説明

Al2O3−La2O3−Y2O3−MgOセラミックおよびその製造方法

Al−La−Y−MgOセラミック(ガラス、結晶質セラミック、およびガラスセラミックを含む)およびその製造方法。本発明によるセラミックを、ガラスビーズ、物品(たとえば、プレート)、繊維、粒子、および薄いコーティングとして、製造、形成するか、それらに変換することができる。粒子および繊維は、たとえば、熱絶縁体、充填剤、または複合材(たとえば、セラミック、金属、またはポリマーマトリックス複合材)中の強化材料として有用である。薄いコーティングは、たとえば、磨耗を伴う用途における保護コーティングとして、および熱管理のために有用であることができる。本発明によるセラミック粒子のいくつかの実施形態は、研磨粒子として特に有用であることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多数のガラス材料およびガラスセラミック材料が知られている。大多数の酸化物ガラス系は、ガラスの形成を助けるために、SiO、B、P、GeO、TeO、As、およびVなどの周知のガラス形成剤を使用する。これらのガラス形成剤で形成されたガラス組成物のいくつかを熱処理して、ガラスセラミックを形成することができる。そのようなガラス形成剤から形成されたガラスおよびガラスセラミックの高い方の使用温度は、一般に1200℃未満、典型的には約700〜800℃である。ガラスセラミックは、それらが形成されるガラスより耐温度性である傾向がある。
【0002】
さらに、既知のガラスおよびガラスセラミックの多くの特性が、ガラス形成剤の固有の特性によって制限される。たとえば、SiO、B、およびP−ベースのガラスおよびガラスセラミックの場合、ヤング率、硬度、および強度は、比較的低い。そのようなガラスおよびガラスセラミックは、一般に、たとえばAlまたはZrOと比較して、劣った機械的特性を有する。
【0003】
希土類酸化物−酸化アルミニウムをベースとしたガラスなどの、いくつかのより従来的でないまたは非従来的なガラス(たとえば、特許文献1(ウェーバー(Weber))、および2000年2月15日に公開された特許文献2を参照のこと)が知られており、付加的な新規なガラスおよびガラスセラミック、ならびに既知のおよび新規なガラスおよびガラスセラミックの両方のための新規な用途における使用が望ましい。
【特許文献1】米国特許第6,482,758号明細書
【特許文献2】特開2000−45129号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ガラス(ガラスを含むセラミックを含む)およびガラスセラミックなどのセラミックを提供する。
【0005】
一態様において、本発明は、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスであって、ガラスの総重量を基準にして、ガラスの少なくとも70(いくつかの実施形態において、少なくとも75、80、85、90、95、97、98、99、またはさらには100)重量パーセントが、合計で、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、Al、La、Y、およびMgOの合計重量の少なくとも70(いくつかの実施形態において、少なくとも75、80、85、またはさらには少なくとも90)重量パーセントが、Alである、ガラスを提供する。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラスの総重量を基準にして、合計で30重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、25、20、15、10、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiO、B、およびPを含む。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラスの総重量を基準にして、10重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiOを含む。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラスの総重量を基準にして、10重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiOと、10重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、10、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のBとを含む。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラスの総重量を基準にして、合計で10重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiO、B、およびPを含む。いくつかの実施形態において、ガラスが、ガラスの総重量を基準にして、10重量パーセントまで(いくつかの実施形態において、0.5から10、0.5から5、0.5から2、またはさらには0.5から1の範囲内)のSiOを含むことが望ましい。
【0006】
別の態様において、本発明は、本発明によるガラスを製造するための方法を提供する。本発明によるガラスを製造するための1つの例示的な方法において、方法は、少なくともAl、La、Y、およびMgOの源を含む溶融物を提供する(たとえば、少なくともAl、La、Y、およびMgOの源を溶融して、溶融物を提供する)工程と、溶融物を冷却して、ガラスを提供する工程とを含む。別の態様において、本発明は、本発明による、ガラスを含むセラミックを製造するための方法であって、少なくともAl、La、Y、およびMgOの源を含む溶融物を提供する(たとえば、少なくともAl、La、Y、およびMgOの源を溶融して、溶融物を提供する)工程と、溶融物を冷却して、セラミックを提供する工程とを含む方法を提供する。
【0007】
別の態様において、本発明は、本発明によるガラスを含む物品を製造するための方法を提供する。そのような物品を製造するための別の例示的な方法において、方法は、
少なくともAl、La、Y、およびMgOの源を含む溶融物を提供する(たとえば、少なくともAl、La、Y、およびMgOの源を溶融して、溶融物を提供する)工程と、
溶融物を冷却して、本発明によるガラスを含むガラスビーズを提供する工程であって、ガラスがTを有する工程と、
ガラスビーズが合体して形状を形成するように、ガラスビーズをTより高く加熱する工程と、
合体した形状を冷却して、物品を提供する工程とを含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、本発明によるガラスを含む物品を製造するための方法を提供する。そのような物品を製造するための1つの例示的な方法において、方法は、
少なくともAl、La、Y、およびMgOの源を含む溶融物を提供する(たとえば、少なくともAl、La、Y、およびMgOの源を溶融して、溶融物を提供する)工程と、
溶融物を冷却して、本発明によるガラスを含むガラスビーズを提供する工程であって、ガラスがTを有する工程と、
ガラスビーズを破砕して、ガラス粉末を提供する工程と、
ガラス粉末が合体して形状を形成するように、ガラス粉末をTより高く加熱する工程と、
合体した形状を冷却して、物品を提供する工程とを含む。
【0009】
別の態様において、本発明は、ガラスセラミックであって、ガラスセラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、ガラスセラミックの総重量を基準にして、ガラスセラミックの少なくとも70(いくつかの実施形態において、少なくとも75、80、85、90、95、97、98、99、またはさらには100)重量パーセントが、合計で、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、Al、La、Y、およびMgOの合計重量の少なくとも70(いくつかの実施形態において、少なくとも75、80、85、またはさらには少なくとも90)重量パーセントが、Alである、ガラスセラミックを提供する。いくつかの実施形態において、ガラスセラミックは、ガラスセラミックの総重量を基準にして、合計で30重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、25、20、15、10、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiO、B、およびPを含む。いくつかの実施形態において、ガラスセラミックは、ガラスセラミックの総重量を基準にして、10重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiOを含む。いくつかの実施形態において、ガラスセラミックは、ガラスセラミックの総重量を基準にして、10重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiOと、10重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のBとを含む。いくつかの実施形態において、ガラスセラミックは、ガラスセラミックの総重量を基準にして、合計で10重量パーセント以下(いくつかの実施形態において、5、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiO、B、およびPを含む。いくつかの実施形態において、ガラスセラミックが、ガラスの総重量を基準にして、10重量パーセントまで(いくつかの実施形態において、0.5から10、0.5から5、0.5から2、またはさらには0.5から1の範囲内)のSiOを含むことが望ましい。
【0010】
別の態様において、本発明は、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスセラミックであって、セラミックが、(a)平均微結晶サイズが1マイクロメートル未満(いくつかの実施形態において、500ナノメートル、400ナノメートル、300ナノメートル、250ナノメートル、200ナノメートル、150ナノメートル未満、またはさらには100ナノメートル未満)の微結晶を含む微細構造を示し、(b)共晶微細構造特徴がなく、Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する(典型的には、Yの少なくとも25(いくつかの実施形態において、少なくとも50、75、またはさらには100)重量パーセントが、別個の結晶質相として存在する)、ガラスセラミックを提供する。「別個の結晶質相」は、別の別個の結晶質相とともに固溶体中に存在する相と異なり、X線回折によって検出可能な結晶質相(結晶質複合金属酸化物を含む)である。たとえば、YまたはCeOなどの酸化物が、結晶質ZrOとともに固溶体中にあり、相安定剤として役立つことがあることが周知である。そのような場合のYまたはCeOは、別個の結晶質相でない。
【0011】
別の態様において、本発明は、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスセラミックであって、ガラスセラミックが、(a)平均微結晶サイズが200ナノメートル未満(いくつかの実施形態において、150ナノメートル、またはさらには100ナノメートル未満)の微結晶を含む微細構造を示し、(b)密度が理論密度の少なくとも90%(いくつかの実施形態において、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%)であり、Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する(典型的には、Yの少なくとも25(いくつかの実施形態において、少なくとも50、75、またはさらには100)重量パーセントが、別個の結晶質相として存在する)、ガラスセラミックを提供する。
【0012】
別の態様において、本発明は、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスセラミックであって、ガラスセラミックが、(a)微結晶を含む微細構造を示し、微結晶のいずれもサイズが200ナノメートルを超えず(いくつかの実施形態において、150ナノメートル以下であり)、(b)密度が理論密度の少なくとも90%(いくつかの実施形態において、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%)であり、Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する(典型的には、Yの少なくとも25(いくつかの実施形態において、少なくとも50、75、またはさらには100)重量パーセントが、別個の結晶質相として存在する)、ガラスセラミックを提供する。
【0013】
別の態様において、本発明は、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスセラミックであって、ガラスセラミックが、(a)微結晶を含む微細構造を示し、微結晶の少なくとも一部がサイズが150ナノメートル以下であり(いくつかの実施形態において、100ナノメートル以下であり)、(b)密度が理論密度の少なくとも90%(いくつかの実施形態において、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%)であり、Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する(典型的には、Yの少なくとも25(いくつかの実施形態において、少なくとも50、75、またはさらには100)重量パーセントが、別個の結晶質相として存在する)、ガラスセラミックを提供する。
【0014】
別の態様において、本発明は、少なくとも75(いくつかの実施形態において、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、またはさらには100)体積パーセントの結晶質セラミックを含むセラミックであって、結晶質セラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、セラミックが、(a)平均微結晶サイズが200ナノメートル未満(いくつかの実施形態において、150ナノメートル未満、またはさらには100ナノメートル未満)の微結晶を含む微細構造を示し、(b)密度が理論密度の少なくとも90%(いくつかの実施形態において、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%)であり、Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する(典型的には、Yの少なくとも25(いくつかの実施形態において、少なくとも50、75、またはさらには100)重量パーセントが、別個の結晶質相として存在する)、セラミックを提供する。
【0015】
別の態様において、本発明は、少なくとも75(いくつかの実施形態において、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、またはさらには100)体積パーセントの結晶質セラミックを含むセラミックであって、結晶質セラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、セラミックが、(a)微結晶を含む微細構造を示し、微結晶のいずれもサイズが200ナノメートルを超えず(いくつかの実施形態において、150ナノメートル以下であり、またはさらには100ナノメートル以下であり)、(b)密度が理論密度の少なくとも90%(いくつかの実施形態において、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%)であり、Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する(典型的には、Yの少なくとも25(いくつかの実施形態において、少なくとも50、75、またはさらには100)重量パーセントが、別個の結晶質相として存在する)、セラミックを提供する。
【0016】
別の態様において、本発明は、少なくとも75(いくつかの実施形態において、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、またはさらには100)体積パーセントの結晶質セラミックを含むセラミックであって、結晶質セラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、セラミックが、(a)微結晶を含む微細構造を示し、微結晶の少なくとも一部がサイズが150ナノメートル以下(いくつかの実施形態において、100ナノメートル以下)であり、(b)密度が理論密度の少なくとも90%(いくつかの実施形態において、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%)であり、Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する(典型的には、Yの少なくとも25(いくつかの実施形態において、少なくとも50、75、またはさらには100)重量パーセントが、別個の結晶質相として存在する)、セラミックを提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は、少なくとも75(いくつかの実施形態において、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、またはさらには100)体積パーセントの結晶質セラミックを含むセラミックであって、結晶質セラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、セラミックが、(a)サイズが200ナノメートル以下(いくつかの実施形態において、150ナノメートル以下、またはさらには100ナノメートル以下)の平均微結晶サイズを有する微結晶を含む微細構造を示し、(b)密度が理論密度の少なくとも90%(いくつかの実施形態において、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%)であり、Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する(典型的には、Yの少なくとも25(いくつかの実施形態において、少なくとも50、75、またはさらには100)重量パーセントが、別個の結晶質相として存在する)、セラミックを提供する。
