説明

5−HT2Aセロトニンレセプター活性のモジュレーターとして有用なフェニルピラゾールの結晶形態および調製方法

本発明は、5−HT2Aセロトニンレセプター活性のモジュレーターとして有用な、式(I)のフェニル−ピラゾールならびにその塩および組成物を調製するための方法に関する。本発明はまた、該方法およびそれらの調製で使用される中間体にも関する。本発明はまた、5−HT2Aセロトニンレセプター活性のモジュレーターの結晶形態、その組成物およびその使用方法にも関する。本発明は、本明細書に記載されるような塩または結晶形態と5HT2Aレセプターとを接触させる工程を含む、該レセプターを調節するための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、5−HT2Aセロトニンレセプター活性のモジュレーターとして有用な式(I)のフェニルピラゾールならびにその塩および薬学的組成物の調製方法に関する。本発明はまた、該方法で使用される中間体、およびそれらの調製に関する。本発明はまた、5−HT2Aセロトニンレセプター活性のモジュレーターの結晶形態、その組成物およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン、5HT)のレセプターは、Gタンパク質共役レセプターの重要なクラスである。セロトニンレセプターは、7つのサブファミリーに分けられ、5−HT〜5HTと呼ばれる。これらのサブファミリーはさらにサブタイプに分けられる。例えば、5HTサブファミリーは、3つのレセプターサブタイプ、5−HT2A、5−HT2Bおよび5−HT2Cに分けられる。特定のフェニルピラゾールは、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作、心房細動、血餅形成、喘息またはその症状、興奮またはその症状、行動障害、薬物誘導精神病、興奮性精神病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、躁病障害、器質性精神病または特定不能精神病、精神病性障害、精神病、急性精神分裂症、慢性精神分裂症、特定不能精神分裂症および関連障害、睡眠障害、糖尿病関連障害、進行性多病巣性白質脳障害などの治療に有用な5−HT2Aセロトニンレセプター活性のモジュレーターである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、改善された安定性、溶解性、保存期間およびインビボの薬理を有する薬剤が一貫して求められるので、既存の薬剤分子の新規か、またはさらに純度の高い塩、水和物、溶媒和物および多形性結晶形態に対する進行中の必要性が存在する。本明細書に記載される、形態Iとして示される塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウムの結晶形態、および形態Iとして示されるカルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムの結晶形態は、この必要性およびそのほかの必要性を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要約)
本発明は、とりわけ、式(I):
【0005】
【化24】

(式中、
はC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシであり、
XはO、S、NRまたはCHRであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物またはその塩形態を調製するための方法を提供し、その方法は、式(I)の化合物を形成するために式(II):
【0006】
【化25】

の化合物と、式(III):
【0007】
【化26】

の化合物とを、三置換ホスフィンおよび式(A):
【0008】
【化27】

(式中、
およびRはそれぞれ独立してC〜C10のアルキルまたはC〜Cのシクロアルキルである)
を有する化合物の存在下で反応させる工程を含む。
【0009】
本発明はさらに、式(II)の化合物を調製するための方法を提供し、その方法は、式(II)の化合物を形成するために式(IV):
【0010】
【化28】

(式中、
Yは、ハロ、OHまたはOC(O)Rであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物と、式(V):
【0011】
【化29】

の化合物またはその塩とを反応させる工程を含む。
【0012】
本発明はさらに、式(V)の化合物またはその塩を調製するための方法を提供し、その方法は、式(V)の化合物またはその塩を形成するために式(VI):
【0013】
【化30】

(式中、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物と切断試薬とを反応させる工程を含む。
【0014】
本発明はさらに、式(VI)の化合物を調製するための方法を提供し、その方法は、式(VI)の化合物を形成するために酸の存在下で式(VII):
【0015】
【化31】

の化合物とアミンとを反応させる工程を含む。
【0016】
本発明はさらに、式(VII)の化合物を調製するための方法を提供し、その方法は、式(VII)の化合物を形成するためにルイス酸の存在下で式(IX):
【0017】
【化32】

の化合物と、式(X):
【0018】
【化33】

(式中、
Zは、ハロまたはOC(O)Rであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物とを反応させる工程を含む。
【0019】
本発明はさらに、式(VI)の化合物を調製するための方法を提供し、その方法は、式(VI)の化合物を形成するために式(VIII):
【0020】
【化34】

の化合物と脱メチル化剤とを反応させる工程を含む。
【0021】
本発明はさらに、式(VIII)の化合物を調製するための方法を提供し、その方法は、式(VIII)の化合物を形成するために式(IX):
【0022】
【化35】

の化合物と、式(XI):
【0023】
【化36】

の化合物およびアミンとを反応させる工程を含む。
【0024】
本発明はさらに、式(VI)の化合物を調製するための方法を提供し、その方法は、式(VI)の化合物を形成するために触媒の存在下で式(XIV):
【0025】
【化37】

(式中、
およびRは、それぞれ独立してC〜Cのアルキルまたはアリールアルキルであるか、あるいは
およびRはそれらが結合する窒素原子と一緒にヘテロシクリル基またはヘテロビシクリル基を形成する)
の化合物とメチルヒドラジンとを反応させる工程を含む。
【0026】
本発明はさらに、式(XIV)の化合物を調製するための方法を提供し、その方法は、式(XIV)の化合物を形成するために式(XV):
【0027】
【化38】

の化合物と、式(XVI):
【0028】
【化39】

(式中、
Wは、−CH(OR10)(OR11)であり、
10およびR11は、それぞれ独立してC〜Cのアルキルである)
の化合物とを反応させる工程を含む。
【0029】
本発明はさらに、式(I)の化合物の塩を調製するための方法を提供し、その方法は、式(I)の化合物の塩を形成するために式(I):
【0030】
【化40】

の化合物と塩形成酸とを反応させる工程を含む。
【0031】
本発明はさらに、本明細書に記載される方法によって調製される式(I)の化合物の塩を提供する。
【0032】
本発明はさらに、本明細書に記載される方法によって調製される式(I)の化合物の薬学的組成物を提供する。
【0033】
本発明はさらに、本明細書に記載される方法によって調製される式(II)、式(V)および式(VII)の化合物を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態では、本発明は、塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウムを提供する。
【0035】
いくつかの実施形態では、本発明は、結晶形態Iを有する塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウムを提供する。
【0036】
いくつかの実施形態では、本発明は、カルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムを提供する。
【0037】
いくつかの実施形態では、本発明は、結晶形態Iを有するカルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムを提供する。
【0038】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の結晶形態を含む組成物を提供する。
【0039】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の結晶形態および薬学的に許容できるキャリアを含む組成物を提供する。
【0040】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の結晶形態を調製するための方法ならびに該方法によって調製される結晶形態を提供する。
【0041】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような塩または結晶形態と5HT2Aレセプターとを接触させる工程を含む、該レセプターを調節するための方法を提供する。
【0042】
いくつかの実施形態では、本発明は、5HT2A関連の障害を処置するための方法を提供し、その方法は、それを必要とする患者に、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を投与する工程を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を投与することによって、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作、心房細動、血餅形成、喘息またはその症状、動揺またはその症状、行動障害、薬物誘導精神病、興奮性精神病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、躁病障害、器質性精神病または特定不能精神病、精神病性障害、精神病、急性精神分裂症、慢性精神分裂症、特定不能精神分裂症および関連障害、睡眠障害、糖尿病関連障害、進行性多病巣性白質脳障害を処置するための方法を提供する。
【0044】
いくつかの実施形態では、本発明は、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作および心房細動を処置するための方法を提供し、その方法は、それを必要とする患者に、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を投与する工程を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、本発明は、血小板凝集に関連する状態を処置するための方法を提供し、その方法は、それを必要とする患者に、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を投与する工程を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明は、血管形成術または冠動脈バイパス手術の個体における血餅形成のリスクを軽減する方法を提供し、その方法は、それを必要とする患者に、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を投与する工程を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本発明は、心房細動に罹っている個体における血餅形成のリスクを軽減する方法を提供し、その方法は、それを必要とする患者に、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を投与する工程を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を患者に投与する工程を含む、睡眠障害を処置するための方法を提供する。
【0049】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を患者に投与する工程を含む、睡眠不全を処置するための方法を提供する。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を患者に投与する工程を含む、錯眠を処置するための方法を提供する。
【0051】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を患者に投与する工程を含む、糖尿病関連障害を処置するための方法を提供する。
【0052】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を患者に投与する工程を含む、進行性多病巣性白質脳障害を処置するための方法を提供する。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を患者に投与する工程を含む、高血圧を処置するための方法を提供する。
【0054】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような塩または結晶形態の治療有効量を患者に投与する工程を含む、疼痛を処置するための方法を提供する。
【0055】
いくつかの実施形態では、本発明は、療法に使用するための本発明の化合物または塩または結晶形態の使用を提供する。
【0056】
いくつかの実施形態では、本発明は、療法に使用するための医薬の調製における本発明の化合物または塩または結晶形態の使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
(詳細な説明)
本発明は、例えば、中枢神経系の障害(例えば、認知症、興奮またはその症状、行動障害、精神病、器質性精神病または特定不能精神病、薬物誘導精神病、興奮性精神病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、躁病障害、精神障害、精神分裂病、急性精神分裂症、慢性精神分裂症、特定不能精神分裂症および関連障害など)、循環器障害(例えば、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作、心房細動、血小板凝集、血餅形成など)、睡眠障害、喘息および関連する症状、糖尿病関連障害などのような5−HT2Aセロトニンレセプターの発現および/または活性に関連する障害の処置に5−HT2Aセロトニンレセプターのモジュレーターとして有用である置換されたフェニルピラゾールを調製するための方法および中間体に関する。
【0058】
本発明の方法および中間体の例は、示された化合物の各構成メンバーが本明細書で定義される以下のスキームI、スキームIIおよびスキームIIIに提供される。
【0059】
スキームI
【0060】
【化41】

スキームII
【0061】
【化42】

スキームIII
【0062】
【化43】

本発明の1つの態様は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIV)、(XV)および(XVI)の化合物またはその塩形態が関与するスキームI、スキームIIおよびスキームIII(上記)によって例示されるもののような方法に関するものであり、式中
は、C〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシであり、
Xは、O、S、NRまたはCHRであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、
Yは、ハロ、OHまたはOC(O)Rであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、
Zは、ハロまたはOC(O)Rであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、
は、H、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜CのアルキニルまたはSOであり、
は、必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたOH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニルまたはアリールであり、
およびRは、それぞれ独立してC〜Cのアルキルまたはアリールアルキルであるか、あるいは
およびRはそれらが結合する窒素原子と一緒にヘテロシクリル基またはヘテロビシクリル基を形成し、
Wは、ホルミルまたは−CH(OR10)(OR11)であり、
10およびR11は、それぞれ独立してC〜Cのアルキルである。
【0063】
明瞭さのために別々の実施形態の背景で記載される本発明の特定の特徴が単一の実施形態に組み合わせて提供されてもよいことは十分に理解される。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で記載される本発明の種々の特徴が、別々にまたは好適なサブコンビネーションにて提供されてもよい。本明細書で記載される一般化学式[(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIV)、(XV)および(XVI)]の範囲内に含有される変数(R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R、R、W、X、YおよびZ)によって表される化学基に関する実施形態の組み合わせはすべて、そのような組み合わせが結果として安定な化合物を生じる化合物(例えば、単離され、特徴付けされ、生物活性について調べられる化合物)を包含する程度に、それらがあたかも明白に開示されたかのように本発明によって具体的に包含される。
【0064】
本明細書で使用されるとき、「置換された」は、化学基の少なくとも1つの水素原子が、非水素の置換基または基によって置換されることを指し、該非水素の置換基または基は、一価または二価であってもよい。置換基が二価である場合、この基は別の置換基または基によってさらに置換されることが理解される。本明細書で化学基が「置換された」場合、全ての原子価までの置換を有してもよい;例えば、メチル基は、1、2または3個の置換基によって置換することができ、メチレン基は1または2個の置換基によって置換することができ、フェニル基は、1、2、3、4または5個の置換基によって置換することができ、ナフチル基は、1、2、3、4、5、6または7個の置換基によって置換することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、Rは、C〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシである。
【0066】
いくつかの実施形態では、Rは、C〜Cのアルコキシである。
【0067】
いくつかの実施形態では、Rは、メトキシである。
【0068】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロである。
【0069】
いくつかの実施形態では、Rは、フルオロである。
【0070】
いくつかの実施形態では、Xは、O、S、NRまたはCHRである。
【0071】
いくつかの実施形態では、Xは、Oである。
【0072】
いくつかの実施形態では、Xは、NRであり、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0073】
いくつかの実施形態では、Xは、NRであり、Rは、C〜Cのアシルである。
【0074】
いくつかの実施形態では、Xは、NC(O)CHである。
【0075】
いくつかの実施形態では、Rは、メトキシであり、XはOである。
【0076】
いくつかの実施形態では、Rは、フルオロであり、RはC〜Cのアシルである。
【0077】
いくつかの実施形態では、Rは、フルオロであり、Xは、NC(O)CHである。
【0078】
いくつかの実施形態では、Yは、ハロであり、OHまたはOC(O)Rである。
【0079】
いくつかの実施形態では、Yは、ハロであり、Rは、メトキシである。
【0080】
いくつかの実施形態では、Yは、ハロであり、Rは、フルオロである。
【0081】
いくつかの実施形態では、Yは、クロロであり、Rは、メトキシである。
【0082】
いくつかの実施形態では、Yは、クロロであり、Rは、フルオロである。
【0083】
いくつかの実施形態では、Yは、OC(O)Rであり、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0084】
いくつかの実施形態では、Yは、OC(O)Rであり、Rは、3−メトキシフェニルである。
【0085】
いくつかの実施形態では、Yは、OC(O)Rであり、Rは、3−フルオロフェニルである。
【0086】
いくつかの実施形態では、Yは、OC(O)Rであり、Rは、3−メトキシフェニルであり、Rは、メトキシである。
【0087】
いくつかの実施形態では、Yは、OC(O)Rであり、Rは、3−フルオロフェニルであり、Rは、フルオロである。
【0088】
いくつかの実施形態では、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0089】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルキルである。
【0090】
いくつかの実施形態では、Rはメチルである。
【0091】
いくつかの実施形態では、ZはハロまたはOC(O)Rである。
【0092】
いくつかの実施形態では、Zはハロである。
【0093】
いくつかの実施形態では、Zはハロであり、RはC〜Cのアルキルである。
【0094】
いくつかの実施形態では、Zはハロであり、Rはメチルである。
【0095】
いくつかの実施形態では、Zはクロロであり、RはC〜Cのアルキルである。
【0096】
いくつかの実施形態では、Zはクロロであり、Rはメチルである。
【0097】
いくつかの実施形態では、ZはOC(O)Rであり、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0098】
いくつかの実施形態では、ZはOC(O)Rであり、RおよびRはそれぞれC〜Cのアルキルである。
【0099】
いくつかの実施形態では、ZはOC(O)Rであり、RおよびRはそれぞれメチルである。
【0100】
いくつかの実施形態では、Rはメトキシであり、XはOであり、Yはクロロであり、Rはメチルであり、Zはクロロである。
【0101】
いくつかの実施形態では、Rはフルオロであり、XはNC(O)CHであり、Yはクロロであり、Rはメチルであり、Zはクロロである。
【0102】
いくつかの実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立してC〜Cのアルキルまたはアリールアルキルである。
【0103】
いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合する窒素原子と一緒にヘテロシクリル基またはヘテロビシクリル基を形成する。
【0104】
いくつかの実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立してC〜Cのアルキルである。
【0105】
いくつかの実施形態では、RおよびRは両方ともメチルである。
【0106】
いくつかの実施形態では、RおよびRは両方ともエチルである。
【0107】
いくつかの実施形態では、Wはホルミルである。
【0108】
いくつかの実施形態では、Wは−CH(OR10)(OR11)である。
【0109】
いくつかの実施形態では、Wは−CH(OR10)(OR11)であり、R10およびR11はそれぞれ独立してC〜Cのアルキルである。
【0110】
いくつかの実施形態では、Wは−CH(OR10)(OR11)であり、R10およびR11は両方ともメチルである。
【0111】
いくつかの実施形態では、Wは−CH(OR10)(OR11)であり、R10およびR11は両方ともエチルである。
【0112】
いくつかの実施形態では、Rはメトキシであり、XはOであり、Yはクロロであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Wは−CH(OR10)(OR11)であり、R10はメチルであり、R11はメチルである。
【0113】
いくつかの実施形態では、Rはフルオロであり、XはNC(O)CHであり、Yはクロロであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Wは−CH(OR10)(OR11)であり、R10はメチルであり、R11はメチルである。
【0114】
(エーテル形成工程)
本発明は、とりわけ、式(I):
【0115】
【化44】

