説明

4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体

本発明は、式Iを有する4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体


[式中、Rは、(C1−4)アルキル(1つ以上のハロゲンで場合により置換される。)、(C1−4)アルキルオキシ(1つ以上のハロゲンで場合により置換される。)およびハロゲンから独立に選択される1つから3つの任意選択の置換基を表し;Xは、NR、OまたはSであり;Rは、Hまたは(C1−4)アルキルであり;Yは、OH、(C1−4)アルキルオキシ、NR、4から8員の飽和複素環(O、SおよびNRから選択された1個または2個のヘテロ原子を含む。)、および1から4個のN原子を含む5または6員の芳香族複素環基から選択される基で置換された(C1−4)アルキル、ベンジルまたは(C2−6)アルキルであり;またはRおよびYは、これらが結合する窒素と一緒になって、O、S、NRおよびNOから選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む5から8員の飽和複素環を形成し;この環が、NRまたは1つから4つの(C1−3)アルキル基で場合により置換されており;RおよびRは、独立にHまたは(C1−4)アルキルであり;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、O、SおよびNRから選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む4から8員の飽和複素環を形成し;RはH、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C3−6)シクロアルキル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ−(C1−4)アルキル、ベンジル、アミド−(C1−4)アルキル、(C1−6)アルキルオキシカルボニル(C1−4)アルキルまたはカルボキシ(C1−4)アルキルである。]または医薬として許容できるこれらの塩、同を含む薬剤組成物、ならびにカテプシンKおよびカテプシンSに関連する障害、例えば、骨粗鬆症、アテローム性動脈硬化症、炎症および関節リウマチおよび慢性疼痛などの免疫障害を治療するための薬物の調製のためのこれらの4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体、同を含む薬剤組成物、ならびに骨粗鬆症およびアテローム性動脈硬化症などのカテプシンK関連の疾患の治療を目的とした薬物の調製のためのこれら誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
システインプロテアーゼは、酵素の触媒部位におけるシステイン残基の存在によって特徴付けられるペプチダーゼのクラスを表し、これらのプロテアーゼがタンパク質の通常の分解と処理に関係する。多くの病的な障害または疾患が、過剰発現または活性の亢進など、システインプロテアーゼの異常な活動の結果である。例えば、カテプシンB、K、L、S、V、Fなどのシステインカテプシンは、リソソーム酵素のクラスであり、リソソーム酵素は炎症、関節リウマチ、変形性関節症、骨粗鬆症、腫瘍、冠動脈性心疾患、アテローム性動脈硬化症、自己免疫疾患および感染症を含む様々な障害に関与している。
【0003】
カテプシンKは、強力なコラーゲン分解性、エラスターゼおよびゼラチナーゼ活性を有しており(Bromme他、J.Biol、Chem.271、2126から2132頁、1996年)、これは主に破骨細胞内で発現する(BrommeおよびOkamoto、Biol.Chem.Hopp−Seyler、376、379から384頁、1995年)。これは、コラーゲンタイプIおよびII(Kaffienah他、Biochem.J.331、727から732頁、1998年)、ゼラチン、オステオポンチンおよびオステオネクチンを含む、主要な骨基質タンパク質を切断し、それ自体、正常な骨の成長および組織修復に必要な細胞外基質代謝作用に関与する(Bossard他、J.Biol.Chem.271、12517から12524、1996年)。カテプシンKの阻害は、破骨細胞媒介の骨の再吸収を減少させるはずである。したがって、カテプシンK阻害剤は、ヒトの骨粗鬆症などの病状の処置のための新しい治療薬となり得る。
【0004】
その後、Sukhova他(J.Clin.Invest.102、576から583頁、1998年)が、ヒトの発達中の動脈硬化性プラーク内に移動して蓄積する細胞(マクロファージ)もまた強力なエラスターゼカテプシンKおよびSを合成することを実証した。基質の分解、特にかかるプラークの繊維性被膜における分解は、アテローム性動脈硬化症の不安定化における極めて重要なプロセスである。したがって、病変の繊維性被膜に構造的健全性を与える、細胞外基質成分のコラーゲンおよびエラスチンの代謝作用は、動脈硬化性プラークの破裂の結果として、アテローム性動脈硬化症の冠状動脈血栓症などの臨床症状に決定的な影響を及ぼすことができる。それ故破裂しやすいプラークのサイトにおけるカテプシンKおよび/またはSの阻害は、かかる発症を予防する有効な方法となり得る。
【0005】
カテプシンKと同様に、カテプシンSもまた強力なエラスチン分解性活性(Arch.Biochem.Biophys.、299、334から339頁、1992;J.Biol.Chem.、267、7258から7262頁、1992年)およびコラーゲン分解性活性(Biochem.J.、256、433から440頁、1998年)を有している。病気のヒトの動脈は、カテプシンKおよびSの両方を過剰発現し、システインプロテアーゼの最も多い内因性阻害剤であるシスタチンCの相互欠乏を示す(J.Clin.Invest.102、576から583頁、1998年;J.Clin.Invest.104、1191から1197頁、1999年)。Sukhova他(J.Clin.Invest.111、897から906頁、2003年)は、カテプシンSの欠乏が、LDL受容体−欠乏マウス中のアテローム性動脈硬化症を減少させることを実証した。Bromme他(Biochem.Biophys.Research Comm.、312、1019から1024頁、2003年)もまた、カテプシンKおよびSの両方がHDL3および脂質を含まないapoA−Iを生体外で分解できることを実証した。これは、カテプシンKおよびSを、アテローム性動脈硬化症のための治療対象としてさらに示唆している。
【0006】
カテプシンSは、ヒトおよびマウス抗原提示細胞における不変鎖処理に関与する重要な酵素であることが示された(J.Clin.Invest.110、361から369頁、2002年)。この不変鎖処理は、MHCクラスII機能を規制し、自己免疫疾患に関係している。Saegusa他(J.Clin.Invest.110、361から369頁、2002年)は、その後、生体内におけるカテプシンSの阻害は、自己抗原提示および器官特有の自己免疫の発展を変えることを実証した。
【0007】
WO03/020287(Novartis Pharma GMBH)において、カテプシンSに関するmRNAが、慢性疼痛の動物モデルにおいて発現上昇しており、カテプシンS阻害剤の投与が、これらの動物における機械的痛覚過敏反転を起こすことが開示されている。
【0008】
4−アミノ−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体が、カテプシンKおよび/またはSの阻害剤として国際特許出願WO03/020278(Novartis Pharma GMBH)において開示され、一方構造的に関係のある4−アミノ−ピリミジン−2カルボニトリル誘導体が、最近WO04/000819(ASTRAZENECA AB)においてカテプシンSの阻害剤として開示された。同様に、ピロロ−ピリミジンが、カテプシンKおよび/またはS阻害剤としてWO03/020721(Novartis Pharma GMBH)およびWO04/000843(ASTRAZENECA AB)において開示された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一般式Iを有する4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体
【0010】
【化2】

