説明

5−アミノレブリン酸リン酸塩の新規結晶及びその製造方法

【課題】熱安定性が高く、融点が高く、耐吸湿性に優れた5−アミノレブリン酸リン酸塩の新規な結晶、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】粉末X線回折による回折角2θとして、7.9°±0.2°、15.8°±0.2°、18.9°±0.2°、20.7°±0.2°、21.1°±0.2°、21.4°±0.2°、22.9°±0.2°、33.1°±0.2°及び34.8±0.2°に特徴的ピークを示す5−アミノレブリン酸リン酸塩結晶及びその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療・農業・美容などの分野において有用な5−アミノレブリン酸リン酸塩の新規な結晶及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5−アミノレブリン酸は、各種分野において様々な用途が提案されている。例えば、微生物・発酵分野では、VB12生産、ヘム酵素生産、微生物培養、ポルフィリン生産などに、動物・医療分野では、感染症治療(非特許文献1)、殺菌、ヘモフィラス診断、誘導体原料、除毛、リウマチ治療(非特許文献2)、がん治療(非特許文献3)、血栓治療(非特許文献4)、癌術中診断(非特許文献5)、動物細胞培養、UVカット、ヘム代謝研究、育毛、重金属中毒ポルフィリン症診断、貧血予防などに、植物分野では農薬などに、それぞれ有用であることが知られている。
【0003】
これのリン酸塩である5−アミノレブリン酸リン酸塩は、それまで塩として唯一知られていた塩酸塩における問題を克服するものとして見出され、臭気のなさ、低刺激性、皮膚への透過性の高さなどの優れた効果を示すことから、経皮投与や経口投与に適し、また、光力学的治療や光力学的診断用薬として有用であると考えられている(特許文献1)。この特許文献1では、5−アミノレブリン酸リン酸塩は、イオン交換樹脂に吸着した5−アミノレブリン酸をアンモニア水で溶出させ、溶出液にリン酸を加えたのちアセトンを加えて析出させた固体として得ていた。5−アミノレブリン酸リン酸塩が光学化学療法の用途に適した特性を有することは、特許文献2にも開示されている。
【0004】
医薬・農薬などの薬剤は、しばしば長期貯蔵を余儀なくされ、保存中に大気から水分を吸収することもあり、これにより変性が生じて、医薬や農薬としての一定の品質が保持できなくなることから、耐吸湿性の高さが求められる。また、過熱滅菌を必要とする場合も多く、熱処理に対する安定性の高さも求められる。
【0005】
【特許文献1】国際公開第2005/100300号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/092838号パンフレット
【非特許文献1】Peter W. et. al., J. Am. Acad. Dermatol., 31, 678-680(1994)
【非特許文献2】Kenneth T., United States Patent 5, 368, 841(1994)
【非特許文献3】Hillemanns P. et. al., Int. J. Cancer, 85, 649-653(2000)
【非特許文献4】山田一郎 et. al., 日本形成外科学会要旨集(1988)
【非特許文献5】Kamasaki N. et. al., 日本レーザー医学会誌 22, 255-262(2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来知られていた5−アミノレブリン酸リン酸塩は、融点が100℃余りで、一般的に行われる121℃における過熱滅菌に耐えうるものではなかった。また、加熱すると、5−アミノレブリン酸どうしで二量体化し2,5−ピラジンジプロピオン酸(PDPA)が生成して、不純物を含むものとなった。さらに、同リン酸塩は、吸湿性が高かった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、熱安定性が高く、融点が高く、耐吸湿性に優れた5−アミノレブリン酸リン酸塩の新規な結晶、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる状況のもと、本発明者らは、5−アミノレブリン酸リン酸塩の新規な結晶が、上記課題を解決することを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、粉末X線回折による回折角2θとして、7.9°±0.2°、15.8°±0.2°、18.9°±0.2°、20.7°±0.2°、21.1°±0.2°、21.4°±0.2°、22.9°±0.2°、33.1°±0.2°及び34.8±0.2°に特徴的ピークを示す5−アミノレブリン酸リン酸塩結晶を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、5−アミノレブリン酸リン酸塩の固体を溶媒に溶解後、貧溶媒を加えて結晶を析出させることを特徴とする上記結晶の製造方法を提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、5−アミノレブリン酸又はその塩、リン酸及び塩基性含窒素化合物を溶媒に溶解させた後、貧溶媒を加えて結晶を析出させることを特徴とする上記結晶の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の5−アミノレブリン酸リン酸塩結晶は、融点が高く、耐吸湿性に優れ、また、加熱により生じる不純物(PDPA)が顕著に少なく熱安定性に優れたものであり、長期貯蔵や過熱滅菌を行う医薬・農薬などの有効成分として有用である。