【0018】
別の態様において、本発明は、本発明によるガラスセラミックを製造するための方法を提供する。本発明によるガラスセラミックを製造するための1つの例示的な方法において、方法は、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラス(典型的には、本発明によるガラス)を熱処理して、ガラスの少なくとも一部をガラスセラミックに変換する(すなわち、ガラスの少なくとも一部が結晶化する)工程を含む。別の態様において、本発明は、本発明によるガラスセラミックを製造するための方法であって、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラス(典型的には、本発明によるガラス)を含むセラミックを熱処理して、ガラスの少なくとも一部をガラスセラミックに変換する工程を含む。
【0019】
別の態様において、本発明は、ガラスセラミック物品を製造するための方法を提供する。そのような物品を製造するための1つの例示的な方法において、方法は、
ガラスビーズを提供する工程であって、ガラスが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み(典型的には、本発明によるガラス)、ガラスがTを有する工程と、
ガラスビーズが合体して形状を形成するように、ガラスビーズをTより高く加熱する工程と、
合体した形状を冷却して、物品を提供する工程と、
ガラス物品を熱処理して、ガラスの少なくとも一部をガラスセラミックに変換し、ガラスセラミック物品を提供する工程とを含む。
【0020】
ガラスセラミック物品を製造するための別の例示的な方法において、方法は、
ガラス粉末を提供する(たとえば、ガラス(たとえば、ガラスビーズ)を破砕してガラス粉末を提供する)工程であって、ガラスが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み(典型的には、本発明によるガラス)、ガラスがTを有する工程と、
ガラス粉末が合体して形状を形成するように、ガラス粉末をTより高く加熱する工程と、
合体した形状を冷却して、ガラス物品を提供する工程と、
ガラス物品を熱処理して、ガラスの少なくとも一部をガラスセラミックに変換し、ガラスセラミック物品を提供する工程とを含む。
【0021】
本発明によるセラミックのいくつかの実施形態は、セラミックの総体積を基準にして、たとえば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、またはさらには100体積パーセントの量で、ガラス(たとえば、ガラスセラミックのガラス)を含んでもよい。本発明によるセラミックのいくつかの実施形態は、セラミックの総体積を基準にして、たとえば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、またはさらには100体積パーセントの結晶質セラミック(たとえば、ガラスセラミックの結晶質セラミック)を含んでもよい。
【0022】
本出願において
「非晶質材料」とは、X線回折によって定められるような長い範囲の結晶構造が少しもなく、および/または、「示差熱分析」という名称のここで説明されるテストによって定められるようなDTA(示差熱分析)によって定められるような非晶質材料の結晶化に対応する発熱ピークを有する、溶融物および/または蒸気相から得られる材料を指し、
「セラミック」は、ガラス、結晶質セラミック、ガラスセラミック、およびそれらの組合せを含み、
「複合金属酸化物」とは、2つ以上の異なった金属要素と、酸素とを含む金属酸化物(たとえば、CeAl1118、DyAl12、MgAl、およびYAl12)を指し、
「複合Al・金属酸化物」とは、理論的酸化物ベースで、Alと、Al以外の1つ以上の金属要素とを含む複合金属酸化物(たとえば、CeAl1118、DyAl12、MgAl、およびYAl12)を指し、
「複合Al・Y」とは、理論的酸化物ベースで、Alと、Yとを含む複合金属酸化物(たとえば、YAl12)を指し、
「複合Al・REO」とは、理論的酸化物ベースで、Alと、希土類酸化物とを含む複合金属酸化物(たとえば、CeAl1118およびDyAl12)を指し、
「ガラス」とは、ガラス転移温度を示す非晶質材料を指し、
「ガラスセラミック」とは、ガラスを熱処理することによって形成された結晶を含むセラミックを指し、
「T」とは、「示差熱分析」という名称のここで説明されるテストによって定められるようなガラス転移温度を指し、
「T」とは、「示差熱分析」という名称のここで説明されるテストによって定められるような結晶化温度を指し、
「希土類酸化物」とは、酸化セリウム(たとえば、CeO)、酸化ジスプロシウム(たとえば、Dy)、酸化エルビウム(たとえば、Er)、酸化ユウロピウム(たとえば、Eu)、ガドリニウム(たとえば、Gd)、酸化ホルミウム(たとえば、Ho)、酸化ランタン(たとえば、La)、酸化ルテチウム(たとえば、Lu)、酸化ネオジム(たとえば、Nd)、酸化プラセオジム(たとえば、Pr11)、酸化サマリウム(たとえば、Sm)、テルビウム(たとえば、Tb)、酸化トリウム(たとえば、Th)、ツリウム(たとえば、Tm)、および酸化イッテルビウム(たとえば、Yb)、およびそれらの組合せを指し、
「REO」とは、希土類酸化物を指す。
【0023】
さらに、金属酸化物(たとえば、Al、複合Al・金属酸化物など)が、たとえばガラスセラミック中で、結晶質であることが記載されない限り、それが、ガラス、結晶質、または一部ガラスおよび一部結晶質であってもよいことがここで理解される。たとえば、ガラスセラミックが、AlとZrOとを含む場合、AlおよびZrOは、各々、ガラス状態、結晶質状態、または一部ガラス状態および一部結晶質状態であってもよいし、さらには別の金属酸化物との反応生成物として存在してもよい(たとえば、たとえばAlが結晶質AlまたはAlの特定の結晶質相(たとえば、アルファAl)として存在することが記載されない限り、それは、結晶質Alおよび/または1つ以上の結晶質複合Al・金属酸化物の一部として存在してもよい)。
【0024】
一般に、Al−La−Y−MgO系の典型的な利点は、比較的多い量のAl(すなわち、少なくとも70(いくつかの実施形態において、少なくとも75、80、85、またはさらには90)重量パーセント)を有するガラスを形成する能力を含み、これらの実施形態は、比較的広い作業範囲を有する(すなわち、T−Tが20℃を超える)。ガラスの実施形態を合体させて、さまざまな形状およびサイズを有するガラス物品を提供することができる。さらに、Al−La−Y−MgOベースのガラスの実施形態を結晶化して、ガラスセラミックを提供することができる。ガラスセラミックの実施形態は、非常に細かい結晶質構造(すなわち、平均微結晶サイズが、1マイクロメートル未満、いくつかの実施形態において、0.5、0.3、0.15マイクロメートル未満、さらには0.1マイクロメートル未満の、少なくとも1つの相の微結晶)および高密度(すなわち、理論密度の少なくとも90パーセント)の両方を有する。さらに、結果として生じるガラスセラミックは、典型的には、平均硬度が、少なくとも15GPaであり、いくつかの場合、16、17、18、19、またはさらには20GPaを超える。
【0025】
本発明によるセラミックのいくつかの実施形態を、ビーズ(たとえば、直径が少なくとも1マイクロメートル、5マイクロメートル、10マイクロメートル、25マイクロメートル、50マイクロメートル、100マイクロメートル、150マイクロメートル、250マイクロメートル、500マイクロメートル、750マイクロメートル、1mm、5mm、またはさらには少なくとも10mmのビーズ)、物品(たとえば、プレート)、繊維、粒子、およびコーティング(たとえば、薄いコーティング)として、製造、形成するか、それらに変換することができる。ビーズは、たとえば、再帰反射シーティングなどの反射デバイスに、英数字プレート、および舗道マーキングに有用であることができる。粒子および繊維は、たとえば、熱絶縁体、充填剤、または複合材(たとえば、セラミック、金属、またはポリマーマトリックス複合材)中の強化材料として有用である。薄いコーティングは、たとえば、磨耗を伴う用途における保護コーティングとして、および熱管理のために有用であることができる。本発明による物品の例としては、キッチンウェア(たとえば、プレート)、歯科用ブラケット、および強化繊維、切断工具インサート、研磨材料、およびガスエンジンの構造的構成要素、(たとえば、バルブおよびベアリング)が挙げられる。他の物品としては、本体または他の基材の外面上にセラミックの保護コーティングを有するものが挙げられる。本発明による特定のセラミック粒子は、研磨粒子として特に有用であることができる。研磨粒子は、研磨物品に組入れることができるか、ルースな形態で使用することができる。
【0026】
研磨粒子は、通常、使用前、所与の粒度分布に分級される。そのような分布は、典型的には、粗い粒子から細かい粒子の粒度の範囲を有する。研磨技術において、この範囲は、「粗い」フラクション、「対照」フラクション、および「細かい」フラクションと呼ばれることがある。産業承認分級規格に従って分級された研磨粒子は、数値範囲内の各公称グレードの粒度分布を規定する。そのような産業承認分級規格(すなわち、規定された公称グレード)としては、アメリカ規格協会(the American National Standards Institute, Inc.)(ANSI)規格、欧州研磨製品製造業者連盟(Federation of European Producers of Abrasive Products)(FEPA)規格、および日本工業規格(Japanese Industrial Standard)(JIS)規格として知られているものが挙げられる。一態様において、本発明は、規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、複数の研磨粒子の少なくとも一部が、本発明による研磨粒子である、複数の研磨粒子を提供する。いくつかの実施形態において、複数の研磨粒子の総重量を基準にして、複数の研磨粒子の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50 55、60、65、70、75、80、85、90、95、またはさらには100重量パーセントが、本発明による研磨粒子である。
【0027】
別の態様において、本発明は、本発明によるガラスセラミックを含む研磨粒子(ガラスセラミック研磨粒子を含む)を提供する。本発明は、また、規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、複数の研磨粒子の少なくとも一部が、本発明による研磨粒子である、複数の研磨粒子を提供する。別の態様において、本発明は、バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品(たとえば、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品)であって、研磨粒子の少なくとも一部が、本発明による研磨粒子である、研磨物品を提供する。
【0028】
別の態様において、本発明は、研磨粒子を製造するための方法を提供する。研磨粒子を製造するための1つの例示的な方法において、方法は、ガラス粒子を熱処理して、ガラスの少なくとも一部をガラスセラミックに変換し、本発明による研磨粒子を提供する工程であって、ガラスが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含む工程を含む。いくつかの実施形態において、方法は、本発明による研磨粒子を分級して、規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子を提供する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、熱処理すべきガラス粒子は、規定された公称グレードを有する複数の粒子として提供され、粒子の少なくとも一部が、複数のガラス粒子である。
【0029】
研磨粒子を製造するための別の例示的な方法において、方法は、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスを含む粒子を熱処理して、ガラスの少なくとも一部をガラスセラミックに変換し、本発明による研磨粒子を提供する工程を含む。いくつかの実施形態において、方法は、本発明による研磨粒子を分級して、規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子を提供する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、熱処理すべきガラスを含む粒子は、規定された公称グレードを有する複数の粒子として提供され、粒子の少なくとも一部が、複数の、ガラスを含む粒子である。
【0030】
研磨粒子を製造するための別の例示的な方法において、方法は、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスを熱処理して、ガラスの少なくとも一部をガラスセラミックに変換する工程と、ガラスセラミックを破砕して、本発明による研磨粒子を提供する工程とを含む。いくつかの実施形態において、方法は、研磨粒子を分級して、規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子を提供する工程をさらに含む。
【0031】
研磨粒子を製造するための別の例示的な方法において、方法は、Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスを含むセラミックを熱処理して、ガラスの少なくとも一部をガラスセラミックに変換する工程と、ガラスセラミックを破砕して、本発明による研磨粒子を提供する工程とを含む。いくつかの実施形態において、方法は、本発明による研磨粒子を分級して、規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子を提供する工程をさらに含む。
【0032】
本発明による研磨物品は、バインダーと、複数の研磨粒子とを含み、研磨粒子の少なくとも一部が、本発明による研磨粒子である。例示的な研磨製品としては、被覆研磨物品、結合研磨物品(たとえば、ホイール)、不織研磨物品、および研磨ブラシが挙げられる。被覆研磨物品は、典型的には、第1および第2の対向した主面を有するバッキングを含み、バインダーおよび複数の研磨粒子は、第1の主面の少なくとも一部の上に研磨層を形成する。
【0033】
いくつかの実施形態において、研磨物品の研磨粒子の総重量を基準にして、研磨物品の研磨粒子の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、またはさらには100重量パーセントが、本発明による研磨粒子である。
【0034】
本発明は、また、表面を研磨する方法であって、
本発明による研磨粒子をワークピースの表面と接触させる工程と、
本発明による研磨粒子または接触表面の少なくとも一方を移動させて、表面の少なくとも一部を、本発明による研磨粒子の少なくとも1つで研磨する工程とを含む方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明は、新規なAl−La−Y−MgOガラスおよびガラスセラミック、ならびにそれらを製造するための方法に関する。ガラスは、必要な原料および処理技術を選択することによって調製される。
【0036】
(理論的酸化物ベースの)Alの、市販源を含む源としては、ボーキサイト(天然に存在するボーキサイトおよび合成的に生成されたボーキサイトの両方を含む)、か焼ボーキサイト、アルミナ水和物(たとえば、ベーマイトおよびギブサイト)、アルミニウム、バイヤー法アルミナ、アルミニウム鉱石、ガンマアルミナ、アルファアルミナ、アルミニウム塩、硝酸アルミニウム、およびそれらの組合せが挙げられる。Al源は、Alを含有してもよいし提供するだけでもよい。あるいは、Al源は、Al、およびAl以外の1つ以上の金属酸化物を含有してもよいし提供してもよい(複合Al・金属酸化物(たとえば、DyAl12、YAl12、CeAl1118など)の材料を含むか、複合Al・金属酸化物(たとえば、DyAl12、YAl12、CeAl1118など)を含有する)。
【0037】
(理論的酸化物ベースの)Laの、市販源を含む源としては、酸化ランタン粉末、ランタン金属、ランタン含有鉱石、ランタン塩、硝酸ランタン、および炭酸ランタンが挙げられる。酸化ランタン源は、酸化ランタン、および酸化ランタン以外の1つ以上の金属酸化物を含有してもよいし提供してもよい(複合La・他の金属酸化物の材料を含むか、複合La・他の金属酸化物を含有する)。
【0038】
(理論的酸化物ベースの)Yの、市販源を含む源としては、酸化イットリウム粉末、イットリウム、イットリウム含有鉱石、およびイットリウム塩(たとえば、炭酸イットリウム、硝酸イットリウム、塩化イットリウム、水酸化イットリウム、およびそれらの組合せ)が挙げられる。Y源は、Yを含有してもよいし提供するだけでもよい。Y源は、Y、およびY以外の1つ以上の金属酸化物を含有してもよいし提供してもよい(複合Y・金属酸化物(たとえば、YAl12)の材料を含むか、複合Y・金属酸化物(たとえば、YAl12)を含有する)。
【0039】
MgOの、市販源を含む源としては、酸化マグネシウム粉末、マグネシウム、マグネシウム含有鉱石、およびマグネシウム塩(たとえば、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、およびそれらの組合せ)が挙げられる。MgO源は、MgOを含有してもよいし提供するだけでもよい。MgO源は、MgO、およびMgO以外の1つ以上の金属酸化物を含有してもよいし提供してもよい(複合MgO・金属酸化物(たとえば、MgAl)の材料を含むか、複合MgO・金属酸化物(たとえば、MgAl)を含有する)。
