説明

5−ヒドロキシトリプタミン−6リガンドとしてのスルホニルジヒドロイミダゾピリジノン化合物

本発明は、式(I)で示される化合物、および5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系障害の治療的処置におけるその使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の背景)
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)(5−HT)受容体はヒトおよび動物の多くの生理機能および行動機能において重要な役割を果たす。これらの機能には体全体に分布した種々の5−HT受容体が介在している。現在、約15種類のヒト5−HT受容体サブタイプがクローン化されており、その多くはヒトにおいて明確に定義された役割を有する。ごく最近に同定された5−HT受容体サブタイプの1つに5−HT6受容体があり、それは1993年に初めてラット組織からクローン化され(Monsma, F. J.; Shen, Y.; Ward, R. P.; Hamblin, M. W. Molecular Pharmacology 1993, 43, 320-327)、その後、ヒト組織からクローン化された(Kohen, R.; Metcalf, M. A.; Khan, N.; Druck, T.; Huebner, K.; Sibley, D. R. Journal of Neurochemistry 1996, 66, 47-56)。該受容体はアデニル酸シクラーゼとポジティブに結合するGタンパク質結合受容体(GPCR)である(Ruat, M.; Traiffort, E.; Arrang, J-M.; Tardivel-Lacombe, L.; Diaz, L.; Leurs, R.; Schwartz, J-C. Biochemical Biophysical Research Communications 1993, 193, 268-276)。該受容体はラットとヒトのどちらにおいてもほとんど中枢神経系(CNS)領域のみで見られる。mRNAを使用するラット脳における5−HT6受容体のインサイツハイブリダイゼーション研究は、線条体、側坐核、嗅結節および海馬体を含む5−HTプロジェクションの領域に主として局在することを示している(Ward, R. P.; Hamblin, M. W.; Lachowicz, J. E.; Hoffman, B. J.; Sibley, D. R.; Dorsa, D. M. Neuroscience 1995, 64, 1105-1111)。
【0002】
利用可能な科学的研究からの直接的な効果および指摘に基づいて、ヒトの5−HT6リガンドについて多くの潜在的な治療的使用がある。これらの研究としては、該受容体の局在性、既知のインビボ活性を有するリガンドのアフィニティー、およびこれまでに行われた種々の動物試験が挙げられる。
【0003】
5−HT6受容体機能のモジュレーターの1つの潜在的な治療的使用は、アルツハイマー病のようなヒト疾患における認知および記憶の向上にある。尾状核/被殻、海馬、側坐核および皮質を包含する前脳の重要な構造において受容体が高レベルで見られるということは、これらの領域が記憶において極めて重要な役割を果たすことが知られているので記憶および認知における該受容体の役割を示唆している(Gerard, C.; Martres, M.-P.; Lefevre, K.; Miquel, M.C.; Verge, D.; Lanfumey, R.; Doucet, E.; Hamon, M.; El Mestikawy, S. Brain Research, 1997, 746, 207-219)。既知の5−HT6受容体リガンドがコリン作動性伝達を増強する能力もまた潜在的な認知使用を支持している(Bentley, J. C.; Boursson, A.; Boess, F. G.; Kone, F. C.; Marsden, C. A.; Petit, N.; Sleight, A. J. British Journal of Pharmacology, 1999, 126(7), 1537-1542)。研究により、既知の5−HT6選択的アンタゴニストはノルアドレナリン、ドーパミンまたは5−HTのレベルを上昇させることなく前頭皮質におけるグルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩レベルを有意に増加させることがわかった。記憶および認知に関与することが知られている神経化学物質のこの選択的上昇は認知における5−HT6リガンドの役割を強く示唆している(Dawson, L. A.; Nguyen, H. Q.; Li, P. British Journal of Pharmacology, 2000, 130(1), 23-26)。既知の選択的5−HT6アンタゴニストを用いる記憶および学習の動物試験によって、前向きな兆しが見出された(Rogers, D. C.; Hatcher, P. D.; Hagan, J. J. Society of Neuroscience, Abstracts 2000, 26, 680およびFoley, A. G. et al, Neuropsychopharmacology, 2004, 29(1), 93-100)。
【0004】
5−HT6リガンドについての関連する潜在的な治療的使用は子供と大人のどちらにもおける注意欠陥障害(ADD、注意欠陥多動性障害またはADHDとしても知られている)の治療である。5−HT6アンタゴニストは黒質線条体ドーパミン経路の活性を増強するように思われるので、そして、ADHDは尾状核の異常と関連付けられているので(Ernst, M; Zametkin, A. J.; Matochik, J. H.; Jons, P. A.; Cohen, R. M. Journal of Neuroscience 1998, 18(15), 5901-5907)、5−HT6アンタゴニストは注意欠陥障害を軽減しうる。
【0005】
既知の治療的有用性を有するかまたは既知の薬物との強い構造的類似性を有する種々のCNSリガンドのアフィニティーを試験する初期の研究は、統合失調症およびうつ病の治療における5−HT6リガンドの役割を示唆している。例えば、クロザピン(有効な臨床抗精神病薬)は5−HT6受容体サブタイプに対して高いアフィニティーを有する。また、いくつかの臨床抗鬱薬も同様に該受容体に対して高いアフィニティーを有しており、この部位においてアンタゴニストとして作用する(Branchek, T. A.; Blackburn, T. P. Annual Reviews in Pharmacology and Toxicology 2000, 40, 319-334)。
【0006】
さらに、最近のラットにおけるインビボ実験は5−HT6モジュレーターが癲癇を含む運動障害の治療に有用でありうることを示している(Stean, T.; Routledge, C.; Upton, N. British Journal of Pharmacology 1999, 127 Proc. Supplement 131P and Routledge, C.; Bromidge, S. M.; Moss, S. F.; Price, G. W.; Hirst, W.; Newman, H.; Riley, G.; Gager, T.; Stean, T.; Upton, N.; Clarke, S. E.; Brown, A. M. British Journal of Pharmacology 2000, 130(7), 1606-1612)。
【0007】
総合すれば、上記の研究は、5−HT6受容体モジュレーターである化合物、すなわち、リガンドが、アルツハイマー病および注意欠陥障害のような記憶、認知および学習の欠損と関連する疾患の治療;統合失調症のような人格障害の治療;行動障害、例えば、不安、うつ病および強迫性障害の治療;パーキンソン病および癲癇のような動作または運動障害の治療;脳卒中および頭部外傷のような神経変性と関連する疾患の治療;またはニコチン、アルコールおよび他の濫用物質に対する嗜癖を含む薬物嗜癖からの離脱を含む治療指標に有用でありうることを強く示唆する。
【0008】
したがって、本発明の一の目的は、5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける種々の中枢神経系障害の治療において治療剤として有用な化合物を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系障害の治療に有用な治療方法および医薬組成物を提供することである。
【0010】
本発明の一の特徴は、提供される化合物がまた5−HT6受容体をさらに研究し解明するためにも使用されうることである。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、式I:
【化1】