また、本発明の製造方法によれば、かような新規結晶を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の結晶は、粉末X線回折による回折角2θとして、7.9°±0.2°、15.8°±0.2°、18.9°±0.2°、20.7°±0.2°、21.1°±0.2°、21.4°±0.2°、22.9°±0.2°、33.1°±0.2°及び34.8±0.2°に特徴的ピークを示す。これら特徴的ピークの値における±0.2°は、測定機器、ピークの読み取り条件等の測定条件などによる測定誤差であり、好ましくは±0.1°、より好ましくは±0.01°である。
【0014】
粉末X線回折による回折角2θの測定は、以下の測定条件で行う。
装置:株式会社リガク製 回転対陰極形X線回折装置 RINT2500V
X線:Cu/管電圧50kV/管電流40mA
ゴニオメーター:RINT2000 縦型ゴニオメーター
アタッチメント:5サンプルチェンジャー
フィルタ:不使用
インシデントモノクロ:不使用
カウンタモノクロメータ:全自動モノクロメータ
発散スリット:1°
散乱スリット:1°
受光スリット:0.15mm
モノクロ受光スリット:0.8mm
カウンタ:シンチレーションカウンタ(SC50)
走査モード:連続
スキャンスピード:4.000°/min
サンプリング幅:0.020°
走査軸:2θ/θ
走査範囲:5.000〜40.000°
θオフセット:0.000°
【0015】
なお、これらのピークは、その他、モノクロメータが装着された一般的な粉末X線回折装置で観測することもできるが、分解能の悪い装置、例えばモノクロメータが装着されていない装置では、ノイズピークと重なり合ってピーク位置が不明確となる場合があり、また、スキャンスピードが高い、又は受光スリットが広い状態で設定されているなどの場合では、隣接するピークがブロードになり重なり合う場合もある。
【0016】
本発明の結晶は、5−アミノレブリン酸リン酸塩の固体を溶媒に溶解後、貧溶媒を加えて結晶を析出させることにより得ることができる。
用いる5−アミノレブリン酸リン酸塩の固体は、5−アミノレブリン酸リン酸塩を主成分とするものであればよく、結晶である必要はない。本固体は、例えば、国際公開第2005/100300号パンフレット実施例1に記載の方法で得ることができる。具体的には、5−アミノレブリン酸塩酸塩等の5−アミノレブリン酸塩をイオン交換樹脂に吸着後、アンモニア水などの塩基性溶媒により溶出し、得られた溶出液にリン酸を加え、かくして得られた溶液を必要に応じて濃縮後、アセトンなどの貧溶媒を加え、必要に応じて攪拌後静置し、それにより析出する固体として得ることができる。
【0017】
本固体の純度は特に制限はないが、50質量%以上が好ましく、60質量%以上が更に好ましく、70質量%以上が特に好ましく、さらに、70〜99.9質量%、特に80〜99.9質量%、とりわけ90〜99.9質量%であるのが好ましい。
【0018】
上記固体を溶解する溶媒としては、溶媒は親水性の溶媒であれば特に制限はないが、水やアルコールが好ましく、更に好ましくは水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールであり、水が特に好ましい。
【0019】
5−アミノレブリン酸リン酸塩の固体の溶媒への添加量は、当該固体が溶解するのであれば、制限はないが、貧溶媒を加えた際の結晶析出の効率から、溶媒全量に対して、10〜70質量%、特に30〜60質量%であるのが好ましい。
上記固体を溶媒に溶解して得た溶液は、5−アミノレブリン酸リン酸塩を高純度で含むものが好ましく、具体的には、溶媒のほかに含まれるもののうち、70〜99.9質量%、さらに80〜99.9質量%、特に90〜99.9質量%が5−アミノレブリン酸リン酸塩であるのが好ましい。
【0020】
加える貧溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキサン、メトキシエタノール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルを一例として挙げることができ、適した溶媒/貧溶媒の組み合わせとしては、水/メタノール、水/エタノール、水/イソプロパノール、メタノール/エタノール、メタノール/イソプロパノールが一例として挙げられる。
【0021】
溶媒に固体を溶解して得た溶液に、貧溶媒を加える際の両液体の温度は、液の凍結が発生しない限り特に制限はないが、高温にすればエネルギー効率が落ちることから、−30℃〜80℃が好ましい。
【0022】
加える貧溶媒の容量は、溶解した5−アミノレブリン酸リン酸塩固体の濃度、種類により、一概にいえず、固体が析出するまで、析出状況を確認しながら、決定すればよいが、例えば、溶媒中の5−アミノレブリン酸リン酸塩に対して、5〜20質量倍とするのが好ましい。
【0023】
貧溶媒添加後、必要に応じて、攪拌し、静置するのが好ましい。攪拌時間は、例えば、5分〜30分とすることができる。静置時間は、例えば、5分〜15日とすることができる。
