブレード420が該ブレード組立体内に組み入れられてもよい。ブレード420の数を増加することにより、該ディスペンス用ホッパー400からの粉体のディスペンスの頻度は増加する。粉体がディスペンスされる頻度は又該シャフト430及びブレード組立体470の回転速度を変えることにより制御されてもよい。更に代わりの実施例では、1枚以上のブレードの形状及びピッチが、ブレードの各通過によりディスペンスされる粉体量を変えるために変えられてもよい。
【0080】
該シャフト430及びブレード組立体470の回転は、該ディスペンス用ホッパー400に設置されたモーター及びギヤ組立体、又は他の適当な手段により制御されてもよい。1実施例では、このモーター及びギヤ組立体は操作者により制御されるか、又は自動賦活用の該3次元プリンターの操作システムに接続されてもよい。結果として、ユーザー及び/又はプリンター制御システムコマンドに応答して、該モーターはオン、オフに切り替えられ、回転速度は制御される。
【0081】
本発明の1実施例では、スロット又は複数スロットの幅は、1度にディスペンスされる粉体量を増加又は減少させるために変えられることが出来る。該スロットは更にディスペンスされる何等かの粉体を停止させるために完全に閉じられてもよい。1例では、該スロットは、何等かの粉体が偶然的に落下するのを止め、そして該ディスペンス用ホッパー400に入る何等かの湿気又は他の汚染物を止めるために、プリントラン間は自動的に閉じる。スロットの制御は手動で、又はモーター又は他の適当な機構により、成就される。該スロットの位置付けは、1実施例では、該3次元プリンター制御システムにより制御される。加えて、又は、代わりに、プリント中又はプリント作業の間、該スロットを閉じるためにカバー412が使われてもよい。該カバー412は、手動で位置付けられ、例えば、除去可能なファスナーにより位置的に固定される。代わりに、該カバー412がトラック上に設置され、該スロット410に対し摺動可能に位置付けられてもよい。
【0082】
図4Dに示す組立体は、多数の個別ブレードの様に振る舞い、シータ位置による変動を減じる。この実施例では、該ブレード組立体490はその円周面上に多数のブレード420とギャップ425を有する円柱から成る。この実施例では、該円柱はより大きなフープ強さとたわみ抵抗を提供する、一方該多数のブレードはより大きな粉体移動能力を提供する。動作時、該円柱ブレード組立体490は、それが回転する間一貫して粉体をディスペンスし、従って、該粉体が必要な様に個別にディスペンスされることを可能にするよう規則的インターバルでオン、オフと切り替えられる必要がある。該円柱ブレード組立体490は該円柱の側壁内の孔495を通してシャフト430に設置される。該シャフトは、今度は、該円柱ブレード組立体490の回転を必要なように制御するために、モーター又は他の適当な手段に設置される。
【0083】
一般に、該ホッパー400及び付随部品は金属及び/又はポリマー材料で製造される。例えば、該スロットプレート450及び該ブレードはステンレス鋼であってもよく、該ホッパーボデイは例えば、ポリフェニレンオキシドの様な構造用発泡材料(structural foamed material)であってもよい。種々の部品は、例えば、インジェクションモールディング、押し出し、打ち抜き、切削、成型、そして溶接の様な、従来の製造技術で製造されてもよい。
【0084】
本発明の1実施例では、ディスペンスされる粉体量は該粉体のかさ密度に依る。該ディスペンス用ホッパー400が該粉体処理システム100を通した粉体の空圧による搬送により充たされた後は、該かさ密度は該粉体の空気混入のためより低くなる。これは該粉体がコンテナーから注がれた丁度後の該粉体のかさ密度の低下と同様である。これらの条件下で、より多量の粉体が該ブレード組立体470の2,3回の回転についてディスペンスされる。該粉体を通る該ブレード組立体470の運動は該粉体を一貫した密度に局部的にパックする効果を有する。該ブレード組立体470の多数の回転の後、該粉体は速やかに定常かさ密度に達し、その後ディスペンスされる量は非常に一貫している。
【0085】
動作中この問題を避けるために、プリントランの前、又は該ディスペンス用ホッパー400へ追加の粉体が付加された後、該スロットは閉止され、そして該ブレード組立体は、動作前に定常かさ密度を成就するために、プリントランの前に数回回転する。この実施例では、該粉体の該かさ密度がその定常状態に達するまで、粉体はディスペンスされず、その後該スロットは開かれ、普通の運転が再開される。
【0086】
本発明の1実施例では、1つ以上の遠隔の位置から該ディスペンス用ホッパー400に粉体を引き入れる空圧的手段を該粉体処理システム100に提供するために、デフューザー及びフイルターシステム500が該ディスペンス用ホッパー400に設置される。この実施例では、粉体は該ディスペンス用ホッパー400の側部上の入り口ポート500を通して該ディスペンス用ホッパー400内に引き込まれる。該ポート510を通して入る空気及び粉体は、該フイルターシステムとホッパー400への損傷を最小化し、該ホッパー400内のパックされた粉体への乱れを最小化するために、該ディスペンス用ホッパー400に入る空気及び粉体の速度を減じるようデフューザー520を通過する。
【0087】
該フイルター組立体500は枠505を介して該ディスペンス用ホッパー400の頂部に設置されるが、該枠は、該粉体処理システム100内の負圧を提供する真空ソース150へ導くフイルター530を通る空気路を有する。該フイルター530は如何なる粉体も該ディスペンス用ホッパーを去って、真空ソース150を通過し、大気内へ出るのを防止する。
【0088】
該ディスペンス用ホッパー400に入る空気は高速で進みつつある。3次元プリント動作に使われる多くの粉体は非常に研磨性である。もし引き込まれた研磨性粉体を有する高速度空気が該フイルター530に衝突するなら、それは該フイルター媒体を浸食する。本発明の1実施例では、エイチイーピーエイ(HEPA)フイルター(’高効率微粒子空気’フイルター)が利用されてもよい。多くのエイチイーピーエイフイルターは外側層として、膨張ピーテーエフイー(ポリテトラフルオルエチレン)膜、例えば、ドナルドソン社(Donaldson Company, Inc.)から入手可能なテトラテックスアール6277(Tetratex(R) 6277)を有する。これは、特にミクロン及びサブミクロン範囲で、フイルターの効率を高め、清浄にすることをより容易くするが、該ピーテーエフイー層は柔らかく、破損する傾向がある。3次元プリント動作で使う或る粉体は非常に高密度にパックするのでパック化した塊は非常に空気浸透性ではない。これらの種類の粉体が該ディスペンス用ホッパー400内に真空吸引されると、それらは該フイルター上でケーキを形成し、該フイルターを跨ぐ圧力降下を増し、粉体を運ぶために利用出来る圧力差を減じる。実際、追加の粉体が該フィーダー内に運ばれるのを妨げるケーキを該フイルター上に作るのに1,2分で充分であることが見出された。
【0089】
衝突する空気に引き込まれた粉体によるフイルター摩耗の問題が解決されたのは、該ディスペンス用ホッパー400に入る空気に、該空気を遅くする効果と、上に乗って該粉体及び空気が該ディスペンス用ホッパー400の残り部分に入る、容積を増やす効果と、を有するバッフル又はデフューザー520(図5F及び5Gを参照)を通過させることに依る。ディスペンス用ホッパー400内に置かれたデフューザー520の1実施例が図5Aに示される。この実施例では、該デフューザー520はチューブ状ボデイであるが、該チューブの壁内に多数の小孔524を有する該チューブ状ボデイから成る。本発明の1実施例では、該チューブ材料は、使用時該デフューザー520への損傷を最小化するため、硬い金属の様な、耐磨性材料であるのがよい。
【0090】
一般に、該チューブの形状と配向は、該フイルター530を脱落する粉体が該デフューザー520の頂面上に蓄積しないようにされている。この実施例で、該デフューザー520の頂側部526は、楔形であり、該フイルター530から脱落する如何なる粉体も該デフューザーを滑り離れ、該ディスペンス用ホッパー400の下部部分内に降下することを可能にする。該デフューザー520はパーフォレートされた鋼板で製造されるか(例えば、折り畳みにより)又は何等かの他の適当な材料で製造されてもよい。この実施例では、パーフォレーションは該デフューザー520の下部部分522上のみに置かれ、入って来る空気及び粉体を該ディスペンス用ホッパー400の下部部分の方へ導く。代わりの実施例では、該パーフォレーションは該デフューザー520の全ての側部に置かれるか又は該デフューザー520の頂側部526のみに置かれてもよい。該デフューザーはダイヤモンド形、円柱形、楔形、これらの形の組み合わせ(例えば、頂部では楔形で、底部では円柱形)、又は何等かの他の適当な形状であってもよい。更に代わりの実施例では、該デフューザーは、反転したV形であり、粉体が該ディスペンス用ホッパー400の下部部分の方へ自由に落下することを可能にする、一方それが該フイルター530上に直接衝突することを防止する。
【0091】
本発明の1実施例では、該フイルター530上でケーキ化し、それをブロックする粉体の問題は該フイルター530を規則的に清浄にすることにより解決される。当業者は、該真空ソース150がオフに切り替えられた時の様な、それを跨ぐ圧力降下が無い時、該フイルターを清浄にする幾つかの方法があることは認識するであろう。しかしながら、該粉体ケーキが速く形成されるので、該粉体処理システム100の粉体運搬機能に顕著に影響することなく、該真空ソース150をオンにしながら、該フイルター530を清掃出来ることが望ましい。
【0092】
本発明の1実施例では、該フイルター530は2つ以上の独立セグメント531にセグメント化されている。この場合6つの別々のセグメント531を有するセグメント化フイルター530の例が図5Bで見られる。ここで、該フイルター530のセグメント化は、該フイルター媒体上のエラストマー枠535をモールドすることにより達成される。該エラストマー(例えば、シリコーン)は該フイルター媒体に接合されてもよく、かくして各セグメントを空圧的に分離する。又、該エラストマーは対応するプレナムセグメントへの各フイルターセグメントをシールするガスケットとして役立ち、各セグメントへの空気流れが個別で制御されることを可能にする。本発明の他の実施例では、セグメント531のどんな配置も考えられるが、本実施例では、該セグメント531は半径方向パターンで配置される。ひだ無し媒体も使われてもよいが、図5Bに示すフイルター530はひだ付きフイルター媒体である。1実施例では、これは必要なことではないが、該フイルター530の”汚れ”側は該フイルター媒体上に膨張ピーテーエフイー媒体を有する。もし必要なら、2つ以上のフイルターが、該ディスペンス用ホッパー400を離れる空気を濾過するために使われてもよいことは注意されるべきである。1実施例では、該フイルター530は、インターロック用構造体532,534を介して枠505に繋がってもよい。加えて、空気が該フイルター組立体500の周りから該ホッパーに入るのを防止するために、該フイルター530と枠505の間にシールが含まれてもよい。
【0093】