(I)
[式中、
Qは、−(CR23)n−NR45
【化2】

であり;
Wは、CR1またはNであり;
Xは、CR7またはNであり;
Yは、CR8またはNであり;
Zは、CR9またはNであり、ただし、W、X、YまたはZのうち少なくとも1つ以上2つ以下はNである;
Rは、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系であり;
1、R7、R8およびR9は、各々独立して、H、ハロゲン、CN、OCO210、CO211、CONR1213、SOx14、NR1516、OR17、COR18、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
xは0または1、2もしくは3の整数であり;
2およびR3は、各々独立して、Hまたは置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり;
nは2、3、4または5の整数であり;
pは0または1もしくは2の整数であり;
4およびR5は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよいか、またはR4およびR5は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR19またはSOxから選択される付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい5〜8員環を形成してもよく;
6、R19、R20およびR21は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
10、R11、R14、R17およびR18は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
12およびR13は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C6アルキル基であるか、またはR12およびR13は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR20またはSOxから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
15およびR16は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C4アルキル基であるか、またはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR21またはSOxから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
----は、単結合または二重結合を表す]
で示される化合物またはその立体異性体またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0012】
本発明は、また、中枢神経系障害の治療に有用な方法および組成物を提供する。
【0013】
(発明の詳細な説明)
5−ヒドロキシトリプタミン−6(5−HT6)受容体は分子クローニングによって同定することができる最新の受容体の1つである。脳におけるその興味深い分布に加えて、精神医学において使用される幅広い治療化合物を結合するその能力は、該受容体と相互作用しうるかまたは該受容体に影響を及ぼしうる新規化合物への大きな関心を刺激した。精神医学、認知障害、運動機能および調節、記憶、気分および同種のものにおける5−HT6受容体の果たしうる役割を理解するためにかなりの努力が行われている。そのために、5−HT6受容体の研究における補助として、かつ、中枢神経系障害の治療における潜在的な治療薬として、5−HT6受容体に対して結合アフィニティーを示す化合物が切望されている。例えば、C. Reavill and D. C. Rogers, Current Opinion in Investigational Drugs, 2001, 2(1):104-109, Pharma Press Ltd.を参照。
【0014】
意外にも、この度、式Iで示されるスルホニルジヒドロイミダゾピリジノン化合物が有意なサブタイプ選択性に加えて5−HT6アフィニティーを示すことが見出された。有利には、この式Iで示される化合物は5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系(CNS)障害を治療するための有効な治療薬である。したがって、本発明は、式I:
【化3】

