説明

5−HT2Cリガンドとしてのテトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン

式Iの化合物
【化1】


およびこれを用いて哺乳類において5−HT2c受容体に媒介される疾患を治療するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−HT2C受容体で作用する化合物、および疾患の治療におけるかかる化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
末梢および中枢神経系(PNSおよびCNS)の主要な神経伝達物質である、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HTまたはセロトニン)は、様々な感覚、運動および行動過程に関与してきた。この神経伝達物質の多様な効果は、セロトニン作動性ニューロンの脳全体にわたる広範な投射および多数の別個のセロトニン受容体サブタイプに関連する。少なくとも14の別個のセロトニン受容体サブタイプが哺乳類のCNSで発現されている。これらの受容体のセロトニンの作用への寄与は、選択できる薬理作用のある物質の不足のために確認することが困難であった。
【0003】
セロトニン受容体の5−HTサブファミリーは、3つのサブタイプ、すなわち、5−HT2a、5−HT2bおよび5−HT2C受容体からなる。このサブファミリーのメンバーは全て、Gタンパク質、Gq/11を介してイノシトールリン酸およびジアシルグリセロール経路の活性化と共役する。近年、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPキナーゼ)を含む5−HT刺激により調節される他のセカンドメッセンジャー系が示さている。セロトニン受容体の5−HTサブファミリーの間の選択的薬理学的ツールへのアクセスが限られていることが、機能的受容体遺伝子を選択的に欠くマウス系統を作製する標的遺伝子組換え技術の使用につながった。この戦略は、5−HT2C受容体機能の研究に適用されている。5−HT2C受容体は、辺縁系、錐体外路運動路、視床下部、視床およびモノアミン作動性細胞グループを含む、多くの脳の領域で発現される。5−HT2C受容体は、食物摂取および不安症の調節に関係している。例えば、非選択的な5−HT2C受容体アゴニスト、m−クロロフェニルピペラジン1(mCPP)は、5−HT2C受容体アンタゴニストにより減弱された食欲減退および不安惹起効果を生じる。5−HT2C受容体アゴニストの食物摂取を調節する性質は、肥満症を制御する際のこの受容体サブタイプの重要な役割を示唆する(Vickers,S.、Clifton,P.、Dourish,C.、Tecott,L.Psychopharmacology (Berlin) 1999,143,309、Nilsson,B.J.Med.Chem.2006,49,4023)。
【0004】
肥満症が、伝統的な食事制限および運動による体重減少法を治療薬で補う必要のある、環境因子に影響される疾患過程であることは、広く認識されている(S.Parker,‘Obesity:Trends and Treatments”,Scrip Reports,PJB Publications Ltd,1969)。
【0005】
ある人が過体重または肥満に分類されるかどうかは、一般に、体重(kg)を身長の2乗(m)で除算して計算されるその人の肥満度指数(BMI)に基づいて決定される。よって、BMIの単位はkg/mであり、人生の10年ごとに最小死亡率に関連したBMI範囲を計算することが可能である。過体重は、BMIが25〜30kg/mの範囲内のものと定義され、肥満はBMIが30kg/mを超えるものと定義される。この定義には、脂質(脂肪組織)に対するボディマス(筋肉)の比率を考慮していない点で問題がある。この点を考慮するために、肥満は、体脂肪含量に基づいて定義することもできる。男性および女性で、それぞれ25%および30%超で肥満と定義される。BMIが増加するにつれて、他の危険因子とは無関係の様々な原因による死亡の危険が増大する。肥満に伴う最も一般的な疾患は、心血管疾患(特に高血圧)、糖尿病(肥満は糖尿病の進行を悪化させる)、胆嚢疾患(特に癌)および生殖疾患である。研究により、体重の小幅な減少でさえ、冠動脈性心臓疾患を発生する危険の有意な減少に相当し得ることが明らかとなっている。
【0006】
食物摂取およびそれ故に肥満の調節に役割が高まっていることに加えて、5−HT2C受容体は統合失調症の治療に関与している。統合失調症は、およそ500万人に影響を及ぼしている。現在では、最も一般的な統合失調症の治療は、ドーパミン(D)とセロトニン(5−HT2A)受容体拮抗作用を組み合わせた「非定型」抗精神病薬である。典型的な抗精神病薬と比較して、非定型抗精神病薬の有効性および副作用傾向の改善が報告されているにもかかわらず、これらの化合物は統合失調症の全ての症状を適切に治療するものではないようであり、体重増加など、問題となる副作用を伴う(Allison,D.B.,et.al.,Am.J.Psychiatry,156:1686−1696,1999、Masand,P.S.,Exp.Opin.Pharmacother.I:377−389,2000、Whitaker,R.,Spectrum Life Sciences.Decision Resources.2:1−9,2000)。
【0007】
非定型抗精神病薬はまた、高い親和性で5−HT2C受容体と結合し、5−HT2C受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニストとして機能する。体重増加は、クロザピンおよびオランザピンなどの非定型抗精神病薬に関連する問題のある副作用であり、5−HT2C拮抗作用が増大する体重増加の原因であることが示唆されている。これとは逆に、5−HT2C受容体の刺激により食物摂取および体重の減少がもたらされることが公知である(Walsh et.al.,Psychopharmacology 124:57−73,1996、Cowen,P.J.,et.al.,Human Psychopharmacology 10:385−391,1995、Rosenzweig−Lipson,S.,et.al.,ASPET abstract,2000)。
【0008】
いくつかの一連の証拠が、統合失調症の治療としての5−HT2C受容体活性化作用または部分的活性化作用の役割を支持する。研究により、5−HT2Cアンタゴニストはドーパミンのシナプスレベルを増大させ、パーキンソン病の動物モデルにおいて効果的でありうることが示されている(Di Matteo,V.,et.al.,Neuropharmacology 37:265−272,1998、Fox,S.H.,et.al.,Experimental Neurology 151:35−49,1998)。統合失調症の陽性症状は増大されたドーパミンレベルと関連があるため、5−HT2Cアンタゴニストの作用と反対の作用を有する化合物、例えば5−HT2Cアゴニストおよび部分アゴニストが、シナプスのドーパミンレベルを低下させるはずである。最近の研究により、5−HT2Cアゴニストが、クロザピンのような薬剤の重要な抗精神病薬の効果を媒介すると考えられている脳領域、前頭前皮質および側坐核において、ドーパミンレベルを低下させることが実証された(Millan,M.J.,et.al.,Neuropharmacology 37:953−955,1998、Di Matteo,V.,et.al.,Neuropharmacology 38:1195−1205,1999、Di Giovanni,G.,et.al.,シナプス 35:53−61,2000)。しかし、5−HT2Cアゴニストは、錐体外路の副作用に最も密接に関係する脳領域である、線条体においてドーパミンレベルを低下させない。さらに、最近の研究により、5−HT2Cアゴニストは腹側被蓋野(VTA)において発火を低下させるが、黒質では低下させないことが実証された。黒質線条体経路に対する中脳辺縁系経路における5−HT2Cアゴニストの異なる効果は、5−HT2Cアゴニストが辺縁系選択性を有し、典型的な抗精神病薬に付随する錐体外路の副作用を生じる可能性が低いことを示唆する。
【0009】
加えて、5−HT2C受容体は、食物摂取に応答して脳の側坐核における中脳辺縁系のドーパミンレベルが増大することにつながっている、食物による満足感(rewarding properties)の調節にも関与している可能性もある。多数の研究から、食物および薬物による満足感は、一部の共通の神経基質、具体的には側坐核を共有している可能性が示唆された(Saper,C.B.、Chou,T.C.、Elmquist,J.K.The need to feed:homeostaticおよびhedonic control of eating.Neuron 2002,36,199−211)。5−HT2C受容体アゴニストが側坐核におけるドーパミンレベルを低下させ、満足感に関連する行動(例えば、ラットにおけるコカインまたはニコチンの自己投与)が5−HT2C受容体活性化により低減されうると仮定すると、5−HT2C受容体アゴニストが食物による満足感を低減させる可能性も考慮されるべきである(Higgins,G.A.、Fletcher,P.J.Serotonin and drug reward:focus on 5−HT2C receptors.Eur.J.Pharmacol.2003,480,151−162)。
【0010】
5−HT2C受容体アゴニストの使用に価値があると考えられるもう一つの治療分野は、癲癇の治療である。癲癇は、再発性発作が現れる脳障害であって、複雑な一連の40を超える個別の障害をさす。この発作は、突然の大量のニューロンの放電であって、関与する脳の領域または意識が損なわれているかいないかによって、部分的であっても全面的であってもよい。通常、脳では興奮と抑制の間のバランスがとれている。このバランスが興奮の増大または抑制の低下により乱されると、結果として発作が起こりうる。ニューロンの放電は、関与する神経により神経支配されている筋肉を刺激する可能性があり、その結果不随意筋が収縮するか、または痙攣する(Lee,G.V.、Jones,E.J.Epilepsy.Neurobiology of Diseases 2000,7,549−551)。
【0011】
現在、発作を抑制するために臨床に用いられている薬物がいくつかあり、それらはその標的の点で3つの異なるカテゴリーに分かれる(Cosford,N.D.P.、McDonald,I.A.、Schweiger,E.J.Recent Progress in Antiepileptic Drug Research.Annu.Rep.Med.Chem.1998,33,61−70)。最も一般的なものは、電位依存性ナトリウムイオンチャネルを介するナトリウムの細胞への流れに作用する薬物である。ナトリウムイオンチャネルは、選択的にナトリウムイオンを透過させ、細胞膜を横切る電位の変化により開く、細胞膜内の構造である。その他の薬物はカルシウムイオンチャネルに作用する。第3の薬物のカテゴリーは、神経伝達物質γアミノ酪酸(GABA)により活性化される抑制性シナプスの一部の態様に作用する。これらの薬物の利用可能性にもかかわらず、大部分の患者が発作をもち続けている。さらに、発作が効果的に抑制されている患者の中で、相当な数がこれらの薬物から持続的かつ望ましくない効果を経験した。この点に照らして、現在の研究者らの目標は、新規な機構により新規な細胞標的に作用し、現在十分に治療されていない多数の個人に効果的な治療を可能にする、新規なクラスの抗発作薬を同定することである。最近クローン化された5−HT2C受容体により、新規な抗癲癇薬の開発の機会をまさにもたらす新規な細胞標的が明らかとなっている。
【0012】
セロトニン作動性神経伝達が、幅広い種類の実験によって誘発された発作を調節し、一部の遺伝的に傾向性のげっ歯類において観察される強化された発作感受性に関与している証拠が高まっているPrzegalinski,E.、 Baran,L.、 Siwanowicz,J.「マウスにおける最大電撃痙攣の閾値の1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジンに誘発される増大における5−ヒドロキシトリプタミン受容体サブタイプの役割」(role of 5−hydroxytryptamine receptor subtypes in the 1−[3−(trifluoromethyl)phenyl]piperazine−induced increase in threshold for maximal electroconvulsions in mice.) Epilepsia,1994,35,889−894、Wada,Y.、Shiraishi,J.、Nakamura,M.、Koshino,Y.「ラットにおける扁桃体キンドリングの発達におけるセロトニン受容体サブタイプの役割」(Role of serotonin receptor subtypes in the development of amygdaloid kindling in rats.) Brain Res.,1997,747,338−342)。研究により、5−HT2C受容体遺伝子の標的破壊を有するマウスが、時折死を引き起こす散発性自発性発作を伴う癲癇症候群を示すことが示された。あらゆる癲癇患者のパラダイムにおいて、5−HT2C受容体を欠くマウスは野生型対照よりも有意に発作の感受性が高かった。結果から、変異体は、焦点発作閾値が低く、焦点発作興奮性が高く、前脳発作系内の伝播が促進されることが示される。また、変異体は、全身性間代性および全身性強直性発作の両方の発現の全身性発作閾値が低い。重要なことには、5−HT受容体アンタゴニストであるメスレルギン(2または4mg/kg)は、電気ショック試験の前に投与され、野生型マウスにおける変異表現型で反復される。併せて、これらのデータは、神経回路網における興奮性およびCNS全体にわたる発作の伝播の調節におけるセロトニンおよび5−HT2C受容体の役割を強く意味づける(Appelgate,C.D.、Tecott,L.H.「5−HT2C受容体を欠くマウスにおける発作感受性の全体的な増大、行動解析」(Global increases in seizure susceptibility in mice lacking 5−HT2C receptors、 a behavioral analysis.) Exp.Neurol.1998,154,522−530、Heisler,L.K.、Chu,H.M.、Tecott,L.H.「セロトニン5−HT2C受容体変異マウスにおける癲癇および肥満」(Epilepsy and obesity in serotonin 5−HT2C receptor mutant mice.) Ann.N.Y.Acad.Sci.1998,861,74−78、Rueter,L.E.、Tecott,L.H.、Blier,P.「5−HT2C受容体変異マウスにおける5−HT応答のインビボの電気生理学的検討」(In vivo electrophysiological examinatiojn of 5−HT responses in 5−HT2C receptor mutant mice.) Naunyn−Schmiedeberg’s Arch.Pharmacol.2000,361,484−491)。さらに、細胞外セロトニン(5−HT)レベルを上昇させる薬剤、例えば5−ヒドロキシトリプトファンおよび5−HT再取り込み遮断薬などは、辺縁系発作と全身性発作の両方を阻害する。反対に、脳の5−HTが枯渇すると聴原性に、化学的におよび電気により誘起された痙攣に対する閾値が低下する(Loscher,W.、「抗痙攣薬の評価のための特有の資源としての癲癇の動物遺伝モデル」(Genetic animal models of epilepsy as a unique resource for the evaluation of anticonvulsant drugs.) A review.Methods Find Exp.Clin.Pharmacol.,1984,6,531−547、Prendiville,S.、Gale,K.「ラットにおいて限局的に誘起された辺縁運動発作へのフルオキセチンの抗痙攣効果」(Anticonvulsant effect of fluoxetine on focally evoked limbic motor seizures in rats.) Epilepsia,1993,34,381−384、Yan,Q.S.、Jobe,P.C.、Cheong,J.H.、Ko,K.H.、Daily,J.W.「遺伝的に癲癇を起こしやすいラットにおけるフルオキセチンの抗痙攣効果におけるセロトニンの役割」(Role of serotonin in the anticonvulsant effect of fluoxetine in genetically epilepsy−prone rats.) Naunyn−Schmiedeberg’s Arch.Pharmacol.,1994,350,149−152)。
【0013】
5−HT2C受容体アゴニストmCPPおよびTFMPPに関して、ラット黒質の両側に微量注入すると発作活動の低下が観察された。このことは、黒質の5−HT2C受容体が発作調節に寄与しうることを示す(Gobert,A.、Rivet,J.、Lejeune,F.、et al.「セロトニン(2C)受容体は中間皮質のドーパミン作動性およびアドレナリン作動性経路の活性を持続的に抑制するが、セロトニン作動性経路は抑制しない。ラットにおける透析および電気生理学的複合分析」(Serotonin (2C) receptors tonically suppress the activity of mesocortical dopaminergic and adrenergic,but not serotonergic pathways:a combined dialysis and electrophysiological analysis in the rat.) Synapse 2000,36,205−221、Hutson,P.H.、Barton,C.L.、Jay,M.、et al.「フェンシクリジンによる中脳辺縁系のドーパミン機能の活性化は5−HT2C/2B受容体アンタゴニストにより促進される。神経化学的および行動学的研究」(Activation of mesolimbic dopamine function by phencyclidine is enhanced by 5−HT2C/2B receptor antagonists:neurochemical and behavioural studies.) Neuropharmacology 2000,39,2318−2328)。臨床上効果的なカルバマゼピンなどの抗痙攣薬のうち、用量関連抗痙攣効果は、増加した細胞外セロトニンと関連があり、セロトニンの役割を、それ故に5−HT2C受容体アゴニストの癲癇発作における役割をさらに示唆する。それでもなお、観察された抗痙攣作用の媒介における5−HT2Cとγアミノ酪酸(GABA)受容体との間のクロストークを見過ごしてはならない(Huidobro−Toro,J.P.、Valenzuela,C.F.、Harris,R.A.「Gタンパク質共役5−HT2C受容体によるGABAA受容体機能の調節」(Modulation of GABAA receptor function by G oprotein−coupled 5−HT2C receptors.) Neuropharmacology 1996,35,1355−1363)。
【0014】
異なる解剖学的局在性および機能をもつ多数の5−HT受容体が同定されているという事実にもかかわらず、発作活動の調節における5−HT受容体サブタイプの役割を調査する研究はごくわずかしかなく、それらの結果は、使用した実験用癲癇モデルにもよるが、議論の余地がある場合もある(Jakus,R.、Graf,M.、Juhasz,G.、Geber,K.、Evay,G.、Halasz,P.、Bagdy,G.「欠伸癲癇のラット遺伝モデルにおけるスパイク波放電の生成を、5−HT2C受容体は阻害し、5−HT1A受容体は活性化させる」(5−HT2C receptors inhibit and 5−HT1A receptors activate the generation of spike−wave discharges in a genetic rat model of absence epilepsy).Exp.Neurol.2003,184,964−972)。発作の発生における5−HT2C受容体の役割をさらに描くために、5−HT2Cを好むアゴニスト、mCPPの効果を欠伸癲癇遺伝モデルで評価した。mCPPはマウスでの(ラットではない)電気ショック試験において発作閾値を弱く上昇させたが、マウスおよびラットにおいてペンチレンテトラゾール誘導性のミオクローヌス性および/または強直性発作に対するかなりの保護が観察された。このマウスおよびラットにおけるペンチレンテトラゾール誘導性のミオクローヌス性および/または強直性発作に対する保護は、5−HT2C/2B受容体アンタゴニストであるSB206533により阻害された。5−HT2BアゴニストであるBW−723C86が、動物発作モデルで何ら効果がなかったという事実は、5−HT2C受容体がmCPP誘導性の抗痙攣効果を媒介したとの考えを支持する(Upton,N.、Middlemiss,D.、Blackburn,T.、et al.「げっ歯類における全身性発作閾値を調節する際の5−HT2Cおよび5−HT2B受容体の役割の研究」(Studies on the role of 5−HT2Cand 5−HT2B receptors in regulating generalized seizure threshold in rodents.) Eur.J.Pharmacol.1998,359,33−40)。選択的5−HT2C受容体アンタゴニストであるSB242084は、ラットにおいて、5−HT2C受容体を欠く変異マウスに特徴的である痙攣促進効果を誘導しない。5−HT2C受容体を欠く変異マウスの報告される特徴とは反対に、ラットにおいて痙攣促進特性を示さなかったことは種差で説明される(Di Matteo,V.、Di Giovanni,G.、Eposito,E.SB−242084:A Selective 5−HT2C Antagonist.CNS Drug Rev.2000,6,195−205)。不思議なことに、トランスフェリンと5−HT2C受容体との間につながりができると、脈絡膜叢中で合成されたその他の輸送タンパク質、特にトランスサイレチン(以前はプレアルブミンと呼ばれた)も5−HT2C受容体により調節されるのかどうかが研究の関心対象となる。推測ではあるが、独立した研究により、5−HT2C受容体活性化作用とトランスサイレチンの両方が、ADの特徴である脳アミロイド斑の主なタンパク質性成分の神経毒性β−アミロイドタンパク質を生成する切断であるアミロイドタンパク前駆体(APP)のアミロイド形成性切断を減少させうることが示されたため、これはアルツハイマー病(AD)の研究に関連がある可能性がある。(Arjona,A.A.、Pooler,A.M.、Lee,R.K.、Wurtman,R.J.「モルモットにおけるアミロイドタンパク前駆体代謝への5−HT2Cセロトニンアゴニスト、デクスノルフェンフルラミンの効果」(Effect of a 5−HT2C serotonin agonist,dexnorfenfluramine,on amyloid precursor protein metabolism in guinea pigs.) Brain Res.2002,951,135−140、Stein,T.D.、Anders,N.J.、DeCarli,C.、Chan,S.L.、Mattson,M.P.、Johnson,J.A.「トランスサイレチンの中和はAPPSwマウスにおいて分泌されたアミロイドタンパク前駆体(APP)の神経保護効果を逆転させ、タウのリン酸化および海馬ニューロンの消失をもたらす。アミロイド仮説の支持」(Neutralization of transthyretin reverses the neuroprotective effects of secreted amyloid precursor protein (APP) in APPSW mice resulting in tau phosphorylation and loss of hippocampal neurons:support for the amyloid hypothsis.) J.Neurosci.2004,24,7707−7717)。
【0015】
近年、強迫性障害(OCD)の治療におけるシロシビンの有効性のいくつかの事例報告が公開された(Delgado,P.L.、Moreno,F.A.J.Psychoactive Drugs 1998,30,359)。結果として、OCDを患う患者に対してFDAに認可された臨床試験が現在進行中である(Sard,H.、Kumaran,G.、Morency,C.、Roth,B.L.、Toth,B.、He,P.、Shuster,L.Bioorg.Med.Chem.Lett.2005,15,4555)。シロシビンおよびシロシンの幻覚発現活性は、大部分は5−HT2A受容体の活性化によるものと考えられているが、抗OCD活性は5−HT2Cのアゴニスト活性に関連している。よって、選択的5−HT2CアゴニストはOCDの治療に相当な可能性を有すると考えられる(Roth,B.L.、Shapiro,D.Expert Opin.Ther.Targets 2001,5,685)。
【0016】
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)は、セロトニン(5HT)の細胞外レベルを増加させ、それにより全てのシナプス後5HT受容体サブタイプの刺激を非選択的に引き起こす。SSRIは精神神経障害、例えば、強迫性障害(OCD)、鬱病、およびパニック性不安の標準的な治療法となってきた。SSRIの治療効力における5HT2C受容体に媒介される機能の関与に関する証拠は増え続けている(Paelvimaeki,E.−P.、Roth,B.L.、Majasuo,H.、Laakso,A.、Kuoppamaeki,M.、Syvaelahti,E.、Hietala,J.「セロトニン5HT2C受容体を用いる選択的セロトニン再取り込み阻害剤の相互作用」(Interactions of selective serotonin reuptake inhibitors with the serotonin 5HT2C receptor.) Psychopharmacology 1996,126,234−240、Jenck,F.、Moreau,J.-L.、Mutel,V.、Martin,J.R.、Haefely,W.E.「一部の抗うつ薬の抗セロトニン作動性における5HT1C受容体の役割の証拠」(Evidence for a role of 5HT1C receptors in the antiserotonergic properties of some antidepressant drugs.) Eur.J.Pharmacol.1993,231,223−229)。再取り込み阻害によりもたらされた、増加した5HTシナプス含有量は、5HTがその他の5HT受容体サブタイプで作用することも可能にし、場合によってはSSRI治療に関連する副作用の一部を説明する。選択的5HT2C受容体アゴニストは、したがって、付随する副作用なしにSSRIの有益な治療効果を生じる直接的な手段を表しうる。
【0017】
これらの研究は、5−HT2C受容体が摂食(肥満)の調節、統合失調症、癲癇、OCDおよびその他の関連障害に関係していることを示したが、これらの受容体の機能的役割の解明は、選択できる薬剤の利用可能性が限定されていることにより遅れている。さらに、かかる選択できる薬剤の不足は、5−HT2c受容体が実質的な配列相同性を5−HT2aおよび5−HT2b受容体と共有しているという事実に原因があり得る。
【発明の概要】
【0018】
一態様では、式I
【化1】