フイルター530を多数の別々のセグメント531に分割することにより、該空気流れは各セグメントを通るよう制御される。結果として、大多数の該セグメントは該真空ソースへ流れる空気を濾過するようセットされる、一方1つ以上の他のセグメント531は、そのフイルターセグメントからの粉体を除去し、従ってそれを清掃するよう、逆の空気流れに曝される。この実施例で、該セグメント化フイルター530の”クリーンな”側上に置かれたプレナムも又、別々のセグメント533に分けられ、該プレナムの各セグメントを通る空気流れを別々に制御する弁を有する。本発明の1実施例では、セグメントの数は、1つのセグメントが清掃される時、利用可能なフイルター面積の減少が、該粉体処理システム100の性能に著しくは影響しない程充分小さいよう、選ばれる。非常に多数のセグメントへのトレードオフはコストと、セグメント境界を創るため使われる材料に失われるフイルター面積と、である。
【0094】
この実施例では、空気は、該ディスペンス用ホッパー400から、多数のフイルター530のセグメントを通り、そして進んで該プレナムを通り、該真空ソース150へ流れ続ける。該プレナム内の弁は、1つ以上のフイルターセグメントを空気流れから分離し、代わりに該フイルターの”クリーンな”側を、大気又は他の圧力源からの様な、より高い圧力の空気へ曝す。このより高い圧力の空気は周りの大気の周囲圧力か、又は何等かの正圧力であってもよい(すなわち、該粉体処理システム100内のそれより高い何等かの圧力)。この正の/高い圧力は、弁を単に大気へ開くことにより、又は弁を別の空気流れソースへ開くことにより創られる。該高圧力空気は該ディスペンス用ホッパー400内の空気より高い圧力にあるので、その空気流れは逆になり、該フイルターのクリーンな側から汚れ側へ流れる。周囲空気から該フイルター530の1つ以上の分離されたセグメント531を通る、該クリーンな側から該汚れ側へ、流れる空気は、粉体をこのセグメントを離れ落下させ、かくして、該フイルターのセグメントを清掃する。
【0095】
セグメント化されたフイルター530の該”クリーンな”側上に置かれたプレナムの1例が図5Cで見られる。この実施例では、プレナム540は、図5Bで示すフイルター530の6つのフイルターセグメント531に対応する、6つの部分又はセグメント533に分けられる。リブ550は該プレナム540をセグメントに分け、該フイルター530の各部分間のエラストマーのセグメント境界をシールする。各プレナムセグメント533は弁組立体560を有するが、該弁組立体は該プレナムセグメントが、真空ソース150からの空気通路か、又は周りの環境内の高圧力空気か、の何れかに開かれることを可能にする。該プレナムセグメントは別の中央プレナム570を通る真空ソース150からの空気通路に開かれているが、該中央プレナムは該真空ソース150へ導く、空気ホースの様な、空気通路へ導く出口ポート580に取り付けられている。1実施例では、該プレナムは、ジーイー社(GE Company)から入手可能な、ノリルアールエフエヌ215エックス(Noryl(R) FN215X)、ポリフエニレンエーテル及びポリスチレンのブレンド、の様な構造用発泡体で製造される。該リブ550はこれ又ジーイーから入手可能な、ノリルアールジーエフエヌ1(Noryl(R) GFN1)の様な、ポリフエニレンエーテル及びポリスチレンのブレンドで製造されてもよい。該弁とその付随部品は10%アラミドフアイバー及び15%ピーテーエフイーの様な、強化付きアセタールで製造されてもよい。
【0096】
本発明の1実施例では、該セグメントは半径方向型であるので、弁組立体560は回転運動で駆動され、それは他の可能なシステムより実現するのに廉価である。この実施例では、該弁組立体560は同じ弁ステムに取り付けられ、1つの機構で同時に駆動される2つの弁を、各プレナムセグメント内に有する。該弁が環境へ開かれ、従って中央プレナム570及び出口ポート580に対し閉じられると、該環境と該ディスペンス用ホッパー400の間の圧力差は空気を、クリーンな側から汚れ側へ該フイルターセグメントを通り該プレナム内へ、そして次いで該真空ソース150へ接続されたもう1つのフイルターセグメントを通って戻るよう、流れさせる。
【0097】
両方の弁が開いている時、空気は該フイルター530を通過することなく、環境から真空ソース150へ直接流れ得る。この空気通路は該真空ソース150への最低インピーダンス通路となる。もしこれが起こると、粉体を動かすため利用可能な圧力と流れは、殆どゼロに低下する。この可能性を取り除く1つの方法は1つの弁を、もう1つを開く前に閉じることである。該2つの弁が1つの部品である、及び/又は、それらが同時駆動される実施例では、各セグメントの2つの弁はどんな有意の時間長さの間も、同時には開かないことが重要である。従って、該粉体処理システム100内の差圧の低下を避けるために、該弁を非常に急激に状態替えさせることが必要である。
【0098】
該弁を開く及び閉じる1手段が図5D及び5Eで示される。この実施例では、スプリングカム585が、モーター575に結合されたギヤ組立体590に設置される。1実施例では、該モーターはダナハーモーション(Danaher Motion)から入手可能な、ポートスキャップテーエム#42エム048シー−エヌ(PortescapTM #42M048C−N)ステッパーモーターである。該モーター575が該ギヤ組立体590を回転させると、該カム585は、今度はカムフオロワー595を介して、該弁組立体560の各々と接触する。次いで該カム585は今度はそれらを1つの状態からもう1つへスイッチすることにより、該弁組立体560を駆動する(すなわち、該中央プレナム570への開き及び該環境への閉じから、該中央プレナム570への閉じ及び該環境への開きへ、そしてその逆)。一旦該カム585が該弁組立体を過ぎると、該弁は、弁スプリングにより印加された力を通してか、又は該弁を跨いで作用する圧力差か、何れかにより、その元の状態へ戻る。1実施例では、各プレナムセグメントへのリブ597はそれが回る時スプリングカム585を押す。代わりの実施例では、該プレナムを分離するリブ550は該スプリングカム585の駆動を提供するため使われる。該カム585がリブ597を過ぎて回転すると、それは該リブを離れて落ち、その撓まない位置へ急激に戻る。そうすると、それは該弁上のカムフオロワー595に接触し、該弁に状態を替えさせる。結果として、該カム585とカムフオロワー595は、該モーター575とギヤ組立体590が該カム585を該プレナム540の周りの円形運動に駆動するよう、各弁を開き、閉じる。代わりの実施例では、多数のカム585が、1つより多いフイルターセグメントが1度に清掃されることを可能にするよう該ギヤ組立体590に設置されてもよい。
【0099】
更に代わりの実施例では、各弁組立体560は、何れかの個別弁が、制御器からの信号に応答して何時でも開かれたり、閉じられるよう、それ自身の駆動手段を有する。この実施例で、該フイルターセグメントは、特定のシーケンスで閉じられ、開かれる必要はなく、寧ろ、どんな順序でも、或いは何時でも、清掃用に開かれ、閉じられ得る。例えば、何時該フイルター530の特定の部分が詰まったか、を検出する、圧力センサー562、又は他の適当な検出手段が各セグメント内に含まれてもよい。その時、フイルター制御器は該フイルター530のその領域を直ちに清掃するために、その部分の弁を駆動する。
【0100】
更に代わりの実施例では、該弁及びギヤ組立体はセット位置に孔又はスロットを有する回転ディスクと置き換えられてもよい。該ディスクが回転すると、これらの孔は、該プレナムのセグメントを与えられた時間、大気か、又は中央プレナム570か、何れかに開く、該プレナム内の孔又はスロットとマッチする。該孔をオフセットすることにより、該ディスクは1つの孔を、もう1つが露出される前に、カバー及びシールするよう配置され、それは与えられたセグメントが何れの1度も、大気と真空ソース150の両者に開かれることが決してないことを意味する。
【0101】
本発明の1実施例は、該粉体処理システム100内の空気流れのソースが替えられることを可能にする弁を有する。結果として、粉体は必要なように、多数の異なるソースから該ディスペンス用ホッパー400に向かって流れることが出来る。
【0102】
1実施例では、該弁は相互に対し回転される2枚のプレートから成る。多数ポート弁600の例が図6Aと6Bで見られる。この実施例で、第1プレート610は、空気ホースを通して、該ディスペンス用ホッパー400及び真空ソース150に接続される1つのポート620を有する。第2プレート630は多数ポート640を有し、このプレートが、ビルド室、オーバーフロー室、ベント、排粉器、そして粉体コンテナーを含むが、それらに限定されない、多数で、種々の、粉体ソースに接続されることを可能にする。代わりの実施例では、該第1プレート610及び第2プレート630の両者は多数ポートを有し、該粉体処理システム100内の種々の位置間の多数の空気流れ通路を可能にする。1実施例では、該弁部品は10%ピーテーエフイー充填の静的散逸性アセタール(static dissipative acetal with 10% PTFE)で製造される。
【0103】
1実施例では、該第1プレート610はギヤトレーン650とモーター660に結合され、該第1プレートが静止第2プレート630に対し回転されることを可能にする。該第1プレート610は該ギヤトレーン650と契合するために、その外部円周に沿い形成されたギヤ歯を有する。該モーター660は又前記ポートスキャップテーエム(PortescapTM)のモーターであってもよい。該第2プレート630に対し該第1プレート610を回転することにより、該ポート620は、該第2プレート630上のポート640の何れかと一線に並ぶ。結果として、空気流れは何れかの粉体ソースから真空ソース150へとなり、粉体が該3次元プリンターで要求されるように、何れかの位置から該ディスペンス用ホッパー400内へ引かれることを可能にする。
【0104】
該システムの1つの利点は、該真空ソース150の使用が、該2枚のプレート間のシールが完全である必要がないことを意味することである。該粉体流れが該弁600付近の大気に対し負圧に成っているので、粉体は該2枚のプレート間の完全さのより低いシールからも漏れないであろう。これはより低いスプリング力とより小さいモーターが該シールの摩擦に打ち勝つことを可能にする。
【0105】
代わりの実施例では、該第2プレート630は回転可能で、該第1プレート610は静止しているか、或いは両プレートが回転可能でもよい。該プレートの相互に対する回転は何等か適当な手段により達成される。図6A及び6Bで示す実施例では、該移動プレートの周辺にステッパーモーター660とギヤトレーン650が位置付けられる。この実施例では、タブ670が静止第2プレート630に対する移動第1プレート610の回転を制限し、制御する。これは、停止部に達するまで該第1プレート610を回転することにより、該システムが何時でもゼロにし直されることを可能にする。該タブは又、多数回転のためにホース又は複数ホースの何等かの起こり得るツイストを避けるために、該プレートの運動を1回転以下に限定するため使われてもよい。加えて、モーター制御器内にプログラムされた仮想の停止部又はモーター660自身内の停止部が、相互に対する該プレートの回転を限定するため使われてもよい。
【0106】
該2枚のプレートは中央に配置されたスプリング付きの肩付きねじ680とナット684により一緒に保持される。これは、該2枚のプレートを一緒にシールするために、なお法線力(スプリング682を介して)を提供しながら回転運動を可能にする。該静止プレート上の各ポートの周りの高められたボス686は、限られた範囲内で該肩付きねじからのスプリング力による圧力を集中することにより、該移動プレートとのシールを作る。中央か、又はそれらのエッジか、の何れかで、該プレートを一緒に保持する何等かの他の適当な手段が利用されてもよい。