の化合物またはその塩形態を調製するための方法を提供し、その方法は、式(I)を形成するために式(II):
【0116】
【化45】

の化合物と、式(III):
【0117】
【化46】

の化合物とを、三置換ホスフィンおよび式(A):
【0118】
【化47】

(式中、RおよびRは、それぞれ独立してC〜C10のアルキルまたはC〜Cのシクロアルキルである)
を有する化合物の存在下で反応させることを含む。
【0119】
三置換ホスフィンは、式P(R)を有するホスフィンのような好適な三級ホスフィンであってもよく、その際、Rは、独立して、それぞれ1以上のC〜Cのアルキル、C〜Cのハロアルキル、C〜CのアルコキシまたはC〜Cのハロアルコキシによって置換されてもよいC〜Cのアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルまたは複素環アルキルである。
【0120】
いくつかの実施形態では、三置換ホスフィンはトリアリールホスフィンである。
【0121】
いくつかの実施形態では、三置換ホスフィンはトリフェニルホスフィンである。
【0122】
式(A)の好適な化合物は、当業者によって容易に選択される得る。いくつかの実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立してC〜C10のアルキルである。さらなる実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立してC〜Cのアルキルである。よりさらなる実施形態では、RおよびRは両方ともプロプ−2−イルである。
【0123】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物と式(A)の化合物と三置換ホスフィンとを含有する混合物に式(III)の化合物を添加する。
【0124】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物と式(III)の化合物と三置換ホスフィンとを含有する混合物に式(A)の化合物を添加する。
【0125】
いくつかの実施形態では、当初の反応の後、ホスフィンのさらなる部分および/または式(A)の化合物のさらなる部分および/または式(III)の化合物のさらなる部分を添加することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、ホスフィンの総量を2回以上に分けて添加する。
【0127】
いくつかの実施形態では、式(A)の化合物の総量を2回以上に分けて添加する。
【0128】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の総量を2回以上に分けて添加する。
【0129】
式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応は、任意の好適な温度で行うことができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、反応は、約−50℃〜約75℃の温度で行われる。
【0131】
いくつかの実施形態では、反応は、約−25℃〜約50℃の温度で行われる。
【0132】
いくつかの実施形態では、反応は、約0℃〜約25℃の温度で行われる。
【0133】
式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応は、必要に応じて、溶媒中で行うことができる。好適な溶媒が当業者によって選択され得る。溶媒の例としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリジノンまたは環状アミンを含む三級アミンのような極性〜半極性の溶媒または高沸点の溶媒が挙げられる。
【0134】
いくつかの実施形態では、溶媒はN−メチルピロリジノンである。
【0135】
いくつかの実施形態では、溶媒はエーテルである
いくつかの実施形態では、エーテルは環状エーテルである。
【0136】
いくつかの実施形態では、エーテルはテトラヒドロフランである。
【0137】
式(A)の化合物と式(II)の化合物とのモル比を約4:1〜約1:1、約1.8:1〜約1.2:1、または約1.6:1〜約1.4:1として式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応を行ってもよい。
【0138】
いくつかの実施形態では、式(A)の化合物と式(II)の化合物とのモル比は、約4:1〜約1:1、約1.8:1〜約1.1:1、または約1.6:1〜約1.2:1である。
【0139】
いくつかの実施形態では、三置換ホスフィンと式(II)の化合物とのモル比は、約4:1〜約1:1、約1.8:1〜約1.2:1、または約1.6:1〜約1.4:1である。
【0140】
いくつかの実施形態では、三置換ホスフィンと式(II)の化合物とのモル比は、約4:1〜約1:1、約1.8:1〜約1.1:1、または約1.6:1〜約1.4:1である。
【0141】
さらなる実施形態では、式(A)の化合物対三置換ホスフィンとのモル比は、約1:1である。
【0142】
よりさらなる実施形態では、式(II)の化合物と式(III)の化合物とのモル比は、約2.5:1〜約0.5:1、または約2:1〜約1:1である。
【0143】
よりさらなる実施形態では、式(III)の化合物と式(II)の化合物とのモル比は、約2.5:1〜約0.5:1、または約2:1〜約1:1である。
【0144】
(アミド形成工程)
本発明はさらに、式(IV):
【0145】
【化48】

の化合物と式(V):
【0146】
【化49】

の化合物またはその塩とを反応させて式(II)の化合物を形成することを含む、式(II)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0147】
いくつかの実施形態では、Yは、ハロ、OHまたはOC(O)Rであり、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0148】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物と式(V)の化合物との反応は、当業者によって容易に選択される、好適な塩基の存在下で必要に応じて行ってもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、塩基は無機塩基である。無機塩基の例としては、アンモニア、ならびにナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セシウムなどのような金属の炭酸塩、水酸化物および炭酸水素塩が挙げられる。
【0150】
いくつかの実施形態では、塩基は有機塩基である。有機塩基の例としては、例えば、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、ジベンジルアミンまたはピリジンのような脂肪族および芳香族アミンが挙げられる。
【0151】
いくつかの実施形態では、塩基はピリジンとN,N−ジメチルアミノピリジンの混合物である。
【0152】
いくつかの実施形態では、塩基はN−メチルモルホリンである。
【0153】
いくつかの実施形態では、塩基は重炭酸ナトリウムである。
【0154】
いくつかの実施形態では、塩基はピリジンである。
【0155】
いくつかの実施形態では、YはOHであり、式(IV)の化合物と式(V)の化合物との反応は、当業者によって容易に選択される好適なカップリング剤の存在下で必要に応じて行われてもよい。カップリング剤の例としては、HATU、HOAt、HODhbt、HAPyU、TAPipU、HBTU、TBTU、TPTU、TSTU、TNTU、TOTU、BOP、PyBOP、BroP、PyBroP、BOI、MSNT、TDO、DCC、EDCI、CDI、HOBt、HOSu、NEPIS、BBC、BDMP、BOMI、AOP、BDP、PyAOP、TDBTU、BOP−Cl、CIP、DEPBT、Dpp−Cl、EEDQ、FDPP、HOTT、TOTT、PyCloPなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
式(IV)の化合物と式(V)の化合物との反応は、当業者によって容易に選択される好適な溶媒の存在下で必要に応じて行われてもよい。溶媒の例としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリジノンまたは環状アミンを含む三級アミンのような極性〜半極性の溶媒または高沸点の溶媒が挙げられる。
【0157】
いくつかの実施形態では、溶媒は極性非プロトン性溶媒である。溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンなどが挙げられる。
【0158】
いくつかの実施形態では、溶媒はアミドである。
【0159】
いくつかの実施形態では、溶媒はN,N−ジメチルアセトアミドである。
【0160】
いくつかの実施形態では、溶媒はエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのようなアルコールである。
【0161】
いくつかの実施形態では、溶媒はイソプロパノールである。
【0162】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物と式(V)の化合物との反応は、好適な温度にて行われてもよい。
【0163】
いくつかの実施形態では、反応は約−60℃〜約75℃の温度で行われる。
【0164】
いくつかの実施形態では、反応は約−35℃〜約50℃の温度で行われる。
【0165】
いくつかの実施形態では、反応は約−10℃〜約25℃の温度で行われる。
【0166】
(アミド切断工程)
本発明は、式(VI):
【0167】
【化50】

の化合物と切断試薬とを反応させて式(V)の化合物またはその塩を形成することを含む式(V)の化合物を調製するための方法をさらに提供する。
【0168】
いくつかの実施形態では、当該分野で公知の多数のアミド切断剤のいずれかと式(VI)の化合物とを反応させることによって式(V)の化合物を調製してもよい。切断剤の例としては、HCl、ヒドラジン、H/パラジウム、過酸化水素、水酸化ナトリウム、トリエチルオキソニウム、テトラフルオロボレート、アクラーゼ、ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ホウ素ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、酢酸銅、HFおよびDIBALが挙げられるが、これらに限定されない。アミド脱保護の化学反応は、例えば、その全体が参考として本明細書に援用されるGreene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,Wiley & Sons,1999に見い出されてもよい。
【0169】
いくつかの実施形態では、切断試薬は酸である。酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸などが挙げられる。
【0170】
いくつかの実施形態では、切断試薬は硫酸である。
【0171】
式(VI)の化合物の切断試薬との反応は、当業者によって容易に選択される好適な溶媒の存在下で必要に応じて行ってもよい。
【0172】
いくつかの実施形態では、溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのようなアルコールである。
【0173】
いくつかの実施形態では、溶媒はメタノールである。
【0174】
式(VI)の化合物の切断試薬との反応は、当業者によって容易に選択される好適な温度にて行ってもよい。
【0175】
いくつかの実施形態では、反応は約25℃〜約90℃の温度で行われる。
【0176】
いくつかの実施形態では、反応は約40℃〜約80℃の温度で行われる。
【0177】
いくつかの実施形態では、反応は約60℃〜約75℃の温度で行われる。
【0178】
いくつかの実施形態では、反応は約25℃〜約65℃の温度で行われる。
【0179】
いくつかの実施形態では、反応は約30℃〜約60℃の温度で行われる。
【0180】
いくつかの実施形態では、反応は約40℃〜約55℃の温度で行われる。
【0181】
(再構成工程)
本発明は、酸の存在下で式(VII):
【0182】
【化51】

の化合物とアミンとを反応させて式(VI)の化合物を形成することを含む式(VI)の化合物を調製するための方法をさらに提供する。
【0183】
いくつかの実施形態では、酸は2回以上に分けて添加し、その際、酸の存在下で式(VII)の化合物とアミンとの反応によって形成される式(VIIa):
【0184】
【化52】

の化合物が形成された後に、2回目の分を添加する。
【0185】
いくつかの実施形態では、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0186】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルキルである。
【0187】
いくつかの実施形態では、Rはメチルである。
【0188】
いくつかの実施形態では、Rは、H、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜CのアルキニルまたはSOであり、Rは、必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたOH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニルまたはアリールである。
【0189】
いくつかの実施形態では、RはHである。
【0190】
例として、Rがメチルであり、RがHである式(VIIa)の化合物の分子イオン(m/z232.3)は、硫酸の存在下での式(VII)とヒドロキシルアミンとの反応において質量分析によって観察された。
【0191】
いくつかの実施形態では、アミンはヒドロキシルアミンである。
【0192】
いくつかの実施形態では、アミンはヒドロキシルアミンの塩である。ヒドロキシルアミンの塩の例としては、HCl、リン酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、EDTAおよび硫酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0193】
いくつかの実施形態では、アミンは塩酸ヒドロキシルアミンである。
【0194】
酸は、当業者によって容易に選択される好適な酸であってもよい。
【0195】
いくつかの実施形態では、酸は硫酸である。
【0196】
式(VII)の化合物のアミンとの反応は、当業者によって容易に選択される好適な溶媒の存在下で必要に応じて行われてもよい。
【0197】
いくつかの実施形態では、溶媒は、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸などのようなカルボン酸である。
【0198】
いくつかの実施形態では、溶媒は酢酸である。
【0199】
式(VI)の化合物の切断試薬との反応は、当業者によって容易に選択される好適な温度にて行ってもよい。
【0200】
いくつかの実施形態では、反応は約25℃〜約105℃の温度で行われる。
【0201】
いくつかの実施形態では、反応は約50℃〜約95℃の温度で行われる。
【0202】
いくつかの実施形態では、反応は約75℃〜約85℃の温度で行われる。
【0203】
(アシル化工程)
本発明は、ルイス酸の存在下で式(IX):
【0204】
【化53】

の化合物と式(X):
【0205】
【化54】

の化合物とを反応させて式(VII)の化合物を形成することを含む式(VII)の化合物を調製するための方法をさらに提供する。
【0206】
ルイス酸は、当業者によって容易に選択される好適なルイス酸であってもよい。ルイス酸の例としては、AlCl、FeCl、ZnCl、AlBr、ZnBr、TiCl、SnClなどが挙げられる。
【0207】
いくつかの実施形態では、ルイス酸はAlClである。
【0208】
式(IX)の化合物と式(X)の化合物との反応は、当業者によって容易に選択される好適な溶媒の存在下で必要に応じて行われてもよい。好適な溶媒の例としては、二硫化炭素、ジエチルエーテル、MTBEおよびTHFのようなエーテル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよびクロロホルムのようなハロアルカン類、ニトロメタンおよびニトロエタンのようなニトロアルカン類、アセトニトリルおよびプロピオニトリルのようなニトリル類、ならびにベンゼン、トルエン、ピリジン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどのような芳香族溶媒が挙げられる。
【0209】
いくつかの実施形態では、溶媒は高沸点の芳香族溶媒である。
【0210】
いくつかの実施形態では、溶媒は1,2−ジクロロベンゼンである。
【0211】
式(IX)の化合物と式(X)の化合物との反応は、当業者によって容易に選択される好適な温度にて行ってもよい。
【0212】
いくつかの実施形態では、反応は約25℃〜約175℃の温度で行われる。
【0213】
いくつかの実施形態では、反応は約50℃〜約130℃の温度で行われる。
【0214】
いくつかの実施形態では、反応は約75℃〜約85℃の温度で行われる。
【0215】
(脱メチル化工程)
本発明は、式(VIII):
【0216】
【化55】

の化合物を脱メチル化剤と反応させて式(VI)の化合物を形成することを含む式(VI)の化合物を調製するための方法をさらに提供する。
【0217】
脱メチル化剤は、当業者によって容易に選択される好適な試薬であってもよい。脱メチル化剤の例としては、ヨウ化トリメチルシリル、例えば、酢酸におけるBCl、BBr、BI、AlCl、AlBr、TiClおよびSnClのようなルイス酸、例えば、硫化ナトリウム、C〜C18のアルキルチオレート、ナトリウムチオクレソレート、カリウムチオフェノキシドおよびナトリウムトリメチルシランチオレートのようなチオレート類、ナトリウムベンジルセレニド、例えば、ナトリウム/NHおよびカリウム/18−クラウン−6のようなアルカリ金属、リチウムハロゲン化合物、例えば、NaHMDSおよびLDAのような強塩基、DMSOまたは9−Br−BBN中のシアン化ナトリウムなどが挙げられる。
【0218】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤はC〜C18のアルキルチオレートである。
【0219】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤はナトリウムドデシルチオレートである。
【0220】
式(VIII)の化合物と脱メチル化剤との反応は、当業者によって容易に選択される好適な溶媒の存在下で必要に応じて行われてもよい。好適な溶媒の例としては、例えば、酢酸またはプロピオン酸のような酸、例えば、ジエチルエーテル、MTBEおよびTHFのようなエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよびクロロホルムのようなハロアルカン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンなどのようなアミド類が挙げられる。
【0221】
いくつかの実施形態では、溶媒はアミドである。
【0222】
いくつかの実施形態では、溶媒はN,N−ジメチルアセトアミドである。
【0223】
式(VIII)の化合物と脱メチル化剤との反応は、当業者によって容易に選択される好適な温度にて行ってもよい。
【0224】
いくつかの実施形態では、反応は約25℃〜約165℃の温度で行われる。
【0225】
いくつかの実施形態では、反応は約75℃〜約155℃の温度で行われる。
【0226】
いくつかの実施形態では、反応は約130℃〜約145℃の温度で行われる。
【0227】
(アシル化−再構成の工程)
本発明は、式(IX):
【0228】
【化56】