【0040】
希土類酸化物の、市販源を含む源としては、希土類酸化物粉末、希土類金属、希土類含有鉱石(たとえば、バストネサイトおよびモナザイト)、希土類塩、希土類硝酸塩、および希土類炭酸塩が挙げられる。希土類酸化物源は、希土類酸化物を含有してもよいし提供するだけでもよい。希土類酸化物源は、希土類酸化物、および希土類酸化物以外の1つ以上の金属酸化物を含有してもよいし提供してもよい(複合希土類酸化物・他の金属酸化物(たとえば、DyAl12、CeAl1118など)の材料を含むか、複合希土類酸化物・他の金属酸化物(たとえば、DyAl12、CeAl1118など)を含有する)。
【0041】
他の有用な金属酸化物としては、また、理論的酸化物ベースで、BaO、CaO、Cr、CoO、Fe、GeO、HfO、LiO、MnO、NiO、NaO、Sc、SrO、TiO、ZnO、ZrO、およびそれらの組合せを挙げてもよい。市販源を含む源としては、それら自体の酸化物、金属粉末、複合酸化物、鉱石、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、水酸化物などが挙げられる。これらの金属酸化物は、結果として生じるセラミックの物理特性を修正し、および/または処理を向上させるために加えられる。これらの金属酸化物は、典型的には、たとえば所望の特性によって、セラミック材料の0から50重量%、いくつかの実施形態において0から25重量%、またはさらには0から50重量%で加えられる。
【0042】
(理論的酸化物ベースの)ZrOの、市販源を含む源としては、酸化ジルコニウム粉末、ジルコンサンド、ジルコニウム、ジルコニウム含有鉱石、およびジルコニウム塩(たとえば、炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、およびそれらの組合せ)が挙げられる。さらに、またはあるいは、ZrO源は、ZrO、およびハフニア(hafnia)などの他の金属酸化物を含有してもよいし提供してもよい。(理論的酸化物ベースの)HfOの、市販源を含む源としては、酸化ハフニウム粉末、ハフニウム、ハフニウム含有鉱石、およびハフニウム塩が挙げられる。さらに、またはあるいは、HfO源は、HfO、およびZrOなどの他の金属酸化物を含有してもよいし提供してもよい。
【0043】
ZrOとHfOとを含む実施形態の場合、ZrO:HfOの重量比は、1:ゼロ(すなわち、すべてZrO;HfOなし)からゼロ:1の範囲内、ならびに、たとえば、少なくとも約99、98、97、96、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、および5(重量)部のZrOおよび対応する量のHfO(たとえば、少なくとも約99(重量)部のZrOおよび約1部以下のHfO)、および少なくとも約99、98、97、96、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、および5部のHfOおよび対応する量のZrOであってもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、金属酸化物源の少なくとも一部(いくつかの実施形態において、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、またはさらには100重量パーセント)が、酸化物形成の負のエンタルピーを有する金属(たとえば、Al、Ca、Cu、Cr、Fe、Li、Mg、Ni、Ag、Ti、Zr、およびそれらの組合せ)Mまたはその合金の少なくとも1つを含む微粒子状金属材料を溶融物に加えるか、他の方法でそれらを他方の原料と組合せることによって得られることが有利であろう。理論に縛られることを望まないが、金属の酸化と関連する発熱反応から生じる熱が、均質な溶融物および結果として生じるガラスの形成に有益であると考えられる。たとえば、特に、x、y、およびz寸法が50(100、またはさらには150)マイクロメートルを超えるガラス粒子を形成するとき、原料内の酸化反応によって発生された付加的な熱が、不十分な熱伝達をなくすか最小にし、したがって、溶融物の形成および均質性を促進すると考えられる。付加的な熱の利用可能性が、さまざまな化学反応および物理プロセス(たとえば、高密度化、および球状化(spherodization))を完成させるのを助けるとも考えられる。さらに、いくつかの実施形態の場合、酸化反応によって発生された付加的な熱の存在が、実際に、そうでなければ、材料の高い融点によって困難であるかそうでなければ実際的でない、溶融物の形成を可能にすると考えられる。さらに、酸化反応によって発生された付加的な熱の存在は、実際に、そうでなければ製造することができないか所望のサイズ範囲で製造することができないガラスの形成を可能にする。本発明の別の利点としては、ガラスを形成する際に、溶融、高密度化、および球状化(spherodizing)などの化学および物理プロセスの多くを短い時間で行うことができ、それにより、非常に高い急冷速度を達成することができることが挙げられる。付加的な詳細については、2002年8月2日に出願された同時係属中の米国特許出願第10/211,639号明細書を参照されたい。
【0045】
本発明の一態様において、原料は、独立して供給されて、溶融混合物を形成する。本発明の別の態様において、特定の原料がともに混合され、他の原料が溶融混合物中に独立して加えられる。いくつかの実施形態において、たとえば、原料は、溶融前にともに組合されるか混合される。原料を任意の適切で既知の態様で組合せて、実質的に均質な混合物を形成してもよい。これらの組合せ技術としては、ボールミリング、混合、タンブリングなどが挙げられる。ボールミルのミリングメディアは、金属ボール、セラミックボールなどであってもよい。セラミックミリングメディアは、たとえば、アルミナ、ジルコニア、シリカ、マグネシアなどであってもよい。ボールミリングは、乾式、水環境中で、または溶媒ベースの(たとえば、イソプロピルアルコール)環境中で行われてもよい。原料バッチが金属粉末を含有する場合、ミリングの間に溶媒を使用することが一般に望ましい。この溶媒は、適切な引火点および原料を分散させる能力を有する任意の適切な材料であってもよい。ミリング時間は、数分から数日、一般に数時間から24時間であってもよい。湿式または溶媒ベースのミリングシステムにおいて、液体媒体は、典型的には乾燥させることによって除去され、それにより、結果として生じる混合物は、典型的には均質であり、実質的に水および/または溶媒がない。溶媒ベースのミリングシステムが使用される場合、乾燥の間、溶媒回収システムを使用して、溶媒をリサイクルしてもよい。乾燥後、結果として生じる混合物は、「乾燥ケーク」の形態であってもよい。次に、このケーク状混合物を、溶融前に、粉砕または破砕して所望の粒度にしてもよい。あるいは、たとえば、スプレー乾燥技術を用いてもよい。後者は、典型的には、所望の酸化物混合物の球状微粒子をもたらす。前駆体材料は、また、沈殿およびゾル−ゲルを含む湿式化学的方法によって調製してもよい。そのような方法は、非常に高いレベルの均質性が望ましい場合に有益であろう。
【0046】
微粒子原料は、典型的には、均質な溶融物の形成を急速に行うことができるような粒度を有するように選択される。典型的には、比較的小さい平均粒度および狭い分布を有する原料が、この目的のため使用される。いくつかの方法(たとえば、火炎形成およびプラズマスプレー)において、特に望ましい微粒子原料は、平均粒度が約5nmから約50マイクロメートルの範囲内(いくつかの実施形態において、約10nmから約20マイクロメートル、またはさらには約15nmから約1マイクロメートルの範囲内)であるものであり、微粒子の少なくとも90(いくつかの実施形態において、95、またはさらには100)重量パーセント、これらのサイズおよび範囲以外のサイズも有用であろう。サイズが約5nm未満の微粒子は、取扱うことが困難な傾向がある(たとえば、供給粒子の流れ特性は、供給粒子が劣った流れ特性を有する傾向があるので、望ましくない傾向があった)。典型的な火炎形成プロセスまたはプラズマスプレープロセスにおける約50マイクロメートルを超える微粒子の使用は、均質な溶融物および非晶質材料および/または所望の組成を得ることをより困難にする傾向がある。
【0047】
さらに、いくつかの場合、たとえば、微粒子材料が火炎または熱またはプラズマスプレー装置内に供給されて、溶融物を形成するとき、微粒子原料がある範囲の粒度で提供されることが望ましいであろう。理論に縛られることを望まないが、これは、供給粒子の充填密度および強度を最大にすると考えられる。一般に、最も粗い原料粒子は、所望の溶融物またはガラス粒度より小さい。さらに、粗すぎる原料粒子は、たとえば、火炎形成工程またはプラズマスプレー工程の間、供給粒子において不十分な熱応力および機械的応力を有する傾向がある。そのような場合の最終結果は、一般に、供給粒子のより小さい断片への破壊、組成の均一性の損失、所望のガラス粒度の収率の損失、またはさらには、断片が一般に熱源からの多数の方向においてそれらのトラジェクトリを変化させるので不完全な溶融である。
【0048】
ガラスおよびガラスを含むセラミックは、たとえば、適切な金属酸化物源を加熱して(火炎またはプラズマに含める)、溶融物、望ましくは均質な溶融物を形成し、次に、溶融物を急速に冷却して、ガラスを提供することによって、製造することができる。ガラスのいくつかの実施形態を、たとえば、金属酸化物源を任意の適切な炉(たとえば、誘導または抵抗加熱炉、ガス燃焼炉、または電気炉)内で溶融することによって、製造することができる。
【0049】
ガラスは、典型的には、溶融材料(すなわち、溶融物)を比較的急速に冷却することによって得られる。ガラスを得るための急冷速度(すなわち、冷却時間)は、溶融物の化学組成、成分のガラス形成能力、溶融物および結果として生じるガラスの熱特性、処理技術、結果として生じるガラスの寸法およびマス、ならびに冷却技術を含む多くの要因による。一般に、特にSiO、B、P、GeO、TeO、As、およびVなどの既知のガラス形成剤がない状態で、より多い量のAl(すなわち、75重量パーセントを超えるAl)を含むガラスを形成するために、比較的高い急冷速度が必要である。同様に、溶融物を冷却して、より大きい寸法のガラスにすることは、より困難であり、というのは、熱を十分に速く除去することが、より困難であるからである。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態において、原料は、加熱されて微粒子形態で溶融状態にされ、その後、冷却されてガラス粒子にされる。典型的には、粒子の粒度は、25マイクロメートルを超える(いくつかの実施形態において、50、100、150、またはさらには200マイクロメートルを超える)。
【0051】
本発明によるガラスを製造する際に達成される急冷速度は、10、10、10、またはさらには10℃/secより高い(すなわち、それぞれ、1秒未満、10分の1秒未満、100分の1秒未満、またはさらには1000分の1秒未満の、溶融状態からの1000℃の温度降下)と考えられる。溶融物を冷却するための技術としては、溶融物を、冷却媒体(たとえば、高速空気ジェット、液体(たとえば、冷水)、金属プレート(チルド金属プレートを含む)、金属ロール(チルド金属ロールを含む)、金属ボール(チルド金属ボールを含む)など)に排出することが挙げられる。当該技術において知られている他の冷却技術としては、ロールチリングが挙げられる。ロールチリングは、たとえば、典型的には融点より20〜200℃高い温度で金属酸化物源を溶融し、溶融物を、高速回転ロール上に高圧下でスプレーする(たとえば、空気、アルゴン、窒素などの気体を使用して)ことによって冷却/急冷することによって、行うことができる。典型的には、ロールは、金属から製造され、水冷される。金属ブックモールドも、溶融物を冷却/急冷するのに有用であろう。
【0052】
冷却速度は、急冷されたガラスの特性に影響を及ぼすと考えられる。たとえば、ガラスのガラス転移温度、密度、および他の特性は、典型的には、冷却速度とともに変化する。
【0053】
急速な冷却は、また、冷却の間、所望の酸化状態などを維持し、および/または所望の酸化状態などに影響を及ぼすために、還元、中性、または酸化環境などの制御雰囲気下で行ってもよい。雰囲気は、また、過冷却された(undercooled)液体からの結晶化キネティクスに影響を及ぼすことによって、ガラス形成に影響を及ぼすことができる。たとえば、空気中と比較して、結晶化を伴わないAl溶融物のより大きい過冷却が、アルゴン雰囲気中で報告されている。
【0054】
1つの方法において、本発明によるガラスおよびガラスを含むセラミックを、たとえば米国特許第6,254,981号明細書(キャッスル(Castle))に開示されたような火炎溶融を用いて製造することができる。この方法において、金属酸化物源は、バーナ(たとえば、メタン−空気バーナ、アセチレン−酸素バーナ、水素−酸素バーナなど)内に直接供給され(たとえば、「供給粒子」と呼ばれることがある粒子の形態で)、次に、たとえば、水、冷却油、空気などで急冷される。火炎に供給される供給粒子のサイズは、一般に、結果として生じるガラスを含む粒子のサイズを定める。
【0055】
ガラスのいくつかの実施形態を、また、自由落下冷却を伴うレーザスピン溶融(laser spin melt)、テイラー(Taylor)ワイヤ技術、プラズマトロン技術、ハンマおよびアンビル技術、遠心急冷、エアガンスプラット冷却(air gun splat cooling)、シングルローラ急冷およびツインローラ急冷、ローラ−プレート急冷、ならびにペンダントドロップ溶融抽出などの他の技術によって得ることができる(たとえば、セラミックの急速な凝固(Rapid Solidification of Ceramics)、ブロックウェイ(Brockway)ら、オハイオ州コロンバス(Columbus, OH)の国防総省情報分析センター(A Department of Defense Information Analysis Center)の金属およびセラミック情報センター(Metals And Ceramics Information Center)、1984年1月、を参照のこと、この開示を引例としてここに援用する)。ガラスのいくつかの実施形態を、また、適切な前駆体の熱による(火炎またはレーザまたはプラズマ支援を含む)熱分解、金属前駆体の物理蒸気合成(PVS)、およびメカノケミカル処理などの他の技術によって得てもよい。
【0056】
溶融物を形成する、溶融物を冷却/急冷する、および/またはそうでなければガラスを形成するための他の技術としては、蒸気相急冷、プラズマスプレー、溶融抽出、および気体霧化または遠心霧化が挙げられる。蒸気相急冷は、たとえば、金属合金または金属酸化物源をスパッタリングターゲットに形成するスパッタリングによって行うことができる。ターゲットを、スパッタリング装置の所定の位置に固定し、被覆すべき基材を、ターゲットに対向する位置に配置する。10−3torrの典型的な圧力の酸素ガスおよびArガスの放電をターゲットと基材との間に発生させ、Arイオンまたは酸素イオンがターゲットに衝突して、反応スパッタリングを開始し、それにより、組成物のフィルムを基材上に堆積させる。プラズマスプレーに関する付加的な詳細については、たとえば、2002年8月2日に出願された同時係属中の米国特許出願第10/211,640号明細書を参照されたい。
【0057】
気体霧化は、供給粒子を溶融して、それらを溶融物に変換することを伴う。そのような溶融物の薄い流れが、破壊的空気ジェットとの接触によって霧化される(すなわち、ストリームは細かい小滴に分けられる)。次に、結果として生じる実質的に別個の略楕円体ガラス粒子(たとえば、ビーズ)を回収する。ビーズサイズの例としては、直径が約5マイクロメートルから約3mmの範囲内のものが挙げられる。溶融抽出は、たとえば、米国特許第5,605,870号明細書(ストロム−オルセン(Strom−Olsen)ら)に開示されているように行うことができる。たとえば米国特許第6,482,758号明細書(Weber(ウェーバー))に開示されているような、レーザビーム加熱を用いる容器のないガラス形成技術も、本発明によるガラスを製造するのに有用であろう。
【0058】
典型的には、本発明によるガラスおよびガラスセラミックは、各々互いに垂直なx、y、およびz寸法を有し、x、y、およびz寸法の各々は、少なくとも10マイクロメートルである。いくつかの実施形態において、合体した場合、x、y、およびz寸法は、少なくとも30マイクロメートル、35マイクロメートル、40マイクロメートル、45マイクロメートル、50マイクロメートル、75マイクロメートル、100マイクロメートル、150マイクロメートル、200マイクロメートル、250マイクロメートル、500マイクロメートル、1000マイクロメートル、2000マイクロメートル、2500マイクロメートル、1mm、5mm、またはさらには、少なくとも10mmである。材料のx、y、およびz寸法は、寸法の大きさによって、目で、または顕微鏡法を用いて定められる。報告されたz寸法は、たとえば、球の直径、コーティングの厚さ、または角柱形状の最短寸法である。
【0059】
特定の金属酸化物を加えることは、本発明によるセラミックの特性および/または結晶質構造もしくは微細構造、ならびにセラミックを製造する際の原料および中間体の処理を変更してもよい。たとえば、CaO、LiO、MgO、およびNaOなどの酸化物添加が、ガラスのTおよびT(ここで、Tは結晶化温度である)の両方を変更することが観察されている。理論に縛られることを望まないが、そのような添加がガラス形成に影響を及ぼすと考えられる。さらに、たとえば、そのような酸化物添加は、系全体の溶融温度を低下させ(すなわち、系をより低い共融点(melting eutectic)の方に追いやる)、かつガラス形成の容易さを減少させる。多成分系(四成分など)の複合共晶が、より良好なガラス形成能力をもたらすことができる。その「作業」範囲内の液体溶融物の粘度およびガラスの粘度も、特定の必要な酸化物以外の金属酸化物を加えることによって影響を及ぼすことができる。