[式中、
Rは、(C1−4)アルキル(1つ以上のハロゲンで場合により置換される。)、(C1−4)アルキルオキシ(1つ以上のハロゲンで場合により置換される。)およびハロゲンから独立に選択される1から3つの任意選択の置換基を表し;
Xは、NR、OまたはSであり;
は、Hまたは(C1−4)アルキルであり;
Yは、OH、(C1−4)アルキルオキシ、NR、4から8員の飽和複素環O、SおよびNRから選択された1個または2個のヘテロ原子を含む。および1から4個のN原子を含む5または6員の芳香族複素環基から選択される基で置換された(C1−4)アルキル、ベンジルまたは(C2−6)アルキルであり;または
およびYは、これらが結合する窒素と一緒になって、O、S、NRおよびNOから選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む、5から8員の飽和複素環を形成し;この環が、NRまたは1つから4つの(C1−3)アルキル基で場合により置換されており;
およびRは、独立にHまたは(C1−4)アルキルであり;または
およびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、O、SおよびNRから選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む、4から8員の飽和複素環を形成し;
はH、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C3−6)シクロアルキル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ(C1−4)アルキル、ベンジル、アミド(C1−4)アルキル、(C1−6)アルキルオキシカルボニル(C1−4)アルキルまたはカルボキシ(C1−4)アルキルである。]
または医薬として許容できるこれらの塩が、カテプシンKおよびカテプシンSの阻害剤であり、それ故カテプシンKおよびカテプシンSに関係した障害、例えば、アテローム性動脈硬化症、骨粗鬆症などの骨疾患、関節リウマチおよび多発性硬化症などの炎症および免疫障害、ならびに神経因性疼痛などの慢性疼痛を治療するための薬物の調製に使用できることが判明した。
【0011】
式Iの定義に使用された(C1−6)アルキルという用語は、ヘキシル、ペンチル、3−メチル−ブチル、ブチル、イソブチル、第3ブチル、プロピル、イソプロピル、エチルおよびメチルのような、分枝のまたは分枝していない1から6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0012】
(C1−4)アルキルという用語は、ブチル、イソブチル、第3ブチル、プロピル、イソプロピル、エチルおよびメチルのような、分枝のまたは分枝していない1から4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0013】
式IのYの定義に使用された(C2−6)アルキルという用語は、同様にヘキシル、ペンチル、3−メチル−ブチル、ブチル、イソブチル、第3ブチル、プロピル、イソプロピル、およびエチルのような、分枝のまたは分枝していない2から6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0014】
(C3−6)シクロアルキルという用語は、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチルおよびシクロプロピルなどの3から6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
【0015】
式Iの定義において、RおよびRは、これらが結合する窒素と一緒に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、または1H−アゼピン環などの、4から8員の飽和複素環を形成することができる。かかる環は、O、SまたはNRから選択される1つ以上の追加のヘテロ原子を含み、モルホリン、チオモルホリン、ヘキサヒドロ−1,4−オキサゼピン、ピペラジン、ホモピペラジン、イミダゾリジンまたはテトラヒドロチアゾール環などの環を形成することもできる。
【0016】
O、SおよびNRから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む4から8員の飽和複素環という用語は、Yの定義において使用されたように、モルホリン−4−イル、ピペラジン−4−イル、ピロリジン−1−イルおよびピペリジン−1イルなどの環によって例証される。
【0017】
1から4個のN原子を含む5員または6員の芳香族複素環基という用語は、式IのYの定義において使用されたように、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、ピラジニルおよびテトラゾール−5−イルなどの環によって例証される。
【0018】
式Iの定義において、RおよびYは、これらが結合する窒素と一緒に、O、S、NRおよびNOから選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む、5から8員の複素環を形成することができる。かかる環の例は、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、4−オキソ−ピペラジン−1−イルおよびジアゼパン−1−イルである。
【0019】
ハロゲンという用語は、F、Cl、Br、またはIを意味する。ハロゲンがアルキル基における置換基の場合、Fが好ましい。好ましいハロゲン置換アルキル基は、トリフルオロメチルである。
【0020】
本発明において、式Iによる4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体であって、ここでRが4−フェニル基のメタ位においてトリフルオロメチル置換基を表すものが好ましい。
【0021】
XがNRである化合物が、さらに好ましい。
【0022】
特に好ましい本発明による4−フェニル−6−置換ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体は、
−4−(ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[1,4]ジアゼパン−1−イル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[メチル−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミノ]−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−アミノ]−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[4−(2−メトキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−カルバモイルメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[4−(2−カルボキシエチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−シクロプロピルメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(3,3,4−トリメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(カルボキシメチル−アミノ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(2−ジエチルアミノ−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
である。
【0023】
本発明は、さらなる態様において、医薬として許容できる補助剤と混合した、一般式Iを有する4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体、または医薬として許容できるこれらの塩を含む薬剤組成物を提供する。
【0024】
一般式Iの4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体は、一般的に有機化学の当技術分野において知られている方法の使用によって調製することができる。例えば、XがNRを表し、R、RおよびYが前に定義した意味を有する一般式Iの化合物は、スキーム1おいて示すように調製することができる。2−メチルスルファニル−4,6−ジクロロピリミジン(II)と式R−NH−Yのアミン(ここでYに存在する任意のさらなる官能基が、適切な保護基を保有することもできる)との反応は、一般式(Ill)を有する化合物を提供する。式(Ill)の硫化物を、例えばジクロロメタン、メタノール、アセトニトリル、もしくは水などの適切な溶媒またはこれら溶媒の混合物中の酸化剤、例えばOXONE(登録商標)、メタクロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)、過酸化水素、NaIOを用いた酸化により、式(IV)のスルホンを生成する。パラジウムまたは他の遷移金属が触媒作用を及ぼした、式(IV)のスルホンとボロン酸アリールまたは他のアリール金属試薬とのクロスカップリングにより、式(V)のビアリール誘導体を生成し、(V)のスルホニル部分(moiety)を、例えばシアン化ナトリウムのシアン化合物で置換することで、その後に保護基を除去し、一般式(VI)の4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体を提供する。
【0025】
【化3】

【0026】
式(VI)の化合物は、そこからさらなる本発明の化合物を調製できる中間化合物を表すこともできる。この例がスキーム2に示されており、ここでtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)基で保護されている式(VI)の化合物(式中、RおよびYが、これらが結合する窒素と一緒にピペラジン環を形成する)は、式(VII)の化合物へと脱保護され、式(VII)の化合物は、例えばアセトニトリルまたはジメチルホルムアミドなど適切な溶媒中の、例えばDIPEA、KCOなどの塩基の存在下、式R−X(ここでRは前に定義した意味を有し、Xはハロゲンである)のアルキルハロゲン化合物を用いたN−アルキル化の結果、一般式(VIII)の化合物を提供する。
【0027】
【化4】

【0028】
別の方法として、式(Vlll)の化合物は、式(VII)の化合物から、アルデヒドおよび例えばシアノホウ化水素ナトリウム、トリアセトキシホウ化水素ナトリウムまたは樹脂結合還元剤などの還元剤を使用する還元性アミノ化によって調製することができる(スキーム3)。
【0029】
【化5】

【0030】
別の方法において、スキーム4において示すように、2−メチルスルファニル−4,6−ジクロロピリミジンをヒドロキシエチルアミンで置換することによって、式(IX)の化合物が提供され、式(IX)の化合物は、ボロン酸とのSuzukiカップリング反応を使用して式(X)のビアリール誘導体へと転換することができる。式(X)における硫化物基の酸化によって、式(XI)のスルホンが生成物として生成される。スキーム1に記述したような、その後のスルホンのシアン化によって、式(XII)のニトリルが生成される。式(XII)化合物中の第1級アルコールを、デス−マーチンまたは他の試薬を使用して酸化することによって式(XIII)のアルデヒドが提供される。(XIII)の、トリアセトキシホウ化水素ナトリウムまたは別の還元剤を使用した、式HNRの第1級または第2級アミンとの還元性アミノ化によって、式(XIV)の化合物が本発明のさらなる化合物として提供される。
【0031】
【化6】

【0032】
スキーム5で示すさらに別の方法において、4−アミノ−2−メチルスルファニル−6−クロロピリミジン(XV)から出発し、Suzukiまたは別の種類の遷移金属が触媒作用を及ぼしたクロスカップリング反応により式(XVI)のビアリール誘導体が生成され、この6−アミノ基がジアゾ化を通してヒドロキシルに転換することができ、式(XVII)の化合物を生成し、式(XVII)の化合物はPOClを用いた処理の結果、式(XVIII)の4−クロロ−ピリミジン誘導体を生成する。その後の水素化ナトリウムを塩基として使用した(XVIII)のアルコールとのカップリング反応によって、式(XIX)の化合物を生成物として得る。硫化物のスルホン(XX)への酸化およびその後のスルホンのシアン化によって、本発明によるさらなる2−シアノピリミジン誘導体(XXI)がもたらされる。
【0033】
【化7】

【0034】
別の方法において、一般式(I)の化合物は、スキーム6により合成することができる。式(XXI)の化合物を、還流温度においてメタノール中で塩酸処理することによって、ニトリル部分がメチルエステルに転換され、ベンジル基の除去が同時に行われて、式(XXII)の化合物が得られる。
【0035】
アミノ分解およびその後のPOClを用いた処理によって、式(XXIV)の6−塩化物誘導体が主要な中間体として得られ、一般式H−X−Y(ここでXおよびYは以前に定義した意味を有する)の求核試薬を用いた反応によって、一般式Iの本発明の化合物が得られる。
【0036】
【化8】

