説明

3次元形状表示装置、3次元形状表示方法及びその方法をコンピュータで実行させるプログラム

【課題】3次元形状モデルを表示する最適な表示倍率を設定すること。
【解決手段】ディスプレイに表示される3次元形状モデルの態様を変更する態様変更部と、3次元形状モデルの態様が変更された場合、3次元形状モデルが投影される表示範囲を含む平面における、利用者に注目される部分の位置を示す座標が投影された座標と、表示範囲に基づいて、表示倍率を算出する表示倍率算出部と、算出された表示倍率で縮小して3次元形状モデルをディスプレイに表示する表示処理部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元形状表示装置、3次元形状表示方法及びその方法をコンピュータで実行させるプログラムに関するものであり、特に、表示装置に表示される3次元形状モデルの態様の変更に基づいて表示倍率を変更する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、3次元CAD等において3次元形状モデルを表示された際に、視点の移動等により3次元形状モデルの態様が変更されることで、利用者が注目していた部分が表示範囲外になる場合、利用者は3次元形状モデルの形状を把握することが困難となっていた。このため利用者は3次元形状モデルを把握するために表示倍率を縮小する必要があり、手間を要することとなる。また利用者はどの程度表示倍率を縮小させれば利用者が注目していた部分が参照できるのか判断できないことも多かった。さらに利用者が表示倍率を設定し、設定された表示倍率に縮小して3次元形状モデルが表示された際、3次元形状モデルの注目していた部分を表示された場合であっても利用者が想像していた以上に3次元形状モデルが縮小して表示されることとなり3次元形状の細部の把握が困難になるなど、最適な表示倍率を設定するのが困難であった。
【0003】
2次元の表示においては、利用者が画像内で注目していた部分が表示画面の範囲外とならないように表示倍率を変更する技術が開示されている(例えば特許文献1)。本技術は、利用者が画像の表示部分をスクロールさせると、このスクロールの移動量に基づいて表示倍率を変更することで、利用者が注目していた部分が常に表示画面の範囲内となることを可能としている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−295328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述した技術は2次元の表示には有効であるが、3次元の表示にそのまま適用することは出来ない。なぜならば2次元の画像ではxy軸の移動のみ考慮すれば良く、各々の軸による移動量に基づいて表示倍率を変更するだけで注目していた部分は常に表示画面の範囲内となる。しかしながら3次元形状の表示の場合、xy軸のみ成らず、z軸をも考慮し、また2次元の表示には存在しない回転移動等も考慮する必要があるため、3次元形状モデルが2次元領域に投影された表示範囲において3次元形状モデル等の移動量に基づいて表示倍率を変更させても利用者の注目していた部分が表示画面の範囲内になるとは限らないという問題がある。また、上述した技術により移動量に基づいて表示倍率を変更した際に、仮に利用者の注目していた部分が表示画面に表示された場合でも、3次元領域特有の移動を考慮できないため最適な表示倍率が設定されるとは限らないという問題がある。
【0006】
例えば3次元形状の回転移動では上述した技術である移動量に従って表示倍率を変更させても、最適な表示倍率の設定とは成らない。つまり回転移動により、注目していた部分が1回転して元の位置に戻ってきた時は元の表示倍率とは異なることとなるためである。3次元領域に存在する3次元形状モデルの移動では、この2次元領域にはない回転移動を、xy軸にさらにz軸を加えた領域による移動と組み合わせて考慮する必要があり、上述した技術では3次元領域の移動で最適な表示倍率が設定するのは困難となる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、3次元形状モデル上において基準となる座標が表示範囲内に含まれ、かつ3次元形状モデルを表示する最適な表示倍率を設定することを可能とする3次元形状表示装置、3次元形状表示方法及びその方法をコンピュータで実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、表示装置に表示される3次元形状モデルの態様を変更する態様変更手段と、前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記3次元形状モデルが投影され前記表示装置に表示される2次元領域における、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた表示基準座標が該2次元領域上に投影された投影基準座標と、該2次元領域で前記表示装置に表示される表示範囲に基づいて、該投影基準座標が表示される表示倍率を算出する表示倍率算出手段と、前記表示倍率変更手段により算出された前記表示倍率で縮小して、前記3次元形状モデルを前記表示装置に表示する表示処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記態様変更手段は、前記3次元形状モデルを回転移動あるいは平行移動させて態様を変更することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2にかかる発明において、前記態様変更手段は、視点の位置を示す視点座標あるいは注視点の位置を示す注視点座標を変更して、前記表示装置に表示される前記3次元形状モデルの態様を変更することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか一つにかかる発明において、前記表示倍率算出手段は、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた前記表示基準座標が投影された前記投影基準座標から、前記表示範囲の表示可能な範囲の境目となる境界線と平行で前記表示範囲の中心を通る表示中心線までの最短距離を示す基準距離と、該基準距離を示す直線と平行な直線上で該境界線から該表示中心線までの表示範囲距離と、の比に基づいて表示倍率を算出することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一つにかかる発明において、前記表示処理手段は、さらに前記表示倍率算出手段において算出された表示倍率で縮小して表示する以前の前記表示範囲を示す縮小前表示範囲を表示することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1〜5のいずれか一つにかかる発明において、前記表示倍率算出手段で算出された前記表示倍率を記憶する表示倍率記憶手段と、前記表示倍率記憶手段に記憶された前記表示倍率の逆数を復帰表示倍率として切り替える表示倍率切替手段と、をさらに備え、前記表示処理手段は、前記表示倍率切替手段により切り替えられた前記復帰表示倍率で拡大して前記3次元形状モデルを表示することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1〜6のいずれか一つにかかる発明において、前記表示倍率算出手段は、前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデル上の予め定められた複数の前記表示基準座標が前記2次元領域上に投影された複数の前記投影基準座標と、該2次元領域で前記表示装置に表示される前記表示範囲に基づいて、複数の前記投影座標が表示される表示倍率を算出することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記表示倍率算出手段は、前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデルとなる多面体データの各頂点を示す頂点座標が前記2次元領域上に投影された複数の投影頂点座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、複数の該投影頂点座標が表示される表示倍率を算出することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記表示倍率算出手段は、前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデルを簡略化した形状の各頂点を示す頂点座標が前記2次元領域上に投影された複数の投影頂点座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、複数の該投影頂点座標が表示される表示倍率を算出することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10にかかる発明は、請求項1〜9のいずれか一つにかかる発明において、前記表示形態変更手段は、予め定められた時間毎に前記3次元形状モデルの態様を変更し、前記表示倍率算出手段は、前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更される時間毎に、前記2次元領域において、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる前記表示基準座標が前記2次元領域上に投影された前記投影基準座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、前記投影座標が表示される表示倍率を算出し、前記表示処理手段は、予め定められた前記時間毎に前記表示倍率変更手段により算出された前記表示倍率で縮小して、前記3次元形状モデルを前記表示装置に表示することを特徴とする。
【0018】
また、請求項11にかかる発明は、請求項1〜10のいずれか一つにかかる発明において、前記表示形態変更手段は、利用者との間の対話的手段により前記3次元形状モデルの態様を変更することを特徴とする。
【0019】
