説明

AD変換回路および光検出装置

【課題】小型化が可能なAD変換回路および光検出装置を提供する。
【解決手段】AD変換回路20は、差動増幅部21、第1可変容量部22A、第2可変容量部22B、比較部23、接続制御部24、第1帰還部25Aおよび第2帰還部25Bを備える。差動増幅部21の第1出力端子および第2出力端子から差動信号として出力された電圧値は、逐次比較型AD変換回路(第1可変容量部22A,第2可変容量部22B,比較部23および接続制御部24からなる。)により、6ビットのデジタル値に変換されて出力される。第1共通点Pと第2共通点Pとの間の電位差は、第1帰還部25Aおよび第2帰還部25Bにより差動増幅部21に帰還されて、再び、逐次比較型AD変換回路により、6ビットのデジタル値に変換されて出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射光量に応じたデジタル値を出力することができる光検出装置、および、このような光検出装置において好適に用いられるAD変換回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光検出装置は、入射光量に応じた量の電荷を発生するフォトダイオードと、このフォトダイオードで発生した電荷を蓄積して当該蓄積電荷量に応じた電圧値を出力する積分回路と、を備える。また、光検出装置は、積分回路から出力された電圧値(アナログ値)をデジタル値に変換して該デジタル値を出力するAD変換回路を備える場合がある。さらに、光検出装置は、複数のフォトダイオードが1次元または2次元に配列されている場合には、1次元像または2次元像を撮像することができる。
【0003】
このような光検出装置において用いられるAD変換回路として、非特許文献1に記載されているような構成を有するものが知られている。このAD変換回路は、少なくとも2N個の容量素子を含み、AD変換対象であるアナログ値を差動信号として入力して、そのアナログ値に対応するNビットのデジタル値を出力することができる。ここで、Nは2以上の整数である。
【0004】
このようなAD変換回路を含む光検出装置では、フォトダイオードへの入射光量に応じた量の電荷が蓄積されているときに積分回路から出力される電圧値(信号成分+雑音成分)がAD変換回路に入力されるとともに、電荷非蓄積時に積分回路から出力される電圧値(雑音成分)がAD変換回路に入力されて、両者の電圧値の差(すなわち、信号成分のみ)がAD変換回路によりデジタル値に変換される。したがって、AD変換回路から出力されるデジタル値は、フォトダイオードへの入射光量に応じた値であって、雑音成分が除去された高精度な値となる。
【非特許文献1】Analog Devices社の製品AD7641のテクニカルデータシート
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなAD変換回路は、出力するデジタル値のビット数Nに応じて、少なくとも2N個もの容量素子を含み、しかも、容量値が非常に大きい容量素子を含むことが必要である。このことから、このAD変換回路および光検出装置は、大型のものとなり、集積化した場合にはチップ面積が大きくなる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、小型化が可能なAD変換回路および光検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るAD変換回路は、(1) 第1および第2の入力端子ならびに第1および第2の出力端子を有するアンプと,第1〜第4の容量素子と,第1〜第4のスイッチとを含み、第1スイッチの一端が第1容量素子を介してアンプの第1入力端子に接続され、第2スイッチの一端が第2容量素子を介してアンプの第2入力端子に接続され、第3スイッチおよび第3容量素子がアンプの第1入力端子と第1出力端子との間に並列的に設けられ、第4スイッチおよび第4容量素子がアンプの第2入力端子と第2出力端子との間に並列的に設けられた差動増幅部と、(2) 互いに異なる容量値(C,…,2n-1C,…,2N-1C)を有するN個の容量素子を含み、N個の容量素子それぞれの一端が第1接続切替手段によりアンプの第1出力端子,第1基準電位または第2基準電位に接続され、N個の容量素子それぞれの他端が第1共通点に接続された第1可変容量部と、(3)互いに異なる容量値(C,…,2n-1C,…,2N-1C)を有するN個の容量素子を含み、N個の容量素子それぞれの一端が第2接続切替手段によりアンプの第2出力端子,第1基準電位または第2基準電位に接続され、N個の容量素子それぞれの他端が第2共通点に接続された第2可変容量部と、(4)第1および第2の共通点それぞれの電位を入力して大小比較し、当該比較結果を表す比較信号を出力する比較部と、(5) 比較部から出力された比較信号を入力し、その比較信号に基づいて、第1および第2の共通点それぞれの電位の差が小さくなるように、第1および第2の接続切替手段それぞれによる接続切替を制御するとともに、第1および第2の接続切替手段それぞれにおける接続状態を表すNビットのデジタル値を出力する接続制御部と、(6)第1帰還容量素子および第1帰還スイッチを含み、第1帰還容量素子の一端が第1帰還スイッチを介して第1共通点に接続され、第1帰還容量素子の他端がアンプの第1入力端子に接続された第1帰還部と、(7)第2帰還容量素子および第2帰還スイッチを含み、第2帰還容量素子の一端が第2帰還スイッチを介して第2共通点に接続され、第2帰還容量素子の他端がアンプの第2入力端子に接続された第2帰還部と、を備えることを特徴とする。ただし、Nは2以上の整数であり、nは1以上N以下の整数である。