の化合物と、式(XI):
【0229】
【化57】

の化合物およびアミンとを反応させて式(VIII)の化合物を形成することを含む式(VIII)の化合物を調製するための方法をさらに提供する。
【0230】
いくつかの実施形態では、反応の開始時にアミンが存在し、それによってアシル化工程と再構成工程が単一工程にはめ込まれる。
【0231】
いくつかの実施形態では、式(XI)の化合物により式(IX)の化合物をアシル化することによって形成される式(XII):
【0232】
【化58】

の中間体が形成された後で、アミンをインサイチュで添加する。
【0233】
いくつかの実施形態では、アミンはヒドロキシルアミンである。
【0234】
いくつかの実施形態では、アミンはヒドロキシルアミンの塩である。ヒドロキシルアミンの塩の例としては、HCl、リン酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、EDTAおよび硫酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0235】
いくつかの実施形態では、アミンは塩酸ヒドロキシルアミンである。
【0236】
式(IX)の化合物と式(XI)の化合物およびアミンとの反応は、当業者によって容易に選択される好適な溶媒の存在下で必要に応じて行われてもよい。
【0237】
いくつかの実施形態では、溶媒はリン酸である。
【0238】
いくつかの実施形態では、溶媒はメタンスルホン酸中の五酸化リン(イートン試薬)である。
【0239】
式(IX)の化合物と式(XI)の化合物およびアミンとの反応は、当業者によって容易に選択される好適な温度にて行ってもよい。
【0240】
いくつかの実施形態では、反応は約20℃〜約140℃の温度で行われる。
【0241】
いくつかの実施形態では、反応は約40℃〜約120℃の温度で行われる。
【0242】
いくつかの実施形態では、反応は約60℃〜約100℃の温度で行われる。
【0243】
(ピラゾール形成工程)
本発明は、触媒の存在下で式(XIV):
【0244】
【化59】

の化合物とメチルヒドラジンとを反応させて式(VI)の化合物を形成することを含む式(VI)の化合物を調製するための方法をさらに提供する。
【0245】
触媒は、当業者によって容易に選択される好適な触媒であってもよい。好適な触媒の例としては、ルイス酸、ブレンステッド酸、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基およびモンモリロナイトが挙げられる。
【0246】
いくつかの実施形態では、触媒はルイス酸である。ルイス酸の例としては、BF、BCl、BBr、BI、AlCl、FeCl、ZnCl、AlBr、ZnBr、TiCl、SnClなどが挙げられる。
【0247】
いくつかの実施形態では、ルイス酸は三フッ化ホウ素ジエチルエテレート(etherate)である。
【0248】
いくつかの実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立してC〜Cのアルキルまたはアリールアルキルである。
【0249】
いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合する窒素原子と一緒にヘテロシクリル基またはヘテロビシクリル基を形成する。
【0250】
いくつかの実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立してC〜Cのアルキルである。
【0251】
いくつかの実施形態では、RおよびRは両方ともにメチルである。
【0252】
式(XIV)の化合物とメチルヒドラジンとの反応は、当業者によって容易に選択される好適な溶媒の存在下で必要に応じて行われてもよい。
【0253】
いくつかの実施形態では、溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのようなアルコールである。
【0254】
いくつかの実施形態では、溶媒はメタノールである。
【0255】
式(XIV)の化合物とメチルヒドラジンとの反応は、好適な温度にて行ってもよい。
【0256】
いくつかの実施形態では、反応は約−20℃〜約30℃の温度で行われる。
【0257】
いくつかの実施形態では、反応は約−10℃〜約20℃の温度で行われる。
【0258】
いくつかの実施形態では、反応は約0℃〜約10℃の温度で行われる。
【0259】
(エナミノン形成工程)
本発明は、式(XV):
【0260】
【化60】

の化合物と式(XVI):
【0261】
【化61】

の化合物とを反応させて式(XIV)の化合物を形成することを含む式(XIV)の化合物を調製するための方法をさらに提供する。
【0262】
いくつかの実施形態では、Wはホルミルである。
【0263】
いくつかの実施形態では、Wは−CH(OR10)(OR11)であり、R10およびR11は、それぞれ独立してC〜Cのアルキルである。
【0264】
いくつかの実施形態では、Wは−CH(OR10)(OR11)であり、R10およびR11は両方ともにメチルである。
【0265】
式(XV)の化合物と式(XVI)の化合物との反応は、当業者によって容易に選択される好適な溶媒の存在下で必要に応じて行われてもよい。
【0266】
いくつかの実施形態では、溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのようなアルコールである。
【0267】
いくつかの実施形態では、溶媒はイソプロパノールである。
【0268】
式(XV)の化合物と式(XVI)の化合物との反応は、好適な温度にて行ってもよい。
【0269】
いくつかの実施形態では、反応は約20℃〜約90℃の温度で行われる。
【0270】
いくつかの実施形態では、反応は約30℃〜約70℃の温度で行われる。
【0271】
いくつかの実施形態では、反応は約40℃〜約50℃の温度で行われる。
【0272】
(塩の形成)
本発明は、塩形成酸がトリフルオロ酢酸ではないという条件で、式(I):
【0273】
【化62】

の化合物と塩形成酸とを反応させて式(I)の化合物の塩を形成することを含む式(I)の化合物の塩を調製するための方法をさらに提供する。
【0274】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシである。
【0275】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルコキシである。
【0276】
いくつかの実施形態では、Rはメトキシである。
【0277】
いくつかの実施形態では、Rはハロである。
【0278】
いくつかの実施形態では、Rはフルオロである。
【0279】
いくつかの実施形態では、XはO、S、NRまたはCHRである。
【0280】
いくつかの実施形態では、XはOである。
【0281】
いくつかの実施形態では、XはNRであり、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0282】
いくつかの実施形態では、XはNRであり、RはC〜Cのアシルである。
【0283】
いくつかの実施形態では、XはNC(O)CHである。
【0284】
いくつかの実施形態では、Rはメトキシであり、XはOである。
【0285】
いくつかの実施形態では、Rはフルオロであり、RはC〜Cのアシルである。
【0286】
いくつかの実施形態では、Rはフルオロであり、XはNC(O)CHである。
【0287】
いくつかの実施形態では、塩形成酸は塩酸である。
【0288】
いくつかの実施形態では、塩形成酸はシュウ酸である。
【0289】
式(I)の化合物を塩形成酸と反応させて式(I)の化合物の塩を形成することは、当業者によって容易に選択される好適な溶媒の存在下で必要に応じて行われてもよい。
【0290】
いくつかの実施形態では、溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのようなアルコールである。
【0291】
いくつかの実施形態では、溶媒はメタノールである。
【0292】
いくつかの実施形態では、溶媒はイソプロパノールである。
【0293】
いくつかの実施形態では、溶媒はエタノールである。
【0294】
式(I)の化合物を塩形成酸と反応させて式(I)の化合物の塩を形成することは、当業者によって容易に選択される好適な温度にて行われてもよい。
【0295】
いくつかの実施形態では、反応は、溶媒の凝固点を上回る温度〜溶媒のほぼ還流温度の温度にて行われる。
【0296】
いくつかの実施形態では、反応は約−10℃〜ほぼ還流温度の温度で行われる。
【0297】
いくつかの実施形態では、反応は約10℃〜約80℃の温度で行われる。
【0298】
いくつかの実施形態では、反応は約20℃〜約80℃の温度で行われる。
【0299】
(薬学的に許容できる塩)
本発明のいくつかの実施形態は、薬学的に許容できる塩がトリフルオロ酢酸塩ではないという条件で、式(I):
【0300】
【化63】

の化合物の薬学的に許容できる塩に関する。
【0301】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシである。
【0302】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルコキシである。
【0303】
いくつかの実施形態では、Rはメトキシである。
【0304】
いくつかの実施形態では、Rはハロである。
【0305】
いくつかの実施形態では、Rはフルオロである。
【0306】
いくつかの実施形態では、XはO、S、NRまたはCHRである。
【0307】
いくつかの実施形態では、XはOである。
【0308】
いくつかの実施形態では、XはNRであり、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0309】
いくつかの実施形態では、XはNRであり、RはC〜Cのアシルである。
【0310】
いくつかの実施形態では、XはNC(O)CHである。
【0311】
いくつかの実施形態では、Rはメトキシであり、XはOである。
【0312】
いくつかの実施形態では、Rはフルオロであり、RはC〜Cのアシルである。
【0313】
いくつかの実施形態では、Rはフルオロであり、XはNC(O)CHである。
【0314】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は80%以上の純度を有する。
【0315】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は90%以上の純度を有する。
【0316】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は95%以上の純度を有する。
【0317】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は99%以上の純度を有する。
【0318】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は99.5%以上の純度を有する。
【0319】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は、約4:1以上の比率で式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩および式(I)の化合物を含む。
【0320】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は、約9:1以上の比率で式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩および式(I)の化合物を含む。
【0321】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は、約19:1以上の比率で式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩および式(I)の化合物を含む。
【0322】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は、約99:1以上の比率で式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩および式(I)の化合物を含む。
【0323】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩は塩酸塩である。
【0324】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容できる塩はシュウ酸塩である。
【0325】
(中間体)
本発明はさらに、式(I)の化合物およびその塩の調製に有用である中間体を提供する。
【0326】
いくつかの実施形態は、式(II):
【0327】
【化64】

の化合物に関する。
【0328】
いくつかの実施形態は、式(II)の化合物およびその塩に関する。
【0329】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシである。
【0330】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルコキシである。
【0331】
いくつかの実施形態では、Rはメトキシである。
【0332】
いくつかの実施形態では、Rはハロである。
【0333】
いくつかの実施形態では、Rはフルオロである。
【0334】
いくつかの実施形態は、式(V):
【0335】
【化65】

の化合物に関する。
【0336】
いくつかの実施形態は、式(VII):
【0337】
【化66】

の化合物に関する。
【0338】
いくつかの実施形態は、式(VII)の化合物およびその塩に関する。
【0339】
いくつかの実施形態では、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0340】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルキルである。
【0341】
いくつかの実施形態では、Rはメチルである。
【0342】
いくつかの実施形態は、式(VIIa):
【0343】
【化67】

の化合物に関する。
【0344】
いくつかの実施形態では、Rは、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0345】
いくつかの実施形態では、RはC〜Cのアルキルである。
【0346】
いくつかの実施形態では、Rはメチルである。
【0347】
いくつかの実施形態では、Rは、H、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜CのアルキニルまたはSOであり、Rは、必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたOH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニルまたはアリールである。
【0348】
いくつかの実施形態では、RはHである。
【0349】
(結晶形態)
例えば、示差走査熱量測定(DSC)、粉末X線回折(XRPD)およびそのほかの固体状態の方法に関する独特の固体状態特性によって指定された形態Iである、塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウム(化合物7)の結晶形態および指定された形態Iである、カルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウム(化合物9)の結晶形態を同定することができる。結晶形態の水分または溶媒含量に関するさらなる特徴付けは、例えば、以下の熱重量分析(TGA)、DSCなどのような方法によって評価することができる。DSCについては、観察される温度は、採用される試料調製法および特定の器具と同様に温度変化の速度に依存することが知られている。従って、DSCの温度記録図に関して本明細書で報告される値は、±約4℃異なってもよい。XRPDについては、ピークの相対的強度は、採用される試料調製法、試料装填法および特定の器具に依存して変化してもよい。さらに、器具の変動およびそのほかの因子が2シータ値に影響を及ぼすことが多くてもよい。従って、回折パターンのピークの割り当てが±約0.2°変化してもよい。本発明の化合物7および化合物9の結晶形態の物性を以下の表1に要約する。
【0350】
【表1】

TGAデータで認められた無視できるほどの重量低下は、化合物7形態Iおよび化合物9形態Iの両方が無水の、非溶媒和の結晶形態であることを示唆している。個々のDSCのトレースはさらに、化合物7形態Iについて約218℃での融解/分解の吸熱および化合物9形態Iについて約240℃での融解/分解の吸熱を示している。
【0351】
化合物7形態Iに関するDVSデータは、それが相対湿度95%において0.4%未満の吸着を伴う非吸湿性であることを示している。対照的に、化合物9形態Iに関連するDVSデータは、95%の相対湿度においてそれが約11%吸着することを示している。
【0352】
化合物7形態Iおよび化合物9形態Iに関する粉末X線回折ピークを以下の表2および表3に示す。
【0353】
【表2】