【0037】
Yが塩基性アミンの窒素原子(NRまたはNRのどちらかの形態)を含む、一般式Iの4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体の調製において、かかる窒素が、例えば酸不安定t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基保護基などによって一時的に保護される。合成中に一時的に保護される官能基のための他の保護基は、当技術分野において、例えばWuts,P.G.M.およびGreene,T.W.:Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley、New York、1999年などから知られている。
【0038】
遊離塩基の形態とすることのできる本発明の化合物は、医薬として許容できる塩の形態の反応混合物から単離することもできる。医薬として許容できる塩は、式Iの遊離塩基を、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、およびアスコルビン酸などの、ただしこれには限定されないが、有機酸または無機酸で処理することによって得ることもできる。
【0039】
本発明の化合物は、水和形態を含む、溶媒和の形態および非溶媒和の形態で存在することもできる。一般的に、溶媒和形態は非溶媒和形態に対して等価であり、本発明の範囲内に包含されることを意図している。本発明の化合物は、非晶質の形態で存在することもできるが、多数の結晶の形態で存在することも可能である。一般的に、すべての物理的形態が本発明によって考えられている使用に関して等価であり、本発明の範囲内であることを意図している。
【0040】
本発明の4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体およびこれらの塩は、1つ以上の側鎖R、RおよびYにおけるキラリティーの中心を含むこともでき、それ故純粋な鏡像異性体として、または鏡像異性体の混合物として、あるいはジアステレオマーを含む混合物として得ることもできる。純粋な立体異性体が得られる不斉合成のための方法は、例えばキラル誘導を用いる合成またはキラル中間体から出発する合成、エナンチオ選択的酵素転換、キラル媒体上でクロマトグラフィーを使用する立体異性体と鏡像異性体の分離など、当技術分野においてよく知られている。かかる方法は、例えばChirality in Industry(A.N.Collins、G.N.SheldrakeおよびJ.Crosby編集、1992年;John Wiley)において記述されている。
【0041】
本発明の化合物は、ヒトのカテプシンKおよびSの阻害剤であることが見出されており、それ故本発明のさらなる態様において、化合物は治療、特に骨粗鬆症、アテローム性動脈硬化症および関連するカテプシンKおよびカテプシンS依存性障害、例えば炎症および関節リウマチなどの免疫障害、神経因性疼痛などの慢性疼痛、ならびにパジェット病、変形性関節症、溶骨性骨癌および転移性骨疾患などの異常な骨吸収に関連するさらなる障害を治療するための薬物の調製のために使用することができる。
【0042】
本発明の化合物は、経腸的にまたは非経口的に投与することもでき、ヒトに関しては1日の投与量が体重1kg当たり0.001から100mg、好ましくは体重1kg当たり0.01から10mgであることが好ましい。例えば、標準参照資料、Gennaro他、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第20版、Lippincott Williams & Wilkins、2000年、特にパート5のPharmaceutical Manufacturingを参照されたい)に記載されているように、医薬的に適切な補助剤と混合して、化合物をピル、錠剤などの固体投与単位に圧縮することもでき、またカプセルまたは坐薬へと加工処理することもできる。また化合物は、医薬的に適切な液体を用いて、例えば注射薬調製、または例えばスプレー式点鼻薬などのスプレーとして使用するために、溶液、懸濁液、乳液の形態で適用することができる。例えば錠剤などの投与単位を作成するために、充填剤、着色剤、ポリマー性結合剤などの在来の添加物の使用が考えられる。一般的に、活性化合物の機能を妨げない、医薬として許容できる任意の添加物を使用することができる。
【0043】
これを用いて組成物を投与することができる適切な担体には、乳糖、澱粉、セルロース誘導体など、およびこれらの混合物が含まれ、適当な量において使用される。
【0044】
本発明は、以下の実施例によりさらに例示される。
【実施例】
【0045】
方法
一般的化学的手順。すべての試薬は、通常の商用源から購入するかまたは商用源を使用して文献の手順に従い合成した。陽子NMR(H NMR)は、Bruker DPX 400スペクトロメーターで得た。内部のテトラメチルシラン(TMS)に対して参照する。質量スペクトルは、Shimadzu LC−8A(HPLC)PE Sciex API 150EX LCMSにおいて記録した。分析的な逆相LCMS分析は、勾配条件(90%水/0.1%ギ酸対90%アセトニトリル/0.1%ギ酸)の下、流速4ml/分においてLUNA C18カラム(5μ;30×4.6mm)で実施した。
【0046】
略語
メタクロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ジクロロメタン(DCM)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミン(TEA)、幅広(br)、一重(s)、二重(d)、三重(t)、トリフルオロ酢酸(TFA)、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドHCl(EDCl)、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBt)、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)。
【0047】
実施例1:
4−(ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0048】
【化9】

【0049】
A:4−(6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニルピリミジン(10g)を、ジクロロメタン(200ml)中に溶解し、トリエチルアミン(20.6g)を加えた。この混合物を室温において攪拌し、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(9.54g)を分割して加えた。混合物を室温において一夜攪拌した。混合物を水(200m1)次いで塩水(100ml)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、次いで減圧下で蒸発させて、4−(6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(17.9g)を白色固体として得た。H NMR(CDCl):δ 6.11(s,1H)、3.58(m,4H)、3.44(m,4H)、2.42(s,3H)、1.41(s,9H)。
【0050】
B:4−(6−クロロ−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
メタノールと水10:1の混合物(25ml)中の4−(6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1g)の攪拌溶液に、oxone(登録商標)(ペルオキシモノ硫酸カリウム;4.1g)を加えた。得られた懸濁液を室温において16時間攪拌した。水(100ml)で希釈した後、生成物を酢酸エチルへと抽出し(100ml×3回)、一緒にした有機物を塩水(100ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して4−(6−クロロ−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−カルボン酸tert−ブチルエステルを白色の固体(1.01g)として得た。
【0051】
H NMR(CDCl):δ 6.60(s,1H)、3.63から3.85(br s,4H)、3.54から3.59(m,4H)、3.28(s,3H)、1.49(s,9H);MS m/z 377.4(M+1)、100%。
【0052】
C:4−[2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
エタノールおよびトルエン1:1混合物(10ml)中の4−(6−クロロ−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(500mg)の攪拌溶液に、3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(277mg)、炭酸ナトリウム(422mg)、水(500μl)およびCombiPhos−Pd6(30.5mg)触媒混合物を加えた。得られた懸濁液を還流状態で3時間加熱し、その後セライトを通してろ過し、真空中で濃縮して、4−[2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、黄色オイル(720mg)として得た。
【0053】
H NMR(CDCl):δ 8.24(d,1H)、8.21(s,1H)、7.77(d,1H)、7.63(t,1H)、6.97(s,1H)、3.83(br s,4H)、3.59から3.62(m,4H)、3.37(s,3H)、1.50(s,9H)。MS m/z 487.4(M+1)、100%。
【0054】
D:4−(4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
ジメチルスルホキシド(17m1)中の4−[2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(720mg)の攪拌溶液に、シアン化ナトリウム(72.5mg)を加えた。得られた溶液を室温において24時間攪拌した。酢酸エチル(100ml)で希釈した後、次いで水(4×50ml)、塩水(50ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留固体を、ヘプタンおよび酢酸エチル(2:1)を溶離剤として使用してシリカゲル上でカラム処理し、白色固体(230mg)を得た。
【0055】
H NMR(CDCl):δ 8.21(s,1H)、8.20(d,1H)、7.76(d,1H)、7.62(t,1H)、6.97(s,1H)、3.78(br s,4H)、3.59(m,4H)、1.50(s,9H)。MS m/z:434.3(M+1)、100%。
【0056】
E:4−(ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
ジクロロメタン(1ml)中の4−(4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(50mg)の攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸(250μl)を加えた。得られた溶液を室温において2時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残留物をアセトニトリル中に溶解し分取HPLCを用いて精製して標題の化合物のトリフルオロ酢酸塩を白色固体(6mg)として得た。
【0057】
H NMR(MeOD):δ 8.44(s,1H)、8.39(d,1H)、7.83(d,1H)、7.73(t,1H)、7.59(s,1H)、4.10から4.13(m,4H)、3.36から3.39(m,4H)。MS m/z:334.0(M+1)、100%。
【0058】
実施例2a:
4−[4−(2−メトキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0059】
【化10】

【0060】
アセトニトリル(3ml)中の4−(ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩(実施例1;100mg)およびジイソプロピルエチルアミン(78μl)の攪拌溶液に、2−ブロモエチル−メチルエーテル(31μl)を加えた。得られた溶液を室温において16時間攪拌し、次に45℃において24時間加熱した。次いでポリマー結合イソシアネート(1mmol/g、300mg)を加え、混合物をろ過の前に室温において72時間振とうし、真空中で濃縮した。残留物をジメチルスルホキシド中に溶解し、分取HPLCを用いて精製し、4−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩を、白色固体(8mg)として得た。
【0061】
H NMR(MeOD):δ 8.44(s,1H)、8.39(d,1H)、7.84(d,1H)、7.73(t,1H)、7.61(s,1H)、3.77(m,2H)、3.45(s,3H)、3.43(m,2H)、3.10から3.75(m,8H)。MS m/z:392.3(M+1)、100%。
【0062】
以下の化合物は、同じ手順を用いて合成した。
【0063】
2b:4−(4−カルバモイルメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
H NMR(MeOD):δ 8.44(s,1H)、8.39(d,1H)、7.84(d,1H)、7.73(t,1H)、7.60(s,1H)、3.98(s,2H)、3.20から3.65(m,8H)。MS m/z 391.5(M+1)、100%。
【0064】
実施例3:
4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
アセトニトリル(1ml)中の4−(ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩(実施例1;50mg)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(39μl)および2−ブロモプロパン(15.5μl)を加えた。得られた溶液を、150℃において5分間マイクロ波で加熱した。ヨウ化ナトリウム(2mg)を加え、反応混合物をさらに180℃において30分間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、残留物をメタノール中に溶解し分取HPLCを用いて精製し、4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩(10mg)を得た。
【0065】
H NMR(MeOD):δ 8.44(s,1H)、8.39(d,1H)、7.84(d,1H)、7.72(t,1H)、7.61(s,1H)、3.62(m,1H)、3.18から3.60(br s,8H)、1.42(d,6H)。MS m/z 376.5(M+1)、100%。
【0066】
実施例4:
4−[4−(2−tert−ブチルオキシカルボニルエチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)ピリミジン−2−カルボニトリル
【0067】
【化11】