【0008】
本発明に係るAD変換回路では、差動増幅部の第1入力端子および第2入力端子に入力された電圧値は、差動増幅部により増幅されて、差動増幅部の第1出力端子および第2出力端子から差動信号として出力される。第1可変容量部、第2可変容量部、比較部および接続制御部は、逐次比較型AD変換回路を構成している。差動増幅部の第1出力端子および第2出力端子から出力された電圧値は、上記の逐次比較型AD変換回路によりAD変換され、対応するデジタル値が接続制御部から出力される。比較部に入力される第1共通点および第2共通点それぞれの電位は、第1帰還部および第2帰還部により差動増幅部に帰還されて、再び、上記の逐次比較型AD変換回路によりデジタル値に変換されて出力される。
【0009】
本発明に係るAD変換回路では、差動増幅部は、第5スイッチおよび電源を更に含み、電源が第5スイッチを介して第2スイッチと第2容量素子との接続点に接続されているのが好適である。この場合には、差動増幅部の出力レンジが拡大され得る。
【0010】
本発明に係る光検出装置は、入射光量に応じた量の電荷を発生するフォトダイオードと、フォトダイオードで発生した電荷を入力し蓄積して当該蓄積電荷量に応じた電圧値を出力端から出力する積分回路と、上記の本発明に係るAD変換回路とを備え、AD変換回路に含まれる差動増幅部の第1および第2のスイッチが積分回路の出力端に接続されていることを特徴とする。この光検出装置では、フォトダイオードにおいて入射光量に応じた量の電荷が発生し、その電荷が積分回路に入力されて蓄積され、当該蓄積電荷量に応じた電圧値が積分回路の出力端から出力される。積分回路の出力端から出力される電圧値は、AD変換回路に含まれる差動増幅部に入力される。そして、AD変換回路により、積分回路の出力電圧値に含まれるオフセット誤差等が除去されて、S/N比が優れたデジタル値が得られる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小型化が可能なAD変換回路および光検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る光検出装置1の構成図である。この図に示される光検出装置1は、フォトダイオードPD、スイッチSW、積分回路10、AD変換回路20および制御部90を備える。なお、フォトダイオードPDおよびスイッチSWを一組として、複数の組が1次元または2次元に配列されていてもよく、また、この場合に、複数組のフォトダイオードPDおよびスイッチSWに対して1組の積分回路10およびAD変換回路20が設けられていてもよい。
【0014】
フォトダイオードPDは、入射光量に応じた量の電荷を発生するものであり、アノードが接地され、カソードがスイッチSWの一端に接続されている。スイッチSWは、フォトダイオードPDと積分回路10の入力端との間に設けられており、閉じているときに、フォトダイオードPDで発生した電荷を積分回路10へ入力させる。積分回路10は、フォトダイオードPDで発生しスイッチSWを経て到達した電荷を入力して蓄積し、その蓄積した電荷の量に応じた電圧値を出力端からAD変換回路20へ出力する。AD変換回路20は、積分回路10から出力された電圧値(アナログ値)を入力してAD変換し、その入力電圧値に対応したデジタル値を出力する。
【0015】
積分回路10は、アンプA10,容量素子C10およびスイッチSW10を備える。アンプA10の非反転入力端子には基準電圧が入力される。アンプA10の反転入力端子は、スイッチSWを介してフォトダイオードPDに接続されている。容量素子C10およびスイッチSW10は、アンプA10の反転入力端子と出力端子との間に並列的に設けられている。スイッチSW10が閉じているときには、容量素子C10が放電され、積分回路10から出力される電圧値が初期化される。スイッチSW10が開いているときには、フォトダイオードPDからスイッチSWを経て入力した電荷が容量素子C10に蓄積され、その蓄積された電荷の量に応じた電圧値が積分回路10からAD変換回路20へ出力される。
【0016】
AD変換回路20は、差動増幅部21、第1可変容量部22A、第2可変容量部22B、比較部23、接続制御部24、第1帰還部25Aおよび第2帰還部25Bを備える。第1可変容量部22Aおよび第2可変容量部22Bは、互いに共通の構成を有している。第1帰還部25Aおよび第2帰還部25Bは、互いに共通の構成を有している。
