説明

4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン一水和物

本発明は、ZD6474一水和物、ZD6474一水和物の調製方法、ZD6474一水和物を活性成分として含む医薬組成物、ヒトのような温血動物における抗血管新生および/または血管透過性減少効果の産生において使用するための医薬の製造におけるZD6474一水和物の使用、およびヒトのような温血動物における癌のような血管新生および/または血管透過性の増加に伴う疾病状態の治療法におけるZD6474一水和物の使用、に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ZD6474の新規な形態に関する。更に具体的には、本発明は、ZD6474一水和物、ZD6474一水和物の調製方法、ZD6474一水和物を活性成分として含む医薬組成物、ヒトのような温血動物における抗血管新生および/または血管透過性減少効果の産生において使用するための医薬の製造におけるZD6474一水和物の使用、およびヒトのような温血動物における癌のような血管新生および/または増加した血管透過性に伴う疾病状態の治療方法におけるZD6474一水和物の使用に関する。
【0002】
正常な血管新生は、胚発生、創傷治癒および雌性の性機能のいくつかの要素を含む様々な過程において重要な役割を果たす。好ましくないまたは病的な血管新生は、糖尿病性網膜症、乾癬、癌、関節リウマチ、アテローム、カポジ肉腫および血管腫を含む疾病状態に関連する(Fan et al,1995,Trends Pharmacol.Sci.16:57−66;Folkman,1995,Nature Medicine 1:27−31)。血管透過性の変化は、正常および病的な生理学的過程の両方において役割を果たす考えられる(Cullinan−Bove et al,1993,Endocrinology 133:829−837;Senger et al,1993,Cancer and Metastasis Reviews,12:303−324)。酸性および塩基性線維芽細胞増殖因子(aFGFおよびbFGF)および血管内皮増殖因子(VEGF)を含む、in vitroで内皮細胞増殖促進活性を持ついくつかのポリペプチドが同定されている。その受容体の制限された発現によって、VEGFの増殖因子活性は、FGFのそれとは対照的に、内皮細胞に対して相対的に特異的である。最近の証拠は、VEGFが、正常なおよび病的な血管新生の両方(Jakeman et al,1993,Endocrinology,133:848−859;Kolch et al,1995,Breast Cancer Research and Treatment,36:139−155)、並びに血管透過性(Connolly et al,1989,J.Biol.Chem.264:20017−20024)にとって重要な刺激物質であることを示している。抗体でVEGFを捕捉することによるVEGF作用の拮抗作用は、腫瘍の増殖を阻害することができる(Kim et al,1993,Nature 362:841−844)。
【0003】
受容体型チロシンキナーゼ(RTKs)は、細胞の細胞膜を横切る生化学的シグナルの伝達において重要である。これらの膜貫通分子は、細胞膜中のセグメントを介して細胞内チロシンキナーゼ領域と結合した、細胞外リガンド結合領域から特徴的に構成される。リガンドの受容体への結合は、受容体およびその他の細胞内分子上のチロシン残基のリン酸化を導く、受容体関連チロシンキナーゼ活性を刺激する。チロシンのリン酸化におけるこれらの変化により、様々な細胞応答を導くシグナルカスケードが開始する。今日まで、アミノ酸配列の相同性によって定義される少なくとも19個の異なるRTKサブファミリーが同定されている。これらのサブファミリーの一つは、現時点では、fms様チロシンキナーゼ受容体、Flt−1、キナーゼ挿入領域含有受容体、KDR(Flk−1とも呼ばれる)、およびもう一つのfms様チロシンキナーゼ受容体、Flt−4によって構成される。これらの関連するRTKの二つ、Flt−1およびKDRは、VEGFに高い親和性で結合することが示されている(De Vries et al,1992,Science 255:989−991;Terman et al,1992,Biochem.Biophys.Res.Comm.1992,187:1579−1586)。VEGFの、異種細胞で発現されるこれらの受容体への結合は、細胞タンパク質のチロシンのリン酸化状態およびカルシウムフラックスの変化に関与する。
【0004】
VEGFは、血管形成および血管新生のための重要な刺激物質である。このサイトカインは、内皮細胞の増殖、プロテアーゼの発現および遊走、並びに毛細管を形成するためのその後の細胞の組織化を誘導することによって、血管発芽表現型を誘発する(Keck,P.J.,Hauser,S.D.,Krivi,G.,Sanzo,K.,Warren,T.,Feder,J.,and Connolly,D.T.,Science(Washington DC),246:1309−1312,1989;Lamoreaux,W.J.,Fitzgerald,M.E.,Reiner,A.,Hasty,K.A.,and Charles,S.T.,Microvasc.Res.,55:29−42,1998;Pepper,M.S.,Montesano,R.,Mandroita,S.J.,Orci,L.and Vassalli,J.D.,Enzyme Protein,49:138−162,1996)。更に、VEGFは、病的血管新生の特徴である超透過性の未熟な血管ネットワークの形成を促進する著しい血管透過性を誘導する(Dvorak H.F.,Detmar,M.,Claffey,K.P.,Nagy,J.A.,van de Water,L.,and Senger,D.R.,(Int.Arch.Allergy Immunol.,107:233−235,1995;Bates,D.O.,Heald,R.I.,Curry,F.E.and Williams,B.J.Physiol.(Lond.),533:263−272,2001)。
【0005】
KDR単独の活性化は、内皮細胞の増殖、遊走、および生存を含むVEGFに対する全ての主要な表現型応答、並びに血管透過性の誘導を促進するために十分であることが示されている(Meyer,M.,Clauss,M.,Lepple−Wienhues,A.,Waltenberger,J.,Augustin,H.G.,Ziche,M.,Lanz,C.,Buttner,M.,Rziha,H−J.,and Dehio,C.,EMBO J.,18:363−374,1999;Zeng,H.,Sanyal,S.and Mukhopadhyay,D.,J.Biol.Chem.,276:32714−32719,2001;Gille,H.,Kowalski,J.,Li,B.,LeCouter,J.,Moffat,B,Zioncheck,T.F.,Pelletier,N.and Ferrara,N.,J.Biol.Chem.,276:3222−3230,2001)。
【0006】
VEGFの効果を阻害する化合物は、癌(白血病、多発性骨髄腫およびリンパ腫を含む)、糖尿病、乾癬、関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、急性および慢性腎症、アテローム、動脈再狭窄、自己免疫性疾患、急性炎症、過剰な瘢痕形成および癒着、子宮内膜症、リンパ浮腫、機能障害性子宮出血および黄斑変性症を含む網膜血管の増殖に伴う眼疾患のような血管新生および/または血管透過性の増加に伴う疾病状態の治療において価値がある。
【0007】
VEGF受容体型チロシンキナーゼの阻害剤であるキナゾリン誘導体は、国際特許出願公開WO98/13354およびWO01/32651に記載されている。WO98/13354およびWO01/32651において、VEGF受容体型チロシンキナーゼ(VEGF RTK)に対する活性を保有し、一方、上皮細胞増殖因子(EGF)受容体型チロシンキナーゼ(EGF RTK)に対するある程度の活性を保有する化合物が記載されている。
【0008】
ZD6474は、4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン:
【0009】
【化1】

【0010】
である。
ZD6474は、WO98/13354の広い開示の範囲内に入り、そしてWO01/32651中で例示されている。ZD6474は、VEGF RTKの強力な阻害剤であり、そして更にEGF RTKに対してもある程度の活性を有する。ZD6474は、一日一回の経口投与後のモデルの範囲において抗腫瘍活性の広いスペクトルを発揮することが示されている(Wedge S.R.,Ogilvie D.J.,Dukes M.et al,Proc.Am.Assoc.Canc.Res.2001;42:abstract 3126)。
【0011】
WO01/32651は、ZD6474の調製を記載する。
WO01/32651の実施例2aにおいて、ZD6474の塩酸塩が調製され、そして単離される。
【0012】
WO01/32651の実施例2bにおいて、ZD6474遊離塩基が調製され、そして単離される。単離工程中で、生成物を乾燥するために硫酸マグネシウムが使用される。単離されたZD6474遊離塩基の元素分析は、これが水を含有していないことを示す。言い換えれば、単離されたZD6474遊離塩基は、無水の形態である。
【0013】
WO01/32651の実施例2cにおいて、ZD6474の塩酸塩が調製され、そして単離される。一つの側面において、単離されたZD6474の塩酸塩は、ジメチルスルホキシド中に溶解され、そして固体の炭酸カリウムの添加によって、ZD6474遊離塩基に(ジメチルスルホキシド溶液中で)変換される。ジメチルスルホキシド溶液中のZD6474遊離塩基は、無水の形態である。次いでジメチルスルホキシド溶液中のZD6474遊離塩基は、トリフルオロ酢酸の添加によってZD6474のトリフルオロ酢酸塩に変換される。