【0068】
4−(ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩(112mg)、tert−ブチルアクリレート(49μl)、ジイソプロピルエチルアミン(59μl)およびジメチルホルムアミド(0.2ml)を一緒にして45℃において16時間攪拌した。メタノールを加えた後、生成物を分取HPLCを用いて精製し、4−[4−(2−tert−ブトキシカルボニル−エチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩を白色固体(30mg)として得た。
【0069】
H NMR(MeOD):δ 8.44(s,1H)、8.39(d,1H)、7.84(d,1H)、7.72(t,1H)、7.61(s,1H)、3.8から4.3(m,4H)、3.41から3.58(m,6H)、2.85(t,2H)、1.50(s,9H)。MS m/z:462.3(M+1)、100%。
【0070】
実施例5:
4−[4−(2−カルボキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
ジクロロメタン(2ml)中の実施例4の化合物(22mg)の攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1ml)を加えた。得られた溶液を真空中で濃縮する前に、室温において1時間攪拌した。次いで残留物を、分取HPLCを用いて精製し、4−[4−(2−カルボキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩を白色固体(8.5mg)として得た。
【0071】
H NMR(MeOD):δ 8.44(s,1H)、8.39(d,1H)、7.84(d,1H)、7.72(t,1H)、7.61(s,1H)、4.0から4.21(br s,4H)、3.42から3.55(br m,6H)、2.87から2.93(t,2H)。MS m/z:406.5(M+1)、100%。
【0072】
実施例6:
4−(4−シクロプロピルメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
【0073】
【化12】

【0074】
メタノール(2ml)中の4−(ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩(67mg)の攪拌溶液に、シクロプロパンカルボキシアルデヒド(13μl)、酢酸(0.5ml)および樹脂結合シアノホウ化水素(lmmol/g、89mg)を加えた。反応混合物を室温において16時間攪拌した。樹脂をフィルター処理し、ろ液を真空中で濃縮した。残留物をメタノール中に溶解し、分取HPLCを用いて精製し4−(4−シクロプロピルメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩を白色固体(10mg)として得た。
【0075】
H NMR(MeOD):δ 8.44(s,1H)、8.40(d,1H)、7.84(d,1H)、7.73(t,1H)、7.62(s,1H)、3.1から4.0(br s,8H)、3.14(t,2H)、1.18(m,1H)、0.83(m,2H)、0.48(m,2H)。MS m/z:388.3(M+1)、100%。
【0076】
また以下の化合物も、同様の手順を用いて合成した。
【0077】
実施例8:
4−(4−シクロプロピルーピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル塩酸塩
【0078】
【化13】

【0079】
メタノール(2ml)中の4−(ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(100mg)の攪拌溶液に、(1−エトキシシクロプロポキシ)トリメチル−シラン(360μl)、酢酸(173μl)およびシアノホウ化水素ナトリウム(85mg)を加えた。得られた懸濁液を還流状態で2時間加熱した。混合物をジクロロメタン(20ml)で希釈し、水(3×20ml)および塩水(20ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、ヘプタンおよび酢酸エチルを使用してシリカゲル上でカラム処理した黄色固体、4−(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル85mgを得た。塩酸(1:1)塩は、HClをエーテル(1M)中で処理することで白色固体として調製した。
【0080】
H NMR(MeOD):δ 8.44(s,1H)、8.39(d,1H)、7.84(d,1H)、7.73(t,1H)、7.62(s,1H)、3.50から3.68(m,8H)1.31(t,1H)、1.08から1.12(br s,2H)、0.98から1.03(m,2H)。MS m/z 374.3(M+1)、100%。
【0081】
実施例9:
4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0082】
【化14】

【0083】
A:2−(6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル−アミノ)−エタノール
4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニルピリミジン(9.75g)のメタノール(150ml)溶液に、アミノエタノール(3.1g)およびトリエチルアミン(7.5ml)を加えた。混合物を室温において20時間攪拌した。真空下で溶媒を除去した後、残留物をイソプロパノール(15ml)中に溶解し、次いでエーテル(30ml)を加えた。生成物をろ過で収集した。
【0084】
H NMR(MeOD):δ 6.15(s,1H)、3.69(t,2H)、3.50(br,2H)。
【0085】
B:2−[2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル−アミノ]−エタノール
トルエン(12ml)中の2−(6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル−アミノ)−エタノール(404mg)、3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(384mg)および炭酸ナトリウム(585mg)、数滴のDMEとエタノールを有する混合物に、Pd(PPh(106mg)を加えた。得られた懸濁液を、150℃において20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を、セライトパッドを通してろ過し、酢酸エチルで洗浄し、真空中で濃縮した。残留物の褐色ガムを、ヘプタンおよび酢酸エチル(1:1)を溶離剤として使用して、シリカゲル上でカラム処理した。得られた生成物をテトラヒドロフラン中に溶解し、3−アミノ−1,2−プロパンジオールと共に室温において30分間攪拌し、次いで酢酸エチル(40ml)で希釈し、1M塩酸(2×100ml)および塩水(40ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し真空中で濃縮して2−[2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル−アミノ]−エタノール200mgを褐色ガムとして得た。残った酸性水溶液層をゆっくりと中和し、得られた白色沈殿物をろ過して乾燥した。これにより、2−[2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル−アミノ]−エタノールが白色固体(450mg)として生成された。
【0086】
H NMR(MeOD):δ 8.28(s,1H)、8.19(d,1H)、7.72(d,1H)、7.63(t,1H)、6.69(s,1H)、3.75(t,2H)、3.59(t,2H)、2.49(s,3H)。
【0087】
C:2−[2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル−アミノ]−エタノール
10:1のアセトニトリル/水混合物(11ml)中の2−[2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル−アミノ]−エタノール(450mg)の攪拌懸濁液に、オキソン(1.93g)を加えた。得られた懸濁液を、室温においいて4.5時間攪拌した。酢酸エチル(100ml)で希釈し、水(100ml)、塩水(50ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した後、標題の化合物を黄色ガム(493mg)として得た。
【0088】
H NMR(MeOD):δ 8.31(s,1H)、8.29(s,1H)、7.79(d,1H)、7.69(t,1H)、7.14(s,1H)、3.76(t,2H)、3.64(m,2H)、3.37(s,3H)。
【0089】
D:4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
ジメチルスルホキシド(15m1)中の2−[2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル−アミノ]−エタノール(493mg)の攪拌溶液に、シアン化ナトリウム(100mg)を加えた。得られた溶液を室温において72時間攪拌した。酢酸エチル(100ml)で希釈し、水(100ml)、塩水(100ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した後、標題の化合物を淡黄色の固体(380mg)として得た。
【0090】
H NMR(MeOD):δ 8.30(s,1H)、8.22(s,1H)、7.80(d,1H)、7.71(t,1H)、7.16(s,1H)、3.74(t,2H)、3.64(t,2H)、3.37(t,2H)。
【0091】
実施例10:
4−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
A:ジクロロメタン(5ml)中の4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(308mg)の攪拌溶液に、デス−マーチンペルヨージナン(Dess−Martin periodinane、424mg)を加え、得られた懸濁液を室温において45分間攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、水(3×50ml)、塩水(50ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物を、ヘプタンおよび酢酸エチル(1:1)を溶離剤として使用してシリカゲルパッドを通してろ過し、溶媒を真空中で除去し、4−(2−オキソ−エチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルを白色固体(206mg)MS m/z:307.5(M+1)として得た。
【0092】
B:メタノール(2ml)中の上記生成物100mgに、モルホリン(57μl)、酢酸(0.5ml)および樹脂結合シアノホウ化水素(190mg)を加えた。樹脂をフィルターで処理する前に、反応混合物を室温で1時間攪拌し、生成物を真空中で濃縮した。残留物をメタノール中に溶解し、分取HPLCを用いて精製し、4−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩を、白色固体(26mg)として得た。
【0093】
H NMR(MeOD):δ 8.33(s,1H)、8.29(d,1H)、7.83(d,1H)、7.74(t,1H)、7.25(s,1H)、3.78から4.15(br s,4H)、3.91(t,2H)、3.25から3.72(br s,4H)、3.45(t,2H)。MS m/z 378.5(M+1)、100%。
【0094】
実施例11:
4−(3,3,4−トリメチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0095】
【化15】