【0060】
ガラスセラミックを形成するためのガラスおよびガラスを含むセラミックの結晶化も、材料の添加によって影響を及ぼすことができる。たとえば、特定の金属、金属酸化物(たとえば、チタン酸塩およびジルコン酸塩)、およびフッ化物が、核形成剤として作用し、有益な結晶の不均質な核形成をもたらしてもよい。また、いくつかの酸化物を加えることが、再加熱するとガラスから失透する準安定相の性質を変化させてもよい。別の態様において、結晶質ZrOを含む本発明によるセラミックの場合、ZrOの正方晶/立方晶形態を安定化させることが知られている金属酸化物(たとえば、Y、TiO、CeO、CaO、およびMgO)を加えることが望ましいであろう。
【0061】
本発明によるセラミックを製造するための金属酸化物源および他の添加剤の特定の選択は、典型的には、たとえば、所望の組成、微細構造、結晶度の程度、物理特性(たとえば、硬度または靭性)、望ましくない不純物の存在、ならびにセラミックを調製するために用いられる特定のプロセスの所望のまたは必要な特徴(設備ならびに溶融および/または凝固の前および/または間の原料のいかなる精製も含む)を考慮に入れる。
【0062】
いくつかの場合、NaO、P、SiO、TeO、V、およびそれらの組合せからなる群から選択される金属酸化物の限られた量を組入れることが望ましいであろう。市販源を含む源としては、それら自体の酸化物、複合酸化物、要素(たとえば、Si)粉末、鉱石、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、水酸化物などが挙げられる。これらの金属酸化物を、たとえば、結果として生じるガラスセラミックの物理特性を修正し、および/または処理を向上させるために加えてもよい。使用されるときこれらの金属酸化物は、典型的には、たとえば所望の特性によって、合計でガラスセラミックの0を超えて20重量%まで(いくつかの実施形態において、合計で0を超えて5重量%まで、またはさらには合計で0を超えて2重量%まで)加えられる。
【0063】
材料の微細構造または相組成(ガラス質/結晶質)は、いくつかの方法で定めることができる。さまざまな情報を、たとえば、光学顕微鏡法、電子顕微鏡法、示差熱分析(DTA)、およびX線回折(XRD)を用いて得ることができる。
【0064】
光学顕微鏡法を用いると、非晶質材料は、典型的には、結晶境界などの光散乱中心の欠如によって主として透明であり、結晶質材料は、結晶質構造を示し、かつ光散乱効果によって不透明である。
【0065】
パーセント非晶質(またはガラス)収率を、−100+120メッシュサイズのフラクション(すなわち、150マイクロメートルの開口部サイズから125マイクロメートルの開口部サイズのスクリーンで収集されたフラクション)を使用して、粒子(たとえば、ビーズ)などについて計算することができる。測定は、次のように行われる。粒子、ビーズなどの1つの層を、ガラススライド上に広げる。粒子、ビーズなどを、光学顕微鏡を使用して観察する。光学顕微鏡アイピースの十字線をガイドとして使用して、直線に沿ってある粒子、ビーズなどを、それらの光学的透明性によって、非晶質または結晶質とカウントする。合計500の粒子、ビーズなどが、典型的にはカウントされるが、より少ない粒子、ビーズなどを使用してもよく、パーセント非晶質収率を、非晶質粒子、ビーズなどの量を、カウントされた全部の粒子、ビーズなどで割ったものによって定める。本発明による方法の実施形態のパーセント非晶質(またはガラス)収率は、少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、またはさらには100パーセントである。
【0066】
粒子がすべて非晶質(またはガラス)であることが望ましく、結果として生じる収率が100%未満である場合、非晶質(またはガラス)粒子を非晶質でない(または非ガラス)粒子から分離してもよい。そのような分離は、たとえば、密度または光学的透明性に基いて分離することを含む任意の従来の技術によって行ってもよい。
【0067】
DTAを用いて、材料は、材料の対応するDTAトレースが発熱結晶化事象(T)を含む場合、非晶質として分類される。同じトレースが、また、Tより低い温度で吸熱事象(T)を含む場合、それは、ガラス相からなるとみなされる。材料のDTAトレースがそのような事象を含まない場合、それは、結晶質相を含有するとみなされる。
【0068】
示差熱分析(DTA)を、次の方法を用いて行うことができる。−140+170メッシュサイズのフラクション(すなわち、105マイクロメートルの開口部サイズから90マイクロメートルの開口部サイズのスクリーンで収集されたフラクション)を使用して、DTAランを行うことができる(ドイツ、ゼルブのネッチュ・インストルメンツ(Netzsch Instruments, Selb, Germany)から商品名「ネッチュ(NETZSCH) STA 409 DTA/TGA」で得られるような器具を使用して)。ある量の各スクリーニングされたサンプル(典型的には約400ミリグラム(mg))を、100マイクロリットルAlサンプルホルダに配置する。各サンプルを、静止空気中で、10℃/分の速度で、室温(約25℃)から1100℃に加熱する。
【0069】
粉末X線回折XRDを用いて(ニュージャージー州マーワーのフィリップス(Phillips, Mahwah, NJ)から商品名「フィリップス(PHILLIPS) XRG 3100」で得られるようなX線回折計を、1.54050オングストロームの銅K α1放射線とともに使用して)、結晶化材料のXRDトレース中に存在するピークを、国際回折データセンター(International Center for Diffraction Data)によって発行されたJCPDS(粉末回折標準に関する合同委員会(Joint Committee on Powder Diffraction Standards))データベースで提供された結晶質相のXRDパターンと比較することによって、材料中に存在する相を定めることができる。さらに、XRDを定性的に用いて、相のタイプを定めることができる。広い拡散した強度ピークの存在は、材料の非晶質性質の表示とみなされる。広いピークおよびはっきりしたピークの両方の存在は、ガラスマトリックス内の結晶質物質の存在の表示とみなされる。
【0070】
最初に形成されたガラスまたはセラミック(結晶化前のガラスを含む)は、望まれるものよりサイズが大きくてもよい。ガラスが所望の幾何学的形状および/またはサイズである場合、サイズ減少は典型的には必要ではない。ガラスまたはセラミックは、ロール破砕、カナリーミリング(canary milling)、ジョー破砕、ハンマミリング、ボールミリング、ジェットミリング、衝撃破砕などを含む、当該技術において知られている破砕および/または粉砕技術を用いて、より小さい片に変換することができる。いくつかの場合、2つまたは多数の破砕工程を有することが望ましい。たとえば、セラミックは、形成された(凝固した)後、望まれるより大きい形態であってもよい。第1の破砕工程は、これらの比較的大きいマスまたは「塊」を破砕して、より小さい片を形成することを伴ってもよい。これらの塊のこの破砕を、ハンマミル、インパクトクラッシャ、またはジョークラッシャで行ってもよい。次に、その後、これらのより小さい片を破砕して、所望の粒度分布を生じさせてもよい。所望の粒度分布(グリットサイズまたはグレードと呼ばれることがある)を生じさせるために、多数の破砕工程を行うことが必要であろう。一般に、破砕条件は、所望の粒子形状および粒度分布を達成するように最適化される。結果として生じる、所望のサイズでない粒子を、それらが大きすぎる場合、再破砕してもよいし、それらが小さすぎる場合、「リサイクルし」再溶融のための原料として使用してもよい。
【0071】
粒子の形状は、たとえば、セラミックの組成および/または微細構造、それが冷却されたジオメトリ、およびセラミックが破砕される態様(すなわち、用いられる破砕技術)によることができる。一般に、「ブロック状」形状が好ましい場合、より多くのエネルギーを使用して、この形状を達成してもよい。逆に、「鋭い」形状が好ましい場合、より少ないエネルギーを使用して、この形状を達成してもよい。異なった所望の形状を達成するために、破砕技術も変化させてもよい。いくつかの粒子の場合、1:1から5:1の平均アスペクト比が典型的には望ましく、いくつかの実施形態において、1.25:1から3:1、またはさらには1.5:1から2.5:1が望ましい。
【0072】
たとえば、所望の形状の物品を直接形成することも、本発明の範囲内である。たとえば、溶融物をモールド内に注ぐか形成することによって、所望の物品を形成(型込を含む)してもよい。また、たとえば、本出願と同じ日に出願された米国特許出願第10/358,772号明細書に記載された形成技術を参照されたい。
【0073】
本発明によるセラミックの実施形態を、寸法の制限なく得ることができる。これは、ガラス転移温度より高い温度で行われる合体工程によって可能であることがわかった。この合体工程は、本質的に、2つ以上のより小さい粒子から、より大きいサイズの本体を形成する。たとえば、図4から明らかなように、本発明によるガラスは、発熱(T)より低い温度における吸熱(T)の存在によって証明されるように、著しい結晶化が発生する(T)前にガラス転移(T)を経る。たとえば、セラミック(結晶化前のガラスを含む)を、また、たとえば、ガラスを含む粒子、および/または繊維などを、粒子などが合体して形状を形成するようにTより高く加熱し、合体した形状を冷却することによって、提供してもよい。合体に用いられる温度および圧力は、たとえば、ガラスの組成、および結果として生じる材料の所望の密度によってもよい。温度は、ガラス転移温度を超えるべきである。特定の実施形態において、加熱は、約850℃から約1100℃(いくつかの実施形態において、900℃から1000℃)の範囲内の少なくとも1つの温度で行われる。典型的には、ガラスの合体を助けるために、ガラスは、合体の間、圧力下にある(たとえば、ゼロを超えて1GPa以上まで)。一実施形態において、ある投入量の粒子などがダイ内に配置され、ホットプレスがガラス転移より高い温度で行われ、ガラスの粘性流が合体して比較的大きい部分になる。典型的な合体技術の例としては、ホットプレス、熱間等方加圧、熱間押出、熱間鍛造、および同種のもの(たとえば、焼結、プラズマ支援焼結)が挙げられる。たとえば、ガラスを含む粒子(たとえば破砕によって得られる)(ビーズおよび微小球を含む)、繊維などを、より大きい粒度に形成してもよい。合体は、また、所望の形態に成形された本体をもたらしてもよい。典型的には、さらなる熱処理前に、結果として生じる合体した本体を冷却することが、一般に望ましい。望ましい場合は熱処理後、合体した本体をより小さい粒度または所望の粒度分布に破砕してもよい。
【0074】
ガラスおよび/またはガラスセラミック(たとえば、粒子)の合体は、また、加圧のない焼結または加圧焼結を含むさまざまな方法によって行ってもよい。
【0075】
一般に、熱処理を、ガラスを熱処理してガラスセラミックを提供するための、当該技術において知られているものを含むさまざまな方法のいずれかで行うことができる。たとえば、熱処理を、バッチで、たとえば、抵抗、誘導、またはガス加熱炉を使用して行うことができる。あるいは、たとえば、熱処理(またはその一部)を、連続的に、たとえば、回転キルン、流動床炉、または振り子キルンを使用して行うことができる。回転キルンまたは振り子キルンの場合、材料は、典型的には、高温で動作するキルン内に直接供給される。流動床炉の場合、熱処理すべきガラスは、典型的には、ガス(たとえば、空気ガス、不活性ガス、または還元ガス)中につるされる。高温における時間は、数秒(いくつかの実施形態において、さらには5秒未満)から数分から数時間であってもよい。温度は、典型的にはガラスのTから1600℃、より典型的には900℃から1600℃、いくつかの実施形態において、1200℃から1500℃である。多数の工程で熱処理のいくらかを行うこと(たとえば、核形成のためのもの、および結晶成長のための別のもの、高密度化も、典型的には、結晶成長工程の間に発生する)も、本発明の範囲内である。多工程熱処理が行われるとき、核形成速度および結晶成長速度のいずれか一方または両方を制御することが、典型的には望ましい。一般に、ほとんどのセラミック処理操作の間、著しい結晶成長を伴わずに最大高密度化を得ることが望ましい。理論に縛られることを望まないが、一般に、より大きい結晶サイズが低減した機械的特性をもたらし、より細かい平均微結晶サイズが向上した機械的特性(たとえば、より高い強度およびより高い硬度)をもたらすとセラミック技術において考えられる。特に、密度が理論密度の少なくとも90、95、97、98、99、またはさらには少なくとも100パーセントであるセラミックであって、平均結晶サイズが0.15マイクロメートル未満、またはさらには0.1マイクロメートル未満であるセラミックを形成することが非常に望ましい。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態において、ガラスまたはガラスを含むセラミックを熱処理前にアニールしてもよい。そのような場合、アニールが、典型的には、ガラスのTより低い温度で、数秒から数時間またはさらには複数の日の期間行われる。典型的には、アニールは、3時間未満、またはさらには1時間未満の期間行われる。任意に、アニールを、また、空気以外の雰囲気中で行ってもよい。さらに、熱処理の異なった段階(すなわち、核形成工程および結晶成長工程)を異なった雰囲気下で行ってもよい。TおよびT、ならびに本発明によるガラスのT−Tを、熱処理の間に用いられる雰囲気によって、シフトしてもよいと考えられる。
【0077】
当業者は、当該技術において知られている技術を用いて、ガラスの時間−温度−転移(TTT)研究から適切な条件を定めることができる。当業者は、本発明の開示を読んだ後、本発明によるガラスセラミックを製造するために使用されるガラスのTTT曲線を提供し、適切な核形成および/または結晶成長条件を定めて、本発明によるガラスセラミックを提供することができるはずである。
【0078】
熱処理を、たとえば、材料を高温の炉内に直接供給することによって行ってもよい。あるいは、たとえば、材料をずっと低い温度(たとえば、室温)の炉内に供給して、次に、所定の加熱速度で所望の温度に加熱してもよい。空気以外の雰囲気中で熱処理を行うことは、本発明の範囲内である。いくつかの場合、還元雰囲気中で熱処理することがさらに望ましいであろう。また、たとえば、たとえば熱間等方プレス内またはガス圧炉内のようなガス圧下で、熱処理することが望ましいであろう。理論に縛られることを望まないが、雰囲気が、非晶質材料およびガラスセラミックの成分のいくつかの酸化状態に影響を及ぼすことができると考えられる。酸化状態のそのような変化は、ガラスおよびガラスセラミックのさまざまな着色をもたらすことができる。さらに、雰囲気によって、核形成工程および結晶化工程に影響を及ぼすことができる(たとえば、雰囲気は、ガラスのいくつかの種の原子移動度に影響を及ぼすことができる)。
【0079】
材料の所望の特性をさらに向上させるために付加的な熱処理を行うことも、本発明の範囲内である。たとえば、残りの多孔性を除去し、材料の密度を増加させるために、熱間等方加圧を行ってもよい(たとえば、約900℃から約1400℃の温度で)。
【0080】
結果として生じる物品または熱処理された物品を変換して(たとえば、破砕して)、粒子(たとえば、本発明による研磨粒子)を提供することは、本発明の範囲内である。
【0081】
典型的には、ガラスセラミックは、それらが形成されるガラスより強い。したがって、材料の強度を、たとえば、ガラスが結晶質セラミック相に変換される程度によって、調整してもよい。あるいは、またはさらに、材料の強度は、また、たとえば、作られた核形成部位の数によって影響を及ぼすことができ、これを用いて、結晶質相の結晶の数に影響を及ぼし、結晶質相の結晶のサイズに影響を及ぼすことができる。ガラスセラミック形成に関する付加的な詳細については、たとえば、ガラスセラミック(Glass−Ceramics)、ピー・ダブリュー・マクミラン(P.W.McMillan)、アカデミック・プレス・インコーポレイテッド(Academic Press, Inc.)、第2版、1979、を参照されたい。
【0082】
多くの他のタイプのセラミック処理(たとえば、か焼材料を焼結して、高密度の焼結セラミック材料にすること)と比較して、ガラスセラミックを形成するためのガラスの結晶化の間、比較的小さい収縮(典型的には、30体積パーセント未満、いくつかの実施形態において、20体積パーセント未満、10体積パーセント未満、5体積パーセント未満、またはさらには3体積パーセント未満)がある。収縮の実際の量は、たとえば、ガラスの組成、熱処理時間、熱処理温度、熱処理圧力、結晶化されているガラスの密度、形成された結晶質相の相対量、および結晶化の程度による。収縮の量は、ディラトメトリ、アルキメデス(Archimedes)法、または熱処理前および後に材料の寸法を測定することによるものを含む、当該技術において知られている従来の技術によって測定することができる。いくつかの場合、熱処理の間に揮発性種のいくらかの放出があってもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、比較的低収縮の特徴は、特に有利であろう。たとえば、物品を、ガラス相で所望の形状および寸法に(すなわち、ニアネットシェイプで)形成し、その後、熱処理して、ガラスを少なくとも部分的に結晶化してもよい。結果として、結晶化材料の製造および機械加工と関連する実質的なコスト節減を実現してもよい。
【0084】
いくつかの実施形態において、ガラスは、x、y、z方向を有し、これらの各々の長さは少なくとも1cm(いくつかの実施形態において、少なくとも5cm、またはさらには少なくとも10cm)であり、ガラスは体積を有し、結果として生じるガラスセラミックは、x、y、z方向を有し、これらの各々の長さは少なくとも1cm(いくつかの実施形態において、少なくとも5cm、またはさらには少なくとも10cm)であり、ガラスセラミックの体積は、ガラス体積の少なくとも70(いくつかの実施形態において、少なくとも75、80、85、90、95、96、またはさらには少なくとも97)パーセントである。