【0014】
WO01/32651の実施例2cのもう一つの側面において、ZD6474遊離塩基は、固体として単離される。まず、単離されたZD6474の塩酸塩を、塩化メチレン中に懸濁し、そして懸濁液を飽和の水性炭酸水素ナトリウムで洗浄して、塩化メチレン中のZD6474遊離塩基の溶液を得ることによって、ZD6474遊離塩基に変換する。次いでZD6474遊離塩基の塩化メチレン溶液を、硫酸マグネシウムを使用して乾燥させ、そして揮発性物質をエバポレーションによって除去する。この方法を、本出願の実施例1のように繰返し、そしてZD6474遊離塩基を、結晶の無水の形態で得る。
【0015】
したがって、WO01/32651は、ZD6474の塩酸塩およびZD6474遊離塩基の両方を開示する。WO01/32651の実施例において、固体として得られたZD6474遊離塩基は、無水の形態である。
【0016】
ZD6474の塩酸塩およびZD6474遊離塩基の無水の形態を調製するためにWO01/32651中に記載された方法は、WO03/039551、WO2004/014383、WO2004/014426、WO2004/032937、WO2004/071397およびWO2005/004870のような、ZD6474を含む組合せ療法に関連する出願公開中でも更に記載されおよび/または参照される。
【0017】
疑義の回避のために、これ以降使用される用語“ZD6474”は、特に明記しない限り、ZD6474遊離塩基を指す。
ZD6474の無水の形態は、WO01/32651に記載されている方法を使用して調製してもよい。ZD6474遊離塩基の無水の形態を調製および単離するための別の方法は、本出願の実施例2中に記載される。
【0018】
ZD6474の無水の形態は、周囲条件下では結晶の固体である。示差走査熱量(DSC)分析を、本明細書中で以下に記載される方法にしたがってZD6474の無水の形態に対して行った結果、溶融の開始温度が230℃〜240℃間にある大きくかつ鋭い吸熱を示す(図1)。DSCの開始および/またはピーク温度の値が、機械によってまたは試料によってわずかに変化してもよいので、引用された値は絶対値として解釈されるべきでないことは、理解されるであろう。
【0019】
熱重量(TGA)分析を、本明細書中で以下に記載される方法にしたがってZD6474の無水の形態に対して行った結果、溶融前に対する重量の喪失はないことを示す(図1)。これは、ZD6474の無水の形態の指標である。
【0020】
カールフィッシャー分析を、本明細書中で以下に記載される方法にしたがってZD6474の無水の形態に対して行った結果、0.01〜0.23重量%の数字を得る。これは、ZD6474の無水の形態の指標である。
【0021】
ZD6474の無水の形態は、CuKα照射を使用して測定した以下に示す2シータ値の少なくとも一つを与えることにおいて特徴づけられる:15.0°および21.4°。ZD6474の無水の形態は、図2に示すようなCuKαのX線粉末回折パターンを与えることにおいて特徴付けられる。10個の最も顕著なピークを、表1に示す。
【0022】
【表1】

【0023】
動的水蒸気吸着(DVS)分析を、本明細書中に以下に記載される方法にしたがって行った結果、ZD6474の無水の形態は非吸湿性であることを示す(図3)。95%の相対湿度において、ZD6474の無水の形態は、0.63重量%のみの水を吸収したことから、ZD6474の水和された形態への変換は起こらなかったことが示唆される。したがって、ZD6474の無水の形態は、DVSの時間尺度では動力学的に安定である。
【0024】
医薬的に活性な化合物の別の安定した形態を同定することが望ましい。医薬的に活性な化合物の別の安定した形態、例えば別の安定した結晶の形態は、商業規模の製剤および加工において好都合である。例えば、安定な結晶の形態は、製剤工程における他の形態への変換について低い危険性を提供し、これは、最終製剤の特性の予測可能性を提供する。
【0025】
本発明は、ZD6474の無水の形態と異なる形態のような、そしてある種の環境において改良された固体状態の特性を有するZD6474の別の形態の同定に関する。例えば、一つの側面において、本発明は、水性の系および/または高い湿度の環境において特に有用なZD6474の別の形態の同定に関する。
【0026】
ZD6474の別の形態の一つの例は、ZD6474の水和された形態である。WO01/32651において、そこに記載されている化合物が、例えば水和された形態のような非溶媒化された形態と同様、溶媒化された形態でも存在することができることを記述する。
【0027】
WO01/32651において、その中に記載されている特別な化合物の特別な水和物が、予期されないおよび/または利益のある特性を保有するであろうことは、どこにも記述されていない。
【0028】
我々は、ZD6474の一水和物の形態が、周囲温度および湿度においてZD6474の好都合に安定な結晶の形態であることをここで発見した。ZD6474の結晶の一水和物の形態は、水性懸濁液製剤、および/または高湿度環境のような水性の環境下での使用に特に適している。更に、ZD6474の結晶の一水和物の形態は、製造が簡単である。例えば、ZD6474のこの形態は、約30−40℃の温度で、大量の脱水を伴わずに、ラージスケール(製剤中の流動層乾燥のような)で容易に乾燥させてもよく、それは、水和の危険性を伴わずに湿式顆粒化してもよく、そしてそれは、湿度の範囲で保存しよもよい。更に、ZD6474の結晶の一水和物の調製方法は、特定の水溶性不純物の容易な除去も可能にする。
【0029】
本発明によれば、ZD6474一水和物が提供される。ZD6474一水和物は、容易に結晶化し、高度に結晶性であり、そして非吸湿性である(DVS測定による)。
結晶の形態のZD6474一水和物は、CuKα照射を使って測定された以下の2つのシータ値の少なくとも一つを与えることによって特徴付けられる:10.8°および21.0°。結晶の形態のZD6474一水和物は、実質的に図4に示すようなX線粉末回折パターンを与えることにおいて特徴付けられる。10個の最も顕著なピークを、以下の表2に示す:
【0030】
【表2】

【0031】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、少なくとも一つの特異的ピークを約2シータ=10.8°で持つX線粉末回折パターンを有する。
【0032】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、少なくとも一つの特異的ピークを約2シータ=21.0°で持つX線粉末回折パターンを有する。
【0033】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、少なくとも二つの特異的ピークを約2シータ=10.8°および21.0°で持つX線粉末回折パターンを有する。
【0034】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、特異的ピークを、約2シータ=10.8、21.0、18.4、11.9、18.9、18.1、22.1、11.4、20.1および24.0°で持つX線粉末回折パターンを有する。
【0035】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、図4に示したX線粉末回折パターンと実質的に同一のX線粉末回折パターンを有する。
【0036】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、少なくとも一つの特異的ピークを2シータ=10.8°±0.5°2シータに持つX線粉末回折パターンを有する。
【0037】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、少なくとも一つの特異的ピークを2シータ=21.0°±0.5°2シータにで持つX線粉末回折パターンを有する。
【0038】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、少なくとも二つの特異的ピークを2シータ=10.8°および21.0°で持つX線粉末回折パターンを有し、ここにおいて、前記の値は、±0.5°2シータにあってよい。
【0039】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、特異的ピークを2シータ=10.8、21.0、18.4、11.9、18.9、18.1、22.1、11.4、20.1および24.0°に持つX線粉末回折パターンを有し、ここにおいて、前記の値は、±0.5°2シータにあってよい。
【0040】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、少なくとも一つの特異的ピークを、2シータ=10.8°に持つX線粉末回折パターンを有する。
【0041】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、少なくとも一つの特異的ピークを、2シータ=21.0°に持つX線粉末回折パターンを有する。
【0042】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、少なくとも二つの特異的ピークを、2シータ=10.8°および21.0°に持つX線粉末回折パターンを有する。
【0043】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、特異的ピークを、2シータ=10.8、21.0、18.4、11.9、18.9、18.1、22.1、11.4、20.1および24.0°に持つX線粉末回折パターンを有する。
【0044】
本発明によれば、結晶の形態のZD6474一水和物が提供され、ここにおいて、一水和物は、図4に示されたX線粉末回折パターンを有する。