【0107】
本発明の1実施例では、該移動第1プレート610は静止第2プレート630の固体範囲と一線になるよう回転され、もし必要なら空気流れが終わることを可能にする。流れの方向は該弁に対して重要でなく、該真空ソースは移動プレートか又は静止プレートか何れかに垂直にされればよいことは気付かれるべきである。更に、或る実施例では、加圧されたシステム内で弁の上流にエアームーバー(air mover)が置かれてもよい。
【0108】
3次元プリント動作のもう1つの挑戦は、該3次元プリンターのアイドル時、該プリントヘッドノズル内でバインダー流体が乾燥或いはゲル化しないように保ちながら、プリントラン中及びその合間にプリントヘッドをクリーンに保つことである。乾燥した又はゲル化したバインダーは該ノズルを詰まらせ、プリントヘッドが適当に噴射するのを妨げる。第2の問題は、プリント作業の終わりに、該プリントヘッドをキャップとの接触に持ち込み、該プリンターのアイドルの間、該ヘッドをキャップ付きにしておくことにより取り組まれる。該キャップは該ノズルの周りの空気流れを除き、従って該バインダーの乾燥速度を遅くするよう設計される。
【0109】
不幸にして、現在の3次元プリンターでは、第1の問題は第2の問題への解により悪化されることが多い。プリント動作中、ダストは、粉体をスプレッドし、それでプリントすることによりかき立てられる。このダストの幾らかは該キャップ上に静止する。かくして、該プリントヘッドがキャップを付けられると、該キャップ上に静止したダストは該プリントヘッドの面及びノズルプレートを汚す可能性がある。
【0110】
本発明の1実施例では、該キャップ上にダストをもたらす問題は、それらが使用されない時該キャップを垂直位置に保存することにより緩和される。かくして、垂直に整合されたキャップはダストにカバーされる傾向が少ないので、該キャップの作用面はダストから部分的に保護される。本発明の1実施例は図7Aから7Dで見られる。このキャップ組立体700は、ベース710及びキャップサポート720を備え、該キャップサポートはそれらをピボット点740の周りで結合する1対のリンケージアーム730を有する。プリントヘッドキャップ750、又は複数キャップは、キャップサポート720上に設置され、従って図7A及び7Bに示す、垂直に整合された保存位置から、図7C及び7Dに示す水平に整合されたキャップ付け位置へと動くことが出来る。該1対のリンケージアーム730を接続するスプリング755は、該キャップ組立体700をその垂直に整合された保存位置内に偏倚させる。該キャップ付けステーションの種々の部品は、例えば、15%ピーテーエフイーと10%アラミドフアイバーとを充填されたアセタールで製造されてもよい。
【0111】
動作時、該プリントヘッド760がキャップ付けされるべき時、該プリントヘッドキャリッジは該キャップ組立体700まで動き、該キャップサポート720上の駆動部タブ765と契合する。該タブ765は該プリントヘッド760か又は該キャリッジか何れかにより接触される。該プリントヘッドキャリッジが水平に動くと、それはキャップサポート720を該ピボット点740の周りで旋回させ、その垂直に整合された保存位置からその水平に整合されたキャップ付け位置へ移動させる。該キャップ組立体700がそのキャップ付け位置に近付くと、該キャップ750は該プリントヘッド760又は複数プリントヘッドと隣接し、該プリントヘッド760用にシールを提供して、かくして該ノズル付近の空気流れを除き、従ってバインダーの乾燥速度を遅くする。
【0112】
該プリントヘッド670が使うため用意されると、該キャリッジは該キャップ組立体700から離れるよう水平に移動し、該駆動部タブ765上の圧力をリリースし、該キャップ組立体700がその垂直に整合された保存位置へ戻ることを可能にする。スプリング755は、該プリントヘッドキャリッジにより契合されない時、その垂直に整合された保存位置内へ該キャップ組立体700を偏倚させる復元力を提供する。結果として、該キャップ組立体700は、該プリントヘッド及び/又はキャリッジが該駆動部タブ765に契合し、該プリントヘッドが該キャップ750と接触する時のみ、該水平に整合されたキャップ付け位置に位置付けられる。
【0113】
この実施例では、該プリントヘッドキャップを水平の配向(該プリントヘッドにキャップ付けする時)と垂直の配向(保存用)の間で動かすために4本バーのリンケージが使われる。該4本バーのリンケージは該垂直及び水平配向の間で該キャップを動かす1つの手段に過ぎず、何等かの他の適当な動作手段も考えられることは注意されるべきである。該キャップ組立体700は、プリントヘッド、及び/又は、キャリッジによる契合時に垂直整合から水平整合へ動き、リリース時に垂直整合へ戻る。代わりの実施例では、ギヤ組立体、スプリング、ピボットアーム、可撓部材、及び/又はピストンを含むが、それらに限定されない、何等か適当な機械式、及び/又は油圧式の手段が、該適当なピボット動作運動と回復力を該キャップ組立体700へ提供するため使われてもよい。更に代わりの実施例では、該回復力は、該プリントヘッドキャリッジが該キャップ組立体700を離れるよう動く時該キャリッジにより提供されるので、該キャップ組立体700自身内には何等回復用スプリング力を要しない。
【0114】
インクジェットプリンターでのもう1つの問題は、該プリントヘッドがキャップ付けされる時、該キャップの設計が該ノズルに於ける圧力スパイクを引き起こすことである。この圧力スパイクは該プリントヘッドに空気を摂取させ、該ノズルのデプライム作用(de−priming)を引き起こすか、又は該プリントヘッドの寿命を短くする。ペーパープリンターでのこの問題への標準的解決策は、該圧力スパイクを避けるために該キャップ内にベント孔を創ることである。しかしながら、3次元プリント動作で、このベント孔は粉体による汚染用のもう1つの通路となる。
【0115】
本発明の1実施例はベント孔を要しないプリントヘッドキャップを有する。代わりに、該キャップは多量の垂直コンプライアンスを組み入れ、かくしてキャップ付きの間起こり得る圧力スパイクの問題を避けながら、粉体汚染用通路無しに完全なシールを提供する。この実施例の例は、ベント孔を有する標準キャップの例と一緒に、図7E及び7Fで見られる。
【0116】
この実施例では、該プリントヘッドキャップ750は設置用プレート775上に設置された1つ以上のシール用面770(この場合、2つのシール用面)を有する。コンプライアンスは該キャップ材料と設置用プレート775の形状とで提供され、該シール用面770用のスプリング型設置を提供する。ベント孔785を有する標準キャップ780が比較用にコンプライアンスのあるプリントヘッドキャップ750のそばに示されている。
【0117】
本発明の1実施例では、該コンプライアンスのあるキャップ750のシール用面770、及び/又は設置用プレート775はゴム、発泡体又は他の適当なコンプライアンスのある材料、例えばショアA硬さ30を有するシリコーン、で形成される。代わりの実施例では、コンプライアンスは該キャップをスプリング配備上に設置することにより提供され、プリントヘッドにより隣接された時、該キャップに或る量の”たわみ(give)”を提供する。更に代わりの実施例では、該キャップはコンプライアンスのある材料とスプリング設置とを有してもよい。
【0118】
3次元プリンターは普通の動作中に液体ウエーストを発生する。該3次元プリンターの設計により、3つまで、このウエーストソースがある。或る3次元プリンターは少量のインクを有する在庫の熱的インクジェットプリントヘッドを使う。新プリントヘッドが設置されると、該プリントヘッドはそのインクがバインダーと置き換えられるまで該プリンターのウエースト収集器ユニット800内へ発射される。多くの3次元プリンターは、該プリントヘッドをクリーンに保ち、適当に動作する過程の部分として、プリント動作中、そして時にはアイドル時に、該ウエースト収集器ユニット800内へ該プリントヘッドを発射させる。或る3次元プリンターは又、該プリントヘッドを、又は該プリントヘッドを清掃するワイパーを、清掃するために使われる洗浄流体を有する。これらの流体(例えば、インク、バインダーそして洗浄流体)の全ては該3次元プリンターの液体ウエースト流れを構成する。該ウエーストは大抵水であるが、又揮発性及び不揮発性成分を有し、該成分は界面活性剤、保湿剤、着色剤、防腐剤、そして他の成分を有する。現在の慣習はこの液体を全て、ユーザーが時々空にせねばならぬコンテナー、瓶又は水差し内へ導くことである。
【0119】
本発明の1実施例では、該液体ウエーストがリザーバー内へ導かれ、そこでそれは固体に変えられる。ここで、該液体は吸収性媒体で吸収される、一方揮発性成分(大抵は水)を蒸発させる。結果として、ユーザーが規則的に液体コンテナーを空にする必要はない。代わりに、該水は蒸発し去り、残りのウエーストは固体として蓄積され、非常に稀にのみ除去される必要がある。ウエースト収集器ユニット800の例が図8A及び8Bで示される。
【0120】
図8Aの実施例では、ウエースト液体は入り口ポート820を通してリザーバー810に入る。該ウエースト液体は次いで、該リザーバー810の底部内に置かれた吸収性媒体830により吸収される。1実施例では、該リザーバーはソルベントプロダクト社(Sorbent Products Company)から入手可能なデーピーエイ24ドリップパン(DPA24 drip pan)である。該吸収性媒体は親水性ポリマー及びフアイバー性材料製のヒドロゲル材料であってもよい。親水性ポリマーの例はアクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、又はアクリル酸アルキルを含み、該フイアバー性材料は木材パルプを含む。
【0121】
空気は、その時、フアン840から該リザーバー810内へ吹き、出口ベント850を通って該リザーバーを出る。該空気が該リザーバー810を通過すると、それは該吸収性媒体830の頂部を横切って渡り、該液体ウエーストの気化速度を増すのを助ける。該気化した液体(主として水蒸気)は次いで該出口ベント850を通って該リザーバーを離れ、該吸収性媒体830内に固体ウエースト物質のみを残す。1実施例では、この空気は該蒸発速度を更に高めるために暖かくてもよい。もう1つの可能な実施例では、該空気は該粉体処理システム100の真空ソース150からの排気である。この実施例では、該空気は該真空ソース150によりそれに対して行われる仕事のために暖かい。ここでは、ブロワーの作用のフリーな副産物として該空気流れが自動的に創られる。更に代わりの実施例では、吸収媒体830は必要でなく、該固体ウエーストは該水が蒸発する時、該リザーバー810の底に拘束無く自由に集まる。
【0122】
代わりの実施例では、図8Bに示す様に、空気が、蒸発速度を高めるために該リザーバー810の中央部分を横切るよう置かれた吸収性媒体830のところで吹く。ここで、該空気は該吸収性媒体830を通過し、何等かの液体ウエーストを蒸発させ、出口ベント850を通って出て、該吸収性媒体830内に保持された固体ウエーストだけを残す。
【0123】
上述の実施例は幾つかの利点を有する。ウエースト流れの不揮発性成分のみが該リザーバー内に残るので、該リザーバーを空ける頻度は非常に減じられる。加えて、該リザーバー、吸収体そして不揮発性ウエーストは、環境規制が異なる固体ウエーストとして処分される。固体の処分は液体より遙かによごれ難い。