【0354】
【表3】

(化合物7形態I)
本発明の1つの態様は、約14.4°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウム(形態I)の結晶形態を指向する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約5.2°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約14.4°および約25.6°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約5.2°および約25.6°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約14.4°、約5.2°および約25.6°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約14.4°、約5.2°、約25.6°、約17.3°、約27.1°、約15.8°および約20.1°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる実施形態では、結晶形態は約14.4°、約5.2°、約25.6°、約17.3°、約27.1°、約15.8°、約20.1°、約19.8°、約23.1°および約15.3°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。よりさらなる実施形態では、結晶形態は図3に示されるような粉末X線回折パターンを実質的に形成し、その際、「実質的に」は、報告されるピークが約±0.2°で変動し得る。
【0355】
いくつかの実施形態では、塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウム(形態I)の結晶形態は、約218℃での吸熱を含む示差走査熱量測定のトレースを有する。さらなる実施形態では、結晶形態は図2に示されるような示差走査熱量測定のトレースを実質的に有し、その際、「実質的に」は、報告されるDSCの特徴が約±4°で変動し得る。
【0356】
いくつかの実施形態では、塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウム(形態I)の結晶形態は、板状である晶癖を有する。
【0357】
いくつかの実施形態では、塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウム(形態I)の結晶形態は、図4に示されるような動的蒸気収着特性を実質的に有し、その際、「実質的に」は、報告されるDVS特性が約±5%RHで変動し得る。
【0358】
いくつかの実施形態では、塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウム(形態I)の結晶形態は、図1に示されるような熱重量分析特性を実質的に有し、その際、「実質的に」は、報告されるTGA特性が約±5℃で変動し得る。
【0359】
結晶多形を調製するための当該分野で公知の手順のいずれによっても化合物7形態Iを調製することができる。いくつかの実施形態では、実施例6に記載されるように形態Iを調製することができる。いくつかの実施形態では、実施例12に記載されるように化合物7形態Iを調製することができる。いくつかの実施形態では、結晶性の塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウムが形態I以外の1以上の結晶形態を含有する結晶性の塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウムを加熱することによって化合物7形態Iを調製することができる。いくつかの実施形態では、結晶性の塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウムが形態I以外の1以上の結晶形態を含有する結晶性の塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウムを再結晶させることによって化合物7形態Iを調製することができる。
【0360】
(化合物9形態I)
本発明の1つの態様は、約7.0°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有するカルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムを指向する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約13.9°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約7.0°および約12.5°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約13.9°および約12.5°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約7.0°、約13.9°および約12.5°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶形態は約7.0°、約13.9°、約12.5°、約20.9°、約23.2°、約14.5°および約18.6°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。さらなる実施形態では、結晶形態は約7.0°、約13.9°、約12.5°、約20.9°、約23.2°、約14.5°、約18.6°、約26.0°および約33.4°にて2θに関してピークを含む粉末X線回折パターンを有する。よりさらなる実施形態では、結晶形態は図7に示されるような粉末X線回折パターンを実質的に形成し、その際、「実質的に」は、報告されるピークが約±0.2°で変動し得る。
【0361】
いくつかの実施形態では、カルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウム(形態I)の結晶形態は、約240℃での吸熱を含む示差走査熱量測定のトレースを有する。さらなる実施形態では、結晶形態は図6に示されるような示差走査熱量測定のトレースを実質的に有し、その際、「実質的に」は、報告されるDSCの特徴が約±4°で変動し得る。
【0362】
いくつかの実施形態では、カルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウム(形態I)の結晶形態は、図8に示されるような動的蒸気収着特性を実質的に有し、その際、「実質的に」は、報告されるDVS特性が約5%RHで変動し得る。
【0363】
いくつかの実施形態では、カルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウム(形態I)の結晶形態は、図5に示されるような熱重量分析特性を実質的に有し、その際、「実質的に」は、報告されるTGA特性が約±5℃で変動し得る。
【0364】
結晶多形を調製するための当該分野で公知の手順のいずれによっても化合物9形態Iを調製することができる。いくつかの実施形態では、実施例8に記載されるように化合物9形態Iを調製することができる。いくつかの実施形態では、結晶性のカルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムが形態I以外の1以上の結晶形態を含有する結晶性のカルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムを加熱することによって化合物9形態Iを調製することができる。いくつかの実施形態では、結晶性のカルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムが形態I以外の1以上の結晶形態を含有する結晶性のカルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムを再結晶化させることによって化合物9形態Iを調製することができる。
【0365】
(組成物)
本発明はさらに、塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウムの形態Iを含有する組成物を提供する。
【0366】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも約1重量%、約5重量%、約10重量%、約20重量%、約30重量%または約40重量%の化合物7形態Iを含む。
【0367】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約90重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%または約99重量%の化合物7形態Iを含む。
【0368】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、化合物7形態1および薬学的に許容できるキャリアを含む。
【0369】
本発明はさらに、カルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムの形態Iを含有する組成物を提供する。
【0370】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも約1重量%、約5重量%、約10重量%、約20重量%、約30重量%または約40重量%の化合物9形態Iを含む。
【0371】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約90重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%または約99重量%の化合物9形態Iを含む。
【0372】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、化合物9形態1および薬学的に許容できるキャリアを含む。
【0373】
(方法)
本発明の結晶形態および塩は、5−HT2Aレセプターモジュレーターとしての活性を有する。従って、本明細書で記載される結晶形態または塩、またはその組成物にレセプターを接触させることによって5−HT2Aレセプターを調節するために本発明の結晶形態または塩を使用することができる。さらなる実施形態では、そのような調節を必要とする個体に治療有効量の本発明の結晶形態または塩を投与することによって5−HT2Aレセプターを調節するのに本発明の結晶形態または塩を使用することができる。
【0374】
本発明はさらに、そのような治療を必要とする個体に治療有効量の本発明の塩または結晶形態またはその薬学的組成物を投与することによって個体(例えば、患者)において5−HT2Aレセプターに関連する疾患を処置するための方法を提供する。疾患の例としては、5−HT2Aレセプターの発現または活性に直接的または間接的に関係する疾患、障害または状態が挙げることができる。
【0375】
疾患の例としては、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作、心房細動、血餅形成、喘息またはその症状、興奮またはその症状、行動障害、薬物誘導精神病、興奮性精神病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、躁病障害、器質性精神病または特定不能精神病、精神病性障害、精神病、急性精神分裂症、慢性精神分裂症、特定不能精神分裂症および関連障害、睡眠障害、糖尿病関連障害、進行性多病巣性白質脳障害などが挙げられる。
【0376】
本発明はさらに、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作および心房細動を処置するための方法を提供し、その方法は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の塩または結晶形態を投与することを含む。
【0377】
本発明はさらに、血小板凝集に関連した症状を処置するための方法を提供し、その方法は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の塩または結晶形態を投与することを含む。
【0378】
本発明はさらに、血管形成術または冠動脈バイパス手術の個体における血餅形成のリスクを軽減する方法を提供し、その方法は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の塩または結晶形態を投与することを含む。
【0379】
本発明はさらに、心房細動に罹患した個体における血餅形成のリスクを軽減する方法を提供し、その方法は、患者に治療有効量の本発明の塩または結晶形態を投与することを含む。
【0380】
本発明はさらに、睡眠障害を処置するための方法を提供し、その方法は、患者に治療有効量の本明細書に記載されるような塩または結晶形態を投与することを含む。
【0381】
本発明はさらに、睡眠不全を処置するための方法を提供し、その方法は、患者に治療有効量の本明細書に記載されるような塩または結晶形態を投与することを含む。
【0382】
本発明はさらに、錯眠を処置するための方法を提供し、その方法は、患者に治療有効量の本明細書に記載されるような塩または結晶形態を投与することを含む。
【0383】
本発明はさらに、糖尿病関連障害を処置するための方法を提供し、その方法は、患者に治療有効量の本明細書に記載されるような塩または結晶形態を投与することを含む。
【0384】
本発明はさらに、進行性多病巣性白質脳障害を処置するための方法を提供し、その方法は、患者に治療有効量の本明細書に記載されるような塩または結晶形態を投与することを含む。
【0385】
本発明はさらに、高血圧を処置するための方法を提供し、その方法は、患者に治療有効量の本明細書に記載されるような塩または結晶形態を投与することを含む。
【0386】
本発明はさらに、疼痛を処置するための方法を提供し、その方法は、患者に治療有効量の本明細書に記載されるような塩または結晶形態を投与することを含む。
【0387】
いくつかの実施形態では、上記方法はさらに患者を同定する工程を含み、その際、該患者は処置される特定の疾患に対する処置を必要としており、同定する工程は、患者に治療有効量の本明細書に記載されるような塩または結晶形態を投与することの前に行われる。
【0388】
本発明の1つの態様は、療法によるヒトの身体または動物の身体の処置方法に使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0389】
本発明の1つの態様は、療法によるヒトの身体または動物の身体の5−HT2A関連の障害の処置方法において使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0390】
本発明の1つの態様は、療法によるヒトの身体または動物の身体の血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作、心房細動、血餅形成、喘息またはその症状、興奮またはその症状、行動障害、薬物誘導精神病、興奮性精神病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、躁病障害、器質性精神病または特定不能精神病、精神病性障害、精神病、急性精神分裂症、慢性精神分裂症、特定不能精神分裂症および関連障害、睡眠障害、糖尿病関連障害、または進行性多病巣性白質脳障害の処置方法における本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0391】
本発明の1つの態様は、療法によるヒトの身体または動物の身体における冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作および心房細動の処置方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0392】
本発明の1つの態様は、療法によるヒトの身体または動物の身体における血小板凝集に関連した症状の処置方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0393】
本発明の1つの態様は、療法によって血管形成術または冠動脈バイパス手術の個体における血餅形成のリスクを軽減する方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0394】
本発明の1つの態様は、療法によって心房細動に罹患した個体における血餅形成のリスクを軽減する方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0395】
本発明の1つの態様は、療法によってヒトの身体または動物の身体における睡眠障害を処置するための方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0396】
本発明の1つの態様は、療法によってヒトの身体または動物の身体における錯眠を処置するための方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0397】
本発明の1つの態様は、療法によってヒトの身体または動物の身体における睡眠不全を処置するための方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0398】
本発明の1つの態様は、療法によってヒトの身体または動物の身体における糖尿病関連障害を処置するための方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0399】
本発明の1つの態様は、療法によってヒトの身体または動物の身体における進行性多病巣性白質脳障害を処置するための方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0400】
本発明の1つの態様は、療法によってヒトの身体または動物の身体における高血圧を処置するための方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0401】
本発明の1つの態様は、療法によってヒトの身体または動物の身体における疼痛を処置するための方法で使用するための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0402】
本発明の1つの態様は、5−HT2A関連の障害を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0403】
本発明の1つの態様は、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作、心房細動、血餅形成、喘息またはその症状、興奮またはその症状、行動障害、薬物誘導精神病、興奮性精神病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、躁病障害、器質性精神病または特定不能精神病、精神病性障害、精神病、急性精神分裂症、慢性精神分裂症、特定不能精神分裂症および関連障害、睡眠障害、糖尿病関連障害、または進行性多病巣性白質脳障害を処置するための薬物の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0404】
本発明の1つの態様は、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作および心房細動を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0405】
本発明の1つの態様は、血小板凝集に関連した症状を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0406】
本発明の1つの態様は、血管形成術または冠動脈バイパス手術の個体における血餅形成のリスクを軽減するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0407】
本発明の1つの態様は、心房細動に罹患した個体における血餅形成のリスクを軽減するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0408】
本発明の1つの態様は、睡眠障害を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0409】
本発明の1つの態様は、睡眠不全を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0410】
本発明の1つの態様は、錯眠を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0411】
本発明の1つの態様は、糖尿病関連障害を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0412】
本発明の1つの態様は、進行性多病巣性白質脳障害を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0413】
本発明の1つの態様は、高血圧を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0414】
本発明の1つの態様は、疼痛を処置するための医薬の製造のための本発明の塩または結晶形態の使用に関する。
【0415】
本明細書で使用されるとき、用語「処置する」は、例えば、個体において疾患、状態または障害を予防すること、阻害すること、および緩和することをいう。
【0416】
本明細書で使用されるとき、交換可能に使用される用語「個体」または「患者」は、哺乳類、好ましくはマウス、ラット、その他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマまたは霊長類、最も好ましくはヒトを含む任意の動物をいう。
【0417】
本明細書で使用されるとき、用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師またはそのほかの臨床家によって求められる組織、系、動物、個体またはヒトにおいて生物学的なまたは医学的な応答を引き出す活性のある化合物または医薬剤の量をいい、それは、以下の1以上を含む:
(1)疾患の予防;例えば、疾患、状態または障害に対して素因があり得るが、該疾患の病理学または兆候学を経験または発現していない個体において疾患、状態または障害を予防すること、
(2)疾患の阻害;例えば、疾患、状態または障害の病理学または兆候学を経験、または示す個体において疾患、状態または障害を予防すること(すなわち、病理学および/または兆候学のさらなる発生を阻害する)、および
(3)疾患の緩和;疾患、状態または障害の病理学または兆候学を経験し、それを示す個体における疾患、状態または障害の緩和すること(すなわち、病理学および/または兆候学の逆行)。
【0418】
(薬学的組成物)
本発明のさらなる態様は、本明細書中に記載された1以上の化合物、および1以上の薬学的に許容できるキャリアを含む薬学的組成物に関する。いくつかの実施形態は、本発明の化合物および薬学的に許容できるキャリアを含む薬学的組成物に関する。いくつかの実施形態は、本発明の結晶形態および薬学的に許容できるキャリアを含む薬学的組成物に関する。
【0419】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書で開示される任意の化合物実施形態に従う少なくとも1つの化合物と薬学的に許容できるキャリアとを混合することを含む、薬学的組成物を製造する方法を含む。
【0420】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書で開示される塩と薬学的に許容できるキャリアとを混合することを含む、薬学的組成物を製造する方法を含む。
【0421】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書で開示される結晶形態と薬学的に許容できるキャリアとを混合することを含む、薬学的組成物を製造する方法を含む。
【0422】
処方物は、いずれかの適当な方法によって、典型的には、必要な割合の液体または微粉砕固体キャリア、または双方を活性な化合物と均一に混合し、次いで、必要であれば、得られた混合物を所望の形状に形成することによって調製することができる。
【0423】
結合剤、充填剤、許容される湿潤剤、打錠滑沢剤、および崩壊剤のような慣用的な賦形剤を経口投与用の錠剤およびカプセル剤で用いることができる。経口投与用の液体調製物は溶液、エマルジョン、水性懸濁液または油性懸濁液、およびシロップの形態であってよい。あるいは、経口調製物は、使用前に水またはもう1つの適当な液体ビヒクルで再構成することができる乾燥粉末の形態であってよい。懸濁化剤または乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含む)、保存剤、および矯味矯臭剤および着色剤のようなさらなる添加剤を液体調製物に加えてもよい。非経口投薬形態は、適当なバイアルまたはアンプルに充填し、密封する前に、本発明の化合物を適当な液体ビヒクルに溶解させ、溶液を濾過滅菌することによって調製することができる。これらは、投薬形態を調製するための当該分野で周知である多くの適当な方法のまさに数個の例である。
【0424】
本発明の化合物は当業者によく知られた技術を用いて薬学的組成物に処方することができる。本明細書中で述べたもの以外に、適当な薬学的に許容できるキャリアは当該分野で知られている;例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2000,Lippincott Williams & Wilkins,(Editors: Gennaro,A.R.,ら)参照。
【0425】
処置で用いるには、本発明の化合物は別の使用において原料または純粋な化学物質として投与することが可能であるが、さらに薬学的に許容できるキャリアを含む薬学的処方物または薬学的組成物として該化合物または有効成分を呈するのが好ましい。
【0426】
本発明は、したがって、さらに、1以上のその薬学的に許容できるキャリアおよび/または予防成分と共に、本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩、または誘導体を含む薬学的処方物を提供する。キャリアは、該処方物の他の成分に適合する意味で「許容できる」ものでなければならず、そのレシピエントに対して全く有害であってはならない。
【0427】
薬学的処方物は、経口、直腸、鼻、局所(頬および舌下を含む)、膣または非経口(筋肉内、皮下および静脈内を含む)投与に適したもの、あるいは吸入、ガス注入によるか、または経皮パッチによる投与に適した形態のものを含む。経皮パッチは、薬物の分解が最小である効果的な方法で吸入のために薬物を呈することによって薬物を制御された速度で分注する。典型的には、経皮パッチは非浸透性裏打ち層、単一の感圧接着剤、および放出ライナーを備えた除去可能な保護層を含む。当業者であれば、技術者の要求に基づいて所望の効果的な経皮パッチを製造するのに適した技術を理解し、認識するであろう。
【0428】
したがって、慣用的な賦形剤、キャリアまたは希釈剤と共に、本発明の化合物は、薬学的処方物およびその単位用量の形態にすることができ、そのような形態においては、錠剤または充填されたカプセルのような固体、または溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル、ゲル、またはそれを充填したカプセルのような液体を、経口使用では全て、使用することができるか、直腸投与のためには坐剤の形態で使用することができるか;または(皮下を含めた)非経口使用のための滅菌注射溶液の形態で使用することができる。そのような薬学的組成物およびその単位投薬形態は、さらなる活性な化合物または原理の有りまたは無しにて、慣用的な割合の慣用的成分を含むことができ、そのような単位投薬形態は、使用すべき意図した日用量範囲に当てはまるいずれかの適当な有効量の有効成分を含有することができる。
【0429】
経口投与では、薬学的組成物は、例えば、錠剤、カプセル、懸濁液または液体の形態とすることができる。薬学的組成物は、好ましくは、特定量の有効成分を含有する投与単位の形態で作成される。そのような投与単位の例はラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプンのような慣用的な添加剤を含む;結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチンのような結合剤を含む;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースのような崩壊剤を含む;およびタルクまたはステアリン酸、マグネシウムのような滑沢剤を含むカプセル、錠剤、粉末、顆粒または懸濁液である。有効成分は組成物として注射によって投与することもでき、例えば、生理食塩水、デキストロースまたは水を適当な薬学的に許容できるキャリアとして用いることができる。
【0430】
本発明の化合物、またはその溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体は、5−HT2Aレセプターモジュレーターとして薬学的組成物において有効成分として用いることができる。用語「有効成分」は「薬学的組成物」の関係で定義され、一般に薬学的利点を供しないものとして認識される「不活性成分」とは反対に、主な薬理学的効果を供する薬学的組成物の成分を意味する。
【0431】
用量は、本発明の化合物を用いる場合、慣用的であって、医師に知られているように、広い限定内で変化させることができ、各個々の場合において個々の疾患に適合させるべきである。それは、例えば、処置すべき疾患の性質および重症度、患者の状態、使用される化合物、または急性または慢性疾患状態を処置するか、または予防を行うか、あるいは本発明の化合物に加えてさらなる活性化合物を投与するか否かに依存する。本発明の代表的な用量は、限定されものではないが、約0.001mg〜約5000mg、約0.001mg〜約2500mg、約0.001mg〜約1000mg、0.001mg〜約500mg、0.001mg〜約250mg、約0.001mg〜100mg、約0.001mg〜約50mg、約0.001mg〜約25mgを含む。特に、比較的大きな量が必要と見なされる場合、複数用量、例えば、2、3または4用量を1日の間に投与することができる。個体に応じて、かつ患者の意思または看護人から適切だと見なされるように、本明細書中に記載された用量から上方または下方に偏らせる必要があろう。
【0432】