(I)
[式中、
Qは、−(CR23)n−NR45
【化4】

であり;
Wは、CR1またはNであり;
Xは、CR7またはNであり;
Yは、CR8またはNであり;
Zは、CR9またはNであり、ただし、W、X、YまたはZのうち少なくとも1つ以上2つ以下はNである;
Rは、置換されていてもよいC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系であり;
1、R7、R8およびR9は、各々独立して、H、ハロゲン、CN、OCO210、CO211、CONR1213、SOx14、NR1516、OR17、COR18、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
xは0または1、2もしくは3の整数であり;
2およびR3は、各々独立して、Hまたは置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり;
nは2、3、4または5の整数であり;
pは0または1もしくは2の整数であり;
4およびR5は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよいか、またはR4およびR5は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR19またはSOxから選択される付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい5〜8員環を形成してもよく;
6、R19、R20およびR21は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
10、R11、R14、R17およびR18は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
12およびR13は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C6アルキル基であるか、またはR12およびR13は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR20またはSOxから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
15およびR16は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C4アルキル基であるか、またはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR21またはSOxから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
----は、単結合または二重結合を表す]
で示されるスルホニルジヒドロイミダゾピリジノン化合物またはその立体異性体またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0015】
本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、ハロゲンなる用語は、F、Cl、BrまたはIを示し、シクロヘテロアルキルなる用語は、N、OまたはSから選択される同一であっても異なっていてもよい1または2個のヘテロ原子を含有し、1つの二重結合を含有していてもよい、5〜7員シクロアルキル環系を示す。本明細書で示される用語に含まれるシクロヘテロアルキル環系の例は、XがNR'、OまたはSであり;R'がHまたは以下に記載する任意の置換基である以下の環である:
【化5】

【0016】
同様に、本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、ヘテロアリールなる用語は、N、OまたはSから選択される同一であっても異なっていてもよい1、2または3個のヘテロ原子を含有する5〜10員芳香環系を示す。かかるヘテロアリール環系としては、ピロリル、アゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、または同種のものが挙げられる。アリールなる用語は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、または同種のもののような芳香族炭素環式環系を示す。本明細書において使用するハロアルキルなる用語は、同一であっても異なっていてもよい1個〜2n+1個のハロゲン原子を有するCn2n+1基を示し、本明細書で使用するハロアルコキシなる用語は、同一であっても異なっていてもよい1個〜2n+1個のハロゲン原子を有するOCn2n+1基を示す。
【0017】
橋頭にN原子を有し、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい8〜13員二環式または三環式環系の例は、WがNR'、OまたはSであり;R'がHまたは以下に記載する任意の置換基である以下の環系である:
【化6】

【0018】
本明細書および特許請求の範囲において、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリールなる用語が置換されていてもよいと示されている場合、存在してもよい置換基は、医薬化合物の開発またはかかる化合物の変更に慣例的に用いられてそれらの構造/活性、持続性、吸収、安定性または他の有益な特性に影響を及ぼす1個またはそれ以上の置換基であってよい。かかる置換基の具体的な例としては、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、チオシアナト、シアナト、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、カルバモイル、アルキルアミノカルボニル、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロアリール、インドリル、ヘテロサイクリルまたはシクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子または低級アルキルまたは低級アルコキシ基が挙げられる。典型的には、0〜3個の置換基が存在してもよい。上記の置換基のいずれかがアルキル置換基を表すかまたは含む場合、これは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、また、炭素原子を12個まで、好ましくは6個まで、より好ましくは4個まで含有していてよい。本明細書で使用する場合、ヘテロサイクリルなる用語は、シクロヘテロアルキルおよびヘテロアリールのどちらにも及ぶ。
【0019】
医薬上許容される塩は、式Iで示される化合物、およびリン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、乳酸、硝酸、スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、または同種のもののような医薬上許容される酸によって形成されるいずれかの酸付加塩であってよい。
【0020】
本発明の化合物は、一般に、本発明の化合物の機能的誘導体であり、インビボで発明的な活性部分に容易に転換される、エステル、カルバマートまたは他の慣用的なプロドラッグ形態を含む。相応して、本発明の方法は、式Iで示される化合物、または具体的に記載していないが投与後にインビボにて式Iで示される化合物へと変わる化合物での上記した種々の症状の治療を含む。これらの化合物を生体系に導入した後に生産される活性種であると定義された本発明の化合物の代謝物もまた包含される。
【0021】
本発明の化合物は、1またはそれ以上の立体異性体として存在しうる。種々の立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体および幾何異性体が挙げられる。一の立体異性体が他の立体異性体と比べて豊富化されると、または他の立体異性体から分離されると、その一の立体異性体がより活性であるか、または有益な効果を示しうることは当業者に明らかであろう。また、当業者は、立体異性体をどのようにして分離するか、豊富化するか、または選択的に調製するかを知っている。したがって、本発明は、式Iで示される化合物、その立体異性体およびその医薬上許容される塩を含む。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、個々の立体異性体、または光学活性もしくは鏡像異性的に純粋な形態として存在してもよい。
【0022】
式Iで示される化合物が2以上の互変異性体で、例えば、エノールまたはケトとして存在することができる場合、全ての互変異性体が本明細書に含まれる。
【0023】
本発明の好ましい化合物は、Rが置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有し、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式もしくは三環式環系である式Iで示されるこれらの化合物である。本発明の好ましい化合物のもう1つの群は、Qが−(CR23)n−NR45または
【化7】

