説明

3次元物体を製造する装置のための粉末を加工する装置、および、3次元物体を製造する装置

【課題】本発明の目的は、製造および動作が安価であり、かつ、粉末に損傷を与えるというリスクなく異なる粉末を混合する、粉末を混合する装置を提供すること。
【解決手段】3次元物体を製造する装置のための粉末17を混合する装置1が、粉末17を流動化する攪拌装置4および圧力流体供給装置を備える。3次元物体503を製造する装置100が、粉末17を混合する装置100に接続されるように構成されており、粉末17を混合する装置1と共にシステムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
3次元物体を製造する装置用、特に、レーザ焼結装置用の、粉末を加工する装置、特に、少ないエネルギー使用で混合を達成し資源に関し効率的に構成された粉末を混合する装置に関する。更に、本発明は、3次元物体を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元物体を製造するための粉末をベースとした生成方法、例えば、3次元物体を粉末材料の固化によって層状に生成する選択的なレーザ焼結等が一般的に周知である。選択的なレーザ焼結の技術では、レーザビームを粉末層に当てることによって固化が生じる。固化していない粉末は、通常、新たな粉末と混合されて再利用される。特に、選択的なレーザ焼結の場合、使用済み粉末が材料サイクルにフィードバックされる時に、使用済み粉末用に設けられた使用済み粉末コンテナ内において、異なる焼結プロセスからの材料の層状の構成が生じる可能性がある。これらの異なる層は、焼結プロセスおよび部品の品質に影響を与える異なる粉末特性を有する可能性がある。使用される粉末によっては、使用済み粉末の特性は、新しい粉末の特性と同一ではない。例えば、熱可塑性の粉末を用いる場合、熱による劣化が生じる場合がある。また、化学組成および/または粒径が異なる、異なる粉末の種類からの混合物が用いられる粉末ベースの生成プロセスにも用途がある。
【0003】
異なる粉末を混合するには、特に2つの原理が一般的に周知である。
【0004】
流動化する際には、粉末バルクが充填されたコンテナに、下側から圧縮空気が導入される。圧縮空気の導入は、粉末の浮遊を生じさせる。粉末の混合を達成するためには、大量の空気を高圧で導入するべきであり、場合によっては、大量の空気はパルス式で導入される。この場合、空気が下側から導入されることに起因して、上昇する空気流がかなり生じ、良好な混合のための粉末の横移動が失われるという欠点がある。更に、異なる密度の粉末を混合する場合、強力な空気の流れに起因して、より軽い粉末が粉末バルクの上側領域に残り、混合されないというリスクがある。圧縮空気の供給システムは、大量の空気が高圧で供給されるように設計されなければならず、これは、対応する製造コストおよび動作コストを伴う供給システムの大きな寸法決めを必要とし、加えて、大きな空気体積を清浄にするために大きなフィルター面積が必要であるため、送出される空気の清浄を高価なものにする。
【0005】
他方の原理では、粉末バルクが、モーターによって駆動される攪拌機によって混合される。この場合の問題は、攪拌機が粉末の静止バルク中で始動されることになり、これは非常に高い始動トルクを必要とするため、エンジン性能が高くなければならないことである。それによって、攪拌機は静止バルクの反力による高い機械的負荷に晒され、これは、一方では生じる力に抵抗するために、また、他方では耐摩耗性を提供するために、攪拌機の要素を機械的靭性のある設計にするという必要性につながる。粉末を十分に混合するには、攪拌機の回転速度が、粉末に渦を巻かせると共に粉末バルク全体を移動させ続けるために十分に高くなければならない。それによって、攪拌機の連続的な高出力に必要とされる構成に加えて、粉末に損傷を与えるリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、製造および動作が安価であり、かつ、粉末に損傷を与えるというリスクなく異なる粉末を混合する、粉末を混合する装置を提供することである。
更に、本発明の他の目的は、例えばレーザ焼結によって3次元物体を製造する装置であって、粉末を混合する装置と協働するのに適しており、それによって、粉末を混合する装置および3次元物体を製造する装置の協働により部品の質および製造プロセスの効率を高める装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、請求項1、請求項19、および、請求項20の特徴によって達成される。有利なさらなる発展形態が、従属項の主題である。
【0008】
粉末を混合する装置は、攪拌装置、および、圧力流体供給装置を備えている。更に、粉末を混合する装置および3次元物体を製造する装置がシステムを構成するように、3次元物体を製造する装置が、粉末を混合する装置に接続されるように構成されている。
【0009】
装置に、混合装置および圧力流体供給装置を備え付けることにより、前記装置が、2つの作用機構、特に、攪拌装置および圧力流体供給装置を有するにもかかわらず、作用機構を1つしか備えない装置よりも、製造コストおよび動作コストがそれぞれより安価であるという効果が生じる。
【0010】