【0024】
また、本発明の結晶の製造は、溶媒に5−アミノレブリン酸又はその塩、リン酸及び塩基性含窒素化合物を溶解して得た溶液に、貧溶媒を加えて結晶を析出させることによっても可能である。
【0025】
この方法で用いられる5−アミノレブリン酸の塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、硝酸塩を挙げる事ができるが、好ましくは、塩酸塩である。これらは公知の方法で得ることができ、例えば、特開昭48-92328号公報、特開2005-314360号公報、特開2005-314361号公報、特開2006-182753号公報記載の方法で得られる。
【0026】
これら5−アミノレブリン酸又はその塩の溶媒への溶解量は、溶媒に対して、10〜90質量%、特に、20〜70質量%であるのが好ましい。
【0027】
また、この方法に用いられる塩基性含窒素化合物としては特に限定されないが、ピリジン類、アミン類を挙げることができ、このうち、アミン類が好ましい。
【0028】
使用されるピリジン類としては、下記一般式(1)
【0029】
【化1】

【0030】
(式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアミノ基を示す)で表される化合物が好ましい。
ここで炭化水素基としては、アルキル基、アラルキル基が挙げられる。ここで、アルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜40、更に1〜18、特に1〜7のアルキル基が好ましい。
また、アラルキル基を構成するアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜40、更に1〜18、特に1〜7のアルキル基が好ましく、アラルキル基を構成するアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
【0031】
炭素数1〜18の好ましいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチルヘプチル基、n−ノニル基、イソノニル基、1−メチルオクチル基、エチルヘプチル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、n−ウンデシル基、1,1−ジメチルノニル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられる。
【0032】
炭素数1〜7のより好ましいアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基が挙げられる。
【0033】
アラルキル基を構成する炭素数1〜18の好ましいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチルヘプチル基、n−ノニル基、イソノニル基、1−メチルオクチル基、エチルヘプチル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、n−ウンデシル基、1,1−ジメチルノニル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられる。
【0034】
アラルキル基を構成する炭素数1〜7のより好ましいアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基が挙げられる。
【0035】
アラルキル基を構成する炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
【0036】
好ましいアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基が挙げられる。
【0037】
これらR1の炭化水素が有していても良い置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アリール基、オキソ基、フロロ基、クロロ基及びニトロ基から選ばれる基が挙げられる。ここで、アルコキシ基としては炭素数1〜18のアルコキシ基、特に炭素数1〜7のアルコキシ基が好ましい。アシルオキシ基としては、炭素数1〜18のアルカノイルオキシ基、特に炭素数2〜8のアルカノイルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基としては、C1-18アルコキシ−カルボニルオキシ基、特にC1-7アルコキシ−カルボニルオキシ基が好ましい。
【0038】
置換基を有してもよいアミノ基における置換基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基が挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が特に好ましい。
【0039】
好ましいピリジン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、4−ジメチルアミノピリジンが挙げられる。
【0040】
また、使用されるアミン類としては、下記一般式(2)
NHm23-m (2)
(式中、mは0〜3の整数を示し、R2は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基を示す)で表されるアミン類が好ましい。