結晶の形態のZD6474一水和物をX線粉末回折ピークで定義している前の段落において、ピークの正確な位置(即ち、引用された2シータの角の値(angle values))を示すために、表現「約2シータ=・・・で」の中で使用される、用語「約・・・で」は、絶対値として解釈されるべきではない。なぜなら、当業者によって認識されるものであるように、ある機械と別の機械の間で、ある試料と別の試料との間で、または使用された測定条件の僅かな変化の結果として、ピークの正確な位置は、僅かに変化するかもしれないからである。一つに態様において、約2シータ=10.8°は、2シータ=10.8±0.5°を、別の態様において、2シータ=10.8±0.2°を、そして更なる態様において、2シータ=10.8±0.1°を意味する。前の段落において、結晶の形態のZD6474一水和物が、図4に示したX線粉末回折パターンと、“実質的に”同一のX線粉末回折パターンを与えることも記述される。この文脈における用語“実質的に”の使用は、ある機械と別の機械の間で、ある試料と別の試料の間で、または使用される測定条件の僅かな変化の結果として、X線粉末回析パターンの2シータ角の値が僅かに変化するかもしれないことを示すことも意図されており、したがって、図に示されたピークの位置は、やはり絶対値として解釈されるべきではないことが認識されるべきである。
【0045】
DSC分析(詳細は本明細書中で以下に与えられる)を、ZD6474一水和物に対して行った結果、50℃〜120℃の間に開始温度を持つ脱水による大きく幅広な吸熱(ZD6474の無水の形態を製造するための)、並びに230℃〜240℃の間に開始温度を持つZD6474の無水の形態の溶融による大きく狭い吸熱を示す(図5)。
【0046】
TGA分析(詳細は本明細書中で以下に与えられる)を、ZD6474一水和物に対して行った結果、69℃〜111℃間で約3.7%の重量喪失を示し(図5)、これは、ZD6474一水和物からの水和水の喪失分に相当する。TGAの温度の値が、ある機械と別の機械の間で、またはある試料と別の試料の間で僅かに変化してもよいものであり、したがって、引用された値が絶対値として解釈されるべきでないことが理解されるであろう。
【0047】
カールフィッシャー分析(詳細は本明細書中で以下に与えられる)を、ZD6474一水和物に対して行って、そして約3.9%の数字を得て、これは、全ての重量喪失が水の喪失によることを示唆する。当業者が認識するものであるように、ZD6474一水和物中の水の重量パーセントは、3.65%である。
【0048】
動的水蒸気吸着(DVS)分析(詳細は本明細書中で以下に与えられる)を、ZD6474一水和物に対して行って、そしてZD6474一水和物が非吸湿性であることが示される(図6)。DVS分析は、ZD6474一水和物が、25℃および0%相対湿度における乾燥中に、ZD6474の無水の形態に実質的に変換されないこと(5%より少ない)を示す。25℃で0%相対湿度におけるZD6474一水和物の保存における重量変化のパーセントのプロット(図7)は、一旦表面の水分が除去されると、重量喪失の速度が極端に遅くなることを示す。40℃で0%相対湿度におけるZD6474一水和物の保存における重量変化のパーセントのプロット(図8)は、この温度における、より速い重量喪失の速度を示しているが、この環境における水和された化合物としてなお驚くほど遅い。したがって、ZD6474一水和物は、DVSの時間尺度において動力学的に安定である。
【0049】
スラリーの実験を、本出願の実施例3に記載したように(そしてZhu,H.J.,Yuen,C.,Grant,D.J.W.,Int.J.Pharm.,(1996)135(1,2)151−160中に記載されているように)、ZD6474一水和物が最も安定な結晶の形態で存在する条件を同定するために行った。これらの実験は、25℃において、ZD6474の無水の形態が、相対湿度30%以下で、熱力学的に安定な形態であることを示す。25℃において、ZD6474一水和物は、相対湿度40%以上で、熱力学的に安定な形態である。したがって、25℃および相対湿度50%において、ZD6474一水和物は最も安定した形態である。
【0050】
本発明がZD6474一水和物の結晶の形態に関する、と記述されている場合、結晶化度の程度は、都合よくは約60%より大きく、更に好都合には約80%より大きく、好ましくは約90%より大きく、そして更に好ましくは約95%より大きい。最も好ましい結晶化度の程度は、約98%より大きい。
【0051】
疑義の回避のために、用語“周囲条件”によって、我々は、周囲温度および湿度を意味する。用語“周囲温度”によって、我々は、15〜30℃の範囲の温度、特に約25℃の温度を意味する。用語“周囲湿度”によって、我々は、約45〜60%の相対湿度を意味する。用語“相対湿度”によって、我々は、空気が飽和された場合に存在する水分の量に対する、大気中に存在する水分の量(%)を意味する。当業者によって認識されるものであるように、相対湿度は、水分含有量および温度の関数である。
【0052】
ZD6474一水和物の結晶の形態は、図4に示すX線粉末回折パターンと実質的に同一のX線粉末回折パターンを与え、そして表2に示す10個の最も顕著なピーク(角度2シータ値)を実質的に有する。X線粉末回折パターンの2シータ値が、ある機械と別の機械の間で、または、ある試料と別の試料との間で僅かに変化してもよく、したがって引用された値が、絶対的と解釈されるべきではないことは理解されるであろう。
【0053】
測定条件(使用する装置または機械のような)に依存して、一つまたはそれ以上の測定変動を有するX線粉末回折パターンが得られてもよいことは、知られている。特に、X線粉末回折パターンの強度が、測定条件(例えば好ましい配向)に依存して変動してもよいことが一般的に知られている。したがって、本発明のZD6474一水和物の形態が、図4に示すX線粉末回折パターンと同一のX線粉末回折パターンを与える結晶に制約されず、そして図4に示すものと実質的に同一のX線粉末回折パターンを与えるいずれの結晶も、本発明の範囲内であることは理解されるべきである。X線粉末回折の技術分野に属する当業者は、X線粉末回折パターンの実質的な同一性を判断することが可能である。
【0054】
X線粉末回折の技術分野に属する当業者は、ピークの相対強度が、例えば、試料の分析に影響を与え得る、30ミクロンより大きい粒子および非統一性の縦横比によって影響され得ることを認識するであろう。当業者は、反射の位置が、回折計中に位置する試料の正確な高さおよび回折計のゼロ校正によって影響され得ることを更に認識するであろう。また、試料の表面の平面性も小さな影響力を有する。したがって、与えられた回折パターンのデータは、絶対値として解釈されるべきではない(Jenkins,R & Snyder,R.L.‘Introduction to X−Ray Powder Diffractometry’John Wiley & Sons 1996;Bunn,C.W.(1948),Chemical Crystallography,Clarendon Press,London;Klug,H.P.& Alexander,L.E.(1974),X−Ray Diffraction Procedures)。
【0055】
一般的に、X線粉末回折法の回折角の測定誤差は、±0.5° 2シータまたはそれより小さく、例えば±0.2° 2シータ或いは理想的には±0.1° 2シータであり、そして測定誤差のそのような程度は、図2および4のX線粉末回折パターンを考察する時、そして表1および2を解釈する時、に考慮されるべきである。更に、強度が、実験条件および試料調製(例えば好ましい配向)に依存して変動しうることは理解されるべきである。
【0056】
疑義の回避のために、用語“ZD6474遊離塩基”は、それぞれの及びあらゆる形態のZD6474遊離塩基を指し、一方“ZD6474無水物”は、ZD6474遊離塩基の特定の無水の形態を指し、そして“ZD6474一水和物”は、ZD6474遊離塩基の特定の一水和物の形態を指す。
【0057】
本発明の更なる側面によれば、医薬的に受容可能な賦形剤または担体と共同して、本明細書中で先に定義したZD6474一水和物を含む医薬組成物が提供される。
組成物は、経口投与、(例えば錠剤、ロゼンジ、硬質または軟質カプセル、水性または油性懸濁液、乳液、分散性粉末または顆粒、シロップまたはエリキシルとして)、吸入による投与(例えば微細に分割された粉末または液体エアゾールとして)、通気による投与(例えば微細に分割された粉末として)、非経口注射(例えば静脈内、皮下、筋肉内、血管内または注入投与のための滅菌溶液、懸濁液或いは乳液として)、局所投与(例えばクリーム、軟膏、ゲル、或いは水性または油性溶液若しくは懸濁液として)、または直腸投与(例えば座薬として)のために適した形態であってもよい。好ましくは、ZD6474一水和物は、経口的に投与される。一般的に、上記の組成物は、慣用的な賦形剤を使用した慣用的な方法で調製してもよい。
【0058】
本発明の組成物は、好都合には単位剤形で与えられる。ZD6474一水和物は、温血動物の身体面積1平方メートル当り10〜500mgの範囲の単位投与で、例えばヒトにおいて約0.3〜15mg/kgで、通常、温血動物に投与されるであろう。単位薬量の範囲は、例えば、0.3〜15mg/kg、例えば0.5〜5mg/kgの範囲が想定され、そしてこれは、通常治療的に有効な投与量である。錠剤またはカプセルのような単位投与剤形は、通常例えば25〜500mgの活性成分を含有すであろう。好ましくは、0.5〜5mg/kgの範囲での日量が使用される。特定の疾病状態の治療的または予防的処置のために必要な投与量の規模は、治療される宿主、投与の経路および治療される病気の重度によって必然的に変化するであろう。したがって、いずれかの特定の患者を治療している医師が、最適投与量を決定してもよい。
【0059】
本発明の更なる側面によれば、治療によるヒトまたは動物の身体の処置方法において使用するための、本明細書中で先に定義したZD6474一水和物が提供される。