また、請求項12にかかる発明は、表示装置に表示される3次元形状モデルの態様を変更する態様変更ステップと、前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記3次元形状モデルが投影され前記表示装置に表示される2次元領域における、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた表示基準座標が該2次元領域上に投影された投影基準座標と、該2次元領域で前記表示装置に表示される表示範囲に基づいて、該投影基準座標が該表示範囲に含まれる表示倍率を算出する表示倍率算出ステップと、前記表示倍率変更ステップにより算出された前記表示倍率で縮小して、前記3次元形状モデルを前記表示装置に表示する表示処理ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項13にかかる発明は、請求項12にかかる発明において、前記態様変更ステップは、前記3次元形状モデルを回転移動あるいは平行移動させて態様を変更することを特徴とする。
【0021】
また、請求項14にかかる発明は、請求項11または12にかかる発明において、前記態様変更ステップは、視点の位置を示す視点座標あるいは注視点の位置を示す注視点座標を変更して、前記表示装置に表示される前記3次元形状モデルの態様を変更することを特徴とする。
【0022】
また、請求項15にかかる発明は、請求項12〜14のいずれか一つにかかる発明において、前記表示倍率算出ステップは、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた前記表示基準座標が投影された前記投影基準座標から、前記表示範囲の表示可能な範囲の境目となる境界線と平行で前記表示範囲の中心を通る表示中心線までの最短距離を示す基準距離と、該基準距離を示す直線と平行な直線上で該境界線から該表示中心線までの表示範囲距離と、の比に基づいて表示倍率を算出することを特徴とする。
【0023】
また、請求項16にかかる発明は、請求項12〜15のいずれか一つにかかる発明において、前記表示処理ステップは、さらに前記表示倍率算出ステップにおいて算出された表示倍率で縮小して表示する以前の前記表示範囲を示す縮小前表示範囲を表示することを特徴とする。
【0024】
また、請求項17にかかる発明は、請求項12〜16のいずれか一つにかかる発明において、前記表示倍率算出ステップで算出された前記表示倍率の逆数を復帰表示倍率として切り替える表示倍率切替ステップと、をさらに備え、前記表示処理ステップは、前記表示倍率切替ステップにより切り替えられた前記復帰表示倍率で拡大して前記3次元形状モデルを表示することを特徴とする。
【0025】
また、請求項18にかかる発明は、請求項12〜17のいずれか一つにかかる発明において、前記表示倍率算出ステップは、前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデル上の予め定められた複数の前記表示基準座標が前記2次元領域上に投影された複数の前記投影基準座標と、該2次元領域で前記表示装置に表示される前記表示範囲に基づいて、複数の前記投影座標が表示される表示倍率を算出することを特徴とする。
【0026】
また、請求項19にかかる発明は、請求項18にかかる発明において、前記表示倍率算出ステップは、前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデルとなる多面体データの各頂点を示す頂点座標が前記2次元領域上に投影された複数の投影頂点座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、複数の該投影頂点座標が表示される表示倍率を算出することを特徴とする。
【0027】
また、請求項20にかかる発明は、請求項18にかかる発明において、前記表示倍率算出ステップは、前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデルを簡略化した形状の各頂点を示す頂点座標が前記2次元領域上に投影された複数の投影頂点座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、複数の該投影頂点座標が表示される表示倍率を算出することを特徴とする。
【0028】
また、請求項21にかかる発明は、請求項12〜20のいずれか一つにかかる発明において、前記表示形態変更ステップは、予め定められた時間毎に前記3次元形状モデルの態様を変更し、前記表示倍率算出ステップは、前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更される時間毎に、前記2次元領域において、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる前記表示基準座標が前記2次元領域上に投影された前記投影基準座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、前記投影座標が表示される表示倍率を算出し、前記表示処理ステップは、予め定められた前記時間毎に前記表示倍率変更ステップにより算出された前記表示倍率で縮小して、前記3次元形状モデルを前記表示装置に表示することを特徴とする。
【0029】
また、請求項22にかかる発明は、請求項12〜21のいずれか一つにかかる発明において、前記表示形態変更ステップは、利用者との間の対話的ステップにより前記3次元形状モデルの態様を変更することを特徴とする。
【0030】
また、請求項23にかかる発明は、請求項12〜22のいずれか1つに記載された方法をコンピュータで実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
請求項1にかかる発明によれば、表示基準座標が表示される表示倍率を算出して、算出された表示倍率に縮小して3次元形状モデルを表示することで、利用者が注目する部分が表示装置に表示されることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。また、表示基準座標を2次元領域上に投影した投影基準座標と、2次元領域の表示範囲に基づいて、表示倍率を算出することで、算出された表示倍率は利用者が注目する部分を含む必要十分な表示倍率となるため、利用者が3次元形状モデルを把握するために最適な表示倍率が設定されるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項2にかかる発明によれば、視点座標あるいは注視点座標を変更とすることで、表示装置上に表示される3次元形状モデルの態様が変更される場合であっても、表示基準座標が表示範囲内に含まれることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0033】
また、請求項3にかかる発明によれば、3次元形状モデルを平行移動あるいは回転移動させて、表示装置上に表示される3次元形状モデルの態様が変更される場合であっても、表示基準座標が表示範囲内に含まれることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0034】
また、請求項4にかかる発明によれば、投影基準座標から表示範囲の中心線までの最短距離を示す基準距離と、2次元領域上の表示範囲の境界線から表示中心線までの表示距離と、の比に基づいて表示倍率を算出することで、算出された表示倍率は利用者が注目する部分を含む必要十分な表示倍率となるため、利用者が3次元形状モデルを把握するために最適な表示倍率が設定されるという効果を奏する。
【0035】
また、請求項5にかかる発明によれば、算出された表示倍率で縮小して表示する以前の表示範囲を表示することで、利用者は表示倍率の設定前の表示範囲を視認することで、表示倍率の変更率を把握することが可能となるという効果を奏する。
【0036】
また、請求項6にかかる発明によれば、表示倍率記憶手段に記憶された表示倍率の逆数を復帰表示倍率として切り替えることで、表示基準座標が表示範囲に含まれる前の表示倍率で拡大して3次元形状モデルを表示することで3次元形状モデルの細部の構造を把握することが可能となるという効果を奏する。
【0037】
また、請求項7にかかる発明によれば、複数の表示基準座標が表示される表示倍率を算出することで、利用者が注目する複数の部分が表示されることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0038】
また、請求項8にかかる発明によれば、3次元形状モデルの多面体データの頂点が表示される表示倍率を設定することで、3次元形状モデル全体が表示範囲に含まれることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0039】
また、請求項9にかかる発明によれば、3次元形状モデルを簡略化した形状の頂点が表示される表示倍率を設定することで、3次元形状モデル全体が表示範囲に含まれることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0040】
また、請求項10にかかる発明によれば、予め定められた時間毎に3次元形状モデルの態様が変更される場合でも表示基準座標を表示範囲に含む表示倍率に縮小して3次元形状モデルを前記表示装置に表示することで、利用者が3次元形状モデルの形状を把握することが容易となるという効果を奏する。
【0041】
また、請求項11にかかる発明によれば、利用者との間の対話的手段により3次元形状モデルの態様を変更することで、利用者が対話的手段で受け付けられた3次元形状モデルの態様で表示される場合でも、表示基準座標を表示範囲に含む表示倍率を設定して3次元形状モデルを表示するため、利用者が3次元形状モデルの形状を把握することが容易となるという効果を奏する。
【0042】
請求項12にかかる発明によれば、表示基準座標が表示される表示倍率を算出して、算出された表示倍率に縮小して3次元形状モデルを表示することで、利用者が注目する部分が表示装置に表示されることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。また、表示基準座標を2次元領域上に投影した投影基準座標と、2次元領域の表示範囲に基づいて、表示倍率を算出することで、算出された表示倍率は利用者が注目する部分を含む必要十分な表示倍率となるため、利用者が3次元形状モデルを把握するために最適な表示倍率が設定されるという効果を奏する。
【0043】
また、請求項13にかかる発明によれば、視点座標あるいは注視点座標を変更とすることで、表示装置上に表示される3次元形状モデルの態様が変更される場合であっても、表示基準座標が表示範囲内に含まれることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0044】
また、請求項14にかかる発明によれば、3次元形状モデルを平行移動あるいは回転移動させて、表示装置上に表示される3次元形状モデルの態様が変更される場合であっても、表示基準座標が表示範囲内に含まれることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0045】