【0017】
制御部90は、フォトダイオードPDとともに設けられているスイッチSWの開閉動作、積分回路10に含まれるスイッチSW10の開閉動作、および、AD変換回路20のAD変換動作、を制御する。なお、図1では、制御部90から出力されて他の各構成回路へ入力される制御信号の配線については、図示が省略されている
【0018】
次に、本実施形態に係るAD変換回路20の回路構成について説明する。図2は、本実施形態に係るAD変換回路20の回路図である。なお、ここでは、N値を6として説明する。
【0019】
差動増幅部21は、アンプA21,第1スイッチSW211,第2スイッチSW212,第3スイッチSW213,第4スイッチSW214,第5スイッチSW215,第1容量素子C211,第2容量素子C212,第3容量素子C213,第4容量素子C214および電源E21を備える。アンプA21は、非反転入力端子および反転入力端子に差動信号として入力した電圧値を増幅率2で増幅し、その増幅後の電圧値を負側の差動出力端子および正側の差動出力端子から差動信号として出力する。
【0020】
スイッチSW211の一端は、容量素子C211を介してアンプA21の非反転入力端子に接続され、スイッチSW211の他端は、積分回路10の出力端に接続されている。スイッチSW212の一端は、容量素子C212を介してアンプA21の反転入力端子に接続され、スイッチSW212の他端は、積分回路10の出力端に接続されている。スイッチSW213および容量素子C213は、アンプA21の非反転入力端子と負側の差動出力端子との間に並列的に設けられている。スイッチSW214および容量素子C214は、アンプA21の反転入力端子と正側の差動出力端子との間に並列的に設けられている。また、電源E21は、スイッチSW215を介して、スイッチSW212と容量素子C212との接続点に接続されている。
【0021】
第1可変容量部22Aは、容量素子C221〜C227、および、スイッチSW221〜SW228を備える。これらのうち、6個の容量素子C221〜C226は互いに異なる容量値を有しており、6個のスイッチSW221〜SW226は第1接続切替手段を構成している。容量素子C226の容量値をCとすると、容量素子C221の容量値は2Cであり、容量素子C222の容量値は2Cであり、容量素子C223の容量値は2Cであり、容量素子C224の容量値は2Cであり、容量素子C225の容量値は2Cである。また、容量素子C227の容量値はCである。
【0022】
容量素子C221の一端は、スイッチSW221により、アンプA21の負側の差動出力端子,第1基準電位Vref1または第2基準電位Vref2に接続される。容量素子C222の一端は、スイッチSW222により、アンプA21の負側の差動出力端子,第1基準電位Vref1または第2基準電位Vref2に接続される。容量素子C223の一端は、スイッチSW223により、アンプA21の負側の差動出力端子,第1基準電位Vref1または第2基準電位Vref2に接続される。容量素子C224の一端は、スイッチSW224により、アンプA21の負側の差動出力端子,第1基準電位Vref1または第2基準電位Vref2に接続される。容量素子C225の一端は、スイッチSW225により、アンプA21の負側の差動出力端子,第1基準電位Vref1または第2基準電位Vref2に接続される。容量素子C226の一端は、スイッチSW226により、アンプA21の負側の差動出力端子,第1基準電位Vref1または第2基準電位Vref2に接続される。容量素子C227の一端は、スイッチSW227により、アンプA21の負側の差動出力端子または第2基準電位Vref2に接続される。また、容量素子C221〜C227それぞれの他端は、第1共通点Pに接続され、さらに、スイッチSW228を介して接地電位に接続されている。
【0023】
第2可変容量部22Bは、第1可変容量部22Aと同様の構成を有する。ただし、第2可変容量部22Bでは、6個のスイッチSW221〜SW226が第2接続切替手段を構成しており、この第2接続切替手段により、容量素子C221〜C226それぞれの一端は、アンプA21の正側の差動出力端子,第1基準電位Vref1または第2基準電位Vref2に接続される。容量素子C227の一端は、スイッチSW227により、アンプA21の正側の差動出力端子または第2基準電位Vref2に接続される。また、容量素子C221〜C227それぞれの他端は、第2共通点Pに接続され、さらに、スイッチSW228を介して接地電位に接続されている。
【0024】
比較部23は、第1共通点Pおよび第2共通点Pそれぞれの電位を入力して大小比較し、当該比較結果を表す比較信号を接続制御部24へ出力する。接続制御部24は、比較部23から出力された比較信号を入力し、その比較信号に基づいて、第1共通点Pおよび第2共通点Pそれぞれの電位の差が小さくなるように、第1および第2の接続切替手段(可変容量部22A,22Bに含まれるスイッチSW221〜SW226)それぞれによる接続切替を制御するとともに、第1および第2の接続切替手段それぞれにおける接続状態を表す6ビットのデジタル値を出力する。