本発明の更なる特徴は、医薬として使用するための、本明細書中で先に定義したZD6474一水和物であり、都合よくはヒトのような温血動物における抗血管新生および/または血管透過性の減少効果を産生するための医薬として使用するための、本明細書中で先に定義したZD6474一水和物である。
【0060】
したがって、本発明の更なる側面によれば、ヒトのような温血動物における抗血管新生および/または血管透過性の減少効果の産生において使用するための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したZD6474一水和物の使用が提供される。
【0061】
本発明の更なる特徴によれば、ヒトのような温血動物における抗血管新生および/または血管透過性の減少効果を産生するための方法であって、このような治療を必要とする前記動物に、有効量の本明細書中で先に定義したZD6474一水和物を投与することを含む方法が提供される。
【0062】
ZD6474一水和物は、抗血管新生および/または血管透過性減少剤であり、そして単独の療法として適用してもよいし、或いはZD6474一水和物に加えて、一つ以上の他の物質および/または治療を含んでもよい。このような連合治療は、治療の個々の成分の同時、連続または別個投与によって達成してもよい。内科的腫瘍学の分野において、癌患者それぞれを治療するために、異なった治療形態の組合せを使用することは、通常の実務である。内科的腫瘍学において、このような連合治療のZD6474一水和物以外の他の要素(諸要素)は、外科手術、放射線療法または化学療法であってもよい。このような化学療法は、治療剤の以下の三つの主要なカテゴリーを含んでもよい:
(i)血管内皮増殖因子の影響を阻害するもののような、他の抗血管新生剤(例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ[アバスチンTM]、および本明細書中で先に定義したものとは異なった機構によって働くもの(例えばリノマイド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤およびアンジオスタチン、ラゾキシン、サリドマイド)、および血管標的剤(例えばリン酸コンブレタスタチン、並びに国際特許出願WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434およびWO02/08213中に開示される化合物、並びにその文書の全ての開示が本明細書中に参考文献として援用される国際特許出願WO99/02166中に記載される血管損傷剤(例えばN−アセチルコルチノール(acetylcolchinol)−O−リン酸))を含む);
(ii)抗エストロゲン剤(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン);エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えばフルベストラント)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタン)、抗プロゲストーゲン剤、抗アンドロゲン剤(例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば酢酸ゴセレリン、リュープロリド、ブセレリン)、5α−レダクターゼの阻害剤(例えばフィナステリド)のような細胞増殖抑制剤、抗浸潤剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤およびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤)、並びに増殖因子機能の阻害剤(このような増殖因子は、例えば血小板由来増殖因子および肝細胞増殖因子を含む)、このような阻害剤は、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツズマブ[ハーセプチンTM]および抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)および6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033)のようなEGFRファミリーのチロシンキナーゼ阻害剤)およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤);並びに
(iii)代謝拮抗剤(例えばメトトレキセートのような抗葉酸拮抗剤、5−フルオロウラシルのようなフルオロピリミジン、テガフール、プリン、およびアデノシン類似体、シトシンアラビノシド);抗腫瘍性抗生物質(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシンおよびイダルビシンのようなアントラサイクリン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、およびミトラマイシン);白金誘導体(例えばシスプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えばナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、チオテパ);抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビンのようなビンカアルカロイド、並びにタキソール、タキソテールのようなタキソイド);トポイソメラーゼ阻害剤(例えばエトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン、カンプトテシン、そして更にイリノテカン);更に酵素(例えばアスパラギナーゼ);並びにチミジル酸シンターゼ阻害剤(例えばラルチトレキセド)のような、内科的腫瘍学において使用されるような抗増殖性/抗悪性腫瘍剤およびこれらの組合せ;
を包含してもよく、そして化学療法剤の更なる種類は:
(iv)生物学的応答調節因子(例えばインターフェロン);
(v)抗体(例えばエドレコロマブ);
(vi)アンチセンス療法、ISIS2503、抗rasアンチセンスのような上記に収載した標的に向けられるもの;
(vii)例えば異常p53或いは異常BRCA1またはBRCA2のような異常遺伝子を置換えるアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌性ニトロレダクターゼ酵素を使用するもののようなGDEPT(遺伝子特異的酵素プロドラッグ療法)アプローチ、および多剤耐性遺伝子療法のような化学療法または放射線療法に対する患者の許容性を増加させるアプローチを含む遺伝子療法的アプローチ;並びに
(viii)例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子のようなサイトカインによるトランスフェクションのような患者の腫瘍細胞の免疫原性を増加するためのex−vivoおよびin−vivoアプローチ、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、サイトカインでトランスフェクトされた樹状細胞のようなトランスフェクトされた免疫細胞を使用するアプローチ、サイトカインでトランスフェクトされた腫瘍細胞系を使用するアプローチおよび抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチを含む免疫療法アプローチ;
を含む。
【0063】
例えば、このような連合治療は、本明細書中で先に定義したZD6474一水和物およびN−アセチルコルチノール−O−リン酸(WO99/02166の実施例1)のような、WO99/02166に記載されている血管標的剤の、同時、連続または別個投与によって達成してもよい。
【0064】
WO01/74360から、抗血管新生剤を、抗高血圧剤と組合せることができることが知られる。本発明のZD6474一水和物も、更に抗高血圧剤と組合わせて投与することができる。抗高血圧剤は、血圧を低下させる薬剤である(例えば、本明細書中に参照により援用されるWO01/74360を参照されたい)。
【0065】
したがって、本発明によれば、有効な量の本明細書中で先に定義したZD6474一水和物および抗高血圧剤の組合せの、ヒトのような温血動物への投与を含む、血管新生を伴う疾病状態の治療の方法が提供される。
【0066】
本発明の更なる特徴によれば、ヒトのような温血動物における、血管新生を伴う疾病状態の治療のための医薬の製造において使用するための、本明細書中で先に定義したZD6474一水和物および抗高血圧剤の組合せの使用が提供される。
【0067】
本発明の更なる特徴によれば、ヒトのような温血動物における、血管新生を伴う疾病状態の治療のための、本明細書中で先に定義したZD6474一水和物および抗高血圧剤を含む医薬組成物が提供される。
【0068】
本発明の更なる側面によれば、ヒトのような温血動物における、抗血管新生および/または血管透過性減少効果を産生するための方法が提供され、これは、有効な量の本明細書中で先に定義したZD6474一水和物および抗高血圧剤を、前記の動物に投与することを含む。
【0069】
本発明の更なる側面によれば、ヒトのような温血動物における、抗血管新生および/または血管透過性減少効果を産生するための医薬の製造のための、本明細書中で先に定義したZD6474一水和物および抗高血圧剤の組合せの使用が提供される。
【0070】
好ましい抗高血圧剤は、カルシウムチャネルブロッカー、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(A−IIアンタゴニスト)、利尿剤、ベータ−アドレナリン受容体ブロッカー(β−ブロッカー)、血管拡張剤およびアルファ−アドレナリン受容体ブロッカー(α−ブロッカー)である。特別な抗高血圧剤は、カルシウムチャネルブロッカー、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(A−IIアンタゴニスト)およびベータ−アドレナリン受容体ブロッカー(β−ブロッカー)であり、特にカルシウムチャネルブロッカーである。