また、請求項15にかかる発明によれば、投影基準座標から表示範囲の中心線までの最短距離を示す基準距離と、2次元領域上の表示範囲の境界線から表示中心線までの表示距離と、の比に基づいて表示倍率を算出することで、算出された表示倍率は利用者が注目する部分を含む必要十分な表示倍率となるため、利用者が3次元形状モデルを把握するために最適な表示倍率が設定されるという効果を奏する。
【0046】
また、請求項16にかかる発明によれば、算出された表示倍率で縮小して表示する以前の表示範囲を表示することで、利用者は表示倍率の設定前の表示範囲を視認することで、表示倍率の変更率を把握することが可能となるという効果を奏する。
【0047】
また、請求項17にかかる発明によれば、表示倍率記憶手段に記憶された表示倍率の逆数を復帰表示倍率として切り替えることで、表示基準座標が表示範囲に含まれる前の表示倍率で拡大して3次元形状モデルを表示することで3次元形状モデルの細部の構造を把握することが可能となるという効果を奏する。
【0048】
また、請求項18にかかる発明によれば、複数の表示基準座標が表示される表示倍率を算出することで、利用者が注目する複数の部分が表示されることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0049】
また、請求項19にかかる発明によれば、3次元形状モデルの多面体データの頂点が表示される表示倍率を設定して3次元形状モデルを表示することで、3次元形状モデル全体が表示範囲に含まれることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0050】
また、請求項20にかかる発明によれば、3次元形状モデルを簡略化した形状の頂点が表示される表示倍率を設定して3次元形状モデルを表示することで、3次元形状モデル全体が表示範囲に含まれることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが容易となるという効果を奏する。
【0051】
また、請求項21にかかる発明によれば、予め定められた時間毎に3次元形状モデルの態様が変更される場合でも表示基準座標を表示範囲に含む表示倍率に縮小して3次元形状モデルを前記表示装置に表示することで、利用者が3次元形状モデルの形状を把握することが容易となるという効果を奏する。
【0052】
また、請求項22にかかる発明によれば、利用者との間の対話的手段により3次元形状モデルの態様を変更することで、利用者が対話的手段で受け付けられた3次元形状モデルの態様で表示される場合でも、表示基準座標を表示範囲に含む表示倍率を設定して3次元形状モデルを表示するため、利用者が3次元形状モデルの形状を把握することが容易となるという効果を奏する。
【0053】
また、請求項23にかかる発明によれば、コンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項12から22のいずれか一つに記載された3次元形状表示方法をコンピュータの利用で実現することができ、これら各3次元形状表示方法と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる3次元形状表示装置、3次元形状表示方法及びその方法をコンピュータで実行させるプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0055】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置100の構成を示すブロック図である。本図に示すように3次元形状表示装置100の内部は、記憶部101と、入力処理部102と、態様変更部103と、表示倍率算出部104と、範囲判定部105と、表示処理部106と、表示倍率切替部107を備え、利用者により3次元形状モデルの態様が変更された場合、3次元形状モデル上で利用者が注目している部分の座標を含むこととなる表示倍率に変更して、3次元形状モデルを表示する。なお、利用者が注目している部分の位置を示す座標は、変更後も表示する基準となる座標であり、本発明の表示基準座標に相当する。
【0056】
記憶部101は、本発明の表示倍率記憶手段に相当し、表示倍率、及び3次元形状モデルのデータを記憶する。記憶部101に記憶された3次元形状モデルは3次元形状表示装置100で表示するために用いられる。なお、本実施の形態において記憶部101で予め保持している表示倍率は’1’とするが、記憶された表示倍率を’1’に制限するものではない。
【0057】
入力処理部102は、利用者との間の対話的手法により行われた入力を処理する。入力処理部102が行う対話的手法による入力の例としては、3次元形状モデルの態様の変更、3次元形状モデルを表示する表示倍率の切り替え等とする。他の例として、表示倍率を変更するための表示縮小ダイアログや表示復帰ダイアログをディスプレイ150への表示開始あるいは表示終了等を行う。利用者が対話的手段で入力した3次元形状モデルの態様に基づいて、後述する処理により、注目している部分の座標を表示する表示倍率を設定して3次元形状モデルを表示する。これにより利用者は、注目している部分に基づいて3次元形状モデルの形状を把握することが容易となる。
【0058】
入力処理部102による対話的手法の例は、利用者が3次元形状モデルを移動させる際に回転移動、平行移動或いは回転と同時に平行移動するかを利用者に選択させ、利用者が回転移動を選択した場合、さらにx軸、y軸、z軸方向の各々に回転させる度数を利用者に入力させる。
【0059】
表示処理部106は、記憶部101から入力された3次元形状モデルをディスプレイ150に、記憶部101が記憶する表示倍率で表示する。さらに後述する態様変更部103により3次元形状モデル等の態様の変更される度、表示処理部106は3次元形状モデル記憶部101が記憶する表示倍率で表示する。これにより後述する表示倍率算出部104で表示倍率が算出された場合、表示処理部106は算出された表示倍率で縮小して3次元形状モデルを表示することとなる。
【0060】
また表示処理部106は、表示倍率切替部107による表示倍率の切り替えが行われる度に、表示倍率切替部107で切り替えられた表示倍率で拡大あるいは縮小して3次元形状モデルを表示する。表示倍率切替部107で切り替えられた表示倍率で3次元形状モデルを表示することで、利用者が所望した表示倍率に拡大あるいは縮小して3次元形状モデルを表示することが可能となる。
【0061】
さらに表示処理部106は、後述する表示倍率算出部104で算出された表示倍率で縮小して表示する以前の表示範囲を示す矩形の枠を表示する。この表示倍率で縮小する前の表示範囲を示す枠は、変更後の表示範囲の中心から端部までの距離に表示倍率を乗ずることで算出する。この縮小する前の表示範囲を示す枠が、本発明の縮小前表示範囲に相当する。
【0062】
図2は、3次元形状モデルである対象物がディスプレイ150上に表示される態様を模式的に示した図である。Eが視点、Sが視点の先にある中央点を示す注視点とし、Pは投影面であり、この矩形で示された範囲がディスプレイ150に表示される表示範囲となる。そして視点Eから表示範囲Pに投影された対象物Gがディスプレイ150に表示される。そしてTは視点Eから注視点Sを結ぶ直線と対象物Gの表面が交差する座標である。本実施の形態では、この座標Tを利用者が注目する部分として取り扱う。なぜならばディスプレイ150に対象物Gが表示される際に、座標Tは3次元形状モデルの最初に中央に表示される部分だからである。この注視点S及び座標Tが表示範囲P上に表示された投影注視点S’及び座標T’は最初、表示範囲P上で重なり合って表示される。そして例えば対象物Gを回転させて座標Tが座標T1に移動したときは座標T1が投影された座標T1’は表示範囲P内に含まれないため、表示範囲Pを表示範囲P’に拡大するため、表示倍率を変更する必要がある。なお、表示範囲Pを含む平面が、本発明の2次元領域に相当する。
【0063】
なお、本実施の形態においては、座標Tは3次元形状モデルの曲面と直線との交点計算により算出する。3次元形状モデルが球の場合など表面の座標が式として表せる場合は、視点と注視点を結ぶ視点直線を示す式をさらに用いて代数的方法により算出することが可能である。
【0064】
それ以外の座標Tを算出する方法としては、例えば幾何的Newton-Raphson法を適用して干渉点を算出する方法がある。まず、3次元形状モデルの曲面と視点直線との間でラフチェックを行い、干渉する可能性がなければ処理を終了する。次に、3次元形状モデルの曲面をいくつかの三角形で近似する。そして、視点直線と曲面近似している各三角形を含む無限平面との干渉点を求める。この点のパラメータ値が曲面のパラメータ空間から大きくはみ出ていなければ、この点を干渉点の近似点とする。そしてさらに、近似点を精密化して正確な干渉点とする。これにより求められた正確な干渉点を座標Tとして扱う。
【0065】
なお、本実施の形態以外の形態として、利用者が注目する部分を示す座標Tを、視点と注視点を結ぶ視点直線と3次元形状モデルの表面の交点から算出する以外の方法で求めても良い。例えば予め記憶部101に3次元形状モデルとともに利用者が注目すると考えられる特徴ある部分の座標を座標Tとして記憶する等が考えられる。
【0066】
図1に戻り、態様変更部103は、入力処理部102を介して利用者により行われた3次元形状モデル、視点あるいは注視点の移動後に、ディスプレイ150に表示される表示範囲を含む平面に3次元形状モデルが投影された位置を算出することで、表示される3次元形状モデルの態様を変更する。また態様変更部103は、利用者が注目する部分を示す座標Tが表示範囲を含む平面に投影された座標T’の位置を算出する。
【0067】
なお態様変更部103が可能な3次元形状モデルの態様の変更として、例えば視点あるいは注視点の位置の変更、3次元形状モデルの平行移動あるいは回転移動等や、これらを組み合わせたものが考えられる。
【0068】
範囲判定部105は、態様変更部103により3次元形状モデルの態様が変更された場合、3次元形状モデル上の利用者が注目する部分が表示範囲に含まれているか否か判定する。上述した図2の例では、利用者が注目している部分を示す座標Tの移動先である座標T1が投影された座標T1’が表示範囲Pに含まれているか否か範囲判定部105が判定する。範囲判定部105により座標T1’が表示範囲Pに含まれている場合は、表示倍率を算出する必要がなくなるため、表示倍率を演算する負荷が軽減する。