(式中、
〜RおよびR〜R12は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、CHOH、ハロアルキル、O−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、S−アルキル、S(O)−アルキル、S(O)−アルキル、S−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、O−アリール、O−ヘテロアリール、N(H)アルキル、N(アルキル)アルキル、N(H)−アリール、N(アルキル)−アリール、N(H)−ヘテロアリール、N(アルキル)−ヘテロアリール、アルキレン−O−アリール、アルキレン−O−ヘテロアリール、アルキレン−O−アルキレン−アリール、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロアリール、S−アリール、S−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、C(O)アルキル、OC(O)アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、C(O)N(アルキル)アルキル、S(O)N(H)アルキルまたはS(O)N(アルキル)アルキルから選択され、RとR、RとR、RとR10、および/またはR11とR12は、それらの結合している炭素原子とともに、シクロアルキル基を形成し、かつ
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキルから選択される)の化合物
および/あるいは製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せが提供される。
【0019】
もう一つの態様では、任意の環状基は、1以上のR13で置換され、R13は、F、Cl、Br、I、CN、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C1−6−アルキル、OC1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロまたはOC1−6−アルキルハロから選択される。
【0020】
さらなる態様では、Rは、H、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルケニルから選択される。
【0021】
なおさらなる態様では、Rは、Hまたはアルキルから選択される。
【0022】
さらなる態様では、R〜R12は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリールから選択される。
【0023】
なおさらなる態様では、R〜R12は、独立して、H、アルキルまたはシクロアルキルから選択される。
【0024】
さらなる態様では、化合物は、製薬上許容される塩、光学異性体、またはその組合せである。
【0025】
さらなる態様では、製薬上許容される塩は、酸付加塩または塩基付加塩(basic addition salt)を含む。
【0026】
さらなる態様では、酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酸性金属塩、モノカルボン酸、ジカルボン酸、またはトリカルボン酸から形成される。
【0027】
なおさらなる態様では、式Iの化合物は、式IA
【化2】

(式中、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルキレン−O−アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、ハロアルキル、ハロゲンまたはCHOHから選択され、かつ
およびRは、各々Hであり、あるいはRおよびRかつ/またはRおよびRは、それらの結合している炭素原子とともにシクロアルキル基を形成する)の化合物
および/あるいは製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せを含む。
【0028】
さらなる態様では、RおよびRは、独立して、CHF、CHF、またはCFから選択される。
【0029】
さらなる態様では、式Iの化合物は、式IB
【化3】

(式中、
Zは、CR1415、O、NR16、C=O、S=O、SOまたはSから選択され、かつ
14〜R16は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、CHOH、ハロアルキル、O−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、S−アルキル、S(O)−アルキル、S(O)−アルキル、S−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、O−アリール、O−ヘテロアリール、N(H)アルキル、N(アルキル)アルキル、N(H)−アリール、N(アルキル)−アリール、N(H)−ヘテロアリール、N(アルキル)−ヘテロアリール、アルキレン−O−アリール、アルキレン−O−ヘテロアリール、アルキレン−O−アルキレン−アリール、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロアリール、S−アリール、S−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、C(O)アルキル、OC(O)アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、C(O)N(アルキル)アルキル、S(O)N(H)アルキルまたはS(O)N(アルキル)アルキルから選択される)の化合物および/あるいは製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せを含む。さらなる態様では、Rは、Hまたはハロから選択され、RおよびRは、独立して、Hまたはアルキルから選択され、R14およびR15は、独立して、H、ハロ、またはアルキルから選択され、かつ、R16は、Hまたはアルキルから選択される。さらなる態様では、ハロは、ブロモ、クロロ、またはフルオロである。さらなる態様では、Zは、R14がHまたはフルオロであり、R15がフルオロである、CR1415である。さらなる態様では、RはHであり、Zは、R14がHであり、R15がフルオロである、CR1415である。
【0030】
さらなる態様では、式Iの化合物は、式IC
【化4】

(式中、
Zは、CR1415、O、NR16、C=O、S=O、SOまたはSから選択され、かつ
14〜R16は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、CHOH、ハロアルキル、O−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、S−アルキル、S(O)−アルキル、S(O)−アルキル、S−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、O−アリール、O−ヘテロアリール、N(H)アルキル、N(アルキル)アルキル、N(H)−アリール、N(アルキル)−アリール、N(H)−ヘテロアリール、N(アルキル)−ヘテロアリール、アルキレン−O−アリール、アルキレン−O−ヘテロアリール、アルキレン−O−アルキレン−アリール、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロアリール、S−アリール、S−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、C(O)アルキル、OC(O)アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、C(O)N(アルキル)アルキル、S(O)N(H)アルキルまたはS(O)N(アルキル)アルキルから選択される)の化合物
および/あるいは製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せを含む。さらなる態様では、Rは、Hまたはハロから選択され、RおよびRは、独立して、Hまたはアルキルから選択され、R14およびR15は、独立して、H、ハロ、またはアルキルから選択され、かつ、R16は、Hまたはアルキルから選択される。さらなる態様では、ハロは、ブロモ、クロロ、またはフルオロである。さらなる態様では、ZはOである。
【0031】
さらなる態様では、式Iの化合物は、式II、
【化5】

の化合物を含み、
、R、RおよびRは、上記に定義したとおりである。
【0032】
さらなる態様では、式Iの化合物は、式III、
【化6】

の化合物を含み、
、R、R、R、RおよびRは、上記に定義したとおりである。
【0033】
さらなる態様では、式Iの化合物は、式IV
【化7】

の化合物を含み、
、R、R、R、RおよびRは、上記に定義したとおりである。
【0034】
さらなる態様では、Rは、H、アルキルまたはハロから選択され、R、RおよびRは、独立して、Hまたはアルキルから選択され、Rは、Hまたはアルキルから選択され、かつ、Rは、H、アルキル、アルコキシ、CHOH、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールから選択される。
【0035】
さらなる態様では、以下から選択される化合物が提供される。
(9R)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3d]アゼピン、
(9R)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン(oxazepan)−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
(9S)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン
(9S)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(3−チエニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロアゼパン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−[メチル(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−イル)アミノ]エタノール、
2−アゼパン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−9−イソプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−シクロプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−メトキシ−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピペラジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピロリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−tert−ブチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−チオモルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ビニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−N−エチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
3−クロロ−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルバルデヒド、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボニトリル、
9−エチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−エチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−イソプロピル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−イソプロピル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸エチル、
N,9−ジエチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N,9−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジアリル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジエチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボキサミド、
N−ベンジル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−エチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−イソプロピル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−メチル−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−イル)アセトアミド、
2−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボニトリル、
2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
[2−(6−メトキシ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−エチル]−メチル−アミン、および/または
7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−オール、
および/あるいはその製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せ。
【0036】
さらなる態様では、以下から選択される化合物が提供される。
(9R)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3d]アゼピン、
(9R)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
(9S)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン
(9S)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−シクロプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−tert−ブチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−チオモルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−イソプロピル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
N,N−ジエチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、および/または
N−エチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
および/あるいは製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せ。
【0037】
さらにもう1つの態様では、ヒト5−HT2C受容体に対する化合物のEC50が、1000nM未満、500nM未満、300nM未満、または100nM未満から選択される、上に記した化合物のいずれか1種類に従う化合物が提供される。
【0038】
もう一つの態様では、上に記した化合物のいずれか1種類に従う化合物、またはその混合物のBoc保護前駆体が提供される。
【0039】
もう一つの態様では、上に記した化合物の少なくとも1種類および少なくとも1種類の製薬上許容される担体および/または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0040】
さらなる態様では、R11およびR12がHである、式Iの化合物を作成するための方法が提供され、該方法は、
【化8】

式Aの化合物を条件(a)下で反応させること、この際、前記(a)は、式Aの化合物の熱および塩基による環化で式Bのアミドを得ること、ならびに
式Bのアミドのカルボニルを還元することを含み、
この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである。
【0041】
さらなる態様では、RおよびR10がHである、式Iの化合物を作成するための方法が提供され、該方法は、
【化9】

式AAの化合物を条件(a)下で反応させること、この際、前記(a)は、式AAの化合物の熱および塩基による環化で式BBのアミドを得ること、ならびに
式BBのアミドのカルボニルを還元することを含み、
この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである。
【0042】
さらなる態様では、R11およびR12がHである、式Iの化合物を作成するための方法が提供され、該方法は、
アミドの1つのカルボニルを還元すること、
を含む。
【化10】

【0043】
さらなる態様では、RおよびR10がHである、式Iの化合物を作成するための方法が提供され、該方法は、
アミドの1つのカルボニルを還元すること、
を含む。
【化11】

【0044】
さらなる態様では、R、R10、R11およびR12がHである、式Iの化合物を作成するための方法が提供され、該方法は、
アミドのカルボニル基を還元すること
を含む。
【化12】

【0045】
なおさらなる態様では、R11およびR12がHである、式Iの化合物を作成するための方法が提供され、該方法は、
【化13】

式Cの化合物を条件(a)下で反応させることを含み、この際、前記(a)は、シアノの選択的還元とそれに続く式Cの化合物の環化で式Iを得ることを含み、この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである。
【0046】
なおさらなる態様では、RおよびR10がHである、式Iの化合物を作成するための方法が提供され、該方法は、
【化14】

式CCの化合物を条件(a)下で反応させることを含み、この際、前記(a)は、シアノの選択的還元とそれに続く式CCの化合物の環化で式Iを得ることを含み、この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである。
【0047】
なおさらなる態様では、式Iの化合物を作成するための方法が提供され、該方法は、
【化15】

式Dの化合物を条件(a)下で反応させることを含み、この際、前記(a)は、式Dの化合物の環化で式Iを得ることを含み、この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである。
【0048】
なおさらなる態様では、式Iの化合物を作成するための方法が提供され、該方法は、
【化16】