【0041】
ここで、炭化水素基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基が挙げられる。アルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜40、更に1〜18、特に1〜7のアルキル基が好ましい。アラルキル基としては炭素数7〜26のアラルキル基が挙げられる。また、アリール基としては炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
【0042】
炭素数1〜18の好ましいアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチルヘプチル基、n−ノニル基、イソノニル基、1−メチルオクチル基、エチルヘプチル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、n−ウンデシル基、1,1−ジメチルノニル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられる。
【0043】
炭素数1〜7のより好ましいアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基が挙げられる。
【0044】
これらアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基が好ましい。
【0045】
炭素数7〜26のアラルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜20のアリール基とから構成されるものが好ましい。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素数7〜26のアラルキル基のうち、ベンジル基、フェネチル基、9−フルオレニルメチル基が好ましく、ベンジル基、フェネチル基が特に好ましい。
【0046】
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
【0047】
これらR2の炭化水素基が有していても良い置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アリール基、オキソ基、フロロ基、クロロ基及びニトロ基から選ばれる基が挙げられる。ここで、アルコキシ基としては炭素数1〜18のアルコキシ基、特に炭素数1〜7のアルコキシ基が好ましい。アシルオキシ基としては、炭素数1〜18のアルカノイルオキシ基、特に炭素数2〜8のアルカノイルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基としては、C1-18アルコキシ−カルボニルオキシ基、特にC1-7アルコキシ−カルボニルオキシ基が好ましい。
【0048】
好ましいアミン類としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジn−プロピルアミン、トリn−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ジn−ブチルアミン、トリn−ブチルアミン、アニリンを挙げることができ、このうち、トリエチルアミンが好ましい。
【0049】
リン酸の使用量は、5−アミノレブリン酸又はその塩に対して、1倍モル以上であれば特に制限はないが、通常1倍モル〜20倍モル、好ましくは1倍モル〜5倍モル、より好ましくは、1〜1.5倍モルである。また、リン酸の溶媒への溶解量は、溶媒に対して、1〜10モル%、特に、2〜8モル%であるのが好ましい。
【0050】
塩基性含窒素化合物の使用量は、特に制限はない。反応原料として塩を形成していないアミン類を使用する場合、塩基性含窒素化合物の好ましい使用量は、5−アミノレブリン酸又はその塩に対し、通常0.01倍モル〜20倍モルであり、好ましくは0.1倍モル〜5倍モル、より好ましくは1〜2倍モル、特に好ましくは1〜1.5倍モルである。
塩基性含有窒素化合物として、塩を形成したアミン類を使用する場合、そのアミン類の好ましい配合量は、5−アミノレブリン酸又はその塩に対し、通常0.1倍モル〜50倍モルであり、好ましくは1倍モル〜5倍モルであり、より好ましくは1〜2倍モルである。また、塩基性含有窒素化合物の溶媒への溶解量は、溶媒に対して、1〜10モル%、特に2〜8モル%であるのが好ましい。
【0051】
5−アミノレブリン酸又はその塩、リン酸及び塩基性含窒素化合物の溶媒への溶解方法は特に制限されないが、攪拌を行い、均一な溶液とすることが好ましい。特に、5−アミノレブリン酸塩を原料とする場合は、イオン交換が起こり、5−アミノレブリン酸リン酸塩が生成すると共に、塩基性含窒素化合物と5−アミノレブリン酸に付加していた酸との間で、アンモニウム型の塩が生成する。その場合には、貧溶媒の添加前に十分に反応させるのが望ましい。
【0052】
これらを溶解する溶媒は親水性の溶媒であれば特に制限はないが、水やアルコールが好ましく、更に好ましくは水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールである。
【0053】