【0071】
先に記述したように、ZD6474一水和物は、その抗血管新生および/または血管透過性低下効果のために興味あるものである。ZD6474一水和物は、癌、糖尿病、乾癬、関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、リンパ浮腫、急性および慢性腎症、アテローム、動脈再狭窄、自己免疫性疾病、急性炎症、過剰な瘢痕形成および癒着、子宮内膜症、機能障害性子宮出血、および加齢性黄斑変性症を含む網膜血管の増殖に伴う眼病を含む広い範囲の疾病状態において有用であることが予測される。癌は、いずれの組織に影響する場合があり、そして白血病、多発性骨髄腫およびリンパ腫を含む。特に本発明のこのような化合物は、例えば結腸、乳房、前立腺、肺および皮膚の原発性および再発性固形腫瘍の増殖を、好都合に遅延することが予測される。更に特に、この本発明のような化合物は、白血病、多発性骨髄腫およびリンパ腫を含むVEGFに伴ういずれの形態の癌を、そして更に例えば、VEGFに伴う原発性および再発性固形腫瘍、特に、例えば結腸、乳房、前立腺、肺、脳 外陰部および皮膚のある種の腫瘍を含むその増殖並びに伝播がVEGFに有意に依存する腫瘍の増殖を、阻害することが予測される。
【0072】
その治療薬における使用に加えて、本明細書において定義されたZD6474一水和物は、更に新しい治療剤のための探求の一部としての、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラットおよびマウスのような実験室動物におけるVEGF受容体型チロシンキナーゼ活性の阻害剤の効果の評価のためのin vitroおよびin vivoの試験系の開発および標準化における薬理学的道具としても有用である。
【0073】
WO01/32651に記載され、そしてZD6474を試験するために使用されたアッセイは、以下のとおりである:
(a)In vitroの受容体型チロシンキナーゼ阻害試験
このアッセイは、試験化合物のチロシンキナーゼ活性を阻害する能力を決定する。VEGFまたは上皮細胞増殖因子(EGF)受容体の細胞質領域をコードするDNAは、全遺伝子合成(Edwards M,International Biotechnology Lab 5(3),19−25,1987)またはクローニングによって得ることができる。次いでこれらを、適した発現系中で発現して、チロシンキナーゼ活性を持つポリペプチドを得ることができる。例えば、昆虫細胞中の組換えタンパク質の発現によって得られたVEGFおよびEGF受容体細胞質領域は、本来のチロシンキナーゼ活性を示すことが見出された。VEGF受容体Flt(Genbank受託番号X51602)の場合、Shibuyaら(Oncogene,1990,5: 519−524)によって記載された、メチオニン783に始まり終結コドンを含む細胞質領域の殆んどをコードする1.7kbのDNA断片を、cDNAから単離し、そしてバキュロウイルストランスプラントベクター(例えばpAcYM1(The Baculovirus Expression System:A Laboratory Guide,L.A.King and R.D.Possee,Chapman and Hall,1992を参照されたい)またはpAc360或いはpBlueBacHis(Invitrogen Corporationから入手可能))にクローンした。この組換えコンストラクトを、ウイルスDNA(例えばPharmingen BaculoGold)と共に昆虫細胞(例えばSpodoptera frugiperda 21(Sf21))中にコトランスフェクションして、組換えバキュロウイルスを調製した。(組換えDNA分子の構築のための方法並びに組替えバキュロウイルスの調製および使用の詳細は、標準的なテキスト、例えばSambrook et al,1989,Molecular cloning−A Laboratory Manual,2nd edition,Cold Spring Harbour Laboratory Press and O’Reilly et al,1992,Baculovirus Expression Vectors−A Laboratory Manual,W.H.Freeman and Co,New York中に見出すことができる)。アッセイにおいて使用するための他のチロシンキナーゼに対しては、メチオニン806(KDR,Genbank受託番号L04947)およびメチオニン668(EGF受容体、Genbank受託番号X00588)から出発する細胞質断片をクローンし、そして同様な方法で発現させることができる。
【0074】
cFltチロシンキナーゼ活性の発現のために、Sf21細胞を、プラーク的に純粋なcFlt組換えウイルスで、感染多重度3で感染させ、そして48時間後に回収した。回収した細胞を、氷冷のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(10mMのpH7.4のリン酸ナトリウム、138mMの塩化ナトリウム、2.7mMの塩化カリウム)で洗浄し、次いで氷冷のHNTG/PMSF(20mMのpH7.5のHepes、150mMの塩化ナトリウム、10%v/vのグリセロール、1%v/vのTriton X100、1.5mMの塩化マグネシウム、1mMのエチレングリコール−ビス(βアミノエチルエーテル)N’N’−四酢酸(EGTA)、1mMのPMSF(フェニルメチルスルホニルフルオリド);PMSFは、新しく調製したメタノール中の100mMの溶液から使用の直前に加えた)中に、1千万の細胞当り1mlのHNTG/PMSFを使用して再懸濁した。懸濁液を、10分間13,000rpmで4℃で遠心し、上清(ストック酵素)を除去し、そして小分けして−70℃で保存した。それぞれの新しいバッチのストック酵素を、酵素希釈液(100mMのpH7.4のHepes、0.2mMのオルトバナデートナトリウム、0.1%v/vのTriton X100、0.2mMのジチオトレイトール)で希釈することによってアッセイ中で滴定した。典型的なバッチのために、ストック酵素を、その1に対して酵素希釈液2000で希釈し、そして50μlの希釈酵素液をそれぞれのアッセイのウェルで使用した。
【0075】
基質溶液のストックを、チロシンを含有するランダムコポリマー、例えばポリ(Glu,Ala,Tyr)6:3:1(Sigma P3899)から調製し、PBS中で1mg/mlのストックとして−20℃で保存し、そしてプレート被覆のためにその1に対してPBS 500で希釈した。
【0076】
アッセイの1日前、100μlの希釈された基質溶液を、アッセイプレート(Nunc maxisorp 96ウェル免疫プレート)の全てのウェルに分注し、これを密封し、そして4℃で一晩放置した。
【0077】
アッセイの日、基質溶液を廃棄し、そしてアッセイプレートのウェルを、PBST(0.05%v/vのTween 20を含有するPBS)で1回、そして50mMのpH7.4のHepesで1回洗浄した。
【0078】
試験化合物を10%のジメチルスルホキシド(DMSO)で希釈し、そして25μlの希釈された化合物を、洗浄されたアッセイプレートのウェルに移した。“全”対照ウェルは、化合物の代わりに10%のDMSOを含有していた。25マイクロリットルの、8μMのアデノシン−5’−三リン酸(ATP)を含有する40mMの塩化マンガン(II)を、ATPを含まない塩化マンガン(II)を含有する“ブランク”対照ウェルを除く全ての試験ウェルに加えた。反応を開始させるために、50μlの新しく希釈した酵素をそれぞれのウェルに加え、そしてプレートを室温で20分間インキュベートした。次いで液体を廃棄し、そしてウェルを2回PBSTで洗浄した。0.5%w/vのウシ血清アルブミン(BSA)を含有するPBSTで1対6000に希釈された、100マイクロリットルのマウスIgG抗ホスホチロシン抗体(Upstate Biotechnology Inc.製品05−321)を、それぞれのウェルに加え、そしてプレートを1時間室温でインキュベートしてから、液体を廃棄し、そしてウェルを2回PBSTで洗浄した。0.5重量/容量%のBSAを含有するPBSTで1対500に希釈された、100マイクロリットルの西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)に連結したヒツジ抗マウスIg抗体(Amersham製品NXA 931)を加え、そしてプレートを1時間室温でインキュベートしてから、液体を廃棄し、そしてウェルを2回PBSTで洗浄した。50mlの新しく調製した50mMのpH5.0のリン酸−クエン酸緩衝液+0.03%の過ホウ酸ナトリウム(100mlの蒸留水当り、1個の、過ホウ酸ナトリウムを伴うリン酸−クエン酸緩衝液(PCSB)のカプセル(Sigma P4922)で製造)中の、1個の50mgのABTS錠剤(Boehringer 1204 521)を使用して、新しく調製した100マイクロリットルの2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS)溶液を、それぞれのウェルに加えた。次いで、プレート読取り分光光度計を使用して405nmで測定したときの“全”対照ウェルの光学密度値が約1.0となるまで、プレートを20−60分間室温でインキュベートした。“ブランク”(ATPなし)および“全”(化合物なし)対照の値を使用して、酵素活性を50%阻害する試験化合物の希釈範囲を決定した。
【0079】
(b)In vitroのHUVEC増殖アッセイ
このアッセイは、試験化合物の、増殖因子により刺激されたヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の増殖を阻害する能力を決定する。
【0080】