である式Iで示されるこれらの化合物である。WがNであり;XがCR7であり;YがCR8であり;ZがCR9である式Iで示されるこれらの化合物もまた好ましい。
【0024】
本発明のより好ましい化合物は、Rが置換されていてもよいフェニル、ナフチル、チエニル、またはイミダゾ−[2,1−b][1,3]チアゾリル基である式Iで示されるこれらの化合物である。式Iで示されるより好ましい化合物のもう1つの群は、Qが−CH2CH2−NR45または
【化8】

であるこれらの化合物である。
【0025】
特定の実施態様において、Qは、−CH2CH2NH2、−CH2CH2NMe2またはピロリジン−3−イルである。
【0026】
特定の実施態様において、Rは、3−フルオロフェニル、2−クロロイミダゾ[2,1−b]ピリジン−3−イル、2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル、3−ブロモフェニル、チエン−2−イル、フェニル、3−クロロフェニル、5−クロロチエン−2−イル、6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル、2−ナフチル、3−メトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、5−ブロモチエン−2−イル、2,5−ジクロロチエン−3−イルおよびナフタ−1−イルから選択される。
【0027】
本発明の好ましい化合物には、以下のものがある:
3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−[(2−クロロイミダゾ[2,1−b]ピリジン−3−イル)スルホニル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−[(2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−[(3−ブロモフェニル)スルホニル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−(チエン−2−イルスルホニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−(フェニルスルホニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
【0028】
3−(2−アミノエチル)−1−[(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−(2−ナフチルスルホニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(2,3−ジクロロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(3−ブロモフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(5−ブロモチエン−2−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(2,5−ジクロロチエン−3−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−(2−アミノエチル)−3−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
1−(2−アミノエチル)−3−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−(2−アミノエチル)−3−[(ナフタ−1−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(ナフタ−1−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
1−(2−アミノエチル)−3−[(ナフタ−1−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
【0029】
1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−フェニルスルホニル−1−(ピロリジン−3−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
1−フェニルスルホニル−3−(ピロリジン−3−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
3−フェニルスルホニル−1−(ピロリジン−3−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
その立体異性体;および
その医薬上許容される塩。
【0030】
有利には、本発明は、塩基の存在下にて式IIで示される化合物をスルホニルクロリド、ClSO2−Rと反応させることを含む、式Iで示される化合物の製造方法を提供する。該製造方法をフローダイヤグラムIに示す。
【0031】
フローダイヤグラムI
【化9】

【0032】
本発明の製造方法に使用するのに適した塩基としては、NaH、KOt−Bu、ジイソプロピルエチルアミンのような塩基、または窒素原子からプロトンを取り外すことができるいずれもの慣用の塩基が挙げられる。
【0033】
式IIで示される化合物は、慣用の合成方法、および、必要な場合には、標準的な分取または単離技術を使用して製造することができる。例えば、式IIで示される化合物は、式IIIで示されるオルト−ハロニトロピリジンを式IVで示される適当なアミンと反応させて、式Vで示される対応するニトロ化合物を得ること;SnCl2、またはヒドラジンとラネーニッケルのような適当な還元剤を使用して式Vで示される化合物を還元するかまたは接触水素添加を行って式VIで示されるジアミンを得ること;および式VIで示される化合物を1,1'−カルボニルジイミダゾール(CDI)で環化して式IIで示される所望の化合物を得ることによって容易に製造することができる。該反応をフローダイヤグラムIIに示す(ここで、HalはClまたはFである)。
【0034】
フローダイヤグラムII
【化10】