【0085】
たとえば、本発明によるガラスセラミックを製造するためのいくつかの例示的なガラスの熱処理の間、LaZr、および、ZrOが存在するならば、立方晶/正方晶ZrO、いくつかの場合単斜晶ZrOなどの相の形成が、約900℃より高い温度で発生することがある。理論に縛られることを望まないが、ジルコニア関連相が、ガラスから核形成する最初の相であると考えられる。Al、ReAlO(ここで、Reは少なくとも1つの希土類カチオンである)、ReAl1118、ReAl12、YAl12などの相の形成は、一般に、約925℃より高い温度で発生すると考えられる。典型的には、この核形成工程の間の微結晶サイズは、ナノメートルのオーダである。たとえば、10〜15ナノメートルもの小さい結晶が観察されている。少なくともいくつかの実施形態の場合、約1時間の約1300℃での熱処理が、完全な結晶化をもたらす。一般に、核形成工程および結晶成長工程の各々の熱処理時間は、数秒(いくつかの実施形態において、さらには5秒未満)から数分から1時間以上であってもよい。
【0086】
平均結晶サイズは、ASTM規格E 112−96「平均粒度を定めるための標準テスト方法(Standard Test Methods for Determining Average Grain Size)」に従う線分(line intercept)法によって定めることができる。サンプルを、取付け樹脂(イリノイ州レイク・ブラフのビューラー(Buehler, Lake Bluff, IL)から商品名「トランスオプティック・パウダー(TRANSOPTIC POWDER)」で得られるものなど)、典型的には直径約2.5cmおよび高さ約1.9cmの樹脂の円筒に取付ける。取付けられたセクションを、ポリッシャ(イリノイ州レイク・ブラフのビューラーから商品名「エコメット(ECOMET)3」で得られるものなど)を使用して従来のポリッシング技術を用いて準備する。サンプルを約3分間ダイヤモンドホイールでポリッシングし、その後、45、30、15、9、3、および1マイクロメートルのスラリーの各々での5分のポリッシングが続く。取付けられポリッシングされたサンプルを金−パラジウムの薄い層でスパッタリングし、走査型電子顕微鏡法(マサチューセッツ州ピーボディー(Peabody, MA)のJEOLからのモデルJSM 840Aなど)を用いて見る。サンプルに見出された微細構造の典型的な後方散乱電子(BSE)デジタル顕微鏡写真を使用して、次のように平均微結晶サイズを定める。デジタル顕微鏡写真を横切って描かれたランダムな直線の単位長さ(N)あたり交差する微結晶の数をカウントする。平均微結晶サイズを、この数から次の式を用いて定める。
【数1】

ここで、Nは単位長さあたり交差した微結晶の数であり、Mはデジタル顕微鏡写真の倍率である。
【0087】
別の態様において、本発明によるセラミック(ガラスセラミックを含む)は、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、またはさらには100体積パーセントの微結晶を含んでもよく、微結晶の平均サイズは、1マイクロメートル未満である。別の態様において、本発明によるセラミック(ガラスセラミックを含む)は、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、またはさらには100体積パーセントの微結晶を含んでもよく、微結晶の平均サイズは、0.5マイクロメートル未満である。別の態様において、本発明によるセラミック(ガラスセラミックを含む)は、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、またはさらには100体積パーセントの微結晶を含んでもよく、微結晶の平均サイズは、0.3マイクロメートル未満である。別の態様において、本発明によるセラミック(ガラスセラミックを含む)は、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、またはさらには100体積パーセントの微結晶を含んでもよく、微結晶の平均サイズは、0.15マイクロメートル未満である。
【0088】
本発明によるセラミック中に存在してもよい結晶質相の例としては、アルミナ(たとえば、アルファアルミナおよび遷移アルミナ)、REO(たとえば、La)、Y、MgO、1つ以上の他の金属酸化物、たとえば、BaO、CaO、Cr、CoO、Fe、GeO、LiO、MnO、NiO、NaO、P、Sc、SiO、SrO、TeO、TiO、V、ZnO、HfO、ZrO(たとえば、立方晶ZrOおよび正方晶ZrO)など、ならびに「複合金属酸化物」(複合Al・金属酸化物(たとえば、複合Al・REO)を含む)、複合Al・金属酸化物(たとえば、複合Al・REO(たとえば、ReAlO(たとえば、GdAlO LaAlO)、ReAl1118(たとえば、LaAl1118)、およびReAl12(たとえば、DyAl12))、複合Al・Y(たとえば、YAl12)、および複合ZrO・REO(たとえば、LaZr)、ならびにそれらの組合せが挙げられる。典型的には、本発明によるセラミックは、共晶微細構造特徴がない。
【0089】
本発明によるガラスおよびガラスセラミックのいくつかの実施形態、ならびにZrOおよび/またはHfOを含むそのようなガラスセラミックを製造するために使用されるいくつかのガラスの場合、存在するZrOおよび/またはHfOの量は、それぞれ、ガラスセラミックまたはガラスの総重量を基準にして、少なくとも5、10、15、またはさらには少なくとも20重量パーセントであってもよい。
【0090】
複合Al・金属酸化物(たとえば、複合Al・REOおよび/または複合Al・Y(たとえば、ざくろ石結晶構造を示すアルミン酸イットリウム))中のイットリウムカチオンおよび/またはアルミニウムカチオンの一部を他のカチオンで置換することも、本発明の範囲内である。たとえば、複合Al・Y中のAlカチオンの一部を、Cr、Ti、Sc、Fe、Mg、Ca、Si、Co、およびそれらの組合せからなる群から選択される要素の、少なくとも1つのカチオンで、置換してもよい。たとえば、複合Al・Y中のYカチオンの一部を、Ce、Dy、Er、Eu、Gd、Ho、La、Lu、Nd、Pr、Sm、Th、Tm、Yb、Fe、Ti、Mn、V、Cr、Co、Ni、Cu、Mg、Ca、Sr、およびそれらの組合せからなる群から選択される要素の、少なくとも1つのカチオンで、置換してもよい。さらに、たとえば、複合Al・REO中のAlカチオンの一部を、Cr、Ti、Sc、Fe、Mg、Ca、Si、Co、およびそれらの組合せからなる群から選択される要素の、少なくとも1つのカチオンで、置換してもよい。たとえば、複合Al・REO中の希土類カチオンの一部を、Y、Fe、Ti、Mn、V、Cr、Co、Ni、Cu、Mg、Ca、Sr、およびそれらの組合せからなる群から選択される要素の、少なくとも1つのカチオンで、置換してもよい。上述されたようなカチオンの置換は、セラミックの特性(たとえば、硬度、靭性、強度、熱伝導性など)に影響を及ぼすことができる。
【0091】
本発明によるガラスセラミックの実施形態を提供するために非晶質を熱処理することによって形成された結晶は、たとえば、針状等軸(acicular equiaxed)、柱状、または平坦な薄板状(splat−like)の特徴であってもよい。
【0092】
本発明によるいくつかのガラスおよびガラスセラミックは、それぞれガラスまたはガラスセラミックの総重量を基準にして、少なくとも75(いくつかの実施形態において、少なくとも80、またはさらには少なくとも85)重量パーセントのAlと、0.1から23.9重量パーセントの範囲内のLaと、1から24.8重量パーセントの範囲内のY、0.1から8重量パーセントの範囲内のMgOと、10重量パーセントまで(いくつかの実施形態において、5、4、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiOとを含む。
【0093】
本発明によるいくつかのガラスおよびガラスセラミックは、それぞれガラスまたはガラスセラミックの総重量を基準にして、少なくとも70(いくつかの実施形態において、少なくとも75、またはさらには少なくとも85)重量パーセントのAlと、0.1から28.9重量パーセントの範囲内のLaと、1から29.8重量パーセントの範囲内のY、0.1から8重量パーセントの範囲内のMgOと、10重量パーセントまで(いくつかの実施形態において、5、4、3、2、1重量パーセント以下、またはさらにはゼロ重量パーセント)のSiOとを含む。
【0094】
本発明によるガラスまたはガラスセラミックなどは、バルク材料の形態であってもよいが、本発明によるガラス、ガラスセラミックなどを含む複合材を提供することも本発明の範囲内である。そのような複合材は、たとえば、本発明によるガラス、ガラスセラミックなどの中に分散された相または繊維(連続または不連続)または粒子(ウイスカーを含む)(たとえば、金属酸化物粒子、ホウ化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子、ダイヤモンド粒子、金属粒子、ガラス粒子、およびそれらの組合せ)、または層状複合材構造(たとえば、ガラスセラミックから、ガラスセラミックを製造するために使用されたガラスへの勾配、および/またはガラスセラミックの異なった組成物の層)を含んでもよい。
【0095】
本発明による特定のガラスは、たとえば、Tが約750℃から約950℃の範囲内であってもよい。
【0096】
本発明による材料の平均硬度は、次のように定めることができる。材料のセクションを、取付け樹脂(イリノイ州レイク・ブラフのビューラー(Buehler, Lake Bluff, IL)から商品名「トランスオプティック・パウダー(TRANSOPTIC POWDER)」で得られる)、典型的には直径約2.5cmおよび高さ約1.9cmの樹脂の円筒に取付ける。取付けられたセクションを、ポリッシャ(イリノイ州レイク・ブラフのビューラーから商品名「エコメット(ECOMET)3」で得られるものなど)を使用して従来のポリッシング技術を用いて準備する。サンプルを約3分間ダイヤモンドホイールでポリッシングし、その後、45、30、15、9、3、および1マイクロメートルのスラリーの各々での5分のポリッシングが続く。微小硬度測定は、100グラムの押込み荷重を用いてビッカース圧子が取付けられた従来の微小硬度テスタ(日本、東京の株式会社ミツトヨ(Mitutoyo Corporation, Tokyo, Japan)から商品名「ミツトヨ(MITUTOYO)MVK−VL」で得られるものなど)を使用して行う。微小硬度測定は、ASTMテスト方法E384 材料の微小硬度のテスト方法(Test Methods for Microhardness of Materials)(1991)に記載されたガイドラインに従って行う。平均硬度は10測定の平均である。
【0097】
本発明による特定のガラスは、たとえば、平均硬度が、少なくとも5GPa(より望ましくは、少なくとも6GPa、7GPa、8GPa、または9GPa、典型的には約5GPaから約10GPaの範囲内)であってもよく、本発明による結晶質セラミックの平均硬度は、少なくとも5GPa(より望ましくは、少なくとも6GPa、7GPa、8GPa、9GPa、10GPa、11GPa、12GPa、13GPa、14GPa、15GPa、16GPa、17GPa、または18GPa、典型的には約5GPaから約18GPaの範囲内)であってもよく、ガラスと結晶質セラミックとを含む本発明によるガラスセラミックまたは本発明によるセラミックの平均硬度は、少なくとも5GPa(より望ましくは、少なくとも6GPa、7GPa、8GPa、9GPa、10GPa、11GPa、12GPa、13GPa、14GPa、15GPa、16GPa、17GPa、または18GPa(またはそれ以上)、典型的には約5GPaから約18GPaの範囲内)であってもよい。本発明による研磨粒子の平均硬度は、少なくとも15GPaであり、いくつかの実施形態において、少なくとも16GPa、少なくとも17GPa、またはさらには少なくとも18GPaである。
【0098】
本発明による特定のガラスは、たとえば、熱膨張係数が、少なくとも25℃から約900℃の温度範囲にわたって、約5×10−6/Kから約11×10−6/Kの範囲内であってもよい。
【0099】
典型的には、および望ましくは、本発明によるセラミックの、比重と呼ばれることがある(真)密度は、典型的には、理論密度の少なくとも70%である。より望ましくは、本発明によるセラミックの(真)密度は、理論密度の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはさらには100%である。本発明による研磨粒子の密度は、理論密度の少なくとも85%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはさらには100%である。
【0100】
本発明によるセラミックを、たとえば、充填剤、強化材料、および/またはマトリックス材料として使用して、物品を製造することができる。たとえば、本発明によるセラミックは、複合材(たとえば、セラミック、金属、またはポリマー(熱硬化性または熱可塑性))中の強化材料としての使用に適した粒子および/または繊維の形態であることができる。粒子および/または繊維は、たとえば、マトリックス材料のモジュラス、耐熱性、耐摩耗性、および/または強度を増加させてもよい。複合材を製造するために使用される粒子および/または繊維のサイズ、形状、および量は、たとえば、複合材の特定のマトリックス材料および使用によってもよいが、強化粒子のサイズは、典型的には約0.1から1500マイクロメートル、より典型的には1から500マイクロメートル、望ましくは2から100マイクロメートルである。ポリマー用途のための粒子の量は、典型的には約0.5重量パーセントから約75重量パーセント、より典型的には約1から約50重量パーセントである。熱硬化性ポリマーの例としては、フェノール、メラミン、尿素ホルムアルデヒド、アクリレート、エポキシ、ウレタンポリマーなどが挙げられる。熱可塑性ポリマーの例としては、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。
【0101】
強化されたポリマー材料(すなわち、ポリマー中に分散された、本発明による強化粒子)の使用の例としては、たとえば、コンクリート、家具、床、道路、木材、木材状材料、セラミックなどのための保護コーティング、ならびに、すべり止めコーティング、および射出成形プラスチック部品および構成要素が挙げられる。
【0102】
さらに、たとえば、本発明によるセラミックをマトリックス材料として使用することができる。たとえば、本発明によるセラミックを、ダイヤモンド、立方晶BN、Al、ZrO、Si、およびSiCなどのセラミック材料などのためのバインダーとして使用することができる。そのような材料を含む有用な物品の例としては、複合材基材コーティング、切断工具インサート、研磨凝集体、および結合研磨物品、たとえばガラス化ホイールなどが挙げられる。本発明によるセラミックを、たとえば、複合材物品のモジュラス、耐熱性、耐摩耗性、および/または強度を増加させるために、バインダーとして使用することができる。
【0103】
本発明による研磨粒子は、一般に、結晶質セラミック(たとえば、少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、またはさらには100体積パーセントの結晶質セラミック)を含む。別の態様において、本発明は、細かいから粗い粒度分布を有する複数の粒子であって、複数の粒子の少なくとも一部が、本発明による研磨粒子である、複数の粒子を提供する。別の態様において、本発明による研磨粒子の実施形態は、一般に、(たとえば、少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、またはさらには100体積パーセントの)本発明によるガラスセラミックを含む。
【0104】
本発明による研磨粒子は、ANSI(アメリカ規格協会(American National Standard Institute))、FEPA(欧州研磨製品製造業者連盟(Federation Europeenne des Fabricants de Products Abrasifs))、およびJIS(日本工業規格(Japanese Industrial Standard))などの産業認定分級規格の使用を含む、当該技術において周知の技術を用いて、スクリーニングし分級することができる。本発明による研磨粒子は、広範囲の粒度で使用してもよく、典型的には、サイズが約0.1から約5000マイクロメートル、より典型的には約1から約2000マイクロメートル、望ましくは約5から約1500マイクロメートル、より望ましくは約100から約1500マイクロメートルである。
【0105】
所与の粒度分布において、粗い粒子から細かい粒子までの粒度の範囲がある。研磨技術において、この範囲は、「粗い」フラクション、「対照」フラクション、および「細かい」フラクションと呼ばれることがある。産業承認分級規格に従って分級された研磨粒子は、数値範囲内の各公称グレードの粒度分布を規定する。そのような産業承認分級規格としては、アメリカ規格協会(ANSI)規格、欧州研磨製品製造業者連盟(FEPA)規格、および日本工業規格(JIS)規格として知られているものが挙げられる。ANSIグレード指定(すなわち、規定された公称グレード)としては、ANSI 4、ANSI 6、ANSI 8、ANSI 16、ANSI 24、ANSI 36、ANSI 40、ANSI 50、ANSI 60、ANSI 80、ANSI 100、ANSI 120、ANSI 150、ANSI 180、ANSI 220、ANSI 240、ANSI 280、ANSI 320、ANSI 360、ANSI 400、およびANSI 600が挙げられる。FEPAグレード指定としては、P8、P12、P16、P24、P36、P40、P50、P60、P80、P100、P120、P150、P180、P220、P320、P400、P500、P600、P800、P1000、およびP1200が挙げられる。JISグレード指定としては、JIS8、JIS12、JIS16、JIS24、JIS36、JIS46、JIS54、JIS60、JIS80、JIS100、JIS150、JIS180、JIS220、JIS240、JIS280、JIS320、JIS360、JIS400、JIS600、JIS800、JIS1000、JIS1500、JIS2500、JIS4000、JIS6000、JIS8000、およびJIS10,000が挙げられる。