処置で用いるのに必要な、有効成分、またはその活性な塩または誘導体の量は、選択された特定の塩に関してのみならず、投与の経路、処置すべき疾患の性質、および患者の状態に関して変化し、結局は、主治医または臨床家の裁量となろう。一般に、当業者であれば、どのようにして、モデル系、典型的には、動物モデルで得られたインビボデータをヒトのようなもう1つのモデルに外挿するかを理解している。いくつかの状況においては、これらの外挿は、哺乳動物、好ましくはヒトのようなもう1つのモデルと比較して、動物モデルの体重に単に基づくことができるが、より頻繁には、これらの外挿は体重に単純に基づかず、むしろ種々の因子を取り込む。代表的な因子は患者のタイプ、年齢、体重、性別、食事および医学的状態、疾患の重症度、投与経路、使用される特定の化合物の活性、効率、薬物動態学および毒性学プロフィールのような薬理学的考慮、薬物送達系を利用するか否か、または急性疾患状態または慢性疾患状態を処置するか、または予防を行うか否か、あるいは本発明の化合物にさらに、および薬物組合せの一部としてさらなる活性化合物を投与するか否かを含む。疾患状態を本発明の化合物および/または組成物で処置する投薬レジメンは、前記した種々の因子に従って選択される。したがって、使用される現実の投薬レジメンは広く変化し、従って、好ましい投薬レジメンから偏ってもよく、当業者であれば、これらの典型的な範囲の外側にある用量および投薬レジメンを試験でき、適切であれば、本発明の方法で用いることができるのを認識するであろう。
【0433】
所望の用量は、便宜に、単一用量にて、または適当な間隔で投与される分割用量にて供することができる(例えば、1日当たり2、3、4以上の下位用量(sub−dose)として)。下位用量それ自体は、例えば、多数の区別される緩く間隔が設けられた投与にさらに分割することができる。特に、比較的大きな量が適切と見なされるようにいくつかの、例えば、2、3または4回の部分的投与に投与される場合、日用量は分割することができる。適切には、個々の挙動に応じて、示された日用量から上方または下方に偏らせる必要があろう。
【0434】
本発明の化合物は広く種々の経口および非経口投薬形態で投与することができる。当業者には、以下の投薬形態は、有効成分として、本発明の化合物、または本発明の化合物の薬学的に許容できる塩を含むことができるのは当業者に明らかであろう。
【0435】
本発明の化合物から薬学的組成物を調製するためには、適当な薬学的に許容できるキャリアの選択は固体、液体または双方の混合物とすることができる。固体形態調製物は粉末、錠剤、丸剤、カプセル、カシェ剤、坐剤、および分散可能な顆粒を含む。固体形態は、希釈剤、矯味矯臭剤、安定化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化物質としても作用できる1以上の物質であり得る。
【0436】
粉末においては、該キャリアは、微粉砕された有効成分との混合物である微粉砕された固体である。
【0437】
錠剤においては、活性な成分は、適当な割合で必要な結合能力を有するキャリアと混合され、所望の形状およびサイズに圧縮される。
【0438】
粉末および錠剤は種々のパーセンテージ量の活性な化合物を含有することができる。粉末または錠剤における代表的な量は活性化合物の0.5〜約90パーセントを含有することができるが、当業者であれば、この範囲の外側の量がいつ必要となるかを知っているであろう。粉末および錠剤のための適当なキャリアは炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融解ワックス、カカオバター等である。用語「調製物」は、活性な化合物の、キャリアの有りまたは無しにて、有効成分がかくしてそれと会合するキャリアによって囲まれるカプセルを供するキャリアとしてのカプセル化材料との処方を含むことを意図する。同様に、カシェ剤およびロゼンジが含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸剤、カシェ剤およびロゼンジを経口投与に適した固体形態として用いることができる。
【0439】
坐剤を調製するためには、脂肪酸グリセリドまたはカカオバターの混合物のような低融解ワックスをまず融解させ、有効成分を攪拌することによってその中に均質に分散させる。次いで、融解した均質な混合物を便宜なサイズの型に注ぎ、冷却させ、それにより、固化させる。
【0440】
膣投与に適した処方は、適切であることが当該分野で公知であるように、有効成分にさらに、キャリアを含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーとして供することができる。
【0441】
液体形態調製物は溶液、懸濁液、およびエマルジョン、例えば、水または水−プロピレングリコール溶液を含む。例えば、非経口注射液体調製物は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として処方することができる。注射用調製物、例えば、滅菌注射水性または油性懸濁液は、適当な分注または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知の技術に従って処方することができる。滅菌注射製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液とすることができる。使用できる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌不揮発性油は、便宜には、溶媒または懸濁化媒体として使用される。この目的では、合成モノクリセリドまたは合成ジクリセリドを含めたいずれの口当たりの良い不揮発性油を使用することもできる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸は注射剤の調製で使用される。
【0442】
本発明による化合物は、したがって、(例えば、注射、例えば、ボーラス注射または連続的注入による)非経口投与用に処方することができ、アンプル、プレフィルシリンジ、小容量注入、または保存剤を加えた複数用量容器において単位投薬形態で供することができる。薬学的組成物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョンのような形態を取ることができ、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤のような処方剤を含有することができる。あるいは、有効成分は、滅菌固体の無菌単離によってか、あるいは使用前の適当なビヒクル(例えば、滅菌した発熱物質を含まない水)での再構成のための溶液からの凍結乾燥によって得られた粉末形態とすることができる。
【0443】
経口使用に適した水性処方物は、有効成分を水に溶解または懸濁させ、所望であれば、適当な着色剤、矯味矯臭剤、安定化剤および増粘剤を加えることによって調製することができる。
【0444】
経口使用に適した水性懸濁液は、天然ゴムまたは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、または他のよく知られた懸濁化剤のような粘性物質と共に水中に微粉砕された有効成分を分散させることによって作製することができる。
【0445】
また、使用直前に、経口投与用の液体形態調製物に変換することが意図される固体形態調製物も含まれる。そのような液体形態は溶液、懸濁液、およびエマルジョンを含む。これらの調製物は、有効成分に加えて、着色剤、矯味矯臭剤、安定化剤、緩衝液、人工甘味剤および天然甘味剤、分散剤、増粘剤、安定化剤等を含有することができる。
【0446】
表皮への局所投与のためには、本発明による化合物を軟膏、クリームまたはローションとしてあるいは経皮パッチとして処方することができる。
【0447】
軟膏およびクリームは、例えば、適当な増粘剤および/またはゲル化剤を加えた水性または油性基剤で処方することができる。ローションは水性または油性基剤で処方することができ、一般には、1以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤も含有するであろう。
【0448】
口での局所投与に適した処方物は、着香基剤中の有効成分、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを含むロゼンジ;ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアのような不活性な基剤中に有効成分を含む香錠;および適当な液体キャリア中に有効成分を含む含そう剤を含む。
【0449】
溶液または懸濁液は慣用的な手段によって、例えば、ドロッパー、ピペットまたはスプレーにて鼻腔に直接適用される。処方は単一用量形態または複数用量形態で供することができる。ドロッパーまたはピペットの後者の場合には、これは、適当な所定の用量の溶液または懸濁液を投与する患者によって達成することができる。スプレーの場合には、これは、例えば、定量噴霧スプレーポンプによって達成することができる。
【0450】
気道への投与は、有効成分が適当なプロペラントと共に圧縮パック中に供されるエアロゾル処方によって達成することもできる。もし本発明の化合物、またはそれを含む薬学的組成物がエアロゾルとして、例えば、鼻エアロゾルとして、または吸入によって投与されるのであれば、これは、例えば、スプレー、噴霧器、ポンプ噴霧器、吸入装置、計量吸入器または乾燥粉末吸入器を用いて行うことができる。エアロゾルとして本発明の化合物を投与するための薬学的形態は、当業者に周知のプロセスによって調製することができる。それらの調製では、例えば、水、水/アルコール混合液、または適当な生理食 塩水中の本発明の化合物の溶液または分散液を、慣用的な添加剤、例えば、ベンジルアルコールまたは他の適当な保存剤、バイオアベイラビリティーを増大させるための吸着増強剤、安定化剤、分散剤等を用いて使用することができ、適当であれば、慣用的なプロペラントは、例えば、二酸化炭素、ジクロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはジクロロテトラフルオロエタンのようなCFCを含む。エアロゾルは、便宜には、レシチンのような界面活性剤を含むこともできる。薬物の用量は計量バルブを設置することによって制御することができる。
【0451】
鼻腔内処方物を含めた、気道への投与を意図した処方物では、化合物は、一般には、例えば、10ミクロン以下のオーダーの小さな粒子サイズを有するであろう。そのような粒子サイズは、当該分野で公知の手段によって、例えば、ミクロン化によって得ることができる。所望であれば、有効成分の維持放出を与えるのに適した処方を使用することができる。
【0452】
あるいは、有効成分は、乾燥粉末、例えば、ラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン(PVP)のようなセルロース誘導体のような適当な粉末基剤中の化合物の粉末ミックスの形態で供することができる。便宜には、粉末キャリアは鼻腔中でゲルを形成するであろう。粉末組成物は単位投薬形態にて、例えば、ゼラチン、あるいは粉末を吸入器によってそれから投与することができるブリスターパックのカプセルまたはカートリッジにて供することができる。
【0453】
薬学的調製物は、好ましくは、単位投薬形態である。そのような形態において、製剤は、適当な量の有効成分を含有する単位用量に小分けされる。単位投薬形態は包装された調製物とすることができ、該パッケージは、包装された錠剤、カプセル、および粉末のような区別される量の調製物をバイアルまたはアンプル中に含有する。また、単位投薬形態はカプセル、錠剤、カシェ剤またはロゼンジそれ自体とすることができ、あるいはそれは包装された形態におけるこれらのいずれかの適当な数とすることができる。
【0454】
経口投与のための錠剤またはカプセル、および静脈内投与のための液体は好ましい組成物である。
【0455】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書中に開示された化合物実施形態のいずれかによる少なくとも1つの化合物を、本明細書中に記載された少なくとも1つの公知の医薬剤および薬学的に許容できるキャリアと共に混合することを含む、「併用療法」のための薬学的組成物の製法を含む。
【0456】
5−HT2Aレセプターモジュレーターを薬学的組成物中の有効成分として利用する場合、これらはヒトにおいてのみならず、同様に他の非ヒト哺乳動物においての使用を意図しないことを注記する。実際に、動物健康管理の分野における最近の進歩は、家畜動物(例えば、ネコおよびイヌ)において、および(例えば、ウシ、ニワトリ、魚類等のような)他の家畜動物において、5−HT2A媒介疾患または5−HT2A関連障害の処置のための5−HT2Aレセプターモジュレーターのような有効成分の使用について考慮するべきことを命じている。当業者であれば、そのような状況におけるそのような化合物の利用性を理解しつつ容易に信用される。
【0457】
(定義)
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」は、直鎖または分枝鎖である飽和炭化水素基をいうこととする。アルキル基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、t−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などが挙げられる。アルキル基は、1〜約20個、2〜約20個、1〜約10個、1〜約8個、1〜約6個、1〜約4個または1〜約3個の炭素原子を含有してもよい。
【0458】
本明細書で使用されるとき、用語「アルケニル」は、1以上の炭素−炭素二重結合を有するアルキル基をいう。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。
【0459】
本明細書で使用されるとき、用語「アルキニル」は、1以上の炭素−炭素三重結合を有するアルキル基をいう。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニルなどが挙げられる。
【0460】
本明細書で使用されるとき、用語「ハロアルキル」は、1以上のハロゲン置換基を有するアルキル基をいう。ハロアルキル基の例としては、CF、C、CHF、CCl、CHCl、CClなどが挙げられる。水素原子がすべてハロゲン原子に置き換えられたアルキル基を「ペルハロアルキル」と呼んでもよい。
【0461】
本明細書で使用されるとき、用語「アリール」は、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニルなどのような単環式または多環式の芳香族炭化水素をいう。いくつかの実施形態では、アリール基は6〜約20個の炭素原子を有する。
【0462】
本明細書で使用されるとき、用語「シクロアルキル」は、環化したアルキル、アルケニルおよびアルキニルの基を含む非芳香族炭化水素をいう。シクロアルキル基には、モノ−、ビ−または多環式の環系ならびに二重結合および三重結合が含まれてもよい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカニル、アダマンチルなどが挙げられる。シクロアルキルの定義にも含められるのは、シクロアルキル環、例えば、ペンテン、ヘキセンなどのベンゾ誘導体(に共通する結合を有する)に融合した1以上の芳香族環を有する部分である。
【0463】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロビシクリル」は、本明細書で記載されるような二環式環を意味することが意図され、その際、1、2または3個の環炭素が、O、S、S(=O)、S(=O)およびNHからなる群から選択されるが、これらには限定されないヘテロ原子または基で置換され、その際、窒素が必要に応じて置換されてもよく、1または2個の環炭素が必要に応じて、オキソまたはトリオキソで置換されてもよいので、一緒になってそれぞれカルボニル基またはチオカルボニル基を形成してもよい。いくつかの実施形態では、環の1つが芳香族である。ヘテロ二環式基の例としては、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル、1,3−ジヒドロ−イソインドリル、3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリニル、オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロリルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0464】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロシクリル」は、カルボシクリル基の環形成炭素原子の1以上がO、SまたはNのようなヘテロ原子で置換される飽和または不飽和のカルボシクリル基であってもよい基をいう。ヘテロシクリル基は芳香族(例えば、ヘテロアリール)であっても非芳香族(例えば、ヘテロシクロアルキル)であってもよい。ヘテロシクリル基は、水素化および部分的に水素化したヘテロアリール基に相当してもよい。ヘテロカルボシクリル基は、少なくとも1個のヘテロ原子に加えて、約1〜約20個、約2〜約10個または約2〜約7個の炭素原子を含有してもよく、炭素原子またはヘテロ原子を介して結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は3〜20個、3〜10個、3〜7個または5〜7個の環形成原子を有する。さらに、ヘテロシクリル基は置換されてもよいし、非置換であってもよい。ヘテロシクリル基の例としては、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソール、ベンゾ−1,4−ジオキサン、ピペリジニル、ピロリジニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニルなど、ならびにヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルに関して列記された基のいずれかが挙げられる。
【0465】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリール」基は、イオウ、酸素または窒素のような少なくとも1つのヘテロ原子員環を有する単環式または多環式の芳香族炭化水素である。ヘテロアリール基には、限定しないで、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル−S−オキシド、2,3−ジヒドロベンゾチエニル−S−ジオキシド、ベンゾキサゾリン−2−オン−イル、インドリニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサンなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は1〜約20個の炭素原子を有してもよく、さらなる実施形態では、約3〜約20個の炭素原子を有してもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、1〜約4個、1〜約3個または1〜2個のヘテロ原子を有する。
【0466】
本明細書で使用されるとき、「ハロ」または「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが挙げられる。
【0467】
本明細書で使用されるとき、「アルコキシ」は、O−アルキル基をいう。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n−プロポキシおよびイソプロポキシ)、t−ブトキシなどが挙げられる。
【0468】
本明細書で使用されるとき、「ハロアルコキシ」は、少なくとも1つのハロで置換されたアルコキシをいう。
【0469】
本明細書で使用されるとき、「アシル」はH、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはカルボシクリルで置換されたカルボニル基をいう。アシル基の例としては、ホルミルまたはアセチルが挙げられる。
【0470】
本明細書で使用されるとき、「アリールアルキル」は、アリール基によって置換されたアルキル部分をいう。アリールアルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基およびナフチルメチル基が挙げられる。いくつかの実施形態では、アリールアルキル基は7〜20または7〜11の炭素原子を有する。
【0471】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクリルで置換されたアルキルをいう。
【0472】
本明細書で使用されるとき、「シクロアルキルアルキル」は、シクロアルキルで置換されたアルキルをいう。
【0473】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリールで置換されたアルキルをいう。
【0474】
本明細書で使用されるとき、用語「反応させること」は、当該分野で既知として使用され、分子レベルでの相互作用を可能にして少なくとも一方の化学試薬の化学的なまたは物理的な変換を達成するような様式で化学試薬を1つにすることをいう。
【0475】
本明細書で使用されるとき、用語「置換された」は、分子または基における非水素部分による水素部分の置き換えをいう。
【0476】
本明細書に記載される方法は、当該分野で公知の好適な方法に従ってモニターすることができる。例えば、核磁気共鳴分光分析法(例えば、Hまたは13C)、赤外線分光分析法、分光分析法(例えば、UV−可視)若しくは質量分光分析法のような分光分析の手段によって、または高速液体クロマトグラフィ(HPLC)若しくは薄層クロマトグラフィのようなクロマトグラフィによって生成物の形成をモニターすることができる。
【0477】
いくつかの実施形態では、化合物の調製に種々の化学基の保護および脱保護が関与してもよい。保護および脱保護の必要性、ならびに適当な保護基の選択は、当業者によって容易に決定されてもよい。保護基の化学反応は、例えば、その全体を参考として本明細書に援用されるGreene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,Wiley & Sons,1999に見い出されてもよい。
【0478】
本明細書に記載される方法の反応は、有機合成の当業者によって容易に選択されてもよい好適な溶媒中で行うことができる。好適な溶媒は、反応が行われる温度にて出発物質(反応物質)、中間体または生成物と実質的に非反応性であってもよく、例えば、温度は、溶媒の凝固点から溶媒の沸点までの範囲であってもよい。所与の反応は、1つの溶媒または1以上の溶媒の混合物で行ってもよい。特定の反応工程に依存して特定の反応工程用の溶媒を選択してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、試薬の少なくとも1つが液体または気体である場合のように、溶媒の非存在下で反応を行ってもよい。
【0479】
好適な溶媒には、四塩化炭素、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、クロロホルム、ブロモクロロメタン、ジブロモメタン、塩化ブチル、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、2−クロロプロパン、ヘキサフルオロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、フルオロトリクロロメタン、クロロトリフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタン、四フッ化炭素、ジクロロフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,2−ジクロロテトラフルオロエタンおよびヘキサフルオロエタンのようなハロゲン化溶媒を挙げることができる。
【0480】
好適なエーテル溶媒には、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、フラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アニソールまたはt−ブチルメチルエーテルが挙げられる。
【0481】
好適なプロトン性溶媒には、例証として限定せずに、水、メタノール、エタノール、2−ニトロエタノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−、2−または3−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノールまたはグリセロールを挙げることができる。
【0482】
好適な非プロトン性溶媒には、例証として限定せずに、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−1,3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノン、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、蟻酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、スルホラン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、テトラメチル尿素、ニトロメタン、ニトロベンゼンまたはヘキサメチルホスホルアミドを挙げることができる。
【0483】
好適な炭化水素溶媒には、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、エチルベンゼン、o−、m−またはp−キシレン、オクタン、インダン、ノナンまたはナフタレンが挙げられる。
【0484】
超臨界二酸化炭素も溶媒として使用することができる。
【0485】
本明細書に記載される方法の反応は、当業者によって容易に決定されてもよい適当な温度にて行われてもよい。反応温度は、例えば、反応試薬および溶媒の融点および沸点、存在するならば、反応の熱力学(例えば、低い温度にて激しい発熱反応を行うことが必要とされてもよい)および反応の動力学(例えば、高い活性化エネルギーのバリアが高い温度を必要としてもよい)に依存する。
【0486】
本明細書に記載される方法の反応は、空気中、または不活性の雰囲気下で行われてもよい。通常、実質的に空気と反応性である試薬または生成物を含有する反応は、当業者に周知である空気感受性の合成手法を用いて行うことができる。
【0487】
いくつかの実施形態では、化合物の調製には、例えば、所望の反応の触媒、または酸付加塩のような塩形態の形成を達成するために酸または塩基の添加が関与してもよい。
【0488】
酸の例は、無機酸または有機酸であってもよい。無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸および硝酸が挙げられる。有機酸には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、プロピオル酸、酪酸、2−ブチン酸、ビニル酢酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸およびデカン酸が挙げられる。
【0489】
塩基の例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムが挙げられる。強塩基の幾つかの例としては、水酸化物、アルコキシド類、金属アミド類、金属水和物、金属のジアルキルアミド類およびアリールアミド類が挙げられ、その際、アルコキシド類としては、メチル、エチルおよびt−ブチル酸化物のリチウム、ナトリウムおよびカリウムの塩が挙げられ、金属アミドとしては、ナトリウムアミド、カリウムアミドおよびリチウムアミドが挙げられ、金属水和物としては、ナトリウム水和物、カリウム水和物およびリチウム水和物が挙げられ、金属ジアルキルアミド類としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tーブチル、トリメチルシリルおよびシクロヘキシル置換のアミドのナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。
【0490】
本発明で記載される化合物は非対称であってもよい(例えば、1以上の立体中心を有する)。特に指示されない限り、例えば、エナンチオマーやジアステレオマーのような立体異性体はすべて意図される。非対称に置換された炭素を含有する本発明の化合物は、光学的に活性のある形態でまたはラセミ形態で単離されてもよい。光学的に活性のある出発物質から光学的に活性のある形態を調製する方法は、ラセミ体混合物の分割によってまたは立体選択的な合成によって当該分野で既知である。
【0491】
本明細書で記載される方法は、1つの立体異性体で濃縮された1以上のキラル試薬と共に開始する所与の反応が、1つの立体異性体中で濃縮される生成物を形成するように立体選択的である。反応は、反応の生成物が出発物質に存在する1以上のキラル中心を実質的に保持するように行うことができる。反応はまた、反応の生成物が出発物質に存在する相当するキラル中心に対して実質的に反転されたキラル中心を含有するように行うこともできる。
【0492】
化合物のラセミ混合物の分割は、当該分野で公知の多数の方法のいずれかによって行うことができる。方法の例としては、光学的に活性のある塩形成酸である「キラル分割酸」を用いた分別再結晶(例えば、ジアステレオマー塩の分割)が挙げられる。分別再結晶法のための好適な分割剤は、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸のD型およびL型のような光学的に活性のある酸、または例えば、β−カンファースルホン酸のような種々の光学的に活性のあるカンファースルホン酸である。分別再結晶法のための好適なそのほかの分割剤には、β−メチルベンジルアミンの光学異性体として純粋な型(例えば、S型およびR型、または光学異性体として純粋な型)、2−フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N−メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0493】
光学的に活性のある分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を詰めたカラムの溶出によってラセミ混合物の分割を行うことができる。好適な溶出溶媒組成物は当業者によって決定されてもよい。
【0494】
本発明の化合物はまた、中間体または最終化合物に存在する原子の同位体すべてを包含してもよい。同位体には、同一の原子番号を有するが、異なった質量数を有する原子が挙げられる。例えば、水素の同位体には、三重水素および重水素が挙げられる。
【0495】
本発明の化合物はまた、ケトエノール互変異性体のような互変異性型も包含してもよい。互変異性型は、平衡であってもよいし、適当な置換によって1つの型に固定されてもよい。
【0496】
本明細書に記載される方法に従って化合物の調製を実施する際、通常の単離および精製の操作、例えば、濃縮、ろ過、抽出、固相抽出、再結晶、クロマトグラフィなどを使用して所望の生成物を単離してもよい。
【0497】
具体的な実施例によって本発明をさらに詳しく記載する。以下の実施例は例示目的で提供されるのであって、いかなる方法においても本発明を限定することを意図するものではない。当業者は、変更しまたは改変しても本質的に同一の結果が得られる種々の重要ではないパラメーターを容易に認識するであろう。
【実施例】
【0498】
実施例1:1−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)エタノン(化合物2)の調製
【0499】
【化68】