【0069】
表示倍率算出部104は、範囲判定部105が座標T1’を表示範囲に含まれていないと判定した場合、座標T1’が表示される、つまり拡大された表示範囲に座標T1’が含む表示倍率を算出する。そして表示倍率算出部104は、算出した表示倍率で記憶部101に記憶される表示倍率を更新する。以下に表示倍率の算出する方法を説明する。
【0070】
図3は、図2で示した対象物を表示範囲Pに投影させた模式断面図である。Q1及びQ2は表示範囲Pの右端、左端であり、視点Eから視認できる対象物Gの範囲はV1からV2の間である。dは表示範囲Pの中心点(後述する表示範囲Pの中心を通る中心線上の点)から表示可能な範囲の境目となる境界線までの距離を示したものであり、Dは中心点から座標T1’までの距離を示したものである。そして表示範囲PがD/d倍になれば座標T1’が含まれることとなるので、表示倍率はこの逆数、つまりd/Dとなる。なお、表示倍率がd/Dでは3次元形状モデルを表示する際、座標T1’が表示範囲の端に来るため、座標T1’の周囲を把握するためにある程度マージンを設ける必要がある。マージンは予め定められた縮小率を表示倍率に加える、あるいは算出された表示範囲の端部から所定の距離を加えた範囲を実際に表示する表示範囲として設定する等が考えられるが、最適な値は実測により定めることとする。
【0071】
図4は、利用者が注目している部分を示す位置が表示範囲を含む平面上に投影された位置と、表示倍率の算出方法の対応関係に関する説明図である。本実施の形態において、利用者が注目する部分が表示範囲Pから参照してどの位置に存在するかにより表示倍率の算出方法が異なる。
【0072】
図4において、利用者が注目する部分が投影された座標T2’が領域Aに存在する、つまりディスプレイ150に表示される表示範囲Pの右、左領域に存在する場合、表示範囲Pの表示可能な範囲の境目となる左右の境界線と平行で表示範囲Pの中心を通る中心線Oyから表示範囲Pの左端部あるいは右端部までの最短となる直線距離d1と、直線距離d1で示される直線と平行な直線であり中心線Oyから座標T2’までの最短となる直線距離D1から得られるd1/D1が表示倍率となる。なお、中心線Oyは本発明の表示中心線に相当する。なお、直線距離d1が本発明の表示範囲距離に相当し、直線距離D1が本発明の基準距離に相当する。
【0073】
また、利用者が注目する部分が投影された座標T3’が領域Bに存在する、つまりディスプレイ150に表示される表示範囲Pの上、下領域に存在する場合、表示範囲Pの表示可能な範囲の境目となる上下の境界線と平行で表示範囲Pの中心を通る中心線Oxから表示範囲Pの上端部あるいは下端部までの最短となる直線距離d2、直線距離d2で示される直線と平行な直線であり中心線Oxから座標T3’までの最短となる直線距離D2から得られるd2/D2が表示倍率となる。なお、中心線Oxは本発明の表示中心線に相当する。なお、直線距離d2が本発明の表示範囲距離に相当し、直線距離D2が本発明の基準距離に相当する。
【0074】
また、利用者が注目する部分である座標T4’が領域Cに存在する、つまりディスプレイ150に表示される表示範囲Pの斜方向の領域に存在する場合、中心線Oyから表示範囲Pの左端部あるいは右端部までの最短となる直線距離d3と、直線距離d3で示される直線と平行な直線であり中心線Oyから座標T4’までの最短となる直線距離D3から得られるd3/D3、又は中心線Oxから表示範囲Pの上端部あるいは下端部までの最短となる直線距離d4と、直線距離d4で示される直線と平行な直線であり中心線Oxから座標T4’までの最短となる直線距離D4から得られるd4/D4のうちいずれか値が小さい方、つまり縮小率が大きい方を表示倍率として選択する。なお、直線距離d3、d4が本発明の表示範囲距離に相当し、直線距離D3、D4が本発明の基準距離に相当する。
【0075】
上述した表示倍率の算出方法は3次元形状モデルの回転移動、平行移動あるいは視点、注視点の移動等のどの様な移動についても用いることが可能である。
【0076】
次に上述した態様変更部103、範囲判定部105及び表示倍率算出部104の処理によりディスプレイ150上に表示される3次元形状モデルの例を示す。まずは3次元形状モデルを回転移動させた場合の例である。
【0077】
図5は、本実施の形態の3次元形状モデルを回転移動させる前にディスプレイ150に表示された画面図である。この状態では座標Sr’は注視点Srが表示範囲に投影された座標であり、座標Tr’は利用者が注目する部分を示す座標Trが表示範囲に投影された座標である。本図で示すように、座標Sr’及び座標Tr’は重なり合っている。
【0078】
図6は、図5で示された状態から3次元形状モデルを少し回転移動させた後にディスプレイ150に表示された画面図である。この状態では座標Sr’及び座標Tr’は重なり合っていないが、座標Tr’はディスプレイ150上に表示されているため(つまり表示範囲P内に含まれているため)、表示倍率は変更されない。
【0079】
図7は、図6で示された状態から3次元形状モデルをさらに回転移動させ、かつ表示倍率が変更されなかった場合を、ディスプレイ150に表示される画面例を示した図である。この状態では、座標Tr’は既にディスプレイ150上に表示されていないため(つまり表示範囲内に含まれていないため)、表示倍率を変更する必要がある。なお、図7で示した画面は説明のために示したもので、本実施の形態では回転移動後に本図で示した画面がディスプレイ150上に表示されるわけではない。
【0080】
図8は、図7で示された状態から表示倍率算出部104で算出された表示倍率に変更して、ディスプレイ150上に3次元形状モデルを表示した画面図である。上述した表示倍率算出部104により算出された表示倍率で3次元形状モデルが表示されている。本図で示すように、座標Tr’を含むように表示倍率を設定することで、利用者が注目している部分が表示されるため、利用者が3次元形状モデルの形状を把握することが容易となる。また矩形Prは表示倍率変更前の表示範囲を示したものである。これにより利用者がどの程度表示倍率が変更されたか把握することが容易となる。
【0081】
また、図8で示すように表示倍率変更後の画面では表示復帰ダイアログ801が表示される。表示復帰ダイアログ801で表示倍率を元に戻す、あるいはダイアログ自体の閉じることを可能とする。つまり表示復帰ボタンをクリックすると、後述する表示倍率切替部107による処理が行われた後、表示処理部106は元の表示倍率で3次元形状モデルを表示する。また、閉じるボタンをクリックすると、表示処理部106は表示復帰ダイアログ自体を非表示とする。
【0082】
また、本実施の形態では、表示倍率が変更された後、ディスプレイ上に自動的に表示復帰ダイアログを表示するが、例えば利用者からダイアログを表示する旨の操作が行われた場合に限り表示することにしても良い。
【0083】
以上により3次元形状モデルを回転移動した場合に表示倍率が変更される例を示した。これにより3次元形状モデルが回転移動した後、利用者が注目する部分がディスプレイ150上に表示されることとなる。次に3次元形状モデルを平行移動させた場合の例を示す。
【0084】
図9は、3次元形状モデルを平行移動させる前にディスプレイ150に表示された画面図である。この状態では座標Sm’は注視点Smが表示範囲に投影された座標であり、座標Tm’は利用者が注目する部分を示す座標Tmが表示範囲に投影された座標である。本図で示すように、座標Sm’及び座標Tm’は重なり合っている。
【0085】
図10は、図9で示された状態から3次元形状モデルを平行移動させ、かつ表示倍率を変更しなかった場合に、ディスプレイ150に表示される画面図である。この状態では、座標Tm’は既にディスプレイ150上に表示されていないため(つまり表示範囲P内に含まれていないため)、表示倍率を変更する必要がある。なお、図10で示した画面は説明のために示したもので、本実施の形態では平行移動後に本図で示した画面がディスプレイ150上に表示されるわけではない。
【0086】
図11は、図10で示された状態から、表示倍率算出部104で算出された表示倍率に変更して、ディスプレイ150上に3次元形状モデルを表示した画面図である。上述した表示倍率算出部104により算出された表示倍率で3次元形状モデルが表示されている。本図で示すように、利用者が注目している部分を示す座標Tm’が表示されているため、利用者が3次元形状モデルの形状を把握することが容易となる。また矩形Pmは表示倍率変更前の表示範囲を示したものである。これにより利用者がどの程度表示倍率が変更されたか把握することが容易となる。図8と同様に、本図で示した画面でも表示復帰ダイアログ1101が表示される。
【0087】
また、視点あるいは注視点の移動等が行われた場合でも上述した処理を行うことで、利用者が注目している部分が表示されることとなる。例えば視点を回転させて移動させた場合は、3次元形状モデルを回転したときと同様の態様で3次元形状モデルが表示されることとなるため、図5〜図8で示した手順と同様の処理を行えば利用者が注目する部分を表示することが可能となる。つまり視点あるいは注視点の位置を変更することは、3次元形状モデルと視点の間の距離及び表示される角度が変更されることとなり、これは3次元形状モデルの平行移動及び回転移動を組み合わせと同様となるため、上述した処理の組み合わせで表示倍率の算出が可能となるので、これらの説明を省略する。
【0088】
図1に戻り、表示倍率切替部107は、表示倍率算出部104で算出された表示倍率で縮小されて3次元形状モデルが表示された後、さらに入力処理部102で利用者から受け付けられた操作により、記憶部101で記憶されていた表示倍率の逆数を、新たな表示倍率として切り替える。これにより表示処理部106は、縮小して表示する前の表示範囲に表示倍率を拡大して表示することが可能となる。また、表示倍率切替部107は、上述した処理により表示倍率に切り替えが行われた後、利用者から受け付けられた操作により、上述した処理により切り替えられた表示倍率の逆数を、さらに新たな表示倍率として切り替える。これにより表示処理部106が再び利用者が注目している部分を含むように表示倍率を縮小して表示することを可能とする。
【0089】
表示倍率の切り替えは図8で示した例を用いると、利用者が表示復帰ダイアログ801で表示復帰ボタンを選択してクリックされた場合に、表示倍率切替部107が記憶部101に記憶されていた表示倍率の逆数を、次に表示する表示倍率と設定して、表示処理部106により表示する処理が行われる。この次に表示する表示倍率が、本発明の復帰表示倍率に相当する。
【0090】