【0106】
破砕およびスクリーニング後、典型的には、多数の異なった研磨粒子サイズ分布またはグレードがある。これらの多数のグレードは、その特定の時間において製造業者または供給業者の要求と一致しないことがある。在庫を最小にするために、需要のないグレードをリサイクルして溶融物に戻して、ガラスを形成することが可能である。このリサイクルは、粒子が、特定の分布にスクリーニングされていない大きい塊またはより小さい片(「微粉」と呼ばれることがある)である、破砕工程後に行われてもよい。
【0107】
別の態様において、本発明は、研磨粒子を製造するための方法、本発明によるガラス粒子またはガラスを含む粒子を熱処理して、本発明によるガラスセラミックを含む研磨粒子を提供する工程を含む方法を提供する。あるいは、たとえば、本発明は、研磨粒子を製造するための方法、本発明によるガラスを熱処理する工程と、結果として生じる熱処理された材料を破砕して、本発明によるガラスセラミックを含む研磨粒子を提供する工程とを含む方法を提供する。破砕されると、ガラスは、著しく結晶化したガラスセラミックまたは結晶質材料を破砕するより鋭い粒子をもたらす傾向がある。
【0108】
別の態様において、本発明は、各々が、バインダーによってともに結合された、本発明による複数の研磨粒子を含む凝集研磨粒を提供する。別の態様において、本発明は、バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品(たとえば、被覆研磨物品、結合研磨物品(ガラス化、レジノイド、および金属結合研削ホイール、カットオフホイール、取付けられたポイント(mounted point)、およびホーニング砥石を含む)、不織研磨物品、および研磨ブラシ)であって、研磨粒子の少なくとも一部が、本発明による研磨粒子(研磨粒子が凝集された場合を含む)である、研磨物品を提供する。そのような研磨物品を製造する方法および研磨物品を使用する方法は、当業者には周知である。さらに、本発明による研磨粒子は、研磨化合物(たとえば、ポリッシング化合物)のスラリー、ミリングメディア、ショットブラスト媒体、振動ミル媒体などの、研磨粒子を使用する研磨用途に使用することができる。
【0109】
被覆研磨物品は、一般に、バッキングと、研磨粒子と、研磨粒子をバッキング上に保持するための少なくとも1つバインダーとを含む。バッキングは、布、ポリマーフィルム、繊維、不織ウェブ、紙、それらの組合せ、およびそれらの処理されたものを含む任意の適切な材料であることができる。バインダーは、無機または有機バインダー(熱硬化性樹脂および放射線硬化性樹脂を含む)を含む任意の適切なバインダーであることができる。研磨粒子は、被覆研磨物品の1つの層または2つの層中に存在することができる。
【0110】
被覆研磨物品の例が、図1に示されている。図1を参照すると、被覆研磨物品1が、バッキング(基材)2と、研磨層3とを有する。研磨層3は、メイクコート5およびサイズコート6によってバッキング2の主面に固定された、本発明による研磨粒子4を含む。いくつかの場合、スーパーサイズコート(図示せず)が使用される。
【0111】
結合研磨物品は、典型的には、有機バインダー、金属バインダー、またはガラス化バインダーによってともに保持された研磨粒子の成形マスを含む。そのような成形マスは、たとえば、研削ホイールまたはカットオフホイールなどのホイールの形態であることができる。研削ホイールの直径は、典型的には約1cmから1メートルを超えるまでであり、カットオフホイールの直径は、約1cmから80cmを超えるまで(より典型的には3cmから約50cm)である。カットオフホイールの厚さは、典型的には約0.5mmから約5cm、より典型的には約0.5mmから約2cmである。成形マスは、また、たとえば、ホーニング砥石、セグメント、取付けられたポイント、ディスク(たとえばダブルディスクグラインダ)、または他の従来の結合研磨材形状の形態であることができる。結合研磨物品は、典型的には、結合研磨物品の総体積を基準にして、約3〜50体積%の結合剤材料と、約30〜90体積%の研磨粒子(または研磨粒子ブレンド)と、50体積%までの添加剤(研削助剤を含む)と、70体積%までの細孔とを含む。
【0112】
例示的な研削ホイールが図2に示されている。図2を参照すると、ホイールに成形されかつハブ12上に取付けられた、本発明による研磨粒子11を含む研削ホイール10が示されている。
【0113】
不織研磨物品は、典型的には、本発明による研磨粒子が、構造全体にわたって分配され、かつ有機バインダーによって中に接着結合された開多孔性嵩高(open porous lofty)ポリマーフィラメント構造を含む。フィラメントの例としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、およびポリアラミド繊維が挙げられる。例示的な不織研磨物品が図3に示されている。図3を参照すると、典型的な不織研磨物品の約100倍に拡大された概略図が示されており、上に本発明による研磨粒子52がバインダー54によって接着された、基材としての繊維マット50を含む。
【0114】
有用な研磨ブラシとしては、バッキングと一体の複数の剛毛を有するものが挙げられる(たとえば、米国特許第5,427,595号明細書(ピール(Pihl)ら)、米国特許第5,443,906号明細書(ピール(Pihl)ら)、米国特許第5,679,067号明細書(ジョンソン(Johnson)ら)、および米国特許第5,903,951号明細書(イオンタ(Ionta)ら)らを参照のこと。望ましくは、そのようなブラシは、ポリマーと研磨粒子との混合物を射出成形することによって製造される。
【0115】
研磨物品を製造するための適切な有機バインダーとしては、熱硬化性有機ポリマーが挙げられる。適切な熱硬化性有機ポリマーの例としては、フェノール樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ペンダントα,β不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート化ウレタン、アクリレート化エポキシ、およびそれらの組合せが挙げられる。バインダーおよび/または研磨物品は、また、繊維、潤滑剤、湿潤剤、チキソトロピー材料、界面活性剤、顔料、染料、帯電防止剤(たとえば、カーボンブラック、酸化バナジウム、黒鉛など)、カップリング剤(たとえば、シラン、チタン酸塩、ジルコアルミネートなど)、可塑剤、懸濁剤などの添加剤を含んでもよい。これらの任意の添加剤の量は、所望の特性をもたらすように選択される。カップリング剤は、研磨粒子および/または充填剤への接着を向上させることができる。バインダーの化学的性質は、熱硬化性、放射線硬化性、またはそれらの組合せであってもよい。バインダーの化学的性質に関する付加的な詳細は、米国特許第4,588,419号明細書(コール(Caul)ら)、米国特許第4,751,138号明細書(ツメイ(Tumey)ら)、および米国特許第5,436,063号明細書(フォレット(Follett)ら)に見出されるであろう。
【0116】
ガラス化結合研磨材に関してより具体的には、非晶質構造を示し、典型的には硬質であるガラス質結合材料が、当該技術において周知である。いくつかの場合、ガラス質結合材料は結晶質相を含む。本発明による結合ガラス化研磨物品は、ホイール(カットオフホイールを含む)、ホーニング砥石、取付けられたポイントの形状、または他の従来の結合研磨材形状であってもよい。いくつかの実施形態において、本発明によるガラス化結合研磨物品は、研削ホイールの形態である。
【0117】
ガラス質結合材料を形成するために使用される金属酸化物の例としては、シリカ、ケイ酸塩、アルミナ、ソーダ、カルシア(calcia)、ポタシア(potassia)、チタニア、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化リチウム、マグネシア、ボリア(boria)、ケイ酸アルミニウム、ホウケイ酸ガラス、ケイ酸リチウムアルミニウム、それらの組合せなどが挙げられる。典型的には、ガラス質結合材料を、10から100%のガラスフリットを含む組成物から形成することができるが、より典型的には、この組成物は、20%から80%のガラスフリット、または30%から70%のガラスフリットを含む。ガラス質結合材料の残余部分は、非フリット材料であることができる。あるいは、ガラス質結合剤は、非フリット含有組成物から得てもよい。ガラス質結合材料は、典型的には約700℃から約1500℃の範囲内、通常約800℃から約1300℃の範囲内、時には約900℃から約1200℃の範囲内、またはさらには約950℃から約1100℃の範囲内の温度で熟成される。結合剤が熟成される実際の温度は、たとえば、特定の結合剤の化学的性質による。
【0118】
いくつかの実施形態において、ガラス化結合材料としては、シリカ、アルミナ(望ましくは、少なくとも10重量パーセントのアルミナ)、およびボリア(望ましくは、少なくとも10重量パーセントのボリア)を含むものが挙げられる。ほとんどの場合、ガラス化結合材料は、アルカリ金属酸化物(たとえば、NaOおよびKO)(いくつかの場合、少なくとも10重量パーセントのアルカリ金属酸化物)をさらに含む。
【0119】
バインダー材料は、また、典型的には微粒子材料の形態の、充填剤材料または研削助剤を含有してもよい。典型的には、微粒子材料は無機材料である。本発明のための有用な充填剤の例としては、金属炭酸塩(たとえば、炭酸カルシウム(たとえば、チョーク、方解石、泥灰岩、トラバーチン、大理石、および石灰岩)、炭酸カルシウムマグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム)、シリカ(たとえば、石英、ガラスビーズ、ガラスバブル、およびガラス繊維)ケイ酸塩(たとえば、タルク、粘土、(モンモリロナイト)長石、雲母、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム)金属硫酸塩(たとえば、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウム)、石膏、バーミキュライト、木粉、アルミニウム三水和物、カーボンブラック、金属酸化物(たとえば、酸化カルシウム(石灰)、酸化アルミニウム、二酸化チタン)、および金属亜硫酸塩(たとえば、亜硫酸カルシウム)が挙げられる。
【0120】
一般に、研削助剤を加えることは、研磨物品の有用な寿命を増加させる。研削助剤は、研磨の化学および物理プロセスに著しい影響を及ぼし、向上した性能をもたらす材料である。理論に縛られることを望まないが、研削助剤は、(a)研磨粒子と研磨されているワークピースとの間の摩擦を減少させるか、(b)研磨粒子が「キャッピング」しないようにする(すなわち、金属粒子が研磨粒子の頂部に溶接されないようにする)か、少なくとも、研磨粒子がキャッピングする傾向を低減するか、(c)研磨粒子とワークピースとの間の界面温度を低下させるか、(d)研削力を減少させると考えられる。
【0121】
研削助剤は、非常にさまざまな異なった材料を網羅し、かつ無機ベースまたは有機ベースであることができる。研削助剤の化学物質グループの例としては、ろう、有機ハロゲン化物化合物、ハロゲン化物塩、ならびに金属およびそれらの合金が挙げられる。有機ハロゲン化物化合物は、典型的には、研磨の間分解され、ハロゲン酸または気体ハロゲン化物化合物を放出する。そのような材料の例としては、テトラクロロナフタレン(tetrachloronaphtalene)、ペンタクロロナフタレン、およびポリ塩化ビニルなどの塩素化ろうが挙げられる。ハロゲン化物塩の例としては、塩化ナトリウム、カリウム氷晶石、ナトリウム氷晶石、アンモニウム氷晶石、テトラフルオロホウ酸カリウム(potassium tetrafluoroboate)、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、フッ化ケイ素、塩化カリウム、および塩化マグネシウムが挙げられる。金属の例としては、スズ、鉛、ビスマス、コバルト、アンチモン、カドミウム、および鉄チタンが挙げられる。他の多種多様な研削助剤としては、硫黄、有機硫黄化合物、黒鉛、および金属硫化物が挙げられる。異なった研削助剤の組合せを使用することも本発明の範囲内であり、いくつかの場合、これは相乗効果をもたらしてもよい。
【0122】
研削助剤は、被覆研磨物品および結合研磨物品に特に有用であることができる。被覆研磨物品において、研削助剤は、典型的には、研磨粒子の表面の上に塗布されるスーパーサイズコートに使用される。しかし、研削助剤は、サイズコートに加えられることがある。典型的には、被覆研磨物品に組入れられる研削助剤の量は、約50〜300g/m(望ましくは約80〜160g/m)である。ガラス化結合研磨物品において、研削助剤は、典型的には、物品の細孔に含浸される。
【0123】
研磨物品は、100%の本発明による研磨粒子、またはそのような研磨粒子と他の研磨粒子および/または希釈粒子とのブレンドを含有することができる。しかし、研磨物品中の研磨粒子の少なくとも約2重量%、望ましくは少なくとも約5重量%、より望ましくは約30〜100重量%が、本発明による研磨粒子であるべきである。いくつかの場合、本発明による研磨粒子を、別の研磨粒子および/または希釈粒子と、5対75重量%、約25対75重量%約40対60重量%、または約50重量%対50重量%の比(すなわち、等しい重量による量)でブレンドしてもよい。適切な従来の研磨粒子の例としては、溶融酸化アルミニウム(白色溶融アルミナ、熱処理された酸化アルミニウム、および褐色酸化アルミニウムを含む)、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、ざくろ石、溶融アルミナ−ジルコニア、およびゾル−ゲル誘導研磨粒子などが挙げられる。ゾル−ゲル誘導研磨粒子は、シーディングしてもよいし、シーディングしなくてもよい。同様に、ゾル−ゲル誘導研磨粒子は、ランダムな形状であってもよいし、ロッドまたは三角形などの、それらと関連する形状を有してもよい。ゾルゲル研磨粒子の例としては、米国特許第4,314,827号明細書(ライタイザー(Leitheiser)ら)、米国特許第4,518,397号明細書(ライタイザー(Leitheiser)ら)、米国特許第4,623,364号明細書(コットリンガー(Cottringer)ら)、米国特許第4,744,802号明細書(シュバーベル(Schwabel))、米国特許第4,770,671号明細書(モンロー(Monroe)ら)、米国特許第4,881,951号明細書(ウッド(Wood)ら)、米国特許第5,011,508号明細書(ウォールド(Wald)ら)、米国特許第5,090,968号明細書(ペロウ(Pellow))、米国特許第5,139,978号明細書(ウッド(Wood))、米国特許第5,201,916号明細書(バーグ(Berg)ら)、米国特許第5,227,104号明細書(バウアー(Bauer))、米国特許第5,366,523号明細書(ローウェンホースト(Rowenhorst)ら)、米国特許第5,429,647号明細書(ラーミー(Larmie))、米国特許第5,498,269号明細書(ラーミー(Larmie))、および米国特許第5,551,963号明細書(ラーミー(Larmie))に記載されたものが挙げられる。アルミナ粉末を原料源として使用することによって製造された焼結アルミナ研磨粒子に関する付加的な詳細は、また、たとえば、米国特許第5,259,147号明細書(ファルツ(Falz))、米国特許第5,593,467号明細書(モンロー(Monroe))、および米国特許第5,665,127号明細書(モルトゲン(Moltgen))に見出すことができる。溶融研磨粒子に関する付加的な詳細は、たとえば、米国特許第1,161,620号明細書(コールター(Coulter))、米国特許第1,192,709号明細書(トーン(Tone))、米国特許第1,247,337号明細書(ソーンダーズ(Saunders)ら)、米国特許第1,268,533号明細書(アレン(Allen))、および米国特許第2,424,645号明細書(ボーマン(Baumann)ら)、米国特許第3,891,408号明細書(ラウス(Rowse)ら)、米国特許第3,781,172号明細書(ペット(Pett)ら)、米国特許第3,893,826号明細書(キナン(Quinan)ら)、米国特許第4,126,429号明細書(ワトソン(Watson))、米国特許第4,457,767号明細書(プーン(Poon)ら)、米国特許第5,023,212号明細書(デュボツ(Dubots)ら)、米国特許第5,143,522号明細書(ギブソン(Gibson)ら)、および米国特許第5,336,280号明細書(デュボツ(Dubots)ら)、ならびに、各々2000年2月2日に出願された米国特許出願第09/495,978号明細書、米国特許出願第09/496,422号明細書、米国特許出願第09/496,638号明細書、および米国特許出願第09/496,713号明細書、ならびに、各々2000年7月19日に出願された米国特許出願第09/618,876号明細書、米国特許出願第09/618,879号明細書、米国特許出願第09/619,106号明細書、米国特許出願第09/619,191号明細書、米国特許出願第09/619,192号明細書、米国特許出願第09/619,215号明細書、米国特許出願第09/619,289号明細書、米国特許出願第09/619,563号明細書、米国特許出願第09/619,729号明細書、米国特許出願第09/619,744号明細書、および米国特許出願第09/620,262号明細書、2000年11月2日に出願された米国特許出願第09/704,843号明細書、ならびに、2001年1月30日に出願された米国特許出願第09/772,730号明細書に見出すことができる。セラミック研磨粒子に関する付加的な詳細は、たとえば、2001年8月2日に出願され、現在放棄された米国特許出願第09/922,526号明細書、米国特許出願第09/922,527号明細書、米国特許出願第09/922,528号明細書、および米国特許出願第09/922,530号明細書、各々2002年8月2日に出願された米国特許出願第10/211,597号明細書、米国特許出願第10/211,638号明細書、米国特許出願第10/211,629号明細書、米国特許出願第10/211,598号明細書、米国特許出願第10/211,630号明細書、米国特許出願第10/211,639号明細書、米国特許出願第10/211,034号明細書、米国特許出願第10/211,044号明細書、米国特許出願第10/211,628号明細書、米国特許出願第10/211,491号明細書、米国特許出願第10/211,640号明細書、および米国特許出願第10/211,684号明細書、ならびに、米国特許出願第10/358,910号明細書、米国特許出願第10/358,708号明細書、米国特許出願第10/358,772号明細書、および米国特許出願第10/358,765号明細書に見出すことができる。いくつかの場合、研磨粒子のブレンドが、いずれかのタイプの研磨粒子100%を含む研磨物品と比較して、向上した研削性能を示す研磨物品をもたらすことができる。