【0096】
A:2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−4−イルアミン
窒素雰囲気下、トルエン(45mL)中の4−アミノ−6−クロロ−2−メチルチオピリミジン(3.5g)の攪拌溶液に、3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(4.15g)、炭酸カリウム(25mL、2M)およびテトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.16g)を逐次加えた。混合物を還流状態で10時間加熱した。酢酸エチル(150mL)を加え、混合物を水(2×100mL)で洗浄した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィーで精製して、生成物2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イルアミン(3.45g)を得た。
【0097】
H NMR(CDCl):δ 8.25(s,1H)、8.19(d,1H)、7.70(d,1H)、7.58(t,1H)、6.56(s,1H)、4.92(s,2H)、2.61(s,3H)。MS m/z:286.3(M+1)。
【0098】
B:2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−4−オール
2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−4−イルアミン(2.42g)を、酢酸(6ml)中で溶解するまで40℃に加熱した。亜硝酸ナトリウム溶液(5ml水中1.17g)を液滴状で加え、40℃において30分間そして90℃において90分間攪拌を続けた。反応混合物を室温まで冷却してろ過した。ケーキを水で洗浄し、次いで酢酸エチル(200mL)中に溶解して飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した(2×300ml)。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、生成物2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−オール(2.11g)を、淡黄色の固体として得た。
【0099】
H NMR(CDCl):8.30(s,1H)、8.18(d,1H)、7.71(d,1H)、7.61(t,1H)、6.70(s,1H)、2.72(s,3H)。
【0100】
C:4−クロロ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン
2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−オール(500mg)およびオキシ塩化リン(2.5ml)を4時間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残った残留物を酢酸エチル(50ml)に溶解し、水(2×30ml)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、4−クロロ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(478mg)を、褐色固体として得た。
【0101】
H NMR(CDCl):8.35(s,1H)、8.28(d,1H)、7.78(d,1H)、7.67(t,1H)、7.41(s,1H)、2.66(s,3H)。
【0102】
D:2−メチルスルファニル−4−(3,3,4−トリメチルピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン
ジクロロメタン(2ml)中の4−クロロ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン(200mg)、3,3,4−トリメチル−ピペラジンジヒドロクロリド(158mg)およびトリエチルアミン(457μl)を、室温において一夜攪拌した。混合物をジクロロメタン(30ml)で希釈し、水(2×25m1)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーで生成物2−メチルスルファニル−4−(3,3,4−トリメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(199mg)を、淡黄色の固体として得た。
【0103】
H NMR(MeOD):8.38(s,1H)、8.28(d,1H)、7.78(d,1H)、7.67(t,1H)、6.94(s,1H)、3.85(t,2H)、3.58(s,2H)、2.67(t,2H)、2.54(s,3H)、2.282(s,3H)、1.09(s,6H)。
【0104】
E:2−メタンスルホニル−4−(3,3,4−トリメチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン
2−メチルスルファニル−4−(3,3,4−トリメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(188mg)およびオキソン(670mg)を、室温においてアセトニトリル(3.5ml)、メタノール(1ml)および水(0.5ml)の混合物中で2時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残った残留物を酢酸エチル(40mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウム(40ml)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、生成物2−メタンスルホニル−4−(3,3,4−トリメチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジンを得た。
【0105】
MS m/z 445.5(M+1)。
【0106】
F:4−(3,3,4−トリメチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
2−メタンスルホニル−4−(3,3,4−トリメチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(117mg)およびシアン化ナトリウム(27mg)を、ジメチルスルホキシド(1ml)中で45℃に4時間加熱した。反応混合物をジクロロメタン(40ml)で希釈し、水で洗浄した(3×50ml)。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。粗製生成物20mgをシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーで精製し、その後、分取LCMSで精製して4−(3,3,4−トリメチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(7mg)を、白色固体として得た。
【0107】
H NMR(MeOD):δ 8.45(s,1H)、8.41(d,1H)、7.84(d,1H)、7.73(t,1H)、7.66(s,1H)、4.76(t,1H)、4.47(d,1H)、4.13(m,1H)、3.85(m,3H)、3.53(s,3H)、1.63(s,3H)、1.59(s,3H)。
【0108】
実施例12:
4−(3,3,4−トリメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0109】
【化16】

【0110】
4−(3,3,4−トリメチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(実施例11;16mg)ポリ(メチルヒドロシロキサン)(8mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg)を、テトラヒドロフラン(500μl)中で、室温において3時間攪拌した。テトラヒドロフランを減圧下で蒸発させて、残った残留物をジクロロメタン(5ml)中に溶解し水(5ml)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。分取LCMSによる精製によって、生成物4−(3,3,4−トリメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(2.5mg)をトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0111】
H NMR(MeOD):δ 8.45(s,1H)、8.40(d,1H)、7.84(d,1H)、7.73(t,1H)、7.64(s,1H)、3.47(m,3H)、3.30(m,3H)、2.89(s,3H)、1.43(m,6H)。MS m/z 376.7(M+1)。
【0112】
実施例13:
4−[1,4]ジアゼパン−1−イル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0113】
【化17】

【0114】
A:4−[2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−クロロ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン(140mg)、tert−ブチル1−ホモピペラジンカルボキシレート(181μl)およびトリエチルアミン(320μl)を、ジクロロメタン(1ml)中で一夜室温において攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(30ml)で希釈し、水(2×20ml)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて粗製生成物を得た。シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーで精製して、生成物4−[2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(185mg)を、黄色オイルとして得た。
【0115】
H NMR(MeOD):8.19(s,1H)、8.12(d,1H)、7.68(d,1H)、7.57(t,1H)、6.50(s,1H)、3.80(m,4H)、3.59(m,2H)、3.38(t,1H)、3.27(t,1H)、2.57(s,3H)、1.99(t,2H)、1.42(d,9H)。
【0116】
B:4−[2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−[2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(185mg)およびペルオキシモノ硫酸カリウム(558mg)を、アセトニトリル(3ml)および水(300μl)中で室温において8時間攪拌した。反応混合物を、次いで酢酸エチル(50ml)で希釈し、水(2×40m1)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、生成物4−[2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(139mg)を、黄色ガムとして得た。MS m/z 501.3(M+1)。
【0117】
C:4−[1,4]ジアゼパン−1−イル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
4−[2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(139mg)およびシアン化ナトリウム(22mg)を、ジメチルスルホキシド中で、45℃に4時間加熱した。反応混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、水(3×30ml)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を蒸発させて、生成物4−[2−シアノ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(104mg)を得た。この生成物を、次いでジクロロメタン(1ml)中に溶解して0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(200μL)を加え、混合物を10分間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。分取HPLCにより精製して、生成物4−[1,4]ジアゼパン−1−イル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩(52mg)を白色固体として得た。
【0118】
H NMR(MeOD):8.42(s,1H)、8.37(d,1H)、7.82(d,1H)、7.71(t,1H)、7.45(s,1H)、4.16(m,2H)、3.92(m,2H)、3.47(t,2H)、3.37(t,2H)、2.24(m,2H)。
【0119】
実施例14:
4−(4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
4−[1,4]ジアゼパン−1−イル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩(実施例13;30mg)およびホルムアルデヒド(6mg、37重量%水溶液)を、メタノール(500μl)中で、室温において10分間攪拌した。トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(17mg)を反応に加えて、攪拌を2時間継続した。溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより、生成物4−(4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(10mg)を得た。
【0120】
H NMR(MeOD):δ 8.39(s,1H)、8.36(d,1H)、7.82(d,1H)、7.71(t,1H)、7.30(s,1H)、4.10から3.75(m,4H)、2.81(m,2H)、2.69(m,2H)、2.40(s,3H)、2.18から1.96(m,2H)。MS m/z 362.5(M+1)。
【0121】
実施例15:
4−ベンジルオキシ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0122】
【化18】

【0123】
A:2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−4−イルアミン
窒素雰囲気下、トルエン(45mL)中の4−アミノ−6−クロロ−2−メチルチオピリミジン(3.5g)の攪拌溶液に、(3−トリフルオロ−メチルフェニル)ボロン酸(4.15g)、炭酸カリウム(25mL、2M)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.16g)を逐次加えた。混合物を10時間加熱還流し、週末にわたって室温において攪拌した。酢酸エチル(150mL)を加え混合物を水(2×100mL)で洗浄した。有機物を分離し、飽和塩化ナトリウム(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて粗製生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イルアミン(3.45g)を得た。
【0124】
H NMR(CDCl):δ 8.25(s,1H)、8.19(d,1H)、7.70(d,1H)、7.58(t,1H)、6.56(s,1H)、4.92(s,2H)、2.61(s,3H)。MS m/z 286.3(M+1)。
【0125】
B:2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−4−オール
2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イルアミン(2.42g)を、酢酸(6mL)中で溶解するまで40℃に加熱した。亜硝酸ナトリウム(最小容量の水に溶かした1.17g)溶液を液滴状で加え、40℃において30分間そして90℃において90分間攪拌を継続した。反応混合物を室温に冷却し、ろ過した。ケーキを水で洗浄し次いで酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×300mL)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、生成物2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−4−オール(2.11g)を淡黄色の固体として得た。
【0126】
H NMR(CDCl):δ 8.30(s,1H)、8.18(d,1H)、7.71(d,1H)、7.61(t,1H)、6.70(s,1H)、2.72(s,3H)。
【0127】
C:4−クロロ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン
2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−オール(2.11g)を、オキシ塩化リン(15mL)中、4時間加熱還流した。オキシ塩化リンを減圧下で蒸発させ、残った残留物を酢酸エチル(100mL)中に溶解し、飽和塩化ナトリウム(50mL)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、生成物4−クロロ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(2.11g)を褐色オイルとして得た。
【0128】
H NMR(CDCl):δ 8.32(s,1H)、8,25(d,1H)、7.80(d,1H)、7.65(t,1H)、7.41(s,1H)、2.66(s,3H)。
【0129】
D:4−ベンジルオキシ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン
テトラヒドロフラン(20ml)中の水素化ナトリウム(630mg、鉱物油中の60%分散)の攪拌懸濁液に、0℃においてベンジルアルコール(1.09ml)を加えた。混合物を15分間攪拌し、次いでテトラヒドロフラン(14ml)中の4−クロロ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(1.6g)溶液を液滴状で加えた。反応物を室温に温めて2時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて、残った残留物をジクロロメタン(200ml)中に溶解し水(2×150ml)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下除去して粗製生成物(2.5g)を得た。シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより、生成物4−ベンジルオキシ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(1.75g)を黄色固体として得た。H NMR(CDCl):δ 8.30(s,1H)、8.19(d,1H)、7.71(d,1H)、7.58(t,1H)、7.47(d,2H)、7.39(m,3H)、6.86(s,1H)、5.48(s,2H)、2.64(s,3H)。
【0130】
E:4−ベンジルオキシ−2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン
4−ベンジルオキシ−2−メチルスルファニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(100mg)およびペルオキシモノ硫酸カリウム(490mg)を、アセトニトリル(2ml)および水(200μl)中で、室温において20時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(40ml)で希釈し、水(40ml)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて生成物4−ベンジルオキシ−2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(93mg)を得た。H NMR(CDCl):δ 8.28(s,1H)、8.25(d,1H)、7.80(d,1H)、7.68(t,1H)、7.48(d,2H)、7.41(m,3H)、7.32(s,1H)、5.59(s,2H)、3.40(s,3H)。
【0131】
F:4−ベンジルオキシ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
4−ベンジルオキシ−2−メタンスルホニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(92mg)およびシアン化ナトリウム(22mg)を、ジメチルスルホキシド(500μl)中で、室温において20分間攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタン(40ml)で希釈し、水(3×50ml)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて粗製生成物(86mg)を黄色オイルとして得た。シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより、生成物4−ベンジルオキシ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(54mg)を得た。H NMR(CDCl):δ 8.20(s,1H)、8.12(d,1H)、7.69(d,1H)、7.55(t,1H)、7.39(d,2H)、7.30(m,3H)、7.23(s,1H)、5.42(s,2H)。
【0132】
実施例16a:
4−ジエチルアミノ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0133】
【化19】