【0035】
式IVで示される化合物が塩基性窒素原子を有するQ基を含有する場合、例えば、Qが4−ピペリジニルである場合、式IVで示される化合物は、フローダイヤグラムIに示される反応の前に保護することができ、所望により、スルホニル化の後に脱保護することができる。
【0036】
上記にて示した反応において使用するのに適した保護基としては、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジル、アセチル、ベンジルオキシカルボニル、または標準的な合成方法において塩基性窒素を保護することが知られているいずれもの慣用的な基が挙げられる。
【0037】
有利には、本発明の式Iで示される化合物は、気分障害、人格障害、行動障害、精神障害、認知障害、神経変性障害または同種の障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、注意欠陥障害、不安、癲癇、うつ病、強迫性障害、睡眠障害、神経変性障害(例えば、頭部外傷または脳卒中)、摂食障害(例えば、食欲不振症または病的飢餓)、統合失調症、記憶喪失、薬物もしくはニコチン濫用からの離脱に関連する障害または同種のもの、または過敏性大腸症候群のようなある種の胃腸障害を包含する5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受けるCNS障害の治療に有用である。したがって、本発明は、5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系の障害の治療を必要とする患者におけるかかる障害の治療方法であって、該患者に上記式Iで示される化合物の治療上有効量を与えることを含む方法を提供する。該化合物は、経口もしくは非経口投与によって、または必要とする患者への治療薬の有効な投与法であることが知られているいずれもの一般的な方法で与えることができる。
【0038】
本発明に含まれる化合物または物質を与えることに関して本明細書において使用する「与える」なる用語は、かかる化合物または物質を直接投与すること、または体内で等価な量の該化合物または物質を形成するプロドラッグ、誘導体またはアナログを投与することのいずれかを示す。
【0039】
特定のCNS障害の治療において与えられる治療上有効量は、治療する特定の症状、患者の大きさ、年齢および応答パターン、障害の重篤度、主治医の判断または同種のものにより異なる。一般に、有効な一日経口投与量は約0.01〜1,000mg/kg、好ましくは、約0.5〜500mg/kgであってよく、有効な非経口投与量は、約0.1〜100mg/kg、好ましくは、約0.5〜50mg/kgであってよい。
【0040】
実際の実施では、本発明の化合物は、固体もしくは液体形態の化合物またはその前駆物質を、それだけで、または1またはそれ以上の慣用的な医薬担体または賦形剤と組み合わせて投与することによって与えられる。したがって、本発明は、医薬上許容される担体および上記式Iで示される化合物の有効量を含む医薬組成物を提供する。
【0041】
本発明の組成物において使用するのに適した固体担体としては、フレーバー剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、流動促進剤、圧縮助剤、結合剤、錠剤崩壊剤またはカプセル材料として作用することもできる1つまたはそれ以上の物質が挙げられる。散剤においては、担体は、微細な式Iで示される化合物と混合状態の微細な固体であり得る。錠剤においては、式Iで示される化合物を適当な割合で必要な圧縮特性を有する担体と混合し、望ましい形状および大きさに圧縮することができる。該散剤および錠剤は、式Iで示される化合物を99重量%まで含有することができる。本発明の組成物において使用するのに適した固体担体としては、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリジン、低融点ワックスおよびイオン交換樹脂が挙げられる。
【0042】
液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤およびエリキシル剤を調製するのに適したいずれの医薬上許容される液体担体も本発明の組成物に使用することができる。式Iで示される化合物を、水、有機溶媒または医薬上許容される油もしくは脂肪、またはそれらの混合物のような医薬上許容される液体担体に溶解または懸濁することができる。該液体組成物は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、フレーバー剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘性調節剤、安定剤、浸透圧調節剤または同種のもののような他の適当な医薬添加剤を含有していてもよい。経口投与および非経口投与に適した液体担体の例としては、水(特に、上記添加剤、例えば、セルロース誘導体、好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を含有する)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール、例えば、グリコールを包含する)またはそれらの誘導体、または油(例えば、精製ヤシ油および落花生油)が挙げられる。非経口投与については、該担体はまた、オレイン酸エチルまたはミリスチン酸イソプロピルのような油性エステルであってもよい。
【0043】
滅菌液剤または懸濁剤である本発明の組成物は、筋肉注射、腹腔内注射または皮下注射に適している。滅菌液剤はまた、静脈内投与することもできる。経口投与に適した本発明の組成物は、液体または固体のいずれかの組成物形態であってよい。
【0044】
より明確な理解のために、および本発明をより明確に説明するために、その特定の実施例を以下に記載する。下記の実施例は単なる例示であって、如何なる場合も本発明の範囲および根本的原理を制限するものと理解されるべきではない。
【0045】
他に特記しない限り、全ての部は容量部である。NMRなる用語は、核磁気共鳴を示す。HPLCおよびTLCなる用語は、それぞれ、高速液体クロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィーを示す。THF、DMFおよびEtOAcなる用語は、それぞれ、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドおよび酢酸エチルを示す。
【0046】
実施例1
N,N−ジメチル−N'−(3−ニトロピリジ−2−イル)エタン−1,2−ジアミンの製造
【化11】

2−クロロ−3−ニトロピリジン(1.76g、20.0mmol)のエタノール中溶液をMe2NCH2CH2NH2(3.17g、20.0mmol)で処理し、周囲温度で17時間撹拌し、還流温度に7時間加熱し、室温に冷却し、真空濃縮する。得られた固体残留物を、エタノールを用いてトリチュレートし、吸引濾過する。濾過ケーキを風乾させて、NMRおよび質量スペクトル分析によって同定した黄色固体としての標記化合物3.20g(収率61%)(融点202〜203℃)を得る。
【0047】
実施例2
N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピリジン−2,3−ジアミンの製造
【化12】

N,N−ジメチル−N'−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)エタン−1,2−ジアミン(2.96g、12.0mmol)のエタノール中不均質混合物を10%パラジウム−炭(0.50g)で処理し、Parr装置にて55psi水素に22時間さらす。該反応をCeliteで吸引濾過する。濾液を真空濃縮して、茶色の油状物(約2.5g)を得る。該油状物の一部(〜1.5g)を、溶離液として濃NH4OH:エタノール(10:90)を用いてクロマトグラフィーに付して、NMRによって同定した茶色の油状物としての標記化合物1.49gを得る。
【0048】
実施例3
3−(2−ジメチルアミノエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オンの製造
【化13】