製造上のコストの利点は、粉末が外見上は固形物としての静止バルクとして存在せず、既に流動化されており、すなわち、攪拌装置の始動時には流入する流体によって流体状態(fluid-like state)に改質されているために、攪拌装置およびコンテナをより少ない構造補強で設計することができるという理由に起因して生じる。したがって、攪拌装置の駆動モーターが、従来技術のように強力である必要はなく、軸受および攪拌ツールに対する強度および剛性を考慮した要件も本質的により低いため、より少ない材料の投入およびより廉価な材料の使用が可能である。
【0011】
供給されるべき圧力および流体の体積流量を考慮すると、圧力流体供給装置もより少ない構造補強で設計することができ、これは、流体のみで動作される混合装置では、流入する流体が粉末を流動化させなければならないだけではなく粉末を混合もしなければならず、したがって粉末に回転移動を導入しなければならないため、流体の圧力および体積流量が本質的により大きいためである。更に、例えば流体のパルス流入のための複雑な制御装置が必要ではない。更に、一方では流体体積がより小さく、他方では高圧および高体積流量によって巻き上がる粉末粒子および塵埃による流体の汚染が本質的により少ないため、流体の給送装置をより小さく寸法決めすることができるだけでなく、流出する流体を排出し清浄にする装置もより小さく寸法決めすることができる。
【0012】
駆動機構および機能的アセンブリがより軽量の構成であることに起因して、動作のために必要な電力消費量がより少なく、それによって、全体的なエネルギー消費量が、単一のシステムを有するものよりも少ない。
【0013】
粉末を混合する装置を組み合わせた構成であることの更なる利点は、前記装置にそのコンテナ容積の最高80%まで粉末を充填することができるため、非常に良好な混合が非常に短時間で生じることで前記装置の高い充填率が可能であることであり、このことは更に、エネルギー使用にとって有益である。粉末の機械的応力、すなわち、せん断(shear)が低く、それによって、細粒の改質が生じず、異なる密度の成分を有する粉末の混合が可能である。
【0014】
流動化および攪拌は、装置からの粉末の排出を支援するが、この理由は、攪拌および流入する流体が、粉末を、移動させられた流体状態に保つことで、粉末を重力によって排出することができるためである。また、流入する流体によって粉末粒子と底部領域における底面との摩擦が防止されるため、装置から排出するにはわずかにホッパーの形状であれば十分であり、このことは、更に、コンパクトな構成を可能にし、空間資源を節減する。
【0015】
製造時には、簡単な拡張(scalability)が可能であり、また動作時には、装置の外側に移動部品が存在しないため、安全のための柵付けを放棄することができる。また、動作が非常に静かであるため特別な騒音軽減措置は必要ない。
【0016】
複数の粉末を非常に十分に混合することによって、3次元体を製造する時、例えばレーザ焼結する時の、使用済み粉末および新たな粉末、または、異なる粒径を有する粉末のいずれかである、異なる粉末からなる層の問題が回避される。それによって、製造された部品の品質が強度および表面に関して改善され、品質の再現性が高まる。その上、例えば熱可塑性の粉末を用いる場合、混合が不良である場合の、層状に堆積した使用済み粉末の熱による劣化による問題が回避される。
【0017】
更なる特徴および利点は、図面に基づいた実施形態の説明から分かる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態である粉末を混合する装置を示す図である。
【図2】3次元物体を製造する装置の実施形態としてのレーザ焼結装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、粉末17を混合する装置1を示している。装置1は、コンテナ2を備え、コンテナ2は、更に底部を備えている。コンテナ2には、その底部の領域に、流体透過性プレート3が設けられている。更に、装置1には、攪拌装置4が設けられている。コンテナ2には、その底部の領域に、流入ポート15が設けられ、この流入ポート15を通って流体16がコンテナ2へ流れ込むようになっている。コンテナ2は、上端に、粉末入口ポート14および流体出口ポート12を有した蓋を備え、流体出口ポート12には、フィルター部材13が取り付けられている。本実施形態では、コンテナ2の底部には、その中心に、閉鎖可能な出口ポート11が設けられている。コンテナは、粉末の良好な混合に適した水平断面を有する。本実施形態では、水平断面が円形であるが、他の実施形態では、水平断面が多角形、楕円形等とすることができる。代替的に、コンテナ2は、わずかにホッパー形状の流体透過性の底部を備える。
【0020】
例えば、流体透過性プレート3は、多孔質材料、例えば、焼結プラスチック材料、穿孔プレート等から構成され、流体16のために透過性を有している。プレート3は、コンテナ2の内側断面に嵌まる外側形状を有するように形成されている。流体透過性プレート3には、コンテナの底部において出口ポート11と位置合わせされ同じサイズを有するポート10が、その中心に設けられている。流体透過性プレート3の上面は、重力に起因して粉末17がコンテナから流出するように、わずかにホッパー形状で形成されている。わずかにホッパー形状とは、プレート3の上面および水平面によって形成される角度が、垂直断面で、約20度±10度であることを意味する。わずかなホッパー形状(slightly hopper-shaped)から生じる効果は、以下で、装置1の動作を説明するときに説明する。