【0124】
研磨粒子のブレンドがある場合、ブレンドを形成する研磨粒子タイプは、同じサイズのものであってもよい。あるいは、研磨粒子タイプは、異なった粒度のものであってもよい。たとえば、より大きいサイズの研磨粒子が、本発明による研磨粒子であり、より小さいサイズの粒子が、別の研磨粒子タイプであってもよい。逆に、たとえば、より小さいサイズの研磨粒子が、本発明による研磨粒子であり、より大きいサイズの粒子が、別の研磨粒子タイプであってもよい。
【0125】
適切な希釈粒子の例としては、大理石、石膏、フリント、シリカ、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、ガラス(ガラスバブルおよびガラスビーズを含む)、アルミナバブル、アルミナビーズ、および希釈凝集体が挙げられる。本発明による研磨粒子を、また、研磨凝集体中にまたは研磨凝集体と組合せることができる。研磨凝集体粒子は、典型的には、複数の研磨粒子と、バインダーと、任意の添加剤とを含む。バインダーは、有機および/または無機であってもよい。研磨凝集体は、ランダムな形状であってもよいし、それらと関連する所定の形状を有してもよい。形状は、ブロック、円筒、角錐、コイン、正方形などであってもよい。研磨凝集体粒子は、典型的には、粒度が、約100から約5000マイクロメートル、典型的には約250から約2500マイクロメートルである。研磨凝集体粒子に関する付加的な詳細は、たとえば、米国特許第4,311,489号明細書(クレスナー(Kressner))、米国特許第4,652,275号明細書(ブローシャー(Bloecher)ら)、米国特許第4,799,939号明細書(ブローシャー(Bloecher)ら)、米国特許第5,549,962号明細書(ホームズ(Holmes)ら)、および米国特許第5,975,988号明細書(クリスチャンソン(Christianson))、ならびに、2000年10月16日に出願された米国特許出願第09/688,444号明細書および米国特許出願第09/688,484号明細書、2000年10月16日に出願された米国特許出願第09/688,444号明細書、米国特許出願第09/688,484号明細書、米国特許出願第09/688,486号明細書、ならびに、2001年10月5日に出願された米国特許出願第09/971,899号明細書、米国特許出願第09/972,315号明細書、および米国特許出願第09/972,316号明細書に見出されるであろう。
【0126】
研磨粒子は、研磨物品中に均一に分配してもよいし、研磨物品の選択された領域または部分に集中させてもよい。たとえば、被覆研磨材において、研磨粒子の2つの層があってもよい。第1の層は、本発明による研磨粒子以外の研磨粒子を含み、第2の(最も外側の)層は、本発明による研磨粒子を含む。同様に、結合研磨材において、研削ホイールの2つの別個のセクションがあってもよい。最も外側のセクションは、本発明による研磨粒子を含んでもよく、最も内側のセクションは、本発明による研磨粒子を含まない。あるいは、本発明による研磨粒子を、結合研磨物品全体にわたって均一に分配してもよい。
【0127】
被覆研磨物品に関するさらなる詳細は、たとえば、米国特許第4,734,104号明細書(ブロバーグ(Broberg))、米国特許第4,737,163号明細書(ラーキー(Larkey))、米国特許第5,203,884号明細書(ブキャナン(Buchanan)ら)、米国特許第5,152,917号明細書(パイパー(Pieper)ら)、米国特許第5,378,251号明細書(カラー(Culler)ら)、米国特許第5,417,726号明細書(スタウト(Stout)ら)、米国特許第5,436,063号明細書(フォレット(Follett)ら)、米国特許第5,496,386号明細書(ブロバーグ(Broberg)ら)、米国特許第5,609,706号明細書(ベネディクト(Benedict)ら)、米国特許第5,520,711号明細書(ヘルミン(Helmin))、米国特許第5,954,844号明細書(ロー(Law)ら)、米国特許第5,961,674号明細書(ガグリアルディ(Gagliardi)ら)、および米国特許第5,975,988号明細書(クリスチャンソン(Christianson))に見出すことができる。結合研磨物品に関するさらなる詳細は、たとえば、米国特許第4,543,107号明細書(ルー(Rue))、米国特許第4,741,743号明細書(ナラーヤナン(Narayanan)ら)、米国特許第4,800,685号明細書(ヘインズ(Haynes)ら)、米国特許第4,898,597号明細書(ヘイ(Hay)ら)、米国特許第4,997,461号明細書(マーコフ−マセニー(Markhoff−Matheny)ら)、米国特許第5,037,453号明細書(ナラーヤナン(Narayanan)ら)、米国特許第5,110,332号明細書(ナラーヤナン(Narayanan)ら)、および米国特許第5,863,308号明細書(キ(Qi)ら)に見出すことができる。ガラス質結合研磨材に関するさらなる詳細は、たとえば、米国特許第4,543,107号明細書(ルー(Rue))、米国特許第4,898,597号明細書(ヘイ(Hay)ら)、米国特許第4,997,461号明細書(マーコフ−マセニー(Markhoff−Matheny)ら)、米国特許第5,094,672号明細書(ジャイルズ・ジュニア(Giles Jr.)ら)、米国特許第5,118,326号明細書(シェルドン(Sheldon)ら)、米国特許第5,131,926号明細書(シェルドン(Sheldon)ら)、米国特許第5,203,886号明細書(シェルドン(Sheldon)ら)、米国特許第5,282,875号明細書(ウッド(Wood)ら)、米国特許第5,738,696号明細書(ウー(Wu)ら)、および米国特許第5,863,308号明細書(キ(Qi))に見出すことができる。不織研磨物品に関するさらなる詳細は、たとえば、米国特許第2,958,593号明細書(フーバー(Hoover)ら)に見出すことができる。
【0128】
本発明は、表面を研磨する方法であって、本発明による少なくとも1つの研磨粒子を、ワークピースの表面と接触させる工程と、研磨粒子または接触表面の少なくとも一方を移動させて、前記表面の少なくとも一部を研磨粒子で研磨する工程とを含む方法を提供する。本発明による研磨粒子で研磨するための方法は、スナッギング(すなわち、高圧高ストック除去)からポリッシング(たとえば、医療用インプラントを被覆研磨ベルトでポリッシングすること)に及び、後者は、典型的には、より細かいグレード(たとえば、ANSI220およびより細かい)の研磨粒子で行われる。研磨粒子を、また、カムシャフトをガラス化結合ホイールで研削するなどの精密研磨用途に使用してもよい。特定の研磨用途に使用される研磨粒子のサイズは、当業者には明らかであろう。
【0129】
本発明による研磨粒子での研磨を、乾式または湿式で行ってもよい。湿式研磨の場合、液体を軽いミストの形態で導入供給して、フラッド(flood)を完成させてもよい。通常使用される液体の例としては、水、水溶性油、有機潤滑剤、およびエマルションが挙げられる。液体は、研磨と関連する熱を低減し、および/または潤滑剤として作用するのに役立ってもよい。液体は、殺菌剤、消泡剤などの添加剤を小量含有してもよい。
【0130】
本発明による研磨粒子は、たとえば、アルミニウム金属、炭素鋼、軟鋼、工具鋼、ステンレス鋼、硬化鋼、チタン、ガラス、セラミック、木材、木材状材料(たとえば、合板およびパーティクルボード)、塗料、塗装表面、有機コーティング表面などのワークピースを研磨するのに有用であろう。研磨の間に加えられる力は、典型的には、約1から約100キログラムである。
【0131】
本発明の利点および実施の形態を、次の実施例によって、さらに例示するが、これらの実施例に記載された特定の材料およびそれらの量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を不当に限定するように解釈されるべきではない。部およびパーセンテージはすべて、特に明記しない限り、重量による。特に明記しない限り、実施例はすべて、著しい量のSiO、B、P、GeO、TeO、As、およびVを含有しない。
【実施例】
【0132】
実施例1〜16
250mlのポリエチレンボトル(直径7.3cm)に、さまざまな粉末の50グラム混合物(表1(下記)の実施例ごとに規定されたように、表2(下記)に記載された原料源を用いる)、イソプロピルアルコール75グラム、およびアルミナミリングメディア(形状が円筒形、高さおよび直径の両方とも0.635cm、99.9%アルミナ、コロラド州ゴールデンのクアーズ(Coors, Golden CO)から得られる)200グラムを投入した。ポリエチレンボトルの中身を、60毎分回転数(rpm)で16時間ミリングした。ミリング後、ミリングメディアを除去し、スラリーを温かい(約75℃)ガラス(「パイレックス(PYREX)」)パン上に層に注ぎ、乾燥させ冷却させた。材料の比較的薄い層(すなわち、厚さ約3mm)および温かいパンによって、スラリーは、5分以内にケークを形成し、約30分で乾燥した。乾燥材料を、ペイントブラシの助けで、70メッシュのスクリーン(212マイクロメートルの開口部サイズ)を通してスクリーニングすることによって、粉砕した。
【0133】
表1





すなわち、Al金属がAlに変換されたときの酸化物の相対量
【0134】
表2

【0135】
結果として生じるスクリーニングされた粒子を、水素/酸素トーチ火炎中にゆっくり供給し(約0.5グラム/分)、これは、粒子を溶融し、連続的に循環する乱流水(20℃)の19リットル(5ガロン)の円筒形容器(直径30センチメートル(cm)×高さ34cm)内に直接搬送して、溶融小滴を急速に急冷した。トーチは、ペンシルバニア州ヘラータウンのベツレヘム・アパラタス・カンパニー(Bethlehem Apparatus Co., Hellertown, PA)から得られたベツレヘム(Bethlehem)ベンチバーナPM2DモデルBであった。トーチの水素流量および酸素流量は、次の通りであった。内側のリングの場合、水素流量は8標準毎分リットル(SLPM)であり、酸素流量は3.5SLPMであった。外側のリングの場合、水素流量は23SLPMであり、酸素流量は12SLPMであった。火炎が水にあたる角度は約45°であり、バーナから水表面までの火炎長さは約18センチメートル(cm)であった。結果として生じる(急冷された)ビーズを、パンに収集し、110℃で電気加熱炉内で、乾燥するまで乾燥させた(約30分)。ビーズは、形状が球状であり、サイズが数マイクロメートルから約250マイクロメートルまで変わり、透明(すなわち、非晶質)および/または不透明(すなわち、結晶質)であり、サンプル内で変わった。非晶質材料(ガラス質材料を含む)は、典型的には、結晶境界などの光散乱中心の欠如によって主として透明であり、結晶質粒子は、結晶境界の光散乱効果によって不透明である。示差熱分析(DTA)によって非晶質およびガラスであることが証明されるまで、透明な火炎形成ビーズは、非晶質のみであるとみなされた。
【0136】
パーセント非晶質収率を、結果として生じる火炎形成ビーズから、−100+120メッシュサイズのフラクション(すなわち、150マイクロメートルの開口部サイズから125マイクロメートルの開口部サイズのスクリーンで収集されたフラクション)を使用して計算した。測定は次のように行った。ビーズの1つの層をガラススライド上に広げた。ビーズを光学顕微鏡を使用して観察した。光学顕微鏡アイピースの十字線をガイドとして使用して、直線に沿って十字線と一致して水平にあるビーズを、それらの光学的透明性によって、非晶質または結晶質とカウントした。合計500のビーズをカウントし、パーセント非晶質収率を、非晶質ビーズの量をカウントされた全ビーズで割ったものによって定めた。
【0137】
相組成(ガラス質/非晶質/結晶質)を、示差熱分析(DTA)によって定めた。材料は、材料の対応するDTAトレースが発熱結晶化事象(T)を含んだ場合、非晶質として分類した。同じトレースが、また、Tより低い温度で吸熱事象(T)を含んだ場合、それは、ガラス相からなるとみなされた。材料のDTAトレースがそのような事象を含まなかった場合、それは、結晶質相を含有するとみなされた。
【0138】
次の方法を用いて、実施例9のビーズに対して示差熱分析(DTA)を行った。−140+170メッシュサイズのフラクション(すなわち、105マイクロメートルの開口部サイズから90マイクロメートルの開口部サイズのスクリーンで収集されたフラクション)を使用して、DTAランを行った(ドイツ、ゼルブのネッチュ・インストルメンツ(Netzsch Instruments, Selb, Germany)から商品名「ネッチュ(NETZSCH) STA 409 DTA/TGA」で得られる器具を使用して)。ある量の各スクリーニングされたサンプルを、100マイクロリットルAlサンプルホルダに配置した。各サンプルを、静止空気中で、10℃/分の速度で、室温(約25℃)から1100℃に加熱した。
【0139】
図4に示された、実施例12で準備されたビーズのDTAトレースは、トレースの曲線の下方への変化によって証明されるように、約876℃の温度で吸熱事象を示した。この事象は、ガラス材料のガラス転移(T)によったと考えられる。同じ材料は、トレースの鋭いピークによって証明されるように、約912℃の温度で発熱事象を示した。この事象は、材料の結晶化(T)によったと考えられる。したがって、材料は、ガラス質であることが定められた。
【0140】
DTAを、また、実施例2、6、8、9、および16に対して、実施例12について上述されたように行った。対応するガラス転移(T)温度およびガラス結晶化(T)温度は、下記表3に記載されている。
【0141】
表3

【0142】
実施例17〜20
実施例17〜20のビーズを、使用された原料の量および源が、それぞれ表4(下記)および表1(上記)に記載されている以外は、実施例1〜16について上述されたように準備した。パーセント非晶質収率を、結果として生じる火炎形成ビーズから、実施例1〜16について用いられた方法と同じ方法を用いて計算した。DTAを、実施例12について上述されたように行った。実施例17〜20のパーセント非晶質収率データおよびガラス転移(T)温度およびガラス結晶化(T)温度は、下記表4に記載されている。
【0143】
表4


すなわち、Al金属がAlに変換されたときの酸化物の相対量
【0144】
実施例17〜20で準備されたガラスビーズ約5グラムを、1250℃で15分間電気加熱炉内で熱処理することによって結晶化した。熱処理されたビーズは、光学顕微鏡を使用して観察されるように不透明であった(熱処理前、ビーズは透明であった)。熱処理されたビーズの不透明性は、ガラスの少なくとも一部の結晶化の結果であると考えられる。ガラス質材料は、典型的には、結晶境界などの光散乱中心の欠如によって主として透明であり、結晶質材料は、結晶境界の光散乱効果によって不透明である。
【0145】
結晶化ビーズを、直径約2.5cmおよび高さ約1.9cmの樹脂の円筒の取付け樹脂(イリノイ州レイク・ブラフのビューラー(Buehler, Lake Bluff, IL)から商品名「トランスオプティック・パウダー(TRANSOPTIC POWDER)」で得られる)に取付けた。取付けられたセクションを、ポリッシャ(イリノイ州レイク・ブラフのビューラーから商品名「エコメット(ECOMET)3」で得られる)を使用して従来のポリッシング技術を用いて準備した。サンプルを約3分間ダイヤモンドホイールでポリッシングし、その後、45、30、15、9、3、および1マイクロメートルのスラリーの各々での5分のポリッシングが続いた。微小硬度測定は、100グラムの押込み荷重を用いてビッカース圧子が取付けられた従来の微小硬度テスタ(日本、東京の株式会社ミツトヨ(Mitutoyo Corporation, Tokyo, Japan)から商品名「ミツトヨ(MITUTOYO)MVK−VL」で得られる)を使用して行う。微小硬度測定は、ASTMテスト方法E384 材料の微小硬度のテスト方法(Test Methods for Microhardness of Materials)(1991)に記載されたガイドラインに従って行う。サンプルごとに10測定の平均に基いた、実施例17、19、および20の平均硬度は、下記表5に報告されている。
【0146】
表5

【0147】