得られた溶液では、反応により5−アミノレブリン酸リン酸塩が生成する。反応温度は溶液の凍結や内容物の乾固が発生しない限り特に制限はないが、塩基性含窒素化合物を作用させたときに発熱することが多いことから、得られる溶液を、−30℃〜30℃とするのが好ましい。また、反応の効率化の観点から、反応時間として、1分間〜24時間、好ましくは10分〜2時間とるのが好ましい。
【0054】
なお、反応中には、もともと5−アミノレブリン酸と塩を形成していた酸と、加えた塩基性含窒素化合物とが反応して、不純物塩を形成して沈殿を生じることがあるが、反応に特段の影響はない。反応終了後に、5−アミノレブリン酸リン酸塩にとって、より溶解性の低い溶媒を加えることで、5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶を析出させることができ、その際、反応に使用した溶媒種・量や析出に使用した溶媒種・量にもよるが、通常、その不純物塩は溶解する。
【0055】
得られた溶液に、反応に使用した溶媒よりも5−アミノレブリン酸リン酸塩の溶解性が低い溶媒である貧溶媒を加えることにより本発明の結晶が析出する。加える貧溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキサン、メトキシエタノール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルを一例として挙げることができる。
【0056】
貧溶媒の使用量は、その種類、反応溶媒の種類・量により、適宜調整すればよいが、例えば、5−アミノレブリン酸又はその塩、リン酸、塩基性含有窒素化合物が溶媒に溶解して得られた溶液全量に対して、0.5〜10質量倍、好ましくは1.5〜8質量倍とすることができる。
【0057】
溶媒/貧溶媒の好適な組み合わせとしては、水/メタノール、水/エタノール、水/イソプロパノール、メタノール/エタノール、メタノール/イソプロパノールが一例として挙げられる。
【0058】
貧溶媒添加後、必要に応じて、攪拌し、静置するのが好ましい。静置時間は、例えば、0.5〜24時間とすることができる。この際温度は20〜30℃であるのが好ましい。
【0059】
この製造方法では、貧溶媒を加えた後又は加える最中に、5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶を加えることが、結晶析出効率上昇の点から好ましい。加える5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の量は適宜調製すればよいが、通常は原料の5−アミノレブリン酸又はその塩に対し、通常0〜10質量%であり、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。
【0060】
以上の方法により析出し沈殿として得られる本発明の結晶は、ろ過等の汎用的な結晶回収方法により、回収することができる。回収後、減圧乾燥などにより単離してもよい。
【0061】
本発明の結晶は、融点が高く、熱安定性が高く、耐吸湿性に優れたものなので、これを用いた医薬組成物は、長期貯蔵可能で、121℃による通常の過熱滅菌可能なものとすることができる。かかる医薬組成物には、水、結合剤、崩壊剤、溶解促進剤、潤沢剤、充填剤、賦形剤等の薬理的に許容される担体を含有させることができる。剤形としては、皮膚外用剤、注射剤、経口剤、坐剤等が挙げられる。
【実施例】
【0062】
以下実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
〔実施例1〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
5−アミノレブリン酸塩酸塩4.67g(27.92mmol)と85質量%リン酸3.576g(31.33mmol)を精製水14gに溶解し、0〜5℃で攪拌しながらトリエチルアミン2.970g(29.35mmol)を滴下した。滴下終了後、室温下で30分間攪拌し、次いでエタノール14.75gを加えた。この状態で5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶(後記実施例2で得たもの)1.01mgを加え、緩やかな攪拌を継続したところ、無色透明の結晶がゆっくりと析出し始めた。約30分間攪拌した後、エタノール59.07gを追加で加え、結晶を完全に析出させた。吸引ろ過で結晶を回収し、室温下で16時間の減圧乾燥を行った。5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶5.742g(25.07mmol)を収率90mol%で得た。得られた結晶の純度は、99.4質量%であった。
【0064】
1H-NMR(D2O, 400MHz) δppm: 2.67(t, 2H, CH2), 2.86(t, 2H, CH2), 4.08(s, 2H, CH2)
13C-NMR(D2O, 100MHz) δppm: 30(CH2), 37(CH2), 50(CH2), 180(CO), 207(COO)
イオンクロマトグラフィーによるPO43-の含有率:
理論値:41.45%
実測値:41%
イオンクロマトグラフィー分析条件;分離カラム:日本ダイオネクス製IonPac AS12A、溶離液:Na2CO3とNaHCO3を含有する水溶液(Na2CO3:3.0mmol/L、NaHCO3:0.5mmol/L)、流速:1.5mL/min.、試料導入量:25μL、カラム温度:35℃、検出器:電気伝導度