N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピリジン−2,3−ジアミン(1.49g、8.3mmol)のDMF中溶液を窒素下にてカルボニルジイミダゾール(CDI)(2.01g、12.4g)で処理し、75〜80℃で24時間撹拌し、室温に冷却し、真空濃縮する。得られた残留物を、濃NH4OH:エタノール(10:90)で溶離するクロマトグラフィーに付して固体を得、これを、エタノール:酢酸エチルを用いてトリチュレートして、NMRおよび質量スペクトル分析によって同定した黄褐色の固体としての標記化合物0.387g(融点141〜142℃)を得る。
【0049】
実施例4
3−(2−ジメチルアミノエチル)−1−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オンの製造
【化14】

3−(2−ジメチルアミノエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン(20mg、0.10mmol)の室温でのTHF中溶液を3−フルオロフェニル−スルホニルクロリド(26mg、0.12mmol)、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(25μL、0.20mmol)およびDMAP(5mg)で処理し、室温で12時間撹拌し、真空濃縮する。得られた残留物をDMSO、メタノールおよび水の混合液に溶解し、Gilson分取HPLC1によって精製して、標記化合物([M+H] 365、保持時間(RT)2.54分)を得る。
1HPLC条件: HP 1100 HPLC系;Waters Xterra MS C18、2mm(内径)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃に設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中0.02%ギ酸;溶媒B:ACN中0.02%ギ酸;勾配:時間0:B 10%、2.5分:B 90%、3分:B 90%;試料濃度:〜2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0050】
実施例5〜8
3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−(アリールスルホニル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ−イミダゾール−2−オン誘導体の製造
【化15】

上記実施例4に記載した実質的に同一の製造方法を使用し、適当なスルホニルクロリドを用いて、表Iに示される化合物を製造し、HPLC1および質量スペクトル分析によって同定する。
1HPLC条件: HP 1100 HPLC系;Waters Xterra MS C18、2mm(内径)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃に設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中0.02%ギ酸;溶媒B:ACN中0.02%ギ酸;勾配:時間0:B 10%、2.5分:B 90%、3分:B 90%;試料濃度:〜2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0051】
【表1】

【0052】
実施例10
N−1−(3−ニトロピリジ−2−イル)エタン−1,2−ジアミンの製造
【化16】

2−フルオロ−3−ニトロピリジン(8.0g. 50mmol)およびエチレンジアミン(3.6g、60mmol)のイソプロパノール中混合物を100℃で48時間加熱し、0℃に冷却し、濾過する。濾過ケーキを冷イソプロパノールで洗浄し、風乾させて、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した黄褐色の固体としての標記化合物8.5gを得る。
【0053】
実施例11
{[2−(3−ニトロピリジ−2−イル)アミノ]エチル}カルバミン酸t−ブチルエステルの製造
【化17】

N−1−(3−ニトロピリジ−2−イル)エタン−1,2−ジアミン(2.3g、12.7mmol)のアセトン/水(1:1)中溶液をK2CO3(3.5g、25mmol)およびジ−t−ブトキシジカルボニル(3.3g、15.2mmol)で処理し、室温で4時間撹拌し、真空濃縮してアセトンを除去する。水性残留物をEtOAcで抽出する。抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空濃縮して、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した固体としての標記生成物3.5gを得る。
【0054】
実施例12
{[2−(3−アミノピリジ−2−イル)アミノ]エチル}カルバミン酸t−ブチルエステルの製造
【化18】

{[2−(3−ニトロピリジ−2−イル)アミノ]エチル}カルバミン酸t−ブチルエステル(2.0g、7.1mmol)およびラネーニッケル(0.5g)のメタノール中混合物をヒドラジン(0.8mL、25mmol)で滴下処理し、室温で16時間撹拌し、CeliteおよびMgSO4で処理し、濾過する。濾過ケーキをメタノールで洗浄する。濾液を合わせ、真空濃縮して、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した茶色の油状物としての標記生成物1.8gを得る。
【0055】
実施例13
[2−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジ−2−イル)エチル]−カルバミン酸t−ブチルエステルの製造
【化19】

{[2−(3−アミノピリジ−2−イル)アミノ]エチル}カルバミン酸t−ブチルエステル(5.04g、20mmol)およびカルボニルジイミダゾール(3.4g、22mmol)のDMF中混合物を110℃で16時間加熱し、室温に冷却し、EtOAcで抽出する。抽出物を合わせ、水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、真空濃縮する。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、溶離液としてクロロホルム:メタノール:NH4OH(90:9:1))によって精製して、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した透明な油状物としての標記化合物2.9gを得る。
【0056】
実施例14
3−(2−アミノエチル)−1−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オンの製造
【化20】

[2−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジ−2−イル)エチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(27mg、0.1mmol)の室温でのTHF中溶液を(5−クロロチエン−2−イル)スルホニルクロリド(26mg、0.12mmol)、次いで、ジイソプロピル−エチルアミン(25μL、0.2mmol)およびDMAP(5mg)で処理し、室温で12時間撹拌し、真空濃縮する。得られた残留物をTHFに溶解し、ジオキサン中4N HCl(1mL)で処理し、8時間撹拌し、真空濃縮する。この残留物をDMSO、メタノールおよび水の混合液に溶解し、Gilson分取HPLC1によって精製して標記化合物6mg([M+H] 359、保持時間(RT)2.04分)を得る。
1HPLC条件: HP 1100 HPLC系;Waters Xterra MS C18、2mm(内径)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃に設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中0.02%ギ酸;溶媒B:ACN中0.02%ギ酸;勾配:時間0:B 10%、2.5分:B 90%、3分:B 90%;試料濃度:〜2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0057】
実施例15〜27
3−(2−アミノエチル)−1−(アリールスルホニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]−ピリジン−2−オン誘導体の製造
【化21】