図12は、図8で示した画面から利用者が表示復帰ボタンをクリックした後、ディスプレイ150に表示された画面図である。利用者が表示復帰ボタンをクリックした後、入力処理部102を介して元の表示倍率に切り替える旨が表示倍率切替部107に入力される。そして表示倍率切替部107は、記憶部101に記憶されている表示倍率の逆数を、表示倍率として設定し、表示処理部106が設定された表示倍率で3次元形状モデルを表示する。これにより利用者が元の表示倍率で3次元形状モデルが表示されることとなり、実際の3次元形状モデルのサイズあるいは細部の構造を把握することが可能となる。
【0091】
また図12で示すように表示処理部106が元の表示倍率で3次元形状モデルを表示する際、表示縮小ダイアログ1201を表示する。利用者が表示縮小ダイアログ1201の表示縮小ボタンをクリックすると、表示倍率切替部107は記憶部101に記憶されている表示倍率を設定して、表示処理部106が設定された表示倍率で3次元形状モデルを表示する。この処理により3次元形状モデルが利用者の注目する部分を含むように表示される。
【0092】
表示倍率切替部107を備えることで、利用者が表示倍率の切り替えることで、元の表示範囲及び利用者が注目する部分を含む表示範囲の切り替えが可能となり、3次元形状表示装置の操作性が向上する。
【0093】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる3次元形状表示装置100における利用者による3次元形状モデルの操作の入力処理から3次元形状モデルの表示までの処理について説明する。図13は、本実施の形態にかかる3次元形状表示装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0094】
入力処理部102は、利用者により3次元形状モデルの回転移動等が行われた旨を入力する処理を行い、態様変更部103に出力する(ステップS1301)。次に態様変更部103は、入力処理部102からの入力により、回転移動等がなされた3次元形状モデルの表示範囲を含む平面に投影された態様を算出する(ステップS1302)。そして、態様変更部103は、利用者が注目する部分を示す座標Tが表示範囲を含む平面に投影された座標T’の位置を算出する(ステップS1303)。
【0095】
そして範囲判定部105は、態様変更部103で算出された座標T’の位置がディスプレイ上に表示される表示範囲内に含まれているか否か判定する(ステップS1304)。
【0096】
範囲判定部105により表示範囲内に含まれていると判定された場合(ステップS1304:Yes)、表示処理部106は、態様変更部103で算出された3次元形状モデルの態様で、表示倍率を変更せずに表示する(ステップS1305)。なお、表示の際に、表示倍率は記憶部101に記憶されていた表示倍率をそのまま用いる。
【0097】
範囲判定部105により表示範囲内に含まれていないと判定された場合(ステップS1304:No)、表示倍率算出部104は、座標T’が表示範囲内に含むことを可能とする表示倍率を算出する(ステップS1306)。そして表示倍率算出部104は、算出された表示倍率で記憶部101に記憶された表示倍率を更新する(ステップS1307)。
【0098】
そして表示処理部106は、態様変更部103で算出された3次元形状モデルの態様を、記憶部101に記憶された表示倍率に縮小して表示する(ステップS1308)。また表示処理部106は、表倍率変更前の表示範囲を示す枠及び表示復帰ダイアログを表示する(ステップS1309)。
【0099】
上述した処理手順により回転移動との3次元形状モデルの態様の変更があった場合、表示倍率を変更して3次元形状モデルを表示することが可能となる。また、入力処理部で処理される操作を回転移動に制限するものではなく、3次元形状モデルの平行移動や視点あるいは注視点の移動等の場合に上述した処理を行うことも可能である。なお、上述した処理手順は、3次元形状モデルの態様が変更されてから表示倍率を変更して表示するまでの手順の一例を示したもので、上述した処理手順に制限するものではない。
【0100】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる3次元形状表示装置100において3元形状モデルが表示されてから表示倍率を切り替えるダイアログが閉じられるまでのダイアログに関する処理を説明する。図14は、本実施の形態にかかる3次元形状表示装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。まずは3次元形状モデルの注目する部分の位置座標を含むために表示倍率が変更された状態で、ディスプレイ150に3次元形状モデルが表示されていることとする。
【0101】
そして表示処理部106は、表示復帰ダイアログを表示する(ステップS1401)。表示復帰ダイアログは、図8で示したように、表示復帰ボタンと閉じるボタンが表示されている。
【0102】
次に入力処理部102は、表示復帰ダイアログの表示復帰ボタンと閉じるボタンのどちらのボタンがクリックされたか、入力する処理を行う(ステップS1402)。
【0103】
入力処理部102は表示復帰ボタンがクリックされたことを入力処理した場合(ステップS1402:表示復帰)、表示倍率切替部107が記憶部101に記憶されている表示倍率の逆数を、新たに表示倍率として切り替える(ステップS1403)。
【0104】
そして表示処理部106が、表示倍率切替部107で切り替えられた表示倍率に拡大して、3次元形状モデルを表示する(ステップS1404)。そして表示処理部106は、ダイアログを表示縮小ダイアログに更新する(ステップS1405)。
【0105】
そして入力処理部102は、表示縮小ダイアログの表示縮小ボタンと閉じるボタンのどちらのボタンがクリックされたか、入力する処理を行う(ステップS1406)。
【0106】
入力処理部102は表示縮小ボタンがクリックされた旨を入力処理した場合(ステップS1406:表示縮小)、表示倍率切替部107は、記憶部101に記憶されている表示倍率を、新たに表示倍率として切り替える(ステップS1407)。
【0107】
そして表示処理部106が、表示倍率切替部107で切り替えられた表示倍率で縮小して、3次元形状モデルを表示する(ステップS1408)。そして表示処理部106は、ダイアログを表示復帰ダイアログに更新する(ステップS1409)。そして再度、入力処理部102による、表示復帰ダイアログの表示復帰ボタンと閉じるボタンのどちらのボタンがクリックされたかを、入力する処理から開始される(ステップS1402)。
【0108】
入力処理部102は閉じるボタンがクリックされたことを入力処理した場合(ステップS1402:閉じる、ステップS1406:閉じる)、表示縮小ダイアログあるいは表示復帰ダイアログにかかわらずダイアログを非表示として、終了する(ステップS1410)。
【0109】
なお、上述した処理手順は、表示されたダイアログによる表示倍率の切り替えの手順の一例を示したもので、上述した処理手順に制限するものではない。
【0110】
図15は、3次元形状表示装置100の機能を実現するためのプログラムを実行したPCのハードウェア構成を示した図である。本実施の形態の3次元形状表示装置100は、CPU(Central Processing Unit)1501などの制御装置と、メモリ1504などの記憶装置と、HDD1504(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイ1505などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置1503を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0111】
本実施形態の3次元形状表示装置100で実行される3次元形状表示プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0112】
また、本実施形態の3次元形状表示装置100で実行される3次元形状表示プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の3次元形状表示装置100で実行される3次元形状表示プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0113】
また、本実施形態の3次元形状表示プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0114】
本実施の形態の3次元形状表示装置100で実行される3次元形状表示プログラムは、上述した各部(入力処理部、態様変更部、範囲判定部、表示倍率算出部、表示処理部、表示倍率切替部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU1501が上記記憶媒体から3次元形状表示プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力処理部、態様変更部、範囲判定部、表示倍率算出部、表示処理部、表示倍率切替部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0115】
また本実施の形態は、中心線から表示範囲の端までの距離と中心線から注目する部分を示す位置座標の比に基づいて表示倍率を算出する方法に制限するものではなく、例えば注視点が投影された位置から表示範囲の端までの距離及び注視点が投影された位置から注目する部分を示す位置までの距離の比に基づいて算出する方法を用いても良い。
【0116】
また3次元形状表示装置100で表示される3次元形状モデルは、記憶部101に記憶された3次元形状モデルに限るものではなく、例えばネットワークを介して他の装置から取得した3次元形状モデルを表示しても良い。
【0117】
3次元形状表示装置100は、注目する部分を示す座標が表示範囲内に表示されることで、利用者は3次元形状モデルの形状を認識することが可能となる。
【0118】
また注目する部分となる、所定の座標が投影された位置と表示範囲に基づいて表示倍率を算出するため、注目する部分がちょうど含まれるような表示倍率が算出されるととなり、表示倍率の縮小率が大きすぎることもない、注目する部分を含むために必要十分な表示倍率が設定されることになるため、利用者が3次元形状モデルを把握するために最適な表示倍率が設定されることとなる。また最適な表示倍率が設定されることで、3次元形状モデルの形状を認識しつつ、3次元形状モデルの細部まで把握することが可能となる。
【0119】