【0124】
本発明の代わりの実施例では、該液体は吸収性媒体に吸収され、その後ユーザーは該リザーバー、吸収体そして吸収された液体を1つとして処分する。この方法では、或る蒸発が起こるが、第1の方法に於けるより完全さは劣る。この方法の利点は主に、該ウエーストが処分の容易さのために液体から固体へ変換されることである。更に代わりの実施例では、該液体ウエーストは、固体又はゲルを創るよう該ウエースト流れ内の或る成分と反応する反応性成分を含むリザーバーへ導かれる。この方法でも又、主な利点は該ウエーストが固体に変換されることである。
【0125】
その開示がそれら全体でここに組み入れられる前述の特許及び特許出願で開示されるそれらの様な3次元プリンターは、該プリントヘッドへの電力、接地及び信号の接続を行うためにポーゴーピン{スプラング(sprung)電気コネクター}を使うことが多い。これらのポーゴーピンが使われるのは、それらが、ペーパープリンター内で使われるプリントヘッドへの接続を行うため使われることが多い高圧低力{エイチピーエルエフ(HPLF)}フレックス回路より長く続くからである。これらのポーゴーピンはスルーホールピーシー基板に通常半田付けされる。絶縁材料製のスペーサーが、該ピンの曲がり又はバックリングに対するサポートを提供するために、該ピーシー基板と該ピンの先端の間に、置かれる。
【0126】
これらの配置は幾つかの問題を有する。該配置は、該ピンに入り、結合及び付着を引き起こす汚染用の多数の通路を提供する。該ピンは中空であるので、3次元プリント動作時に沢山あり、遍く存在する、汚染物は該ピーシー基板の後ろ側から該ピンの中空コアを通って入り得る。汚染物は又該ピンと該スペーサーの間の空間内に留まり、該ピンに入るか、又は単純に、該ピンと該スペーサーの間の摩擦を、付着を引き起こすのに充分な程高めるか、何れかを起こす。更に進んだ問題はスルーホール設計が、エイチピーエルエフ設計用の限界より実質的に大きい、ピン間のピッチにより低い限界を設けることである。これはエイチピーエルエフコネクターに基づくコネクター間隔を有する在庫プリントヘッドの使用を難しくする。該スルーホールは、該ポーゴーピンとプラスしたメッキ用に滑りばめとなる孔を要する。この面積は、従って、他のポーゴーピン用、又は該ピーシー基板の何れかの層上でルートを描く信号ライン用には、利用可能でない。
【0127】
本発明の1実施例は、該ピンがピーシー基板へ面型設置(surface mounted)されるように、該ピンを該スペーサー内に設置する方法を含む。この実施例では、ピンは該スペーサー内の段付き孔内に置かれ、次いで圧入される。この実施例の例は図9Aから9Cに示される。この実施例では、ポーゴーピン910は、それらが該スペーサーの下部壁940を僅かに越えて延びるまで、スペーサー930内の段付き孔920内へ圧入される。該スペーサー930内のピン950の設置は該ピーシー基板960内の対応する孔955内へ挿入される。該段付き孔920は該スペーサー930の外面(すなわち、ピーシー基板960から離れた面)ではより大きい直径を、そして該ピーシー基板960に最も近いスペーサー930の面ではより小さい直径を、有する。これは該ポーゴーピン910を、半田ペーストが塗布される該ピーシー基板960上の半田パッド970の近くに位置付ける。該半田は従来の面型設置炉内で融かされ、該ポーゴーピン910を該ピーシー基板960へ恒久的に固定する。
【0128】
加えて、該スペーサーを該ピーシー基板に、そして該ピンを該スペーサーに、シールする手段が提供される。ここで、次いでアールテーブイ(室温硬化)シール剤の様な、シール剤がシール剤孔980を通して該スペーサーと該ピーシー基板の間の空間内に噴射されてもよい。このシール剤は該ピンの各々の間を流れ、そして該スペーサー930と該ピーシー基板960の間の該シール剤出口孔又はギャップ990を通って外へ流れる。代わりに、該スペーサー930と該ピーシー基板960の間にガスケットが置かれてもよい。結果として、該シール剤と該ピーシー基板960は、前の設計で存在した2つの汚染物通路をシールする。これは該電気接続のサイズを減じ、エイチピーエルエフコネクターに基づくコネクター間隔を有する在庫プリントヘッドの使用を可能にする。
【0129】
この方法は該ピン直径より大きい該ポーゴーピン910用のスルーホールを除去し、それらを、より小さい半田パッド970に置き換えるので、該ピンの最小ピッチは減じられる。これは該ポーゴーピン910の詰まった間隔を許容する。該半田パッドは該ピーシー基板960の1層のみの上にあるので、他層上のピン中心ラインに、スルーホール設計で可能なよりも近付いて、信号ライン、又は電力ラインをルート付けすることが出来る。
【0130】
スペーサー930とピーシー基板960の特定の構成は、特定の応用に適合するよう変化するであろう。1実施例では、該スペーサー930は例えば、チコナ(Ticona)から入手可能なベクトラアールエイ130(Vectra(R) A130)の様な液晶ポリマーで製造されてもよい。該ピーシー基板960はジェージェーオーリー社(JJ Orly, Inc.)からのエフアール4(FR4)ブランクを用いて特定応用のために誂えられてもよい。該ポーゴーピン910はエベレットチャールステクノロジー(Everett Charles Technologies)から入手可能なバッテリー相互接続プローブ#ビーアイピー−1(#BIP−1)であってもよい。該シール剤はダウコーニング社(Dow Corning Company)から入手可能なアールテーブイコーティング#3140(RTV coating #3140)の様な、シリコーンエラストマーであってもよい。
【0131】
上記で説明した材料に加えて、種々の部品も、強化材を含むか、含まないか、何れかに依って、他の適当なポリマー材料又はポリマー材料の組み合わせで製造されてもよい。適当な材料は、テーピーユー;イーブイエイ(TPU;EVA)の様なポリウレタン、エルフアトケム(Elf Atochem)により販売されるピーバックスアール(Pebax(R))ブランドの様な熱可塑性ポリエーテルブロックアミド、デュポンにより販売されるハイトレルアール(Hytrel(R))ブランドの様な熱可塑性ポリエスエテルエラストマー、10から30パーセント以上のガラスフアイバー強化材を有するナイロン12の様なポリアミド、シリコーン、ポリエチレン、そして等価の材料、を含む。強化法は、もし使うとすれば、デュポン(Dupont)により販売されるケブラーアール(Kevlar(R))ブランドの様なガラス又は炭素グラフアイトフアイバー又はパラアラミドフアイバーの含有又は他の同様な方法に依ってもよい。又、ポリマー材料は他の材料、例えばゴム又は金属合金と組み合わせて使用されてもよい。追加の材料は炭素鋼、ステンレス鋼、及びアルミニウムを含む。他の適当な材料は当業者には明らかであろう。
【0132】
一般に、ここに説明される部品の形状及びサイズはそれらの特定の応用、例えば、プリンターサイズ、出力、そして使用材料に適合するよう変えられるであろう。該種々の組立体は、当業者には明らかな様に、適当なモーター、ドライブトランスミッション部品、センサー、そしてそれらの動作を協調させる制御器、を含んでもよい。システム診断、センサーベースの欠陥検出、フィードバック制御、及びローバストな生産製造システムと一貫する他の故障修理ツールが、高品質プロセス生産と最小停止時間を保証するため有利に使われてもよい。
【0133】
該ポリマー部品は例えば、インジェクションモールディング又は押し出しにより製造されてもよい。押し出し過程は均一な形状を提供するため使われる。インサートモールディングは望ましい形状の空いた空間を提供するため使われるか、又は該開いた空間が次の機械加工作用により望ましい位置に創られてもよい。他の製造技術は熔解過程又は部分を一緒に接合する過程を含む。金属部品は、当業者に公知の様に、従来の機械加工及び成型過程により製造されてもよい。
【0134】
本発明はその精神又は本質的特性から離れることなく他の特定の形で具体化されてもよい。従って、前記実施例は全ての面でここに説明された本発明の限定用としてよりも図解用として考慮されるべきである。本発明の範囲はかくして、前記説明に依るよりも寧ろ、附属する請求項により指定されており、そして該請求項の等価の意味及び範囲内に入る全ての変更はその中に囲まれるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の1実施例の3次元プリンター及び付随粉体処理システムの略図である。
【図2A】本発明の1実施例の3次元プリンターと共に使用する粉体コンテナーの斜視図の略図である。
【図2B】図2Aの粉体コンテナーの側面図の略図である。
【図2C】図2Aの粉体コンテナーを通る空気流れを図解する側面図の略図である。
【図3A】本発明の1実施例のビルド室内に置かれたチョークプレートを有するビルド面の平面図の略図である。
【図3B】本発明の1実施例の2レベルチョークプレートとプレナムを有するビルド面の側面図の略図である。
【図3C】閉じた空気流れ弁を有する図3Bのビルド面の1断面の側面図の略図である。
【図4A】本発明の1実施例のディスペンス用ホッパーの斜視図の略図である。
【図4B】本発明の1実施例のディスペンス用ホッパーで使用するためのスロットプレートの斜視図の略図である。
【図4C】本発明の1実施例のディスペンス用ホッパーで使用するための回転ブレード配備の斜視図の略図である。
【図4D】本発明の1実施例の代わりの回転ブレード配備の斜視図の略図である。
【図5A】本発明の1実施例の内部デフューザーを有するディスペンス用ホッパーの斜視図の略図である。
【図5B】本発明の1実施例のディスペンス用ホッパー上に置くためのセグメント化粉体フィルターの斜視図の略図である。
【図5C】本発明の1実施例のセグメント化粉体フィルター用のセグメント化プレナムの斜視図の略図である。
【図5D】図5Cのセグメント化プレナム用の駆動方法の斜視図の略図である。
【図5E】プレナムデバイダーと、明確なため示さないギヤと、を有する、図5Dの駆動方法の代わりの図である。
【図5F】図5Aのディスペンス用ホッパー内で使用するための、本発明の1実施例のデフューザーの底面図の略図である。
【図5G】図5Aの線5G−5Gで取られた図5Fのデフューザーの断面図の略図である。
【図6A】本発明の1実施例の粉体処理システム用の弁組立体の斜視図の略図である。
【図6B】図6Aの弁組立体の側面図の略図である。
【図7A】本発明の1実施例に於ける、垂直保存位置のキャップ組立体の側面図の略図である。
【図7B】図7Aのキャップ組立体の斜視図の略図である。
【図7C】本発明の1実施例の水平キャップ付け位置に於ける図7Aのキャップ組立体の側面図の略図である。
【図7D】本発明の1実施例のプリントヘッドと接触する図7Cのキャップ組立体の側面図の略図である。
【図7E】本発明の1実施例で、図7Aのキャップ組立体用プリンターキャップと比較される標準プリンターキャップの斜視図の略図である。
【図7F】図7Eで示される、標準プリンターキャップと図7Aのキャップ組立体用プリンターキャップの側面図の略図である。
【図8A】本発明の1実施例の水平に置かれた吸収媒体を有するウエーストコレクターユニットの側面図の略図である。
【図8B】本発明の1実施例の垂直に置かれた吸収媒体を有するウエーストコレクターユニットの側面図の略図である。