式DDの化合物を条件(a)下で反応させることを含み、この際、前記(a)は、式Dの化合物の環化で式Iを得ることを含み、この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである。
【0049】
もう一つの態様では、治療上有効な量の上記の化合物または組成物を哺乳類に投与することを含む、哺乳類において5−HT2C受容体に媒介される障害を治療するための方法が提供される。さらなる態様では、哺乳類はヒトである。もう一つの態様では、障害は、肥満症、統合失調症、癲癇、鬱病、パニック性不安、アルコール依存症または強迫性障害、鬱病性障害、不安神経症(不安発作、広場恐怖症、および特定の恐怖症または社会恐怖症を含む)、双極性障害、外傷後ストレス、摂食障害、肥満症、胃腸障害、アルコール依存症、薬物依存、統合失調症、精神障害、睡眠障害(睡眠時無呼吸を含む)、片頭痛、性機能障害、中枢神経障害(心的外傷を含む)、卒中および脊髄損傷、心血管障害、尿崩症、強迫性障害、月経前緊張症、慢性疲労症候群、加齢性記憶障害、人格障害および頭蓋内圧上昇から選択される。さらなる態様では、障害は、肥満症、統合失調症、癲癇、鬱病性障害、不安発作、アルコール依存症、薬物依存または強迫性障害から選択される。なおさらなる態様では、化合物は、経口的に、かつ/または非経口的に投与される。さらにもう1つの態様では、化合物は、静脈内に、かつ/または腹膜内に投与される。
【0050】
なおさらなる態様では、哺乳類において5−HT2C受容体に媒介される疾患の治療のための薬物の製造のための、上記の化合物または組成物の使用が提供される。なおさらなる態様では、哺乳類において5−HT2C受容体に媒介される疾患を治療するための、上記の化合物または組成物の使用が提供される。さらなる態様では、哺乳類はヒトである。もう一つの態様では、障害は、肥満症、統合失調症、癲癇、鬱病、パニック性不安、アルコール依存症または強迫性障害、鬱病性障害、不安神経症(不安発作、広場恐怖症、および特定の恐怖症または社会恐怖症を含む)、双極性障害、外傷後ストレス、摂食障害、肥満症、胃腸障害、アルコール依存症、薬物依存、統合失調症、精神障害、睡眠障害(睡眠時無呼吸を含む)、片頭痛、性機能障害、中枢神経障害(心的外傷を含む)、卒中および脊髄損傷、心血管障害、尿崩症、強迫性障害、月経前緊張症、慢性疲労症候群、加齢性記憶障害、人格障害および頭蓋内圧上昇から選択される。さらなる態様では、障害は、肥満症、統合失調症、癲癇、鬱病性障害、不安発作、アルコール依存症、薬物依存または強迫性障害から選択される。なおさらなる態様では、化合物は、経口的に、かつ/または非経口的に投与可能である。さらにもう1つの態様では、化合物は、静脈内に、かつ/または腹膜内に投与可能である。
【0051】
もう一つの態様では、治療上有効な量の上記の化合物または組成物を哺乳類に投与することを含む、哺乳類において食物摂取を低下させるための方法が提供される。
【0052】
もう一つの態様では、治療上有効な量の上記の化合物または組成物を哺乳類に投与することを含む、哺乳類において体重増加を制御する方法が提供される。
【0053】
本発明の新規な特徴は、以下の発明の詳細な説明を検討すれば当業者に明らかとなる。しかし、提示される発明の詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の特定の実施形態を示してはいるものの、例証目的のためだけに提供されるものであることは当然理解される。なぜなら本発明の趣旨および範囲内の多様な変更および修正が発明の詳細な説明および以下の特許請求の範囲から当業者に明らかとなるためである。
【0054】
本発明の特定の実施形態は、付随する図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】腹膜内に(白色のバー)または経口的に(黒色のバー)投与された本発明の2種類の例示的化合物の様々な用量(mg/ml、X軸)の、マウス自発運動への効果を%(Y軸)として図表により表した図である。
【図2】腹膜内に投与された様々な用量(mg/ml)の本発明の2種類の例示的化合物またはビヒクル(X軸)の、ラットの摂餌量(Y軸)への効果を図表により表した図である。斜線のバーは、化合物投与の前の5−HT2CアンタゴニストSB242084との前処理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
定義
本明細書の中で別に指定されなければ、本明細書で用いられる命名法は、一般に、その例示される化学構造名および化学構造命名の際の規則に関して、参照により本明細書に援用される、Nomenclature of Organic Chemistry,Sections A,B,C,D,E,F,and H,Pergamon Press,Oxford,1979、に記載される例および規則に従う。所望により、化合物の名称は化学命名プログラムを用いて生成してよい。ACD/ChemSketch,バージョン5.09/2001年9月、Advanced Chemistry Development,Inc.,Toronto,Canada。
【0057】
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸、およびキラル面を有していてもよく(E.L.Eliel and S.H.Wilen,Stereo−chemistry of Carbon Compounds,John Wiley & Sons,New York,1994,pages 1119−1190に記載のとおり)、ラセミ化合物、ラセミ混合物、および個々のジアステレオマーとして、光学異性体を含むこれらのあらゆる可能性のある異性体および混合物とともに生じてよく、本発明に含められる。
【0058】
一般に、ある特定の元素、例えば水素またはHへの言及は、適当であれば、その元素の全ての同位元素を含むことを意味する。
【0059】
以下の用語は非置換および/または置換形態を包含することを意味する。
【0060】
本明細書において用いられる用語「アルキル」は、直鎖もしくは分枝鎖炭化水素基を意味する、一態様では、1〜8個の炭素原子を有し、それには、例えば、それに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチルなどが挙げられる。上で記したように、「アルキル」は置換アルキルを包含する。置換アルキルには、例えば、それに限定されないが、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキルなどが挙げられる。これは、本明細書で言及するどの基にもあてはまる。「アルケニル」、「アルキニル」、「アリール」などの基は、置換された「アルケニル」、「アルキニル」、「アリール」などを包含する。
【0061】
本明細書において用いられる用語「アルケニル」は、直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基を意味する、一態様では、2〜8個の炭素原子を有し、それには、例えば、それに限定されないが、エテニル、1−プロペニル、1−ブテニルなどが挙げられる。用語「アルケニル」は、「シス」および「トランス」の配向、またあるいは、「E」および「Z」の配向を有する基を包含する。
【0062】
本明細書において用いられる用語「アルキニル」は、直鎖もしくは分枝鎖アルキニル基を意味する、一態様では、2〜8個の炭素原子を有し、それには、例えば、それに限定されないが、1−プロピニル(プロパルギル)、1−ブチニルなどが挙げられる。
【0063】
本明細書において用いられる用語「シクロアルキル」は、1以上の環を含有する炭素環系(不飽和であってよい)を意味し、かかる環は共にペンダント状に結合していてもよいし、融合していてもよい。一態様では、この環(1または複数)は3〜7個の炭素原子を有していてもよく、それには、例えば、それに限定されないが、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。
【0064】
本明細書において用いられる用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、Sおよび/またはOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、1以上の環を含有する複素環系(不飽和であってよい)を意味し、かかる環は共にペンダント状に結合していてもよいし、融合していてもよい。一態様では、この環(1または複数)は3〜7員の環状基を有してよく、それには、例えば、それに限定されないが、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニルなどが挙げられる。
【0065】
本明細書において用いられる用語「アルコキシ」は、直鎖もしくは分枝鎖アルコキシ基を意味する、一態様では、1〜8個の炭素原子を有し、それには、例えば、それに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。
【0066】
本明細書において用いられる用語「ハロ」は、ハロゲンを意味し、それには、例えば、それに限定されないが、放射性形態と非放射性形態の両方の、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなどが挙げられる。
【0067】
本明細書において用いられる用語「アルキレン」は、二官能性の分枝もしくは非分枝飽和炭化水素基を意味する、一態様では、1〜8個の炭素原子を有し、それには、例えば、それに限定されないが、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレンなどが挙げられる。
【0068】
本明細書において用いられる用語「アルケニレン」は、二官能性の分枝もしくは非分枝飽和炭化水素基を意味する、一態様では、2〜8個の炭素原子を有し、少なくとも1つの二重結合を有し、それには、例えば、それに限定されないが、エテニレン、n−プロペニレン、n−ブテニレンなどが挙げられる。
【0069】
本明細書において用いられる用語「アルキニレン」は、二官能性の分枝もしくは非分枝飽和炭化水素基を意味する、一態様では、2〜8個の炭素原子を有し、少なくとも1つの三重結合を有し、それには、例えば、それに限定されないが、エチニレン、n−プロピニレン、n−ブチニレンなどが挙げられる。
【0070】
本明細書において単独でまたは組み合わせて用いられる用語「アリール」は、1以上の環を含有する炭素環芳香族系を意味し、かかる環は共にペンダント状に結合していてもよいし、融合していてもよい。特定の実施形態では、アリールは、1、2または3つの環である。一態様では、アリールは5〜12個の環原子を有する。用語「アリール」は、芳香族基、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルまたはアセナフチルなどを包含する。「アリール」基は、1〜4の置換基、例えば、低級アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、低級アルキルアミノなどを有していてもよい。
【0071】
本明細書において単独でまたは組み合わせて用いられる用語「ヘテロアリール」は、N、Sおよび/またはOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、1以上の環を含有する芳香族系を意味し、かかる環は共にペンダント状に結合していてもよいし、融合していてもよい。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、1、2または3つの環である。一態様では、ヘテロアリールは5〜12個の環原子を有する。用語「ヘテロアリール」は、複素芳香族基、例えば、ピリジル、インドリル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、キノリル、オキサゾリルなどを包含する。「ヘテロアリール」基は、1〜4の置換基、例えば、低級アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、低級アルキルアミノなどを有していてもよい。
【0072】
本発明の化合物の置換基および置換パターンは、当業者により選択されて、化学的に安定であり、当技術分野で公知の技法ならびに以下に示す方法により容易に合成することのできる化合物を得ることができることは当然理解される。置換基自体が1より多くの基で置換される場合、これらの複数の基は安定な構造が得られる限り同一炭素上にあっても異なる炭素上にあってもよいことは当然理解される。
【0073】
用語「製薬上許容される塩」とは、患者の治療に適合性である酸付加塩かまたは塩基付加塩のいずれかを意味する。
【0074】
「製薬上許容される酸付加塩」は、式Iで表される塩基化合物のあらゆる無毒の有機もしくは無機酸付加塩またはそのいずれかの中間体である。適した塩を形成する、実例となる無機酸としては、それに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸ならびに酸性金属塩、例えば、オルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムなどが挙げられる。適した塩を形成する、実例となる有機酸としては、モノ、ジおよびトリカルボン酸である。かかる酸の実例は、例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸ならびにその他のスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸および2−ヒドロキシエタンスルホン酸などである。一酸塩または二酸塩のいずれかを形成することができ、かかる塩は、水和形態、溶媒和形態または実質的に無水形態のいずれかで存在してよい。一般に、これらの化合物の酸付加塩は、それらの遊離塩基形態と比較して、水および様々な親水性有機溶媒に可溶性がより高く、一般により高い融点を実証する。適切な塩の選択の判定基準は当業者に公知である。その他の製薬上許容されない塩、例えばシュウ酸塩は、例えば式Iの化合物の単離において実験用途に用いるか、またはその後の製薬上許容される酸付加塩への変換用に用いることができる。
【0075】
「製薬上許容される塩基付加塩」は、式Iで表される酸化合物のあらゆる無毒の有機もしくは無機塩基付加塩またはそのいずれかの中間体である。適した塩を形成する、実例となる無機塩基としては、それに限定されないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは水酸化バリウムが挙げられる。適した塩を形成する、実例となる有機塩基としては、脂肪族、脂環式または芳香族の有機アミン類、例えば、メチルアミン、トリメチルアミンおよびピコリンまたはアンモニアなどが挙げられる。適切な塩の選択は、その分子の別の場所にあるエステル官能基がある場合、エステル官能基は加水分解されてないために、重要でありうる。適切な塩の選択の判定基準は当業者に公知である。
【0076】
「溶媒和物」とは、適した溶媒の分子が結晶格子の中に取り込まれている式Iの化合物または式Iの化合物の製薬上許容される塩を意味する。適した溶媒は、溶媒和物として投与される投薬量で生理学的に許容される。適した溶媒の例は、それに限定されないが、エタノール、水などである。水が溶媒の場合、分子は水和物と称される。
【0077】
用語「立体異性体」は、それら原子の空間での配向だけが異なる、個々の分子の全ての異性体をさす一般用語である。それには、鏡像異性体(エナンチオマー)、位置(シス/トランス)異性体、および相互に鏡像でない、1より多くのキラル中心を含む化合物の異性体(ジアステレオマー)が含まれる。
【0078】
用語「治療」または「治療する」とは、症状を軽減する、一時的または永続的な基盤の症状の因果関係を除去する、あるいは指定された障害または状態の徴候の出現を防ぐもしくは遅くすることを意味する。
【0079】
用語「治療上有効な量」とは、指定された障害または状態を治療する際に効果的な化合物の量を意味する。
【0080】
用語「製薬上許容される担体」とは、医薬組成物、すなわち患者へ投与できる投薬形態の形成を可能にするために有効成分と混合される無毒の溶媒、分散剤、賦形剤、アジュバントまたはその他の材料を意味する。そのような担体の一つの例は、一般に非経口投与に使用される製薬上許容される油状物質である。
【0081】
本明細書において用いられる「5−HT2C受容体に媒介される疾患」は、5−HT2C受容体に制御される経路が関与していると考えられ、5−HT2C受容体のアゴニストを用いる治療により寛解される障害である。5−HT2C受容体に媒介される疾患としては、鬱病性障害、不安神経症(不安発作、広場恐怖症、および特定の恐怖症または社会恐怖症を含む)、双極性障害、外傷後ストレス、摂食障害、肥満症、胃腸障害、アルコール依存症、薬物依存、統合失調症、精神障害、睡眠障害(睡眠時無呼吸を含む)、片頭痛、性機能障害、中枢神経障害(心的外傷を含む)、卒中および脊髄損傷、心血管障害、尿崩症、強迫性障害、月経前緊張症、慢性疲労症候群、加齢性記憶障害、人格障害および頭蓋内圧上昇が挙げられる。
【0082】
本発明の化合物は、一般に、式I、
【化17】

(式中、R〜R12は、上記に定義されている)に従う。
【0083】
一実施形態では、R、R10、R11およびR12がHである、式Iの化合物、
【化18】

が提供される。
【0084】
本発明のもう一つの実施形態では、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12がHである、式Iの化合物が提供される(下式II)。本発明のさらなる実施形態は、R、R、R、R10、R11およびR12がHである化合物が提供される(下式III)。本発明のさらにもう一つの実施形態では、RおよびR、R、R10、R11およびR12がHである化合物が提供される(下式IV)。
【化19】

【0085】
本発明のさらなる実施形態は、R、R、R、R10、R11およびR12がHであり、Rが6員の複素環である式Iの化合物が提供される(下式IB参照)。
【化20】

(式中、
Zは、CR1415、O、NR16、C=O、S=O、SOまたはSから選択され、かつ
14〜R16は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、CHOH、ハロアルキル、O−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、S−アルキル、S(O)−アルキル、S(O)−アルキル、S−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、O−アリール、O−ヘテロアリール、N(H)アルキル、N(アルキル)アルキル、N(H)−アリール、N(アルキル)−アリール、N(H)−ヘテロアリール、N(アルキル)−ヘテロアリール、アルキレン−O−アリール、アルキレン−O−ヘテロアリール、アルキレン−O−アルキレン−アリール、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロアリール、S−アリール、S−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、C(O)アルキル、OC(O)アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、C(O)N(アルキル)アルキル、S(O)N(H)アルキルまたはS(O)N(アルキル)アルキルから選択される)。
【0086】
本発明のさらなる実施形態は、R、R、R、R10、R11およびR12がHであり、Rが7員の複素環である(下式IC参照)、式Iの化合物
【化21】