HUVEC細胞を、MCDB 131(Gibco BRL)+7.5%v/vのウシ胎児血清(FCS)中で単離し、そしてMCDB 131+2%v/v FCS+3μg/mlのヘパリン+1μg/mlのヒドロコルチゾン中、1000細胞/ウェルの濃度で96ウェルプレートに入れた(2〜8継代で)。最低4時間後、これに適当な増殖因子(即ち3ng/mlのVEGF、3ng/mlのEGFまたは0.3ng/mlのβ−FGF)および化合物を投与した。次いで培養物を、4日間37℃で7.5%の二酸化炭素でインキュベートした。4日目に、培養物を、1μCi/ウェルのトリチウム化したチミジン(Amersham製品TRA 61)でパルス標識し、そして4時間インキュベートした。細胞を96ウェルプレート回収器(Tomtek)を使用して回収し、そして次いでトリチウムの組込みをベータプレートカウンターでアッセイした。cpmで表示される放射能の細胞への組込みを使用して、化合物による増殖因子により刺激された細胞増殖の阻害を測定した。
【0081】
(c)In vivoの固形腫瘍疾病モデル
この試験は、固形腫瘍の成長を阻害する化合物の能力を測定する。
50%(v/v)マトリゲルを含む無血清培養培地100μl中の1×10のCaLu−6細胞/マウスの皮下注射によって、CaLu−6異種移植腫瘍を、メスの胸腺欠損Swiss nu/nuマウスの側腹部に確立した。細胞移植の10日後、比較可能な平均体積のグループを達成するように、マウスを8−10匹のグループに割り当てた。腫瘍をノギスを使用して測定し、そして体積を:(l×w)×√(l×w)×(π/6)として計算した。ここで、lは、最長直径であり、そしてwは、最長直径と垂直な直径である。試験化合物を、最低21日毎日1回経口投与し、そして対照マウスには、化合物の希釈液を投与した。腫瘍を週2回測定した。成長阻害のレベルを、処理グループに対する対照グループの平均腫瘍体積の比較によって計算し、そして統計的有意性をスチューデントt−検定および/またはMann−Whitney順位和検定を使用して決定した。化合物処理の阻害効果は、p<0.05である場合に、有意と考えた。
【0082】
本発明の化合物の毒物プロファイルは、例えば、本明細書中で以下に記載されるようなラットの14日の研究を使用して評価することができる。
(d)ラットにおける14日の毒性試験
この試験は、大腿骨遠位端および脛骨近位端の大腿骨骨端成長板における肥大化領域の増加における化合物の活性を測定し、そして他の組織の病理組織学的変化の評価を可能にする。
【0083】
血管新生は、長骨の伸長における軟骨内骨化に必須の現象であり、そして成長板の血管浸潤は、肥大化軟骨細胞によるVEGF産生に依存することが示唆されている。肥大化軟骨細胞領域の拡大および血管新生の阻害が、例えば(i)マウス中の可溶性VEGF受容体キメラタンパク質(Flt−(1−3)−IgG)(Gerber,H−P.,Vu,T.H.,Ryan,A.M.,Kowalski,J.,Werb,Z.and Ferrara,N.VEGF couples hypertrophic cartilage remodelling,ossification and angiogenesis during endochondral bone formation,Nature Med.,5:623−628,1999)および(ii)カニクイザル(cynomologus monky)の組換えヒト化抗VEGFモノクローナルIgG1抗体(Ryan,A.M.,Eppler,D.B.,Hagler,K.E.,Bruner,R.H.,Thomford,P.J.,Hall,R.L.,Shopp,G.M.and O’Niell,C.A.Preclinical Safety Evaluation of rhuMAbVEGF,an antiangiogenic humanised monoclonal antibody,Tox.Path.,27:78−86,1999)のようなVEGFを特異的に捕捉する薬剤による処理の後に証明されている。
【0084】
したがって、VEGF受容体型チロシンキナーゼ活性の阻害剤は、更に軟骨の血管透過も阻害し、そして成長中の動物の大腿遠位および脛骨近位端の大腿骨骨端成長板における肥大化領域を増加するはずである。
【0085】
化合物は、最初、脱イオン水中のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレートの1%(v/v)溶液中、4℃で一晩(少なくとも15時間)ボールミルによる懸濁によって調合した。化合物を、投与直前の撹拌によって再懸濁した。Young Alderley Parkラット(Wistar由来、体重135−150g、生後4〜8週、グループ当り5−6匹)に、化合物(0.25ml/100g体重で)またはベヒクルを、一日一回、連続14日間強制経口によって投与した。15日目に、ラットを、増加する濃度の二酸化炭素を使用して人道的に終結させ、そして死後処理を行った。大腿骨−脛骨関節を含む範囲の組織を収集し、そして標準的な組織学的技術によって加工して、パラフィンワックス切片を製造した。組織学的切片をヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、そして光学顕微鏡によって組織病理学の検査を行った。大腿遠位および脛骨近位端の大腿骨骨端成長板面積を、大腿骨および脛骨の切片において形態計測的画像分析によって測定した。肥大化の領域の増加を、処理グループに対する対照グループの平均骨端成長板面積の比較によって決定し、そして統計的有意性を、片側スチューデントt検定を使用して決定した。化合物処理の阻害効果は、p<0.05である場合に、有意であると考えた。
【0086】
WO01/32651中に開示されているように、上記(a)、(b)、(c)および(d)によって試験されたZD6474(WO01/32651の実施例2に記載されている方法によって調製)は、以下の結果:
(a)1.6μMのFlt−IC50
0.04μMのKDR−IC50
0.5μMのEGFR−IC50
(b)0.06のVEGF−IC50
0.17μMのEGF−IC50
>3μMの基底−IC50
(c)50mg/kgにおける腫瘍成長の78%阻害;p<0.001(Mann−Whitney順位和検定);
(d)メスのラットにおける100mg/kg/日における骨端増殖板肥大化の75%増加;p<0.001(片側スチューデントt検定);
を与えた。
【0087】
本明細書中で先に定義したZD6474一水和物は、化学的に関連する化合物の調製に適用可能であることが知られているいずれの方法によって調製してもよい。このような方法は、本発明の更なる特徴として提供され、そして本明細書中で以下に記載される。必要な出発物質は、有機化学の標準的な方法によって得てもよい。ZD6474の無水の形態は、WO01/32651に記載されている方法のいずれによって調製してもよく、特にWO01/32651の実施例2bおよび2cを参照されたい。別の方法として、必要な出発物質は、有機化学者にとって通常の技術の範囲内である、例示されたものと類似の方法によって得ることが可能である。
【0088】
以下の方法は、本発明の更なる特徴を構成する。
ZD6474一水和物の合成
(a)このような方法は、本発明の更なる側面を提供し、そして例えば:
(i)ZD6474遊離塩基を水性有機溶媒混合物中に溶解して、溶液を形成し;
(ii)自発的結晶化が起こることを可能にし;そして
(iii)このようにして形成された結晶の固体を単離すること;
の工程を含む。
【0089】
(b)別のこのような方法は、本発明の更なる側面を提供し、そして例えば:
(i)ZD6474遊離塩基を水性有機溶媒混合物中に溶解して、溶液を形成し;
(ii)ZD6474一水和物の種結晶を加えて、ZD6474一水和物の結晶化を開始させ;そして
(iii)このようにして形成された結晶の固体を単離すること;
の工程を含む。
【0090】
上記の(a)および(b)の(i)の部分のために、使用される有機溶媒は、いずれの非溶媒和溶媒でもよい。用語“非溶媒和溶媒”によって、我々は、ZD6474と結晶溶媒和物を形成しない溶媒を意味する。更に具体的には、有機溶媒は、約0.4〜1.0、特に約0.5〜0.95の水分活性を与えるような量の水を含む。用語“水分活性”によって、我々は、基質が、特定の相対湿度における周囲の大気と平衡にある場合に存在量の少数としての、基質(例えば溶媒)中の利用可能な水を意味する。言い換えれば、基質の周囲の70%の平衡相対湿度は、基質が、0.70の水分活性を有することを意味する。例えば、上記の(a)および(b)の(i)の部分に関して、有機溶媒は、テトラヒドロフランのようなエーテルでもよい。特に、テトラヒドロフランは、5〜10容量%、特に10%の水を含有して、水性有機溶媒混合物を提供してもよい。言い換えれば、混合物は、95〜90容量%、特に90%のテトラヒドロフラン、および5〜10容量%、特に10%の水を含有してもよい。
【0091】
(a)および(b)の(i)の部分のために、混合物を、必要な場合、溶解が起こるまで加熱還流してもよい。別の方法として、混合物を、実質的に全ての固体物質の溶解が起こることを条件として、例えば溶媒混合物の還流温度より低い温度で加熱してもよい。少量の不溶性物質を、温めた混合物の濾過によって除去してもよいことは、認識されるものであろう。
【0092】
上記の(a)および(b)において、そのようにして形成された結晶の固体は、いずれの慣用的な方法、例えば濾過によって単離してもよい。次いで単離された結晶の固体は、乾燥させてもよい。例えば、結晶の固体を加湿せずに乾燥する場合、適した乾燥温度は、約20〜30℃、特に約25℃である。結晶の固体が加湿を伴って乾燥される場合、乾燥温度は、約30〜50℃、特に約40℃である。
【0093】
本発明は、本明細書中で以下に、次の限定されない実施例、データおよび図によって例示され、ここでは、他に記述しない限り:−
(i)エバポレーションは、真空中でロータリーエバポレーターによって行い、そしてワークアップ手順は、乾燥剤のような残留固体の濾過による除去後に行った;
(ii)収率は、例示のみのために与えられ、そして必ずしも達成し得る最大値ではない;
(iii)融点は、未補正であり、そしてMettler DSC820eを使用して決定した;