【図9A】本発明の1実施例の3次元プリンター用ポーゴーピーシー基板の組立分解斜視図である。
【図9B】本発明の1実施例に於ける、図9Aのポーゴーベースの側面断面図の略図である。
【図9C】組み立てられた形状の図9Aのポーゴーピーシー基板の斜視図の略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粉体保持リセプタクルと、そして該複数の粉体保持リセプタクルに接続された真空ソースと、を具備しており、該真空ソースが該粉体保持リセプタクル間で粉体を移送することを特徴とする3次元プリンター用粉体処理システム。
【請求項2】
該複数の粉体保持リセプタクル及び該真空ソースと流体的に連通する多数ポート弁を更に具備しており、該真空ソースが該弁を介して該粉体保持リセプタクル間で粉体を移送することを特徴とする請求項1記載の粉体処理システム。
【請求項3】
外部粉体ソースを更に具備しており、該外部粉体ソースが該真空ソースに接続されるよう適合されていることを特徴とする請求項1記載の粉体処理システム。
【請求項4】
該粉体保持リセプタクルが、ビルド室、ワーク空間容積部、ディスペンス用ホッパー、排粉室、そして少なくとも1つのキャビテイから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1記載の粉体処理システム。
【請求項5】
該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルとの間に配置された濾過システムを更に具備することを特徴とする請求項1記載の粉体処理システム。
【請求項6】
粉体ディスペンス用ホッパーと、粉体を受けるビルド室と、該ビルド室内で粉体層にバインダーを選択的に塗布する少なくとも1つのプリントヘッドと、そして該ディスペンス用ホッパー及び該ビルド室に接続された真空ソースと、を具備しており、該真空ソースが該ディスペンス用ホッパーと該ビルド室の間で粉体を移送することを特徴とする3次元プリンター。
【請求項7】
該ディスペンス用ホッパー、該ビルド室及び該真空ソースと流体的に連通する多数ポート弁を更に具備しており、該真空ソースが該弁を介して該ディスペンス用ホッパーと該ビルド室の間を粉体を移送することを特徴とする請求項6記載の3次元プリンター。
【請求項8】
該真空ソースと接続された少なくとも1つのオーバーフローキャビテイを更に具備しており、該真空ソースが該弁を介して該少なくとも1つのオーバーフローキャビテイから粉体を移送することを特徴とする請求項7記載の3次元プリンター。
【請求項9】
該3次元プリンターに接続されるよう適合された少なくとも1つの粉体ディスペンス用ホッパーを有する複数の粉体保持リセプタクルを提供する過程と、
該複数の粉体保持リセプタクルを真空ソースに接続する過程と、そして
該真空ソースで該粉体保持リセプタクル間を粉体を移送する過程と、を具備することを特徴とする多数ソースから3次元プリンターへ粉体を提供する方法。
【請求項10】
更に、該真空ソースを該粉体保持リセプタクルに選択的に接続するために、該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルの間に多数ポート弁を設ける過程を更に具備することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
該複数の粉体保持リセプタクルの1つから、該粉体ディスペンス用ホッパーへ粉体を選択的に移送するために該弁を駆動する過程を更に具備することを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルの間に濾過システムを設ける過程を更に具備することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項13】
中心点から固定距離に半径方向に配置されたポートを規定する第1部分と、そして
該中心点で該第1部分に結合された第2部分とを具備しており、該第2部分は該第1部分に対し回転可能で、複数のポートを規定しており、該複数のポートは、該第2部分がセット位置へ回転された時、各ポートが該第1部分内のポートと整合可能であり、それによりポート間の流れを可能にするよう該固定距離で該中心点の周りに半径方向に配置されていることを特徴とする3次元プリンターの粉体移送システムで使用する多数ポート弁。
【請求項14】
該第2部分がモーター及びギヤ組立体により該第1部分に対し回転されることを特徴とする請求項13記載の多数ポート弁。
【請求項15】
該第2部分が信号に応答して該第1部分に対し自動的に回転されることを特徴とする請求項13記載の多数ポート弁。
【請求項16】
該第1部分に対する該第2部分の回転進行を限定するために少なくとも1つの停止部を更に具備することを特徴とする請求項13記載の多数ポート弁。
【請求項17】
該第1部分と該第2部分の間に配置されたシールを更に具備しており、該第1部分及び第2部分が両部分間に配置された該シールと接触するよう偏倚されることを特徴とする請求項13記載の多数ポート弁。
【請求項18】
セットパターンに配置された複数の半田パッドを有する、3次元プリンターのプリントヘッド用電氣接続システムを信号ソースに接続するベースプレートと、
該ベースプレートに設置されてプリントヘッドへ信号を提供するよう適合され該半田パッドと対応するように配向された複数の段付きスルーホールを規定しているコネクターと、
該コネクターの該段付きスルーホール内に選択的に配置され信号を該プリントヘッドに供給する複数のポーゴーピントと、を具備することを特徴とするプリントヘット用電気接続システム。
【請求項19】
該信号が、該プリントヘッドへ電力とインストラクションの少なくとも1つを提供することを特徴とする請求項18記載のプリントヘッド用電気接続システム。
【請求項20】
汚染物の侵入を防止するために、該コネクターと該ベースプレートの間に配置されたシールを更に具備することを特徴とする請求項18記載のプリントヘッド用電気接続システム。
【請求項21】
粉体を受けるため粉体ディスペンス用ホッパーにより規定され3次元プリンター上のビルド面に対し配置されるよう構成されており予め決められた量の粉体を通すよう寸法取りされて配置された少なくとも1つの出口を規定している室と、
該室内に少なくとも部分的に配置され該少なくとも1つの出口を通るよう粉体を押すよう適合されたディスペンス用機構と、を具備することを特徴とする3次元プリンターに粉体を提供する粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項22】
該少なくとも1つの出口が、該室の最低面に沿い縦方向に配向された複数のスロットを有することを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項23】
該出口の幅がその長さに沿って変わることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項24】
該出口の長さが種々のサイズのビルド面に適合するよう可変であることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項25】
該室内の該ディスペンス機構の位置が該出口に対し可変であることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項26】
該少なくとも1つの出口を開き、閉じるカバーを更に具備することを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項27】
該ディスペンス機構が予め決められたインターバルで該少なくとも1つの出口を通るよう粉体を自動的に押すよう適合されることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項28】
該ディスペンス機構が少なくとも1つの開口部に平行に配向されたラジアル軸線の周りで隔てられた複数のブレードを備えており、該ブレードが、該少なくとも1つの出口から粉体を押し出すよう該少なくとも1つの出口の近くで該ブレードを回転させるために、回転機構に結合されていることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項29】
該室が、粉体を受けるために、該室の頂部部分の近くに配置された入り口を規定することを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項30】
該室が遠隔のソースから該入り口を通して粉体を該室内に引くために真空ソースに接続されることを特徴とする請求項29記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項31】
該入り口が該室に入る粉体を分散させるためにデフューザーを有することを特徴とする請求項30記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項32】
該入り口と該真空ソースの間に配置された濾過システムを更に具備することを特徴とする請求項29記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項33】
2方向の空気流用に適合され少なくとも2つの側部を有するフイルターと
該フイルターの1つの側部に設けられ該フイルターの複数部分を相互から分離するようセグメント化されており、該個別フイルター部分を真空及び正圧の少なくとも1つに曝すよう適合されているプレナムと、を具備することを特徴とする3次元プリンターの粉体移送システムで使うフイルターシステム。
【請求項34】
各プレナムセグメントが粉体を担う空気を該フイルターを通して引くために、付随フイルター部分を真空ソースへ接続する弁を備えており、該フイルターは該粉体がそこを通ることを防止することを特徴とする請求項33記載の記載フイルターシステム。
【請求項35】
該弁が該付随フイルター部分を正圧に接続するよう適合されることを特徴とする請求項34記載の該フイルターシステム。
【請求項36】
粉体ディスペンス用ホッパーの入り口に設置されるよう適合されることを特徴とする請求項33記載のフイルターシステム。
【請求項37】
該フイルターが耐磨性材料でコートされることを特徴とする請求項33記載のフイルターシステム。
【請求項38】
該プレナムが少なくとも4つのセグメントを有することを特徴とする請求項33記載のフイルターシステム。
【請求項39】
該フイルター部分が該真空ソース及び該正圧に交互に曝されることを特徴とする請求項35記載のフイルターシステム。
【請求項40】
各フイルター部分がシーケンシャルに該真空ソース及び該正圧に交互に曝されることを特徴とする請求項39記載のフイルターシステム。
【請求項41】
ピッチをおいて隔てられた複数の開口部を規定する第1プレートと、離れ隔てられ該第1プレートの該複数の孔のピッチの約50%だけ該第1プレートの該複数の孔からオフセットされて隔てられた複数の開口部を規定する第2プレートと
を備えている、該粉体を受けるビルド面を具備しており、
該第2プレートは該第1プレートの下に該第1プレートから隔てられて配置されてており、該ピッチは、隣接する開口部の最も近接したエッジ間の空間に対応しており、且つ{2(該プレート間の空間)(該粉体の安息角の余接)+(孔の直径)}に略等しいことを特徴とする3次元プリンターで使用し3次元対象を作るために粉体を受けるように適合されたビルド室。