【0025】
第1帰還部25Aは、バッファアンプA25,容量素子C25およびスイッチSW25を含む。この第1帰還部25Aでは、容量素子C25の一端は、スイッチSW25を介してバッファアンプA25の出力端に接続されている。バッファアンプA25の入力端は、第1共通点Pに接続されている。容量素子C25の他端は、アンプA21の非反転入力端子に接続されている。
【0026】
第2帰還部25Bも、バッファアンプA25,容量素子C25およびスイッチSW25を含む。この第2帰還部25Bでは、容量素子C25の一端は、スイッチSW25を介してバッファアンプA25の出力端に接続されている。バッファアンプA25の入力端は、第2共通点Pに接続されている。容量素子C25の他端は、アンプA21の反転入力端子に接続されている。
【0027】
制御部90は、差動増幅部21に含まれるスイッチSW211〜SW215それぞれの開閉動作、比較部23および接続制御部24それぞれの動作、ならびに、第1帰還部25Aおよび第2帰還部25Bそれぞれに含まれるスイッチSW25の開閉動作、を制御する。そして、制御部90により制御された接続制御部24は、第1可変容量部22Aに含まれるスイッチSW221〜SW228それぞれの開閉動作、および、第2可変容量部22Bに含まれるスイッチSW221〜SW228それぞれの開閉動作、を制御する。
【0028】
次に、本実施形態に係る光検出装置1の動作について説明する。以下に説明する動作は、制御部90による制御の下に行われる。図3は、本実施形態に係る光検出装置1の動作を説明するタイミングチャートである。この図を用いて、フォトダイオードPD、スイッチSW、積分回路10および差動増幅部21それぞれの動作を説明する。
【0029】
この図には、 (a) 積分回路10に含まれるスイッチSW10の開閉、(b)フォトダイオードPDに対応して設けられているスイッチSWの開閉、(c) 差動増幅部21に含まれるスイッチSW211の開閉、(d) 差動増幅部21に含まれるスイッチSW212の開閉、(e) 差動増幅部21に含まれるスイッチSW213およびスイッチSW214の開閉、(f) 差動増幅部21に含まれるスイッチSW215の開閉、(g) 積分回路10からの出力電圧値、(h)差動増幅部21に含まれるアンプA21の正側の差動出力端子からの出力電圧値、および、(i)差動増幅部21に含まれるアンプA21の負側の差動出力端子からの出力電圧値、が示されている。なお、図中の各時刻の前後関係については、「t11<t12<t13<t14<t15<t16<t17」である。
【0030】
時刻t11に、積分回路10に含まれるスイッチSW10が閉じて、容量素子C10が放電され、積分回路10からの出力電圧値が初期化される。時刻t11に、差動増幅部21に含まれるスイッチSW213およびスイッチSW214が閉じて、容量素子C213および容量素子C214が放電され、差動増幅部21からの出力電圧値が初期化される。時刻t12に差動増幅部21に含まれるスイッチSW212が開き、時刻t13に積分回路10に含まれるスイッチSW10が開き、時刻t14に差動増幅部21に含まれるスイッチSW211が開く。その後、時刻t15から一定期間、スイッチSWが閉じて、フォトダイオードPDで発生し該フォトダイオードPDの接合容量部に蓄積されていた電荷は、スイッチSWを経て積分回路10へ入力される。時刻t16に、差動増幅部21に含まれるスイッチSW213およびスイッチSW214が開く。時刻t17に、差動増幅部21に含まれるスイッチSW211およびスイッチSW215が閉じる。なお、この期間に亘って、第1帰還部25Aおよび第2帰還部25BそれぞれのスイッチSW25は開いている。
【0031】
積分回路10が電荷蓄積可能状態となる時刻は、スイッチSW10が開く時刻t13である。時刻t13から時刻t15までの期間、積分回路10は、スイッチSW10が開いているので電荷蓄積可能状態となっているものの、スイッチSWが開いているので、フォトダイオードPDから電荷が入力されることはなく、容量素子C10には電荷が蓄積されない。しかし、オフセット誤差等により、積分回路10からの出力電圧値は、時刻t13後に単調に変化していき、やがて時刻t14前の或る時刻に略一定電圧値(すなわち、オフセット電圧値)に達する。
【0032】
差動増幅部21において、時刻t12にスイッチSW212が閉状態から開状態に転じる。これにより、時刻t12に積分回路10から出力された電圧値に応じた量の電荷が、容量素子C212に蓄積される。時刻t12において積分回路10は初期化された状態であるから、容量素子C212に蓄積される電荷は、初期化された積分回路10の出力電圧値(以下、「リセット電圧値」という)に応じた量である。このようにして、リセット電圧値が差動増幅部21に取り込まれる。