(式中、
Zは、CR1415、O、NR16、C=O、S=O、SOまたはSから選択され、かつ
14〜R16は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、CHOH、ハロアルキル、O−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、S−アルキル、S(O)−アルキル、S(O)−アルキル、S−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、O−アリール、O−ヘテロアリール、N(H)アルキル、N(アルキル)アルキル、N(H)−アリール、N(アルキル)−アリール、N(H)−ヘテロアリール、N(アルキル)−ヘテロアリール、アルキレン−O−アリール、アルキレン−O−ヘテロアリール、アルキレン−O−アルキレン−アリール、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロアリール、S−アリール、S−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、C(O)アルキル、OC(O)アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、C(O)N(アルキル)アルキル、S(O)N(H)アルキルまたはS(O)N(アルキル)アルキルから選択される)を提供する。
【0087】
本発明の化合物が1以上のキラル中心を有する場合、本発明の化合物はエナンチオマーもしくはジアステレオマー形態中に存在してもよく、エナンチオマーもしくはジアステレオマー形態として、またはラセミ混合物として単離されてよいことは、当業者には当然理解される。本発明には、あらゆる起こり得る式Iの化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物またはその混合物が含まれる。本発明の化合物の光学活性形態は、例えば、ラセミ化合物のキラルクロマトグラフィー分離または化学的もしくは酵素的分解方法によるか、光学活性出発物質からの合成によるかあるいは以下に記載される手順に基づく不斉合成により、調製することができる。
【0088】
本発明の特定の化合物が、幾何異性体、例えばアルケンのEおよびZ異性体として存在しうることも、当業者に理解される。本発明には、式Iの化合物のあらゆる幾何異性体が含まれる。さらに、本発明が式Iの化合物の互変異性体を包含することも当然理解される。
【0089】
本発明の特定の化合物が、溶媒和した形態、例えば水和した形態、ならびに非溶媒和形態中に存在しうることもまた、当業者には当然理解される。さらに、本発明が式Iの化合物のかかる溶媒和形態を全て包含することも当然理解される。
【0090】
式Iの化合物の塩も本発明の範囲内である。一般に、本発明の化合物の製薬上許容される塩は、当技術分野で周知の標準的な手順を用いて、例えば、十分に塩基性の化合物、例えばアルキルアミンと、適した酸、例えばHClまたは酢酸、を反応させて、生理学的に許容されるアニオンを含む塩を得ることにより、得られる。相当するアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム、もしくはリチウムなど)またはアルカリ土類金属(例えばカルシウムなど)塩は、水性媒体中、適切な酸性プロトンを有する本発明の化合物、例えばカルボン酸またはフェノールなどを、1当量のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物またはアルコキシド(例えばエトキシドまたはメトキシドなど)、あるいは適切な塩基性の有機アミン(例えばコリンまたはメグルミンなど)で処理し、それに続いて従来の精製技法を行うことにより作成することも可能である。加えて、第四級アンモニウム塩は、アルキル化剤を、例えば中性アミンへ添加することにより調製することができる。
【0091】
本発明の一実施形態では、式Iの化合物は、製薬上許容される塩またはその溶媒和物、特に、酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸塩などに変換することができる。
【0092】
本発明の具体的な例には、以下の化合物、それらの製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、光学異性体、およびそれらの組合せが含まれる。
(9R)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3d]アゼピン、
(9R)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
(9S)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン
(9S)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(3−チエニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロアゼパン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−[メチル(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−イル)アミノ]エタノール、
2−アゼパン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−9−イソプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−シクロプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−メトキシ−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピペラジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピロリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−tert−ブチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−チオモルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ビニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−N−エチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
3−クロロ−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルバルデヒド、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボニトリル、
9−エチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−エチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−イソプロピル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−イソプロピル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸エチル、
N,9−ジエチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N,9−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジアリル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジエチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボキサミド、
N−ベンジル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−エチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−イソプロピル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−メチル−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−イル)アセトアミド、
2−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボニトリル、
2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
[2−(6−メトキシ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−エチル]−メチル−アミン、および/または
7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−オール。
【0093】
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を限定されないスキームおよび実施例で次に説明する。出発物質および必要な中間体は、一部の場合は市販されているものであり、あるいは、文献の手順または本明細書に説明される手順に従って調製することができる。
【0094】
11およびR12がHである、式Iの化合物は、次のように調製することができる。
【化22】

(式中、R’は、アルキルまたはシクロアルキルであってよく、(a)は、式Bの化合物をもたらす、式Aの化合物の熱および塩基による環化を含み、(b)は、式Bの化合物のアミドのカルボニルの還元を含む)。例えば、(a)はDMF中での加熱を含み、(b)はLiAlH/AlClを用いる還元を含む。
【0095】
およびR10がHである、式Iの化合物は、次のように調製することができる。
【化23】

(式中、R’は、アルキルまたはシクロアルキルであってよく、(a)は、式BBの化合物をもたらす、式AAの化合物の熱および塩基による環化を含み、(b)は、式Bの化合物のアミドのカルボニルの還元を含む)。例えば、(a)はDMF中での加熱を含み、(b)はLiAlH/AlClを用いる還元を含む。
【0096】
一般に、R11およびR12がHである、式Iの化合物は、次のアミドのカルボニルの還元により調製することができる。
【化24】

【0097】
還元は、例えば、LiAlH/AlClを用いて起こり得る。RおよびR10がHであり、R11およびR12がHでない、式Iの化合物は、カルボニルが現在C2の代わりにC7であり、C2がR11およびR12で置換されていることを除いて、類似のアミドのカルボニル基の還元により調製することができる。
【0098】
一般に、R、R10、R11およびR12がHである、式Iの化合物は、次のアミドのカルボニル基の還元により調製することができる。
【化25】

この場合も、還元は、例えば、LiAlH/AlClを用いて起こり得る。
【0099】
11およびR12がHである、式Iの化合物は、次のように調製することができる。
【化26】

(式中、(a)は、選択的シアノ還元とそれに続く式Cの化合物の環化を含む。R’は、アルキルまたはシクロアルキルであってよい)。例えば、シアノの還元にLiAlH/AlClを使用し、環化のためにアセトニトリル中のDIPEAを使用する。得られる式Iは、例えば、酸の付加塩 (salt addition of an acid) に変換することができる。
【0100】
11およびR12がHである、式Iの化合物は、次のように調製することができる。
【化27】

(式中、(a)は、選択的シアノ還元とそれに続く式CCの化合物の環化を含む。R’は、アルキルまたはシクロアルキルであってよい)。例えば、シアノの還元にLiAlH/AlClを使用し、環化のためにアセトニトリル中のDIPEAを使用する。得られる式Iは、例えば、酸の付加塩 (salt addition of an acid) に変換することができる。
【0101】
また、式Iの化合物は次のように調製することもできる。
【化28】

(式中、(a)は、式Dの化合物の環化を含み、R’は、アルキルまたはシクロアルキルであってよい)。例えば、塩基を用いて環化を開始させることができる。
【0102】
また、式Iの化合物は次のように調製することもできる。
【化29】

(式中、(a)は、式DDの化合物の環化を含み、R’は、アルキルまたはシクロアルキルであってよい)。例えば、塩基を用いて環化を開始させることができる。
【0103】
具体的な実施形態では、RがHまたはアルキルであり、RおよびRがHであり、Rがメトキシである、式IIの化合物は、ニトリル中間体Vからベンジルアミンでのアルキル化、それに続いてニトリルの加水分解によりアミノエステルVIIを得る、下のスキーム1に従って調製することができる。マイクロ波によるアゼピノン(azepinone)VIIIへの環化およびLiAlH/AlClでの還元により、ベンジル保護されたアゼピンIXを得た。その後の保護基の水素化分解により、式IIの化合物が得られた。中間体Vを、2−(2−クロロエチル)−3−(クロロメチル)−6−メトキシピリジン [Feng,S.、He,X.、Yu,G.、Yu,X.、Bai,D.Org.Prep.Proced.Int.2004,36 (2)、129−134]から、モノシアン化(mono−cyanation)およびFinkelstienのクロロ−ヨード交換反応により調製した。
スキーム1
【化30】

【0104】
代わりに、式IIの化合物は、すぐに利用できる2−置換−3−ヨードピリジンXI[X=Cl、BrまたはOTf、[Zhang,Y et al.,J.Med.Chem.2004,47,2453]から調製してもよく、それは順に2−ヒドロキシピリジンXから得られる。金属触媒結合条件下での、エステルのXIを用いるα−アリール化[Hartwig et al.,J.Med.Chem.2004,47,2453]、またはジアルキルマロネート(dialkylmalonate)の単純なα−アリール化[Buchwald et al.,Org.Lett.2002,4,269]の後、脱炭酸によりXIIが得られる。XIIとアクリル酸塩(例えばt−アクリル酸ブチル)の標準Heck条件下での結合によりXIIIが得られる。接触水素化に続いてエステル加水分解により、酸XIVが得られる(R=H)。Curtis再配置および環化によりXVIが得られる(M=H,H)。その後還元すると、式IIの化合物が得られる。
【0105】
もう一つの式IIの化合物の代替物には、同時にまたは逐次に前記ジエステル中間体XVIIIとなる、中間体XIの変換体が含まれる。環化してイミドXVI(M=O)を形成し、続いて還元により、式IIの化合物がもたらされる。
【0106】
式IIの化合物はまた、まずジオールXIXに還元されるジエステルXVIIIから得ることもできる。ジオールの活性化(例えば、メシル化またはハロゲン化物生成)およびアミンとの環化によりIIが得られる(スキーム2)。
スキーム2
【化31】

【0107】
がHまたはアルキルであり、Rおよび/またはRがそれぞれHまたはアルキルである、式IIIの化合物は、スキーム2に示される方法に類似の方法で調製することができる(スキーム3参照)。あるいは、XIIのα−アルキル化(alkyations)も、XXなどの中間体をもたらし、それを次に式IIIの化合物に変換することができる(スキーム4)。
スキーム3
【化32】

【0108】
スキーム4
【化33】

【0109】
式IVの化合物は、ニトロメタンを用いる縮合、それに続いてアミンXXIXへの還元により、XXVII(X=Cl、Br、I、OTf)などのピリジルカルボキシアルデヒドから調製することができる。アミンの保護(例えばBoc保護)に続いて上記のようなエステルの単純なα−アリール化によりXXXIが得られ、脱保護および環化により、アゼピノンXXXIIが得られる。LiAlHまたはその他の還元剤 例えばRed−Alなどでの還元により式IVの化合物を得る。
【0110】
あるいは、式IVの化合物はまた、中間体XXXIIIから[Feng,S.、He,X.、Yu,G.、Yu,X.、Bai,D.Org.Prep.Proced.Int.2004,36(2)、129−134]単純なアルキル化によりXXXIVを得、それを次にスキーム1に示される方法に類似の方法で所望の化合物に変換することにより得ることもできる(スキーム5参照)。
スキーム5
【化34】

【0111】
別の合成戦略のための、RがHであり、RがHであり、RおよびRがHであり(式II中と同様)、かつRがアミン含有基である式IIIの化合物を調製することは、スキーム6に概説されている。β−ケトジエステルBのアセチリニックアミド(acetylinic amide) Aとの縮合により、官能化されたピリドンCが得られ、これをAgCOおよびヨウ化メチルで処理するとメトキシピリジン中間体Dが得られる。中間体Dは、多数のアルキル化基(例えば、メチルであるRまたはRが示される)で処理してアゼピン環に官能性を導入することができる。ジエステルDを還元剤(例えばLiAlH)で処理するとジオール中間体Eが得られる。ジオールEを塩化メシルで処理してクロロ−メシレートFが得られ、それをDMSO中NaCNを用いる軽度のシアン化によりシアノ−メシレートGが得られる。選択的シアノ還元(例えばAlClおよびLiAlHからインサイチューで生成されるアラン(alane)を用いる)に続いて環化により、ピリジル融合アゼピン中間体Hを得る。酢酸中のHBrでのIに対するO−脱保護に続いて、例えば(BOC)OでのN−保護により中間体Jが得られる。万能の中間体Kに対するJのトリフレート化(Triflation)に続いて様々なアミンとの結合により、式IIIの化合物のBoc保護前駆体Lが得られる。LをHClで処理して、本発明の化合物のHCl塩である、Mが得られる。
スキーム6
【化35】

【0112】
がCFである式IIの化合物をスキーム7に従って調製した。市販のメチル酸を塩基で処理し、メチルの脱プロトン化が生じた。その後のアランでの還元により一般的なジオール中間体を得、それをスキーム6に類似する方法で本発明の化合物にさらに変換する。
スキーム7
【化36】

【0113】
式Iの化合物の酸付加塩は、製薬上許容される酸から最も適切に形成され、例えば無機酸、例えば塩酸、硫酸またはリン酸、および有機酸、例えばコハク酸、マレイン酸、酢酸またはフマル酸で形成された酸付加塩が挙げられる。その他の製薬上許容されない塩、例えばシュウ酸塩は、例えば式Iの化合物の単離において実験用途に用いるか、またはその後の製薬上許容される酸付加塩への変換用に用いることができる。
本発明の化合物の塩基付加塩(例えば、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩など)、溶媒和物および水和物も本発明の範囲内に含まれる。
【0114】
所与化合物塩の所望の化合物塩への変換は、当業者に周知の標準的技法を適用することにより達成される。
【0115】
本発明に従う化合物は、5−HT2C受容体の強力なアゴニストまたは部分的アゴニストであり、5−HT2Aおよび5−HT2B受容体と比較して5−HT2C受容体に対して良好な特異性を有することが示された。
【0116】
本発明の実施形態では、本発明の化合物のヒト5−HT2c受容体に対する化合物のEC50は、1000nM未満、500nM未満、または300nM未満、または100nM未満である。
【0117】
本発明の化合物は従って、鬱病性障害、不安神経症(不安発作、広場恐怖症、および特定の恐怖症または社会恐怖症を含む)、双極性障害、外傷後ストレス、摂食障害、肥満症、胃腸障害、アルコール依存症、薬物依存、統合失調症、精神障害、睡眠障害(睡眠時無呼吸を含む)、片頭痛、性機能障害、中枢神経障害(心的外傷を含む)、卒中および脊髄損傷、心血管障害、尿崩症、強迫性障害、月経前緊張症、慢性疲労症候群、加齢性記憶障害、人格障害および頭蓋内圧上昇を含む、5−HT2C受容体に媒介される疾患の治療に対する関心の対象である。
【0118】
過食および食物摂取制御についての研究のための、承認されたインビボげっ歯類モデルである摂食アッセイにおける本発明の化合物の効果の本明細書に記載される研究は、肥満症の治療のためのこれらの化合物の可能性を確認する。
【0119】
本発明の化合物はまた、統合失調症またはその他の精神障害の治療に関するげっ歯類モデルにおける自発運動活性の阻害に効果的であることが示されている。
【0120】
薬剤として用いるために、本発明の化合物は、例として、経口的に、舌下に、直腸に、経鼻的に、膣に、局所的に(パッチまたはその他の経皮送達装置の使用を含む)、エアロゾルを使って肺経路により、あるいは、例えば、筋肉内、皮下、腹膜内、動脈内、静脈内またはくも膜下腔内を含む、非経口的に投与される。投与は、周期的または連続的送達のためのポンプによるものであってよい。本発明の化合物は、単独で投与されるか、または標準的な薬務に従って製薬上許容される担体もしくは賦形剤と組み合わされる。経口の投与様式には、本発明の化合物は、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、チューイングガム、トローチ、粉剤、シロップ剤、エリキシル剤、水溶液および懸濁液などの形態で使用される。錠剤の場合、使用される担体としては、ラクトース、クエン酸ナトリウムおよびリン酸の塩類が挙げられる。多様な崩壊剤、例えばデンプンなど、および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよびタルクなどが、錠剤に慣用される。カプセル剤形態の経口投与に有用な希釈剤は、ラクトースおよび高分子量ポリエチレングリコールである。所望であれば、ある種の甘味料および/または香味剤が添加される。非経口投与には、通常、本発明の化合物の滅菌溶液を調製し、溶液のpHを適切に調整し、緩衝化する。静脈内使用には、製剤が等張となるように溶質の総濃度を制御するべきである。眼投与には、軟膏または点眼液を、当技術分野で公知の眼送達系、例えば、アプリケーターまたは点眼容器などにより送達することができる。かかる組成物は、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリビニルアルコールなど、防腐剤、例えば、ソルビン酸、EDTAまたは塩化ベンジルクロムなど、ならびに通常量の希釈剤および/または担体を含むことができる。肺の投与には、希釈剤および/または担体は、エアロゾルの形成が可能となるように適切に選択される。
【0121】
本発明の化合物の坐剤形態は、膣、尿道および直腸の投与に有用である。かかる坐剤は、一般に、室温にて固体であるが体温で溶ける物質の混合物で構成される。かかるビヒクルを作成するために慣用される物質としては、カカオ脂、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、多様な分子量のポリエチレングリコールの混合物およびポリエチレングリコールの脂肪酸エステルが挙げられる。坐剤投薬形態のさらなる考察については、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th Ed.,Mack Publishing,Easton,PA,1980,pp.1530−1533参照。類似のゲルまたはクリームを膣、尿道および直腸の投与に用いてよい。
【0122】
多数の投与ビヒクルが当業者に明らかであり、それには、限定されないが、徐放性製剤、リポソーム製剤およびポリマーマトリックスが含まれる。
【0123】
本発明における使用のための製薬上許容される酸付加塩の例としては、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸など、ならびに有機酸、例えば、酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸およびアリールスルホン酸などに、由来するものが挙げられる。本発明における使用のための製薬上許容される塩基付加塩の例としては、無毒の金属、例えば、ナトリウムまたはカリウムなど、アンモニウム塩および有機アミノ塩、例えば、トリエチルアミン塩などに由来するものが挙げられる。多数の適切なかかる塩が当業者に公知となる。
【0124】
医師またはその他のヘルスケア専門家は、適切な用量および治療計画を被験体の体重、年齢、および物理的な条件に基づいて選択してよい。投薬量は、一般に、本発明の化合物の血清レベルを約0.01μg/cc〜約1000μg/ccの間、好ましくは約0.1μg/cc〜約100μg/ccの間に維持するように選択される。非経口投与には、好ましい量の代替基準は約0.001mg/kg〜約10mg/kg(あるいは、約0.01mg/kg〜約10mg/kg)、より好ましくは約0.01mg/kg〜約1mg/kg(約0.1mg/kg〜約1mg/kg)であり、この量が投与される。経口投与には、好ましい投与量の代替基準は約0.001mg/kg〜約10mg/kg(約0.1mg/kg〜約10mg/kg)、より好ましくは約0.01mg/kg〜約1mg/kg(約0.1mg/kg〜約1mg/kg)である。坐剤形態の投与には、好ましい投与量の代替基準は約0.1mg/kg〜約10mg/kg、より好ましくは約0.1mg/kg〜約1mg/kgである。
【0125】
本明細書に開示される要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「前記」は、1以上の要素が存在することを意味するものである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含まれる(including)」は、非限定的(open−ended)であることを意図し、記載された要素の他にさらなる要素が存在することを意味する。
【0126】
上記開示は本発明を全体的に記載する。より完全な理解は以下の具体的な実施例を参照して得ることができる。これらの実施例は例示の目的のためだけに記載され、本発明の範囲を制限するものではない。形態の変化および同等の置換は、状況により示唆されるか、または好都合となりうる時に検討される。本明細書では具体的な用語を用いてきたが、かかる用語は説明の意味のものであって限定目的のためのものではない。
【実施例】
【0127】
実施例1.1:プロピオルアミド
【化37】