また、所定の座標のみに基づいて表示倍率を算出するため、3次元形状モデルを表示する表示倍率を算出する演算量が少なくなり、3次元形状表示装置100への負担の低減あるいは表示速度を向上させることが可能となる。
【0120】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、注目する部分を示す座標が含まれているか否かにより表示倍率を設定していた。この座標が含まれるように表示倍率を設定する処理手順を、3次元形状モデルの多面体データの各頂点の座標に適用することで、3次元形状モデルが表示範囲内に含まれるように表示することが可能となる。本実施の形態は、3次元形状モデルの多面体データの各頂点の座標が表示範囲内に含むこととなる表示倍率を設定する実施の形態とする。
【0121】
図16は、本発明の第2の実施の形態にかかる3次元形状表示装置1600の構成を示すブロック図である。上述した第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置100とは、態様変更部103、表示倍率算出部104、範囲判定部105とは処理が異なる態様変更部1601、表示倍率算出部1602、範囲判定部1603に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0122】
態様変更部1601は、第1の実施の形態の態様変更部103と同様に、入力処理部102を介して利用者により行われた3次元形状モデル、視点あるいは注視点の移動後の3次元形状モデルがディスプレイ150の表示範囲を含む平面に投影された際の態様を算出することで、3次元形状モデルの態様を変更する。また、態様変更部1601は、3次元形状モデルの多面体データの各頂点が表示範囲を含む平面に投影された各投影頂点の座標を算出する。なお、態様変更部1601における他の処理は、第1の実施の形態の態様変更部103と同様とする。
【0123】
範囲判定部1603は、上述した態様変更部1601により3次元形状モデルの態様が変更された場合、3次元形状モデルの多面体データの各頂点が全てディスプレイ150の表示範囲に含まれているか否か判定する。各頂点が表示範囲に含まれているか否かを算出する方法は、第1の実施の形態の範囲判定部105と同様の算出方法を用いる。
【0124】
そして範囲判定部1603が、全ての頂点が表示範囲に含まれていると判定した場合、後述する表示倍率算出部1602で表示倍率を算出する必要なく、表示処理部106は、態様変更部1601により変更された態様で3次元形状モデルを表示する。
【0125】
表示倍率算出部1602は、範囲判定部1603が表示範囲に含まれていない頂点があると判定した場合、頂点毎に表示範囲に含まれることになる表示倍率を算出する。そして表示倍率算出部1602は、算出された各々の表示倍率のうち、最も値が小さいもの、つまり縮小率が最も大きいものを表示倍率として選択し、この選択された表示倍率で記憶部101に記憶される表示倍率を更新する。なお、頂点毎に行われる表示倍率の算出する方法は第1の実施の形態の表示倍率算出部104と同様とする。
【0126】
次に、3次元形状モデルを回転移動した結果、態様変更部1601、範囲判定部1603及び表示倍率算出部1602の処理により変更される、3次元形状モデルの態様の一例を示す。
【0127】
図17は、3次元形状モデルを回転移動させる前にディスプレイ150に表示された画面図である。本図で示した画面において、3次元形状モデルの多面体データの各頂点は全て表示範囲に含まれている。また、座標Sr2’は注視点Sr2が表示範囲に投影された座標を示す。なお、本図、後述する図18及び図19において各頂点を黒丸で示したが、これは説明を容易にするために示したものであり、実際にディスプレイ150に表示する際に3次元形状モデルの多面体データの各頂点を黒丸で示す必要はない。
【0128】
図18は、図17で示された状態から3次元形状モデルを回転移動させ、かつ表示倍率を変更しなかった場合に、ディスプレイ150に表示される画面図である。本図で示した状態では、すでにいくつかの頂点がディスプレイ150上に表示されていないため(つまり表示範囲内に含まれていないため)、表示倍率算出部1602により表示倍率を変更する必要がある。なお、図18で示した画面は説明のために示したもので、本実施の形態では回転移動後に本図で示した画面がディスプレイ150上に表示されるわけではない。
【0129】
図19は、図18で示された状態から表示倍率算出部1602で算出された表示倍率に変更して、ディスプレイ150上に3次元形状モデルを表示した画面図である。本図で示すように、3次元形状モデル全体が表示されているため、利用者が3次元形状モデルの形状を把握することが容易となる。また矩形Pr2は表示倍率変更前の表示範囲を示したものである。これにより利用者がどの程度表示倍率が変更されたか把握することが容易となる。また第1の実施の形態と同様に、本図で示した画面でも表示復帰ダイアログ1901が表示される。
【0130】
また、以上のように構成された本実施の形態にかかる3次元形状表示装置1600で行われる処理手順は、利用者が注目する部分の位置座標に基づいて表示倍率を算出していた点から3次元形状モデルの多面体データの各頂点に基づいて表示倍率を算出することに変更された点を除けば第1の実施の形態で示した処理手順と同様であるため説明を省略する。
【0131】
なお、本実施の形態は、3次元形状モデル上の多面体データの各頂点に基づいて表示倍率を算出することに制限するものではなく、例えば3次元形状モデルの表面全体から表示する基準とする任意の座標を選択し、座標毎に表示可能になる表示倍率を算出し、算出された表示倍率で最も小さい値を実際に用いる表示倍率と設定する等が考えられる。
【0132】
なお、本実施の形態で示した3次元形状モデルの回転移動の場合の表示倍率の変更のみに制限するものではなく、3次元形状モデルの平行移動や視点あるいは注視点の移動などについても同様の処理を用いることで表示倍率の変更が可能である。
【0133】
本実施の形態においては、3次元形状モデルの多面体データの各頂点が表示範囲内に含まれるように表示倍率を変更したため、3次元形状モデル全体が表示されることとなり、利用者は3次元形状モデルの形状全体を認識することが容易となる。また、本実施の形態で算出される表示倍率は3次元形状モデルの全体を表示する必要十分な表示倍率となるため、利用者が3次元形状モデルを把握するために最適な表示倍率が設定されることとなる。
【0134】
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、3次元形状モデルの多面体データの各頂点の座標が表示範囲内に含まれるように表示倍率を設定していた。しかしながら多面体データの全ての頂点毎に含まれるか否か及び表示倍率を算出すると処理に膨大な負荷がかかることもある。そこで本実施の形態は、3次元形状モデルにバウンディングボックスを用い、バウンディングボックスの各頂点の座標が表示範囲内に含まれるように表示倍率を設定する実施の形態とする。なお、バウンディングボックスとは3次元形状モデルと外接する最小の箱のみの形状をいい、本発明の3次元形状モデルを簡略化した形状に相当する。
【0135】
図20は、本発明の第3の実施の形態にかかる3次元形状表示装置2000の構成を示すブロック図である。上述した第2の実施の形態にかかる3次元形状表示装置1600とは、態様変更部1601、表示倍率算出部1602、範囲判定部1603とは処理が異なる態様変更部2001、表示倍率算出部2002、範囲判定部2003に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した実施の形態2と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0136】
態様変更部2001は、第2の実施の形態の態様変更部1601と同様に、入力処理部102を介して利用者により行われた3次元形状モデル、視点あるいは注視点の移動後の3次元形状モデルがディスプレイ150の表示範囲を含む平面に投影された際の態様を算出することで、3次元形状モデルの態様を変更する。また、態様変更部2001は、3次元形状モデルについてのバウンディングボックスの各頂点が表示範囲を含む平面に投影された各投影頂点の位置を算出する。なお、態様変更部1601における他の処理は、第1の実施の形態の態様変更部103と同様とする。
【0137】
範囲判定部2003は、上述した態様変更部2001により3次元形状モデルの態様が変更された場合、3次元形状モデルについてのバウンディングボックスの各頂点が全てディスプレイ150の表示範囲に含まれているか否か判定する。各頂点が表示範囲に含まれているか否かを算出する方法は、第1の実施の形態の範囲判定部105と同様の算出方法を用いる。
【0138】
そして範囲判定部2003が、全ての頂点が表示範囲に含まれていると判定した場合、後述する表示倍率算出部2002で表示倍率を算出する必要なく、表示処理部106は、態様変更部1601により変更された態様で3次元形状モデルを表示する。また範囲判定部1603が、各頂点のうち1つでも表示範囲内に含まれていないと判定した場合、後述する表示倍率算出部1602で表示倍率を算出する。
【0139】
表示倍率算出部2002は、範囲判定部2003が表示範囲に含まれていない頂点があると判定した場合、表示範囲に含まれていない頂点毎に表示範囲に含まれることになる表示倍率を算出する。そして表示倍率算出部2002は、算出された各々の表示倍率のうち、最も値が小さいもの、つまり縮小率が最も大きいものを表示倍率として選択し、この選択された表示倍率により記憶部101に記憶される表示倍率を更新する。なお、表示倍率の算出する方法は第1の実施の形態の表示倍率算出部104と同様とする。
【0140】
次に、3次元形状モデルを回転移動した結果、態様変更部2001、範囲判定部2003及び表示倍率算出部2002の処理により変更される、3次元形状モデルの態様の一例を示す。
【0141】
図21は、3次元形状モデルを回転移動させる前にディスプレイ150に表示された画面図である。本図で示した画面において、3次元形状モデルのバウンディングボックスの各頂点は全て表示範囲に含まれている。また、座標Sr3’は注視点Sr3が表示範囲に投影された座標を示す。なお、本図、後述する図22及び図23においてバウンディングボックスの各頂点を黒丸で示したが、これは説明を容易にするために示したものであり、実際にディスプレイ150に表示する際に3次元形状モデルのバウンディングボックスの各頂点を黒丸で示す必要はない。また3次元形状モデルのバウンディングボックスを表示する必要もなく、3次元形状表示装置2000の内部処理として用いれば足りる。