【0134】
A:4−ヒドロキシ−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル
メタノール(10ml)に、0℃において塩化チオニル(500μl)を加えた。混合物を30分間攪拌し、次いで4−ベンジルオキシ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(300mg)を加え、反応物を5時間加熱還流した。溶媒を減圧下で蒸発させて粗製生成物を得た。得られた残留物を、シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより、生成物4−ヒドロキシ−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル(104mg)を得た。
【0135】
H NMR(DMSO):δ 8.41(s,1H)、8.40(d,1H)、7.89(d,1H)、7.78(t,1H)、7.36(s,1H)、3.93(s,3H)。
【0136】
B:4−ヒドロキシ−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボン酸アミド
4−ヒドロキシ−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル(17mg)を、アンモニア水溶液(500μl)中、室温において1時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて生成物4−ヒドロキシ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボン酸アミド(17mg)を、白色固体として得た。H NMR(DMSO):δ 8.66(s,1H)、8.61(s,1H)、8.54(d,1H)、8.13(s,1H)、7.87(d,1H)、7.73(t,1H)、7.22(s,1H)。
【0137】
C:4−クロロ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
4−ヒドロキシ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボン酸アミド(340mg)を、酢酸エチル(2ml)およびオキシ塩化リン(8ml)中、4時間加熱還流した。溶媒を減圧下で蒸発させて、残った残留物を酢酸エチル(30ml)中に溶解し、飽和塩化ナトリウム(20ml)で洗浄した。有機物を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を除去して生成物4−クロロ−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(362mg)を褐色固体として得た。この生成物は、さらなる精製無しで次の段階に使用された。
【0138】
D:4−ジエチルアミノ−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
4−クロロ−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(10mg)ジメチルアミン(18μl)およびトリエチルアミン(50μl)を、アセトニトリル(500μl)中、室温において1時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した後、残留物を分取LCMSによって精製して、4−ジエチルアミノ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(2.5mg)を、白色固体として得た。
【0139】
H NMR(MeOD):δ 8.38(s,1H)、8.32(d,1H)、7.81(d,1H)、7.72(t,1H)、7.20(s,1H)、3.70(m,4H)、1.25(t,6H)。MS m/z 320.32(M+1)。
【0140】
上記で記述した手順は、適切なアミン誘導体を使用して、以下の化合物を調製するためにさらに適用された。
【0141】
16b:4−(2−ピロリジン−1−イル−エチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
H NMR(MeOD):δ 8.32(s,1H)、8.27(d,1H)、7.83(d,1H)、7.72(t,1H)、7.24(s,1H)、3.88(t,2H)、3.80(m,2H)、3.49(t,2H)、3.19(m,2H)、2.19(m,2H)、2.08(m,2H)。MS m/z 362.5(M+1)。
【0142】
16c:4−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
H NMR(MeOD):δ 8.19(s,1H)、8.08(d,1H)、7.66(d,1H)、7.53(t,1H)、6.96(s,1H)、3.89(m,2H)、3.28(t,2H)、2.85(s,6H)。MS m/z 336.3(M+1)。
【0143】
16d:4−(2−ピペリジン−1−イル−エチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
H NMR(MeOD):δ 8.32(s,1H)、8.27(d,1H)、7.82(d,1H)、7.71(t,1H)、7.23(s,1H)、3.88(t,2H)、3.70(d,2H)、3.37(t,2H)、3.02(t,2H)、1.97(d,2H)、1.83(m,3H)、1.54(m,1H)。MS m/z 376.5(M+1)。
【0144】
16i:4−(3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−プロピルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
H NMR(MeOD):δ 8.30(s,1H)、8.25(d,1H)、7.82(d,1H)、7.70(t,1H)、7.23(s,1H)、3.52(s,2H)、3.18(s,2H)、3.00(s,6H)、1.18(s,6H)。MS m/z 378.7(M+1)。
【0145】
16j:4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
H NMR(MeOD):δ 8.40(s,1H)、8.35(d,1H)、7.83(d,1H)、7.70(t,1H)、7.52(s,1H)、4.81(m,2H)、3.67(m,2H)、3.51(m,1H)、3.20(m,2H)、3.10(t,2H)、2.30(m,2H)、2.17(m,2H)、2.02(m,2H)、1.69(m,2H)。MS m/z 402.5(M+1)。
【0146】
16k:4−[メチル−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミノ]−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
H NMR(MeOD):δ 8.40(s,1H)、8.36(d,1H)、7.82(d,1H)、7.71(t,1H)、7.35(s,1H)、3.64(m,2H)、3.30(m,3H)、3.10(s,3H)、2.92(s,3H)、2.18(m,2H)、2.02(m,2H)。MS m/z 376.7(M+1)。
【0147】
16l:4−(2−ピリジン−2−イル−エチルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
H NMR(MeOD):δ 8.70(d,1H)、8.38(t,1H)、8.26(s,1H)、8.21(d,1H)、7.90(d,1H)、7.84(m,1H)、7.90(d,1H)、7.69(t,1H)、7.10(s,1H)、3.95(t,2H)、3.34(t,2H)。MS m/z 370.1(M+1)。
【0148】
16n:4[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−アミノ]−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0149】
【化20】

【0150】
H NMR(DMSO):δ 8.57(t,1H)、8.28(m,2H)、7.89(d,1H)、7.79(t,1H)、7.43(s,1H)、4.94(d,2H)。MS m/z 344.9(M−1)。
【0151】
16o:4−(カルボキシメチル−アミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
H NMR(DMSO):δ 8.28(m,2H)、8.15(m,1H)、7.88(d,1H)、7.78(t,1H)、7.43(s,1H)、4.10(d,2H)。MS m/z 323.5(M+1)。
【0152】
16p:4−(2−ジメチルアミノ−エチルスルファニル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
【0153】
【化21】

【0154】
H NMR(MeOD):δ 8.63(s,1H)、8.58(d,1H)、8.28(s,1H)、7.89(d,1H)、7.78(t,1H)、3.61(s,4H)、3.03(s,6H)。MS m/z 353.5(M+1)。
【0155】
16r:4−(カルバモイルメチル−アミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
H NMR(DMSO):δ 8.28(m,2H)、8.03(t,1H)、7.88(d,1H)、7.78(t,1H)、7.44(s,1H)、4.00(d,2H)。MS m/z 322.5(M+1)。
【0156】
実施例16s:
4−(2−ジメチルアミノメチル−ベンジルアミノ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
H NMR(MeOD):δ 8.60(s,1H)、8.55(d,1H)、8.10(d,1H)、8.00(t,1H)、7.89から7.71(m,4H)、7.51(s,1H)、5.08(s,2H)、4.89(s,2H)、3.30(s,6H)。MS m/z 412.5(M+1)。
【0157】
実施例17:
4−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0158】
【化22】