メチルピロピオエート(5mL、55mmol)を、水酸化アンモニウム(15mL)に−50〜−60℃にて20分にわたり添加した。反応混合物をこの温度で1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を真空乾燥して生成物を得た(3.7g、92%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)6.35(bs,1H)、5.97(bs,1H)、2.88(s,1H)。
【0128】
実施例2.1:2−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル
【化38】

プロピオルアミド(20.0g、289.6mmol)、ジエチル3−オキソペンタンジオエート(87.8g、434.4mmol)および炭酸ナトリウム(24.6g、231.7mmol)を水(800mL)中で0℃にて混合し、次に室温まで4時間にわたり温めた。反応物を室温にて3日間攪拌させ続けた。反応物を0℃にて勢いよく攪拌しながら塩酸水溶液(5M)で中和させた。固体沈殿物を濾過により回収し、ジエチルエーテル/ヘキサン(2:1)で洗浄して、標題化合物の最初のバッチを得た(43g)。濾液を、酢酸エチルでさらに抽出し、合した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(10〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、標題化合物のもう一方のバッチ(7g)が得られ、合計で50g(68%)となった。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)13.12(br s,1H)、8.08(d,1H)、6.52(d,1H)、4.3(q,2H)、4.21(q,2H)、4.13(s,2H)、1.29(m,6H)。
【0129】
実施例3.1:2−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−6−メトキシニコチン酸エチル
【化39】

実施例2.1の標題化合物(20g、79.05mmol)をクロロホルム(180mL)中、炭酸銀(23.7g、105.3mmol)およびヨードメタン(40.7g、286.6mmol)とともに50℃にて一晩攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して粗標題化合物を得た(22g、定量的)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)8.21(d,1H)、6.69(d,1H)、4.32(q,2H)、4.17(m,4H)、3.97(s,3H)、1.37(t,3H)、1.29(t,3H)。
【0130】
実施例3.2:2−(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)−6−メトキシニコチン酸エチル
【化40】

テトラヒドロフラン(250mL)中のナトリウムtert−ブトキシドの懸濁液(7.98g、82.3mmol)に、テトラヒドロフラン(100mL)中、2−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−6−メトキシニコチン酸エチル(20.0g、74.8mmol)(実施例3.1の標題化合物)溶液を0℃にて15分にわたり添加した。15分間攪拌した後、ヨードメタン(53.1g、374mmol)を0℃にて添加した。反応物を2時間かけて室温まで温めた。酢酸(1mL)を0℃にて添加し、混合物を30分間攪拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮させて標題化合物を得た(20.16g、96%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)8.16(d,1H)、6.64(d,1H)、4.87(q,1H)、4.33(m,2H)、4.13(m,2H)、3.94(3H)、1.54(d,3H),1.36(m,3H)、1.18(m,3H)。
【0131】
実施例4.1:2−(3−ヒドロキシメチル−6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−エタノール
【化41】

0℃のTHF(120mL)中の水素化リチウムアルミニウムの懸濁液(2.66g、70mmol)に、2−エトキシカルボニルメチル−6−メトキシ−ニコチン酸エチルエステル(5.26g、22mmol)を添加した。反応混合物を室温にて10分間攪拌し、次に80分間還流させた。反応混合物を0℃まで冷却し、それに水(3mL)、水酸化ナトリウム水溶液(15%、3mL)、そして水(9mL)を連続的に添加した。得られる混合物を濾過し、濃縮させて、生成物を得た(3.68g、91.3%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.57(d,1H)、6.63(d,1H)、4.63(s,2H)、4.07(t,2H)、3.92(s,3H)、3.02(t,2H)。
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物を合成した。
【表1】

【0132】
実施例4.3:2−[3−(ヒドロキシメチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エタノール
【化42】

テトラヒドロフラン(100ml)中、2.5M n−ブチルリチウム溶液(11.7mL、29.25mmol)に、ジイソプロピルアミン(1.479g、14.62mmol)を−78℃にて添加した。混合物を氷浴に5分間入れた後、再び−78℃まで冷却した。テトラヒドロフラン(50mL)中の2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ニコチン酸溶液(3.0g、14.62mmol)をシリンジを介して反応混合物に添加し、反応混合物を−78℃にて1時間攪拌した。次に乾燥炭酸ガスを30分間反応混合物に泡立て、反応混合物を濃縮乾固し、残渣をテトラヒドロフラン(tetrahyrofuran)(100mL)に再溶解させた。テトラヒドロフラン中、1M 水素化リチウムアルミニウム(66ml、666mmol)と反応させたテトラヒドロフラン(22mL)中の塩化アルミニウム(2.933g、22mmol)から調製した、テトラヒドロフラン中のAlH溶液を、ゆっくりと0℃にて反応混合物へ添加し、反応混合物を室温にて一晩攪拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、5M 水酸化ナトリウムで0℃にて注意深くクエンチし、混合物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。副生成物(cproduct)をカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物400mg(12.4%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.88(d,1H)、7.54(d,1H)、4.33(s,2H)、4.14(br,2H)、3.93(t,2H)、3.02(t,2H)。
【0133】
実施例5.1:2−(2−クロロ−エチル)−3−クロロメチル−6−メトキシ−ピリジン
【化43】

2−(3−ヒドロキシメチル−6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−エタノール(3.68g、20mmol)、塩化チオニル(16mL)およびクロロホルム(80mL)の混合物を室温にて一晩攪拌し、次に1時間還流加熱した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、氷を含む炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(10:0〜9.5:0.5)を用いてシリカゲルで精製して、生成物を得た(3.23g、73%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.52(d,1H)、6.62(d,1H)、4.61(s,2H)、4.03(t,2H)、3.93(s,3H)、3.28(t,2H)。
【0134】
実施例6.1:[2−(2−クロロ−エチル)−6−メトキシ−ピリジン−3−イル]−アセトニトリル
【化44】

N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中のシアン化ナトリウムの懸濁液(808mg、16.5mmol)に、2−(2−クロロ−エチル)−3−クロロメチル−6−メトキシ−ピリジン(2.88g、15mmol)を添加した。反応混合物を25℃にて3時間攪拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、さらに水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(10:0〜8:2)を用いてシリカゲルで精製して、生成物を得た(2.4g、88%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.56(d,1H)、6.67(d,1H)、4.04(t,2H)、3.93(s,3H)、3.71(s,2H)、3.16(t,2H)。
【0135】
実施例7.1:[2−(2−ヨード−エチル)−6−メトキシ−ピリジン−3−イル]−アセトニトリル
【化45】

[2−(2−クロロ−エチル)−6−メトキシ−ピリジン−3−イル]−アセトニトリル(875mg、4.8mmol)、ヨウ化ナトリウム(5.0g、33.3mmol)およびアセトン(10mL)の粗混合物を、58℃にて2日間加熱した。反応混合物を濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、濾過し、かつ再び濃縮して生成物を得た(1.30g)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.55(d,1H)、6.66(d,1H)、3.93(s,3H)、3.68(s,2H)、3.63(t,2H)、3.3(t,2H)。
【0136】
実施例8.1:[2−(2−ベンジルアミノ−エチル)−6−メトキシ−ピリジン−3−イル]−アセトニトリル
【化46】

ブタノール(40mL)中、[2−(2−ヨード−エチル)−6−メトキシ−ピリジン−3−イル]−アセトニトリル(7.9g、29mmol)の溶液を、ブタノール(80mL)中のベンジルアミン(11mL、0.1mol)の混合物に90℃にて添加した。反応混合物を100℃にて1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、メタノール中、ジクロロメタン:2M NH(10:0〜9.5:0.5)を用いるシリカゲルで精製して、生成物を得た(5.2g、純度90%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.54(d,1H)、6.62(d,1H)、3.86(m,5H)、3.66(s,2H)、3.13(t,2H)、2.91(t,2H)。
【0137】
実施例9.1:[2−(2−ベンジルアミノ−エチル)−6−メトキシ−ピリジン−3−イル]−酢酸メチルエステル
【化47】

[2−(2−ベンジルアミノ−エチル)−6−メトキシ−ピリジン−3−イル]−アセトニトリル(5.2g)およびメタノール中の塩酸溶液(12%、150mL)の混合物を還流にて一晩加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、次に重炭酸ナトリウムを添加した。30分間攪拌した後、メタノールを蒸発させた。この残渣に酢酸エチルおよび水を添加した。水層を分離させ、酢酸エチルでさらに抽出した。合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して生成物を得た(4.85g)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.27(m,6H)、6.56(d,1H)、3.86(m,5H)、3.67(m,3H)、3.59(s,2H)、3.09(t,2H)、2.94(t,2H)。
【0138】
実施例10.1:7−ベンジル−2−メトキシ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−6−オン
【化48】

N,N−ジメチルホルムアミド(18mL)中、[2−(2−ベンジルアミノ−エチル)−6−メトキシ−ピリジン−3−イル]−酢酸メチルエステル(1.6g、5.4mmol)の混合物を200℃にて電子レンジ内で4時間加熱した。上記の反応を3.2gの基質を用いて繰り返した。2つの反応混合物を合し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、ヘキサン:酢酸エチル(9:1〜1:1)を用いてシリカゲルで精製して、生成物を得た(2.0g、47%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.32(m,6H)、6.54(d,1H)、4.67(s,2H)、3.86(s,5H)、3.7(t,2H)、2.99(t,2H)。
【0139】
実施例11.1:7−ベンジル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン
【化49】

−78℃のテトラヒドロフラン(60mL)中の水素化リチウムアルミニウム懸濁液(1.9g、50mmol)に、塩化アルミニウム(2.4g、18mmol)を添加し、続いてテトラヒドロフラン(40mL)中、7−ベンジル−2−メトキシ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−6−オン(1.6g、6mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温にて2日間攪拌した。0℃の反応混合物に、水(2mL)、水酸化ナトリウム水溶液(1N、2mL)および水(4mL)をゆっくりと連続的に添加した。得られる混合物をセライト(登録商標)を通じて濾過し、濃縮した。上記の反応を422mgの基質を用いて繰り返した。合した残渣をメタノール中のジクロロメタン:2M NH(10:0〜9.5:0.5)を用いてシリカゲルで精製して、生成物を得た(1.8g、95%)。生成物をジエチルエーテル中、塩酸で処理して、塩酸塩(2塩当量)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.31(m,6H)、6.48(d,1H)、3.9(s,3H)、3.65(s,2H)、3.07(m,2H)、2.82(m,2H)、2.68(m,2H)、2.61(m,2H)。
【0140】
実施例12.1:2−[3−(クロロメチル)−6−メトキシピリジン−2−イル]エチルメタンスルホネート
【化50】

実施例3の標題化合物(24.70g、134.8mmol)を窒素雰囲気下でジクロロメタン(500mL)に溶かし、−30℃まで冷却した。次にトリエチルアミン(30.01g、296.6mmol)およびメチル塩化スルホニル(33.98g、296.6mmol)を添加した。反応物を室温まで温め、一晩攪拌した。反応混合物をヘキサン(400mL)で希釈し、濾過して固形物を除去した。濾液を濃縮し、酢酸エチルに再溶解させ、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ濃縮して、標題化合物を淡黄色の油状物質として得た(36.38g、96%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.51(d,1H)、6.60(d,1H)、4.75(t,2H)、4.57(s,2H)、3.90(s,3H)、3.25(t,2H)、2.92(s,3H)。
【0141】
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物を合成した。
【表2】

【0142】
実施例13.1:2−[3−(シアノメチル)−6−メトキシピリジン−2−イル]エチルメタンスルホネート
【化51】

実施例4の標題化合物(36.38g、130.05mmol)をジメチルホルムアミド(400mL)に溶解し、0℃まで冷却した。シアン化ナトリウム(6.69g、135.55mmol)を添加し、反応混合物を室温まで一晩温めた。反応混合物をセライト濾過剤を通じて濾過した。濾液を25%飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、酢酸エチルの一部で抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、30〜50%酢酸エチル)により精製して標題化合物を得た(21.13g、60%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.48(d,1H)、6.57(d,1H)、4.65(t,2H)、3.84(s,3H)、3.62(s,2H)、3.07(t,2H)、2.90(s,3H)。
【0143】
上記の一般手順を使用して、以下の化合物を合成した。
【表3】

【0144】
実施例14.1:6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−オール
【化52】

7−ベンジル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(35mg、0.14mmol)(実施例11.1の化合物)、エタノール中の臭化水素酸(1.3mL)および酢酸(1.3mL)の混合物を80℃にて一晩加熱した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗アミドを得た。このアミドをパラジウム(炭素上10%)を用いてメタノール中で水素化した。反応混合物をセライト(登録商標)を通じて濾過し、濃縮し、メタノール中のジクロロメタン:2M NH(10:0〜9.2:0.8)を用いてシリカゲルで精製して、生成物を得た(2mg)。生成物をジエチルエーテル中の塩酸を用いて処理し、塩酸塩(2塩当量)を得た。
【0145】
実施例15.1:2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン
【化53】

方法A
7−ベンジル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(1.05g、4.2mmol)(実施例11.1の化合物)、水酸化パラジウム(炭素上20%、180mg)、およびメタノール(50mL)の混合物を、水素(36psi)下で6時間攪拌した。反応混合物をセライト(登録商標)を通じて濾過し、濃縮して、生成物を得た(565mg)。生成物をジエチルエーテル中の塩酸を用いて処理し、塩酸塩(2塩当量)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.29(d,1H)、6.48(d,1H)、3.91(s,3H)、3.08(m,2H)、2.98(m,4H)、2.82(m,2H)。
【0146】
方法B
−78℃の塩化アルミニウム(1.8g、13.3mmol)および水素化リチウムアルミニウム(1.0g、26.6mmol)の混合物に、乾燥ジエチルエーテル(30mL)を注意深く添加した。室温にて30分間攪拌した後、反応混合物を再度−78℃まで冷却した。次に、テトラヒドロフラン(30mL)中の2−[3−(シアノメチル)−6−メトキシピリジン−2−イル]エチルメタンスルネート(3.6g、13.3mmol)の溶液(実施例13.1の化合物)をゆっくりと添加した。反応混合物を0℃にて1時間半攪拌した。水(200mL)および飽和炭酸ナトリウム(10mL)を用いて反応をクエンチした。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、Rotavaporにより濃縮した。残渣をアセトニトリル(45ml)中のジイソプロピルエチルアミン(3.36g、26mmol)と混合し、30℃にて24時間攪拌し、再び濃縮し、飽和炭酸ナトリウム(15mL)を添加した。混合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、クロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た(1.25g、52.7%)。
【0147】
方法Bの一般的手順を使用して、以下の化合物を合成した。
【表4】

【0148】
実施例16.1:2−メトキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル
【化54】

−50℃のジクロロメタン(dichlromethane)(30mL)中、実施例13.1の標題化合物(1.07g、6mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.5mL)の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.6g、7.2mmol)を添加した。反応混合物を室温にて2時間攪拌し、次に水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。生成物をヘキサン中10%酢酸エチルでカラムクロマトグラフにより精製して、標題化合物1.188gを得た(71%)。
【0149】
実施例16.2:3−ブロモ−2−メトキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル
【化55】