【0142】
図22は、図21で示された状態から3次元形状モデルを回転移動させ、かつ表示倍率は変更されなかった場合に、ディスプレイ150に表示される画面図である。本図で示した状態では、すでに3次元形状モデルのバウンディングボックスのいくつかの頂点がディスプレイ150上の表示範囲外にあるため、表示倍率算出部2002により表示倍率を変更する必要がある。なお、図22で示した画面は説明のために示したもので、本実施の形態では回転移動後に本図で示した画面がディスプレイ150上に表示されるわけではない。
【0143】
図23は、図22で示された状態から表示倍率算出部2002で算出された表示倍率に変更して、ディスプレイ150上に3次元形状モデルを表示した画面図である。本図で示すように、3次元形状モデル全体が表示されているため、利用者が3次元形状モデルの形状を把握することが容易となる。また矩形Pr3は表示倍率変更前の表示範囲を示したものである。これにより利用者がどの程度表示倍率が変更されたか把握することが容易となる。また第1の実施の形態と同様に、本図で示した画面でも表示復帰ダイアログ2301が表示される。
【0144】
また、以上のように構成された本実施の形態にかかる3次元形状表示装置2000で行われる処理手順は、3次元形状モデルの多面体データの各頂点に基づいて表示倍率を算出する点から3次元形状モデルのバウンディングボックスの各頂点に基づいて表示倍率を算出することに変更された点を除けば第2の実施の形態で示した処理手順と同様であるため説明を省略する。
【0145】
なお、本実施の形態で示した3次元形状モデルの回転移動の場合の表示倍率の変更のみに制限するものではなく、3次元形状モデルの平行移動や視点あるいは注視点の移動などについても同様の処理を用いることで表示倍率の変更が可能である。
【0146】
本実施の形態においては、3次元形状モデルが表示範囲内に含まれるため、利用者は3次元形状モデルの形状全体を認識することが容易となる。また、本実施の形態で算出される表示倍率は3次元形状モデルの全体を表示する必要十分な表示倍率となるため、利用者が3次元形状モデルを把握するために最適な表示倍率が設定されることとなる。
【0147】
また、本実施の形態においては、バウンディングボックスの各頂点に基づいて算出を行うため、算出対象となる頂点が減少することで、表示範囲に含まれているか否かあるいは表示倍率を算出する負荷が低減することとなる。
【0148】
(変形例)
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形が可能である。
【0149】
上述した実施の形態では、3次元形状モデルの態様を変更させる際に、対話的手法を用いて変更することとしたが、これに制限するものではない。例えば、ポインティングデバイス等の操作により3次元形状モデル自体をスクロールあるいは回転移動して動画のように予め定められた時間毎に態様を更新して表示することとしても良い。この場合、3次元形状モデルを描画する毎に利用者が注目する部分を示す座標Ttの投影された座標Tt’が最初の表示範囲Ptに含まれるか否か判定し、含まれないと判定された場合は表示倍率を算出し、算出された表示倍率に縮小して3次元形状モデルをディスプレイ150に描画する。
【0150】
これにより3次元形状モデルが動画のようにスクロールあるいは回転移動する際でも、利用者が表示する部分が常に表示範囲に含まれることとなり、利用者は3次元形状モデルも形状を容易に把握することが可能となる。
【0151】
また注目する部分が表示範囲に含まれるか否かに限らず、3次元形状モデルの他面データの頂点あるいは3次元形状モデルのバウンディングボックスの頂点が表示範囲に含まれるように描画する毎に、表示倍率を算出することとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0152】
以上のように、本発明にかかる3次元形状表示装置、3次元形状表示方法及びその方法をコンピュータで実行させるプログラムは、3次元形状モデルを表示する際の表示倍率を設定する際に有用であり、特に、3次元形状モデルにおいて利用者が注目する部分を含む表示倍率の設定に適している。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】3次元形状モデルである対象物がディスプレイ上に表示される態様を模式的に示した図である。
【図3】3次元形状モデルである対象物をディスプレイ上の表示範囲に投影させた模式断面図である。
【図4】利用者が注目している部分を示す位置が表示範囲を含む平面上に投影された位置と、表示倍率の算出方法の対応関係に関する説明図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において3次元形状モデルを回転移動させる前にディスプレイに表示された画面図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置の初期状態から3次元形状モデルを小さく回転移動させた後にディスプレイに表示された画面図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置の初期状態から3次元形状モデルを大きく回転移動させ、かつ表示倍率を変更しなかった場合に、ディスプレイに表示される画面例を示した図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置の初期状態から3次元形状モデルを大きく回転移動させ、表示倍率算出部で算出された表示倍率に変更して、ディスプレイに3次元形状モデルを表示した画面図である。
【図9】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において3次元形状モデルを平行移動させる前にディスプレイに表示された画面図である。
【図10】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において初期状態から3次元形状モデルを平行移動させ、かつ表示倍率を変更しなかった場合に、ディスプレイに表示される画面例を示した図である。
【図11】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において初期状態から3次元形状モデルを平行移動させ、表示倍率算出部で算出された表示倍率に変更して、ディスプレイ上に3次元形状モデルを表示した画面図である。
【図12】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において初期状態から3次元形状モデルの回転移動させた後に表示された画面から利用者が表示復帰ボタンをクリックした後、ディスプレイに表示された画面図である。
【図13】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置における利用者による3次元形状モデルの操作の入力処理から3次元形状モデルの表示までの処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置における3元形状モデルが表示されてから表示倍率を切り替えるダイアログが閉じられるまでの処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】第1の実施の形態にかかる3次元形状表示装置の機能を実現するためのプログラムを実行したPCのハードウェア構成を示した図である。
【図16】第2の実施の形態にかかる3次元形状表示装置の構成を示すブロック図である。
【図17】第2の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において3次元形状モデルを回転移動させる前にディスプレイに表示された画面図である。
【図18】第2の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において初期状態から3次元形状モデルを回転移動させ、かつ表示倍率を変更しなかった場合に、ディスプレイに表示される画面の例を示した図である。
【図19】第2の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において初期状態から3次元形状モデルを回転移動させ、表示倍率算出部で算出された表示倍率に変更して、ディスプレイに3次元形状モデルを表示した画面図である。
【図20】第3の実施の形態にかかる3次元形状表示装置の構成を示すブロック図である。
【図21】第3の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において3次元形状モデルを回転移動させる前にディスプレイに表示された画面図である。
【図22】第3の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において初期状態から3次元形状モデルを回転移動させ、かつ表示倍率を変更しなかった場合に、ディスプレイに表示される画面の例を示した図である。
【図23】第3の実施の形態にかかる3次元形状表示装置において初期状態から3次元形状モデルを回転移動させ、表示倍率算出部で算出された表示倍率に変更して、ディスプレイに3次元形状モデルを表示した画面図である。
【符号の説明】
【0154】
100、1600、2000 3次元形状表示装置
101 記憶部
102 入力処理部
103、1601、2001 態様変更部
104、1602、2002 表示倍率算出部
105、1603、2003 範囲判定部
106 表示処理部
107 表示倍率切替部
150 ディスプレイ
801 表示復帰ダイアログ
1101、1901、2301 表示復帰ダイアログ
1201 表示縮小ダイアログ
1501 CPU
1502 HDD
1503 入力装置
1504 メモリ
1505 ディスプレイ
1506 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示される3次元形状モデルの態様を変更する態様変更手段と、
前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記3次元形状モデルが投影され前記表示装置に表示される2次元領域における、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた表示基準座標が該2次元領域上に投影された投影基準座標と、該2次元領域で前記表示装置に表示される表示範囲に基づいて、該投影基準座標が表示される表示倍率を算出する表示倍率算出手段と、