上記実施例14に記載した実質的に同一の製造方法を使用し、適当なアリールスルホニルクロリドを用いて、表IIに示される化合物を得、HPLC1および質量スペクトル分析によって同定する。
1HPLC条件: HP 1100 HPLC系;Waters Xterra MS C18、2mm(内径)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃に設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中0.02%ギ酸;溶媒B:ACN中0.02%ギ酸;勾配:時間0:B 10%、2.5分:B 90%、3分:B 90%;試料濃度:〜2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0058】
【表2】

【0059】
実施例28
試験化合物の5−HT6結合アフィニティーの比較評価
セロトニン5−HT6受容体に対する試験化合物のアフィニティーを以下の方法で評価する。ヒトクローン化5−HT6受容体を発現しているHela培養細胞を回収し、低速(1,000×g)で10.0分間遠心分離に付して培養培地を除去する。回収した細胞を半分の容量の新鮮なリン酸緩衝生理食塩水に懸濁し、同じ速度で再度遠心分離に付す。この操作を繰り返す。次いで、集めた細胞を10容量の50mMトリスHCl(pH7.4)および0.5mM EDTA中でホモジナイズする。該ホモジネートを40,000×gで30.0分間遠心分離に付し、沈殿物を集める。得られたペレットを10容量のトリスHClバッファーに再度懸濁し、同じ速度で再度遠心分離に付す。最終ペレットを少量のトリスHClバッファーに懸濁し、10〜25μl容量のアリコートの組織タンパク質含量を測定する。Lowry et al., J. Biol. Chem., 193:265(1951)に記載の方法に従って、ウシ血清アルブミンをタンパク質測定における標準として用いる。懸濁液1ml中1.0mgの組織タンパク質濃度になるように、懸濁した細胞膜の容量を調整する。調製した膜懸濁液(10倍濃縮)を1.0ml容量のアリコートに分け、その後の結合実験に用いるまで−70℃で貯蔵する。
【0060】
結合実験は、96ウェルマイクロタイタープレートフォーマットにおいて、全容量200μlで行う。各ウェルに以下の混合物を加える:インキュベーションバッファー(10.0mM MgCl2および0.5mM EDTAを含有する50mMトリスHClバッファー(pH7.4))80.0μlおよび[3H]−LSD(S.A.,86.0Ci/ミリモル、Amersham Life Scienceから入手可能、3.0nM)20μl。ヒトセロトニン5−HT6受容体における[3H]LSDの解離定数KDは、増加濃度の[3H]LSDとの飽和結合によって決定したように2.9nMである。該反応は組織懸濁液100.0μlの最終的な添加によって開始する。非特異的結合は10.0μMメチオテピンの存在下に測定される。試験化合物を20.0μl容量で加える。
【0061】
該反応を暗所にて室温で120分間進行させ、その時点で、Packard Filtermate(登録商標)196ハーベスターを用いて、結合リガンド−受容体複合体を96ウェル・ユニフィルター(unifilter)で濾過する。該フィルターディスク上に捕獲された結合複合体を風乾させ、Microscint(登録商標)−20シンチラント40.0μlを浅いウェルの各々に添加後、6個の光電子増倍管検出器を備えたPackard TopCount(登録商標)で放射能を測定する。該ユニフィルタープレートをヒートシールし、31.0%のトリチウム効率を有するPackardTopCount(登録商標)において計数する。
【0062】
5−HT6受容体との特異的結合は、全結合放射活性から10.0μM非標識メチオテピンの存在下での結合量を差し引いたものであると定義される。種々の濃度の試験化合物の存在下での結合を試験化合物の不在下での特異的結合のパーセンテージとして表す。結果を対数結合%対試験化合物の対数濃度としてプロットする。コンピューター援用プログラムPrism(登録商標)を用いてデータポイントを非線形回帰分析に付し、95%信頼限界を有する試験化合物のIC50値およびKi値の両方を得た。データポイントの線形回帰線をプロットし、そこからIC50値を決定し、以下の方程式:
i=IC50/(1+L/KD)
[式中、Lは使用される放射性リガンドの濃度であり、KDは受容体に対するリガンドの解離定数であり、どちらもnMで表される]
を基にKi値を決定する。
【0063】
このアッセイを用いて、以下のKi値を決定し、5−HT6受容体との結合を示すことが知られている代表的化合物によって得られるその値と比較する。データを下記表IIIに示す。
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(I)
[式中、
Qは、−(CR23)n−NR45
【化2】