【0033】
差動増幅部21において、時刻t14にスイッチSW211が閉状態から開状態に転じると、その時刻t14に積分回路10から出力されている電圧値に応じた量の電荷が、容量素子C211に蓄積される。時刻t14において積分回路10はオフセット電圧値を出力しているから、容量素子C211に蓄積される電荷量は、オフセット電圧値に応じた量である。このようにして、オフセット電圧値が差動増幅部21に取り込まれる。
【0034】
時刻t15から一定期間、スイッチSWが閉じて、フォトダイオードPDで発生し該フォトダイオードPDの接合容量部に蓄積されていた電荷は、スイッチSWを経て積分回路10へ入力される。積分回路10に入力された電荷は容量素子C10に蓄積され、その容量素子C10に蓄積された電荷の量に応じた信号電圧値とオフセット電圧値とが重畳された電圧値が積分回路10から出力される。
【0035】
差動増幅部21において、時刻t16にスイッチSW213が開き、時刻t17にスイッチSW211が閉じると、時刻t17に積分回路10から出力されている電圧値が容量素子C211に入力される。すると、この電圧値に応じた電荷量と、既に容量素子C211に蓄積された電荷量との差分が、容量素子C213に蓄積される。そして、アンプA21の非反転入力端子には、容量素子C213に蓄積された電荷量に応じた電圧値が入力される。この電圧値は、信号電圧値およびオフセット電圧値が重畳された電圧値と、オフセット電圧値との差、すなわち信号電圧値となる。このように、差動増幅部21は、CDS(Correlated Double Sampling、相関二重サンプリング)回路としても機能し得る。
【0036】
差動増幅部21において、時刻t16にスイッチSW214が開き、時刻t17にスイッチSW215が閉じると、電源E21の電圧値が容量素子C212に入力される。すると、電源E21の電圧値に応じた電荷量と、既に容量素子C212に蓄積された電荷量との差分が、容量素子C214に蓄積される。そして、アンプA21の反転入力端子には、容量素子C214に蓄積された電荷量に応じた電圧値が入力される。この電圧値は、電源E21の電圧値とリセット電圧値との差分に応じたものとなる。
【0037】
差動増幅部21において、時刻t17以降、アンプA21の非反転入力端子の入力電圧値と反転入力端子の入力電圧値との差分に応じた電圧値の信号が、アンプA21の負側の差動出力端子および正側の差動出力端子から出力される。アンプA21には中心電圧値が設定されており、正側の差動出力端子および負側の差動出力端子から出力される電圧値は下記(1)式および(2)式で表すことができる。ここで、正側の差動出力端子からの出力電圧値をVo+とし、負側の差動出力端子からの出力電圧値をVo−とし、非反転入力端子の入力電圧値をVi+とし、反転入力端子の入力電圧値をVi−とし、アンプA21の中心電圧値をVcomとする。
【0038】
o+=+(Vi+−Vi−)/2−(VE21−Vr)/2+Vcom …(1)
【0039】
o−=−(Vi+−Vi−)/2−(VE21−Vr)/2+Vcom …(2)
【0040】
非反転入力端子の入力電圧値Vi+は、信号電圧値である。反転入力端子の入力電圧値Vi−は、電源E21の電圧値とリセット電圧値との差分に応じたものである。ここで、VE21は、電源E21の電圧値であり、Vrは、積分回路10のリセット信号レベル電圧である。したがって、上記(1)式および(2)式で表される正側の差動出力端子からの出力電圧値Vo+および負側の差動出力端子からの出力電圧値Vo−は、オフセット誤差等が除去されて、S/N比が優れたものとなる。時刻t17より後の或る時刻に差動増幅部21の負側の差動出力端子から出力される電圧値は第1可変容量部22Aへ出力され、差動増幅部21の正側の差動出力端子から出力される電圧値は第2可変容量部22Bへ出力される。
【0041】
続いて、第1可変容量部22A、第2可変容量部22B、比較部23および接続制御部24それぞれの動作について説明する。これらは、上記時刻t17より後に、6ビットの逐次比較型AD変換回路として動作する。すなわち、第1可変容量部22Aおよび第2可変容量部22Bそれぞれにおいて、上記時刻t17より後の或る時刻に、スイッチSW228が閉じて共通点P,Pは接地電位に接続され、また、スイッチSW221〜SW227により容量素子C221〜C227は差動増幅部21の出力端子に接続される。
【0042】
その後、第1可変容量部22Aにおいて、スイッチSW228が開くと、差動増幅部21の負側の差動出力端子からの出力電圧値に応じた量の電荷が、容量素子C221〜C227の第1共通点P側に蓄積される。また、第2可変容量部22Bにおいて、スイッチSW228が開くと、差動増幅部21の正側の差動出力端子からの出力電圧値に応じた量の電荷が、容量素子C221〜C227の第2共通点P側に蓄積される。
【0043】