撹拌された5−(2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(5.00g、26.56mmol)の1,2−ジクロロベンゼン(30mL)溶液に塩化アセチル(3.13g、39.85mmol)を加え、次いで塩化アンモニウム(10.63g、79.69mmol)を加えた。反応物は、琥珀色になり、それを55℃で40分間加熱した。温度を80℃に上げ、反応物をさらに2時間撹拌し、その後、濃厚なスラリーを得た。LCMS解析によって1−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)エタノンへの変換およびO−アシル化アナログの部分的な形成が示された。反応物を室温に冷却し、水(50mL)によって緩やかにクエンチし、沈殿物を形成した。これをろ過し、水(30mL)およびヘプタン(50mL)で洗浄し、減圧下(12トール)にて60℃で一晩乾燥して、白色固形物(3.80g、66%)としての化合物(2)を得た。LCMS:m/z 217(M+H)H NMR(DMSO−d)δ 11.0(s,1H),7.92(d,J=8Hz,1H)7.79(s,1H),7.46(s,1H),7.10(d,J=8Hz,1H),6.30(s,1H),3.67(s,3H),2.51(s,3H).
実施例2a:N−(4−メトキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)アセトアミド(化合物3)の調製
【0500】
【化69】

機械的撹拌器に固定された100mLの三口丸底フラスコにポリリン酸(15g)を移した。5−(2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(1.50g、7.97mmol)の酢酸(9.57g、9.12mL、15.9mmol)溶液を反応フラスコに移し、次いで塩酸ヒドロキシルアミン(6.08g、8.75mmol)を移した。窒素下で混合物を撹拌し、80℃で3.5時間加熱した。酢酸(1mL)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.61g)を加え、反応物を80℃にてさらに2時間撹拌した。反応物を次いで100℃で加熱し、一晩撹拌した。さらなる量の酢酸(1mL)および塩酸ヒドロキシルアミン(0.61g)を加え、100℃での撹拌をさらに1時間継続した。次いで反応物を室温に冷却し、氷浴で冷却しながら、氷水(40mL)で稀釈した。50%NaOH水溶液の添加によってpHを5に調整し、沈殿物を形成した。固形物をろ過によって単離し、水でケーキを洗浄した。粗物質をメタノール/水からの結晶化によって精製し、化合物(3)を得た(1.00g、51%)。LCMS:m/z 246(M+H)H NMR(DMSO−d):δ 9.9(s,1H),7.62(dd,J1=8Hz,J2=4Hz,1H),7.49(d,J=4Hz,1H),7.43(s,1H),7.10(d,J=8Hz,1H),6.22(d,J=4Hz,1H),3.75(s,3H),3.61(s,3H),2.01(s,3H).
実施例2b:N−(4−メトキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)アセトアミド(化合物3)の調製
【0501】
【化70】

5−(2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(2.00g、10.62mmol)の酢酸(1.27g、1.21mL、21.25mmol)溶液に五酸化リン(メタンスルホン酸中7.7重量%、20mL)を加え、溶液を60℃にて15分間撹拌した。酢酸(1.27g)の第2のバッチを加え、反応物を60℃にて10分間撹拌した。塩酸ヒドロキシルアミン(1.47g、21.25mmol)を加え、反応物を40分間撹拌した。塩酸ヒドロキシルアミン(1.47g、21.25mmol)の別のバッチを加え、反応物を60℃にてさらに10分間撹拌した。反応物を室温に冷却し、氷浴で冷却しながら、氷水(50mL)を加え、50%NaOH水溶液の添加によってpH5に塩基性化した。ゴム状の沈殿物が形成し、徐々に固化した。これをろ過し、ケーキを水で洗浄した。メタノール/水から生成物を結晶化し、化合物(3)を得た(1.23g、50%)。LCMS:m/z 246(M+H)H NMR(DMSO−d)δ 9.9 (s,1H),7.61(dd,J1=8Hz,J=Hz,1H),7.49(d,J=4Hz,1H),7.43(s,1H),7.09(d,J=8Hz,1H),6.21(s,1H),3.75(s,3H),3.61(s,3H),2.01(s,3H).
実施例3a:N−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)アセトアミド(化合物4)の調製
【0502】
【化71】

1−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)エタノン(2.50g、11.56mmol)の酢酸(12.5mL)スラリーを70℃で撹拌して透明な溶液を得た。塩酸ヒドロキシルアミン(1.60g、23.02mmol)を加え、次いでHSO(98%、1.25mL)を加えた。温度を80℃に上げ、反応物を30分間撹拌した。LCMS解析によって、出発物質は検出されなかった一方でオキシム中間体の形成が示された。HSO(98%、5mL)を加え、反応物を80℃にて30分間撹拌した。さらなるHSO(2mL)を2時間かけて2回に分けて加え、その後、反応物を撹拌し、80℃にてさらに4時間加熱した。さらなる量のHSO(98%、0.5mL)を加え、反応物を撹拌し、80℃にてさらに30分間加熱した。次いで反応物を室温に冷却し、氷水(80mL)に注いだ。氷浴で冷却しながら、NaOH(50%)水溶液の添加によってpH4〜5に塩基性化した。生成物を結晶化し、ろ過し、水で洗浄し、白っぽい粉末としての化合物(4)を得た(1.83g、68%)。LCMS:m/z 232.4(M+H)H NMR(DMSO−d):δ 9.79(s,1H),9.68(s,1H),7.42(m,3H),6.99(d,J=8Hz,1H),6.20(d,J=4Hz,1H),3.66(s,3H),1.99(s,3H).
実施例3b:N−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)アセトアミド(化合物4)の調製
【0503】
【化72】

窒素雰囲気下で、ジャケット付きの30Lの反応容器にN,N−ジメチルアセトアミド(13.47kg)を移し、撹拌しながら、1−ドデカンチオール(4.894kg、24.18mol)を加え、次いで1時間かけてナトリウムエトキシド(1.63kg、23.97mol)を少しずつ加えた。穏やかな発熱のために反応温度が41℃に達した。反応温度を徐々に63℃に上げ、N−(4−メトキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)アセトアミド(3.504kg、14.29mol)を加え、反応物を135〜136℃に加熱し、一晩撹拌したが、その時点でのLCMS解析は、出発物質が残っていないことを示した。減圧下での溶媒の蒸留によって反応混合物を濃縮した。撹拌しながら反応物に水(14.41kg)を加えた。HCl(37%)を少しずつ加え、反応物のpHを3に調整し、生成物を結晶化した。スラリーをろ過し、固形ケーキを水(2×6.56kg)次いでヘプタン(2×5.374kg)で洗浄した。乾燥した固形ケーキ(3.26kg)をヘプタン(10.92kg)で再度スラリー化し、スラリーを1時間還流した。蒸留によってヘプタンの部分を除き、共沸によって生成物中の残留水を除いた。懸濁液を20℃に冷却し、ろ過した。固形のケーキをヘプタンで洗浄し、乾燥して化合物(4)を得た(3.09kg、93%)。LCMS;m/z 232(M+H).
実施例4:4−アミノ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノール(化合物5)の調製
【0504】
【化73】