検出器。
【0065】
得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを下に示す条件で測定した。結果を表1及び図1に示す。
装置:株式会社リガク製 回転対陰極形X線回折装置 RINT2500V
X線:Cu/管電圧50kV/管電流40mA
ゴニオメーター:RINT2000 縦型ゴニオメーター
アタッチメント:5サンプルチェンジャー
フィルタ:不使用
インシデントモノクロ:不使用
カウンタモノクロメータ:全自動モノクロメータ
発散スリット:1°
散乱スリット:1°
受光スリット:0.15mm
モノクロ受光スリット:0.8mm
カウンタ:シンチレーションカウンタ(SC50)
走査モード:連続
スキャンスピード:4.000°/min
サンプリング幅:0.020°
走査軸:2θ/θ
走査範囲:5.000〜40.000°
θオフセット:0.000°
【0066】
【表1】

【0067】
〔実施例2〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
従来の方法(国際公開第2005/100300号パンフレット実施例1に記載の方法)で得られた5−アミノレブリン酸リン酸塩の固体(粉末)(純度96.0質量%、以下同じ。)5gを精製水10mLに溶解し、攪拌しながらメタノール100mLを加えた。室温で5分間攪拌した後、4℃で14時間静置した。析出した結晶を回収し、アセトン50mLで洗浄した。4時間減圧乾燥して結晶3.67gを回収した。粉末X線回折を測定したところ、実質的に実施例1と同様のスペクトルパターンを得た。
【0068】
〔実施例3〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
従来の方法(国際公開第2005/100300号パンフレット実施例1に記載の方法)で得られた5−アミノレブリン酸リン酸塩の固体(粉末)5gを精製水10mLに溶解し、攪拌しながらイソプロパノール100mLを加えた。室温で5分間攪拌した後、-25℃で17時間静置した。析出した結晶を回収し、アセトン50mLで洗浄した。8時間減圧乾燥して結晶4.68gを回収した。粉末X線回折を測定したところ、実質的に実施例1と同様のスペクトルパターンを得た。
【0069】
〔実施例4〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
従来の方法(国際公開第2005/100300号パンフレット実施例1に記載の方法)で得られた5−アミノレブリン酸リン酸塩の固体(粉末)10gを精製水30mLに溶解し、攪拌しながらメトキシエタノール89gを加えた。室温で15日間静置した後、析出した結晶を回収し、アセトン50mLで洗浄した。16時間減圧乾燥して結晶7.01gを回収した。粉末X線回折を測定したところ、実質的に実施例1と同様のスペクトルパターンを得た。
【0070】
〔実施例5〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
メトキシエタノールの代わりにアセトンを使用する以外は実施例4と同様に処理し、結晶6.53gを回収した。粉末X線回折を測定したところ、実質的に実施例1と同様のスペクトルパターンを得た。
【0071】
〔実施例6〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
メトキシエタノールの代わりに1,4−ジオキサンを使用する以外は実施例4と同様に処理し、結晶6.41gを回収した。粉末X線回折を測定したところ、実質的に実施例1と同様のスペクトルパターンを得た。
【0072】
〔実施例7〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
メトキシエタノールの代わりにγ−ブチロラクトンを使用する以外は実施例4と同様に処理し、結晶3.09gを回収した。粉末X線回折を測定したところ、実質的に実施例1と同様のスペクトルパターンを得た。
【0073】
〔実施例8〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
メトキシエタノールの代わりにトリエチレングリコールジメチルエーテルを使用する以外は実施例4と同様に処理し、結晶7.23gを回収した。粉末X線回折を測定したところ、実質的に実施例1と同様のスペクトルパターンを得た。
【0074】
〔実施例9〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
メトキシエタノールの代わりにテトラエチレングリコールジメチルエーテルを使用する以外は実施例4と同様に処理し、結晶6.94gを回収した。粉末X線回折を測定したところ、実質的に実施例1と同様のスペクトルパターンを得た。
【0075】
〔実施例10〕5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶の製造
5−アミノレブリン酸塩酸塩10.05g(60.0mmol)と85質量%リン酸4.5mL(65.7mmol)を精製水30mLに溶解し、攪拌しながらγ−ピコリン5.83g(62.7mmol)を滴下した。滴下終了後、室温下で10分間攪拌し、エタノール400mLを加えて攪拌した。析出した沈殿を吸引ろ過で回収し、室温下で19時間の減圧乾燥を行った。5−アミノレブリン酸リン酸塩の結晶10.55g(46.1mmol)を収率77mol%で得た。粉末X線回折を測定したところ、実質的に実施例1と同様のスペクトルパターンを得た。