【0159】
A:3−トリフルオロメチル−4−メトキシフェニルボロン酸
3−ブロモ−6−メトキシ−ベンゾトリフルオリド(5g)を、無水THF(100ml)中に溶解し、混合物を窒素下、−78℃へと冷却した。n−BuLi(ヘキサン中の1.6M溶液12.25ml)を10分間にわたって液滴状で加えた。混合物を、−78℃において10分間攪拌した。トリイソプロピルボレート(3.87g)を一度に加え、混合物を−78℃において30分間攪拌し、その後RTに温めた。混合物を、水(50ml)および酢酸(1ml)を加えることで急冷した。混合物を蒸発してTHFを除き、次いでDCM(100ml)と水(50ml)との間に分割した。有機物を乾燥し、減圧下で蒸発させて白色固体2.1gを得た。水層を酸性化し(5M HCl;5ml)、次いで酢酸エチル(100ml)で抽出して白色固体1.9gを得た。白色固体を一緒にし、3−トリフルオロメチル−4−メトキシフェニルボロン酸4.0gを白色固体として得た。
【0160】
H NMR(MeOH):δ 8.0から7.8(m,1H)、7.25から7.1(m,2H)、3.95(s,3H)。
【0161】
B:4−[2−シアノ−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
3−トリフルオロメチル−4−メトキシフェニルボロン酸(1.5g)、4−(6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.38g)、Combiphos Pd6(142mg)、および炭酸ナトリウム(1.97g)を、トルエン(25ml)、エタノール(25ml)および水(2ml)の混合物中で攪拌し、次いで混合物を1時間加熱還流した。次いで混合物を蒸発させて、酢酸エチル(200ml)と水(200ml)との間に分割し、次いでろ過した。有機物を分離し次いで乾燥(MgSO)し、蒸発させて褐色オイル3.4gを得た。このオイルを、DMSO(50ml)中に溶解し、シアン化ナトリウム(653mg)を加え、混合物を室温において72時間攪拌した。混合物をエーテル(200ml)中に取り、次いで水(2×200ml)で洗浄した。有機物を乾燥し、減圧下で蒸発させて褐色固体2.9gを得た。シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーで精製して(10%酢酸エチル/ヘプタンから40%酢酸エチル/ヘプタン)、4−[2−シアノ−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.83gを白色固体として得た。
【0162】
H NMR(CDCl):δ 8.23(d,1H)、8.15(s,1H)、7.11(d,1H)、6.87(s,1H)、3.98(s,3H)、3.76(m,4H)、3.58(m,4H)、1.49(s,9H)。MS m/z 464.3(M+1)。
【0163】
C:4−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
4−[2−メタンスルホニル−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.73g)を、ジクロロメタン(50ml)に溶解し、TFA(3ml)を5分間にわたって液滴状で加えた。混合物を室温において30分間攪拌した。混合物を蒸発させ、次いで減圧下でクロロホルムと同時蒸発させて4−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩1.82g(96%)を白色固体として得た。H NMR(MeOH):8.38(m,2H)、7.48(s,1H)、7.33(d,1H)、4.12(m,4H)、4.01(s,3H)、3.38(m,4H)。MS m/z 364.3(M+1)。
【0164】
実施例18a:
2−{4−[2−シアノ−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−イル}−アセトアミドトリフルオロ酢酸塩
【0165】
【化23】

【0166】
4−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩(50mg)、ジイソプロピルエチルアミン(40mg)および2−ブロモアセトアミド(22mg)を、アセトニトリル(2ml)中に溶解し、混合物を65℃において一夜攪拌した。混合物を、酢酸エチル(10ml)と水(10ml)との間に分割し、有機物を乾燥し、減圧下で蒸発させて白色固体を得た。分取HPLCによって精製し、2−{4−[2−シアノ−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−1−イル}−アセトアミドトリフルオロ酢酸塩18mgを白色固体として得た。
【0167】
H NMR(MeOH):δ 8.36(m,2H)、7.45(s,1H)、7.31(d,1H)、4.08(m,4H)、8.93(s,3H)、3.80(s,2H)、3.34(m,4H)。MS m/z 421.1(M+1)。
【0168】
以下の化合物も、上記と同じ手順を使用して生成した。
【0169】
18b:4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩
H NMR(MeOH):δ 8.35(m,2H)、7.53(m,5H)、7.48(s,1H)、7.33(d,1H)、4.5−3.6(広幅 m,4H)、4.40(s,2H)、3.99(s,3H)、3.42(m,4H)。MS m/z 454.3(M+1)。
【0170】
実施例19:
4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0171】
【化24】

【0172】
A:2−[2−メタンスルホニル−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−エタノール
2−(6−クロロ−2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イルアミノ)−エタノール(0.82g)、3−トリフルオロメチル−4−メトキシフェニルボロン酸(1.24g)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(434mg)および炭酸カリウム(1.6g)を、DMF(10ml)および水(1ml)中に溶解し、混合物をCEM Discovererマイクロウェーブ中で150℃において10分間加熱した。混合物を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)との間に分割した。有機物を乾燥し、減圧下で蒸発させ、次いでシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーで処理し(ヘプタン中の20%酢酸エチルからヘプタン中の50%酢酸エチル)、放置しておくと固形化する透明オイル0.82gを得た。この固体を、アセトニトリル(15ml)および水(5ml)中に溶解し攪拌しながらオキソンを5分間にわたって分割して加えた。混合物をRTにおいて72時間攪拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、次いで酢酸エチル(100ml)と水(100ml)との間に分割した。有機物を乾燥し(MgSO)、次いで減圧下で蒸発させて2−[2−メタンスルホニル−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−エタノール0.68gを白色固体として得た。H NMR(CDCl):δ 8.10(m,2H)、7.00(d,1H)、6.86(s,1H)、6.20(bs,1H)、3.96(s,3H)、3.87(m,2H)、3.62(m,2H)、3.34(s,3H)。MS m/z 392.5(M+1)。
【0173】
B:4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
2−[2−メタンスルホニル−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−エタノール(0.68g)を、DMSO(10ml)中に溶解し、シアン化ナトリウム(0.17g)を加えた。混合物をRTにおいて48時間攪拌した。混合物を、酢酸エチル(100ml)と水(100ml)との間に分割した。有機物を乾燥し、蒸発させ、次いでシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーで処理し(DCM−DCM中の2%メタノール)、4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル420mgを白色固体として得た。
【0174】
H NMR(MeOH):δ 8.23(m,2H)、7.30(d,1H)、7.07(s,1H)、3.98(s,3H)、3.73(m,2H)、3.56(m,2H)。MS m/z 339.1(M+1)。
【0175】
実施例20:
4−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)−6−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0176】
【化25】

【0177】
4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル(150mg)を、THF(10ml)中に溶解し、デス−マーチンペルヨージナンを一度に加えた。混合物を室温において1.5時間攪拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、次いでシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーで処理し(ヘプタン中の50%酢酸エチル)、オイル状固体84mgを得た。この固体の20mgを、メタノール(1ml)および酢酸(0.1ml)中に溶解した。モルホリン(13mg)を加え、混合物を室温において30分間攪拌した。トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(24mg)を加え、混合物を室温において一夜攪拌した。混合物を蒸発させ、アセトニトリルに溶解し、次いで分取LCMSで精製して4−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−ピリミジン−2−カルボニトリルを、透明なオイルとして得た。H NMR(CDCl):δ 8.34(s,1H)、8.14(d,1H)、7.91(bs,1H)、7.09(d,1H)、6.92(s,1H)、4.04(m,4H)、3.96(m,5H)、3.53(bs,2H)、3.32(m,2H)、2.96(m,2H)。MS m/z 408.5(M+1)。
【0178】
実施例21:
4−ヒドロキシ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
mCPBA(550mg、70w/w%)を、アセトニトリル(7ml)中の2−メチルチオ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−4−オール(200mg、0.75mmol)溶液に加えた。48時間後に、NaSO(5ml、1N)溶液を加え、反応混合物を減圧下で濃縮して中間体1gを得た。無水DMSO(7.5ml)中のこの中間体238mgとシアン化ナトリウム(73mg、1.49mmol)の混合物を、80℃において32時間加熱した。溶媒を減圧下で除去した。水(2ml)を加えて残存しているNaCNを溶解した。この固体を分取HPLCで精製して、上記標題の化合物(20mg、収率10%)を得た。HPLC:100%。H NMR(DMSO−d)δ:8.44(2H,s)、7.94(1H,d)、7.80(1H,t)、7.71(1H,m)。MS m/z:266(M+1)。
【0179】
実施例22a:
4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
【0180】
【化26】