メタノール(7.0mL)中のN−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)アセトアミド(1.77g、7.65mmol)の撹拌されたスラリーを温めて(45〜50℃)透明な溶液を得た。HSO(98%、1.22mL)をゆっくり反応混合物に加え、次いで加熱して5.5時間還流した。反応物を室温に冷却し、減圧下で溶媒を除いた。残留物を水(10mL)で稀釈し、NaOH水溶液(50%)の添加によってpH7に中和し、次いでNaHCOの飽和水溶液によってpH8に塩基性化した。生成物を結晶化し、ろ過し、乾燥して化合物(5)を得た(1.13g、78%)。LCMS:m/z 190.2(M+H)H NMR(DMSO−d):δ 8.85(s,1H),7.38(s,1H),6.69(d,J=8Hz,1H),6.54(dd, J=8Hz,J=4Hz,1H),6.43(s,1H),6.13(d,J=4Hz,1H),4.79(s,2H),3.65(s,3H).
実施例5:N−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)−3−メトキシベンズアミド(化合物6)の調製
【0505】
【化74】

N,N−ジメチルアセトアミド(6.5mL)中の4−アミノ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノール(1.08g、5.71mmol)の撹拌された溶液に、NaHCO(0.48g、5.08mmol)を加え、混合物を−10℃に冷却した。塩化3−メトキシベンゾイル(0.82mL、6.00mmol)を一滴ずつ加え、添加の完了の際、反応物を−10℃でさらに15分間、次いで室温にて1時間撹拌した。水(16.2mL)を一滴ずつ加え、生成物を結晶化し、ろ過によって単離した。固形のケーキを10%のNaHCO水溶液(2×20mL)次いで水で洗浄し、次いで乾燥して化合物(6)を得た(1.66g、90%)。LCMS:m/z 324.3(M+H)H NMR(DMSO−d):δ 10.11(s,1H),9.80(s,1H),7.64(d,J=8Hz,1H),7.60(d,J=4Hz,1H),7.51(d,J=8Hz,1H),7.47(t,J=4 Hz,1H),7.44(m,2H),7.14(d,J=8Hz,1H),6.96(d,J=8Hz,1H),6.24(s,1H),3.83(s,3H),3.70(s,3H).
実施例6:塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウム(化合物7)の調製
【0506】
【化75】

THF(246mL)中のN−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)−3−メトキシベンズアミド(22.2g、0.069mol)の撹拌された溶液に、トリフェニルホスフィン(27.0g、0.103mol)を加えた。溶液を−15℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(20.8g、0.103mol)を一滴ずつ加えた。添加の完了の際に、混合物を5℃に温め、内部温度を10℃より低く維持しながら、2−モルホリノエタノール(13.5g、0.092mol)を一滴ずつ加えた。添加の完了の際に、反応物を室温に温めた。30分後、反応が完了し、その時点で蒸留によってTHFを除き、残留物をイソプロパノール(225mL)に溶解した。撹拌しながら溶液を70℃に加熱し、内部の反応温度を70〜80℃の間に維持しながらHCl(37%、9.9mL、0.119mol)を少しずつ加えた。徐々に室温に冷却しながら、生成物のHCl塩が結晶化した。固形物をろ過し、イソプロパノールで洗浄し、乾燥して化合物(7)(26.0g、80%)を残した。
【0507】
THF(107kg)中のN−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)−3−メトキシベンズアミド(11.7kg、5.2%の水を含有する、34.3mol)の撹拌された溶液を常圧で蒸留して約70〜80%の溶媒を除いた。THF(99kg)を加え、次いでトリフェニルホスフィン(14.14kg、53.91mol)を加えた。溶液を−12℃に冷却し、内部温度を−10℃〜0℃の間で維持しながら、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(11.02kg、52.5mol)を少しずつ加えた。添加の完了の際に、−10℃〜3℃にて40分間、混合物を撹拌した。2℃〜6℃にて2−モルホリノエタノール(7.10kg、54.13mol)を少しずつ加えた。添加の完了の際に、反応物を室温に温め、4時間撹拌した。約70〜80%のTHFを蒸留によって除き、イソプロパノール(92g)を加えた。蒸留によってさらに111kgの溶媒混合物を除き、イソプロパノール(109kg)を加えた。内部の反応温度を60〜70℃の間に維持しながらHCl(37%、5.70kg、57.8mol)を少しずつ加えた。室温に冷却しながら、生成物のHCl塩を結晶化した。固形物をろ過し、イソプロパノールで洗浄し、乾燥して化合物(7)(14.53kg、90%)を残した。LCMS:m/z 437(M+H)H NMR(DMSO−d)δ 11.3(bs,1H),10.32(s,1H),7.91(dd,J=8Hz,J=4Hz,1H),7.75(d,J=4Hz,1H),7.54(d,J=8Hz,1H),7.49(m,2H,1H),7.44(t,J=8Hz,1H),7.24(d,J=8Hz,1H),7.16(dd,J=8Hz,J=4Hz,1H),6.29(d,J=4Hz,1H),4.46(t,J=4Hz,2H),3.83(s,3H),3.82−3.70(m,4H),3.69(s,3H),3.45(m,2H),3.15−3.12(m,2H),3.00−2.90(m,2H).
実施例7:3−フルオロ−N−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)ベンズアミド(化合物8)の調製
【0508】
【化76】

窒素雰囲気下で、ジャケット付きの30Lの反応容器にN,N−ジメチルアセトアミド(7.83L)を移し、次いで4−アミノ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノール(1.57kg、8.28mol)を移した。反応物を8℃に冷却し、ピリジン(0.65kg、8.28mol)を加えた。反応混合物をさらに−6℃に冷却し、反応温度を3℃より低く維持しながら塩化3−フルオロベンゾイル(1.312kg、8.27mol)をゆっくり加えた。塩化3−フルオロベンゾイルの添加の完了後、混合物を0〜5℃で15分間、次いで20℃で75分間撹拌した。反応試料のLCMS解析は、生成物への完全な変換を示した。反応温度を≦35℃で維持しながら、水(19.58L)をゆっくり加えた。生成物が沈殿し、スラリーを28℃で15分間撹拌し、ろ過した。固形のケーキを水(20L)、次いでヘプタン(2×4L)で洗浄し、室内で減圧下、60℃で乾燥して化合物(8)を得た(2.766kg、5.5%の水を含有する、101%)。H NMR(DMSO−d)δ 10.2(s,1H),9.86(s,1H),7.83(d,J=4Hz,1H), 7.79(d,J=8Hz,1H),7.70(d,J=8Hz,1H),7.62(m,2H),7.47(m,2H),7.01(d,J=8Hz,1H),3.72(s,3H).
実施例8:カルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウム(化合物9)の調製
【0509】
【化77】

窒素雰囲気下で、ジャケット付きの30L反応容器にTHF(18L)を移した。3−フルオロ−N−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)ベンズアミド(1.82kg、5.84mol)、トリフェニルホスフィン(2.30kg、8.77mol)および1−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)エタノン(純度76.2%を1.550kg、6.85mol)を加えた。反応物を15℃に冷却し、内部温度を30℃より低く維持しながら、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.77kg、8.77mol)をゆっくり加えた。反応物を20℃に冷却し、2時間撹拌した。追加量のトリフェニルホスフィン(0.77kg、2.29mol)、1−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)エタノン(純度76.2%を0.503kg、2.23mol)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.59kg、2.29mol)を加え、反応物をさらに30分間撹拌した。トリフェニルホスフィン(1.53kg、5.84mol)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.18kg、5.85mol)を加え、反応物をさらに35分間撹拌した。追加量のトリフェニルホスフィン(0.77kg、2.92mol)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.59kg、2.92mol)を加え、反応物をさらに10分間撹拌した。反応試料のLCMS解析は、生成物への完全な変換を示し、出発物質は検出されなかった。室温にて反応物を一晩撹拌した。減圧下にてTHF(約14.4L)を蒸留し、エタノール(8L)を加えた。蒸留によって残留するTHFを除いた(溶媒交換法)。追加量のエタノール(9L)を反応器に移し、次いでシュウ酸(0.74kg、8.18mol)のエタノール(3L)溶液、次いで水(4L)を移した。20℃で2.5時間撹拌した後、3−フルオロ−N−[3−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−(2−N−アセチル−ピペラジニル−4−イル−エトキシ)−フェニル]−ベンズアミドのシュウ酸塩が結晶化した。結晶化した生成物をろ過し、エタノール(2×2.5L)で洗浄し、室内減圧下、60℃で乾燥して化合物(9)を得た(1.70kg、52%)。1H NMR(DMSO−d6)δ 10.32(s,1H),7.82(m,3H),7.70(d,J=4Hz,1H),7.60(m,2H),7.46(m,2H),7.20(d,J=4Hz,1H),4.17(t,J=8Hz,2H)3.70(s,3H),3.40(m,4H),2.82(t,J=4Hz,2H),2.49(m,2H),2.43(t,J=4Hz,2H),1.98(s,3H).
実施例9:N−(3−(3−ジメチルアミノ)アクリロイル)−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物11)の調製
【0510】
【化78】

N−(3−アセチル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(148.8g、0.770mol)とジメチルホルムアミドジメチルアセタール(206.2mL、185.0g、1.552mol)と2−プロパノール(1500mL)の撹拌された混合物を窒素下で45℃に加熱した。混合物を45℃で約18時間撹拌した後、N−(3−アセチル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドのN−(3−(3−ジメチルアミノ)アクリロイル)−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドへの変換は、HPLCのピーク面積によって>98%だった。水(1500mL)を加え、次いで、55℃での減圧下の蒸留によって1500mLの溶媒を除いた。反応器の内容物を15℃に冷却し、次いでろ過した。ろ過ケーキを65℃での減圧下で乾燥し、化合物(11)を得た(167.0g、87%)(HPLCのピーク面積による純度>98%)。H NMR(DMSO−d):δ 14.07(s,1H),9.80(s,1H),8.00(d,J=2.5Hz,1H),7.95(d,J=12.0Hz,1H),7.56(dd,J=8.8,J=2.5Hz,1H),6.79(d,J=8.8Hz,1H),5.75(d,J=12.0Hz,1H),3.25(s,3H),3.00(s,3H),2.03(s,3H).
実施例10:5−(2’−ヒドロキシ−5’−アセトアミドフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(化合物4)の調製
【0511】
【化79】

窒素下で常温にて撹拌されたメタノール(502mL)を含有するフラスコにN−(3−(3−ジメチルアミノ)アクリロイル)−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(51.6g、208mmol)、次いで三フッ化ホウ素ジエチルエテレート(5.22mL、5.85g、41.2mmol)を加えた。得られた混合物を窒素下で2〜4℃にて撹拌しながら、メチルヒドラジン(15.32mL、13.27g)を加えた。反応器の内容物を5℃で一晩撹拌した後、N−(3−(3−ジメチルアミノ)アクリロイル)−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドの、化合物(4)とその位置異性体、3−(2’−ヒドロキシ−5’−アセトアミドフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾールの87.9:12.1との混合物への変換は、HPLCのピーク面積によって>99.5%だった。次いで、30℃のジャケット温度にて減圧下での蒸留によってほとんどのメタノールを除いた。油状の残留物にヘプタン(250mL)を加え、固形物が沈殿し始めるまで、減圧下での溶媒の蒸留を続けた。ヘプタン(126mL)と酢酸エチル(377mL)との混合物を加え、得られた懸濁液を常温にて2時間撹拌した。固形生成物をろ過し、37重量%の塩酸水溶液(1.57mL、1.89g、19.1mmol)と予め混合した水(377mL)に再懸濁した。得られた懸濁液を常温にて2時間撹拌し、次いでろ過した。ろ過した固形物を減圧下65℃にて乾燥して化合物(4)を得た(39.4g、82%)(HPLCのピーク面積による純度>99%)。H NMR(DMSO−d):δ 9.80(s,1H),9.69(s,1H),7.43(dd,J=8.8,J=2.6Hz,1H),7.42(d,J=0.7Hz,2H),6.89(dd,J=8.0,J=1.0Hz,1H),6.20(d,J=1.81Hz,1H),3.66(s,3H),1.99(s,3H).
実施例11:4−アミノ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノール(化合物5)の調製
【0512】
【化80】

窒素下で撹拌されたN−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)アセトアミド(4、39.1g、169mmol)とメタノール(170mL)との混合物を含有するフラスコに、濃硫酸(23mL、42.3g、431mmol)をゆっくり加えた。添加が完了した際、反応混合物は55℃にて透明な溶液だった。撹拌した反応混合物を窒素下で7時間還流した後、70℃の浴にて減圧してほとんどのメタノールを留去した。蒸留残留物に水(80mL)を加えた後、70℃の浴にて減圧して生成物混合物からほとんどの水を留去した。蒸留残留物のメタノール含量は、H−NMRの積算にて化合物5含量の約7.7重量%であると測定された。蒸留残留物にさらなる水(80mL)を加え、70℃の浴にて減圧して生成物混合物から再びほとんどの水を留去した。蒸留残留物のメタノール含量は、H−NMRの積算にて化合物5含量の約2.2重量%であると測定された。さらなる水(80mL)によって蒸留残留物を稀釈し、冷却槽で撹拌された生成物混合物を30〜35℃に維持しながら、水酸化ナトリウム(50重量%、41mL、62.5g、782mmol)水溶液を加えた。添加中に生成物は沈殿し始め、生成物混合物のpHは5.8〜6.1に上昇した。冷却槽で撹拌された生成物混合物を約25℃に維持しながら、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(50mL、53.2g、55.7mmol)を加えた。その結果、生成物混合物のpHは7に上昇した。生成物混合物を約23℃で2時間撹拌した後、そのpHは6.2に下降した。約23℃でさらに1時間撹拌した後、さらなる重炭酸ナトリウム飽和水溶液(25mL、26.6g、27.9mmol)を加え、その結果、生成物混合物のpHは7に上昇した。23℃でさらに30分間撹拌した後、生成物混合物をろ過した。固形のろ過ケーキを水(3×80mL)で洗浄し、60℃にて一定重量まで減圧乾燥し、化合物5を得た(29.7g、収率93%、HPLC面積による純度99.40%)7
実施例12:塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウム(化合物7)の調製
工程A:N−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)−3−メトキシベンズアミド(化合物6)の調製
【0513】
【化81】

窒素下で撹拌された4−アミノ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノール(5、50.0g、264.3mmol、1.00当量)と重炭酸ナトリウム(28.9g、344mmol、1.30当量)と2−プロパノール(200mL)との混合物に、塩化3−メトキシベンゾイル(49.6g、290.8mmol、1.10当量)を十分にゆっくり加え、ジャケット冷却の反応器で反応混合物を0〜5℃に維持した。得られた茶色の溶液を5℃で1時間、10〜15℃でさらに1時間撹拌した後、水(300mL)を十分にゆっくり加え、ジャケット冷却の反応器で撹拌した反応混合物を20〜25℃に維持した。反応混合物を約23℃でさらに2時間撹拌し、次いでろ過した。固形のろ過ケーキを水(3×150mL)で洗浄し、65℃にて16時間、次いで75〜80℃にて一定重量まで減圧乾燥して化合物6を得た(80g、247mmol、収率93.6%、HPLC面積による純度99.24%)。この手順で調製された6の水分含量は通常、約0.1重量%である。
【0514】
工程B:塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウム(化合物7)の調製
【0515】
【化82】