【0021】
攪拌装置4は、モーター5と、攪拌ツール6とを備えている。攪拌装置4は、コンテナ2の中心に配置されている。
【0022】
モーター5は、攪拌ツール6を回転させるために、それに従って寸法決めされた電気モーターである。モーター5は、コンテナ2の外側で、コンテナ2の蓋に取り付けられている。
【0023】
攪拌ツール6は、軸8を中心に回転可能なシャフト7を備えている。シャフト7の軸8は、垂直に配置されている。
【0024】
シャフト7には、パドル9が取り付けられている。パドル9は、それぞれ、シャフト7の横に放射状(radially)に配置されている。本実施形態では、パドル9は4つの平面内に配置されており、それによって、2つのパドルが固定手段によって常に1つの平面内に取り付けられている。代替的な実施形態では、1つのパドル9または複数のパドル9を、1つの平面内に配置することができる。しかし、1つのパドル9を1つの平面内に配置する場合、捩れ力以外に曲げ力もシャフト8に加わることに留意されたい。パドル9および軸8は、角度αを含み、角度αの量が0度よりも大きく90度よりも小さいため、パドル9は軸8に対して斜めに起立(stand)しており、換言すると、パドル9および軸8間の角度αは、0度よりも大きく90度よりも小さく設定され、パドル9は、軸8に対して斜めに位置づけられている。ここで、パドル9の形状は、矩形であるが、円形、楕円形、または、別の適した形状とすることもできる。
【0025】
流入ポート15は、圧力流体供給装置(図示せず)に接続されている。圧力流体供給装置は、流体16となるように十分な量の圧縮空気を十分な圧力でコンテナ2に供給するように寸法決めされる(dimensioned)。圧縮空気の代わりに、別の適したガスを流体16として用いてもよい。流入ポート15と流体透過性プレート3との間には、コンテナ内のチャンバーが存在し、このチャンバーにおいて、流体16が流体透過性プレート3を通って均一に流れるために、流体透過性プレート3に沿って広がることができる。
【0026】
コンテナ2の蓋にある粉末入口ポート14は、粉末17を、粉末入口ポート14によってコンテナ2内に入れることができるように構成されている。粉末入口ポート14は、適した閉止装置によって閉鎖可能であり、1種または複数種の粉末17のために供給装置(図示せず)に接続されている。代替的な実施形態では、粉末入口ポート14を、別の位置、例えば、側壁の、粉末バルクの充填レベル(filling level)の上方側に、すなわち、粉末バルクを最大レベルまで充填させた場合の粉末バルクの上端より上方側に設けてもよい。
【0027】
コンテナ2の蓋に設けられた流体出口ポート12は、コンテナ内を流れた流体16が抜け出すことができるように構成されている。流体出口ポート12は、フィルター部材13に直接的に接続されているか、または、チューブライン若しくはホースラインを介してフィルター部材13に接続されている。流体出口ポート12は、蓋ではなく、例えば、側壁のような他の位置に設けてもよい。しかし、代替的な実施形態では、流体出口ポート12は、流体が粉末の中を浮動するまで逃げないようにコンテナの上側領域に設けられる。更に、代替的には、フィルター部材13を有しない実施形態が可能である。
【0028】
閉鎖可能な出口ポート11は、混合された粉末17をコンテナ2から出すように構成される。出口ポート11には、適した閉止装置が設けられ、この閉止装置は、その閉鎖状態ではコンテナを安全に閉鎖し、また、流出する粉末17に対して、低い流れ抵抗(low flow resistance)を有する。出口ポート11は、3次元物体を製造する装置に接続されている。代替的な実施形態では、出口ポート11は、3次元物体を製造する装置の代わりに充填装置に接続することができる。代替的に、出口ポート11は、底部の別の位置に設けることもできる。
【0029】
代替的な実施形態では、シャフト7の軸8は、別の方向に配向することもできる。この場合、コンテナ2の水平断面は、それに従って適合される。
【0030】
装置1は、異なる材料の粉末を混合することができるように寸法決めされる。粉末17の粒径は、50μm〜150μmである。装置1は、流入する流体16の圧力および体積流量、並びに、攪拌装置4のサイズおよび幾何学的条件および回転速度が、決定された材料の粉末17が対応する粒径で十分に混合されるように設計されるよう構成される。
【0031】
図2に示すように、3次元物体を製造する装置の一実施形態としてのレーザ焼結装置100が、上縁102を有し上部が開放したコンテナ、すなわち、構築用コンテナ101を備えている。コンテナ101の断面は、製造される物体103の最大断面積よりも大きい。コンテナ101内には、形成される物体103を支えるために、上縁102に面する実質的に均一な面105を有するキャリア104が設けられている。キャリア104は、コンテナ101内の駆動機構(図1に概略的に示す)によって、垂直方向に上方および下方へ移動可能である。コンテナ101の上縁102は、作業面106を画定する。
【0032】