2−メトキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル(140mg、0.5mmol)を、ジクロロメタン中、酢酸ナトリウム(50mh、0.6mmol)とともに0℃にて混合した。次に臭素(96mg、0.6mmol)を添加した。反応混合物を濾過し、濃縮乾固して、さらなる精製を行わずに次の段階の反応に続けて用いることのできる標題化合物200mg(112%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.55(s,1H)、3.99(s,3H)、3.58(m,4H)、3.04(m,2H)、2.78(m,2H)、1.49(s,9H)。
【0150】
実施例17.1:6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−オール 二臭化水素酸塩
【化56】

2−(6−メトキシ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−エチル]−メチル−アミン(549mg、3.3mmol)、エタノール中の臭化水素酸(16mL)および酢酸(16mL)の混合物を、88℃にて1日間加熱した。反応混合物を濃縮し、残渣をヘキサンとともに砕いて粉末にして、生成物を得た(879mg)。
【0151】
方法Bの一般的手順を使用して、以下の化合物が合成された。
【表5】

【0152】
実施例18.1:2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン
【化57】

6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−オール二臭化水素酸塩(114mg、0.38mmol)およびオキシ塩化リン(1.5mL)の混合物を、120℃にて1時間加熱した。反応混合物を濃縮し、この残渣へ炭酸ナトリウム水溶液を添加した。得られる混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を濃縮した。残渣をメタノール中、ジクロロメタン:2M NH(10:0〜9.5:0.5)を使用してシリカゲル上で精製して、生成物を得た(3mg)。生成物をジエチルエーテル中、塩酸で処理して、塩酸塩(2塩当量)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.36(d,1H)、7.08(d,1H)、3.15(m,2H)、3.01(m,3H)、2.89(m,2H)、2.62(m,1H)。
【0153】
実施例19.1:2−ヒドロキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル
【化58】

実施例14.1の標題化合物(5.72g、17.54mmol)を、窒素雰囲気下でジクロロメタン(90mL)に懸濁し、0℃まで冷却した。懸濁液を攪拌しながら、ジイソプロピルエチルアミン(Diisopropylethyamine)(7.93g、61.39mmol)を添加した。分離フラスコ中で、二炭酸ジ−tert−ブチル(8.04g、36.83mmol)を、窒素雰囲気下でジクロロメタン(50mL)に溶かした。この溶液を主反応容器にカニューレを介してゆっくりと添加した。反応物を室温にて2時間攪拌した。反応混合物を塩化アンモニウムの50%飽和溶液で洗浄し、水相をジクロロメタンの一部で抽出した。合した有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(manesium)で乾燥させ、濾過し、濃縮して、薄茶色(plae brown)の固体(4.64g、定量的)として標題化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)13.53(br s,1H)、7.25(d,1H)、6.38(d,1H)、3.55(m,4H)、2.94(m,2H)、2.68(m,2H)、1.46(s,9H)。
【0154】
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物が合成された。
【表6】

【0155】
実施例20.1:2−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル
【化59】

実施例16.1の標題化合物(4.64g、17.54mmol)を、ジクロロメタン(150mL)に溶かし、窒素下で0℃まで冷却した。この溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(diisopropylethyalmine)(2.83g、21.93mmol)および無水トリフルオロメタンスルホン酸(6.19g、21.93g)を添加し、反応物を室温まで2時間かけて温めた。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと水とで分液した。有機相を、50%飽和塩化アンモニウムおよびブラインで洗浄した。有機相を、飽和重炭酸ナトリウムで中和し、濃縮して、標題化合物を得た(1.94g、28%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.59(d,1H)、6.94(d,1H)、3.61(br d,4H)、3.12(t,2H)、2.93(t,2H)、1.49(s,9H)。
【0156】
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物が合成された。
【表7】

【化60】

【0157】
実施例20.4:9−エチル−2−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル
【化61】

−58℃のトルエン(8mL)中、7−ベンジル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(500mg、1.86mmol)の溶液に、n−BuLi(ヘキサン中、2.5Mの1.5mL、3.75mmol)を添加した(aaded)。混合物を0℃にて2時間攪拌した後、ヨードエタン(650μL、8mmol)を添加し、反応混合物を室温にて一晩攪拌した。反応混合物を、飽和塩化アンモニウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、Rotavaporにより濃縮した。残渣を20%Pd(OH)(400mg)およびメタノール(30mL)とともに混合し、H下で1週間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を再び濃縮して、9−エチル−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピンを得た。この化合物を、エタノール中の20重量%HBr(16mL)および酢酸(16mL)とともに混合し、90℃にて一晩加熱し、次に濃縮して、9−エチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−オール二臭化水素酸塩の塩(dihydrobromide salt)を得た。この塩を、ジイソプロピルエチルアミン(diisopropylethyamine)(2.5mL)および0℃のジクロロメタン(20mL)および水(10mL)中の二炭酸ジ−tert−ブチル(570mg、2.5mmol)とともに混合し、2時間攪拌した。有機層を分離させ、乾燥させ、濃縮して、9−エチル−2−ヒドロキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチルを得た。この中間体を、ジイソプロピルエチルアミン(diisopropylethyalmine)(1mL)および無水トリフルオロメタンスルホン酸(420μL、2.5mmol)とともに、−50℃のジクロロメタン中で混合し、一晩攪拌した。後処理の後、ヘキサン中20%酢酸エチルでカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物284mg(合計で37%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.58(d,1H)、6.93(d,1H)、2.6−3.9(m,7H)、1.95(m,2H)、1.49(s,9H)、1.37(m,3H)。
【0158】
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物が合成された。
【表8】

【0159】
実施例21.1:2−シアノ−5,6,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化62】

2−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル(50mg、0.13mmol)、シアン化亜鉛(50mg、0.4mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(25mg)およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.6mL)の混合物を、100℃にて30分間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、水で(1mLで3回)洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をヘキサン:酢酸エチル(10:0〜7:3)を用いてシリカゲル上で精製して、生成物を得た(12mg、33.8%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.55(d,1H)、7.49(d,1H)、3.62(m,4H)、3.21(m,2H)、2.96(m,2H)、1.50(s,9H)。
【0160】
実施例21.2:2−イソプロペニル−5,6,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル
【化63】

−78℃のジエチルエーテル(3mL)中、2−ブロモプロペン溶液(266mL、3.0mmol)に、tert−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、3.5mL、6.0mmol)を添加した。−78℃の反応混合物を1時間攪拌し、次にテトラヒドロフラン(3.6mL)中、臭化亜鉛溶液(810mg、3.6mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、室温にて30分間攪拌した。2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル(100mg、0.26mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(5mg、0.01mmol)、トリ−2−フリルホスフィン(4.5mg、0.02mmol)およびテトラヒドロフラン(0.6mL)の分離混合物を、室温にて15分間攪拌した。この反応混合物に上記記載の亜鉛試薬を(上記の反応混合物から採取した2当量を)室温にて添加した。反応混合物を50℃にて45分間加熱した。後処理の後、残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(10:0〜8.5:1.5)を用いてシリカゲルで精製して、生成物を得た(45mg、64%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.37(d,1H)、7.21(d,1H)、5.89(s,1H)、5.25(s,1H)、3.60(m,4H)、3.17(m,2H)、2.87(m,2H)、2.19(s,3H)、1.50(s,9H)。
【0161】
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物が合成された。
【表9】

【0162】
実施例21.4:2−フェニル−5,6,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチル
【化64】

2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5,6,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.26mmol)、炭酸ナトリウム水溶液(2M、0.5mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(15mg)、フェニルボロン酸(80mg、0.5mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)の混合物を、88℃にて窒素下で2時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を濃縮した。残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(10:0〜7:3)を用いてシリカゲルで精製して、生成物を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.98(d,2H)、7.40(m,5H)、3.64(m,4H)、3.26(m,2H)、2.92(m,2H)、1.52(s,9H)。
【0163】
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物が合成された。
【表10】

【0164】
実施例21.9:tert−ブチル2−ビニル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化65】

実施例17.1の標題化合物(0.454g、1.15mmol)、塩化リチウム(0.146、3.44mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.132g、0.115mmol)を、窒素雰囲気下、トルエン(10mL)に懸濁した。トリブチルビニル錫(0.40g、1.26mmol)をこの懸濁液に添加し、反応を2時間還流した。反応混合物をシリカゲルで濃縮し、カラムクロマトグラフィー(20% EtOAc/ヘキサン)により精製して標題化合物を得た(0.175g、56%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.29(d,1H)、7.05(d,1H)、6.71(q,1H)、6.08(d,1H)、5.35(d,1H)、3.52(br t,4H)、3.10(br,2H)、2.80(br,2H)、1.44(s,9H)。
【0165】
実施例21.10:tert−ブチル2−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化66】

実施例17.1の標題化合物(100mg、0.26mmol)、Pd(dba)(10mg、0.017mmol)およびPPh(8mg、0.034mmol)を、テトラヒドロフラン(2mL)中、N下、室温にて混合し、20分間攪拌した。MeZn(THF中2M、0.3mL、0.6mmol))を添加した。反応混合物を50℃まで2時間加熱した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1/2)により精製して標題化合物を得た(55mg、76%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.30(d,1H)、6.93(d,1H)、3.57(m,4H)、3.12(m,2H)、2.84(m,2H)、1.50(s,9H)
【0166】
実施例21.11:2−(メチル−フェニル−アミノ)−5,6,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化67】

実施例10.2の標題化合物(0.200g、0.526mmol)、Pd2(dba)3(0.010g、0.0105mmol)、BINAP(0.0131g、0.0210mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.071g、0.736mmol)およびメチル−フェニル−アミン(0.068g、0.631mmol)を、トルエン(5.0mL)中、窒素雰囲気下、100℃にて一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチルと水とで分液した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物を得た(0.020g、11%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.37(t,2H)、7.26(m,2H)、7.16(t,H)、7.06(d,1H)、6.37(d,1H)、3.59(m,4H)、3.49(s,3H)、3.06(m,2H)、2.75(m,2H)、1.50(s,9H)。
【0167】
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物を合成した。
【表11】

【0168】
実施例21.13:tert−ブチル2−ホルミル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化68】

実施例18.4の標題化合物(0.175g、0.639mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、−78℃まで冷却した。オゾンを、この溶液が青色に変わるまで溶液に管で送った。反応物をさらに15分間−78℃にて攪拌し、その後酸素を5分間この反応物に管で送った。反応混合物を氷浴から取り出し、メチルスルホニルメタン(0.169g、2.72mmol)を攪拌しながら添加した。15分後、反応物を濃縮して標題生成物を得、さらなる精製は行わなかった。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)9.98(s,1H)、7.98(d,1H)、7.72(d,1H)、3.61(t,4H)、3.24(m,2H)、2.96(m,2H)、1.46(s,9H)。
【0169】
実施例21.14:tert−ブチル2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化69】

一酸化炭素で脱気した、実施例17.1の標題化合物(0.120g、0.303mmol)のテトラヒドロフラン(6.0mL)溶液に、臭化リチウム(0.0026g、0.030mmol)およびジメチルアミン(0.413mL、0.91mmol)およびテトラヒドロフラン(1mL)中のテトラキスパラジウムトリホスフィン(0.034g、0.030mmol)を加えた。反応混合物を、一酸化炭素雰囲気下、60℃まで4時間加熱した。反応物をクエンチし、生成物を自動カラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物を得た(0.040g、41%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.49(d,1H)、7.39(d,1H)、3.57(br,4H)、3.16(br,2H)、3.10(d,6H)、2.88(br,2H)、1.47(s,9H)。
【0170】
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物を合成した。
【表12】

【0171】
実施例21.17:tert−ブチル2−tert−ブチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化70】

Tert−ブチルリチウム(1.93mL、3.28mmol)を、テトラヒドロフラン(4.0mL)中、銅シアン化物(0.158g、1.77mmol)の懸濁液に窒素下−40℃にて添加した。実施例17.1の標題化合物(0.200g、0.505mmol)のテトラヒドロフラン(2.0mL)溶液を反応混合物にゆっくりと加えた。反応物を−40℃にて24時間攪拌し、次に6時間かけて室温まで温めた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム(20mL)でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。水相を酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフにより精製して標題化合物を得た(101mg、66%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.29(d,1H)、7.07(d,1H)、3.57(br t,4H)、3.13(m,2H)、2.82(br,2H)、1.49(s,9H)、1.33(s,9H)。
【0172】
実施例21.18:tert−ブチル e 2−ジブチルアミノ−5,6,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート ZH3968.062.1
【化71】

実施例17.1の標題化合物(0.10g、0.25mmol)およびジメチルスルホキシド(2mL)に溶解したジブチルアミン(0.5mL)を120〜150℃まで電子レンジで30分間加熱した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、乾燥し、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物を得た(34mg、36%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.12(d,1H)、6.18(d,1H)、3.56(br m,4H)、3.44(t,4H)、2.97(m,2H)、2.71(br,2H)、1.55(m,6H)、1.50(s,9H)、1.36(m,5H)、0.94(t,7H)。
【0173】
上記の一般的手順を使用して、以下の化合物を合成した。
【表13A】

【表13B】

【表13C】

【表13D】

【表13E】

【表13F】

【表13G】

【表13H】

【表13I】

【0174】
実施例21.75:tert−ブチル2−(メチルアミノ)−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化72】

tert−ブチル2−(ベンジル−メチル−アミノ)−5,6,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(98.5mg、0.27mmol)を、メタノール(2mL)中20%Pd(OH)(20mg)と混合し、H下で一晩攪拌した。反応混合物を濾過し、カラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物35.4mgを得た(47%)。
【0175】
実施例21.76:tert−ブチル2−[アセチル(メチル)アミノ]−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化73】

標題化合物(68mg、53.3%)を、0℃にてジクロロメタン(2mL)中、塩化アセチル(37.3μL、0.53mmol)およびトリエチルアミン(54mg、0.53mmol)と反応させたtert−ブチル2−(メチルアミノ)−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(110.6mg、0.4mmol)から調製した。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.45(d,1H)、6.97(br,1H)、3.57(m,4H)、3.30(s,3H)、3.08(m,2H)、2.86(m,2H)、2.02(s,3H)、1.46(s,9H)。
【0176】
実施例21.77:tert−ブチル2−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化74】

水(2mL)中、0℃のNaIO(132.6mg、0.62mmol)溶液に、メタノール(4mL)中のtert−ブチル2−(チオモルホリン−4−イル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(143.3mg、0.41mmol)およびDMF(4mL)を添加した。反応混合物を0℃にて24時間攪拌し、次に濾過した。濾液をジクロロメタンで抽出し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物116.9mgを得た(78%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.23(d,1H)、6.46(d,1H)、4.10(m,4H)、3.52(m,4H)、2.96(m,2H)、2.75(m,6H)、1.45(s,9H)。
【0177】
実施例21.78:Tert−ブチル3−クロロ−2−ピペリジン−1−イル5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化75】

tert−ブチル2−ピペリジン−1−イル5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(50mg、0.153mmol)をアセトニトリル(1.5mL)中、N−クロロスクシンイミド(24mg、0.18mmol)と混合し、68℃にて一晩加熱した。反応混合物をシリカゲルで濃縮し、ヘキサン中15%酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して標題化合物50mgを得た(91%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)7.30(s,1H)、3.56(m,4H)、3.28(m,4H)、3.03(m,2H)、2.75(m,2H)、1.68(m,6H)、1.49(s,9H)。
【0178】
同様の方法で以下の化合物を合成した。
【表14】

【0179】
実施例21.83:(9R)−および(9S)−tert−ブチル2−[エチル(メチル)アミノ]−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化76】

(9R)−tert−ブチル2−[エチル(メチル)アミノ]−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートと、(9S)−tert−ブチル2−[エチル(メチル)アミノ]−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(Rt=6.6分、36mg、Rt=7.8分、35.1mg)を、ラセミのtert−ブチル2−[エチル(メチル)アミノ]−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートから、ヘキサン中1%エタノールを用いるChiralcel OJにより分離した。
【0180】
実施例21.84:(9R)−および(9S)−tert−ブチル9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化77】

(9R)−tert−ブチル9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートと、(9S)−tert−ブチル9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(Rt=6.95分、42.5mg、Rt=8.56分、42mg)を、ラセミのtert−ブチル9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートから、ヘキサン中1%エタノールを用いるChiralcel OJにより分離した。
【0181】
実施例21.85:(9R)−および(9S)−tert−ブチル9−メチル−2−モルホリン−4−イル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化78】