実施例12の工程Aの方法によって調製されたN−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)−3−メトキシベンズアミド(6、50.0g、154.6mmol、1.00当量)とテトラヒドロフラン(THF、500mL)との混合物を撹拌し、加熱して6の溶解を達成した。得られた溶液を25℃に冷却し、トリフェニルホスフィン(52.7g、200.9mmol、1.30当量)を加えた。得られた溶液を−5℃〜0℃に冷却した後、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(40.6g、200.8mmol、1.30当量)を十分にゆっくり加え、外部からの反応器冷却によって撹拌した反応混合物を−5℃〜0℃で維持した。得られた混合物を約23℃で4時間撹拌し、次いで15℃に冷却した。次いで2−モルホリノエタノール(28.4g、216.5mmol、1.40当量)を加え、撹拌した反応混合物を約23℃に温め、その温度で撹拌を2時間継続した。減圧および≦60℃にてほとんどのTHFは反応混合物から留去された。2−プロパノール(600mL)を加え、次いで、減圧および≦60℃にてほとんどの2−プロパノールは反応混合物から留去された。さらなる2−プロパノール(600mL)を加え、得られた混合物を60℃に加熱した。濃塩酸水溶液(25.8g、21.46mL、261mmol、1.69当量)を撹拌した60℃の溶液に加え、pH2.0を達成した。次いで生成物混合物を約23℃に冷却し、その温度で3時間撹拌した。沈殿した生成物のスラリーをろ過し、ろ過した固形物を2−プロパノール(3×150mL)で洗浄し、65℃にて一定の重量まで減圧乾燥して7を得た(66.18g、139.9mmol、収率90.5%、HPLC面積による純度99.24%)。
【0516】
実施例13:カルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウム(化合物9)の調製
【0517】
【化83】

1.70kgの9(実施例8に従って調製された1.70kg)とさらなる部分の9(同様に、しかし、減圧下で乾燥せずに調製された800g)との混合物を以下のように精製した。9の両方の部分と精製水(11.1kg)とエタノール(7.10kg)との混合物を撹拌し、加熱し、還流して(84.3℃)部分的な溶解を達成した。次いで約4Lの溶媒を留去し、撹拌された混合物を20〜22℃に冷却した。吸引ろ過によって固形生成物を回収し、エタノール(0.710kg)で洗浄し、一定の重量まで60℃にて減圧下で乾燥し、標題化合物を得た(2.13kg、8からの収率49%、HPLCピーク面積による純度99.1%)。
【0518】
当業者は、本明細書で述べられた例示の実施例に対する種々の改変、付加、置換および変更が、本発明の精神から逸脱することなくなされる得るので、それらが本発明の範囲内にあるとみなされることを理解するであろう。印刷された刊行物、仮特許出願および通常の特許出願を含むが、これらに限定されない上記で参照された文書はすべて、その全体が参考として本明細書に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0519】
【図1】図1は、本発明の化合物7の結晶形態Iに関する熱重量分析(TGA)の温度記録図を示す(オープンセルにおけるTA Instruments TGA Q500;25〜300℃;10℃/分)。
【図2】図2は、本発明の化合物7の結晶形態Iに関する示差走査熱量測定(DSC)温度記録図を示す(TA Instruments DSC Q1000;25〜250℃;10℃/分)。
【図3】図3は、化合物7の結晶形態Iを含有する試料に関する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す(PANalytical X’Pert Plus粉末X線回折計;5.0〜40.0°2θ)。
【図4】図4は、本発明の化合物7の結晶形態Iに関する動的蒸気収着(DVS)走査を示す(VTI動的蒸気収着分析計)。
【図5】図5は、本発明の化合物9の結晶形態Iに関する熱重量分析(TGA)の温度記録図を示す(オープンセルにおけるTA Instruments TGA Q500;25〜300℃;10℃/分)。
【図6】図6は、本発明の化合物9の結晶形態Iに関する示差走査熱量測定(DSC)温度記録図を示す(TA Instruments DSC Q1000;25〜250℃;10℃/分)。
【図7】図7は、化合物9の結晶形態Iを含有する試料に関する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す(PANalytical X’Pert Plus粉末X線回折計;5.0〜40.0°2θ)。
【図8】図8は、本発明の化合物9の結晶形態Iに関する動的蒸気収着(DVS)走査を示す(VTI動的蒸気収着分析計)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
はC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシであり、
XはO、S、NRまたはCHRであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物またはその塩形態を調製するための方法であって、式(I)の化合物を形成するために式(II):
【化2】

の化合物と、式(III):
【化3】

の化合物とを、三置換ホスフィンおよび式(A):
【化4】

(式中、
およびRはそれぞれ独立してC〜C10のアルキルまたはC〜Cのシクロアルキルである)
を有する化合物の存在下で反応させる工程を含む、方法。
【請求項2】
がメトキシであり、XがOである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
がフルオロであり、XがNC(O)CHである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記三置換ホスフィンがトリフェニルホスフィンを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
およびRが、それぞれ独立してC〜Cのアルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
およびRが、両方ともプロプ−2−イルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記反応させる工程が、約−50℃〜約75℃の温度で行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応させる工程が、約0℃〜約25℃の温度で行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記反応させる工程が、エーテル形成溶媒中で行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記エーテル形成溶媒がテトラヒドロフランを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式(A)の化合物と式(II)の化合物とのモル比が約4:1〜約1:1である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
式(A)の化合物と式(II)の化合物とのモル比が約1.6:1〜約1.4:1である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記三置換ホスフィンと式(II)の化合物とのモル比が約4:1〜約1:1である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記三置換ホスフィンと式(II)の化合物とのモル比が約1.6:1〜約1.4:1である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
式(A)の化合物と前記三置換ホスフィンとのモル比が約1:1である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
式(III)の化合物と式(II)の化合物とのモル比が約2.5:1〜約0.5:1である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
式(III)の化合物と式(II)の化合物とのモル比が約2:1〜約1:1である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
式(II)の化合物が、式(II)の化合物を形成するために式(IV):
【化5】

(式中、
はC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシであり、
Yは、ハロ、OHまたはOC(O)Rであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物と、式(V):
【化6】

の化合物またはその塩とを反応させる工程を含む方法によって調製される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
式(V)の化合物またはその塩が、式(V)の化合物またはその塩を形成するために式(VI):
【化7】

(式中、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物と切断試薬とを反応させる工程を含む方法によって調製される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
式(VI)の化合物が、式(VI)の化合物を形成するために酸の存在下で式(VII):
【化8】

(式中、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物とアミンとを反応させる工程を含む方法によって調製される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
式(VI)の化合物が、式(VI)の化合物を形成するために式(VIII):
【化9】

(式中、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物と脱メチル化剤とを反応させる工程を含む方法によって調製される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
式(VI)の化合物が、式(VI)の化合物を形成するために触媒の存在下で式(XIV):
【化10】

(式中、
およびRは、それぞれ独立してC〜Cのアルキルまたはアリールアルキルであるか、あるいは
およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒にヘテロシクリル基またはヘテロビシクリル基を形成する)
の化合物とメチルヒドラジンとを反応させる工程を含む方法によって調製される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
式(XIV)の化合物が、式(XIV)の化合物を形成するために式(XV):
【化11】

(式中、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物と、式(XVI):
【化12】

(式中、
およびRは、それぞれ独立してC〜Cのアルキルまたはアリールアルキルであるか、あるいは
およびRはそれらが結合する窒素原子と一緒にヘテロシクリル基またはヘテロビシクリル基を形成し、Wは、−CH(OR10)(OR11)であり、R10およびR11は、それぞれ独立してC〜Cのアルキルである)
の化合物とを反応させる工程を含む方法によって調製される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
式(II):
【化13】

(式中、RはC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシである)
の化合物を調製するための方法であって、式(II)の化合物を形成するために式(IV):
【化14】

(式中、
Yは、ハロ、OHまたはOC(O)Rであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物と、式(V):
【化15】

の化合物またはその塩とを反応させる工程を含む、方法。
【請求項25】
Yがクロロであり、Rがメトキシである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
Yがクロロであり、Rがフルオロである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記反応させる工程が塩基の存在下で行われる、請求項24〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記塩基がピリジンを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記塩基が重炭酸ナトリウムを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記反応させる工程がアミド形成溶媒中で行われる、請求項24〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記アミド形成溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記反応させる工程が約−60℃〜約75℃の温度にて行われる、請求項24〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記反応させる工程が約−10℃〜約25℃の温度にて行われる、請求項24〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
式(V):
【化16】

の化合物またはその塩を調製するための方法であって、式(V)の化合物またはその塩を形成するために式(VI):
【化17】

(式中、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物と切断試薬とを反応させる工程を含む、方法。
【請求項35】
がC〜Cのアルキルである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
がメチルである、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記切断試薬が加水分解酸を含む、請求項34〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記加水分解酸が硫酸を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記反応させる工程が加水分解溶媒中で行われる、請求項34〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記加水分解溶媒がメタノールを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記反応させる工程が約25℃〜約65℃の温度にて行われる、請求項34〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記反応させる工程が約40℃〜約55℃の温度にて行われる、請求項34〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
式(I):
【化18】

(式中、
はC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシであり、
XはO、S、NRまたはCHRであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物の塩を調製するための方法であって、式(I)の化合物の塩を形成するために式(I)の化合物と塩形成酸とを反応させる工程を含む、方法。
【請求項44】
がメトキシであり、XがOである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
がフルオロであり、XがNC(O)CHである、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記反応させる工程が塩形成溶媒中で行われる、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記塩形成溶媒がイソプロパノールを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記塩形成溶媒がエタノールを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記反応させる工程が約−10℃の温度〜ほぼ還流温度にて行われる、請求項43〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記反応させる工程が約20℃〜約80℃の温度にて行われる、請求項43〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記塩形成酸が塩酸である、請求項43〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記塩が塩酸塩である、請求項43〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記塩形成酸がシュウ酸である、請求項43〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記塩がシュウ酸塩である、請求項43〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
式(I):
【化19】

(式中、
はC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシであり、
XはO、S、NRまたはCHRであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物の塩酸塩。
【請求項56】
がメトキシであり、XがOである、請求項55に記載の塩酸塩。
【請求項57】
がフルオロであり、XがNC(O)CHである、請求項55に記載の塩酸塩。
【請求項58】
式(I):
【化20】

(式中、
はC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシであり、
XはO、S、NRまたはCHRであり、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシによって置換されたH、C〜Cのアルキル、C〜Cのアシル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、C〜Cのハロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物のシュウ酸塩。
【請求項59】
がメトキシであり、XがOである、請求項58に記載のシュウ酸塩。
【請求項60】
がフルオロであり、XがNC(O)CHである、請求項58に記載のシュウ酸塩。
【請求項61】
式(II):
【化21】

(式中、
はC〜Cのアルキル、ハロ、C〜CのハロアルキルまたはC〜Cのアルコキシである)
の化合物。
【請求項62】
がメトキシである、請求項61に記載の化合物。
【請求項63】
がフルオロである、請求項61に記載の化合物。
【請求項64】
式(V):
【化22】

の化合物またはその塩。
【請求項65】
式(VII):
【化23】

(式中、
は、それぞれ必要に応じてC〜Cのアルキルによって置換されたC〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、C〜Cのアルキニル、C〜Cのシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)
の化合物。
【請求項66】
がメチルである、請求項65の化合物。
【請求項67】
2θに関して約14.4°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、塩化4−(2−(4−(3−メトキシベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)モルホリン−4−イウムの結晶形態(形態I)。
【請求項68】
2θに関して約5.2°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項67に記載の結晶形態。
【請求項69】
2θに関して約14.4°および約25.6°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項67に記載の結晶形態。
【請求項70】
2θに関して約5.2°および約25.6°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項67に記載の結晶形態。
【請求項71】
2θに関して約14.4°、約5.2°および約25.6°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項67に記載の結晶形態。
【請求項72】
2θに関して約14.4°、約5.2°、約25.6°、約17.3°、約27.1°、約15.8°および約20.1°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項67に記載の結晶形態。
【請求項73】
2θに関して約14.4°、約5.2°、約25.6°、約17.3°、約27.1°、約15.8°、約20.1°、約19.8°、約23.1°および約15.3°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項67に記載の結晶形態。
【請求項74】
図3に示されるように粉末X線回折パターンを実質的に有する、請求項67に記載の結晶形態。
【請求項75】
図4に示されるように動的蒸気収着特性を実質的に有する、請求項67〜74のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項76】
2θに関して約7.0°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、カルボキシ蟻酸4−アセチル−1−(2−(4−(3−フルオロベンズアミド)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)エチル)ピペラジン−1−イウムの結晶形態。
【請求項77】
2θに関して約13.9°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項76に記載の結晶形態。
【請求項78】
2θに関して約7.0°および約12.5°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項76に記載の結晶形態。
【請求項79】
2θに関して約13.9°および約12.5°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項76に記載の結晶形態。
【請求項80】
2θに関して約7.0°、約13.9°および約12.5°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項76に記載の結晶形態。
【請求項81】
2θに関して約7.0°、約13.9°、約12.5°、約20.9°、約23.2°、約14.5°および約18.6°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項76に記載の結晶形態。
【請求項82】
2θに関して約7.0°、約13.9°、約12.5°、約20.9°、約23.2°、約14.5°、約18.6°、約26.0°および約33.4°にてピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項76に記載の結晶形態。
【請求項83】
図7に示されるように粉末X線回折パターンを実質的に有する、請求項76に記載の結晶形態。
【請求項84】
図8に示されるように動的蒸気収着特性を実質的に有する、請求項76〜83のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項85】
請求項55〜60のいずれか1項に記載の塩または請求項67〜84のいずれか1項に記載の結晶形態および薬学的に許容できるキャリアを含む、組成物。
【請求項86】
5−HT2A関連の障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の、請求項55〜60のいずれか1項に記載の塩または請求項67〜84のいずれか1項に記載の結晶形態を投与する工程を含む、方法。
【請求項87】
前記5−HT2A関連の障害が、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作、心房細動、血餅形成、喘息またはその症状、興奮またはその症状、行動障害、薬物誘導精神病、興奮性精神病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、躁病障害、器質性精神病または特定不能精神病、精神病性障害、精神病、急性精神分裂症、慢性精神分裂症、特定不能精神分裂症および関連障害、睡眠障害、糖尿病関連障害、および進行性多病巣性白質脳障害からなる群から選択される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記5−HT2A関連の障害が、血小板凝集に関連する状態である、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
療法によるヒトの身体または動物の身体の処置方法に使用するための、請求項55〜60のいずれか1項に記載の塩または請求項67〜84のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項90】
療法によるヒトの身体または動物の身体の5−HT2A関連の障害の処置方法において使用するための、請求項55〜60のいずれか1項に記載の塩または請求項67〜84のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項91】
療法によるヒトの身体または動物の身体における血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作、心房細動、血餅形成、喘息またはその症状、興奮またはその症状、行動障害、薬物誘導精神病、興奮性精神病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、躁病障害、器質性精神病または特定不能精神病、精神病性障害、精神病、急性精神分裂症、慢性精神分裂症、特定不能精神分裂症および関連障害、睡眠障害、糖尿病関連障害、または進行性多病巣性白質脳障害の処置方法において使用するための、請求項55〜60のいずれか1項に記載の塩または請求項67〜84のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項92】
療法によるヒトの身体または動物の身体における血小板凝集に関連する状態を処置するための方法において使用するための、請求項55〜60のいずれか1項に記載の塩または請求項67〜84のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項93】
前記5−HT2A関連の障害を処置するための医薬の製造のための、請求項55〜60のいずれか1項に記載の塩または請求項67〜84のいずれか1項に記載の結晶形態の使用。
【請求項94】
前記5−HT2A関連の障害が、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、狭心症、発作、心房細動、血餅形成、喘息またはその症状、興奮またはその症状、行動障害、薬物誘導精神病、興奮性精神病、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、躁病障害、器質性精神病または特定不能精神病、精神病性障害、精神病、急性精神分裂症、慢性精神分裂症、特定不能精神分裂症および関連障害、睡眠障害、糖尿病関連障害、および進行性多病巣性白質脳障害からなる群から選択される、請求項93に記載の使用。
【請求項95】
前記5−HT2A関連の障害が、血小板凝集に関連する状態である、請求項93に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−537544(P2009−537544A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511063(P2009−511063)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/011810
【国際公開番号】WO2007/136689
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(500478097)アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (97)
【Fターム(参考)】