作業面106の上には、指向性のある光ビーム108を放射するレーザ107によって構成された照射装置が配置されている。例えば、ガルバノミラー系としての偏光装置109が設けられ、この偏光装置109によって、作業面106の各所望の位置に偏光可能な偏光ビーム108’としての光ビーム108が照射される。
【0033】
更に、キャリア面105、または、固化されたばかりの層上に固化される粉末材料17の層を堆積するためのコーター(coater)110が設けられる。コーター110は、作業面106の上でコンテナ101の側にある第1の端位置から、コンテナ101の対向する側にある第2の端位置へ、駆動機構(概略的に図示)によって往復移動可能である。コーター110を充填するには、コーター110を粉末材料17で充填する充填コンテナ113を、コーター110の端位置の上にそれぞれ設ける。
【0034】
充填コンテナ113は、本実施形態では別個の装置として設けられた装置1の出口ポート11に接続されている。代替的な実施形態では、装置1は、装置100に統合され、すなわち、一体的に設けられる。
【0035】
更に、制御装置140が設けられ、制御装置140によって、キャリア104の位置を調整する駆動機構、コーター110を移動させる駆動機構、および、偏光装置109を調整する駆動機構を、協働させてまたは独立して制御可能である。装置1が装置100に統合された実施形態では、装置1の動作も制御装置140によって制御可能とすることができる。
【0036】
動作時には、装置1のコンテナ2を、粉末入口ポート14を通して所望の粉末17で充填する。したがって、粉末入口ポート14の閉止装置を開いて給送装置を介して粉末をコンテナ2に入れる。
【0037】
充填後、圧縮空気16が、入口ポートを通して流体透過性プレート3の下の空間に吹き付けられ、圧縮空気はこのスペース内に広がってから流体透過性プレート3を通って均一に流れる。粉末17は流動化され、したがって、圧縮空気16が粉末17の中を一定の流量で流れることによって流体状態に改質される。それによって、粉末の移動性が高まる。入れられた圧縮空気は、粉末17の中を通って流れた後で流体出口ポート12を通ってコンテナ2から逃げ、その後、フィルター部材13によって粉末粒子および他の塵埃からパージされる。
【0038】
粉末の流動化(これは混合プロセスを通じて維持される)の後、攪拌装置が作動される。粉末17を流動化することによって、パドル9の移動に対する粉末17の抵抗が小さくなるため、モーター5の始動トルクを小さくすることができ、攪拌ツール6の機械的強度に対する要件は低くなる。パドル9の移動および軸8に対するそれらの斜めの位置によって、粉末17は、攪拌ツール6の領域において上方および横方向に移動する。コンテナ2の壁の領域では、粉末17は下降する。したがって、粉末流(powder flow)18が、一方では、全周に亘って半径方向に循環する流れとして形成され、また、他方では、粉末のせん断(shaer)を最低限に抑えつつ良好な粉末の混合を実現する穏やかな混合プロセスを引き起こす接線方向の要素を含むため、混合時間が比較的短くなる。
【0039】
混合プロセスが終了すると、閉鎖可能な出口ポート11の閉止装置が開かれ、粉末17が重力によってコンテナ2から流出する。粉末17の流出中、粉末が流体状態で流出することができ、かつ、その重力に起因する静的バルクが生じないように、攪拌装置4および圧力流体供給装置は、更に動作される。流入する圧縮空気16によって、流体透過性プレート3上への粉末17の堆積が防止される。それによって、粉末17とプレート3の上面との間の摩擦力が低減されるか、または、なくなるため、プレート3の形状がわずかなホッパー形状である場合でも、粉末17がその重力によってコンテナ2から流出し、それによって、増大したホッパー形状によって生じかねない設置スペースを節減することができる。
【0040】
コンテナ113は、出口ポート11とコンテナ113との間の接続ラインを流れる搬送媒体(図示せず)、例えば圧縮空気によってコンテナ2から流出する粉末17を搬送してコンテナ113に入れることによって、混合された粉末17で充填される。
【0041】
次いで、3次元体を製造する構築プロセスが従来のやり方で行われる。
【0042】
本発明は、レーザ焼結に限定されず、3次元物体を製造するための他の粉末ベースの生成プロセスにも適用可能である。そのようなプロセスの更なる例は、結合剤によって粉末層を固化する3次元印刷である。更なる例はマスク焼結であり、この場合、レーザの代わりにマスクを介して選択的に露光する広範囲に及ぶ光源が用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元物体を製造する装置のための粉末(17)を混合する装置(1)であって、
前記粉末(17)を収容するように構成され、流体透過性の下側プレート(3)を有するコンテナ(2)と、
前記流体透過性の下側プレート(3)を通して流体(16)が流入するように前記コンテナ(2)に接続され、前記流体透過性の下側プレート(3)を通して流入した前記流体(16)が粉末(17)を上方に移動させるように構成される圧力流体供給装置と、