【請求項42】
該ビルド面を少なくとも部分的に区切り、該ビルド室を少なくとも部分的に規定する少なくとも1枚の壁と、
該ビルド面の下に配置され、該ビルド面を該少なくとも1枚の壁に対し垂直に動かすよう該ビルド室に適合されたピストンと、そして
該ビルド室に接続され、真空が印加された時に該ビルド室からの解放された粉体を除去するために該ビルド室の下に配置された出口と、を更に具備することを特徴とする請求項41記載の該ビルド室。
【請求項43】
該出口が、該ビルド面の下に配置されたプレナム内に配置され、該ビルド面を通して該ビルド室から解放された粉体を引くために真空ソースに接続されるよう適合されることを特徴とする請求項42記載のビルド室。
【請求項44】
該室をその環境から少なくとも部分的に分離するため該少なくとも1枚の壁上に配置可能なカバーを更に具備することを特徴とする請求項42記載のビルド室。
【請求項45】
該ビルド面の該第1プレート及び該第2プレートが、異なる角度に適合されるよう相互に交換可能であることを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項46】
該ビルド面が、該プレート間の固定された間隔を保持するように該第1プレートと該第2プレートの間に配置された少なくとも1つのスペーサーを更に備えることを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項47】
該粉体を流動化するために該出口に接続された真空ソースを更に具備することを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項48】
該ビルド面の該第1プレートと該第2プレートが相互に対し移動可能であることを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項49】
更に、該ビルド室の少なくとも1部分を振動させる機構を具備することを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項50】
該機構が該ビルド面を振動させることを特徴とする請求項49記載のビルド室。
【請求項51】
該プレート間の空間が可変であることを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項52】
ピッチをおいて離れ隔てられた複数の開口部を規定する第1プレートと、
離れ隔てられ該第1プレートの該複数の孔のピッチの約50%だけ該第1プレートの該複数の孔からオフセットされて隔てられた複数の開口部を規定する第2プレートとを備えている、該粉体を受けるビルド面を提供する過程を具備しており、
該第2プレートは該第1プレートの下に、該第1プレートから隔てられて配置されており、該ピッチは、隣接する開口部の最も近接したエッジ間の空間に対応しており、且つ{2(該プレート間の空間)(該粉体の安息角の余接)+(孔の直径)}に略等しく、
該ビルド面の下に真空ソースを提供する過程を具備することを特徴とするビルド室内の解放された粉体の流れを制御する方法。
【請求項53】
該ビルド面を通しての粉体の流れを防止するように該ビルド室内の周囲圧力を保持する過程を更に具備することを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項54】
該粉体を該第1及び第2プレートを通して流れさせるために該ビルド面の下に真空を創るように該真空ソースを賦活する過程を更に具備することを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項55】
該ビルド室が、該真空ソースを該ビルド室に接続するために該ビルド面の下に配置されたプレナムを有することを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項56】
該プレナムは、該真空ソースが賦活された時に該ビルド室から解放された粉体を除去する出口を有することを特徴とする請求項55記載の方法。
【請求項57】
該ビルド面を少なくとも部分的に区切りビルド室を少なくとも部分的に規定する少なくとも1枚の壁と、該ビルド面の下に配置されて該少なくとも1枚の壁に対して垂直に該ビルド面を動かすよう該ビルド室に適合されたピストンと、を有することを特徴とする請求項52の方法。
【請求項58】
解放された粉体の流れを促進するために該ビルド面を振動させる過程を更に具備することを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項59】
粉体を異なる角度に適合するために該第1プレートと該第2プレートの間の空間を変える過程を更に具備することを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項60】
該第1プレート及び該第2プレートの少なくとも1枚は、異なる角度に適合されたプレートと相互交換可能であることを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項61】
3次元の対象を作るための粉体を保持するよう適合された内部容積を規定するリセプタクルと、
該リセプタクルに結合され、該リセプタクルの内部容積を少なくとも部分的に囲み該内部容積と流体的に連通して該3次元プリンターの真空ソースに接続されるよう適合されている出口を規定しているカバーと、
該内部容積と流体的に連通し、空気を該内部容積内へ送るよう適合され該リセプタクル及び該カバーの少なくとも1つにより少なくとも部分的に規定される少なくとも1つの入り口とを具備していることを特徴とする3時次元プリンター用の粉体を保持するコンテナー。
【請求項62】
該入り口を通過する該空気が、該出口を通る該粉体の動きを助けることを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項63】
該入り口が環状スロットを備えることを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項64】
該内部容積が略円錐形の形状を有することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項65】
該内部容積が略楕円形の断面形状を有することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項66】
該出口が、該カバーから該内部容積の底部領域の近くまで下方へ延びるチューブ状部材を有することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項67】
該出口が、ホースと嵌合するよう構成された配管部品を有することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項68】
該リセプタクルの付近に配置され、他のコンテナーとスタックするよう構成されたハウジングを更に具備することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項69】
プリントヘッドキャップキャリヤと、プリントヘッドのプリントヘッド面をシールするため該キャリヤ上に配置された少なくとも1つのプリントヘッドキャップと、を具備しており、
該プリントヘッドキャップキャリヤは該プリントヘッドキャップを該プリントヘッド面に対して垂直位置に保持しており、該キャップは、該プリントヘッドと該キャリヤに接触するプリントヘッドキャリッジとの少なくとも1つによりオフ位置とキャップ付け位置との間で動かされることを特徴とする3次元プリンターで使用するプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項70】
該キャリヤ上に配置された複数のキャップを具備することを特徴とする請求項69記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項71】
固定サポートと、可動サポートと、該プリントヘッドと該プリントヘッドキャリッジの少なくとも1つと接触する駆動器タブとを該キャリヤが備えており、
該プリントヘッドと該プリントヘッドキャリッジの少なくとも1つの該駆動器タブと接触する前進運動が、該可動サポートを該固定サポートに対し旋回運動させ、それにより該キャップを該プリントヘッド面に対し水平位置へ配向することを特徴とする請求項69記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項72】
該プリントヘッドと該プリントヘッドキャリッジの少なくとも1つの連続運動が、該キャップを該プリントヘッド面に対しシールさせることを特徴とする請求項71記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項73】
一旦キャップ付けされると、該プリントヘッドの連続した前進運動を防止するよう適合された停止部を更に具備することを特徴とする請求項72記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項74】
該プリントヘッドキャップが、該プリントヘッド面をキャップ付けする時、圧力の変化に応答して膨張及び収縮する、コンプライアンスのある材料を含むことを特徴とする請求項69記載のプリントヘッドキャップ付けステーション。
【請求項75】
該垂直位置と水平位置の間で該キャップを動かす4本バーリンケージを更に具備することを特徴とする請求項69記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項76】
プリントヘッド放出材料を受け付けるリセプタクルと、
該受け付けリセプタクルと連通し該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分を吸収するよう適合された吸収媒体を有する保持用リセプタクルと、
該プリントヘッド放出材料を該保持用リセプタクルへ導くドレーンと、を具備しており、該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分は、該保持用リセプタクル内で固体化することを特徴とする3次元プリンター用ウエースト処理システム。
【請求項77】
該保持用リセプタクルが、該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分の蒸発を促進するよう適合されていることを特徴とする請求項76記載のウエースト処理システム。
【請求項78】
該保持用リセプタクルが該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分の蒸発速度を加速するため空気移送システムを備えることを特徴とする請求項77記載のウエースト処理システム。
【請求項79】
該空気移送システムが該蒸発速度を加速するために該3次元プリンターからのウエースト熱を使用することを特徴とする請求項78記載のウエースト処理システム。
【請求項80】
該吸収媒体が該保持用リセプタクル内で除去可能に配置されることを特徴とする請求項76記載のウエースト処理システム。
【請求項1】
複数の粉体保持リセプタクルと、そして該複数の粉体保持リセプタクルに接続された真空ソースと、を具備しており、該真空ソースが該粉体保持リセプタクル間で粉体を移送することを特徴とする3次元プリンター用粉体処理システム。
【請求項2】