(iv)最終生成物の構造は、核(一般的にプロトン)磁気共鳴(NMR)および質量スペクトル技術によって確認した;プロトン磁気共鳴の化学シフト値は、デルタスケールで測定され、そしてピーク多重度は、次のように示される:s,シングレット;d,ダブレット;t,トリプレット;m,マルチプレット;br,ブロード;q,カルテット;quin,クインテット;全ての試料を、示した溶媒中でBruker DPX400MHzで、300Kで、16スキャン、10秒のパルス繰返し時間で行った;
(v)中間体は、一般的に完全には特徴づけされず、そして純度は、NMR分析によって評価した;そして
(vi)以下の略語:
RH 相対湿度
THF テトラヒドロフラン
IPA イソプロパノール
DMSO ジメチルスルホキシド
DSC 示差走査熱量測定法
TGA 熱重量分析
v/v 容量/容量比
w/w 重量/重量比
を使用した。
【0094】
実施例1:WO01/32651の実施例2cのZD6474遊離塩基の単離工程の繰返し
上記で議論したように、WO01/32651の実施例2cにおいて、ZD6474遊離塩基は、固体として単離されている。WO01/32651の実施例2cにおいて、ZD6474の塩酸塩は、塩酸塩を塩化メチレン中に懸濁し、そして懸濁液を飽和水性炭酸水素ナトリウムで洗浄して、塩化メチレン中にZD6474遊離塩基の溶液を得ることによってZD6474遊離塩基に変換されている。次いでZD6474遊離塩基の塩化メチレン中の溶液を、硫酸マグネシウムを使用して乾燥し、そして揮発性物質をエバポレーションによって除去している。
【0095】
本出願のこの実施例において、WO01/32651の実施例2cの単離工程を、ZD6474遊離塩基の塩化メチレン中の溶液(水洗される)が得られた段階から繰返した。当業者が認識するものであるように、ZD6474遊離塩基の塩化メチレン中の溶液を調製するための単離工程に先だって使用された工程は、特定の単離工程によって得られるZD6474の形態と無関係である。更に、いずれの中和工程(諸工程)も、得られるZD6474の形態に影響しない。
【0096】
ZD6474(250.5mg)の試料を、Wheatonの使い捨てガラス製シンチレーションバイアル中に入れ、そしてジクロロメタン(10ml)を加えた。バイアルに蓋をし、そして混合物を10分間穏やかに回転させて、固体を溶解した。次いで水(5ml)を溶液に加え、そして混合物を30秒間激しく振盪した。混合物を2分間静置させ、そして次いでジクロロメタン層をガラス製ピペットで除去し、そして別のガラス製シンチレーションバイアルに入れた。硫酸マグネシウムを溶液に加え、そして混合物を回転させて、固体を十分に分散させた。固体がもはや一緒に凝集せず、掻き回すことによって微細な分散物が形成されるまで、硫酸マグネシウムの添加を継続した。混合物を一晩静置した。次いで硫酸マグネシウムを濾過によって除去し、そしてジクロロメタン(1ml)で洗浄した。濾液および洗浄液をあわせ、そしてエバポレーションして、微細な白色の結晶の固体を得た。次いでこの物質をXRPDによって(本明細書中で以下に記載される方法によって)分析した。XRPDの波形(図9)は、物質がZD6474の無水の形態であることを示す(図2参照)。当業者が認識するように、ピークの高さのいずれの差も、好ましい結晶配向によるものである。
【0097】
実施例2:ZD6474無水物の調製
ZD6474遊離塩基を、WO01/32651の実施例2bに記載されている方法によって調製した。ZD6474遊離塩基(10g)を、テトラヒドロフラン(50ml)、水(25ml)および酢酸n−ブチル(40ml)中に懸濁し、そして懸濁物を加熱還流して、溶液を得た。水相を分離し、そして有機相を濾過し、そしてテトラヒドロフラン(5ml)で洗浄した。酢酸n−ブチル(60ml)を加え、そして混合物を、106℃の内容物温度が達成されるまで常圧で蒸留した。得られたZD6474のスラリーを冷却し、そして固体を濾過によって単離し、酢酸エチル(20ml)で洗浄し、そして乾燥させて、ZD6474無水物(9.2g、92%)を得た;NMRスペクトル(ピリジン−d5)1.49(2H,m),1.75−1.90(5H,m),2.15(3H,s),2.76(2H,m),3.63(3H,s),3.97(2H,d),7.38(1H,ddd),7.49(1H,dd),7.64(1H,s),7.88(1H,t),7.89(1H,s),9.01(1H,s),10.37(1H,s);質量スペクトル MH 475。
【0098】
実施例3:ZD6474の異なった相対湿度において最も適した形態を探求するための特定の水分活性における水性イソプロパノール中のスラリー実験
ZD6474無水物(50mg)およびZD6474一水和物(50mg)を、0.3、0.4および0.5の水分活性(それぞれ30%相対湿度、40%相対湿度および50%相対湿度に対応)を有する異なった比のイソプロパノール/水中で、24時間かけて25℃でスラリー化した。次いで得られた物質を濾過して取出し、そして空気乾燥させた。これらの実験は、25℃において、ZD6474無水物は、≦30%相対湿度において熱力学的に安定形態であり、そしてZD6474一水和物は、≧40%相対湿度において熱力学的に安定な形態であることを示した。
【0099】
実施例4:ZD6474一水和物の調製
ZD6474遊離塩基を、WO01/32651の実施例2bに記載されている方法によって調製した。ZD6474遊離塩基(10.06g)を、水性テトラヒドロフラン(90%テトラヒドロフラン/10%水、v/v)に周囲温度で加えた。混合物を撹拌し、そして全ての固体が溶解するまで40℃に温めた。更なるZD6474遊離塩基(1.44g)を混合物に42℃で加え、そして混合物を20分間撹拌して、透明な溶液を得た。溶液を50℃に温め、そしてこの温度で4時間撹拌した。次いで溶液を室温に冷却し、そして12日間撹拌して、スラリーを得た。得られた固体を真空(600〜700mbar)下で濾過し、そして真空(200mbar)下の空気中で1時間乾燥させた。カールフィッシャー分析を、乾燥したZD6474生成物に対して、本明細書中で以下に記載される方法によって行い、そして3.904%の数値を得て、これは、ZD6474一水和物と一致した;NMRスペクトル(ピリジン−d5)1.49(2H,m),1.75−1.90(5H,m),2.15(3H,s),2.76(2H,m),3.63(3H,s),3.97(2H,d),7.38(1H,ddd),7.49(1H,dd),7.64(1H,s),7.88(1H,t),7.89(1H,s),9.01(1H,s),10.37(1H,s);質量スペクトル MH 475。
【0100】
実施例5:ZD6474一水和物の別の調製方法
これは、30℃に設定された温度制御されたガラス製反応容器中で調製した。容器に、無水のZD6474を入れた。これに、3相対体積のテトラヒドロフラン(安定化された)および7相対体積の純水を加えた(即ち、3リットルのTHFおよび7リットルの水が1kgのZD6474に対して使用されるものである)。内容物を撹拌して、クリーム色のスラリーを形成させた。反応のターンオーバーは、典型的には1時間以内であるが、しかし1時間後に少量のスラリーの試料を採取し、濾過し、次いで粉末XRDスペクトルを取って、これを確認することができる。固体を分割ブフナー漏斗上で濾過することによって単離した。反応容器を2相対体積の水で洗浄した。次いで反応容器の洗浄液をブフナー漏斗のフィルターケーキの置換洗浄液として使用した。更なる洗浄を、反応容器に加えた更なる2相対体積の水を使用して行い、これを再びフィルターケーキを洗浄するために使用した。
【0101】
固体を真空オーブンに移し、そして周囲温度で乾燥するまで乾燥させた。乾燥中に固体は、規則的にスラリー化した。乾燥は非常に遅く、典型的には、350gのバッチを乾燥するのに約2週間を要した。
【0102】
実施例6:ZD6474一水和物の別の調製方法
ZD6474遊離塩基を、WO01/32651の実施例2bに記載されている方法によって調製する。ZD6474遊離塩基(10.06g)を、温度制御されたガラス製反応容器中の水性テトラヒドロフラン(90%テトラヒドロフラン/10%水、v/v)に周囲温度で加える。混合物を撹拌し、そして全ての固体が溶解するまで40℃に温める。更なるZD6474遊離塩基(1.44g)を混合物に42℃で加え、そして混合物を20分間撹拌して、透明な溶液を得る。溶液をこの時点で濾過(screened)してもよい。次いで溶液を50℃に温め、そしてこの温度で4時間撹拌する。次いで溶液を室温に冷却し、そして1日間撹拌して、スラリーを得る。次いで少量のスラリーを採取し、濾過し、そして粉末XRDスペクトルを得る。XRDスペクトルが、全ての無水のZD6474が一水和物に変換されていることを示した場合、これを、以下に詳述するように単離する。XRDスペクトルが、無水のZD6474およびZD6474一水和物の混合物を示す場合、溶液を更に4時間周囲温度で、理想的には約20℃で撹拌し、そして次いで再試験する。XRDスペクトルが、主として全て無水のZD6474を示す場合、ZD6474一水和物の結晶(理論的最終収量の0.1−1重量%)を播種し、そして溶液を、更に4時間周囲温度で、理想的には約20℃で撹拌し、そして次いで再試験することができる。全ての無水のZD6474が、ZD6474一水和物に変換されるまで、この方法を繰返すことができる。
【0103】
固体は、分割ブフナー漏斗上の濾過によって単離される。反応容器を2相対体積の水で洗浄する。次いで反応容器の洗浄液を、ブフナー漏斗のフィルターケーキの置換洗浄液として使用する。更なる洗浄を、反応容器に加えた更なる2相対体積の水を使用して行い、これを再びフィルターケーキを洗浄するために使用する。
【0104】
固体を真空オーブンに移し、そして周囲温度で乾燥するまで乾燥する。乾燥中に固体は、規則的にスラリー化する。乾燥は非常に遅く、典型的には、350gのバッチを乾燥するのに約2週間を要する。
【0105】
使用した技術の詳細
X線粉末回折
【0106】