(9R)−tert−ブチル9−メチル−2−モルホリン−4−イル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートと、(9S)−tert−ブチル9−メチル−2−モルホリン−4−イル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(Rt=21.26分、48.2mg、Rt=17.4分、47.5mg)を、ラセミのtert−ブチル9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートから、ヘキサン中1%エタノールを用いるChiralcel OJにより分離した。
【0182】
実施例21.86:(9R)−および(9S)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化79】

(9R)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートと、(S)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(Rt=7.51分、11mg、Rt=9.68分、8.7mg)を、ラセミの2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートから、ヘキサン中2.5%EtOHを用いるCHIRALPACK AD−Hにより分離した。
【0183】
実施例21.87:(9R)−および(9S)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化80】

(9R)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートと、(S)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(Rt=5.12分、12.8mg、Rt=6.62分、13mg)を、2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートからヘキサン中EtOHを用いるCHIRALPACK AD−Hにより分離した。
【0184】
実施例21.88:(9R)−および(9S)−tert−ブチル9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート
【化81】

(9R)−tert−ブチル9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートと、(9S)−tert−ブチル9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(Rt=10.2分、10mg、Rt=14.4分、10mg)を、ラセミのtert−ブチル9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−5,6,8,9−テトラヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートから、ヘキサン中2.5%EtOHを用いるCHIRALPACK AD−Hにより分離した。
【0185】
方法A:(TFA−DCM)
実施例22.1:6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボニトリル
【化82】

0℃のtert−ブチル2−シアノ−5,6,8,9−テトラヒドロ−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(12mg)のジクロロメタン(1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を添加した。反応混合物を0℃にて2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して生成物を得た。この生成物をジエチルエーテル中、塩酸で処理して塩酸塩を得た(2塩当量、5mg)。
【0186】
方法B:(EtO中HCl)
実施例22.2:アゼピン−2−カルボン酸ジメチルアミド、二塩酸塩
【化83】

実施例15の標題化合物(0.040g、0.126mmol)をジクロロメタン(2mL)およびジエチルエーテル(3mL)中2M 塩酸に6時間溶解させた。反応物を濃縮して吸湿性の褐色の固体として標題化合物を得た(0.038g、100%)。H NMR(300MHz,CDCl3 +MeOD):δ(ppm)8.48(d,1H)、8.01(d,1H)、3.74(br,2H)、3.59(br,2H)、3.52(br,4H)、3.14(d,6H)。
【0187】
同様の方法で以下の化合物を合成した。
【表15A】

【表15B】

【表15C】

【表15D】

【表15E】

【表15F】

【表15G】

【表15H】

【表15I】

【表15J】

【表15K】

【表15L】

【表15M】

【表15N】

【表15O】

【表15P】

【0188】
実施例22.90:2−イソプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン
【化84】

2−イソプロペニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン(8.5mg)を、水素(1気圧)下で水酸化パラジウムおよびメタノールを用いて3時間処理した。反応混合物を濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、濾過し、再度濃縮して生成物を得た。ジエチルエーテル中、塩酸で生成物を処理し、塩酸塩を得た(2塩当量、9.2mg)。H NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm):遊離塩基7.33(d,1H)、6.93(d,1H)、3.18(m,2H)、3.02(m,4H)、2.90(m,2H)、1.67(br,1H)、1.29(s,3H)。
【0189】
同様の方法で、以下の化合物を合成した。
【表16】

【0190】
生物活性の評価
本発明の化合物の活性の実証は、以下の実施例に記載されるアッセイを含む、当技術分野で周知のインビトロ、エキソビボ、およびインビボアッセイにより達成されてよい。
【0191】
材料および方法
Gq共役5−HT受容体の活性化はホスホリパーゼC活性を刺激し、イノシトール三リン酸(IP3)の形成、およびその後の細胞内貯蔵からのカルシウム放出を引き起こす。Gq共役受容体の機能活性は、カルシウム感受性色素を用いる細胞内カルシウムレベル測定によるFLIPRアッセイ(蛍光イメージングプレートリーダー、FLIPRを用いる)、およびIP3から生じるIPを測定するホスファチジルイノシトール加水分解アッセイ(IP蓄積アッセイ)で定量化することができる。両方のアッセイは、受容体活性化の強固で機能的な計測値を提供する。
【0192】
細胞培養:ヒト5−HT2A、5−HT2Bおよび5−HT2C(INIおよびVSVイソ型の両方)受容体を発現する安定な細胞系統を、MHEK細胞バックグラウンド(組織培養プレートへの細胞の付着力を高めるため、マクロファージスカベンジャー受容体1も発現するHEK293ベース細胞バックグラウンド)において作製した。組換え細胞株を、成長培地(10%透析胎児ウシ血清(Hyclone)およびL−グルタミン(Gibco、5HT2Aおよび2Cは0.8mM、5HT2Bは2.0mM)を含有する高グルコースDMEM(Hyclone))中で培養し、200μg/mlのゼオシン(Invitrogen)、ならびに200μg/mlのハイグロマイシンB(5HT2Aおよび5HT2C用、Invitrogen)または500μg/mlのジェネティシン(5HT2B用、Invitrogen)のいずれかを用いる選択条件下で増殖させた。
【0193】
FLIPRアッセイの方法:組換えにより5HT2受容体を発現した細胞を、トリプシン/EDTA 0.25%(Hyclone)を用いて、試験の24時間前に酵素的に分離し、側面が黒色、底面が透明な96ウェルプレート(Greiner,BioExpress)中の成長培地100μlに、37℃、5%CO下で、ウェルあたり60,000細胞を播種した。アッセイ当日、成長培地を吸引により除去し、6μM Fluo−3AMおよび0.01%プルロン酸(Biotium Inc.,Hawyard,CA)を含有する80μlのアッセイバッファー(20mM HEPES、146mM塩化ナトリウム、5mM塩化カリウム、1mM塩化マグネシウム、1mg/mL BSA、1mg/mLグルコース、1mM CaCl、pH7.4、Amresco製)を加えた。細胞を、Fluo−3溶液中で、暗所で室温にて60分間インキュベートした。次にFluo−3溶液を吸引により除去し、細胞をアッセイバッファーで2回洗浄して各ウェルに160μlを残した。
【0194】
FLIPR(MDS Inc.,Sunnyvale,CA)でのオンライン添加(40μl)の前に、全ての化合物を、それらの終濃度の5倍に調製した。蛍光強度は1秒間隔で、化合物添加前は10秒間、化合物添加後は65秒間測定した。全ての応答は、サンプル期間内のベースラインを上回る蛍光応答のピーク高さとして測定した。相対蛍光単位(RFU)変化の非線形回帰を、アゴニストの有効性を測定するために用いた。アンタゴニスト活性は、細胞と化合物との室温での30分間のプレインキュベーション後、FLIPR中でのアゴニスト(5−HT、EC80)のオンライン添加により測定した。アンタゴニスト活性は、試験化合物の不在下で、5−HTの最大応答に対する反応を標準化することにより決定した。
【0195】
ホスファチジルイノシトール加水分解アッセイ:試験の24時間前に、10μCi/mlの[H]−ミオ−イノシトール(Perkin Elmer)を含有する200μlの培地中、100,000細胞/ウェルで、ポリ−D−リジン−コート96ウェルプレート(VWR)に細胞を蒔いた。HBSS(HEPES緩衝生理食塩水溶液:20mM HEPES、146mM NaCl、4.2mM KCl、0.5mM MgCl、0.1%グルコース、pH7.4)を用いて細胞単層を2回洗浄した。10mM LiClを含有する100μl/wellのHBSS中で、細胞単層を37℃にて5分間プレインキュベートした。アゴニスト活性に関して、濃度範囲3nMから30μMで、2重測定で化合物を試験した。必要とされる終濃度の2倍の濃度の化合物(100μl)を加え、37℃にて30分間インキュベートした。培地を吸引し、100μl/ウェルの氷冷5%ペルクロロ酢酸溶液を添加することにより、可溶性3H−イノシトールリン酸を細胞から抽出した。プレートを氷上に1時間置き、抽出物は2ml、96ウェル、ポリプロピレン製、丸底ユニプレート(VWR)中に回収した。pH指示液を含む150〜170μlのHEPES/KOH(0.375/0.75M)を用いて、全ての溶液が淡緑色になるまで細胞抽出物を中和した。次に、600μl HEPES/EDTA(2.5/0.5mM、pH7.4)を全ての試験管に加え、600μl/ウェルのDowex樹脂(Dowex AG−1×8 蟻酸型、200〜400メッシュ、Bio−Rad、HEPES/EDTA(2.5/0.5mM、pH7.4)中で平衡化)を入れた96ウェルPALLフィルタープレート(VWR)に内容物を移した。次にこのフィルタープレートを真空マニホールド中に置いて、弱い真空状態とした。800μlの30mMギ酸アンモニウムを用いて全てのホスファチジルイノシトールを溶出させ、溶出液は廃棄した。全てのイノシトールリン酸を600μl(2×300μl)の700mMギ酸アンモニウム/100mMギ酸で溶出し、清浄な2ml、96ウェル、ポリプロピレン製、丸底ユニプレート中に収集した。75μlの溶出液を、Hewlett Packard Optiplateに移し、150μlのScint 40を各ウェルに加えた。このプレートを、Topseal(Packard)を用いて密封し、プラットフォームプレートシェーカーで1分間振盪した。Hewlett Packard Topcount中でプレートを計数して各ウェルの放射能の量を定量化した。
【0196】
動物およびハウジング:雄、スプラーグドーリーラットまたはCD−1マウスを全ての試験に用いた。実験期間中を除いて、全ての動物に、飼料および水を自由摂取させた。12時間の明暗周期(点灯:07:00)で維持された動物施設内に動物を収容し、全ての実験は点灯時に行った。全ての実験に関して、実験前に最低72時間、動物を動物施設に馴化させた。本実験で用いた実験手順は、実験動物管理公認協会(AAALAC)およびカナダ動物管理協会(CCAC)のガイドラインに従って実施した。
【0197】
試験化合物:全ての化合物は、生理食塩水中5%Tween80に溶解させ、5ml/kgまたは10ml/kg(ラット)、および10ml/kg(マウス)の投与量で注射した。化合物は、経口または腹膜内経路のいずれかにより投与した。
【0198】
マウス自発運動低下アッセイ:比較的明確に定義されている中枢神経系のメカニズムにより、選択的5−HT2C受容体アゴニストは、げっ歯類種において自発運動低下を引き起こすことが報告されている。そのため、マウス自発運動アッセイを用いて化合物をスクリーニングした。雄のCD−1マウスに、フォトセルビームが遮断されることにより自発運動活性を測定するチャンバに入れる15分前に試験化合物を投与した。試験化合物は、経口または腹膜内経路から投与した。
【0199】
ラットにおける絶食誘発性の摂食:体重約180〜200gの雄スプラーグドーリーラット(Charles River,St.Constant,Quebec,Canada)を、到着時に2匹一組にして動物施設内(点灯7:00〜19:00)に収容した。動物に標準的なげっ歯類実験動物用飼料(Harlan Tekladげっ歯類維持飼料、2014、Harlan Teklad,Madison,WI)を自由摂取させる7日間の順化(acclimitisation)期間の後、動物たちを訓練して1日配給量の実験動物用飼料を別々の部屋で2時間にわたり摂取させた。動物は、この時間の間中1匹ずつ収容され、2時間にわたる摂取時間の摂餌量を、摂餌時間の前後に給餌容器を計量し、こぼれた分を補正して測定した。毎日2時間の飼料摂取時間の後、動物を保持ケージに戻し、さらなる毎日の給餌は行わなかった。水は、自由摂取させた。体重は毎日記録した。
【0200】
毎日の摂餌量が安定したら(1〜2週間の訓練後)、一回投与量の試験化合物(または対照としてビヒクル)を2時間の飼料摂取時間の開始10〜15分前に投与し、その時間中の摂餌量を、訓練期間中と同様に測定した。
【0201】
試験化合物またはビヒクルを火曜日および金曜日に投与し、その合間は薬物を投与しなかった(休薬)。一般に、動物には3用量の試験化合物およびビヒクルを、カウンターバランスをとった順序で投与した。
【0202】
スケジュール誘発性の多飲
間欠的でコントロールできない給餌を受けた絶食ラットは、正常な1日摂水量をはるかに上回る量の、かつ餌と同時に与えられた場合の摂水量を上回る量の水を飲む(Falk JL (1961) 「間欠的な飼料スケジュールによる、正常ラットにおける多飲症の生成」(Production of polydipsia in normal rat by an intermittent food schedule.)Science 133:195−196)。この過度の行動は持続的であり、薬理学的検証および症状の類似性に基づく強迫性障害のモデルとして提案されている(Woods,A.et al.(1993) 「選択的セロトニン再取り込み阻害剤は、ラットにおけるスケジュールに誘発される多飲を低下させる。強迫性障害の可能性のあるモデル」(Selective serotonin re−uptake inhibitors decrease schedule−induced polydipsia in rats:a potential model for obsessive compulsive disorder.) Psychopharmacology 112:195−198)。
【0203】
体重約180〜200gの雄スプラーグドーリーラット(Charles River,St.Constant,Quebec,Canada)を、到着時に2匹一組にして動物施設内(点灯7:00〜19:00)に収容する。動物に標準的なげっ歯類実験動物用飼料(Harlan Tekladげっ歯類維持飼料、2014、Harlan Teklad,Madison,WI)を自由摂取させる7日間の順化期間の後、動物たちを訓練して、給水瓶を備えたオペラントチャンバ内で2時間の間に60秒の一定時間間隔で45mgの餌ペレット1個を摂取させる。従って2時間のセッションの間にラットは最大で120個のペレットを獲得することができる。この2時間の間にラットが消費した水の総量を記録する。1日の給餌量は、15:00〜18:00の間に45分間の摂取時間を設けて補充される。
【0204】
2時間の試験セッション内の1日摂水量が数日間安定したら(およそ±15%)、ラットに、経口的または非経口的に(parentally)、ビヒクルまたは試験化合物を投与してよい。試験化合物またはビヒクルは、火曜日および金曜日に投与し、その合間は薬物を投与しない(休薬)。一般に、動物には3用量の試験化合物およびビヒクルを、カウンターバランスをとった順序で投与する。
【0205】
上記方法の変更箇所は、試験化合物の経口または非経口(parental)投与前に、ラットをビヒクルまたは選択的5−HT2C受容体アンタゴニスト、6−クロロ−5−メチル−N−(2−(2−メチルピリジン−3−イル−オキシ)ピリジン−5−イル)アミノカルボニル)−2,3−ジヒドロインドール(8% HPCD、生理食塩水中25mMクエン酸中、1mg/kg)により前処置することである。
【0206】
皮下注射ペンチレンテトラゾールアッセイ
ペンチレンテトラゾールなどの化学的痙攣薬により引き起こされる間代性−強直性発作の拮抗作用は、新規な抗痙攣薬を同定するために広く用いられてきた。
【0207】
体重約20〜30gの雄CD−1マウス(Charles River,St.Constant,Quebec,Canada)を、施設到着時に1群4匹で収容する。飼料(Harlan Tekladげっ歯類維持飼料、2014、Harlan Teklad,Madison,WI)および水を自由摂取させる。最低3日間の順化期間の後、原発性全身性痙攣発作および非痙攣性欠神発作(小発作)両方のモデルであると考えられる、皮下注射ペンチレンテトラゾールアッセイで動物を試験する(Upton,N.(1994)「新規な抗癲癇薬の作用機序、合理的設計および予期せぬ発見」(Mechanisms of action of new antiepileptic drugs、rational design and serendipitous findings.) Trends Pharmacol.Sci.15:456−463)。
【0208】
実験は、単回前処置を受ける動物を用いて1日のうちに行う、すなわち、独立グループデザインである。経口または非経口いずれかの経路による薬物またはビヒクル対照処置の後、動物に皮下経路よりペンチレンテトラゾール(85mg/マウスkg)を投与する。ペンチレンテトラゾールの用量は、大部分の動物に間代性発作を誘発するために十分な強さの用量、すなわち、CD97用量が選択される。動物を、化学的痙攣薬投与のために手で拘束し、その後動物を開放して試験ケージに移し、そのコースの間中、続いて起こる発作を観察できるようにする。動物は、ペンチレンテトラゾールの単回注射を受け、エンドポイント、すなわち間代性発作を起こすと実験を終了させる。動物が60分後に発作活動を示さない場合は、保護されたとみなし、エンドポイントに達したとして実験を終了する。
【0209】
PTZ試験の約10〜20分前に、ロータロッド(rotorod)を用いる運動機能の平行試験を試みて、治療係数(TI)、例えば発作を阻止するために必要なED50用量と、同じ種において運動機能を混乱させるために必要なED50用量の間の比を定める。このロータロッド試験は、毎分16回転の一定速度で回転するトレッドミル(ロッド)上に動物を置くことからなる。従属測定(dependant measure)は、動物が落下するまでロッド上にとどまる時間である。3回までの独立した測定を行って、有意義な成績測定を得ることができる。
【0210】
上記方法の変更箇所は、試験化合物の経口または非経口投与前に、マウスをビヒクルまたは選択的5−HT2C受容体アンタゴニスト、6−クロロ−5−メチル−N−(2−(2−メチルピリジン−3−イル−オキシ)ピリジン−5−イル)アミノカルボニル)−2,3−ジヒドロインドール(8% HPCD、生理食塩水中25mMクエン酸中、1mg/kg)により前処置することである。
【0211】
アンフェタミン誘発性の自発運動過剰
げっ歯類において精神刺激薬であるアンフェタミンにより引き起こされる自発運動亢進の拮抗作用は、ヒトにおいて抗精神病特性をもつ多くの薬物の特徴である。アンフェタミン自発運動過剰のそのような反転は、統合失調症の治療用の新規な薬物を検出するために前臨床試験で広く用いられる。
【0212】
体重約200gの雄スプラーグドーリーラット(Charles River,St.Constant,Quebec,Canada)を、到着時に2匹一組にして動物施設内(点灯7:00〜19:00)に収容した。動物に標準的なげっ歯類実験動物用飼料(Harlan Tekladげっ歯類維持飼料、2014、Harlan Teklad,Madison,WI)を自由摂取させる7日間の順化期間の後、動物に行動試験を受けさせてよい。
【0213】
動物を、限られた時間(およそ30分)、個々に試験装置内に入れ(寸法:ラット42cm×42cm×30cm(縦×幅×高さ)のパースペクスチャンバ)、新しい環境に馴らした。かかる馴化期間が経過した後、経口、または非経口経路を介して被験物質または対照ビヒクルで動物を処置し、次に観察試験チャンバに戻す。所定時間後、動物に生理食塩水ビヒクルまたはd−アンフェタミン(0.5mg/kg)を腹膜内経路から投与し、試験チャンバに2時間戻す。試験チャンバ中にいる間に、動物の行動は、赤外線センサーにより自動的に、かつ/または実験者による手作業で、「正常な」行動、例えば嗅ぐ動作、毛づくろい、立ち上がりなど、および「異常な」行動、例えば「回転行動」などの発現に関してモニターされる。かかる試験の終了時に、動物は保持ケージに戻される。
【0214】
上記方法の変更箇所は、試験化合物の経口または非経口投与の前に、ラットをビヒクルまたは選択的5−HT2C受容体アンタゴニスト、6−クロロ−5−メチル−N−(2−(2−メチルピリジン−3−イル−オキシ)ピリジン−5−イル)アミノカルボニル)−2,3−ジヒドロインドール(8% HPCD、生理食塩水中25mMクエン酸中、1mg/kg)により前処置することである。
【0215】
5−HT2Cアゴニスト活性
表1は、上記のFLIPRアッセイにより測定した、本発明の化合物の5−HT2Cアゴニスト有効性を示す。
【0216】
マウス自発運動低下
図1は、本発明の2つの例示的な化合物の、経口または腹膜内注射後の、マウス自発運動への効果を示す。
【0217】
5−HT2CアンタゴニストSB242084での前処置は、試験化合物の効果を抑制した(データは示さず)。
【0218】
ラット絶食誘発性摂食アッセイ
図2は、本発明の2つの例示的な化合物を腹膜内に投与されたラットにおける摂餌量の用量依存的減少を示す。
【0219】
斜線のバーに示されるように、選択的5−HT2CアンタゴニストSB242084を用いるラットの前処置は、アゴニスト化合物の効果を抑制した。
【0220】
記載される説明は、包括的であることも、本発明の範囲を制限することも意図するものではない。上記の教示に照らして、以下の特許請求の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更形態および変形形態が可能である。本発明の範囲はここに添付されている請求項により定義され、あらゆる点で同等のものに対する十分な認識をもたらすことが意図される。
表1
【表17A】