【0181】
A:2−メチルチオ−4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン
水素化ナトリウム(30mg、1.23mmol)を、無水THE(6ml)中の4−クロロ−2−メチルチオ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(187mg、0.62mmol)および1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン(120μl、0.92mmol)の混合物に加えた。混合物を40℃において2時間加熱した。冷却後、水およびtert−ブチル−メチルエーテルを加えた。水層を、tBuOMeにより2回抽出した。一緒にした有機層をMgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理(溶離剤:CHClからCHCl/MeOH95/5)し、上記標題の化合物190mgを得た(収率:78%)。
【0182】
H NMR(CDCl)δ:8.29(1H,s)、8.20(1H,d)、7.71(1H,d)、7.59(1H,m)、6.83(1H,s)、4.55(2H,m)、2.78(2H,m)、2.62(3H,s)、2.51(4H,m)、1.61(4H,m)、1.45(2H,m)。
【0183】
B:2−メタンスルホニル−4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン
HCl(720μl、EtO中2N、1.43mmol)溶液を、EtO(1ml)中の2−メチルチオ−4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(190mg、0.48mmol)溶液に加えた。溶媒を蒸発させ、沈殿物を、水(1ml)およびアセトニトリル(6ml)の混合物中に溶解した。オキソン(586mg、.96mmol)を加え、反応混合物を室温において60時間攪拌した。NaCO飽和水溶液(6ml)を加え(pH=9)、その後AcOEtを加えた。有機層を、NaSOおよび塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して上記標題の化合物184mg(収率:90%)を得、この化合物はさらなる精製無しで次の段階において使用された。
【0184】
H NMR(CDCl)δ:8.27(2H,m)、7.80(1H,d,J=7.6Hz)、7.69(1H,d,J=8Hz)、7.26(1H,s)、4.67(2H,t,J=5.6Hz)、3.42(3H,s)、2.79(2H,t,J=5.6Hz)、2.50(4H,m)、1.59(4H,m)、1.45(2H,m)。MS m/z:430(M+1)。
【0185】
C:4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
アセトニトリル(1.5ml)中の、2−メタンスルホニル−4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン(50mg、0.12mmol)およびシアン化ナトリウム(12mg、0.23mmol)と、数滴のDMSOとの混合物を、室温において18時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理(溶離剤:CHClからCHCl/MeOH95/5)し、上記標題の化合物31mgを得た(収率:70%)。HPLC:99.5%。
【0186】
H NMR(CDCl)δ:8.31(1H,br s)、8.24(1H,d,J=7.6Hz)、7.79(1H,d,J=7.6Hz)、7.66(1H,t,J=7.6Hz)、7.34(1H,br s)、4.61(2H,m)、2.81(2H,m)、2.54(4H,m)、1.63(4H,m)、1.46(2H,m)。MS m/z:377(M+1)。
【0187】
上記で記述した手順は、適切なアミン誘導体を使用して、以下の化合物を調製するためにさらに適用された。
【0188】
22b:4−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
H NMR(CDCl)δ:8.31(1H,s)、8.25(1H,d,J=8Hz)、7.80(1H,d,J=8Hz)、7.66(1H,t,J=8Hz)、7.34(1H,s)、4.62(2H,t,J=5.6Hz)、3.73(4H,m)、2.82(2H,t,J=5.6Hz)、2.59(4H,m)。MS m/z:379(M+1)。
【0189】
22c:4−(2−ジエチルアミノ−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
H NMR(CDCl)δ:8.31(1H,s)、8.23(1H,d,J=7.6Hz)、7.79(1H,d,J=8Hz)、7.66(1H,t,J=7.8Hz)、7.32(1H,s)、4.55(2H,t,J=6Hz)、2.89(2H,t,J=6Hz)、2.65(4H,q,J=7.2Hz)、1.08(6H,t,J=7.2Hz)。MS m/z:365(M+1)。
【0190】
22d:4−((2S)−1−メトキシ−ピロリジン−2−イルメトキシ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
H NMR(CDCl)δ:8.31(1H,s)、8.24(1H,d,J=8Hz)、7.79(1H,d,J=7.6Hz)、7.66(1H,t,J=7.8Hz)、7.34(1H,s)、4.47(2H,m)、3.14(1H,t,J=9Hz)、2.66(1H,m)、2.48(3H,s)、2.31(1H,m)、2.02(1H,m)、1.70から1.90(3H,m)。MS m/z:363(M+1)。
【0191】
22e:4−(2−tert−ブチルアミノ−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
H NMR(CDCl)δ:8.30(1H,s)、8.24(1H,d,J=8Hz)、7.79(1H,d,J=7.6Hz)、7.65(1H,t,J=7.8Hz)、7.33(1H,s)、4.60(2H,t,J=5.2Hz)、3.08(2H,t,J=5.4Hz)、1.20(9H,s)。MS m/z:365(M+1)。
【0192】
実施例23:
検査手順
カテプシンKの活性度:
本発明の化合物の阻害活性を、組換えヒトカテプシンKを以下のように測定することによって生体外で実証した。
【0193】
384ウェルのマイクロタイタープレートに、分析緩衝剤(100mM酢酸ナトリウム、pH5.5、5mM EDTA、5mMジチオスレイトール)中の試験化合物の100μM溶液の5μlを、10%ジメチルスルホキシド(DMSO)、プラス分析緩衝剤中の基質Z−Phe−Arg−AMC(Bachem;ジペプチドN−ベンジルオキシカルボニル−Phe−Arg−OHの7−アミド−クマリン誘導体)100μM溶液の10μl、および分析緩衝剤の25μlと共に加える。分析緩衝剤中の活性化した組換えヒトカテプシンKの1mg/l溶液10μlを、次いでウェルに加え、10μMの最終阻害剤濃度を得る。
【0194】
酵素活性は、10分間における、390nM励起を使用した440nMでの遊離アミノメチルクマリンの蛍光を測定することによって決定される。酵素活性の百分率は、この活性度を、阻害剤を含んでいない溶液の活性度と比較することで計算する。化合物は、その後活性化合物に関するIC50値を決定するために用量反応曲線分析にかけられる(ここにおいて、IC50は、酵素活性の50%の阻害をもたらす試験化合物の濃度である)。本発明の化合物は、一般的に、ヒトカテプシンKの阻害に関して、6超、好ましくは7超のpIC50(C50濃度の負の対数)を有し、最も好ましくは、例えば、実施例1、2a、2b、3、5、6、8、12、14、13、16k、16n、16o、17、22a、22b、22cなど8超のpIC50を有している。
【0195】
カテプシンSの活性度:
本発明の化合物の阻害活性を、遺伝子組換えヒトカテプシンSを以下のように測定することによって生体外で実証した。
【0196】
384ウェルのマイクロタイタープレートに、分析緩衝剤(100mM酢酸ナトリウム、pH5.5、5mM EDTA、5mMジチオスレイトール)中の試験化合物の100μM溶液の10μlを、10%ジメチルスルホキシド(DMSO)、プラス分析緩衝剤中の基質Z−Val−Val−Arg−AMC(Bachem;トリペプチドN−ベンジルオキシカルボニル−Val−Val−Arg−OHの7−アミド−クマリン誘導体)250μM溶液の20μl、および分析緩衝剤の45μlと共に加える。分析緩衝剤中の活性化した組換えヒトカテプシンSの2mg/l溶液25μlを、次いでウェルに加え、10μMの最終阻害剤濃度を得る。
【0197】
酵素活性は、20分間における、390nM励起を使用した440nMでの遊離アミノメチルクマリンの蛍光を測定することによって決定される。酵素活性の百分率は、この活性度を、阻害剤を含んでいない溶液の活性度と比較することで計算する。化合物は、その後活性化合物に関するIC50値を決定するために用量反応曲線分析にかけられる(ここにおいて、IC50は、酵素活性の50%の阻害をもたらす試験化合物の濃度である)。本発明の化合物は、一般的に、ヒトカテプシンSの阻害に関して、6超のpIC50(IC50濃度の負の対数)を有している。本発明のほとんどの化合物は、7超のpIC50を有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iを有する4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体
【化1】

[式中、
Rは、(C1−4)アルキル(1つ以上のハロゲンで場合により置換される。)、(C1−4)アルキルオキシ(1つ以上のハロゲンで場合により置換される。)およびハロゲンから独立に選択される1から3つの任意選択の置換基を表し;
Xは、NR、OまたはSであり;
は、Hまたは(C1−4)アルキルであり;
Yは、OH、(C1−4)アルキルオキシ、NR、4から8員の飽和複素環(O、SおよびNRから選択された1個または2個のヘテロ原子を含む。)、および1から4個のN原子を含む5または6員の芳香族複素環基から選択される基で置換された(C1−4)アルキル、ベンジルまたは(C2−6)アルキルであり;または
およびYは、これらが結合する窒素と一緒になって、O、S、NRおよびNOから選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む、5から8員の飽和複素環を形成し;前記環が、NRまたは1つから4つの(C1−3)アルキル基で場合により置換されており;
およびRは、独立にHまたは(C1−4)アルキルであり;または
およびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、O、SおよびNRから選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む、4から8員の飽和複素環を形成し;
はH、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキル、(C3−6)シクロアルキル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ(C1−4)アルキル、ベンジル、アミド(C1−4)アルキル、(C1−6)アルキルオキシカルボニル(C1−4)アルキルまたはカルボキシ(C1−4)アルキルである。]
または医薬として許容できるこれらの塩。
【請求項2】
Rが、4−フェニル基のメタ位におけるトリフルオロメチル置換基を表す、請求項1に記載の4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体。
【請求項3】
XがNRである、請求項1または2に記載の4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体。
【請求項4】
−4−(ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[1,4]ジアゼパン−1−イル−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[メチル−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミノ]−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−アミノ]−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[4−(2−メトキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−カルバモイルメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−[4−(2−カルボキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−シクロプロピルメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(3,3,4−トリメチル−ピペラジン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(カルボキシメチル−アミノ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル;
−4−(2−ジエチルアミノ−エトキシ)−6−(3−トリフルオロメチルフェニル)−ピリミジン−2−カルボニトリル
から選択される、式Iの4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体。
【請求項5】
治療において使用するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体。
【請求項6】
医薬として許容できる補助剤との混合物として、請求項1から4のいずれか一項の4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体、または医薬として許容できるこれらの塩を含む薬剤組成物。
【請求項7】
カテプシンKおよびカテプシンSに関連する障害、例えば、骨粗鬆症、アテローム性動脈硬化症、炎症および関節リウマチおよび慢性疼痛などの免疫障害を治療するための薬物の調製のための、請求項1から4のいずれか一項の4−フェニル−6−置換−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体の使用。

【公表番号】特表2009−508912(P2009−508912A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531697(P2008−531697)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066562
【国際公開番号】WO2007/039470
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】