該複数の粉体保持リセプタクル及び該真空ソースと流体的に連通する多数ポート弁を更に具備しており、該真空ソースが該弁を介して該粉体保持リセプタクル間で粉体を移送することを特徴とする請求項1記載の粉体処理システム。
【請求項3】
外部粉体ソースを更に具備しており、該外部粉体ソースが該真空ソースに接続されるよう適合されていることを特徴とする請求項1記載の粉体処理システム。
【請求項4】
該粉体保持リセプタクルが、ビルド室、ワーク空間容積部、ディスペンス用ホッパー、排粉室、そして少なくとも1つのキャビテイから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1記載の粉体処理システム。
【請求項5】
該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルとの間に配置された濾過システムを更に具備することを特徴とする請求項1記載の粉体処理システム。
【請求項6】
粉体ディスペンス用ホッパーと、粉体を受けるビルド室と、該ビルド室内で粉体層にバインダーを選択的に塗布する少なくとも1つのプリントヘッドと、そして該ディスペンス用ホッパー及び該ビルド室に接続された真空ソースと、を具備しており、該真空ソースが該ディスペンス用ホッパーと該ビルド室の間で粉体を移送することを特徴とする3次元プリンター。
【請求項7】
該ディスペンス用ホッパー、該ビルド室及び該真空ソースと流体的に連通する多数ポート弁を更に具備しており、該真空ソースが該弁を介して該ディスペンス用ホッパーと該ビルド室の間を粉体を移送することを特徴とする請求項6記載の3次元プリンター。
【請求項8】
該真空ソースと接続された少なくとも1つのオーバーフローキャビテイを更に具備しており、該真空ソースが該弁を介して該少なくとも1つのオーバーフローキャビテイから粉体を移送することを特徴とする請求項7記載の3次元プリンター。
【請求項9】
該3次元プリンターに接続されるよう適合された少なくとも1つの粉体ディスペンス用ホッパーを有する複数の粉体保持リセプタクルを提供する過程と、
該複数の粉体保持リセプタクルを真空ソースに接続する過程と、そして
該真空ソースで該粉体保持リセプタクル間を粉体を移送する過程と、を具備することを特徴とする多数ソースから3次元プリンターへ粉体を提供する方法。
【請求項10】
更に、該真空ソースを該粉体保持リセプタクルに選択的に接続するために、該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルの間に多数ポート弁を設ける過程を更に具備することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
該複数の粉体保持リセプタクルの1つから、該粉体ディスペンス用ホッパーへ粉体を選択的に移送するために該弁を駆動する過程を更に具備することを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
該真空ソースと該複数の粉体保持リセプタクルの間に濾過システムを設ける過程を更に具備することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項13】
中心点から固定距離に半径方向に配置されたポートを規定する第1部分と、そして
該中心点で該第1部分に結合された第2部分とを具備しており、該第2部分は該第1部分に対し回転可能で、複数のポートを規定しており、該複数のポートは、該第2部分がセット位置へ回転された時、各ポートが該第1部分内のポートと整合可能であり、それによりポート間の流れを可能にするよう該固定距離で該中心点の周りに半径方向に配置されていることを特徴とする3次元プリンターの粉体移送システムで使用する多数ポート弁。
【請求項14】
該第2部分がモーター及びギヤ組立体により該第1部分に対し回転されることを特徴とする請求項13記載の多数ポート弁。
【請求項15】
該第2部分が信号に応答して該第1部分に対し自動的に回転されることを特徴とする請求項13記載の多数ポート弁。
【請求項16】
該第1部分に対する該第2部分の回転進行を限定するために少なくとも1つの停止部を更に具備することを特徴とする請求項13記載の多数ポート弁。
【請求項17】
該第1部分と該第2部分の間に配置されたシールを更に具備しており、該第1部分及び第2部分が両部分間に配置された該シールと接触するよう偏倚されることを特徴とする請求項13記載の多数ポート弁。
【請求項18】
セットパターンに配置された複数の半田パッドを有する、3次元プリンターのプリントヘッド用電氣接続システムを信号ソースに接続するベースプレートと、
該ベースプレートに設置されてプリントヘッドへ信号を提供するよう適合され該半田パッドと対応するように配向された複数の段付きスルーホールを規定しているコネクターと、
該コネクターの該段付きスルーホール内に選択的に配置され信号を該プリントヘッドに供給する複数のポーゴーピントと、を具備することを特徴とするプリントヘット用電気接続システム。
【請求項19】
該信号が、該プリントヘッドへ電力とインストラクションの少なくとも1つを提供することを特徴とする請求項18記載のプリントヘッド用電気接続システム。
【請求項20】
汚染物の侵入を防止するために、該コネクターと該ベースプレートの間に配置されたシールを更に具備することを特徴とする請求項18記載のプリントヘッド用電気接続システム。
【請求項21】
粉体を受けるため粉体ディスペンス用ホッパーにより規定され3次元プリンター上のビルド面に対し配置されるよう構成されており予め決められた量の粉体を通すよう寸法取りされて配置された少なくとも1つの出口を規定している室と、
該室内に少なくとも部分的に配置され該少なくとも1つの出口を通るよう粉体を押すよう適合されたディスペンス用機構と、を具備することを特徴とする3次元プリンターに粉体を提供する粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項22】
該少なくとも1つの出口が、該室の最低面に沿い縦方向に配向された複数のスロットを有することを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項23】
該出口の幅がその長さに沿って変わることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項24】
該出口の長さが種々のサイズのビルド面に適合するよう可変であることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項25】
該室内の該ディスペンス機構の位置が該出口に対し可変であることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項26】
該少なくとも1つの出口を開き、閉じるカバーを更に具備することを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項27】
該ディスペンス機構が予め決められたインターバルで該少なくとも1つの出口を通るよう粉体を自動的に押すよう適合されることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項28】
該ディスペンス機構が少なくとも1つの開口部に平行に配向されたラジアル軸線の周りで隔てられた複数のブレードを備えており、該ブレードが、該少なくとも1つの出口から粉体を押し出すよう該少なくとも1つの出口の近くで該ブレードを回転させるために、回転機構に結合されていることを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項29】
該室が、粉体を受けるために、該室の頂部部分の近くに配置された入り口を規定することを特徴とする請求項21記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項30】
該室が遠隔のソースから該入り口を通して粉体を該室内に引くために真空ソースに接続されることを特徴とする請求項29記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項31】
該入り口が該室に入る粉体を分散させるためにデフューザーを有することを特徴とする請求項30記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項32】
該入り口と該真空ソースの間に配置された濾過システムを更に具備することを特徴とする請求項29記載の粉体ディスペンス用ホッパー。
【請求項33】
2方向の空気流用に適合され少なくとも2つの側部を有するフイルターと
該フイルターの1つの側部に設けられ該フイルターの複数部分を相互から分離するようセグメント化されており、該個別フイルター部分を真空及び正圧の少なくとも1つに曝すよう適合されているプレナムと、を具備することを特徴とする3次元プリンターの粉体移送システムで使うフイルターシステム。
【請求項34】
各プレナムセグメントが粉体を担う空気を該フイルターを通して引くために、付随フイルター部分を真空ソースへ接続する弁を備えており、該フイルターは該粉体がそこを通ることを防止することを特徴とする請求項33記載の記載フイルターシステム。
【請求項35】
該弁が該付随フイルター部分を正圧に接続するよう適合されることを特徴とする請求項34記載の該フイルターシステム。
【請求項36】
粉体ディスペンス用ホッパーの入り口に設置されるよう適合されることを特徴とする請求項33記載のフイルターシステム。
【請求項37】
該フイルターが耐磨性材料でコートされることを特徴とする請求項33記載のフイルターシステム。
【請求項38】
該プレナムが少なくとも4つのセグメントを有することを特徴とする請求項33記載のフイルターシステム。
【請求項39】
該フイルター部分が該真空ソース及び該正圧に交互に曝されることを特徴とする請求項35記載のフイルターシステム。
【請求項40】
各フイルター部分がシーケンシャルに該真空ソース及び該正圧に交互に曝されることを特徴とする請求項39記載のフイルターシステム。
【請求項41】
ピッチをおいて隔てられた複数の開口部を規定する第1プレートと、離れ隔てられ該第1プレートの該複数の孔のピッチの約50%だけ該第1プレートの該複数の孔からオフセットされて隔てられた複数の開口部を規定する第2プレートと
を備えている、該粉体を受けるビルド面を具備しており、
該第2プレートは該第1プレートの下に該第1プレートから隔てられて配置されてており、該ピッチは、隣接する開口部の最も近接したエッジ間の空間に対応しており、且つ{2(該プレート間の空間)(該粉体の安息角の余接)+(孔の直径)}に略等しいことを特徴とする3次元プリンターで使用し3次元対象を作るために粉体を受けるように適合されたビルド室。
【請求項42】
該ビルド面を少なくとも部分的に区切り、該ビルド室を少なくとも部分的に規定する少なくとも1枚の壁と、
該ビルド面の下に配置され、該ビルド面を該少なくとも1枚の壁に対し垂直に動かすよう該ビルド室に適合されたピストンと、そして
該ビルド室に接続され、真空が印加された時に該ビルド室からの解放された粉体を除去するために該ビルド室の下に配置された出口と、を更に具備することを特徴とする請求項41記載の該ビルド室。
【請求項43】
該出口が、該ビルド面の下に配置されたプレナム内に配置され、該ビルド面を通して該ビルド室から解放された粉体を引くために真空ソースに接続されるよう適合されることを特徴とする請求項42記載のビルド室。