そして、第1可変容量部22Aおよび第2可変容量部22Bそれぞれにおいて、スイッチSW221〜SW227により容量素子C221〜C227は第2基準電位Vref2に接続される。この状態では、第1共通点Pと第2共通点Pとの間の電位差(すなわち、比較部23に入力される2つの電圧値の差)は、差動増幅部21の負側の差動出力端子および正側の差動出力端子それぞれから出力される電圧値の差となっている。
【0044】
その後、比較部23により、第1共通点Pおよび第2共通点Pそれぞれの電位が大小比較され、当該比較結果を表す比較信号が接続制御部24へ出力される。比較信号が入力された接続制御部24により、その比較信号に基づいて、第1共通点Pおよび第2共通点Pそれぞれの電位の差が小さくなるように、第1可変容量部22Aおよび第2可変容量部22Bそれぞれに含まれるスイッチSW221〜SW226それぞれによる第1基準電位Vref1と第2基準電位Vref2との間の接続切替が制御される。これに際して、容量値が大きい容量素子から順に、すなわち、容量素子C221〜C226の順に、対応するスイッチの接続状態が決定されていく。
【0045】
そして、第1共通点Pおよび第2共通点Pそれぞれの電位の差が最小となるようにスイッチSW221〜SW226それぞれの接続状態が決定された後、これら各スイッチの接続状態を表す6ビットのデジタル値が接続制御部24から出力される。接続制御部24から出力されるデジタル値は、パラレルデータであってもよいが、シリアルデータであってもよい。この6ビットのデジタル値のうち、最上位ビットのデータはスイッチSW221の接続状態を表し、第2ビットのデータはスイッチSW222の接続状態を表し、第3ビットのデータはスイッチSW223の接続状態を表し、第4ビットのデータはスイッチSW224の接続状態を表し、第5ビットのデータはスイッチSW225の接続状態を表し、最下位ビットのデータはスイッチSW226の接続状態を表す。
【0046】
このようにして、差動増幅部21の負側の差動出力端子および正側の差動出力端子それぞれから差動信号として出力された電圧値は、第1可変容量部22A,第2可変容量部22B,比較部23および接続制御部24により、6ビットのデジタル値にAD変換されて接続制御部24から出力される。このとき、第1共通点Pと第2共通点Pとの間の電位差は、変換後のデジタル値が表す電圧値と入力電圧値との差を表している。したがって、この電圧差を2倍に増幅したものに対して上記と同様に逐次比較型のAD変換を行えば、最初の6ビットに続く6ビットのデジタル値が得られる。
【0047】
そこで、最初の6ビットが決定された後に、差動増幅部21において、スイッチSW213およびSW214が一旦閉じて、容量素子C213およびC214が放電されて、負側の差動出力端子および正側の差動出力端子それぞれの出力電圧値が初期化され、その後、スイッチSW213およびSW214が開く。そして、第1帰還部25Aおよび第2帰還部25Bそれぞれにおいて、スイッチSW25が一旦閉じた後に開く。これにより、差動増幅部21の反転出力端子および非反転出力端子それぞれの出力電圧値の差は、第1共通点Pと第2共通点Pとの間の電位差の2倍となっている。この差動増幅部21の出力電圧値は、上記と同様にして、逐次比較型AD変換回路(第1可変容量部22A、第2可変容量部22B、比較部23および接続制御部24からなる。)により、6ビットのデジタル値に変換される。
【0048】
以上のようにして、AD変換回路20において、積分回路10から出力された電圧値は12ビットのデジタル値に変換される。また、一般に、第1帰還部25Aおよび第2帰還部25Bによる(k−1)回の帰還により逐次比較型のAD変換がk回行われることにより、積分回路10から出力された電圧値は6kビットのデジタル値に変換される。
【0049】
なお、複数組のフォトダイオードPDおよびスイッチSWに対して1組の積分回路10およびAD変換回路20が設けられている場合には、複数のフォトダイオードPDそれぞれについて順次に上記のような動作が行われる。また、複数組のフォトダイオードPDおよびスイッチSWが2次元配列されていて、その列毎に1組の積分回路10およびAD変換回路20が設けられている場合には、或る期間では或る行に有る全てのフォトダイオードPDについて上記のような動作が行われ、続く期間では次の行に有る全てのフォトダイオードPDについて上記のような動作が行われる。そして、この場合の光検出装置1は、2次元撮像装置として動作して、オフセット誤差等が除去されてS/N比が優れた2次元画像を撮像することができる。
【0050】