硬度測定に使用された取付けられポリッシングされたサンプルを、金−パラジウムの薄い層でスパッタリングし、走査型電子顕微鏡法(マサチューセッツ州ピーボディー(Peabody, MA)のJEOLからのモデルJSM 840A)を用いて見た。平均粒度は、ASTM規格E 112−96「平均粒度を定めるための標準テスト方法(Standard Test Methods for Determining Average Grain Size)」に従う線分(line intercept)法によって定めた。サンプルに見出された微細構造の典型的な後方散乱電子(BSE)デジタル顕微鏡写真を使用して、次のように平均粒度を定めた。デジタル顕微鏡写真を横切って描かれたランダムな線の単位長さ(N)あたり交差する粒の数をカウントした。次に、平均微結晶サイズを、この数から次の式を用いて定めた。
【数2】

ここで、Nは単位長さあたり交差した微結晶の数であり、Mはデジタル顕微鏡写真の倍率である。実施例17のBSEデジタル顕微鏡写真が、図5に示されている。実施例17、19、および20の各々の測定された平均微結晶サイズは、上記表5に記載されている。
【0148】
実施例17のガラスビーズ約25グラムを、別個の黒鉛ダイ内に配置し、一軸加圧装置(カリフォルニア州ブレアのサーマル・テクノロジー・インコーポレイテッド(Thermal Technology Inc., Brea, CA)の商品名「HP−50」で得られる)を使用してホットプレスした。ホットプレスを、窒素雰囲気および74.2メガパスカル(MPa)(1平方インチあたり10,700ポンド)の圧力において行った。ホットプレス炉を25℃/分で970℃に上昇させた。直径約32ミリメートル(mm)および厚さ6mmの、結果として生じる透明なディスクを、「チップマンク(Chipmunk)」ジョークラッシャ(カリフォルニア州バーバンクのビコ・インコーポレイテッド(BICO Inc., Burbank, CA)によって製造されたタイプVD)を使用することによって、破砕して粒子にし、−30+35フラクション(すなわち、600マイクロメートルの開口部サイズから500マイクロメートルの開口部サイズのスクリーンで収集されたフラクション)および−35+40メッシュのフラクション(すなわち、500マイクロメートルの開口部サイズおよび425マイクロメートルの開口部サイズのスクリーンで収集されたフラクション)を維持するように分級した。
【0149】
破砕および分級された粒子を、1200℃で20分間電気加熱炉内で熱処理することによって結晶化した。熱処理から生じる研磨粒子は、光学顕微鏡を使用して観察されるように不透明であった(熱処理前、粒子は透明であった)。熱処理された研磨粒子の不透明性は、ガラスの少なくとも一部の結晶化の結果であると考えられる。
【0150】
本発明のさまざまな修正および変更が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。また、本発明は、ここに記載された例示的な実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明による研磨粒子を含む被覆研磨物品の部分断面概略図である。
【図2】本発明による研磨粒子を含む結合研磨物品の斜視図である。
【図3】本発明による研磨粒子を含む不織研磨物品の拡大概略図である。
【図4】実施例12で準備された材料のDTAである。
【図5】実施例17で準備された材料のポリッシングされたセクションの後方散乱電子デジタル顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスであって、前記ガラスの総重量を基準にして、前記ガラスの少なくとも70重量パーセントが、合計で、前記Alと、前記Laと、前記Yと、前記MgOとを含み、前記Al、La、Y、およびMgOの合計重量の少なくとも70重量パーセントが、Alである、ガラス。
【請求項2】
前記ガラスが、前記ガラスの総重量を基準にして、合計で30重量パーセント以下のSiO、B、およびPを含む、請求項1に記載のガラス。
【請求項3】
前記ガラスが、前記ガラスの総重量を基準にして、10重量パーセント以下のSiOと、10重量パーセント以下のBとを含む、請求項1に記載のガラス。
【請求項4】
前記ガラスが、前記ガラスの総重量を基準にして、10重量パーセントまでの量でSiOを含む、請求項1に記載のガラス。
【請求項5】
請求項1に記載のガラスを含むセラミック。
【請求項6】
ガラスセラミックであって、前記ガラスセラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、前記ガラスセラミックの総重量を基準にして、前記ガラスセラミックの少なくとも70重量パーセントが、合計で、前記Alと、前記Laと、前記Yと、前記MgOとを含み、前記Al、La、Y、およびMgOの合計重量の少なくとも70重量パーセントが、Alである、ガラスセラミック。
【請求項7】
前記ガラスセラミックが、前記ガラスセラミックの総重量を基準にして、合計で30重量パーセント以下のSiO、B、およびPを含む、請求項6に記載のガラスセラミック。
【請求項8】
前記ガラスセラミックが、前記ガラスセラミックの総重量を基準にして、10重量パーセント以下のSiOと、10重量パーセント以下のBとを含む、請求項6に記載のガラスセラミック。
【請求項9】
前記ガラスセラミックが、前記ガラスセラミックの総重量を基準にして、10重量パーセントまでの量でSiOを含む、請求項6に記載のガラスセラミック。
【請求項10】
請求項6に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項11】
研磨粒子であって、前記研磨粒子の総重量を基準にして、少なくとも80重量パーセントの請求項6に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項12】
規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、前記複数の研磨粒子の少なくとも一部が、請求項11に記載の研磨粒子である、複数の研磨粒子。
【請求項13】
バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品であって、前記研磨粒子の少なくとも一部が、請求項11に記載の研磨粒子である、研磨物品。
【請求項14】
前記研磨物品が、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品である、請求項13に記載の研磨物品。
【請求項15】
Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスセラミックであって、前記セラミックが、(a)平均微結晶サイズが1マイクロメートル未満の微結晶を含む微細構造を示し、(b)共晶微細構造特徴がなく、前記Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する、ガラスセラミック。
【請求項16】
請求項15に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項17】
研磨粒子であって、前記研磨粒子の総重量を基準にして、少なくとも80重量パーセントの請求項15に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項18】
規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、前記複数の研磨粒子の少なくとも一部が、請求項17に記載の研磨粒子である、複数の研磨粒子。
【請求項19】
バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品であって、前記研磨粒子の少なくとも一部が、請求項17に記載の研磨粒子である、研磨物品。
【請求項20】
前記研磨物品が、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品である、請求項19に記載の研磨物品。
【請求項21】
Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスセラミックであって、前記ガラスセラミックが、(a)平均微結晶サイズが200ナノメートル未満の微結晶を含む微細構造を示し、(b)密度が理論密度の少なくとも90%であり、前記Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する、ガラスセラミック。
【請求項22】
請求項21に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項23】
研磨粒子であって、前記研磨粒子の総重量を基準にして、少なくとも80重量パーセントの請求項21に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項24】
規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、前記複数の研磨粒子の少なくとも一部が、請求項23に記載の研磨粒子である、複数の研磨粒子。
【請求項25】
バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品であって、前記研磨粒子の少なくとも一部が、請求項23に記載の研磨粒子である、研磨物品。
【請求項26】
前記研磨物品が、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品である、請求項25に記載の研磨物品。
【請求項27】
Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスセラミックであって、前記ガラスセラミックが、(a)微結晶を含む微細構造を示し、前記微結晶のいずれもサイズが200ナノメートルを超えず、(b)密度が理論密度の少なくとも90%であり、前記Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する、ガラスセラミック。
【請求項28】
請求項27に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項29】
研磨粒子であって、前記研磨粒子の総重量を基準にして、少なくとも80重量パーセントの請求項27に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項30】
規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、前記複数の研磨粒子の少なくとも一部が、請求項29に記載の研磨粒子である、複数の研磨粒子。
【請求項31】
バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品であって、前記研磨粒子の少なくとも一部が、請求項29に記載の研磨粒子である、研磨物品。
【請求項32】
前記研磨物品が、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品である、請求項31に記載の研磨物品。
【請求項33】
Alと、Laと、Yと、MgOとを含むガラスセラミックであって、前記ガラスセラミックが、(a)微結晶を含む微細構造を示し、前記微結晶の少なくとも一部がサイズが150ナノメートル以下であり、(b)密度が理論密度の少なくとも90%であり、前記Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する、ガラスセラミック。
【請求項34】
請求項33に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項35】
研磨粒子であって、前記研磨粒子の総重量を基準にして、少なくとも80重量パーセントの請求項33に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項36】
規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、前記複数の研磨粒子の少なくとも一部が、請求項35に記載の研磨粒子である、複数の研磨粒子。
【請求項37】
バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品であって、前記研磨粒子の少なくとも一部が、請求項35に記載の研磨粒子である、研磨物品。
【請求項38】
前記研磨物品が、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品である、請求項37に記載の研磨物品。
【請求項39】
少なくとも75体積パーセントの結晶質セラミックを含むセラミックであって、前記結晶質セラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、前記セラミックが、(a)平均微結晶サイズが200ナノメートル未満の微結晶を含む微細構造を示し、(b)密度が理論密度の少なくとも90%であり、前記Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する、セラミック。
【請求項40】
請求項39に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項41】
規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、前記複数の研磨粒子の少なくとも一部が、請求項40に記載の研磨粒子である、複数の研磨粒子。
【請求項42】
バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品であって、前記研磨粒子の少なくとも一部が、請求項40に記載の研磨粒子である、研磨物品。
【請求項43】
前記研磨物品が、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品である、請求項42に記載の研磨物品。
【請求項44】
少なくとも75体積パーセントの結晶質セラミックを含むセラミックであって、前記結晶質セラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、前記セラミックが、(a)微結晶を含む微細構造を示し、前記微結晶のいずれもサイズが200ナノメートルを超えず、(b)密度が理論密度の少なくとも90%であり、前記Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する、セラミック。
【請求項45】
請求項44に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項46】
規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、前記複数の研磨粒子の少なくとも一部が、請求項45に記載の研磨粒子である、複数の研磨粒子。
【請求項47】
バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品であって、前記研磨粒子の少なくとも一部が、請求項45に記載の研磨粒子である、研磨物品。
【請求項48】
前記研磨物品が、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品である、請求項47に記載の研磨物品。
【請求項49】
少なくとも75体積パーセントの結晶質セラミックを含むセラミックであって、前記結晶質セラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、前記セラミックが、(a)微結晶を含む微細構造を示し、前記微結晶の少なくとも一部がサイズが150ナノメートル以下であり、(b)密度が理論密度の少なくとも90%であり、前記Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する、セラミック。
【請求項50】
請求項49に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項51】
規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、前記複数の研磨粒子の少なくとも一部が、請求項50に記載の研磨粒子である、複数の研磨粒子。
【請求項52】
バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品であって、前記研磨粒子の少なくとも一部が、請求項50に記載の研磨粒子である、研磨物品。
【請求項53】
前記研磨物品が、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品である、請求項52に記載の研磨物品。
【請求項54】
少なくとも75体積パーセントの結晶質セラミックを含むセラミックであって、前記結晶質セラミックが、Alと、Laと、Yと、MgOとを含み、前記セラミックが、(a)サイズが200ナノメートル以下の平均微結晶サイズを有する微結晶を含む微細構造を示し、(b)密度が理論密度の少なくとも90%であり、前記Yの少なくとも一部が、別個の結晶質相として存在する、セラミック。
【請求項55】
請求項54に記載のガラスセラミックを含む研磨粒子。
【請求項56】
規定された公称グレードを有する複数の研磨粒子であって、前記複数の研磨粒子の少なくとも一部が、請求項55に記載の研磨粒子である、複数の研磨粒子。
【請求項57】
バインダーと、複数の研磨粒子とを含む研磨物品であって、前記研磨粒子の少なくとも一部が、請求項55に記載の研磨粒子である、研磨物品。
【請求項58】
前記研磨物品が、結合研磨物品、不織研磨物品、または被覆研磨物品である、請求項57に記載の研磨物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−514910(P2006−514910A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568335(P2004−568335)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2003/040395
【国際公開番号】WO2004/071990
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
パイレックス
PYREX
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】