であり;
Wは、CR1またはNであり;
Xは、CR7またはNであり;
Yは、CR8またはNであり;
Zは、CR9またはNであり、ただし、W、X、YまたはZのうち少なくとも1つ以上2つ以下はNである;
Rは、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系であり;
1、R7、R8およびR9は、各々独立して、H、ハロゲン、CN、OCO210、CO211、CONR1213、SOx14、NR1516、OR17、COR18、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
xは0または1、2もしくは3の整数であり;
2およびR3は、各々独立して、Hまたは置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり;
nは2、3、4または5の整数であり;
pは0または1もしくは2の整数であり;
4およびR5は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよいか、またはR4およびR5は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR19またはSOxから選択される付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい5〜8員環を形成してもよく;
6、R19、R20およびR21は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
10、R11、R14、R17およびR18は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
12およびR13は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C6アルキル基であるか、またはR12およびR13は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR20またはSOxから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
15およびR16は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C4アルキル基であるか、またはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR21またはSOxから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
----は、単結合または二重結合を表す]
で示される化合物、その立体異性体またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
Rが置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Rが置換されていてもよいフェニル、ナフチル、チエニルまたはイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾリル基である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Qが−(CR23)n−NR45または
【化3】

である、請求項1〜3いずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
2およびR3がHであり;nが整数2であり;R6がHであり;pが整数1である、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
WがNであり;XがCR7であり;YがCR8であり、ZがCR9である、請求項1〜5いずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−[(2−クロロイミダゾ[2,1−b]ピリジン−3−イル)スルホニル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−[(2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−[(3−ブロモフェニル)スルホニル]−3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−(チエン−2−イルスルホニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−(フェニルスルホニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−(2−ナフチルスルホニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(3−メトキシフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(4−クロロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(2,3−ジクロロフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(3−ブロモフェニル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(5−ブロモチエン−2−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(2,5−ジクロロチエン−3−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−(2−アミノエチル)−3−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
1−(2−アミノエチル)−3−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−(2−アミノエチル)−3−[(ナフタ−1−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
3−(2−アミノエチル)−1−[(ナフタ−1−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
1−(2−アミノエチル)−3−[(ナフタ−1−イル)スルホニル]−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−フェニルスルホニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
3−フェニルスルホニル−1−(ピロリジン−3−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
1−フェニルスルホニル−3−(ピロリジン−3−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン;
3−フェニルスルホニル−1−(ピロリジン−3−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン;
その立体異性体;および
その医薬上許容される塩
からなる群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項8】
5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系障害の治療を必要とする患者におけるかかる中枢神経系障害の治療方法であって、該患者に請求項1〜7いずれか1項記載の式Iで示される化合物の治療上有効量を与えることを含む、方法。
【請求項9】
障害が不安障害または認知障害である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
障害が神経変性障害である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
障害が注意欠陥障害;強迫性障害;薬物、アルコールまたはニコチン嗜癖からの離脱;統合失調症;うつ病;およびアルツハイマー病からなる群から選択される、請求項9記載の方法。
【請求項12】
障害が脳卒中;頭部外傷;および神経因性疼痛からなる群から選択される、請求項8記載の方法。
【請求項13】
医薬上許容される担体および請求項1〜7いずれか1項記載の式Iで示される化合物の有効量を含む医薬組成物。
【請求項14】
式I:
【化4】

(I)
[式中、
Qは、−(CR23)n−NR45
【化5】

であり;
Wは、CR1またはNであり;
Xは、CR7またはNであり;
Yは、CR8またはNであり;
Zは、CR9またはNであり、ただし、W、X、YまたはZのうち少なくとも1つ以上2つ以下はNである;
Rは、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系であり;
1、R7、R8およびR9は、各々独立して、H、ハロゲン、CN、OCO210、CO211、CONR1213、SOx14、NR1516、OR17、COR18、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
xは0または1、2もしくは3の整数であり;
2およびR3は、各々独立して、Hまたは置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり;
nは2、3、4または5の整数であり;
pは0または1もしくは2の整数であり;
4およびR5は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよいか、またはR4およびR5は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR19またはSOxから選択される付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい5〜8員環を形成してもよく;
6、R19、R20およびR21は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
10、R11、R14、R17およびR18は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
12およびR13は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C6アルキル基であるか、またはR12およびR13は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR20またはSOxから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
15およびR16は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C4アルキル基であるか、またはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR21またはSOxから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
----は、単結合または二重結合を表す]
で示される化合物の製造方法であって、溶媒の存在下であってもよい塩基の存在下で式II:
【化6】

(II)
[式中、Q、W、X、YおよびZは上記のとおりである]
で示される化合物をスルホニルクロリド、RSO2Cl(ここで、Rは上記のとおりである)と反応させることを含む、方法。
【請求項15】
薬剤として使用するための請求項1〜7いずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系障害の治療のための薬剤の製造のための請求項1〜7いずれか1項記載の式Iで示される化合物の使用。

【公表番号】特表2006−528184(P2006−528184A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521174(P2006−521174)
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/023221
【国際公開番号】WO2005/010003
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】