前記表示倍率変更手段により算出された前記表示倍率で縮小して、前記3次元形状モデルを前記表示装置に表示する表示処理手段と、
を備えたことを特徴とする3次元形状表示装置。
【請求項2】
前記態様変更手段は、前記3次元形状モデルを回転移動あるいは平行移動させて態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の3次元形状表示装置。
【請求項3】
前記態様変更手段は、視点の位置を示す視点座標あるいは注視点の位置を示す注視点座標を変更して、前記表示装置に表示される前記3次元形状モデルの態様を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の3次元形状表示装置。
【請求項4】
前記表示倍率算出手段は、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた前記表示基準座標が投影された前記投影基準座標から、前記表示範囲の表示可能な範囲の境目となる境界線と平行で前記表示範囲の中心を通る表示中心線までの最短距離を示す基準距離と、該基準距離を示す直線と平行な直線上で該境界線から該表示中心線までの表示範囲距離と、の比に基づいて表示倍率を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の3次元形状表示装置。
【請求項5】
前記表示処理手段は、さらに前記表示倍率算出手段において算出された表示倍率で縮小して表示する以前の前記表示範囲を示す縮小前表示範囲を表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の3次元形状表示装置。
【請求項6】
前記表示倍率算出手段で算出された前記表示倍率を記憶する表示倍率記憶手段と、
前記表示倍率記憶手段に記憶された前記表示倍率の逆数を復帰表示倍率として切り替える表示倍率切替手段と、をさらに備え、
前記表示処理手段は、前記表示倍率切替手段により切り替えられた前記復帰表示倍率で拡大して前記3次元形状モデルを表示すること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の3次元形状表示装置。
【請求項7】
前記表示倍率算出手段は、前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデル上の予め定められた複数の前記表示基準座標が前記2次元領域上に投影された複数の前記投影基準座標と、該2次元領域で前記表示装置に表示される前記表示範囲に基づいて、複数の前記投影座標が表示される表示倍率を算出すること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の3次元形状表示装置。
【請求項8】
前記表示倍率算出手段は、前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデルとなる多面体データの各頂点を示す頂点座標が前記2次元領域上に投影された複数の投影頂点座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、複数の該投影頂点座標が表示される表示倍率を算出すること
を特徴とする請求項7に記載の3次元形状表示装置。
【請求項9】
前記表示倍率算出手段は、前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデルを簡略化した形状の各頂点を示す頂点座標が前記2次元領域上に投影された複数の投影頂点座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、複数の該投影頂点座標が表示される表示倍率を算出すること
を特徴とする請求項7に記載の3次元形状表示装置。
【請求項10】
前記表示形態変更手段は、予め定められた時間毎に前記3次元形状モデルの態様を変更し、
前記表示倍率算出手段は、前記態様変更手段により前記3次元形状モデルの態様が変更される時間毎に、前記2次元領域において、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた前記表示基準座標が前記2次元領域上に投影された前記投影基準座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、前記投影座標が表示される表示倍率を算出し、
前記表示処理手段は、予め定められた前記時間毎に前記表示倍率変更手段により算出された前記表示倍率で縮小して、前記3次元形状モデルを前記表示装置に表示すること
を特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の3次元形状表示装置。
【請求項11】
前記表示形態変更手段は、利用者との間の対話的手段により前記3次元形状モデルの態様を変更することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の3次元形状表示装置。
【請求項12】
表示装置に表示される3次元形状モデルの態様を変更する態様変更ステップと、
前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記3次元形状モデルが投影され前記表示装置に表示される2次元領域における、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた表示基準座標が該2次元領域上に投影された投影基準座標と、該2次元領域で前記表示装置に表示される表示範囲に基づいて、該投影基準座標が表示される表示倍率を算出する表示倍率算出ステップと、
前記表示倍率変更ステップにより算出された前記表示倍率で縮小して、前記3次元形状モデルを前記表示装置に表示する表示処理ステップと、
を備えたことを特徴とする3次元形状表示方法。
【請求項13】
前記態様変更ステップは、前記3次元形状モデルを回転移動あるいは平行移動させて態様を変更することを特徴とする請求項12に記載の3次元形状表示方法。
【請求項14】
前記態様変更ステップは、視点の位置を示す視点座標あるいは注視点の位置を示す注視点座標を変更して、前記表示装置に表示される前記3次元形状モデルの態様を変更することを特徴とする請求項11または12に記載の3次元形状表示方法。
【請求項15】
前記表示倍率算出ステップは、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた前記表示基準座標が投影された前記投影基準座標から、前記表示範囲の表示可能な範囲の境目となる境界線と平行で前記表示範囲の中心を通る表示中心線までの最短距離を示す基準距離と、該基準距離を示す直線と平行な直線上で該境界線から該表示中心線までの表示範囲距離と、の比に基づいて表示倍率を算出することを特徴とする請求項12〜14のいずれか1つに記載の3次元形状表示方法。
【請求項16】
前記表示処理ステップは、さらに前記表示倍率算出ステップにおいて算出された表示倍率で縮小して表示する以前の前記表示範囲を示す縮小前表示範囲を表示することを特徴とする請求項12〜15のいずれか1つに記載の3次元形状表示方法。
【請求項17】
前記表示倍率算出ステップで算出された前記表示倍率の逆数を復帰表示倍率として切り替える表示倍率切替ステップと、をさらに備え、
前記表示処理ステップは、前記表示倍率切替ステップにより切り替えられた前記復帰表示倍率で拡大して前記3次元形状モデルを表示すること
を特徴とする請求項12〜16のいずれか1つに記載の3次元形状表示方法。
【請求項18】
前記表示倍率算出ステップは、前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデル上の予め定められた複数の前記表示基準座標が前記2次元領域上に投影された複数の前記投影基準座標と、該2次元領域で前記表示装置に表示される前記表示範囲に基づいて、複数の前記投影座標が表示される表示倍率を算出すること
を特徴とする請求項12〜17のいずれか1つに記載の3次元形状表示方法。
【請求項19】
前記表示倍率算出ステップは、前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデルとなる多面体データの各頂点を示す頂点座標が前記2次元領域上に投影された複数の投影頂点座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、複数の該投影頂点座標が表示される表示倍率を算出すること
を特徴とする請求項18に記載の3次元形状表示方法。
【請求項20】
前記表示倍率算出ステップは、前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更された場合、前記2次元領域において、前記3次元形状モデルを簡略化した形状の各頂点を示す頂点座標が前記2次元領域上に投影された複数の投影頂点座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、複数の該投影頂点座標が表示される表示倍率を算出すること
を特徴とする請求項18に記載の3次元形状表示方法。
【請求項21】
前記表示形態変更ステップは、予め定められた時間毎に前記3次元形状モデルの態様を変更し、
前記表示倍率算出ステップは、前記態様変更ステップにより前記3次元形状モデルの態様が変更される時間毎に、前記2次元領域において、前記3次元形状モデル上で変更後に表示する基準となる予め定められた前記表示基準座標が前記2次元領域上に投影された前記投影基準座標と、前記2次元領域上の前記表示範囲に基づいて、前記投影座標が表示される表示倍率を算出し、
前記表示処理ステップは、予め定められた前記時間毎に前記表示倍率変更ステップにより算出された前記表示倍率で縮小して、前記3次元形状モデルを前記表示装置に表示すること
を特徴とする請求項12〜20のいずれか1つに記載の3次元形状表示方法。
【請求項22】
前記表示形態変更ステップは、利用者との間の対話的ステップにより前記3次元形状モデルの態様を変更することを特徴とする請求項12〜21のいずれか1つに記載の3次元形状表示方法。
【請求項23】
請求項12〜22のいずれか1つに記載された方法をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−65794(P2006−65794A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250802(P2004−250802)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】