【請求項44】
該室をその環境から少なくとも部分的に分離するため該少なくとも1枚の壁上に配置可能なカバーを更に具備することを特徴とする請求項42記載のビルド室。
【請求項45】
該ビルド面の該第1プレート及び該第2プレートが、異なる角度に適合されるよう相互に交換可能であることを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項46】
該ビルド面が、該プレート間の固定された間隔を保持するように該第1プレートと該第2プレートの間に配置された少なくとも1つのスペーサーを更に備えることを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項47】
該粉体を流動化するために該出口に接続された真空ソースを更に具備することを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項48】
該ビルド面の該第1プレートと該第2プレートが相互に対し移動可能であることを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項49】
更に、該ビルド室の少なくとも1部分を振動させる機構を具備することを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項50】
該機構が該ビルド面を振動させることを特徴とする請求項49記載のビルド室。
【請求項51】
該プレート間の空間が可変であることを特徴とする請求項41記載のビルド室。
【請求項52】
ピッチをおいて離れ隔てられた複数の開口部を規定する第1プレートと、
離れ隔てられ該第1プレートの該複数の孔のピッチの約50%だけ該第1プレートの該複数の孔からオフセットされて隔てられた複数の開口部を規定する第2プレートとを備えている、該粉体を受けるビルド面を提供する過程を具備しており、
該第2プレートは該第1プレートの下に、該第1プレートから隔てられて配置されており、該ピッチは、隣接する開口部の最も近接したエッジ間の空間に対応しており、且つ{2(該プレート間の空間)(該粉体の安息角の余接)+(孔の直径)}に略等しく、
該ビルド面の下に真空ソースを提供する過程を具備することを特徴とするビルド室内の解放された粉体の流れを制御する方法。
【請求項53】
該ビルド面を通しての粉体の流れを防止するように該ビルド室内の周囲圧力を保持する過程を更に具備することを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項54】
該粉体を該第1及び第2プレートを通して流れさせるために該ビルド面の下に真空を創るように該真空ソースを賦活する過程を更に具備することを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項55】
該ビルド室が、該真空ソースを該ビルド室に接続するために該ビルド面の下に配置されたプレナムを有することを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項56】
該プレナムは、該真空ソースが賦活された時に該ビルド室から解放された粉体を除去する出口を有することを特徴とする請求項55記載の方法。
【請求項57】
該ビルド面を少なくとも部分的に区切りビルド室を少なくとも部分的に規定する少なくとも1枚の壁と、該ビルド面の下に配置されて該少なくとも1枚の壁に対して垂直に該ビルド面を動かすよう該ビルド室に適合されたピストンと、を有することを特徴とする請求項52の方法。
【請求項58】
解放された粉体の流れを促進するために該ビルド面を振動させる過程を更に具備することを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項59】
粉体を異なる角度に適合するために該第1プレートと該第2プレートの間の空間を変える過程を更に具備することを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項60】
該第1プレート及び該第2プレートの少なくとも1枚は、異なる角度に適合されたプレートと相互交換可能であることを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項61】
3次元の対象を作るための粉体を保持するよう適合された内部容積を規定するリセプタクルと、
該リセプタクルに結合され、該リセプタクルの内部容積を少なくとも部分的に囲み該内部容積と流体的に連通して該3次元プリンターの真空ソースに接続されるよう適合されている出口を規定しているカバーと、
該内部容積と流体的に連通し、空気を該内部容積内へ送るよう適合され該リセプタクル及び該カバーの少なくとも1つにより少なくとも部分的に規定される少なくとも1つの入り口とを具備していることを特徴とする3時次元プリンター用の粉体を保持するコンテナー。
【請求項62】
該入り口を通過する該空気が、該出口を通る該粉体の動きを助けることを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項63】
該入り口が環状スロットを備えることを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項64】
該内部容積が略円錐形の形状を有することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項65】
該内部容積が略楕円形の断面形状を有することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項66】
該出口が、該カバーから該内部容積の底部領域の近くまで下方へ延びるチューブ状部材を有することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項67】
該出口が、ホースと嵌合するよう構成された配管部品を有することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項68】
該リセプタクルの付近に配置され、他のコンテナーとスタックするよう構成されたハウジングを更に具備することを特徴とする請求項61記載のコンテナー。
【請求項69】
プリントヘッドキャップキャリヤと、プリントヘッドのプリントヘッド面をシールするため該キャリヤ上に配置された少なくとも1つのプリントヘッドキャップと、を具備しており、
該プリントヘッドキャップキャリヤは該プリントヘッドキャップを該プリントヘッド面に対して垂直位置に保持しており、該キャップは、該プリントヘッドと該キャリヤに接触するプリントヘッドキャリッジとの少なくとも1つによりオフ位置とキャップ付け位置との間で動かされることを特徴とする3次元プリンターで使用するプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項70】
該キャリヤ上に配置された複数のキャップを具備することを特徴とする請求項69記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項71】
固定サポートと、可動サポートと、該プリントヘッドと該プリントヘッドキャリッジの少なくとも1つと接触する駆動器タブとを該キャリヤが備えており、
該プリントヘッドと該プリントヘッドキャリッジの少なくとも1つの該駆動器タブと接触する前進運動が、該可動サポートを該固定サポートに対し旋回運動させ、それにより該キャップを該プリントヘッド面に対し水平位置へ配向することを特徴とする請求項69記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項72】
該プリントヘッドと該プリントヘッドキャリッジの少なくとも1つの連続運動が、該キャップを該プリントヘッド面に対しシールさせることを特徴とする請求項71記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項73】
一旦キャップ付けされると、該プリントヘッドの連続した前進運動を防止するよう適合された停止部を更に具備することを特徴とする請求項72記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項74】
該プリントヘッドキャップが、該プリントヘッド面をキャップ付けする時、圧力の変化に応答して膨張及び収縮する、コンプライアンスのある材料を含むことを特徴とする請求項69記載のプリントヘッドキャップ付けステーション。
【請求項75】
該垂直位置と水平位置の間で該キャップを動かす4本バーリンケージを更に具備することを特徴とする請求項69記載のプリントヘッドキャップ付ステーション。
【請求項76】
プリントヘッド放出材料を受け付けるリセプタクルと、
該受け付けリセプタクルと連通し該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分を吸収するよう適合された吸収媒体を有する保持用リセプタクルと、
該プリントヘッド放出材料を該保持用リセプタクルへ導くドレーンと、を具備しており、該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分は、該保持用リセプタクル内で固体化することを特徴とする3次元プリンター用ウエースト処理システム。
【請求項77】
該保持用リセプタクルが、該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分の蒸発を促進するよう適合されていることを特徴とする請求項76記載のウエースト処理システム。
【請求項78】
該保持用リセプタクルが該プリントヘッド放出材料の少なくとも1部分の蒸発速度を加速するため空気移送システムを備えることを特徴とする請求項77記載のウエースト処理システム。
【請求項79】
該空気移送システムが該蒸発速度を加速するために該3次元プリンターからのウエースト熱を使用することを特徴とする請求項78記載のウエースト処理システム。
【請求項80】
該吸収媒体が該保持用リセプタクル内で除去可能に配置されることを特徴とする請求項76記載のウエースト処理システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【公表番号】特表2009−538226(P2009−538226A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513201(P2009−513201)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/012494
【国際公開番号】WO2007/139938
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(508349621)ゼツト・コーポレーシヨン (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/012494
【国際公開番号】WO2007/139938
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(508349621)ゼツト・コーポレーシヨン (1)
【Fターム(参考)】
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