前記粉末(17)を移動させるように構成される攪拌装置(4)と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記攪拌装置(4)は、前記粉末(17)を水平方向に移動させるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記攪拌装置(4)は、モーター(5)と、軸(8)を有したシャフト(7)を有する攪拌ツール(6)とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記攪拌ツール(6)には、前記シャフト(7)の前記軸(8)に対して横断方向、または、特に横方向に、複数のパドル(9)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記パドル(9)は、前記シャフト(7)に対して軸方向に複数の段で配置されていることを特徴とする請求項4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記パドル、および、前記シャフト(7)の前記軸(8)は、互いに対して0度よりも大きく90度よりも小さい角度を有していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記攪拌装置(4)は、前記シャフト(7)の回転時に、前記攪拌ツール(6)の領域で前記パドル(9)が前記粉末(17)を上方および横方向に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記シャフト(7)の前記軸(8)は垂直に配置されていることを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記攪拌装置(4)は、水平面における前記コンテナ(2)の中心に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記装置(1)は、前記流体(16)が一定流量で流れるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記流体透過性の下側プレート(3)には、その中心にポート(10)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記流体透過性の下側プレート(3)の前記ポート(10)に位置合わせされた閉鎖可能なポート(11)を、下側領域に、更に備えていることを特徴とする請求項11に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記流体透過性の下側プレート(3)は、ホッパー形状を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項14】
前記流体透過性の下側プレート(3)は、わずかにホッパー形状であることを特徴とする請求項13に記載の装置(1)。
【請求項15】
流体出口ポート(12)を、上側領域に、更に備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項16】
前記流体出口ポート(12)には、フィルター部材が設けられていることを特徴とする請求項15に記載の装置(1)。
【請求項17】
閉鎖可能な粉末入口ポート(14)を更に備え、
前記コンテナ(2)は、前記粉末入口ポート(14)を通して充填されることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項18】
前記粉末入口ポート(14)は、好ましくは、蓋に設けられていることを特徴とする請求項17に記載の装置(1)。
【請求項19】
前記物体がその上で構築されるキャリア(105)と、
前記物体に応じたそれぞれの層の位置で固化可能な粉末材料の層を堆積させるコーター(110)と、
前記物体に応じた前記層の位置で前記粉末材料を固化する固化手段(107)と、
を備え、
請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の前記装置(1)に接続されるように構成されていることを特徴とする3次元物体を製造する装置(100)。
【請求項20】
請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の前記装置(1)と、請求項19に記載の前記装置(100)とを備えていることを特徴とするシステム。
【請求項21】
前記装置(1)は、前記装置(100)から独立して設けられていることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記装置(1)は、前記装置(100)に一体に設けられていることを特徴とする請求項20に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−101532(P2012−101532A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−231360(P2011−231360)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(503267906)イーオーエス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング イレクトロ オプティカル システムズ (50)
【Fターム(参考)】