このように本実施形態では、出力すべきデジタル値のビット数に対して、第1可変容量部22Aおよび第2可変容量部22Bそれぞれに含まれる容量素子の個数を少なくすることができるので、第1可変容量部22Aおよび第2可変容量部22Bそれぞれを小型化することが可能であり、ひいては、AD変換回路20および光検出装置1それぞれをも小型化することが可能であり、集積化する場合にはチップ面積を小さくすることができる。また、第1可変容量部22Aおよび第2可変容量部22Bそれぞれに含まれる容量素子の個数が削減されることにより、各容量素子の容量値を高精度のものとすることができて、AD変換の精度を高くすることができる。さらに、本実施形態では、差動増幅部21がアンプA21の周りに抵抗器を有していないので、差動増幅部21における熱雑音が抑制され、また、消費電力も抑制され得る。
【0051】
また、本実施形態では、差動増幅部21にスイッチSW215および電源E21が設けられていることにより、差動増幅部21の出力レンジが拡大され得る。図4は、本実施形態に係るAD変換回路20に含まれる差動増幅部21の動作を説明するタイミングチャートである。この図には、(a) スイッチSW215および電源E21を含む本実施形態の差動増幅部21のアンプA21の正側の差動出力端子からの出力電圧値が示されており、また、(b) スイッチSW215および電源E21を含まない比較例の差動増幅部のアンプA21の正側の差動出力端子からの出力電圧値も示されている。
【0052】
電源E21の出力電圧値を3.5Vとし、アンプA21の中心電圧値Vcomを2.5Vとし、アンプA21の非反転入力端子の入力電圧値Vi+を0.2V〜3.2V(ただし、リセットレベルに対する相対値)とした場合、図4(a)に示されるように、非反転出力端子からの出力電圧値Vo+は1.6V〜3.1Vとなる。この値は、先に述べた(1)式から算出される。また、(1)式によれば、非反転入力端子の入力電圧値Vi+が0Vのとき、正側の差動出力端子からの出力電圧値Vo+は1.5Vである。つまり、アンプA21の正側の差動出力端子では1.5V以上の出力が可能である。なお、アンプA21の負側の差動出力端子の出力レンジも上記(2)式を用いて算出することができる。負側の差動出力端子では3.1V以下の出力が可能である。
【0053】
一方、スイッチSW215および電源E21を含まない比較例の差動増幅部では、アンプA21の反転入力端子にはリセット電圧値が入力されることとなる。リセット電圧値はほぼ0Vであるので、正側の差動出力端子および負側の差動出力端子からの出力電圧値は下記(3)式および(4)式で表すことができる。ここで、上記(1)式および(2)式と同様に、正側の差動出力端子からの出力電圧値をVo+とし、負側の差動出力端子からの出力電圧値をVo−とし、非反転入力端子の入力電圧値をVi+とし、反転入力端子の入力電圧値をVi−とし、アンプA21の中心電圧値をVcomとする。
【0054】
o+=+Vi+/2+Vcom …(3)
【0055】
o−=−Vi+/2+Vcom …(4)
【0056】
上記(3)式において、アンプA21の中心電圧値Vcomを2.5Vとし、アンプA21の非反転入力端子の入力電圧値Vi+を0.2V〜3.2V(ただし、リセットレベルに対する相対値)とした場合、図4(b)に示されるように、正側の差動出力端子からの出力電圧値Vo+は2.6V〜4.1Vとなる。また、(3)式によれば、非反転入力端子の入力電圧値Vi+が0Vのとき、正側の差動出力端子からの出力電圧値Vo+は2.5Vである。つまり、アンプA21の正側の差動出力端子では2.5V未満の出力は不可能である。なお、アンプA21の負側の差動出力端子の出力レンジについては上記(4)式を用いて算出することができる。負側の差動出力端子では2.5Vを超える出力が不可能である。
【0057】
スイッチSW215および電源E21を含まない比較例の差動増幅部の動作と対比することで判るように、差動増幅部21がスイッチSW215および電源E21を含む本実施形態では、差動増幅部21に含まれるアンプA21の正側の差動出力端子および負側の差動出力端子の出力レンジが拡大されている。
【0058】
なお、本実施形態に係る光検出装置1またはAD変換回路20では、差動増幅部21をCDS回路として機能させないようにすることもできる。図5は、差動増幅部21をCDS回路として機能させない場合における本実施形態に係る光検出装置1の動作を説明するタイミングチャートである。この図に示される時刻t11〜t13,t15〜t17は、図3に示される時刻t11〜t13,t15〜t17と同一である。図5(a)〜(f)は、図3(a)〜(f)とほぼ同一であるが、図5(c)に示されるスイッチSW211が時刻t12で開く点において、図3と異なっている。
【0059】
スイッチSW211が時刻t12に開くと、容量素子C212にはリセット電圧値に応じた量の電荷が蓄積される。時刻t16にスイッチSW213が開き、時刻t17にスイッチSW211が閉じると、オフセット電圧値が重畳された信号電圧値とリセット電圧値との差分がアンプA21の非反転入力端子に入力される。この場合、アンプA21の負側の差動出力端子および正側の差動出力端子は、図5(h)及び(i)に示されるように、オフセット電圧値が重畳された信号電圧値に応じた差動信号を出力することとなる。このように、スイッチSW211を閉じるタイミングを変えることによって、差動増幅部21をCDS回路として機能させないようにすることができる。よって、本実施形態に係る光検出装置1およびAD変換回路20は、オフセット電圧値の除去を要しない場合にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態に係る光検出装置1の構成図である。