【0076】
〔試験例1〕吸湿性試験
5−アミノレブリン酸リン酸塩について、従来の方法(国際公開第2005/100300号パンフレット実施例1に記載の方法)で得られた粉末と、実施例1で得られた結晶をそれぞれ1gずつ量りとり、25℃、90%RHの条件下で静置した後、各時間経過後の質量を測定し、吸湿による質量変化率を算出し、耐吸湿性を評価した。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】

【0078】
表2に示すとおり、本発明の結晶は、従来の粉末と比較して耐吸湿性が優れたものであった。
【0079】
〔試験例2〕熱安定性試験
5−アミノレブリン酸リン酸塩について、従来の方法(国際公開第2005/100300号パンフレット実施例1に記載の方法)で得られた粉末と、実施例1で得られた結晶をそれぞれ1gずつ量りとり、表3に示す各条件で静置した。加熱によって発生する不純物で、5−アミノレブリン酸分子が二量化した化合物である2,5−ピラジンジプロピオン酸(PDPA)の量を液体クロマトグラフィーで測定した。5−アミノレブリン酸リン酸塩中のPDPAの含有量増加分を算出し、物質としての熱安定性を評価した。結果を表3に示す。
【0080】
【表3】

【0081】
液体クロマトグラフィー分析条件;分離カラム:Waters製 μBondasphere C18 5μ100Å、溶離液:2%酢酸水溶液とメタノールを体積比90/10で混合したもの、流速:1.0mL/min、試料導入量:50μL、カラム温度:40℃、検出器:UV検出器(276nm)。
表3に示すとおり、本発明の結晶は、従来の粉末よりもPDPAの増加が少なく、熱安定性に優れるものであった。
【0082】
〔試験例3〕固体の状態安定性試験
5−アミノレブリン酸リン酸塩について、従来の製造方法(国際公開第2005/100300号パンフレット実施例1に記載の方法)で得られた粉末の融点と、実施例1で得られた結晶の融点を、融点測定器(柳本製作所(株)製)で測定した。結果を表4に示す。
【0083】
【表4】

【0084】
表4に示すとおり、本発明の結晶は、従来の粉末よりも20℃程度融点が高く、固体状態の熱安定性に優れるものであった。このことは、一般的な121℃における過熱滅菌を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施例1で得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末X線回折による回折角2θとして、7.9°±0.2°、15.8°±0.2°、18.9°±0.2°、20.7°±0.2°、21.1°±0.2°、21.4°±0.2°、22.9°±0.2°、33.1°±0.2°及び34.8±0.2°に特徴的ピークを示す5−アミノレブリン酸リン酸塩結晶。
【請求項2】
5−アミノレブリン酸リン酸塩の固体を溶媒に溶解後、貧溶媒を加えて結晶を析出させることを特徴とする請求項1に記載の結晶の製造方法。
【請求項3】
5−アミノレブリン酸又はその塩、リン酸及び塩基性含窒素化合物を溶媒に溶解させた後、貧溶媒を加えて結晶を析出させることを特徴とする請求項1に記載の結晶の製造方法。
【請求項4】
5−アミノレブリン酸の塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩又は硝酸塩である請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
塩基性含窒素化合物が、下記一般式(1)
【化1】

(式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基、又は置換基を有してもよいアミノ基を示す)
で表されるピリジン類、又は下記一般式(2)
NHm23-m (2)
(式中、mは0〜3の整数を示し、R2は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を示す)
で表されるアミン類である請求項3又は4に記載の製造方法。
【請求項6】
貧溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキサン、メトキシエタノール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種類である請求項2〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の結晶を含有する医薬組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2008−44882(P2008−44882A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221538(P2006−221538)
【出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【出願人】(000105567)コスモ石油株式会社 (443)
【Fターム(参考)】