【表3】

【0107】
分析装置:Siemens D5000、石英を使用して校正。
X線粉末回折スペクトルを、結晶のZD6474物質の試料を、Siemensの単一ケイ素結晶(SSC)ウエファーのマウント上にマウントし、そして顕微鏡用スライドの補助により試料を薄層に広げることによって決定した。試料を、毎分30回転で回転させ(計数統計を改善するため)、そして1.5406オングストロームの波長を持つCuKα照射を使用する、40kVおよび40mAで操作される銅精密長焦点管によって発生するX線で照射した。視準を合わせたX線源を、V20に設定した自動可変発散スリットを通過させ、そして反射した照射を、2mmの散乱線防止スリットおよび0.2mmの検出スリットを通して導いた。試料を、シータ−シータモードにおいて2度〜40度の2シータの範囲にわたって、0.02度の2シータの増分当り(連続走査モード)1秒間暴露した。試験時間は、31分41秒であった。装置は、シンチレーションカウンターを検出器として備えていた。制御およびデータ収集は、Diffract+ソフトウェアで操作されるDell Optiplex 686 NT4.0ワークステーションによった。X線粉末回折の技術分野の当業者は、ピークの相対強度が、例えば試料の分析に影響してもよい、大きさが30ミクロンより上の粒子、および非統一性の縦横比によって影響されうることを認識するであろう。当業者は、反射の位置が、回折計中に位置する試料の正確な高さ、および回折計のゼロ校正によって影響されうることを更に認識するであろう。更に、試料の表面の平面性も小さな影響を有してもよい。したがって、与えられた回折パターンのデータは、絶対値として解釈されるべきではない。
【0108】
動的水蒸気吸着
分析装置:Surface Measurements Systemsの動的水蒸気吸着分析器、塩化ナトリウムのような飽和塩溶液で校正。
【0109】
規定された温度の石英ホルダー中に含有された約5mgの物質を、次の相対湿度(RH):0、20、40、60、80、95、80、60、40、20、0%RHで、200ml/分の窒素流量で加湿された窒素に、デュプリケートでかけた。
【0110】
特定の相対湿度における物質の重量を、これが、10分間にわたり平均された毎分当りの変化が、0.002重量%の重量基準に対して安定となるまで、in−situの秤を使用して定期的にモニターした。重量がなお変化している場合、これを、重量が安定するまで、特定の相対湿度に留めた(最大時間12時間まで)。
【0111】
示差走査熱量測定法(DSC)
分析装置:Mettler DSC820e
DSCを、熱流束(heat reflux)型DSCによって、インジウム金属を標準校正に使用して行った。典型的には、穴の開いた蓋を備えた40μlのアルミニウムパン中に含有された5mgより少ない物質を、25℃〜325℃の範囲の温度にわたって、毎分10℃の一定の加熱速度で加熱した。窒素を使用した置換ガスを使用した−毎分100mlの流量。DSCの更なる情報関しては、読者は:DSC/TGA Instrumental analysis 1986 Christian & O’Reilly,Published by Allyn and Bacon ISBN00205086853を参照されたい。
【0112】
熱重量分析(TGA)
分析装置:Mettler TG851、標準校正用分銅を使用して重量を校正。
典型的には、70μlのalox(酸化アルミニウム)坩堝中に含有された3〜12mgの物質を、25℃〜325℃の範囲の温度にわたって、毎分10℃の一定の加熱速度で加熱し、その間in−situの秤を使用して定期的に重量をモニターした。ヘリウムを使用する置換ガスを使用した−毎分50mlの流量。
【0113】
TGAの更なる情報関しては、読者は:DSC/TGA Instrumental analysis(1986)Christian & O’Reilly,Published by Allyn and Bacon ISBN00205086853を参照されたい。
【0114】
カールフィッシャー水含有率
分析装置:Mitsubishi水分計CA−05
典型的には、約50mgの物質を使用した。
【0115】
カールフィッシャー水含有率の測定の更なる情報に関しては、読者は:Fundamentals of Analytical Chemistry(1996)by Skoog,West and Holler published by Brooks/Cole ISBN0−03−005938−0を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】図1は、温度℃を横軸に、そして熱流量/%重量喪失を縦軸にプロットしたZD6474無水物のDSCおよびTGAの熱記録である。上部のプロットはTGAのプロットであり、そして下部のプロットはDSCのプロットである。y軸上のTGAプロットのスケールは、グラフに示すように2mgであり、そしてy軸上のDSCプロットのスケールは、グラフに示すように10mWである。
【図2】図2は、2シータ値を横軸にプロットし、そして相対線強度(カウント数)を縦軸にプロットした、ZD6474無水物のX線粉末回折パターンである。
【図3】図3は、標的相対湿度(%)を横軸に、そして質量の変化(%)を縦軸に持つ、25℃におけるZD6474無水物のDVS等温プロットであり、ここにおいて、菱型はサイクル1の吸着を表し、四角はサイクル1の脱着を表し、三角はサイクル2の吸着を表し、そして四角は、サイクル2の脱着を表す。
【図4】図4は、2シータ値を横軸にプロットし、そして相対線強度(カウント数)を縦軸にプロットした、ZD6474一水和物のX線粉末回折パターンである。
【図5】図5は、温度℃を横軸に、そして熱流量/%重量喪失を縦軸にプロットしたZD6474一水和物のDSCおよびTGAの熱記録である。上部のプロットはTGAのプロットであり、そして下部のプロットはDSCのプロットである。y軸上のTGAプロットのスケールはグラフに示すように2mgであり、そしてy軸上のDSCプロットのスケールはグラフに示すように10mWである。
【図6】図6は、標的相対湿度(%)を横軸に持ち、そして質量の変化(%)を縦軸に持つ、25℃におけるZD6474一水和物のDVS等温プロットであり、ここにおいて、菱型はサイクル1の吸着を表し、四角はサイクル1の脱着を表し、三角はサイクル2の吸着を表し、そして四角は、サイクル2の脱着を表す。
【図7】図7は、分の時間を横軸に、そして質量の変化(初期重量の%)を縦軸に持つ、0%相対湿度および25℃におけるZD6474一水和物のDVS等温プロットである。
【図8】図8は、分の時間を横軸に、そして質量の変化(初期重量の%)を縦軸に持つ、0%相対湿度および40℃におけるZD6474一水和物のDVS等温プロットである。
【図9】図9は、2シータ値を横軸にプロットし、そして相対線強度(カウント数)を縦軸にプロットした、本出願の実施例1において形成されたZD6474無水物のX線粉末回折パターンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ZD6474一水和物。
【請求項2】
少なくとも一つの特異的ピークを約2−シータ=10.8°に持つX線粉末回折パターンを有する、結晶形態の、請求項1に記載のZD6474一水和物。
【請求項3】
少なくとも一つの特異的ピークを約2−シータ=21.0°に持つX線粉末回折パターンを有する、結晶形態の、請求項1に記載のZD6474一水和物。
【請求項4】
少なくとも二つの特異的ピークを約2−シータ=10.8°および21.0°に持つX線粉末回折パターンを有する、結晶形態の、請求項1に記載のZD6474一水和物。
【請求項5】
特異的ピークを約2−シータ=10.8、21.0、18.4、11.9、18.9、18.1、22.1、11.4、20.1および24.0°に持つX線粉末回折パターンを有する、結晶形態の、請求項1に記載のZD6474一水和物。
【請求項6】
図4に示すX線粉末回折パターンと実質的に同一のX線粉末回折パターンを有する、結晶形態の、請求項1に記載のZD6474一水和物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のZD6474一水和物を、医薬的に受容可能な賦形剤または担体と共に含む医薬組成物。
【請求項8】
(i)ZD6474遊離塩基を、水性有機溶媒混合物中に溶解して、溶液を形成し;
(ii)自発的な結晶化が起こることを可能にし;そして
(iii)このようにして形成された結晶の固体を単離すること;
を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶形態のZD6474一水和物の調製方法。
【請求項9】
前記水性有機溶媒混合物が、90容量%のテトラヒドロフランおよび10容量%の水を含む、請求項8に記載の結晶形態のZD6474一水和物の調製方法。
【請求項10】
ヒトのような温血動物における抗血管新生および/または血管透過性減少効果の産生において使用するための医薬の製造における、請求項1〜6のいずれか1項に記載のZD6474一水和物の使用。
【請求項11】
ヒトのような温血動物において抗血管新生および/または血管透過性減少効果を産生するための方法であって、そのような治療を必要とする前記動物に、有効な量の請求項1〜6のいずれか1項に記載のZD6474一水和物を投与することを含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−510040(P2009−510040A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532867(P2008−532867)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003594
【国際公開番号】WO2007/036717
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】