【表17B】

【表17C】

【表17D】

【表17E】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

(式中、
〜RおよびR〜R12は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、CHOH、ハロアルキル、O−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、S−アルキル、S(O)−アルキル、S(O)−アルキル、S−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、O−アリール、O−ヘテロアリール、N(H)アルキル、N(アルキル)アルキル、N(H)−アリール、N(アルキル)−アリール、N(H)−ヘテロアリール、N(アルキル)−ヘテロアリール、アルキレン−O−アリール、アルキレン−O−ヘテロアリール、アルキレン−O−アルキレン−アリール、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロアリール、S−アリール、S−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、C(O)アルキル、OC(O)アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、C(O)N(アルキル)アルキル、S(O)N(H)アルキルまたはS(O)N(アルキル)アルキルから選択され、RとR、RとR、RとR10、および/またはR11とR12は、それらの結合している炭素原子とともに、シクロアルキル基を形成し、かつ
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキルから選択される)、
および/あるいはその製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せ。
【請求項2】
任意の環状基が1以上のR13で置換され、R13が、F、Cl、Br、I、CN、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C1−6−アルキル、OC1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロまたはOC1−6−アルキルハロから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、H、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルケニルから選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、Hまたはアルキルから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
〜R12が、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリールから選択される、請求項の1〜4いずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
〜R12が、独立して、H、アルキルまたはシクロアルキルから選択される、請求項に5記載の化合物。
【請求項7】
化合物が、製薬上許容される塩、光学異性体、またはその組合せである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
製薬上許容される塩が、酸付加塩または塩基付加塩(basic addition salt)を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
酸付加塩が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酸性金属塩、モノカルボン酸、ジカルボン酸、またはトリカルボン酸から形成される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
式Iの化合物が、式IA、
【化2】

(式中、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルキレン−O−アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、ハロアルキル、ハロゲンまたはCHOHから選択され、かつ
およびRは、各々Hであり、あるいはRおよびRかつ/またはRおよびRは、それらの結合している炭素原子とともにシクロアルキル基を形成する)、の化合物
ならびに/あるいはその製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
式Iの化合物が、式IB
【化3】

(式中、
Zが、CR1415、O、NR16、C=O、S=O、SOまたはSから選択され、かつ
14〜R16は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、CHOH、ハロアルキル、O−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、S−アルキル、S(O)−アルキル、S(O)−アルキル、S−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、O−アリール、O−ヘテロアリール、N(H)アルキル、N(アルキル)アルキル、N(H)−アリール、N(アルキル)−アリール、N(H)−ヘテロアリール、N(アルキル)−ヘテロアリール、アルキレン−O−アリール、アルキレン−O−ヘテロアリール、アルキレン−O−アルキレン−アリール、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロアリール、S−アリール、S−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、C(O)アルキル、OC(O)アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、C(O)N(アルキル)アルキル、S(O)N(H)アルキルまたはS(O)N(アルキル)アルキルから選択される)の化合物
および/あるいはその製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
が、Hまたはハロから選択され、RおよびRは、独立して、Hまたはアルキルから選択され、R14およびR15は、独立して、H、ハロ、またはアルキルから選択され、かつ、R16が、Hまたはアルキルから選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
ハロが、ブロモ、クロロ、またはフルオロである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Zが、R14がHまたはフルオロであり、R15がフルオロである、CR1415である、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
がHであり、Zが、R14がHであり、R15がフルオロである、CR1415である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
式Iの化合物が、式IC、
【化4】

(式中、
Zは、CR1415、O、NR16、C=O、S=O、SOまたはSから選択され、かつ
14〜R16は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、CHOH、ハロアルキル、O−ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−シクロアルキル、アルキレン−O−ヘテロシクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−シクロアルキル、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、S−アルキル、S(O)−アルキル、S(O)−アルキル、S−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S(O)−シクロアルキル、S−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、S(O)−ヘテロシクロアルキル、O−アリール、O−ヘテロアリール、N(H)アルキル、N(アルキル)アルキル、N(H)−アリール、N(アルキル)−アリール、N(H)−ヘテロアリール、N(アルキル)−ヘテロアリール、アルキレン−O−アリール、アルキレン−O−ヘテロアリール、アルキレン−O−アルキレン−アリール、アルキレン−O−アルキレン−ヘテロアリール、S−アリール、S−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、S(O)−アリール、S(O)−ヘテロアリール、C(O)アルキル、OC(O)アルキル、C(O)Oアルキル、C(O)N(H)アルキル、C(O)N(アルキル)アルキル、S(O)N(H)アルキルまたはS(O)N(アルキル)アルキルから選択される)、の化合物
および/あるいはその製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
が、Hまたはハロから選択され、RおよびRが、独立して、Hまたはアルキルから選択され、R14およびR15が、独立して、H、ハロ、またはアルキルから選択され、かつ、R16が、Hまたはアルキルから選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
ハロが、ブロモ、クロロ、またはフルオロである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
ZがOである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
式Iの化合物が、式II、
【化5】

の化合物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
式Iの化合物が、式III、
【化6】

の化合物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
式Iの化合物が、式IV、
【化7】

の化合物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
が、H、アルキルまたはハロから選択され、R、RおよびRが、独立して、Hまたはアルキルから選択され、Rが、Hまたはアルキルから選択され、かつ、Rが、H、アルキル、アルコキシ、CHOH、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールから選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
以下から選択される化合物、
(9R)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3d]アゼピン、
(9R)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
(9S)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン
(9S)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(1−オキシドチオモルホリン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(3−チエニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロアゼパン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−[メチル(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−イル)アミノ]エタノール、
2−アゼパン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−9−イソプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−シクロプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−メトキシ−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピペラジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピロリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−tert−ブチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−チオモルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ビニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−N−エチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
3−クロロ−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルバルデヒド、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボニトリル、
9−エチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−エチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−イソプロピル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−イソプロピル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸エチル、
N,9−ジエチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N,9−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジアリル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジエチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボキサミド、
N−ベンジル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−エチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−イソプロピル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−メチル−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−イル)アセトアミド、
2−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−カルボニトリル、
2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
[2−(6−メトキシ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−エチル]−メチル−アミン、および/または
7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−オール、
および/あるいはその製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せ。
【請求項25】
以下から選択される化合物、
(9R)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3d]アゼピン、
(9R)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9R)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
(9S)−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン
(9S)−9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
(9S)−N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロアゼパン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−アゼパン−1−イル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−シクロプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロペニル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−イソプロピル−9−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−tert−ブチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
2−チオモルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−ブロモ−2−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(1,4−オキサゼパン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
3−クロロ−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−イソプロピル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−モルホリン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
9−メチル−2−ピペリジン−1−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン、
N,N−ジエチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N,N−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
N−エチル−N,9−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、および/または
N−エチル−N−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−d]アゼピン−2−アミン、
および/あるいはその製薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、イソ型、互変異性体、光学異性体、またはその組合せ。
【請求項26】
ヒト5−HT2c受容体に対する化合物のEC50が、1000nM未満、500nM未満、300nM未満、または100nM未満から選択される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物と、少なくとも1種類の製薬上許容される担体および/または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物またはその混合物の、Boc保護前駆体。
【請求項29】
11およびR12がHである、請求項1に記載の化合物を作成するための方法であって、前記方法が、
【化8】

式Aの化合物を条件(a)下で反応させる工程、前記(a)が、加熱および式Aの化合物の塩基による環化で式Bのアミドを得る工程を含み、および
式Bのアミドのカルボニルを還元する工程を含み、
この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである、方法。
【請求項30】
およびR10がHである、請求項1に記載の化合物を作成するための方法であって、前記方法が、
【化9】

式AAの化合物を条件(a)下で反応させる工程であって、前記(a)が、加熱および式AAの化合物の塩基による環化で式BBのアミドを得る工程を含み、および
式BBのアミドのカルボニルを還元する工程を含み、
この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである、方法。
【請求項31】
11およびR12がHである、請求項1に記載の化合物を作成するための方法であって、前記方法が、
アミドの1つのカルボニルを還元する工程
【化10】

を含む、方法。
【請求項32】
およびR10がHである、請求項1に記載の化合物を作成するための方法であって、前記方法が、
アミドの1つのカルボニルを還元する工程
【化11】

を含む、方法。
【請求項33】
、R10、R11およびR12がHである、請求項1に記載の化合物を作成するための方法であって、前記方法が、
アミドの複数のカルボニル基を還元する工程
【化12】

を含む、方法。
【請求項34】
11およびR12がHである、請求項1に記載の化合物を作成するための方法であって、前記方法が、
【化13】

式Cの化合物を条件(a)下で反応させる工程であって、前記(a)が、シアノの選択的還元に続いて式Cの化合物の環化で式Iを得る工程を含み、この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである、方法。
【請求項35】
およびR10がHである、請求項1に記載の化合物を作成するための方法であって、前記方法が、
【化14】

式CCの化合物を条件(a)下で反応させる工程であって、前記(a)が、シアノの選択的還元に続いて式CCの化合物の環化で式Iを得る工程を含み、この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである、方法。
【請求項36】
請求項1に記載の化合物を作成するための方法であって、前記方法が、
【化15】

式Dの化合物を条件(a)下で反応させる工程であって、前記(a)が、式Dの化合物の環化で式Iを得る工程を含み、この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである、方法。
【請求項37】
請求項1に記載の化合物を作成するための方法であって、前記方法が、
【化16】

式DDの化合物を条件(a)下で反応させる工程、前記(a)が、式DDの化合物の環化で式Iを得る工程を含み、この際、R’はアルキルまたはシクロアルキルである、方法。
【請求項38】
哺乳類に、治療上有効な量の請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物または治療上有効な量の請求項27に記載の組成物を投与する工程を含む、哺乳類において5−HT2c受容体に媒介される疾患を治療するための方法。
【請求項39】
哺乳類がヒトである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
障害が、鬱病性障害、不安神経症(不安発作、広場恐怖症、および特定の恐怖症または社会恐怖症を含む)、双極性障害、外傷後ストレス、摂食障害、肥満症、胃腸障害、アルコール依存症、薬物依存、統合失調症、精神障害、睡眠障害(睡眠時無呼吸を含む)、片頭痛、性機能障害、中枢神経障害(心的外傷を含む)、卒中および脊髄損傷、心血管障害、尿崩症、強迫性障害、月経前緊張症、慢性疲労症候群、加齢性記憶障害、人格障害および頭蓋内圧上昇からなる群から選択される、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
障害が、肥満症、統合失調症、癲癇、鬱病性障害、不安発作、アルコール依存症、薬物依存または強迫性障害からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
化合物が、経口的に、かつ/または非経口的に投与される、請求項38〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
化合物が、静脈内に、かつ/または腹膜内に投与される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
哺乳類における5−HT2c受容体に媒介される疾患の治療のための薬物の製造のための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物または請求項27に記載の組成物の使用。
【請求項45】
哺乳類において5−HT2c受容体に媒介される疾患を治療するための、請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物または請求項27に記載の組成物の使用。
【請求項46】
哺乳類がヒトである、請求項44または45に記載の使用。
【請求項47】
障害が、鬱病性障害、不安神経症(不安発作、広場恐怖症、および特定の恐怖症または社会恐怖症を含む)、双極性障害、外傷後ストレス、摂食障害、肥満症、胃腸障害、アルコール依存症、薬物依存、統合失調症、精神障害、睡眠障害(睡眠時無呼吸を含む)、片頭痛、性機能障害、中枢神経障害(心的外傷を含む)、卒中および脊髄損傷、心血管障害、尿崩症、強迫性障害、月経前緊張症、慢性疲労症候群、加齢性記憶障害、人格障害および頭蓋内圧上昇からなる群から選択される、請求項44〜46のいずれか一項に記載の使用。
【請求項48】
障害が、肥満症、統合失調症、癲癇、鬱病性障害、不安発作、アルコール依存症、薬物依存または強迫性障害からなる群から選択される、請求項47に記載の使用。
【請求項49】
化合物が、経口的に、かつ/または非経口的に投与可能である、請求項44〜48のいずれか一項に記載の使用。
【請求項50】
化合物が、静脈内に、かつ/または腹膜内に投与可能である、請求項49に記載の使用。
【請求項51】
治療上有効な量の請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物または治療上有効な量の請求項27に記載の組成物を哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類において食物摂取を低下させるための方法。
【請求項52】
治療上有効な量の請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物または治療上有効な量の請求項27に記載の組成物を哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類において体重増加を制御する方法。
【請求項53】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物または請求項27に記載の組成物の、哺乳類において食物摂取を低下させるかまたは体重増加を制御するための薬物の製造のための使用。
【請求項54】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物または請求項27に記載の組成物の、哺乳類において食物摂取を低下させるかまたは体重増加を制御するための使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−543812(P2009−543812A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519768(P2009−519768)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/CA2007/001286
【国際公開番号】WO2008/009125
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(509020240)キャスケイド・セラピューティクス・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】