【図2】本実施形態に係るAD変換回路20の回路図である。
【図3】本実施形態に係る光検出装置1の動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】本実施形態に係るAD変換回路20に含まれる差動増幅部21の動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】本実施形態に係る光検出装置1の他の動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1…光検出装置、10…積分回路、20…AD変換回路、21…差動増幅部、22A…第1可変容量部、22B…第2可変容量部、23…比較部、24…接続制御部、25A…第1帰還部、25B…第2帰還部、90…制御部、A…アンプ、C…容量素子、PD…フォトダイオード、SW…スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の入力端子ならびに第1および第2の出力端子を有するアンプと,第1〜第4の容量素子と,第1〜第4のスイッチとを含み、前記第1スイッチの一端が前記第1容量素子を介して前記アンプの前記第1入力端子に接続され、前記第2スイッチの一端が前記第2容量素子を介して前記アンプの前記第2入力端子に接続され、前記第3スイッチおよび前記第3容量素子が前記アンプの前記第1入力端子と前記第1出力端子との間に並列的に設けられ、前記第4スイッチおよび前記第4容量素子が前記アンプの前記第2入力端子と前記第2出力端子との間に並列的に設けられた差動増幅部と、
互いに異なる容量値(C,…,2n-1C,…,2N-1C)を有するN個の容量素子を含み、前記N個の容量素子それぞれの一端が第1接続切替手段により前記アンプの前記第1出力端子,第1基準電位または第2基準電位に接続され、前記N個の容量素子それぞれの他端が第1共通点に接続された第1可変容量部と、
互いに異なる容量値(C,…,2n-1C,…,2N-1C)を有するN個の容量素子を含み、前記N個の容量素子それぞれの一端が第2接続切替手段により前記アンプの前記第2出力端子,前記第1基準電位または前記第2基準電位に接続され、前記N個の容量素子それぞれの他端が第2共通点に接続された第2可変容量部と、
前記第1および第2の共通点それぞれの電位を入力して大小比較し、当該比較結果を表す比較信号を出力する比較部と、
前記比較部から出力された比較信号を入力し、その比較信号に基づいて、前記第1および第2の共通点それぞれの電位の差が小さくなるように、前記第1および第2の接続切替手段それぞれによる接続切替を制御するとともに、前記第1および第2の接続切替手段それぞれにおける接続状態を表すNビットのデジタル値を出力する接続制御部と、
第1帰還容量素子および第1帰還スイッチを含み、前記第1帰還容量素子の一端が前記第1帰還スイッチを介して前記第1共通点に接続され、前記第1帰還容量素子の他端が前記アンプの前記第1入力端子に接続された第1帰還部と、
第2帰還容量素子および第2帰還スイッチを含み、前記第2帰還容量素子の一端が前記第2帰還スイッチを介して前記第2共通点に接続され、前記第2帰還容量素子の他端が前記アンプの前記第2入力端子に接続された第2帰還部と、
を備えることを特徴とするAD変換回路(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の整数)。
【請求項2】
前記差動増幅部が、第5スイッチおよび電源を更に含み、前記電源が前記第5スイッチを介して前記第2スイッチと前記第2容量素子との接続点に接続されている、ことを特徴とする請求項1記載のAD変換回路。
【請求項3】
入射光量に応じた量の電荷を発生するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードで発生した電荷を入力し蓄積して当該蓄積電荷量に応じた電圧値を出力端から出力する積分回路と、
請求項1または請求項2に記載のAD変換回路と、
を備え、
前記AD変換回路に含まれる前記差動増幅部の前記第1および第2のスイッチが前記積分回路の前記出力端に接続されている、
ことを特徴とする光検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−66986(P2008−66986A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−241818(P2006−241818)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】